説明

画像形成装置

【課題】操作部およびキーボードを所定角度回動させた状態において、キーボードを引き出し不可とすることにより、画像形成装置本体にキーボードが接触してキーボードが破損することを防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、操作パネル11、キーボード12ならびに切欠部14および突起部15を備える。操作パネル11は、入力操作を受け付け、入力操作の操作性変更のために支点16を中心に回動可能である。キーボード12は、操作パネル11と一体的に回動し、操作パネル11の背面に収納する収納位置と操作パネル11の背面から露出する引き出し位置との間で変位可能である。切欠部14および突起部15は、操作パネル11およびキーボード12が所定角度回動したときに、キーボード12が収納位置から引き出し位置に変位することを規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動可能な操作パネルおよび操作パネルの背面から引き出し可能なキーボードを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置には、入力操作を受け付ける操作部が回動可能な構成を有するものがある。この構成では、ユーザの使い勝手に応じて操作部を回動すればよいため、ユーザの操作性を向上させる効果を奏する。
【0003】
また、当該操作部には、タッチパネルが採用されているものがある。当該タッチパネルには、文字入力のためにキーボードが表示されるようになっている。
【0004】
しかし、タッチパネルに表示されるキーボードは、操作性があまりよくない。
【0005】
そこで、操作部の背面にキーボードを備え、当該キーボードを引き出し可能とする構成を有する画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−081248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1において開示されている技術は、例えば、操作部およびキーボードを所定角度以上回動させた状態でキーボードを引き出すと、画像形成装置本体にキーボードが接触するため、キーボードが破損する虞があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、操作部およびキーボードを所定角度回動させた状態において、キーボードを引き出し不可とすることにより、画像形成装置本体にキーボードが接触してキーボードが破損することを防止できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、操作部、キーボードおよび規制部を備える。操作部は、入力操作を受け付ける部材であって入力操作の操作性変更のために支点を中心に回動可能な部材である。キーボードは、操作部と一体的に回動し、操作部の背面に収納する収納位置と操作部の背面から露出する引き出し位置との間で変位可能である。規制部は、操作部およびキーボードが所定角度回動したときに、キーボードが収納位置から引き出し位置に変位することを規制する。
【0010】
この構成では、操作部およびキーボードを所定角度回転させた状態において、キーボードを引き出し不可とすることにより、画像形成装置本体にキーボードが接触してキーボードが破損することを防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明における画像形成装置は、操作部およびキーボードを所定角度回動させた状態において、キーボードを引き出し不可とすることにより、画像形成装置本体にキーボードが接触してキーボードが破損することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一部の斜視図である。
【図2】(A)は、操作部が水平配置された状態における画像形成装置の側面図であり、(B)は、その正面図である。
【図3】(A)は、操作部が前面側に傾斜配置された状態における画像形成装置の側面図であり、(B)は、その正面図である。
【図4】操作部が水平配置された状態であってキーボードが引き出し位置に位置している状態における画像形成装置の側面図である。
【図5】(A)は、操作部が水平配置された状態であってキーボードが収納位置に位置している状態における画像形成装置の側面図であり、(B)は、その部分拡大図である。
【図6】(A)は、操作部が傾斜配置された状態であってキーボードが収納位置に位置している状態における画像形成装置の側面図であり、(B)は、その部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の一部の斜視図である。図2(A)は、操作パネル11が水平配置された状態における画像形成装置1の側面図であり、図2(B)は、その正面図である。図3(A)は、操作パネル11が前面側に傾斜配置された状態における画像形成装置1の側面図であり、図3(B)は、その正面図である。図4は、操作パネル11が水平配置された状態であってキーボード12が引き出し位置に位置している状態における画像形成装置1の側面図である。
【0015】
画像形成装置1は、画像読取部3、画像形成部4および給紙部5を備え、いわゆる胴内排紙形状を呈している。
【0016】
画像読取部3は、画像形成部4の上部に配置されている。画像読取部3は、原稿台31上に載置された原稿に光を照射し、反射した光に基づいて原稿の画像を読み取って画像データを生成する画像読取処理を行う。なお、図1〜図6では、原稿台31の上面を閉鎖及び開放自在な蓋部材の記載が省略されている。
【0017】
給紙部5は、画像形成部4の下部に配置され、複数の給紙カセット51,52,53,54を有している。給紙カセット51〜54のそれぞれには、記録媒体の一例である用紙が収容されている。給紙部5は、用紙を1枚ずつ画像形成部4へ供給する。
【0018】
画像形成部4は、画像読取部3の下に配置され、用紙に画像形成処理を行う。画像形成部4は、画像形成処理済みの用紙を収容する用紙排紙トレイ41を設けるための空間42を画像読取部3の下に残すように、画像形成装置1の幅方向91における第1端部に設けられた用紙排紙部43を有する。
【0019】
画像形成部4は、画像形成処理済みの用紙を、用紙排紙部43から用紙排紙トレイ41へ排出する。用紙排紙トレイ41は、排出された用紙を積載可能である。画像形成部4の幅方向は、画像形成装置1の幅方向91と同じである。用紙排紙トレイ41は、本発明の胴内排紙部に相当する。
【0020】
画像形成部4は、一例として、電子写真方式の画像形成処理を行う。画像形成部4は、画像データに基づいて形成したトナー像を用紙に担持させ、図示しない定着装置においてトナー像を用紙に熱及び圧力によって固着させる。定着装置は、用紙排紙部43の近傍かつ下方に配置されている。
【0021】
画像形成部4には、用紙排紙トレイ41に積載された用紙を取り出す方向に延びた阻止部44が形成されている。阻止部44は、画像読取部3の側面よりも突出した面である。阻止部44は、画像形成装置1の設計上、必然的に形成される部分である。
【0022】
また、画像形成装置1は、操作パネル11、キーボード12ならびに切欠部14および突起部15をさらに備える。操作パネル11は、本発明の操作部に相当する。切欠部14および突起部15は、本発明の規制部に相当する。本実施形態では、操作パネル11およびキーボード12は、阻止部44の上側に配置される。
【0023】
操作パネル11は、画像形成装置1の前面に配置されている。一例として、操作パネル11は、画像読取部3の前面に配置されたプレート13に取り付けられている。また、一例として、操作パネル11は、幅方向91において用紙排紙部43が配置された第1端部の反対側の端部に取り付けられている。
【0024】
幅方向91において、操作パネル11と用紙排紙部43とは、離間していることが好ましい。この構成では、用紙排紙トレイ41に積載された用紙を容易に取り出すことができる。
【0025】
操作パネル11は、入力操作を受け付け、当該入力操作の操作性変更のためにプレート13における支点16を中心に回動可能である。操作パネル11は、図2(A)及び図2(B)に示す水平位置と、前面側への所定の最大傾斜位置と、の間で回動自在に構成されている。また、操作パネル11は、水平位置、最大傾斜位置、並びに水平位置と最大傾斜位置との間の1又は複数の所定位置から選択された図3(A)及び図3(B)に一例を示す所望の傾斜位置で、傾斜姿勢を保持するように構成されている。
【0026】
キーボード12は、操作パネル11と同様に、画像形成装置1の前面に配置されている。キーボード12は、操作パネル11と一体的に回動し、操作パネル11の背面に収納する収納位置と操作パネル11の背面から露出する引き出し位置との間で変位可能である。キーボード12は、所定の力が加わったときに、収納位置から引き出し位置に変位し、また、引き出し位置から収納位置に変位する。
【0027】
本実施形態では、切欠部14は、プレート13に形成されており、突起部15は、キーボード12に設けられている。切欠部14および突起部15は、操作パネル11およびキーボード12が所定角度回動したときに、キーボード12が収納位置から引き出し位置に変位することを規制する。切欠部14および突起部15は、互いに係合可能である。
【0028】
図5(A)は、操作パネル11が水平配置された状態であってキーボード12が収納位置に位置している状態における画像形成装置1の側面図であり、図5(B)は、その部分拡大図である。図6(A)は、操作パネル11が傾斜配置された状態であってキーボード12が収納位置に位置している状態における画像形成装置1の側面図であり、図6(B)は、その部分拡大図である。
【0029】
キーボード12は、切欠部14と突起部15とが係合した場合、収納位置から引き出し位置に変位することが規制される一方、切欠部14と突起部15とが係合していない場合、収納位置から引き出し位置に変位可能である。
【0030】
図5(A)に示すように、操作パネル11が水平配置された状態においては、図5(B)に示すように、切欠部14と突起部15とが係合していないため、キーボード12は収納位置から引き出し位置に変位することが可能である。一方、図6(A)に示すように、操作パネル11が傾斜配置された状態(所定角度回動した状態)においては、図6(B)に示すように、切欠部14と突起部15とが係合しているため、キーボード12は収納位置から引き出し位置に変位することが不可能である。
【0031】
この構成では、操作パネル11およびキーボード12を所定角度回転させた状態において、キーボード12を引き出し不可とすることにより、画像形成装置本体(阻止部44)にキーボード12が接触してキーボード12が破損することを防止できる。
【0032】
なお、切欠部14および突起部15は、プレート13およびキーボード12の一側面のみに設けられていてもよいが、プレート13およびキーボード12の両側面に設けられると好ましい。切欠部14および突起部15がプレート13およびキーボード12の両側面に設けられると、キーボード12を収納位置から引き出し位置に変位させようとした際にキーボード12が変位不可であると、ユーザによる力が両側面に分散するからである。
【0033】
また、本実施形態では、プレート13に切欠部14が形成され、キーボード12に突起部15が設けられているが、これに限られるものではない。例えば、プレート13に突起部15が設けられ、キーボード12に切欠部14が形成されていてもよい。
【0034】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0035】
1−画像形成装置
3−画像読取部
11−操作パネル
12−キーボード
14−切欠部
15−突起部
16−支点
41−用紙排紙トレイ
44−阻止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作を受け付ける操作部であって前記入力操作の操作性変更のために支点を中心に回動可能な操作部と、
前記操作部と一体的に回動し、前記操作部の背面に収納する収納位置と前記操作部の背面から露出する引き出し位置との間で変位可能なキーボードと、
前記操作部および前記キーボードが所定角度回動したときに、前記キーボードが前記収納位置から前記引き出し位置に変位することを規制する規制部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記規制部は、互いに係合可能な切欠部と突起部とから構成され、
前記キーボードは、前記切欠部と前記突起部とが係合した場合、前記収納位置から前記引き出し位置に変位することが規制される一方、前記切欠部と前記突起部とが係合していない場合、前記収納位置から前記引き出し位置に変位可能な
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
排出された用紙を積載可能な胴内排紙部と、
前記胴内排紙部に積載された用紙を取り出す方向に延びた阻止部と、
をさらに備え、
前記操作部および前記キーボードは、前記阻止部の上側に配置される
請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
載置された原稿を読み取るための画像読取部
をさらに備え、
前記阻止部は、前記画像読取部の側面よりも突出した面である
請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−233940(P2012−233940A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100496(P2011−100496)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】