説明

画像形成装置

【課題】情報媒体の読み取り部を画像読取ユニットの排紙口の上方に設置することで、操作性の向上と設置スペースの小型化させた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成ユニット1の上方に画像読取ユニット2を配し、両ユニット1、2の間に排紙空間3を形成した画像形成装置であって、排紙空間3に臨んでいる排紙口の上方部位で、画像形成ユニット1前面側の部位にICカードの情報を読み取るためのICカードリーダー9を備えた読み取り部7を設ける。読み取り部7は、画像読取ユニット2よりも前面側で、かつ画像形成ユニット1の上部に設ける操作部5の背面側に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカード等の情報媒体の読み取り装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取ユニットが原稿から読み取った画像情報に基づいて画像を形成する画像形成ユニットを備え、用紙等の記録媒体上に画像を形成する画像形成装置では、設置スペースの小型化の要請が強い。また、オフィスのネットワーク化とセキュリティー上の要請により、ICカード等の情報媒体が活用されている。そして、ICカード等の情報媒体の読み取り装置(以下、情報媒体の読み取り部、あるいは単に読み取り部と記載することもある。)を備えた画像形成装置が既に知られている。
【0003】
しかし従来の読み取り部は、本願発明者の知るところでは、既存の画像形成装置に、いわゆるオプションとして取り付ける形態のものであった。そのため、情報媒体の読み取り部が画像形成ユニットから突出する形態で設置され、操作性や設置スペースの小型化に影響を及ぼすことがあるという問題があった。
【0004】
特許文献1には、車いすに乗ったユーザーが操作しやすく、また用紙を取り出しやすい画像形成装置を提供するという目的で、画像読取部の前面が画像形成部の前面より後方に位置し、操作部が画像読取部の前面側でかつ画像形成部の排紙方向と反対方向の端部側で、画像形成部の筐体に上下左右に回動可能に支持され、操作部が排紙方向に最大に回動した際に操作部が排紙空間の前方の開放を妨げない構成が開示されている。しかし、情報媒体の読み取り部の設置位置により、操作性や設置スペースの小型化に影響を及ぼすという問題は解消できていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、情報媒体の読み取り部を設置する箇所を工夫することで、操作性の向上と設置スペースの小型化させること図った画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、画像形成ユニットの上方に排紙空間を有している画像形成装置において、前記排紙空間に臨む排紙口の少なくとも一部の部位の上方に、情報媒体の読み取り装置を配したことを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報媒体の読み取り部を排紙口の上方に設置することで、操作性の向上と設置スペースの小型化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を斜め前方から見て示す斜視図
【図2】情報媒体の読み取り部内を透視状態で示す図1同様の斜視図
【図3】図1中の矢印III方向から見た斜視図
【図4】操作部のチルト動作を示す側面図
【図5】画像形成ユニットの外装材を取り去って示す図1相当の斜視図
【図6】画像形成ユニットの外装材を取り去って示す図3相当の斜視図
【図7】読み取り部が備えるICカードリーダーとカバー部材を斜め下方から見て示す斜視図
【図8】支持体へ読み取り部を取り付ける状態を示す平面図
【図9】同じく側面図
【図10】画像形成ユニットから支持体と画像読取ユニットを取り去った状態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る画像形成装置では、情報媒体の読み取り部を排紙口の上方に設置し、ICカード等の情報媒体の取り回しをよくする。また、読み取り部が操作部とスキャナー、すなわち画像読取ユニットの近傍に位置するため、使用者があちこちに手を伸ばさなくてよい。そのため操作性が向上する。また、手差し、前カバー開閉、右カバー開閉(ジャム時)、排紙の取り出しの邪魔になることもない。
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施形態を斜め前方から見て示す斜視図、図2は情報媒体の読み取り部内を透視状態で示す図1同様の斜視図、図3は図1中の矢印III方向から見た斜視図である。図示の画像形成装置は、画像形成ユニットとも言える画像形成ユニット1の上方に画像読取ユニット2を載せ、排紙空間3を設けている。画像読取ユニット2は、画像形成ユニット1の上部に設けた平面形状がL字型(詳細な図示は省略する)の支持体4を介して設置してある。
【0011】
またこれらの図に示すように、操作部5が画像形成ユニット1の前方、画像形成装置全体としても前方側に設けてある。この操作部5は、例えばボタンスイッチ類や液晶パネル等を用いたものなど種々のものを用いることができるが、図示の実施形態ではパネル状のものを用いており、図4に示すように、画像形成装置としての前後方向に回動可能に、すなわちチルト動作可能に設けてある。図中6は、操作部5をチルト動作可能に支持する支持部材である。
【0012】
図中7は情報媒体の読み取り部で、図5、図6に示すように、この読み取り部7は画像形成ユニット1の排紙口8の上方に設けてある。図5は、図1相当の斜視図、図6は図3相当の斜視図で、それぞれ画像形成ユニット1の外装材を取り去って示してある。読み取り部7を設ける部位Xは、図5、図6に示すように、排紙空間3に臨んでいて用紙を排紙するための排紙口8の一部の部位(図の実施形態では画像形成ユニット1の前方側の部分)の上方部位に設けてあり、この部位Xに読み取り部7を設けている。
【0013】
また図1、図2等からわかるように、読み取り部7は、画像読取ユニット2の前方で、操作部5の後方に設置している。そして、読み取り部7は周りに比べて一段下方に下げて設けてあり、これによりICカードを載せた場合でも、ICカードが落下しにくくなっている。
【0014】
すなわち、本実施形態では、読み取り部7を操作部5の近傍で、かつ画像読取ユニット2の近傍に配置することにより、操作性の向上が図れる。また、操作部5を可動とすることにより、ICカードを載せやすくできる。
【0015】
そして図7に示すように、読み取り部7が備えるICカードリーダー9は、操作部5の後方に配置するカバー部材10で覆い、板金の支持部材11を介して設置される。支持部材11はカバー部材10にねじ12により下方から(図7は上下逆にしているので、図7では上方から)固定する。またカバー部材10はICカードリーダー9の外周にあたる部分にリブ13を備えている。このリブ13は、図8、図9に示すように、カバー部材10を支持体4に爪14やねじ15によって固定する際の設置性を向上させ得る。
【0016】
このようなICカードリーダー9の配線の引き回しは以下のようにする。画像読取ユニット2はL字型の支持体4にねじ留めされているので、これらを取り外し、さらに画像読取ユニット2も取り外す。すると図10に示す状態となる。支持体4には画像形成ユニット1の前面側から奥側まで、一段下がった(あるいは凹ませた)部位を設けておき、この部位にICカードリーダー9の配線を通し、画像形成ユニット1の後方から外部(画像形成ユニット1の背面側)へ引き出す。配線はそのまま画像形成ユニット1の外面側を引き回し、例えば画像形成ユニットの側面に設けた図示せぬコネクタに差し込む。その後、画像読取ユニット2と支持体4を元のとおり画像形成ユニット1へ組み付ける。すると、配線の露出が少なくなり、配線トラブルの減少と外観性の向上が見込める。
【0017】
また本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【符号の説明】
【0018】
1 :画像形成ユニット
2 :画像読取ユニット
3 :排紙空間
4 :支持体
5 :操作部
6 :操作部の支持部材
7 :情報媒体の読み取り部
8 :排紙口
9 :ICカードリーダー
10 :読み取り部のカバー部材
11 :支持部材
13 :リブ
14 :爪
X :支持体上の読み取り部を設ける部位
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2008‐135918号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成ユニットの上方に排紙空間を有している画像形成装置において、
前記排紙空間に臨む排紙口の少なくとも一部の部位の上方に、情報媒体の読み取り装置を配したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記画像形成ユニットと、該画像読取ユニットの上部に設けた操作部との間に、前記読み取り部を配したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
画像形成ユニットの上方に画像読取ユニットを配し、前記画像形成ユニットと前記画像読取ユニットとの間に排紙空間を形成した画像形成装置において、
前記排紙空間に臨む排紙口の少なくとも一部の部位の上方部位、かつ前記画像読取ユニットよりも前記画像形成ユニットの前面側でかつ前記画像読取ユニットの上部に設ける操作部の背面側の部位に、情報媒体の読み取り装置を配したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2または3の画像形成装置において、
前記操作部が上下方向に回動可能で、その回動範囲と干渉しないように前記読み取り部を配したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
前記操作部を、前記読み取り部の上面に沿う位置まで回動させ得るようにしてなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像読取ユニットの下方に前記読み取り部の配線を通してなることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−109036(P2013−109036A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251843(P2011−251843)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】