説明

画像形成装置

【課題】装置構成の大型化を抑制しつつエネルギー利用効率の向上を図る。
【解決手段】複合機10に対して着脱可能に装着されるトナーカートリッジ95c,95m,95y,95kと、装着されたトナーカートリッジ95c,95m,95y,95kに対向する位置に配置された圧電素子ユニット702とを備える。圧電素子ユニット702は、加えられた圧力を電力に変換する圧電素子を備えており、トナーカートリッジ95c,95m,95y,95kを装着することによって上記圧電素子に作用する圧力により発電を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機能を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、当該装置の外部から供給される電力(商用電源あるいは自家発電電源から供給される電力)によって駆動されている。また、これらの装置においては、ランニングコストの低減や地球環境問題への対策等のために、エネルギーの有効利用が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、交流商用電源に加えて発電・蓄電・給電装置の機能を組み合わせることにより、主電源−補助電源の主従的な利用方法ではなく、個々のデバイスの機能を能動的に作用させて電力消費および制御機能を合理的に分化させ、機器全体のエネルギー消費総量の削減を図る技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、画像形成装置に主電源として内蔵された発電ユニットによって発電された電力を当該装置の各部に供給することにより、電力供給を自立して行う画像形成装置が開示されている。また、発電ユニットに備えられる発電装置として燃料電池を用いることが記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、画像形成装置に太陽電池を設け、この太陽電池の発電した電力を用いて湿度制御装置やファンへ電力を供給する構成が記載されている。また、特許文献2には、太陽電池によって発電される電力が不十分な場合には主電源や補助電源から湿度制御装置やファンへ電力を供給することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−078020号公報(平成17年3月24日公開)
【特許文献2】特開2005−49855号公報(平成17年2月24日公開)
【特許文献3】特開2006−39071号公報(平成18年2月9日公開)
【特許文献4】特開2006−166694号公報(平成18年6月22日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1〜3の技術では、発電装置として、太陽光発電装置、太陽電池、燃料電池、温度差発電装置、ガス発電装置などを想定しているが、これらの装置を画像形成装置に設けると装置構成の大型化は避けられず、実用化は困難である。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像形成装置において、装置構成の大型化を抑制しつつエネルギー利用効率の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、記録材上に画像を形成する画像形成装置であって、当該画像形成装置に対して着脱可能に装着される交換部材と、装着された上記交換部材に対向する位置に配置された圧電素子ユニットとを備え、上記圧電素子ユニットは、加えられた圧力を電力に変換する圧電素子を備えており、上記交換部材を装着することによって上記圧電素子に作用する圧力により発電を行うことを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、交換部材を装着する際に圧電素子に作用する圧力、および交換部材を装着した後に画像形成装置の振動によって圧電素子に作用する圧力を電力に変換することができる。これにより、交換部材の着脱動作に伴うエネルギーおよび画像形成装置の振動に伴うエネルギーを電力に変換することができるので、エネルギー利用効率を向上させることができる。また、圧電素子ユニットを設けるだけで発電できるので、画像形成装置の装置サイズの増大を抑制することができる。
【0011】
また、上記交換部材はトナーを収容するトナーカートリッジであり、装着された上記トナーカートリッジの底面に対向するトナーカートリッジ挿入台を備えており、上記圧電素子ユニットは上記トナーカートリッジ挿入台に設けられている構成であってもよい。
【0012】
上記の構成によれば、トナーカートリッジの着脱動作に伴うエネルギーおよび画像形成装置の振動に伴うエネルギーを電力に変換することができるので、エネルギー利用効率を向上させることができる。
【0013】
また、上記トナーカートリッジ挿入台は、トナーカートリッジを画像形成装置に対して着脱する際に当該トナーカートリッジが上記圧電素子ユニットと離間した状態で上記圧電素子ユニットの上方を所定方向にスライドするようにトナーカートリッジの移動位置および移動方向を規制するガイド部材を備えている構成としてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、トナーカートリッジの移動方向を規制することによってユーザによる着脱操作を容易にするとともに、トナーカートリッジが圧電素子ユニットに意図に反して接触するなどして圧電素子ユニットが破損してしまうことを防止できる。
【0015】
また、上記圧電素子ユニットにおけるトナーカートリッジとの当接面に、上記トナーカートリッジが当接することによって上記圧電素子が損傷することを防止するための保護シートが備えられている構成としてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、トナーカートリッジとの当接によって圧電素子が損傷することを防止できる。
【0017】
また、上記圧電素子は、チタン酸バリウム、ジルコニア、リチウムタンタレートのうちのいずれか1つ以上を用いたものである構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、作用する圧力に比例して電気分極が生じて電圧が発生し、発電を行うことができる。
【0019】
また、上記圧電素子ユニットは、複数の圧電素子が同一平面内に配置された圧電素子アレイを複数備えており、上記各圧電素子アレイは、上記圧力の作用方向に沿って積層されている構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、交換部材を画像形成装置に装着することによって圧力が作用する方向に複数層の圧電素子アレイが積層されている。これにより、圧電素子ユニットの設置スペースを低減するとともに、交換部材の装着に伴う圧力を各圧電素子アレイに備えられた圧電素子に作用させて発電を行わせることができ、発電効率を向上させることができる。
【0021】
また、上記圧電素子ユニットによって発電された電力の電圧を降圧する降圧部を1つ以上備えており、電圧値の異なる複数種類の電力を生成する構成としてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、圧電素子ユニットによって発電された電力を、その用途に応じた複数種類の電圧値に変換することができる。
【0023】
また、上記画像形成装置は、外部から供給される電力によって駆動されるものであり、上記圧電素子ユニットの発電した電力を蓄電する蓄電部を備え、上記画像形成装置に対する外部からの電力供給が遮断されたときに、上記蓄電部に蓄電されている電力を上記画像形成装置の少なくとも一部を駆動するための電力として用いる構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、画像形成装置に対する外部からの電力供給が遮断された場合に、上記蓄電部に蓄電しておいた電力を用いて画像形成装置の少なくとも一部を動作させることができる。また、膨大な送配電システムを設けることなく、安価で省スペースな補助電力源を提供できる。
【0025】
また、表示部を備え、上記画像形成装置に対する外部からの電力供給が遮断されたときに、上記蓄電部に蓄電されている電力を用いて上記表示部を駆動し、外部からの電力供給が遮断されたことを示すメッセージ、推奨される対処法を示すメッセージ、および当該画像形成装置の状況を示すメッセージのうちのいずれか1つ以上を表示させる構成としてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、画像読取装置に対する外部からの電力供給が遮断された場合でも、外部からの電力供給が遮断されたことを示すメッセージ、推奨される対処法を示すメッセージ、および当該画像読取装置の状況を示すメッセージのうちのいずれか1つ以上を表示してユーザに提示することができる。
【0027】
また、ネットワークを介して通信可能に接続された他の装置との通信を行う通信部を備え、上記画像形成装置に対する外部からの電力供給が遮断されたときに、上記蓄電部に蓄電されている電力を用いて上記通信部を駆動し、外部からの電力供給が遮断されたことを示すメッセージを予め設定された送信先に送信する構成としてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、画像読取装置に対する外部からの電力供給が遮断された場合でも、外部からの電力供給が遮断されたことを示すメッセージを所定の送信先に送信することができる。
【0029】
また、上記画像形成装置は、上記記録材を搬送する記録材搬送部を備えており、上記画像形成装置に対する外部からの電力供給が遮断されたときに、上記蓄電部に蓄電されている電力を用いて上記記録材搬送部を駆動し、上記記録材搬送部によって搬送中の記録材を排出する構成としてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、画像形成装置に対する外部からの電力供給が遮断された場合でも、記録材搬送部によって搬送中の記録材を排出することができるので、ユーザが搬送中の記録材を記録材搬送部から取り出す処理を手動で行う必要をなくすことができる。また、例えば画像形成装置に対する外部からの電力供給が復旧するなどして、記録材搬送部による記録材の搬送を再開する場合に、記録材の搬送を即座に開始することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明の画像形成装置は、当該画像形成装置に対して着脱可能に装着される交換部材と、装着された上記交換部材に対向する位置に配置された圧電素子ユニットとを備え、上記圧電素子ユニットは、加えられた圧力を電力に変換する圧電素子を備えており、上記交換部材を装着することによって上記圧電素子に作用する圧力により発電を行う。
【0032】
それゆえ、交換部材の着脱動作に伴うエネルギーおよび画像形成装置の振動に伴うエネルギーを電力に変換することができるので、エネルギー利用効率を向上させることができる。また、圧電素子ユニットを設けるだけで発電できるので、画像形成装置の装置サイズの増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(a)は本発明の一実施形態にかかる画像形成装置に備えられるトナーカートリッジおよび圧電素子ユニットの平面図であり、(b)はその斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置の断面図である。
【図3】図2に示した画像形成装置の装置構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した画像読取装置に備えられる発電部の構成を示すブロック図である。
【図5】(a)は図4に示した発電部に備えられる第1電圧リミッタの構成を示す回路図であり、(b)は図4に示した発電部に備えられる第2電圧リミッタの構成を示す回路図である。
【図6】図4に示した発電部に備えられる第1降圧部の構成を示す回路図である。
【図7】図2に示した画像形成装置の前カバーを開いた状態を示す斜視図である。
【図8】図2に示した画像形成装置に着脱可能に装着されるトナーカートリッジの斜視図である。
【図9】図2に示した画像形成装置のトナーカートリッジ挿入部の底面に備えられるトナーカートリッジ挿入台の斜視図である。
【図10】図9に示したトナーカートリッジ挿入台の平面図である。
【図11】図9に示したトナーカートリッジ挿入台の断面図である。
【図12】(a)〜(d)はトナーカートリッジ挿入時の様子を示す説明図である。
【図13】図2に示したトナーカートリッジ挿入台にトナーカートリッジが装着された状態を示す斜視図である。
【図14】(a)は図2に示した画像形成装置に備えられる圧電素子ユニットに備えられる圧電素子アレイの平面図であり、(b)は圧電素子ユニットの断面図である。
【図15】圧電素子ユニットの変形例を示す断面図である。
【図16】図14(b)に示した圧電素子ユニットの一部を拡大した断面拡大図である。
【図17】図1に示した画像読取装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図18】図1に示した画像読取装置における処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の一実施形態について説明する。
【0035】
(1−1.複合機10の全体構成)
図2は本実施形態にかかる複合機10(画像形成装置)の概略構成を示す模式図であり、図3は複合機10のブロック図である。
【0036】
図2および図3に示すように、複合機10は、画像読取装置100、画像処理装置200、画像出力装置(画像形成装置)300、制御部400、操作パネル500、電源供給部600、発電部700、および通信部900を備えている。なお、図3に示したように、必要に応じて複合機10に周辺装置800を装着してもよい。周辺装置800としては、例えば、画像出力装置300に供給する記録材を収容する給紙装置、画像出力装置300によって画像形成された記録材に対してステープル処理、仕分け処理、パンチ穴開け処理、製本処理等の後処理を施す後処理装置などが挙げられる。
【0037】
制御部400は、演算部401と記憶部402とを備えており、複合機10に備えられる各装置、すなわち画像読取装置100、画像処理装置200、画像出力装置300、操作パネル500、電源供給部600、発電部700、および通信部900の動作を制御する。なお、複合機10に周辺装置800が装着されている場合には、制御部400は周辺装置800の動作についても制御する。
【0038】
記憶部402は、操作パネル500を介してユーザから入力される各種コマンドや設定値、複合機10の内部に配置される各種センサーの検知結果、複合機10に設けられる各装置の動作を制御するための各種設定値およびデータテーブル、各種制御を実行するためのプログラムなどを記憶するものである。記憶部402としては、この分野で常用される各種記憶手段、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などを用いることができる。
【0039】
演算部401は、記憶部402に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを取り出して演算処理や判定処理を行い、これらの処理結果に基づいて複合機10が備える各装置に制御信号を送って各装置の動作を制御する。なお、演算部401は、例えば、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路である。
【0040】
画像読取装置100は、図2に示したように、画像出力装置300が収容される筐体の上面に備えられており、原稿を読み取ってこの原稿の画像データを取得するものである。画像読取装置100にて読み取られた原稿の画像データは、画像処理装置200へと送られて所定の画像処理が施される。
【0041】
なお、画像読取装置100は、図2に示したように、本体部101と、本体部101の上面に設けられた原稿載置台104と、原稿載置台104の一部を構成する原稿載置ガラス102と、原稿載置台104の一端部に回動可能に取り付けられた原稿カバー103と、原稿載置ガラス102上の原稿を走査して読み取るスキャナユニット(原稿画像読み取りユニット、原稿読取部)50とを備えている。また、原稿カバー103には、原稿を自動的に供給搬送するためのDSPF(Duplex Single Pass Feeder;両面対応自動原稿送り装置、原稿搬送部)52が設けられている。
【0042】
DSPF52は、原稿搬送路に沿って原稿検知センサーや原稿搬送ローラ(いずれも図示せず)を備えており、原稿トレイ53に載置された原稿を1枚ずつピックアップして搬送し、原稿載置ガラス102におけるスキャナユニット50による読取位置を通過させて排紙トレイ54に排出する。
【0043】
スキャナユニット50は、原稿面上を露光する光源(ランプリフレクターアセンブリ)55と原稿からの反射光像を反射する第1反射ミラー(光学素子)56aとを搭載してなる第1走査ユニット58aと、第1反射ミラー56aからの反射光像を反射する第2反射ミラー56bおよび第3反射ミラー56cを搭載してなる第2走査ユニット58bと、上述した各反射ミラーを介して入射される原稿からの反射光像をCCD素子57上に結像させるための光学レンズ59と、光学レンズ59によって結像される原稿からの反射光像を電気的画像信号に変換するCCD素子57とを備えている。
【0044】
画像処理装置200は、画像出力装置300が原稿を読み取って取得した画像データに対して、画像出力装置300における印刷処理に適した画像データにするための画像処理を施し、画像出力装置300に出力する。
【0045】
画像出力装置300は、画像処理装置200から入力される画像データに応じた画像を記録材上に形成(印刷)する。
【0046】
なお、画像出力装置300の構成は特に限定されるものではないが、本実施形態では、電子写真方式のものを採用している。具体的には、画像出力装置300は、図2に示したように、給紙トレイ81、手差し給紙トレイ82、ピックアップローラ11a,11b、搬送ローラ12a,12b,12c,12d、画像形成ユニット20c,20m,20y,20k、中間転写装置6、2次転写ローラ14、および定着装置7を備えている。
【0047】
記録材搬送処理部301は、ピックアップローラ11a,11b、搬送ローラ12a,12b,12c,12d等からなる記録材搬送部の動作を制御し、給紙トレイ81または手差し給紙トレイ82に載置された記録材、あるいは定着装置7による定着処理が行われた後、表裏を反転させた記録材を2次転写ローラ14と中間転写装置6との対向部に搬送し、この対向部でトナー像が転写された記録材を定着装置7に搬送し、定着処理後の記録材を排紙トレイ83または84に排出させる。
【0048】
画像形成処理部302は、画像形成ユニット20c,20m,20y,20k、中間転写装置6、および2次転写ローラ14の動作を制御し、画像データに応じたトナー像を形成して記録材に転写させる。
【0049】
画像形成ユニット20c,20m,20y,20kは、画像データに応じて、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのトナー像を生成するものであり、これら各画像形成ユニットは使用するトナーの色が異なる以外は略同様の構成を有している。すなわち、各画像形成ユニットは、感光体ドラム3と、感光体ドラム3の表面を均一に帯電する帯電器5と、帯電された感光体ドラム3の表面に当該画像形成ユニットに対応する色の画像データに応じた光を照射して感光体ドラム3の表面に静電潜像を形成する光走査ユニット1と、感光体ドラム3の表面に形成された静電潜像を当該画像形成ユニットに対応する色のトナーを用いて現像する現像装置2と、感光体ドラム3から後述する中間転写ベルト91に転写されずに感光体ドラム3の表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置4とを備えている。
【0050】
なお、図2に示したように、画像形成ユニット20c,20m,20y,20kの上方にはトナーカートリッジ95(シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色のトナーを収容したトナーカートリッジ95c、95m、95y、95k)が複合機10に対して着脱可能に装着されるようになっている。また、複合機10におけるトナーカートリッジ95c、95m、95y、95kとの各対向面には圧電素子ユニット702が設けられている。各トナーカートリッジ95(95c、95m、95y、95k)は収容されるトナーが異なる以外は同様の構成である。トナーカートリッジ95c、95m、95y、95kおよび圧電素子ユニット702の詳細については後述する。
【0051】
中間転写装置6は、支持ローラ92,93と、これら各支持ローラに懸架されて回転駆動される中間転写ベルト91と、中間転写ベルト91を介して各感光体ドラム3にそれぞれ対向するように配置された転写ローラ94とを備えている。各転写ローラ94には、感光体ドラム3の表面に形成されたトナー像の帯電極性とは逆極性の電圧が印加され、それによって感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像が中間転写ベルト91上に重ね合わせて転写されるようになっている。また、中間転写ベルト91上に転写されたトナー像は、この中間転写ベルト91の回転によって2次転写ローラ14との対向部に搬送される。
【0052】
2次転写ローラ14と中間転写ベルト91との間には、中間転写ベルト91上のトナー像が2次転写ローラ14との対向部に搬送されるのに同期して、トナー像の転写対象となる記録材が搬送される。つまり、2次転写ローラ14と中間転写ベルト91との間には、(1)給紙トレイ81からピックアップローラ11aによって抽出されて搬送ローラ12a、レジストローラ13等を介して搬送された記録材、(2)手差し給紙トレイ82からピックアップローラ11bによって抽出されて搬送ローラ12a、レジストローラ13等を介して搬送された記録材、あるいは(3)後述する定着装置7による定着処理が行われた後、搬送ローラ12dによるスイッチバックによって表裏を反転され、搬送ローラ12c,12d、レジストローラ13等を介して再搬送された記録材が搬送される。また、2次転写ローラ14にはトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が印加され、それによって中間転写ベルト91上のトナー像が記録材に2次転写される。
【0053】
定着処理部303は、定着装置7の動作を制御して記録材上に転写されたトナー像をこの記録材に定着させる。つまり、2次転写ローラ14と中間転写ベルト91との対向部においてトナー像が転写された記録材は定着装置7に搬送され、定着装置7によってトナー像を記録材に定着させる定着処理が行われる。
【0054】
なお、画像出力装置300の構成は電子写真方式の画像形成装置に限るものではなく、例えばインクジェット方式の画像形成装置などを用いてもよい。
【0055】
操作パネル500は、ユーザからの指示入力を受け付けて制御部400に伝達する入力部502と、ユーザに呈示する各種情報を表示するための表示部501とを備えている。表示部501は、例えば液晶ディスプレイなどによって構成され、入力部502は例えば各種設定ボタンなどよって構成される。なお、表示部501の機能と入力部502の機能とを一体化させたタッチパネルを操作パネル500に備えてもよい。本実施形態では、操作パネル500として東芝製のTFT−LCDタッチパネル8.4インチ(型番LT084AC37100、駆動電圧VDD=3.3V、消費電力5.0W)を用いた。
【0056】
発電部700は、詳細は後述するが、圧電素子を備えた圧電素子ユニット702とバッテリー707,708とを備えており、この圧電素子ユニット702によって発電した電力をバッテリー707,708に蓄電しておき、複合機10に対する外部からの電力供給が遮断された場合に、バッテリー707,708に蓄電しておいた電力を複合機10に供給するものである。
【0057】
通信部900は、例えばモデムやネットワークカードより構成され、ネットワークに接続された他の装置(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバー装置、他のデジタル複合機等)と画像データあるいは各種メッセージ等の送受信を行う。
【0058】
電源供給部600は、制御部400の制御命令に応じて複合機10に備えられる各装置に電力を供給する。なお、電源供給部600は、通常時には複合機10の外部から入力される、商用電力や自家発電電力(例えば、太陽光発電、太陽熱発電、温度差発電、ガス発電、燃料電池、コージェネレーションシステム等によって発電された電力)等の通常電源から供給される電力を用いて複合機10の各部に電力を供給する。また、例えば、災害、送電線の断線、発電装置・送電装置等の故障などによって外部から通常時用の電力が供給されなくなったときには、発電部700に備えられるバッテリー707,708に蓄電されている電力を電源供給部600に出力し、電源供給部600が発電部700から入力される電力を用いて複合機10の各部に電力を供給するようになっている。
【0059】
(1−2.発電部700の構成)
図4は、発電部700の構成を示すブロック図である。この図に示すように、発電部700は、発電制御部701、圧電素子ユニット702、整流部703、第1電圧リミッタ704、第1降圧部705、第2電圧リミッタ706、第1バッテリー(DC24V用バッテリー)707、第2バッテリー(DC12V用バッテリー)708、蓄電量検出部709、第2降圧部710、第3降圧部711、補助電力出力部712、第1スイッチ713、および第2スイッチ714を備えている。
【0060】
発電制御部701は、複合機10の制御部400からの制御信号に応じて発電部700の各部の動作を制御する。
【0061】
また、発電制御部701は、複合機10に外部から通常用の電力が供給されているか否かを監視している。例えば、発電制御部701は、複合機10の制御部400が動作しているか否かを定期的に(例えば1分毎に)または連続的に監視することによって複合機10に外部から通常用の電力が供給されているか否かを監視する。そして、複合機10に対する外部からの通常用の電力供給が遮断された場合、発電制御部701は、複合機10の制御部400とは独立して発電部700の動作を制御する。なお、発電制御部701は、複合機10に外部から通常用の電力が供給されている場合には電源供給部600から供給される電力を用いて駆動され、複合機10に対する外部からの通常用の電力供給が遮断された場合には第2バッテリー708に蓄電されている電力を用いて発電部700の各部の動作を制御する。
【0062】
圧電素子ユニット702は、外力が加えられることによって起電力を生じさせる圧電素子を複数備えており、これら圧電素子によって発電された電力を整流部703に出力する。なお、圧電素子ユニット702の詳細については後述する。
【0063】
整流部703は、圧電素子ユニット702から入力される電力を整流して直流に変換し、第1電圧リミッタ704に出力する。
【0064】
第1電圧リミッタ704は、入力端子が整流部703に接続され、出力端子が第1降圧部705および第1バッテリー707に並列に接続されており、出力電圧が24Vより大きくならないように出力電圧の最大値を制限して第1降圧部705および第1バッテリー707に出力する。また、第1電圧リミッタ704と第1バッテリー707との間には第1スイッチ713が直列に接続されている。なお、第1電圧リミッタ704としては、従来から公知の電圧リミッタ回路を用いることができる。図5(a)は第1電圧リミッタ704の一例を示す回路図である。この図に示すように、本実施形態では、第1電圧リミッタ704として、ダイオード順電圧(ダイオード電圧降下)24VのダイオードD1,D2を順方向が逆になるように互いに並列に接続した構成のものを用いた。
【0065】
第1降圧部705は、第1電圧リミッタ704からの入力電圧をDC24VからDC12Vに降圧して第2電圧リミッタ706に出力する。なお、第1降圧部705としては、従来から公知の種々の降圧回路を用いることができる。図6は第1降圧部705の一例を示す回路図である。この図に示すように、本実施形態では、スイッチング素子SW1とチョークコイルCC1とを入力端子のプラス側と出力端子のプラス側との間に直列に接続し、ダイオードD5をチョークコイルCC1の入力側と出力端子のマイナス側との間に接続し、コンデンサCD1をチョークコイルCC1の出力側と出力端子のマイナス側との間に接続した構成のものを用いた。なお、スイッチング素子SW1のON/OFFは発電制御部701によって制御される。これにより、スイッチング素子SW1がONのときにはスイッチング素子SW1およびチョークコイルCC1を介して出力端子のプラス側に電流が流れ、スイッチング素子SW1がOFFのときにはコンデンサCD1、ダイオードD5、およびチョークコイルCC1を介して出力端子のプラス側に電流が流れ、出力端子の電圧は12Vで安定するようになっている。
【0066】
第2電圧リミッタ706は、出力電圧が12Vより大きくならないように出力電圧の最大値を制限して第2バッテリー708に出力する。なお、第2電圧リミッタ706と第2バッテリー708との間には第2スイッチ714が直列に接続されている。なお、第2電圧リミッタ706としては、第1電圧リミッタ704と同様、従来から公知の電圧リミッタ回路を用いることができる。図5(b)は第2電圧リミッタ706の一例を示す回路図である。この図に示すように、本実施形態では、第2電圧リミッタ706として、ダイオード順電圧(ダイオード電圧降下)12VのダイオードD3,D4を順方向が逆になるように互いに並列に接続した構成のものを用いた。
【0067】
第1バッテリー(DC24V用バッテリー、蓄電部)707は第1電圧リミッタ704から入力される電圧値24Vの電力を蓄電する蓄電手段であり、第2バッテリー(DC12V用バッテリー、蓄電部)708は第2電圧リミッタ706から入力される電圧値12Vの電力を蓄電する蓄電手段である。第1バッテリー707および第2バッテリー708の構成は特に限定されるものではなく、従来から公知の種々の蓄電手段(例えば、ニッカド電池、ニッケル水素電池など)を用いることができる。本実施形態では、第1バッテリー707としてTOA社製の型番NDC−2402(容量500mAh、電圧24V)のものを用い、第2バッテリー708としてユニペックス社製の型番WBT−2000(容量2000mAh、電圧12V)のものを用いた。
【0068】
蓄電量検出部709は、第1バッテリー707および第2バッテリー708の蓄電量を検出し、検出結果を発電制御部701に伝達する。発電制御部701は、第1バッテリー707の蓄電量が所定値以上になった場合には第1スイッチ713を遮断して第1電圧リミッタ704から第1バッテリー707への電力供給を遮断させ、第2バッテリー708の蓄電量が所定値以上になった場合には第2スイッチ714を遮断して第2電圧リミッタ706から第2バッテリー708への電力供給を遮断させる。これにより、第1バッテリー707および第2バッテリー708に対する過充電を防止し、過充電による発熱やバッテリーの寿命低下を防止する。
【0069】
また、第1バッテリー707の出力端子は補助電力出力部712に接続されており、第2バッテリー708の出力端子は補助電力出力部712、第2降圧部710、および第3降圧部711に並列に接続されている。
【0070】
第2降圧部710は第2バッテリー708から入力されるDC12Vの電圧をDC5Vに降圧して補助電力出力部712に出力し、第3降圧部711は第2バッテリー708から入力されるDC12Vの電圧をDC3.3Vに降圧して補助電力出力部712に出力する。なお、第2降圧部710および第3降圧部711としては従来から公知の降圧回路を用いることができる。本実施形態では、第2降圧部710および第3降圧部711として、マキシム・ジャパン社製のパワーサプライレギュレータ(型番:MAX722)を用いた。
【0071】
補助電力出力部712は、複合機10に対する外部からの通常用の電力供給が遮断された場合に、発電制御部701からの制御信号に応じて、第1バッテリー707および第2バッテリー708から入力されるDC24V、DC12V、DC5V、およびDC3.3Vの電力を電源供給部600に出力する。
【0072】
また、補助電力出力部712は、複合機10に対する外部からの通常用の電力供給が遮断された場合に、発電制御部701からの制御信号に応じて、第2バッテリー708から入力されるDC12Vの電力の一部を発電制御部701に出力する。これにより、発電制御部701は、複合機10に対する外部からの通常用の電力供給が遮断された場合には第2バッテリー708に蓄電されている電力を用いて駆動される。
【0073】
また、本実施形態では、補助電力出力部712から出力される24Vの電力を用いて複合機10におけるLCDパワーボード、スキャナコントロールボード、給紙駆動、PCUパワーボード、メインドライブユニット、プロセス駆動、FUN等(いずれも図示せず)を駆動し、12Vの電力を用いてトナー濃度センサー、CCDセンサー(いずれも図示せず)、および通信部900を駆動し、5Vの電力を用いてJAM検知センサー(アクチュエーター)、フォトセンサー、外装カバー開閉検知センサー、ICタグ等(いずれも図示せず)を駆動し、3.3Vの電力を用いて操作パネル500等を駆動するようになっている。
【0074】
なお、第1バッテリー707および第2バッテリー708の容量は、上記各部に非常時用の所定の動作(複合機10に対する外部からの電力供給が遮断した場合に行うように設定されている動作)を行わせるために必要な電力を蓄電可能なように適宜設定すればよい。
【0075】
(1−3.圧電素子ユニット702の構成)
図7は複合機10の斜視図である。この図に示すように、複合機10の筐体の前面には前カバー305が備えられており、この前カバー305を開くことにより筐体内に備えられる各トナーカートリッジ95(95c、95m、95y、および95k)の前面が露出するようになっている。
【0076】
図1(a)および図1(b)は、複合機10に備えられるトナーカートリッジ95および圧電素子ユニット702の平面図および斜視図である。図1(b)に示すように、各トナーカートリッジの前面には、取手部306が設けられており、ユーザがこの取手部306に手を掛けて手前側に引き出すことができるようになっている。これにより、トナー残量がなくなったトナーカートリッジをユーザが手前側に引いて取り外し、交換用の新たなトナーカートリッジを差し込んで装着するようになっている。また、図1(a)に示したように、複合機10のトナーカートリッジ挿入部317の下部には、トナーカートリッジ95をトナーカートリッジ挿入部317に装着したときにトナーカートリッジ95によって圧力が作用するように圧電素子ユニット702が備えられている。
【0077】
図8はトナーカートリッジ95を延伸方向に垂直な断面で切断した構成を示す斜視図である。図8に示すように、トナーカートリッジ95は、奥行き方向に延伸する略直方体形状の本体部96と、本体部96の水平方向両側面における底面側の端部かつ奥行き方向側の端部に備えられた突出部97a,97bと、本体部96の底面における水平方向の両端部に本体部96の延伸方向に沿って設けられた凸部98a,98bとを備えている。本実施形態では、ABS樹脂からなり、トナーが空の状態で約300g、トナー内容量が最大の場合で約600gのトナーカートリッジ95を用いた。ただし、トナーカートリッジ95の材質および重量はこれに限るものではない。
【0078】
図9は複合機10におけるトナーカートリッジ95が挿入されるトナーカートリッジ挿入部317の底面に備えられるトナーカートリッジ挿入台310の斜視図である。図10は図9に示したカートリッジ挿入台310を上方から見た平面図である。図11は図10におけるA−A断面の断面図である。
【0079】
これら各図に示すように、トナーカートリッジ挿入台310は、トナーカートリッジ95の挿入方向(複合機10の手前側から奥行き側に向かう方向)に沿って延伸しており、底面314と、底面314に配された圧電素子ユニット702と、圧電素子ユニット702の水平方向両側に備えられ、鉛直方向下方に窪んだ装着ガイド312a,312bと、装着ガイド312a,312bの水平方向両側に備えられ、鉛直方向上方に突出した挿入ガイド311a,311bとを備えている。また、延伸方向奥行き側の端部には、ストッパ313が備えられている。
【0080】
なお、挿入ガイド311a,311bにおける延伸方向奥行き側の端部の上面(トナーカートリッジ95に備えられる突出部97a,97bとの当接面)は、底面314に向かって滑らかに傾斜している。これにより、トナーカートリッジ95を着脱する際、トナーカートリッジ95の突出部97a,97bが挿入ガイド311a,311b上を滑らかにスライドするようになっている。また、装着ガイド312a,312bにおける延伸方向両端部の上面(トナーカートリッジ95に備えられる凸部98a,98bとの当接面)は底面314に向かって滑らかに傾斜している。これにより、トナーカートリッジ95を着脱する際、トナーカートリッジ95の凸部98a,98bが装着ガイド312a,312b上を滑らかにスライドするようになっている。
【0081】
図12(a)〜図12(d)は、トナーカートリッジ挿入部317にトナーカートリッジ95を装着するときの様子を示した説明図である。
【0082】
図12(a)に示すように、トナーカートリッジ95の先端部をトナーカートリッジ挿入部317の開口部に挿入すると、トナーカートリッジ95の先端部近傍に設けられた突出部97a,97bの底面がトナーカートリッジ挿入台310に設けられた挿入ガイド311a,311bの上面に当接する。
【0083】
そして、ユーザがトナーカートリッジ95を複合機10の奥行き方向に向かって押すと、図12(a)〜図12(c)に示すように突出部97a,97bが挿入ガイド311a,311b上を滑りながらトナーカートリッジ95がトナーカートリッジ挿入部317に挿入されていき、挿入ガイド311a,311bにおける延伸方向奥行き側の端部に設けられた傾斜部を通過してストッパ313に当接する位置に達する。
【0084】
そして、ストッパ313に当接する位置に達すると、図12(d)に示すように、トナーカートリッジ95の凸部98a,98bがトナーカートリッジ挿入台310の装着ガイド312a,312bに収容されて凸部98a,98bの底面と装着ガイド312a,312bの底面とが当接し、トナーカートリッジ95の底面がトナーカートリッジ挿入台310の底面314および圧電素子ユニット702の上面に当接する。
【0085】
このように、トナーカートリッジ95の挿入時には、トナーカートリッジ95の突出部97a,97bが挿入ガイド311a,311b上を滑りながらスライドすることでトナーカートリッジ95の底面が圧電素子ユニット702から離間した状態に保たれ、トナーカートリッジ95を図12(d)に示した装着位置まで挿入することによってはじめてトナーカートリッジ95と圧電素子ユニット702とが当接するようになっている。これにより、トナーカートリッジ95の挿入時にトナーカートリッジ95と圧電素子ユニット702とが当接することによって圧電素子ユニット702が損傷することを防止している。
【0086】
図13は、トナーカートリッジ95がトナーカートリッジ挿入部317に装着された状態を示す斜視図である。なお、この状態では、トナーカートリッジ95の上面がトナーカートリッジ挿入部317の天面(図示せず)に当接し、トナーカートリッジ95の鉛直方向上方への移動が規制されるようになっている。これにより、トナーカートリッジ挿入部317の底面に設けられた圧電素子ユニット702に対して鉛直方向下向きの押圧力(荷重)が作用するようになっている。なお、トナーカートリッジ挿入部317の天面に、装着されたトナーカートリッジ95を下方に付勢するばね等の付勢部材を設けてもよい。
【0087】
図14(a)の圧電素子ユニット702に備えられる圧電素子アレイ724の平面図であり、図14(b)は圧電素子ユニット702の断面図である。
【0088】
これら各図に示すように、圧電素子ユニット702は、複数の圧電素子721を備えている(本実施形態ではトナーカートリッジ1つあたり300個、合計1200個)。各圧電素子721は、圧力が加えられることによって変形して電気を生じさせる。このような圧電素子としては、例えば、チタン酸バリウム、ジルコニア(ZrO)などの圧電セラミックスからなるものや、リチウムタンタレート(LiTaO)などの圧電単結晶からなるものなどを用いることができる(特許文献4参照)。
【0089】
本実施形態では、各圧電素子721として、厚さ100μm、直径2cmのリチウムタンタレートからなる圧電単結晶の表面に、幅20μm、深さ50μmの溝を20μm間隔で形成したものを用いた。この圧電素子721は、0.05g/cmの圧力を加えると、20mVの電圧を発生する。
【0090】
図14(b)に示すように、圧電素子ユニット702では、圧電素子アレイ724(724a〜724e)が5層積層されており、これら各圧電素子アレイ724の間にはABS樹脂からなる厚さ0.5mmのスペーサ層725(725a〜725d)が挿入されている。より詳細には、トナーカートリッジ95から遠い側から順に、緩衝層723、第1の圧電素子アレイ724a、第1のスペーサ層725a、第2の圧電素子アレイ724b、第2のスペーサ層725b、第3の圧電素子アレイ724c、第3のスペーサ層725c、第4の圧電素子アレイ724d、第4のスペーサ層725d、第5の圧電素子アレイ724e、および第5のスペーサ層725eがこの順に積層されている。
【0091】
図14(a)に示すように、各圧電素子アレイ724には、複数の圧電素子721が同一平面内に配置されている。なお、圧電素子ユニット702におけるトナーカートリッジ95との接触領域の面積は、幅10cm×長さ37.5cm=375cmであり、各圧電素子アレイ724では、幅方向4個×長さ方向15個=60個の圧電素子721がこの接触領域に対応する範囲内に略均等な間隔で配置されている。
【0092】
図15は図14(b)のB部を拡大した拡大図である。この図に示すように、各スペーサ層725の周縁部(圧電素子アレイ724との対向領域の周囲の領域)には、スペーサ層同士の対向部に設けられた凹部726と、凹部内に設けられた外径7.95mmの円筒形状からなるボス部727と、ボス部727を貫挿するように設けられた内径8mmのバネ728とが設けられている。なお、各スペーサ層725における図14(b)の紙面左側の端部だけでなく、紙面右側の端部、紙面奥行き側の端部、および紙面手前側の端部についても同様に、凹部726、ボス部727、およびバネ728が設けられている。これにより、トナーカートリッジ95を装着すると各圧電素子アレイ724および各スペーサ層725に圧力が作用し、各スペーサ層725はトナーカートリッジ95との対向面に垂直な方向に縮み、各圧電素子アレイ724に備えられる各圧電素子721にトナーカートリッジ95による押圧力が作用する。
【0093】
また、上述した60個×5層×4箇所=1200個の圧電素子721は直列に接続されている。これにより、トナーカートリッジ95の着脱動作時に圧電素子ユニット702に作用する圧力、およびトナーカートリッジ95が装着された状態で複合機10の振動が生じることによって圧電素子ユニット702に作用する圧力によって各圧電素子721において0.02V以上の起電力が生じて発電が行われ、圧電素子ユニット702から整流部703に0.02V×1200個=24V以上の電力が発電されて出力される。
【0094】
なお、図16に示すように、圧電素子ユニット702におけるトナーカートリッジ95との当接面に、トナーカートリッジ95が圧電素子ユニット702に引掛かって挿入が阻害されたりトナーカートリッジ95との接触によって圧電素子ユニット702が損傷したりすることを防止するとともに、各圧電素子721に対して圧力を均等に作用させるための保護シート730を設けてもよい。保護シート730としては、例えばPET(polyethylene terephthalate)フィルムなどを用いることができる。
【0095】
(1−3.発電部700の動作)
図17は、発電部700における処理の流れを示すフローチャートである。
【0096】
まず、発電制御部701は、蓄電量検出部709による第1バッテリー707および第2バッテリー708の蓄電量の検出結果に基づいて、これら両バッテリーが満充電状態であるか否かを判断する(S11)。そして、両バッテリーが共に満充電状態であると判断した場合、発電制御部701は、第1スイッチ713および第2スイッチ714を遮断して第1バッテリー707および第2バッテリー708への充電を中止し(S12)、S17の処理に移る。
【0097】
一方、S11において少なくとも一方のバッテリーが満充電ではないと判断した場合、発電制御部701は、第1バッテリー707が満充電であるか否かを判断する(S13)。そして、第1バッテリー707が満充電であると判断した場合、発電制御部701は、第1スイッチ713を遮断して第1バッテリー707への充電を中止し(S12)、S17の処理に移る。
【0098】
一方、S13において第1バッテリー707が満充電ではないと判断した場合、発電制御部701は、第2バッテリー708が満充電であるか否かを判断する(S15)。そして、第2バッテリー708が満充電であると判断した場合、発電制御部701は、第2スイッチ714を遮断して第2バッテリー708への充電を中止し(S16)、S17の処理に移る。なお、第2バッテリー708が満充電ではないと判断した場合、すなわち第1バッテリー707および第2バッテリー708が共に満充電ではない場合、発電制御部701は第1スイッチ713および第2スイッチ714を導通させたままS17の処理に移る。
【0099】
S17において、発電制御部701は、複合機10に対して通常電力(商用電力あるいは自家発電電力等)による電力供給がなされているか否かを判断する。そして、通常電力による電力供給がなされていると判断した場合には、S11の処理に戻る。
【0100】
一方、通常電力による電力供給がなされていないと判断した場合、発電制御部701は、補助電力出力部712を制御し、第1バッテリー707および第2バッテリー708に蓄電されている電力を複合機10の電源供給部600に出力させ(S18)、S11の処理に戻る。
【0101】
これにより、圧電素子ユニット702がトナーカートリッジ95(95c、95m、95y、95k)の着脱動作に伴って作用する圧力を電力に変換して発電することができる。また、複合機10あるいは設置環境において生じた振動により、圧電素子ユニット702に作用する圧力が変化した場合に、この振動のエネルギーを圧電素子ユニット702によって電力に変換することができる。
【0102】
また、発電した電力を第1バッテリー707および第2バッテリー708に蓄電しておくことにより、複合機10に対して通常電力の供給が何らかの原因で遮断された場合であっても、蓄電しておいた電力を複合機10に供給することができ、それによって複合機10の制御部400が複合機10の各部に非常時用の動作として予め設定された所定の動作を行わせることができる。
【0103】
なお、本実施形態では、圧電素子ユニット702によって発電した電力を第1バッテリー707および第2バッテリー708に蓄電しておくものとしているが、これに限らず、発電した電力を複合機10(あるいは画像読取装置100)においてそのまま利用するようにしてもよい。
【0104】
また、発電部700による発電は、複合機10の状態とは無関係に常時行うようにしてもよく、複合機10が所定の状態(例えば複合機10の電源スイッチがONである状態など)である場合にのみ行うようにしてもよい。
【0105】
また、第1バッテリー707または第2バッテリー708が満充電状態ではない場合(あるいは蓄電量が所定値以下である場合)に、発電制御部701が制御部400にその旨を通知し、制御部400が操作パネル500の表示部501にトナーカートリッジ95(95c、95m、95y、95k)の着脱動作をユーザに促す画面を表示するようにしてもよい。
【0106】
図18は、上記の各処理を行う場合の発電部700の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0107】
まず、発電制御部701は、複合機10の電源スイッチがONであるか否かを判断する(S21)。この判断は、例えば、電源スイッチがONであるか否かを示す信号を複合機10の制御部400が発電制御部701に送信し、発電制御部701が当該信号に基づいて判断するようにすればよい。
【0108】
そして、発電制御部701は、複合機10の電源スイッチがOFFである場合には第1スイッチ713および第2スイッチ714を遮断し(S22)、処理を終了する。
【0109】
一方、発電制御部701は、複合機10の電源スイッチがOFFである場合には、蓄電量検出部709による第1バッテリー707および第2バッテリー708の蓄電量の検出結果に基づいて、これら両バッテリーが満充電状態であるか否かを判断する(S23)。そして、両バッテリーが共に満充電状態であると判断した場合、発電制御部701は、第1スイッチ713および第2スイッチ714を遮断して第1バッテリー707および第2バッテリー708への充電を中止し(S24)、S31の処理に移る。
【0110】
一方、S23において少なくとも一方のバッテリーが満充電ではないと判断した場合、発電制御部701は、圧電素子ユニット702による発電が行われているか否かを判断し(S25)、発電が行われていない場合には複合機10の制御部400にその旨を通知し、操作パネル500の表示部501にトナーカートリッジ95の着脱動作を促すメッセージを表示させる(S26)。なお、上記メッセージの表示は、複合機10の制御部400が表示部501を制御して行わせてもよく、発電制御部701が表示部501を直接制御して行わせてもよい。また、圧電素子ユニット702によって発電が行われているか否かは、例えば圧電素子ユニット702から整流部703への出力電圧または出力電流を検出することによって行えばよい。
【0111】
圧電素子ユニット702による発電が行われている場合、発電制御部701は、第1バッテリー707が満充電であるか否かを判断する(S27)。そして、第1バッテリー707が満充電であると判断した場合、発電制御部701は、第1スイッチ713を遮断して第1バッテリー707への充電を中止し(S28)、S31の処理に移る。
【0112】
一方、S27において第1バッテリー707が満充電ではないと判断した場合、発電制御部701は、第2バッテリー708が満充電であるか否かを判断する(S29)。そして、第2バッテリー708が満充電であると判断した場合、発電制御部701は、第2スイッチ714を遮断して第2バッテリー708への充電を中止し(S30)、S31の処理に移る。なお、第2バッテリー708が満充電ではないと判断した場合、すなわち第1バッテリー707および第2バッテリー708が共に満充電ではない場合、発電制御部701は第1スイッチ713および第2スイッチ714を導通させたままS31の処理に移る。
【0113】
S31において、発電制御部701は、複合機10に対して通常電力(商用電力あるいは自家発電電力等)による電力供給がなされているか否かを判断する。そして、通常電力による電力供給がなされていると判断した場合には、S21の処理に戻る。
【0114】
一方、通常電力による電力供給がなされていないと判断した場合、発電制御部701は、補助電力出力部712を制御し、第1バッテリー707および第2バッテリー708に蓄電されている電力を複合機10の電源供給部600に出力させ(S32)、S2の処理に戻る。
【0115】
ところで、上記の非常時用の動作、すなわち複合機10への通常電力(商用電力あるいは自家発電電力など)の供給が遮断された場合に複合機10において行う動作は特に限定されるものではないが、一例として以下の(1)〜(5)のうちのいずれか1つ以上の処理が挙げられる。
(1)操作パネル500の表示部501に、通常電力による電力供給が遮断された場合に表示させるために予め設定されたメッセージを表示させる。上記メッセージとしては、例えば、通常電力による電力供給が遮断されていることを示すメッセージ、外部からの電力供給を復旧するための対処方法を示すメッセージ、外部からの電力供給を復旧するため処理を依頼する依頼先(例えば複合機10の管理者、サービスマン、メーカーの相談窓口など)を示すメッセージ、通常電力による電力供給が遮断された場合に実行可能な処理内容を示すメッセージなどが挙げられる。本実施形態では、「電源系統の不具合が発生しています。管理担当者へ連絡してください。」というメッセージ表示させる。
(2)通信部900から所定の送信先(例えば、複合機10の管理者、管理センター、サービスマン等)に、通常電力の供給が遮断された旨のメッセージを送信する。
(3)画像読取装置100のDSPF(原稿搬送部)52よって搬送中の原稿を排紙トレイ54に排出する。
(4)画像出力装置300の記録材搬送部によって搬送中の記録材を所定の排出先(排紙トレイ83または84)に排出する。
(5)画像処理装置200において処理中の画像データ、複合機10における処理履歴情報などを所定のメモリーに保存する。
【0116】
本実施形態では、複合機10への通常電力(商用電力あるいは自家発電電力など)の供給が遮断された場合に、補助電力出力部712がDC24V、DC12V、DC5V、およびDC3.3Vの電力を複合機10に供給するものとしたが、これに限るものではない。発電部700から複合機10への出力電力は、複合機10への通常電力(商用電力あるいは自家発電電力など)の供給が遮断された場合に複合機10において行う処理内容に応じて適宜設定すればよい。例えば、上記(1)の表示のみを行う場合には、DC3.3Vの電力のみを供給するようにしてもよい。また、上記(1)の表示と上記(2)のメッセージの送信とを行う場合には、表示用のDC3.3Vの電力と通信用のDC12Vの電力とを供給するようにしてもよい。
【0117】
また、第1バッテリー707および第2バッテリー708の蓄電容量は、複合機10への通常電力の供給が遮断された場合に複合機10において行う処理内容と、当該処理に伴い消費電力と、当該処理を継続する時間とを考慮して適宜設定すればよい。
【0118】
また、本実施形態では、複合機10におけるトナーカートリッジ95c、95m、95y、95kとの各当接部に圧電素子ユニット702を設ける構成について説明したが、これに限らず、トナーカートリッジ95c、95m、95y、95kとの各当接部のうちのいずれか1箇所以上に圧電素子ユニット702を設ければよい。例えば、一般に最も交換頻度が高いk(ブラック)のトナーを収容したトナーカートリッジ95kとの対向部のみに圧電素子ユニット702を設けてもよい。
【0119】
また、圧電素子ユニット702に備えられる圧電素子721の個数についても上述した個数に限定されるものではなく、複合機10への通常電力の供給が遮断された場合に複合機10に行わせる処理内容、および当該処理に必要な電圧等に応じて適宜設定すればよい。例えば、上記(1)の表示のみを行う場合には少なくともDC3.3Vの電力を発電できるように圧電素子721の個数を設定すればよい。
【0120】
また、本実施形態では、圧電素子アレイ724が5層積層されている構成について説明したが、圧電素子アレイ724の積層数はこれに限るものではなく、圧電素子ユニット702の設置面積、必要とする電圧、各圧電素子の起電力等に応じて適宜設定すればよい。
【0121】
また、本実施形態では、複合機10に対する外部からの電力供給が遮断された場合に、発電部700が蓄電しておいた電力を電源供給部600に供給し、複合機10の制御部400が複合機10の各部を制御して所定の動作を行うものとしたが、これに限るものではない。例えば、複合機10に対する外部からの電力供給が遮断された場合に、発電制御部701が複合機10における所定の部材を制御して所定の動作を行わせるようにしてもよい。例えば、発電制御部701が表示部501を制御して所定のメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0122】
また、本実施形態では、複合機10におけるトナーカートリッジ95との当接面に圧電素子ユニット702を設ける構成について説明したが、これに限らず、トナーカートリッジ95における複合機10との当接面に圧電素子ユニット702を設けてもよい。
【0123】
また、本実施形態では、本発明を電子写真方式の画像形成装置に適用する場合の例について説明したが、これに限らず、例えばインクジェット方式の画像形成装置に適用してもよい。インクジェット方式の画像形成装置に適用する場合、インクを収容するインクカートリッジ(交換部材、色材収容部材)における画像形成装置との当接面、または画像形成装置におけるインクカートリッジとの当接面に圧電素子ユニット702を設ければよい。
【0124】
また、トナーカートリッジ95以外の複合機10に対して交換可能に装着される交換部材における複合機10との当接面、あるいは上記交換部材における複合機10との当接面に圧電素子ユニット702を設けてもよい。上記の交換部材としては、例えば、給紙トレイ81、手差し給紙トレイ82、画像形成ユニット20c,20m,20y,20k、および定着装置7などが挙げられる。
【0125】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、トナーカートリッジを着脱可能に備えた画像形成装置に適用できる。
【符号の説明】
【0127】
10 複合機(画像形成装置)
95(95c,95m,95y,95k) トナーカートリッジ(交換部材、色材収容部材)
100 画像読取装置
101 本体部
103 原稿カバー
104 原稿載置台
300 画像出力装置
400 制御部
501 表示部
600 電源供給部
700 発電部
701 発電制御部
702、702a〜702d 圧電素子ユニット
703 整流部
704 第1電圧リミッタ
705 第1降圧部
706 第2電圧リミッタ
707 第1バッテリー(蓄電部)
708 第2バッテリー(蓄電部)
709 蓄電量検出部
710 第2降圧部
711 第3降圧部
712 補助電力出力部
713 第1スイッチ
714 第2スイッチ
721 圧電素子
723 緩衝層
724(724a〜724d) 圧電素子アレイ
725(725a〜725d) スペーサ層
726 凹部
727 ボス部
728 バネ
729a〜729d 突出部
730 保護シート
900 通信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材上に画像を形成する画像形成装置であって、
当該画像形成装置に対して着脱可能に装着される交換部材と、
装着された上記交換部材に対向する位置に配置された圧電素子ユニットとを備え、
上記圧電素子ユニットは、加えられた圧力を電力に変換する圧電素子を備えており、上記交換部材を装着することによって上記圧電素子に作用する圧力により発電を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
上記交換部材はトナーを収容するトナーカートリッジであり、
装着された上記トナーカートリッジの底面に対向するトナーカートリッジ挿入台を備えており、
上記圧電素子ユニットは上記トナーカートリッジ挿入台に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
上記トナーカートリッジ挿入台は、トナーカートリッジを画像形成装置に対して着脱する際に当該トナーカートリッジが上記圧電素子ユニットと離間した状態で上記圧電素子ユニットの上方を所定方向にスライドするようにトナーカートリッジの移動位置および移動方向を規制するガイド部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
上記圧電素子ユニットにおけるトナーカートリッジとの当接面に、上記トナーカートリッジが当接することによって上記圧電素子が損傷することを防止するための保護シートが備えられていることを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
上記圧電素子は、チタン酸バリウム、ジルコニア、リチウムタンタレートのうちのいずれか1つ以上を用いたものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
上記圧電素子ユニットは、複数の圧電素子が同一平面内に配置された圧電素子アレイを複数備えており、
上記各圧電素子アレイは、上記圧力の作用方向に沿って積層されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
上記圧電素子ユニットによって発電された電力の電圧を降圧する降圧部を1つ以上備えており、
電圧値の異なる複数種類の電力を生成することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
上記画像形成装置は、外部から供給される電力によって駆動されるものであり、
上記圧電素子ユニットの発電した電力を蓄電する蓄電部を備え、
上記画像形成装置に対する外部からの電力供給が遮断されたときに、上記蓄電部に蓄電されている電力を上記画像形成装置の少なくとも一部を駆動するための電力として用いることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
表示部を備え、
上記画像形成装置に対する外部からの電力供給が遮断されたときに、上記蓄電部に蓄電されている電力を用いて上記表示部を駆動し、外部からの電力供給が遮断されたことを示すメッセージ、推奨される対処法を示すメッセージ、および当該画像形成装置の状況を示すメッセージのうちのいずれか1つ以上を表示させることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
ネットワークを介して通信可能に接続された他の装置との通信を行う通信部を備え、
上記画像形成装置に対する外部からの電力供給が遮断されたときに、上記蓄電部に蓄電されている電力を用いて上記通信部を駆動し、外部からの電力供給が遮断されたことを示すメッセージを予め設定された送信先に送信することを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
上記画像形成装置は、上記記録材を搬送する記録材搬送部を備えており、上記画像形成装置に対する外部からの電力供給が遮断されたときに、上記蓄電部に蓄電されている電力を用いて上記記録材搬送部を駆動し、上記記録材搬送部によって搬送中の記録材を排出することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−8467(P2012−8467A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146319(P2010−146319)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】