説明

画像形成装置

【課題】コロナ帯電器の開口部と感光体との間に遮蔽部材がある状態で帯電処理動作を実行したことを簡易な構成で検知することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、コロナ帯電器2により感光体1を帯電させ得る帯電処理動作を行った後に、該帯電処理動作により帯電させられ得る感光体1の部分の電位を電位センサ10により検知した結果に基づいて、コロナ帯電器2の開口部21bと感光体1との間に遮蔽部材31がある状態で帯電処理動作を実行したか否かを検知する制御手段51を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置では、一般にドラム型(円筒形)とされる電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)を所定の極性、電位に一様に帯電処理する1次帯電手段として、一般に、コロナ帯電器(コロナ放電器)が用いられている。コロナ帯電器は、感光ドラムに非接触に対向配置され、コロナ放電によって発生するコロナイオンにより感光ドラムの表面を所定の極性、電位に一様に帯電処理するものである。
【0003】
又、電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置では、上述した感光ドラムを一様に帯電処理するためのコロナ帯電器(1次帯電器)以外にも、複数のコロナ帯電器が用いられている。
【0004】
例えば、感光ドラム上の帯電したトナー像(トナー)の電荷極性を強めるためのコロナ帯電器(転写前帯電器)がある。又、感光ドラム上のトナー像を転写材(用紙)に転写させるためのコロナ帯電器(転写帯電器)がある。又、トナー像が転写された転写材(用紙)を除電して感光ドラムの表面から分離させるためのコロナ帯電器(分離帯電器)がある。
【0005】
これらのコロナ帯電器は、その動作時にオゾンO3や窒素酸化物NOXなどのコロナ生成物を生成する。これらのコロナ生成物は、放電エネルギー及び大気中のガス、水分などに作用する。この作用により、感光ドラムの表面に窒素化合物、アルデヒド基、カルボキシル基などの親水性の化合物が付着する。付着した化合物質は、大気中の水分を吸湿し、その結果、感光ドラムの表面抵抗が低下してしまい、静電潜像が欠落する、いわゆる「画像流れ」現象を引き起こす原因となる。
【0006】
ところで、画像形成動作中に発生し、感光ドラム上に落下したコロナ生成物は、感光ドラムの回転動作によりクリーニング装置まで運ばれてトナーと共に除去されたり、エアフローによりエアダクトフィルターに運ばれてフィルター部で除去されたりする。これにより、感光ドラム上に堆積することはなく、画像流れも発生しない。
【0007】
しかし、画像形成動作中にコロナ帯電器(1次帯電器など)に徐々に付着し、堆積したコロナ生成物は、画像形成装置の停止中に、コロナ帯電器から感光ドラム上に落下し、コロナ帯電器の下に帯状に堆積してしまう。特に、画像形成装置の長期停止時や夜間の一晩放置時には、この帯状に堆積したコロナ生成物の吸湿が十分に進んでしまう。そのため、画像形成装置の長期停止後の初期の画像形成動作などにおいて、帯状に画像が欠落した「画像流れ」が発生してしまうことがある。
【0008】
画像流れは、感光ドラム上の親水性の化合物が吸湿することが要因の一つであるところ、この吸湿は、感光ドラムの表面温度を周辺環境温度以上にしておくことで防ぐことができる。
【0009】
そこで、従来、画像流れ現象を防止する対策として、次のようなものが提案されている。
(1)感光ドラムの内面にヒータ(以下「ドラムヒータ」という。)を配置し、画像形成動作中又は画像形成装置の停止中に、常に発熱させることで、感光ドラムの表面を加熱し、周辺環境温度以上になるようにし、親水性の化合物が吸湿することを防ぐ。
(2)画像形成動作前に、感光ドラムを回転させる空回転動作を十分行い、長期停止中に感光ドラム上に堆積したコロナ生成物を除去した後に、画像形成動作を開始する。
(3)長期停止時は、予めコロナ帯電器と感光ドラムとの間に遮蔽部材を挿入し、コロナ帯電器から感光ドラム上へ付着物が落下するのを防止する。
【0010】
ところが、上記対策(1)のように、ドラムヒータを常にONとする制御では、無駄な電力を消費してしまうことがある。即ち、低湿環境下にある場合や、画像形成動作時に定着器からの熱で感光ドラムが十分な温度に保たれている場合など、ドラムヒータなしの状態でも画像流れが発生しない状況下である。
【0011】
一方、上記対策(2)では、長期放置中に堆積したコロナ生成物を除去するための空回転時間は、通常、数分程度は必要である。そのため、FCOT(ファーストコピーアウトプットタイム:コピーボタンを押してから最初の記録画像が出力されるまでの時間)の観点から望ましくない。
【0012】
そこで、上記対策(3)のような、コロナ帯電器と感光ドラムとの間に挿入する遮蔽部材(以下「帯電器シャッター」という。)を設けることが、経済的観点からも、FCOTの観点からも有効である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2007−072212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
帯電器シャッターは、コロナ帯電器の長手方向(感光ドラムの回転軸線方向)のいずれかの端部側からコロナ帯電器と感光ドラムとの間に挿入することができる。又、帯電器シャッターとしては、退避させ易さなどの理由から、シート形状のものが用いられる。
【0015】
帯電器シャッターは、画像形成動作前に完全に退避し、又長期停止中には確実にコロナ帯電器と感光ドラムの表面との間に挿入されていることが必要である。しかしながら、これを確認するための検知手段として、専用のセンサを設けるなどすることは、構成の簡易化、小型化、コスト低減の点で好ましくない。
【0016】
従って、本発明の目的は、コロナ帯電器の開口部と感光体との間に遮蔽部材がある状態で帯電処理動作を実行したことを簡易な構成で検知することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、感光体と、前記感光体を帯電させるコロナ帯電器と、前記コロナ帯電器の開口部を遮蔽するシート状の遮蔽部材と、前記遮蔽部材を前記感光体の長手方向に移動させる移動手段と、前記感光体の前記コロナ帯電器によって帯電させられ得る部分の電位を検知する電位センサと、前記コロナ帯電器により前記感光体を帯電させ得る帯電処理動作を行った後に、該帯電処理動作により帯電させられ得る前記感光体の部分の電位を前記電位センサにより検知した結果に基づいて、前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材がある状態で前記帯電処理動作を行ったか否かを検知する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、コロナ帯電器の開口部と感光体との間に遮蔽部材がある状態で帯電処理動作を実行したことを簡易な構成で検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例に係る画像形成装置の概略断面図である。
【図2】感光体の層構成の一例を説明するための模式図である。
【図3】本発明の一実施例に係る画像形成装置が備える1次帯電器を長手方向に見た概略断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る画像形成装置が備える1次帯電器の周辺を短手方向に見た概略側面図である。
【図5】本発明に従う帯電器シャッターの開閉状態の検知動作の一例の概略制御ブロック図である。
【図6】本発明に従う帯電器シャッターの開閉状態の検知動作の一例のフローチャートである。
【図7】帯電器シャッターの故障状態の一例を説明する模式図である。
【図8】本発明に従う帯電器シャッターの開閉状態の検知動作の他の例のフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施例に係る画像形成装置が備える1次帯電器の周辺を短手方向に見た概略側面図である。
【図10】帯電器シャッターの故障状態の他の例を説明する模式図である。
【図11】本発明の更に他の実施例に係る画像形成装置が備える1次帯電器の周辺を短手方向に見た概略側面図である。
【図12】1次帯電器の角度又は位置を変える構成の一例を示す模式図である。
【図13】感光ドラムの長手方向に沿って移動する帯電器シャッターの形状の一例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0021】
実施例1
1.画像形成装置の全体構成及び動作
図1は、本発明の一実施例に係る画像形成装置100の概略構成を示す。本実施例では、画像形成装置100は、電子写真方式のレーザプリンタである。
【0022】
画像形成装置100は、像担持体としてのドラム型の回転可能な電子写真感光体、即ち、感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、矢印R1方向に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、感光ドラム1の回転方向に沿って、次の各手段が配設されている。先ず、1次帯電手段としての1次帯電器2である。次に、感光ドラム1の表面電位を測定する電位検知手段としての電位センサ10である。次に、現像手段としての現像装置3である。次に、転写前帯電手段としての転写前帯電器4である。次に、転写手段としての転写ローラ7である。次に、クリーニング手段としてのクリーニング装置8である。次に、除電手段としての除電露光ランプ9である。又、1次帯電器2と現像装置3との間の上方には、露光手段としての露光装置(レーザスキャナ)11が配設されている。又、記録用紙などの転写材Pの搬送方向において転写ローラ7の下流側には、定着手段としての定着器12が配設されている。本実施例では、1次帯電器2及び転写前帯電器4は、コロナ帯電器である。又、電位センサ10は、感光ドラム1の表面移動方向において、感光ドラム1の表面の1次帯電器2による帯電位置よりも下流(更に、露光装置11による露光位置よりも下流)、且つ、現像装置3による現像位置よりも上流の感光ドラム1の表面電位を検知する。
【0023】
尚、本実施例では、感光ドラム1は、直径80mmのa−Si(アモルファスシリコン)感光体である。図2に示すように、感光ドラム1は、導電性材料(本実施例ではアルミニウム)からなる円筒状の基体上に、阻止層、光導電層(I、II)及び表面層を順次に積層して構成されている。光導電層(I、II)は、シリコン原子が水素原子及びハロゲン原子を含むアモルファスシリコン材料を主体にして形成されている。尚、本発明は、感光体をドラム型にのものに限定するものではなく、感光体はベルト状のものであってもよい。
【0024】
感光ドラム2の内側にはドラムヒータ5が配設されている。本実施例では、空気中の絶対水分量が一定値以上の環境下では、画像形成動作中にドラムヒータ5への通電をONする。これによって、感光ドラム1の表面を加熱し、コロナ生成物の感光ドラム1への付着を防ぐ。
【0025】
画像形成動作時には、感光ドラム1は、駆動装置(図示せず)により、矢印R1方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。感光ドラム1の表面は、帯電バイアスが印加された1次帯電器2により、所定の極性、電位に帯電処理される。そして、帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光装置11により、入力された画像情報に応じて画像露光Lされる。これにより、感光ドラム1の表面の電位は、画像露光Lされた部分の電位が低下する。これにより、入力された画像情報に応じた静電潜像(静電像)が、感光ドラム1の表面に形成される。感光ドラム1の表面に形成された静電潜像は、現像装置3により現像される。本実施例では、現像装置3は、感光ドラム1の帯電極性と同極性に帯電したトナーを、感光ドラム1の表面に形成された静電潜像の画像露光Lされた部分に付着させて、トナー像として現像する。
【0026】
感光ドラム1の表面に形成されたトナー像は、転写前帯電器4によりその電荷極性をさらに強められた後に、転写ローラ7の作用により転写材Pに転写される。転写材Pは、所定のタイミングで、感光ドラム1と転写ローラ7との間に形成された転写ニップに搬送される。転写材Pが転写ニップに搬送されたタイミングで、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧である転写バイアスが転写ローラ7に印加される。
【0027】
トナー像が転写された転写材Pは、転写ローラ7により搬送装置13にまで搬送され、更に搬送装置13により定着器12に搬送される。転写材Pは、定着器12により加熱及び加圧されて、その上にトナー像が定着された後に、画像形成装置100の外部に排出される。
【0028】
一方、転写工程後の感光ドラム1の表面に残留したトナー(転写残トナー)はクリーニング装置8によって感光ドラム1の表面から除去されて回収される。又、感光ドラム1の表面の残留電荷は、除電露光ランプ9による光照射で除去され、感光ドラム1は次の画像形成動作に供される。
【0029】
2.1次帯電器
図3は、1次帯電器2の長手方向から見た概略断面を示す。図4は、1次帯電器2の短手方向から見た概略側面を示す。
【0030】
1次帯電器2は、感光ドラム1の長手方向に沿って感光ドラム1に対向配置され、放電により感光ドラム1の表面を帯電させる。1次帯電器2は、シールドケース(以下「シールド」という。)21を有する。シールド21は、感光ドラム1に対向する開口部21bを有するコの字状のシールド本体21aと、シールド本体21aの長手方向の両端部においてシールド本体21aなどを支持するブロック21b、21bと、を有する。シールド21のシールド本体21aはアルミニウムやステンレスなどの金属で形成され、両端のブロック21b、21bは絶縁部材で形成されている。又、1次帯電器2は、シールド21の内部に放電電極としての放電ワイヤ22(本実施例では2本)を有する。放電ワイヤ22は、1次帯電器2の長手方向に沿って、ブロック21b、21b間に張架されている。本実施例では、放電ワイヤ22として、タングステン線を用いた。更に、1次帯電器2は、シールド21の感光ドラム1と対向する開口部21bに、グリッド電極23を有する。本実施例では、グリッド電極23として、ステンレス鋼の薄板にエッチング処理により多数の開口部が形成された板状グリッドを用いた。帯電効率を向上するため、グリッド電極23の面の形状は、感光ドラム1の表面に沿った曲率を有する円弧形状とされている。
【0031】
放電ワイヤ22には電源24が接続されており、感光ドラム1の帯電処理を行う際には直流電圧が印加される。電源24が放電ワイヤ22に電圧を印加することにより、放電ワイヤ22でコロナ放電を発生する。又、グリッド電極23には電源25が接続されており、感光ドラム1の帯電処理を行う際には直流電圧が印加される。これは、放電ワイヤ22から感光ドラム1に向かうイオンの量を安定化させるためのものであり、その結果、感光ドラム1を所望の電位に帯電することが可能となる。
【0032】
3.遮蔽装置
本実施例では、画像形成装置100は、画像形成装置100の長期停止時などに1次帯電器2から感光ドラム1上へ付着物が落下するのを防止するための遮蔽装置30を有する。遮蔽装置30は、所望のタイミングで1次帯電器2と感光ドラム1との間に配置される、可動式の遮蔽部材としての帯電器シャッター31と、この帯電器シャッター31を移動させるための遮蔽部材移動手段としてのシャッター移動装置32と、を有する。
【0033】
ここで、図13に示すように、感光ドラム1は円柱状をしており、その表面は曲率を有する。そのため、帯電効率を考えると、一次帯電器2のグリッド電極23の面の形状は、感光ドラム1の表面に沿った曲率を有する形状であることが望ましい。そのため、帯電器シャッター31は、感光ドラム1の表面に沿った曲率を有する形状とすることで、一層の遮蔽効果を期待することができる。
【0034】
後述するように、このような形態の帯電器シャッター31を実現するためには、一次帯電器2の長手方向(感光ドラムの回転軸線方向)のいずれかの端部側から一次帯電器2と感光ドラム1との間に挿入することが好ましい。更には、帯電器シャッター31の退避時のスペースを小さくするために、ロール状に巻くことが可能なシート形状の帯電器シャッター31を用いるのが好ましい。
【0035】
シート形状の帯電器シャッター31を用いる場合、画像形成装置の長期停止時などには、帯電器シャッター31を、一次帯電器2の長手方向のいずれかの端部側から一次帯電器2と感光ドラム1との間に挿入して遮蔽状態とする。遮蔽状態は、一次帯電器2の開口部21bの全体が帯電器シャッター31で遮蔽された状態であり、帯電器シャッター31を移動させて一次帯電器2の開口部21bを閉じる動作は、この遮蔽状態になったとき完了する。そして、画像形成動作中は、一次帯電器2の当該端部側にロール形状に巻き取ることで、この帯電器シャッター31を退避状態とする。退避状態は、一次帯電器2の開口部21bと感光ドラム1との間に帯電器シャッター31が無い状態であり、帯電器シャッター31を移動させて一次帯電器2の開口部21bを開く動作は、この退避状態になったとき完了する。
【0036】
尚、本実施例では、1次帯電器2及び転写前帯電器4がコロナ帯電器であり、遮蔽装置30は1次帯電器2及び転写前帯電器4の両方に関して設けることができる。本実施例では、代表して、1次帯電器2に関して設けられる遮蔽装置30について説明する。
【0037】
更に説明すると、本実施例では、帯電器シャッター31は、先ず、1次帯電器2のグリッド電極23の感光ドラム1に対向する面を覆うように感光ドラム1と1次帯電器2との間に配置される遮蔽状態をとることができる(図4(a))。又、帯電器シャッター31は、感光ドラム1と1次帯電器2との間から退避して、1次帯電器2のグリッド電極23の感光ドラム1に対向する面を覆わない退避状態(図4(b))をとることができる。帯電器シャッター31は、シャッター移動装置32により、1次帯電器2の長手方向に沿って、上記退避状態と遮蔽状態との間で移動させられる。本実施例では、帯電器シャッター31は、シート形状をしており、画像形成動作中は、1次帯電器2の長手方向の一方の端部側にロール状に巻かれて退避する構成となっている。又、本実施例では、画像形成動作が終了し、感光ドラム1の回転が停止すると、ロール状に巻かれた帯電器シャッター31が、1次帯電器2の長手方向の他方の端部側に引き出されて、帯電器シャッター31を閉じる動作が開始される。
【0038】
即ち、本実施例では、帯電器シャッター31は、退避状態と遮蔽状態とに移動可能なシート状とされている。退避状態では、帯電器シャッター31は、感光ドラム1の長手方向の第1の端部側に巻き取られて、感光ドラム1と1次帯電器2との間を開放する。又、遮蔽状態では、帯電器シャッター31は、感光ドラム1の長手方向の第2の端部側へと引き出されて、感光ドラム1と1次帯電器2との間を遮蔽する。
【0039】
尚、画像形成装置100の内部を開放してメンテナンスなどの作業を行う扉などが設けられる側面側を画像形成装置100の装置本体(画像形成装置本体)の「手前側」とする。一方、画像形成装置本体の上記手前側とは反対側の側面側を「奥側」とする。感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)、1次帯電器2の長手方向は、それぞれ画像形成装置本体の手前側から奥側に向かう方向に沿って配置されている。以下、感光ドラム1、1次帯電器2の長手方向の端部について、画像形成装置本体の手前側、奥側の端部にそれぞれ配置される端部を、単に手前側、奥側の端部ともいう。
【0040】
帯電器シャッター31の材質は、感光ドラム1に接触した際に感光ドラム1の表面にその成分を付着させないような化学的な安定性がある材質であることが好ましい。又、帯電器シャッター31の材質は、ロール状に巻くことが可能な材質であることが好ましい。本実施例では、帯電器シャッター31の材質として、上記各条件を満たす、厚み30μmのポリイミド製のシートを用いた。
【0041】
帯電器シャッター31の一端は、シャッター移動装置32を構成する後述の移動部33に接合されている。又、帯電器シャッター31の他方の端部は、帯電器シャッター31を巻き取る方向に付勢されている遮蔽部材巻き取り手段としての巻き取り芯36に接合されている。
【0042】
シャッター移動装置21の移動部33は、1次帯電器2のシールド21の両側面に対向して配置される支持部33a、33aを有する。又、移動部33は、1次帯電器2のグリッド電極23に対向して配置され、上記支持部33a、33a間を連結するシート搬送部材33bを有する。シート搬送部材33bは、グリッド電極23の感光ドラム1に対向する面の円弧形状に沿う曲率を有する円弧形状とされている。帯電器シャッター31は、その一端部が、この円弧形状のシート搬送部材33bに固定されるため、当該一端部がシート搬送部材33の形状に沿って円弧形状に変形されると共に、引き延ばされた際に、その全体が当該円弧形状に変形される。又、移動部33は、上記支持部33a、33aの上部に設けられ、後述するレール34にスライド可能に係合して、上記支持部33a、33aを該レール34に移動可能に保持するための係合部33cを有する。
【0043】
又、シャッター移動装置32は、1次帯電器2のシールド21の両側面側の上部に、1次帯電器2の長手方向に沿って延在するレール34、34を有する。上記移動部33は、レール34、34に移動自在に係合して、1次帯電器2の長手方向に沿って往復移動可能とされている。
【0044】
更に、シャッター移動装置32は、移動部33を移動させる駆動部35を有する。駆動部35は、移動部33の一方の支持部33aに固定され他方の支持部33aを貫通するように設けられた駆動用ワイヤ35aを有する。又、駆動部35は、シールド21の長手方向の両端部のブロック21b、21bの上部に設けられたプーリー35b1、35b2を有する。駆動用ワイヤ35aは、両プーリー35b1、35b2間に巻き回されて、その途中に上記一方の支持部33aが固定されている。一方のプーリー35b1(帯電器シャッター31が巻き取られる側と同じ側である手前側)は駆動力が伝達される駆動プーリーであり、駆動用ワイヤ35aは、この駆動プーリー35b1に複数回巻かれている。又、駆動部35は、駆動プーリー35b1に駆動力を伝達する駆動源としてのモータ35cを有する。そして、モータ35cにより駆動プーリー35b1が回転し、駆動用ワイヤ35aが駆動されると、移動部33は1次帯電器2の長手方向に沿って移動する。本実施例では、駆動プーリー35b1が正回転することで移動部33は1次帯電器2の手前側に移動し、逆回転することで1次帯電器2の奥側に移動する。
【0045】
シャッター移動装置32の移動部33がレール34に沿って1次帯電器2の奥側へ移動すると、帯電器シャッター31は1次帯電器2の奥側へ移動する。これにより、帯電器シャッター31は、1次帯電器2と感光ドラム1との間に挿入される。帯電器シャッター31は、シート搬送部材33bの形状に従うため、1次帯電器2のグリッド電極23の円弧形状に沿う曲率を有する形状で、1次帯電器2と感光ドラム1との間に挿入される。このとき、帯電器シャッター31は、1次帯電器2との隙間から放電生成物が漏れにくい状態を保持するために、適度なテンションをもって引っ張られた状態で、1次帯電器2のグリッド電極23の円弧形状に沿う形のまま、開閉動作を行えることが望ましい。
【0046】
このように、本実施例では、シート形状の帯電器シャッター31を1次帯電器2の長手方向に沿って移動させる構成とする。これによって、帯電器シャッター31をグリッド電極23及び感光ドラム1の面に沿う円弧形状として遮蔽状態にすることができる。又、本実施例では、その円弧形状の状態を維持したまま、帯電器シャッター31を遮蔽状態又は退避状態に移動させることができる。従って、帯電器シャッター31が平面形状である場合よりも、一層の遮蔽効果を得ることができる。又、本実施例では、シート形状の帯電器シャッター31をロール状に巻き取る構成とすることで、帯電器シャッター31の退避時のスペースを小さくすることができる。
【0047】
4.帯電器シャッターの開閉状態を検知する構成
次に、帯電器シャッター31の開閉状態を検知する手段について説明する。
【0048】
帯電器シャッター31の動作の検知としては、開いた状態と閉じた状態を検知することが望まれる。
【0049】
即ち、帯電器シャッター31は、画像形成動作前に完全に退避し、又長期停止中には確実に1次帯電器2と感光ドラム1の表面との間に挿入されていることが重要である。これを確認するための検知手段としては、次のようなものが考えられる。
(i)一次帯電器2の長手方向の両方の端部側に、帯電シャッター31を移動させるシャッター移動装置の到達を検知するホームポジションセンサを設けて、帯電器シャッター31の開閉動作の完了を検知する。
(ii)帯電器シャッター31を移動させるシャッター移動装置を駆動するモータに、モータの駆動トルクを検知するトルク検知手段を設け、モータの駆動トルクの変化を検知することで、帯電器シャッター31の開閉動作の完了を検知する。
【0050】
しかしながら、上記(i)(ii)の方法では、一次帯電器2の長手方向の両方の端部側にホームポジションセンサを設けたり、シャッター移動装置にトルクリミッタを取り付けたりする必要がある。そのため、構成の簡易化、小型化、コスト低減の点で好ましくない。
【0051】
本実施例の画像形成装置100の構成では、帯電器シャッター31が完全に開いた退避状態を検知するために、上述のようなホームポジションセンサを画像形成装置本体の手前側に設けることが比較的容易である。しかし、帯電器シャッター31が完全に閉じた遮蔽状態を検知するためには、上述のようなホームポジションセンサを画像形成装置本体の奥側に設けるのは困難である。
【0052】
帯電器シャッター31が完全に閉じていないと、帯電器シャッター31で遮蔽されていなかった感光ドラム1の表面に対応する部分だけに画像流れが発生してしまう。そのため、帯電器シャッター31が完全に閉じたか否かを、簡易な構成で検知できるようにすることは重要である。
【0053】
そこで、本実施例では、感光ドラム1の一次帯電器2によって帯電させられ得る部分の電位を検知する電位センサ10を用いて、一次帯電器2の開口部21bと感光ドラム1との間にシャッター31がある状態で帯電処理動作を実行したか否かを検知するようにする。即ち、本実施例では、先ず、一次帯電器2により感光ドラム1を帯電させ得る帯電処理動作を行う。この帯電処理動作は、典型的には、一次帯電器2の開口部21bと感光ドラム1との間に帯電器シャッター31が無い場合に、画像形成動作時と同様に感光ドラム1の表面を一様に帯電させ得るものである。その後に、該帯電処理動作により帯電させられ得る感光ドラム1の部分の電位を電位センサ10により検知する。そして、その結果に基づいて、一次帯電器2の開口部21bと感光ドラム1との間に帯電器シャッター31がある状態で上記帯電処理動作を実行したか否かを検知する。この動作は、本実施例では、制御手段としてのCPU51(図51)の制御によって行われる。これにより、上記帯電処理動作時に、本来一次帯電器2の開口部21bと感光ドラム1との間に帯電器シャッター31がなかったはずの場合に、帯電器シャッター31があったこと(即ち、感光ドラム1が帯電していないこと)を検知することで、異常を検知できる。又、上記帯電処理動作時に、本来一次帯電器2の開口部21bと感光ドラム1との間に帯電器シャッター31があったはずの場合に、帯電器シャッター31がなかったこと(即ち、帯電したこと)を検知することで、異常を検知できる。
【0054】
本実施例では、特に、感光ドラム1の表面電位を測定する電位検知手段としての電位センサ10を、感光ドラム1及び1次帯電器2の長手方向の一方の端部側として、奥側、即ち、帯電器シャッター31が遮蔽位置へと移動するときの進行方向の終点側に配置する。即ち、電位センサ10は、感光ドラム1の長手方向の少なくとも一方の端部の、1次帯電器2により帯電させられ得る感光ドラム1の表面の電位を検知するように配置されている。そして、この電位センサ10を用いて、帯電器シャッター31が完全に閉じた遮蔽状態にあるか否かを検知する。
【0055】
即ち、1次帯電器2に、例えば画像形成動作時と同様の電圧を印加して感光ドラム1を回転させても、完全に帯電器シャッター31が閉じていれば、電位センサ10によって電位が検知されることはない。従って、もし電位センサ10によって電位が検知されたならば、帯電シャッター31が完全に閉じた遮蔽状態にないことになる。
【0056】
この電位センサ10は、帯電器シャッター31が完全に閉じた遮蔽状態を検知すると共に、通常の画像形成動作時には、帯電電位(Vd)及び露光部電位(Vl)を検知する。そして、その検知結果は、画像形成動作時における1次帯電器2の電流設定及び露光装置11の露光量(パワー)の調整のために用いられる。このように、帯電器シャッター31の遮蔽状態を検知するための特別のセンサを削減することができるため、構成の簡易化、小型化、コスト低減を図ることができる。
【0057】
ここで、本実施例では、電位センサ10は、感光ドラム1が停止しているときは1次帯電器2に電圧が印加されても、感光ドラム1の表面電位を精度良く検知することはできない。これは、通常、電位検知位置で1次帯電器2による電位ノイズをうけると、正しく帯電電位と露光後の電位が測れなくなるため、電位センサ10は1次帯電器2による感光ドラム1の表面移動方向において下流側に配置されているからである。
【0058】
尚、本実施例で使用した電位センサ10は、感光ドラム1の表面に対して2.5mm離れた位置に取り付けられている。又、本実施例で使用した電位センナ10の各種設定は次の通りである。
入力電圧:24V
測定電圧範囲:−50〜+750V
立ち上がり/立ち下がり時間:100ms
【0059】
又、本実施例では、帯電器シャッター2の遮蔽状態の検出時に感光ドラム1を回転させるため、帯電シャッター31の材質として、適度な強度のある材質を用いることが好ましい。上述のように、本実施例では、帯電器シャッター31の材質として厚み30μmのポリイミド製のシートを用いた。当該帯電器シャッター31によれば、帯電器シャッター31の遮蔽状態の検出時に感光ドラム1を一時的に回転させても、帯電器シャッター31が破れることはない。
【0060】
又、本実施例では、帯電器シャッター31が完全に開いた退避状態を検知するために、1次帯電器2の手前側にホームポジションセンサを設ける。ホームポジションセンサとしては、マイクロスイッチやフォトインタラプタなどを利用した利用可能な任意の構成を用いることができるが、本実施例ではマイクロスイッチによるものを用いた。
【0061】
本実施例のように帯電器シャッター31が遮蔽位置へと移動する終点側に電位センサ10を設ける態様は、該終点側が画像形成装置本体の奥側であり、ホームポジションセンサを設けることが困難な場合に好都合である。
【0062】
5.帯電シャッターの開閉状態を検知する動作
図5は、本実施例における帯電器シャッター31の開閉状態の検知動作の概略制御態様を示す。本実施例では、画像形成装置100の全体の動作を統括制御する制御部の制御手段たるCPU51が、帯電器シャッター31の開閉状態の検知動作を制御する機能を有する。CPU51は、記憶手段としてのROM52に記憶されたプログラム、データに従って帯電器シャッター31の開閉状態の検知動作を制御する。又、CPU51は、制御処理における必要なデータをRAM53に記憶させ、これを読み出して用いる。CPU51には、シャッター移動装置32のモータ35cが接続されており、CPU51は、モータ35cの駆動の開始、停止及び回転方向などの制御を行う。又、CPU51には、電位センサ10が接続されており、電位センサ10の検知結果が入力される。又、本実施例では、CPU51には、シャッター移動装置31のホームポジションセンサ16が接続されており、該センサの検知結果が入力される。又、CPU51には、報知手段としての画像形成装置本体の操作部15が接続されており、帯電器シャッター31の異常を検知した場合などに、所定の表示を操作部15の表示画面に表示させる。更に、又、CPU51には、1次帯電器2の電源24、25、感光ドラム1の駆動モータ14などが接続されている。
【0063】
図6は、帯電器シャッター31を閉じるときに帯電器シャッター31が完全に閉じた遮蔽状態にあるか否かを検知する動作の一例のフローチャートを示す。
【0064】
画像形成動作が終了後、スタンバイ状態に突入するか又は画像形成装置100の電源がOFFされた時点で(S101)、帯電器シャッター31を閉じる動作(以下「シャッター閉動作」という。)を開始する(S102)。ここで、スタンバイ状態とは、画像形成装置100の電源はONのままで、画像形成装置100が次のプリントジョブ(一の画像形成動作開始指示による単一又は複数の転写材への画像形成動作)に備えて待機している状態である。
【0065】
所定時間だけシャッター閉動作を行った後に、帯電器シャッター31が完全に閉じた遮蔽状態にあるか否かを確認する動作(本実施例では、以下「シャッター閉確認動作」という。)を行う。シャッター閉動作を行う所定時間は、通常帯電器シャッター31が退避状態から完全に閉じた遮蔽状態となるのに必要なモータ35cの駆動時間として設定される。シャッター閉確認動作では、1次帯電器2の放電ワイヤ22、グリッド電極23に画像形成動作時と同じ電圧を印加し、感光ドラム1を回転させる(S103)。又、感光ドラム1の回転時に電位センサ10で感光ドラム1の表面電位を検知する(S104)。ここで、シャッター閉確認動作では、1次帯電器2によって帯電処理された感光ドラム1の表面の電位を電位センサ10で検知することができるのに十分なだけ感光ドラム1を回転させる。その後、感光ドラム1が回転した状態で、電位センサ10によって感光ドラム1の表面電位を検知する。
【0066】
シャッター閉確認動作において、電位センサ10によって電位が検知されなければ、帯電器シャッター31が完全に閉じた遮蔽状態にある(シャッター閉動作OK)と判断する(S105)。そして、RAM53に記憶されている検知NG回数を0にリセットした後(S106)、シャッター閉確認動作を終了する。一方、S104において電位が検知された場合には、帯電器シャッター31が完全に閉じた遮蔽状態にない(シャッター閉動作NG)と判断し(S107)、再度シャッター閉動作及びシャッター閉確認動作を行う(S108)。このシャッター閉動作及びシャッター閉確認動作を3回まで繰り返し行う。それでもなおシャッター閉動作NGと判断された場合は、シャッター移動装置32のモータ35cの故障(図7(a))又は帯電器シャッター31の破断(図7(b))が発生した可能性があるため、操作部15の表示部にエラー表示をする(S109)。
【0067】
ここで、本実施例では、電位センサ10により電位が検知されるか否かにより、帯電器シャッター31の開閉状態を判断するが、本発明はこれに限定されるものではない。所定範囲の電位(例えば、画像形成動作時の感光ドラム1の帯電電位(本実施例では+600V)を含む範囲の電位や所定値以上の電位)が検知されるか否かを判断してもよい。即ち、電位センサ10の検知結果に関し、閾値として一定レベルの電位が検知されるか否かによって、帯電器シャッター31の開閉状態を判断することができる。又、帯電シャッター31の開閉状態を検知するために1次帯電器2に印加する電圧の条件は、画像形成動作時と同じでなくてもよく、一定レベルの電位が検知されるか否かにより帯電シャッター31の開閉状態を検知できればよい。
【0068】
尚、本実施例では、帯電器シャッター31の退避状態は1次帯電器2の手前側に設けられたホームポジションセンサによって確認するが、次のようにして帯電器シャッター31を開くときに帯電器シャッター31が遮蔽状態のままであるか否かを確認できる。
【0069】
図8は、帯電器シャッター31を開くときに帯電器シャッター31が遮蔽状態のままか否かを検知する動作の一例のフローチャートを示す。
【0070】
画像形成装置100の電源がONとされた時又はスタンバイ状態から画像形成動作の開始が指示された時点で(S201)、帯電器シャッター31を開く動作(以下「シャッター開動作」という。)を開始する(S202)。
【0071】
所定時間だけシャッター開動作を行った後に、帯電器シャッター31が完全に閉じた遮蔽状態のままか否かを確認する動作(本実施例では、以下「シャッター開確認動作」という。)を行う。シャッター開動作を行う所定時間は、通常帯電器シャッター31が遮蔽状態から完全に開いた退避状態となるのに必要なモータ35cの駆動時間として設定される。シャッター開確認動作では、1次帯電器2の放電ワイヤ22、グリッド電極23に画像形成動作時と同じ電圧を印加し、感光ドラム1を回転させる(S203)。又、感光ドラム1の回転時に電位センサ10で感光ドラム1の表面電位を検知する(S204)。ここで、シャッター開確認動作では、1次帯電器2によって帯電処理された感光ドラム1の表面の電位を電位センサ10で検知することができるのに十分なだけ感光ドラム1を回転させる。その後、感光ドラム1が回転した状態で、電位センサ10によって感光ドラム1の表面電位を検知する。
【0072】
シャッター開確認動作において、電位センサ10によって電位が検知されれば、帯電器シャッター31が遮蔽状態にはない(シャッター開動作OK)と判断する(S205)。そして、RAM53に記憶されている検知NG回数を0にリセットした後(S206)、シャッター開確認動作を終了する。一方、S204において電位が検知されなかった場合には、帯電器シャッター31が遮蔽状態のままである(シャッター開動作NG)と判断し(S207)、再度シャッター開動作及びシャッター開確認動作を行う(S208)。このシャッター開動作及びシャッター開確認動作を3回まで繰り返し行う。それでもなおシャッター開動作NGと判断された場合は、シャッター移動装置32のモータ35cの故障又は帯電器シャッターの破断が発生した可能性があるため、操作部15の表示部にエラー表示をする(S209)。
【0073】
以上、本実施例によれば、一次帯電器2の開口部21bと感光ドラム1との間に帯電器シャッター31がある状態で帯電処理動作を実行したことを簡易な構成で検知することができる。特に、本実施例では、電位センサ10を用いることで、簡易な構成で、帯電器シャッター31が完全に閉じた遮蔽状態となったことを検知することができる。
【0074】
実施例2
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0075】
図9(a)、(b)は、本実施例における一次帯電器2を短手方向から見た概略側面を示す。本実施例では、特に、感光ドラム1の表面電位を測定する電位検知手段としての電位センサ10を、感光ドラム1及び1次帯電器2の長手方向の一方の端部側として手前側、即ち、帯電器シャッター31が退避位置へと移動するときの進行方向の終点側に配置する。そして、この電位センサ10を用いて、帯電器シャッター31が完全に開いた退避状態にあるか否かを検知する。
【0076】
即ち、1次帯電器2に、例えば画像形成動作時と同様の電圧を印加して感光ドラム1を回転させると、完全に帯電器シャッター31が開いていれば、電位センサ10によって電位が検知される。従って、もし電位センサ10によって電位が検知されなければ、帯電シャッター31が完全に開いた退避状態にないことになる。
【0077】
尚、本実施例では、実施例1と同様に帯電器シャッター31が手前側に開いて退避位置となる場合に、この手前側に電位センサ10が設けられるものとして説明する。しかし、本実施例のように帯電器シャッター31が退避位置へと移動する終点側に電位センサ10を設ける態様は、該終点側が画像形成装置本体の奥側であり、ホームポジションセンサを設けることが困難な場合に好都合である。
【0078】
先ず、帯電器シャッター31を開くときに帯電器シャッター31が完全に開いた退避状態にあるか否かを検知する動作の一例を説明する。この動作のフローチャートは図8と同様であるので、図8を参照して説明する。
【0079】
画像形成装置100の電源がONとされた時又はスタンバイ状態から画像形成動作の開始が指示された時点で(S201)、帯電器シャッター31を開く動作(シャッター開動作)を開始する(S202)。
【0080】
所定時間だけシャッター開動作を行った後に、帯電器シャッター31が完全に開いた退避状態にあるか否かを確認する動作(本実施例では、以下「シャッター開確認動作」という。)を行う。シャッター開動作を行う所定時間は、通常帯電器シャッター31が遮蔽状態から完全に開いた退避状態となるのに必要なモータ35cの駆動時間として設定される。シャッター開確認動作では、1次帯電器2の放電ワイヤ22、グリッド電極23に画像形成動作時と同じ電圧を印加し、感光ドラム1を回転させる(S203)。又、感光ドラム1の回転時に電位センサ10で感光ドラム1の表面電位を検知する(S204)。ここで、シャッター開確認動作では、1次帯電器2によって帯電処理された感光ドラム1の表面の電位を電位センサ10で検知することができるのに十分なだけ感光ドラム1を回転させる。その後、感光ドラム1が回転した状態で、電位センサ10によって感光ドラム1の表面電位を検知する。
【0081】
シャッター開確認動作において、電位センサ10によって電位が検知されれば、帯電器シャッター31が完全に開いた退避状態にある(シャッター開動作OK)と判断する(S205)。そして、RAM53に記憶されている検知NG回数を0にリセットした後(S206)、シャッター開確認動作を終了する。一方、S204において電位が検知されなかった場合には、帯電器シャッター31が完全に開いた退避状態にない(シャッター開動作NG)と判断し(S207)、再度シャッター開動作及びシャッター開確認動作を行う(S208)。このシャッター開動作及びシャッター開確認動作を3回まで繰り返し行う。それでもなおシャッター開動作NGと判断された場合は、シャッター移動装置32のモータ35cの故障(図10(a))又は帯電器シャッターの破断(図10(b))が発生した可能性があるため、操作部15の表示部にエラー表示をする(S209)。
【0082】
次に、帯電器シャッター31を閉じるときに帯電器シャッター31が退避状態のままか否かを検知する動作の一例を説明する。この動作のフローチャートは図6と同様であるので、図6を参照して説明する。
【0083】
画像形成動作が終了後、スタンバイ状態に突入するか又は画像形成装置100の電源がOFFされた時点で(S101)、帯電器シャッター31を閉じる動作(シャッター閉動作)を開始する(S102)。
【0084】
所定時間だけシャッター閉動作を行った後に、帯電器シャッター31が完全に開いた退避状態のままか否かを確認する動作(本実施例では、以下「シャッター閉確認動作」という。)を行う。シャッター閉動作を行う所定時間は、通常帯電器シャッター31が退避状態から完全に閉じた遮蔽状態となるのに必要なモータ35cの駆動時間として設定される。シャッター閉確認動作では、1次帯電器2の放電ワイヤ22、グリッド電極23に画像形成動作時と同じ電圧を印加し、感光ドラム1を回転させる(S103)。又、感光ドラム1の回転時に電位センサ10で感光ドラム1の表面電位を検知する(S104)。ここで、シャッター閉確認動作では、1次帯電器2によって帯電処理された感光ドラム1の表面の電位を電位センサ10で検知することができるのに十分なだけ感光ドラム1を回転させる。その後、感光ドラム1が回転した状態で、電位センサ10によって感光ドラム1の表面電位を検知する。
【0085】
シャッター閉確認動作において、電位センサ10によって電位が検知されなければ、帯電器シャッター31が退避状態にはない(シャッター閉動作OK)と判断する(S105)。そして、RAM53に記憶されている検知NG回数を0にリセットした後(S106)、シャッター閉確認動作を終了する。一方、S104において電位が検知された場合には、帯電器シャッター31が退避状態のままである(シャッター閉動作NG)と判断し(S107)、再度シャッター閉動作及びシャッター閉確認動作を行う(S108)。このシャッター閉動作及びシャッター閉確認動作を3回まで繰り返し行う。それでもなおシャッター閉動作NGと判断された場合は、シャッター移動装置32のモータ35cの故障又は帯電器シャッター31の破断が発生した可能性があるため、操作部15の表示部にエラー表示をする(S109)。
【0086】
以上、本実施例によれば、実施例1と同様に、一次帯電器2の開口部21bと感光ドラム1との間に帯電器シャッター31がある状態で帯電処理動作を実行したことを簡易な構成で検知することができる。特に、本実施例では、電位センサ10を用いることで、簡易な構成で、帯電器シャッター31が完全に開いた退避状態となったことを検知することができる。
【0087】
実施例3
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1、2のものと同じである。従って、実施例1、2の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0088】
実施例1、2では、電位センサ10が1次帯電器2の長手方向のいずれかの端部側に設けられていた。
【0089】
これに対し、本実施例では、画像形成装置100は、図11に示すように、感光ドラム1の手前側の端部の表面電位を検知し得るように配置された第1の電位センサ10aと、奥側の端部の表面電位を検知し得るように設けられた第2の電位センサ10bとを有する。この場合、これらの両方の電位センサ10a、10bを利用して、帯電器シャッター31の開閉状態を検知することができる。
【0090】
即ち、帯電器シャッター31が遮蔽位置へと移動する終点側(本実施例では奥側)の電位センサ10を用いて、実施例1と同様に、帯電器シャッター31が閉じるときに遮蔽状態となったか否かを検知することができる。又、帯電器シャッター31が退避位置へと移動する終点側(本実施例では手前側)の電位センサ10を用いて、実施例2と同様に、帯電器シャッター31が開くときに退避状態となったか否かを検知することができる。
【0091】
尚、帯電器シャッター31の開閉状態を判断する電位の閾値は、両方の電位センサ10の検知結果に関して同一の電位レベルであっても、異なる電位レベルであっても良い。
【0092】
実施例4
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1、2、3のものと同じである。従って、実施例1、2、3の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0093】
実施例1〜3では、帯電器シャッター31の開閉状態を検知するために感光ドラム1を回転させた。
【0094】
これに対して、帯電器シャッター31の開閉状態を検知するときに、感光ドラム1を回転させずに、1次帯電器2によって帯電処理された感光ドラム1の表面電位を検知できるようにしてもよい。
【0095】
尚、本実施例でも、電位センサ10は、画像形成動作時に感光ドラム1の表面移動方向において帯電位置よりも下流(更に、露光位置よりも下流)、且つ、現像位置よりも上流の感光ドラム1の表面電位を検知するように配置されている。
【0096】
例えば、図12(a)に示すように、帯電器シャッター31の開閉状態を検知するときに、電位センサ10の角度を1次帯電器2側に傾けることができる。このために、例えば電位センサ10に回動可能な回動軸61を固定し、CPU51によって制御される駆動源としてのモータ62により該回動軸を回動させることで、電位センサ10を傾けることができる。
【0097】
又、図12(b)に示すように、帯電器シャッター31の開閉状態を検知するときに、電位センサ10を1次帯電器2の近傍に移動することができる。このために、例えば電位センサ10の被駆動部を駆動スクリュー63に螺合させて、CPU51によって制御される駆動源としてのモータ64により該駆動スクリュー63を回転させることで、電位センサ10を移動させることができる。
【0098】
このような構成とすることで、感光ドラム1を回転させることなく、実施例1〜3と同様に、帯電器シャッター31の開閉状態を検知することが可能となる。
【0099】
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
【0100】
例えば、上記各実施例では、電位センサが感光体の長手方向のいずれかの端部又は両方の端部の電位を検知し得るように配置されている場合について説明した。上記各実施例で説明したように、これにより、遮蔽部材の閉動作又は開動作が完了したことを、電位センサを用いて簡易な構成で検知することができるので好ましい。しかし、本発明は、電位センサが感光体の長手方向の端部の電位を検知し得るように配置されている場合に限定されるものではい。例えば、電位センサは、感光体の長手方向の両端部間の中央部分の電位を検知し得るように配置されていてもよい。この場合にも、帯電処理動作時に、本来一次帯電器2の開口部21bと感光ドラム1との間に帯電器シャッター31がなかったはずの場合に、帯電器シャッター31があったこと(即ち、感光ドラム1が帯電していないこと)を検知することで、異常を検知できる。又、帯電処理動作時に、本来一次帯電器2の開口部21bと感光ドラム1との間に帯電器シャッター31があったはずの場合に、帯電器シャッター31がなかったこと(即ち、帯電したこと)を検知することで、異常を検知できる。
【0101】
又、上記各実施例では、本発明を1次帯電器に関して適用した場合を例に説明したが、画像形成装置において用いられる前述のような他のコロナ帯電器に関して適用してもよい。例えば、上記各実施例において転写前帯電器に関して適用してもよい。このように他の帯電器に関して本発明を適用する場合、当該帯電器には、帯電器シャッターの開閉状態を検知する際に、当該帯電器により感光ドラムを帯電させ得る条件の電圧が当該帯電器に印加される。
【符号の説明】
【0102】
1 感光ドラム
2 1次帯電器
21 シールドケース
22 放電ワイヤ
23 グリッド電極
30 遮蔽装置
31 帯電器シャッター(遮蔽部材)
32 シャッター移動装置(遮蔽部材移動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、
前記感光体を帯電させるコロナ帯電器と、
前記コロナ帯電器の開口部を遮蔽するシート状の遮蔽部材と、
前記遮蔽部材を前記感光体の長手方向に移動させる移動手段と、
前記感光体の前記コロナ帯電器によって帯電させられ得る部分の電位を検知する電位センサと、
前記コロナ帯電器により前記感光体を帯電させ得る帯電処理動作を行った後に、該帯電処理動作により帯電させられ得る前記感光体の部分の電位を前記電位センサにより検知した結果に基づいて、前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材がある状態で前記帯電処理動作を行ったか否かを検知する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記移動手段は、前記遮蔽部材を前記感光体の長手方向に沿って前記感光体の第1の端部側に移動させて前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材が無い退避状態とすると共に、前記遮蔽部材を前記感光体の長手方向に沿って前記感光体の前記第1の端部とは反対側の第2の端部側に移動させて前記開口部の全体が前記遮蔽部材で遮蔽された遮蔽状態とし、
前記電位センサは、前記第2の端部側の前記感光体の長手方向の端部の電位を検知し得るように配置されており、
前記制御手段は、前記電位センサの検知結果に基づき前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材がある状態で前記帯電処理動作を行ったか否かを検知して、前記退避状態から前記遮蔽状態になったか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記電位センサによって一定レベルの電位が検知されなかった場合には前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材がある状態で前記帯電処理動作を行ったことを検知して前記遮蔽状態になったと判断し、前記一定レベルの電位が検知された場合には前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材が無い状態で前記帯電処理動作を行ったことを検知して前記遮蔽状態になっていないと判断することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記移動手段は、前記遮蔽部材を前記感光体の長手方向に沿って前記感光体の第1の端部側に移動させて前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材が無い退避状態とすると共に、前記遮蔽部材を前記感光体の長手方向に沿って前記感光体の前記第1の端部とは反対側の第2の端部側に移動させて前記開口部の全体が前記遮蔽部材で遮蔽された遮蔽状態とし、
前記電位センサは、前記第1の端部側の前記感光体の長手方向の端部の電位を検知し得るように配置されており、
前記制御手段は、前記電位センサの検知結果に基づき前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材がある状態で前記帯電処理動作を行ったか否かを検知して、前記遮蔽状態から前記退避状態になったか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記電位センサによって一定レベルの電位が検知された場合には前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材が無い状態で前記帯電処理動作を行ったことを検知して前記退避状態になったと判断し、前記一定レベルの電位が検知されなかった場合には前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材がある状態で前記帯電処理動作を行ったことを検知して前記退避状態になっていないと判断することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記移動手段は、前記遮蔽部材を前記感光体の長手方向に沿って前記感光体の第1の端部側に移動させて前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材が無い退避状態とすると共に、前記遮蔽部材を前記感光体の長手方向に沿って前記感光体の前記第1の端部とは反対側の第2の端部側に移動させて前記開口部の全体が前記遮蔽部材で遮蔽された遮蔽状態とし、
前記電位センサとして、前記第1の端部側の前記感光体の長手方向の端部の電位を検知し得るように配置された第1の電位センサと、前記第2の端部側の前記感光体の長手方向の端部の電位を検知し得るように配置された第2の電位センサと、が設けられており、
前記制御手段は、前記第1の電位センサの検知結果に基づき前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材がある状態で前記帯電処理動作を行ったか否かを検知して、前記遮蔽状態から前記退避状態になったか否かを判断すると共に、前記第2の電位センサの検知結果に基づき前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材がある状態で前記帯電処理動作を行ったか否かを検知して、前記退避状態から前記遮蔽状態になったか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1の電位センサによって一定レベルの電位が検知された場合には前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材が無い状態で前記帯電処理動作を行ったことを検知して前記退避状態になったと判断すると共に、前記一定レベルの電位が検知されなかった場合には前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材がある状態で前記帯電処理動作を行ったことを検知して前記退避状態になっていないと判断し、又、
前記第2の電位センサによって一定レベルの電位が検知されなかった場合には前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材がある状態で前記帯電処理動作を行ったことを検知して前記遮蔽状態になったと判断すると共に、前記一定レベルの電位が検知された場合には前記コロナ帯電器の前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材が無い状態で前記帯電処理動作を行ったことを検知して前記遮蔽状態になっていないと判断することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記移動手段は、前記遮蔽部材を前記感光体の長手方向の第1の端部側に巻き取ることで前記感光体の長手方向に沿って移動させて前記開口部と前記感光体との間に前記遮蔽部材が無い退避状態とすると共に、前記遮蔽部材を前記感光体の長手方向の前記第1の端部とは反対側の第2の端部側に引き出すことで前記感光体の長手方向に沿って移動させて前記開口部の全体が前記遮蔽部材で遮蔽された遮蔽状態とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−48077(P2012−48077A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191575(P2010−191575)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】