説明

画像形成装置

【課題】連続的に面画像を作製することに起因する外添剤の像保持体への転移現象に伴う残像画質不良を有効に解消する。
【解決手段】外添剤一時回収手段10として、少なくとも像保持体1に対向する対向部は外添剤W及び像保持体1よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被帯電回収部材11と、被帯電回収部材11の一部に像保持体1の表面に接触するように設けられ、像保持体1回転時に像保持体1との接触に起因して被帯電回収部材11を摩擦帯電する接触部12と、被帯電回収部材11の対向部と像保持体1との間の間隔が接触部12から離れるにつれて次第に大きくなるように変化する部分を有し、接触部12により被帯電回収部材11が摩擦帯電されたときに摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界Eが像保持体1上の外添剤Wを静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部13と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における画像形成装置としては例えば特許文献1,2に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、像担持体に圧接するクリーニングブレードを備えた態様において、クリーニングブレードによるクリーニング部位の後で、一次帯電部位より前位置に、像担持体との摩擦帯電によって、トナーに外添したシリカ粒子と逆極性に帯電する吸着部材(スクレーパやブラシローラ)を配設した画像形成装置のクリーニング装置が開示されている。
特許文献2には、感光体に接触して配置された帯電ローラに、正帯電されるクリーニング部材と、負帯電されるクリーニング部材とを接触配置し、機械的な回収と共に静電気的な異物回収を図るクリーニング装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−45979号公報(実施例の説明,第2図)
【特許文献2】特開平6−230657号公報(実施例,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、連続的に面画像を作製することに起因する外添剤の像保持体への転移現象に伴う残像画質不良を有効に解消することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、静電潜像が保持される回転可能な像保持体と、この像保持体に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成手段と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤が保持搬送される現像剤保持体を有し、この現像剤保持体に保持搬送された現像剤を前記像保持体に対し摺擦させ、前記潜像形成手段にて像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段と、この現像手段にて現像された前記像保持体上のトナー像を転写媒体に転写する転写手段と、この転写手段による転写部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記像保持体に接触する清掃部材にて当該像保持体上の転写後の残留物を清掃する清掃手段と、この清掃手段による清掃部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記清掃部位を通過した像保持体上の外添剤を一時的に回収する外添剤一時回収手段と、を備え、前記外添剤一時回収手段は、前記像保持体に対向し且つ前記像保持体の回転方向と交差する方向に延びるように配置され、少なくとも像保持体に対向する対向部は前記外添剤及び前記像保持体よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被帯電回収部材と、前記被帯電回収部材の一部に前記像保持体の表面に接触するように設けられ、前記像保持体回転時に当該像保持体との接触に起因して前記被帯電回収部材を摩擦帯電する接触部と、前記被帯電回収部材のうち前記接触部を除く像保持体との対向部と前記像保持体との間に設けられ、前記被帯電回収部材の対向部と像保持体との間の間隔が前記接触部から離れるにつれて次第に大きくなるように変化する部分を有し、前記接触部により被帯電回収部材が摩擦帯電されたときに当該摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界が像保持体上の外添剤を静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部と、を有していることを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記間隙部は、前記接触部に対し少なくとも像保持体の移動方向下流側に、前記被帯電回収部材の対向部と前記像保持体との間隔が前記接触部から離れるにつれて次第に大きくなる部分を有していることを特徴とする画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成装置において、前記外添剤一時回収手段の接触部は、前記像保持体の移動方向に交差する方向に向かって線状に延び、少なくとも像保持体の表面のうち画像形成領域の範囲内で連続的に接触していることを特徴とする画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る画像形成装置において、更に、前記被帯電回収部材に対し当該被帯電回収部材の摩擦帯電極性と異なる極性の吐出電圧を印加し、被帯電回収部材と像保持体との間に前記吐出電圧に基づく吐出電界を作用させ、前記被帯電回収部材に一時的に回収された外添剤を像保持体側に吐出させる外添剤吐出手段と、この外添剤吐出手段にて吐出された外添剤が再付着した前記像保持体を回転させ、前記現像手段の現像域にて前記現像剤保持体を回転させることで前記像保持体に摺擦する現像剤により再付着した外添剤を現像手段に戻す外添剤再回収手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る画像形成装置において、前記外添剤吐出手段は、前記像保持体の移動方向に対し画像形成領域間に介在される非画像形成領域に前記一時回収した外添剤を吐出させることを特徴とする画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に係る画像形成装置において、前記外添剤一時回収手段の被帯電回収部材は、導電性部材からなる回収基材と、この回収基材の像保持体との対向面側を覆うように設けられ、前記外添剤及び像保持体よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被覆部材と、を有し、前記外添剤吐出手段は前記回収基材に吐出電圧を印加することを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6いずれかに係る画像形成装置において、前記被帯電回収部材は支持部材を介して予め決められた位置に配置されており、前記支持部材が被帯電回収部材を像保持体側に弾性的に押圧する弾性部材で構成されていることを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る画像形成装置において、前記外添剤一時回収手段は、前記像保持体の移動方向に交差する方向に延びる板状部材で構成されると共に当該板状部材の前記像保持体に対向する部位が平面又は曲面状の対向面を有する前記被帯電回収部材と、前記板状部材のうち像保持体の移動方向上流側及び下流側の端部から離れた位置の対向面を像保持体の表面に接触させる前記接触部と、前記接触部を境として像保持体の移動方向上流側及び下流側に形成される前記間隙部と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項9に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る画像形成装置において、前記外添剤一時回収手段は、前記像保持体の移動方向に交差する方向に延びる板状部材で構成されると共に当該板状部材の前記像保持体に対向する部位に前記像保持体の移動方向に向かって高さが変化する複数の凸部を有する前記被帯電回収部材と、前記板状部材に形成された複数の凸部の突出端を前記像保持体の表面に接触させる前記接触部と、前記接触部に隣接して設けられ、複数の凸部と像保持体との間に複数形成される前記間隙部と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、連続的に面画像を作製することに起因する外添剤の像保持体への転移現象に伴う残像画質不良を有効に解消することができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、像保持体上の外添剤の像保持体に対する静電付着力を低減した状態で外添剤をより効率的に一時回収することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、像保持体上の画像形成領域に残留する外添剤を効率的に一時回収することができる。
請求項4に係る発明によれば、外添剤一時回収手段にて一時回収した外添剤を現像手段に容易に再回収することができ、外添剤を無駄にすることなく再利用することができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、作像処理に影響を与えることなく、一時回収した外添剤を像保持体を介して現像手段に効率的に戻して当該外添剤を迅速に再利用に供することができる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、外添剤を一時回収する処理及び一時回収した外添剤を像保持体側に吐出する処理を容易に実現することができる。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、簡単な構成で、被帯電回収部材と像保持体との接触部の接触状態を良好に保ち、被帯電回収部材の摩擦帯電性を安定させ、外添剤の一時回収性能を向上させることができる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、外添剤一時回収手段を簡単な構成で、かつ、外添剤を一時回収する領域を広く確保することができる。
請求項9に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材の像保持体との対向部の形状を工夫することで、外添剤を一時回収する領域を広く確保しつつ、外添剤一時回収手段を容易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)中の外添剤一時回収手段の要部を示す説明図である。
【図2】(a)は図1に示す態様における外添剤一時回収時の動作例を示す説明図、(b)は同態様における外添剤再回収時の動作例を示す説明図である。
【図3】(a)は連続的に面画像を作製する初期画像の一例を示す説明図、(b)は(a)の初期画像を用いて連続的に面画像を作製した際に生じたゴースト発生画像の一例を示す説明図である。
【図4】図3(b)のゴースト発生画像が生ずる要因を模式的に示す説明図である。
【図5】図1に示す画像形成装置による作像過程を模式的に示す説明図である。
【図6】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図7】実施の形態1で用いられる画像形成装置の清掃装置の周辺部の構成を示す説明図である。
【図8】(a)は実施の形態1で用いられる外添剤一時回収装置の要部を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図である。
【図9】実施の形態1で用いられる外添剤一時回収装置の外添剤一時回収時における動作例を示す説明図である。
【図10】実施の形態1で用いられる外添剤一時回収装置の外添剤吐出時における動作例を示す説明図である。
【図11】(a)は図10の外添剤一時回収装置の外添剤吐出処理を実施するタイミング例を示す説明図、(b)は感光体上に吐出された外添剤の現像装置への再回収動作を模式的に示す説明図である。
【図12】実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【図13】実施の形態2で用いられる外添剤一時回収装置の要部を示す説明図である。
【図14】実施の形態2で用いられる外添剤一時回収装置の外添剤一時回収時における動作例を示す説明図である。
【図15】実施例1と比較例1とにおけるゴーストレベルを示す説明図である。
【図16】実施例1におけるゴーストレベルとランニングサイクル数との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す模式図である。
同図において、画像形成装置は、静電潜像が保持される回転可能な像保持体1と、この像保持体1に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成手段2と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤Gが保持搬送される現像剤保持体3bを有し、この現像剤保持体3bに保持搬送された現像剤Gを前記像保持体1に対し摺擦させ、前記潜像形成手段2にて像保持体1上に形成された静電潜像を現像する現像手段3と、この現像手段3にて現像された前記像保持体1上のトナー像を転写媒体5に転写する転写手段4と、この転写手段4による転写部位よりも前記像保持体1の回転方向下流側に設けられ、前記像保持体1に接触する清掃部材6aにて当該像保持体1上の転写後の残留物を清掃する清掃手段6と、この清掃手段6による清掃部位よりも前記像保持体1の回転方向下流側に設けられ、前記清掃部位を通過した像保持体1上の外添剤Wを一時的に回収する外添剤一時回収手段10と、を備えている。
そして、本実施の形態では、前記外添剤一時回収手段10は、図1(b)に示すように、前記像保持体1に対向し且つ前記像保持体1の回転方向と交差する方向に延びるように配置され、少なくとも像保持体1に対向する対向部は前記外添剤W及び前記像保持体1よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被帯電回収部材11と、前記被帯電回収部材11の一部に前記像保持体1の表面に接触するように設けられ、前記像保持体1回転時に当該像保持体1との接触に起因して前記被帯電回収部材11を摩擦帯電する接触部12と、前記被帯電回収部材11のうち前記接触部12を除く像保持体1との対向部と前記像保持体1との間に設けられ、前記被帯電回収部材11の対向部と像保持体1との間の間隔が前記接触部12から離れるにつれて次第に大きくなるように変化する部分を有し、前記接触部12により被帯電回収部材11が摩擦帯電されたときに当該摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界E(図2(a)参照)が像保持体1上の外添剤Wを静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部13と、を有している。
【0011】
このような技術的手段において、像保持体1としては感光体、誘電体のように光やイオンによって静電潜像を形成可能な態様のほか、画素単位毎に静電潜像に対応する潜像電位を与える画像電極を備えた態様などがある。
また、潜像形成手段2としては、像保持体1の種類に応じて適宜選定して差し支えない。例えば像保持体1が感光体、誘電体であれば、光やイオンによる潜像を形成するものであればよく、画素電極を用いた態様では静電潜像に対応する潜像電位を供給する信号を生成するものであればよい。ここで、前者の態様の潜像形成手段2の代表的態様としては、像保持体1を帯電する帯電手段2aと、この帯電手段2aにて帯電された像保持体1上に光やイオンにて潜像を書き込む潜像書込手段2bとを備えたものが挙げられる。
更に、現像手段3は、現像剤Gとして、トナーと同極性の外添剤(代表的にはシリカ)が添加されている二成分現像剤を用いる態様で、像保持体1に対して現像剤Gを摺擦させる現像剤保持体3bを有するものであればよい。但し、現像剤保持体3b自体は像保持体1に対して接触配置されていてもよいし、非接触配置されていてもよい。
ここで、この種の現像手段3の代表的態様としては、現像剤Gが収容され且つ像保持体1に対向して開口する現像容器3aを有し、この現像容器3aの開口に面して前記現像剤保持体3bを配設すると共に、この現像容器3a内には現像剤Gが撹拌搬送可能な撹拌搬送部材3e(例えば回転可能な軸部材の周囲に螺旋状の羽根部材を設けた態様)を配設した態様が挙げられる。そして、現像剤保持体3bとしては、代表的には回転可能な中空状の現像回転体3cと、この現像回転体3c内に固定的に内包され且つ周囲に複数の磁極が配列される磁石部材3dと、を有する態様が用いられる。
更に、転写手段4としては、像保持体1上のトナー像を転写媒体5に転写するものを広く含み、転写方式としては代表的には静電転写方式であるが、他の方式でも差し支えない。ここでいう転写媒体5は最終転写媒体である記録材は勿論であるが、記録材の前に中間的にトナー像を保持する中間転写体も含むものである。
また、清掃手段6としては、像保持体1表面に接触する清掃部材6aにて当該像保持体1上の転写後の残留物を清掃するものであればよく、清掃部材6aの代表的態様としては板状部材やブラシ状部材で残留物を掻き取るものが挙げられる。
【0012】
また、外添剤一時回収手段10としては、図1(b)に示すように、被帯電回収部材11、接触部12、及び、間隙部13を構成要素としたものであればよい。
本例において、被帯電回収部材11としては、少なくとも像保持体1との対向部を外添剤W及び像保持体1よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成すればよい。このため、被帯電回収部材11全体を所望の帯電列に位置する材料で構成する態様は勿論、前記対向部に対応する表面層や被覆層だけに所望の帯電列に位置する材料で構成する態様をも含む。
また、接触部12は被帯電回収部材11の一部に設けられ、被帯電回収部材11を所望の極性(外添剤Wが静電吸着可能な極性)に帯電するように、像保持体1と接触させることで被帯電回収部材11を摩擦帯電させるものであれば適宜選定して差し支えない。
更に、間隙部13は接触部12を除く部位に設けられるが、間隙部13の間隔が接触部12から離れるにつれて次第に大きくなるように変化する部分を有していればよい。ここで、間隙部13内に生成される電界は、摩擦帯電される被帯電回収部材11と像保持体1との間の間隔と、摩擦帯電により被帯電回収部材11に生成される電荷とに依存することから、この電界強度として像保持体1上の外添剤Wが被帯電回収部材11側に静電吸引される程度になるように選定すればよい。
特に、本例では、間隙部13は間隔が接触部12から離れるにつれて次第に大きくなるように変化する部分を有していることから、接触部12の近傍では狭い間隙部13が確保されることになり、間隙部13内での電界強度は一律ではなく接触部12の近傍で電界強度が強く作用することになる。このため、像保持体1上の外添剤Wは接触部12の近傍の間隙部13に対応した被帯電回収部材11の対向部に集中的に一時回収される。
【0013】
ここで、図1(a)(b)に示す実施の形態に係る画像形成装置の作動を説明する前に、比較の形態に係る画像形成装置(外添剤一時回収手段10を具備しない態様)の作動について説明する。
−比較の形態に係る画像形成装置の作動の概要−
例えば比較の形態に係る画像形成装置において、例えば連続的な面画像(代表的には画像密度が100%の所謂ベタ画像が挙げられるが、これに限られるものではなく、画像密度が予め決められた高画像密度(例えば80%以上)のものを含むものとする)が像保持体1の周回毎に例えば予め決められた回数以上形成されると、その後に前記面画像が形成された領域を含む作像領域に例えばハーフトーン画像を形成した場合に、連続した面画像が残像(ゴースト)として現れる現象が比較的高い確率で起こり得る。尚、このような残像現象はハーフトーン画像で顕著に現れるが、バックグランド(非画像部)で現れることもある。
例えば図3(a)に示すように、初期画像として、連続的な面画像IMの領域の一部が削除され、これに代えてハーフトーン画像IMが存在する例を挙げると、連続的な面画像IMが予め決められた回数以上繰り返された場合には、図3(b)に示すように、ハーフトーン画像IMのうち連続的な面画像IMと重なった領域では、元の連続的な面画像IMの残像画像(ゴースト画像)IMgが現れる可能性が高い。
このような状況は例えば像保持体1の周長が前述した初期画像(図3(a)参照)の像保持体1の移動方向に沿う長さよりも短い場合や逆に長い場合において、像保持体1の周回単位ではなく、所定のインターイメージ領域を介して初期画像(IM+IM)を連続的に形成する場合には、像保持体1の1周回中で連続的な面画像IMの作像領域がハーフトーン画像IMの作像領域と重なり合う事態が顕著に発生する可能性がある。
【0014】
このような状況において、前述した残像現象が生ずる要因については以下のように推測される。
つまり、図4に示すように、連続的な面画像を作製するときに、仮に像保持体1上にトナーTの外添剤Wが付着してしまうと、通常像保持体1には清掃手段6が設けられていることが多い。ここで、清掃手段6の清掃部材6a(例えば板状清掃部材)はトナーTを清掃する能力には優れているが、トナーTの外添剤Wを除去する能力に優れているとは必ずしも言えない。トナーTの表面に添加する外添剤Wは粒径が小さいため、清掃部材6aの掻き取り力が低い場合には清掃部材6aをすり抜けてしまう可能性がある。
この種の外添剤Wの代表的なものとしてシリカがよく用いられており、帯電性や転写性など外添剤Wとしての機能が優れているために現在製品に使用されているほとんどすべてのトナーTに外添されている。しかし、現像手段3の現像容器3a内で撹拌搬送部材3eにより撹拌搬送されるうちにトナーTから脱離したシリカや、元々トナーTから遊離しているシリカは像保持体1表面に移行して付着し易い。
そして、像保持体1に移行した外添剤Wとしてのシリカは粒径が小さくて比較的強固に付着しているため、清掃部材6aによる掻き取り力では掻き取ることができず、清掃部材6aによる清掃領域を通過してしまうことが起こり、像保持体1の周回に伴って再び現像手段3の現像領域に到達する。
このとき、像保持体1に対しては、潜像形成手段2(本例では帯電手段2a+潜像書込手段2b)により予め決められた帯電電位Vhに帯電(図中eはマイナスの帯電電荷)した後静電潜像Zが形成されることから、清掃部材6aをすり抜けた外添剤Wとしてのシリカは潜像形成手段2の帯電手段2aを通過する際にマイナスの電荷eが付与されて現像手段3に到達するが、電荷付与により帯電したシリカは現像手段3の現像領域にて現像剤Gによる摺擦力(スキャベンジ力)で取り除かれるため、像保持体1の表面電位が変化する現象が起こる。具体的には、シリカが掻き取られた部位に関する潜像電位Vzが周囲より更に絶対値でΔV低下した状態になり易い。
この状態において、現像手段3の現像剤保持体3bに現像電圧Vbias(|Vh|>|Vbias|>|Vz|)を印加することで現像動作が行われると、前記静電潜像Zのうちシリカが掻き取られた部分に周囲より多くのトナーTが現像され、当該部分の濃度が他の部分と異なる残像画像であるゴースト画像IMg(図3(b))になってしまう。
特に、連続的に面画像を形成する場合には、像保持体1の同じ部位に繰り返し画像が形成されることから、帯電されたシリカが蓄積してしまい、ゴースト画像IMgの発生が顕著である。
また、帯電手段2aとして、像保持体1に接触する帯電部材を使用する態様では、清掃部材6aをすり抜けたシリカは、帯電手段2aの帯電部材に付着して帯電不良の要因になり、その結果画質劣化を起し易いという懸念もある。
尚、前述した残像(ゴースト)現象は、主として高密度画像を連続的に形成した場合に現像量が多いことに伴って像保持体1に移行するシリカの量が多くなることを要因とするものと推測されるが、すり抜けたシリカの総電荷量が多い場合には高密度画像でなくても残像(ゴースト)現象が現れることがある。
【0015】
−実施の形態に係る画像形成装置の作動の概要−
これに対し、図1(a)(b)に示す実施の形態に係る画像形成装置においては、図2(a)及び図5に示すように、像保持体1に付着した外添剤W(例えばシリカ)が清掃手段6の清掃部材6aをすり抜けたとすると、清掃部材6aをすり抜けた外添剤Wは、潜像形成手段2を通過する前に外添剤一時回収手段10を通過する。
このとき、外添剤一時回収手段10は、像保持体1に対して被帯電回収部材11を接触部12(図2(a)中A領域に相当)を介して配置すると共に、接触部12以外の被帯電回収部材11の像保持体1の対向面と像保持体1との間に間隙部13を設け、特に間隙部13には被帯電回収部材11と像保持体1との間隔が接触部12から離れるにつれて次第に大きくなるように変化する部分(図2(a)中B領域に相当)を有している。
このような構成において、被帯電回収部材11が接触部12を介して像保持体1に接触すると、像保持体1、外添剤Wと被帯電回収部材11との帯電列の関係により被帯電回収部材11が摩擦帯電され、この結果、当該被帯電回収部材11に予め決められた極性の電荷が生成され、生成された電荷により間隙部13には像保持体1上の外添剤Wを静電吸引可能な程度の電界Eが作用する。
特に、間隙部13のうち接触部12の近傍には、接触部12から離れるにつれて次第に間隔が大きくなるように変化する部分(図2(a)中B領域に相当)が設けられているため、このB領域における電界強度は強く、像保持体1上に付着した外添剤Wは、間隙部13のうち前述したB領域にて電界Eの作用によって被帯電回収部材11に向かって静電吸引され、当該被帯電回収部材11に一時的に回収される。
この結果、清掃部材6aをすり抜けた外添剤Wが潜像形成手段2の帯電手段2aを通過することはほとんどなく、外添剤Wにマイナスの電荷eが付与されて現像手段3の現像領域に到達することはない。このため、電荷付与により帯電した外添剤Wが現像手段3の現像領域にて現像剤Gによる摺擦力(スキャベンジ力)で取り除かれる現象はほとんどなく、帯電した外添剤Wの除去に伴う像保持体1の表面電位が変化する現象が生ずることはほとんどない。それゆえ、例えばハーフトーン画像に相当する静電潜像Zの潜像電位Vzが部分的に低下することもほとんど起こらず、当該静電潜像Zは略均一なハーフトーン画像として現像される。
尚、本実施の形態では、帯電手段2aとして、像保持体1に接触する帯電部材を使用する態様であっても、像保持体1に付着した外添剤Wが帯電部材に付着するという事態はほとんど生じない。
【0016】
次に、本実施の形態における代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、外添剤一時回収手段10の間隙部13の好ましい態様としては、接触部12に対し少なくとも像保持体1の移動方向下流側に、被帯電回収部材11の対向部と前記像保持体1との間隔が前記接触部12から離れるにつれて次第に大きくなる部分を有しているものが挙げられる。
本態様では、像保持体1上の外添剤Wが接触部12を通過した後に接触部12から離れるにつれて間隔が次第に大きくなるように変化する間隙部13を通過する。このとき、像保持体1上の外添剤Wは接触部12を通過するときに剪断方向に作用する力を受けて外添剤Wはわずかに動くため、これにより像保持体1と外添剤Wとの付着力が弱まり、接触部12を通過した直後の電界強度の強い間隙部13で被帯電回収部材11へと静電吸着され易くなるものと推測される。
更に、接触部12の代表的態様としては、像保持体1の移動方向に交差する方向に向かって線状に延び、少なくとも像保持体1の表面のうち画像形成領域の範囲内で連続的に接触している態様が挙げられる。
本態様では、少なくとも像保持体1の画像形成領域の範囲内で連続的に延びる接触部12の近傍に間隔の狭い間隙部13を連続的に確保し、この狭い間隙部13では電荷に基づく電界強度の強い電界が作用することから、像保持体1上の画像形成領域内に主として残留する外添剤Wが被帯電回収部材11側に効率的に一時回収される点で好ましい。
【0017】
また、外添剤一時回収手段10に一時回収した外添剤Wを再利用する代表的態様としては、図1(a)(b)及び図2(b)に示すように、更に、被帯電回収部材11に対し当該被帯電回収部材11の摩擦帯電極性と異なる極性の吐出電圧Vt(図2(b)参照)を印加し、被帯電回収部材11と像保持体1との間に吐出電圧Vtに基づく吐出電界Eを作用させ、被帯電回収部材11に一時的に回収された外添剤Wを像保持体1側に吐出させる外添剤吐出手段15と、この外添剤吐出手段15にて吐出された外添剤Wが再付着した前記像保持体1を回転させ、前記現像手段3の現像域にて現像剤保持体3bを回転させることで前記像保持体1に摺擦する現像剤Gにより再付着した外添剤Wを現像手段3に戻す外添剤再回収手段16と、を備えるものが挙げられる。
ここで、外添剤吐出手段15は被帯電回収部材11と像保持体1との間に吐出電界を作用させ、一時回収した外添剤Wを像保持体1側に吐出するものであればよい。
また、外添剤再回収手段16は、像保持体1を回転させて像保持体1に再付着した外添剤Wを現像手段3の現像域までは搬送し、現像手段3の現像剤保持体3bを回転させて当該現像剤保持体3bに保持した現像剤Gで像保持体1を摺擦するようにすれば、像保持体1に再付着した外添剤Wが現像剤Gで掻き取られて再び現像容器3a内に再回収される。
本態様において、外添剤吐出手段15の好ましい態様としては、像保持体1の移動方向に対し画像形成領域間に介在される非画像形成領域に一時回収した外添剤Wを吐出させる態様が挙げられる。
本態様は、外添剤Wの吐出領域を非画像形成領域とした態様であり、作像処理を実施しながら、並行して外添剤Wの吐出処理を実施することが可能である。ここで、外添剤Wの吐出領域を像保持体1の任意の領域にしたとしても実現することは可能であるが、この場合には、外添剤一時回収手段10にて一時回収した外添剤Wを像保持体1上に吐出した後、当該外添剤Wを現像手段3の現像域に移動させる間、像保持体1に対して作像処理を実施することはできないものである。
【0018】
また、外添剤吐出手段15を付加する上で有効な態様としては、外添剤一時回収手段10の被帯電回収部材11は、導電性部材からなる回収基材11aと、この回収基材11aの像保持体1との対向面側を覆うように設けられ、外添剤W及び像保持体1よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被覆部材11bと、を有し、外添剤吐出手段15は回収基材11aに吐出電圧Vtを印加する態様が挙げられる。
本態様は、被帯電回収部材11が像保持体1との接触で摩擦帯電され、かつ、外添剤吐出手段15から摩擦帯電極性とは逆極性の吐出電圧Vtが印加されるものであるから、両者を両立する上で、導電性部材からなる回収基材11aと摩擦帯電を可能とする被覆部材11bとで機能分離するようにしたものである。
更に、被帯電回収部材11の好ましい支持構造としては、被帯電回収部材11は図示外の支持部材を介して予め決められた位置に配置されており、支持部材が被帯電回収部材11を像保持体1側に弾性的に押圧する弾性部材で構成されている態様が挙げられる。
ここで、被帯電回収部材11は接触部12を介して像保持体1に接触配置されることを要するから、押圧部材によって像保持体1側に押圧することが好ましい。この場合、被帯電回収部材11を浮動可能に支持し、専用の押圧部材で押し付けるようにしてもよいが、支持構造を簡略にするという観点からすれば、本態様のように、支持部材を弾性部材で構成し、押圧した状態で同時に支持可能である態様が好ましい。
【0019】
また、外添剤一時回収手段10の代表的態様としては以下のものが挙げられる。
第1の代表的態様は、図1(b)に示すように、像保持体1の移動方向に交差する方向に延びる板状部材で構成されると共に当該板状部材の前記像保持体1に対向する部位が平面又は曲面状の対向面を有する被帯電回収部材11と、前記板状部材のうち像保持体1の移動方向上流側及び下流側の端部から離れた位置の対向面を像保持体1の表面に接触させる接触部12と、この接触部12を境として像保持体1の移動方向上流側及び下流側に形成される間隙部13と、を有するものである。
本態様は、被帯電回収部材11として形状の単純な板状部材を用い、接触部12を境にして像保持体1の移動方向上流側及び下流側に間隙部13を確保したものである。
第2の代表的態様は、図1(b)に示す第1の代表的態様とは異なり、像保持体1の移動方向に交差する方向に延びる板状部材で構成されると共に当該板状部材の像保持体1に対向する部位に像保持体1の移動方向に向かって高さが変化する複数の凸部(図示せず)を有する被帯電回収部材11と、前記板状部材に形成された複数の凸部の突出端を像保持体1の表面に接触させる接触部12と、この接触部12に隣接して設けられ、複数の凸部と像保持体1との間に複数形成される間隙部13と、を有するものである。
本態様では、被帯電回収部材11としては、板状部材のうち像保持体1との対向部位に複数の凸部を有するものが用いられる。接触部12は複数の凸部の突出端と像保持体1の表面とを接触させることで得られる。また、複数の間隙部13は複数の凸部と像保持体1との間に得られる。
【0020】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
−画像形成装置の全体構成−
図6は本発明が適用される画像形成装置の実施の形態1の全体構成図である。
同図において、この画像形成装置20は4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置で、複数の色成分(本例では、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の画像が出力可能な画像形成部としての画像形成ユニット30(具体的には30Y,30M,30C,30K)を作像順に互いに所定間隔離間して並設し、各画像形成ユニット30に対向した部位には各画像形成ユニット30にて形成された画像が一時的に保持可能な中間転写体40を配設し、この中間転写体40上に保持された画像を一括転写装置50にて記録材Pに一括転写した後、定着装置60にて記録材P上に転写された画像を定着するものである。尚、符号70は一括転写部位に記録材Pを搬送する記録材搬送系である。
【0021】
<画像形成ユニット>
各画像形成ユニット30(30Y〜30K)は、表面に感光体層を有する像保持体としてのドラム状の感光体31と、この感光体31を一様に帯電する帯電装置32と、一様に帯電された感光体31に像光を照射して静電潜像を形成する露光装置33と、感光体31上に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像(画像)とする現像装置34と、感光体31上のトナー像を中間転写体40に一次転写した後に感光体31上に残留したトナーを清掃する清掃装置36と、この清掃装置36よりも感光体31の回転方向下流側に設けられて清掃装置36を通過した感光体31上に残留した外添剤を回収する外添剤一時回収装置37と、を備えている。
本例においては、画像形成ユニット30のうち、感光体31、帯電装置32、現像装置34、清掃装置36及び外添剤一時回収装置37は予め一つにまとめられたプロセスカートリッジとして構成されており、このプロセスカートリッジは色成分毎に交換可能にするために画像形成装置の筐体に対して着脱可能に装着されている。
ここで、感光体31は、例えば直径が20〜100mm程度の導電性の金属製基体上に感光層を積層形成したものである。この感光層は電荷発生層と電荷輸送層とが順次積層された機能分離型で、通常は高抵抗であるが、光照射により比抵抗が変化する性質(具体的には光照射により低抵抗になって導電性に至る性質)を持っている。
帯電装置32としては、例えばスコロトロンが用いられるが、これに限られるものではなく、コロトロンを始めこれ以外の各種放電器やロール形状・ブレード形状などの接触あるいは非接触型の帯電部材を用いたものなど適宜選定して差し支えない。
露光装置33としてはレーザ走査装置やLEDアレイなどが用いられる。
現像装置34としては、感光体31に対向して開口し且つ二成分現像剤が収容される現像容器34aを有し、この現像容器34aの開口に面して現像剤が保持搬送可能な現像ロール34bを配設したものである。尚、現像容器34a内には、二成分現像剤が撹拌搬送可能な撹拌搬送部材(図示せず)や、現像ロール34bに保持される現像剤の層厚が規制される層規制部材(図示せず)など各種機能部材が組み込まれている。
本例で用いられる現像剤のトナーとしては、例えば乳化重合法により製造されたものを使用することが可能であるが、本製造法に限らず、例えば懸濁重合法、懸濁造粒法、溶解懸濁法、混練粉砕法等により製造されたものでもよい。ここで、トナーの粒径は画質に大きな影響を与え粒径が小さいほど画質は向上するが、小さくなると現像性が低下したり取扱いが難しくなったりするので、平均粒径3μm以上10μm以下のものが望ましい。また、トナーには帯電制御剤や転写助剤として平均粒径10〜150nm程度のシリカやチタニアが適量外添される。本例では特にクリーニング性や転写維持性を確保するために比較的大粒径のシリカが外添されている。具体的には個数平均粒径100〜150nm程度のシリカが外添されている。ここでいう「個数平均粒径」はJIS Z 8901に基づき顕微鏡法による円相当径(Heywood径)で求めており、顕微鏡としては走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。
尚、清掃装置36及びその周辺構成の詳細については後述する。
【0022】
<中間転写体及びその周辺構成>
中間転写体40は、複数(本例では3つ)の張架ロール41〜43に張架されて循環回転する無端状のベルト部材からなり、例えば張架ロール41を駆動回転可能な駆動ロールとして駆動され、張架ロール42を張力調整ロールとして予め決められた張力が付与されている。
本例では、中間転写体40は、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、フッ素系樹脂などの樹脂材料に、カーボンやイオン導電物質などの導電性付与のための物質を分散させ、表面抵抗率を1010〜1012Ω/□程度(測定電圧:100V)に調整して形成されている。
また、中間転写体40のうち各画像形成ユニット30の感光体31に対向する裏面には一次転写装置45が配設されており、この一次転写装置45は例えば予め決められた一次転写電圧が印加される一次転写ロールからなり、中間転写体40に各感光体31上のトナー像を一次転写するものである。
更に、中間転写体40のうち張架ロール41に対向する部位には中間転写体清掃装置46が配設されており、この中間転写体清掃装置46は例えば中間転写体40表面に接触する板状の清掃ブレード46aを有し、中間転写体40上の残留トナーを清掃するものである。
【0023】
<一括転写装置>
一括転写装置50は、中間転写体40のうち張架ロール43に対向する中間転写体40表面に二次転写ロール51を有し、この二次転写ロール51に対向する張架ロール43を対向電極ロールとして兼用し、張架ロール43又は二次転写ロール51に二次転写電圧を印加することで両ロール間の転写領域に転写電界を生成し、この転写電界によって搬送されてくる記録材Pに対し中間転写体40上のトナー像を一括転写(二次転写)するものである。
<定着装置>
定着装置60としては記録材P上の未定着トナー像を転写するものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば加熱源を含む加熱定着ロール61と、この加熱定着ロール61との間に記録材Pを挟持して搬送するように加圧配置され且つ加熱定着ロール61と共に転動する加圧定着ロール62と、を有する態様が挙げられる。
<記録材搬送系>
記録材搬送系70は、記録材Pが枚葉毎に送出可能に収容される記録材収容装置71を有し、この記録材収容装置71から送出された記録材Pを搬送経路72に沿って搬送し、この搬送経路72のうち一括転写部位の手前に一括転写部位への記録材Pの供給タイミングが位置合せされる位置合せロール73を配設すると共に、搬送経路72のうち一括転写部位よりも記録材Pの搬送方向下流側に搬送ベルト74を配設することで定着装置60に向けて一括転写後の記録材Pを搬送し、定着装置60直後には排出ロール75を配設することで図示外の記録材排出受けに向けて記録材Pを排出するようになっている。
【0024】
−画像形成装置の基本作像作動−
本実施の形態における画像形成装置の基本作像作動について説明する。
各画像形成ユニット30(30Y〜30K)では各色成分画像が感光体31上に形成される。
以下、画像形成ユニット30Yにおいてイエロ画像を形成する動作について説明する。
先ず、動作に先立って、帯電装置32によって感光体31の表面が所定の電位(例えば−600V〜−800V程度の電位)に帯電される。この後、帯電した感光体31の表面に、図示外の制御部から送られてくるイエロ用の画像データに従って、露光装置33により例えばレーザ光などの光線が出力される。この光線は、感光体31の表面の感光層に照射され、それにより、イエロ印字パターンの静電潜像が感光体31の表面に形成される。ここでいう静電潜像とは、帯電された感光体31の表面に形成される像であり、光線によって感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体31の表面の帯電した電荷が流れ、一方、光線が照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される所謂ネガ潜像である。
このようにして感光体31上に形成された静電潜像は、感光体31の回転により所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体31上の静電潜像が、現像装置34によって可視像(トナー像)化される。現像装置34内には、例えば乳化重合法により製造された平均粒径が3〜8μmのイエロトナーが収容されている。イエロトナーは、現像装置34の内部で撹拌されることで摩擦帯電し、感光体31表面の帯電電荷と同極性(−)の電荷を有している。感光体31の表面が現像装置34を通過していくことにより、感光体31表面の除電された潜像部にのみイエロトナーが静電的に付着し、静電潜像がイエロトナーによって現像される。感光体31は、引き続き回転し、感光体31表面に現像されたイエロトナー像が所定の一次転写位置へ搬送される。感光体31表面のイエロトナー像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写装置45(本例では一次転写ロール)に所定の一次転写電圧が印加され、感光体31から一次転写装置45に向かう静電気力がトナー像に作用し、感光体31表面のトナー像が中間転写体40表面に転写される。
このとき、印加される一次転写電圧は、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば画像形成ユニット30Yでは制御部(図示せず)によって+20〜30μA程度に定電流制御されている。一方、感光体31表面の転写残トナーは、清掃装置36により清掃される。
【0025】
更に、第1の画像形成ユニット30Yより作像順が後の第2の画像形成ユニット30M以降の一次転写装置45に印加される一次転写電圧も前記と同様に制御されている。 こうして、第1の画像形成ユニット30Yにてイエロトナー像の転写された中間転写体40は、第2〜第4の画像形成ユニット30M、30C、30Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が同様に重ねられて多重転写される。第1〜第4の画像形成ユニット30(30Y〜30K)を通して全ての色のトナー像が多重転写された中間転写体40は、矢印方向に周回搬送され、中間転写体40内面に接する対向電極ロール43と中間転写体40の像保持面側に配置される二次転写ロール51とから構成された一括転写部位へと至る。
一方、記録材Pが、記録材搬送系70を介して一括転写部位に位置合せロール73で位置合せされた後に予め決められたタイミングで供給され、所定の二次転写電圧が例えば二次転写ロール51に印加される。このとき印加される二次転写電圧は、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、中間転写体40から記録材Pに向う静電気力がトナー像に作用し、中間転写体40表面のトナー像が記録材P表面に転写される。尚、本例では、二次転写電圧は一括転写部位の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるもので、定電圧で制御されている。
その後、記録材Pは定着装置60へと送り込まれ、トナー像が加熱・加圧され、色重ねされたトナー像が溶融されて、記録材P表面へ定着される。このようにカラー画像の定着が完了した記録材Pは図示外の記録材排出受けへ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。 尚、中間転写体40上の残留トナーは中間転写体清掃装置46にて清掃される。
【0026】
次に、清掃装置36及びその周辺構成について詳細に説明する。
−清掃装置及びその周辺構成−
図7は清掃装置36及びその周辺構成を示す説明図である。
<清掃装置>
同図において、清掃装置36は、感光体31に近接して配置され、感光体31と対向する側に開口する清掃容器81を有し、この清掃容器81の開口縁のうち感光体31の回転方向下流側に位置する部位(図7中では開口上縁)には清掃ブレード82を設けたものである。
ここで、清掃ブレード82は、弾性素材によって所定厚さの板状に形成された清掃部材であり、清掃ブレード82の材料には耐摩耗性、耐欠け性、耐クリープ性など機械的性質に優れる例えば熱硬化型ポリウレタンゴムが使用されるが、これに限られるものではなく、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム等の機能性ゴム材を広く用いて差し支えない。また、清掃ブレード82の取付構造としては、清掃容器81の開口上縁に断面形状が略L字状の板金からなる支持ブラケット83をネジ等の止め具84にて固定し、支持ブラケット83の感光体31に対向する面に清掃ブレード82の基部を接着し、この清掃ブレード82の接着部位から突出した突出部を感光体31の回転方向に抗する方向に向けて延ばし、当該突出部の先端エッジ部を感光体31表面に当接させるものが挙げられる。そして、本例では、清掃ブレード82の加圧方式は構造が簡単で低コストの定変位方式(清掃ブレード82の先端エッジ部を予め決められた量だけ変位させる方式)を採用しており、清掃ブレード82の弾性係数及びその変位量に基づいて予め決められた加圧力を得るようになっている。但し、清掃ブレード82の加圧方式は定変位方式に限られるものではなく、例えば当接圧の経時変化がほとんどない定荷重方式を用いてもよいことは勿論である。
更に、清掃容器81の開口縁のうち感光体31の回転方向上流側に位置する部位(図6中では開口下縁)にはシール部材85が固定されている。このシール部材85は、可撓性を有する樹脂フィルム(例えば厚さ0.1mmの熱可塑性ポリウレタンフィルム)等で構成されており、固定部位から突出した突出部を感光体31の回転方向に沿った方向に延ばした状態で感光体31に接触させ、感光体31と清掃容器81との間の隙間をほぼ塞ぎ、清掃容器81内に収容された廃トナー等が外部へ漏れるのを防ぐものである。
更に、清掃容器81の内部には感光体31の軸方向に沿って収容された廃トナーを搬送する搬送部材86が配設されている。
【0027】
このような構成の清掃装置36では、図7に示すように、感光体31の表面に残留した転写残トナーTは、シール部材85と感光体31との接触部位をそのまま通過した後、清掃ブレード82によって掻き取られる。清掃ブレード82で掻き取られたトナーTは清掃容器81に一旦収容された後、最終的に搬送部材86によって清掃容器81の側方外部に搬送・排出される。
但し、このような清掃装置36において、清掃ブレード82の先端部が感光体31との摺擦で摩耗したり、感光体31表面の摩擦係数が高いなどの場合に、清掃ブレード82の先端部が不規則に変形したりしてトナーTの塞き止め力が低下すると、粒径の小さい外添剤Wは清掃ブレード82からすり抜け易くなる。特に、外添剤Wとして使用されているシリカは粒径が小さく、ファンデルワールス力などで感光体31表面に強固に付着しているため、清掃ブレード82による掻き取り力では完全には清掃できず、清掃ブレード82と感光体31との接触部位をすり抜け易い。
【0028】
<外添剤一時回収装置>
このような外添剤Wのすり抜け現象のうち、特にシリカは粒径が比較的大きいことから、前述したように、連続プリント時にゴースト画像が発生したり、画質劣化の要因につながり易いという懸念があり、これを回避するという観点から、外添剤一時回収装置37が配設されている。
この外添剤一時回収装置37は、図7及び図8(a)(b)に示すように、感光体31の軸方向に沿って例えば断面形状が略J字状の支持基材110を配設し、この支持基材110の湾曲状の腕部である支持部111を感光体31に対向するように配置し、支持基材110の支持部111に板状の被帯電回収部材100を接着固定したものである。
本例では、支持基材110は例えば導電性材料からなる板バネ材料にて構成され、プロセスカートリッジの筐体(図示せず)にネジなどの止め具(図示せず)を介して直線状の腕部である取付部112を止着することで固定されている。尚、支持基材110としては板バネ材料に限られるものではなく、金属製、樹脂製など適宜選定して差し支えない。
【0029】
また、本例において、被帯電回収部材100は、感光体31の軸方向に延びる長尺な板状部材からなり、支持基材110の湾曲状の腕部である支持部111に対応した曲率で湾曲した導電性部材からなる回収基材101と、この回収基材101の感光体31に対向した対向面を覆う被覆部材としての被覆層102とを有している。
ここで、回収基材101としては例えば導電性ゴム材が用いられるが、これに限られるものではなく、他の導電性材料でも使用可能であり、例えば、導電性スポンジ、導電性繊維、導電性樹脂、導電性金属などが使用できる。尚、本例では、回収基材101は支持基材110とは別部材として設けられているが、支持基材110自体を回収基材101として兼用してもよいことは勿論である。
また、被覆層102は、図8(a)に示すように、外添剤Wとしてのシリカより帯電列がプラス側にある材料で構成され、特に、帯電列の中で、よりプラス側にある材料が好ましい。更に、本例では、被覆層102は、感光体31の表面材料よりも帯電列でプラス側にある材料で構成されていることを要する。
つまり、外添剤Wとしてのシリカの帯電列をCw、感光体31の帯電列をCp、被帯電回収部材100の被覆層102の帯電列をCkとすれば、以下の関係を満たす。
+←Ck>Cw→−
+←Ck>Cp→−
例えば感光体31の表面材料がポリカーボネートである例を挙げれば、被覆層102はこれよりも帯電列がプラス側にある材料を選定すればよい。特に、帯電列の中でよりプラス側にある材料で、更に、耐摩耗性に優れ、表面の摩擦係数が小さい材料を選定するようにすれば、例えばナイロン(登録商標)が好ましい材料として選定される。尚、ポリカーボネートよりプラス側にある材料であればナイロン(登録商標)以外の材料を使用することが可能であることは勿論である。また、感光体31の最表面にオーバーコート層を有する場合やa−Si感光体を使用する場合などポリカーボネート以外の材料が使用されている場合には、最表面の材料より帯電列がプラス側の材料であれば使用可能である。
また、被覆層102は薄層である方が好ましく、本実施の形態では厚さが5〜10μmのものが用いられている。被覆層102の形成手法としては例えば静電塗装法などが利用できる。
【0030】
更に、本実施の形態では、被帯電回収部材100は、図7及び図8(a)(b)に示すように、被覆層102のうち感光体31の移動方向の略中央付近を接触部105として感光体31の表面に接触配置されている。
この接触部105は、回収基材101の長さ寸法に対応して線状に連続的に延びて感光体31に接触しており、本例では感光体31の軸方向に対する画像形成領域m及びその両側に位置する非画像形成領域にも一部及んで設けられている。
特に、本例では、支持基材110の支持部111が板バネ材料で被帯電回収部材100を感光体31側に押圧するようになっているため、被帯電回収部材100は接触部105と感光体31の表面と接触状態を安定的に維持するものである。更に、回収基材101として導電性ゴム材を使用したので、感光体31と均一に接触し、接触部105の圧力を低減して摺擦による感光体31の摩耗を抑制する上で好ましい。
また、本例では、被帯電回収部材100は、接触部105を境として感光体31の移動方向上流側及び下流側の領域で感光体31の表面との間に間隙部120を有している。
この間隙部120は、被帯電回収部材100と感光体31との間の間隔が接触部105から離れるにつれて次第に大きくなるように変化する楔状部分121を有している。
この間隙部120の間隔寸法は、被帯電回収部材100が感光体31によって摩擦帯電されたときに、感光体31上に残留する外添剤Wとしてのシリカを静電的に回収する上で必要な電界Eが形成されるように選定されることを要する。
従って、間隙部120の間隔寸法は狭い方がシリカに対する静電気力をより強く作用する点で好ましい。好ましくは、上限は1mm以下、より好ましくは0.5mm以下になるように設定されている。
【0031】
<リフレッシュサイクル>
外添剤一時回収装置37に回収されたシリカは蓄積してくると回収能力が低下するため、本例では、リフレッシュサイクル時に、外添剤一時回収装置37に一時回収された外添剤Wとしてのシリカは当該外添剤一時回収装置37から除去されるようになっている。
具体的には、図7に示すように、外添剤一時回収装置37には外添剤吐出装置130が付加されている。
この外添剤吐出装置130は、被帯電回収部材100の被覆層102が摩擦帯電される電荷の極性と逆極性(本例では負極性)の吐出電圧Vtを支持基材110を介して被帯電回収部材100の回収基材101に印加する吐出電圧電源131と、この吐出電圧電源131に直列接続されて吐出電圧Vtの印加時期を選択する選択スイッチ132と、を有している。
ここで、吐出電圧Vtは、被帯電回収部材100に印加したときに、被帯電回収部材100と感光体31との間の間隙部120に生成される吐出電界Eの作用で被帯電回収部材100に一時回収された外添剤Wとしてのシリカを感光体31側に静電吸引力で吐出可能になる程度で選定されていれば適宜選定して差し支えない。
また、選択スイッチ132は例えば制御装置140に接続されており、制御装置140は、図11(a)に示すように、予め決められたリフレッシュサイクルで、感光体31を回転させると共に現像装置34の現像ロール34bを回転させ、例えば感光体31の移動方向に対して画像形成領域R間のインターイメージ領域に相当する非画像形成領域Rが外添剤一時回収位置を通過するタイミングで選択スイッチ132をオン動作させ、被帯電回収部材100に吐出電圧Vtを印加するものである。
特に、本例では、被帯電回収部材100は導電性材料からなる回収基材101を有しているため、吐出電圧Vtを被覆層102に確実に印加することが可能であり、また、被覆層102が薄層であれば印加した吐出電圧Vtによって被覆層102の全体で誘電分極が生ずる上で有効である。
ここで、リフレッシュサイクルは、通常の作像処理とは別に、印刷ジョブの開始時や終了時あるいは予め決められた印刷枚数毎に実施しても差し支えないが、本例では、通常の作像処理と並行して、感光体31上の非画像形成領域Rの移動位置を考慮して実施するようにしている。
【0032】
本実施の形態に係る外添剤一時回収装置37は以下のような動作原理で作動する。
<外添剤一時回収処理>
先ず、各画像形成ユニット30が作像動作を実施すると、図7及び図9に示すように、感光体31が予め決められたプロセス速度vpで回転する。
この状態において、被帯電回収部材100の接触部105は、図9中Aに示すように、感光体31に摺擦することにより(+)に摩擦帯電され、被帯電回収部材100の被覆層102全体が(+)に摩擦帯電される。この結果、摩擦帯電された被帯電回収部材100の被覆層102には電荷(プラス極性)が生成され、この電荷によって被帯電回収部材100の被覆層102と感光体31との間の間隙部120には電界Eが生成される。
特に、間隙部120のうち接触部105の近傍には、図9中B又はBで示すように、間隔寸法の狭い楔状部分121が存在し、電界Eの電界強度が強い領域になっている。
一方、外添剤Wとしてのシリカはマイナス極性に帯電する傾向が強く、清掃装置36の清掃ブレード82を通過した外添剤Wとしてのシリカは(−)に帯電されている。
【0033】
この状態において、感光体31の回転移動に伴って感光体31上のシリカが被帯電回収部材100の間隙部120に至ると、感光体31上のシリカは間隙部120内の電界Eによる静電吸引力を受けながら移動する。
このとき、図9中Bに示す楔状部分121では、感光体31上のシリカは移動するにつれて電界強度が次第に強まる静電吸引力を受けるため、感光体31上のシリカのうち付着力の弱いシリカが被帯電回収部材100に静電吸着されて回収される。
そして、感光体31上のシリカは図9中Aで示す接触部105を通過するが、この接触部105では、感光体31上のシリカは被帯電回収部材100と感光体31との間で摺擦されることから、感光体31上のシリカには剪断方向の力Fが働いてシリカの付着力が低減し、かつ、摩擦帯電によってシリカの電荷は増加するものと推測される。このため、接触部105を通過したシリカは、感光体31の移動方向下流側に位置する図9中Bに示す楔状部分121に至ると、電界Eによる静電吸引力によって被帯電回収部材100に静電吸着されて集中的に回収される。本例では、間隙部120のうち、特に、接触部105を通過した感光体31の移動方向下流側に位置する楔状部分121(図9中B側)で集中的に回収される。
【0034】
また、感光体31の表面に残留した転写残トナーTは感光体31の画像形成領域m内に多く存在することから、清掃装置36を通過する外添剤Wとしてのシリカも感光体31の画像形成領域m内に多く存在するが、前述したように、被帯電回収部材100の間隙部120の領域で感光体31上のシリカはほとんど全て被帯電回収部材100に一時的に回収される。
このため、本実施の形態では、帯電装置32による感光体31への帯電部位に外添剤Wとしてのシリカが到達することはほとんどないため、帯電装置32で帯電されたシリカが現像装置34の現像域に到達することはほとんどなく、前述したように、連続プリント時にゴースト画像が発生する懸念はない。更に、例えば帯電装置32としてのスコロトロンの放電作用に伴って感光体31上のシリカが放電ワイヤ321やグリッド322等に付着し、帯電不良の要因になる懸念はない。尚、帯電装置32として例えば感光体31に接触する帯電ロールを使用する態様であったとしても、感光体31上のシリカが帯電ロールに付着することはほとんどないので、帯電ロールにシリカが付着することに伴う帯電不良の懸念もない。
【0035】
<リフレッシュ処理>
また、外添剤一時回収装置37は定期的に行われるリフレッシュサイクルにてリフレッシュされる。
本例では、制御装置140は、図7、図10及び図11(a)に示すように、リフレッシュサイクルが予め決められたタイミング、具体的には、感光体31の移動方向に対し画像形成領域R間のインターイメージ領域に相当する非画像形成領域Rが外添剤一時回収装置37の設置位置に対応する外添剤一時回収位置を通過するとき、選択スイッチ132をオン動作させる。
このとき、被帯電回収部材100に吐出電圧電源131から吐出電圧Vt(本例では負極性)が支持基材110を介して被帯電回収部材100に印加される。
すると、被帯電回収部材100では導電性材料からなる回収基材101を通じて被覆層102全域に吐出電圧Vtが印加され、この被覆層102では誘電分極が起こり、被覆層102の表面電位が吐出電圧Vtになる。このため、被帯電回収部材100と感光体31との間隙部120には吐出電圧Vtに基づく吐出電界Eが作用する。
【0036】
この吐出電界Eは、外添剤一時回収時における電荷に基づく電界Eとは逆極性の電界であり、被帯電回収部材100に一時回収されていた外添剤Wとしてのシリカはマイナスに帯電されており、吐出電界Eによる静電吸引力によって感光体31側に吐出される。特に、間隙部120のうち接触部105(図10中A参照)の近傍に位置する楔状部分121(図10中B、B参照)では、吐出電界Eの電界強度が強いことから、これらの楔状部分121に対応した被帯電回収部材100に一時回収されていたシリカは感光体31側に確実に吐出される。
この結果、外添剤Wとしてのシリカは感光体31上にクーロン力により静電付着し、感光体31の移動に伴って外添剤一時回収装置37を通過していく。このとき、被帯電回収部材100のうち接触部105よりも感光体31の移動方向上流側に一時回収されていたシリカは感光体31に吐出された後、接触部105を通過することになるが、鏡像力による静電付着力と吐出電界Eによるクーロン作用とによって感光体31上に保持されることから、被帯電回収部材100の接触部105に付着することなく当該接触部105を通過する。
そして、感光体31の表面に再付着した外添剤Wとしてのシリカは、図7及び図11(b)に示すように、帯電装置32を通過し、現像装置34の現像域に到達することになるが、現像装置34の現像域では、現像ロール34bに保持された現像剤Gが感光体31の表面を摺擦することから、この現像剤Gの摺擦力(スキャベンジ力)により感光体31上のシリカは現像装置34の現像容器34a内に回収される。
この結果、外添剤一時回収装置37に一時回収された外添剤Wとしてのシリカは現像装置34内に再回収されて再利用に供される。
【0037】
◎実施の形態2
図12は実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なる外添剤一時回収装置37を備えている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
同図において、外添剤一時回収装置37は、図13に示すように、実施の形態1と略同様に、支持基材110に被帯電回収部材100を支持した構成を有しているが、実施の形態1と異なる支持基材110、被帯電回収部材100を用いている。
本実施の形態において、支持基材110は感光体31の軸方向に沿って延びる断面形状が略L字状の導電性部材からなり、一方の腕部である支持部113を感光体31に対向するように配置すると共に、支持基材110の支持部113に板状の被帯電回収部材100を接着固定し、プロセスカートリッジの筐体(図示せず)にネジなどの止め具(図示せず)を介して他方の腕部である取付部114を止着することで固定されている。
本例では、支持基材110は例えば導電性材料からなる板バネ材料にて構成されるが、これに限られるものではなく、金属製、樹脂製など適宜選定して差し支えない。
また、被帯電回収部材100は、支持基材110に一側面が接着固定された板状の回収基材151と、この回収基材151の支持基材110への固定面以外の周囲を被覆する被覆部材としての被覆層152と、を有している。
【0038】
本例では、回収基材151は、例えば導電性ゴム材からなる断面略長方形状の板状部材を有し、当該板状部材の感光体31に対向する部位に感光体31の移動方向に向かって高さが変化する複数(本例では例えば5個)の凸部161〜165を一体的に形成したものである。
この複数の凸部161〜165は断面三角形状又は四角形状に形成されている。本例では、凸部161〜164は感光体31の移動方向上流側に突出端角部を有する断面三角形状に形成され、凸部165は感光体31の移動方向上流側の突出端角部が下流側の突出端角部よりも高さが低い断面四角形状に形成されている。
そして、凸部161〜164の突出端角部及び凸部165の感光体31の移動方向下流側に位置する突出端角部の各位置(図中P〜P)はドラム状の感光体31の表面の曲率に沿った位置に配置されている。
このような形状の回収基材151の固定面以外の表面は前述した被覆層152で被覆されており、回収基材151の各凸部161〜165も被覆層152で被覆されている。尚、この被覆層152の素材などについては、実施の形態1と略同様であり、外添剤Wとしてのシリカ及び感光体31に比べて帯電列がプラス側に位置する材料が選定されている。
【0039】
このような構成の被帯電回収部材100は支持基材110に支持され、支持基材110の板バネ材料による弾性作用により感光体31の表面側に予め決められた定圧力で押し付けられる。
この状態では、被帯電回収部材100は、各凸部161〜165の感光体31の表面の曲率に沿った突出端角部に対応した部位が接触部170として感光体31の表面に接触配置されている。
更に、本例では、被帯電回収部材100の各凸部161〜165の接触部170に隣接した部位には、被帯電回収部材100の各凸部161〜165と感光体31の表面との間に複数の間隙部180が形成されている。
本例では、各間隙部180は、各凸部161〜165の感光体31の移動方向下流側に設けられ、被帯電回収部材100と感光体31との間隔寸法がいずれも接触部170から離間するにつれて次第に大きくなるように変化する楔状部分181を有している。
更に、本例では、外添剤一時回収装置37には、実施の形態1と同様な外添剤吐出装置130(吐出電圧電源131,選択スイッチ132)が付加されており、制御装置140によりリフレッシュサイクルが実施されるようになっている。
【0040】
次に、本実施の形態における外添剤一時回収装置37の作動について説明する。
今、各画像形成ユニット30が作像動作を実施すると、図14に示すように、感光体31が予め決められたプロセス速度vpで回転する。
この状態において、被帯電回収部材100の各凸部161〜165に対応した接触部170は、感光体31に摺擦することにより(+)に摩擦帯電され、被帯電回収部材100の被覆層152全体が(+)に摩擦帯電される。この結果、摩擦帯電された被帯電回収部材100の被覆層152には電荷(プラス極性)が生成され、この電荷によって被帯電回収部材100の被覆層152と感光体31との間の複数の間隙部180には電界Eが生成される。
特に、複数の間隙部180はいずれも接触部170の感光体31の移動方向下流側に確保され、かつ、間隔寸法の狭い楔状部分181を有しており、電界Eの電界強度が強い領域になっている。
一方、外添剤Wとしてのシリカはマイナス極性に帯電する傾向が強く、清掃装置36の清掃ブレード82を通過した外添剤Wとしてのシリカは(−)に帯電されている。
【0041】
この状態において、感光体31の回転移動に伴って感光体31上のシリカが被帯電回収部材100の凸部161の第1の接触部170(図14中P)を通過すると、当該接触部170では、感光体31上のシリカは被帯電回収部材100と感光体31との間で摺擦されることから、感光体31上のシリカには剪断方向の力が働いてシリカの付着力が低減し、かつ、摩擦帯電によってシリカの電荷は増加するものと推測される。このため、第1の接触部170を通過したシリカは、感光体31の移動方向下流側に位置する図14中Bに示す第1の間隙部180の楔状部分181に至ると、電界Eによる静電吸引力によって被帯電回収部材100に静電吸着されて集中的に回収される。
このとき、第1の間隙部180を通過するときに、被帯電回収部材100に一時回収されなかった感光体31上のシリカは、第2以降の接触部170(図14中P〜P)、第2以降の間隙部180を交互に通過していく。この状態において、感光体31上のシリカは、第2以降の接触部170を通過する毎に摩擦帯電するので低帯電だったシリカも着実に帯電されると推測され、電界Eによる静電吸引力によって、図14中Bに示す下流側の間隙部180(図14中では第4の間隙部180)を通過する際に、被帯電回収部材100に回収される。
尚、複数の間隙部180のうち、感光体31の移動方向上流側に位置する間隙部180に対応した部位で被帯電回収部材100にシリカが集中的に一時回収された場合には、当該間隙部180におけるシリカの回収性能は低下するが、下流側に位置する間隙部180でシリカが一時回収されることから、複数の接触部170及び複数の間隙部180を有する態様では、外添剤Wとしてのシリカの回収性能を分離して比較的長時間に亘って維持することが可能である。
また、本実施の形態でも、実施の形態1と同様なリフレッシュサイクルが実施され、外添剤一時回収装置37に外添剤吐出装置130が働くと、被帯電回収部材100に一時回収されていた外添剤Wとしてのシリカは感光体31側の非画像形成領域Rに吐出され、感光体31の移動に伴って現像装置34の現像域に至り、現像ロール34bに保持された現像剤Gにて掻き取られて現像容器34a内に再回収される。
【実施例】
【0042】
◎実施例1
実施の形態1に係る画像形成装置を実施例1として用い、外添剤一時回収装置37の効果を検証するための実験を行った。尚、外添剤一時回収装置37を具備しない態様を比較例1とする。
実験条件は以下の通りである。
検証実験には富士ゼロックス製オンデマンド印刷機DocuColor8000を使用し、清掃装置36と帯電装置32との間に外添剤一時回収装置37を組み込んだ。
・使用トナー:乳化重合法により製造された平均粒径5.8μmのトナー(個数平均粒径100〜150nmのシリカを外添)
・清掃ブレード:加圧力39.2N/mのウレタンゴム製ブレード
・シール部材:厚さ0.1mmの熱可塑性ポリウレタンフィルム
・被帯電回収部材100:
回収基材101として長さ20mm、厚さ2mmの導電性ゴムを使用した。
被覆層102として5〜10μm厚のナイロンコーティングを使用した。
また、評価方法は、ゴースト評価チャート(例えば図3(a)参照)を連続50枚プリントし、50枚目のゴーストレベルをΔL*で評価した。ここでいうΔL*は例えば図3(b)中のゴースト画像IMgが存在する領域とこの領域以外のハーフトーン画像IMの領域との間の明度差を意味する。
評価結果を図15に示す。
同図によれば、ΔL*の値は小さいほどゴーストレベルが良好なことを示している。
比較例1では、ΔL*の値は2.0で連続プリントゴーストの発生が見られたのに対して、実施例1ではΔL*の値は0.1にまで低減し、連続プリントゴーストが認識されないレベルまで改善することが理解される。
また、実施例1における外添剤一時回収装置37の改善効果に関し、その維持性を確認するためにランニング試験を行った。
ランニングしたトータルサイクル数(感光体の回転総数)は100,000Cycleである。10,000Cycle毎に上記と同様にゴースト評価を行った結果、図16に示すようにΔL*の値は0.1〜0.2で推移し、測定バラツキを考慮すれば変化していないと判断することができ、実施例1の維持性が確認された。
【0043】
◎実施例2
実施例1と同様な構成の画像形成装置を実施例2とし、吐出電圧Vtを−400Vとしてリフレッシュサイクルを実施したところ、リフレッシュサイクル後の外添剤一時回収装置37の被帯電回収部材100の表面のシリカの付着程度を調べたところ、被帯電回収部材100に一時回収されていたシリカは略除去され、被帯電回収部材100がリフレッシュされたことが確認された。
実施の形態2に係る画像形成装置を実施例3とし、実施例1と同様に、DocuColor8000を使用してトータルサイクル数100,000Cycleの検証実験を行った。
その結果、ΔL*の値は0.1〜0.15で推移し、長期にわたり連続プリントゴーストの発生を防止することができることを確認した。
【符号の説明】
【0044】
1…像保持体,2…潜像形成手段,2a…帯電手段,2b…潜像書込手段,3…現像手段,3a…現像容器,3b…現像剤保持体,3c…現像回転体,3d…磁石部材,3e…撹拌搬送部材,4…転写手段,5…転写媒体,6…清掃手段,6a…清掃部材,10…外添剤一時回収手段,11…被帯電回収部材,11a…回収基材,11b…被覆部材,12…接触部,13…間隙部,15…外添剤吐出手段,16…外添剤再回収手段,E…摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界,E…吐出電界,G…現像剤,W…外添剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が保持される回転可能な像保持体と、
この像保持体に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤が保持搬送される現像剤保持体を有し、この現像剤保持体に保持搬送された現像剤を前記像保持体に対し摺擦させ、前記潜像形成手段にて像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段と、
この現像手段にて現像された前記像保持体上のトナー像を転写媒体に転写する転写手段と、
この転写手段による転写部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記像保持体に接触する清掃部材にて当該像保持体上の転写後の残留物を清掃する清掃手段と、
この清掃手段による清掃部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記清掃部位を通過した像保持体上の外添剤を一時的に回収する外添剤一時回収手段と、を備え、
前記外添剤一時回収手段は、
前記像保持体に対向し且つ前記像保持体の回転方向と交差する方向に延びるように配置され、少なくとも像保持体に対向する対向部は前記外添剤及び前記像保持体よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被帯電回収部材と、
前記被帯電回収部材の一部に前記像保持体の表面に接触するように設けられ、前記像保持体回転時に当該像保持体との接触に起因して前記被帯電回収部材を摩擦帯電する接触部と、
前記被帯電回収部材のうち前記接触部を除く像保持体との対向部と前記像保持体との間に設けられ、前記被帯電回収部材の対向部と像保持体との間の間隔が前記接触部から離れるにつれて次第に大きくなるように変化する部分を有し、前記接触部により被帯電回収部材が摩擦帯電されたときに当該摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界が像保持体上の外添剤を静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部と、
を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記間隙部は、前記接触部に対し少なくとも像保持体の移動方向下流側に、前記被帯電回収部材の対向部と前記像保持体との間隔が前記接触部から離れるにつれて次第に大きくなる部分を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記外添剤一時回収手段の接触部は、前記像保持体の移動方向に交差する方向に向かって線状に延び、少なくとも像保持体の表面のうち画像形成領域の範囲内で連続的に接触していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の画像形成装置において、
更に、前記被帯電回収部材に対し当該被帯電回収部材の摩擦帯電極性と異なる極性の吐出電圧を印加し、被帯電回収部材と像保持体との間に前記吐出電圧に基づく吐出電界を作用させ、前記被帯電回収部材に一時的に回収された外添剤を像保持体側に吐出させる外添剤吐出手段と、
この外添剤吐出手段にて吐出された外添剤が再付着した前記像保持体を回転させ、前記現像手段の現像域にて前記現像剤保持体を回転させることで前記像保持体に摺擦する現像剤により再付着した外添剤を現像手段に戻す外添剤再回収手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像形成装置において、
前記外添剤吐出手段は、前記像保持体の移動方向に対し画像形成領域間に介在される非画像形成領域に前記一時回収した外添剤を吐出させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の画像形成装置において、
前記外添剤一時回収手段の被帯電回収部材は、導電性部材からなる回収基材と、この回収基材の像保持体との対向面側を覆うように設けられ、前記外添剤及び像保持体よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被覆部材と、を有し、
前記外添剤吐出手段は前記回収基材に吐出電圧を印加することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれかに記載の画像形成装置において、
前記被帯電回収部材は支持部材を介して予め決められた位置に配置されており、前記支持部材が被帯電回収部材を像保持体側に弾性的に押圧する弾性部材で構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれかに記載の画像形成装置において、
前記外添剤一時回収手段は、
前記像保持体の移動方向に交差する方向に延びる板状部材で構成されると共に当該板状部材の前記像保持体に対向する部位が平面又は曲面状の対向面を有する前記被帯電回収部材と、
前記板状部材のうち像保持体の移動方向上流側及び下流側の端部から離れた位置の対向面を像保持体の表面に接触させる前記接触部と、
前記接触部を境として像保持体の移動方向上流側及び下流側に形成される前記間隙部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし7いずれかに記載の画像形成装置において、
前記外添剤一時回収手段は、
前記像保持体の移動方向に交差する方向に延びる板状部材で構成されると共に当該板状部材の前記像保持体に対向する部位に前記像保持体の移動方向に向かって高さが変化する複数の凸部を有する前記被帯電回収部材と、
前記板状部材に形成された複数の凸部の突出端を前記像保持体の表面に接触させる前記接触部と、
前記接触部に隣接して設けられ、複数の凸部と像保持体との間に複数形成される前記間隙部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−114090(P2013−114090A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260983(P2011−260983)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】