説明

画像形成装置

【課題】対のローラを離間させる離間部材を備える構成において、対のローラの間から退避した離間部材を退避位置に維持する。
【解決手段】画像形成装置は、従動ローラ92と駆動ローラ91との間で用紙を搬送する対のローラと、従動ローラ92を駆動ローラ91から離間させる離間位置と、従動ローラ92が駆動ローラ91に接触可能となる退避位置との間で回動可能に支持された離間部材(離間ギヤ部130)と、対のローラの回転によって離間部材を離間位置から退避位置に回動させる解除ギヤ93と、離間部材を所定の位置に維持する維持部材とを備える。維持部材は、離間部材と一体に回動するカム部120と、カム部120に押圧される押圧アーム65Aを有するトーションバネ65とを有する。カム部120は、離間部材が退避位置にあるときに押圧アーム65Aが係合することで離間部材を退避位置に維持する退避位置維持係合部122を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録シートを搬送する対のローラを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタなどの画像形成装置には、例えば、感光体ドラムと転写ローラ、対のレジストローラ、対の搬送ローラなど、記録シートを搬送するための対のローラ(ローラ状の部材)が設けられている。このようなローラは、搬送力を生むために、一方のローラが他方のローラに付勢されている。
【0003】
ところで、出荷された画像形成装置がユーザのもとに届くまでに、画像形成装置が長期間、高温環境下などに置かれた場合、圧接している対のローラの表面にへこみなどの圧痕が生じる可能性がある。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、一方のローラの軸に、外周面に突起が設けられたリング部材を回転自在な状態で遊嵌し、装置を長期間稼働させないときには、突起を他方のローラの端部に当接させて、対のローラを離間させる構成が開示されている。これによれば、ローラの表面に圧痕が生じることを防ぐことができる。
【0005】
そして、特許文献1の画像形成装置は、使用時に他方のローラが回転を開始すると、リング部材が回転し、リング部材の突起が他方のローラから離れることで、一方のローラが他方のローラに圧接されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−320537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記した従来技術では、突起が他方のローラから離れたリング部材は、特にその位置が規制されていないため、自由に回転することができ、突起が再び他方のローラに干渉するおそれがある。また、一方のローラと他方のローラを離間させる際には、一方のローラを離間させつつ、リング部材を回転させ、突起を一方のローラの軸と他方のローラの端部との間に配置する必要があるので、一方のローラと他方のローラを離間させた状態に組み付けることが容易ではないという問題がある。
【0008】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、一方のローラと他方のローラを離間させる離間部材を備える構成において、一方のローラと他方のローラの間から退避した離間部材を退避位置に維持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。また、本発明は、一方のローラと他方のローラを離間させた状態に簡単に組み付けることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、一方のローラと他方のローラとの間で記録シートを搬送する対のローラと、第1付勢部材と、離間部材と、解除部材と、維持部材とを備えている。
対のローラは、一方のローラが他方のローラに対して近接離間する方向に移動可能に支持されている。
第1付勢部材は、一方のローラを他方のローラに向けて付勢する。
離間部材は、一方のローラを第1付勢部材の付勢力に抗して他方のローラから離間させる離間位置と、一方のローラが第1付勢部材の付勢力により他方のローラに接触可能となる退避位置との間で回動可能に支持されている。
解除部材は、対のローラの回転によって離間部材を離間位置から退避位置に回動させる。
維持部材は、離間部材を所定の位置に維持する。そして、維持部材は、離間部材と一体に回動する回転体と、回転体に押圧される押圧部を有する第2付勢部材とを有している。
回転体は、離間部材が退避位置にあるときに押圧部が係合することで離間部材を退避位置に維持する退避位置維持係合部を有する。
【0010】
これによれば、維持部材の回転体が、離間部材が退避位置にあるときに押圧部が係合することで離間部材を退避位置に維持する退避位置維持係合部を有するので、対のローラ(一方のローラと他方のローラ)の間から退避した離間部材を退避位置に維持することができる。
【0011】
前記した画像形成装置において、回転体は、離間部材が離間位置にあるときに押圧部が係合することで離間部材を離間位置に維持する離間位置維持係合部を有することが好ましい。
【0012】
これによれば、離間部材を離間位置にも維持することができるので、画像形成装置の運搬中などに離間部材が外れて、対のローラ(一方のローラと他方のローラ)が圧接してしまうことを防止することができる。
【0013】
前記した各画像形成装置において、離間部材は、一方のローラの軸受と一体に形成されていることが好ましい。
【0014】
これによれば、離間部材を一方のローラの軸に対して回動可能に支持することができるとともに、離間部材と軸受とを別部品として備える構成と比較して、部品点数の削減や軸方向における装置の小型化を図ることができる。
【0015】
前記した各画像形成装置において、第2付勢部材は、第1付勢部材を兼ねることが好ましい。
【0016】
これによれば、同一の部品で、一方のローラを他方のローラに向けて付勢しつつ、離間部材を退避位置に維持することができる。また、部品点数の削減を図ることができる。
【0017】
また、前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、第1のフレームと、第1のフレームに着脱可能に装着される第2のフレームと、一方のローラと他方のローラとの間で記録シートを搬送する対のローラと、第1のフレームに設けられる解除部材と、第2のフレームに設けられる第1付勢部材、離間部材および維持部材とを備えている。
対のローラは、第2のフレームに支持された一方のローラが第1のフレームに支持された他方のローラに対して近接離間する方向に移動可能である。
第1付勢部材は、一方のローラを他方のローラに向けて付勢する。
離間部材は、一方のローラを第1付勢部材の付勢力に抗して他方のローラから離間させる方向に移動させる離間位置と、一方のローラが第1付勢部材の付勢力により他方のローラに接触可能となる退避位置との間で移動可能に支持されている。
解除部材は、対のローラの回転によって離間部材を離間位置から退避位置に移動させる。
維持部材は、第1のフレームに第2のフレームを装着するときに、離間部材を離間位置に維持する。
【0018】
これによれば、離間部材が維持部材により離間位置に維持されることで、一方のローラが他方のローラと接触しない位置に維持されるので、第2フレームを第1フレームに装着することで、一方のローラと他方のローラを離間させた状態に簡単に組み付けることができる。
【0019】
前記した画像形成装置において、離間部材は、回動可能に支持され、維持部材は、離間部材と一体に回動する回転体と、回転体に押圧される押圧部を有する第2付勢部材とを有する構成とすることができる。
そして、回転体は、押圧部が係合することで離間部材を離間位置に維持する離間位置維持係合部を有することが好ましい。
【0020】
これによれば、第2付勢部材の押圧部が、回転体の離間位置維持係合部に係合することにより、回転体とともに回動可能な離間部材をある程度強固に離間位置に維持することができる。これにより、第2フレームを第1フレームに装着する際に離間部材が回動することを抑制できるので、離間部材を離間位置に維持したまま第2フレームを第1フレームに装着することが可能となる。
【0021】
前記した画像形成装置において、第2付勢部材は、第1付勢部材を兼ねることが好ましい。
【0022】
これによれば、同一の部品で、一方のローラを他方のローラに向けて付勢しつつ、離間部材を離間位置に維持することができる。また、部品点数の削減を図ることができる。
【0023】
また、第1フレームと第2フレームを備える画像形成装置において、離間部材は、回動可能に支持され、維持部材は、少なくとも第1のフレームに第2のフレームを装着するときに、離間位置にある離間部材が当接することで離間部材の回動を規制して離間位置に維持する、固定されたストッパを有する構成とすることができる。
【0024】
これによれば、ストッパによって、第2フレームを第1フレームに装着する際の離間部材の回動が抑制されるので、離間部材を離間位置に維持したまま第2フレームを第1フレームに装着することが可能となる。
【0025】
また、第1フレームと第2フレームを備える画像形成装置において、離間部材は、一方のローラの回転軸に対して回動可能に支持され、解除部材は、他方のローラと一体回転するように設けられ、離間部材と解除部材は、離間部材が離間位置にあるときに接触して他方のローラの回転駆動力を伝達可能とし、離間部材が退避位置にあるときに離間して他方のローラの回転駆動力を伝達不能に構成することができる。
【0026】
これによれば、対のローラの回転によって離間部材を離間位置から退避位置に移動させることが可能となるため、対のローラを簡単に接触させることが可能となる。また、離間部材が退避位置にあるときには他方のローラの回転駆動力が離間部材に伝達されないので、離間部材の回動を抑えることができる。
【0027】
前記した画像形成装置において、離間部材は、一方のローラの軸受と一体に形成されていることが好ましい。
【0028】
これによれば、離間部材を一方のローラの軸に対して回動可能に支持することができるとともに、離間部材と軸受とを別部品として備える構成と比較して、部品点数の削減や軸方向における装置の小型化を図ることができる。
【0029】
前記した回転体を有する画像形成装置において、回転体は、周面に、離間位置維持係合部とは別個に設けられ、離間部材が退避位置にあるときに押圧部が係合することで離間部材を退避位置に維持する退避位置維持係合部を有する構成とすることができる。
この場合、回転体は、押圧部により退避位置維持係合部の端部が押圧されることで、離間部材を退避位置に回動させるように構成されていることが好ましい。
【0030】
これによれば、押圧部が回転体の退避位置維持係合部に係合することにより、回転体とともに回動可能な離間部材をある程度強固に退避位置に維持することができ、対のローラが接触した後の離間部材と他方のローラとの干渉を抑制することができる。また、押圧部によって退避位置維持係合部の端部が押圧されることで回転体が回動するので、離間部材を確実に退避位置に回動させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、対のローラ(一方のローラと他方のローラ)の間から退避した離間部材を退避位置に維持することができる。また、一方のローラと他方のローラを離間させた状態に簡単に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの概略構成を示す図である。
【図2】プロセスカートリッジを着脱するときの状態を示す図である。
【図3】レジストローラ周辺の構成を示す図1のX−X断面図である。
【図4】図3のY方向から見た従動ローラの支持構造を示す図である。
【図5】離間ギヤ部が離間位置にあるときのレジストローラ周辺の構成を示す側面図である。
【図6】離間ギヤ部が離間位置から退避位置へ回動する途中のレジストローラ周辺の構成を示す側面図である。
【図7】離間ギヤ部が退避位置にあるときのレジストローラ周辺の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず、実施形態に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1の概略構成を説明し、その後に、本発明の特徴部分に係るレーザプリンタ1の詳細な構成について説明する。
【0034】
また、以下の説明において、方向は、レーザプリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0035】
<レーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、レーザプリンタ1は、第1のフレームの一例としての本体筐体2と、記録シートの一例としての用紙Sを供給する給紙部3と、露光装置4と、用紙S上にトナー像(現像剤像)を転写するプロセスカートリッジ5と、用紙S上のトナー像を熱定着する定着装置8とを主に備えている。
【0036】
給紙部3は、本体筐体2内の下部に設けられ、給紙トレイ31と、用紙押圧板32と、給紙機構33と、レジストローラ90とを主に備えている。給紙トレイ31に収容された用紙Sは、用紙押圧板32によって上方に寄せられ、給紙機構33によってプロセスカートリッジ5に向けて供給され、レジストローラ90を通って感光体ドラム61と転写ローラ63との間に搬送される。
【0037】
露光装置4は、本体筐体2内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部や、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。この露光装置4では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)が、感光体ドラム61の表面で高速走査されることで、感光体ドラム61の表面を露光する。
【0038】
プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置され、本体筐体2に設けられたフロントカバー21を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱可能に装着される構成となっている(図2参照)。このプロセスカートリッジ5は、ドラムユニット6と、現像ユニット7とから構成されている。
【0039】
ドラムユニット6は、第2のフレームの一例としてのドラムフレーム60内に、感光体ドラム61と、帯電器62と、転写ローラ63とを主に備えている。また、現像ユニット7は、ドラムフレーム60に対して着脱可能に装着される構成となっており、現像フレーム70内に、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、トナー(現像剤)を収容するトナー収容部74とを主に備えている。
【0040】
このプロセスカートリッジ5では、感光体ドラム61の表面が、帯電器62により一様に帯電された後、露光装置4からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容部74内のトナーは、供給ローラ72を介して現像ローラ71に供給され、現像ローラ71と層厚規制ブレード73の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71上に担持される。
【0041】
現像ローラ71上に担持されたトナーは、現像ローラ71から感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム61上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム61と転写ローラ63の間を用紙Sが搬送されることで感光体ドラム61上のトナー像が用紙S上に転写される。
【0042】
定着装置8は、プロセスカートリッジ5の後方に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置されて加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを主に備えている。この定着装置8では、用紙S上に転写されたトナー像を、用紙Sが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過する間に熱定着させている。トナー像が熱定着された用紙Sは、搬送ローラ23,24によって排紙トレイ22上に排出される。
【0043】
<レーザプリンタの詳細構成>
図2,3に示すように、レーザプリンタ1は、本発明の特徴部分に関連する構成として、対のローラの一例としてのレジストローラ90と、軸受部材100と、第1付勢部材および第2付勢部材の一例としてのトーションバネ65と、解除部材の一例としての解除ギヤ93とを備えている。
【0044】
なお、参照する図面では、レジストローラ90の左端部側の構成のみを図示しているが、本実施形態においては、レジストローラ90の右端部側にも、左端部側と同様の構成、すなわち、軸受部材100、トーションバネ65および解除ギヤ93が左右対称となるようにそれぞれ設けられている。
【0045】
レジストローラ90は、上側に配置された一方のローラの一例としての従動ローラ92と、下側に配置された他方のローラの一例としての駆動ローラ91とから構成されている。このレジストローラ90は、給紙トレイ31から搬送されてきた用紙Sの先端の移動を規制することで用紙Sの斜行を矯正した後、駆動ローラ91と従動ローラ92との間で用紙Sを感光体ドラム61と転写ローラ63の間に向けて搬送する。
【0046】
駆動ローラ91は、本体筐体2に回転可能に支持されており、本体筐体2内に設けられた図示しないモータから駆動力が伝達されることで回転駆動するように構成されている。
【0047】
従動ローラ92は、プロセスカートリッジ5のドラムフレーム60に対し後述する軸受部材100を介して回転可能に支持されており、駆動ローラ91と接触した状態(図1,7参照)のとき、回転駆動する駆動ローラ91に対して従動回転するように設けられている。
【0048】
なお、図4に示すように、ドラムフレーム60には、上下に長く、下部が軸受部材100(軸受部110)の径よりも細く絞られた凹み形状の支持部60Aが形成されており、軸受部材100は、この支持部60Aに挿通されることでドラムフレーム60対して上下に移動可能に支持されている。このような構成により、従動ローラ92は、ドラムフレーム60(プロセスカートリッジ5)が本体筐体2に装着されたときに、下方に配置される駆動ローラ91に対して近接または離間する方向(上下方向)に移動可能となっている。
【0049】
図3,5に示すように、軸受部材100は、軸受部110と、回転体の一例としてのカム部120と、離間部材の一例としての離間ギヤ部130とを主に有している。すなわち、本実施形態においては、従動ローラ92の軸受(軸受部110)、回転体および離間部材は、一体の部材として形成されている。
【0050】
軸受部110は、従動ローラ92の回転軸92Aを回転可能に支持する軸受であり、その周囲にカム部120と離間ギヤ部130が形成されている。軸受部110のカム部120よりも左右方向内側に位置する部分は、前記した支持部60Aに挿通されることでドラムフレーム60に対して上下に移動可能に支持されている。
【0051】
また、軸受部110のカム部120よりも左右方向外側に位置する部分は、プロセスカートリッジ5を本体筐体2に装着する際に、本体筐体2の左右の側壁の内面に設けられたガイド溝25(図2も参照)に挿入される。プロセスカートリッジ5は、軸受部110がガイド溝25で案内されながら、装着位置(図1参照)に到達することとなる。
【0052】
カム部120は、軸受部110の外周面から径方向外側に向けて突出する略板状の部位であり、その外周面に、図5に示す姿勢において略前後方向に沿って延びる離間位置維持係合部121と、離間位置維持係合部121の後端部から略上下方向に沿って延びる退避位置維持係合部122とを有している。本実施形態において、離間位置維持係合部121および退避位置維持係合部122は、トーションバネ65の棒状の押圧アーム65Aと係合可能(当接可能)な略平面状に形成されており、離間位置維持係合部121と退避位置維持係合部122をつなぐ接続部123は側面視鈍角状の角が面取りされたような湾曲形状をなしている。
【0053】
離間ギヤ部130は、図5に示す姿勢においてカム部120の外周面の下部から径方向外側に向けて突出するように設けられた複数のギヤ歯が、従動ローラ92の回転軸92A(回転中心)を中心とする円弧状に並ぶように設けられた部位である。この離間ギヤ部130(すなわち離間部材)は、軸受部110と一体に形成されているため、駆動ローラ91の回転軸92Aやドラムフレーム60に対して回動可能に支持されている。また、当然のことではあるが、離間ギヤ部130は、カム部120(回転体)と一体に回動する。
【0054】
このような離間ギヤ部130は、後述する解除ギヤ93のギヤ歯と噛み合い可能に設けられており、図5に示すように、解除ギヤ93と噛み合ったときに、従動ローラ92をトーションバネ65の付勢力に抗して駆動ローラ91から離間させ、図7に示すように、軸受部材100が回転して、解除ギヤ93との噛み合いが解除されると、従動ローラ92はトーションバネ65の付勢力により駆動ローラ91と接触可能となるように構成されている。
【0055】
すなわち、離間ギヤ部130は、ドラムフレーム60に対し、従動ローラ92を駆動ローラ91から離間させる離間位置(図5参照)と、従動ローラ92が駆動ローラ91に接触可能となる退避位置(図7参照)との間で回動可能に支持されている。
【0056】
なお、本実施形態において、軸受部材100は、プロセスカートリッジ5(ドラムユニット6)やレーザプリンタ1が工場からの出荷される際には、離間ギヤ部130が図5に示す離間位置にある姿勢となっている。そして、軸受部材100は、後述するように、使用時に駆動ローラ91が回転駆動することで回転し、離間ギヤ部130が図7に示す退避位置に変位する。
【0057】
図5に示すように、トーションバネ65は、軸受部材100を介して従動ローラ92を駆動ローラ91(下方)に向けて付勢する部材であり、ドラムフレーム60の左右の側壁の外側の面に設けられている。このトーションバネ65は、カム部120の離間位置維持係合部121または退避位置維持係合部122(図7参照)を押圧する(逆に言えば、カム部120に押圧される)押圧部の一例としての押圧アーム65Aを有している。
【0058】
前記したとおり、プロセスカートリッジ5やレーザプリンタ1が工場からの出荷される際には、離間ギヤ部130は図5に示す離間位置にある。そして、このとき、押圧アーム65Aは、カム部120の離間位置維持係合部121に係合(当接)することになる。これにより、カム部120および離間ギヤ部130が設けられた軸受部材100の回動が規制されることになるため、離間ギヤ部130は離間位置に維持されることとなる。
【0059】
図3,5に示すように、解除ギヤ93は、本体筐体2内に設けられた駆動ローラ91の回転軸91Aの端部に固定された平歯車であり、駆動ローラ91と一体回転するように設けられている。この解除ギヤ93は、プロセスカートリッジ5が本体筐体2に装着されたときに、カム部120の下方に位置するように配設されており、前記したとおり、離間ギヤ部130と噛み合い可能となっている。
【0060】
解除ギヤ93と離間ギヤ部130は、離間ギヤ部130が離間位置(図5参照)にあるときに噛み合って(接触して)駆動ローラ91の回転駆動力を軸受部材100に伝達可能とし、離間ギヤ部130が退避位置(図7参照)にあるときに離間ギヤ部130が解除ギヤ93から離間することで駆動ローラ91の回転駆動力を軸受部材100に伝達不能となるように構成されている。
【0061】
すなわち、解除ギヤ93と離間ギヤ部130は、離間ギヤ部130が離間位置(図5参照)にあるときには解除ギヤ93の回転によって軸受部材100が回転し、離間ギヤ部130が退避位置(図7参照)にあるときには解除ギヤ93が回転しても軸受部材100は回転しないように構成されている。
【0062】
なお、本実施形態において、左右の解除ギヤ93のうちいずれか一方は、本体筐体2内に設けられた図示しないモータからの駆動力を駆動ローラ91の回転軸91Aに入力するためのギヤとして機能するものであってもよい。また、解除ギヤ93は、モータからの駆動力を駆動ローラ91の回転軸91Aに入力するためのギヤとは別に設けられているものであってもよい。
【0063】
図5に示すように、レーザプリンタ1は、さらに、ストッパ66を備えている。
ストッパ66は、ドラムフレーム60の左右の側壁の外側の面から左右方向外側に向けて突出する略円柱状の突起であり、ドラムフレーム60と一体に設けられている。
【0064】
このストッパ66は、ドラムフレーム60の支持部60Aの前側に設けられており、離間位置にある離間ギヤ部130の前部(図5に示す姿勢において一番前側のギヤ歯)が当接可能となっている。これにより、離間位置にある離間ギヤ部130(軸受部材100)の図示反時計回り方向への回動が規制されることとなる。
【0065】
このようなストッパ66を設けることにより、特に、軸受部材100を図示反時計回り方向に回動させようとする力が作用しやすい、プロセスカートリッジ5を本体筐体2に装着するときにおいて、軸受部材100の回動が効果的に規制されることになる。これにより、より確実に離間ギヤ部130を離間位置に維持することができるようになっている。
【0066】
以上説明した本実施形態において、カム部120とトーションバネ65、および、ストッパ66は、離間ギヤ部130を所定の位置、具体的には、退避位置および離間位置に維持する、本発明の維持部材として機能することとなる。
【0067】
<レジストローラの組み付け>
次に、レーザプリンタ1の組立工程における、本体筐体2へのレジストローラ90(駆動ローラ91および従動ローラ92)の組み付けについて簡単に説明する。
駆動ローラ91は、本体筐体2(レーザプリンタ1の装置本体)を組み立てる工程中において、本体筐体2に組み付けられる。
【0068】
一方、従動ローラ92は、まず、ドラムフレーム60に組み付けられる。より詳細に、従動ローラ92は、回転軸92Aが軸受部材100を介してドラムフレーム60の支持部60Aに挿通されることで、ドラムフレーム60に組み付けられる。このとき、軸受部材100は、図5に示すように、カム部120の離間位置維持係合部121にトーションバネ65の押圧アーム65Aを係合(当接)させた姿勢、すなわち、離間位置に配置される。
【0069】
その後、図2に示すように、駆動ローラ91が組み付けられた本体筐体2に対してドラムフレーム60(プロセスカートリッジ5)を装着することにより、従動ローラ92は、本体筐体2に組み付けられる。図5に示すように、このとき、軸受部材100(離間ギヤ部130)が、離間位置維持係合部121と押圧アーム65Aとの係合や、ストッパ66との当接による回動規制によって離間位置に維持されていることで、従動ローラ92は、駆動ローラ91と離間した状態で本体筐体2に組み付けられることとなる。
【0070】
<レーザプリンタの動作>
次に、レーザプリンタ1の動作、具体的には、駆動ローラ91と従動ローラ92が離間した状態のレーザプリンタ1を使用するときの、レジストローラ90周辺の動作について説明する。
【0071】
レーザプリンタ1の動作を開始すると、駆動ローラ91に駆動力が入力されることで、駆動ローラ91と一体に解除ギヤ93が図示反時計回り方向に回転駆動する。これにより、図6に示すように、解除ギヤ93のギヤ歯と噛み合う離間ギヤ部130を介して軸受部材100が図示時計回り方向に回動することとなる。そして、離間ギヤ部130と解除ギヤ93の噛み合いが解除されるまで、軸受部材100は回動を続ける。
【0072】
離間ギヤ部130と解除ギヤ93の噛み合いが解除されたとき、カム部120は、接続部123(退避位置維持係合部122の端部)が押圧アーム65Aを最も撓ませる位置を乗り越え、押圧アーム65Aが接続部123を下方に向けて押圧する状態となる。そして、押圧アーム65A(トーションバネ65)の付勢力により、カム部120(軸受部材100)はさらに図示時計回り方向に回動し、図7に示すように、押圧アーム65Aが退避位置維持係合部122に係合(当接)することとなる。
【0073】
この過程において、押圧アーム65Aが退避位置維持係合部122を下方に向けて押圧することにより、軸受部材100に支持される従動ローラ92が下方に移動するため、従動ローラ92は、駆動ローラ91に接触(圧接)することとなる。これにより、駆動ローラ91の回転駆動によって従動ローラ92が従動回転し、駆動ローラ91と従動ローラ92との間で用紙Sを搬送することができるようになる。
【0074】
離間ギヤ部130が図7に示す退避位置にあるとき、離間ギヤ部130は、退避位置維持係合部122と押圧アーム65Aとの係合により、退避位置に維持されるので、軸受部材100の回動は規制される。また、仮に、軸受部材100が退避位置から図示時計回り方向に回動しようとしても、カム部120の離間位置維持係合部121の下端部がストッパ66に当接することになるので、その回動は規制される。これらにより、退避位置に変位した離間ギヤ部130(離間部材)は、再び解除ギヤ93(駆動ローラ91)に干渉しないようになっている。
【0075】
以上によれば、本実施形態において以下のような作用効果を得ることができる。
カム部120が、離間ギヤ部130が退避位置にあるときに押圧アーム65Aが係合する退避位置維持係合部122を有するので、従動ローラ92と駆動ローラ91の間から退避した離間ギヤ部130を退避位置に維持することができる。
【0076】
また、カム部120が、離間ギヤ部130が離間位置にあるときに押圧アーム65Aが係合する離間位置維持係合部121を有するので、離間ギヤ部130を離間位置にも維持することができる。これにより、レーザプリンタ1やプロセスカートリッジ5の運搬中などに離間ギヤ部130が変位(軸受部材100が回転)して、従動ローラ92と駆動ローラ91が圧接してしまうことを防止することができる。
【0077】
離間ギヤ部130が、軸受部110と一体に形成されているので、離間ギヤ部130を従動ローラ92の回転軸92Aに対して回動可能に支持することができる。また、従動ローラ92を駆動ローラ91から離間させる離間部材と、従動ローラ92の軸受とを別部品として備える構成と比較して、部品点数の削減や左右方向(軸方向)における装置の小型化を図ることができる。
【0078】
また、離間ギヤ部130を所定の位置に維持するためのトーションバネ65(第2付勢部材)が、従動ローラ92を駆動ローラ91に向けて付勢するバネ(第1付勢部材)を兼ねているので、これによっても、部品点数の削減を図ることができる。
【0079】
離間ギヤ部130が、離間位置維持係合部121と押圧アーム65Aとの係合や、ストッパ66との当接により離間位置に維持されることで、従動ローラ92が駆動ローラ91と接触しない位置に維持されるので、プロセスカートリッジ5(ドラムフレーム60)を本体筐体2に装着することで、従動ローラ92と駆動ローラ91を離間させた状態に簡単に組み付けることができる。
【0080】
さらに述べると、離間位置維持係合部121と押圧アーム65Aとの係合により、カム部120とともに回動可能な離間ギヤ部130をある程度強固に離間位置に維持できるので、プロセスカートリッジ5の装着時において離間ギヤ部130の回動を抑制することができる。また、本実施形態では、ストッパ66によっても離間ギヤ部130の回動を抑制することができる。これらにより、離間ギヤ部130を離間位置に維持したままプロセスカートリッジ5を装着することが可能となる。
【0081】
なお、本実施形態では、プロセスカートリッジ5を組み立てる工程中で、言い換えると、本体筐体2の外(本体筐体2に組み付ける前)において離間ギヤ部130を離間位置に配置できるので、先に本体筐体2に組み付けられた離間ギヤ部130を離間位置に変位させる場合と比較して、離間ギヤ部130を離間位置に配置する作業がやりやすくなっている。
【0082】
離間ギヤ部130と解除ギヤ93が、離間ギヤ部130が離間位置にあるときに解除ギヤ93の回転によって離間ギヤ部130を離間位置から退避位置に回動させるように構成されているので、従動ローラ92と駆動ローラ91を簡単に接触させることができる。また、離間ギヤ部130が退避位置にあるときには解除ギヤ93が回転しても離間ギヤ部130は回動しないように構成されているので、離間ギヤ部130が退避位置に変位した後は、離間ギヤ部130の変位を抑えることができる。
【0083】
押圧アーム65Aが退避位置維持係合部122に係合することにより、離間ギヤ部130をある程度強固に退避位置に維持できるので、従動ローラ92と駆動ローラ91が接触した後の離間ギヤ部130と駆動ローラ91との干渉を抑制することができる。また、押圧アーム65Aによって接続部123が押圧されることでカム部120が回動するので、離間ギヤ部130を確実に退避位置に回動させることができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0085】
前記実施形態では、維持部材としてのストッパ66がドラムフレーム60(第2のフレーム)と一体に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ストッパは、第2のフレームとは別部品として製造され、第2のフレームに固定されているものであってもよい。
【0086】
前記実施形態では、離間ギヤ部130(離間部材)を離間位置に維持するための維持部材として、カム部120(回転体)およびトーションバネ65(第2付勢部材)と、ストッパ66との両方を有していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、離間部材を離間位置に維持するための維持部材は、回転体および第2付勢部材と、ストッパのいずれか一方だけであってもよい。
【0087】
前記実施形態では、離間位置維持係合部121および退避位置維持係合部122が平面状に形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、離間位置維持係合部や退避位置維持係合部に係合する押圧部が凸部分を有している場合、離間位置維持係合部や退避位置維持係合部は、当該凸部分と係合可能な凹部を有する形状に形成されていてもよい。
【0088】
前記実施形態では、離間ギヤ部130(離間部材)が軸受部110(一方のローラの軸受)と一体に形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明において、離間部材と一方のローラの軸受は別個に形成されていてもよい。例えば、離間部材は、従動ローラ92の軸受部110とは別個に形成され、解除ギヤ93のギヤ歯と噛み合い可能なギヤ歯を外周面の一部に有する欠け歯ギヤなどであってもよい
【0089】
前記実施形態では、第1付勢部材および第2付勢部材としてトーションバネ65を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、コイルバネや板バネなどであってもよい。なお、本発明において、第2付勢部材が有する押圧部は、回転体と接触して回転体に押圧される(回転体を押圧する)部位を指す。そして、この押圧部は、前記実施形態のトーションバネ65のように付勢力を付与する部材自身の一部であってもよいし、回転体と付勢力を付与する部材との間に配置される別の部材であってもよい。
【0090】
前記実施形態では、第2付勢部材が第1付勢部材を兼ねていたが、本発明はこれに限定されず、第1付勢部材と第2付勢部材は、別個の部品であってもよい。この場合、第1付勢部材と第2付勢部材は、同種の部品(例えば、両方ともトーションバネなど)であってもよいし、異種の部品(例えば、一方がトーションバネで他方がコイルバネなど)であってもよい。
【0091】
前記実施形態では、対のローラとしてレジストローラ90を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明において、対のローラは、記録シートを搬送するための、少なくとも一方が他方に向けて付勢される対のローラ状部材であればよく、例えば、図1に示されている、対の搬送ローラ23であってもよいし、感光体ドラム61と転写ローラ63であってもよいし、感光体ドラム61と現像ローラ71であってもよい。
【0092】
前記実施形態では、第1のフレームとして本体筐体2を例示し、第2のフレームとしてドラムフレーム60を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、対のローラが前記実施形態の感光体ドラム61と現像ローラ71である場合、第1のフレームとしてドラムフレーム60を採用し、第2のフレームとして現像フレーム70を採用してもよい。また、第1のフレームが本体筐体2(装置本体)である場合、第2のフレームは、前記実施形態のドラムユニット6と現像ユニット7が一体(着脱不能)に形成されたプロセスカートリッジのフレーム(筐体)などであってもよい。
【0093】
前記実施形態では、解除ギヤ93(解除部材)と離間ギヤ部130(離間部材)は互いのギヤ歯が噛み合うことで回転駆動力が伝達可能に構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、解除部材と離間部材(離間位置にある離間部材)は、少なくとも一方がギヤ歯を有さずに、摩擦力によって回転駆動力が伝達可能に構成されていてもよい。
【0094】
前記実施形態では、画像形成装置として、レーザ光で感光体ドラム61(感光体)を露光するレーザプリンタ1を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、LED光で感光体を露光する電子写真方式のプリンタであってもよいし、インクジェット方式のプリンタであってもよいし、感熱方式のプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、フラットベッドスキャナなどの原稿読取装置を備える複写機や複合機などであってもよい。さらに、画像形成装置は、モノクロ画像だけでなく、カラー画像も形成可能なものであってもよい。
【0095】
前記実施形態では、記録シートとして、普通紙やはがきなどの用紙Sを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、OHPシートなどであってもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 レーザプリンタ
2 本体筐体
5 プロセスカートリッジ
60 ドラムフレーム
65 トーションバネ
65A 押圧アーム
66 ストッパ
90 レジストローラ
91 駆動ローラ
91A 回転軸
92 従動ローラ
92A 回転軸
93 解除ギヤ
100 軸受部材
110 軸受部
120 カム部
121 離間位置維持係合部
122 退避位置維持係合部
123 接続部
130 離間ギヤ部
S 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方のローラが他方のローラに対して近接離間する方向に移動可能に支持され、前記一方のローラと前記他方のローラとの間で記録シートを搬送する対のローラと、
前記一方のローラを前記他方のローラに向けて付勢する第1付勢部材と、
前記一方のローラを前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記他方のローラから離間させる離間位置と、前記一方のローラが前記第1付勢部材の付勢力により前記他方のローラに接触可能となる退避位置との間で回動可能に支持された離間部材と、
前記対のローラの回転によって前記離間部材を前記離間位置から前記退避位置に回動させる解除部材と、
前記離間部材を所定の位置に維持する維持部材と、を備え、
前記維持部材は、前記離間部材と一体に回動する回転体と、前記回転体に押圧される押圧部を有する第2付勢部材とを有し、
前記回転体は、前記離間部材が退避位置にあるときに前記押圧部が係合することで前記離間部材を前記退避位置に維持する退避位置維持係合部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記回転体は、前記離間部材が離間位置にあるときに前記押圧部が係合することで前記離間部材を前記離間位置に維持する離間位置維持係合部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記離間部材は、前記一方のローラの軸受と一体に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2付勢部材は、前記第1付勢部材を兼ねることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
第1のフレームと、
前記第1のフレームに着脱可能に装着される第2のフレームと、
前記第2のフレームに支持された一方のローラが前記第1のフレームに支持された他方のローラに対して近接離間する方向に移動可能であり、前記一方のローラと前記他方のローラとの間で記録シートを搬送する対のローラと、
前記第2のフレームに設けられ、前記一方のローラを前記他方のローラに向けて付勢する第1付勢部材と、
前記第2のフレームに設けられ、前記一方のローラを前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記他方のローラから離間させる方向に移動させる離間位置と、前記一方のローラが前記第1付勢部材の付勢力により前記他方のローラに接触可能となる退避位置との間で移動可能に支持された離間部材と、
前記第1のフレームに設けられ、前記対のローラの回転によって前記離間部材を前記離間位置から前記退避位置に移動させる解除部材と、
前記第2のフレームに設けられ、前記第1のフレームに前記第2のフレームを装着するときに、前記離間部材を前記離間位置に維持する維持部材と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記離間部材は、回動可能に支持され、
前記維持部材は、前記離間部材と一体に回動する回転体と、前記回転体に押圧される押圧部を有する第2付勢部材とを有し、
前記回転体は、前記押圧部が係合することで前記離間部材を前記離間位置に維持する離間位置維持係合部を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2付勢部材は、前記第1付勢部材を兼ねることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記離間部材は、回動可能に支持され、
前記維持部材は、少なくとも前記第1のフレームに前記第2のフレームを装着するときに、前記離間位置にある前記離間部材が当接することで前記離間部材の回動を規制して前記離間位置に維持する、固定されたストッパを有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記離間部材は、前記一方のローラの回転軸に対して回動可能に支持され、
前記解除部材は、前記他方のローラと一体回転するように設けられ、
前記離間部材と前記解除部材は、前記離間部材が前記離間位置にあるときに接触して前記他方のローラの回転駆動力を伝達可能とし、前記離間部材が前記退避位置にあるときに離間して前記他方のローラの回転駆動力を伝達不能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記離間部材は、前記一方のローラの軸受と一体に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記回転体は、
周面に、前記離間位置維持係合部とは別個に設けられ、前記離間部材が退避位置にあるときに前記押圧部が係合することで前記離間部材を前記退避位置に維持する退避位置維持係合部を有し、
前記押圧部により前記退避位置維持係合部の端部が押圧されることで、前記離間部材を前記退避位置に回動させるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−10594(P2013−10594A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143903(P2011−143903)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】