説明

画像形成装置

【課題】給紙トレイを特別な形状とせず、また加振専用の部品を設けなくても廃トナー回収容器を加振することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明は、印字された用紙を定着部16の定着ローラから分離させるために、ノズル20に圧縮エアーを提供するコンプレッサ22と、ドラムクリーナ11及びベルトクリーナ18で回収された廃トナーを収容する廃トナー回収容器26とが同一の積載フレーム21に固定されているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真方式にて用紙に画像を形成する画像形成装置、特に感光体や中間転写体等の像担持体をクリーニングした際に発生する廃トナーを回収する廃トナー回収装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体や中間転写ベルトから用紙上にトナー像を転写すると感光体等にはトナーが残留する。残留トナーはクリーニングブレードにより感光体等から除去され、感光体等の付近に設けられたトナー搬送路により画像形成装置下部に設けられた廃トナー回収容器に回収され、廃トナー回収容器と共に破棄される。廃トナー回収容器内において、トナー搬送路の直下において廃トナーが円錐形状に堆積するが、トナー搬送路から遠い箇所には廃トナーが堆積しにくい。また、廃トナー回収容器の廃トナーの高さにより充填率を検出し、満杯になった場合に廃トナー回収容器を交換する必要があるが、廃トナーの高さが高い箇所を検出すると廃トナーが堆積していない箇所があっても廃トナー回収容器の交換時期と判断されてしまうため、充填効率が悪くなってしまう。そこで廃トナー回収容器内の廃トナーを平坦化することで充填率を上げるための種々の方法が提案されている。
【0003】
特許文献1では給紙トレイの上部に凸部を設け、給紙トレイを挿脱する際に当該凸部が廃トナー回収容器の下部と当接することで廃トナー回収容器は上下に加振され、廃トナーが平坦化される。
【0004】
また、特許文献2では、用紙を搬送する搬送路を挟んで配置された一対のローラ対の一方に、外周面の一部を構成する部分が舌片状に剥離して回動する回動部材が配設され、前記回動部材が配設されたローラが所定方向に回転する際に、前記回動部材を剥離して外周面から外方に回動させ、前記回動部材の回動により廃トナーボックスを振動させ、廃トナーが平坦化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−208443号公報
【特許文献2】特開2010−054796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の場合では給紙トレイを挿脱しなければ廃トナー回収容器を加振させることができない。また、給紙トレイが複数ある場合では、凸部を有する給紙トレイが廃トナー回収容器の直下になければ廃トナー回収容器は加振されない。
【0007】
また、特許文献2の場合では、搬送路を保持するローラに、廃トナー回収容器の側壁を叩いて振動を与えるような特殊なローラを設けなければならなかった。
【0008】
そこで本発明は、給紙トレイを特別な形状とせず、また加振専用の部品を設けなくても廃トナー回収容器を加振することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、下記の画像形成装置により達成される。
(1)潜像が形成される感光体と、前記感光体上に形成された潜像を現像剤で現像してトナー像を形成する現像部と、前記感光体上のトナー像を用紙に転写する転写部と、転写された前記トナー像を前記用紙に定着する定着部と、前記定着部から前記用紙を分離する分離手段と、転写後の前記感光体上に残留する廃トナーをクリーニングするクリーナと、除去された廃トナーを回収する廃トナー搬送路と、回収された前記廃トナーを収容する廃トナー回収容器と、送風のための圧縮エアーを生成するコンプレッサと、前記コンプレッサの駆動を制御する制御部と、を有する画像形成装置において、本体フレームに積載フレームが取付けられ、前記積載フレーム上に前記コンプレッサを設置すると共に、同一の前記積載フレーム上に前記廃トナー回収容器を設置したことを特徴とする画像形成装置。
(2)前記積載フレームは、前記本体フレームに防振材を介して取り付けたことを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記分離手段は、前記コンプレッサから供給される前記圧縮エアーを定着部へ送風することにより、前記定着部から前記用紙を分離することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記積載フレームには、更に、前記コンプレッサからの前記圧縮エアーを貯蔵するタンクを設置し、前記制御部は、前記タンク内の圧力が所定値を下回った場合、前記コンプレッサを駆動することを特徴とする前記(1)から(3)の何れかに記載の画像形成装置。
(5)前記コンプレッサは、前記コンプレッサで生成された圧縮エアーを前記タンクに貯蔵する貯蔵経路と、大気に放出する放出経路と、を切り替える切替手段を有し、前記制御部は、前記切替手段により前記放出経路を選択した状態で、前記コンプレッサを駆動することを特徴とする前記(1)から(4)の何れかに記載の画像形成装置。
(6)前記制御部は、前記画像形成装置における前記用紙の処理枚数に応じて前記コンプレッサを駆動することを特徴とする前記(1)から(5)の何れかに記載の画像形成装置。
(7)前記制御部は、廃トナー量に応じて前記コンプレッサを駆動することを特徴とする前記(1)から(6)の何れかに記載の画像形成装置。
(8)前記制御部は、前記用紙の印字率又は画像サイズの情報により前記廃トナー量を算出することを特徴とする前記(7)に記載の画像形成装置。
(9)前記廃トナー回収容器は、前記廃トナー回収容器内に収容する廃トナーの高さを検出する廃トナーセンサを有し、前記制御部は、前記廃トナーセンサの検出結果に基づき所定時間、前記コンプレッサを駆動することを特徴とする前記(1)から(8)の何れかに記載の画像形成装置。
(10)前記制御部は、前記コンプレッサの前記所定時間の駆動後、前記廃トナーセンサから解除信号が出力されるまでは、前記コンプレッサの前記所定時間の駆動を繰り返すことを特徴とする前記(9)に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、振動を発生するコンプレッサと廃トナー回収容器とを同一の積載フレームに設置するようにしたため、コンプレッサにより生じる振動を、同一の積載フレーム上に設置された廃トナー回収容器に伝達することができる。これにより、専用の加振装置を設けず、また廃トナー回収容器を加振するための特別な部品を設けなくても廃トナー回収容器を加振させることができる。その結果、廃トナー回収容器に堆積する廃トナーは円錐形状から平坦化され、廃トナー回収容器の充填効率及び交換サイクルを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る画像形成装置1の概略図である。
【図2】本発明に係る廃トナー回収容器付近の拡大図である。
【図3】本発明に係る廃トナー回収容器の加振動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0013】
図1は本実施の形態における画像形成装置1の内部構造を示す概略図である。
【0014】
画像形成装置1は、画像読取部6、画像形成部1Y、1M、1C、1K、感光体ドラム7、帯電部8、光書込部9、現像部10、ドラムクリーナ11、中間転写ベルト12、1次転写部13、レジストローラ14、2次転写部15、定着部16、排紙ローラ17、ベルトクリーナ18、用紙反転部19、ノズル20、廃トナー回収部、積載フレーム21及び図外の制御部から構成される。
【0015】
画像形成装置1は、タンデム型カラー画像形成装置に使用されるもので、4組の画像形成部によりカラー画像形成を行う。
【0016】
原稿台上に載置された原稿は画像読取部6の走査露光の光学系により画像が走査露光され、ラインイメージセンサに読み込まれる。光電変換された画像情報信号は、図外の画像情報処理部において、アナログ信号、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、光書込部9に入力される。
【0017】
4組の画像形成部はイエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部1Y、マゼンダ(M)色の画像を形成する画像形成部1M,シアン(C)色の画像を形成する画像形成部1C、黒(K)色の画像を形成する画像形成部1Kである。
【0018】
画像形成部1Yは、感光体ドラム7Y及びその周囲に配置された帯電部8Y、光書込部9Y,現像部10Y及びドラムクリーナ11Yを有して構成される。画像形成部1M、1C及び1Kは、色の相違を除けば画像形成部1Yと同様の構成を有するため説明を省略する。以下、特に区別が必要な場合を除き符号Y,M,C,Kを付さずに表記することにする。
【0019】
画像形成装置1は、光書込部9にて画像情報信号を感光体ドラム7上に書込み、感光体ドラム7上に画像情報信号に基づく潜像を形成する。そして潜像は現像部10の現像剤により現像され、感光体ドラム7上に可視画像であるトナー像が形成される。
【0020】
画像形成部1Y,1M,1C,1Kにおけるそれぞれの感光体ドラム7Y,7M,7C,7Kにそれぞれ、イエロー(Y)色、マゼンダ(M)色、シアン(C)色、黒(K)色の画像が形成される。
【0021】
転写部は、中間転写ベルト12、一次転写部13、2次転写部15で構成されている。
【0022】
中間転写ベルト12は、複数のローラにより巻回され、走行可能に支持されている。
【0023】
画像形成部1Y,1M、1C,1Kより形成された各色のトナー画像は、走行する中間転写ベルト12上に一次転写部13Y、13M,13C,13Kにより逐次転写されてY(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K(黒)の各色層が重畳したカラー画像が形成される。
【0024】
給紙部2から搬送される用紙は、レジストローラ14を経て2次転写部15に搬送され、用紙S上に中間転写ベルト12上のカラー画像が転写される。カラー画像が転写された用紙は、定着部16にて熱と圧力とを加えることにより用紙上のトナー像が定着され、排紙ローラ17を経て下流の後処理部(不図示)に搬送される。
【0025】
また、画像形成装置1は、用紙反転部19を備えており、定着された用紙を排紙ローラ17から用紙反転部19に導いて表裏を反転し後処理部へ搬送、あるいは用紙の両面に画像形成を行うことを可能としている。
【0026】
分離手段を構成するノズル20は、定着工程を終えた用紙に圧縮エアーを吹き付けて定着部16の定着ローラから用紙を分離させる。圧縮エアーを供給するためのコンプレッサ22は、圧縮エアーを貯蔵するリザーバタンク23を備えている。廃トナー回収部は、廃トナーを搬送する廃トナー搬送路24と容器側面に開口部25を有する廃トナー回収容器26、および廃トナー回収容器26内の廃トナーの高さが所定の高さに達しているか否かを検出する廃トナーセンサ27から構成されている。
【0027】
廃トナー回収容器26には、ドラムクリーナ11やベルトクリーナ18により回収された感光体ドラム7や中間転写ベルト12上に残留する残留トナーがスパイラル部材を内部に設けた廃トナー搬送路24を通じて搬送される。廃トナー搬送路内部では、図示しないモータ等からの動力により、スクリューが回転し、廃トナーが円滑に搬送される。廃トナー搬送路24は感光体ドラム7の直下に設けられており、当該感光体ドラム7付近の他の部品を避けるように配置されている。
【0028】
図2(A)は本実施の形態における廃トナー回収容器26の開口部側の図、図2(B)は廃トナー回収容器26と廃トナーセンサ27の関係を表した図、図2(C)は従来の位置に開口部25を配置したものである。
【0029】
開口部25は本実施の形態では例えば廃トナー回収容器26の側面に設けられ、廃トナーセンサ27が廃トナー回収容器内部の廃トナーの積載状況を監視できるようになっている。廃トナーセンサ27は本実施の形態では開口部25の外側近傍に配置されている。
【0030】
廃トナーセンサ27の検出光は開口部25に指向され、例えば廃トナーセンサ27のビーム上に廃トナーが堆積していれば、反射光の強度が変わることにより廃トナーの状態を検出する。廃トナー回収容器26の加振が必要になった場合、画像形成部1の各部位に信号を送受信する制御部(不図示)は廃トナーセンサ27からの信号によりコンプレッサ22を駆動するように信号を送出する。詳細については後述する。
【0031】
定着工程において、定着部16を通過した用紙は用紙上の熔融トナーの粘度により定着ローラから剥がれにくい状態となっている。通常の画像形成装置の場合、用紙を分離するために金属爪等により定着ローラから用紙を分離している。爪跡が用紙に残り、製品品質が低下するため、本実施の形態では爪の代わりの分離手段として定着ローラ16の下流にノズル20を設け、圧縮エアーを吹き付けることで用紙を分離するようにしている。
【0032】
圧縮エアーの吹き付けは、本実施の形態ではコンプレッサ22とリザーバタンク23から供給される圧縮エアーをノズルから送風することにより行う。
【0033】
コンプレッサは、レシプロあるいは偏心回転等により振動を発生させるものが使用できるが、本実施の形態においては、例えば比較的低騒音で小型のコンプレッサとして容積型のベーンタイプやスクロールタイプのコンプレッサを用いることが好ましい。
【0034】
コンプレッサ22とリザーバタンク23の設置は、オフィス用画像形成装置であれば給紙トレイが設置されている空間のデッドスペースを利用し、積載フレーム21に取付けることにより行う。画像形成装置の本体フレームにコンプレッサ22を取付けると、コンプレッサ22の駆動による振動により画像形成に影響を与えるおそれがある。このため、コンプレッサ22と積載フレーム21の間にはゴムやダンパ―、スプリング等の防振材を介在させることが好ましい。
【0035】
このように、廃トナー回収容器26とコンプレッサ22を同一の積載フレーム21に取付けることにより、コンプレッサ22の駆動により廃トナー回収容器26が加振されるため、構成の簡素化を図ることができる。
【0036】
廃トナー回収容器26の加振動作は廃トナーセンサ27の検知結果に基づき行う。
【0037】
図2(C)のように、廃トナーセンサの設置位置には、廃トナー回収容器の廃トナー搬送路の直下でない場所にセンサを設置する場合がある。この場合、廃トナーセンサは廃トナー回収容器の中でも、廃トナーの高さが比較的低い位置でも所定の高さに達しているかを検出し、廃トナー回収容器が交換すべき状況になったかを検出している。
【0038】
本実施の形態では、廃トナーセンサ27を廃トナー搬送路24の直下に設けるようにしている。廃トナーセンサ27を廃トナー搬送路24の直下に配置することで、廃トナーの最も高い箇所が所定の高さまで達しているかを検出でき、廃トナー回収容器26の加振を行うべき適切なタイミングで廃トナー回収容器26を加振させることができる。なお、廃トナー回収容器を交換するタイミングは廃トナー回収容器の重量を監視することによって検出してもよい。
【0039】
図3は廃トナー回収容器内の平坦化動作についてのフローチャートである。なお、開口部25は図2(A)における廃トナー回収容器26の側部の位置に配置されている。
【0040】
廃トナー回収容器内の平坦化動作は、画像形成装置のプリント動作に関わりなく、画像形成装置の電源がオン状態の間は行われる。まず、制御部は、制御部が備えるROM等に記録されているメモリを読み込んで、廃トナー回収容器の交換後からのプリント枚数が例えば100枚等の所定枚数を超えているか、又は、コンプレッサ22の強制駆動後からのプリント枚数が例えば100枚等の所定枚数を超えているか、どうか比較、判断する(ステップS1)。
【0041】
廃トナー回収容器の交換後からのプリント枚数又は、コンプレッサ22の強制駆動後からのプリント枚数が、例えば100枚等の所定枚数を超えている場合(ステップS1:YES)、制御部は強制駆動信号を出力してコンプレッサ22を強制振動し、制御部のRAM等のメモリに強制振動信号を送出した回数をカウントアップする(ステップS2)。
【0042】
廃トナー回収容器の交換後からのプリント枚数又は、コンプレッサ22の強制駆動後からのプリント枚数が所定枚数を超えていない場合(ステップS1:NO)またはステップS2でコンプレッサ22を強制駆動した場合、制御部は廃トナーセンサ27により廃トナー回収容器内の廃トナーが所定の高さに達しているかどうかを判断する(ステップS3)。
【0043】
廃トナーが所定の高さに達している場合(ステップS3:YES)、制御部はステップS2においてカウントアップした回数が所定回数(例えば10回)に到達しているかどうかを判断する(ステップS4)。
【0044】
制御部のメモリに記録された回数が所定回数を超えていない場合(ステップS4:YES)、ステップS2に戻り、制御部は前述と同様の制御を行う。メモリに記録された回数が所定回数に達している場合(ステップS4:NO)、制御部は、廃トナー満坦を表示した後に(ステップS5)、画像形成装置の電源がONかどうか判定し(ステップS6)、電源がオンの場合は(ステップS6:YES)ステップS1に戻って前述と同様の制御を行う。電源がオフの場合は(ステップS6:NO)、制御フローを終了する。
【0045】
上記フローチャートでは、廃トナー回収容器の交換後からのプリント枚数、又は、コンプレッサ22の強制駆動後からのプリント枚数と、廃トナーセンサ27の検出によりコンプレッサ22を強制駆動させたが、例えば以下のように構成することも可能である。
【0046】
フローチャートのステップS1では画像形成装置1のプリント枚数により強制駆動を行ったが、その代わりにリザーバタンク23の圧力が所定値、例えば下限値を下回った時にコンプレッサ22を駆動させることも可能である。
【0047】
また、リザーバタンク23の状況とは関わりなく、画像読取部6等で読み取った原稿の画像情報、つまり印字率やプリントサイズに基づいてコンプレッサ22の駆動タイミングを決定することも可能である。
【0048】
更に上記以外にもコンプレッサ22を定期的に強制駆動させるために、コンプレッサ22にはリザーバタンク23へ圧縮エアーを導く経路以外に大気開放する経路を設け、コンプレッサ22の強制駆動時には大気開放の経路を選択し、圧縮エアーを大気に放出させるようにすることが好ましい。
【0049】
以上に記載したように、本実施の形態に係る画像形成装置は、定着部で用紙を送風により分離させるための圧縮エアーを供給するコンプレッサを廃トナー回収容器と同一積載フレーム上に設置することにより、コンプレッサが駆動することにより発生する振動を利用でき、廃トナー回収容器専用の加振装置を設けなくても、廃トナー回収容器を加振させることができる。これにより、廃トナー回収容器内の廃トナーを平坦化し、廃トナー回収容器の充填効率を高め、廃トナー回収容器の交換サイクルを向上させることができる。
【0050】
コンプレッサは、タンク内の圧力が所定値、例えば下限値を下回った際にコンプレッサの強制駆動を行わせるようにすれば、特許文献1のような給紙トレイの挿脱を行わなくても、定期的に廃トナー回収容器を加振することができ、定期的に加振を行うための特別の制御を行う必要がない。
【0051】
コンプレッサで作成した圧縮エアーをタンクへ貯蔵する経路と大気へ放出する経路に選択的に切り替える切替手段を有することで、コンプレッサの強制駆動時には大気へ放出する経路が選択されるようにすれば、タンクに圧縮エアーを貯蔵するタイミングでなくても廃トナー回収容器を定期的に加振することができる。
【0052】
フレームに取付けられたコンプレッサは、防振材を介して取り付られているため、コンプレッサによる振動が画像形成装置の画像形成部に影響を及ぼして、転写された用紙上の画像の画像品質が低下することはない。
【0053】
コンプレッサを所定のプリント枚数、例えば100枚毎に強制駆動するようにすれば、廃トナー回収容器を定期的に加振して、廃トナー回収容器の交換サイクルを向上させることができる。
【0054】
コンプレッサによる加振タイミングを印字率やプリントサイズ情報より算出させるようにすれば、廃トナー回収容器へのトナーの堆積は上記用紙への印字率やプリントサイズと相関を持っているため、上記情報に基づいて加振を行うことにより適切なタイミングで平坦化を行うことができる。
【0055】
廃トナーセンサを設けて廃トナーの高さが所定の高さになったことを検出した際にコンプレッサの強制駆動を行うようにすれば、廃トナー回収容器の積載状況に合わせて適切なタイミングで平坦化を行うことができる。
【0056】
コンプレッサを一定時間強制駆動させた後に廃トナーの検出信号が解除されない場合には、コンプレッサの強制振動を繰り返すようにすれば、一回の強制駆動により廃トナー回収容器内を平坦化できなかった場合でも再び強制駆動させることにより、平坦化を効果的に行うことができる。
【0057】
本発明は、上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において当業者による種々の変更が可能である。例えば、本実施の形態ではコンプレッサと廃トナー回収容器が画像形成部の筐体内部に設けられているが、これに限らず、例えばコンプレッサと廃トナー回収容器を外部に配置することも可能である。この場合、コンプレッサやタンクをオフィス用画像形成装置の給紙トレイにあたる場所に設ける必要がないため、大型の画像形成装置でなくても廃トナー回収容器内の廃トナーの平坦化を行うことができる。
【符号の説明】
【0058】
20…ノズル、
21…積載フレーム、
22…コンプレッサ、
23…リザーバタンク、
24…廃トナー搬送路、
25…開口部、
26…廃トナー回収容器、
27…廃トナーセンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像が形成される感光体と、
前記感光体上に形成された潜像を現像剤で現像してトナー像を形成する現像部と、
前記感光体上のトナー像を用紙に転写する転写部と、
転写された前記トナー像を前記用紙に定着する定着部と、
前記定着部から前記用紙を分離する分離手段と、
転写後の前記感光体上に残留する廃トナーをクリーニングするクリーナと、
除去された廃トナーを回収する廃トナー搬送路と、
回収された前記廃トナーを収容する廃トナー回収容器と、
送風のための圧縮エアーを生成するコンプレッサと、
前記コンプレッサの駆動を制御する制御部と、
を有する画像形成装置において、
本体フレームに積載フレームが取り付けられ、
前記積載フレーム上に前記コンプレッサを設置すると共に、同一の前記積載フレーム上に前記廃トナー回収容器を設置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記積載フレームは、前記本体フレームに防振材を介して取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記分離手段は、前記コンプレッサから供給される前記圧縮エアーを定着部へ送風することにより、前記定着部から前記用紙を分離することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記積載フレームには、更に、前記コンプレッサからの前記圧縮エアーを貯蔵するタンクを設置し、前記制御部は、前記タンク内の圧力が所定値を下回った場合、前記コンプレッサを駆動することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記コンプレッサは、前記コンプレッサで生成された圧縮エアーを前記タンクに貯蔵する貯蔵経路と、大気に放出する放出経路と、を切り替える切替手段を有し、前記制御部は、前記切替手段により前記放出経路を選択した状態で、前記コンプレッサを駆動することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記画像形成装置における前記用紙の処理枚数に応じて前記コンプレッサを駆動することを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、廃トナー量に応じて前記コンプレッサを駆動することを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記用紙の印字率又は画像サイズの情報により前記廃トナー量を算出することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記廃トナー回収容器は、前記廃トナー回収容器内に収容する廃トナーの高さを検出する廃トナーセンサを有し、前記制御部は、前記廃トナーセンサの検出結果に基づき所定時間、前記コンプレッサを駆動することを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記コンプレッサの前記所定時間の駆動後、前記廃トナーセンサから解除信号が出力されるまでは、前記コンプレッサの前記所定時間の駆動を繰り返すことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−252164(P2012−252164A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124635(P2011−124635)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】