説明

画像形成装置

【課題】インクジェットプリンタの画像形成動作中に紙詰まりが発生した場合において、ノズル内のインクの乾燥を防止すると共に、ノズルを損傷することなく紙詰まりを自動で解消すること
【解決手段】画像形成動作中に紙詰まりが発生した場合であっても、キャリッジを支えるキャリッジ支持棒を給紙された用紙に対して上昇させてからキャリッジをホームポジションに移動させることにより、各液滴吐出ヘッドのノズルの吸引や保湿が行われるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、画像形成装置におけるキャリッジの移動制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
【0003】
上述したプリンタや複写機においては、インクを記録媒体に噴射させるインクジェットプリンタが広く用いられている。このインクジェットプリンタは、キャリッジと、同キャリッジに搭載されたインクヘッドとを備え、同キャリッジを記録媒体に対して移動させながら、インクヘッドに形成されたノズルからインクを吐出し、記録媒体に対して印刷を行うようになっている。
【0004】
このようなインクジェットプリンタは、非印刷時において、インクヘッドのノズルからインクの溶媒が水蒸気として蒸発することにより、ノズルにおけるインク粘度が上昇したり、インクが固化したりしてしまうことがあった。そしてその結果、ノズルに塵埃が付着したり、インクの吐出が良好に行われなくなったりして、印刷が良好に行われなくなる現象が生じることがあった。
【0005】
このため、インクジェットプリンタとしては、これらの現象を防ぐために、キャッピング手段を備えたものが考案され既に知られている。このようなインクジェットプリンタとして、インクヘッドのノズル形成面を覆うことができるキャップ部材を備え、非印刷時にインクヘッドのノズル形成面をキャップにて覆うことにより、キャップ内空間に充満されている水蒸気等の溶媒が外部に逃げる量を少なくすることができるインクジェットプリンタが開示されている(例えば、特許文献1)。このようなインクジェットプリンタによれば、インクヘッドのノズル形成面を外気から遮断することができるので、インクヘッドのノズル形成面付近における湿度を高く保つことができ、液体の乾燥を防ぐことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載されているようなインジェットプリンタにおいて、印刷動作中に紙詰まりが発生した場合には、紙詰まりが解消されるまで印刷動作が停止してしまい、その間インクヘッドのノズル形成面はキャップで覆われることはなく、外気にさらされている状態となる。従って、紙詰まりを素早く解消しなければ、インクヘッドのノズルから水蒸気等のインクの溶媒が蒸発することにより、上述した現象と同様の現象が生じるという問題があった。
【0007】
そこで、これらの現象を防ぐために、インクジェットプリンタに紙詰まりが発生した場合には、ユーザはすぐにそのことに気づき、紙詰まりを解消して印刷動作を再開させなければならない。しかしながら、ユーザがインクジェットプリンタから離れた場所で作業している等の理由により、すぐに紙詰まりの発生に気づかない場合が多々あり、その場合には、インクジェットプリンタにおける紙詰まりはしばらくの間解消されず、印刷動作が途中で停止したまま放置され、やはり、上述した現象と同様の現象が生じるという問題があった。
【0008】
さらに、例えば、ユーザが紙詰まりにすぐに気づいて、詰まっている紙をインクジェットプリンタの中から引き抜くことにより紙詰まりを解消することができたとしても、引き抜く際にインクヘッドのノズル形成面が詰まっている紙に引っ掛かって、ノズル形成面を損傷する可能性があるという問題があった。これは、インクジェットプリンタが記録媒体に対して画像形成を行う際に、ノズル形成面が記録媒体に対して移動するため、インクジェットプリンタが印刷動作の途中で停止してしまうと、ノズル形成面は記録媒体に近い位置で停止してしまう可能性が高いためである。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、インクジェットプリンタの画像形成動作中に紙詰まりが発生した場合において、ノズル内のインクの乾燥を防止すると共に、ノズルを損傷することなく紙詰まりを自動で解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、用紙に対してインクを吐出して画像形成出力を行うインクジェット方式の画像形成装置であって、前記用紙に対してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドが搭載されたキャリッジと、前記キャリッジを前記用紙が搬送される副走査方向と直行する主走査方向に移動させる主走査キャリッジ移動部と、前記キャリッジを前記用紙の紙面と垂直な方向に移動させる垂直キャリッジ移動部と、前記キャリッジの主走査方向の移動範囲における所定の位置に配置され、前記インクジェット記録ヘッドにおいてインクを吐出するノズルを覆うキャッピング部と、前記キャリッジの移動を制御するキャリッジ移動制御部とを含み、前記キャリッジ移動制御部は、前記用紙がその搬送経路において搬送不能となる紙詰まりが検知された場合に、前記垂直キャリッジ移動部を制御して前記キャリッジを前記用紙から遠ざける方向に移動させた後、前記主走査キャリッジ移動部を制御して前記キャッピング部の位置に前記キャリッジを移動させ、更に前記キャッピング部によって前記ノズルが覆われるように前記垂直キャリッジ移動部を制御することを特徴とする
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、インクジェットプリンタの画像形成動作中に紙詰まりが発生した場合において、ノズル内のインクの乾燥を防止すると共に、ノズルを損傷することなく紙詰まりを自動で解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ1を左側面から見たときの断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ1を上方から見たときの透過図である。
【図3】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタのハードウェア構成及び機能構成を模式的に示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの透過斜視図である。
【図5】図4に示すキャリッジ支持棒の両端の受け構造を左側面から見たときの断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るインクジェットプリンタが給紙された用紙を排紙する動作に関連する機構部を左側面から見たときの断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るインクジェットプリンタに紙詰まりが発生した場合に、紙詰まりを解消する処理について説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態に係るインクジェットプリンタの通常記録時の排紙ガイドをその側面から見た断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るインクジェットプリンタに紙詰まりが発生した場合に詰まった用紙を排紙する際の排紙ガイドをその側面から見た断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るインクジェットプリンタの排紙ガイドを、図8の状態から図9の状態に遷移する途中に、その側面から見た断面図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態に係るインクジェットプリンタ1が給紙された用紙を排紙する動作に関連する機構部を左側面から見たときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、画像形成装置の例として、記録ヘッドを搭載したキャリッジを用紙に対して移動させながら、上記記録ヘッドから記録液を吐出することにより用紙に対して印刷を行うインクジェットプリンタを例として説明する。尚、本実施形態において、インクジェットプリンタは、入力された印刷データに基づいてCMYK(Cyan Mgenta Yellow Key Plate)の描画情報を生成し、生成された描画情報に基づいて画像形成出力を実行する。
【0014】
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の内部構成及び機構部について説明する。尚、以下の図面においては、排紙トレイ3が配置されている側をインクジェットプリンタ1の正面としている。図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1を左側面から見たときの断面図である。図2は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1を上方から見たときの透過図である。尚、図1、図2において、お互いに同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとする。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、給紙トレイ2、排紙トレイ3、キャリッジ支持棒31、キャリッジ33、用紙積載部41、用紙42、給紙コロ43、分離パッド44、ガイド部材45、カウンタローラ46、搬送ガイド部材47、押さえ部材48、先端加圧コロ49、搬送ベルト51、搬送ローラ52、テンションローラ53、帯電ローラ56、記録時ガイド部材57、分離爪61、排紙ローラ62、排紙コロ63、両面ユニット71、手差しトレイ72、用紙検知センサ95により構成されている。
【0016】
また、図2に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、カートリッジ装填部4、インクカートリッジ10、フレーム21、ワイヤハーネス22、供給ポンプユニット24、係止部材25、インク供給チューブ36、待機時維持回復機構81、記録時維持回復機構88、用紙検知センサ96により構成されている。
【0017】
インクカートリッジ10は、インクカートリッジ10k、インクカートリッジ10c、インクカートリッジ10m、インクカートリッジ10yにより構成され、フレーム21は、左フレーム21A、右フレーム21B、背面フレーム21Cにより構成され、キャリッジ33は、記録ヘッド34、サブタンク35により構成され、待機時維持回復機構81は、キャップ82、ワイパーブレード83、空吐出受け84により構成されている。また、記録時維持回復機構88は、空吐出受け89を含む。
【0018】
さらに、記録ヘッド34は、液滴吐出34k、液滴吐出34c、液滴吐出34m、液滴吐出34yにより構成され、サブタンク35は、サブタンク35k、サブタンク35c、サブタンク35m、サブタンク35yにより構成され、キャップ82は、キャップ82k、キャップ82c、キャップ82m、キャップ82yにより構成され、記録時維持回復機構88は、空吐出受け89k、空吐出受け89c、空吐出受け89m、空吐出受け89yにより構成されている。
【0019】
以下では、図1及び図2を参照して、用紙に対する記録動作に関する部分と、用紙の搬送動作に関する部分とに分けて、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の内部構成及び機構部について説明する。
【0020】
まず、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の用紙に対する記録動作に関する部分について説明する。カートリッジ装填部4には、イエローのインクカートリッジ10y、シアンのインクカートリッジ10c、マゼンタのインクカートリッジ10m、ブラックのインクカートリッジ10kの4色のインクカートリッジが装着されており、各色のインクが補充供給される。
【0021】
キャリッジ支持棒31は、左フレーム21Aと右フレーム21Bに水平に横架したガイド部材であり、キャリッジ33を図2に示すキャリッジ主走査方向に摺動自在に保持する。
【0022】
尚、本実施形態に係るキャリッジ支持棒31は、上下に移動できるように構成されており、正常に記録動作を実行している時には、記録ヘッド34を用紙に近づけていなければならないので、低い位置にて固定されている。一方、紙詰まり時には、キャリッジ支持棒31は上昇して高い位置となる。このような構成とすることにより、紙詰まり時には、キャリッジ支持棒31に支えられているキャリッジ33も上昇するので、記録ヘッド34が詰まった紙に接触して破損することを防止することができる。キャリッジ支持棒31の上下移動については図5を参照して後述する。
【0023】
キャリッジ33は、キャリッジ支持棒31により図2に示すキャリッジ主走査方向に摺動自在に保持され、図3に示す主走査モータ500により図示しない主走査ベルトを介して移動走査する。また、キャリッジ33は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための記録ヘッド34を備えている。尚、記録ヘッド34は、各色独立に液滴吐出ヘッド34y、34c、34m、34kの4個の液滴吐出ヘッドからなる。
【0024】
これら4個の液滴吐出ヘッドは、それぞれ、図2に示すキャリッジ走査方向と垂直をなす向きに配置されている。また、これら4個の液滴吐出ヘッドは、図2に示すキャリッジ主走査方向と平行に配列され、液滴吐出方向を下方に向けて装着されている。
【0025】
本実施形態に係る記録ヘッド34を構成する液滴吐出ヘッドはインクジェットヘッドであり、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段を備えたもの等が使用される。
【0026】
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドを全て同時に駆動させる以外に、時間的に分割して駆動させることができる。そのため、インクジェットプリンタ1が、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドを全て同時に駆動させる場合に生じる、各液滴吐出ヘッド間のクロストークの影響による記録品位の低下や、一時的に大電流が必要になることによる電源の大容量化等の問題を、各液滴吐出ヘッドを時間的に分割して駆動させることにより避けることができる。
【0027】
この記録ヘッド34は、図示しないドライバICを備え、図3に示す制御部200との間でワイヤハーネス22を介して接続されている。そして、ドライバICが図3に示す制御部からワイヤハーネス22を介して信号を受け取り、受け取った信号に基づいて図示しないモータを制御することにより、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドは駆動される。
【0028】
また、キャリッジ33は、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドにインクを供給するためのサブタンク35を搭載している。尚、サブタンク35は、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドの色に対応するように、サブタンク35k、サブタンク35c、サブタンク35m、サブタンク35yの4個のサブタンクからなる。
【0029】
各色のサブタンク35には、インク供給チューブ36を介して、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10からインクが補充供給される。尚、このカートリッジ装填部4には、インクカートリッジ10内のインクを、インク供給チューブ36を介してサブタンク35に送液するための供給ポンプユニット24が設けられている。また、インク供給チューブ36は、インクジェットプリンタ1の内部における這い回しの途中で、背面フレーム21Cに固定されている係止部材25にて保持されている。
【0030】
尚、本実施形態に係るキャリッジ33は、インクジェットプリンタ1の記録中に紙詰まりが発生すると動作を一旦停止し、キャリッジ支持棒31が上昇して高い位置に移動してから待機時維持回復機構81の上部に相当する位置までキャリッジ支持棒31に沿って移動する。
【0031】
そして、キャリッジ33が待機時維持回復機構81の上部に相当する位置までキャリッジ支持棒31に沿って移動したら、キャリッジ33は移動を止めて、キャリッジ支持棒31が元の位置まで下降する。その結果、キャリッジ33は待機時維持回復機構81が配置されている位置(以下、「ホームポジション」とする)に位置する。尚、キャリッジ支持棒31及びキャリッジ33の移動については図4及び図5を参照して後述する。
【0032】
待機時維持回復機構81は、非記録中、若しくは待機中に、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドのノズルの状態を維持し、若しくは回復する。待機時維持回復機構81は、本実施形態においては、図2に示すように向かって右側の非印字領域に備えられている。この待機時維持回復機構81は、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドのノズル面をキャピングするためのキャップ82と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、乾燥等により増粘した余計な記録液を排出するための空吐出受け84とを備えている。即ち、ここでは、待機時維持回復機構81は、キャッピング部として機能する。
【0033】
尚、キャップ82は、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドに対応するように、キャップ82c、82m、82y、82kの4個のキャップからなり、これら4個のキャップは、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドと同じ幅で同じ方向に配列されている。
【0034】
また、待機時維持回復機構81には、キャップ82で記録ヘッド34の各ノズル面をキャッピングした状態で、各ノズル内から増粘した記録液や気泡を吸い取るための図示しない吸引ポンプが備えられている。
【0035】
つまり、キャップ82c、82m、82y、82kは、吸引キャップ又は保湿用キャップとして機能する。
【0036】
そして、この待機時維持回復機構81による維持回復動作で発生する記録液の廃液、キャップ82に排出されたインク、空吐出受け84に空吐出されたインクは、図示しない廃液タンクに排出されて収容される。また、ワイパーブレード83に付着したインクは、図示しないワイパークリーナで除去されて上記廃液タンクに排出される。
【0037】
このような構成とすることにより、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1が記録中に紙詰まりを起こし場合であっても、キャリッジ支持棒31が上昇してからキャリッジ33がホームポジションの上部に相当する位置まで移動して、その位置でキャリッジ支持棒31が元の位置まで下降するので、キャリッジ33は詰まった用紙を避けるようにしてホームポジションまで移動することができる。
【0038】
従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、紙詰まりが発生した場合であっても、キャリッジ33がホームポジションに戻ることにより各液滴吐出ヘッドのノズルの吸引や保湿が行われるので、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッド内のインク乾燥や気泡による吐出不良を防止することができ、安定した吐出性能を維持することができる。
【0039】
また、キャリッジ33がホームポジションに戻る際に、キャリッジ支持棒31が上昇することによりキャリッジ33もそれに伴って上昇して詰まった用紙を避けるため、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドのノズルが詰まった用紙に引っ掛かることがないので、ノズルの損傷を防ぐことができる。
【0040】
さらに、キャリッジ支持棒31が上昇することによりキャリッジ33もそれに伴って上昇して詰まった用紙を避けるため、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドのノズルが詰まった用紙に引っ掛かることがないので、紙詰まりを解消するために詰まっている用紙を引き抜いた場合であっても、ノズルの損傷を防ぐことができる。
【0041】
記録時維持回復機構88は、記録開始時や記録中に、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドのノズルの状態を維持し、若しくは回復する。記録時維持回復機構88は、本実施形態においては、図2に示すように向かって左側の非印字領域に備えられている。この記録時維持回復機構88は、乾燥等により増粘した余計な記録液を排出するための空吐出受け89からなる。尚、空吐出受け89は、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドに対応するように、空吐出受け89c、89m、89y、89kの4個の空吐出受けからなり、これら4個の空吐出受けは、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドと同じ幅で同じ方向に配列されている。
【0042】
このような構成とすることにより、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の記録開始時や記録中において、キャリッジ33が記録時維持回復機構88に適宜移動して、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドが空吐出受け89に気泡や余計な記録液を排出することができる。従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、記録中においても、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドの安定した吐出性能を維持することができる。
【0043】
次に、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の用紙の搬送動作に関する部分について説明する。給紙トレイ2は、インクジェットプリンタ1が記録対象とする用紙42を用紙積載部41の上に積載することにより格納する。
【0044】
インクジェットプリンタ1は、用紙積載部41に積載されている用紙42から1枚ずつ用紙を分離して給紙するために、給紙コロ43及び分離パッド44から構成される図示しない給紙部を備える。そして、図1に示すように、給紙コロ43は用紙積載部41の略先端上部に配置され、分離パッド44は給紙コロ43に対向する位置に配置されている。尚、分離パッド44は摩擦係数の大きな材質からなる。
【0045】
インクジェットプリンタ1は、分離された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48と、搬送ベルト51とを図1に示す位置に備える。
【0046】
搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて構成されている。搬送ベルト51は、図3に示す副走査モータ700により図示しない副走査ベルトを介して搬送ローラ52が回転駆動することにより、図2に示すベルト搬送方向(副走査方向)に周回移動する。
【0047】
この搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、ETFE(Ethylene tetrafluoroethylene)ピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層とを有している。
【0048】
そして、インクジェットプリンタ1は、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を図1に示す位置に備えている。帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。尚、搬送ローラ52はアースの役割を果たすアースローラとしても機能し、搬送ベルト51の裏層と接触するように配置されている。
【0049】
このような構成により、インクジェットプリンタ1は、給紙部で分離された用紙42を搬送ベルト51に静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置まで搬送することができる。
【0050】
また、図1に示すように、搬送ベルト51の上部裏側には、記録ヘッド34による記録領域に対応するように記録時ガイド部材57が配置されている。この記録時ガイド部材57は、記録ヘッド34による記録面に対して平行に配置されており、さらに、搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の接線よりも記録ヘッド34側に突出するように配置されている。このような構成により、搬送ベルト51は、記録ヘッド34による記録領域に対応する領域において、高精度な平面性を維持するようになっている。
【0051】
さらに、インクジェットプリンタ1は、記録ヘッド34により記録された用紙42を排紙するために、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62と、排紙コロ63と、排紙トレイ3とからなる図示しない排紙部を備える。そして、インクジェットプリンタ1は、図1に示す位置に、分離爪61、排紙ローラ62、排紙コロ63、排紙トレイ3が配置されている。また、排紙ローラ62と排紙コロ63との間から、排紙トレイ3までの高さは、排紙トレイ3にストックできる用紙の枚数を多くするためにある程度高くなっている。
【0052】
両面ユニット71は、インクジェットプリンタ1の背面部に脱着自在に装着されている。両面ユニット71は、搬送ベルト51の逆方向回転により用紙42を取り込んで表裏を反転させて、再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。尚、本実施形態において、両面ユニット71の上面は手差しトレイ72として構成されている。
【0053】
また、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、図1に示す位置に用紙センサ95を備える。用紙検知センサ95は、用紙42の停止している位置を検知するためのセンサであり、特に用紙42の後端部分を検知する。この用紙検知センサ95により、インクジェットプリンタ1は用紙の詰まりを監視することができる。即ち、用紙ずれ等で用紙遅れが発生した場合には、用紙検知センサ95が用紙搬送のタイミングのずれを検知することにより用紙詰まりを検知することができる。
【0054】
さらに、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、図2に示す位置に用紙センサ96を備える。用紙検知センサ96は、キャリッジ33に備えられており、インク吐出位置を確認するためのセンサである。この用紙検知センサ96により、インクジェットプリンタ1は用紙検知センサ95とは異なる位置における用紙の詰まりを監視することができる。即ち、用紙ずれ等で用紙遅れが発生した場合には、用紙検知センサ96がキャリッジ33の移動走査のタイミングのずれを検知することにより用紙詰まりを検知することができる。
【0055】
上記の内部構成及び機構部の他、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、インクジェットプリンタ1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースや、ユーザがインクジェットプリンタ1を直接操作し、若しくはインクジェットプリンタ1に対して情報を入力する際の入力インタフェースを備える。
【0056】
また、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、SD(Secure Digital)メモリーカード等の外部記憶媒体から情報を受け取るためのインタフェースや、ネットワーク経由で外部から情報を受け取るためのネットワークインタフェースを備える。
【0057】
さらに、インクジェットプリンタ1の内部後方側にはホスト装置との間でデータを送受信するためのUSB(Universal Serial Bus)などの通信回路部(インタフェース)が設けられるとともに、画像形成装置全体の制御を司る制御部を構成する制御回路基板が設けられている。制御部については、図3を参照して後述する。
【0058】
このように構成されたインクジェットプリンタ1において、上記給紙部により給紙トレイ2から1枚ずつ分離された用紙42は、ガイド45により略鉛直上方に案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド部材47で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向が転換されて給紙される。
【0059】
このとき、帯電ローラ56は、図3に示すAC(Alternaiting Current)バイアス供給部210からプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように交番する電圧が印加される。これにより、搬送ベルト51は、図2に示すベルト搬送方向(副走査方向)に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電する。このプラスとマイナスが交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に静電吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42は図2に示すベルト搬送方向(副走査方向)に搬送される。
【0060】
そして、インクジェットプリンタ1は、記録時ガイド部材57が配置されている位置において、給紙された用紙42を停止させ、描画情報に基づいてキャリッジ33キャリッジ支持棒31に沿って走査させながら記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドを駆動させることにより給紙された用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録する。インクジェットプリンタ1は、1行分の記録が終了したら、給紙された用紙42を所定量搬送して、次の行の記録を行う。そして、インクジェットプリンタ1は、図3に示す制御部200において記録終了信号を受信するか、給紙された用紙42の後端が記録領域を通過したことを知らせる信号を受信することにより、記録動作を終了して用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0061】
インクジェットプリンタ1が記録動作を終了すると、キャリッジ33はホームポジションに移動する。そして、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドは、空吐出受け84に余計な記録液を排出し、キャップ82でキャッピングされ、キャッピングされた状態で吸引ポンプによって吸引されることにより、各液滴吐出ヘッドのノズル内から余計な記録液や気泡が排出される。
【0062】
次に、図3を参照して本実施形態に係るインクジェットプリンタ1のハードウェア構成及び機能構成を説明する。図3は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1のハードウェア構成及び機能構成を模式的に示すブロック図である。尚、図3においては、電気的接続を実線の矢印で示している。また、図3において、図1又は図2と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
【0063】
図3に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、キャリッジ33、搬送ベルト51、帯電ローラ56、プリンタドライバ100、制御部200、操作パネル300、ヘッドドライバ400、主走査モータ500、リニアエンコーダ600、副走査モータ700、ホイールエンコーダ800、垂直モータ900により構成されている。
【0064】
プリンタドライバ100は、PC(Personal Computer)等の情報処理端末や、イメージスキャナ等の画像読取装置、デジタルカメラ等の撮像装置等のホスト装置において印刷データを生成する。
【0065】
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、NVRAM(Non Volatile RAM)204、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)205、I/O(Input/Output)206、ホストI/F(Interface)207、ヘッド制御部208、主走査モータ駆動部209、ACバイアス供給部210、副走査モータ駆動部211、垂直モータ駆動部212を備える。
【0066】
CPU201は演算手段であり、インクジェットプリンタ1全体の動作を制御する。即ち、CPU201は、用紙の搬送動作及び記録ヘッドの移動動作に関する制御を行う。ROM202は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。RAM203は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU201が情報を処理する際の作業領域として用いられる。NVRAM204は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
【0067】
このようなハードウェア構成において、ROM202やNVRAM204若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM203に読み出され、CPU201がRAM203にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の機能を実現する機能ブロックが構成される。即ち、ここでは、CPU201とRAM203とが、キャリッジ移動制御部、用紙反転制御部、排紙ガイド制御部及び搬送制御部として機能する。
【0068】
ASIC205は、インクジェットプリンタ1全体を制御する各種インタフェースや、画像処理回路、画像データの入出力を制御する回路を内蔵し、CPU201によって制御される。即ち、ASIC205は、画像データに対する各種信号処理、データの並び替え処理等を行う画像処理やその他インクジェットプリンタ1全体を制御するための入出力信号を処理する。
【0069】
I/O206は、リニアエンコーダ600及びホイールエンコーダ800からの検出パルス、用紙検知センサ95及び用紙検知センサ96やその他の各種センサからの検知信号を制御部200に入力する。ホストI/F207は、上記ホスト装置とネットワークやUSBケーブル等を介してデータの送受信を行う。リニアエンコーダ600はキャリッジ33の主走査方向の位置を検知し、ホイールエンコーダ800は搬送ベルト51の副走査方向の位置を検知する
【0070】
尚、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、用紙検知センサ95及び用紙検知センサ96による用紙つまりの検知の他に、リニアエンコーダ600及びホイールエンコーダ800により用紙つまりを検知することができる。即ち、例えば、キャリッジ33が用紙に引っ掛かることにより用紙の詰まりが発生した場合には、リニアエンコーダ600による検出パルスのずれにより用紙詰まりを検知することができる。また、例えば、用紙がインクジェットプリンタ1の内部構造に引っ掛かって、搬送ベルト51の動きに影響を与えることにより用紙の詰まりが発生した場合には、ホイールエンコーダ800による検出パルスのずれにより用紙つまりを検知することができる。
【0071】
ヘッド制御部208は、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドを駆動するための駆動波形を生成すると共に、各液滴吐出ヘッドの圧力発生手段を選択駆動させる画像データ及びそれに伴う各種データをヘッドドライバ400に出力する。主走査モータ駆動部209は主走査モータ500を駆動させる。ACバイアス供給部210は帯電ローラにACバイアスを供給する。副走査モータ駆動部211は副走査モータ700を駆動させる。垂直モータ駆動部212は、図5に示すように、キャリッジ支持棒31を移動させる際に、ギア94を回転させるための垂直モータ900を駆動させる。
【0072】
操作パネル300は、ユーザがインクジェットプリンタ1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。また、操作パネル300は、インクジェットプリンタ1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザがインクジェットプリンタ1を直接操作し、若しくはインクジェットプリンタ1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、操作パネル300は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。
【0073】
ヘッドドライバ400は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)に基づいて、ヘッド制御部208の図示しない駆動波形生成部から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドの圧力発生手段に対して印加することで記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドを駆動する。
【0074】
尚、上述したヘッド制御部208の駆動波形生成部は、ROM202に格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び増幅器等で構成され、1つの駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動波形をヘッドドライバ400に対して出力する。
【0075】
尚、ヘッドドライバ400は、例えば、クロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタと、シフトレジスタのレジスト値をラッチ信号でラッチするラッチ回路と、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)と、レベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含み、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで、駆動波形に含まれる所要の駆動パルスを選択的に記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドの圧力発生手段に印加する。
【0076】
主走査モータ500は、主走査モータ駆動部209からの信号に従い、図示しない主走査ベルトを介してキャリッジ33をキャリッジ支持棒31に沿って移動走査させる。即ち、ここでは、主走査モータ駆動部209と主走査モータ500とが共同して主走査キャリッジ移動部として機能する。副走査モータ700は、副走査モータ駆動部211からの信号に従い、図示しない副走査ベルトを介して搬送ローラ52を回転駆動させることにより、搬送ベルト51を図2に示すベルト搬送方向(副走査方向)に周回移動させる。即ち、ここでは、搬送ベルト51、搬送ローラ52及び副走査モータ700が搬送機構として機能する。
【0077】
垂直モータ900は、垂直モータ駆動部212からの信号に従い、図5に示すギア94を回転させることにより、キャリッジ支持棒31をガイド90に設けられた移動溝91に沿って常に水平を保ちながら移動させる。即ち、ここでは、垂直モータ駆動部212、垂直モータ900、移動溝91及びギア94が共同して垂直キャリッジ移動部として機能する。
【0078】
このような構成とすることにより、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1において、CPU201は、ホストI/F207が受信した受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ってヘッド制御部208に転送し、ヘッド制御部208から所要のタイミングでヘッドドライバ400に画像データや駆動波形を出力する。
【0079】
尚、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM202にフォントデータを格納して行っても良いし、ホスト側のプリンタドライバ100で画像データをビットマップデータに展開して制御部200に転送するようにしても良い。図3における説明では、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、プリンタドライバで行われるようにしている。
【0080】
このように構成されたインクジェットプリンタ1において、本実施形態に係る要旨の一つは、画像形成動作中に紙詰まりが発生した場合であっても、キャリッジ33を支えるキャリッジ支持棒31を給紙された用紙に対して上昇させてからキャリッジ33をホームポジションに移動させることにより、各液滴吐出ヘッドのノズルの吸引や保湿が行われるので、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドのノズルが詰まった用紙に引っ掛かることがなく、ノズルの損傷を防ぐことができると共に、ノズル内のインクの乾燥やノズル内への気泡の混入を防止することにある。以下、詳細に説明する。
【0081】
まず、図4を参照して本実施形態に係るインクジェットプリンタ1のキャリッジ33の動作を説明する。図4は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の透過斜視図である。図4に示すように、キャリッジ33はキャリッジ支持棒31により支えられ、キャリッジ支持棒31は、左フレーム21Aと右フレーム21Bに水平に横架している。
【0082】
また、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、描画情報に従って、図4に示す矢印方向にキャリッジ支持棒31に沿ってキャリッジ33を走査させると共に、給紙された用紙42に対してキャリッジ33に搭載された記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドからインクを吐出させることにより画像形成を行い、排紙トレイ3に排紙する。
【0083】
次に、図5を参照して、図4に示すキャリッジ支持棒31の両端の受け構造について説明する。図5は、図4に示すキャリッジ支持棒31の両端の受け構造を左側面から見たときの断面図である。
【0084】
図5に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の筐体内側の左右の側面には、キャリッジ支持棒31を支え、キャリッジ支持棒31が移動するためのガイド90が設けられており、ガイド90には移動溝91が設けられている。キャリッジ支持棒31は、移動溝91に沿って常に水平を保ちながら移動することができるようになっている。
【0085】
インクジェットプリンタ1の通常記録時では、キャリッジ33に搭載されている記録ヘッド34がその下方に給紙された用紙に近づいてからインクを吐出しなければならないため、キャリッジ支持棒31は図5に示す位置92に位置している。
【0086】
一方、インクジェットプリンタ1の通常記録時中に紙詰まりが発生した場合には、キャリッジ支持棒31は位置93へ移動する。尚、キャリッジ支持棒31は、図示しないモータによりギア94を駆動させて図示しないベルトを介して移動溝91に沿って移動する。
【0087】
そして、キャリッジ支持棒31が位置93へ移動したら、キャリッジ33は、図2に示す待機時維持回復機構の上方まで移動し、その位置においてキャリッジ支持棒31が位置92に移動することによりホームポジションに移動する。
【0088】
このような構成とすることにより、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1が記録中に紙詰まりを起こし場合であっても、キャリッジ支持棒31が上昇してからキャリッジ33がホームポジションの上部に相当する位置まで移動して、その位置でキャリッジ支持棒31が元の位置まで下降するので、キャリッジ33は詰まった用紙を避けるようにしてホームポジションまで移動することができる。
【0089】
従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、紙詰まりが発生した場合であっても、キャリッジ33がホームポジションに戻ることにより各液滴吐出ヘッドのノズルの吸引や保湿が行われるので、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッド内のインク乾燥や気泡による吐出不良を防止することができ、安定した吐出性能を維持することができる。
【0090】
また、キャリッジ33がホームポジションに戻る際に、キャリッジ支持棒31が上昇することによりキャリッジ33もそれに伴って上昇して詰まった用紙を避けるため、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドのノズルが詰まった用紙に引っ掛かることがないので、ノズルの損傷を防ぐことができる。
【0091】
さらに、キャリッジ支持棒31が上昇することによりキャリッジ33もそれに伴って上昇して詰まった用紙を避けるため、記録ヘッド34の各液滴吐出ヘッドのノズルが詰まった用紙に引っ掛かることがないので、紙詰まりを解消するために詰まっている用紙を引き抜いた場合であっても、ノズルの損傷を防ぐことができる。
【0092】
上述した実施形態に加えて、インクジェットプリンタ1に紙詰まりが発生した場合に紙詰まりが自動で解消されるようにすれば、ユーザが自ら用紙を引き抜く必要がなく、さらに、自動で印字を再開することが可能となるので、より使い勝手が良いものとなる。そこで、以下では、実施の形態2及び実施の形態3において、インクジェットプリンタ1に紙詰まりが発生した場合に、紙詰まりが自動で解消される例について説明する。
【0093】
尚、本実施形態においては、キャリッジ支持棒31が上下に移動する構成について説明したが、キャリッジ支持棒31は固定されており、キャリッジ33がキャリッジ支持棒31に対して上下に移動するように構成されていても上記と同様の効果が得られる。また、キャリッジ支持棒31及びキャリッジ33が共に上下に移動するように構成されていても上記と同様の効果が得られる。
【0094】
実施の形態2.
実施の形態1においては、紙詰まりが発生した場合において、キャリッジ支持棒31が上昇してからキャリッジ33がホームポジションまで移動する場合を例として説明した。本実施形態においては、実施の形態1に加えて、紙詰まりを自動で解消する例について説明する。尚、実施の形態1と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
【0095】
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、実施の形態1と略同一の構成を有するが、実施の形態1とは異なり、図6に示すように排紙ガイド64を有する。図6は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1が給紙された用紙を排紙する動作に関連する機構部を左側面から見たときの断面図である。
【0096】
排紙ガイド64は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の印字中に、用紙42が浮き上がらないように印字が開始されてから排紙されるまで用紙42をテンションローラ53に対して押さえつけている。
【0097】
ここで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1に紙詰まりが発生した場合に、紙詰まりが自動で解消される処理を説明する。図7は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1に紙詰まりが発生した場合に、紙詰まりを解消する処理について説明するためのフローチャートである。
【0098】
まず、図7に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は印刷データに基づいて記録動作を開始する(S701)。そして、その記録動作中に制御部200において紙詰まりが検知されたら(S702/YES)、キャリッジ支持棒31が上昇することによりキャリッジ33もそれに伴って上昇する(S703)。
【0099】
キャリッジ支持棒31が上昇したら、インクジェットプリンタ1は詰まった用紙を強制的に排紙し(S704)、記録動作を再開する(S705)。そして、インクジェットプリンタ1は全ての印刷を終えるまでS601〜S605の処理を繰り返し(S706/NO)、全ての印刷を終えたら(S706/YES)記録動作を終了する。
【0100】
一方、紙詰まりが検知されなければ(S702/NO)、インクジェットプリンタ1はそのまま記録動作を継続し、全ての印刷を終えるまでS601〜S605の処理を繰り返し(S706/NO)、全ての印刷を終えたら(S706/YES)記録動作を終了する。
【0101】
ところで、インクジェットプリンタ1の記録中において紙詰まりが発生する原因には、図6に示す折れ曲がり部分69のように、用紙の角が折れ曲がっていることが多い。そのため、詰まった用紙が自動で強制排紙される際に、用紙がインクジェットプリンタ1の内部で引っ掛かり、排紙できない現象が生じてしまう。従って、詰まった用紙が自動で排紙されるためには、折れ曲がりにより厚みが増加した用紙を排紙する必要があるので、紙詰まり発生時には排紙ガイド64はテンションローラ53に対する押さえつけを解除して上昇する必要がある。
【0102】
そこで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の排紙ガイド64が上昇するための構造について図8、図9及び図10を参照して説明する。図8は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の通常記録時の排紙ガイド64をその側面から見た断面図である。図9は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1に紙詰まりが発生した場合に詰まった用紙を排紙する際の排紙ガイド64をその側面から見た断面図である。図10は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の排紙ガイド64を、図8の状態から図9の状態に遷移する途中に、その側面から見た断面図である。
【0103】
排紙ガイド64は、その内部に図8に示すような構造を有する。即ち、排紙ガイド64は、ガイド外円部65、シャフト66、軸67、ガイド68により構成されている。また、ガイド外円部65の円心と軸67の円心とは一致するように構成されており、ガイド外円部65と軸受け68とは図8に示す部分aで接合されている。そして、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の通常記録時において、図8に示すように、ガイド外円部65は用紙42に外接している。軸67は、図8に示すような左右に長い楕円形以外に、真円であっても良い。
【0104】
シャフト66は、インクジェットプリンタ1の内部において、自転運動以外の運動が生じないように固定されている。軸67はギアとなっており、ガイド68は軸67のギア受けとなっている。軸67はシャフト66により支えられている。
【0105】
但し、インクジェットプリンタ1の通常記録時においては、シャフト66と軸67とは連結されていない。つまり、この場合においては、シャフト66が回転しても軸67には影響しない。一方、インクジェットプリンタ1に紙詰まりが発生すると、シャフト66が図8に示すAの方向に回転することにより軸67と連結される。つまり、この場合においては、シャフト66が回転すると軸67も同じ方向に回転する。
【0106】
尚、シャフト66は、インクジェットプリンタ1に紙詰まりが発生した場合には、図示しないモータにより図8に示すAの方向に回転する。一方、インクジェットプリンタ1の通常記録時においては、シャフト66は回転しない。
【0107】
これより、紙詰まりが発生すると、図示しないモータによりシャフト66はAの方向に回転して軸67と連結され、その結果、軸67もAの方向に回転する。そして、シャフト66がAの方向に回転すると、ガイド68はBの方向に回転し、その結果、ガイド外円部65もBの方向に回転する。即ち、排紙ガイド64は、インクジェットプリンタ1に紙詰まりが発生した場合に、図8に示す状態から図10に示す状態を経て図9の状態に遷移する。即ち、ここでは、排紙ガイド64が排紙ガイド部として機能する。
【0108】
このような構成とすることにより、用紙の折れ曲がりによって本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の記録中に紙詰まりを起こした場合であっても、実施の形態1に加えて、排紙ガイド64が用紙に対して上昇するので、インクジェットプリンタ1は、詰まった用紙を自動的に強制排紙することができる。
【0109】
従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、実施の形態1の効果に加えて、ユーザが自ら用紙を引き抜く必要がなく、さらに、自動で印字を再開することが可能となるので、より使い勝手が良いものとなる。
【0110】
尚、本実施形態においては、排紙ガイド64は、図8に示す構造を持つことにより上昇する例について説明したが、他の構造により上昇するように構成されていても良い。つまり、排紙ガイド64が上昇するように構成されていれば、図8に示した構造である必要はなく他の構造としても良い。
【0111】
実施の形態3.
実施の形態1においては、紙詰まりが発生した場合において、キャリッジ支持棒31が上昇してからキャリッジ33がホームポジションまで移動する場合を例として説明した。実施の形態2においては、実施の形態1に加えて、紙詰まりを自動で解消する例について説明した。
【0112】
本実施形態においても、実施の形態1に加えて、紙詰まりを自動で解消する例について説明するが、実施の形態2とは異なる方法により紙詰まりを自動で解消する例について説明する。尚、実施の形態1、実施の形態2と同様の符号を付す構成については、同一または相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
【0113】
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、実施の形態1及び2と略同一の構成を有するが、実施の形態1及び2とは異なり、図11に示すように給紙ガイド73と折れ曲がり解消ガイド74を有する。図11は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1が給紙された用紙を排紙する動作に関連する機構部を左側面から見たときの断面図である。尚、本実施形態においては、折れ曲がり部分69は用紙に対して上側に折れ曲がっているものとする。
【0114】
給紙ガイド73は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の印字開始まで、用紙42が浮き上がらないように印字が開始されるまで用紙42を搬送ローラ52に対して押さえつけている。折れ曲がり解消ガイド74は、用紙42を両面ユニット71に引き戻す際に、用紙42の折れ曲がり部分69を解消する。
【0115】
ところで、インクジェットプリンタ1の記録中において紙詰まりが発生する原因には、図11に示す折れ曲がり部分69のように、用紙の角が上側に折れ曲がっていることが多い。そのため、詰まった用紙が自動で強制排紙される際に、用紙がインクジェットプリンタ1の内部で引っ掛かり、排紙できない現象が生じてしまう。従って、詰まった用紙が自動で排紙されるためには、折れ曲がりを解消するか、折れ曲がり部分69を用紙の下側に向ける必要がある。
【0116】
尚、折れ曲がり部分69を用紙の下側に向けるのは、搬送ベルト51は弾性を有するので、折れ曲がり部分69を下側(搬送ベルト51側)に向けることにより、折れ曲がりによる厚みの増加を搬送ベルト51が吸収することができるためである。また、折れ曲がり部分69を用紙の下側に向けると、折れ曲がり部分69が表面層に露出していないので、インクジェットプリンタ1の内部の機構部のどこかに、折れ曲がり部分69が引っ掛かる可能性が低くなるためである。
【0117】
そこで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1が、用紙42の折れ曲がり部分69を解消し、用紙42の上下を反転させるための動作について図11を参照して説明する。図11は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1が給紙された用紙を排紙する動作に関連する機構部を左側面から見たときの断面図である。
【0118】
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、用紙42を搬送ベルト51の回転により搬送ベルト51と給紙ガイド73との間に挟んで搬送する。一方、紙詰まりが発生した場合、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、搬送ベルト51の逆方向回転により両面ユニット71に用紙42を取り込んで搬送路75にて表裏を反転させて、再度、給紙ガイド73と搬送ベルト51との間に給紙する。即ち、ここでは、両面ユニット71が用紙反転機構として機能する。
【0119】
このような構成とすることにより、用紙の折れ曲がりによって本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の記録中に紙詰まりを起こした場合であっても、実施の形態1に加えて、折れ曲がり解消ガイド71により折れ曲がりが解消され、また、用紙の表裏が反転することにより折れ曲がり部分69が下側に向くので、インクジェットプリンタ1は、詰まった用紙を自動的に強制排紙することができる。即ち、ここでは、折れ曲がり解消ガイド71は、折れ曲がり解消部として機能する。
【0120】
従って、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、実施の形態1の効果に加えて、ユーザが自ら用紙を引き抜く必要がなく、さらに、自動で印字を再開することが可能となるので、より使い勝手が良いものとなる。
【0121】
また、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、実施の形態2の効果に加えて、排紙ガイド64を移動させるためのモータ類を増設しなくても良いので、簡易な構成とすることができる。
【0122】
また、上記実施の形態1乃至3においては、インクジェットプリンタについて実施しているが、特にこれに限られること無く、キャリッジを備えるプリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)であっても適用可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 インクジェットプリンタ
2 給紙トレイ
3 排紙トレイ
4 カートリッジ装填部
10 インクカートリッジ
21 フレーム
22 ハーネス
24 供給ポンプユニット
25 係止部材
31 キャリッジ支持棒
33 キャリッジ
34 記録ヘッド
35 サブタンク
36 インク供給チューブ
41 用紙積載部
42 用紙
43 給紙コロ
44 分離パッド
45 ガイド部材
46 カウンタローラ
47 搬送ガイド部材
48 押さえ部材
49 加圧コロ
51 搬送ベルト
52 搬送ローラ
53 テンションローラ
57 記録時ガイド部材
61 分離爪
62 排紙ローラ
63 排紙コロ
64 排紙ガイド
65 ガイド外円部
66 シャフト
67 軸
68 ガイド
69 折り曲がり部分
71 両面ユニット
72 手差しトレイ
73 給紙ガイド
74 折れ曲がり解消ガイド
81 待機時維持回復機構
82 キャップ
83 ワイパーブレード
84 空吐出受け
88 記録時回復機構
89 空吐出受け
90 ガイド
91 移動溝
92 通常位置
93 上昇位置
94 ギア
95 用紙検知センサ
96 用紙検知センサ
100 プリンタドライバ
200 制御部
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 NVRAM
205 ASIC
206 I/O
207 ホストI/F
208 ヘッド制御部
209 主走査モータ駆動部
210 ACバイアス供給部
211 副走査モータ駆動部
212 垂直モータ駆動部
300 操作パネル
400 ヘッドドライバ
500 主走査モータ
600 リニアエンコーダ
700 副走査モータ
800 ホイールエンコーダ
900 垂直モータ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【特許文献1】特開2004−155106号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に対してインクを吐出して画像形成出力を行うインクジェット方式の画像形成装置であって、
前記用紙に対してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドが搭載されたキャリッジと、
前記キャリッジを前記用紙が搬送される副走査方向と直行する主走査方向に移動させる主走査キャリッジ移動部と、
前記キャリッジを前記用紙の紙面と垂直な方向に移動させる垂直キャリッジ移動部と、
前記キャリッジの主走査方向の移動範囲における所定の位置に配置され、前記インクジェット記録ヘッドにおいてインクを吐出するノズルを覆うキャッピング部と、
前記キャリッジの移動を制御するキャリッジ移動制御部とを含み、
前記キャリッジ移動制御部は、前記用紙がその搬送経路において搬送不能となる紙詰まりが検知された場合に、前記垂直キャリッジ移動部を制御して前記キャリッジを前記用紙から遠ざける方向に移動させた後、前記主走査キャリッジ移動部を制御して前記キャッピング部の位置に前記キャリッジを移動させ、更に前記キャッピング部によって前記ノズルが覆われるように前記垂直キャリッジ移動部を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記キャリッジは、長尺方向が主走査方向と平行に配置されたキャリッジ支持棒に支持されており、
前記主走査キャリッジ移動部は、前記キャリッジ支持棒に沿って前記キャリッジを移動させ、
前記垂直キャリッジ移動部は、前記キャリッジ支持棒を前記用紙の紙面に垂直な方向に移動させることにより、前記キャリッジを前記用紙の紙面と垂直な方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記キャリッジは、長尺方向が主走査方向と平行に配置されたキャリッジ支持棒に支持されており、
前記主走査キャリッジ移動部は、前記キャリッジ支持棒に沿って前記キャリッジを移動させ、
前記垂直キャリッジ移動部は、前記キャリッジを前記キャリッジ支持棒に対して前記用紙の紙面と垂直な方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙を搬送する搬送機構を制御する搬送制御部を含み、
前記搬送制御部は、前記キャッピング部によって前記ノズルが覆われるように前記キャリッジが移動された後、前記搬送不能となった用紙を排出するように前記搬送機構を制御することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記用紙に対してインクが吐出されている間、前記用紙を前記用紙の搬送経路に押し当てる排紙ガイド部と、
前記紙詰まりが検知された場合に、前記排紙ガイド部と前記用紙の搬送経路との間の間隔が広がるように前記排紙ガイド部を移送させる排紙ガイド制御部とを含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記インクの吐出領域に搬送された後に引き戻された用紙を反転させて再度前記インクの吐出領域に搬送させる用紙反転機構と、
前記用紙を搬送する搬送機構を制御して前記用紙の引き戻し及び反転を制御する用紙反転制御部とを含み、
前記用紙反転制御部は、前記紙詰まりが検知された場合に、前記用紙の引き戻し及び反転制御を行い、
前記反転された用紙を排紙することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記用紙が引き戻される際に、前記用紙の折れ曲がりを解消する折れ曲がり解消部を備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図7】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−111877(P2013−111877A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260841(P2011−260841)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】