説明

画像形成装置

【課題】中間転写ベルトユニットの落下を防止して、ユニット着脱作業を円滑に行うことのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルト及び該中間転写ベルトの幅方向両側に配置されたサイドフレームを有する中間転写ベルトユニットc3を、所定高さに設けた入口部12を介して内部に収容する装置本体10と、入口部12を閉塞する閉塞位置と入口部12を開放する開放位置との間で装置本体10に対して回動可能な開閉部30と、開閉部30に設けられ、開閉部30が開放位置に位置するときに、入口部12に対応する高さにおいてサイドフレームを支持可能な支持部40と、を有する複写機Pを採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、またはファクシミリ装置等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フルカラー式の画像形成装置においては、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(BK)の各色にそれぞれ対応した複数の感光体ドラムの周面に、レーザスキャニングユニットを用いて電気的潜像を形成し、各色のトナーによって各色のトナー像をそれぞれ生成するように構成されている。
【0003】
各感光体ドラムの周面に生成された各色のトナー像は、無端回走する中間転写ベルトに順次重畳転写され、これにより、中間転写ベルト上にカラー画像が合成される。次いで、この中間転写ベルト上に合成されたカラー画像を、転写ローラーを用いて用紙等からなるシート材に転写した後、定着装置で加圧・加熱することで、カラー画像を形成するように構成されている。
【0004】
上記中間転写ベルトは、装置本体に対して着脱自在にユニット化されており、メンテナンス等の際に、装置本体から取り外し可能に構成されている(例えば、下記特許文献1参照)。この中間転写ベルトユニットを装置本体から取り出す場合、装置内部に設けられた本体レールに沿って機外まで引き出し、その後、その下に位置する転写ローラーや搬送経路等に接触させないようにして、当該ユニットを持ち上げて取り外す必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−70218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、操作ミス等の人的要因によって、転写ローラーや搬送経路等の上に中間転写ベルトユニットが落下した場合には、転写ローラーや搬送経路、あるいは、当該ユニットの中間転写ベルトが傷付いたり、破損したりすることがある。
特に、上記複数の感光体ドラムを並べて配置したタンデム型においては、必然的に中間転写ベルトユニット自体の長さが長くなって、取り扱い難くなるため、上記人的ミスを誘発させやすくなるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、中間転写ベルトユニットの落下を防止して、ユニット着脱作業を円滑に行うことのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、無端ベルト及び該無端ベルトの幅方向両側に配置されたサイドフレームを有する中間転写ベルトユニットを、所定高さに設けた入口部を介して内部に収容する装置本体と、上記入口部を閉塞する閉塞位置と上記入口部を開放する開放位置との間で上記装置本体に対して回動可能な開閉部と、上記開閉部に設けられ、上記開閉部が開放位置に位置するときに、上記入口部に対応する高さにおいて上記サイドフレームを支持可能な支持部と、を有する画像形成装置を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、中間転写ベルトユニットを着脱する際に装置本体の入口部を開放する開閉部に設けた支持部によって、当該入口部に対応する高さで、中間転写ベルトユニットの無端ベルトに触れることなくその両側のサイドフレームを支持することができる。このため、中間転写ベルトユニットの無端ベルトを傷つけることなく、ユニット着脱の際の落下を防止できる。
【0009】
また、本発明では、上記サイドフレームが上記支持部に支持されたときに、上記中間転写ベルトユニットの上記幅方向における位置を規制する規制部を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、支持部に支持させたときに、中間転写ベルトユニットと装置本体の入口部とが幅方向において位置合せされるため、中間転写ベルトユニットの装置本体に対する装着作業を容易に行うことができる。
【0010】
また、本発明では、上記支持部と上記規制部とが一体で形成されているという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、支持部と規制部とが一体形成されるため、部品点数を低減でき、製造コストを抑制することができる。
【0011】
また、本発明では、上記装置本体は、上記入口部を介して上記中間転写ベルトユニットを内部に案内する本体レールを有しており、上記開閉部が開放位置に位置するときに、上記支持部は、上記本体レールと同じ高さに位置するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、支持部が装置本体に設けた本体レールと同じ高さに位置するため、支持部から本体レール、また、本体レールから支持部への連続的な中間転写ベルトユニットの受け渡しが可能となるため、ユニット着脱作業性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明では、上記開閉部には、上記閉塞位置に位置するときに上記無端ベルトと対向配置される転写ローラー及び上記無端ベルトと上記転写ローラーとの間にシート材を搬送する搬送経路の少なくともいずれか一方が設けられているという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、開閉部に転写ローラーや搬送経路が設けられている場合に、転写ローラーや搬送経路への中間転写ベルトユニットの落下による傷付けや破損を防止することができる。
【0013】
また、本発明では、上記開閉部は、第1の開閉部と、第2の開閉部と、を有し、上記支持部は、上記第1の開閉部に設けられた第1の支持部と、上記第2の開閉部に設けられると共に上記開放位置に位置するときに上記第1の支持部よりも上記入口部に対して離間して配置される第2の支持部と、を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、第1の支持部と、当該第1の支持部よりも装置本体の入口部に対して離間した第2の支持部によって、中間転写ベルトユニットが支持されるため、安定性を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、中間転写ベルトユニットの落下を防止して、ユニット着脱作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における複写機の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態における中間転写ベルトユニットの底面側外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態における本体レールに支持された中間転写ベルトユニットの平面側外観を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態における本体レールに沿って引き出された中間転写ベルトユニットの平面側外観を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態における装置本体の外観を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態における開閉部を開放位置に位置させたときの斜視図である。
【図7】本発明の実施形態における開閉部を開放位置に位置させたときの配置を示す概略図である。
【図8】本発明の実施形態における中間転写ベルトユニットのユニット着脱作業を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。
【0017】
(画像形成装置の概略構成)
図1は、本発明の実施形態における複写機Pの概略構成図である。
複写機(画像形成装置)Pは、排出部a、トナーカートリッジ収納部b、画像形成部c、用紙部dを備えている。また、複写機Pには、下部に位置する用紙部dから上部に位置する排出部aにかけて、搬送部eが設けられている。また、複写機Pには、排出部aの上部に、原稿を読み取るスキャナー部fが設けられている。
【0018】
排出部aは、所定の画像が形成された用紙(シート材)が搬送部eを介して排出されるように構成されている。この排出部aの底面は傾斜が付されていて、排出される用紙が複数枚のときに一端側が揃えて積層できるように工夫されている。
【0019】
トナーカートリッジ収納部bは、ブラックトナー(BK)のトナーカートリッジb1、イエロートナー(Y)のトナーカートリッジb2、シアントナー(C)のトナーカートリッジb3及びマゼンダトナー(M)のトナーカートリッジb4を収納できるように構成されている。そして、各カートリッジb1〜b4からは、画像形成部cの現像ユニットc2にトナーを供給できるように構成されている。
【0020】
画像形成部cは、レーザスキャンニングユニットc1、現像ユニットc2、中間転写ベルトユニットc3、クリーニングユニットc4、2次転写ユニットc5及び定着ユニットc6を含んで構成されている。
【0021】
レーザスキャンニングユニットc1は、周知のレーザスキャンニングユニットと同様に、レーザ光を発生する光ビーム発生器と、その光ビーム発生器から照射されてくる光ビームを走査するポリゴンミラーと、そのポリゴンミラーにより走査された光ビームを後述する感光体ドラム1a〜1d上に結像させるfθレンズ等を含んで構成されている。
【0022】
現像ユニットc2は、感光体ドラム1a〜1dに対してトナーを供給することによって感光体ドラム1a〜1dの周面に形成された静電潜像を現像するものであり、各色(BK,Y,C,M)に対応する4つの現像器c21を備えている。
【0023】
感光体ドラム1a〜1dは、中間転写ベルトユニットc3の搬送方向に沿って互いに所定の間隔を保って設けられている。これら感光体ドラム1a〜1dは、各色(BK,Y,C,M)に対応して設けられている。そして、各感光体ドラム1a〜1dには、帯電器、除電器及びクリーナ等がそれぞれ設けられ、帯電状態のドラム周面にレーザスキャンニングユニットc1を用いて静電潜像が生成されると共に、トナーカートリッジ収納部bから現像ユニットc2に供給されたトナーによりトナー像が形成されるように構成されている。
【0024】
中間転写ベルトユニットc3は、合成樹脂製のベルト基体に弾性層を積層して形成された積層ベルトからなる無端の中間転写ベルト(無端ベルト)2を有している。この中間転写ベルト2の一端側(+X側)は、複写機Pの本体の一端側に上下方向(Z方向)に沿って設けられている搬送部eの一部に対向しており、その他端側(−X側)は、複写機Pの本体の他端側に位置し、略水平状に設けられている。この中間転写ベルト2は、一端側が図示しない駆動源に連なる駆動ローラー3に張架され、他端側がテンションローラー4に張架されて構成されている。
【0025】
上記中間転写ベルト2の感光体ドラム1a〜1dに対向する位置には、中間転写ベルト2を挟んで1次転写ローラー5a〜5dがそれぞれ設けられている。そして、これら1次転写ローラー5a〜5dは、中間転写ベルト2の移動に伴って回転できるように構成されている。なお、中間転写ベルト2は、駆動ローラー3及びテンションローラー4以外にもベルトの移動方向を変更する転換ローラーやアイドリングローラーで支持されている。
【0026】
クリーニングユニットc4は、テンションローラー4側に設けられ、中間転写ベルト2上に残存したトナーを、ブレード等を用いて除去し、その除去されたトナーを図示しない廃トナーボトルへ排出できるように構成されている。
2次転写ユニットc5は、上述した駆動ローラー3及びその駆動ローラー3に対向し中間転写ベルト2を中間に挟んで配置される2次転写ローラー(転写ローラー)6によって構成されている。
【0027】
2次転写ローラー6は、上述したように、駆動ローラー3に対向し中間転写ベルト2を中間に挟んで配置されている。また、この2次転写ローラー6は、常時、駆動ローラー3を押圧するように設けられている。したがって、この2次転写ローラー6は、中間転写ベルト2が駆動ローラー3により移動(回転)されるとその移動に伴って回転することができる。また、搬送部eを介して用紙が搬送されてきたときは、その用紙を中間転写ベルト2との間に介在させた状態で2次転写ローラー6を回転させることができると共に、用紙を定着ユニットc6側に搬送させることができる。
【0028】
定着ユニットc6は、2次転写ユニットc5の設けられているよりも下流側の搬送部eの一部に設けられていて、その搬送部eを搬送する用紙を挟持できるように配置された一対のローラーで構成されている。そして、定着ユニットc6は、その一対のローラーによって加圧・加熱して2次転写ユニットc5で転写された用紙上のトナー像を用紙に定着できるように構成されている。
【0029】
用紙部dは、装置本体10に対して開閉自在に設けられている給紙トレイd1と、装置本体10に対して引き出し自在に設けられている給紙カセット(カセット)d2とを備えている。そして、給紙トレイd1あるいは給紙カセットd2から搬送部eに1枚ずつ用紙を供給できるように構成されている。
【0030】
搬送部eは、下部に位置する用紙部dから上部に位置する排出部aにかけて設けられていて、複数の搬送ローラー及びガイド板によって構成されている。そして、この搬送部eは、用紙部dから供給された用紙を1枚ずつ排出部aに向けて搬送できるように搬送経路e1と、定着部ユニットc6の下流側において排出部aに向かう搬送路から分岐して反対側に向かい、下方に進んで2次転写ユニットc5の上流側で再び合流するように逆C字形状の搬送経路(反転経路)e2とで構成されている。
【0031】
上記構成からなる複写機Pは、駆動ローラー3の駆動が開始されて中間転写ベルト2の回動が開始されると、カラー印刷の場合は、レーザスキャンニングユニットc1から各感光体ドラム1a〜1dに画像データに対応したレーザ光が照射されて静電潜像が形成され、供給されたトナーによって各色のトナー像が形成される。そして、それら各色のトナー像は、中間転写ベルト2に順次重畳転写されてカラー画像が合成される。次いで、この中間転写ベルト2上に合成されたカラー画像は2次転写ユニットc5で用紙に転写された後、定着ユニットc6で加圧・加熱されて定着処理される。最後に、カラー画像の印刷された用紙が排出部aに排出される。また、用紙の両面に画像形成する場合は、排出部aに用紙の先端側を排出し後端側が装置本体10内にある状態で一時停止した後、用紙を逆方向に反転搬送して搬送経路e2に搬送する。用紙は搬送経路e2を通って再び搬送経路e1に搬送され、搬送経路e1において裏面側が2次転写ユニットc5に対向して搬送され、裏面に画像形成が行われる。
【0032】
(中間転写ベルトユニット及び装置本体の構成)
図2は、本発明の実施形態における中間転写ベルトユニットc3の底面側外観を示す斜視図である。図3は、本発明の実施形態における本体レール11に支持された中間転写ベルトユニットc3の平面側外観を示す斜視図である。図4は、本発明の実施形態における本体レール11に沿って引き出された中間転写ベルトユニットc3の平面側外観を示す斜視図である。
【0033】
図2に示すように、中間転写ベルトユニットc3は、中間転写ベルト2の幅方向(Y軸方向)両側に配置されたサイドフレーム20を有する。サイドフレーム20は、中間転写ベルト2の回走経路に沿って長さ方向(X軸方向)に延在して、対となって設けられている。このサイドフレーム20には、中間転写ベルト2、駆動ローラー3、テンションローラー4、及び、1次転写ローラー5a〜5d等が支持されている。
【0034】
図3に示すように、中間転写ベルトユニットc3は、装置本体10に対する装着時、装置本体10に設けられた本体レール11によって支持されている。本体レール11は、中間転写ベルトユニットc3のサイドフレーム20をスライド自在に支持し、水平方向(X軸方向)に案内する構成となっている(図4参照)。
【0035】
中間転写ベルトユニットc3の上面部には、起立/倒伏自在な取手部21が設けられている。取手部21は、長さ方向において間隔をあけて配置されている。作業者は、図4に示すように起立させた取手部21を把持することで、中間転写ベルトユニットc3を支持することができる。また、図3に示すように取手部21を倒伏させることで、装置本体10内の構成機器に干渉・衝突させずに、中間転写ベルトユニットc3を本体レール11に沿ってスライドさせることができる。
【0036】
図5は、本発明の実施形態における装置本体10の外観を示す斜視図である。図6は、本発明の実施形態における開閉部30を開放位置に位置させたときの斜視図である。図7は、本発明の実施形態における開閉部30を開放位置に位置させたときの配置を示す概略図である。
【0037】
図5に示すように、装置本体10の右側(+X側)側面には、開閉部30の取手部30aが設けられている。取手部30aは、給紙トレイd1の上方に設けられている。中間転写ベルトユニットc3の着脱作業をする際、作業者がこの取手部30aを把持し、装置本体10の右側側面の一部を構成する開閉部30を、図6及び図7に示すように開くことにより、装置本体10の内部に収容された中間転写ベルトユニットc3を外部に露出させることができる構成となっている。
【0038】
図7に示すように、中間転写ベルトユニットc3は、装置本体10において所定高さに設けられた入口部12を介して装置本体10の内部に収容される構成となっている。具体的には、入口部12まで、上述した本体レール11の+X側端部が延設されており、当該本体レール11によって中間転写ベルトユニットc3が案内され、装置本体10の内部に収容される構成となっている。開閉部30は、入口部12を開放する開放位置と、入口部12を閉塞する閉塞位置との間で装置本体10に対して回動可能に構成されている。
【0039】
本実施形態の開閉部30は、第1の開閉部31と、第2の開閉部32とを有する。
図7に示すように、第1の開閉部31は、入口部12の下方に配置された不図示の回動軸を支点として、装置本体10に対して回動可能な構成となっている。第1の開閉部31は、閉塞位置に位置するとき、図7において点線で示すように、入口部12から水平方向に延びる延長線上に位置して、入口部12を閉塞する構成となっている。
【0040】
一方、第1の開閉部31は、開放位置に位置するとき、図7において実線で示すように、入口部12から水平方向に延びる延長線上から退避した位置に位置し、入口部12を開放する構成となっている。なお、開放位置に位置する第1の開閉部31は、不図示のワイヤー等で吊られて、当該位置よりも大きく開くことのないように規制されている。
【0041】
第1の開閉部31の内面側には、2次転写ユニットc5の2次転写ローラー6と、搬送部eを構成する搬送経路e1の一部とが設けられている。また、第1の開閉部31の外面側には搬送経路e2の一部が形成されている。2次転写ユニットc5の2次転写ローラー6は、第1の開閉部31が閉塞位置に位置するときには、中間転写ベルト2に対向配置され、また、第1の開閉部31が開放位置に位置するときには、中間転写ベルト2から離間するよう構成されている。
【0042】
図7に示すように、第2の開閉部32は、入口部12の下方に配置された不図示の回動軸を支点として、装置本体10に対して回動可能な構成となっている。なお、第2の開閉部32の回動軸は、第1の開閉部31の回動軸と同一であっても良いし、異なっていても良い。また、第2の開閉部32は、第1の開閉部31よりも外側に配置されている。このため、第1の開閉部31を開くときは、先に第2の開閉部32を開くこととなる。
【0043】
第2の開閉部32は、閉塞位置に位置するとき、図7において点線で示すように、入口部12から水平方向に延びる延長線上に位置して、入口部12を閉塞する構成となっている。一方、第2の開閉部32は、開放位置に位置するとき、図7において実線で示すように、入口部12から水平方向に延びる延長線上から退避した位置に位置し、入口部12を開放する構成となっている。また、第2の開閉部32も同様に、開放位置に位置するとき、不図示のワイヤー等で吊られて、当該位置よりも大きく開くことのないように規制されている。
【0044】
第2の開閉部32には、搬送部eを構成する搬送経路(反転経路)e2が設けられている。第2の開閉部32の回動軸からその先端部36までの長さは、第1の開閉部31の回動軸からその先端部35までの長さよりも大きい構成となっている。これにより、開放位置に位置するとき、第2の開閉部32の先端部36は、第1の開閉部31の先端部35よりも外側に開く構成となっている。
【0045】
上記構成の開閉部30には、図6及び図7に示すように開閉部30が開閉位置に位置するときに、入口部12に対応する高さにおいて中間転写ベルトユニットc3のサイドフレーム20を支持可能な支持部40が設けられている。
支持部40は、第1の開閉部31に設けられた第1の支持部41と、第2の開閉部32に設けられた第2の支持部42とを有する。
【0046】
第1の支持部41は、第1の開閉部31の先端部35近傍に設けられている。この第1の支持部41は、Y軸方向において、中間転写ベルトユニットc3のサイドフレーム20を支持可能な間隔で対となって設けられている。第1の支持部41は、第1の開閉部31が開放位置に位置するとき、第1の開閉部31に設けられた2次転写ユニットc5の2次転写ローラー6や搬送部eの搬送経路e1よりも上方であって、本体レール11と同じ高さに位置する構成となっている。したがって、第1の支持部41は、機外において、本体レール11の機能を補助・延長させるレールとして機能することが可能となっている。
【0047】
一方、第2の支持部42は、第1の開閉部31の先端部35よりも外側に開く第2の開閉部32の先端部36に設けられている。したがって、第2の開閉部32が開放位置に位置するとき、第2の支持部42は、第1の支持部41よりも入口部12に対して離間して配置される構成となっている。
【0048】
この第2の支持部42も、Y軸方向において、中間転写ベルトユニットc3のサイドフレーム20を支持可能な間隔で対となって設けられ、第2の開閉部32が開放位置に位置するとき、第2の支持部42に設けられた搬送部eの搬送経路e2よりも上方であって、本体レール11と同じ高さに位置する構成となっている。したがって、第2の支持部42についても、機外において、本体レール11の機能を補助・延長させるレールとして機能することが可能となっている。
【0049】
上記構成の支持部40の隣には、規制部50が設けられている。規制部50は、中間転写ベルトユニットc3のサイドフレーム20が支持部40に支持されたときに、中間転写ベルトユニットc3の幅方向(Y軸方向)の位置を規制する構成となっている。規制部50は、Y軸方向において、入口部12(本体レール11)の幅に対応した間隔で対となって設けられている。
【0050】
支持部40と規制部50とは、一体で形成されている。規制部50は、中間転写ベルトユニットc3の幅方向両側面と対向可能な平面を有する略板形状を有している。また、支持部40は、当該平面形状から垂直に突出した略リブ形状を有する(図6参照)。この構成によれば、支持部40と規制部50とが一体形成され、部品点数を低減でき、製造コストを抑制することができると共に、支持部40が補強リブとして機能し、全体の強度を向上させることができる。
【0051】
続いて、図8を追加参照して、上記構成の複写機Pにおける中間転写ベルトユニットc3のユニット着脱作業について説明する。
図8は、本発明の実施形態における中間転写ベルトユニットc3のユニット着脱作業を説明するための斜視図である。
【0052】
装置本体10から中間転写ベルトユニットc3を取り出す場合、先ず、作業者は、図5に示す取手部30aを把持し、開閉部30を開くことにより、装置本体10の内部に収容された中間転写ベルトユニットc3を外部に露出させる。より詳しくは、作業者は、先ず、第2の開閉部32を回動させて開放位置に位置させ、次に、第1の開閉部31を回動させて開放位置に位置させることにより、両者を、入口部12の延長線上から退避させ、入口部12を露出させる(図7参照)。
【0053】
また、開閉部30が開放位置に位置すると、開閉部30に設けられた支持部40が、露出した入口部12に対応する高さに位置することとなる。この状態で、図8に示すように、入口部12から中間転写ベルトユニットc3を手前側に引き出すと、当該入口部12に対応する高さで、支持部40によって、中間転写ベルトユニットc3の中間転写ベルト2に触れることなくその両側のサイドフレーム20を支持することができる。このため、中間転写ベルトユニットc3の中間転写ベルト2を傷つけることなく、ユニット着脱の際の落下を防止できる。
【0054】
中間転写ベルトユニットc3は、第1の開閉部31に対となって設けられた第1の支持部41と、第2の開閉部32に対となって設けられ、第1の支持部41よりも装置本体10の入口部12に対して離間した第2の支持部42によって、計4箇所で支持され、安定して支持される。これにより、作業者は、中間転写ベルトユニットc3の上面部の取手部21を起立させ(図4参照)、その取手部21を把持して、中間転写ベルトユニットc3を落ち着いて持ち上げることができるため、当該ユニットを2次転写ユニットc5の2次転写ローラー6や搬送部eの搬送経路e1,e2上に落下させることなく、容易に取り外すことができる。
【0055】
一方、メンテナンス後、中間転写ベルトユニットc3を装置本体10に装着する場合、先ず、作業者は、開閉部30を開放位置に位置させる。そして、中間転写ベルトユニットc3を、開閉部30に設けた支持部40に支持させる。支持部40によって、中間転写ベルトユニットc3は安定して支持されるため、開閉部30に設けられた2次転写ユニットc5の2次転写ローラー6や搬送部eの搬送経路e1,e2の上に落下することはない。したがって、作業者は、落ち着いて取手部21を倒伏させることができる。
【0056】
開閉部30が開放位置に位置するとき、支持部40は、本体レール11と同じ高さに位置する(図7参照)。したがって、作業者は、図8に示すように、支持部40から本体レール11への連続的な中間転写ベルトユニットc3の受け渡しを行うことができる。また、中間転写ベルトユニットc3を支持部40に支持させたとき、規制部50によって中間転写ベルトユニットc3と装置本体10の入口部12とが幅方向において位置合せされる。このため、中間転写ベルトユニットc3の装置本体10に対する装着作業を容易に行うことができる。
【0057】
本体レール11に受け渡された中間転写ベルトユニットc3は、装置本体10の内部に水平方向に案内され、所定位置に収容される。その後、作業者は、開閉部30を閉塞位置に位置させることで、入口部12を閉塞して、2次転写ユニットc5の2次転写ローラー6を、中間転写ベルトユニットc3の中間転写ベルト2に対向配置させ、また、2次転写ローラー6と中間転写ベルト2との間に、用紙を搬送する搬送部eの搬送経路を形成させる(図1参照)。
以上により、中間転写ベルトユニットc3の着脱作業が終了する。
【0058】
したがって、上述した本実施形態によれば、中間転写ベルト2及び該中間転写ベルト2の幅方向両側に配置されたサイドフレーム20を有する中間転写ベルトユニットc3を、所定高さに設けた入口部12を介して内部に収容する装置本体10と、入口部12を閉塞する閉塞位置と入口部12を開放する開放位置との間で装置本体10に対して回動可能な開閉部30と、開閉部30に設けられ、開閉部30が開放位置に位置するときに、入口部12に対応する高さにおいてサイドフレーム20を支持可能な支持部40と、を有する複写機Pを採用することによって、入口部12に対応する高さで、中間転写ベルトユニットc3の中間転写ベルト2に触れることなくその両側のサイドフレーム20を支持することができる。このため、中間転写ベルトユニットc3の中間転写ベルト2を傷つけることなく、ユニット着脱の際の落下を防止できる。
したがって、本実施形態では、中間転写ベルトユニットc3の落下を防止して、ユニット着脱作業を円滑に行うことができる。
【0059】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0060】
例えば、上記実施形態では、開閉部が、第1の開閉部と第2の開閉部とを有する構成について例示したが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、例えば、搬送部eに用紙反転経路等がなければ開閉部は一つであっても良い。
【0061】
また、例えば、上記実施形態では、画像形成装置として、複写機を例示したが、本発明は、例えば、プリンター、ファクシミリ装置等の画像形成装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
P…複写機(画像形成装置)、2…中間転写ベルト(無端ベルト)、6…2次転写ローラー(転写ローラー)、10…装置本体、11…本体レール、12…入口部、20…サイドフレーム、30…開閉部、31…第1の開閉部、32…第2の開閉部、40…支持部、41…第1の支持部、42…第2の支持部、50…規制部、c3…中間転写ベルトユニット、c5…2次転写ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端ベルト及び該無端ベルトの幅方向両側に配置されたサイドフレームを有する中間転写ベルトユニットを、所定高さに設けた入口部を介して内部に収容する装置本体と、
前記入口部を閉塞する閉塞位置と前記入口部を開放する開放位置との間で前記装置本体に対して回動可能な開閉部と、
前記開閉部に設けられ、前記開閉部が開放位置に位置するときに、前記入口部に対応する高さにおいて前記サイドフレームを支持可能な支持部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記サイドフレームが前記支持部に支持されたときに、前記中間転写ベルトユニットの前記幅方向における位置を規制する規制部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記支持部と前記規制部とが一体で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置本体は、前記入口部を介して前記中間転写ベルトユニットを内部に案内する本体レールを有しており、
前記開閉部が開放位置に位置するときに、前記支持部は、前記本体レールと同じ高さに位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記開閉部には、前記閉塞位置に位置するときに前記無端ベルトと対向配置される転写ローラー及び前記無端ベルトと前記転写ローラーとの間にシート材を搬送する搬送経路の少なくともいずれか一方が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記開閉部は、第1の開閉部と、第2の開閉部と、を有し、
前記支持部は、前記第1の開閉部に設けられた第1の支持部と、前記第2の開閉部に設けられると共に前記開放位置に位置するときに前記第1の支持部よりも前記入口部に対して離間して配置される第2の支持部と、を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−247704(P2012−247704A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120901(P2011−120901)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】