説明

画像形成装置

【課題】冷却ファンが効率的に動作されて、温度上昇によって現像部内のトナーが溶融する不具合が抑止される、画像形成装置を提供する。
【解決手段】過去のX分間分におけるY分毎の現像剤担持体の総走行距離を算出してその総走行距離を記憶する。そして、算出した最新の総走行距離の値とZ分前に記憶した総走行距離の値との差分から最新のZ分間分の総走行距離を算出する。そして、その算出結果が閾値M以上であった場合に、画像形成動作が終了した後にもW分間だけ冷却ファンを動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、特に、装置内を冷却するための冷却ファンが設置された画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、装置内の温度上昇を軽減するために、装置内を冷却する冷却ファンを設置する技術が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、特許文献1には、原稿台や画像形成装置内の温度上昇を軽減することを目的として、原稿読取枚数や画像形成枚数や画像形成時間が所定の閾値に達した場合に冷却ファンを動作させるように制御する技術が開示されている。なお、特許文献1では、画像形成動作終了後には冷却ファンの動作が停止するように制御している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像形成装置は、長時間の連続稼働による現像部の温度上昇によって現像部内のトナーが溶融してしまって、適正な画質の画像(トナー像)が得られなくなってしまう不具合が発生することがあった。特に、現像部内の温度は、直接的に検知しにくいために、このような不具合は無視できないものとなっていた。
その一方で、冷却ファンを画像形成動作を終了した後にも無制限に動作させて現像部を冷却し続ける対策をとった場合には、消費電力の浪費が大きくなるとともに、騒音が大きくなってしまうことになる。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、冷却ファンが効率的に動作されて、温度上昇によって現像部内のトナーが溶融する不具合が抑止される、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の請求項1記載の発明にかかる画像形成装置は、所定方向に走行するように回転駆動されて像担持体上に形成される潜像を現像する現像剤担持体を具備した現像部と、装置内に空気を送って装置内を冷却する冷却ファンと、前記現像剤担持体の走行距離を算出するとともに、前記冷却ファンの動作を制御する制御手段と、前記現像剤担持体の総走行距離を記憶する記憶手段と、を備え、過去のX分間分におけるY分毎の前記現像剤担持体の総走行距離を前記制御手段によって算出して当該総走行距離を前記記憶手段によって記憶して、前記制御手段によって算出した前記現像剤担持体の最新の総走行距離の値と前記記憶手段によってZ分前に記憶した総走行距離の値との差分から最新のZ分間分の総走行距離を前記制御手段によって算出して、その算出結果が閾値M以上であった場合に前記制御手段によって画像形成動作が終了した後にもW分間だけ前記冷却ファンを動作するように制御するものである。
【0007】
また、請求項2記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記制御手段における制御条件を任意に設定するための操作部をさらに備え、前記操作部は、前記X、前記Y、前記Z、前記M、前記Wのうち少なくとも1つの値を可変できるように形成されたものである。
【0008】
また、請求項3記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記冷却ファンは、装置内に複数設置され、前記制御手段は、前記算出結果が閾値M以上であった場合に複数の前記冷却ファンを画像形成動作が終了した後に動作させる時間Wを、それぞれ別々に設定できるように形成されたものである。
【0009】
また、請求項4記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記記憶手段は、前記算出結果が閾値M以上であった場合に前記冷却ファンを画像形成動作が終了した後に動作開始させた時刻を記憶するように形成されたものである。
【0010】
また、請求項5記載の発明にかかる画像形成装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記冷却ファンを画像形成動作が終了した後にも動作させていることを報知するための表示部をさらに備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、現像部の現像剤担持体の総走行距離に基いた制御によって所定条件に達したときに、画像形成動作が終了した後にも冷却ファンを動作するように制御しているため、冷却ファンが効率的に動作されて、温度上昇によって現像部内のトナーが溶融する不具合が抑止される、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】作像部を示す構成図である。
【図3】現像装置及び感光体ドラムを上方からみた断面図である。
【図4】冷却ファンの制御をおこなう制御系を示すブロック図である。
【図5】印刷時における現像ローラの総走行距離の記憶手順について説明するための図である。
【図6】電源オン後等における現像ローラの総走行距離の記憶フローを示すフローチャートである。
【図7】画像形成動作終了後の冷却ファン動作の実行判断について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0014】
まず、図1〜図3にて、画像形成装置について詳細に説明する。
図1は、画像形成装置としてのレーザプリンタを示す構成図である。図2は、そこに設置されるプロセスカートリッジ6(作像部)の近傍を示す断面図である。図3は、現像部5及び感光体ドラム1を上方からみた長手方向(図2の紙面垂直方向である。)の断面図である。
【0015】
図1に示すように、中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としてのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kが並設されている。なお、装置本体100に設置される4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、図2及び図3において、プロセスカートリッジ6と感光体ドラム1と1次転写バイアスローラ9とにおける符号のアルファベット(Y、M、C、K)を省略して図示する。
【0016】
図2を参照して、作像部としてのプロセスカートリッジ6は、像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1の周囲に配設された帯電部4、現像部5(現像部)、クリーニング部2と、が一体化されたものであって、装置本体100に対して着脱自在に構成されている。このように作像部の構成部を一体化することで、作像部のメンテナンス性が向上する。そして、感光体ドラム1上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム1上に所望のトナー像が形成されることになる。
【0017】
なお、本実施の形態では、感光体ドラム1、帯電部4、現像部5(現像装置)、クリーニング部2を、一体化してプロセスカートリッジ6を構成したが、各構成部を単独のユニットとして、装置本体100に着脱自在に設置することもできる。具体的に、現像部5(現像装置)を、単独のユニットとして、装置本体100に対して着脱自在に構成することもできる。さらに、感光体ドラム1、帯電部4、クリーニング部2のうち少なくとも1つと、現像部5と、を一体化したユニットとして、装置本体100に対して着脱自在に構成することもできる。
【0018】
図2を参照して、感光体ドラム1は、不図示の駆動部によって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4の位置で、感光体ドラム1の表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1の表面は、露光部7(図1を参照できる。)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0019】
その後、感光体ドラム1の表面は、現像部5との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される(現像工程である。)。
詳しくは、現像部5内には、トナーとキャリア(磁性キャリア)とからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像部5内の現像剤Gは、トナー濃度検知手段としての磁気センサ57によって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)が所定の範囲内になるように調整される。すなわち、現像部5内のトナー消費に応じて、トナー搬送パイプ43(トナー搬送部)からトナー補給口44を介して第2現像剤搬送部54(第2搬送経路)内に、トナーが補給される。なお、磁気センサ57は、その周囲を流動する現像剤の透磁率の変化からトナー濃度の変化を検知するセンサである。
【0020】
トナー搬送パイプ43は、図1を参照して、装置本体100の上方のボトル収容部31に設置されたトナーボトル32Y、32M、32C、32Kのうち対応するトナーボトルに連通している。図示は省略するが、トナー搬送部は、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kを回転駆動する駆動部や、トナー搬送パイプ43や、トナー搬送パイプ43に接続されたエアーポンプ等で構成される。このように構成されたトナー搬送部によって、各色のトナーが収容されたトナーボトル32Y、32M、32C、32Kから、トナー搬送パイプ43を介して、各現像部5にそれぞれ各色のトナーが搬送される。
なお、トナー搬送部は、上述した構成のものに限定されることなく、種々の構成のものを用いることができる。例えば、トナー搬送パイプを用いずに、トナーボトルから中継ホッパを介して現像部5にトナーを供給する構成にすることもできる。
【0021】
その後、第2現像剤搬送部54内に補給されたトナーは、第2搬送スクリュ56及び第1搬送スクリュ55によって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、仕切部材58で隔絶された第1現像剤搬送部53(第1搬送経路)、第2現像剤搬送部54を循環する(図3中の破線矢印方向の循環である。)。
【0022】
詳しくは、図3を参照して、第1現像剤搬送部53(第1現像剤収容部)内の現像剤Gは、第1現像剤搬送部材としての第1搬送スクリュ55によって、紙面の左側から右側に現像ローラ51の長手方向に沿って搬送される。これに対して、第2現像剤搬送部54(第2現像剤収容部)内の現像剤Gは、第2現像剤搬送部材としての第2搬送スクリュ56によって、紙面の右側から左側に第1現像剤搬送部53とは逆方向に搬送される。
【0023】
また、第1現像剤搬送部53と第2現像剤搬送部54とは、長手方向両端部を除く領域に配設された仕切部材58によって隔絶されるとともに、仕切部材58の介在しない長手方向両端部(第1中継部A及び第2中継部B)で連通する。すなわち、第1搬送スクリュ55(第1現像剤搬送部材)によって第1現像剤搬送部53の下流側に搬送された現像剤は、第1中継部Aを介して第2現像剤搬送部54の上流側に流動して、その後に第2搬送スクリュ56(第2現像剤搬送部材)によって長手方向に搬送される。第2搬送スクリュ56によって第2現像剤搬送部54の下流側に搬送された現像剤は、第2中継部Bを介して第1現像剤搬送部53の上流側に流動して、その後に第1搬送スクリュ55によって長手方向に搬送される。こうして、2つの搬送経路53、54の間に現像剤の長手方向の循環経路が形成される。
【0024】
このように循環経路中を循環する現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51上に形成された複数の磁極によってキャリアとともに現像ローラ51上に担持される。
ここで、図3を参照して、現像ローラ51は、内部に固設されてローラ周面に複数の磁極を形成するマグネット51bと、マグネット23a1の周囲を回転するスリーブ51aと、で構成される。そして、複数の磁極が形成されたマグネット51bの周囲をスリーブ51aが回転することで、その回転にともない現像剤Gが現像ローラ51上(スリーブ51a上である。)を移動することになる。なお、現像ローラ51(現像剤担持体)は、スリーブ51aの軸部に連結された駆動モータ71(現像駆動モータ)によって図2の矢印方向(反時計方向)に回転駆動される(図4を参照できる)。
【0025】
現像剤担持体としての現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、現像ローラ51の矢印方向の回転(走行)にともなって搬送されて、現像剤規制部材としてのドクターブレード52(現像ローラ51の下方に配設されている。)の位置に達する。そして、現像ローラ51上の現像剤Gは、この位置で適量に規制された後に、感光体ドラム1との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム1上に形成された潜像にトナーが吸着される。
【0026】
図示は省略するが、マグネット51bによって現像ローラ51(スリーブ51a)の周囲には、複数の磁極が形成されている。複数の磁極は、感光体ドラム1との対向位置に形成された主磁極、第1搬送スクリュ55との対向位置からドクターブレード52との対向位置にかけて形成された汲上げ磁極(ドクタ対向磁極)、第1現像剤搬送部53の上方に形成された剤離れ磁極、主磁極と剤離れ磁極との間に形成された搬送磁極、等で構成される。
まず、汲上げ磁極が磁性体としてのキャリアに作用して、第1現像剤搬送部53内を移動する現像剤Gの一部が現像ローラ51上に担持される。現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、その一部がドクターブレード52(現像剤規制部材)の位置で掻き取られて、第1現像剤搬送部53に戻される。一方、汲上げ磁極による磁力が作用するドクターブレード52の位置で、ドクターブレード52と現像ローラ51とのドクターギャップを通過して現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、主磁極の位置で穂立ちして現像領域において磁気ブラシとなって感光体ドラム1に摺接する。こうして、現像ローラ51に担持された現像剤G中のトナーが感光体ドラム1上の潜像に付着する。その後、主磁極の位置を通過した現像剤Gは、搬送磁極によって剤離れ磁極の位置まで搬送される。そして、剤離れ磁極の位置で、反発磁界がキャリアに作用して、現像ローラ51上に担持されていた現像工程後の現像剤Gが現像ローラ51から脱離される。脱離後の現像剤Gは、再び第1現像剤搬送部53に戻されて、第1現像剤搬送部53の下流側に向けて搬送され、第1中継部Aを介して第2現像剤搬送部54の上流側に移動する。さらに、第2現像剤搬送部54の上流側に移動した現像剤は、トナー補給口44から補給された補給トナーとともに、第2現像剤搬送部54の下流側に達して、第2中継部Bを介して第1現像剤搬送部53の上流側に移動する。このような一連の現像剤Gの循環が繰り返される。
【0027】
上述した現像工程の後、感光体ドラム1の表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体1の表面は、クリーニング部2との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1の表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0028】
なお、上述した作像プロセスは、4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kで、それぞれおこなわれる。すなわち、図1を参照して、プロセスカートリッジの下方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0029】
ここで、図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写バックアップローラ12、対向ローラ13、テンションローラ14、クリーニング部10等で構成される。中間転写ベルト8は、3つのローラ部材12〜14によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
【0030】
4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0031】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成されたカラートナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト8は、中間転写ベルト8用のクリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0032】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0033】
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0034】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置本体100外に排出された記録媒体Pは、印刷後の画像(出力画像)として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセス(画像形成動作)が完了する。
【0035】
なお、本実施の形態では、画像形成装置本体100の内部に複数の冷却ファン61〜63が設置されている。詳しくは、図1及び図2を参照して、主として複数の現像部5(プロセスカートリッジ6)をそれぞれ冷却するための冷却ファン61(現像部冷却用の冷却ファン)、主として定着部62を冷却するための冷却ファン62、主として露光部7を冷却するための冷却ファン63、が設置されている。これらの冷却ファン61〜63は、画像形成装置100内に空気を送って装置内の各部を冷却する。そして、本実施の形態では、これらの冷却ファン61〜63が、それぞれ別々に動作制御されている。
【0036】
以下、図4〜図7にて、本実施の形態において特徴的な、画像形成装置の制御について詳しく説明する。
図4を参照して、現像部5(プロセスカートリッジ6)を冷却するための冷却ファン61は、制御手段としての制御部70によるファン・ドライバ73の制御によって、その動作(オン・オフ動作)が制御される。また、制御手段としての制御部70は、駆動モータ・ドライバ72を介して駆動モータ71(現像駆動モータ)を制御して、現像剤担持体としての現像ローラ51の回転駆動制御をおこなう。すなわち、制御部70(制御手段)は、現像ローラ51の駆動・駆動停止や、冷却ファン61の駆動・駆動停止の指令を発することになる。なお、図示は省略するが、制御部70は、他の冷却ファン62、63を含む装置本体100の全ての駆動部材の駆動制御をもおこなう。
【0037】
ここで、制御部70(制御手段)は、現像ローラ51(現像剤担持体)の走行距離を算出する。詳しくは、駆動モータ71によって現像ローラ51を駆動した時間(駆動時間)と、現像ローラ51の外周面における線速(駆動線速)と、から現像ローラ51の走行距離を算出する。そして、制御部70によって算出された所定時間毎の現像ローラ51の総走行距離が記憶手段としての記憶部74に記憶される。
なお、記憶部74(記憶手段)では、後述する冷却ファン61を画像形成動作終了後に動作させる際の動作開始時刻等、冷却ファン61の動作条件をも記憶するように構成されている。
また、画像形成装置本体100には、ユーザーやサービスマン等の作業者が制御部70における制御条件を任意に設定するための操作部75(操作パネル)や、ユーザーやサービスマン等の作業者が装置100でおこなわれている動作等の情報を認識するための表示部76(表示パネル)が設置されている。
【0038】
ここで、本実施の形態では、現像ローラ51の総走行距離に応じて冷却ファン61の動作を制御している。
詳しくは、過去のX分間分におけるY分毎の現像ローラ51の総走行距離を制御部70によって算出してその算出結果(総走行距離)を記憶部74によって記憶する。そして、制御部70によって算出した現像ローラ51の最新の総走行距離の値と、記憶部74によってZ分前に記憶した総走行距離の値と、の差分Δから、最新のZ分間分の総走行距離を制御部70によって算出する。そして、その算出結果(最新のZ分間分の総走行距離であって、上述した差分Δである。)が閾値M以上であった場合に、制御部70によって画像形成動作(印刷動作)が終了した後にもW分間だけ冷却ファン61を動作するように制御する。
なお、本実施の形態では、上述した定数X、Y、Z、M、Wが、それぞれ、200(分)、5(分)、65(分)、276840(mm)、30(分)に基準値として設定されている。
【0039】
さらに具体的に、過去の200分間分における5分毎の現像ローラ51の総走行距離を制御部70によって算出してその算出結果(総走行距離)を記憶部74によって記憶する。そして、制御部70によって算出した現像ローラ51の最新の総走行距離の値と、記憶部74によって65分前に記憶した総走行距離の値と、の差分Δから、最新の65分間分の総走行距離を制御部70によって算出する。そして、その算出結果(差分Δ)が閾値276840(mm)以上であった場合には、連続稼働時間が比較的長くて現像部5の温度上昇が大きくなり現像部5内に収容されたトナーの溶融が生じやすい状況であるものとして、画像形成動作(印刷動作)が終了した後にも画像形成動作中の動作から延長して30分間だけ冷却ファン61を動作する。
そして、画像形成動作終了における冷却ファン61の動作(動作延長)を実行してから、冷却ファン61の動作延長時間(30分)が経過していて、かつ、最新の65分間分の総走行距離が閾値276840(mm)未満である場合には、現像部5の温度が充分に低下したものとして、冷却ファン61の動作時間延長の設定を解除して、冷却ファン61の動作時間設定を通常設定(画像形成動作中のみの動作である。)に戻す。
【0040】
また、上述した制御フローにおいて、上述した算出結果(差分Δ)が閾値276840(mm)に達しない場合には、連続稼働時間が比較的短くて現像部5の温度上昇が小さく現像部5内に収容されたトナーの溶融が生じやすい状況にはないものとして、画像形成動作終了において画像形成動作中の動作から延長継続して冷却ファン61を動作することなく、画像形成動作終了とともに冷却ファン61の動作を停止する。
【0041】
このように、本実施の形態では、現像部5の温度上昇の代替特性として現像ローラ51の総走行距離を求めて、その総走行距離の長短に基いて画像形成動作終了後における冷却ファン61の動作(延長動作)の可否を判断して冷却ファン61の動作制御を実行しているため、冷却ファン61が無駄に動作されることなく効率的に動作されて、現像部5が効率的に冷却されて、温度上昇によって現像部5内のトナーが溶融する不具合が確実に軽減されることになる。
【0042】
以下、上述した冷却ファン61の制御について、さらに詳細に説明する。
まず、図5を用いて、印刷時(画像形成動作時)における現像ローラ51の総走行距離の記憶手順について説明する。図5は、記憶部74(記憶手段)における複数のアドレス(図には「0001」〜「102」までのアドレスが記載されている。)を示す図であって、図5(A)〜(C)は記憶部74において現像ローラ51の総走行距離が記憶される手順の一例を示すものである。
図5(A)に示すように、「0001」〜「0005」の各アドレスには、5分間(Y分間)毎の現像ローラ51の総走行距離が記憶されている。そして、アドレス「0005」における総走行距離値の保存(記憶)が確定した時点での時刻(4月22日10時00分00秒とする。)が、最新確定時刻(0422100000)としてアドレス「101」に一時的に保存される。さらに、このとき、次に保存されるべき走行距離値の保存先(最新カウンタ保存先)として、アドレス名(0006)がアドレス「102」に一時的に保存される。
その後、図5(B)に示すように、印刷動作(画像形成動作)時に、現像ローラ51の総走行距離の値(例えば、273103mm)が、最新のアドレス「0006」に随時保存される。
そして、図5(C)に示すように、アドレス「0005」の保存が確定してから5分(Y分)が確定した後に、最新のアドレス「0006」における総走行距離値(273103mm)が確定して保存される。これと同時に、アドレス「0006」における総走行距離値の保存が確定した時点での時刻(4月22日10時05分00秒とする。)が、最新確定時刻(0422100500)としてアドレス「101」に一時的に保存される。さらに、このとき、次に保存されるべき走行距離値の保存先(最新カウンタ保存先)として、先のアドレス名(0006)に対して+1を加算したアドレス名(0007)がアドレス「102」に一時的に保存される。
以上、全体的な記憶手順をまとめると、「最新確定時刻」から5分後までは、印刷終了時に総走行距離値を随時「最新カウンタ保存先」に示されるアドレスに保存して、5分が経過した時点でそのアドレスの値を確定させて、「最新確定時刻」を現在時刻に更新するとともに、「最新カウンタ保存先」を1つ進める。
【0043】
図6は、電源オン後やスリープモードからの復帰後における現像ローラ51の総走行距離の記憶フローを示すフローチャートである。
図6に示すように、装置本体100のメインスイッチ(主電源)がオンされた場合、又は、装置が「スリープモード」(低電力を供給して装置100の消費電力を抑えつつ、装置100の比較的迅速な立ち上げを可能にする制御モードである。)から復帰した場合であって、装置100がオフ状態からオン状態になると(ステップS1〜S2)、まず、その時点での現在時刻Tが取得される(ステップS3)。
そして、現在時刻Tが(「最新確定時刻」の時刻+5分×40)の値以上であるかが判別される(ステップS4)。すなわち、予め定められた定数Z(=200分)と現在時刻Tとの比較がおこなわれる。
その結果、現在時刻Tが(「最新確定時刻」の時刻+5分×40)の値以上であるものと判別された場合には、装置100の稼動停止時間(又は、スリープ時間)が充分にあって現像部5の温度が充分に低下しているものとして、記憶部74における総走行距離保存先のすべてに総走行距離値をセットして(ステップS11)、「最新カウンタ保存先」を初期値(アドレス「0001」)にリセットして(ステップS12)、「最新確定時刻」をTにセットして(ステップS13)、その後にタイマーをスタートする(ステップS14)。そして、それ以降、先に図5で説明した手順にて記憶部74による記憶動作(基本動作)をおこなう(ステップS17)。
【0044】
これに対して、ステップS4にて、現在時刻Tが(「最新確定時刻」の時刻+5分×40)の値以上ではないものと判別された場合には、装置100の稼動停止時間(又は、スリープ時間)が充分になく現像部5の温度が充分に低下していないものとして、まず、現在時刻Tが(「最新確定時刻」の時刻+5分)の値以上であるかが判別される(ステップS5)。すなわち、予め定められた定数Y(=5分)と現在時刻Tとの比較がおこなわれる。
その結果、現在時刻Tが(「最新確定時刻」の時刻+5分)の値以上ではないものと判別された場合には、次の確定(「最新確定時刻」の確定である。)までの残り時間R((「最新確定時刻」の時刻+5分)−T)が算出されて(ステップS10)、その後にタイマーがスタートされ(ステップS15)、上述した残り時間Rまで総走行距離の算出がおこなわれる(ステップS16)。そして、それ以降、先に図5で説明した手順にて記憶部74による記憶動作(基本動作)をおこなう(ステップS17)。
【0045】
これに対して、ステップS5にて、現在時刻Tが(「最新確定時刻」の時刻+5分)の値以上であるものと判別された場合には、さらに現在時刻Tが(「最新確定時刻」の時刻+5分×2)の値以上であるかが判別される(ステップS6)。その結果、現在時刻Tが(「最新確定時刻」の時刻+5分×2)の値以上であるものと判別された場合には、「最新カウンタ保存先」の値+1の番号のカウンタSP(アドレス)から+Nの番号のカウンタSP(アドレス)まで総走行距離値をセットする(ステップS7)。ここで、上述した「N」は、(「最新確定時刻」の時刻+5分)/5分(ただし、小数点以下は切り捨てる。)で求められる自然数である。
そして、「最新カウンタ保存先」の値に、「+N+1」を加算して、「最新カウンタ保存先」にセットする(ステップS8)。さらに、「最新確定時刻」に(「最新確定時刻」の時刻+5分×(N+1))の時刻をセットして(ステップS9)、その後に上述したステップS10以降のフローをおこなう。
これに対して、ステップS6にて、現在時刻Tが(「最新確定時刻」の時刻+5分×2)の値以上ではないものと判別された場合には、ステップS7のフローを飛ばして、上述したステップS8以降のフローをおこなう。
【0046】
このような制御をおこなうことにより、画像形成装置100が電源オフやスリープモードによって稼働停止していた場合であっても、その電源オン後やスリープモードからの復帰後にその駆動停止時間を算出して、その時間分に対応する総走行距離値を記憶することができることになる。すなわち、電源オフやスリープモードを挟んで画像形成装置100の稼働がおこなわれても、最新の総走行距離の値と所定時間前に記憶した総走行距離の値との差分Δを計算するときに、稼働停止時における時間を把握するとともに、その間の走行距離をゼロとすることができるため、現像部5の温度上昇の程度に合わせた総走行距離の算出を正確におこなうことができる。
【0047】
図7にて、画像形成動作終了後の冷却ファン動作の実行判断について説明する。図7は、図5に対応した記憶部74(記憶手段)の一部を示す図であって、画像形成動作終了後の冷却ファン動作が実行されるように判断されたときの手順の一例を示すものである。
図7に示すように、アドレス「102」において一時的に保存されていた「最新カウンタ保存先」のアドレス「0008」が確定して、アドレス「0008」が更新されると、判定対象の2点の差分Δが計算される。ここでは、定数Zが25分(25分/5分=アドレス5個分)に設定されていて、(「最新カウンタ保存先」の値−1)の番号のカウンタ(総走行距離)から、(「最新カウンタ保存先」の値−(1+5))の番号のカウンタ(総走行距離)を引くことになる。すなわち、図中に示すように、差分Δとして、(「008」−1のカウンタ)−(「008」−(1+5))のカウンタの結果である、「315901(mm)」が求められる。そして、この差分Δ(「315901(mm)」)と、閾値M(「276840(mm)」)との比較がおこなわれ、差分Δ≧閾値Mなる関係が判別されたため、画像形成動作終了後においても空冷ファン61を30分間(W分間)だけ延長して動作させる。そして、この動作設定がされた場合には、それ以降、画像形成動作(印刷動作)が終了するたびに、空冷ファン61の30分間の動作がおこなわれることになる。
【0048】
なお、記憶部74では、上述した算出結果(差分Δ)が閾値M以上であった場合に冷却ファン61を画像形成動作が終了した後に動作開始させた時刻が記憶される。そして、この動作開始時刻から30分が経過した時点で、最新の判定時間間隔において算出された走行距離が閾値Mを超えていなければ、充分に現像部5の温度が低下しているものとして、印刷動作終了後の冷却ファン61の動作設定を元の状態に戻す。すなわち、画像形成動作(印刷動作)が終了するたびに空冷ファン61を30分間動作させる設定を解除する。
このような制御をおこなうことで、現像部5の温度上昇の程度に合わせた冷却ファン61の効率的な動作をおこなうことができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、先に図4にて説明した操作部75(操作パネル)において、上述した冷却ファン61の制御に係る定数X、Y、Z、M、Wのうち少なくとも1つの値を可変できるように構成されている。すなわち、ユーザーやサービスマン等の作業者は、操作部75を操作して、定数X、Y、Z、M、Wを可変して設定することができる。
このような構成によって、実際に画像形成装置を稼働させながら、その稼働状況に応じて、現像部5の温度上昇の程度に合わせた冷却ファン61の効率的な動作制御を微調整することができる。
【0050】
また、本実施の形態における画像形成装置1には、先に図1にて説明したように、現像部5を冷却する冷却ファン61とは別に、装置1内を冷却する冷却ファン62、63が設置されている。さらに、4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの現像部5の下方に、それぞれ冷却ファン61が設置されている(図1を参照できる)。
そして、制御部70は、上述した算出結果(差分Δ)が閾値M以上であった場合に3種類の冷却ファン61〜63や4つの現像部冷却用の冷却ファン61を画像形成動作が終了した後に動作させる時間Wを、それぞれ別々に設定できるように構成されている。したがって、算出結果(差分Δ)が閾値M以上であった場合に現像部冷却用の冷却ファン61のみを画像形成動作終了後に動作させて、他の2つの冷却ファン62、63の動作は停止させたり、その動作時間を短く設定したりすることもできる。さらには、現像部冷却用の4つの冷却ファン61において、それぞれの現像部5の稼働状況に合わせて、画像形成動作終了後の冷却ファン61の動作を別々に制御することもできる(例えば、モノクロモード時には、黒色用の現像部5に対向する冷却ファン61のみを、上述した制御の対象にすることができる)。
このような構成によって、現像部5の温度上昇の程度に合わせた冷却ファン61〜63の効率的な動作をおこなうことができる。
【0051】
なお、先に図4にて説明した表示部76(表示パネル)において、上述した現像ローラ51の総走行距離に応じた冷却ファン61の動作延長をおこなう際に、冷却ファン61を画像形成動作が終了した後にも動作させていることを報知することが好ましい。
このような構成によって、画像形成動作終了後に冷却ファン61が動作していることが、異常動作ではないことをユーザーに認識してもらうことができる。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態では、現像部5の現像ローラ51(現像剤担持体)の総走行距離に基いた制御によって所定条件に達したときに、画像形成動作が終了した後にも冷却ファン61を動作するように制御しているため、冷却ファン61が効率的に動作されて、温度上昇によって現像部5内のトナーが溶融する不具合を抑止することができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、2成分現像剤が収容された現像装置に対して本発明を適用したが、1成分現像剤が収容された現像装置に対しても当然に本発明を適用することができる。その場合も、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0055】
1、1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(像担持体)、
5 現像部(現像装置)、
51 現像ローラ(現像剤担持体)、
61〜63 冷却ファン、
70 制御部(制御手段)、
74 記憶部(記憶手段)、
100 画像形成装置本体(装置本体)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開平9−26745号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に走行するように回転駆動されて像担持体上に形成される潜像を現像する現像剤担持体を具備した現像部と、
装置内に空気を送って装置内を冷却する冷却ファンと、
前記現像剤担持体の走行距離を算出するとともに、前記冷却ファンの動作を制御する制御手段と、
前記現像剤担持体の総走行距離を記憶する記憶手段と、
を備え、
過去のX分間分におけるY分毎の前記現像剤担持体の総走行距離を前記制御手段によって算出して当該総走行距離を前記記憶手段によって記憶して、前記制御手段によって算出した前記現像剤担持体の最新の総走行距離の値と前記記憶手段によってZ分前に記憶した総走行距離の値との差分から最新のZ分間分の総走行距離を前記制御手段によって算出して、その算出結果が閾値M以上であった場合に前記制御手段によって画像形成動作が終了した後にもW分間だけ前記冷却ファンを動作するように制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段における制御条件を任意に設定するための操作部をさらに備え、
前記操作部は、前記X、前記Y、前記Z、前記M、前記Wのうち少なくとも1つの値を可変できるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記冷却ファンは、装置内に複数設置され、
前記制御手段は、前記算出結果が閾値M以上であった場合に複数の前記冷却ファンを画像形成動作が終了した後に動作させる時間Wを、それぞれ別々に設定できるように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記算出結果が閾値M以上であった場合に前記冷却ファンを画像形成動作が終了した後に動作開始させた時刻を記憶するように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記冷却ファンを画像形成動作が終了した後にも動作させていることを報知するための表示部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−83612(P2012−83612A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230723(P2010−230723)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】