説明

画像形成装置

【課題】寿命に達していない使用可能な消耗品が交換されることを防止する。
【解決手段】装置本体に対して着脱可能に配設された消耗品と、前記消耗品が交換されたことを検知する検知手段と、前記検知手段が検知した消耗品を表示する表示手段と、前記表示手段が表示した消耗品の交換の正誤を確認する入力操作を受け付ける入力手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光ドラムやトナー等の消耗品を用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、消耗品としての感光ドラムが交換された際に、その感光ドラムに付属されたヒューズの導通状態を確認し、ヒューズが溶断されていなければ、その感光ドラムは使用されていない新品であるとみなして画像形成装置側の累積印刷枚数カウンタを初期化するとともにそのヒューズを溶断し、その時点から印刷枚数を累計して当該感光ドラムの寿命を導出するようにしている。
【0003】
また、センサを用いて感光ドラムが交換されたことを検知するようにしているものもある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−305225号公報(段落「0017」〜段落「0020」、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術においては、例えば4色のトナーを現像する消耗品としての感光ドラムを備える画像形成装置において寿命に達した一色の感光ドラムを交換するときにユーザが誤って寿命に達していない使用可能な色の感光ドラムを交換してしまった場合、交換作業が終了した時点で交換された新品の感光ドラムのヒューズを溶断するとともに画像形成装置側の累積印刷枚数カウンタを初期化する。したがって、交換後にユーザが交換すべき感光ドラムを間違えたことに気付き、交換した感光ドラムを交換前の感光ドラムに差し替えても累積印刷枚数カウンタは既に初期化されているため、この感光ドラムについては正確な累積印刷枚数を計数することができず、当該感光ドラムの寿命を正しく導出することができないという問題がある。
【0006】
また、交換のために画像形成装置に一度装着した新品の感光ドラムを再び画像形成装置に装着した場合も、既にヒューズが溶断されていることにより、画像形成装置側の累積印刷枚数カウンタは初期化されないため、この感光ドラムについても正確な累積印刷枚数を計数することができず、新品同様の感光ドラムに交換したにもかかわらず感光ドラムの交換を促すメッセージが表示部に表示されてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、寿命に達していない使用可能な消耗品が交換されることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明は、装置本体に対して着脱可能に配設された消耗品と、前記消耗品が交換されたことを検知する検知手段と、前記検知手段が検知した消耗品を表示する表示手段と、前記表示手段が表示した消耗品の交換の正誤を確認する入力操作を受け付ける入力手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このようにした本発明は、寿命に達していない使用可能な消耗品が交換されることを防止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施例における画像形成装置の機能ブロック図
【図2】第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側面図
【図3】第1の実施例におけるドラム交換処理全体の流れを示すフローチャート
【図4】第1の実施例における判定処理の流れを示すフローチャート
【図5】第1の実施例における警告画面を示す説明図
【図6】第1の実施例における点検処理の流れを示すフローチャート
【図7】第1の実施例における確認処理の流れを示すフローチャート
【図8】第1の実施例における確認画面を示す説明図
【図9】第1の実施例における警告画面を示す説明図
【図10】第1の実施例における初期化処理の流れを示すフローチャート
【図11】第2の実施例におけるドラム交換処理全体の流れを示すフローチャート
【図12】第2の実施例における点検処理の流れを示すフローチャート
【図13】第2の実施例における確認画面を示す説明図
【図14】第3の実施例における画像形成装置の機能ブロック図
【図15】第3の実施例におけるドラム交換処理全体の流れを示すフローチャート
【図16】第3の実施例における判定処理の流れを示すフローチャート
【図17】第3の実施例における警告画面を示す説明図
【図18】第3の実施例における点検処理の流れを示すフローチャート
【図19】第3の実施例における初期化処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明による画像形成装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0011】
図2は第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側面図である。
図2において、画像形成装置としてのプリンタ500は、印刷媒体1を図中矢印Aが示す方向に搬送する媒体搬送路2に沿って、媒体繰出し手段3、画像形成手段50(50K、50Y、50M、50C)、転写手段51(51K、51Y、51M、51C)および熱定着手段60が配設されている。
【0012】
画像形成手段50(50K、50Y、50M、50C)は、それぞれ異なる4色(黒:以下「K」、イエロー:以下「Y」、マゼンタ:以下「M」、シアン:以下「C」という。)のトナー52K、52Y、52M、52Cを分担して露光手段53(53K、53Y、53M、53C)により感光ドラム10(10K、10Y、10M、10C)に像画像を形成する。
【0013】
消耗品としての感光ドラム10(10K、10Y、10M、10C)は、プリンタ500の本体に着脱可能に配設され、ユーザの操作により交換可能になっており、それぞれの感光ドラム10(10K、10Y、10M、10C)の内部には、図示しないリセッタ11(11K、11Y、11M、11C)を備えている。
【0014】
また、プリンタ500は、図示しないEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリにそれぞれの感光ドラム10(10K、10Y、10M、10C)に対応させて、消耗品の使用量を計測する計測手段としてのカウンタ12(12K、12Y、12M、12C)を備えている。
【0015】
消耗品としての感光ドラム10が交換されたことを検知する検知手段としてのリセッタ11(11K、11Y、11M、11C)は、ヒューズで構成され、新品(未使用)の感光ドラム10では溶断されていないものであり、使用中の感光ドラム10では溶断されているものである。
【0016】
したがって、溶断されているリセッタ11が溶断されていないリセッタ11に変化したことを検知して当該リセッタ11を備えた感光ドラム10が交換されたことを検知することができるようになっている。また、リセッタ11(11K、11Y、11M、11C)は、消耗品としての感光ドラム10が使用されたか否かを記憶する使用記憶手段としても機能する。
【0017】
本実施例では、感光ドラム10を画像形成装置(プリンタ500)に装着し、ユーザが所定の操作を実行することにより、その感光ドラム10に対応するリセッタ11(ヒューズ)を溶断し、溶断された感光ドラム10に対応するカウンタ12の値を初期化する。
媒体搬送路2の一端部には、印刷媒体1が収納されたトレー7が、他端部には画像形成手段50で印刷されて排出された印刷媒体1を収容するスタッカ75が設けられている。
【0018】
繰出し手段3は、トレー7から印刷媒体1を1枚ずつ繰出す。繰出された印刷媒体1は、図示しない搬送ローラによって搬送され、レジストローラ4で位置合わせをした後、感光ドラム10(10K、10Y、10M、10C)のそれぞれと媒体搬送路2の接点である画像形成部においてそれぞれの感光ドラム10(10K、10Y、10M、10C)に付着したトナー像が転写手段51(51K、51Y、51M、51C)により転写される。
【0019】
熱定着手段60は、熱源65を含む定着ローラ61と加圧ローラ62とを備え、画像形成手段50および転写手段51においてトナー像が転写され、搬送された印刷媒体1に、その定着ローラ61と加圧ローラ62とが接する部分で熱定着処理を施す。熱定着処理が施された印刷媒体1は、搬送ローラによってスタッカ75まで搬送され、排出される。
【0020】
フロントカバースイッチ40は、画像形成手段50の近傍の筐体上に設けられており、トナー52や感光ドラム10などの消耗品を交換するためにユーザがフロントカバー72を開閉すると、これを検知する。
【0021】
図1は第1の実施例における画像形成装置の機能ブロック図である。
図1において、プリンタ500は、画像形成手段50K、50Y、50M、50Cがそれぞれ含む感光ドラム10K、10Y、10M、10Cと、制御部20と、印刷部30と、フロントカバースイッチ40と、および操作パネル45とを備え、上位装置から受信した印刷ジョブデータやコピー原稿に基づいてカラー画像を形成し出力する。
【0022】
消耗品としての各感光ドラム10K、10Y、10M、10Cは、それぞれのリセッタ11K、11Y、11M、11Cを含み、それぞれの感光ドラム10K、10Y、10M、10Cに対応させてカウンタ12K、12Y、12M、12Cが設けられている。
【0023】
このカウンタ12K、12Y、12M、12Cは、プリンタ500の記憶手段に設けられ、装着された感光ドラム10K、10Y、10M、10Cの使用量としての累積印刷枚数を計数するものであり、印刷部30により計数された印刷媒体1の印刷枚数を制御部20が加算して感光ドラム10K、10Y、10M、10Cの寿命を導出するものである。
【0024】
制御手段としての制御部20は、中央処理演算装置としてのCPU(Central Processing Unit)、および上述した不揮発性メモリを含む記憶手段としてのメモリ等で構成され、その記憶手段に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいてプリンタ500全体の動作を制御する。
【0025】
印刷部30は、制御部20からの指令により、印刷媒体1を搬送し、感光ドラム10K、10Y、10M、10Cに各色のトナーで像画像を形成してその印刷媒体1に転写し、図1に示す熱定着手段60で熱定着を施して排出し、排出した印刷媒体1の枚数を計数して制御部20へ通知する。
【0026】
制御部20は、印刷部30から通知された印刷媒体1の枚数をカウンタ12K、12Y、12M、12Cに累計し、装着された感光ドラム10K、10Y、10M、10Cの累積印刷枚数を計数する。
また、制御部20は、それぞれのリセッタ11K、11Y、11M、11Cの導通状態を示す信号を入力することができるようになっており、それぞれのリセッタ11K、11Y、11M、11Cが溶断されているか否かを検知することができるようになっている。
【0027】
さらに、制御部20は、それぞれのリセッタ11K、11Y、11M、11Cに対して信号を出力し、そのリセッタ11K、11Y、11M、11Cを溶断することができるようになっている。本実施例では、制御部20は、溶断されていないリセッタ11を備えた感光ドラム10がプリンタ500に装着され、その感光ドラム10の使用を開始するとき、そのリセッタ11を溶断して使用されたことを記憶させるとともにその感光ドラム10に対応するカウンタ12の値を“0”に初期化する。
【0028】
フロントカバースイッチ40は、図2に示すようにプリンタ500の筐体の画像形成手段50の近傍に設けられており、トナー52や感光ドラム10等の消耗品を交換するためにユーザがフロントカバー72を開閉するとこれを検知して制御部20へ通知する。
【0029】
表示手段および入力手段としての操作パネル45は、プリンタ500の制御部20がユーザに通知する内容を表示する表示手段であり、また操作ボタンによりユーザの入力操作を受け付ける入力手段であり、受け付けた入力操作の内容を制御部20へ通知する。
【0030】
上述した構成の作用について説明する。
まず、感光ドラムを交換する場合の全体処理を図3の第1の実施例におけるドラム交換処理全体の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図2を参照しながら説明する。
【0031】
プリンタ500は、印刷動作毎に出力した印刷媒体の枚数を制御部20が印刷部30より取得し、制御部20は取得した印刷媒体の枚数を各カウンタ12K、12Y、12M、12Cに加算して累積印刷枚数として記憶し、トナーや感光ドラム等の消耗品の寿命を導出する。なお、本実施例において、消耗品はリセッタ(ヒューズ)を使用している感光ドラムとして説明するものとする。
【0032】
S20:プリンタ500の制御部20は、印刷媒体を印刷出力する毎に、判定処理を実行し、各カウンタ12K、12Y、12M、12Cから各感光ドラム10の累積印刷枚数を取得し、その累積印刷枚数が所定の印刷枚数を超えて寿命に達した感光ドラム10が存在する場合は操作パネル45を介して感光ドラム10の交換を促す画面を表示し、ユーザに対して寿命に達した感光ドラム10の交換を促す。
フロントカバースイッチ40は、上記判定処理とは無関係にフロントカバー72の開閉によりOFF/ONするとこれを制御部20へ通知する。
【0033】
S30:制御部20は、フロントカバースイッチ40のOFF(開)信号を受信することにより、点検処理を起動し、ユーザに対して操作パネル45を介してフロントカバー72を閉めるように促すとともにフロントカバー72が閉められたことを検知するとすべてのリセッタ11を点検し、ヒューズが溶断されていない新品(未使用)の感光ドラム10を検出した場合、処理をS40へ移行する。
【0034】
S40:制御部20は、確認処理を起動し、操作パネル45を介してユーザに対し、S30における点検処理で検出した新品の感光ドラム10に交換して良いか(誤った感光ドラム10に交換していないか)を確認し、交換する感光ドラム10が正しければ処理をS50へ移行する。なお、交換する感光ドラム10が正しくない場合、制御部20はユーザが正しい感光ドラム10を交換するまで待機する。
【0035】
S50:制御部20は、初期化処理を起動し、交換された感光ドラム10のリセッタ11を溶断し、また交換された感光ドラム10に対応するカウンタ12の値を初期化して処理を終了する。
【0036】
次に、制御部20が行う図3における判定処理(S20)を図4の第1の実施例における判定処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図2を参照しながら説明する。
S21:制御部20は、印刷媒体を印刷出力する毎に、各感光ドラム10の色名(例えば、K:「黒」、Y:「イエロー」、M:「マゼンタ」、C:「シアン」)を取得する。
【0037】
S22:また、制御部20は、印刷媒体を印刷出力する毎に、各色の感光ドラム10に対応するカウンタ12を読み出し、消耗品の使用量としてのカウンタ値(累積印刷枚数)を取得する。
【0038】
S23:制御部20は、そのカウンタ値と記憶手段に予め記憶された閾値としての交換目安値とを比較し、カウンタ値が交換目安値以上であるか、即ち寿命に達しているか否かを判定する。カウンタ値が交換目安値以上であり、寿命に達していると判定すると処理をS24へ移行し、一方カウンタ値が交換目安値未満であり、寿命に達していないと判定すると処理をS21へ移行する。
【0039】
S24:カウンタ値が交換目安値以上であり、寿命に達していると判定した制御部20は、当該感光ドラム10の色名を交換リストとして記憶手段に記憶させる。この交換リストは一時的に記憶されるものであり、本判定処理が起動される度に初期化される。
上述したS21〜S24の処理をすべての色の感光ドラム10について繰り返して行う。
【0040】
S25:制御部20は、交換リストに寿命に達した感光ドラム10の色名が記載(記憶)されているか判定し、記載されている場合、処理をS26へ移行し、記載されていない場合は処理を終了する。
【0041】
S26:寿命に達した感光ドラム10の色名が交換リストに記載されていると判定した制御部20は、操作パネル45に当該色の感光ドラム10の交換を促す警告画面を表示し、処理を終了する。図5は警告画面の例を示し、シアンの感光ドラム10Cが寿命に達した場合の警告画面である。
【0042】
次に、制御部20が行う図3における点検処理(S30)を図6の第1の実施例における点検処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図2を参照しながら説明する。
なお、寿命に達した感光ドラム10が検知され、当該感光ドラム10の交換を促す警告画面を確認したユーザは、フロントカバー72を開放して感光ドラム10の交換作業を行うものとする。
【0043】
S31:フロントカバースイッチ40は、フロントカバー72が開閉される度にOFF(開)・ON(閉)信号を制御部20へ通知し、制御部20はフロントカバースイッチ40がOFFになると処理をS32へ移行し、一方フロントカバースイッチ40がONである場合は感光ドラム10の交換がされていないため、一連の処理を終了して印刷処理に戻る。
【0044】
S32、S33:フロントカバースイッチ40がOFFになることを検知した制御部20は、操作パネル45に「閉めてください」等のフロントカバー72を閉めることを誘導する画面を表示してユーザに対してフロントカバー72を閉めるように促し、フロントカバー72が閉められることを待機する。
【0045】
S34:フロントカバー72が閉められ、フロントカバースイッチ40からONの信号を受けた制御部20は、すべてのリセッタ11K、11Y、11M、11C、すなわちヒューズを点検する。
S35:その点検の結果、制御部20が溶断されていないヒューズの存否、すなわち新品の感光ドラム10の存否を判定し、溶断されていない(繋がっている)ヒューズが存在すると判定すると処理をS36へ移行し、一方存在しないと判定すると処理をS34へ移行する。
【0046】
S36:溶断されていないヒューズが存在すると判定した制御部20は、その溶断されていないヒューズを有する新品の感光ドラム10に交換されたものとしてその感光ドラム10の色名を記憶手段に一時的に記憶させる。
上述したS34〜S36の処理をすべての色の感光ドラム10について繰り返して行う。
【0047】
S37:すべての色の感光ドラム10のヒューズの点検を終了した制御部20は、溶断されていないヒューズを有する感光ドラム10の色名が記憶手段に記憶されているか否か判定し、記憶されていると判定すると処理をS38へ移行し、一方存在しないと判定すると一連の処理を終了して印刷処理に戻る。
【0048】
S38:溶断されていないヒューズを有する感光ドラム10の色名が記憶手段に記憶されていると判定した制御部20は、当該色の感光ドラム10が新品に交換されたものとしてこの色名を確認処理に渡すための戻り値として本処理を終了する。
【0049】
次に、制御部20が行う図3における確認処理(S40)を図7の第1の実施例における確認処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図2を参照しながら説明する。
【0050】
S41:制御部20は、点検処理から引き渡された色名を新品に交換された感光ドラム10の色名として取得する。
S42:制御部20は、取得した色名に対応する感光ドラム10が交換すべき感光ドラム10であることを示す確認画面を操作パネル45に表示する。
【0051】
この確認画面は、新品に交換されたことが検知された感光ドラム10の色名を表示し、その感光ドラム10の交換の正誤、すなわちその感光ドラム10が交換されるべき感光ドラム10であるか否かを確認する操作ボタンで構成されたものである。例えば、制御部20がS41において色名として「M」を取得した場合、図8に示すようにマゼンタの感光ドラム10が新品の感光ドラム10に交換されることを確認する文言およびマゼンタの感光ドラム10Mが交換されることが正しい旨を入力するための「OK」ボタン、誤っている旨を入力するための「キャンセル」ボタン等で構成された確認画面を操作パネル45に表示する。このとき、図5に示す警告画面を同時に表示してもよい。
【0052】
S43:ユーザは、操作パネル45に表示された確認画面を確認し、交換した感光ドラム10が確認画面に表示されている色の感光ドラム10であるとき、確認画面に表示された「OK」ボタンを押下するものとし、一方交換した感光ドラム10が確認画面に表示されている色の感光ドラム10でないとき、確認画面に表示された「キャンセル」ボタンを押下するものとする。制御部20は、「OK」ボタンが押下されたと判定すると処理をS44へ移行し、一方「キャンセル」ボタンが押下されたと判定すると処理をS45へ移行する。
【0053】
S44:「OK」ボタンが押下されたと判定した制御部20は、S41において取得したすべての色名の感光ドラム10に対応したカウンタ12を初期化するカウンタクリア指示を記憶手段に記憶させて本処理を終了する。
【0054】
S45:S43において、「キャンセル」ボタンが押下されたと判定した制御部20は、記憶手段に記憶した交換リストに基づき正しい色の感光ドラム10を交換するように促す警告画面、例えば図9に示すように寿命に達した色の感光ドラム10を交換することを報知する警告画面を操作パネル45に表示し、図3に示す点検処理(S30)へ処理を移行する。
【0055】
次に、制御部20が行う図3における初期化処理(S50)を図10の第1の実施例における初期化処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図2を参照しながら説明する。
【0056】
S51:制御部20は、記憶手段に記憶したカウンタクリア指示を読み出す。
S52:カウンタクリア指示を読み出した制御部20は、指示された感光ドラム10に対応するリセッタ11(ヒューズ)を溶断する。
S53:リセッタ11(ヒューズ)を溶断した制御部20は、指示された感光ドラム10に対応するカウンタ12の値を“0”に初期化して処理を終了する。
【0057】
このように、ユーザが感光ドラム10を新品に交換した際に、交換した感光ドラム10が正しいか否かをユーザに確認してから当該感光ドラム10のカウンタ12をリセットするようにしたことにより、ユーザの感光ドラム10の交換操作の誤りによる交換不要な感光ドラム10のカウンタ12の初期化を未然に防止し、常にユーザの確認操作に基づいて交換された感光ドラム10に対応するカウンタ12を初期化するようにしたので消耗品の寿命を的確に管理することができる。
【0058】
以上説明したように、第1の実施例では、ユーザの確認操作に基づいて交換された感光ドラムに対応するカウンタを初期化するようにしたことにより、ユーザの感光ドラムの交換操作の誤りによる交換不要な感光ドラムのカウンタの初期化を未然に防止することができ、消耗品の寿命を的確に管理することができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0059】
第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同様であるので同一の符号を付してその説明を省略する。
上述した構成の作用について説明する。
まず、感光ドラムを交換する場合の全体処理を図11の第2の実施例におけるドラム交換処理全体の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図2を参照しながら説明する。
【0060】
プリンタ500は、印刷動作毎に出力した印刷媒体の枚数を制御部20が印刷部30より取得し、制御部20は取得した印刷媒体の枚数を各カウンタ12K、12Y、12M、12Cに加算して累積印刷枚数として記憶し、トナー52や感光ドラム10等の消耗品の寿命を導出する。なお、本実施例において、消耗品はリセッタ(ヒューズ)を使用している感光ドラムとして説明するものとする。
【0061】
S20:プリンタ500の制御部20は、印刷媒体を印刷出力する毎に、判定処理を実行し、各カウンタ12K、12Y、12M、12Cから各感光ドラム10の累積印刷枚数を取得し、その累積印刷枚数が所定の印刷枚数を超えて寿命に達した感光ドラム10が存在する場合は操作パネル45を介して感光ドラム10の交換を促す画面を表示し、ユーザに対して寿命に達した感光ドラム10の交換を促す。
フロントカバースイッチ40は、上記判定処理とは無関係にフロントカバー72の開閉によりOFF/ONするとこれを制御部20へ通知する。
【0062】
S80:制御部20は、フロントカバースイッチ40のOFF(開)信号を受信することにより、点検処理を起動し、ユーザに対して操作パネル45を介してフロントカバー72を閉めるように促すとともにフロントカバー72が閉められたことを検知するとすべてのリセッタ11を点検し、ヒューズが溶断されていない感光ドラム10を検出した場合、処理をS40へ移行する。
【0063】
S40:制御部20は、確認処理を起動し、操作パネル45を介してユーザに対し、S30における点検処理で検出した感光ドラム10を交換して良いか(誤った感光ドラム10に交換していないか)を確認し、交換する感光ドラム10が正しければ処理をS50へ移行する。なお、交換する感光ドラム10が正しくない場合、制御部20はユーザが正しい感光ドラム10を交換するまで待機する。
【0064】
S50:制御部20は、初期化処理を起動し、交換された感光ドラム10のリセッタ11を溶断し、また交換された感光ドラム10に対応するカウンタ12の値を初期化して処理を終了する。
【0065】
次に、制御部20が行う図11における点検処理(S80)を図12の第2の実施例における点検処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図2を参照しながら説明する。
【0066】
なお、図11における判定処理(S20)、確認処理(S40)、および初期化処理(S50)は、第1の実施例において説明した図3における判定処理(S20)、確認処理(S40)、および初期化処理(S50)と略同様なのでその説明を省略する。
S81〜S84:図6におけるS31〜S34と同様なので説明を省略する。
【0067】
S85:ヒューズを点検した結果、制御部20が溶断されていないヒューズの存否、すなわち新品の感光ドラム10の存否を判定し、溶断されていない(繋がっている)ヒューズが存在すると判定すると処理をS86へ移行し、一方存在しないと判定すると処理をS84へ移行する。
【0068】
S86:溶断されていない(繋がっている)ヒューズが存在すると判定した制御部20は、その溶断されていないヒューズを有する感光ドラム10に対応するカウンタ12を読み出し、カウンタ値(累積印刷枚数)を取得する。
制御部20は、そのカウンタ値と記憶手段に予め記憶された閾値としての交換目安値とを比較し、カウンタ値が交換目安値未満であるか、即ち未だ寿命に達していないか否かを判定する。カウンタ値が交換目安値未満であり、未だ寿命に達していないと判定すると処理をS88へ移行し、一方カウンタ値が交換目安値以上であり、寿命に達していると判定すると処理をS87へ移行する。
【0069】
S87:カウンタ値が交換目安値以上であり、寿命に達していると判定した制御部20は、当該感光ドラム10は寿命により交換されたものであるため、当該感光ドラム10を初期化するカウンタクリア指示を記憶手段に記憶させ、初期化処理において指示された感光ドラム10に対応するリセッタ11(ヒューズ)を溶断し、またその感光ドラム10に対応するカウンタ12の値を“0”に初期化し、処理をS84へ移行する。
【0070】
S88:カウンタ値が閾値としての交換目安値未満であり、未だ寿命に達していないと判定した制御部20は、当該感光ドラム10は誤って交換されたものであるため、当該感光ドラム10の色名を記憶手段に一時的に記憶させ、処理をS84へ移行する。
上述したS84〜S88の処理をすべての色の感光ドラム10について繰り返して行う。
【0071】
S89:すべての色の感光ドラム10のヒューズの点検を終了した制御部20は、カウンタ値が交換目安値未満であり、未だ寿命に達していないと判定され、誤って交換された感光ドラム10の色名が記憶手段に記憶されているか否か判定し、記憶されていると判定すると処理をS90へ移行し、一方存在しないと判定すると、すなわち寿命により正しく感光ドラム10が交換されていると判定すると一連の処理を終了して印刷処理に戻る。
【0072】
S90:誤って交換された感光ドラム10の色名が記憶手段に記憶されていると判定した制御部20は、当該感光ドラム10の色名を確認処理に渡すための戻り値として本処理を終了する。
なお、確認処理に誤って交換された感光ドラム10の色名が引き渡された場合、図7に示す確認処理のS42において、制御部20は、取得した色名に対応する感光ドラム10が寿命に達する前に交換された旨を示す確認画面、すなわち交換時期に達していない感光ドラム10が交換されたことを示唆する確認画面を操作パネル45に表示する。
【0073】
この確認画面は、寿命に達していない感光ドラム10が新品に交換されたことが検知された感光ドラム10の色名を表示し、その感光ドラム10の交換の正誤、すなわちその感光ドラム10が交換されるべき感光ドラム10であるか否かを確認する操作ボタンで構成されたものである。例えば、制御部20が図7に示すS41において色名として「M」を取得した場合、図13に示すようにマゼンタの感光ドラム10Mが寿命に達する前に新品の感光ドラム10Mに交換されたことを示唆(警告)する文言およびマゼンタの感光ドラム10Mが交換されることが正しい旨を入力するための「OK」ボタン、誤っている旨を入力するための「キャンセル」ボタン等で構成された確認画面を操作パネル45に表示する。
【0074】
このように、カウンタ12のカウンタ値が所定の印刷枚数に達していない寿命に達する前の感光ドラム10が交換された場合にのみユーザに交換された感光ドラム10の正誤の確認を促すようにしたことにより、ユーザの確認作業が寿命に達していない感光ドラム10が交換された場合に限定されるため、寿命に達した感光ドラム10の交換であれば、ユーザの確認操作を省略することができる。
【0075】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、寿命に達する前の感光ドラムが交換された場合にのみ、ユーザに交換された感光ドラムの正誤の確認を促すようにしたことにより、ユーザの確認操作を簡素化することができるという効果が得られる。
【0076】
また、誤って感光ドラムを交換してしまったことを事前にユーザに報知することが可能になるため、例えばユーザが誤って寿命に達していない消耗品としての感光ドラムを交換してしまった場合においても、その感光ドラムの使用を開始する前に、ユーザにその旨を知覚させることができるという効果が得られる。
【実施例3】
【0077】
第3の実施例の構成は、第1の実施例の構成で説明したカウンタに一時記憶部を備えたものとしている。その構成を図14の第3の実施例における画像形成装置の機能ブロック図に基づき、図2を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、画像形成装置の構成は図2に示す第1の実施例の構成と同様なのでその説明を省略する。
【0078】
図14において、一時記憶手段としての一時記憶部13(13K、13Y、13M、13C)は、プリンタ500の図示しない不揮発性メモリに設けられた記憶領域であり、それぞれのカウンタ12(12K、12Y、12M、12C)に対応させて設けられている。
【0079】
この一時記憶部13(13K、13Y、13M、13C)は、感光ドラム10(10K、10Y、10M、10C)が寿命に達していない状態で交換された場合、すなわちそれぞれの感光ドラム10に対応するカウンタ12のカウンタ値が交換目安値未満であるにも関わらず溶断されていないヒューズを有する感光ドラム10が検出された場合に、制御部20が、その感光ドラム10が交換された時点における消耗品の使用量としてのカウンタ12のカウンタ値を一時的に退避させておく領域である。
【0080】
制御部20は、フロントカバースイッチ40からフロントカバー72の開閉信号が通知されると、感光ドラム10が交換されたか否かを、各感光ドラム10のリセッタ11(ヒューズ)をチェックして確認する。
【0081】
制御部20は、溶断されていないリセッタ11(ヒューズ)を有する感光ドラム10を検出するとその感光ドラム10は新品に交換されたものとして対応するカウンタ12を確認し、その感光ドラム10が寿命に達していないと判定した場合は、ユーザが誤って寿命に達していない感光ドラム10を交換した可能性があるので、その時点ではリセッタ11(ヒューズ)を溶断せず、カウンタ12のカウンタ値を一時的に一時記憶部13に退避し、カウンタ12の更新(印刷枚数の計数)を継続する。
【0082】
カウンタ12のカウンタ値が寿命に至らない感光ドラム10が新品に交換された後、カウンタ12のカウンタ値が一時記憶部13に退避した値から所定枚数(例えば、100枚)の印刷を行うまでに、誤って感光ドラム10を交換したことに気付いたユーザが交換前の感光ドラム10を装着し直した場合、制御部20は、リセッタ11(ヒューズ)が溶断されている感光ドラム10に交換されたことを検知し、このとき一時記憶部13に退避させておいたカウンタ値をカウンタ12に復元する。
【0083】
一方、所定枚数の印刷を行ってもリセッタ11(ヒューズ)が溶断されている感光ドラム10に交換されたことを検知しなかった場合、制御部20は、交換された感光ドラム10のリセッタ11(ヒューズ)を溶断し、カウンタ12のカウンタ値から一時記憶部13に退避させておいたカウンタ値を減算し、その値でカウンタ12を初期化する。
なお、所定の印刷枚数(例えば、100枚)は不揮発性メモリ等の記憶手段に予め記憶されているものとする。
【0084】
上述した構成の作用について説明する。
まず、感光ドラムを交換する場合の全体処理を図15の第3の実施例におけるドラム交換処理全体の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図2および図14を参照しながら説明する。
【0085】
プリンタ500は、印刷動作毎に出力した印刷媒体の枚数を制御部20が印刷部30より取得し、制御部20は取得した印刷媒体の枚数を各カウンタ12K、12Y、12M、12Cに加算して累積印刷枚数として記憶し、トナーや感光ドラム等の消耗品の寿命を導出する。なお、本実施例において、消耗品はリセッタ(ヒューズ)を使用している感光ドラムとして説明するものとする。
【0086】
S110:プリンタ500の制御部20は、印刷媒体を印刷出力する毎に、判定処理を実行し、各カウンタ12K、12Y、12M、12Cから各感光ドラム10の累積印刷枚数を取得し、その累積印刷枚数が所定の印刷枚数を超えて寿命に達した感光ドラム10が存在する場合は操作パネル45を介して感光ドラム10の交換を促す画面を表示し、ユーザに対して寿命に達した感光ドラム10の交換を促す。
フロントカバースイッチ40は、上記判定処理とは無関係にフロントカバー72の開閉によりOFF/ONするとこれを制御部20へ通知する。
【0087】
S130:制御部20は、フロントカバースイッチ40のON信号を受信することにより、点検処理を起動し、すべてのリセッタ11を点検し、寿命に達していない感光ドラム10が新品に交換されていることを検出した場合、交換前のカウンタ12のカウンタ値を一時的に一時記憶部13に記憶させ、交換後、所定の印刷枚数を出力するまでの間は、ユーザが誤って感光ドラム10を交換した可能性があるものとして交換前の感光ドラム10に戻されるか否かを監視する。
【0088】
寿命に達していない感光ドラム10が交換された後、交換前の感光ドラム10に戻されることなく所定の印刷枚数を出力した場合、制御部20は、処理をS150へ移行し、感光ドラム10が正しく交換されたものとしてヒューズを溶断し、カウンタ12を初期化する。
【0089】
一方、寿命に達していない感光ドラム10が交換された後、所定の印刷枚数を出力する前にヒューズが溶断されている感光ドラム10に交換された場合は、誤って感光ドラム10を交換したことに気付いたユーザが交換前の感光ドラム10に戻したことが考えられるので制御部20は、一時記憶部13に記憶させておいた交換前のカウンタ値をカウンタ12に記憶させて当該感光ドラム10に対応するカウンタ値を復元する。
【0090】
S150:寿命に達していない感光ドラム10が交換された後、交換前の感光ドラム10に戻されることなく所定の印刷枚数を出力した場合、制御部20は、初期化処理を起動し、交換された感光ドラム10のリセッタ11を溶断し、また交換された感光ドラム10に対応するカウンタ12のカウンタ値から一時記憶部13に退避させておいた値を減じた値でカウンタ12を初期化し、また一時記憶部13をNULLに初期化して処理を終了する。
【0091】
次に、制御部20が行う図15における判定処理(S110)を図16の第3の実施例における判定処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図2および図14を参照しながら説明する。
【0092】
S111:制御部20は、印刷媒体を印刷出力する毎に、各色の感光ドラム10に対応するカウンタ12を読み出し、カウンタ値(累積印刷枚数)を取得する。
S112:制御部20は、そのカウンタ値と記憶手段に予め記憶された閾値としての交換目安値とを比較し、カウンタ値が交換目安値以上であるか、即ち寿命に達しているか否かを判定する。カウンタ値が交換目安値以上であり、寿命に達していると判定すると処理をS113へ移行し、一方カウンタ値が交換目安値未満であり、寿命に達していないと判定すると処理をS111へ移行する。
【0093】
S113:カウンタ値が交換目安値以上であり、寿命に達していると判定した制御部20は、当該感光ドラム10の色名を交換リストして記憶手段に記憶させる。この交換リストは一時的に記憶されるものであり、本判定処理が起動される毎に初期化される。
上述したS111〜S113の処理をすべての色の感光ドラム10について繰り返して行う。
【0094】
S114:制御部20は、交換リストに寿命に達した感光ドラム10の色名が記載(記憶)されているか判定し、記載されている場合、処理をS115へ移行し、記載されていない場合は処理を終了する。
【0095】
S115:寿命に達した感光ドラム10の色名が交換リストに記載されていると判定した制御部20は、操作パネル45に当該色の感光ドラム10の交換を促す警告画面を表示し、処理を終了する。図17は警告画面の例を示し、シアンの感光ドラム10が寿命に達した場合の警告画面である。
【0096】
次に、制御部20が行う図15における点検処理(S130)を図18の第3の実施例における点検処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図2および図14を参照しながら説明する。
S131〜S134:図6におけるS31〜S34と同様なので説明を省略する。
【0097】
S135:ヒューズを点検した結果、制御部20が溶断されていない(繋がっている)ヒューズが存在すると判定すると処理をS136へ移行し、一方存在しないと判定すると処理をS141へ移行する。
S136:溶断されていない(繋がっている)ヒューズが存在すると判定した制御部20は、その溶断されていないヒューズを有する感光ドラム10に対応するカウンタ12を読み出し、カウンタ値(累積印刷枚数)を取得する。
【0098】
制御部20は、そのカウンタ値と記憶手段に予め記憶された閾値としての交換目安値とを比較し、カウンタ値が交換目安値未満であるか、即ち未だ寿命に達していないか否かを判定する。カウンタ値が交換目安値未満であり、未だ寿命に達していないと判定すると処理をS137へ移行し、一方カウンタ値が交換目安値以上であり、寿命に達していると判定すると処理をS140へ移行する。
【0099】
S137:カウンタ値が交換目安値未満であり、未だ寿命に達していないと判定した制御部20は、当該感光ドラム10に対応する一時記憶部13に記憶された値を読み出し、その値がNULLであるか否か、すなわち一時記憶部13にカウンタ12のカウンタ値が既に退避されているか否かを判定し、退避されていなければ処理をS138へ移行し、既に退避されていれば処理をS139へ移行する。
【0100】
S138:一時記憶部13にカウンタ12のカウンタ値が退避されていないと判定した制御部20は、当該感光ドラム10に対応したカウンタ12のカウンタ値を当該感光ドラム10に対応した一時記憶部13に記憶させて保存する。
【0101】
S139:制御部20は、印刷動作を行う毎に、寿命に達していない感光ドラム10に対応する現在のカウンタ12のカウンタ値から当該感光ドラム10に対応する一時記憶部13に退避したカウンタ値を減算し、その値(差分)が規定枚数を超えたか否か、すなわち感光ドラム10が交換されてから所定の枚数(所定量)の印刷が行われたか否かを判定する。
【0102】
制御部20は、感光ドラム10が交換されてから所定の枚数の印刷が行われたと判定すると正しく感光ドラム10が交換されたものとして処理をS140へ移行し、感光ドラム10が交換されてから所定の枚数の印刷が行われていないと判定すると処理をS134へ移行する。
【0103】
このように制御部20は、感光ドラム10が交換されてから所定の枚数の印刷が行われるまで、その感光ドラム10に対応するリセッタ11(ヒューズ)を溶断して使用されたことを記憶させ、かつその感光ドラム10に対応するカウンタ12の値を“0”に初期化する初期化処理を保留する。
【0104】
S140:制御部20は、当該感光ドラム10は正しく交換されたものとし、当該感光ドラム10を初期化するカウンタクリア指示を記憶手段に記憶させ、初期化を指示した後、処理をS134へ移行する。
【0105】
S141:一方、S135において、溶断されていない(繋がっている)ヒューズが存在しないと判定した制御部20は、当該感光ドラム10に対応する一時記憶部13に記憶された値を読み出し、その値がNULLであるか否か、すなわち一時記憶部13にカウンタ12のカウンタ値が退避されているか否かを判定し、退避されていれば交換された感光ドラム10が交換前の交換ドラムに戻されたものとして処理をS142へ移行し、退避されていなければ当該感光ドラム10は通常運用中の感光ドラム10として処理をS134へ移行する。
【0106】
S142:一時記憶部13にカウンタ12のカウンタ値が退避されていると判定した制御部20は、寿命に達する前の感光ドラム10が新品の感光ドラム10に交換されたことが検出され、初期化処理を保留してあったその新品の感光ドラム10に代わって、さらにヒューズ溶断済みの感光ドラム10が装着された状態、すなわち交換された感光ドラム10が交換前の交換ドラムに戻されたと判定し、当該感光ドラム10に対応する一時記憶部13に記憶されたカウンタ値を当該感光ドラム10に対応するカウンタ12に書き込み、カウンタ値を交換前の感光ドラム10のカウンタ値として書き換える。
【0107】
このようにカウンタ12のカウンタ値を一時記憶部13に記憶されたカウンタ値に書き換えるのは、使用可能な感光ドラム10が交換された時点のカウンタ値を復元し、当該感光ドラム10を継続して使用するに当たり、消耗品の使用量としての累積印刷枚数を継続して正しく計数するためである。
【0108】
S143:制御部20は、当該感光ドラム10に対応する一時記憶部13にNULLを挿入して初期化し、処理をS134へ移行する。
上述したS134〜S143の処理をすべての色の感光ドラム10について繰り返して行い、すべての色の感光ドラム10のヒューズの点検を終了した制御部20は、点検処理を終了する。
【0109】
次に、制御部20が行う図15における初期化処理を図19の第3の実施例における初期化処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図2および図14を参照しながら説明する。
S151:制御部20は、記憶手段に記憶したカウンタクリア指示を読み出す。
【0110】
S152:カウンタクリア指示を読み出した制御部20は、指示された感光ドラム10に対応するリセッタ11(ヒューズ)を溶断する。
S153:リセッタ11(ヒューズ)を溶断した制御部20は、指示された感光ドラム10に対応するカウンタ12の値から一時記憶部13の値を減じた値でカウンタ12を初期化する。
S154:さらに、制御部20は、指示された感光ドラム10に対応する一時記憶部13の値をNULLに初期化して処理を終了する。
【0111】
以上説明したように、第3の実施例では、ユーザが誤って感光ドラムを交換した場合、その感光ドラムを交換した後、所定の枚数を印刷出力するまでの間に交換前の寿命に達していない感光ドラムに装着し直したとき、当該感光ドラムに対応するカウンタを交換前のカウンタ値に戻して印刷を再開することにより、正確な累積印刷枚数の計数を行うことができ、感光ドラムを有効利用することができるという効果が得られる。
【0112】
また、交換された新品の感光ドラムについては、所定の枚数を印刷出力するまでの間、ヒューズを溶断しないようにしたため、この間に当該感光ドラムを画像形成装置から取り外し、その感光ドラムを再度画像形成装置に装着した場合、そのときにカウンタの累積印刷枚数を初期化することにより、正確な累積印刷枚数の計数を行うことができ、感光ドラムを有効利用することができるという効果が得られる。
【0113】
なお、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成装置をプリンタとして説明したが、それに限られることなく、レーザプリンタ、コピー機(複合機)、ファクシミリ装置等の感光ドラムを使用するものとしても良い。
【0114】
また、第1の実施例および第2の実施例では、消耗品の交換を検知する手段をヒューズで構成されたリセッタとしたが、センサ等の機構を検知手段としても良い。
さらに、第1の実施例および第2の実施例では、消耗品を感光ドラムとして説明したが、それに限られることなく、トナーを装填したトナーカートリッジとしても良い。
【符号の説明】
【0115】
1 印刷媒体
2 媒体搬送路
3 媒体繰出し手段
4 レジストローラ
7 トレー
10、10K、10Y、10M、10C 感光ドラム
11、11K、11Y、11M、11C リセッタ
12、12K、12Y、12M、12C カウンタ
13、13K、13Y、13M、13C 一時記憶部
20 制御部
30 印刷部
40 フロントカバースイッチ
45 操作パネル
50、50K、50Y、50M、50C 画像形成手段
51、51K、51Y、51M、51C 転写手段
52、52K、52Y、52M、52C トナー
53、53K、53Y、53M、53C 露光手段
60 熱定着手段
72 フロントカバー
75 スタッカ
500 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して着脱可能に配設された消耗品と、
前記消耗品が交換されたことを検知する検知手段と、
前記検知手段が検知した消耗品を表示する表示手段と、
前記表示手段が表示した消耗品の交換の正誤を確認する入力操作を受け付ける入力手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記消耗品の使用量を計測する計測手段と、
前記入力手段で交換された消耗品が正しい旨の入力操作を受け付けたとき、前記計測手段が計測した使用量を初期化する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
前記表示手段は、前記使用量が閾値を超えた消耗品の交換を促す画面を表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1の画像形成装置において、
前記消耗品の使用量を計測する計測手段と、
前記検知手段により交換が検知された消耗品の前記使用量が閾値を超えていないと判定したとき、前記入力手段に正誤を確認する入力操作を受け付けさせる制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記検知手段により交換が検知された消耗品の前記使用量が閾値を超えていないと判定したとき、前記表示手段に警告を表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記入力手段で交換された消耗品が正しい旨の入力操作を受け付けたとき、前記計測手段が計測した使用量を初期化することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
装置本体に対して着脱可能に配設された消耗品と、
前記消耗品が交換されたことを検知する検知手段と、
装置に係る情報を表示する表示手段と、
前記消耗品が交換時期に達したか否かを判定する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記検知手段で検知した消耗品と、前記交換時期に達したと判定された消耗品とが異なることを検知したとき、前記表示手段にその旨を示唆する表示を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
装置本体に対して着脱可能に配設された消耗品と、
前記消耗品の使用量を計測する計測手段と、
前記消耗品が交換されたことを検知する検知手段と、
前記消耗品が交換されたときの該消耗品の使用量を記憶する一時記憶手段と、
前記使用量が閾値を超えていない消耗品が交換されたことを検知してから交換後の消耗品の使用量が所定量を超えるまでに、前記交換後の消耗品が交換されたことを前記検知手段で検知したとき、前記計測手段に、前記一時記憶手段に記憶させておいた使用量に基づいて計測を継続させる制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8の画像形成装置において、
前記消耗品は、使用されたことを記憶する使用記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記使用量が閾値を超えていない消耗品が交換されたことを検知してから、交換後の消耗品の使用量が所定量を超えたとき、交換後の消耗品の前記使用記憶手段に使用されたことを記憶させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記使用量が閾値を超えていない消耗品が交換されたことを検知してから、交換後の消耗品の使用量が所定量を超えるまで、前記使用記憶手段に使用されたことを記憶させる処理および前記使用量を初期化する処理を保留することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−88649(P2012−88649A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237364(P2010−237364)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】