説明

画像形成装置

【課題】様々な箇所で発生する余剰電流を有効活用することのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】カラープリンター1は,動作時に正の余剰電流を発生する正画像形成デバイスと,動作時に負の余剰電流を発生する負画像形成デバイスと,正極と負極とを有し画像形成部への補助電源として機能する蓄電器と,正画像形成デバイスの余剰電流ポイントと接地ポイントと正極との間に設けられた第1スイッチと,接地ポイントと負画像形成デバイスの余剰電流ポイントと負極との間に設けられた第2スイッチと,蓄電器から画像形成部への電力供給をオンオフする第3スイッチとを有し,各スイッチは,正極を正画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続し負極を接地ポイントに接続する第1状態と,正極を接地ポイントに接続し負極を負画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続する第2状態とをとるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,プリンター,FAX等の画像形成装置に関する。さらに詳細には,蓄電器を備えた電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より,電子写真方式の画像形成装置では,余剰電流が発生してしまう箇所がある。例えば,帯電器として帯電チャージャーを用いるものでは,安定板電流を流すことにより帯電電位を安定させている。また例えば,転写器の転写性を安定させるために,転写電流の一部が,対向ローラーを介してGNDへ流されている。
【0003】
一方,従来より,蓄電部材を備えて,補助的な電力供給装置として使用している画像形成装置がある(例えば,特許文献1参照)。この文献の装置は,定着ヒーターの立ち上がり時間を短縮するために,ACヒーターに加えて,蓄電部材の電力で加熱する補助ヒーターを備えている。この文献では,蓄電部材の充電は,CPUの指示に基づいて,商用電源からの電力を用いて行うとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−58520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで,上記の余剰電流を,蓄電部材の充電電力として有効活用したいという要望があった。しかしながら,余剰電流は,その発生箇所により,正の電流も負の電流もあるうえ,その流れるタイミングも様々である。さらには,例えば安定板電流は帯電電位を安定させるためのものであり,この電流を蓄えようとして帯電電位が不安定となったのでは,本末転倒である。つまり,画像形成の機能に悪影響を与えない範囲で,余剰電流を有効活用することが,課題であった。
【0006】
本発明は,前記した従来の画像形成装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,様々な箇所で発生する余剰電流を有効活用することのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,画像形成部と,画像形成部へ電力を供給する電源部とを有する画像形成装置であって,画像形成部に設けられ,電源部からの電力供給による動作時に正の余剰電流を発生する正画像形成デバイスと,画像形成部に設けられ,電源部からの電力供給による動作時に負の余剰電流を発生する負画像形成デバイスと,正極と負極とを有し,画像形成部への補助電源として機能する蓄電器と,正画像形成デバイスの余剰電流ポイントと接地ポイントと正極との間に設けられ,正極を正画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続し接地ポイントに接続しない第1状態と,正極を接地ポイントに接続し正画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続しない第2状態とのいずれかをとる第1スイッチと,接地ポイントと負画像形成デバイスの余剰電流ポイントと負極との間に設けられ,負極を接地ポイントに接続し負画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続しない第1状態と,負極を負画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続し接地ポイントに接続しない第2状態とのいずれかをとる第2スイッチと,正画像形成デバイスと負画像形成デバイスとのうちいずれか一方の余剰電流ポイント(以下,「ポイントX」という)と,画像形成部との間に設けられ,蓄電器から画像形成部への補助電力の供給経路となる補助電流経路と,蓄電器から画像形成部への補助電流経路を経由しての電力供給をオンオフする第3スイッチとを有し,第1スイッチと第2スイッチとは,揃って第1状態となり,または揃って第2状態となるものである。
【0008】
この画像形成装置では,正画像形成デバイスから正の余剰電流が発生するとともに,負画像形成デバイスから負の余剰電流が発生する。本発明の装置は,第1スイッチと第2スイッチとを有しているので,これらにより蓄電器の正極と負極とに接続されるポイントを切り替えることができる。第1スイッチと第2スイッチとを揃って第1状態とすれば,蓄電器の正極は正画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続され,蓄電器の負極は接地ポイントに接続される。従って,蓄電器の正極に正電荷が蓄電される。また,第1スイッチと第2スイッチとを揃って第2状態とすれば,蓄電器の正極は接地ポイントに接続され,蓄電器の負極は負画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続される。従って,蓄電器の負極に負電荷が蓄電される。さらに,第3スイッチによって,補助電流経路を経由しての電力供給がオンオフされるので,適切なタイミングで蓄電器の電力を活用することができる。すなわち本発明によれば,正の余剰電流も負の余剰電流も蓄電器に溜めることができるので,様々な箇所で発生する余剰電流を有効活用することのできる画像形成装置となっている。
【0009】
さらに本発明では,蓄電器の正極と負極との間に接続され,蓄電電圧を制限する上限電圧規制素子を有することが望ましい。
このようになっていれば,蓄電器をその蓄電可能電圧の範囲内で使用することができる。
【0010】
さらに本発明では,第1スイッチと第2スイッチと第3スイッチとを制御するスイッチ制御部を有し,スイッチ制御部は,正の余剰電流により蓄電器を充電する際には,第1スイッチおよび第2スイッチを揃って第1状態とするとともに第3スイッチをオフ状態とし,負の余剰電流により蓄電器を充電する際には,第1スイッチおよび第2スイッチを揃って第2状態とするとともに第3スイッチをオフ状態とし,蓄電器から画像形成部へ電力供給する際には,第1スイッチおよび第2スイッチを揃って,第1状態と第2状態とのうち一方の状態であって,ポイントXと蓄電器のいずれか一方の極とが繋がる方の状態とするとともに,第3スイッチをオン状態とするものであることが望ましい。
このようにすれば,正の余剰電流により蓄電池を充電する際には,正画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続され,負画像形成デバイスの余剰電流ポイントや電力供給先には接続されない。負の余剰電流により蓄電池を充電する際には,負画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続され,正画像形成デバイスの余剰電流ポイントや電力供給先には接続されない。従って,正画像形成デバイスと負画像形成デバイスとが互いに干渉し合うおそれはない。
【0011】
さらに本発明では,画像形成部は,表面にトナー像が形成される感光体と,トナー像を被転写体上に転写する転写部と,感光体の表面をトナーの帯電型と同極性側に帯電させる帯電部とを有し,転写部が,トナーの帯電型と逆極性の余剰電流を発生する画像形成デバイスであり,帯電部が,トナーの帯電型と同極性の余剰電流を発生する画像形成デバイスであることが望ましい。
転写部は,トナーの帯電型と逆極性の転写電流を発生する。帯電部は,スコロトロン方式のものであれば,トナーの帯電型と同極性の安定板電流を発生する。従って,このようにすればこれらの余剰電流を活用することができる。
【0012】
さらに本発明では,スイッチ制御部は,転写部と帯電部とがともに余剰電流を発生するときには,第1スイッチおよび第2スイッチを,帯電部の余剰電流により蓄電器を充電する状態とするものであることが好ましい。
帯電部の安定板電流は,転写部の転写電流に比較して,大きい電流値の電流である。そこで,これらがともに発生するときには,帯電部の安定板電流によって蓄電器を充電すれば,より効率よく余剰電流を活用できる。
【0013】
さらに本発明では,転写部は,画像形成時以外のタイミングにて,画像形成時の印加バイアスと同極性のバイアスと逆極性のバイアスとを反復して印加されるクリーニングシーケンスを行うものであり,スイッチ制御部は,転写部がクリーニングシーケンスを行う際には,同極性のバイアスが印加される期間にて,第1スイッチおよび第2スイッチを,転写部の余剰電流により蓄電器を充電する状態とし,逆極性のバイアスが印加される期間にて,第1スイッチおよび第2スイッチを,帯電部の余剰電流により蓄電器を充電する状態とするものであることが望ましい。
画像形成時以外の帯電部が動作していない期間に,転写部のクリーニングシーケンスが行われる。クリーニングシーケンスでは転写部に,両極性のバイアスが交互に繰り返して印加される。そこで,画像形成時の印加バイアスと同極性のバイアスが印加される期間に限り,第1スイッチと第2スイッチとを転写部の余剰電流により蓄電器を充電する状態とすれば,転写部の余剰電流を充電することができる。このようにすれば,帯電部が余剰電流を発生せず,転写部が余剰電流を発生するときに転写部の余剰電流によって蓄電器を充電するので,無駄なく余剰電流を活用することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の画像形成装置によれば,様々な箇所で発生する余剰電流を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本形態に係るカラープリンターの概略構成図である。
【図2】カラープリンターの制御ブロック図である。
【図3】蓄電器周辺の回路構成を示す説明図である。
【図4】第1充電状態における蓄電器周辺の回路構成を示す説明図である。
【図5】第2充電状態における蓄電器周辺の回路構成を示す説明図である。
【図6】放電状態における蓄電器周辺の回路構成を示す説明図である。
【図7】蓄電器周辺の動作シーケンス図である。
【図8】カラープリンターの処理を示すフローチャート図である。
【図9】2次転写クリーニングシーケンスを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,電子写真方式の画像形成装置であり,タンデム方式の画像形成装置に本発明を適用したものである。
【0017】
本形態のカラープリンター1の概略構成を図1に示す。本形態のカラープリンター1は,図1に示すように,カラー画像の形成が可能ないわゆるタンデム方式のMFP(多機能複合プリンター)である。図中中段には,4色の画像形成部が,図中左から右へ,イエロー10Y,マゼンタ10M,シアン10C,ブラック10Kの順に中間転写ベルト11に沿って配置されている。
【0018】
また,カラープリンター1の図1中下部には,着脱可能な給紙カセット13が装着されている。さらに,図中右側には,下から上向きに用紙を搬送する用紙搬送路14が設けられている。用紙搬送路14に沿って,下から順に,給紙ローラー15,タイミングローラー16,2次転写部17,定着部18が設けられている。
【0019】
各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kは,それぞれの感光体21を中心に図1中で時計回りに,帯電部22,露光部23,現像部24,1次転写部25を有している。図ではイエローの画像形成部10Yのみに符号を付したが,各色とも同様の構成であり,記号は共通のものである。また,中間転写ベルト11の移動方向について画像形成部10Y,10M,10C,10Kより下流側で2次転写部17より上流側の位置に,トナー濃度検出センサー27が設けられている。
【0020】
また,カラープリンター1の上面には,操作パネル部31,スキャナーユニット32,ADF(自動原稿読み取り装置)33が設けられている。さらに,カラープリンター1の内部には,全体の制御を司る制御部35と,各部へ電力の供給を行うメイン電源36とが設けられている。なお,本形態のカラープリンター1におけるトナーの帯電型は,負極性である。
【0021】
各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kに含まれる各機器や,2次転写部17,定着部18等が,画像形成デバイスに相当する。そして,これらのうちには,正の余剰電流を発生する正画像形成デバイス,負の余剰電流を発生する負画像形成デバイス,いずれの余剰電流をも発生しない画像形成デバイスの3種類のものが含まれている。例えば後述するように,2次転写部17は,トナーの帯電型と逆極性の余剰電流を発生する画像形成デバイスであり,帯電部22は,トナーの帯電型と同極性の余剰電流を発生する画像形成デバイスである。本形態のカラープリンター1では,2次転写部17が,正の余剰電流を発生する正画像形成デバイスであり,帯電部22が,負の余剰電流を発生する負画像形成デバイスである。
【0022】
次に,このカラープリンター1によってカラー画像が形成される際の,各部の動作を簡単に説明する。画像形成時には,感光体21は,帯電部22によってトナーの帯電型と同極性(本形態では負極性)に帯電され,続いて露光部23によって露光される。これにより,感光体21の表面には,画像データに基づいた静電潜像が形成される。次に,現像部24によって,静電潜像にトナーが供給され,感光体21上にトナー像が形成される。各色のトナー像は,1次転写部25によって中間転写ベルト11上に転写され,重ね合わされる。
【0023】
一方,給紙カセット13に収容されている用紙は,給紙ローラー15によって1枚ずつ引き出される。そして,中間転写ベルト11上に重ね合わされたトナー像と引き出された用紙とがタイミングローラー16によって位置合わせされ,2次転写部17においてトナー像が用紙へ転写される。さらにその用紙を定着部18において,加熱および加圧することにより,トナーが用紙に定着される。画像形成された用紙は排紙トレイ19に排出される。
【0024】
次に,本形態のカラープリンター1の制御ブロック図を図2に示す。カラープリンター1の制御部35には,CPU41,画像制御部42,メモリー43が設けられている。また,カラープリンター1は,画像コントローラー44を有している。画像コントローラー44は,操作パネル部31,スキャナーユニット32,ADF33等との通信や,画像制御部42への画像データの送信等を行うものである。
【0025】
メイン電源36は,制御部35によって制御される。メイン電源36によって出力されるDC+5V,DC+24V等は,CPU41の制御に基づいて各部へ供給されている。この図2には,電力の供給先として,2次転写用高圧電源46,帯電用高圧電源47,1次転写用高圧電源48,現像用高圧電源49を示した。2次転写用高圧電源46は,2次転写部17の2次転写ローラーへ高電圧を供給するものである。帯電用高圧電源47は,各色の帯電部22の帯電チャージャー(帯電CH)へ高電圧を供給するものである。1次転写用高圧電源48は,各色の1次転写部25の1次転写ローラーへ高電圧を供給するものである。現像用高圧電源49は,各色の現像部24の現像ローラーへ高電圧を供給するものである。
【0026】
さらに,本形態のカラープリンター1は,図2中の下部に示すように,第1スイッチ51,第2スイッチ52,第3スイッチ53の3つのスイッチを有している。これらのスイッチ51,52,53は,制御部35のCPU41の制御によって切り替えられるスイッチである。ただし,第1スイッチ51と第2スイッチ52とは電路の接続状態を切り替える切り替えスイッチであり,後述するように,揃って切り替えられるように制御される。第3スイッチ53は,電路を開閉するスイッチである。制御部35が,スイッチ制御部に相当する
【0027】
本形態の蓄電器54と,その充放電に関わる箇所の回路構成の例を図3に示す。本形態の蓄電器54は,例えば帯電部22や2次転写部17で発生する余剰電流の一部を蓄え,画像形成部中の適切な使用箇所(図中では「V+」と表記した)へ,その蓄えた電力を供給するためのものである。そのために,蓄電器54に接続される電路には,前述の3つのスイッチ51,52,53が設けられ,制御部35の制御により電路が変更されるようになっている。なお,第1スイッチ51と第2スイッチ52とは,制御部35によって揃って切り替えられるものであり,図3では点線で囲って示している。
【0028】
本形態の蓄電器54は,例えば,電気2重層キャパシタを用いた蓄電デバイスである。蓄電器54は,正極54aと負極54bとを有するものであり,図3では,正極54aを上側に示している。本形態の蓄電器54は,例えば,3.3V程度まで蓄電可能なものである。このような蓄電器54を採用した場合,この蓄電した電力の使用箇所としては,例えば制御部35が適している。
【0029】
次に,帯電部22の構成について,図3を参照して説明する。本形態の帯電部22は,スコロトロン方式のものであり,安定板22a,グリッド22b,帯電ワイヤー22cを有している。帯電部22は,帯電ワイヤー22cとグリッド22bとの間の放電によって,感光体21の表面を−500V程度に帯電させるものである。そのために,帯電実行時には帯電用高圧電源47は,帯電ワイヤー22cにマイナスの高電圧(例えば,−5kV〜−7kV)を印加するとともに,グリッド22bにグリッド電圧(例えば,約−500V)を印加する。また,帯電部22の安定板22aは,帯電ワイヤー22cからの放電を安定させるためのものである。
【0030】
帯電実行時には,帯電ワイヤー22cを介して定電流(帯電電流Ia:例えば2000μA程度)が,図3中で矢印Iaに示すように流れる。そして従来の装置では,その約85%(例えば1700μA程度)に相当する電流が,安定板電流Ibとなり,安定板22aに流されていた。安定板22aはGNDに対して負であるため,この安定板電流Ibの向きは,図3中に矢印Ibで示すように,GNDから安定板22aへ流れ込む向きである。
【0031】
この安定板電流Ibが,帯電部22において発生する負の余剰電流である。従って,この帯電部22は,帯電用高圧電源47(電源部の一部に相当する)からの電力供給による動作時に,負の余剰電流を発生する負画像形成デバイスに相当する。そして,安定板22aが,負画像形成デバイスの余剰電流ポイントに相当する。なお,帯電電流の設定値は,印字スピードや印字幅等の,カラープリンター1の仕様に主に依存して決定されている。
【0032】
次に,2次転写部17について説明する。2次転写部17は,中間転写ベルト11上に形成されたトナー像を用紙へ転写させるためのものである。2次転写部17は,その動作時に2次転写用高圧電源46によってプラス電圧(例えば,2000V程度)が印加される。そして,2次転写ローラーから用紙を通じて対向ローラー17aへ向けて,図3中で矢印Icに示すように電流が流れる。従来の装置では,対向ローラー17aがGNDに接続され,この2次転写電流IcがGNDへ流されていた。
【0033】
この2次転写電流Icが,2次転写部17において発生する正の余剰電流である。従って,2次転写部17は,電源部からの電力供給による動作時に正の余剰電流を発生する正画像形成デバイスに相当する。そして,対向ローラー17aが,正画像形成デバイスの余剰電流ポイントに相当する。
【0034】
本形態では,図3に示すように,蓄電器54の正極54aは,第1スイッチ51に接続されている。蓄電器54の負極54bは,第2スイッチ52に接続されている。そして,第1スイッチ51と第2スイッチ52とは,それぞれ2つの状態の間で切り替えられるものである。
【0035】
第1スイッチ51は,図3に示すように,蓄電器54の正極54aを,図中で上側に示す第1接点51aに接続する第1状態と図中で下側に示す第2接点51bに接続する第2状態とのいずれかをとるものである。第1スイッチ51の第1接点51aは,2次転写部17の対向ローラー17aおよび第3スイッチ53に接続されており,GND(接地ポイント)には接続されていない。第1スイッチ51の第2接点51bは,GNDに接続されており,2次転写部17の対向ローラー17aには接続されていない。
【0036】
第2スイッチ52は,図3に示すように,蓄電器54の負極54bを,図中で上側に示す第1接点52aに接続する第1状態と図中で下側に示す第2接点52bに接続する第2状態とのいずれかをとるものである。第2スイッチ52の第1接点52aは,GNDに接続されており,帯電部22の安定板22aには接続されていない。第2スイッチ52の第2接点52bは,帯電部22の安定板22aに接続されており,GNDには接続されていない。
【0037】
そして,第1スイッチ51と第2スイッチ52とは,揃って第1状態となるか,または,揃って第2状態となるように,制御部35によって制御されるものである。本形態のカラープリンター1では,第1スイッチ51と第2スイッチ52とが揃って第1状態をとると,蓄電器54の正極54aは,2次転写部17の対向ローラー17aに接続され,GNDに接続されない。第1状態では,蓄電器54の負極54bは,GNDに接続され,帯電部22の安定板22aに接続されない。また,第1スイッチ51と第2スイッチ52とが揃って第2状態をとると,蓄電器54の正極54aは,GNDに接続され,2次転写部17の対向ローラー17aに接続されない。第2状態では,蓄電器54の負極54bは,帯電部22の安定板22aに接続され,GNDに接続されない。
【0038】
従って,これらのスイッチ51,52の接続状態を選択することにより,1つの蓄電器54において,正極54aが正画像形成デバイスの余剰電流ポイント(ここでは,対向ローラー17a)に接続されている状態と,負極54bが負画像形成デバイスの余剰電流ポイント(ここでは,安定板22a)に接続されている状態とのいずれかをとることができる。
【0039】
さらに本形態では,図3に示すように,蓄電器54から画像形成部中の電力の使用箇所(V+)へ電力を供給する際の経路となる補助電流経路55が形成されている。そして,補助電流経路55中に,その経路をオンオフする第3スイッチ53が設けられている。本形態では,補助電流経路55は,2次転写部17の対向ローラー17aと電力の使用箇所との間に設けられている。つまり,本形態におけるポイントXは,2次転写部17の対向ローラー17aである。この第3スイッチ53は,第1スイッチ51や第2スイッチ52の状態とは独立に,制御部35によってオンオフ制御されるものである。
【0040】
第3スイッチ53は,第1スイッチ51の第1接点51aと電力の使用箇所との接続をオンオフするスイッチである。第1スイッチ51が第1状態となっているときは,蓄電器54の正極54aと第1接点51aとが接続されているので,蓄電器54と電力の使用箇所との接続をオンオフすることとなる。つまり,第3スイッチ53をオンすることにより,電力の使用箇所へ電力を供給する補助電源として,蓄電器54の電力を使用することができる。
【0041】
さらに本形態のカラープリンター1は,2つのツェナーダイオード56,57を有している。第1ツェナーダイオード56は,正極54aと負極54bとの間に,負極54bから正極54aへ向かう電流を許容する向きに接続されている。第2ツェナーダイオード57は,第1スイッチ51の第1接点51aと第2スイッチ52の第1接点52aとの間に,第2スイッチ52の第1接点52aから第1スイッチ51の第1接点51aへ向かう電流を許容する向きに接続されている。本形態のツェナーダイオード56,57はいずれも,ツェナー電圧が3.3Vのものである。
【0042】
次に,本形態のカラープリンター1における,蓄電器54の充放電のための制御について説明する。本形態のカラープリンター1では,制御部35によって,第1スイッチ51,第2スイッチ52,第3スイッチ53が切り替えられる。そして,蓄電器54は,2次転写部17から発生される正の余剰電流によって充電される第1充電状態と,帯電部22から発生される負の余剰電流によって充電される第2充電状態とをとることができる。あるいは,電力の使用箇所に電力を供給する放電状態をとることができる。
【0043】
第1充電状態は,図4に示すように,第1スイッチ51と第2スイッチ52とは揃って第1状態とされ,第3スイッチ53はOFFとされた状態である。この状態では,帯電部22は,蓄電器54と切り離されている。この状態では,蓄電器54の正極54aは2次転写部17の対向ローラー17aに接続され,蓄電器54の負極54bはGNDに接続されている。従って,2次転写電流Icによって正極54aに正電荷が溜まる。また,負極54bから2次転写電流Icと同じ電流値の電流がGNDへ流れて,負極54bに負電荷が溜まる。つまり,第1充電状態では,正の余剰電流である2次転写電流Icによって,蓄電器54が充電される。
【0044】
第2充電状態は,図5に示すように,第1スイッチ51と第2スイッチ52とは揃って第2状態とされ,第3スイッチ53はOFFとされた状態である。この状態では,蓄電器54の正極54aはGNDに接続され,蓄電器54の負極54bは帯電部22の安定板22aに接続される。そして,安定板電流Ibによって負極54bに負電荷が溜まる。また,GNDから安定板電流Ibと同じ電流値の電流が正極54aへ流れて,正極54aに正電荷が溜まる。つまり,第2充電状態では,負の余剰電流である安定板電流Ibによって,蓄電器54が充電される。
【0045】
なお,第1充電状態においても,第2充電状態においても,蓄電器54の充電電圧は,第1ツェナーダイオード56によって最大3.3Vまでとされている。つまり,第1ツェナーダイオード56が上限電圧規制素子として機能する。
【0046】
放電状態は,図6に示すように,第1スイッチ51と第2スイッチ52とは揃って第1状態とされ,第3スイッチ53はONとされた状態である。従って,蓄電器54の正極54aは2次転写部17の対向ローラー17a(ポイントXでもある)に接続される。さらに,2次転写部17の対向ローラー17aは,電力の使用箇所V+に接続される。従って,蓄電器54の正極54aが電力の使用箇所V+に,負極54bがGNDに接続された状態である。これにより,蓄電器54に充電されている電力を,補助電流経路55を介して使用箇所V+に供給することができる。
【0047】
本形態では,第1スイッチ51と第2スイッチ52とを揃って第2状態とすると,ポイントXは,蓄電器54の正極54aとも負極54bとも接続されない。また,第3スイッチ53をOFFとすると,ポイントXは,電力の使用箇所V+に接続されない。このため,これらの状態では,蓄電器54に充電されている電力を電力の使用箇所V+に供給することはできない。なお,電力の使用箇所V+とGNDとの間には,図6に示すように,第2ツェナーダイオード57が接続されているので,過電圧は防止されている。
【0048】
なお本形態では,2次転写電流Icの電流値に比較して,安定板電流Ibの電流値の方がかなり大きい。そのため,2次転写電流Icと安定板電流Ibとのいずれもが発生するタイミングでは,安定板電流Ibを優先的に使用する。つまり,画像形成処理中には通常,帯電部22は帯電処理を連続して行っており,安定板電流Ibが発生し続けている。そこで,画像形成時には,制御部35は,各スイッチ51,52,53を第2充電状態にする。
【0049】
そして本形態で,2次転写部17からの充電を行う第1充電状態とするのは,帯電部22が動作しておらず,2次転写部17が動作しているタイミングである。そのようなタイミングとしては例えば,2次転写部17のクリーニングシーケンス時等が挙げられる。このクリーニングシーケンスは,本形態のカラープリンター1が印刷指示を受けて印刷動作が開始されると,指示を受けた画像を形成する前にまず最初に行われるものである。2次転写部17のクリーニングシーケンスは,2次転写部17が中間転写ベルト11上に残った残留トナーで汚れて転写性能が低下することを防止するために行うものである。
【0050】
そのために,クリーニングシーケンスでは,2次転写部17に画像形成時の印加バイアスと同極性の印加バイアスと逆極性の印加バイアスとを,反復して印加する。画像形成時の印加バイアスはトナーの帯電型と逆極性のものである。例えば本形態の2次転写部17のクリーニングシーケンスは,具体的には,2次転写ローラーに対し,+2000Vを1秒間と,続いて−1000Vを1秒間とのセットを,10回程度繰り返して印加するシーケンスである。
【0051】
本形態の制御部35は,このクリーニングシーケンスのうち,画像形成時の印加バイアスと同極性の+2000Vが印加されている期間だけ第1充電状態として,蓄電器54の充電を行う。画像形成時の印加バイアスと逆極性の−1000Vが印加されている期間は第1充電状態としない。クリーニングシーケンスに限らず,帯電部22からは余剰電流が発生せず,2次転写部17から余剰電流が発生しているタイミングがあれば,その期間には第1充電状態とすればよい。
【0052】
次に,本形態の蓄電器54の充電に係る動作のタイミングチャートを図7に示す。上段から順に,2次転写部17,帯電部22,第1スイッチ51と第2スイッチ52,第3スイッチ53の動作タイミングを示している。第1スイッチ51と第2スイッチ52とは,同じ動作なので,まとめて1つのチャートで示している。図中で左側に示したのが,クリーニングシーケンス時であり,右側が画像形成処理時である。
【0053】
クリーニングシーケンスでは,カラープリンター1は,2次転写部17へ印加する電圧を切り替えるタイミングと合わせて,第1スイッチ51,第2スイッチ52を第1状態と第2状態との間で切り替える。つまり,制御部35は,2次転写部17のクリーニングシーケンス時の+2000Vが印加されている期間中,各スイッチを第1充電状態とする。制御部35は,同じく−1000Vが印加されている期間中は,各スイッチを第2充電状態とする。
【0054】
なお,この期間の「第2充電状態」というのは,単にスイッチの状態を表しているのみであり,このタイミングで充電しているわけではない。このように第1スイッチ51,第2スイッチ52を切り替えることにより,このクリーニングシーケンス中の第1充電状態の期間中に,2次転写部17によって蓄電器54の充電が行われる。
【0055】
2次転写部17のクリーニングシーケンスが終了した後は,画像形成処理が終了するまで,第2充電状態とする。あるいは,画像形成のための帯電処理が始まるまでの間に時間的余裕がある場合には,この間に放電状態として,蓄電器54の電力を使用することもできる。そして,帯電処理が開始されると,カラープリンター1は,帯電部22の帯電CHへ高電圧を印加するとともに,各スイッチ51,52を第2充電状態とする。これにより,帯電部22によって蓄電器54が充電される。画像形成処理が終了したら,カラープリンター1は,必要に応じて適切なタイミングで放電状態とし,蓄電器54の電力を使用することができる。
【0056】
この実施の形態のカラープリンターで,蓄電器54に蓄電可能な電力量は,以下のように算出することができる。例えば,帯電CHの安定板電流Ib=1700μAとし,帯電部22が合計で1時間の帯電処理を行うとすると,4色分の帯電CHによって蓄電できる蓄電量Q1は,以下の式によって求められる。
Q1 = Ib(A) × 時間(秒) × 4
= 1700×10-6 × 3600 × 4
= 24.48クーロン
【0057】
また,2次転写部17のクリーニングシーケンスで2次転写電流Ic=200μAとし,1秒×10回の印加を行うとすると,1回のシーケンスにより蓄電できる蓄電量Q2は,以下の式によって求められる。
Q2 = Ic(A) × 時間(秒)
= 200×10-6 × 10
= 0.002クーロン
【0058】
合計1時間の帯電処理が行われる間に,上記のクリーニングシーケンスが10回行われるとして,これらの合計の蓄電量を負荷10mAの部材で消費するとすれば,その供給可能時間tは以下のように求められる。
t = (Q1 + Q2×10) / 10×10-3
= 24.5 / 10×10-3
= 2450秒
≒ 40.8分
つまりこの例では,合計で40分以上の電力の供給を行うことができる。
【0059】
さらに,上記の合計の蓄電量を全て溜められる大きさの蓄電器54を備えるとすると,蓄電器54の容量Cは,以下のように求められる。なお,V2=3.3V,V1=0Vである。
C = (Q1 + Q2×10) / (V2 − V1)
≒ 24.5 / 3.3
≒ 7.4F
【0060】
次に,本形態のカラープリンター1の動作を図8と図9のフローチャート図を参照して説明する。図8に示したのは,カラープリンター1のメイン電源36がONとなっている期間中,常時実行される処理である。つまり,メイン電源36がONされると,この動作は実行開始される。なお,これらのフローチャートでは,カラープリンター1の動作のうち蓄電器54の蓄電に係る処理のみを示している。
【0061】
この処理を開始すると,本形態のカラープリンター1は,印刷要求を受けたかどうかを判断する(S101)。印刷要求を受けていなければ(S101:NO),印刷要求を受けるまで待機する。
【0062】
印刷要求を受けると(S101:YES),カラープリンター1は,感光体21と中間転写ベルト11と現像部24の現像ローラとのそれぞれの回転を開始する(S102)。続いて,カラープリンター1は,2次転写クリーニングシーケンスを実行する(S103)。2次転写クリーニングシーケンスは,図9に示したフローチャートに基づく処理であり,詳細は後述する。
【0063】
2次転写クリーニングシーケンスが終了したら,カラープリンター1は,画像形成シーケンスを開始する(S104)。そして,カラープリンター1は,帯電部22の帯電CHをONするとともに,第1スイッチ51,第2スイッチ52が第2状態であることを確認する。第1スイッチ51,第2スイッチ52が第2状態でなかったら,第2状態とする。これにより,蓄電器54は第2充電状態となり,負極性の電荷が蓄電される。
【0064】
S104の状態で,カラープリンター1は,要求された印刷を行う。要求された印刷が終了したら(S105:YES),次の印刷要求を受けるまで待機する。また,画像形成部の各部は,状況に応じて適切にOFFされる。第1スイッチ51,第2スイッチ52は第2状態のままでよい。これで,この処理の説明を終了する。
【0065】
次に,図8のS103で実行される2次転写クリーニングシーケンスについて,図9を参照して説明する。この処理が開始されるとまず,カラープリンター1は,カウンタnを初期化する(S201)。
【0066】
続いて,カラープリンター1は,第1スイッチ51,第2スイッチ52を第1状態とする。これにより,蓄電器54は,帯電部22からは切り離されるとともに,2次転写部17と接続される。さらに,カラープリンター1は,2次転写部17に2次転写電圧+2000Vを印加する。これにより,蓄電器54は第1充電状態となり,正極性の電荷が蓄電される(S202)。
【0067】
S202の状態で1秒間経過したら(S203:YES),カラープリンター1は,第1スイッチ51,第2スイッチ52を第2状態とする。これにより,2次転写部17による蓄電は停止される。また,カラープリンター1は,2次転写部17の2次転写電圧を−1000Vに設定する(S204)。
【0068】
S204の状態で1秒間経過したら(S205:YES),カウンタnに1を加える(S206)。さらに,カウンタnが11以上となっていれば(S207:YES),10回の繰り返しが終了したので,カラープリンター1は,2次転写部17の2次転写電圧を0Vに設定して(S208),図8の処理に戻る。カウンタnが11に達していなければ(S207:NO),カラープリンター1は,S202〜S206の処理をさらに繰り返す。これで本処理の説明を終了する。
【0069】
以上詳細に説明したように本形態のカラープリンター1によれば,帯電実行時には,第1スイッチ51,第2スイッチ52は第2状態とされる。この状態では,帯電部22の安定板22aが蓄電器54に接続され,負極性の電荷が蓄電器54の負極54bに蓄電される。また,2次転写クリーニングシーケンス実行時中の画像形成時と同じ極性のバイアスが印加されている期間中には,第1スイッチ51,第2スイッチ52は第1状態とされる。従って,2次転写部17が蓄電器54に接続され,正極性の電荷が蓄電器54の正極54aに蓄電される。蓄電器54に蓄電された電力を使用するときには,第3スイッチ53がONとされ,補助電流経路55を介して電力が供給される。従って,正極性の電荷も負極性の電荷も蓄電することができ,様々な箇所において発生する余剰電流を有効に活用することのできるものとなっている。
【0070】
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,本形態では,ポイントXは,2次転写部17にあるものとしたが,これに限るものではない。例えば,補助電流経路および第3スイッチを,帯電部22の安定板22aに設けることもできる。その場合には,電力の使用箇所への電力供給時には,第1スイッチ51および第2スイッチ52は揃って第2状態とされることになる。さらに,安定板22aと蓄電器54の負極54bとが接続されている状態で,第3スイッチをオンすることにより,蓄電器54の電力を画像形成部に供給することができる。
【0071】
また,帯電型が正極性のトナーを使用する画像形成装置では,本形態中の正負を全て逆にしたものとすればよい。その場合には例えば,帯電部が正画像形成デバイスとなり,転写部が負画像形成デバイスとなる。従って,蓄電器の正極と負極の配置は,本形態のものと逆になる。またあるいは,帯電部や2次転写部以外の画像形成のための構成や配置はいずれも一例であり,各種の既知の構成によって置き換えることができることは当然である。例えば,帯電部の帯電ワイヤーに代えて,針電極を用いたものとしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 カラープリンター
10Y,10M,10C,10K 画像形成部
17 2次転写部
21 感光体
22 帯電部
51 第1スイッチ
52 第2スイッチ
53 第3スイッチ
54 蓄電器
54a 正極
54b 負極
55 補助電流経路
56,57 ツェナーダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部と,前記画像形成部へ電力を供給する電源部とを有する画像形成装置において,
前記画像形成部に設けられ,前記電源部からの電力供給による動作時に正の余剰電流を発生する正画像形成デバイスと,
前記画像形成部に設けられ,前記電源部からの電力供給による動作時に負の余剰電流を発生する負画像形成デバイスと,
正極と負極とを有し,前記画像形成部への補助電源として機能する蓄電器と,
前記正画像形成デバイスの余剰電流ポイントと接地ポイントと前記正極との間に設けられ,前記正極を前記正画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続し前記接地ポイントに接続しない第1状態と,前記正極を前記接地ポイントに接続し前記正画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続しない第2状態とのいずれかをとる第1スイッチと,
前記接地ポイントと前記負画像形成デバイスの余剰電流ポイントと前記負極との間に設けられ,前記負極を前記接地ポイントに接続し前記負画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続しない第1状態と,前記負極を前記負画像形成デバイスの余剰電流ポイントに接続し前記接地ポイントに接続しない第2状態とのいずれかをとる第2スイッチと,
前記正画像形成デバイスと前記負画像形成デバイスとのうちいずれか一方の余剰電流ポイント(以下,「ポイントX」という)と,前記画像形成部との間に設けられ,前記蓄電器から前記画像形成部への補助電力の供給経路となる補助電流経路と,
前記蓄電器から前記画像形成部への前記補助電流経路を経由しての電力供給をオンオフする第3スイッチとを有し,
前記第1スイッチと前記第2スイッチとは,揃って第1状態となり,または揃って第2状態となるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において,
前記蓄電器の前記正極と前記負極との間に接続され,蓄電電圧を制限する上限電圧規制素子を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において,
前記第1スイッチと前記第2スイッチと前記第3スイッチとを制御するスイッチ制御部を有し,
前記スイッチ制御部は,
前記正の余剰電流により前記蓄電器を充電する際には,前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを揃って前記第1状態とするとともに前記第3スイッチをオフ状態とし,
前記負の余剰電流により前記蓄電器を充電する際には,前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを揃って前記第2状態とするとともに前記第3スイッチをオフ状態とし,
前記蓄電器から前記画像形成部へ電力供給する際には,前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを揃って,前記第1状態と前記第2状態とのうち一方の状態であって,前記ポイントXと前記蓄電器のいずれか一方の極とが繋がる方の状態とするとともに,前記第3スイッチをオン状態とするものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記画像形成部は,
表面にトナー像が形成される感光体と,
前記トナー像を被転写体上に転写する転写部と,
前記感光体の表面をトナーの帯電型と同極性側に帯電させる帯電部とを有し,
前記転写部が,トナーの帯電型と逆極性の余剰電流を発生する画像形成デバイスであり,
前記帯電部が,トナーの帯電型と同極性の余剰電流を発生する画像形成デバイスであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置のうち請求項3の発明特定事項を有するものにおいて,
前記スイッチ制御部は,前記転写部と前記帯電部とがともに余剰電流を発生するときには,前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを,前記帯電部の余剰電流により前記蓄電器を充電する状態とするものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像形成装置のうち請求項3の発明特定事項を有するもの,または,請求項5に記載の画像形成装置において,
前記転写部は,画像形成時以外のタイミングにて,画像形成時の印加バイアスと同極性のバイアスと逆極性のバイアスとを反復して印加されるクリーニングシーケンスを行うものであり,
前記スイッチ制御部は,前記転写部が前記クリーニングシーケンスを行う際には,
前記同極性のバイアスが印加される期間にて,前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを,前記転写部の余剰電流により前記蓄電器を充電する状態とし,
前記逆極性のバイアスが印加される期間にて,前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを,前記帯電部の余剰電流により前記蓄電器を充電する状態とするものであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−252286(P2012−252286A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126866(P2011−126866)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】