説明

画像形成装置

【課題】用紙後処理ユニットを取り外すことなく簡単に持ち運べる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、排出部19から排出された用紙Pが搬入される用紙後処理ユニット77と、該用紙後処理ユニット77を載置可能であって装置本体2の一側面部2bに着脱可能なユニット取り付け部81と、装置本体2の両側面部2bに設けられ装置本体2を持ち上げるための凹状の第1取手部41と、を備える。ユニット取り付け部81には、用紙後処理ユニット77及びユニット取り付け部81を付設した装置本体2を持ち上げるために装置本体2の側面方向に収納または引き出し可能な第2取手部材88が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に関し、特に、綴じ処理等の後処理を行う用紙後処理ユニットを着脱可能に備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンター等の画像形成装置によって画像が形成された用紙を複数枚スタックして、スタックされた用紙束をまとめてステープルで綴じる綴じ処理等を実行可能な用紙後処理装置が知られており、比較的多量の用紙について綴じ処理等の後処理等を行う際には、上述のような用紙後処理装置が利用されている。
【0003】
また画像形成装置には、画像形成部の上方に画像読取部、画像読取部と画像形成部との間に胴内排紙部を備えた胴内排紙型のものがある。胴内排紙部には用紙排出トレイが配置されており、画像形成終了後に用紙排出トレイに排出された用紙は、装置本体の前面側から取り出されるようになっている。このような胴内排出型の画像形成装置で画像形成された用紙は、胴内排紙部を介して装置本体の側面方向に配置された用紙後処理装置まで搬送され、用紙後処理装置で綴じ処理等が施されていた。
【0004】
例えば、特許文献1では、装置本体には中継搬送ユニットが設けられ、装置本体の一側部には、用紙後処理装置が付設されている。中継搬送ユニットは、装置本体の排出部から排出された用紙を中継搬送ユニットの上面に設けられる用紙排出トレイに排出する第1搬送路と、搬送ローラー対により搬送され用紙後処理装置内へ送る第2搬送路とに切り替え可能に設けられる。第2搬送路に案内された用紙は、用紙後処理装置に搬送され、用紙後処理装置によって綴じ処理等が施された後、用紙後処理装置の排紙トレイへ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−153934号公報(段落[0019]〜[0023]、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、画像形成装置を事務所等に搬送するために、或いは画像形成装置の設置位置を移動させるために、画像形成装置を持ち上げるための取手部が装置本体の両側面部に設けられている。装置本体に用紙後処理装置を付設した画像形成装置を移動させる場合、上記特許文献1の画像形成装置では、装置本体から用紙後処理装置を取り外した後、装置本体の取手部にて装置本体を持ち上げて所定の位置に移動させ、次に用紙後処理装置を所定の位置に移動させ、所定の位置にて用紙後処理装置を装置本体に装着する必要があった。このような構成では画像形成装置の移動が煩雑になるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、用紙後処理装置を取り外すことなく簡単に持ち運べる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために第1の発明は、画像形成された用紙を装置本体の側面方向に排出する排出部と、該排出部から排出された用紙が搬入される用紙後処理ユニットと、該用紙後処理ユニットを載置可能であって装置本体の一側面部に着脱可能なユニット取り付け部と、装置本体の両側面部に設けられ装置本体を持ち上げるための凹状の第1取手部と、を備える画像形成装置において、前記ユニット取り付け部には、前記用紙後処理ユニット及びユニット取り付け部を付設した装置本体を持ち上げるために装置本体の側面方向に収納または引き出し可能な第2取手部材が設けられることを特徴としている。
【0009】
また、第2の発明では、上記の画像形成装置において、前記用紙後処理ユニットは、後処理された用紙を排出する着脱可能な排出トレイを有し、前記第2取手部材を引き出したときの最大突出長さは、装置本体の側面方向において前記排出トレイの長さより短いことを特徴としている。
【0010】
また、第3の発明では、上記の画像形成装置において、前記ユニット取り付け部は、装置本体の一側面部に当接するユニット取付本体と、該ユニット取付本体から装置本体と反対方向に延びる一対の中継部と、該中継部に固定され前記用紙後処理ユニットを載置する載置部と、有し、前記載置部は、離間した二つの位置で前記第2取手部材を収納または引き出し可能に案内するガイド孔を有することを特徴としている。
【0011】
また、第4の発明では、上記の画像形成装置において、前記第2取手部材は、板材にて断面が凹状となるように形成され、凹状の両端部が上側を向くように配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、ユニット取り付け部を取り付け部材によって装置本体の一側面部に装着した後、ユニット取り付け部に用紙後処理ユニットを載置することで、用紙後処理ユニット及びユニット取り付け部が装置本体に付設される。装置本体に用紙後処理ユニット及びユニット取り付け部を付設した画像形成装置を移動させる場合、第2取手部材を収納位置から引き出して突出位置に移動させ、ユニット取り付け部から引き出した第2取手部材を把持するとともに、装置本体の他方の側面部の第1取手部を保持して、画像形成装置を持ち上げ所定の位置に移動させる。従って、装置本体と用紙後処理ユニットを分離することなく、画像形成装置を簡単に持ち運ぶことができる。画像形成装置を所定の位置に設置後、第2取手部材をユニット取り付け部内に収納すると、嵩張ることがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す概略図
【図3】本実施形態に係る用紙後処理ユニットを載置したユニット取り付け部の斜視図
【図4】本実施形態に係る画像形成装置の一側面部を示す斜視図
【図5】本実施形態に係るユニット取り付け部の斜視図
【図6】本実施形態に係るユニット取り付け部の別の斜視図
【図7】本実施形態に係る第2取手部材が突出した状態のユニット取り付け部の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図であり、図2は、内部構成を示す概略図である。なお、本実施形態においては画像形成装置の一例として複合機を例示しているが、画像形成装置として複合機以外の、例えばレーザプリンターやインクジェットプリンター、ファクシミリ装置等であっても適用できることはいうまでもない。
【0016】
図1及び図2に示すように、画像形成装置100は、いわゆる胴内排紙型のデジタル複合機ある。本体ハウジング20と上ハウジング21とにより装置本体2が構成されている。装置本体2の左側部には用紙後処理装置70が付設されている。
【0017】
本実施形態では、本体ハウジング20は、下ハウジング20aと、その上方で右側部に沿って位置し上ハウジング21に連結される連結ハウジング20bと、より構成される。下ハウジング20aには、用紙Pの給紙部4や、用紙P上にトナー画像を形成する画像形成部6や、用紙上のトナー画像を定着するための定着装置7等が設けられる。連結ハウジング20bには、定着後の用紙Pを搬送して本体ハウジング20から排出するための用紙排出部(排出部)19が設けられている。
【0018】
また、上ハウジング21の直下における連結ハウジング20bの左側方には、左側面及び正面に向けて大きく開放された胴内排紙空間22が形成されており、この胴内排紙空間22には、連結ハウジング20bの左側面から排出される用紙Pを受け取って積載する一方で、用紙Pに後処理を施す場合には用紙後処理装置70への搬送を可能とする中継ユニット30が設けられている。
【0019】
図2に示すように、本体ハウジング20内には、下部に配設された給紙部4と、この給紙部4の側方および上方に配設された用紙搬送部5と、給紙部4の上方に配設された画像形成部6と、この画像形成部6の用紙搬送方向下流側(図の右側)に配設された定着装置7とが備えられている。
【0020】
給紙部4は、複数の給紙カセット4aと、用紙搬送方向下流側に給紙ローラー等の分離給送手段とを備え、給紙カセット4aに載置された用紙Pの束を、給紙ローラーの回転動作によって、最上位の用紙Pから1枚ずつ用紙搬送部5に給紙する。用紙搬送部5は、給紙部4から給紙された用紙Pを、各搬送ローラー対5aによって画像形成部6へと搬送する。
【0021】
画像形成部6及び定着装置7は、装置本体2の内部で用紙搬送方向と直交する幅方向に細長く配設され、下ハウジング20a内の上部において、図2の左側から画像形成部6、定着装置7の順に用紙Pの搬送方向に沿って並設されている。
【0022】
画像形成部6は、電子写真プロセスによって、用紙P上に所定のトナー像を形成するものであり、回転可能に軸支された像担持体である感光体ドラム10と、この感光体ドラム10の周囲にその回転方向に沿って配設される帯電装置11、露光装置12、現像装置13、転写装置14、クリーニング装置15及び不図示の除電装置を備えている。定着装置7は、画像形成部6においてトナー像が転写された用紙Pを、加熱ローラーと加圧ローラーとからなる一対の定着ローラー7aに挟持させて加熱及び加圧して、未定着トナー像を用紙P上に定着させるものである。
【0023】
上ハウジング21内には、画像読取部8が設けられている。画像読取部8は、原稿の画像情報を読み取るものであり、1枚ずつの原稿を手置きで読み取らせる場合には、原稿搬送装置3を開いて上ハウジング21の上面に設けられたコンタクトガラス8a上に原稿を載置するが、原稿束から1枚ずつを自動的に読み取らせる場合には、閉じた状態の原稿搬送装置3の給紙トレイ上3aに原稿束を載置する。原稿束が給紙トレイ3a上に載置された場合は、当該原稿束から1枚ずつの原稿が自動的に順次コンタクトガラス8a上に送り込まれるようになっている。いずれの場合でもコンタクトガラス8a上に位置した原稿に、不図示の露光ランプから光が照射され、その反射光は画像光として不図示の反射鏡及び結像レンズ等の光学系を介して光電変換部(CCD)へ導かれる。
【0024】
上記のように構成された画像形成装置100の基本的な動作を説明する。先ず、図2で反時計回りに回転する感光体ドラム10の表面が帯電装置11によって一様に帯電され、引き続き画像読取部8で読み取られた画像情報に基づいて露光装置12(レーザー装置等)からのレーザービームが感光体ドラム10の周面に照射され、これによって感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像に現像装置13から現像剤としてのトナーが供給されることによりトナー像が形成される。
【0025】
次いで、給紙部4からの用紙Pは、用紙搬送路5を通りレジストローラー9によってトナー像が形成された感光体ドラム10に向けて搬送され、ここで転写ローラー等からなる転写装置14により感光体ドラム10の表面のトナー像が用紙Pに転写される。そして、トナー像が転写された用紙Pは感光体ドラム10から分離され、定着装置7に向けて搬送され、定着ローラー7aを通過することによる加熱処理でトナー像が定着される。
【0026】
トナー像の用紙Pへの転写処理が完了した感光体ドラム10は、クリーニング装置15で周面に残留している残留トナーが取り除かれた後、除電装置(不図示)で残留電荷を除去する除電処理が施され、その後、帯電装置11により再び周面に帯電処理が施され、以下同様にして画像形成が行われることとなる。
【0027】
定着装置7を通過した用紙Pは、そのまま垂直上方に向き垂直搬送路18に沿って連結ハウジング20b内に搬送される。垂直搬送路18の上部は連結ハウジング20b内で左方に向かって上下2つの搬送路に分岐しており、分岐部に配置された切り替え爪17によって、用紙Pの搬送方向が切り替えられるようになっている。
【0028】
この連結ハウジング20b内には、用紙排出部19が設けられている。用紙排出部19は、一対の第1排出ローラー19aと、該第1排出ローラー19aの直下に配置された一対の第2排出ローラー19bと、を有しており、垂直搬送路18を搬送された用紙Pが切り替え爪17によって上方の搬送路若しくは下方の搬送路に案内される。
【0029】
切り替え爪17によって上方の搬送路に案内された用紙Pは、第1排出ローラー19aから左方に排出され、切り替え爪17によって下方の搬送路に案内された用紙Pは、第2排出ローラー19bによって左方に排出される。切り替え爪17は、不図示の制御部によって案内方向を切り替えるようになっている。
【0030】
中継ユニット30は、胴内排紙空間22の底面部22aに着脱可能に装着され、胴内排紙空間22には、中継ユニット30の装着を検知する検知センサ(不図示)が設けられている。かかる検知センサは、PIセンサ等から形成されており、検知結果を制御部に送信する。
【0031】
胴内排紙空間22の底面部22aには、用紙排出方向下流側(図2の左側)に向かって上方に傾斜する傾斜面が形成されており、中継ユニット30が胴内排紙空間22から離脱されているとき、底面部22aが用紙排出トレイとして用いられる。かかる場合、検知センサは中継ユニット30が装着されていないことを検知し、かかる検知結果が制御部に送信されると、切り替え爪17は用紙Pを第1排出ローラー19aに案内する。そして、第1排出ローラー19aから排出された用紙Pは底面部22a上に排出される。
【0032】
一方、中継ユニット30が胴内排紙空間22に装着されているとき、検知センサは中継ユニット30が装着されていることを検知し、かかる検知結果が制御部に送信されると、切り替え爪17は用紙Pを第2排出ローラー19bに案内する。そして、第2排出ローラー19bから排出された用紙Pは中継ユニット30に搬入される。中継ユニット30内に搬入された用紙Pは、中継ユニット30内を通過し、用紙後処理装置70に搬入される。
【0033】
用紙後処理装置70は、装置本体2の側面部2bに着脱可能に配置され、装置本体2で画像形成処理された用紙Pに対して綴じ処理や、用紙Pをずらして排出するシフト排出処理等の後処理を行うものである。
【0034】
用紙後処理装置70内部には、中継ユニット30から搬入された用紙Pを下流側に搬送する後処理用搬送ローラー71と、搬入された用紙Pを複数枚スタックして、スタックされた用紙束をまとめてステープルで綴じる綴じ処理装置73と、用紙P若しくは用紙束をずらして排出するシフト排出装置74とが設けられている。
【0035】
画像形成処理された用紙Pが、中継ユニット30を経由して用紙後処理装置70内に搬入されると、不図示の制御部により綴じ処理が指示されている場合には、綴じ処理装置73によって、所定枚数の用紙束を整列させた後、用紙束の所定の位置に綴じ処理が行われる。一方、綴じ処理が指示されていない場合、用紙Pはそのまま綴じ処理装置73を通過し、排出トレイ75に排出される。
【0036】
また、シフト排出処理が指示されている場合には、シフト排出装置74によって、用紙P若しくは用紙束をずらして排出トレイ75の所定位置にシフト排出処理が行われ、シフト排出処理が指示されていない場合はそのままシフト排出装置74を通過し、排出トレイ75に排出される。
【0037】
図3〜図7を用いて用紙後処理装置70の装置本体2への取り付け及び画像形成装置100の持ち運びについて説明する。図3は、用紙後処理装置を装置本体に取り付けた状態を示す斜視図であり、図4は、用紙後処理装置を取り付けるための装置本体の一側面部の斜視図である。また、図5及び図6は装置本体の一側面部にユニット取り付け部を装着した状態を示す斜視図であり、図5は下側から見た図で、図6は上側からみた図である。図7は、第2取手部材が突出した状態のユニット取り付け部の斜視図である。尚、各図では、画像形成装置の給紙部からオプションユニットであるペーパーフィーダーを取り外して示している。また、図5〜図7では用紙後処理ユニットを取り外し、図4では原稿搬送装置3を取り外して示している。
【0038】
図3に示すように、用紙後処理装置70は、綴じ処理やシフト排出処理が行われ処理した用紙或いは用束を排出トレイ75に排出する用紙後処理ユニット77と、用紙後処理ユニット77を載置するユニット取り付け部81と、を備える。ユニット取り付け部81は、装置本体2とともに用紙後処理装置70を保持することが可能である第2取手部材88を有し、装置本体2の一側面部2bに取り外し可能に装着される。排出トレイ75は用紙後処理ユニット77に取り外し可能に装着される。
【0039】
図4に示すように、装置本体2の一側面部2bには、ユニット取り付け部81を取り付けるために複数のネジ孔45が設けられ、さらに、装置本体2を移動されるために保持することが可能な第1取手部41が設けられる。図示しないが、装置本体2の反対側の側面部2bにも第1取手部41が設けられる。
【0040】
第1取手部41は、略矩形状に装置本体2の側面部2bから切り欠かれた凹状に形成され、装置本体2の前後方向に並べて一対設けられる。装置本体2を移動させる場合、両側面部2bの第1取手部41に手指を差し込んで装置本体2を持ち上げることができる。また、用紙後処理装置70が装着される側面部2b側の第1取手部41には、ユニット取り付け部81の後述する嵌装爪85を挿入可能な係合孔(図示せず)が形成されている。
【0041】
複数のネジ孔45は、側面部2bの周囲に形成され、取り付け部材である複数のネジ部材87(図5参照)を螺合させることができる。ユニット取り付け部81を所定の位置にて側面部2bに当接させ複数のネジ部材87を各ネジ孔45に螺合させると、ユニット取り付け部81は側面部2bに装着される。
【0042】
図5に示すように、ユニット取り付け部81は、略矩形平板状のユニット取付本体82と、ユニット取付本体82から側面部2bと反対側(図5の左側)に延びる一対の中継部83と、一対の中継部83の先端側に取り付けられる載置部84と、ユニット取付本体82から側面部2b側に延び、ユニット取り付け部81を装置本体2の側面部2bに装着する際の位置決め部となる一対の嵌装爪85と、を有する。ユニット取り付け部81の各部82〜85は、例えば鉄板等で適宜所定の形状に形成され溶接等で夫々固着される。尚、図5では左側の嵌装爪85は不可視である。
【0043】
ユニット取付本体82は、ユニット取り付け部81を所定の位置にて装置本体2の側面部2bに当接させたときに装置本体2のネジ孔45(図4参照)に対応する位置に取り付け孔82aを有する。ユニット取付本体82の一方の面を装置本体2の側面部2bに対面させ、取り付け孔82aを介してネジ部材87をネジ孔45に螺合させると、ユニット取り付け部81は装置本体2の側面部2bに装着される。ユニット取付本体82の一方の面の下方には、一対の嵌装爪85が装置本体2の側面部2b側に突出して設けられ、一対の嵌装爪85を装置本体2の各第1取手部41に挿入することで、ユニット取付本体82の取り付け孔82aを装置本体2のネジ孔45に簡単に位置合わせすることができる。尚、ユニット取付本体82の上側のネジ部材87は中継ユニット30に形成したネジ孔(図示せず)に螺合する。
【0044】
中継部83は、ユニット取付本体82の他方の面において下側の両側端から延びて設けられる。中継部83は、用紙後処理ユニット77の幅(装置本体2の側面方向における長さ)より僅かに短く形成されるとともに、剛性を高めるために断面がI状に形成される(図6、図7も参照)。
【0045】
載置部84は一対の中継部83の先端側に橋渡し状に固着される。また、載置部84は、用紙後処理ユニット77の奥行き(装置本体2の前後方向の長さ)と略同じ長さにて装置本体2の前後方向に延び、断面が凹状に形成され、凹状の両端部が下側を向くように配置される。載置部84は上面に載置面84e(図6、図7参照)を有し、載置面84eは、用紙後処理ユニット77(図4参照)が載置可能となる。用紙後処理ユニット77をユニット取付本体82の所定の位置に当接させるとともに載置面84e上に載置すると、用紙後処理ユニット77がユニット取り付け部81に取り付けられたことになる。
【0046】
載置部84には、一対の第1ガイド孔84a及び一対の第2ガイド孔84bが形成される。一対の第1ガイド孔84aは凹状の載置部84の一方の側面である第1側面84cに形成され、一対の第2ガイド孔84bは載置部84の他方の側面である第2側面84dに形成される。これらのガイド孔84a、84bは一対の第2取手部材88を側面方向に移動可能に案内するものである。一方の第1及び第2ガイド孔84a、84bが一方の第2取手部材88を移動可能に案内し、他方の第1及び第2ガイド孔84a、84bが他方の第2取手部材88を移動可能に案内する。
【0047】
これらのガイド孔84a、84bは一対の中継部83の外側に配設される。第2取手部材88を案内する一組の第1及び第2ガイド孔84a、84bは互いに装置本体2の側面方向に対向し同じサイズの四角形状に形成される。また、一組のガイド孔84a、84bは離間して設けられる。一組のガイド孔84a、84bを適切に離間させることによって、第2取手部材88が一組のガイド孔84a、84b間で大きくガタつくことなく収納位置と引き出した突出位置との間を移動可能で、且つ、第2取手部材88を把持した状態で、装置本体2と用紙後処理装置70(画像形成装置100)を持ち上げたとき、第2取手部材88に掛かる画像形成装置100の荷重を一組のガイド孔84a、84bに対応する位置に分散させ、第2取手部材88が損傷することがない。
【0048】
第2取手部材88は、装置本体2の側面方向に延設され、載置部84の一組のガイド孔84a、84bに嵌装可能であるサイズにて断面が凹状に形成される。第2取手部材88は、凹状の両端部が上側となるように一組のガイド孔84a、84bに嵌装される。このように第2取手部材88を断面凹状に形成することで、第2取手部材88の剛性を高めることができ、第2取手部材88を把持して画像形成装置100を持ち上げても、第2取手部材88は破損することがない。また、凹状の両端部が上側となるように、つまり第2取手部材88の凹状の平面部を使用者が掴むことになり、第2取手部材88を把持しやすい。
【0049】
第2取手部材88の先端部には係止突起88aが形成される。係止突起88aは、下方に延びて形成され載置部84の第1側面84cに対向するように配置される。第2取手部材88を載置部84内に収納したとき、係止突起88aは載置部84の第1側面84cに当接する。図示しないが第2取手部材88の突出位置においても、突出位置を決める位置決め部材が設けられる。例えば図7において、第2取手部材88の、係止突起88aの反対側端部に上方に延びた係止突起を形成し、載置部84の載置面84eに下側に突出したピンをねじ込み、第2取手部材88が突出した状態において、位置決め部材としてこの係止突起とピンが当接するように構成する。このようにすれば、第2取手部材88をユニット取り付け部81に収納する際に奥まで入り込み過ぎたり、ユニット取り付け部81から引き出す際に抜け落ちたりするおそれがなくなる。
【0050】
上記の構成より、装置本体2に用紙後処理装置70を付設した画像形成装置100を所定の位置に移動させるには、排出トレイ75を用紙後処理ユニット77から取り外し、第2取手部材88を収納位置から突出位置に移動させ、次に、ユニット取り付け部81から突出した第2取手部材88を把持するとともに、装置本体2の他方の側面部2bの第1取手部41を保持して、画像形成装置100を持ち上げ所定の位置に移動させる。従って、装置本体2と用紙後処理装置70を分離することなく、画像形成装置100を簡単に持ち運ぶことができる。画像形成装置100を所定の位置に設置後、第2取手部材88をユニット取り付け部81に収納すると、嵩張ることがない。
【0051】
画像形成装置100を移動させるときに、排出トレイ75を用紙後処理ユニット77から取り外すことで、第2取手部材88が装置本体2の側面方向において排出トレイ75の長さより短く突出させる構成であっても、第2取手部材88を保持することができる。第2取手部材88の長さが短くなると、第2取手部材88の剛性を高めることができる。
【0052】
尚、画像形成装置100が比較的に軽量である場合、或いは材料強度や部材の厚み等で第2取手部材88の剛性を高めてある場合、第2取手部材88を長くして排出トレイ75を用紙後処理ユニット77に装着した状態で第2取手部材88を保持するようにしてもよい。この構成では排出トレイ75を取り外さなくてもよく、画像形成装置100をさらに簡単に移動させることができる
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に利用することができ、特に、綴じ処理等の後処理を行う用紙後処理装置を着脱可能に備える画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0054】
2 装置本体
2b 側面部
19 用紙排出部(排出部)
22 胴内排紙空間
30 中継ユニット
41 第1取手部
45 ネジ孔
70 用紙後処理装置
73 綴じ処理装置
74 シフト排出装置
75 排出トレイ
77 用紙後処理ユニット
81 ユニット取り付け部
82 ユニット取付本体
83 中継部
84 載置部
84a 第1ガイド孔
84b 第2ガイド孔
84c 第1側面
84d 第2側面
84e 載置面
85 嵌装爪
87 ネジ部材
88 第2取手部材
88a 係止突起
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成された用紙を装置本体の側面方向に排出する排出部と、
該排出部から排出された用紙が搬入される用紙後処理ユニットと、
該用紙後処理ユニットを載置可能であって装置本体の一側面部に着脱可能なユニット取り付け部と、
装置本体の両側面部に設けられ装置本体を持ち上げるための凹状の第1取手部と、を備える画像形成装置において、
前記ユニット取り付け部には、前記用紙後処理ユニット及びユニット取り付け部を付設した装置本体を持ち上げるために装置本体の側面方向に収納または引き出し可能な第2取手部材が設けられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記用紙後処理ユニットは、後処理された用紙を排出する着脱可能な排出トレイを有し、前記第2取手部材を引き出したときの最大突出長さは、装置本体の側面方向において前記排出トレイの長さより短いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ユニット取り付け部は、装置本体の一側面部に当接するユニット取付本体と、該ユニット取付本体から装置本体と反対方向に延びる一対の中継部と、該中継部に固定され前記用紙後処理ユニットを載置する載置部と、有し、
前記載置部は、離間した二つの位置で前記第2取手部材を収納または引き出し可能に案内するガイド孔を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2取手部材は、板材にて断面が凹状となるように形成され、凹状の両端部が上側を向くように配置されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−242704(P2012−242704A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114290(P2011−114290)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】