説明

画像形成装置

【課題】部品点数の増加や複雑化を招くことなく、既存構成部材を利用して内部に配置されている機器の保守作業性を損ねることなく効果的な排熱が可能となる構成を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100の筐体100Bに装備されている駆動モータMなどを備えた駆動ユニット2001と画像形成装置100の外装面との間に配置される電装ユニット2000の駆動ユニット2001と対向する面に、駆動モータMと対向する熱気取り込み口2002Aと駆動モータMから離れた位置の排気口1001Bとを備えたダクト2002を設け、電装ユニットの一面をダクト2002で構成することにより電装ユニット2000を開閉自在とした場合に電装ユニット2000と共にダクト2002を開放できるようにして筐体奥側に位置する駆動モータMを外部に露呈させる構成としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、さらに詳しくは装置内での排熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やファクシミリ装置あるいはプリンタや印刷機などにおいて電子写真方式を用いる画像形成装置においては、紙などの記録媒体上に転写されて担持されている未定着トナーからなる未定着画像を定着して複写物や印刷出力を得るようになっている。
【0003】
一方、作像部の構成としては、複数色の画像形成を行う場合を対象として説明すると、潜像担持体である感光体およびこれに対して画像形成処理を行うための帯電装置、現像装置およびクリーニング装置を纏めて収納したプロセスカートリッジを用いることが知られている。
【0004】
プロセスカートリッジは、画像形成装置の本体として用いられる筐体に対して着脱可能に設けられ、部品や現像剤の交換あるいは保守点検の際に筐体内から取り出されるようになっている。
【0005】
画像形成装置の内部には、上述したプロセスカートリッジの感光体や現像装置の駆動用、各作像部で形成された画像を転写するために用いられる転写装置の駆動用、さらに記録用紙などに転写された画像を定着する定着装置の駆動用、また、記録用紙の搬送装置の駆動用として、駆動モータが用いられている。
これら駆動モータは発熱源となる部材である。このため、駆動モータで発生した熱をそのままにしておくと、プロセスカートリッジ内の現像装置に収容されている現像剤の変質やプロセスカートリッジ周辺部での過熱の原因となる虞がある。
【0006】
そこで、駆動モータや定着装置などの発熱原近傍から装置外部に連通する排熱ダクトを設け、ファンなどの強制送風手段を用いて熱源からの熱を装置外部に排出する構成がよく知られている。
しかし、この構成では、筐体内外にダクトが配回されることになり、結果として、筐体内部の空間容積の増加による装置の大型化を招く。
【0007】
このような構成に対し、装置本体を構成する筐体の一方面に駆動モータの一部が設けられていることを利用して、その駆動モータの一部が取り付けられる板状部材を筐体の外側面に設け、板状部材には、排気ファンを配置し、駆動モータ側を排熱取り込み側とすると、筐体底部に排熱排出口を設けた構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0008】
ところで、上述した電装基板のなかには、駆動源の駆動制御のためのコントロール基板などの電装基板も含まれており、駆動モータを対象とする場合には、駆動モータの近傍に電装基板が配置されて保守の際の便宜が図られている。
電装基板では、多くの発熱素子を含む場合もあり、上述した駆動源とは別の発熱源となる。
【0009】
そこで、電装基板を対象とした排熱構造として、保守頻度の低い電装基板を収容して上面に多数の排熱口が設けられた弁当箱状の内側ブラケットと、保守頻度が高くブラケットの開口面側に設けられてその開口面積よりも小さい面積を有する電装基板を取り付けた外側ブラケットとを備え、内側ブラケットは筐体壁面に対して開閉可能に、そして外側ブラケットは内側ブラケットに対して開閉可能にそれぞれ設け、内側ブラケットには、ダクトを構成する対向した放熱板と放熱板の下方にファンを配置した構成が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0010】
特許文献2に開示された構成では、電装基板の保守時にはブラケットの開閉動作を行うだけで電装基板の露呈が可能となると共に、電装基板からの発生した熱を放熱板により構成されたダクトとファンとによりブラケット外の空間に排出するようになっている。
また、電装基板の排熱に関しては、上述したブラケットに代えて専用の排熱ダクトを設けた構成も提案されている(例えば、特許文献3)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
駆動モータを対象とした排熱構造が開示されている特許文献1の構成では、駆動モータの保守が必要となった場合、駆動モータが支持されている板状部材を取り外さなければならない。このため、保守作業の際の分解組み付けが面倒となる虞がある。しかも、特許文献1に開示されている構成には、板状部材と電装基板との間にインナーカバーを配置することにより駆動モータなどから発生する騒音を遮断する構成となっている。
このため、駆動モータの保守に際しては、上述した板状部材の他にインナーカバーの取り外し、組み付けも必要となることから保守作業性が悪い。
【0012】
一方、特許文献2,3に開示されている構成では、駆動モータとは関係のない電装基板の排熱が対象となっていることから、駆動モータの排熱に関する構成は考慮されていない。しかも、電装基板の排熱のための構成部材として内側および外側ブラケットという特別な部材を設ける必要があり、部品点数の増加は否めない。
【0013】
本発明の目的は、上記従来の画像形成装置における排熱機構における問題に鑑み、部品点数の増加や複雑化を招くことなく、既存構成部材を利用して内部に配置されている機器の保守作業性を損ねることなく効果的な排熱が可能となる構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的を達成するため、本発明は、装置本体を構成する筐体内に配置された作像部の駆動源として用いられる駆動モータを該筐体における一つの面により支持し、該駆動モータの支持面外側に装置本体の外装面が位置する構造を備えた画像形成装置において、
前記駆動モータを支持する筐体の一面と前記外装面との間には、該筐体により開閉可能に支持されて前記外装面をなす表面を備えた電装ユニットが設けられ、
前記電装ユニットには、電装基板が設けられると共に、前記外装面と反対側で前記駆動モータおよびまたは前記電装基板と対向する面に、前記駆動モータおよびまたは前記電装基板に対向する位置および該駆動モータおよびまたは前記電装基板と対向する位置から離れた位置にそれぞれ開口を有するダクトと、前記駆動モータおよびまたは前記電装基板と離れた位置の開口近傍に位置決めされた排気ファンとが設けられていることを特徴とする画像形成装置にある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、予め設けられることが多い電装ユニットの一面を利用して駆動ローラからの熱を排出できるダクトおよび排気ファンを設けているので、既存構造品として用いられる電装ユニットを用いるだけで特別な排熱構造を付け加えることなく熱を排出することができる。
しかも、電装ユニットが筐体に対して開閉可能に支持されているので、電装ユニットよりも奥側に駆動モータが位置している場合には、その駆動モータを保守する際に電装ユニットの開放操作のみでダクトも駆動モータと対向する位置から退避することになるので、ダクトの取り外しなどの作業を要しないで済む。
これにより、保守作業の際に保守以外のダクトの取り外しや組み付け等の作業が必要となる場合と違って、保守作業性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態にかかる画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した装置内に用いられるプロセスカートリッジの構成を説明するための図である。
【図3】図1に示した画像形成装置の外装パネルを取り外して電装ユニットのみを残して示した外観図である。
【図4】図3に示した電装ユニットの開放状態を示す外観図である。
【図5】図3に示した電装ユニットを取り外した筐体部を示す外観図である。
【図6】図1に示した画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジを含む周辺部を示す外観図である。
【図7】図3に示した電装ユニットの一面を示す外観図である。
【図8】図7に示した電装ユニットの側面図である。
【図9】図7に示した電装ユニットの一面に設けられる排熱ダクトの構成を説明するための斜視図である。
【図10】図4に示した電装ユニットと図9に示した排熱ダクトを示す外観図である。
【図11】画像形成装置の外観図である。
【図12】図11に示した画像形成装置における一部を取り除いた状態で排熱ダクトの一部を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面により本発明を実施するための形態について説明する。
図1において、画像形成装置100には、本体内に中間転写ユニット101における未定着像担持体としての中間転写ベルト80の下面に対向して、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Bkが並設されている。
これらの作像部6Y、6M、6C、6Bk、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外は同一構造である。
【0018】
各作像部6Y、6M、6C、6Bkは、潜像担持体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkと、感光体ドラム1の周囲に配設された図示しない帯電手段、現像装置5Y、5M、5C、5Bk、図示しないクリーニング手段等で構成されている。
【0019】
感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上で、作像プロセスとして、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程が順次行われ、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に所望のトナー像が形成される。
帯電工程では、感光体ドラム1が、図示しない駆動部によって図中、時計回り方向に回転駆動され、帯電手段の位置で表面が一様に帯電される。
露光工程では、感光体ドラム1の表面が、露光書き込み部LBから発せられたレーザ光の照射位置に達すると、この位置での露光走査されることにより静電潜像を上記表面に形成される。
現像工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、現像装置5Y、5M、5C、5Bkとの対向位置に達し、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される。
【0020】
転写工程は、転写装置1001に装備されている中間転写ベルト80に対して順次画像を重ねて転写する1次転写工程と、重畳された画像を記録媒体としての転写紙Pに一括転写する2次転写工程とが用いられ、1次転写工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、中間転写ベルト80及び1次転写バイアスローラ90Y,90M,90C,90Bkとの対向位置に達すると、この位置で感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上のトナー像が中間転写ベルト80上に転写される。
【0021】
2次転写工程では、後述するように、2次転写手段としての2次転写ローラ190により中間転写ベルト80上の重畳画像が転写紙Pに対して一括転写される。
1次転写後に実行されるクリーニング工程では、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面が、図2において示すクリーニング装置10との対向位置に達すると、この位置で感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に残存した未転写トナーが回収される。クリーニング後、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkの表面は図示しない除電ローラにより電位を初期化される。このような工程を経て、感光体ドラム1上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
【0022】
上述した作像プロセスは、図1に示すように、4つの作像部6Y、6M、6C、6Bkにおいてそれぞれ行われる。すなわち、作像部の下方に配設された露光書き込み部LBから、画像情報に基づいたレーザ光が、各作像部6Y、6M、6C、6Bkの感光体ドラム1上に向けて照射される。その後、現像工程を経て各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト80上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト80上にカラー画像が形成される。
【0023】
4つの1次転写バイアスローラ90Y、90M、90C、90Bkは、それぞれ、中間転写ベルト80を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ90Y、90M、90C、90Bkにはトナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト80は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ90Y、90M、90C、90Bkの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上の各色のトナー像が、中間転写ベルト80上に重ねて1次転写される。
【0024】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト80は、2次転写手段としての2次転写ローラ190との対向位置に達する。中間転写ベルト80上に担持されているカラートナー像は、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体としての転写紙P上に転写される。このような手順を経て一連の転写プロセスが終了する。
【0025】
画像形成装置100の本体(以下、便宜上、装置本体100ともいう)の下部に配設された給紙部260には転写紙Pが複数枚重ねて収納されており、給紙コロ270により1枚ずつ分離されて給紙される。
給紙された転写紙Pはレジストローラ対280で一旦停止され、斜めずれを修正された後レジストローラ対280により所定のタイミングで2次転写ニップに向けて搬送される。そして、2次転写ニップにおいて転写紙P上に、中間転写ベルト80に担持されている画像が一括転写され、中間転写ベルト80上の画像が色毎の重畳画像である場合には所望のカラー画像が転写される。
【0026】
2次転写ニップの位置でカラー画像を転写された転写紙Pは、定着部110へ搬送され、ここで、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像を定着される。
定着を終えた転写紙Pは、排紙ローラ対290により、装置本体上面に形成された排紙部300へ出力画像として排出され、スタックされる。こうして、画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。図1において、符号320は読み取り部を示している。
【0027】
各色の画像形成を行う作像部6Y、6M、6C、6Bkには、図2に示す構成を備えたプロセスカートリッジ102が用いられている。
プロセスカートリッジ102は、装置本体100に対して着脱可能なユニットで構成されており、内部には、画像形成処理に用いられる感光体ドラム(便宜上、符号1で示す)が配置されている。
感光体ドラム1の周囲には、図示矢印方向に沿って画像形成処理工程を実行するための帯電装置7、書き込み装置(便宜上、書き込み光を符号Lで示す)、現像装置5、クリーニング装置10が配置されている。
帯電装置7は、感光体ドラム1に近接して回転可能な帯電ローラが用いられ、またクリーニング装置10には、転写後の感光体ドラム1から残留トナーを掻き取るクリーニングブレード10Aおよび感光体ドラム1の摩擦係数低減のための潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置10Bが設けられている。なお、図2において符号7Aは、帯電ローラのクリーニングを行うクリーニングローラを示している。
【0028】
図2において、現像装置5は、現像剤を収容可能な空間を有する現像槽50の内部に配置された現像スリーブ5A、上下に配置されて現像槽50に設けられた仕切り部50Aにより隔絶された空間内に配置されている第1,第2の現像剤搬送部材51,52と、現像スリーブ5Aの下周面に対向して配置された層厚規定用のドクターブレード53とを備えている。
【0029】
現像スリーブ5Aは、詳細を図示しないが、周方向に沿って複数の磁極を設けたマグネットローラの外周囲において回転可能に設けられたスリーブで構成されている。マグネットローラに設けられた各磁極は、N,S極の配置系列に応じた磁力線を生成するようになっており、磁力線に沿って形成された磁気ブラシ中のキャリアがスリーブの回転に伴いスリーブ周面上を転動するようになっている。
【0030】
以上のような構成の画像形成装置を対象として、本実施形態での特徴を説明すると次の通りである。
図3は、画像形成装置100において図11に示すように、図1に示した読み取り部320および外装パネル100Aが取り付けられている状態から、読み取り部320および外装パネル100Aの一部を取り除いて装置本体を構成する筐体100Bを示す図である。
【0031】
同図において、筐体100Bの内部には、図2に示すプロセスカートリッジ102が複数並置されるスペースが設けられており、プロセスカートリッジ102の長手方向一方側には、画像形成装置100の外装パネル100Aと同一面上に位置して装置の外装面の一部をなす表面2000Hを有する電装ユニット2000が設けられている。このため、電装ユニット2000は、画像形成装置100における筐体100Bの一面と外装パネル100Aとの間に配置されていることになる。
【0032】
電装ユニット2000は、筐体100Bにより図4に示すように開閉可能に支持されており、開放した際には、図5以降の図において説明する駆動モータ(便宜上、符号Mで示す)を支持する駆動ユニット2001を外部に露呈できるようになっている。
【0033】
図5は、電装ユニット2000を取り除いた状態の筐体を示す図であり、同図において、筐体の一つの面、詳しくは、電装ユニット2000と対向する側の壁面には、駆動モータMが上述した駆動ユニット2001を介して取り付けられている。
【0034】
駆動ユニット2001は、図6に示すように、複数のプロセスカートリッジ102の長手方向一方側を纏めて支持するブラケットで構成され、外側面には駆動モータMおよび電装基板(便宜上、符号PCBと表示する)が設けられている。
【0035】
一方、筐体100Bにおける駆動ユニット支持面と画像形成装置100の外装面、つまり外装パネル100Aの位置との間に設けられている電装ユニット2000は、その構成が図7に示されている。
図7において電装ユニット2000は、図8に示すように駆動ユニット2001に支持されている駆動モータMや電装基板PCBと対向する面にダクト2002が設けられている。
【0036】
ダクト2002は、駆動モータMや電装基板PCBと対向する位置および駆動モータMや電装基板PCBから離れた位置、図8に示すように、電装ユニット2000の上方とに連通する空間を有する筐体で構成されている。
【0037】
図9は、ダクト2002の内部構造を示すと共にダクト2002の設置位置を模式的に示す図であり、同図において、ダクト2002は、電装ユニット2000の外表面と対向する面を開放され、駆動モータMや電装基板PCBと対向する位置が、これら各部材の全てあるいは大半を覆うことができる広がりを有した熱気取り込み部2002Aとされ、駆動モータMや電装基板PCBから離れた位置が、熱気取り込み部2002Aから連続する空間を絞った排気部2002Bとされている。従って、ダクト2002内は、熱気取り込み口2002A側から取り込まれた空気が排気口2002B側にて集約されて流れることになる。
【0038】
ダクト2002の内部には、熱気取り込み部2002Aにおいて排熱を要する各部材を対象とした流路R1,R2,R3が形成されており、各流路R1,R2,R3は複数の仕切り部材2002Cによって区切られている。
ダクト2002は、筐体側の駆動ユニット2001と対向する電装ユニット2000の外表面に取り付けられることにより、電装ユニット2000の外壁の一部を構成し、熱気取り込み部2002Aおよび排気部2002Bの位置がそれぞれ開口を構成している。従って、熱気取り込み部2002Aは取り込み口に相当し、排気部2002Bは排気口に相当している。
ダクト2002は、電装ユニット2000の壁面に沿って設けられているので、排気口2002Bには、空気の流動方向を壁面に平行する方向から後述する外装パネル320A側のラス穴320A1に向けて方向を切り換えるためのエルボ部材2004が取り付けられている。
【0039】
これら各流路R1,R2,R3は、排気部2002Bの近傍で仕切り部材2002Cが欠損されて合流しており、合流位置、つまり排気口2002B近傍には、流路R1,R2,R3の内部に取り込んだ熱気を外部に排出可能な排気ファン2003が設けられている。
【0040】
ダクト2002は、開放されている一面の壁部に設けられた複数のネジ挿通フランジ2002Dおよび係止爪2002Eを電装ユニット2000側の対応部に締結および係合することで取り付けられるようになっている。
【0041】
ダクト2002は、筐体側の駆動ユニット2001に対向する電装ユニット2000の外表面の一部を構成しており、電装ユニット2000側に対向する面が開放されているので、電装ユニット2000内での電装部品が発熱した場合に発生する外表面での熱気を駆動ユニット2002側からの熱気と共に外部に排出することもできるようになっている。従って、電装ユニット2000の一面をダクト2002の設置部とすることで、本来の機能である駆動ユニット2002からの熱気の排出に加えて、設置部である電装ユニット2000の放熱という機能を併せ持たせることができる。
【0042】
ダクト2002は、電装ユニット2000の一面に一体化されているので、図10に示すように、筐体100Bに対して開閉自在に支持されている電装ユニット2000が開放されると、筐体100B側には残らないようになっている。これにより、筐体100B側に位置する駆動ユニット2001あるいはその近傍の部材を対象とした保守時には、電装ユニット2000を開放するだけで必要な箇所を外部に露呈させることができる。
【0043】
ダクト2002に設けられている排気口2002Bは、電装ユニット2000の上方に位置決めされているが、その位置は、図11,12に示すように、筐体100Bにおける読み取り部320(図1参照)が設けられるフレームに取り付けられる外装パネル320Aに対応させてある。なお、図11は、外装パネル320Aを取り除いた状態を示している。
外装パネル320Aには、排気のためのラス穴(複数の長穴)320A1が設けられ、外部とダクト2002内とが連通している。
【0044】
以上の構成においては、筐体内で外装面よりも奥まった位置に設けられている駆動モータMの熱を排出するための構成として、排熱流路を構成するダクト2002を用いるが、ダクト2002は、画像形成装置内の既存構成として用いられる電装ユニット2000に設けられている。これにより、電装ユニット2000の一部が駆動モータMの排熱部として用いられることになるので、筐体内に予め駆動モータ専用の排熱構造を設ける必要がない。従って、電装ユニット2000の一面が排熱部としてのダクト2002を構成していることになるので、排熱ダクトを改めて設けた場合と違って、部品点数の低減や省スペース化が図れる。
【0045】
しかも、ダクト2002は、電装ユニット2000における駆動モータMと対向する面に設けられて電装ユニット2000の一面を構成しているので、駆動モータMをはじめとする筐体奥部の保守点検時などには、電装ユニット2000を開放することでダクト2002も一緒に電装ユニット2000の開放方向に退避するので、保守点検の際の邪魔にならないようにできる。
【0046】
ダクト2002には、発熱源となる位置に対応して流路R1,R2,R3が区切られて設けられているので、発熱源からの熱気を一括して取り込む場合と違って、排気ファン2003による吸気を各発熱源に有効に作用させることができるので、一括して取り込む場合のような、発熱原間で熱気の取り込みが不均衡となる虞がない。
【0047】
なお、上記形態においては、電装ユニット2000の支持構造として開閉可能に設けた構造を対象としたが、これに変えて、着脱可能な支持構造とすることも可能である。
また、排気ファン2003は、一定した回転数による流量設定の形式に限らず、空気の集約位置での温度あるいは発熱原側での温度を検知して回転数を変化させる形式を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0048】
100 画像形成装置
100B 筐体
2000 電装ユニット
2001 排気ファン
2002 ダクト
2002A 熱気取り込み口
2002B 排気口
2002C 仕切り部材
2003 排気ファン
R1,R2,R3 流路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】特開2008−83305号公報
【特許文献2】特開平7−129061号公報
【特許文献3】特開2005−84235号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体を構成する筐体内に配置された作像部の駆動源として用いられる駆動モータを該筐体における一つの面により支持し、該駆動モータの支持面外側に装置本体の外装面が位置する構造を備えた画像形成装置において、
前記駆動モータを支持する筐体の一面と前記外装面との間には、該筐体により開閉可能に支持されて前記外装面をなす表面を備えた電装ユニットが設けられ、
前記電装ユニットには、電装基板が設けられると共に、前記外装面と反対側で前記駆動モータおよびまたは前記電装基板と対向する面に、前記駆動モータおよびまたは前記電装基板に対向する位置および該駆動モータおよびまたは前記電装基板と対向する位置から離れた位置にそれぞれ開口を有するダクトと、前記駆動モータおよびまたは前記電装基板と離れた位置の開口近傍に位置決めされた排気ファンとが設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ダクトにおける前駆動モータおよびまたは前記電装基板と対向する位置の開口は、該駆動モータおよびまたは前記電装基板の全てもしくは大半を覆うことができる大きさに形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ダクトにおける前記駆動モータから離れた位置の開口は、前記電装ユニットの上方に位置決めされていることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ダクトは、前記電装ユニットにおける前記駆動モータを支持する筐体と対向する面の一部が用いられることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ダクトは、前記両方の開口同士の間に前記駆動モータおよびまたは前記電装基板の設置位置に対応して仕切られた流路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記流路は、前記駆動モータおよびまたは前記電装基板と対向する位置から取り込まれて前記排気ファンに向けた空気の流れを集約する案内部が設けられていることを特徴とする1または5記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−104885(P2013−104885A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246333(P2011−246333)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】