説明

画像形成装置

【課題】帯電器が像保持体から接離する場合において、像保持体の表面を帯電させる際の像保持体に対する帯電器の位置精度を向上させることができる画像形成装置を得る。
【解決手段】帯電器100が帯電位置に配置された状態では、ねじりコイルバネの付勢力により夫々の突出部107が支持部材149に設けられた位置基準部150に押し付けられるようになっている。このため、帯電器100が像保持体62から接離する場合において、像保持体62の表面を帯電させる際の像保持体62に対する帯電器100の位置精度を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置着に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、帯電器を像保持体に対して接離させるソレノイドが記載されている。
【0003】
詳細には、帯電器の背面(像保持体側とは反対側の面)に、接離方向に延びるソレノイドの一端が固定されており、このソレノイドを稼働させることで、帯電器を像保持体に対して接離させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−267973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、帯電器が像保持体から接離する場合において、像保持体の表面を帯電させる際の像保持体に対する帯電器の位置精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、回転可能に支持されて表面に静電潜像が形成される像保持体に対向すると共に、前記像保持体の回転軸方向に延びる放電電極を備え、前記放電電極に電圧を印加して前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、前記帯電器を前記像保持体の表面に接近させて前記像保持体の表面を帯電させる帯電位置と、前記像保持体の表面から離間して退避させる退避位置とに接離させる接離手段と、前記帯電器及び前記像保持体の少なくとも一方に設けられ、他方に設けられた位置基準部に向けて突出する突出部と、前記帯電器が帯電位置に移動した状態で、前記突出部を前記位置基準部に押し付けるように付勢する付勢部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記接離手段は、前記帯電器を支持すると共に、駆動源から駆動力が伝達されて、前記像保持体の表面から接離する接離方向に移動する支持部材と、前記帯電器が前記支持部材に支持されるように前記帯電器に設けられ、前記付勢部材の付勢力により前記支持部材に押し付けられ、前記支持部材の接離方向の移動によって接離方向に移動する当接部材と、を備え、前記帯電器が前記帯電位置に配置されて、前記付勢部材の付勢力により前記突出部が前記位置基準部に押し付けられた状態では、前記当接部材と前記支持部材とが前記接離方向に離間するように、前記突出部、前記当接部材及び前記支持部材の形状が決められることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は請求項2に記載において、前記付勢部材は、ねじりコイルバネであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1の画像形成装置によれば、一方に設けられた突出部を他方に設けられた位置基準部に押し付けて像保持体に対する帯電器の位置決めをしない場合と比して、帯電器が像保持体から接離する場合において、像保持体の表面を帯電させる際の像保持体に対する帯電器の位置精度を向上させることができる。
【0010】
本発明の請求項2の画像形成装置によれば、付勢部材の付勢力により当接部材が支持部材に押し付けられない場合と比して、接離方向に移動中の帯電器がガタツクのを抑制することができる。
【0011】
本発明の請求項3の画像形成装置によれば、付勢部材にねじりコイルバネを用いない場合と比して、簡易な構成で突出部を位置基準部に押し付けるように付勢することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した拡大斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した拡大斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した拡大斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した拡大斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられる帯電器を示した拡大斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられる帯電器を示した斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられる帯電器を示した拡大斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられる帯電器を示した拡大斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられる帯電器を示した拡大斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられる帯電器を示した拡大斜視図である。
【図15】(A)(B)本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられる帯電器の清掃部材を示した構成図である。
【図16】本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられる装置本体を示した拡大斜視図である。
【図17】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した拡大斜視図である。
【図18】本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられる装置本体を示した拡大斜視図である。
【図19】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した拡大斜視図である。
【図20】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した拡大斜視図である。
【図21】本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられるレール部材を示した斜視図である。
【図22】本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられるレール部材を示した斜視図である。
【図23】本発明の実施形態に係る帯電装置に用いられる帯電器を示した斜視図である。
【図24】本発明の実施形態に係る帯電装置を示した斜視図である。
【図25】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電装置及び像保持体を示した斜視図である。
【図26】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電装置及び像保持体を示した斜視図である。
【図27】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電装置及び像保持体等を示した構成図である。
【図28】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられる帯電装置及び像保持体等を示した構成図である。
【図29】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係る帯電装置及び画像形成装置の一例について図1〜図29に従って説明する。
【0014】
(全体構成)
図29に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置10は、上下方向(矢印V方向)の下側から上側へ向けて、記録媒体としてのシート部材Pが収容される収容部12と、収容部12の上に設けられ収容部12から供給されるシート部材Pに画像形成を行う画像形成部14と、画像形成部14の上に設けられ読取原稿Gを読み取る原稿読取部16と、画像形成部14内に設けられ画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、を含んで構成されている。
【0015】
なお、以後の説明では、画像形成装置10の装置本体10Aの上下方向(図29に示す矢印V方向)を単に上下方向と、水平方向(図29に示す矢印H方向)を単に水平方向と、奥行方向(図29に示す矢印D方向)を単に奥行方向と記載する。
【0016】
収容部12には、サイズの異なるシート部材Pが収容される第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26が設けられている。さらに、第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26には、収容されたシート部材Pを画像形成装置10内に設けられた搬送路28に送り出す送り出しロール32が設けられている。
【0017】
そして、搬送路28において送り出しロール32に対してシート部材Pの搬送方向の下流側(以下単に搬送方向下流側と言う)には、シート部材Pを一枚ずつ搬送する搬送ロール34及び搬送ロール36がそれぞれ設けられている。また、搬送路28において搬送ロール36に対して搬送方向下流側には、シート部材Pを一端停止させるとともに、決められたタイミングでシート部材Pを後述する二次転写位置へ送り出す位置合せロール38が設けられている。
【0018】
さらに、画像形成部14の下側に設けられた搬送路28の下流側部分は、画像形成装置10の正面視において、画像形成部14の左側下部から画像形成部14の右側面に設けられた排紙部15まで設けられている。また、搬送路28には、シート部材Pの両面に画像形成を行うためにシート部材Pが搬送及び反転される両面搬送路29が接続されている。
【0019】
この両面搬送路29は、画像形成装置10の正面視において、搬送路28と両面搬送路29の切り替えが行われる第1切替部材31と、画像形成部14の右側下部から収容部12の右側まで上下方向に直線状に設けられた反転部33と、反転部33に搬送されたシート部材Pの後端が進入するとともに水平方向に搬送される搬送部37と、反転部33と搬送部37の切り替えが行われる第2切替部材35と、を有している。そして、反転部33には搬送ロール42が間隔をあけて複数箇所に設けられており、搬送部37には搬送ロール44が間隔をあけて複数箇所に設けられている。
【0020】
この第1切替部材31は断面三角柱状の部材であり、図示しない駆動手段によって先端部が搬送路28又は両面搬送路29のいずれか一方に移動されることで、シート部材Pの搬送方向を切り替えるようになっている。同様に、第2切替部材35は断面三角柱状の部材であり、図示しない駆動手段によって先端部が反転部33又は搬送部37のいずれか一方に移動されることで、シート部材Pの搬送方向を切り替えるようになっている。
【0021】
なお、搬送部37における搬送方向下流側の端部は、搬送路28に図示しない案内部材により接続されている。また、画像形成部14の左側の壁面には、折り畳み式の手差給紙部46が設けられており、手差給紙部46から搬送路28の位置合せロール38の手前までが接続されている。
【0022】
一方、画像形成装置10の上側に設けられた原稿読取部16には、読取原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置52と、原稿搬送装置52の下側に配置され1枚の読取原稿Gが載せられるプラテンガラス54と、原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置56とが設けられている。
【0023】
この原稿搬送装置52は、搬送ロール53が複数配置された自動搬送路55を有しており、自動搬送路55の一部はシート部材Pがプラテンガラス54上を通るように配置されている。また、原稿読取装置56は、プラテンガラス54の左端部に静止した状態で原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿Gを読み取り、又は水平方向に移動しながらプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取るようになっている。
【0024】
さらに、原稿読取部16の下側に設けられた画像形成部14は、画像形成装置10の装置本体10Aの中央にトナー画像が表面に形成されて保持する円筒状の像保持体62が設けられている。像保持体62は、図示しない駆動手段によって矢印+R方向(図示の時計回り方向)に回転すると共に、光照射によって形成される静電潜像を保持するようになっている。また、像保持体62の上方で且つ像保持体62の表面と対向する位置には、像保持体62の表面を帯電するスコロトロン方式の帯電装置64が設けられている。なお、この帯電装置64については、詳細を後述する。
【0025】
さらに、像保持体62の回転方向における帯電装置64よりも下流側でかつ像保持体62の表面と対向する位置には、露光装置66が設けられている。露光装置66は、LED(Light Emitting Diode)で構成されており、帯電装置64により帯電した像保持体62の表面に各トナー色に対応した画像信号に基づき、光を照射(露光)して静電潜像を形成するようになっている。なお、露光装置66はLED方式に限らず、例えば、レーザ光をポリゴンミラーで走査するものであってもよい。
【0026】
また、像保持体62の回転方向で露光装置66の露光光が照射される部位よりも下流側には、像保持体62の表面に形成された静電潜像を決められた色のトナーで現像して可視化させる回転切り替え式の現像装置70が設けられている。
【0027】
図28に示されるように、現像装置70は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナー色にそれぞれ対応する現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fが、周方向に(反時計回り方向にこの順番で)並んで配置されている。そして、回転手段であるモータ(図示省略)によって中心角で60°ずつ回転することで、現像処理を行う現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fが切り替えられ、像保持体62の表面と対向するようになっている。なお、現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fは同様の構成となっているため、ここでは現像器72Yについて説明し、他の現像器72M、72C、72K、72E、72Fについては説明を省略する。
【0028】
現像器72Yは、本体となるケース部材76を有しており、ケース部材76内にトナーカートリッジ78Y(図29参照)からトナー供給路(図示省略)を経由して供給されるトナー及びキャリアから成る現像剤(図示省略)が充填されている。また、ケース部材76には、像保持体62の表面と対向して矩形状の開口部76Aが形成されており、開口部76Aには、表面が像保持体62の表面と対向する現像ロール74が設けられている。さらに、ケース部材76内で開口部76Aに近い部位には、現像剤の層厚を規制するための板状の規制部材79が、開口部76Aの長手方向に沿って設けられている。
【0029】
現像ロール74は、回転可能に設けられた円筒状の現像スリーブ74Aと、現像スリーブ74Aの内側に固定された複数の磁極から成る磁性部材74Bとで構成されており、現像スリーブ74Aが回転することで現像剤(キャリア)の磁気ブラシが形成されると共に、規制部材79で層厚が規制されることで、現像スリーブ74Aの表面に現像剤層を形成するようになっている。そして、現像スリーブ74Aの表面の現像剤層は、像保持体62に対向する位置に搬送され、像保持体62の表面に形成された潜像(静電潜像)に応じたトナーを付着させて現像を行う。
【0030】
また、ケース部材76内には、螺旋状に形成された搬送オーガ77が2本回転可能に並列配置されており、この2本の搬送オーガ77が回転することで、ケース部材76内に充填された現像剤が、現像ロール74の軸方向(現像器72Yの長手方向)に循環搬送されるようになっている。なお、各現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fに設けられた6本の現像ロール74は、隣の現像ロール74との間隔が中心角60°となるように周方向に配置されており、現像器72の切り替えにより、次の現像ロール74が像保持体62の表面と対向するようになっている。
【0031】
さらに、像保持体62の回転方向で現像装置70よりも下流側であり、かつ像保持体62の下側には、像保持体62の表面に形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト68が設けられている。この中間転写ベルト68は、無端状であり、制御部20により回転駆動される駆動ロール61、中間転写ベルト68に張力を付与するための張力付与ロール63、中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する複数の搬送ロール65、及び中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する補助ロール69に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト68は、駆動ロール61が回転することにより、矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に周回移動するようになっている。
【0032】
また、中間転写ベルト68を挟んで像保持体62の反対側には、像保持体62の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写させる一次転写ロール67が設けられている。一次転写ロール67は、像保持体62と中間転写ベルト68とが接触する位置から中間転写ベルト68の移動方向下流側に離れた位置で、中間転写ベルト68の裏面に接触している。そして、一次転写ロール67は、図示しない電源から通電されることにより、接地されている像保持体62との電位差で像保持体62のトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写するようになっている。
【0033】
さらに、中間転写ベルト68を挟んで補助ロール69の反対側には、中間転写ベルト68上に一次転写されたトナー画像をシート部材Pに二次転写させる二次転写ロール71が設けられており、二次転写ロール71と補助ロール69との間がシート部材Pへトナー画像を転写する二次転写位置とされている。二次転写ロール71は、中間転写ベルト68の表面に接触している。そして、二次転写ロール71は接地されており、図示しない電源から軸にバイアス印加された補助ロール69と、接地された二次転写ロール71との電位差で、中間転写ベルト68のトナー画像をシート部材Pに二次転写するようになっている。
【0034】
また、中間転写ベルト68を挟んで駆動ロール61の反対側には、中間転写ベルト68の二次転写後の残留トナーを掻き落とすブレード90Aを備えたクリーニング装置90が設けられている。
【0035】
さらに、中間転写ベルト68の周囲で張力付与ロール63と対向する位置には、中間転写ベルト68の表面に付されたマーク(図示省略)を検知することで中間転写ベルト68上の予め定めた基準位置を検出し、画像形成処理の開始タイミングの基準となる位置検出信号を出力する位置検出センサ83が設けられている。
【0036】
また、像保持体62の回転方向で一次転写ロール67よりも下流側には、像保持体62の表面の帯電電位をマイナス側に帯電させて調整するコロトロン式の調整帯電器86が設けられている。さらに、像保持体62の回転方向で調整帯電器86よりも下流側には、中間転写ベルト68に一次転写されずに像保持体62の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置73が設けられている。
【0037】
また、像保持体62の回転方向でクリーニング装置73の下流側(帯電装置64よりも上流側)には、像保持体62の表面に光を照射して除電を行う除電装置75が設けられている。
【0038】
一方、図29に示されるように、二次転写ロール71によるトナー画像の二次転写位置は、前述の搬送路28の途中に設定されている。そして、搬送路28におけるシート部材Pの搬送方向(矢印Aで図示)で二次転写ロール71よりも下流側には、二次転写ロール71によってトナー画像が転写されたシート部材Pにトナー画像を定着させる定着装置80が設けられている。
【0039】
定着装置80は、シート部材Pのトナー画像面側(上側)に配置され、通電により発熱する熱源を有する加熱ロール82と、加熱ロール82の下側に配置されシート部材Pを加熱ロール82の表面に向けて加圧する加圧ロール84とで構成されている。なお、搬送路28におけるシート部材Pの搬送方向で定着装置80よりも下流側には、排紙部15又は反転部33へ向けてシート部材Pを搬送する搬送ロール39が設けられている。
【0040】
一方、原稿読取装置56の下側で現像装置70よりも上側には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナーを収容するトナーカートリッジ78Y、78M、78C、78K、78E、78Fが水平方向に並んで交換可能に設けられている。
【0041】
第1特別色E及び第2特別色Fは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の特別色(透明を含む)から選択され、または、選択されないようになっている。そして、現像装置70では、第1特別色E及び第2特別色Fが選択された場合はY、M、C、K、E、Fの6色での画像形成を行い、第1特別色E及び第2特別色Fが選択されない場合はY、M、C、Kの4色での画像形成を行うようになっている。なお、本実施形態では、一例として、Y、M、C、Kの4色で画像形成を行い、第1特別色E及び第2特別色Fを未使用とした場合について説明するが、他の例として、Y、M、C、Kの4色と第1特別色E又は第2特別色Fを用いて5色で画像形成を行ってもよい。
【0042】
以上の構成により、図29に示されるように、画像形成装置10を作動させると、画像処理装置(図示省略)又は外部から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像データが露光装置66に順次出力される。このとき、一例として、現像装置70は、現像器72Y(図28参照)が像保持体62の表面と対向するように回転し保持されている。また、クリーニング装置90のブレード90A及び二次転写ロール71は、各色のトナー画像が中間転写ベルト68に多重(一次)転写されるまで、中間転写ベルト68の表面から離されている。
【0043】
続いて、露光装置66から画像データに応じて出射された光は、帯電装置64により帯電された像保持体62の表面を露光する。そして、例えば、像保持体62の表面にはイエローの画像データに対応した静電潜像が形成される。さらに、像保持体62の表面に形成された静電潜像は、現像器72Yによってイエローのトナー画像として現像される。そして、像保持体62の表面のイエローのトナー画像は、一次転写ロール67によって中間転写ベルト68に転写される。
【0044】
続いて、現像装置70が矢印+R方向に60°回転され、現像器72Mが像保持体62の表面と対向する。そして、帯電、露光、現像の各工程が行われ、像保持体62の表面のマゼンタのトナー画像は、一次転写ロール67によって中間転写ベルト68のイエローのトナー画像上に転写される。同様にして、シアン(C)、黒(K)のトナー画像が中間転写ベルト68上に順次多重転写される。中間転写ベルト68に対してトナー画像の転写が終了すると、クリーニング装置90のブレード90A及び二次転写ロール71は、中間転写ベルト68の表面へ接する。
【0045】
一方、収容部12から送り出され、搬送路28を搬送されてきたシート部材Pは、位置合せロール38により、中間転写ベルト68への各トナー画像の多重転写とタイミングを合わせて二次転写位置に搬送される。そして、中間転写ベルト68上に多重転写されたトナー画像は、二次転写位置に搬送されてきたシート部材P上に二次転写ロール71によって二次転写される。さらに、中間転写ベルト68の表面に付着した残留トナーがブレード90Aで中間転写ベルト68から掻き落とされて回収される。
【0046】
続いて、トナー画像が転写されたシート部材Pは、定着装置80に向けて矢印A方向(図示の右方向)に搬送される。そして、定着装置80では、トナー画像が加熱ロール82及び加圧ロール84によって加熱、加圧されることでシート部材Pに定着される。さらに、トナー画像が定着されたシート部材Pは、一例として、排紙部15に排出される。なお、シート部材Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置80で表面に画像定着を行った後、シート部材Pを矢印−V方向に沿って反転部33に送り込むと共に矢印+V方向に沿って送り出すことで、シート部材Pの先端と後端を入れ替える。そして、シート部材Pを両面搬送路29によって矢印B方向(図示の左方向)に搬送し、さらに搬送路28に送り込んで、シート部材Pの裏面の画像形成及び定着を表面と同様に行う。
【0047】
(要部構成)
次に、帯電装置64について説明する。
【0048】
図8、図27に示されるように、帯電装置64は、像保持体62に対向して配置されると共に、像保持体62の回転軸方向(以下単に回転軸方向と言う。本実施例では奥行方向と同一方向)に延びる帯電器100と、この帯電器100を支持する装置本体102とを備えている。
【0049】
装置本体102には、帯電器100を装置本体102に対して回転軸方向に着脱自在に支持すると共に、帯電器100を支持した状態で像保持体62の表面に対して接離する接離方向(図8に示す矢印J方向、以下単に接離方向と言う)に移動可能な支持部材の一例としての一対のレール部材114が、帯電器100を水平方向から挟むように設けられている。
【0050】
図8、図21、図22に示されるように、一対のレール部材114は、回転軸方向に延びるレール部116と、レール部116の両端側から上方向に延びる引掛部118とを備えている。そして、引掛部118の上端部には、帯電器100に対して外側に折り曲げられた板状の接触部118Aが設けられている。また、レール部116の長手方向に交差する断面は、互いに開放部が向かい合うようにコ字状とされている。さらに、図24に示されるように、レール部116の端部(奥行方向手前側の端部)は、装置本体102に備えられた支持板122に形成された開放口122Aを通して奥行方向手前側に開放されている。
【0051】
そして、帯電器100には、この断面コ字状のレール部116に回転軸方向から挿入される当接部材の一例としての一対の板状のガイド部120が設けられており、このガイド部120をレール部116から回転軸方向に抜き差しすることで、後述する退避位置に配置された帯電器100が、開放口122Aを通って装置本体102から着脱されるようになっている(図25、図26参照)。
【0052】
さらに、図5、図6に示されるように、装置本体102には、装置本体102に対して回転軸方向に移動可能に支持されると共に、レール部材114を支持する一対の移動部材124が回転軸方向に延びて設けられている。
【0053】
詳細には、移動部材124は、帯電装置64を正面から見て右側に配置された移動部材124Aと左側に配置された移動部材124Bとから構成されている(以後の説明では移動部材124Aと移動部材124Bとを区別しない場合は、末尾のA、Bを省略する場合がある)。
【0054】
夫々の移動部材124の長手方向の両端側には、像保持体62からの距離が変化するように回転軸方向に対して傾斜した傾斜面部126が設けられ、この傾斜面部126に接するように前述したレール部材114の接触部118Aが支持されている。
【0055】
そして、図1、図2、図3、図4に示されるように、移動部材124を回転軸方向に移動させることにより、夫々の接触部118Aが夫々の傾斜面部126に沿って接離方向に移動するように力が伝達されるようになっている。
【0056】
接触部118Aが接離方向に移動することで、レール部材114にガイド部120によって支持されている帯電器100は、像保持体62の表面に接近して像保持体62の表面を帯電させる帯電位置と(図8参照)、像保持体62の表面から離間して退避する退避位置と(図7参照)に移動するようになっている。
【0057】
さらに、図1、図2に示されるように、装置本体102には、移動部材124を回転軸方向に移動させる駆動源の一例としてのステッピングモータ130が設けられ、ステッピングモータ130の回転軸130Aには、駆動ギア132が取り付けられている。一方、移動部材124Aの端部(奥行方向奥側の端部)には、回転軸方向に延びるラックギア134が形成されている。そして、駆動ギア132とラックギア134との間には、駆動ギア132の回転力をラックギア134に伝達するギア群136が設けられている。
【0058】
さらに、一端部にラックギア134が形成された移動部材124Aと移動部材124Bとを連結させるブラケット140が、移動部材124Aと移動部材124Bとの間に掛け渡されるように設けられている。これより、移動部材124Aが回転軸方向に移動するのに追従して移動部材124Bも同様に回転軸方向に移動するようになっている。
【0059】
以上の構成により、制御部20(図29参照)の指示により、ステッピングモータ130が稼働すると、駆動ギア132及びギア群136を介してステッピングモータ130の駆動力がラックギア134を備える移動部材124Aに伝達される。ステッピングモータ130の駆動力が伝達された移動部材124A及びブラケット140を介して移動部材124Aと連結された移動部材124Bは回転軸方向に移動する。移動部材124が回転軸方向に移動すると、夫々の接触部118Aが夫々の傾斜面部126に沿って接離方向に移動する。接触部118Aが接離方向に移動することで、レール部材114及びレール部材114に支持されるガイド部120が接離方向に移動する。これにより、帯電器100は、像保持体62の表面に接近して像保持体の表面を帯電させる帯電位置と(図8参照)、像保持体62の表面から離間して退避させる退避位置と(図7参照)に移動するようになっている。
【0060】
以上より、帯電器100を帯電位置と退避位置とに接離させる接離手段128は、ステッピングモータ130、ギア群136、ラックギア134、移動部材124及びレール部材114等とを含んで構成されている。
【0061】
一方、図3、図4に示されるように、移動部材124Bの端部(奥行方向手前側の端部)には、回転軸方向に延びる板状の検出板144が設けられている。さらに、この検出板144を検出する検出手段の一例としてのセンサ142が設けられている。
【0062】
詳細には、センサ142には、上下方向に離間した一対の検知部142Aが設けられ、この一対の検知部142Aの間に、検出板144が挿入されると、センサ142が検出板144を検知するようになっている。これにより、帯電器100を帯電位置(図8参照)に移動させるように移動部材124Bが回転軸方向に移動するとセンサ142が検出板144を検知する(図4参照)。一方、帯電器100を退避位置(図7参照)に移動させるように移動部材124Bが回転軸方向に移動するとセンサ142が検出板144を検知しないようになっている(図3参照)。
【0063】
また、図1、図2、図3、図4、図5、図6に示されるように、レール部116の長手方向の両端側には、付勢部材の一例としてのねじりコイルバネ148が設けられ、レール部116に挿入されたガイド部120の下面をレール部116に押し付けるように付勢するようになっている。
【0064】
次に、装置本体102に着脱可能に保持される帯電器100について説明する。
【0065】
図10、図23に示されるように、帯電器100は、回転軸方向に延びて設けられ、像保持体62(図8参照)側が開放された筐体106を備えている。そして、この筐体106の外表面から突出するように、前述した板状のガイド部120が回転軸方向に延びるように設けられている。
【0066】
さらに、図9、図10に示されるように、筐体106の像保持体62側を向いた開口部の四隅側で、後述するワイヤ支持部材192及びワイヤ支持部材194には、像保持体62に向けて突出する突出部107が形成されている。
【0067】
一方、図11に示されるように、像保持体62の回転軸方向の両側には、像保持体62を回転軸方向の両側から支持すると共に図示せぬフレーム部材に固定される支持部材149とを備えている。
【0068】
さらに、支持部材149には、帯電位置に配置された帯電器100の突出部107が押し付けられる位置基準部150が設けられている。
【0069】
そして、図8に示されるように、帯電器100が帯電位置に配置された状態では、前述したねじりコイルバネ148の付勢力により夫々の突出部107が支持部材149に設けられた位置基準部150に押し付けられるようになっており、この状態では、ガイド部120の下面が、レール部116から離間するようになっている。
【0070】
つまり、帯電器100が帯電位置に配置されて、ねじりコイルバネ148の付勢力により突出部107が位置基準部150に押し付けられた状態では、ガイド部120とレール部116とが接離方向に離間するように、突出部107、ガイド部120及びレール部116の形状が決められている。
【0071】
すなわち、ねじりコイルバネ148の付勢力により突出部107が位置基準部150に押し付けられるのをレール部116にじゃまされないようになっている。
【0072】
さらに、図8に示されるように、帯電器100は、前述した筐体106と、筐体106の内側に配置され、回転軸方向に延びる放電電極の一例としての2本の放電ワイヤ104と、筐体106の像保持体62側に向いた開口を覆うように設けられ、像保持体62の外表面に沿って湾曲状とされたメッシュ状金属板のグリッド108とを含んで構成されている。
【0073】
また、図14に示されるように、筐体106の内部には、回転軸方向に延びると共に、帯電器100の外部に設けられた駆動源(図示省略)の駆動力が伝達されて周方向に回転する円柱状の円柱部材の一例としてのリードシャフト156と、リードシャフト156の回転力が伝達されて回転軸方向に往復移動する往復移動部材158と、往復移動部材158に対して接離方向に相対移動可能に支持されると共に、往復移動部材158の回転軸方向の移動力が伝達されて回転軸方向に移動して放電ワイヤ104及びグリッド108を清掃する清掃部材160が設けられている。
【0074】
詳細には、図18に示されるように、装置本体102には、帯電器100の外部に設けられた駆動源(図示省略)の駆動力が伝達されて回転する凹状の凹部の一例としての係合凹部162が設けられている。そして、係合凹部162の壁面には、回転軸方向に延びる複数個の溝部162Aが形成されており、リードシャフト156の端部(奥行方向奥側の端部)には、この溝部162Aに嵌って駆動力が伝達される伝達部164が設けられている(図14参照)。これより、図19、図20に示されるように、回転軸方向に着脱される帯電器100のリードシャフト156に設けられた伝達部164は、係合凹部162に対して回転軸方向に着脱自在とされる。
【0075】
さらに、図14に示されるように、周方向に回転するリードシャフト156の外周面には、螺旋状の螺旋突起156Aが設けられており、この螺旋突起156Aと噛み合う溝部(図示省略)が、往復移動部材158に設けられた円筒部158Aの内周面に形成されている。これにより、リードシャフト156を一方及び他方に回転させることで往復移動部材158がリードシャフト156に沿って回転軸方向に往復移動するようになっている。
【0076】
また、放電ワイヤ104及びグリッド108を清掃する清掃部材160は、往復移動部材158に対して接離方向に相対移動可能に支持されると共に、往復移動部材158の回転軸方向の移動力が伝達される接続部168と、接続部168の端部に接続されると共に放電ワイヤ104を囲む本体部170と、本体部170の水平方向両端部と接続されると共にグリッド108の表面側(像保持体62を向いた側)及び裏面側と当ってグリッド108を清掃するグリッド清掃部172とを備えている。
【0077】
そして、接続部168は、筐体106の接離方向の移動に伴って装置本体102に対して接離方向に移動すると共に、筐体106に対して回転軸方向に移動可能となるように筐体106に支持されている。
【0078】
また、図12、図17に示されるように、リードシャフト156の両端部を回転可能に支持する支持部材188及び支持部材190が設けられている。そして、この支持部材188及び支持部材190には、放電ワイヤ104の端部を支持するワイヤ支持部材192及びワイヤ支持部材194がカイド部188Aに挟まれて接離方向に移動可能に設けられている。また、このワイヤ支持部材192及びワイヤ支持部材194は、筐体106に固定されており、筐体106の接離方向の移動に伴なって接離方向に移動するようになっている。
【0079】
以上の構成により、筐体106が接離方向に移動すると、支持部材188、支持部材190及びリードシャフト156が移動することなく、ワイヤ支持部材192、ワイヤ支持部材194、放電ワイヤ104及び清掃部材160が装置本体102に対して接離方向に移動するようになっている。
【0080】
一方、図12、図14に示されるように、本体部170の内部には、放電ワイヤ104の下側から当り、放電ワイヤ104を清掃する清掃パッド174が設けられている。
【0081】
さらに、本体部170の内部には、清掃部材160が回転軸方向に移動して放電ワイヤ104を清掃する清掃時には、放電ワイヤ104の上側から当り放電ワイヤ104を清掃する清掃パッド176が設けられている。
【0082】
詳細には、図15に示されるように、清掃パッド176は、回転軸方向に延びると共に一端部を中心に回転移動する支持部材178の他端部に取り付けられている。そして、図12、図15(A)に示されるように、清掃部材160が、帯電器100の端部に待機した状態では、清掃パッド176は、放電ワイヤ104と離間するようになっている。
【0083】
一方、図13に示されるように、退避位置に配置された帯電器100の端部に待機していた清掃部材160を回転軸方向に移動させて清掃開始位置(図13参照)に移動させると、図15(B)に示されるように、支持部材178が回転移動して清掃パッド176が放電ワイヤ104の上面に当るようになっている。
【0084】
そして、この状態で、清掃部材160が放電ワイヤ104及びグリッド108に沿って回転軸方向に往復移動することで、放電ワイヤ104及びグリッド108が清掃されるようになっている。つまり、帯電器100が退避位置に配置されることで、グリッド108と像保持体62との間にグリッド清掃部172が通る隙間が生じることで、グリッド108が清掃されるようになっている。
【0085】
さらに、図18に示されるように、装置本体102における係合凹部162の近傍(帯電器100が装置本体102に装着された状態で帯電器100の回転軸方向一端側)には、回転軸方向に突出する突出部材の一例としての位置決めピン180が設けられている。また、図16に示されるように、装置本体102における開放口122Aの近傍(帯電器100が装置本体102に装着された状態で帯電器100の回転軸方向他端側)には、回転軸方向に突出する突出部材の一例としての位置決めピン182が設けられている。
【0086】
これに対し、図12に示されるように、帯電器100が装置本体102に装着された状態で、装置本体102に設けられた位置決めピン180(図18参照)が嵌る嵌合部の一例としての位置決め孔184が、支持部材188に形成されている。また、図17に示されるように、帯電器100が装置本体102に装着された状態で、装置本体102に設けられた位置決めピン182(図16参照)が嵌る嵌合部の一例としての位置決め孔186が、支持部材190に形成されている。
【0087】
この構成により、帯電器100を装置本体102に装着する際には、帯電器100のガイド部120を装置本体102に設けられたレール部116(図7参照)に挿入し、帯電器100に設けられた位置決め孔184及び位置決め孔186を、装置本体102に設けられた位置決めピン180及び位置決めピン182へ差し込むことで、リードシャフト156の端部に設けられた伝達部164が、係合凹部162の溝部162Aに嵌るようになっている(図19参照)。
【0088】
(要部構成の作用)
次に、帯電装置64の作用について説明する。
【0089】
図26に示されるように、帯電器100を装置本体102にから離脱させる場合には、帯電位置から退避位置に移動させた帯電器100(図7参照)を回転軸方向に移動させることで、装置本体102から帯電器100を離脱させる。
【0090】
具体的には、帯電器100に設けられたガイド部120を、装置本体102に設けられたレール部116(図7参照)に沿って回転軸方向に抜き出すことで帯電器100が装置本体102から離脱される。
【0091】
さらに、帯電器100を装置本体102に装着させる場合には、帯電器100のガイド部120を装置本体102に設けられたレール部116(図7参照)に挿入する。そして、図12、図17に示されるように、帯電器100に設けられた位置決め孔184及び位置決め孔186を、装置本体102に設けられた位置決めピン180(図18参照)及び位置決めピン182(図16参照)へ差し込む。これにより、図19に示されるように、リードシャフト156の端部に設けられた伝達部164が、係合凹部162の溝部162Aに嵌り、帯電器100が、退避位置に配置される(図7参照)。
【0092】
図1に示されるように、帯電器100を退避位置から帯電位置に移動させる場合には、制御部20(図29参照)の指示により、ステッピングモータ130を駆動させ、駆動ギア132及びギア群136を介してステッピングモータ130の駆動力を、ラックギア134を備える移動部材124Aに伝達させる。
【0093】
図1、図2、図3、図4に示されるように、ステッピングモータ130の駆動力が伝達された移動部材124は、回転軸方向に移動する(矢印Kに移動する)。移動部材124が回転軸方向(矢印K方向)に移動すると、移動部材124に形成された夫々の傾斜面部126も回転軸方向(矢印K方向)に移動する。傾斜面部126が回転軸方向(矢印K方向)に移動することで、傾斜面部126に接するように配置されたレール部材114の接触部118Aが傾斜面部126に沿って移動し、レール部材114が像保持体62(図7参照)に近づくように接離方向に移動する。ここで、図7に示されるように、帯電器100が退避位置に配置される場合には、ねじりコイルバネ148の付勢力でレール部116に挿入された帯電器100のガイド部120の下面はレール部116に押し付けられている。
【0094】
そして、図8に示されるように、レール部材114が接離方向に移動して、帯電器100が帯電位置に移動すると、制御部20(図29参照)の指示により、ステッピングモータ130の駆動力が停止する。駆動力の停止に関しては、図4に示されるように、帯電器100が帯電位置に配置されるように移動部材124Bが回転軸方向に移動すると、移動部材124Bに設けられた検出板144が、センサ142に設けられた一対の検知部142Aの間に挿入し、帯電器100が帯電位置に移動したのが検知されることによって制御部20からの指示によって実施される。
【0095】
なお、清掃部材160の接続部168が、リードシャフト156に支持された往復移動部材158に対して接離方向に相対移動可能に支持されるため、リードシャフト156及び往復移動部材158は、接離方向には移動せず、帯電器100に設けられた他の部材が接離方向に移動する。
【0096】
また、図8、図11に示されるように、帯電器100が帯電位置に移動すると、帯電器100に設けられた突出部107が、ねじりコイルバネ148の付勢力で像保持体62に設けられた位置基準部150に押し付けられる。突出部107が位置基準部150に押し付けられる状態では、ガイド部120の下面が、レール部116から離間している。
【0097】
一方、図2、図4に示されるように、帯電器100を帯電位置から退避位置に移動させる場合には、制御部20(図29参照)の指示により駆動するステッピングモータ130の駆動力が、駆動ギア132及びギア群136を介して移動部材124に伝達され、移動部材124は回転軸方向に移動する(矢印Lに移動する)。
【0098】
図1、図3に示されるように、移動部材124が回転軸方向(矢印L方向)に移動すると、移動部材124に形成された夫々の傾斜面部126も回転軸方向(矢印L方向)に移動する。傾斜面部126が回転軸方向(矢印L方向)に移動することで、傾斜面部126に接するように配置されたレール部材114の接触部118Aが傾斜面部126に沿って像保持体62(図7参照)から離れるように接離方向に移動する。
【0099】
図7に示されるように、帯電器100が像保持体62から離れるように移動すると、帯電器100に設けられた突出部107が、像保持体62に設けられた位置基準部150から離れる。そして、ねじりコイルバネ148の付勢力で、レール部116に挿入された帯電器100のガイド部120の下面がレール部116に押し付けられる。
【0100】
レール部材114が接離方向に移動して、帯電器100が退避位置に移動すると、制御部20(図29参照)の指示により、ステッピングモータ130が停止する。駆動力の停止に関しては、図3に示されるように、帯電器100が退避位置に配置されるように移動部材124Bが回転軸方向に移動すると、移動部材124Bに設けられた検出板144が、センサ142に設けられた一対の検知部142Aの間から抜き去られ、帯電器100が退避位置に移動したのが検知されることによって制御部20からの指示によって実施される。
【0101】
一方、図12、図13に示されるように、放電ワイヤ104及びグリッド108を清掃する場合には、退避位置に配置された帯電器100の清掃部材160を回転軸方向に移動させる。
【0102】
具体的には、帯電器100の端部に待機していた清掃部材160を回転軸方向に移動させて清掃開始位置(図13参照)に移動させると、図15(A)(B)に示されるように、支持部材178が回転移動して清掃パッド176が放電ワイヤ104の上面に当る。
【0103】
さらに、グリッド清掃部172が、帯電器100が退避位置に移動することで生じた帯電器100と像保持体62との間に入り込み、グリッド108の表面及び裏面と当る。
【0104】
この状態で、リードシャフト156を回転させて、清掃部材160を放電ワイヤ104及びグリッド108にそって回転軸方向に往復移動させて、放電ワイヤ104及びグリッド108を清掃する。
【0105】
以上説明したように、帯電器100が帯電位置に配置された状態では、前述したねじりコイルバネ148の付勢力により夫々の突出部107が支持部材149に設けられた位置基準部150に押し付けられるようになっている。このため、帯電器100が像保持体62から接離する場合において、像保持体62の表面を帯電させる際の像保持体62に対する帯電器100の位置精度が向上する。
【0106】
また、帯電器100が帯電位置に配置されていない状態では、ねじりコイルバネ148の付勢力によりガイド部材120の下面がレール部116に押し付けられるため、接離方向に移動中の帯電器100がガタツクのが抑制される。
【0107】
また、付勢部材としてねじりコイルバネ148を用いることで、簡易な構成で突出部107が位置基準部150に押し付けられる。
【0108】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、突出部107を帯電器100側に設け、位置基準部150を像保持体62側に設けたが、突出部を像保持体側に設け、位置基準部を帯電器側に設けてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10 画像形成装置
62 像保持体
64 帯電装置
100 帯電器
104 放電ワイヤ(放電電極の一例)
107 突出部
114 レール部材(支持部材の一例)
120 ガイド部(当接部材の一例)
128 接離手段
148 ねじりコイルバネ(付勢部材の一例)
150 位置基準部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に支持されて表面に静電潜像が形成される像保持体に対向すると共に、前記像保持体の回転軸方向に延びる放電電極を備え、前記放電電極に電圧を印加して前記像保持体の表面を帯電させる帯電器と、
前記帯電器を前記像保持体の表面に接近させて前記像保持体の表面を帯電させる帯電位置と、前記像保持体の表面から離間して退避させる退避位置とに接離させる接離手段と、
前記帯電器及び前記像保持体の少なくとも一方に設けられ、他方に設けられた位置基準部に向けて突出する突出部と、
前記帯電器が帯電位置に移動した状態で、前記突出部を前記位置基準部に押し付けるように付勢する付勢部材と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記接離手段は、
前記帯電器を支持すると共に、駆動源から駆動力が伝達されて、前記像保持体の表面から接離する接離方向に移動する支持部材と、
前記帯電器が前記支持部材に支持されるように前記帯電器に設けられ、前記付勢部材の付勢力により前記支持部材に押し付けられ、前記支持部材の接離方向の移動によって接離方向に移動する当接部材と、を備え、
前記帯電器が前記帯電位置に配置されて、前記付勢部材の付勢力により前記突出部が前記位置基準部に押し付けられた状態では、前記当接部材と前記支持部材とが前記接離方向に離間するように、前記突出部、前記当接部材及び前記支持部材の形状が決められる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記付勢部材は、ねじりコイルバネである請求項1又は2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−168459(P2012−168459A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31051(P2011−31051)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】