説明

画像形成装置

【課題】バックライトの消費電力をさらに削減できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、ユーザによる操作を受け付ける操作部13と、外部接続機器から印刷ジョブのデータを受信する受信部21と、操作部13が印刷ジョブの開始操作を受け付けたとき、または受信部21が印刷ジョブのデータを受信したときに、印刷ジョブに基づいて画像形成を開始する画像形成部16と、印刷のための各種情報を表示領域に表示するための表示部11と、表示部11をその背部から照明する照明部12と、画像形成部16が画像形成を開始するときに、照明部12が点灯していれば、照明部12を消灯させる制御部22と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作の無い状態が一定時間続くと、表示部のバックライトを消灯する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、装置本体で行うコピーやプリントの情報を表示する液晶パネルを備えている。また、画像形成装置は、液晶パネルに表示する情報の視認性を向上させるために、液晶パネルの背部にバックライトを備えている。
【0003】
従来の画像形成装置には、バックライトの消費電力を低減するために、ユーザが操作を行っていない状態が一定時間続くと、バックライトを消灯するものがある。
【0004】
しかし、上記従来の画像形成装置は、バックライトを消灯するまで、液晶パネルの表示領域全体に光を照射する。すなわち、情報を表示している領域だけでなく、情報を表示していない領域にも光を照射する。そのため、バックライトの消費電力にはまだ削減の余地がある。
【0005】
そこで、液晶パネルの背面側に複数のバックライトを設けて、文字情報表示位置に対応する位置を照らすバックライトを選択的に点灯させる画像形成装置の発明が開示されている(特許文献1参照。)。
【0006】
従来の画像形成装置に、特許文献1に記載の発明を適用することで、バックライトの消費電力をさらに低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−279927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、画像形成装置のユーザは、コピーの開始ボタンを操作した後には、液晶パネルに表示された情報を全く確認しないか、または一部の情報だけを確認することが多い。例えば、ユーザは、コピーの枚数が少ないときには、排紙部から印刷物が排出されるのを確認し、印刷物の排出が完了すると、液晶パネルに表示された情報を見ることなく印刷物を持っていく。また、画像形成装置が複数の印刷ジョブを連続して行っているときには、ユーザは、現在実行中の印刷ジョブの進行状況や実行を指示した印刷ジョブの順番など、一部の情報だけを確認する。また、ユーザがパソコンから画像形成装置に対して印刷ジョブの実行を指示するときには、ユーザは画像形成装置の液晶パネルに表示された情報を確認できない。
【0009】
そのため、特許文献1に記載の発明を適用した従来の画像形成装置においては、バックライトの消費電力に削減の余地がある。
【0010】
そこで、本発明は、バックライトの消費電力をさらに削減できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の画像形成装置は、操作部と、受信部と、画像形成部と、表示部と、照明部と、制御部と、を備えている。操作部は、ユーザによる操作を受け付ける。受信部は、外部接続機器からの印刷ジョブのデータを受信する。画像形成部は、操作部が印刷ジョブの開始操作を受け付けたとき、または前記受信部が印刷ジョブのデータを受信したときに、印刷ジョブに基づいて画像形成を開始する。表示部は、印刷のための各種情報を表示領域に表示する。照明部は、表示部をその背部から照明する。制御部は、画像形成部が画像形成を開始するときに、照明部が点灯していれば、照明部を消灯させる。
【0012】
この発明では、画像形成の開始時に照明部を消灯させる。画像形成の開始時に表示部の表示を確認しないユーザには、印刷情報の提示は不要なので、照明部を消灯することで、照明部の消費電力を削減できる。
【0013】
上記発明において、制御部は、画像形成部が画像形成を実行中で、かつ照明部が消灯中のときに、操作部が操作を受け付けると、照明部の一部を点灯させ、この点灯によって照明される部分表示領域に情報が表示される。
【0014】
この発明では、画像形成装置が画像形成の開始時に照明部を消灯させ、情報を確認したいユーザには操作部を操作させることで、照明部の一部を点灯させて情報を表示する。これにより、ユーザが操作部を操作するまでの間は、照明部を消灯しているので、その間のバックライトの消費電力を削減できる。また、照明部を点灯するのは一部なので、照明部の全体を点灯させる場合と比べて、消費電力を削減できる。また、照明部の消費電力を削減しつつ、ユーザに必要な情報を表示することができる。
【0015】
上記発明において、制御部は、表示部の表示領域の表示内容を制御する機能を備え、部分表示領域に特定の情報を表示させる。
【0016】
この発明では、表示領域の一部の領域である部分表示領域に特定の情報を表示させるので、ユーザが必要な情報をこの部分表示領域にまとめて表示することで、照明部の消費電力を抑制しつつ、ユーザに必要な情報を表示することができる。
【0017】
特定の情報としては、画像形成部が実行中の画像形成の進行状況を表す情報や、画像形成部が実行する印刷ジョブの処理順の情報など、ユーザにとって必要な情報を表示すればよい。
【0018】
上記発明において、画像形成装置は、タッチ操作部を備えている。タッチ操作部は、表示部の前部に設置され、ユーザによるタッチ操作を受け付ける。制御部は、表示部の表示領域の表示内容を制御する機能を備え、部分表示領域に表示ボタンを表示させ、タッチ操作部が表示ボタンのタッチ操作を受け付けると、部分表示領域に特定の情報を表示させる。
【0019】
この発明では、画像形成部が画像形成を実行中で、かつ照明部が消灯中のときに、操作部が操作を受け付けると、部分表示領域に表示ボタンを表示する。また、表示部に表示された表示ボタンをタッチすることで、部分表示領域に特定の情報を表示させることができる。これにより、画像形成装置が画像形成を実行中に、タッチ操作部を誤って操作したとしても、表示ボタンが表示されるだけなので、消費電力を抑制できる。また、ユーザが必要な情報を確認したいときには、表示ボタンをタッチすればよいので、情報を容易に確認できる。
【0020】
上記発明において、制御部は、画像形成部が画像形成を実行中で、かつ照明部が一部点灯中のときに、操作部またはタッチ操作部が特定の操作を受け付けると、照明部を全て点灯させる。
【0021】
この発明では、ユーザが印刷ジョブを新たに設定したい場合などには、操作部またはタッチ操作部において特定の操作を行うことで、照明部を全て点灯させることができる。例えば、操作部に設けられている全点灯ボタンが操作されるか、または、タッチ操作部において、照明部を消灯している表示領域をタッチ操作されると、照明部を全て点灯させるようにするとよい。このような簡単な操作で、容易に照明部を全点灯させることができる。
【0022】
上記発明において、制御部は、画像形成部が画像形成を終了したときに、照明部が一部点灯中であれば、照明部を全て消灯させる。
【0023】
この発明では、画像形成が終了すると、部分表示領域に印刷ジョブに関する情報を表示する必要がなくなるので、照明部を全て消灯させる。これにより、バックライトの消費電力を削減できる。
【0024】
上記発明において、制御部は、画像形成部が画像形成を待機中で、かつ照明部が全て消灯中のときに、操作部またはタッチ操作部が操作を受け付けると、照明部を全て点灯させる。
【0025】
画像形成を待機中のときに、ユーザが画像形成の設定を行うときには、操作部またはタッチ操作部を操作するので、このときに表示領域全体を点灯させることで、印刷ジョブを受け付けることができる。
【0026】
上記発明において、操作部は、照明部を全て消灯させる消灯ボタンを備えている。この発明では、ユーザは、操作部またはタッチ操作部を操作して、照明部の一部を点灯させた後に、消灯ボタンを操作することで、照明部を全て消灯させることができる。これにより、表示を確認後に表示が不要なときに、消費電力を削減できる。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、バックライトの消費電力をさらに削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を含む印刷システムの構成図の一例である。
【図2】画像形成装置の外観図である。
【図3】画像形成装置のブロック図である。
【図4】(A)は、パネルユニットの外観図である。(B)は、表示部に表示する画像の一例である。(C)は、複数のバックライトの構成例である。(D)は、複数のバックライトの一部を点灯させたときの画像の表示例である。(E)は、複数のバックライトの一部を点灯させたときの例である。
【図5】第1実施形態の処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】(A)は、複数のバックライトを全て消灯したときの状態を示す図である。(B)は、複数のバックライトが(A)に示した状態のときの表示部を示す図である。(C)は、複数のバックライトのうち、一部を点灯したときの状態を示す図である。(D)は、複数のバックライトが(C)に示した状態のときの表示部を示す図である。(E)は、複数のバックライトのうち、約半数を点灯したときの状態を示す図である。(F)は、複数のバックライトが(E)に示した状態のときの表示部を示す図である。(G)は、複数のバックライトを全て点灯したときの状態を示す図である。(H)は、複数のバックライトが(G)に示した状態のときの表示部を示す図である。
【図7】バックライトの点灯/消灯制御を示すタイムチャートである。(A)は、印刷動作以前からバックライトが消灯している場合を示す。(B),(C)は、ユーザが操作部を操作後、一定時間が経過中の場合を示す。(D)は、印刷中に操作部が操作された場合を示す。
【図8】第2実施形態の処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】(A)は、複数のバックライトを全て点灯したときの状態を示す図である。(B)は、複数のバックライトが(A)に示した状態のときの表示部を示す図である。(C)は、複数のバックライトのうち、約半数を点灯したときの状態を示す図である。(D)は、複数のバックライトが(C)に示した状態のときの表示部を示す図である。(E)は、複数のバックライトのうち、一部を点灯したときの状態を示す図である。(F)は、複数のバックライトが(E)に示した状態のときの表示部を示す図である。(G)は、複数のバックライトを全て消灯したときの状態を示す図である。(H)は、複数のバックライトが(H)に示した状態のときの表示部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明をオフィスに設置したデジタル複合機に適用した例を説明する。
【0030】
<画像形成システムの構成>
図1に示すように、画像形成システム100は、デジタル複合機(以下、単に複合機と称する。)1、N台のコンピュータ2−1〜2−N、コンピュータ3、インターネットファックス装置4、及びファックス装置5を備えている。
【0031】
複合機1とコンピュータ2−1〜2−Nは、オフィス内に敷設されたLAN6に接続されている。コンピュータ3、インターネットファックス装置4、及びLAN6は、インターネット網7に接続されている。また、複合機1、ファックス装置5、及び携帯電話61は、公衆電話回線網8に接続されている。以下、コンピュータ2−1〜2−N、コンピュータ3、インターネットファックス装置4、及びファックス装置5を、複合機1の外部接続機器とも称する。
【0032】
<画像形成装置の構成と基本動作>
図2と図3に示すように、複合機1は、胴内排出型であり、装置本体の上面手前側にパネルユニット9を備えている。パネルユニット9は、タッチ操作部10、表示部11、照明部12、操作部13を備えている。また、複合機1は、装置本体の上部から下部の方向へ順に、原稿搬送部14、画像読取り部15、画像形成部16、及び給紙部17を備えている。また、複合機1は、画像読取り部15及びパネルユニット9の下部に、排紙部18を備えている。さらに、複合機1は、装置本体内に記憶部19、画像処理部20、通信部21、及び制御部22を備えている。制御部22は、複合機1の各部を制御する。
【0033】
図4(A)に示すパネルユニット9の左部には、タッチ操作部10、表示部11、及び照明部12が設けられている。表示部11は、液晶パネルを有する表示パネル111と、不図示の液晶駆動回路と、を備えている。
【0034】
表示部11の表示パネル111には、図4(B)に示すようなコピー設定画面の画像など、印刷のための各種情報が表示領域に表示される。制御部22は、表示パネル111の表示領域に表示させる表示内容を制御する。表示部11の背部には、照明部12が配置されている。
【0035】
照明部12は、表示パネル111のバックライトである。照明部12は、図4(C)に示すように、複数のLEDを有するバックライトユニット(以下、単にバックライトと称する。)121と、不図示のLED駆動回路と、を備えている。同図には、20個のLED122を5行×4列に配置した例を示している。制御部22は、LED駆動回路により各LED122の点灯/消灯を個別に制御する。例えば、制御部22は、図4(E)に示すように、右上端のLED122だけを点灯させて、コピー設定画面の印刷枚数の部分だけを表示させるように制御することができる。
【0036】
タッチ操作部10は、表示部11の前部に配置されている。タッチ操作部10は、タッチパネル101と、不図示のタッチ位置検出回路と、を備えている。
【0037】
パネルユニット9の右部には、操作部13が設けられている。操作部13は、コピーやファックスのスタートボタン131、テンキー132、機能選択ボタン133、全消灯ボタン134、及び全点灯ボタン135などの複数の操作ボタンを備えている。
【0038】
複合機1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一実施形態であり、プリント機能、コピー機能、及びファックス機能を備えている。
【0039】
プリント機能は、複合機1がコンピュータ2−1〜2−Nから受信した印刷ジョブに基づいて印刷を行い、印刷物を生成する機能である。
【0040】
コンピュータ2−1〜2−Nは、それぞれプリンタドライバを内蔵しており、ユーザの操作に従って、文書データや画像データを複合機1に印刷させるための印刷ジョブを生成する。そして、コンピュータ2−1〜2−Nは、LAN6を介して複合機1へ印刷ジョブを送信する。この印刷ジョブには、印刷データの他に、印刷ジョブを指示したユーザ情報、各種印刷設定などの情報が含まれる。
【0041】
複合機1の制御部22は、本発明の受信部である通信部21がLAN6を介して印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブに含まれる画像データを画像処理部20へ出力させる。また、制御部22は、印刷ジョブに含まれる印刷設定に基づいて画像処理部20や画像形成部16の設定を変更する。
【0042】
画像処理部20は、カラー画像データが入力された場合、カラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの単色画像に分解し、各単色画像を画像形成部16に出力する。
【0043】
画像形成部16は、入力された単色画像に基づいて単色トナー像を形成し、各単色トナー像を重ね合わせてカラートナー像を生成する。そして、画像形成部16は、給紙部17が転写位置に搬送した用紙にカラートナー像を転写し、続いて定着ユニットにより用紙にカラートナー像を定着させる。給紙部17は、カラートナー像が定着した用紙である印刷物を、排紙部18に排出する。
【0044】
コピー機能は、操作部13で受け付けた印刷ジョブに基づいて、画像読取り部15で原稿の画像を読み取って、原稿を複写した印刷物を生成する機能である。
【0045】
制御部22は、機能選択ボタン133が操作されてコピー機能が選択され、続いて、制御部22は、タッチパネル101やテンキー132が操作されてコピー条件の設定を受け付けると、受け付けたコピー条件を画像処理部20や画像形成部16に設定する。このとき、制御部22は、表示パネル111の表示領域全体に光が照射されるように、バックライト121の全LEDを点灯させて、受け付けた操作に応じた情報を表示パネル111に表示させる。そして、制御部22は、スタートボタン131の操作を受け付けると、原稿搬送部14に原稿が置かれているときには原稿を原稿台に搬送させて、画像読取り部15に原稿を移動させる。画像読取り部15は、原稿搬送部14により搬送されてきた原稿、または原稿台に置かれている原稿の画像を読み取る。画像読取り部15は、読み取った画像のデータを画像処理部20へ出力する。複合機1は、以下、プリント機能が選択されたときと同様の処理を行い、印刷物を排紙部18に排出する。
【0046】
ファックス機能は、インターネットファックス装置4またはファックス装置5と画像データを送信する機能と受信する機能である。なお、この機能は、本発明に直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
【0047】
複合機1は、印刷ジョブの実行指示を受け付けてプリントまたはコピーを実行すると、実行した印刷ジョブに関する情報を記憶部19で記憶する。記憶部19で記憶する情報としては、例えば、印刷ジョブの種類、印刷ジョブの受付番号、印刷ジョブの実行を指示したユーザ情報、印刷ジョブを実行した日時、印刷枚数、出力した用紙サイズ、印刷ジョブを受信した機器のIPアドレスなどである。
【0048】
コンピュータ2−1〜2−Nは、一般的に使用されている周知のパーソナルコンピュータと同様の構成である。そのため、これらの構成については、詳細を省略する。
【0049】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について説明する。この実施形態では、複合機1は、スタートボタン131が操作されたとき、または外部接続機器から印刷ジョブを受信したときに、バックライト121が全て点灯しているときには、バックライト121を全て消灯する。以下、複合機1の動作について、図5に示したフローチャートに基づいて詳細を説明する。
【0050】
複合機1の制御部22は、電源が投入されると、初期設定を行う。すなわち、制御部22は、記憶部19から制御プログラムを読み出して実行する。また、制御部22は、初期画面であるメニュー画面のデータを記憶部19から読み出す。そして、制御部22は、表示パネル111の表示領域全体に図4(B)または図6(H)に示すコピー設定画面を表示させる。また、制御部22は、図4(C)または図6(G)に示すように、バックライト121の全LEDを点灯させる(S1)。
【0051】
制御部22は、印刷ジョブを実行可能な状態になると、一定時間(例えば、3分)の計時を開始して、操作部13での操作の受け付けや、通信部180でのパソコン210から印刷ジョブの受信を待ち受ける(画像形成が実行されるまで待機する)(S2:N、S6:N)。
【0052】
制御部22は、一定時間が経過しても、印刷ジョブの開始操作を操作部13が受け付けていないか、または外部接続機器からの印刷ジョブを通信部21が受信していなければ(S2:Y)、バックライト121の全LEDを消灯させる(S3)(図6(A)参照)。このとき、制御部22は、図6(B)に示すように、表示パネル111における情報の表示も停止する。これにより、表示パネル111の消費電力も削減できる。
【0053】
制御部22は、コンピュータ2−1などの外部接続機器からの印刷ジョブを通信部21が受信しておらず(S4:N)、タッチ操作部10または操作部13が操作を受け付けていなければ(S5:N)、引き続き、バックライト121の全LEDを消灯させる(S3)。
【0054】
制御部22は、画像形成部16が画像形成を待機中で、かつ全LEDが消灯中のときに(S2:Y、S3、S4:N)、タッチ操作部10または操作部13が操作を受け付けると(S5:Y)、ステップS1の処理を行う。
【0055】
また、制御部22は、外部接続機器からの印刷ジョブを通信部21が受信したときには(S4:Y)、画像形成を開始し(S7)、引き続き、バックライト121の全LEDを消灯させる(S8、図7(A)参照。)。これは、外部接続機器から受信した印刷ジョブを実行するときには、ユーザは、表示部11の表示画面を確認できないので、表示が無駄だからである。これにより、バックライトの消費電力を削減できる。
【0056】
また、制御部22は、一定時間が経過したときには(S2:Y)、同様に、バックライト121の全LEDを消灯させる(S3、図7(B)参照)。
【0057】
制御部22は、バックライト121の全LEDを点灯中、一定時間が経過するまでに、コピー開始操作を操作部13で受け付けたか、または外部接続機器からの印刷ジョブを通信部21で受信すれば(S2:N,S6:Y)、画像形成部16に画像形成を開始させる(S7)。また、バックライト121の全LEDを消灯させる(S8、図7(C)参照。)。
【0058】
制御部22は、画像形成中で、バックライト121の全LEDを消灯中に、タッチ操作部10または操作部13(全消灯ボタン134と全点灯ボタン135を除く。)が操作(以下、一部点灯操作とも称する。)を受け付けると(S9:Y)、バックライト121の一部のLEDを点灯させる。また、制御部22は、この点灯によって照明される表示パネル111の部分表示領域に印刷のための情報を表示させる(S10)。
【0059】
部分表示領域に表示する情報としては、図4(D)に示すように、画面の内容を変更せずにコピー設定画面の一部(印刷枚数の部分)だけを表示させることが可能である。また、コピー設定画面とは異なる画面を表示させることが可能である。例えば、図6(D)に示すジョブ状況画面を表示させるための表示ボタン141や、図9(F)に示す実行中の印刷ジョブの進行状態がわかる情報(印刷済みの枚数や印刷ジョブの総枚数など)151を表示させるとよい。
【0060】
制御部22は、ステップS10において、一定時間の計時を開始する。
【0061】
制御部22は、ステップS10の実行後に、画像形成の終了(S11:N)、全点灯ボタンの操作またはLED122を消灯している領域(タッチパネル101)のタッチ操作(S12:N)、全消灯ボタン134の操作(S13:N)、または一定時間の経過(S14:N)のいずれも発生しておらず、操作部13において一部点灯操作もない(S9:N)場合には、ステップS9〜S14の処理を繰り返す。
【0062】
制御部22は、画像形成中に、さらに一部点灯操作があった場合には(S9:Y)、表示領域を拡大する(S10)。例えば、図6(E)に示すように、バックライト121の一部のLEDを点灯する領域、すなわち部分表示領域を拡大する。また、図6(F)に示すように、部分表示領域の拡大に伴い、表示パネル111に表示させる内容を増加させて、特定の情報を表示させる。図6(F)には、特定の情報の一例として、ジョブ状況の情報142が表示される。ジョブ状況の情報142には、画像形成部が実行する印刷ジョブの処理順の情報と、画像形成部が実行中の画像形成の進行状況を表す情報が含まれる。すなわち、画像形成部が実行する印刷ジョブの処理順の情報として、実行中の印刷ジョブと実行待ちの印刷ジョブを実行する順番が表示される。また、印刷ジョブを指示したユーザ名と、印刷ジョブの進行状態がわかる情報(印刷済みの枚数や印刷する総枚数)が表示される。
【0063】
制御部22は、画像形成中で、かつバックライト121のLEDを未点灯、または一部点灯中のときに、バックライト121を全点灯させる操作を受け付けた場合には(S12:Y)、バックライト121の全LEDを点灯させ、表示パネル111の全表示領域にコピーのデフォルト画面(図4(B)参照)を表示させて、ユーザの操作を受け付ける。また、一定時間の計時を開始する(S15)。
【0064】
なお、制御部22がバックライト121を全点灯させるのは、全点灯ボタン135の操作を受け付けたとき、またはバックライト121を一部点灯しているときに、バックライト121を点灯していない領域のタッチ操作を受け付けたときである。
【0065】
制御部22は、タッチ操作部10または操作部13の操作(S16:N)、画像形成の終了(S17:N)、または、一定時間の経過(S18:N)のいずれも発生していなければ、ステップS15〜S18の処理を繰り返す。また、制御部22は、タッチ操作部10または操作部13の操作を受け付けたときには、その操作内容を受け付ける(S15、S16:Y)。
【0066】
制御部22は、一定時間が経過した場合には(S18:Y)、制御部22は、バックライト121の全LED122を消灯させる(S8)。そして、ステップS9以降の処理を行う。
【0067】
制御部22は、画像形成部16の画像形成処理が終了したときには(S17:Y)、バックライト121の全LED122を消灯させる(S3)。そして、ステップS4以降の処理を行う。
【0068】
一方、制御部22は、ステップS10に続いて、全消灯ボタン134が操作された場合(S11:N、S12:N、S13:Y)、または第2の一定時間(5秒)が経過した場合(S14:Y)には、バックライト121の全LEDを消灯させる(S8)。そして、ステップS9以降の処理を行う。
【0069】
制御部22は、画像形成処理が終了したときには(S11:Y)、バックライト121の全LED122を消灯して(S3)、ステップS4以降の処理を行う。
【0070】
このように、複合機1では、印刷を開始すると、バックライト121の全LEDを消灯するので、バックライトの消費電力を削減できる。また、バックライトの全消灯中には、タッチ操作部10または操作部13の操作回数に応じて、バックライトの部分表示領域を拡大させるので、バックライトの消費電力が急激に増加するのを防止できる。
【0071】
なお、スタートボタン131が操作されたとき、または外部接続機器から印刷ジョブを受信したときに、バックライト121が全て点灯しているときには、バックライト121を消灯する処理は、表示パネルの表示領域全体を点灯/消灯する構成のバックライトにも適用可能である。
【0072】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この実施形態では、複合機1は、スタートボタン131が操作されたとき、または外部接続機器から印刷ジョブを受信したときに、バックライト121が全て点灯しているときには、バックライト121を徐々に消灯する。以下、複合機1の動作について、図8に示したフローチャートに基づいて詳細に説明する。なお、図5に示したフローチャートと同じ処理については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0073】
複合機1の制御部22は、電源が投入されると、第1実施形態と同様に初期設定を行い、表示パネル111の表示領域全体にコピー設定画面を表示させ、バックライト121の全LEDを点灯させる(S1)。制御部22は、ステップS1〜S7までは、図5に基づいて説明した処理と同様の処理を行う。なお、制御部22は、タッチ操作部10または操作部13が操作を受け付けると(S5:Y)、バックライト121の全LEDを点灯させる(S1)。
【0074】
制御部22は、画像形成部16に画像形成を開始させると(S7)、バックライト121の全LEDを点灯している状態から、バックライト121を徐々に(段階的に)消灯させ、最終的にバックライト121を全て消灯させる(S28)。
【0075】
まず、制御部22は、画像形成部が画像形成を開始するときに、バックライトの全てのLED122を点灯させていれば、バックライトの一部を消灯させる。また、制御部22は、一部のLED122を消灯後も点灯しているLED122によって照明される表示パネル111の部分表示領域に印刷のための情報を表示させる。
【0076】
部分表示領域には、図4(D)に示すように、画面の内容を変更せずにコピー設定画面の一部(印刷枚数の部分)だけを表示させることが可能である。また、コピー設定画面とは異なる画面を表示させることが可能である。例えば、図9(D)に示すように、ジョブ状況の情報152が表示される。ジョブ状況の情報152には、画像形成部が実行する印刷ジョブの処理順の情報と、画像形成部が実行中の画像形成の進行状況を表す情報が含まれる。すなわち、画像形成部が実行する印刷ジョブの処理順の情報として、実行中の印刷ジョブと実行待ちの印刷ジョブを実行する順番が表示される。また、印刷ジョブを指示したユーザ名と、印刷ジョブの進行状態がわかる情報(印刷済みの枚数や印刷する総枚数)が表示される。
【0077】
制御部22は、ステップS28において、部分表示領域に印刷のための情報を表示させるときに、第2の一定時間(例えば5秒)の計時を開始する。
【0078】
制御部22は、全点灯ボタン135の操作(S29:N)、画像形成処理の終了(S30:N)、第1時間の経過(S31:N)、または全消灯ボタン134の操作(S32:N)のいずれかの処理が発生していない間は、ステップS29〜S32の処理を繰り返す。
【0079】
制御部22は、全消灯ボタン134が操作された場合には(S32:Y)、バックライトの全LEDを消灯させる。そして、ステップS29以降の処理を行う。
【0080】
制御部22は、全点灯ボタン135が操作された場合には(S29:Y)、バックライトの全LEDを点灯させ、図5に基づいて説明したステップS15〜S18’の処理を行う。なお、第2の一定時間が経過した場合には(S18’:Y)、バックライト121の複数のLEDを一段階消灯する(S28)。
【0081】
制御部22は、第2の一定時間が経過したときには(S31:Y)、バックライト121の複数のLEDをさらに一段階消灯する(S28)。例えば、制御部22は、複数のLED122の一部を消灯して、図9(C)に示す状態から図9(E)に示す状態に変更する。また、表示パネル111には、図9(D)に示す印刷ジョブの状況を示す画面から、図9(F)に示す現在実行中の印刷ジョブの進行状態がわかる情報(実行中の印刷ジョブにおける印刷済みの枚数と、印刷する全枚数の情報)を表示する。
【0082】
また、制御部22は、ステップS29〜S32の処理を繰り返し、さらに一定時間が経過したときには(S31:Y)、バックライト121の複数のLEDをさらに一段階消灯する(S28)。例えば、制御部22は、複数のLED122の一部をさらに消灯して、図9(E)に示す状態から図9(G)に示す状態(全LEDを消灯)に変更する。なお、制御部22は、LEDが全消灯させたときには、さらに一定時間が経過してもバックライト121の全LEDを消灯したままにする。複合機1が画像形成を行っているときに、ユーザが確認したい情報は、通常、現在実行中の印刷ジョブの進行状態の情報であることが多い。そこで、上記のように、図9(D)と、図9(F)に示したように、バックライト121の全LED122が消灯されるまで、現在実行中の印刷ジョブの進行状態の情報を表示させることで、ユーザは必要な情報を操作部の操作無しで取得できる。
【0083】
制御部22は、全消灯ボタン134の操作を受け付けたときには(S32:Y)、バックライト121の全LED122を消灯して(S33)、ステップS29以降の処理を行う。
【0084】
制御部22は、画像形成処理が終了したときには(S30:Y)、バックライト121の全LED122を消灯して(S3)、ステップS4以降の処理を行う。
【0085】
このように、複合機1では、印刷を開始すると、バックライト121を構成する複数のLED122を徐々に消灯するので、バックライトの消費電力を削減できる。
【符号の説明】
【0086】
1…複合機(画像形成装置) 2−1〜2−N,3…コンピュータ 4…インターネットファックス装置 5…ファックス装置 6…LAN 7…インターネット網 8…公衆電話回線網 9…パネルユニット 10…タッチ操作部 11…表示部 12…照明部 13…操作部 14…原稿搬送部 16…画像形成部 17…給紙部 18…排紙部 19…記憶部 20…画像処理部 21…通信部(受信部) 22…制御部 100…画像形成システム 101…タッチパネル 110…パネルユニット 111…表示パネル 121…バックライト 121…バックライトユニット 131…スタートボタン 132…テンキー 133…機能選択ボタン 134…全消灯ボタン 135…全点灯ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作を受け付ける操作部と、
外部接続機器から印刷ジョブのデータを受信する受信部と、
前記操作部が印刷ジョブの開始操作を受け付けたとき、または前記受信部が印刷ジョブのデータを受信したときに、印刷ジョブに基づいて画像形成を開始する画像形成部と、
印刷のための各種情報を表示領域に表示するための表示部と、
前記表示部をその背部から照明する照明部と、
前記画像形成部が画像形成を開始するときに、前記照明部が点灯していれば、前記照明部を消灯させる制御部と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記画像形成部が画像形成を実行中で、かつ前記照明部が消灯中のときに、前記操作部が操作を受け付けると、前記照明部の一部を点灯させ、
この点灯によって照明される部分表示領域に前記情報が表示される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記表示部の表示領域の表示内容を制御する機能を備え、
前記部分表示領域に特定の情報を表示させる、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示部の前部に設置され、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチ操作部を備え、
前記制御部は、
前記表示部の表示領域の表示内容を制御する機能を備え、
前記部分表示領域に表示ボタンを表示させ、
前記タッチ操作部が前記表示ボタンのタッチ操作を受け付けると、前記部分表示領域に特定の情報を表示させる、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記特定の情報は、前記画像形成部が実行中の画像形成の進行状況を表す情報である、請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記特定の情報は、前記画像形成部が実行する印刷ジョブの処理順の情報である、請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記画像形成部が画像形成を実行中で、かつ前記照明部が一部点灯中のときに、前記操作部または前記タッチ操作部が特定の操作を受け付けると、前記照明部を全て点灯させる、請求項4乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記画像形成部が画像形成を終了したときに、前記照明部が一部点灯中であれば、前記照明部を全て消灯させる、請求項2乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記画像形成部が画像形成を待機中で、かつ前記照明部が全て消灯中のときに、前記操作部または前記タッチ操作部が操作を受け付けると、前記照明部を全て点灯させる、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記操作部は、前記照明部を全て消灯させる消灯ボタンを備えた、請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図6】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−103394(P2013−103394A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248230(P2011−248230)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】