説明

画像形成装置

【課題】複数の筐体が積載されることで設置される画像形成装置において、筐体同士の接続を容易とするとともに、地震などの大きな揺れに対して、装置全体の振動振幅を低減し、転倒を防止する。
【解決手段】シートフィーダー3の上面部3aから上方に突設される第1位置決めピン41と、装置本体2の下面部2aから下方に突設される第1接続スリーブ6に形成された凹部6bとが嵌合し、シートフィーダー3に対する装置本体2の位置が決定される。第1位置決めピン41は、地震などの振動に伴って、大きな振動がかかった場合に破壊される。これによって、装置本体2の下面部2aはシートフィーダー3の上面部3aに対して、水平方向における相対移動が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンター等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機や複合機、印刷機器などの画像形成装置は、複数の筐体が互いに接続されることで、装置全体として構成されることが多い。この一例として、たとえば、シートに対して画像形成を行う画像形成装置本体が予め使用されている場合に、大容量のシートを収容することができるシートフィーダーが追加され、該装置本体に接続される場合がある。
【0003】
シートフィーダーは、内部に積載される複数のシートを収容し、接続される装置本体に対してシートを送出する。シートフィーダーの装置本体に対する接続には、設置スペースを可及的に抑制することが求められる。このため、まず、シートフィーダーが床面に設置され、該シートフィーダーの上方に装置本体が積み上げられた後に、シートフィーダーと装置本体とが互いに接続されることが一般的である(例えば、特許文献1)。この際、シートフィーダーと装置本体とは、専門のサービスマンによって、ネジなどの締結部材を用いて確実に固定化される。
【0004】
一方、近年、オフィスなどで使用される画像形成装置の小型化に伴い、上記のような、装置本体の設置、およびシートフィーダーの増設をユーザー自身が実施する態様が見られる。この場合、ユーザーによる専門的な締結部材の使用は困難であると同時に、シートフィーダーと装置本体とが締結部材で固定化され、一体的な剛体として設置されると、地震などの大きな揺れが発生した場合に、装置全体の振動が大きくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−111864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の筐体が積載され、互いに接続されることで使用される画像形成装置において、筐体同士の接続を容易にするとともに、地震などの大きな揺れに対して、装置全体の振動を低減し、転倒を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、上面を有し、床面上に設置される第1筐体と、下面を有し、該下面が前記上面に対向するように前記第1筐体上に積載される第2筐体と、前記第1筐体または前記第2筐体内に配設され、画像を形成する画像形成部と、前記第1筐体の上面または前記第2筐体の下面から選択される第1の面から突設された第1凸部と、前記第1筐体の上面または、前記第2筐体の下面のうち、前記第1の面とは異なる第2の面から突設され、前記第1凸部に嵌合する凹部を有する第2凸部と、を有し、前記第1凸部は、前記第1筐体に第1の振動が付与される条件において、前記凹部との嵌合によって、前記第1筐体に対する前記第2筐体の水平方向の位置を規制し、前記第1筐体に前記第1の振動よりも大きな第2の振動が付与される条件において破壊されることで、前記第1筐体と前記第2筐体との水平方向における相対移動を可能とすることを特徴とする。
【0008】
本構成によれば、第1凸部と第2突部に配設された凹部とが嵌合することで、第1筐体に対する第2筐体の水平方向における位置が規制される。この位置規制は、第1筐体に第1の振動が付与される条件においては維持される。一方、第1筐体に第1の振動よりも大きな第2の振動が付与されると、第1凸部が破壊され、第1筐体に対する第2筐体の水平方向における相対移動が可能となる。このため、地震などの大きな揺れが生じた場合、第1筐体と第2筐体との剛構造が柔構造に変化し、装置全体の振動が低減される。
【0009】
上記の構成において、前記凹部が前記第1凸部に嵌合した状態の前記第2凸部の外側で、水平方向において前記第2凸部に対向して配設される弾性部材を更に有することが好ましい。
【0010】
本構成によれば、第1筐体に第2の振動が付与され第1凸部が破壊され、第1筐体に対して第2筐体が相対移動を行うと、第2凸部が周辺に配設された弾性部材に衝突する。これによって、第1筐体と第2筐体の振動エネルギーの一部が緩衝され、装置全体の振動が更に低減される。
【0011】
上記の構成において、前記凹部が前記第1凸部に嵌合した状態の前記第2凸部の外側で、水平方向において前記弾性部材を介して前記第2凸部に対向するように、前記第1の面から突設され、かつ、前記第2の面に当接し、前記第2筐体を支持する第3凸部を更に有し、前記弾性部材は、前記第2凸部と前記第3凸部との間に配置されることが好ましい。
【0012】
本構成によれば、第1筐体に第2の振動が付与され第1凸部が破壊され、第1筐体に対して第2筐体が相対移動を行うにあたり、第2凸部と第3凸部とが弾性部材に衝突する。この際、第1筐体と第2筐体との振動エネルギーの一部が緩衝されることによって装置全体の振動が更に低減される。
【0013】
上記の構成において、前記弾性部材は、前記第1筐体に前記第1の振動が付与される条件において、前記凹部が前記第1凸部に嵌合した状態の前記第2凸部に対して、水平方向において所定の間隔をもって、前記第1の面に配設されていることが好ましい。
【0014】
本構成によれば、弾性部材は、第2凸部に対して所定の間隔をもって、第1の面に配設されているため、第1筐体に第2の振動が付与される前に、第2凸部と弾性部材との接触によって、弾性部材が変形することが抑制される。
【0015】
上記の構成において、前記第1凸部は、円柱状部材であり、前記弾性部材は、内径部と外径部とを有するリング形状部材であり、前記第2凸部は、第1内周面を有し、該第1内周面と前記円柱状部材とが嵌合する円筒状部材であり、前記第3凸部は、第2内周面を有し、該第2内周面に前記リング形状部材の外径部が挿入される円筒状部材であることが好ましい。
【0016】
本構成によれば、円柱状部材である第1凸部と、円筒状部材である第2凸部との間で、確実に筐体同士の位置決めが実行される。また、第2凸部の外側には、リング形状からなる弾性部材が、円周形状をもって配設されているため、筐体にいずれの方向の振動が生じた場合でも、該振動が低減されることが可能となる。
【0017】
上記の構成において、前記第1凸部は、前記第1の面に対して、着脱可能とされることが好ましい。
【0018】
本構成によれば、第1筐体に第2の振動が付与され、第1凸部が破壊された場合であっても、第1凸部が第1の面から取り外され、交換されることで、第1の面を有する筐体の再使用が可能となる。
【0019】
上記の構成において、前記第1凸部および前記第3凸部は、前記第1の面に対して、一体的に着脱可能とされることが好ましい。
【0020】
本構成によれば、第1筐体に第2の振動が付与され、第1凸部が破壊された場合であっても、第1凸部が第3凸部とともに、第1の面から取り外され、交換されることで、第1の面を有する筐体の再使用が可能となる。
【0021】
上記の構成において、前記第1筐体の上面と前記第2筐体の下面とを介して、前記第1筐体および前記第2筐体の一方から他方に電力を供給するための給電部と、前記第1筐体の上面側または前記第2筐体の下面側の何れかに配設され、前記給電部による電力供給をオンオフするスイッチ部材と、前記第1筐体の上面側または前記第2筐体の下面側のうち、前記スイッチ部材とは異なる側から突設され、前記スイッチ部材に当接することで、前記スイッチ部材をオン状態とする作動子とを備え、前記作動子は、前記第2の振動が付与される条件において破壊され、前記スイッチ部材をオフ状態とすることが好ましい。
【0022】
本構成によれば、第1筐体と第2筐体との間の電力供給を、簡易な構成で実現することが可能であるとともに、第1凸部が破壊され、第1筐体と第2筐体との相対移動が生じた場合であっても、漏電などによる火災の発生を防止することが可能となる。
【0023】
上記の構成において、前記第1筐体は、シートが収容され、該シートを送出するシートフィーダーであり、前記画像形成部は、前記第2筐体内に配設され、前記シートフィーダーから送出されたシートに画像を形成することが好ましい。
【0024】
本構成によれば、第1凸部と第2突部に配設された凹部とが嵌合することで、シートフィーダーに対する画像形成装置本体の水平方向における位置が規制される。この位置規制は、シートフィーダーに第1の振動が付与される条件においては維持される。一方、シートフィーダーに第1の振動よりも大きな第2の振動が付与されると、第1凸部が破壊され、シートフィーダーに対する画像形成装置本体の水平方向における相対移動が可能となる。このため、地震などの大きな揺れが生じた場合、シートフィーダーと画像形成装置本体との剛構造が柔構造に変化し、装置全体の振動が低減される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、複数の筐体が積載され、互いに接続されることで使用される画像形成装置において、筐体同士の接続が容易となるとともに、地震などの大きな揺れに対して、装置全体の振動が低減され、転倒が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置本体とシートフィーダーの斜視図である。
【図2】図1に示される画像形成装置本体の内部を表す断面図である。
【図3】図1に示される画像形成装置本体とシートフィーダーとの接続を表す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るシートフィーダーの斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る固定部の斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る固定部の断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る固定部の断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る装置本体の振動時における固定部の挙動を示す模式図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る装置本体の振動時の模式図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る固定部の断面図である。
【図11】本発明の第3および第4の実施形態に係る固定部の断面図である。
【図12】図1に示される画像形成装置本体とシートフィーダーとの給電部の接続を表す図である。(a)は接続する前の状態を示し、(b)は接続された状態を示し、(c)は、画像形成装置の内側から給電部を見た状態を示す。
【図13】シートフィーダー側の給電部を示す斜視図である。
【図14】図13に示す給電部の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の外観を示す斜視図、図2は、画像形成装置1の装置本体2の内部構造を示す断面図である。ここでは、画像形成装置1として胴内排紙型の複写機を例示しているが、画像形成装置は、プリンター、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよい。なお、図1および図2ともに、装置本体1の上部に備え付けられる自動原稿給紙ユニットを省略して示している。
【0028】
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有し胴内空間(胴内排紙部24)を備えた装置本体2(第2筐体)、及び装置本体2の下側に組み付けられた増設型のシートフィーダー3(第1筐体)を含む。
【0029】
装置本体2は、シートに対して画像形成処理を行う。装置本体2は、略直方体形状の下部筐体21と、下部筐体21の上方に配設される略直方体形状の上部筐体22と、下部筐体21と上部筐体22とを連結する連結筐体23とを含む。下部筐体21には画像形成のための各種機器が収容され、上部筐体22には原稿画像を光学的に読み取るための各種機器が収容されている。下部筐体21、上部筐体22及び連結筐体23で囲まれる胴内空間が、画像形成後のシートを収容可能な胴内排紙部24とされている。連結筐体23は、装置本体2の右側面の側に配置され、胴内排紙部24へシートを排出するための排出口961が設けられている。
【0030】
胴内排紙部24として利用される前記胴内空間は、装置本体2の前面及び左側面において外部に開放されている。作業者は、これらの開放部分から手を差し入れ、胴内排紙部24から画像形成後のシートを取り出すことが可能である。前記胴内空間の底面341は、下部筐体21の上面で区画され、排出口961から排出されたシートが積載される。
【0031】
上部筐体22の前面には、操作パネルユニット25が突出して設けられている。操作パネルユニット25は、不図示のテンキー、スタートキーなどを含む操作キー及びLCDタッチパネルなどを備え、作業者からの各種の操作指示の入力を受け付ける。作業者は、操作パネルユニット25を通じて、印刷されるシートの枚数等を入力したり、印刷濃度等を入力したりすることができる。
【0032】
下部筐体21には、画像形成処理が施される記録シートを収容する給紙カセット211が装着されている。給紙カセット211は、自動給紙用に設けられたカセットであり、大量の記録シートを収容することができる。また、給紙カセット211は、下部筐体21から手前方向に引出可能である。
【0033】
装置本体2の右側面には、作業者に手差し給紙を行わせるためのマルチトレイユニットMが装着されている。マルチトレイユニットMは、手差しの記録シートが載置される給紙トレイ243と、前記記録シートを下部筐体21内の画像形成部へ搬入する給紙ユニット244とを含む。給紙トレイ243は、その下端部において下部筐体21に対して開閉自在に取り付けられており、不使用時は閉状態とされる。作業者は、手差し給紙を行う場合、給紙トレイ243を開き、その上に記録シートを載置する。
【0034】
続いて、装置本体2の内部構造を説明する。下部筐体21の内部には、上方から順に、トナーコンテナ99Y、99M、99C、99Bk、中間転写ユニット902、画像形成部903、露光ユニット94、及び上述の給紙カセット211が収容されている。
【0035】
画像形成部903は、フルカラーのトナー像を形成するために、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各トナー像を形成する4つの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkを備える。各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム11と、この感光体ドラム11の周囲に配置された、帯電器12、現像装置13、一次転写ローラ14及びクリーニング装置15とを含む。
【0036】
感光体ドラム11は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。感光体ドラム11としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。帯電器12は、感光体ドラム11の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム11の周面は、露光ユニット94によって露光され、静電潜像が形成される。
【0037】
現像装置13は、感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム11の周面にトナーを供給する。現像装置13は、2成分現像剤用のものであり、攪拌ローラ16、17、磁気ローラ18、及び現像ローラ19を含む。攪拌ローラ16、17は、2成分現像剤を攪拌しながら循環搬送することで、トナーを帯電させる。磁気ローラ18の周面には2成分現像剤層が担持され、現像ローラ19の周面には、磁気ローラ18と現像ローラ19との間の電位差によってトナーが受け渡されることにより形成されたトナー層が担持される。現像ローラ19上のトナーは、感光体ドラム11の周面に供給され、前記静電潜像が現像される。
【0038】
一次転写ローラ14は、中間転写ユニット902に備えられている中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム11とニップ部を形成し、感光体ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置15は、トナー像転写後の感光体ドラム11の周面を清掃する。
【0039】
イエロー用トナーコンテナ99Y、マゼンタ用トナーコンテナ99M、シアン用トナーコンテナ99C、及びブラック用トナーコンテナ99Bkは、それぞれ各色のトナーを貯留するものであり、YMCBk各色に対応する画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkの現像装置13に、図略の供給経路を通して各色のトナーを供給する。
【0040】
露光ユニット94は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkの各々に設けられた感光体ドラム11の周面に、原稿画像の画像データに基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
【0041】
中間転写ユニット902は、中間転写ベルト921、駆動ローラ922及び従動ローラ923を備える。中間転写ベルト921上には、複数の感光体ドラム11からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。重ね塗りされたトナー像は、給紙カセット211から供給される記録シートに、二次転写部98において二次転写される。中間転写ベルト921を周回駆動させる駆動ローラ922及び従動ローラ923は、下部筐体21によって回転自在に支持される。
【0042】
給紙カセット211は、複数の記録シートが積層されてなるシート束を収納する。給紙カセット211の右端側の上部には、ピックアップローラ212が配置されている。ピックアップローラ212の駆動により、給紙カセット211内のシート束の最上層の記録シートが1枚ずつ繰り出され、搬入搬送路26へ搬入される。一方、給紙トレイ243に載置された手差しの記録シートは、給紙ユニット244の給紙ローラ245の駆動によって、搬入搬送路26へ搬入される。給紙カセット211の下方であって、下部筐体21の底には、シートフィーダー3から送出されるシートが搬送される搬送口213が配設されている。
【0043】
搬入搬送路26の下流側には、二次転写部98、後述する定着ユニット97及び排紙ユニット96を経由して排出口961まで延びるシート搬送路28が設けられている。シート搬送路28の上流部分は、下部筐体21に形成された内壁と、反転搬送ユニット29の内側面を形成する内壁との間に形成されている。なお、反転搬送ユニット29の外側面は、両面印刷の際にシートを反転搬送する反転搬送路291の片面を構成している。シート搬送路28の、二次転写部98よりも上流側にはレジストローラ対27が配置されている。シートは、レジストローラ対27にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、二次転写部98に送り出される。
【0044】
連結筐体23の内部には、定着ユニット97と排紙ユニット96とが収納されている。定着ユニット97は、定着ローラと加圧ローラとを含み、二次転写部98においてトナー像が二次転写された記録シートを加熱及び加圧することで、定着処理を施す。定着処理されたカラー画像付の記録シートは、定着ユニット97の下流に配置されている排紙ユニット96により、排出口961から胴内排紙部24に向けて排出される。
【0045】
上部筐体22の上面には、第1コンタクトガラス222と第2コンタクトガラス223とが嵌め込まれている。第1コンタクトガラス222は、不図示の自動原稿給紙装置から自動給送される原稿シートの読取用に設けられている。第2コンタクトガラス223は、手置きされる原稿シートの読取用に設けられている。
【0046】
上部筐体22の内部には、原稿シートの原稿情報を光学的に読み取るための走査機構224と撮像素子225とが収容されている。走査機構224は、光源、移動キャリッジ、反射ミラー等を含み、原稿からの反射光を撮像素子225に導く。撮像素子225は、前記反射光をアナログ電気信号に光電変換する。前記アナログ電気信号は、A/D変換回路(図略)でデジタル電気信号に変換された後、露光ユニット94に入力される。
【0047】
次に、図3および図4を参照して、画像形成装置1の装置本体2に対して、増設されるシートフィーダー3について説明する。シートフィーダー3は、多量のシートを貯留可能な筐体であって、装置本体2へのシート供給能力を増やすために設置される。図3に示すように、シートフィーダー3が、予め、床面上に設置された後、その上方に装置本体2が積載され、両者は接続される。この際、シートフィーダー3の上面部3a(第1の面)に配設された第1接続部4および第2接続部5に、装置本体2の下面部2a(第2の面)に配設された第1接続スリーブ6および第2接続スリーブ7が嵌合することで、シートフィーダー3と装置本体2とが接続される。
【0048】
シートフィーダー3は、図4に示すように、直方体形状を有しており、前面部301、後面部302、右側面部303、左側面部304および上面部3aから画定されるフィーダーハウジング300を備える。フィーダーハウジング300の底部には、移動時に使用されるキャスター350が配設されている。キャスター350は、画像形成装置1の設置後に、不図示のブレーキによって固定される。
【0049】
シートフィーダー3は、更に、増設カセット501、502と、フィーダーカバー351と、給送機構352と、第1接続部4および第2接続部5と、を有する。
【0050】
増設カセット501、502は、フィーダーハウジング300に着脱可能に装着される。増設カセット501、502は、装置本体2に給送する複数のシートが収容される。増設カセット501、502は、作業者によるシートの補給のために、前面部301よりフィーダーハウジング300に対して、引き出し可能に配設されている。増設カセット501、502にはそれぞれ、引き出し動作に用いられる第1把持部501a、第2把持部502aが配設されている。
【0051】
フィーダーカバー351は、右側面部303に配設される。フィーダーカバー351は、シートフィーダー3内で詰まったシートを除去するために開放可能に配設されている。作業者は、フィーダーカバー351に配置された第3把持部351aに手を掛け、外側に引き出すことで、フィーダーカバー351を開放することが可能となる。
【0052】
給送機構352は、上面部3aの右側面部303側に配設されている。給送機構352は、シートフィーダー3内に収容されたシートを装置本体2に給送する。給送機構352は、装置本体2に配設された搬送口213(図2)に連結され、不図示の増設搬送路を形成する。
【0053】
第1接続部4および第2接続部5は、上面部3aの後面部302側に、互いに所定の間隔をもって配設されている。第1接続部4は、上面部3aの後面部302側であって、後面部302の中心から左側面部304側に所定の距離ずれた位置に配設される。また、第2接続部5は、上面部3aの後面部302側であって、後面部302の中心から右側面部303側に所定の距離ずれた位置に配設される。また、装置本体2の下面部2aには、第1接続部4が配置される位置に対応して、第1接続スリーブ6が配置される。同様に、第2接続部5が配置される位置に対応して、第2接続スリーブ7が配置される。第1接続部4と第1接続スリーブ6とによって第1固定部101が形成され、第2接続部5と第2接続スリーブ7とによって第2固定部102が形成される。なお、装置本体2の下面部2aおよびシートフィーダー3の上面部3aは、いずれも金属材料からなる。下面部2aおよび上面部3aでは、装置本体2およびシートフィーダー3の骨格を形成するフレーム材が露出した状態となっている。また、後面部302側のフレーム材には、給電部103が設けられており、上面部3aには、開口305、306が形成されている。給電部103は、棒状の本体検知レバー113とドロワコネクタ116とを備える。
【0054】
次に、本発明の第1の実施形態における第1固定部101、第2固定部102の構造および接続態様について、図5〜7を参照して説明する。図5は、第1固定部101に使用される第1接続部4と第1接続スリーブ6の斜視図である。図6は、第1固定部101の断面図であり、図7は第2固定部102の断面図である。
【0055】
第1固定部101は、第1接続部4と第1接続スリーブ6とを有する。
【0056】
第1接続部4は、第1位置決めピン41(第1凸部)と、第1規制スリーブ42(第3凸部)と、衝撃吸収リング43(弾性部材)とから構成される。
【0057】
第1位置決めピン41は、シートフィーダー3の上面部3a(本実施形態では第1の面)から上方に突出するように配置される円柱状部材であり、円柱側面の側面部41aと、先端部に形成された先端テーパ部41bとを有する。
【0058】
第1規制スリーブ42は、第1位置決めピン41同様、上面部3aから突設されている。第1規制スリーブ42は、第1位置決めピン41の側面部41aから外側に間隔d1をもって配設された円筒形状部材であり、第1位置決めピン41と略同等の高さh1をもって上面部3aから突設される。第1規制スリーブ42の先端内面には、内側テーパ部42cが高さh2の領域に対応して形成されている。第1規制スリーブ42および第1接続スリーブ6には、各種の高硬度樹脂材料などが材料として使用される。たとえば、ガラス入りPPEや、変性PPE/PPOなどが好適に用いられる。
【0059】
衝撃吸収リング43は、第1位置決めピン41と第1規制スリーブ42との間に配設される。衝撃吸収リング43は、厚さtをもったリング形状部材であり、第1規制スリーブ42の内壁42bに沿うように配設されている。衝撃吸収リング43は、第1規制スリーブ42の最大高さh1から内側テーパ部42cが配置されている高さh2を除いた領域に対応して、高さh3をもって配設されている。衝撃吸収リング43には、ゴム等のエストラマー材やゲル状ポリマーなどの振動吸収材料が好適に採用される。
【0060】
第1接続スリーブ6(第2凸部)は、第1接続部4に対応して、装置本体2の下面部2a(本実施形態では第2の面)から下方に突出して配置されている。第1接続スリーブ6は、円筒形状部材からなり、第1接続スリーブ6の内部には、第1位置決めピン41が挿入される凹部6b(凹部)が形成されている。第1位置決めピン41と第1接続スリーブ6の凹部6bとの嵌合によって、上面部3aを備えるシートフィーダー3と、下面部2aを備える装置本体2とが接続される。これにより、装置本体2とシートフィーダー3とを位置決めするに際しての基準位置が決まる。このため、凹部6bの内径は、第1位置決めピン41の外径に対応して決定されており、両者の間に所定のはめ合い公差が設定されている。
【0061】
第1接続スリーブ6は、装置本体2が単体で使用されている場合は、下面部2aの所定の位置に退避されている。また、第1接続スリーブ6は、シートフィーダー3の増設時に、下面部2aに差し込まれる構成であってもよい。第1接続スリーブ6も、第1規制スリーブ42、第1接続スリーブ6と同様に、各種の高硬度樹脂材料などが材料として使用される。たとえば、ガラス入りPPEや、変性PPE/PPOなどが好適に用いられる。
【0062】
第1接続スリーブ6が下面部2aから突出する高さh4は、図6に示すように、第1規制スリーブ42が上面部3aから突出する高さh1よりも低く設定されている。また、第1接続スリーブ6の凹部6bの底部6eは、下面部2aの表面に対して内側に僅かに窪んだ形状を有している。
【0063】
次に、本実施形態の第2固定部102について、図7を用いて説明する。第2固定部102は、第1固定部101と同様に、第2接続部5と第2接続スリーブ7とから構成される。第2接続部5は、第2位置決めピン51と、第2規制スリーブ52と、衝撃吸収リング53と、を有する。
【0064】
ここで、第2固定部102は、第1固定部101と比較して、第2接続スリーブ7内に形成される凹部7bの形状が、第1接続スリーブ6の凹部6bと異なる点で相違する。すなわち、凹部6bは断面視で丸穴形状を有することに対し、凹部7bは図7に示すように断面視で長穴形状を有する。ここで、凹部7bの短径7bsは、凹部6bの内径6brと同じ径に設定されている。第2位置決めピン51は、第1位置決めピン41と同じ外径を有する円柱形部材である。従って、第2位置決めピン51は、第2接続スリーブ7の凹部7bに嵌合することで、短径7bs方向には固定されるが、長径7blの方向には所定量移動することができる。第2固定部102のその他の構成は、第1固定部101と同様であるため、説明を省略する。
【0065】
次に、上記の第1固定部101および第2固定部102によって、装置本体2とシートフィーダー3とが接続される態様について説明する。図3において、作業者は、床上に設置されたシートフィーダー3の第1位置決めピン41と第2位置決めピン51とが、装置本体2の第1接続スリーブ6の凹部6bと第2接続スリーブ7の凹部7bとに挿入されるように、装置本体2をシートフィーダー3上に積載する。この際、第1位置決めピン41と第1接続スリーブ6の凹部6bとによって、水平面上で、装置本体2とシートフィーダー3とを位置決めするに際しての基準位置が決まる(第1基準位置)。
【0066】
また、凹部7bが長穴形状を有するため、第2位置決めピン51と第2接続スリーブ7の凹部7bとの嵌合により、上記水平面において、第1基準位置を中心に装置本体2が回転することが防止される。従って、第1固定部101および第2固定部102の接続によって、シートフィーダー3上での装置本体2の水平面(X−Y方向)での位置が決定され、シートフィーダー3と装置本体2とが固定される。なお、本実施形態では、作業者の接続操作の利便性から、鉛直方向(Z方向)におけるシートフィーダー3と装置本体2との固定は、装置本体2の自重によって実現されている。この際、第1規制スリーブ42の先端部42dおよび第2規制スリーブ52の先端部52dが、装置本体2を支持する。
【0067】
なお、本実施形態では、第1規制スリーブ42および第2規制スリーブ52には、それぞれ内側テーパ部42cおよび内側テーパ部52cが配設されているため、接続時における第1規制スリーブ42(第2規制スリーブ52)と第1接続スリーブ6(第2接続スリーブ7)との接触が予防される。
【0068】
また、衝撃吸収リング43、53の内径は第1接続スリーブ6、第2接続スリーブ7の外径よりも大きく設定されている。すなわち、図6において、t<d1−d2の関係が成立する。このため、接続作業時に、第1接続スリーブ6および第2接続スリーブ7の先端が、衝撃吸収リング43、53に接触することが防止される。更に、第1接続スリーブ6の凹部6bの底部6eは、下面部2aの表面に対して内側に僅かに窪んだ形状を有しているため、接続時に、第1位置決めピン41の先端に接触負荷がかかりにくい。
【0069】
上記の装置本体2とシートフィーダー3との接続を通じて、シートフィーダー3に加わる振動を第1の振動と定義する。第1の振動は、装置本体2とシートフィーダー3との直接的な接続作業に加え、接続後の運搬作業時に生じる振動、さらには第1の振動は、装置本体2とシートフィーダー3とが接続された後に、通常の使用環境で、シートフィーダー3が受ける振動を含む。また、上記第1の振動よりも所定量大きい振動を第2の振動と定義する。この第2の振動は、通常の据え付けや運搬作業、通常の使用環境では想定されないレベルの振動である。
【0070】
本実施形態では、このようなシートフィーダー3に生じる第1の振動において、第1位置決めピン41および第2位置決めピン51は、形状が変化することなく、耐久性を持続する。一方、地震等の大きな揺れが床面に生じ、シートフィーダー3に、第1の振動よりも大きな第2の振動が生じると、第1位置決めピン41および第2位置決めピン51は、該第2の振動が伝播することによって破壊される。具体的には、第1位置決めピン41および第2位置決めピン51は、第2の振動によって、下面部2aおよび上面部3aから突設される根元から破断する。あるいは、第1位置決めピン41および第2位置決めピン51は、第1接続スリーブ6、第2接続スリーブ7の内周先端側に設けられたテーパ面6c、7cの基端付近に対応する位置で破断する。
【0071】
本実施形態では、床面が250GAL(2.5m/sec2=0.255G程度の振動加速度、震度6に相当)以上で振動した際に、シートフィーダー3が受ける振動を第2の振動とする。従って、床面が震度6相当で揺れた場合、第1位置決めピン41および第2位置決めピン51は破壊され、下面部2aと上面部3aとの水平面上の位置決め機能が失われる。装置本体2はシートフィーダー3に対して水平方向における相対移動が可能となり、第1固定部101、第2固定部102に免震構造が形成される。
【0072】
上記、第1位置決めピン41および第2位置決めピン51が、選択される第2の振動条件で破壊されるためには、第1位置決めピン41および第2位置決めピン51の材料、外径、更には、テーパ面6c、7cの配置などが好適に調整される。
【0073】
図8は、第2の振動によって、第1位置決めピン41が破壊された際の第1固定部101の挙動を示した模式図である。また、図9は、第2の振動において、装置本体2およびシートフィーダー3が振動する様子を模式的に表した図である。図9(a)は本実施形態の第1固定部101、102を備えず、装置本体2とシートフィーダー3とがネジなどで一体的に固定接続された場合の模式図である。また、図9(b)は、本実施形態の第1固定部101、第2固定部102によって装置本体2とシートフィーダー3とが接続された場合の模式図である。
【0074】
図8に示すように、本実施形態では、床面上の大きな揺れによって、第1位置決めピン41が破壊されると、装置本体2の下面部2aが、シートフィーダー3の上面部3aに対して、相対的に左右に移動する。この際、装置本体2は、第1規制スリーブ42の先端部42dに支持されながら、水平方向に移動する。第1位置決めピン41は根元から破断されているために、第1接続スリーブ6の凹部6bの移動によって左右に引きずられる。
【0075】
このように、本実施形態では、装置本体2が、シートフィーダー3に対して水平方向に相対移動可能となり、両者が柔構造に変化する。このため、装置本体2とシートフィーダー3とがそれぞれ固有の振幅A2、A3をもって振動する(図9(b))。したがって、装置全体が一体的に剛構造として振動する場合(図9(a))の振幅A1と比較して、振動の振幅が低減され、装置の転倒が防止される。
【0076】
更に、本実施形態では、第1接続スリーブ6の外側で、水平方向において、第1接続スリーブ6に対向するように衝撃吸収リング43が配設されている。このため、装置本体2のシートフィーダー3に対する相対移動に伴って、第1接続スリーブ6と第1規制スリーブ42とが、衝撃吸収リング43に衝突し、該衝撃吸収リング43が圧縮される。この際、装置本体2およびシートフィーダー3の振動エネルギーの一部が衝撃吸収リング43に緩衝されるため、両者の振動が更に低減される。
【0077】
次に、シートフィーダー3の給電部103について、図4および図12〜14を用いて説明する。図12(a)は、装置本体2とシートフィーダー3との給電部103が接続される前の状態を示し、(b)は該給電部が接続された状態を示し、(c)は、装置本体2の内側から給電部103を見た状態を示す。図13はシートフィーダー3側の給電部103を示す斜視図である。図14は、図13の給電部103の分解図である。
【0078】
図4を参照して、シートフィーダー3には、給送機構352の給紙ローラを回転駆動するためのクラッチやモーターが設けられている。また、湿度の高い地域で使用するシートフィーダー3には増設カセット501、502に収納した用紙が吸湿するのを防ぐために、電熱ヒーターが設けられている。そして、これらの電気部品に電力を供給するために、後面部302側の第1固定部101と第2固定部102の中央付近には給電部103が形成されている。
【0079】
図12を参照して、給電部103を構成する部品は、装置本体2側とシートフィーダー3側とにそれぞれ配設される。給電部103は、装置本体1側に、本体コネクタ114を備える。本体コネクタ114は、装置本体2の底面2aに設けられた開口201(図12(c))に対向して配設される。本体コネクタ114の隣には、本体コネクタ114に電力の供給をオンオフするための給電スイッチ115が設けられている。更に、給電スイッチ115をオン状態にするアクチュエータ115aが、給電スイッチ115に隣接して配設される。そして、アクチュエータ115aに対向する底面2aには、開口202が設けられている。また、給電部103は、シートフィーダー3側に、装置本体2側の本体コネクタ114に挿入されるドロワコネクタ116を備える。
【0080】
シートフィーダー3において後面部302側の上面3aの内側には、図13に示すように、上下が貫通(開口)した矩形ボックス状のハウジング117が、フレーム材に取り付けられている。このハウジング117内には、棒状の本体検知レバー113と矩形ブロック状のスライダ118とが、それぞれ上下動可能に収納保持されている。スライダ118は、装置本体2とシートフィーダー3とを連結させる際に、装置本体2側に移動するように構成される。
【0081】
ハウジング117には、矩形窓117aと、円孔117bと、上下方向に長い長孔17cと、係止爪117dとが形成されている。本体検知レバー113には、横台形状の係合孔113aが形成されている。スライダ118の正面には、ハウジング117の長孔117cを貫通するピンボス118aが一体に突設される。また、スライダ118の上面の一端には、突起状の作動子118bが一体に立設されている。突起状の作動子118bは、装置本体2に設けられた給電スイッチ115のアクチュエータ115bを押圧してオンさせる。又、ハウジング117の外には、リンク119が回動可能に配置されている。このリンク119の一端には、ピン119aが突設され、中間部には支軸119b(図12参照)が突設され、他端には長孔119cと係止爪119dが形成されている。そして、支軸119bが、ハウジング117に形成された円孔117bに挿通保持されることによって、リンク119が、支軸119bを中心として、ハウジング117に対して回動可能に支持されている。
【0082】
更に、リンク119に形成されたピン119aは、ハウジング117に形成された前記矩形窓117aを貫通して、ハウジング117内に配置される。また、ピン119aは、ハウジング117内に上下動可能に収容保持された本体検知レバー113の係合孔113aに係合配置される。また、ハウジング117内に上下動可能に収納保持された前記スライダ118のピンボス118aは、ハウジング117の長孔117cを貫通してハウジング117の外へ突出すると共に、その突出部はリンク119に形成された長孔119cに係合配置される。係止爪119dとハウジング117に形成された係止爪117dとの間には、スプリング120が掛け渡されている。
【0083】
そして、リンク119は、スプリング120によって、支軸119bを中心として、図12(a)の矢印D1方向(本体検知レバー113を上向きに付勢する方向)に付勢されている。
【0084】
図12(a)に示すように、装置本体2がシートフィーダー3上に載置される前の状態では、リンク119がスプリング120によって付勢され、本体検知レバー113を押し上げているこのため、本体検知レバー113はシートフィーダー3の上面3aから垂直に突出した状態で維持される。
【0085】
この状態から、第1固定部101と第2固定部102により位置決めされながら、装置本体2が下降されると、装置本体2の底面2aが、シートフィーダー3の本体検知レバー113に当接する。そして、装置本体2の底面2aが、スプリング120の付勢力に抗して、本体検知レバー113押し下げる。これにより、リンク119は、支軸119bを中心として反時計方向に回動する。この際、リンク119の長孔119cにピンボス118aが係合しているため、スライダ118は、ハウジング117内を上方に移動する。これにより、スライダ118に取り付けられたドロワコネクタ116が、シートフィーダー3の上面3aから上方へ突出し、装置本体2の本体コネクタ114に接続される。
【0086】
本体コネクタ114とドロワコネクタ116とのコネクタピン同士が、確実に連結された後に、装置本体2が最後に下降するストロークによって、スライダ118が上昇する。そして、スライダ118に設けられた作動子118bが、開口202に挿通されながら、装置本体2側に設けられた給電スイッチ115を押圧する。この結果、作動子118bが、給電スイッチ115をON状態にする。給電スイッチ115がON状態になると、本体コネクタ114から電力の供給が可能になる。
【0087】
作動子118bは、装置本体2側に向かって立設する板状の壁部と、その壁部の幅方向の両端に、壁部に交差して配設される一対のリブを備える。該リブは、壁部の先端側から下方に延設され、下方に向かうにつれて、壁部からの高さが高くなるように傾斜している。
【0088】
そして、装置本体2がシートフィーダー3に完全に装着され、作動子118bが給電スイッチをON状態にする状態では、該リブの高さが、開口202の幅とほぼ同じになるように設定されている。スライダ118は、樹脂部材で成形されている。このため、上記のように、振動により第1位置決めピン41が破損し、装置本体2がシートフィーダー3に対して相対移動する場合、開口202に対して、作動子118bがずれようとする。この結果、作動子118bは、根元部分で破断する。そして、作動子118bが、破断すると、給電スイッチ115をON状態にすることができなくなる。したがって、本体コネクタ114からシートフィーダー3への電気部品への電力供給が停止される。そのため、振動によって、装置本体2が破損しても、漏電などによる火災の危険を防止することが可能となる。
【0089】
以上、本発明の実施形態に係るシート搬送装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
【0090】
(1)上記の実施形態では、第1固定部101、第2固定部102の構造において、装置本体2側に、第1接続スリーブ6、第2接続スリーブ7を備える構成を示したが、本発明の実施形態はこれに限られるものではない。たとえば、図10に示すように、上下逆の構造を採用し、シートフィーダー3側に第3接続スリーブ8が配設され、装置本体2側に、第3位置決めピン91、第3規制スリーブ92が配設される構成であっても良い。この実施形態では、上面部3a(本実施形態では第2の面)から、第3接続スリーブ8が突設され、下面部2a(本実施形態では第1の面)から、第3位置決めピン91および第3規制スリーブ92が突設される。
【0091】
(2)また、上記の実施形態では、第1位置決めピン41は上面部3aに予め固定されている構成を示したが、本発明の実施形態は、これに限定されるものではない。たとえば、図11(a)に示すように、第4位置決めピン451が、シートフィーダー3の上面部3aに対して、ネジ構造をもって、着脱可能とされる構造であってもよい。この場合、シートフィーダー3に第2の振動が生じ、第4位置決めピン451が破壊されても、該第4位置決めピン451の付け替えで、シートフィーダー3(上面部3a)の再利用が可能となる。この際、第4位置決めピン451の交換を容易とするため、予め、破断される場所を限定すべく、第4位置決めピン451の側面に切り欠き451kが配置されてもよい。更に、図11(b)に示すように、第5位置決めピン461と第5規制スリーブ462とが一体的に上面部3aに対して、ネジ構造などで着脱可能とされる構造であってもよい。
【0092】
(3)更に、上記の実施形態では、衝撃吸収リング43と、第1規制スリーブ42とを有する構成で説明したが、本発明の実施形態は、これに限られるものではない。すなわち、衝撃吸収リング43や第1規制スリーブ42を有さない構造であっても、第2の振動によって、第1位置決めピン41が破壊されたのち、装置本体2とシートフィーダー3とが相対的に移動可能とされ、振動の振幅が低減される構造であれば、同様の効果を奏することが可能となる。また、衝撃吸収リング43は、第1位置決めピン41と同じ第1の面ではなく、第2の面に配設されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0093】
2 装置本体(第2筐体)
2a 下面部(第2の面)
3 シートフィーダー(第1筐体)
3a 上面部(第1の面)
4 第1接続部
41 第1位置決めピン(第1凸部)
42 第1規制スリーブ(第3凸部)
43 衝撃吸収リング(弾性部材)
5 第2接続部
51 第2位置決めピン(第1凸部)
52 第2規制スリーブ(第3凸部)
53 衝撃吸収リング(弾性部材)
6 第1接続スリーブ(第2凸部)
7 第2接続スリーブ(第2凸部)
101 第1固定部
102 第2固定部






【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を有し、床面上に設置される第1筐体と、
下面を有し、該下面が前記上面に対向するように前記第1筐体上に積載される第2筐体と、
前記第1筐体または前記第2筐体内に配設され、画像を形成する画像形成部と、
前記第1筐体の上面または前記第2筐体の下面から選択される第1の面から突設された第1凸部と、
前記第1筐体の上面または、前記第2筐体の下面のうち、前記第1の面とは異なる第2の面から突設され、前記第1凸部に嵌合する凹部を有する第2凸部と、
を有し、
前記第1凸部は、前記第1筐体に第1の振動が付与される条件において、前記凹部との嵌合によって、前記第1筐体に対する前記第2筐体の水平方向の位置を規制し、前記第1筐体に前記第1の振動よりも大きな第2の振動が付与される条件において破壊されることで、前記第1筐体に対する前記第2筐体の水平方向における相対移動を可能とすること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記凹部が前記第1凸部に嵌合した状態の前記第2凸部の外側で、水平方向において前記第2凸部に対向して配設される弾性部材を更に有すること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記凹部が前記第1凸部に嵌合した状態の前記第2凸部の外側で、水平方向において前記弾性部材を介して前記第2凸部に対向するように、前記第1の面から突設され、かつ、前記第2の面に当接し、前記第2筐体を支持する第3凸部を更に有し、
前記弾性部材は、前記第2凸部と前記第3凸部との間に配置されること
を特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記第1の振動が付与される条件において、前記凹部が前記第1凸部に嵌合した状態の前記第2凸部に対して、水平方向において所定の間隔をもって、前記第1の面に配設されていることを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1凸部は、円柱状部材であり、
前記弾性部材は、内径部と外径部とを有するリング形状部材であり、
前記第2凸部は、第1内周面を有し、該第1内周面と前記円柱状部材とが嵌合する円筒状部材であり、
前記第3凸部は、第2内周面を有し、該第2内周面に前記リング形状部材の外径部が挿入される円筒状部材であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1凸部は、前記第1の面に対して、着脱可能とされることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1凸部および前記第3凸部は、前記第1の面に対して、一体的に着脱可能とされることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1筐体の上面と前記第2筐体の下面とを介して、前記第1筐体および前記第2筐体の一方から他方に電力を供給するための給電部と、
前記第1筐体の上面側または前記第2筐体の下面側の何れかに配設され、前記給電部による電力供給をオンオフするスイッチ部材と、
前記第1筐体の上面側または前記第2筐体の下面側のうち、前記スイッチ部材とは異なる側から突設され、前記スイッチ部材に当接することで、前記スイッチ部材をオン状態とする作動子とを備え、
前記作動子は、前記第2の振動が付与される条件において破壊され、前記スイッチ部材をオフ状態とすることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1筐体は、シートが収容され、該シートを送出するシートフィーダーであり、
前記画像形成部は、前記第2筐体内に配設され、前記シートフィーダーから送出されたシートに画像を形成することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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