説明

画像形成装置

【課題】現像剤収容容器または現像装置のみを個別に取り外し可能であり、現像剤収容容器または現像装置と中間ホッパーとの連結不良も発生しない画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間ホッパー6は、トナーコンテナ5側に配置される第1ホッパー部6aと、現像装置4側に配置される第2ホッパー部6bと、第1ホッパー部6aと第2ホッパー部6bの間に連結される第3ホッパー部6cとで構成される。第3ホッパー部6cの上端部はピン67aによって第1ホッパー部6aの下端部に回動自在に連結され、第3ホッパー部6cの下端部はピン67bによって第2ホッパー部6bの連結部61bの上端部に回動自在に連結されている。支持フレーム41が矢印AA′方向に往復移動するとき、第1ホッパー部6aと第3ホッパー部6cの連結部分、及び第3ホッパー部6cと第2ホッパー部6bの連結部分は支持フレーム41の移動を許容する方向に回動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱式の現像装置を備えた複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に関し、特に、現像装置と現像装置に現像剤を供給する現像剤供給機構との連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置に搭載される現像装置は、メンテナンスの容易化のため現像装置と現像剤(トナー)を収容するトナーコンテナとを一体化したユニットとしておき、現像剤がなくなるとユニットごと交換していた。しかし、現像装置は経済上の観点から頻繁に交換できず、ある程度多数枚の画像形成を行うためには現像剤の容量を大きくせざるを得ないため、上記の方式ではユニットが大型化するという問題があった。そこで、現像装置の小型化を図るために、現像装置とは別個に設けられたトナーコンテナから現像剤を供給する方式の画像形成装置が提案されている。
【0003】
ところで、上述したような画像形成装置においては、トナーコンテナ或いは現像装置の交換作業やメンテナンス作業を簡素化するために、トナーコンテナ或いは現像装置を個別に取り外し可能とすることが好ましい。しかし、トナーコンテナと現像装置とを直接連結させる構成では、トナーコンテナ及び現像装置の位置関係によって着脱操作の順序が制限され、操作性を低下させるという不都合があった。また、画像形成装置内部のレイアウト上の制約により、トナーコンテナと現像装置とを隣接して配置できない場合もあった。
【0004】
そこで、トナーコンテナ等の現像剤収容容器と現像装置との間に中間ホッパーを設ける構成が用いられている。例えば特許文献1には、トナーボトルと現像装置との間に、トナータンク部とトナー搬送管から成るトナー搬送装置を設けた画像形成装置が開示されている。また、特許文献2には、トナーボトルと現像装置の間にサービスホッパーを設けた画像形成装置が開示されている。
【0005】
特許文献1、2の構成によれば、中間ホッパーを画像形成装置本体側に残した状態で、現像装置のみ、或いは現像剤収容容器のみを個別に着脱することができる。また、現像剤収容容器及び現像装置を必要最小限の大きさにできるため、画像形成装置の小型化、省スペース化も図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−204772号公報
【特許文献2】特開2010−243958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、画像形成装置本体に対し現像装置を着脱する場合、現像ローラー(現像剤担持体)と感光体ドラム(像担持体)との干渉を回避するために、現像ローラーが感光体ドラムから所定距離だけ離間する位置まで現像装置を移動させた状態で現像装置を着脱する必要がある。
【0008】
このとき、特許文献1、2のように、現像装置の現像剤供給口に連結される中間ホッパーの連結部が画像形成装置本体側に固定されていると、現像装置の移動時に中間ホッパーの連結部と現像装置の現像剤供給口との位置関係がずれてしまい、現像装置と中間ホッパーとの連結不良が発生して現像剤が漏出するおそれがあった。
【0009】
また、中間ホッパーを現像装置と共に移動可能とする構成も考えられるが、移動機構の構成が大型化し、移動のためのスペースも必要となる上、中間ホッパーと現像剤収容容器との位置関係がずれてしまう。現像剤収容容器と中間ホッパーとの連結不良を防止するために現像剤収容容器も一体に移動させようとすると、さらに大きな移動機構及び移動スペースが必要となる。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑み、現像剤収容容器または現像装置のみを個別に取り外し可能であり、現像剤収容容器または現像装置と中間ホッパーとの連結不良も発生しない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、静電潜像が形成される像担持体と対向して配置され、前記像担持体との対向領域において前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体を有する現像装置と、該現像装置を、前記現像剤担持体が前記像担持体から離間する着脱位置と、前記像担持体に現像剤を供給可能な現像位置と、に選択配置する往復移動可能な支持フレームと、前記現像装置の上方に配置され、前記現像装置に供給する現像剤を収容する現像剤収容容器と、該現像剤収容容器と前記現像装置との間に配置され、剛性を有する筒状体から成る中間ホッパーと、を備え、前記中間ホッパーは、前記現像剤収容容器の現像剤排出口から排出された現像剤を受け入れる現像剤受入口が形成され、該現像剤受入口が前記現像剤排出口に対向するように画像形成装置本体内に固定される第1ホッパー部と、前記現像装置の現像剤供給口に現像剤を供出する現像剤供出口が形成され、該現像剤供出口が前記現像剤供給口に対向するように前記支持フレーム上に固定される第2ホッパー部と、上下両端部が前記第1ホッパー部及び第2ホッパー部に連結され、前記第1ホッパー部及び第2ホッパー部との連結部分が前記支持フレームの移動を許容する方向に回動可能である第3ホッパー部と、で構成される画像形成装置である。
【0012】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記現像装置が現像位置に配置されたとき、前記第1ホッパー部と前記第3ホッパー部との連結部分、及び前記第3ホッパー部と前記第2ホッパー部との連結部分が垂直な同一直線上に配置されることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記第1ホッパー部に連結される前記第3ホッパー部の上端部の内径が前記第1ホッパー部の連結部分の外径よりも大きく、前記第2ホッパー部に連結される前記第3ホッパー部の下端部の外径が前記第2ホッパー部の連結部分の内径よりも小さいことを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記第2ホッパー部は、水平方向に延在する搬送部と、該搬送部から略垂直上方に突設され前記第3ホッパー部の下端部が連結される連結部とで構成されており、前記搬送部内には現像剤を搬送する搬送部材が配置されていることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記中間ホッパーは、前記現像剤収容容器及び前記現像装置の着脱方向に重なり合わない位置に配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の構成によれば、第1ホッパー部と第3ホッパー部との連結部分、及び第3ホッパー部と第2ホッパー部との連結部分が、支持フレームの移動を許容する方向に回動可能に連結されるため、現像装置を現像位置または着脱位置に移動させたとき、現像剤収容容器の現像剤排出口と第1ホッパー部の現像剤受入口、及び第2ホッパー部の現像剤供出口と現像装置の現像剤供給口との位置関係を常に一定に維持可能となり、中間ホッパーと現像剤収容容器または現像装置との連結不良の発生を効果的に防止することができる。また、支持フレームと共に中間ホッパーの一部のみが移動し、現像剤収容容器や中間ホッパー全体を移動させる必要がないため、現像装置の移動機構を小型化することができ、移動スペースも小さくすることができる。
【0017】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、現像装置が現像位置に配置されたとき、第1ホッパー部と第3ホッパー部との連結部分、及び第3ホッパー部と第2ホッパー部との連結部分が垂直な同一直線上に配置されることにより、現像剤収容容器から第1ホッパー部の現像剤受入口に供給された現像剤は、第3ホッパー部を通過して第2ホッパー部まで円滑に自由落下する。従って、搬送部材を用いることなく中間ホッパー内の現像剤の滞留を効果的に防止することができる。
【0018】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1又は第2の構成の画像形成装置において、第1ホッパー部に連結される第3ホッパー部の上端部の内径を第1ホッパー部の連結部分の外径よりも大きくし、第2ホッパー部に連結される第3ホッパー部の下端部の外径を第2ホッパー部の連結部分の内径よりも小さくすることにより、第3ホッパー部の上端部が第1ホッパー部の連結部分を下側から受け、第2ホッパー部の連結部分が第3ホッパー部の下端部を下側から受ける構成となる。従って、第1〜第3ホッパー部の連結部分におけるトナーの漏出を防止することができる。
【0019】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成の画像形成装置において、第2ホッパー部は、水平方向に延在する搬送部と、該搬送部から略垂直上方に突設され第3ホッパー部の下端部が連結される連結部とで構成されており、搬送部内に現像剤を搬送する搬送部材を配置することにより、現像装置の現像剤供給口を現像剤収容容器の現像剤排出口の直下に配置できない構成においても、第1、第3ホッパー部内を落下した現像剤は第2ホッパー部の連結部及び搬送部を通過して現像剤供給口に確実に搬送される。従って、画像形成装置のレイアウトの自由度を広げることができる。
【0020】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1乃至第4のいずれかの構成の画像形成装置において、中間ホッパーを、現像剤収容容器及び現像装置の着脱方向に重なり合わない位置に配置することにより、中間ホッパーを取り外すことなく現像剤収容容器及び現像装置を個別に着脱することができ、画像形成装置のメンテナンス性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の概略断面図
【図2】本発明の画像形成装置100に搭載される現像装置4の外観斜視図
【図3】図2に示す現像装置4の側面断面図
【図4】現像装置4を現像位置に配置したときの現像装置、トナーコンテナ5、中間ホッパー6の位置関係を示す外観斜視図
【図5】現像装置4を現像位置に配置したときの現像装置、トナーコンテナ5、中間ホッパー6の位置関係を示す側面図
【図6】中間ホッパー6の内部構造を示す側面断面図
【図7】支持フレーム41と、画像形成装置100本体側に配置されるフレーム固定部材50とが連結した状態を示す斜視図
【図8】支持フレーム41及び現像解除レバー44を下方から見た斜視図
【図9】図8における一方の爪部46周辺の部分拡大図
【図10】フレーム固定部材50を上方から見た斜視図
【図11】現像装置4を着脱位置に配置したときの現像装置、トナーコンテナ5、中間ホッパー6の位置関係を示す外観斜視図
【図12】現像装置4を着脱位置に配置したときの現像装置、トナーコンテナ5、中間ホッパー6の位置関係を示す側面図
【図13】現像装置4を現像位置に配置したときの中間ホッパー6の状態を示す斜視図
【図14】現像装置4を着脱位置に配置したときの中間ホッパー6の状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。画像形成装置(例えばモノクロプリンター)100では、コピー動作を行う場合、装置本体内の画像形成部Pにおいて、不図示のパーソナルコンピューター(PC)から送信された原稿画像データに基づく静電潜像が形成され、現像装置4により静電潜像にトナーが付着されてトナー像が形成される。この現像装置4へのトナーの供給はトナーコンテナ5から中間ホッパー6を介して行われる。そして、このような画像形成装置100では、感光体ドラム1を図1において時計回りに回転させながら、感光体ドラム1に対する画像形成プロセスが実行される。
【0023】
画像形成部Pには、感光体ドラム1の回転方向(時計回り)に沿って、帯電部2、露光ユニット3、現像装置4、転写ローラー7、クリーニング装置8、及び除電装置(図示せず)が配設されている。感光体ドラム1は、例えばアルミドラムに感光層が積層されたものであり、帯電部2により、表面を帯電させるようになっている。そして、後述する露光ユニット3からのレーザービームを受けた表面に、帯電を減衰させた静電潜像を形成する。なお、上記の感光層は、特に限定するものではないが、例えば耐久性に優れるアモルファスシリコン(a−Si)や、帯電時のオゾンの発生が少なく高解像度の画像が得られる有機感光層(OPC)等が好ましい。
【0024】
帯電部2は、感光体ドラム1の表面を均一に帯電させるものである。例えば帯電部2として、細いワイヤー等を電極として高電圧を印加することにより放電するコロナ放電装置が用いられる。なお、コロナ放電装置に代えて、帯電ローラーに代表される帯電部材を感光体表面に接触させた状態で電圧を印加する接触式の帯電装置を用いても良い。露光ユニット3は、画像データに基づいて光ビーム(例えばレーザービーム)を感光体ドラム1に照射し、感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。
【0025】
現像装置4は、感光体ドラム1の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成させるものである。なお、ここでは磁性を有するトナー成分のみから構成される一成分現像剤(以下、単にトナーともいう)が現像装置4に収容されている。また、現像装置4の詳細については後述する。転写ローラー7は、感光体ドラム1表面に形成されたトナー像を乱さずに用紙搬送路11を搬送されてくる用紙に転写する。クリーニング装置8は、感光体ドラム1の長手方向に線接触するクリーニングローラーやクリーニングブレード等を備えており、トナー像が用紙に転写された後に、感光体ドラム1の表面に残った残留トナーを除去する。
【0026】
そして、予め入力された画像データに基づいて露光ユニット3が感光体ドラム1上にレーザービームを発することで、その画像データに基づく静電潜像を感光体ドラム1表面に形成する。その後、現像装置4が静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
【0027】
上記のようにトナー像が形成された画像形成部Pに向けて、用紙収容部10から用紙が用紙搬送路11及びレジストローラー対13を経由して所定のタイミングで搬送され、画像形成部Pにおいて転写ローラー7により感光体ドラム1表面のトナー像が用紙に転写される。そして、トナー像が転写された用紙は感光体ドラム1から分離され、定着部9に搬送されて加熱及び加圧されることで用紙にトナー像が定着される。定着部9を通過した用紙は、排出ローラー対14を通過して用紙排出部15に排出される。
【0028】
図2及び図3は、現像装置4の斜視図及び側面断面図である。図3に示すように、現像容器20内には、現像容器20と一体形成された仕切壁20bによって第1貯留室21と第2貯留室22とが形成されている。そして、この第1貯留室21には第1攪拌スクリュー23が、第2貯留室22には第2攪拌スクリュー24が配設されている。現像容器20の上部にはトナー供給口20aが設けられており、現像容器20内のトナー量を検知するトナーセンサー(図示せず)の検知結果に応じてトナーコンテナ5(図1参照)に貯留されたトナーが中間ホッパー6(図1参照)を介して供給される。
【0029】
また、トナー供給口20aの開口縁を囲むようにスポンジ部材26が設けられている。スポンジ部材26は、中間ホッパー6の第2ホッパー部6bに形成されたトナー供出口62(図6参照)とトナー供給口20aとの隙間を密閉してトナー漏れを防止する。
【0030】
第1攪拌スクリュー23、第2攪拌スクリュー24は、それぞれ支軸を中心とし、その周囲に螺旋羽を設けた構成になっており、互いに平行な状態で現像容器20に回転可能に軸支されている。なお、第1攪拌スクリュー23、第2攪拌スクリュー24の軸方向である現像容器20の長手方向(図3の紙面と垂直な方向)の両端部においては仕切壁20bが存在せず、第1攪拌スクリュー23、第2攪拌スクリュー24間でのトナーの受け渡しが可能となっている。これにより、第1攪拌スクリュー23は、第1貯留室21内のトナーを攪拌しながら第2貯留室22に搬送し、第2攪拌スクリュー24は、第2貯留室22に搬送されてきたトナーを攪拌しながら搬送して現像ローラー25に供給する。
【0031】
現像ローラー25は、第1攪拌スクリュー23、第2攪拌スクリュー24と平行な状態で現像容器20に回転可能に軸支されている。現像ローラー25の内部には複数の磁極を有する永久磁石から成るマグネット体27が固定されている。このマグネット体27の磁力により現像ローラー25の表面にトナーを付着(担持)させてトナー薄層を形成する。現像ローラー25は外周面の一部が現像容器20から露出しており、露出部分が感光体ドラム1(図1参照)に対向するように配置されている。
【0032】
そして、トナー薄層の形成された現像ローラー25が感光体ドラム1(図1参照)の回転に応じて回転することで、感光体ドラム1の感光層にトナーを供給する。第1攪拌スクリュー23、第2攪拌スクリュー24、及び現像ローラー25は、モーター(図示せず)及びギア列により所定の速度で回転駆動される。また、現像ローラー25の両端部には現像容器20と現像ローラー25との隙間からの現像剤の漏出を防止するための磁気シール部材28が配設されている。
【0033】
規制ブレード29は、その長手方向が現像ローラー25の最大現像幅よりも大きく形成されており、現像ローラー25と所定の間隔を隔てて配置されることにより、感光体ドラム1に供給するトナー量を規制する層厚規制部30を形成する。層厚規制部30の隙間は0.2mm〜0.4mm程度に設定される。規制ブレード29の材質としては、磁性体或いは非磁性体のSUS(ステンレス)等が用いられる。ここでは、磁性体の規制ブレード29に永久磁石31を装着して磁性を付与している。
【0034】
マグネット体27は、N極及びS極から成る複数の磁極(図示せず)を有している。規制ブレード29にはマグネット体27の磁極が並行するため、規制ブレード29の先端には極が集中され、層厚規制部30に引き合う方向の磁界が発生する。
【0035】
この磁界により、規制ブレード29と現像ローラー25との間にトナーが連なったトナー鎖(磁気ブラシ)が形成される。そして、層厚規制部30を通過することにより層規制され、現像ローラー25上にトナー薄層が形成される。規制ブレード29に永久磁石31を配置することにより、層厚規制部30の間隔だけでなく層厚規制部30に発生する磁界によって規制力を高め、現像ローラー25上に数十μmのトナー薄層を形成する。一方、トナー薄層の形成に用いられなかったトナーは規制ブレード29の上流側(図3の下側)の側面に沿って滞留する。その後、現像ローラー25が図3の時計方向に回転してトナー鎖が感光体ドラム1に対向する位置に移動すると、トナー鎖は感光体ドラム1表面に接触してトナー像を形成する。
【0036】
図4は、現像装置4、トナーコンテナ5、中間ホッパー6を斜め上方から見た外観斜視図、図5は、図4における図1の画像形成装置100における現像装置4、トナーコンテナ5、中間ホッパー6の位置関係を示す側面図であり、図6は、中間ホッパー6の内部構造を示す側面断面図である。なお、図4及び図5は、図1の裏面側から見た状態を示しており、現像装置4とトナーコンテナ5の配置が図1とは左右逆になっている。また、図4では現像装置4を支持する支持フレーム41の記載を省略している。
【0037】
現像装置4は、画像形成装置100本体(図1参照)に対し水平方向(矢印AA′方向)に移動可能な支持フレーム41上に載置されている。支持フレーム41が矢印A方向に移動することで、現像装置4は、現像ローラー25(図3参照)が感光体ドラム1に対して予め定められたギャップで対向し、感光体ドラム1にトナーを供給可能な位置(以下、現像位置という)に配置される。一方、支持フレーム41が矢印A′方向に移動することで、現像装置4は、現像ローラー25が感光体ドラム1から離間し、画像形成装置100本体から着脱可能な位置(以下、着脱位置という)に配置される。なお、図4及び図5は現像装置4が現像位置に配置された状態を示している。
【0038】
着脱位置に配置された現像装置4は、支持フレーム41の底面部に沿って図5の紙面と垂直な方向に挿入または引き出されることにより、支持フレーム41に対して装着及び離脱(着脱)される。また、現像装置4を現像位置に配置すると、現像ローラー25から感光体ドラム1にトナーの供給が可能となる。支持フレーム41の移動機構については後述する。
【0039】
トナーコンテナ5は、未使用のトナーを収容するコンテナ容器51、搬送スクリュー52、攪拌パドル53を備えている。コンテナ容器51の長手方向の一端部には、中間ホッパー6の第1ホッパー部6aが固定されるトナー排出口51aが形成されている。攪拌パドル53は、その軸部から径方向の片側に延び、且つコンテナ容器51の長手方向に展開されるフィルム状の攪拌羽根を有する。攪拌パドル53の回転によって、コンテナ容器51内に収容されたトナーが攪拌され、攪拌されたトナーが搬送スクリュー52側に移送される。
【0040】
搬送スクリュー52は、その軸部の周りに長手方向に一定の位相(ピッチ)で螺旋状に形成される螺旋羽を有し、コンテナ容器51のトナー排出口51aに対向して配置されている。搬送スクリュー52が回転すると、攪拌パドル53によって攪拌されたトナーが螺旋羽の位相の進行によりトナー排出口51aに向かう方向(図4の矢印X方向)に搬送され、トナー排出口51aを介して第1ホッパー部6aのトナー受入口60に供給される。
【0041】
中間ホッパー6は、トナーコンテナ5側に配置される第1ホッパー部6aと、現像装置4側に配置される第2ホッパー部6bと、第1ホッパー部6aと第2ホッパー部6bの間に連結される第3ホッパー部6cとで構成されている。第1〜第3ホッパー部6a〜6cは剛性を有する筒状体であり、互いに内部が連通している。
【0042】
第1ホッパー部6aは、トナー受入口60がトナーコンテナ5のトナー排出口51aに対向するように画像形成装置100の本体内部に固定されている。
【0043】
第2ホッパー部6bは、水平方向に延在する搬送部61aと、搬送部61aから略垂直上方に突設され第3ホッパー部6cの下端部が連結される連結部61bとで構成されている。搬送部61aは、現像装置4が支持フレーム41上に装着されたとき、トナー供出口62が現像装置4のトナー供給口20aに対向するように支持フレーム41に固定されており、第2ホッパー部6bは支持フレーム41と共に移動可能となっている。
【0044】
また、搬送部61aの内部には、第1、第3ホッパー部6a、6c、連結部61bを通過してきたトナーをトナー供出口62方向に搬送するためのスパイラル63が配置されている。スパイラル63の回転軸の一端は搬送部61aの外部まで延在しており、駆動モーター(図示せず)からの駆動力をスパイラル63に伝達する駆動入力ギア65が固定されている。
【0045】
第3ホッパー部6cの上端部は、ピン67aによって第1ホッパー部6aの下端部に回動自在に連結されている。また、第3ホッパー部6cの下端部は、ピン67bによって第2ホッパー部6bの連結部61bの上端部に回動自在に連結されている。
【0046】
この構成により、中間ホッパー6は、支持フレーム41が矢印AA′方向に往復移動(平行移動)するとき、第1ホッパー部6aと第3ホッパー部6cの連結部分、及び第3ホッパー部6cと第2ホッパー部6bの連結部分が支持フレーム41の移動を許容する方向に回動できるようになっている。
【0047】
また、第1ホッパー部6aに連結される第3ホッパー部6cの上端部の内径は、第1ホッパー部6aの下端部の外径よりも大きく形成されている。さらに、第2ホッパー部6bの連結部61bに連結される第3ホッパー部6cの下端部の外径は、連結部61bの上端部の内径よりも小さくなっている。
【0048】
即ち、第1ホッパー部6aと第3ホッパー部6cの連結部分においては、第3ホッパー部6cの上端部が第1ホッパー部6aの下端部を下側から受ける構成となり、第2ホッパー部6bと第3ホッパー部6cの連結部分においては、第2ホッパー部6cの連結部61bが第3ホッパー部6cの下端部を下側から受ける構成となっている。これにより、第1〜第3ホッパー部6a〜6cの連結部分におけるトナーの漏出を防止している。
【0049】
次に、支持フレーム41の移動機構について説明する。図7は、支持フレーム41と、画像形成装置100本体側に配置されるフレーム固定部材50とが連結した状態を示す斜視図であり、図8は、支持フレーム41及び現像解除レバー44を下方から見た斜視図、図9は、図8における一方の爪部46周辺(図8の破線円S内)の部分拡大図、図10は、フレーム固定部材50を上方から見た斜視図である。なお、図7では現像解除レバー44の記載を省略している。
【0050】
現像解除レバー44は、支持フレーム41の下方に回転可能に支持されたシャフト45の一端に固定されている。シャフト45の両端部近傍には2つの爪部46が設けられており、現像解除レバー44を操作することによってシャフト45及び爪部46が回転するようになっている。支持フレーム41の裏面側には、一対のレール部41aと、コイルバネ47の一端を受ける一対のバネ受け部48と、各爪部46に対向して配置された一対の突起部49が形成されている。
【0051】
フレーム固定部材50は画像形成装置100本体側に固定されており、支持フレーム41のレール部41aが係合するレール係合溝51と、コイルバネ47が収容されるバネスペース53とが形成されている。即ち、コイルバネ47の両端はバネ受け部48とバネスペース53の左端の内壁面とに接触しており、通常は、支持フレーム41のバネ受け部48にはフレーム固定部材50へ近づく方向(矢印A方向)の付勢力が作用している。
【0052】
図9の状態から現像解除レバー44を矢印C方向に回動させると、シャフト45及び爪部46も同方向に回転し、爪部46の先端が突起部49の側面を押圧する。これにより、支持フレーム41は矢印A′方向に移動し、現像装置4(図5参照)は着脱位置に配置される。また、支持フレーム41と共にバネ受け部48も矢印A′方向に移動するため、コイルバネ47はバネスペース53の左端の内壁面に押し付けられて圧縮される。
【0053】
次に、現像解除レバー44を矢印C′方向に回動させて図9の状態に戻すと、シャフト45及び爪部46も同方向に回転し、爪部46の先端が突起部49の側面から離間する。これにより、圧縮されていたコイルバネ47が伸長してバネ受け部48を押圧するため、支持フレーム41は矢印A方向に移動し、現像装置4(図4参照)は現像位置に配置される。
【0054】
図11は、現像装置4が着脱位置に配置されたときの現像装置4、トナーコンテナ5、中間ホッパー6を斜め上方から見た外観斜視図であり、図12は、図11における現像装置4、トナーコンテナ5、中間ホッパー6の位置関係を示す側面図である。また、図13及び図14は、それぞれ現像装置4が現像位置または着脱位置に配置されたときの中間ホッパー6の状態を示す斜視図である。図4、図5、図11〜図14を用いて、現像装置4が現像位置と着脱位置とを往復する際の中間ホッパー6の動作について説明する。
【0055】
現像装置4が現像位置に配置されている図4、図5の状態から、支持フレーム41(図7参照)を矢印A′方向に移動させて現像装置4を図11、図12に示す着脱位置に配置する場合、第1ホッパー部6aに連結された第3ホッパー部6cの上端部が、ピン67aを中心として図13の時計回り方向に回動する。また、第3ホッパー部6cの下端部もピン67bを中心として時計回り方向に回動する。その結果、現像装置4の着脱位置への移動に伴う第2ホッパー部6bの矢印A′方向への移動に追従して、第3ホッパー部6cの下端部も矢印A′方向へ移動する。そして、図14に示すように第1〜第3ホッパー部6a〜6cが屈曲して連結された状態となる。
【0056】
また、現像装置4が着脱位置に配置されている図11、図12の状態から、支持フレーム41(図7参照)を矢印A方向に移動させて現像装置4を図4、図5に示す現像位置に配置する場合、第1ホッパー部6aに連結された第3ホッパー部6cの上端部が、ピン67aを中心として図14の反時計回り方向に回動する。また、第3ホッパー部6cの下端部もピン67bを中心として反時計回り方向に回動する。その結果、現像装置4の現像位置への移動に伴う第2ホッパー部6bの矢印A方向への移動に追従して、第3ホッパー部6cの下端部も矢印A方向へ移動する。そして、図13に示すように第1〜第3ホッパー部6a〜6cが略一直線上に連結された状態となる。
【0057】
従って、トナーコンテナ5及び中間ホッパー6を画像形成装置100本体内へ残した状態で、現像装置4を現像位置と着脱位置とに選択配置することができる。また、中間ホッパー6がトナーコンテナ5及び現像装置4の着脱方向(図5の紙面手前側)に重なり合う位置に配置されていないため、中間ホッパー6を取り外すことなく現像装置4、トナーコンテナ5を着脱することができる。従って、画像形成装置100に対して現像装置4、トナーコンテナ5をそれぞれ別個に着脱することができ、画像形成装置100のメンテナンス性が向上する。
【0058】
また、現像装置4を現像位置または着脱位置に移動させたとき、第1ホッパー部6aのトナー受入口60とトナーコンテナ5のトナー排出口51a、及び第2ホッパー部6bのトナー供出口62と現像装置4のトナー供給口20aとの位置関係も常に一定に維持可能となり、中間ホッパー6とトナーコンテナ5、及び中間ホッパー6と現像装置4との連結不良の発生を確実に防止することができる。
【0059】
また、第1〜第3ホッパー部6a〜6cは剛性を有するパイプで形成されるため、中間ホッパー6と現像装置4またはトナーコンテナ5との連結強度を高めることができる。さらに、現像装置4が現像位置に配置されたとき、図13に示すように、第1ホッパー部6aと第3ホッパー部6cとの連結部分、及び第3ホッパー部6cと第2ホッパー部6bとの連結部分が垂直な同一直線上に配置されるように構成したので、トナーコンテナ5から第1ホッパー部6aのトナー受入口60に供給されたトナーは、第3ホッパー部6cを通過して第2ホッパー部6bの搬送部61aまで円滑に自由落下し、搬送部61a内のスパイラルによってトナー供出口62まで搬送される。従って、中間ホッパー6内のトナーの滞留を効果的に防止することができる。
【0060】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、第2ホッパー部6bを搬送部61aと連結部61bから成る略L字形状としたが、現像装置4のトナー供給口20aをトナーコンテナ5のトナー排出口51aの直下に配置可能な場合は、第2ホッパー部6bに搬送部61aを設ける必要はない。この場合、トナー排出口51aから排出されたトナーは第1〜第3ホッパー部6a〜6c内を自由落下してトナー供給口20aに供給される。
【0061】
また、上記実施形態では、現像装置4が現像位置に配置されたとき、第1ホッパー部6aと第3ホッパー部6cとの連結部分、及び第3ホッパー部6cと第2ホッパー部6bとの連結部分が垂直な同一直線上に配置されるように構成したが、現像装置4が現像位置に配置されたとき第1〜第3ホッパー部6a〜6cが屈曲して連結された状態であっても良い。この場合、トナーの滞留を防止するために、第1ホッパー部6a、第3ホッパー部6c内にもトナーを搬送するスパイラルを設けておくことが好ましい。
【0062】
また、ここでは図2及び図3に示したような磁性一成分現像剤を用いる現像装置4を用いる構成について説明したが、これに限定されるものではなく、トナーとキャリアとから成る二成分現像剤を用いる現像装置であっても良い。例えば、磁気ローラーと現像ローラーを用い、磁気ローラー上にキャリアを残したまま現像ローラー上にトナーのみを移動させてトナー薄層を形成する現像装置に適用することもできる。また、トナーコンテナ5についても、図5に示したようにコンテナ容器51内に攪拌パドル53や搬送スクリュー52を配置する方式に限らず、例えばコンテナ本体を回転させて内部のトナーを移動させる方式を採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、着脱可能な現像剤収容容器及び現像装置を備えた画像形成装置に利用可能である。本発明の利用により、中間ホッパーを用いて現像装置またはトナー収容容器を別個に着脱可能とするとともに、現像装置の現像位置または着脱位置への移動による中間ホッパーと現像装置または現像剤収容容器との連結不良の発生を効果的に防止する、小型でメンテナンス性にも優れた画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 感光体ドラム(像担持体)
4 現像装置
5 トナーコンテナ(現像剤収容容器)
6 中間ホッパー
6a 第1ホッパー部
6b 第2ホッパー部
6c 第3ホッパー部
20 現像容器
20a トナー供給口(現像剤供給口)
25 現像ローラー(現像剤担持体)
41 支持フレーム
44 現像解除レバー
50 フレーム固定部材
51 コンテナ容器
51a トナー排出口(現像剤排出口)
60 トナー受入口(現像剤受入口)
61a 搬送部
61b 連結部
62 トナー供出口(現像剤供出口)
63 スパイラル(搬送部材)
67a、67b ピン
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と対向して配置され、前記像担持体との対向領域において前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体を有する現像装置と、
該現像装置を、前記現像剤担持体が前記像担持体から離間する着脱位置と、前記像担持体に現像剤を供給可能な現像位置と、に選択配置する往復移動可能な支持フレームと、
前記現像装置の上方に配置され、前記現像装置に供給する現像剤を収容する現像剤収容容器と、
該現像剤収容容器と前記現像装置との間に配置され、剛性を有する筒状体から成る中間ホッパーと、を備え、
前記中間ホッパーは、前記現像剤収容容器の現像剤排出口から排出された現像剤を受け入れる現像剤受入口が形成され、該現像剤受入口が前記現像剤排出口に対向するように画像形成装置本体内に固定される第1ホッパー部と、前記現像装置の現像剤供給口に現像剤を供出する現像剤供出口が形成され、該現像剤供出口が前記現像剤供給口に対向するように前記支持フレーム上に固定される第2ホッパー部と、上下両端部が前記第1ホッパー部及び第2ホッパー部に連結され、前記第1ホッパー部及び第2ホッパー部との連結部分が前記支持フレームの移動を許容する方向に回動可能である第3ホッパー部と、で構成される画像形成装置。
【請求項2】
前記現像装置が現像位置に配置されたとき、前記第1ホッパー部と前記第3ホッパー部との連結部分、及び前記第3ホッパー部と前記第2ホッパー部との連結部分が垂直な同一直線上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1ホッパー部に連結される前記第3ホッパー部の上端部の内径が前記第1ホッパー部の連結部分の外径よりも大きく、前記第2ホッパー部に連結される前記第3ホッパー部の下端部の外径が前記第2ホッパー部の連結部分の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2ホッパー部は、水平方向に延在する搬送部と、該搬送部から略垂直上方に突設され前記第3ホッパー部の下端部が連結される連結部とで構成されており、前記搬送部内には現像剤を搬送する搬送部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記中間ホッパーは、前記現像剤収容容器及び前記現像装置の着脱方向に重なり合わない位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−113958(P2013−113958A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258678(P2011−258678)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】