画像形成装置
【課題】転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制する。
【解決手段】画像が形成される画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像が第1転写位置で転写され、循環移動して該画像を第2転写位置に搬送する環状の転写体と、前記転写体が第2転写位置に搬送した画像を第2転写位置で記録媒体へ転写する転写部材と、前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側に設けられた第1巻掛ロールと、前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側に設けられた第2巻掛ロールと、前記第1巻掛ロールに設けられた第1慣性体と、前記第2巻掛ロールに設けられた第2慣性体と、を備える。
【解決手段】画像が形成される画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像が第1転写位置で転写され、循環移動して該画像を第2転写位置に搬送する環状の転写体と、前記転写体が第2転写位置に搬送した画像を第2転写位置で記録媒体へ転写する転写部材と、前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側に設けられた第1巻掛ロールと、前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側に設けられた第2巻掛ロールと、前記第1巻掛ロールに設けられた第1慣性体と、前記第2巻掛ロールに設けられた第2慣性体と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、像担持体上に画像が形成されないときに、当該像担持体を回転駆動する駆動手段からの駆動力により、像担持体と圧力ロールの少なくとも一方を移動させて圧接部の離間を行ない、その後、像担持体と圧力ロールの圧接部間に転写媒体が進入するタイミングと同期させて、像担持体と圧力ロールとを圧接させる付勢手段の付勢力を利用して圧接部の離間を解除するように構成した画像記録装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、感光体ドラム1の回転速度の安定化に用いられる慣性モーメント増加用のフライホイール25を、感光体ドラム1と別体構成で、感光体ドラム回転軸20上に設け、そして、感光体ドラム回転軸20を支持する両軸受21,22の外側ではなく、その内側の位置に、当該フライホイール25を設ける構成が開示されている。
【0004】
特許文献3には、回転体21と、該回転体の軸22に取り付けられたフライホイール23,24と、を有する画像形成装置において、前記回転体21の軸22は一端に回り止め部22aを有しており、前記フライホイールは、中央に前記軸の回り止め部に嵌合する孔を有する第1タイプのフライホイール23と、前記軸の端部に固定する第2タイプのフライホイール24であって、前記軸の回り止め部に第1タイプのフライホイール23を1枚以上嵌合し、第2タイプのフライホイール24を前記軸22に固定するとともに、第2タイプのフライホイールと第1タイプのフライホイールとを一体的に結合した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−274051号公報
【特許文献2】特開平7−281555号公報
【特許文献3】特開2004−29375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、画像が形成される画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像が第1転写位置で転写され、循環移動して該画像を第2転写位置に搬送する環状の転写体と、前記転写体が第2転写位置に搬送した画像を第2転写位置で記録媒体へ転写する転写部材と、前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側に設けられた第1巻掛ロールと、前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側に設けられた第2巻掛ロールと、前記第1巻掛ロールに設けられた第1慣性体と、前記第2巻掛ロールに設けられた第2慣性体と、を備える画像形成装置である。
【0008】
請求項2の発明は、前記第1巻掛ロールは、複数設けられ、前記第1慣性体は、前記複数の第1巻掛ロールのうち、前記転写体が巻き掛けられた角度が最大であるものに設けられている請求項1に記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記第1巻掛ロールは、複数設けられ、前記第1慣性体は、前記複数の第1巻掛ロールのうち、径が最小であるものに設けられている請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項4の発明は、前記第2巻掛ロールは、複数設けられ、前記第2慣性体は、前記複数の第2巻掛ロールのうち、前記転写体が巻き掛けられた角度が最大であるものに設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項5の発明は、前記第2巻掛ロールは、複数設けられ、前記第2慣性体は、前記複数の第2巻掛ロールのうち、径が最小であるものに設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の構成によれば、第1慣性体及び第2慣性体を備えない構成に比べ、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制できる。
【0013】
本発明の請求項2の構成によれば、複数の第1巻掛ロールのうち、転写体が巻き掛けられた角度が最大でないものに第1慣性体を設ける構成に比べ、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制する効果が高い。
【0014】
本発明の請求項3の構成によれば、複数の第1巻掛ロールのうち、径が最小でないものに第1慣性体を設ける構成に比べ、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制する効果が高い。
【0015】
本発明の請求項4の構成によれば、複数の第2巻掛ロールのうち、転写体が巻き掛けられた角度が最大でないものに第2慣性体を設ける構成に比べ、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制する効果が高い。
【0016】
本発明の請求項5の構成によれば、複数の第2巻掛ロールのうち、径が最小でないものに第2慣性体を設ける構成に比べ、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制する効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成ユニットの構成を示す概略図である。
【図3】本実施形態に係る転写部の構成を示す概略図である。
【図4】厚紙が第2転写位置に突入した際に第1転写位置で生じた中間転写ベルトの速度変動の速度変動率を示すグラフである。(A)フライホイールを設けていない構成(B)張力付与ロールのみにフライホイールを設けた構成(C)本実施形態の構成
【図5】フライホイールを設ける巻掛ロールを変えた変形例を示す概略図である。
【図6】中間転写ベルトの外周側で巻き掛けられた巻掛ロールにフライホイールを適用した変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【0019】
本実施形態に係る画像形成装置10は、カラー画像又は白黒画像を形成する装置であり、図1に示すように、水平方向一側(図1における左側)部分を構成する第1筐体10Aと、第1筐体10Aに分割可能に接続され水平方向他側(図1における右側)部分を構成する第2筐体10Bと、を備えている。
【0020】
第2筐体10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から送られてくる画像データに画像処理を施す画像信号処理部13が設けられている。
【0021】
一方、第1筐体10Aの上部には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に沿って交換可能に設けられている。
【0022】
なお、第1特別色及び第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)から適宜選択される。また、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、符号の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかを付して説明し、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
【0023】
また、トナーカートリッジ14の下側には、画像を形成する画像形成部の一例としての画像形成ユニット16が、各トナーカートリッジ14と対応するように水平方向に沿って複数設けられている。本実施形態では、複数の画像形成ユニット16は、各色のトナーに対応する6つで構成されている。各トナーカートリッジ14と画像形成ユニット16との間には、露光ユニット40が画像形成ユニット16毎に設けられている。
【0024】
露光ユニット40は、前述した画像信号処理部13によって画像処理を施された画像データを画像信号処理部13から受け取り、この画像データに応じて変調した露光光L(図2参照)を後述の感光体18(図2参照)へ照射するように構成されている。
【0025】
各画像形成ユニット16は、図2に示すように、一方向(図2における時計回り方向)に回転駆動される感光体18を備えている。各露光ユニット40から各感光体18へ露光光Lが照射されることにより、各感光体18には静電潜像が形成される。
【0026】
各感光体18の周囲には、感光体18を帯電する帯電装置の一例としてのコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器20と、露光ユニット40によって感光体18に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置22と、転写後の感光体18に残留する現像剤を除去する除去部材の一例としてのブレード24と、転写後の感光体18に光を照射して除電を行う除電装置26が設けられている。
【0027】
スコロトロン帯電器20、現像装置22、ブレード24、除電装置26は、感光体18の表面と対向して、感光体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
【0028】
現像装置22は、トナーを含んだ現像剤Gを収容する現像剤収容部材22Aと、現像剤収容部材22Aに収容された現像剤Gを感光体18に供給する現像ロール22Bを含んで構成されている。現像剤収容部材22Aは、トナーカートリッジ14(図1参照)とトナー供給路(図示省略)を通して接続されており、トナーカートリッジ14からトナーが供給されるようになっている。
【0029】
図1に示すように、画像形成ユニット16の下側には、各画像形成ユニット16で形成されたトナー画像を記録媒体Pへ転写する転写部32が設けられている。転写部32は、環状の転写体の一例としての中間転写ベルト34と、各画像形成ユニット16の感光体18で形成されたトナー画像を中間転写ベルト34へ転写する転写部材の一例としての第1転写ロール36と、中間転写ベルト34のトナー画像を記録媒体Pへ転写する転写部材の一例としての第2転写ロール62と、を備えている。
【0030】
第1転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んで各画像形成ユニット16の感光体18と対向する位置にそれぞれ設けられている。第1転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、予め定められた第1転写位置T1において、感光体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。第1転写位置T1は、具体的には、中間転写ベルト34と感光体18とが接触する接触位置である。
【0031】
中間転写ベルト34は、循環移動して、第1転写位置T1で転写されたトナー画像を、予め定められた第2転写位置T2に搬送するようになっている。
【0032】
第2転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この転写バイアス電圧の印加により、第2転写ロール62は、中間転写ベルト34が第2転写位置T2に搬送したトナー画像を第2転写位置T2で記録媒体Pへ転写する構成とされている。なお、転写部32のより具体的な構成については、後述する。
【0033】
転写部32の下方には、用紙等の記録媒体が収容される記録媒体収容部48が水平方向に沿って2個設けられている。
【0034】
各記録媒体収容部48は、第1筐体10Aから引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(図1における右側)の上方には、各記録媒体収容部48から記録媒体Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
【0035】
各記録媒体収容部48内には、記録媒体Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、記録媒体収容部48が第1筐体10Aから引き出されると、図示せぬ制御手段の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザーが記録媒体Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
【0036】
第1筐体10Aから引き出された記録媒体収容部48を第1筐体10Aに装着すると、底板50が、制御手段の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の記録媒体Pと送出ロール52とが当るようになっている。
【0037】
送出ロール52の記録媒体搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された記録媒体Pを一枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、記録媒体Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
【0038】
記録媒体収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された記録媒体Pを第1折返部60Aで図1における左側に折り返し、さらに、第2折返部60Bで図1における右側に折り返すように、第2転写ロール62と対向ロール45との間の第2転写位置T2へ延びている。第2転写位置T2の搬送方向上流側には、中間転写ベルト34上のトナー画像の移動タイミングと記録媒体Pの搬送タイミングを合わせるための搬送ロール(レジロール)64が設けられている。
【0039】
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1筐体10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1筐体10Aに隣接して配置される記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込むようになっている。
【0040】
第2転写位置T2の下流側には、トナー画像が転写された記録媒体Pを第2筐体10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1筐体10Aに設けられ、搬送ベルト70に搬送された記録媒体Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が第2筐体10Bに設けられている。
【0041】
複数の搬送ベルト70及び搬送ベルト80のそれぞれは、環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、記録媒体Pの搬送方向上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(図1における時計回り方向)に循環移動させる。
【0042】
搬送ベルト80の下流側には、記録媒体Pに転写されたトナー画像を加熱して記録媒体Pに定着させる定着装置82が設けられている。
【0043】
定着装置82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、記録媒体Pを加圧加熱してトナー画像を定着させる定着部が形成されている。
【0044】
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89及び従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
【0045】
駆動ロール89及び従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。これにより、定着ベルト84が加熱される。
【0046】
図1に示すように、定着装置82の下流側には、定着装置82から送り出された記録媒体Pを下流側へ搬送する搬送ベルト98が設けられている。搬送ベルト98は、搬送ベルト70と同様に形成されている。
【0047】
搬送ベルト98の下流側には、記録媒体Pを搬送する搬送装置の一例として、定着装置82によって加熱された記録媒体Pを搬送すると共にその記録媒体Pを冷却する冷却装置100が設けられている。
【0048】
冷却装置100の下流側には、記録媒体Pを挟んで搬送し、記録媒体Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置170が設けられている。
【0049】
矯正装置170の下流側には、記録媒体Pに定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出する検出装置180が設けられている。
【0050】
検出装置180では、光源から記録媒体Pへ出射され、記録媒体Pによって上方に反射された反射光をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の検出素子で検出することにより、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出するようになっている。
【0051】
検出装置180の下流側には、片面に画像が形成された記録媒体Pを第2筐体10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
【0052】
一方、両面に画像を形成させる場合は、検出装置180から送出された記録媒体Pは、検出装置180の下流側に設けられた反転経路202に搬送されるようになっている。
【0053】
反転経路202には、搬送経路60から分岐する分岐パス202Aと、分岐パス202Aに沿って搬送される記録媒体Pを第1筐体10A側に向けて搬送する用紙搬送パス202Bと、用紙搬送パス202Bに沿って搬送される記録媒体Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス202Cが設けられている。
【0054】
この構成により、反転パス202Cでスイッチバック搬送された記録媒体Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、第2転写位置T2へ再度送り込まれるようになっている。
【0055】
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
【0056】
画像信号処理部13で画像処理が施された画像データが、各露光ユニット40に送られる。各露光ユニット40では、画像データに応じて各露光光Lを出射して、スコロトロン帯電器20によって帯電した各感光体18に露光し、静電潜像が形成される。
【0057】
図2に示すように、感光体18に形成された静電潜像は、現像装置22によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
【0058】
図1に示すように、各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの感光体28に形成された各色のトナー画像は、6つの第1転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
【0059】
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、第2転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた記録媒体P上に二次転写される。トナー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト70によって第2筐体10Bの内部に設けられた定着装置82に向けて搬送される。
【0060】
記録媒体P上の各色のトナー画像が定着装置82により加熱・加圧されることで記録媒体Pに定着する。さらに、トナー画像が定着された記録媒体Pは、冷却装置100を通過して冷却された後、矯正装置170に送り込まれ、記録媒体Pに生じた湾曲が矯正される。
【0061】
湾曲が矯正された記録媒体Pは、検出装置180によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
【0062】
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、検出装置180を通過後に、記録媒体Pが反転経路202で反転され、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
【0063】
(本実施形態に係る転写部32の具体的な構成)
次に、本実施形態に係る転写部32の具体的な構成について説明する。図3は、本実施形態に係る転写部32の構成を示す概略図である。
【0064】
図3に示すように、転写部32は、前述したとおり、中間転写ベルト34と、各画像形成ユニット16の感光体18で形成されたトナー画像を中間転写ベルト34へ転写する6つの第1転写ロール36と、中間転写ベルト34のトナー画像を記録媒体Pへ転写する第2転写ロール62と、を備えている。
【0065】
第1転写位置T1に対する中間転写ベルト34の移動方向上流側であって、かつ第2転写位置T2に対する中間転写ベルト34の移動方向下流側には、中間転写ベルト34が巻き掛けられた複数の第1巻掛ロール41が設けられている。複数の第1巻掛ロール41は、具体的には、画像形成ユニット16Vにおける第1転写位置T1に対する中間転写ベルト34の移動方向上流側であって、かつ、中間転写ベルト34の内周側に設けられている。
【0066】
なお、本実施形態における中間転写ベルト34が巻き掛けられた状態には、巻き掛け対象となる巻掛ロールの周面に沿って中間転写ベルト34が円弧状に湾曲して巻掛ロールに接触する状態のみならず、中間転写ベルト34が直線状をなしたまま巻掛ロールに接触する状態も含まれる。
【0067】
複数の第1巻掛ロール41は、中間転写ベルト34に対して従動回転する従動ロール41A・41B・41Dと、モータ43で駆動される駆動ロール41Cと、を有して構成されている。従動ロール41A・41B・41D、駆動ロール41Cは、中間転写ベルト34の移動方向上流側から、従動ロール41A、従動ロール41B、駆動ロール41C、従動ロール41Dの順で配置されている。
【0068】
転写部32では、駆動ロール41Cがモータ43により回転駆動することにより、中間転写ベルト34が一方向(図1における反時計回り方向)に循環駆動されるようになっている。また、中間転写ベルト34を挟んで駆動ロール41Cと対向する位置には、ブレード等の除去部材46Aを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
【0069】
従動ロール41A・41B・41D、駆動ロール41Cは、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が、従動ロール41B、従動ロール41A、従動ロール41D、駆動ロール41Cの順で大きくされている。従って、駆動ロール41Cが、複数の第1巻掛ロール41のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大であるロールとされている。すなわち、駆動ロール41Cは、他の第1巻掛ロール41に比べ、中間転写ベルト34に対する接触面積が大きく、中間転写ベルト34との間で滑りが生じにくくなっている。
【0070】
従動ロール41B・41Dは、例えば直径18mmとされ、例えば直径33mmとされる従動ロール41A・駆動ロール41Cよりも直径が小さくされている。すなわち、従動ロール41B・41Dが、複数の第1巻掛ロール41のうち、径が最小であるロールとされている。
【0071】
第1転写位置T1に対する中間転写ベルト34の移動方向下流側であって、かつ第2転写位置T2に対する中間転写ベルト34の移動方向上流側には、中間転写ベルト34が巻き掛けられた複数の第2巻掛ロール42が設けられている。複数の第2巻掛ロール42は、具体的には、画像形成ユニット16Kにおける第1転写位置T1に対する中間転写ベルト34の移動方向下流側であって、かつ、中間転写ベルト34の内周側に設けられている。
【0072】
従って、中間転写ベルト34の移動経路上において、複数の第1転写位置T1を、複数の第1巻掛ロール41と複数の第2巻掛ロール42とで包括して挟むように、複数の第2巻掛ロール42が配置される。
【0073】
複数の第2巻掛ロール42は、中間転写ベルト34に対して従動回転する従動ロール42A・42C・42Dと、中間転写ベルト34に対して従動回転すると共に中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール42Bと、を有して構成されている。従動ロール42A・42C・42D、張力付与ロール42Bは、中間転写ベルト34の移動方向上流側から、従動ロール42A、張力付与ロール42B、従動ロール42C、従動ロール42Dの順で配置されている。
【0074】
張力付与ロール42Bには、張力付与ロール42Bを中間転写ベルト34へ付勢する付勢部材の一例としての押しバネ(弾性部材)47が設けられている。この押しバネ47が中間転写ベルト34へ張力付与ロール42Bを押すことにより、張力付与ロール42Bは、中間転写ベルト34へ張力を付与する構成となっている。
【0075】
従動ロール42A・42C・42D、張力付与ロール42Bは、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が、従動ロール42D、従動ロール42C、従動ロール42A、張力付与ロール42Bの順で大きくされている。従って、張力付与ロール42Bが、複数の第2巻掛ロール42のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大であるロールとされている。すなわち、張力付与ロール42Bは、他の第2巻掛ロール42に比べ、中間転写ベルト34に対する接触面積が大きく、中間転写ベルト34との間で滑りが生じにくくなっている。
【0076】
従動ロール42Aは、例えば直径18mmとされ、例えば直径33mmとされる張力付与ロール42B・従動ロール42C・42Dよりも直径が小さくされている。すなわち、従動ロール42Aが、複数の第2巻掛ロール42のうち、径が最小であるロールとされている。
【0077】
また、中間転写ベルト34の内周側には、第2転写位置T2において第2転写ロール62に対向する対向ロール45が、中間転写ベルト34に巻き掛けられている。
【0078】
ここで、本実施形態では、駆動ロール41Cの回転軸には、第1慣性体の一例としての第1フライホイール91が設けられている。すなわち、第1フライホイール91は、駆動ロール41Cの同軸上に設けられ、駆動ロール41Cと一体に回転する構成となっている。
【0079】
第1フライホイール91は、円盤状に形成された金属板で構成されており、駆動ロール41Cにおける慣性モーメントを増加するようになっている。第1フライホイール91の直径は、少なくとも、駆動ロール41Cの直径よりも大きく、例えば、直径120mmとされている。
【0080】
なお、第1フライホイール91は、駆動ロール41Cのロール体に一体に設けられ、駆動ロール41Cと一体に回転する構成であってもよい。また、第1フライホイール91は、例えば、ギア・ベルト等の伝達部材によって駆動ロール41Cの回転に伴って回転する回転軸上に設けられる構成であってもよい。すなわち、第1フライホイール91は、駆動ロール41Cに対する異軸上に設けられる構成であってもよい。
【0081】
また、張力付与ロール42Bの回転軸には、第2慣性体の一例としての第2フライホイール92が設けられている。すなわち、第2フライホイール92は、張力付与ロール42Bの同軸上に設けられ、張力付与ロール42Bと一体に回転する構成となっている。
【0082】
第2フライホイール92は、円盤状に形成された金属板で構成されており、張力付与ロール42Bにおける慣性モーメントを増加するようになっている。第2フライホイール92の直径は、少なくとも、張力付与ロール42Bの直径よりも大きく、例えば、直径80mmとされている。
【0083】
なお、第2フライホイール92は、張力付与ロール42Bのロール体に一体に設けられ、張力付与ロール42Bと一体に回転する構成であってもよい。また、第2フライホイール92は、例えば、ギア・ベルト等の伝達部材によって張力付与ロール42Bの回転に伴って回転する回転軸上に設けられる構成であってもよい。すなわち、第2フライホイール92は、張力付与ロール42Bに対する異軸上に設けられる構成であってもよい。
【0084】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態に係る作用を説明する。
【0085】
本実施形態に係る構成によれば、搬送ロール64によって搬送される記録媒体P(特に、厚紙)が、第2転写ロール62と対向ロール45との間の第2転写位置T2に突入すると、その突入の衝撃による移動速度の変動及び振動が中間転写ベルト34に発生する。
【0086】
中間転写ベルト34において第2転写位置T2で発生した速度変動及び振動は、中間転写ベルト34の移動方向下流側及び移動方向上流側へ伝わる。中間転写ベルト34において第2転写位置T2から移動方向下流側へ伝わった速度変動及び振動は、そのエネルギーが、第1フライホイール91が設けられた駆動ロール41Cによって吸収されることで遮断又は緩和される。第1フライホイール91が設けられた駆動ロール41Cは、複数の第1巻掛ロール41のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大であるので、他の第1巻掛ロール41に比べ、中間転写ベルト34との間で滑りが生じにくく、速度変動のエネルギーが第1フライホイール91の回転エネルギーとして効率よく伝えられ、速度変動及び振動を吸収する効果が高い。
【0087】
一方、中間転写ベルト34において第2転写位置T2から移動方向上流側へ伝わった速度変動及び振動は、そのエネルギーが、第2フライホイール92が設けられた張力付与ロール42Bによって吸収されることで遮断又は緩和される。第2フライホイール92が設けられた張力付与ロール42Bは、複数の第2巻掛ロール42のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大であるので、他の第2巻掛ロール42に比べ、中間転写ベルト34との間で滑りが生じにくく、速度変動のエネルギーが第2フライホイール92の回転エネルギーとして効率よく伝えられ、速度変動及び振動を吸収する効果が高い。
【0088】
これにより、第1転写位置T1における中間転写ベルト34の速度変動及び振動が防止又は抑制される。これにより、第1転写位置T1において感光体18から中間転写ベルト34へ転写されるトナー画像の画像乱れが抑制される。また、中間転写ベルト34の振動が感光体18を介して露光ユニット40に伝わることで発生する露光位置の変動が抑制される。
【0089】
図4には、(A)本実施形態の構成において第1フライホイール91及び第2フライホイール92のいずれも設けていない構成、(B)本実施形態の構成において第1フライホイール91を設けず第2フライホイール92のみを設けた構成、(C)本実施形態の構成、において、厚紙(例えば、厚さ0.4mm)が第2転写位置T2に突入した際に第1転写位置T1で生じた中間転写ベルト34の速度変動に起因する感光体18の速度変動率を示している。なお、図4において、実線でまるく囲んだ部分が、厚紙が第2転写位置T2に突入したタイミングを示す。図4によれば、(A)・(B)に比べて、(C)において速度変動が低減されていることがわかる。
【0090】
なお、本実施形態では、駆動ロール41Cに第1フライホイール91が設けられていたが、例えば、図5に示すように、従動ロール41Dに第1フライホイール91に設けてもよく、複数の第1巻掛ロール41のうちのいずれかに第1フライホイール91を設ければよい。
【0091】
従動ロール41Dは、複数の第1巻掛ロール41のうち径が最小であるので、従動ロール41Dよりも径の大きい第1巻掛ロール41に第1フライホイール91を設けた場合に比べ、従動ロール41Dに第1フライホイール91を設けた場合のほうが、モーメントの腕が小さいので、第1フライホイール91の回転に要するエネルギーが大きくなり、速度変動及び振動に対する吸収効果が高い。さらに、従動ロール41Dに第1フライホイール91を設けた構成において、従動ロール41Dに対する中間転写ベルト34の巻き掛け角度を最大化した構成としてもよい。すなわち、複数の第1巻掛ロール41のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大で、かつ、径が最小であるロールに、第1フライホイール91を設ける構成であってもよい。なお、この構成は、第1フライホイール91が設けられた駆動ロール41Cの径を最小化することでも実現可能である。
【0092】
また、本実施形態では、張力付与ロール42Bに第2フライホイール92が設けられていたが、例えば、図5に示すように、従動ロール42Dに第2フライホイール92に設けてもよく、複数の第2巻掛ロール42のうちのいずれかに第2フライホイール92を設ければよい。
【0093】
従動ロール42Dは、複数の第2巻掛ロール42のうち径が最小であるので、従動ロール42Dよりも径の大きい第2巻掛ロール42に第2フライホイール92を設けた場合に比べ、従動ロール42Dに第2フライホイール92を設けた場合のほうが、モーメントの腕が小さいので、第2フライホイール92の回転に要するエネルギーが大きくなり、速度変動及び振動に対する吸収効果が高い。さらに、従動ロール42Dに第2フライホイール92を設けた構成において、従動ロール42Dに対する中間転写ベルト34の巻き掛け角度を最大化した構成としてもよい。すなわち、複数の第2巻掛ロール42のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大で、かつ、径が最小であるロールに、第2フライホイール92を設ける構成であってもよい。なお、この構成は、第2フライホイール92が設けられた張力付与ロール42Bの径を最小化することでも実現可能である。
【0094】
また、本実施形態では、複数の第1巻掛ロール41のうちの1つに第1フライホイール91が設けられていたが、複数の第1巻掛ロール41のうちのいずれか複数又は全部に第1フライホイール91が設けられる構成であってもよい。また、本実施形態では、複数の第2巻掛ロール42のうちの1つに第2フライホイール92が設けられていたが、複数の第2巻掛ロール42のうちのいずれか複数又は全部に第2フライホイール92が設けられる構成であってもよい。
【0095】
また、本実施形態では、第1巻掛ロール41及び第2巻掛ロール42は、それぞれ、複数で構成されていたが、第1巻掛ロール41及び第2巻掛ロール42の少なくとも一方が、1つで構成されていてもよい。
【0096】
また、本実施形態では、複数の第1転写位置T1があり、その複数の第1転写位置T1を、中間転写ベルト34の移動経路上において駆動ロール41C(第1巻掛ロール41)と張力付与ロール42B(第2巻掛ロール42)とで包括して挟むように配置される構成であったが、第1転写位置T1が1つであり、その1つの第1転写位置T1を、中間転写ベルト34の移動経路上において駆動ロール41C(第1巻掛ロール41)と張力付与ロール42B(第2巻掛ロール42)とで挟むように配置される構成であってもよい。
【0097】
また、本実施形態では、複数の第1巻掛ロール41及び複数の第2巻掛ロール42は、中間転写ベルト34の内周側で中間転写ベルト34に巻き掛けられていたが、複数の第1巻掛ロール41及び複数の第2巻掛ロール42の少なくとも一部が、中間転写ベルト34の外周側で中間転写ベルト34に巻き掛けられる構成であってもよい。
【0098】
中間転写ベルト34の外周側で中間転写ベルト34に巻き掛けられる第1巻掛ロール41としては、図6に示すように、例えば、中間転写ベルト34に対してその外周側から付勢されて中間転写ベルト34へ張力を付与する張力付与ロール141が用いられる。張力付与ロール141には、張力付与ロール141を中間転写ベルト34へ付勢する付勢部材の一例としての押しバネ(弾性部材)151が設けられている。この押しバネ151が中間転写ベルト34へ張力付与ロール141を押すことにより、張力付与ロール141は、中間転写ベルト34へ張力を付与する構成となっている。
【0099】
中間転写ベルト34の外周側で中間転写ベルト34に巻き掛けられる第2巻掛ロール42としては、図6に示すように、例えば、中間転写ベルト34に対してその外周側から付勢されて中間転写ベルト34へ張力を付与する張力付与ロール142が用いられる。張力付与ロール142には、張力付与ロール142を中間転写ベルト34へ付勢する付勢部材の一例としての押しバネ(弾性部材)152が設けられている。この押しバネ152が中間転写ベルト34へ張力付与ロール142を押すことにより、張力付与ロール142は、中間転写ベルト34へ張力を付与する構成となっている。なお、張力付与ロール142は、中間転写ベルト34に転写されたトナー画像に接触することになるが、張力付与ロール142の外周面にトナーの付着を抑制する表面処理や、張力付与ロール142に対してトナー極性と同極性のバイアス電圧の印加などを行うことで、トナー画像が中間転写ベルト34に維持される。また、図6では、張力付与ロール141及び張力付与ロール142の両方が図示されているが、どちらか一方のみの構成であってもよい。
【0100】
また、本実施形態では、対向ロール45には、慣性体としてのフライホイールが設けられていなかったが、対向ロール45に対して、第1フライホイール91又は第2フライホイール92と同様のフライホイールを設ける構成であってもよい。
【0101】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【符号の説明】
【0102】
16 画像形成ユニット(画像形成部の一例)
34 中間転写ベルト(転写体の一例)
41 第1巻掛ロール
42 第2巻掛ロール
91 第1フライホイール(第1慣性体の一例)
92 第2フライホイール(第2慣性体の一例)
T1 第1転写位置
T2 第2転写位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、像担持体上に画像が形成されないときに、当該像担持体を回転駆動する駆動手段からの駆動力により、像担持体と圧力ロールの少なくとも一方を移動させて圧接部の離間を行ない、その後、像担持体と圧力ロールの圧接部間に転写媒体が進入するタイミングと同期させて、像担持体と圧力ロールとを圧接させる付勢手段の付勢力を利用して圧接部の離間を解除するように構成した画像記録装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、感光体ドラム1の回転速度の安定化に用いられる慣性モーメント増加用のフライホイール25を、感光体ドラム1と別体構成で、感光体ドラム回転軸20上に設け、そして、感光体ドラム回転軸20を支持する両軸受21,22の外側ではなく、その内側の位置に、当該フライホイール25を設ける構成が開示されている。
【0004】
特許文献3には、回転体21と、該回転体の軸22に取り付けられたフライホイール23,24と、を有する画像形成装置において、前記回転体21の軸22は一端に回り止め部22aを有しており、前記フライホイールは、中央に前記軸の回り止め部に嵌合する孔を有する第1タイプのフライホイール23と、前記軸の端部に固定する第2タイプのフライホイール24であって、前記軸の回り止め部に第1タイプのフライホイール23を1枚以上嵌合し、第2タイプのフライホイール24を前記軸22に固定するとともに、第2タイプのフライホイールと第1タイプのフライホイールとを一体的に結合した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−274051号公報
【特許文献2】特開平7−281555号公報
【特許文献3】特開2004−29375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、画像が形成される画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像が第1転写位置で転写され、循環移動して該画像を第2転写位置に搬送する環状の転写体と、前記転写体が第2転写位置に搬送した画像を第2転写位置で記録媒体へ転写する転写部材と、前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側に設けられた第1巻掛ロールと、前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側に設けられた第2巻掛ロールと、前記第1巻掛ロールに設けられた第1慣性体と、前記第2巻掛ロールに設けられた第2慣性体と、を備える画像形成装置である。
【0008】
請求項2の発明は、前記第1巻掛ロールは、複数設けられ、前記第1慣性体は、前記複数の第1巻掛ロールのうち、前記転写体が巻き掛けられた角度が最大であるものに設けられている請求項1に記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記第1巻掛ロールは、複数設けられ、前記第1慣性体は、前記複数の第1巻掛ロールのうち、径が最小であるものに設けられている請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項4の発明は、前記第2巻掛ロールは、複数設けられ、前記第2慣性体は、前記複数の第2巻掛ロールのうち、前記転写体が巻き掛けられた角度が最大であるものに設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項5の発明は、前記第2巻掛ロールは、複数設けられ、前記第2慣性体は、前記複数の第2巻掛ロールのうち、径が最小であるものに設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の構成によれば、第1慣性体及び第2慣性体を備えない構成に比べ、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制できる。
【0013】
本発明の請求項2の構成によれば、複数の第1巻掛ロールのうち、転写体が巻き掛けられた角度が最大でないものに第1慣性体を設ける構成に比べ、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制する効果が高い。
【0014】
本発明の請求項3の構成によれば、複数の第1巻掛ロールのうち、径が最小でないものに第1慣性体を設ける構成に比べ、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制する効果が高い。
【0015】
本発明の請求項4の構成によれば、複数の第2巻掛ロールのうち、転写体が巻き掛けられた角度が最大でないものに第2慣性体を設ける構成に比べ、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制する効果が高い。
【0016】
本発明の請求項5の構成によれば、複数の第2巻掛ロールのうち、径が最小でないものに第2慣性体を設ける構成に比べ、転写体において第2転写位置で発生した移動速度の変動が第1転写位置へ伝わるのを抑制する効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成ユニットの構成を示す概略図である。
【図3】本実施形態に係る転写部の構成を示す概略図である。
【図4】厚紙が第2転写位置に突入した際に第1転写位置で生じた中間転写ベルトの速度変動の速度変動率を示すグラフである。(A)フライホイールを設けていない構成(B)張力付与ロールのみにフライホイールを設けた構成(C)本実施形態の構成
【図5】フライホイールを設ける巻掛ロールを変えた変形例を示す概略図である。
【図6】中間転写ベルトの外周側で巻き掛けられた巻掛ロールにフライホイールを適用した変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【0019】
本実施形態に係る画像形成装置10は、カラー画像又は白黒画像を形成する装置であり、図1に示すように、水平方向一側(図1における左側)部分を構成する第1筐体10Aと、第1筐体10Aに分割可能に接続され水平方向他側(図1における右側)部分を構成する第2筐体10Bと、を備えている。
【0020】
第2筐体10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から送られてくる画像データに画像処理を施す画像信号処理部13が設けられている。
【0021】
一方、第1筐体10Aの上部には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に沿って交換可能に設けられている。
【0022】
なお、第1特別色及び第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)から適宜選択される。また、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、符号の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかを付して説明し、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
【0023】
また、トナーカートリッジ14の下側には、画像を形成する画像形成部の一例としての画像形成ユニット16が、各トナーカートリッジ14と対応するように水平方向に沿って複数設けられている。本実施形態では、複数の画像形成ユニット16は、各色のトナーに対応する6つで構成されている。各トナーカートリッジ14と画像形成ユニット16との間には、露光ユニット40が画像形成ユニット16毎に設けられている。
【0024】
露光ユニット40は、前述した画像信号処理部13によって画像処理を施された画像データを画像信号処理部13から受け取り、この画像データに応じて変調した露光光L(図2参照)を後述の感光体18(図2参照)へ照射するように構成されている。
【0025】
各画像形成ユニット16は、図2に示すように、一方向(図2における時計回り方向)に回転駆動される感光体18を備えている。各露光ユニット40から各感光体18へ露光光Lが照射されることにより、各感光体18には静電潜像が形成される。
【0026】
各感光体18の周囲には、感光体18を帯電する帯電装置の一例としてのコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器20と、露光ユニット40によって感光体18に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置22と、転写後の感光体18に残留する現像剤を除去する除去部材の一例としてのブレード24と、転写後の感光体18に光を照射して除電を行う除電装置26が設けられている。
【0027】
スコロトロン帯電器20、現像装置22、ブレード24、除電装置26は、感光体18の表面と対向して、感光体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
【0028】
現像装置22は、トナーを含んだ現像剤Gを収容する現像剤収容部材22Aと、現像剤収容部材22Aに収容された現像剤Gを感光体18に供給する現像ロール22Bを含んで構成されている。現像剤収容部材22Aは、トナーカートリッジ14(図1参照)とトナー供給路(図示省略)を通して接続されており、トナーカートリッジ14からトナーが供給されるようになっている。
【0029】
図1に示すように、画像形成ユニット16の下側には、各画像形成ユニット16で形成されたトナー画像を記録媒体Pへ転写する転写部32が設けられている。転写部32は、環状の転写体の一例としての中間転写ベルト34と、各画像形成ユニット16の感光体18で形成されたトナー画像を中間転写ベルト34へ転写する転写部材の一例としての第1転写ロール36と、中間転写ベルト34のトナー画像を記録媒体Pへ転写する転写部材の一例としての第2転写ロール62と、を備えている。
【0030】
第1転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んで各画像形成ユニット16の感光体18と対向する位置にそれぞれ設けられている。第1転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、予め定められた第1転写位置T1において、感光体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。第1転写位置T1は、具体的には、中間転写ベルト34と感光体18とが接触する接触位置である。
【0031】
中間転写ベルト34は、循環移動して、第1転写位置T1で転写されたトナー画像を、予め定められた第2転写位置T2に搬送するようになっている。
【0032】
第2転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この転写バイアス電圧の印加により、第2転写ロール62は、中間転写ベルト34が第2転写位置T2に搬送したトナー画像を第2転写位置T2で記録媒体Pへ転写する構成とされている。なお、転写部32のより具体的な構成については、後述する。
【0033】
転写部32の下方には、用紙等の記録媒体が収容される記録媒体収容部48が水平方向に沿って2個設けられている。
【0034】
各記録媒体収容部48は、第1筐体10Aから引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(図1における右側)の上方には、各記録媒体収容部48から記録媒体Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
【0035】
各記録媒体収容部48内には、記録媒体Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、記録媒体収容部48が第1筐体10Aから引き出されると、図示せぬ制御手段の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザーが記録媒体Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
【0036】
第1筐体10Aから引き出された記録媒体収容部48を第1筐体10Aに装着すると、底板50が、制御手段の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の記録媒体Pと送出ロール52とが当るようになっている。
【0037】
送出ロール52の記録媒体搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された記録媒体Pを一枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、記録媒体Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
【0038】
記録媒体収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された記録媒体Pを第1折返部60Aで図1における左側に折り返し、さらに、第2折返部60Bで図1における右側に折り返すように、第2転写ロール62と対向ロール45との間の第2転写位置T2へ延びている。第2転写位置T2の搬送方向上流側には、中間転写ベルト34上のトナー画像の移動タイミングと記録媒体Pの搬送タイミングを合わせるための搬送ロール(レジロール)64が設けられている。
【0039】
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1筐体10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1筐体10Aに隣接して配置される記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込むようになっている。
【0040】
第2転写位置T2の下流側には、トナー画像が転写された記録媒体Pを第2筐体10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1筐体10Aに設けられ、搬送ベルト70に搬送された記録媒体Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が第2筐体10Bに設けられている。
【0041】
複数の搬送ベルト70及び搬送ベルト80のそれぞれは、環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、記録媒体Pの搬送方向上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(図1における時計回り方向)に循環移動させる。
【0042】
搬送ベルト80の下流側には、記録媒体Pに転写されたトナー画像を加熱して記録媒体Pに定着させる定着装置82が設けられている。
【0043】
定着装置82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、記録媒体Pを加圧加熱してトナー画像を定着させる定着部が形成されている。
【0044】
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89及び従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
【0045】
駆動ロール89及び従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。これにより、定着ベルト84が加熱される。
【0046】
図1に示すように、定着装置82の下流側には、定着装置82から送り出された記録媒体Pを下流側へ搬送する搬送ベルト98が設けられている。搬送ベルト98は、搬送ベルト70と同様に形成されている。
【0047】
搬送ベルト98の下流側には、記録媒体Pを搬送する搬送装置の一例として、定着装置82によって加熱された記録媒体Pを搬送すると共にその記録媒体Pを冷却する冷却装置100が設けられている。
【0048】
冷却装置100の下流側には、記録媒体Pを挟んで搬送し、記録媒体Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置170が設けられている。
【0049】
矯正装置170の下流側には、記録媒体Pに定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出する検出装置180が設けられている。
【0050】
検出装置180では、光源から記録媒体Pへ出射され、記録媒体Pによって上方に反射された反射光をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の検出素子で検出することにより、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出するようになっている。
【0051】
検出装置180の下流側には、片面に画像が形成された記録媒体Pを第2筐体10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
【0052】
一方、両面に画像を形成させる場合は、検出装置180から送出された記録媒体Pは、検出装置180の下流側に設けられた反転経路202に搬送されるようになっている。
【0053】
反転経路202には、搬送経路60から分岐する分岐パス202Aと、分岐パス202Aに沿って搬送される記録媒体Pを第1筐体10A側に向けて搬送する用紙搬送パス202Bと、用紙搬送パス202Bに沿って搬送される記録媒体Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス202Cが設けられている。
【0054】
この構成により、反転パス202Cでスイッチバック搬送された記録媒体Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、第2転写位置T2へ再度送り込まれるようになっている。
【0055】
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
【0056】
画像信号処理部13で画像処理が施された画像データが、各露光ユニット40に送られる。各露光ユニット40では、画像データに応じて各露光光Lを出射して、スコロトロン帯電器20によって帯電した各感光体18に露光し、静電潜像が形成される。
【0057】
図2に示すように、感光体18に形成された静電潜像は、現像装置22によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
【0058】
図1に示すように、各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの感光体28に形成された各色のトナー画像は、6つの第1転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
【0059】
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、第2転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた記録媒体P上に二次転写される。トナー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト70によって第2筐体10Bの内部に設けられた定着装置82に向けて搬送される。
【0060】
記録媒体P上の各色のトナー画像が定着装置82により加熱・加圧されることで記録媒体Pに定着する。さらに、トナー画像が定着された記録媒体Pは、冷却装置100を通過して冷却された後、矯正装置170に送り込まれ、記録媒体Pに生じた湾曲が矯正される。
【0061】
湾曲が矯正された記録媒体Pは、検出装置180によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
【0062】
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、検出装置180を通過後に、記録媒体Pが反転経路202で反転され、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
【0063】
(本実施形態に係る転写部32の具体的な構成)
次に、本実施形態に係る転写部32の具体的な構成について説明する。図3は、本実施形態に係る転写部32の構成を示す概略図である。
【0064】
図3に示すように、転写部32は、前述したとおり、中間転写ベルト34と、各画像形成ユニット16の感光体18で形成されたトナー画像を中間転写ベルト34へ転写する6つの第1転写ロール36と、中間転写ベルト34のトナー画像を記録媒体Pへ転写する第2転写ロール62と、を備えている。
【0065】
第1転写位置T1に対する中間転写ベルト34の移動方向上流側であって、かつ第2転写位置T2に対する中間転写ベルト34の移動方向下流側には、中間転写ベルト34が巻き掛けられた複数の第1巻掛ロール41が設けられている。複数の第1巻掛ロール41は、具体的には、画像形成ユニット16Vにおける第1転写位置T1に対する中間転写ベルト34の移動方向上流側であって、かつ、中間転写ベルト34の内周側に設けられている。
【0066】
なお、本実施形態における中間転写ベルト34が巻き掛けられた状態には、巻き掛け対象となる巻掛ロールの周面に沿って中間転写ベルト34が円弧状に湾曲して巻掛ロールに接触する状態のみならず、中間転写ベルト34が直線状をなしたまま巻掛ロールに接触する状態も含まれる。
【0067】
複数の第1巻掛ロール41は、中間転写ベルト34に対して従動回転する従動ロール41A・41B・41Dと、モータ43で駆動される駆動ロール41Cと、を有して構成されている。従動ロール41A・41B・41D、駆動ロール41Cは、中間転写ベルト34の移動方向上流側から、従動ロール41A、従動ロール41B、駆動ロール41C、従動ロール41Dの順で配置されている。
【0068】
転写部32では、駆動ロール41Cがモータ43により回転駆動することにより、中間転写ベルト34が一方向(図1における反時計回り方向)に循環駆動されるようになっている。また、中間転写ベルト34を挟んで駆動ロール41Cと対向する位置には、ブレード等の除去部材46Aを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
【0069】
従動ロール41A・41B・41D、駆動ロール41Cは、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が、従動ロール41B、従動ロール41A、従動ロール41D、駆動ロール41Cの順で大きくされている。従って、駆動ロール41Cが、複数の第1巻掛ロール41のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大であるロールとされている。すなわち、駆動ロール41Cは、他の第1巻掛ロール41に比べ、中間転写ベルト34に対する接触面積が大きく、中間転写ベルト34との間で滑りが生じにくくなっている。
【0070】
従動ロール41B・41Dは、例えば直径18mmとされ、例えば直径33mmとされる従動ロール41A・駆動ロール41Cよりも直径が小さくされている。すなわち、従動ロール41B・41Dが、複数の第1巻掛ロール41のうち、径が最小であるロールとされている。
【0071】
第1転写位置T1に対する中間転写ベルト34の移動方向下流側であって、かつ第2転写位置T2に対する中間転写ベルト34の移動方向上流側には、中間転写ベルト34が巻き掛けられた複数の第2巻掛ロール42が設けられている。複数の第2巻掛ロール42は、具体的には、画像形成ユニット16Kにおける第1転写位置T1に対する中間転写ベルト34の移動方向下流側であって、かつ、中間転写ベルト34の内周側に設けられている。
【0072】
従って、中間転写ベルト34の移動経路上において、複数の第1転写位置T1を、複数の第1巻掛ロール41と複数の第2巻掛ロール42とで包括して挟むように、複数の第2巻掛ロール42が配置される。
【0073】
複数の第2巻掛ロール42は、中間転写ベルト34に対して従動回転する従動ロール42A・42C・42Dと、中間転写ベルト34に対して従動回転すると共に中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール42Bと、を有して構成されている。従動ロール42A・42C・42D、張力付与ロール42Bは、中間転写ベルト34の移動方向上流側から、従動ロール42A、張力付与ロール42B、従動ロール42C、従動ロール42Dの順で配置されている。
【0074】
張力付与ロール42Bには、張力付与ロール42Bを中間転写ベルト34へ付勢する付勢部材の一例としての押しバネ(弾性部材)47が設けられている。この押しバネ47が中間転写ベルト34へ張力付与ロール42Bを押すことにより、張力付与ロール42Bは、中間転写ベルト34へ張力を付与する構成となっている。
【0075】
従動ロール42A・42C・42D、張力付与ロール42Bは、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が、従動ロール42D、従動ロール42C、従動ロール42A、張力付与ロール42Bの順で大きくされている。従って、張力付与ロール42Bが、複数の第2巻掛ロール42のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大であるロールとされている。すなわち、張力付与ロール42Bは、他の第2巻掛ロール42に比べ、中間転写ベルト34に対する接触面積が大きく、中間転写ベルト34との間で滑りが生じにくくなっている。
【0076】
従動ロール42Aは、例えば直径18mmとされ、例えば直径33mmとされる張力付与ロール42B・従動ロール42C・42Dよりも直径が小さくされている。すなわち、従動ロール42Aが、複数の第2巻掛ロール42のうち、径が最小であるロールとされている。
【0077】
また、中間転写ベルト34の内周側には、第2転写位置T2において第2転写ロール62に対向する対向ロール45が、中間転写ベルト34に巻き掛けられている。
【0078】
ここで、本実施形態では、駆動ロール41Cの回転軸には、第1慣性体の一例としての第1フライホイール91が設けられている。すなわち、第1フライホイール91は、駆動ロール41Cの同軸上に設けられ、駆動ロール41Cと一体に回転する構成となっている。
【0079】
第1フライホイール91は、円盤状に形成された金属板で構成されており、駆動ロール41Cにおける慣性モーメントを増加するようになっている。第1フライホイール91の直径は、少なくとも、駆動ロール41Cの直径よりも大きく、例えば、直径120mmとされている。
【0080】
なお、第1フライホイール91は、駆動ロール41Cのロール体に一体に設けられ、駆動ロール41Cと一体に回転する構成であってもよい。また、第1フライホイール91は、例えば、ギア・ベルト等の伝達部材によって駆動ロール41Cの回転に伴って回転する回転軸上に設けられる構成であってもよい。すなわち、第1フライホイール91は、駆動ロール41Cに対する異軸上に設けられる構成であってもよい。
【0081】
また、張力付与ロール42Bの回転軸には、第2慣性体の一例としての第2フライホイール92が設けられている。すなわち、第2フライホイール92は、張力付与ロール42Bの同軸上に設けられ、張力付与ロール42Bと一体に回転する構成となっている。
【0082】
第2フライホイール92は、円盤状に形成された金属板で構成されており、張力付与ロール42Bにおける慣性モーメントを増加するようになっている。第2フライホイール92の直径は、少なくとも、張力付与ロール42Bの直径よりも大きく、例えば、直径80mmとされている。
【0083】
なお、第2フライホイール92は、張力付与ロール42Bのロール体に一体に設けられ、張力付与ロール42Bと一体に回転する構成であってもよい。また、第2フライホイール92は、例えば、ギア・ベルト等の伝達部材によって張力付与ロール42Bの回転に伴って回転する回転軸上に設けられる構成であってもよい。すなわち、第2フライホイール92は、張力付与ロール42Bに対する異軸上に設けられる構成であってもよい。
【0084】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態に係る作用を説明する。
【0085】
本実施形態に係る構成によれば、搬送ロール64によって搬送される記録媒体P(特に、厚紙)が、第2転写ロール62と対向ロール45との間の第2転写位置T2に突入すると、その突入の衝撃による移動速度の変動及び振動が中間転写ベルト34に発生する。
【0086】
中間転写ベルト34において第2転写位置T2で発生した速度変動及び振動は、中間転写ベルト34の移動方向下流側及び移動方向上流側へ伝わる。中間転写ベルト34において第2転写位置T2から移動方向下流側へ伝わった速度変動及び振動は、そのエネルギーが、第1フライホイール91が設けられた駆動ロール41Cによって吸収されることで遮断又は緩和される。第1フライホイール91が設けられた駆動ロール41Cは、複数の第1巻掛ロール41のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大であるので、他の第1巻掛ロール41に比べ、中間転写ベルト34との間で滑りが生じにくく、速度変動のエネルギーが第1フライホイール91の回転エネルギーとして効率よく伝えられ、速度変動及び振動を吸収する効果が高い。
【0087】
一方、中間転写ベルト34において第2転写位置T2から移動方向上流側へ伝わった速度変動及び振動は、そのエネルギーが、第2フライホイール92が設けられた張力付与ロール42Bによって吸収されることで遮断又は緩和される。第2フライホイール92が設けられた張力付与ロール42Bは、複数の第2巻掛ロール42のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大であるので、他の第2巻掛ロール42に比べ、中間転写ベルト34との間で滑りが生じにくく、速度変動のエネルギーが第2フライホイール92の回転エネルギーとして効率よく伝えられ、速度変動及び振動を吸収する効果が高い。
【0088】
これにより、第1転写位置T1における中間転写ベルト34の速度変動及び振動が防止又は抑制される。これにより、第1転写位置T1において感光体18から中間転写ベルト34へ転写されるトナー画像の画像乱れが抑制される。また、中間転写ベルト34の振動が感光体18を介して露光ユニット40に伝わることで発生する露光位置の変動が抑制される。
【0089】
図4には、(A)本実施形態の構成において第1フライホイール91及び第2フライホイール92のいずれも設けていない構成、(B)本実施形態の構成において第1フライホイール91を設けず第2フライホイール92のみを設けた構成、(C)本実施形態の構成、において、厚紙(例えば、厚さ0.4mm)が第2転写位置T2に突入した際に第1転写位置T1で生じた中間転写ベルト34の速度変動に起因する感光体18の速度変動率を示している。なお、図4において、実線でまるく囲んだ部分が、厚紙が第2転写位置T2に突入したタイミングを示す。図4によれば、(A)・(B)に比べて、(C)において速度変動が低減されていることがわかる。
【0090】
なお、本実施形態では、駆動ロール41Cに第1フライホイール91が設けられていたが、例えば、図5に示すように、従動ロール41Dに第1フライホイール91に設けてもよく、複数の第1巻掛ロール41のうちのいずれかに第1フライホイール91を設ければよい。
【0091】
従動ロール41Dは、複数の第1巻掛ロール41のうち径が最小であるので、従動ロール41Dよりも径の大きい第1巻掛ロール41に第1フライホイール91を設けた場合に比べ、従動ロール41Dに第1フライホイール91を設けた場合のほうが、モーメントの腕が小さいので、第1フライホイール91の回転に要するエネルギーが大きくなり、速度変動及び振動に対する吸収効果が高い。さらに、従動ロール41Dに第1フライホイール91を設けた構成において、従動ロール41Dに対する中間転写ベルト34の巻き掛け角度を最大化した構成としてもよい。すなわち、複数の第1巻掛ロール41のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大で、かつ、径が最小であるロールに、第1フライホイール91を設ける構成であってもよい。なお、この構成は、第1フライホイール91が設けられた駆動ロール41Cの径を最小化することでも実現可能である。
【0092】
また、本実施形態では、張力付与ロール42Bに第2フライホイール92が設けられていたが、例えば、図5に示すように、従動ロール42Dに第2フライホイール92に設けてもよく、複数の第2巻掛ロール42のうちのいずれかに第2フライホイール92を設ければよい。
【0093】
従動ロール42Dは、複数の第2巻掛ロール42のうち径が最小であるので、従動ロール42Dよりも径の大きい第2巻掛ロール42に第2フライホイール92を設けた場合に比べ、従動ロール42Dに第2フライホイール92を設けた場合のほうが、モーメントの腕が小さいので、第2フライホイール92の回転に要するエネルギーが大きくなり、速度変動及び振動に対する吸収効果が高い。さらに、従動ロール42Dに第2フライホイール92を設けた構成において、従動ロール42Dに対する中間転写ベルト34の巻き掛け角度を最大化した構成としてもよい。すなわち、複数の第2巻掛ロール42のうち、中間転写ベルト34が巻き掛けられた角度が最大で、かつ、径が最小であるロールに、第2フライホイール92を設ける構成であってもよい。なお、この構成は、第2フライホイール92が設けられた張力付与ロール42Bの径を最小化することでも実現可能である。
【0094】
また、本実施形態では、複数の第1巻掛ロール41のうちの1つに第1フライホイール91が設けられていたが、複数の第1巻掛ロール41のうちのいずれか複数又は全部に第1フライホイール91が設けられる構成であってもよい。また、本実施形態では、複数の第2巻掛ロール42のうちの1つに第2フライホイール92が設けられていたが、複数の第2巻掛ロール42のうちのいずれか複数又は全部に第2フライホイール92が設けられる構成であってもよい。
【0095】
また、本実施形態では、第1巻掛ロール41及び第2巻掛ロール42は、それぞれ、複数で構成されていたが、第1巻掛ロール41及び第2巻掛ロール42の少なくとも一方が、1つで構成されていてもよい。
【0096】
また、本実施形態では、複数の第1転写位置T1があり、その複数の第1転写位置T1を、中間転写ベルト34の移動経路上において駆動ロール41C(第1巻掛ロール41)と張力付与ロール42B(第2巻掛ロール42)とで包括して挟むように配置される構成であったが、第1転写位置T1が1つであり、その1つの第1転写位置T1を、中間転写ベルト34の移動経路上において駆動ロール41C(第1巻掛ロール41)と張力付与ロール42B(第2巻掛ロール42)とで挟むように配置される構成であってもよい。
【0097】
また、本実施形態では、複数の第1巻掛ロール41及び複数の第2巻掛ロール42は、中間転写ベルト34の内周側で中間転写ベルト34に巻き掛けられていたが、複数の第1巻掛ロール41及び複数の第2巻掛ロール42の少なくとも一部が、中間転写ベルト34の外周側で中間転写ベルト34に巻き掛けられる構成であってもよい。
【0098】
中間転写ベルト34の外周側で中間転写ベルト34に巻き掛けられる第1巻掛ロール41としては、図6に示すように、例えば、中間転写ベルト34に対してその外周側から付勢されて中間転写ベルト34へ張力を付与する張力付与ロール141が用いられる。張力付与ロール141には、張力付与ロール141を中間転写ベルト34へ付勢する付勢部材の一例としての押しバネ(弾性部材)151が設けられている。この押しバネ151が中間転写ベルト34へ張力付与ロール141を押すことにより、張力付与ロール141は、中間転写ベルト34へ張力を付与する構成となっている。
【0099】
中間転写ベルト34の外周側で中間転写ベルト34に巻き掛けられる第2巻掛ロール42としては、図6に示すように、例えば、中間転写ベルト34に対してその外周側から付勢されて中間転写ベルト34へ張力を付与する張力付与ロール142が用いられる。張力付与ロール142には、張力付与ロール142を中間転写ベルト34へ付勢する付勢部材の一例としての押しバネ(弾性部材)152が設けられている。この押しバネ152が中間転写ベルト34へ張力付与ロール142を押すことにより、張力付与ロール142は、中間転写ベルト34へ張力を付与する構成となっている。なお、張力付与ロール142は、中間転写ベルト34に転写されたトナー画像に接触することになるが、張力付与ロール142の外周面にトナーの付着を抑制する表面処理や、張力付与ロール142に対してトナー極性と同極性のバイアス電圧の印加などを行うことで、トナー画像が中間転写ベルト34に維持される。また、図6では、張力付与ロール141及び張力付与ロール142の両方が図示されているが、どちらか一方のみの構成であってもよい。
【0100】
また、本実施形態では、対向ロール45には、慣性体としてのフライホイールが設けられていなかったが、対向ロール45に対して、第1フライホイール91又は第2フライホイール92と同様のフライホイールを設ける構成であってもよい。
【0101】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【符号の説明】
【0102】
16 画像形成ユニット(画像形成部の一例)
34 中間転写ベルト(転写体の一例)
41 第1巻掛ロール
42 第2巻掛ロール
91 第1フライホイール(第1慣性体の一例)
92 第2フライホイール(第2慣性体の一例)
T1 第1転写位置
T2 第2転写位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が形成される画像形成部と、
前記画像形成部で形成された画像が第1転写位置で転写され、循環移動して該画像を第2転写位置に搬送する環状の転写体と、
前記転写体が第2転写位置に搬送した画像を第2転写位置で記録媒体へ転写する転写部材と、
前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側に設けられた第1巻掛ロールと、
前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側に設けられた第2巻掛ロールと、
前記第1巻掛ロールに設けられた第1慣性体と、
前記第2巻掛ロールに設けられた第2慣性体と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記第1巻掛ロールは、複数設けられ、
前記第1慣性体は、前記複数の第1巻掛ロールのうち、前記転写体が巻き掛けられた角度が最大であるものに設けられている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1巻掛ロールは、複数設けられ、
前記第1慣性体は、前記複数の第1巻掛ロールのうち、径が最小であるものに設けられている請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2巻掛ロールは、複数設けられ、
前記第2慣性体は、前記複数の第2巻掛ロールのうち、前記転写体が巻き掛けられた角度が最大であるものに設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2巻掛ロールは、複数設けられ、
前記第2慣性体は、前記複数の第2巻掛ロールのうち、径が最小であるものに設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像が形成される画像形成部と、
前記画像形成部で形成された画像が第1転写位置で転写され、循環移動して該画像を第2転写位置に搬送する環状の転写体と、
前記転写体が第2転写位置に搬送した画像を第2転写位置で記録媒体へ転写する転写部材と、
前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側に設けられた第1巻掛ロールと、
前記転写体が巻き掛けられ、前記第1転写位置に対する前記転写体の移動方向下流側であって、かつ前記第2転写位置に対する前記転写体の移動方向上流側に設けられた第2巻掛ロールと、
前記第1巻掛ロールに設けられた第1慣性体と、
前記第2巻掛ロールに設けられた第2慣性体と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記第1巻掛ロールは、複数設けられ、
前記第1慣性体は、前記複数の第1巻掛ロールのうち、前記転写体が巻き掛けられた角度が最大であるものに設けられている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1巻掛ロールは、複数設けられ、
前記第1慣性体は、前記複数の第1巻掛ロールのうち、径が最小であるものに設けられている請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2巻掛ロールは、複数設けられ、
前記第2慣性体は、前記複数の第2巻掛ロールのうち、前記転写体が巻き掛けられた角度が最大であるものに設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2巻掛ロールは、複数設けられ、
前記第2慣性体は、前記複数の第2巻掛ロールのうち、径が最小であるものに設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−181352(P2012−181352A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44155(P2011−44155)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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