画像形成装置
【課題】 印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性を従来より低下させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 印刷キューと、印刷キューに印刷ジョブを書き込むジョブ書込手段と、印刷キューから順に読み出したページに基づいて記録媒体に印刷を実行する印刷実行手段とを備えていて、印刷キューに記憶されている印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合に印刷の実行を一時停止するMFPは、記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器の接続状態を検出する(S101)接続状態検出手段と、印刷キューが記憶することができるページの最大数である最大記憶ページ数を、接続状態検出手段によって検出された接続状態に基づいて変更する(S102、S103)最大記憶ページ数変更手段とを備えていることを特徴とする。
【解決手段】 印刷キューと、印刷キューに印刷ジョブを書き込むジョブ書込手段と、印刷キューから順に読み出したページに基づいて記録媒体に印刷を実行する印刷実行手段とを備えていて、印刷キューに記憶されている印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合に印刷の実行を一時停止するMFPは、記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器の接続状態を検出する(S101)接続状態検出手段と、印刷キューが記憶することができるページの最大数である最大記憶ページ数を、接続状態検出手段によって検出された接続状態に基づいて変更する(S102、S103)最大記憶ページ数変更手段とを備えていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に印刷を実行する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体に印刷を実行する画像形成装置として、印刷ジョブをページ単位で記憶する印刷キューと、印刷キューに印刷ジョブを書き込むとともに、印刷キューから順に読み出したページに基づいて用紙に印刷を実行するCPUとを備えている印刷装置が知られている(特許文献1参照。)。この印刷装置のCPUは、印刷キューに記憶されている印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合に印刷の実行を一時停止する。
【0003】
印刷キューは、印刷を円滑に実行するための記憶領域である。したがって、印刷キューが記憶することができるページの最大数(以下「最大記憶ページ数」という。)は、画像形成装置において同時に搬送可能な記録媒体の枚数より大きいことが好ましい。ここで、画像形成装置において同時に搬送可能な記録媒体の枚数は、画像形成装置における記録媒体の搬送経路の長さに応じて定まる。すなわち、最適な最大記憶ページ数は、画像形成装置における記録媒体の搬送経路の長さに応じて定まる。
【0004】
ここで、画像形成装置は、画像形成装置に記録媒体を供給する外部の媒体供給装置や、画像形成装置によって印刷された記録媒体の仕分け、ステープルなどの後処理を実行する後処理装置などの拡張機器が接続された場合、記録媒体の搬送経路の長さが増加する。
【0005】
そこで、最大記憶ページ数は、一般的に、記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器が全て接続された状態の画像形成装置における記録媒体の搬送経路の長さ、すなわち、画像形成装置における記録媒体の搬送経路の最大の長さに応じて、画像形成装置の種類毎に最適な数に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−77674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の画像形成装置は、上述したように、印刷キューに記憶されている印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合に印刷の実行を一時停止する。ここで、印刷キューに記憶されている印刷ジョブの数は、最大記憶ページ数が大きいほど、多い可能性が高い。したがって、従来の画像形成装置は、最大記憶ページ数が大きいほど、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性が高い。すなわち、従来の画像形成装置は、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性を低下させるために、最大記憶ページ数が必要以上に大きくないことが好ましい。
【0008】
しかしながら、従来の画像形成装置においては、記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器が接続されている状態での記録媒体の搬送経路の長さ、すなわち、画像形成装置における記録媒体の搬送経路の最大の長さに応じて最大記憶ページ数が固定されているので、記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器が接続されていない場合に、最大記憶ページ数が大き過ぎるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性を従来より低下させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、印刷ジョブをページ単位で記憶する印刷キューと、前記印刷キューに前記印刷ジョブを書き込むジョブ書込手段と、前記印刷キューから順に読み出した前記ページに基づいて記録媒体に印刷を実行する印刷実行手段とを備えていて、前記印刷実行手段は、前記印刷キューに記憶されている前記印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合に印刷の実行を一時停止する画像形成装置であって、前記記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器の接続状態を検出する接続状態検出手段と、前記印刷キューが記憶することができる前記ページの最大数である最大記憶ページ数を変更する最大記憶ページ数変更手段とを備えており、前記最大記憶ページ数変更手段は、前記接続状態検出手段によって検出された前記接続状態に基づいて、前記最大記憶ページ数を変更することを特徴とする。
【0011】
この構成により、本発明の画像形成装置は、記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器の接続状態に基づいて最大記憶ページ数を変更するので、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性を従来より低下させることができる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、前記接続状態および前記最大記憶ページ数の対応関係を記憶する対応関係記憶部を備えており、前記最大記憶ページ数変更手段は、前記接続状態検出手段によって検出された前記接続状態と、前記対応関係記憶部に記憶されている前記対応関係とに基づいて、前記最大記憶ページ数を変更しても良い。
【0013】
この構成により、本発明の画像形成装置は、最大記憶ページ数を変更する場合に外部の装置と通信する必要をなくすことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の画像形成装置は、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性を従来より低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るMFPのブロック図である。
【図2】図1に示すMFPの構成図である。
【図3】図1に示す対応関係の内容の一例を示す図である。
【図4】図1に示す印刷キューの内容の一例を示す図である。
【図5】印刷キューの最大記憶ページ数を変更する場合の図1に示すメインコントローラーの動作のフローチャートである。
【図6】最大記憶ページ数が変更された場合の図1に示す印刷キューの内容の一例を示す図である。
【図7】印刷キューに印刷ジョブを書き込む場合の図1に示すメインコントローラーの動作のフローチャートである。
【図8】印刷ジョブが書き込まれた場合の図1に示す印刷キューの内容の一例を示す図である。
【図9】印刷を実行する場合の図1に示すエンジンコントローラーの動作のフローチャートである。
【図10】(a)印刷が実行された場合の図1に示す印刷キューの内容の一例を示す図である。(b)印刷ジョブが取り消された場合の図1に示す印刷キューの内容の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)10のブロック図である。図2は、MFP10の構成図である。
【0019】
図1および図2に示すように、MFP10は、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部11と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部12と、プログラムおよび各種の情報を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部13と、用紙などの記録媒体91に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター14と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー15と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部16と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由でPC(Personal Computer)などの外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部17と、プリンター14を制御するエンジンコントローラー20と、MFP10全体を制御するメインコントローラー30とを備えている。
【0020】
MFP10は、単独で使用されることもできるが、MFP10に記録媒体91を供給する拡張機器である媒体供給装置50と、MFP10によって印刷された記録媒体91の仕分け、ステープルなどの後処理を実行する拡張機器である後処理装置70との少なくとも一方が接続されて使用されることもできる。媒体供給装置50および後処理装置70は、記録媒体91の搬送経路10aの長さに影響する拡張機器である。
【0021】
記憶部13は、媒体供給装置50および後処理装置70の接続状態と、後述の印刷キュー21が記憶することができるページの最大数である最大記憶ページ数との対応関係13aを記憶しており、本発明の対応関係記憶部を構成している。
【0022】
図3は、対応関係13aの内容の一例を示す図である。
【0023】
図3に示す対応関係13aによれば、最大記憶ページ数は、MFP10に媒体供給装置50および後処理装置70の何れも接続されていない場合に“8”であり、MFP10に媒体供給装置50および後処理装置70のうち媒体供給装置50のみが接続されている場合に“10”であり、MFP10に媒体供給装置50および後処理装置70のうち後処理装置70のみが接続されている場合に“10”であり、MFP10に媒体供給装置50および後処理装置70の両方が接続されている場合に“12”である。
【0024】
対応関係13aは、MFP10の製造段階でMFP10にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリー、SDメモリーカードなどの記憶媒体から、または、ネットワーク上からMFP10に追加でインストールされても良いし、操作部11を介した操作に基づいて生成されても良い。
【0025】
図1に示すエンジンコントローラー20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種の情報を予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部13に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0026】
エンジンコントローラー20は、印刷ジョブをページ単位で記憶する印刷キュー21をRAM上に作成することができる。
【0027】
なお、印刷キュー21に記憶される印刷ジョブとしては、例えば、スキャナー15によって原稿から読み取られた画像に基づいたコピーの印刷ジョブと、外部のファクシミリ装置からファックス通信部16を介してファックス受信した画像に基づいたファックスの印刷ジョブと、外部のコンピューターからネットワーク通信部17を介して受信した印刷データに基づいた印刷ジョブとがある。
【0028】
図4は、印刷キュー21の内容の一例を示す図である。
【0029】
図4に示すように、印刷キュー21は、例えば、印刷ジョブの番号と、印刷ジョブのIDであるジョブIDと、印刷ジョブのページと、印刷ジョブの状態とを記憶している。印刷ジョブの番号は、“1”から最大記憶ページ数までである。番号が小さいページほど、プリンター14によって先に印刷が実行されることになる。印刷ジョブの状態は、例えば、印刷が実行されていることを示す“印刷中”と、印刷が実行されるまで待機していることを示す“待機中”とがある。
【0030】
図4に示す印刷キュー21には、ジョブIDが“JobA”である全部で5ページの印刷ジョブの後、ジョブIDが“JobB”である全部で3ページの印刷ジョブが存在している。そして、ジョブIDが“JobA”である印刷ジョブの1ページ目は、プリンター14による印刷が実行されている。
【0031】
図1に示すように、エンジンコントローラー20は、ROMまたは記憶部13に記憶されているプログラムを実行することによって、印刷キュー21から順に読み出したページに基づいて記録媒体91にプリンター14によって印刷を実行する印刷実行手段22として機能する。
【0032】
メインコントローラー30は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種の情報を予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部13に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0033】
メインコントローラー30は、ROMまたは記憶部13に記憶されているプログラムを実行することによって、印刷キュー21に印刷ジョブを書き込むジョブ書込手段31、媒体供給装置50および後処理装置70の接続状態を検出する接続状態検出手段32、および、印刷キュー21の最大記憶ページ数を変更する最大記憶ページ数変更手段33として機能する。
【0034】
次に、MFP10の動作について説明する。
【0035】
<印刷キュー21の最大記憶ページ数の変更>
MFP10が起動すると、メインコントローラー30は、図5に示す動作を実行する。
【0036】
図5は、印刷キュー21の最大記憶ページ数を変更する場合のメインコントローラー30の動作のフローチャートである。
【0037】
図5に示すように、メインコントローラー30の接続状態検出手段32は、媒体供給装置50および後処理装置70の接続状態を検出する(S101)。
【0038】
次いで、メインコントローラー30の最大記憶ページ数変更手段33は、S101において検出された接続状態に対応する最大記憶ページ数を、記憶部13に記憶されている対応関係13aに基づいて取得する(S102)。
【0039】
次いで、最大記憶ページ数変更手段33は、印刷キュー21の最大記憶ページ数を、S102において取得した最大記憶ページ数に変更して(S103)、図5に示す動作を終了する。
【0040】
例えば、MFP10に媒体供給装置50および後処理装置70の両方が接続されている場合、印刷キュー21の最大記憶ページ数は、図6に示すように“12”になる。
【0041】
<印刷キュー21への印刷ジョブの書き込み>
メインコントローラー30は、印刷ジョブが発生すると、印刷キュー21への書き込みが終了するまで、その印刷ジョブを古い順に管理する。
【0042】
図7は、印刷キュー21に印刷ジョブを書き込む場合のメインコントローラー30の動作のフローチャートである。
【0043】
図7に示すように、メインコントローラー30のジョブ書込手段31は、印刷キュー21への書き込みが終了していない印刷ジョブを管理していると判断するまで、印刷キュー21への書き込みが終了していない印刷ジョブを管理しているか否かを判断する(S121)。
【0044】
ジョブ書込手段31は、印刷キュー21への書き込みが終了していない印刷ジョブを管理しているとS121において判断すると、印刷キュー21への書き込みが終了していない印刷ジョブのうち最も古い印刷ジョブを対象とする(S122)。
【0045】
次いで、ジョブ書込手段31は、印刷キュー21に空きがあると判断するまで、印刷キュー21に空きがあるか否かを判断する(S123)。
【0046】
ジョブ書込手段31は、印刷キュー21に空きがあるとS123において判断すると、現在対象としている印刷ジョブにおいて印刷キュー21への書き込みが終了していないページのうち、ページ番号が最小のページを印刷キュー21に書き込む(S124)。
【0047】
次いで、ジョブ書込手段31は、現在対象としている印刷ジョブの全てのページを印刷キュー21に書き込んだか否かを判断する(S125)。
【0048】
ジョブ書込手段31は、現在対象としている印刷ジョブにおいて印刷キュー21への書き込みが終了していないページがあるとS125において判断すると、再びS123の処理に戻る。
【0049】
一方、ジョブ書込手段31は、現在対象としている印刷ジョブの全てのページを印刷キュー21に書き込んだとS125において判断すると、再びS121の処理に戻る。
【0050】
例えば、印刷キュー21の内容が図4に示す状態である場合に、ジョブIDが“JobC”である全部で2ページの印刷ジョブが発生すると、印刷キュー21の内容は、ジョブ書込手段31による図7に示す動作によって、図8に示す状態になる。
【0051】
<印刷の実行>
【0052】
図9は、印刷を実行する場合のエンジンコントローラー20の動作のフローチャートである。
【0053】
図9に示すように、エンジンコントローラー20の印刷実行手段22は、印刷キュー21に印刷ジョブが記憶されていると判断するまで、印刷キュー21に印刷ジョブが記憶されているか否かを判断する(S141)。
【0054】
印刷実行手段22は、印刷キュー21に印刷ジョブが記憶されているとS141において判断すると、印刷キュー21から番号が“1”のページを読み出す(S142)。
【0055】
次いで、印刷実行手段22は、印刷キュー21において番号が“1”のページの状態を“印刷中”にする(S143)。
【0056】
次いで、印刷実行手段22は、S142において読み出したページに基づいてプリンター14によって記録媒体91に印刷を実行する(S144)。
【0057】
印刷実行手段22は、S144において実行した印刷を終了すると、印刷キュー21から番号が“1”のページを削除する(S145)。ここで、印刷実行手段22は、印刷キュー21から番号が“1”のページを削除した後、印刷キュー21上の全ての印刷ジョブのデータを1つずつ繰り上げる。すなわち、印刷実行手段22は、印刷キュー21において番号が2、3、4、5、・・・であったデータを、それぞれ1、2、3、4、・・・に移動させる。
【0058】
例えば、印刷キュー21の内容は、S143において図4に示す状態になった場合に、S145において図10(a)に示す状態になる。
【0059】
印刷実行手段22は、S145の処理の後、メインコントローラー30から印刷ジョブの取り消しが指示されたか否かを判断する(S146)。
【0060】
印刷実行手段22は、メインコントローラー30から印刷ジョブの取り消しが指示されたとS146において判断すると、メインコントローラー30から取り消しが指示された印刷ジョブを印刷キュー21から削除する(S147)。ここで、印刷実行手段22は、メインコントローラー30から取り消しが指示された印刷ジョブを印刷キュー21から削除した後、印刷キュー21において削除した印刷ジョブに続く印刷ジョブが存在する場合、それらの印刷ジョブのデータを繰り上げる。
【0061】
例えば、印刷キュー21の内容は、S145において図10(a)に示す状態になった場合に、ジョブIDが“JobB”である印刷ジョブの取り消しがメインコントローラー30から指示されると、S147において図10(b)に示す状態になる。
【0062】
印刷実行手段22は、メインコントローラー30から印刷ジョブの取り消しが指示されていないとS146において判断するか、S147の処理を終了すると、再びS141の処理に戻る。
【0063】
図9に示すように、印刷実行手段22は、印刷キュー21に記憶されている印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブが取り消される場合はもちろん、印刷キュー21に記憶されている印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合にも、印刷ジョブが取り消される間(S147)、印刷の実行(S144)を一時停止する。
【0064】
以上に説明したように、MFP10は、記録媒体91の搬送経路10aの長さに影響する拡張機器である媒体供給装置50および後処理装置70の接続状態に基づいて印刷キュー21の最大記憶ページ数を変更するので、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性を従来より低下させることができる。
【0065】
なお、MFP10は、印刷キュー21の最大記憶ページ数を変更するようになっているが、変更後の最大記憶ページ数が記録媒体91の搬送経路10aの実際の長さに応じて適切に設定されていれば、従来の画像形成装置と同等の印刷能力を維持することができる。
【0066】
また、MFP10は、対応関係13aを自ら記憶しているので、印刷キュー21の最大記憶ページ数を変更する場合に外部の装置と通信する必要をなくすことができる。
【0067】
なお、MFP10は、印刷キュー21の最大記憶ページ数の変更を起動時に実行するようになっているが、起動時以外の時に実行するようになっていても良い。
【0068】
(第2の実施の形態)
まず、本実施の形態に係るネットワークシステムの構成について説明する。
【0069】
図11は、本実施の形態に係るネットワークシステム200のブロック図である。
【0070】
図11に示すように、ネットワークシステム200は、画像形成装置としてのMFP210と、MFP210の外部のコンピューター220とを備えている。MFP210およびコンピューター220は、LAN、インターネットなどのネットワーク201を介して互いに通信可能に接続されている。
【0071】
MFP210の構成は、対応関係13a(図1参照。)を備えていないことを除いて、第1の実施の形態に係るMFP10(図1参照。)の構成と同様である。
【0072】
コンピューター220は、対応関係13aと同様の対応関係を記憶している。
【0073】
次に、ネットワークシステム200の動作について説明する。
【0074】
MFP210は、S102(図5参照。)の処理を除いて、第1の実施の形態に係るMFP10の動作と同一の動作を実行する。
【0075】
MFP210の最大記憶ページ数変更手段は、S101において検出された接続状態に対応する最大記憶ページ数を、コンピューター220に記憶されている対応関係に基づいて取得する。
【0076】
本発明の画像形成装置は、上述の各実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機、ファックス専用機、コピー専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0077】
10 MFP(画像形成装置)
10a 搬送経路
13 記憶部(対応関係記憶部)
13a 対応関係
21 印刷キュー
22 印刷実行手段
31 ジョブ書込手段
32 接続状態検出手段
33 最大記憶ページ数変更手段
50 媒体供給装置(拡張機器)
70 後処理装置(拡張機器)
91 記録媒体
210 MFP(画像形成装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に印刷を実行する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体に印刷を実行する画像形成装置として、印刷ジョブをページ単位で記憶する印刷キューと、印刷キューに印刷ジョブを書き込むとともに、印刷キューから順に読み出したページに基づいて用紙に印刷を実行するCPUとを備えている印刷装置が知られている(特許文献1参照。)。この印刷装置のCPUは、印刷キューに記憶されている印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合に印刷の実行を一時停止する。
【0003】
印刷キューは、印刷を円滑に実行するための記憶領域である。したがって、印刷キューが記憶することができるページの最大数(以下「最大記憶ページ数」という。)は、画像形成装置において同時に搬送可能な記録媒体の枚数より大きいことが好ましい。ここで、画像形成装置において同時に搬送可能な記録媒体の枚数は、画像形成装置における記録媒体の搬送経路の長さに応じて定まる。すなわち、最適な最大記憶ページ数は、画像形成装置における記録媒体の搬送経路の長さに応じて定まる。
【0004】
ここで、画像形成装置は、画像形成装置に記録媒体を供給する外部の媒体供給装置や、画像形成装置によって印刷された記録媒体の仕分け、ステープルなどの後処理を実行する後処理装置などの拡張機器が接続された場合、記録媒体の搬送経路の長さが増加する。
【0005】
そこで、最大記憶ページ数は、一般的に、記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器が全て接続された状態の画像形成装置における記録媒体の搬送経路の長さ、すなわち、画像形成装置における記録媒体の搬送経路の最大の長さに応じて、画像形成装置の種類毎に最適な数に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−77674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の画像形成装置は、上述したように、印刷キューに記憶されている印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合に印刷の実行を一時停止する。ここで、印刷キューに記憶されている印刷ジョブの数は、最大記憶ページ数が大きいほど、多い可能性が高い。したがって、従来の画像形成装置は、最大記憶ページ数が大きいほど、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性が高い。すなわち、従来の画像形成装置は、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性を低下させるために、最大記憶ページ数が必要以上に大きくないことが好ましい。
【0008】
しかしながら、従来の画像形成装置においては、記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器が接続されている状態での記録媒体の搬送経路の長さ、すなわち、画像形成装置における記録媒体の搬送経路の最大の長さに応じて最大記憶ページ数が固定されているので、記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器が接続されていない場合に、最大記憶ページ数が大き過ぎるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性を従来より低下させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像形成装置は、印刷ジョブをページ単位で記憶する印刷キューと、前記印刷キューに前記印刷ジョブを書き込むジョブ書込手段と、前記印刷キューから順に読み出した前記ページに基づいて記録媒体に印刷を実行する印刷実行手段とを備えていて、前記印刷実行手段は、前記印刷キューに記憶されている前記印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合に印刷の実行を一時停止する画像形成装置であって、前記記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器の接続状態を検出する接続状態検出手段と、前記印刷キューが記憶することができる前記ページの最大数である最大記憶ページ数を変更する最大記憶ページ数変更手段とを備えており、前記最大記憶ページ数変更手段は、前記接続状態検出手段によって検出された前記接続状態に基づいて、前記最大記憶ページ数を変更することを特徴とする。
【0011】
この構成により、本発明の画像形成装置は、記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器の接続状態に基づいて最大記憶ページ数を変更するので、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性を従来より低下させることができる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、前記接続状態および前記最大記憶ページ数の対応関係を記憶する対応関係記憶部を備えており、前記最大記憶ページ数変更手段は、前記接続状態検出手段によって検出された前記接続状態と、前記対応関係記憶部に記憶されている前記対応関係とに基づいて、前記最大記憶ページ数を変更しても良い。
【0013】
この構成により、本発明の画像形成装置は、最大記憶ページ数を変更する場合に外部の装置と通信する必要をなくすことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の画像形成装置は、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性を従来より低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るMFPのブロック図である。
【図2】図1に示すMFPの構成図である。
【図3】図1に示す対応関係の内容の一例を示す図である。
【図4】図1に示す印刷キューの内容の一例を示す図である。
【図5】印刷キューの最大記憶ページ数を変更する場合の図1に示すメインコントローラーの動作のフローチャートである。
【図6】最大記憶ページ数が変更された場合の図1に示す印刷キューの内容の一例を示す図である。
【図7】印刷キューに印刷ジョブを書き込む場合の図1に示すメインコントローラーの動作のフローチャートである。
【図8】印刷ジョブが書き込まれた場合の図1に示す印刷キューの内容の一例を示す図である。
【図9】印刷を実行する場合の図1に示すエンジンコントローラーの動作のフローチャートである。
【図10】(a)印刷が実行された場合の図1に示す印刷キューの内容の一例を示す図である。(b)印刷ジョブが取り消された場合の図1に示す印刷キューの内容の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)10のブロック図である。図2は、MFP10の構成図である。
【0019】
図1および図2に示すように、MFP10は、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部11と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部12と、プログラムおよび各種の情報を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部13と、用紙などの記録媒体91に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター14と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー15と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部16と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由でPC(Personal Computer)などの外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部17と、プリンター14を制御するエンジンコントローラー20と、MFP10全体を制御するメインコントローラー30とを備えている。
【0020】
MFP10は、単独で使用されることもできるが、MFP10に記録媒体91を供給する拡張機器である媒体供給装置50と、MFP10によって印刷された記録媒体91の仕分け、ステープルなどの後処理を実行する拡張機器である後処理装置70との少なくとも一方が接続されて使用されることもできる。媒体供給装置50および後処理装置70は、記録媒体91の搬送経路10aの長さに影響する拡張機器である。
【0021】
記憶部13は、媒体供給装置50および後処理装置70の接続状態と、後述の印刷キュー21が記憶することができるページの最大数である最大記憶ページ数との対応関係13aを記憶しており、本発明の対応関係記憶部を構成している。
【0022】
図3は、対応関係13aの内容の一例を示す図である。
【0023】
図3に示す対応関係13aによれば、最大記憶ページ数は、MFP10に媒体供給装置50および後処理装置70の何れも接続されていない場合に“8”であり、MFP10に媒体供給装置50および後処理装置70のうち媒体供給装置50のみが接続されている場合に“10”であり、MFP10に媒体供給装置50および後処理装置70のうち後処理装置70のみが接続されている場合に“10”であり、MFP10に媒体供給装置50および後処理装置70の両方が接続されている場合に“12”である。
【0024】
対応関係13aは、MFP10の製造段階でMFP10にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリー、SDメモリーカードなどの記憶媒体から、または、ネットワーク上からMFP10に追加でインストールされても良いし、操作部11を介した操作に基づいて生成されても良い。
【0025】
図1に示すエンジンコントローラー20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種の情報を予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部13に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0026】
エンジンコントローラー20は、印刷ジョブをページ単位で記憶する印刷キュー21をRAM上に作成することができる。
【0027】
なお、印刷キュー21に記憶される印刷ジョブとしては、例えば、スキャナー15によって原稿から読み取られた画像に基づいたコピーの印刷ジョブと、外部のファクシミリ装置からファックス通信部16を介してファックス受信した画像に基づいたファックスの印刷ジョブと、外部のコンピューターからネットワーク通信部17を介して受信した印刷データに基づいた印刷ジョブとがある。
【0028】
図4は、印刷キュー21の内容の一例を示す図である。
【0029】
図4に示すように、印刷キュー21は、例えば、印刷ジョブの番号と、印刷ジョブのIDであるジョブIDと、印刷ジョブのページと、印刷ジョブの状態とを記憶している。印刷ジョブの番号は、“1”から最大記憶ページ数までである。番号が小さいページほど、プリンター14によって先に印刷が実行されることになる。印刷ジョブの状態は、例えば、印刷が実行されていることを示す“印刷中”と、印刷が実行されるまで待機していることを示す“待機中”とがある。
【0030】
図4に示す印刷キュー21には、ジョブIDが“JobA”である全部で5ページの印刷ジョブの後、ジョブIDが“JobB”である全部で3ページの印刷ジョブが存在している。そして、ジョブIDが“JobA”である印刷ジョブの1ページ目は、プリンター14による印刷が実行されている。
【0031】
図1に示すように、エンジンコントローラー20は、ROMまたは記憶部13に記憶されているプログラムを実行することによって、印刷キュー21から順に読み出したページに基づいて記録媒体91にプリンター14によって印刷を実行する印刷実行手段22として機能する。
【0032】
メインコントローラー30は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種の情報を予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部13に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0033】
メインコントローラー30は、ROMまたは記憶部13に記憶されているプログラムを実行することによって、印刷キュー21に印刷ジョブを書き込むジョブ書込手段31、媒体供給装置50および後処理装置70の接続状態を検出する接続状態検出手段32、および、印刷キュー21の最大記憶ページ数を変更する最大記憶ページ数変更手段33として機能する。
【0034】
次に、MFP10の動作について説明する。
【0035】
<印刷キュー21の最大記憶ページ数の変更>
MFP10が起動すると、メインコントローラー30は、図5に示す動作を実行する。
【0036】
図5は、印刷キュー21の最大記憶ページ数を変更する場合のメインコントローラー30の動作のフローチャートである。
【0037】
図5に示すように、メインコントローラー30の接続状態検出手段32は、媒体供給装置50および後処理装置70の接続状態を検出する(S101)。
【0038】
次いで、メインコントローラー30の最大記憶ページ数変更手段33は、S101において検出された接続状態に対応する最大記憶ページ数を、記憶部13に記憶されている対応関係13aに基づいて取得する(S102)。
【0039】
次いで、最大記憶ページ数変更手段33は、印刷キュー21の最大記憶ページ数を、S102において取得した最大記憶ページ数に変更して(S103)、図5に示す動作を終了する。
【0040】
例えば、MFP10に媒体供給装置50および後処理装置70の両方が接続されている場合、印刷キュー21の最大記憶ページ数は、図6に示すように“12”になる。
【0041】
<印刷キュー21への印刷ジョブの書き込み>
メインコントローラー30は、印刷ジョブが発生すると、印刷キュー21への書き込みが終了するまで、その印刷ジョブを古い順に管理する。
【0042】
図7は、印刷キュー21に印刷ジョブを書き込む場合のメインコントローラー30の動作のフローチャートである。
【0043】
図7に示すように、メインコントローラー30のジョブ書込手段31は、印刷キュー21への書き込みが終了していない印刷ジョブを管理していると判断するまで、印刷キュー21への書き込みが終了していない印刷ジョブを管理しているか否かを判断する(S121)。
【0044】
ジョブ書込手段31は、印刷キュー21への書き込みが終了していない印刷ジョブを管理しているとS121において判断すると、印刷キュー21への書き込みが終了していない印刷ジョブのうち最も古い印刷ジョブを対象とする(S122)。
【0045】
次いで、ジョブ書込手段31は、印刷キュー21に空きがあると判断するまで、印刷キュー21に空きがあるか否かを判断する(S123)。
【0046】
ジョブ書込手段31は、印刷キュー21に空きがあるとS123において判断すると、現在対象としている印刷ジョブにおいて印刷キュー21への書き込みが終了していないページのうち、ページ番号が最小のページを印刷キュー21に書き込む(S124)。
【0047】
次いで、ジョブ書込手段31は、現在対象としている印刷ジョブの全てのページを印刷キュー21に書き込んだか否かを判断する(S125)。
【0048】
ジョブ書込手段31は、現在対象としている印刷ジョブにおいて印刷キュー21への書き込みが終了していないページがあるとS125において判断すると、再びS123の処理に戻る。
【0049】
一方、ジョブ書込手段31は、現在対象としている印刷ジョブの全てのページを印刷キュー21に書き込んだとS125において判断すると、再びS121の処理に戻る。
【0050】
例えば、印刷キュー21の内容が図4に示す状態である場合に、ジョブIDが“JobC”である全部で2ページの印刷ジョブが発生すると、印刷キュー21の内容は、ジョブ書込手段31による図7に示す動作によって、図8に示す状態になる。
【0051】
<印刷の実行>
【0052】
図9は、印刷を実行する場合のエンジンコントローラー20の動作のフローチャートである。
【0053】
図9に示すように、エンジンコントローラー20の印刷実行手段22は、印刷キュー21に印刷ジョブが記憶されていると判断するまで、印刷キュー21に印刷ジョブが記憶されているか否かを判断する(S141)。
【0054】
印刷実行手段22は、印刷キュー21に印刷ジョブが記憶されているとS141において判断すると、印刷キュー21から番号が“1”のページを読み出す(S142)。
【0055】
次いで、印刷実行手段22は、印刷キュー21において番号が“1”のページの状態を“印刷中”にする(S143)。
【0056】
次いで、印刷実行手段22は、S142において読み出したページに基づいてプリンター14によって記録媒体91に印刷を実行する(S144)。
【0057】
印刷実行手段22は、S144において実行した印刷を終了すると、印刷キュー21から番号が“1”のページを削除する(S145)。ここで、印刷実行手段22は、印刷キュー21から番号が“1”のページを削除した後、印刷キュー21上の全ての印刷ジョブのデータを1つずつ繰り上げる。すなわち、印刷実行手段22は、印刷キュー21において番号が2、3、4、5、・・・であったデータを、それぞれ1、2、3、4、・・・に移動させる。
【0058】
例えば、印刷キュー21の内容は、S143において図4に示す状態になった場合に、S145において図10(a)に示す状態になる。
【0059】
印刷実行手段22は、S145の処理の後、メインコントローラー30から印刷ジョブの取り消しが指示されたか否かを判断する(S146)。
【0060】
印刷実行手段22は、メインコントローラー30から印刷ジョブの取り消しが指示されたとS146において判断すると、メインコントローラー30から取り消しが指示された印刷ジョブを印刷キュー21から削除する(S147)。ここで、印刷実行手段22は、メインコントローラー30から取り消しが指示された印刷ジョブを印刷キュー21から削除した後、印刷キュー21において削除した印刷ジョブに続く印刷ジョブが存在する場合、それらの印刷ジョブのデータを繰り上げる。
【0061】
例えば、印刷キュー21の内容は、S145において図10(a)に示す状態になった場合に、ジョブIDが“JobB”である印刷ジョブの取り消しがメインコントローラー30から指示されると、S147において図10(b)に示す状態になる。
【0062】
印刷実行手段22は、メインコントローラー30から印刷ジョブの取り消しが指示されていないとS146において判断するか、S147の処理を終了すると、再びS141の処理に戻る。
【0063】
図9に示すように、印刷実行手段22は、印刷キュー21に記憶されている印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブが取り消される場合はもちろん、印刷キュー21に記憶されている印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合にも、印刷ジョブが取り消される間(S147)、印刷の実行(S144)を一時停止する。
【0064】
以上に説明したように、MFP10は、記録媒体91の搬送経路10aの長さに影響する拡張機器である媒体供給装置50および後処理装置70の接続状態に基づいて印刷キュー21の最大記憶ページ数を変更するので、印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消されることによる印刷の実行の一時停止が生じる可能性を従来より低下させることができる。
【0065】
なお、MFP10は、印刷キュー21の最大記憶ページ数を変更するようになっているが、変更後の最大記憶ページ数が記録媒体91の搬送経路10aの実際の長さに応じて適切に設定されていれば、従来の画像形成装置と同等の印刷能力を維持することができる。
【0066】
また、MFP10は、対応関係13aを自ら記憶しているので、印刷キュー21の最大記憶ページ数を変更する場合に外部の装置と通信する必要をなくすことができる。
【0067】
なお、MFP10は、印刷キュー21の最大記憶ページ数の変更を起動時に実行するようになっているが、起動時以外の時に実行するようになっていても良い。
【0068】
(第2の実施の形態)
まず、本実施の形態に係るネットワークシステムの構成について説明する。
【0069】
図11は、本実施の形態に係るネットワークシステム200のブロック図である。
【0070】
図11に示すように、ネットワークシステム200は、画像形成装置としてのMFP210と、MFP210の外部のコンピューター220とを備えている。MFP210およびコンピューター220は、LAN、インターネットなどのネットワーク201を介して互いに通信可能に接続されている。
【0071】
MFP210の構成は、対応関係13a(図1参照。)を備えていないことを除いて、第1の実施の形態に係るMFP10(図1参照。)の構成と同様である。
【0072】
コンピューター220は、対応関係13aと同様の対応関係を記憶している。
【0073】
次に、ネットワークシステム200の動作について説明する。
【0074】
MFP210は、S102(図5参照。)の処理を除いて、第1の実施の形態に係るMFP10の動作と同一の動作を実行する。
【0075】
MFP210の最大記憶ページ数変更手段は、S101において検出された接続状態に対応する最大記憶ページ数を、コンピューター220に記憶されている対応関係に基づいて取得する。
【0076】
本発明の画像形成装置は、上述の各実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機、ファックス専用機、コピー専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0077】
10 MFP(画像形成装置)
10a 搬送経路
13 記憶部(対応関係記憶部)
13a 対応関係
21 印刷キュー
22 印刷実行手段
31 ジョブ書込手段
32 接続状態検出手段
33 最大記憶ページ数変更手段
50 媒体供給装置(拡張機器)
70 後処理装置(拡張機器)
91 記録媒体
210 MFP(画像形成装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブをページ単位で記憶する印刷キューと、前記印刷キューに前記印刷ジョブを書き込むジョブ書込手段と、前記印刷キューから順に読み出した前記ページに基づいて記録媒体に印刷を実行する印刷実行手段とを備えていて、前記印刷実行手段は、前記印刷キューに記憶されている前記印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合に印刷の実行を一時停止する画像形成装置であって、
前記記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器の接続状態を検出する接続状態検出手段と、前記印刷キューが記憶することができる前記ページの最大数である最大記憶ページ数を変更する最大記憶ページ数変更手段とを備えており、
前記最大記憶ページ数変更手段は、前記接続状態検出手段によって検出された前記接続状態に基づいて、前記最大記憶ページ数を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記接続状態および前記最大記憶ページ数の対応関係を記憶する対応関係記憶部を備えており、
前記最大記憶ページ数変更手段は、前記接続状態検出手段によって検出された前記接続状態と、前記対応関係記憶部に記憶されている前記対応関係とに基づいて、前記最大記憶ページ数を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項1】
印刷ジョブをページ単位で記憶する印刷キューと、前記印刷キューに前記印刷ジョブを書き込むジョブ書込手段と、前記印刷キューから順に読み出した前記ページに基づいて記録媒体に印刷を実行する印刷実行手段とを備えていて、前記印刷実行手段は、前記印刷キューに記憶されている前記印刷ジョブのうち印刷を実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブが取り消される場合に印刷の実行を一時停止する画像形成装置であって、
前記記録媒体の搬送経路の長さに影響する拡張機器の接続状態を検出する接続状態検出手段と、前記印刷キューが記憶することができる前記ページの最大数である最大記憶ページ数を変更する最大記憶ページ数変更手段とを備えており、
前記最大記憶ページ数変更手段は、前記接続状態検出手段によって検出された前記接続状態に基づいて、前記最大記憶ページ数を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記接続状態および前記最大記憶ページ数の対応関係を記憶する対応関係記憶部を備えており、
前記最大記憶ページ数変更手段は、前記接続状態検出手段によって検出された前記接続状態と、前記対応関係記憶部に記憶されている前記対応関係とに基づいて、前記最大記憶ページ数を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−111883(P2013−111883A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261059(P2011−261059)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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