説明

画像形成装置

【課題】 搬送経路に配設される各種部品間の相対位置関係に大きなバラツキが発生することを抑制する。
【解決手段】 搬送経路を構成する各搬送部材27〜37は仮止めされ、一対のフレームに組み付けられる前においては、互いに相対移動可能とする。そして、各搬送部材27〜31を一対のフレーム33、35に対して位置決めする。これにより、各種部品間の相対位置関係は、一対のフレーム33、35によって決定されるので、第1搬送部材27〜第3搬送部材31それぞれの寸法バラツキの影響が小さくなる。したがって、搬送経路に配設される各種部品間の相対位置関係に大きなバラツキが発生することを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等のシートに画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、シートの搬送経路を1つの搬送部材に構成するとともに、その1つの搬送部材をネジ等の機械的締結手段にて一対のフレームに位置決めした状態で固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−309992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置によっては、複数の搬送部材にて搬送経路を構成せざるを得ない場合がある。そして、複数の搬送部材にて搬送経路が構成された画像形成装置は、通常、以下のような構成であった。
【0005】
すなわち、例えば、搬送経路が第1搬送部材及び第2搬送部材から構成されている場合においては、第2搬送部材が第1搬送部材に対して不動状態となるように位置決めされた後、第1搬送部材と第2搬送部材とがネジ等の機械的締結手段にて固定されて1つの搬送ユニットが構成される。その後、その搬送ユニットはフレームに組み付け固定される。
【0006】
このため、第2搬送部材の位置は、第1搬送部材を基準として決定される。一方、例えば画像形成部等はフレームに組み付けられてレームを基準として位置が決定されるので、第2搬送部材に対する画像形成部等の相対位置関係に大きなバラツキが発生しまうおそれがある。
【0007】
なお、各搬送部材及びフレーム等の寸法公差を厳しく管理すれば、上記のバラツキを小さくすることができるものの、この手法では、画像形成装置の製造原価上昇を招いてしまう。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、搬送経路に配設される各種部品間の相対位置関係に大きなバラツキが発生することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、シートに画像を形成する画像形成部(5)と、シートの搬送経路を構成する第1搬送部材(27)及び第2搬送部材(29)と、第1搬送部材(27)に対して第2搬送部材(29)を移動可能な状態で第1搬送部材(27)と第2搬送部材(29)に連結する仮止部(37)と、第1搬送部材(27)及び第2搬送部材(29)が固定されるフレーム(33、35)と、第1搬送部材(27)をフレーム(33、35)に対して不動状態となるように位置決めする第1位置決部(41)と、第2搬送部材(29)をフレーム(33、35)に対して不動状態となるように位置決めする第2位置決部(43)とを備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、本発明では、第1搬送部材(27)及び第2搬送部材(29)それぞれは、フレーム(33、35)を基準として位置決めされる。このため、第1搬送部材(27)及び第2搬送部材(29)それぞれの寸法バラツキの影響が小さくなる。したがって、搬送経路に配設される各種部品間の相対位置関係に大きなバラツキが発生することを抑制することができる。
【0011】
なお、第1搬送部材(27)と第2搬送部材(29)とは仮止めされており、フレーム(33、35)に組み付けられる前においては、互いに相対移動可能である。このため、第1搬送部材(27)及び第2搬送部材(29)それぞれの寸法バラツキが吸収されながら、フレーム(33、35)に位置決めされることとなるので、第1搬送部材(27)及び第2搬送部材(29)それぞれの寸法バラツキの影響は小さくなる。
【0012】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の中央断面図である。
【図2】(a)は搬送ユニット26の幅方向一端側側面図であり、(b)は搬送ユニット26の幅方向他端側側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置における搬送ユニット26と一対のフレーム33、35との配置関係を示す分解斜視図である。
【図4】第1搬送部材27と第2搬送部材29との連結を示す図である。
【図5】(a)〜(f)は、第1仮止部37の状態変化を示す図である。
【図6】第1搬送部材27と第3搬送部材31との連結を示す図である。
【図7】(a)〜(d)は、第2仮止部39の状態変化を示す図である。
【図8】搬送ユニット26とフレーム33との関係を示す図である。
【図9】画像形成装置1の組立工程表を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に説明する「発明の実施形態」は実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではない。
【0015】
そして、本実施形態は、電子写真方式の画像形成装置に本発明を適用したものである。以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
1.画像形成装置の概略構造
画像形成装置1の筐体3内には、図1に示すように、記録用紙やOHPシート等のシートに現像剤像を転写することにより、シートに画像を形成するモノクロ方式の画像形成部5が収納されている。
【0016】
なお、本実施形態に係る画像形成部5は、現像ユニットをなすプロセスカートリッジ7、感光ドラム7Aを露光する露光器9、感光ドラム7Aに形成された現像剤像をシートに転写させる転写ローラ11、及びシートに転写された現像剤像を加熱して定着させる定着器13等から構成されている。
【0017】
また、給紙カセット15は、画像形成部5に搬送されるシートが積層された状態で収納される給紙トレイである。なお、本実施形態に係る給紙カセット15は、装置本体(筐体3)に対して着脱可能に装着されている。
【0018】
そして、給紙カセット15に収納されているシートは、ピックアップローラ17により画像形成部5に向けて送出された後、分離ローラ19及び分離パッド21により1枚ずつ分離されて画像形成部5に搬送される。
【0019】
また、分離ローラ19から搬出されたシートは、搬送ローラ23にて搬送されながら、その搬送方向が搬送シュート23Aにより上方側に折り返すように転向させられる。その後、シートは、一対のレジストローラ25にて姿勢が矯正された後、所定のタイミングにて画像形成部5に送り込まれる。
【0020】
ところで、搬送シュート23Aの出口から定着器13に至るシートの搬送経路は、図2及び図3に示すように、概ね3つの搬送部材27〜31を搬送経路に沿って直列に並べることにより構成されている。
【0021】
なお、以下、3つの搬送部材27〜31のうち搬送方向中間部に位置する搬送部材を第1搬送部材27と呼び、3つの搬送部材27〜31のうち搬送方向最下流に位置する搬送部材を第2搬送部材29と呼び、3つの搬送部材27〜31のうち搬送方向最上流に位置する搬送部材を第3搬送部材31と呼び、3つの搬送部材27〜31を総称するときは、搬送ユニット26呼ぶ。
【0022】
また、第1搬送部材27は、第2搬送部材29及び第3搬送部材31に比べて耐摩耗性及び機械的強度に優れたアクリロニトリルブタジェンスリチレン(ABS)等の樹脂製である。一方、第2搬送部材29及び第3搬送部材31は、成形性に優れたスチール樹脂(PS)等の樹脂製である。
【0023】
2.各搬送部材について
搬送ユニット26を挟んで両側には、図3に示すように、互いに対向配置された一対のフレーム33、35が配設されている。因みに、一対のフレーム33、35それぞれは、概ね板状に形成された樹脂製の強度部材である。
【0024】
そして、各搬送部材27〜31は、一対のフレーム33、35に固定されている。なお、図3では、画像形成部5等は省略されているが、画像形成部5も一対のフレーム33、35に直接的又は間接的に固定されている。
【0025】
また、第2搬送部材29は、図4に示すように、第1仮止部37により、第1搬送部材27に対して相対的に移動可能な状態で第1搬送部材27に連結されている。つまり、第2搬送部材29は、第1搬送部材27に仮固定された状態となっている。
【0026】
第1仮止部37は、第1搬送部材27及び第2搬送部材29の幅方向両端に設けられた円柱又は円筒状の突起部37A、37B、各突起部37A、37Bが嵌り込む穴部37C、37D、及び各突起部37A、37Bが穴部37C、37Dに嵌り込んだ状態を維持する保持部37E、37F等から構成されている。
【0027】
因みに、幅方向とは、シートの搬送方向及び搬送ユニット26上を搬送されるシートの厚み方向と直交する方向いう。そして、本実施形態では、幅方向は、画像形成装置1の左右方向、つまり、一対のフレーム33、35の板面と直交する方向と一致する。
【0028】
すなわち、第1搬送部材27の幅方向一端側には、突起部37Aが設けられ、幅方向他端側には穴部37Dが設けられている。一方、第2搬送部材29の幅方向一端側には、突起部37Aが嵌り込む穴部37Cが設けられ、幅方向他端側には、穴部37Cに嵌り込む突起部37Bが設けられている。
【0029】
このため、第2搬送部材29を左側に移動させるように、第1搬送部材27に対して第2搬送部材29を幅方向一端側から他端側に向けて移動させると、図5(a)〜図(d)に示すように、突起部37Aが穴部37Cに嵌り込み、突起部37Bが穴部37Dに嵌り込んで、突起部37A、37Bが穴部37C、37Dに係止された状態となる。
【0030】
また、第2搬送部材29に設けられた板バネ状の保持部37Eの先端側には、図5(e)に示すように、根元側に向かうほど厚み寸法が小さくなるテーパ部37Gが形成されている。一方、第1搬送部材27に設けられた保持部37Fは、保持部37Eに比べて大きな曲げ剛性を有した板バネ状の部材であって、保持部37Eと同様なテーパ部37Hが設けられている。
【0031】
このため、第2搬送部材29を左側に移動させるように、第1搬送部材27に対して第2搬送部材29を幅方向一端側から他端側に向けて移動させると、図5(e)に示すように、保持部37Eのテーパ部37Gが保持部37Fのテーパ部37Hの上に乗り上げるように弾性変形する。
【0032】
そして、各突起部37A、37Bが穴部37C、37Dに嵌り込むまで第2搬送部材29を第1搬送部材27に対して幅方向に移動させると、図5(f)に示すように、各保持部37E、37Fの先端部が突き合わさった状態となるので、第2搬送部材29が第1搬送部材27に対して右側に移動するように、第2搬送部材29が幅方向他端側から一端側に向けて移動することが規制される。したがって、突起部37A、37Bが穴部37C、37Dに係止された状態が維持される。
【0033】
また、第3搬送部材31は、図6に示すように、第2仮止部39により、第1搬送部材27に対して相対的に移動可能な状態で第1搬送部材27に連結されている。つまり、第3搬送部材31も第1搬送部材27と同様に、第1搬送部材27に仮固定された状態となっている。
【0034】
第2仮止部39は、図7(a)〜図7(d)に示すように、第1搬送部材27の幅方向両端に設けられた板バネ状の弾性部39Cの先端に設けられた鉤状の係止部39A、及び第3搬送部材31の幅方向両端側に設けられ、係止部39Aと係止する被係止部39B等から構成されている。
【0035】
このため、第3搬送部材31を第1搬送部材27側に向けて移動させると、図7(a)〜図(b)に示すように、弾性部39Cが弾性変形するので、係止部39Aが被係止部39Bを乗り超えるように弾性変形する。
【0036】
そして、第3搬送部材31を更に第1搬送部材27側に向けて移動させると、図7(c)〜図7(d)に示すように、係止部39Aと被係止部39Bとが係止状態となるとともに、その係止状態が弾性部39Cにより維持される。
【0037】
3.搬送ユニットのフレームへの組付固定構造
3つの搬送部材27〜31が互いに仮固定されて搬送ユニット26が組み立てられた後、各搬送部材27〜31それぞれが一対のフレーム33、35に対して位置決めされた状態で、ネジ等の機械的固定部材により一対のフレーム33、35に固定される。すなわち、搬送ユニット26及び各フレーム33、35には、図8に示すように、第1位置決部41、第2位置決部43及び第3位置決部45が設けられている。
【0038】
そして、第1位置決部41は、第1搬送部材27を一対のフレーム33、35に対して不動状態となるように位置決めする手段である。第2位置決部43は、第2搬送部材29を一対のフレーム33、35に対して不動状態となるように位置決めする手段である。第3位置決部45は、第3搬送部材31を一対のフレーム33、35に対して不動状態となるように位置決めする手段である。
【0039】
なお、フレーム33側に設けられた第1位置決部41〜第3位置決部45と、フレーム35側に設けられた第1位置決部41〜第3位置決部45とは、その技術的思想において同一であるので、以下、フレーム33側に設けられた第1位置決部41〜第3位置決部45を例に各第1位置決部41〜第3位置決部45の構成を説明する。
【0040】
<第1位置決部>
第1位置決部41は、図8に示すように、第1基準突起部41A、第1基準突起部41A突起が嵌り込む第1基準穴41B、並びに第1規制突起部41C、及び第1規制突起部41Cが嵌り込む第1規制穴41D等を有して構成されている。
【0041】
第1基準突起部41Aは、第1搬送部材27のうちフレーム33側に面する部位に設けられてフレーム33に向けて突出した円柱又は円筒状のボス部である。一方、第1基準穴41Bは、フレーム33に設けられた穴であって、第1基準突起部41Aの直径寸法とほぼ同一寸法の内径を有する丸穴である。
【0042】
第1規制突起部41C及び第1規制穴41Dは、第1搬送部材27が第1基準突起部41A周り回転することを規制する第1回転規制部を構成するものである。そして、第1規制突起部41Cは、フレーム33から第1搬送部材27に向けて突出した円柱又は円筒状のボス部である。一方、第1規制穴41Dは、第1搬送部材27に形成された穴であって、シートの搬送方向と平行な方向が長径となる略長円状の断面を有するものである。
【0043】
なお、第1規制穴41Dの短径方向寸法は、第1規制突起部41Cの直径とほぼ同一の寸法である。このため、第1基準突起部41Aから第1規制穴41Dまで寸法バラツキ、及び第1基準穴41Bから第1規制突起部41Cまで寸法バラツキを吸収しながら、第1搬送部材27が第1基準突起部41A周り回転変位することを規制できる。
【0044】
また、本実施形態では、一対のレジストローラ25のうち一方側のレジストローラが第1搬送部材27に組み付けられている。そして、第1基準突起部41Aは、当該レジストローラ25に近接した位置に設けられている。具体的には、第1基準突起部41Aからレジストローラ25まで距離L1が、第1基準突起部41Aから第1規制穴41Dまでの距離L2より小さくなるような位置に第1基準突起部41Aが設けられている。
【0045】
<第2位置決部>
第2位置決部43も第1位置決部41と同様な構成である。すなわち、第2基準突起部43A、第2基準突起部43A突起が嵌り込む第2基準穴43B、並びに第2規制突起部43C、及び第2規制突起部43Cが嵌り込む第2規制穴43D等を有して構成されている。
【0046】
そして、第2基準突起部43Aは、フレーム33から第2搬送部材29に向けて突出した円柱又は円筒状のボス部である。一方、第2基準穴43Bは、第2搬送部材29に設けられた穴であって、第2基準突起部43Aの直径寸法とほぼ同一寸法の内径を有する丸穴である。
【0047】
第2規制突起部43C及び第2規制穴43Dは、第2搬送部材29が第2基準突起部43A周り回転することを規制する第2回転規制部を構成するものである。そして、第2規制突起部43Cは、フレーム33から第2搬送部材29に向けて突出した円柱又は円筒状のボス部である。一方、第2規制穴43Dは、第2搬送部材29に形成された穴であって、シートの搬送方向と平行な方向が長径となる略長円状の断面を有するものである。
【0048】
なお、第2規制穴43Dの短径方向寸法は、第2規制突起部43Cの直径とほぼ同一の寸法である。このため、第2基準穴43Bから第2規制穴43Dまで寸法バラツキ、及び第2基準突起部43Aから第2規制突起部43Cまで寸法バラツキを吸収しながら、第2搬送部材29が第2基準突起部43A周り回転変位することを規制できる。
【0049】
また、第2搬送部材29は、図1に示すように、定着器13の下方側に配設されている。このため、第2搬送部材29には、図8に示すように、定着器13に作用する重力の少なくとも一部を受ける荷重受部29Aが設けられている。そして、第2基準穴43Bは、荷重受部29Aに設けられている。
【0050】
<第3位置決部>
第3位置決部45は、第2位置決部43と同様な構成である。すなわち、第3基準突起部45A、第3基準突起部45A突起が嵌り込む第3基準穴45B、並びに第3規制突起部45C、及び第3規制突起部45Cが嵌り込む第3規制穴45D等を有して構成されている。
【0051】
そして、第3基準突起部45Aは、フレーム33から第3搬送部材31に向けて突出した円柱又は円筒状のボス部である。一方、第3基準穴45Bは、第3搬送部材31に設けられた穴であって、第3基準突起部45Aの直径寸法とほぼ同一寸法の内径を有する丸穴である。
【0052】
第3規制突起部45C及び第3規制穴45Dは、第3搬送部材31が第3基準突起部45A周り回転することを規制する第3回転規制部を構成するものである。そして、第3規制突起部45Cは、フレーム33から第3搬送部材31に向けて突出した円柱又は円筒状のボス部である。一方、第3規制穴45Dは、第3搬送部材31に形成された穴であって、シートの搬送方向と平行な方向が長径となる略長円状の断面を有するものである。
【0053】
なお、第3規制穴45Dの短径方向寸法は、第3規制突起部45Cの直径とほぼ同一の寸法である。このため、第3基準穴45Bから第3規制穴45Dまで寸法バラツキ、及び第3基準突起部45Aから第3規制突起部45Cまで寸法バラツキを吸収しながら、第3搬送部材31が第3基準突起部45A周り回転変位することを規制できる。
【0054】
したがって、各搬送部材27〜31は、各基準突起部41A〜45Aが各基準穴41B〜45Bに嵌り込むことにより、一対のフレーム33、35に対する位置が決められた状態で、各規制突起部41C〜45Cにより周り止めされる。
【0055】
そして、各基準突起部41A〜45A近傍に挿入されたネジS1〜S3により一対のフレーム33、35に対して固定される。このため、各搬送部材27〜31には、それたネジS1〜S3螺合するネジ穴41E〜45Eが設けられている。
【0056】
なお、各基準突起部41A〜45A近傍とは、例えば、第1搬送部材27を例に説明すると、第1基準穴41Bからネジ穴41Eまでの距離が、第1基準穴41Bから第1規制穴41Dまでの距離より小さいことをいう。因みに、本実施形態では、各ネジ穴41E〜45Eから各基準穴41B〜45Bまでの距離は、28mm以下に設定されている。
【0057】
4.本実施形態に係る画像形成装置の製造方法
本実施形態に係る画像形成装置1の製造方法を、図9に示す概略工程に従って、組立工程順に説明する。なお、以下の工程は、作業者又は自動組立機等にて実行される作業である。
【0058】
先ず、第1仮止部37により第2搬送部材29が第1搬送部材27に組み付けられ、かつ、第2仮止部39により第3搬送部材31が第1搬送部材27に組み付けられて搬送ユニット26組み立てられた後、その搬送ユニット26が図示しない組立治具に装着される(S1)。
【0059】
次に、各搬送部材27〜31が、位置決部41〜45により一対のフレーム33、35に位置決めされて一対のフレーム33、35に対して不動状態とされた後(S3)、各搬送部材27〜31がネジS1〜S3にて一対のフレーム33、35に固定される(S5)。
【0060】
その後、画像形成部5や筐体3等の構成部品が一対のフレーム33、35等に組み付けられた後(S7)、構成部品の作動や組付状態等が検査される(S9)。
5.本実施形態に係る画像形成装置の特徴
本実施形態では、第1搬送部材27〜第3搬送部材31それぞれは、一対のフレーム33、35を基準として位置決めされる。このため、搬送部材27〜31と各種部品間との相対位置関係は、一対のフレーム33、35によって決定されるので、第1搬送部材27〜第3搬送部材31それぞれの寸法バラツキの影響が小さくなる。したがって、搬送経路に配設される各種部品間の相対位置関係に大きなバラツキが発生することを抑制することができる。
【0061】
また、各搬送部材27〜37は仮止めされており、一対のフレーム33、35に組み付けられる前においては、互いに相対移動可能である。このため、第1搬送部材27〜第3搬送部材31それぞれの寸法バラツキが吸収されながら、一対のフレーム33、35に位置決めされることとなるので、第1搬送部材27〜第3搬送部材31それぞれの寸法バラツキの影響は小さくなる。
【0062】
また、本実施形態では、第1基準突起部41Aからレジストローラ25まで距離L1は、第1基準突起部41Aから第1規制穴41Dまでの距離L2より小さいことを特徴としている。これにより、本実施形態では、一対のフレーム33、35に対するレジストローラ25の位置バラツキを小さくすることができるので、良好な画像形成が可能となる。
【0063】
すなわち、レジストローラ25は、シートの姿勢を矯正する機能を有するので、一対のフレーム33、35に対するレジストローラ25の位置バラツキが大きいと、画像形成に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。これに対して、本実施形態では、レジストローラ25の位置バラツキを小さくすることができるので、良好な画像形成が可能となる。
【0064】
因みに、本実施形態では、第1基準突起部41Aからレジストローラ25まで距離とは、レジストローラ25の回転中心線から第1基準突起部41Aの中心までの距離として定義されている。また、第1基準突起部41Aから第1規制穴41Dまでの距離とは、第1基準突起部41Aの中心から第1規制穴41Dの中心までの距離として定義されている。
【0065】
また、本実施形態では、第2搬送部材29は、定着器13の下方側に配設されているとともに、定着器13に作用する重力の少なくとも一部を受ける荷重受部29Aに第2基準突起部43Aが設けられていることを特徴としている。
【0066】
これにより、本実施形態では、第2基準突起部43Aにて定着器13に作用する重力の少なくとも一部を受けることができるので、第2搬送部材29が定着器13に作用する重力により大きく撓み変形してしまうことを防止できる。
【0067】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、搬送ユニット26を3つの搬送部材27〜31にて構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、2つの搬送部材又は4つ以上の搬送部材にて搬送ユニット26を構成してもよい。
【0068】
また、上述の実施形態では、モノクロレーザプリンタに本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばカラーレーザプリンタやインクジェット方式の画像形成装置等にも適用することができる。
【0069】
また、上述の実施形態では、各搬送部材27〜31をネジS1〜S3にて固定したが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば、ネジS1〜S3を廃止し、一対のフレーム33、35で挟むようにして固定してもよい。
【0070】
また、第1仮止部37や第2仮止部の構成は、上述の実施形態の実施形態に示された構成に限定されるものではなく、例えば弾性変形を利用した係止連結部やネジを用いた仮止連結等であってもよい。
【0071】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0072】
1… 画像形成装置 3… 筐体 5… 画像形成部
7… プロセスカートリッジ 7A… 感光ドラム 9… 露光器
11… 転写ローラ 13… 定着器 15… 給紙カセット
17… ピックアップローラ 19… 分離ローラ 21… 分離パッド
23… 搬送ローラ 23A… 搬送シュート 25… レジストローラ
26… 搬送ユニット 27… 第1搬送部材 29… 第2搬送部材
29A… 荷重受部 31… 第3搬送部材 33、35… フレーム
37… 第1仮止部 39… 第2仮止部 41… 第1位置決部
41A… 第1基準突起部 41B… 第1基準穴 41C… 第1規制突起部
41D… 第1規制穴 41E… ネジ穴 43… 第2位置決部
43A… 第2基準突起部 43B… 第2基準穴 43C… 第2規制突起部
43D… 第2規制穴 45… 第3位置決部 45A… 第3基準突起部
45B… 第3基準穴 45C… 第3規制突起部 45D… 第3規制穴
45E… ネジ穴 S1〜S3… ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部と、
シートの搬送経路を構成する第1搬送部材及び第2搬送部材と、
前記第1搬送部材に対して前記第2搬送部材を移動可能な状態で前記第1搬送部材と前記第2搬送部材に連結する仮止部と、
前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材が固定されるフレームと、
前記第1搬送部材を前記フレームに対して不動状態となるように位置決めする第1位置決部と、
前記第2搬送部材を前記フレームに対して不動状態となるように位置決めする第2位置決部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記仮止部は、
前記第1搬送部材に設けられ、前記第2搬送部材に設けられた係止部と係止する被係止部、及び
前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材のうち少なくとも一方に設けられ、前記係止部と前記被係止部との係止状態を維持する弾性変形可能な弾性部
を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1位置決部は、
前記第1搬送部材及び前記フレームのいずれか一方に設けられ、他方に設けられた第1基準穴に嵌り込む第1基準突起部、並びに
前記第1搬送部材が前記第1基準突起部周り回転することを規制する第1回転規制部を有しており、
さらに、前記第2位置決部は、
前記第2搬送部材及び前記フレームのいずれか一方に設けられ、他方に設けられた第2基準穴に嵌り込む第2基準突起部、並びに
前記第2搬送部材が前記第2基準突起部周り回転することを規制する第2回転規制部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材は、前記搬送経路に沿って直列に配設され、
前記搬送経路のうち前記第1搬送部材により構成された部位には、シートの姿勢を矯正するレジストローラが設けられており、
さらに、前記第1基準突起部から前記レジストローラまで距離は、前記第1基準突起部から前記第1回転規制部までの距離より小さいことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成部は、現像剤をシートに転写する転写部、及びシートに転写された現像剤を加熱して定着させる定着部を有し、
前記第2搬送部材は、前記定着部の下方側に配設されているとともに、前記定着部に作用する重力の少なくとも一部を受ける荷重受部を有しており、
さらに、前記第2基準突起部又は前記第2基準穴は、前記荷重受部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1搬送部材と前記第2搬送部材とは、互いに異なる樹脂材にて構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1搬送部材を前記フレームに固定する第1ネジと、
前記第2搬送部材を前記フレームに固定する第2ネジと
を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記フレームは、前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材を介して対向配置された一対のフレームを有して構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
シートに画像を形成する画像形成部と、
シートの搬送経路を構成する第1搬送部材及び第2搬送部材と、
前記第1搬送部材に対して前記第2搬送部材を移動可能な状態で前記第1搬送部材と前記第2搬送部材に連結する仮止部と、
前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材が固定されるフレームと、
前記第1搬送部材を前記フレームに対して不動状態となるように位置決めする第1位置決部と、
前記第2搬送部材を前記フレームに対して不動状態となるように位置決めする第2位置決部とを備え、
前記第1搬送部材と前記第2搬送部材とを前記仮止部にて連結した後、前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材それぞれを前記第1位置決部及び前記第2位置決部にて前記フレームに位置決めし、その後、前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材を前記フレームにネジで固定したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
シートに画像を形成する画像形成装置の製造方法であって、
シートの搬送経路を構成する第1搬送部材と前記搬送経路を構成する第2搬送部材とを相対変位可能な仮止め連結する第1組み立て工程と、
前記第1組み立て工程の終了後、前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材それぞれを前記フレームに位置決めして前記フレームに対して不動状態とする第2組み立て工程と、
前記第2組み立て工程の終了後、前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材を前記フレームにネジで固定する第3組み立て工程と
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−113990(P2013−113990A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259263(P2011−259263)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】