説明

画像形成装置

【課題】撹拌部材を円滑に回転させることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
感光ドラム8を備えるドラムカートリッジ6と、ドラムカートリッジ6に着脱可能な現像カートリッジ7とを有し、本体ケーシング2に着脱可能なプロセスカートリッジ5を備えるプリンタ1において、現像カートリッジ7のトナー収容部内に、トナーを撹拌するためのアジテータ23と、プロセスカートリッジ5の本体ケーシング2への装着動作に連動してトナーをほぐすためのほぐし部材61とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタとして、静電潜像が形成される感光体と、感光体に現像剤を供給する現像ユニットとを備えるプリンタが知られている。
【0003】
このようなプリンタに備えられる現像ユニットとして、例えば、トナーを収容するトナー収容室と、トナー収容室内のトナーを撹拌するアジテータと、トナー収容室内のトナーを感光ドラムに供給する現像ローラとを備える現像カートリッジが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−039430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記した特許文献1に記載の現像カートリッジでは、高温条件下に放置された場合に、トナー粒子が互いに凝集してしまう場合がある。また、現像カートリッジを輸送するときに、トナー粒子が、自重によって互いの隙間に入り込み、凝集する場合がある。
【0006】
これらの場合、トナーの流動性が低くなっているため、現像カートリッジを駆動させるときに、凝集したトナーによりアジテータの回転が妨げられる場合がある。
【0007】
トナーが凝集した状態でアジテータを回転させると、アジテータにかかる負荷が増大し、アジテータが変形する場合がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、撹拌部材を円滑に回転させることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記した目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、装置本体に着脱可能なカートリッジを備える画像形成装置であって、カートリッジは、現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部内に配置され、現像剤を撹拌するための撹拌部材とを備える。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、現像剤収容部内に配置され、カートリッジの装置本体への装着動作に連動して現像剤をほぐすためのほぐし部材を備える。
【0011】
このような構成によれば、カートリッジの装置本体への装着前に現像剤収容部内の現像剤が凝集していたとしても、カートリッジを装置本体に装着するときに、ほぐし部材によって現像剤収容部内の現像剤をほぐすことができる。
【0012】
そのため、カートリッジを装置本体に装着した後、撹拌部材を円滑に回転させることができ、撹拌部材が変形あるいは破損することを抑制できる。
(2)また、装置本体は、撹拌部材を駆動させる第1駆動部と、ほぐし部材を駆動させる第2駆動部とを備えていてもよい。
【0013】
このような構成によれば、ほぐし部材を、撹拌部材を駆動させる第1駆動部とは別の第2駆動部によって、駆動させることができる。
【0014】
そのため、撹拌部材を駆動させることなく、ほぐし部材を駆動させることができる。
【0015】
その結果、撹拌部材が変形あるいは破損することを確実に抑制できる。
(3)また、撹拌部材は、第1回転軸を中心として回転され、ほぐし部材は、第1回転軸と平行な第2回転軸を中心として回転されてもよい。
【0016】
このような構成によれば、ほぐし部材を、撹拌部材の第1回転軸とは別の第2回転軸を中心として回転させることができる。
【0017】
そのため、撹拌部材の第1回転軸を回転させることなく、ほぐし部材を回転させることができる。
【0018】
その結果、撹拌部材の第1回転軸が変形あるいは破損することを抑制できる。
(4)また、ほぐし部材は、第2回転軸から、第2回転軸の軸線方向と直交する方向に突出するほぐし部を有していてもよい。
【0019】
このような構成によれば、簡易な構成で、ほぐし部によって確実に現像剤をほぐすことができる。
(5)また、ほぐし部材は、第1回転軸に対して相対的に離間される第1位置と、第1回転軸に対して第1位置よりも近接される第2位置とに回動可能であってもよい。この場合、ほぐし部材は、カートリッジの装置本体への装着動作に連動して、第1位置から第2位置へ回動され、カートリッジの装置本体への装着が完了したときに、再び、第1位置に配置されてもよい。
【0020】
このような構成によれば、ほぐし部材を、カートリッジの装置本体への装着前において、撹拌部材に干渉しないように撹拌部材から離間される第1位置に配置し、カートリッジの装置本体への装着動作に連動して、第1位置から、撹拌部材に対して第1位置よりも近接される第2位置に回動させ、その後、カートリッジの装置本体への装着が完了したときに、再び、第1位置に配置させることができる。
【0021】
そのため、現像剤を確実にほぐすことができながら、カートリッジが装置本体に装着された後において、ほぐし部材が撹拌部材の回転を妨げることを防止できる。
(6)また、カートリッジは、第2駆動部からの駆動力によって所定の駆動量で不可逆的に回転する回転体を備えていてもよい。この場合、ほぐし部材は、回転体が回転されることにより回動されてもよい。
【0022】
このような構成によれば、カートリッジを装置本体に装着するときに、回転体が駆動される間だけ、ほぐし部材を回動させ、カートリッジの装置本体への装着が完了した後に、ほぐし部材の回動を停止させることができる。
【0023】
そのため、カートリッジが装置本体に装着された後において、ほぐし部材を回動させることなく、撹拌部材を回転させることができる。
【0024】
その結果、カートリッジが装置本体に装着された後において、ほぐし部材が撹拌部材の回転を妨げることを確実に防止できる。
(7)また、カートリッジは、係合部を有してもよい。回転体は、所定の駆動量での駆動が終了したときに、係合部が係合される被係合部を備えていてもよい。
【0025】
このような構成によれば、カートリッジの装置本体への装着が完了した後に、回転体の被係合部に係合部を係合させることにより、回転体を回転不能に固定することができる。
【0026】
そのため、カートリッジを装置本体から離脱させるときにほぐし部材が回動されることを、防止できる。
(8)また、回転体は、駆動力が伝達される歯部と、駆動力が伝達されない欠け歯部とを含む欠け歯ギヤを有していてもよい。
【0027】
このような構成によれば、回転体を、簡易な構成で確実に、所定の駆動量で回転させることができる。
(9)また、ほぐし部材は、現像剤収容部の内周面に沿うように配置されていてもよい。
【0028】
このような構成によれば、現像剤収容部の内周面近傍において、現像剤をほぐすことができる。
(10)また、現像剤収容部には、現像剤収容部の内周面から現像剤収容部の外側へ向かって凹むように構成され、ほぐし部材を収容するほぐし部材収容部が形成されていてもよい。
【0029】
この場合、ほぐし部材がほぐし部材収容部に収容されているときに、ほぐし部材の回動方向下流側におけるほぐし部の面は、ほぐし部材収容部が形成されている部分以外の現像剤収容部の内周面と面一になってもよい。
【0030】
このような構成によれば、カートリッジの装置本体への装着が完了した後において、ほぐし部材が撹拌部材の回転を妨げることを、より防止できる。
(11)また、カートリッジは、ほぐし部材に連結される連結部を備えていてもよい。この場合、回転体は、連結部と当接される当接部を備えていてもよい。
【0031】
このような構成によれば、簡易な構成で、当接部を連結部に当接させて、ほぐし部材を回動させることができる。
(12)また、カートリッジは、感光体を備える感光体カートリッジと、感光体カートリッジに着脱可能に構成され、現像剤を収容する現像カートリッジとを備えていてもよい。この場合、連結部は、現像カートリッジに設けられ、回転体は、現像カートリッジに設けられていてもよい。
【0032】
このような構成によれば、回転体と連結部との両方が現像カートリッジに設けられているので、回転体の当接部と、ほぐし部材に連結される連結部とを確実に当接させることができる。
(13)また、カートリッジは、感光体を備える感光体カートリッジと、感光体カートリッジに着脱可能に構成され、現像剤を収容する現像カートリッジとを備えていてもよい。この場合、連結部は、現像カートリッジに設けられ、回転体は、感光体カートリッジに設けられていてもよい。
【0033】
このような構成によれば、回転体が感光体カートリッジに設けられているため、現像カートリッジの構成を簡略化することができ、現像カートリッジの低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の画像形成装置によれば、カートリッジを装置本体への装着した後、撹拌部材を円滑に回転させることができ、撹拌部材が変形あるいは破損することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態としてのプリンタを示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示すプロセスカートリッジの要部を示す左上側から見た斜視図であって、ほぐし部材が第1位置に配置されている状態を示す。
【図3】図3は、図1に示すプロセスカートリッジの要部を示す左上側から見た斜視図であって、ほぐし部材が第2位置に配置されている状態を示す。
【図4】図4は、図2に示す現像カートリッジのドラムカートリッジへの装着を説明する説明図である。
【図5】図5は、図2に示すプロセスカートリッジの本体ケーシングへの装着を説明する説明図である。
【図6】図6は、プロセスカートリッジの本体ケーシングへの装着と、ほぐし部材の回動との連動を説明する説明図であって、(a)は、プロセスカートリッジの欠け歯ギヤと、本体ケーシングのラックギヤとが噛合した状態を示し、(b)は、ほぐし部材が第1位置に配置されている状態を示す。
【図7】図7は、図6に続いて、プロセスカートリッジの本体ケーシングへの装着と、ほぐし部材の回動との連動を説明する説明図であって、(a)は、欠け歯ギヤが回転し、当接部が連結部を上側へ押し上げた状態を示し、(b)は、ほぐし部材が第2位置に配置されている状態を示す。
【図8】図8は、図7に続いて、プロセスカートリッジの本体ケーシングへの装着と、ほぐし部材の回動との連動を説明する説明図であって、(a)は、欠け歯ギヤの回転が終了し、欠け歯ギヤとラックギヤとの噛合が解除された状態を示し、(b)は、ほぐし部材が第1位置に配置されている状態を示す。
【図9】図9は、図8に続いて、プロセスカートリッジの本体ケーシングへの装着と、ほぐし部材の回動との連動を説明する説明図であって、プロセスカートリッジの本体ケーシングへの装着が完了し、係止部材の係止突起が、ほぐし部材駆動ギヤの第1係止溝に嵌合された状態を示す。
【図10】図10は、第2実施形態のプロセスカートリッジを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、横置きタイプのレーザプリンタである。
【0037】
なお、以下の説明において、方向について言及する場合には、プリンタ1を水平に載置した状態を基準として、図1における紙面右側を前側とし、図1における紙面左側を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が左側であり、紙面奥側が右側である。
【0038】
プリンタ1は、略ボックス形状の装置本体の一例としての本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2の前端部には、本体開口部3を開閉するフロントカバー4が、その後端部を支点として揺動可能に設けられている。プリンタ1は、カートリッジの一例としてのプロセスカートリッジ5を備えている。
【0039】
プロセスカートリッジ5は、本体ケーシング2内に着脱可能に設けられ、感光体カートリッジの一例としてのドラムカートリッジ6と、ドラムカートリッジ6に着脱可能に装着される現像カートリッジ7とを備えている。
【0040】
ドラムカートリッジ6は、感光体の一例としての感光ドラム8を備えている。
【0041】
感光ドラム8は、左右方向に長手の円筒形状に形成されており、ドラムカートリッジ6に回転可能に設けられている。
【0042】
現像カートリッジ7は、現像ローラ9を備えている。
【0043】
現像ローラ9は、左右方向に延びる金属製の現像ローラ軸24を備え、現像カートリッジ7の後端部において後側から露出されるように設けられ、感光ドラム8に対して前側から接触されている。
【0044】
また、現像カートリッジ7は、現像ローラ9にトナーを供給する供給ローラ10、現像ローラ9に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード11を備え、それらの前側に設けられる現像剤収容部の一例としてのトナー収容部22内には、現像剤の一例としてのトナーが収容され、トナーを撹拌する撹拌部材の一例としてのアジテータ23が設けられている。
【0045】
供給ローラ10は、左右方向に延びる金属製の供給ローラ軸25を備え、現像ローラ9に前上側から接触されている。
【0046】
層厚規制ブレード11は、現像ローラ9に後上側から接触されている。
【0047】
アジテータ23は、左右方向に延びる第1回転軸の一例としてのアジテータ軸26と、アジテータ軸26の径方向外周面から径方向外側に延びるフィルム状の撹拌羽根27とを備え、アジテータ軸26を回転中心として回転される。
【0048】
トナー収容部22内のトナーは、供給ローラ10と現像ローラ9との間で正極性に摩擦帯電され、層厚規制ブレード11により、一定厚さの薄層として現像ローラ9の表面に担持される。
【0049】
一方、感光ドラム8の表面には、感光ドラム8の後上側に対向配置されるスコロトロン型帯電器12によって一様に帯電された後、感光ドラム8の上側に対向配置されるスキャナユニット13によって所定の画像データに基づいて露光されることにより、画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ9に担持されるトナーが感光ドラム8の表面上の静電潜像に供給されることにより、感光ドラム8の表面上にトナー像(現像剤像)が担持される。
【0050】
用紙Pは、本体ケーシング2の底部に設けられる給紙トレイ14内に収容されており、ピックアップローラ15および給紙ローラ16によって、後上側へUターンするように搬送されて、レジストローラ17によって、所定のタイミングで1枚ずつ、感光ドラム8と転写ローラ18との間に給紙される。感光ドラム8と転写ローラ18との間を通過するときに、用紙Pにトナー像が転写される。
【0051】
そして、用紙Pは、加熱ローラ19と加圧ローラ20との間を通過するときに加熱および加圧される。このとき、用紙Pには、トナー像が熱定着される。
【0052】
その後、用紙Pは、前上側へUターンするように搬送されて、本体ケーシング2の上面に設けられる排紙トレイ21に排紙される。
2.プロセスカートリッジ
(1)ドラムカートリッジ
ドラムカートリッジ6は、図2および図4に示すように、ドラムフレーム31を備えている。
【0053】
ドラムフレーム31は、平面視略矩形の有底枠形状に形成されている。詳しくは、左右1対の側壁32、両側壁32の前端部間に架設される前壁33、両側壁32の後端部間の上方に架設される上壁34、および、両側壁32の下端部間に架設される下壁35を備えている。
【0054】
両側壁32は、上下前後に延びる側面視略矩形状に形成されている。
【0055】
前壁33は、左右方向に延びる略平板形状に形成されている。
【0056】
上壁34は、左右方向に延びる略平板形状に形成され、感光ドラム8を上側から被覆するように設けられている。また、上壁34には、スコロトロン型帯電器12が支持されている。
【0057】
下壁35は、前壁33の下端部に連続して後側へ延びる略平板形状に形成されている。また、下壁35は、現像カートリッジ7を支持する現像カートリッジ支持部36と、転写ローラ18を収容する転写ローラ支持部37とを備えている。
【0058】
現像カートリッジ支持部36は、下壁35の前側部分であり、前壁33の下端部に連続して後側へ延びる略平板形状に形成されている。また、現像カートリッジ支持部36は、レジストローラ17に対向される対向ローラ29を備えている。また、現像カートリッジ支持部36には、現像カートリッジ7のほぐし部材駆動ギヤ63(後述)を露出させる露出開口38が形成されている。
【0059】
対向ローラ29は、左右方向に延びる略円柱形状に形成され、ドラムカートリッジ6の前後方向略中央において、現像カートリッジ支持部36に回転可能に支持されている。
【0060】
露出開口38は、現像カートリッジ支持部36の左端部において、対向ローラ29の後側に配置されている。露出開口38は、現像カートリッジ支持部36を上下方向に貫通するように、前後方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
【0061】
転写ローラ支持部37は、下壁35の後側部分であり、感光ドラム8を下側から被覆するように、現像カートリッジ支持部36の後側に間隔を隔てて配置されている。転写ローラ支持部37は、転写ローラ18の周面に沿うように、上側に向かって開放される断面視略U字形状に形成されている。転写ローラ支持部37内には、転写ローラ18が支持されている。また、転写ローラ支持部37と現像カートリッジ支持部36との間は、用紙Pが通過される通紙口39(図1参照)として機能する。
【0062】
そして、ドラムフレーム31において、現像カートリッジ支持部36と、現像カートリッジ支持部36に対応する両側壁32および前壁33と、上壁34の前端縁とによって、現像カートリッジ7を装着するための現像カートリッジ装着部30が区画されている。
(2)現像カートリッジ
(2−1)現像カートリッジの全体構成
現像カートリッジ7は、現像フレーム41を備えている。
【0063】
現像フレーム41は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されている。詳しくは、現像フレーム41は、左右1対の側壁42と、前壁43と、下壁44と、上壁45とを一体的に備えている。
【0064】
両側壁42は、上下前後に延びる側面視略矩形状に形成され、互いに左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0065】
また、左側の側壁42には、本体ケーシング2内の第1駆動部の一例としてのモータ91(図8(a)参照)から駆動力が入力される駆動部46とが設けられている。
【0066】
駆動部46は、現像カップリング47、現像ギヤ48、供給ギヤ49、アイドルギヤ51、および、アジテータギヤ50を備えている。
【0067】
現像カップリング47は、左側の側壁42の後端部において、左側の側壁42の左側に相対回転可能に支持されている。また、現像カップリング47は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、大径ギヤ部52と、小径ギヤ部53と、カップリング部54とを一体的に有している。
【0068】
大径ギヤ部52は、現像カップリング47の右端部に設けられている。大径ギヤ部52の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯が形成されている。
【0069】
小径ギヤ部53は、大径ギヤ部52よりも小径で、大径ギヤ部52と中心軸線を共有する略円柱形状に形成されている。小径ギヤ部53の周面には、その全周にわたって、ギヤ歯が形成されている。
【0070】
カップリング部54は、小径ギヤ部53よりも小径で、大径ギヤ部52と中心軸線を共有する略円柱形状に形成されている。カップリング部54の左側面には、結合凹部55が形成されている。結合凹部55には、現像カートリッジ7が本体ケーシング2内に装着された状態で、本体ケーシング2内に備えられる本体カップリング(図示せず)の先端が相対回転不能に挿入され、本体カップリング(図示せず)を介して、モータ91(図8(a)参照)から駆動力が入力される。
【0071】
現像ギヤ48は、左側の側壁42の左側において、現像ローラ軸24の左端部に相対回転不能に取り付けられている。現像ギヤ48は、現像カップリング47の大径ギヤ部52に後側から噛合されている。
【0072】
供給ギヤ49は、左側の側壁42の左側において、供給ローラ軸25の左端部に相対回転不能に取り付けられている。供給ギヤ49は、現像カップリング47の大径ギヤ部52に後下側から噛合されている。
【0073】
アイドルギヤ51は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されており、現像カップリング47の前側において、左側の側壁42の左側に回転可能に支持されている。また、アイドルギヤ51は、アイドルギヤ51の左側半分を構成する大径部56、および、アイドルギヤ51の右側半分を構成する小径部57を一体的に有している。
【0074】
大径部56は、略円板形状に形成され、現像カップリング47の小径ギヤ部53に前側から噛合されている。
【0075】
小径部57は、大径部56よりも小径で、大径部56と中心軸線を共有する略円板形状に形成されている。なお、小径部57は、現像カップリング47の大径ギヤ部52の前下側に間隔を隔てて配置されている。
【0076】
アジテータギヤ50は、アジテータ軸26の左端部に相対回転不能に取り付けられている。アジテータギヤ50は、アイドルギヤ51の小径部57に前側から噛合されている。
【0077】
前壁43は、両側壁42の前端部間に架設されるように、左右方向に延びる略平板形状に形成されている。
【0078】
下壁44は、左右方向に延び、前壁43の下端部に連続するように、両側壁42の下端部間に架設されている。また、下壁44には、ほぐし部材61(後述)のほぐし部65(後述)が収容されるほぐし部材収容部58が形成されている。
【0079】
ほぐし部材収容部58は、下壁44の内周面から下側へ凹むように、平面視略矩形状に形成されている。ほぐし部材収容部58の深さ(上下方向長さ)は、ほぐし部65の厚みと同じ長さである。
(2−2)ほぐし部材の駆動に関する構成
現像カートリッジ7は、図2、図3および図6に示すように、ほぐし部材61と、連結部の一例としての係合レバー62と、回転体の一例としてのほぐし部材駆動ギヤ63と、係合部の一例としての係止部材72と、線ばね71とを備えている。なお、以下の説明では、プロセスカートリッジ5が本体ケーシング2から離脱されている状態を基準として説明する。
【0080】
ほぐし部材61は、トナー収容部22の下側内周面に沿うように、下壁44の上側に設けられている。ほぐし部材61は、左右方向に延びる略櫛形状に形成されている。詳しくは、ほぐし部材61は、第2回転軸の一例としてのほぐし部材駆動軸64と、複数のほぐし部65とを備えている。
【0081】
ほぐし部材駆動軸64は、左右方向に延びる略円柱形状に形成され、トナー収容部22の前側下端部において、左右方向に沿って配置されている。また、ほぐし部材駆動軸64の左端部は、現像カートリッジ7の左側の側壁42に形成される挿通穴(図示せず)に回転可能に挿通され、左側の側壁42よりも左側に露出されている。また、ほぐし部材駆動軸64の左端部は、左側の側壁42から左側に露出されている部分において、断面略D字形状に形成されている。なお、ほぐし部材駆動軸64の右端部は、現像カートリッジ7の右側の側壁42に回転可能に支持されている。
【0082】
複数のほぐし部65は、左右方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。また、ほぐし部65は、トナー収容部22の下側内周面に沿って湾曲するように、ほぐし部材駆動軸64から後側へ向かって延びる略平板形状に形成されている。
【0083】
そして、ほぐし部材61は、ほぐし部65がトナー収容部22内のほぐし部材収容部58内に収容される第1位置(図2参照)と、ほぐし部65がトナー収容部22内のほぐし部材収容部58内から上側へ突出される第2位置(図3参照)とに、ほぐし部材駆動軸64を中心として回動される。
【0084】
なお、ほぐし部材61が第1位置に配置されているときには、ほぐし部65の上面84は、ほぐし部材収容部58が形成されている部分以外のトナー収容部22の下側内周面と面一になる。
【0085】
係合レバー62は、樹脂などの弾性を有する材料からなり、嵌合部75と、被当接部76と、付勢部66とを一体的に備えている。
【0086】
嵌合部75は、左右方向に延びる断面略D字形の筒形状に形成されている。
【0087】
被当接部76は、嵌合部75の後端部から連続して後下側へ延びる略杆形状に形成されている。
【0088】
付勢部66は、後側が開放された側面視略V字形状に屈曲された平帯形状に形成されている。詳しくは、当接部76後端部から連続して前上側へ延び、その上端部において後側へ屈曲されている。付勢部66は、その屈曲部分において弾性変形可能である。
【0089】
そして、係合レバー62は、嵌合部75において、ほぐし部材駆動軸64の左端部に相対回転不能に外嵌(ほぐし部材駆動軸64の径方向外側から嵌合)されている。また、付勢部66の上端部は、現像カートリッジ7の係止レバー規制部77に下側から当接されている。なお、係止レバー規制部77は、アジテータ軸26とほぐし部材駆動軸64との間において、現像カートリッジ7の左側の側壁42から左側へ突出する略円柱形状に形成されている。
【0090】
これにより、係合レバー62の被当接部76は、常には、付勢部66の弾性により下側へ付勢され、ほぐし部材61は、常には、第1位置に向かって付勢されている。ほぐし部材61が第1位置に配置されているときには、係合レバー62の被当接部76は、後下側へ延びている。
【0091】
ほぐし部材駆動ギヤ63は、左右方向に厚みを有する略円板形状に形成されている。ほぐし部材駆動ギヤ63は、ほぐし部材駆動軸64の後下側において、下端部が現像カートリッジ7の下壁44よりも下側へ突出するように、左側の側壁42の左側に回転可能に支持されている。
【0092】
ほぐし部材駆動ギヤ63の周面には、中心角が約90°をなす部分にギヤ歯が形成されている。すなわち、ほぐし部材駆動ギヤ63の周面には、ギヤ歯が形成されている歯部67と、ギヤ歯が形成されていない欠け歯部68とが形成されている。すなわち、ほぐし部材駆動ギヤ63は、欠け歯ギヤとして構成されている。
【0093】
また、ほぐし部材駆動ギヤ63の周面には、被係合部の一例としての第1係止溝73と、第2係止溝74とが形成されている。また、ほぐし部材駆動ギヤ63は、当接部69と被付勢部70とを備えている。
【0094】
第1係止溝73は、ほぐし部材駆動ギヤ63の回転中心に対して、歯部67の左側面視反時計回り方向最上流側端部の反対側に設けられている。第1係止溝73は、ほぐし部材駆動ギヤ63の外周面から、ほぐし部材駆動ギヤ63の径方向内側へ向かって凹む凹溝であって、ほぐし部材駆動ギヤ63の径方向外側へ向かって開放される側面視略U字形状に形成されている。
【0095】
第2係止溝74は、左側面視反時計回り方向において、第1係止溝73の下流側、かつ、歯部67の上流側に設けられている。第1係止溝73は、ほぐし部材駆動ギヤ63の外周面から、ほぐし部材駆動ギヤ63の径方向内側へ向かって凹む凹溝であって、ほぐし部材駆動ギヤ63の径方向外側へ向かって開放される側面視略V字形状に形成されている。詳しくは、第2係止溝74の左側面視反時計回り方向下流側端縁は、ほぐし部材駆動ギヤ63の径方向に沿って延びている。また、第2係止溝74の左側面視反時計回り方向上流側端縁は、左側面視反時計回り方向に向かうに従って、ほぐし部材駆動ギヤ63の径方向内側へ傾斜されている。
【0096】
当接部69は、左側面視反時計回り方向において、第1係止溝73の上流側、かつ、歯部67の下流側に設けられている。当接部69は、ほぐし部材駆動ギヤ63の左面から左側へ突出し、ほぐし部材駆動ギヤ63の径方向に延びる突条として形成されている。当接部69は、係合レバー62の被当接部76の下側に対向配置されている。
【0097】
被付勢部70は、左側面視反時計回り方向において、第1係止溝73と略同じ位置に設けられている。被付勢部70は、ほぐし部材駆動ギヤ63の左面から左側へ突出するように、ほぐし部材駆動ギヤ63の径方向外側へ向かう頂部を有する側面視略凸形状に形成されている。また、ほぐし部材駆動ギヤ63の頂部は、略円弧形状に形成され、係合レバー62の被当接部76の後上側に対向配置されている。
【0098】
係止部材72は、樹脂などの弾性を有する材料からなり、回動軸78と、係止突起79と、被規制部80とを一体的に備えている。
【0099】
回動軸78は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。
【0100】
係止突起79は、回動軸78の下端部から連続して下側へ延び、その下端部において前下側へ屈曲される略杆形状に形成されている。
【0101】
被規制部80は、回動軸78の後端部から連続して後下側へ延びる略平板形状に形成されている。
【0102】
そして、係止部材72は、回動軸78において、左側の側壁42の左側に回転可能に支持されている。また、被規制部80の後端部は、現像カートリッジ7の係止部材規制部60に下側から当接されている。これにより、係止部材72は、左側面視時計回り方向への回転が規制されている。
【0103】
なお、係止部材規制部60は、係止部材72の回動軸78の後側において、現像カートリッジ7の左側の側壁42から左側へ突出する略円柱形状に形成されている。
【0104】
線ばね71は、前後方向に延びる側面視略直線形状に形成されている。線ばね71は、その後端部において、左側の側壁42の左側に支持されており、その前端部において、ほぐし部材駆動ギヤ63の被付勢部70の頂部に上側から当接されている。
【0105】
これにより、ほぐし部材駆動ギヤ63は、常には、線ばね71の弾性によって、左側面視時計回りに付勢されている。
【0106】
また、ほぐし部材駆動ギヤ63の第2係止溝74には、係止部材72の係止突起79が嵌合されている。これにより、ほぐし部材駆動ギヤ63の左側面視時計回りの回転が規制されている。
3.本体ケーシング
本体ケーシング2内には、プロセスカートリッジ5の装着を案内する左右1対のガイド溝81と、ほぐし部材駆動ギヤ63に噛合される第2駆動部の一例としてのラックギヤ82とが設けられている。
【0107】
両ガイド溝81は、本体ケーシング2の左右方向両側壁の内側において、左右方向内側へ向かって開放される凹溝であり、屈曲されながら下側へ向かうように、前後方向に延びている。ガイド溝81の溝幅(上下方向長さ)は、対向ローラ29の直径よりも長く形成されている。
【0108】
ラックギヤ82は、本体ケーシング2の左端部内に設けられ、前後方向に延びる略平板形状に形成されている。ラックギヤ82の後端部の上端縁には、ギヤ歯を有する歯部83が形成されている。
4.現像カートリッジの本体ケーシングへの装着
(1)現像カートリッジのドラムカートリッジへの装着
現像カートリッジ7を本体ケーシング2に装着するには、図4に示すように、まず、現像カートリッジ7をドラムカートリッジ6に装着する。
【0109】
現像カートリッジ7をドラムカートリッジ6に装着するには、現像カートリッジ7を、ドラムカートリッジ6の現像カートリッジ装着部30に上側から挿入する。詳しくは、まず、現像カートリッジ7の後端部を現像カートリッジ装着部30の後端部内に挿入する。その後、現像カートリッジ7の後端部を支点として現像カートリッジ7の前端部を左側面視時計回りに回動させて、現像カートリッジ7の前端部を現像カートリッジ装着部30の前端部内に挿入する。
【0110】
すると、現像カートリッジ7のドラムカートリッジ6への装着が完了し、プロセスカートリッジ5が完成する。
【0111】
このとき、現像カートリッジ7のほぐし部材駆動ギヤ63は、ドラムカートリッジ6の露出開口38を介して、ドラムカートリッジ6の下壁35よりも下側に露出される。
(2)プロセスカートリッジの本体ケーシングへの装着
次いで、現像カートリッジ7を本体ケーシング2に装着するには、図5に示すように、プロセスカートリッジ5を本体ケーシング2に装着する。
【0112】
プロセスカートリッジ5を本体ケーシング2に装着するには、フロントカバー4を開放して、対向ローラ29の左右方向端部をガイド溝81に嵌合させるように、プロセスカートリッジ5を後端部から本体ケーシング2内に挿入する。
【0113】
そして、プロセスカートリッジ5を後側へ押し込むと、プロセスカートリッジ5は、対向ローラ29の左右方向端部がガイド溝81に案内されることにより、後側へ進入するに従って下側へ案内される。
【0114】
すると、図6(a)に示すように、プロセスカートリッジ5のほぐし部材駆動ギヤ63が、本体ケーシング2のラックギヤ82に上側から噛合される。このとき、ほぐし部材駆動ギヤ63の歯部67は、その左側面視反時計回り方向下流側端部において、ラックギヤ82の前端部に噛合される。
【0115】
そして、図7(a)に示すように、プロセスカートリッジ5をさらに後側へ押し込む。すると、ほぐし部材駆動ギヤ63が、ラックギヤ82に対して相対的に後側へ移動され、線ばね71の付勢力に抗して、左側面視反時計回り方向に回転される。
【0116】
すると、ほぐし部材駆動ギヤ63は、その当接部69において、付勢部66の付勢力に抗して、係合レバー62の被当接部76を上側へ押し上げる。
【0117】
これにより、ほぐし部材61は、図3および図7(b)に示すように、ほぐし部材駆動軸64を支点として、第1位置から、ほぐし部65がアジテータ軸26に近接するように上側へ回動され、第2位置にされる。
【0118】
すると、トナー収容部22内のトナーがほぐし部65によってほぐされる。
【0119】
なお、このとき、図7(a)に示すように、ほぐし部材駆動ギヤ63の被付勢部70は、線ばね71を上側へ押し上げながら、その頂部がほぐし部材駆動ギヤ63の回転軸線よりもわずかに後側に配置されるように、左側面視反時計回り方向に移動されている。これにより、ほぐし部材駆動ギヤ63は、線ばね71によって左側面視反時計回り方向に付勢される。
【0120】
また、係止部材72の係止突起79は、第2係止溝74から左側面視反時計回り方向上流側へ外れ、ほぐし部材駆動ギヤ63の外周面に当接されている。このとき、係止部材72の被規制部80は、後側へ向かうに従って下側へ湾曲するように撓み、係止部材72を左側面視反時計回り方向に付勢している。
【0121】
そして、図8(a)に示すように、プロセスカートリッジ5をさらに後側へ押し込む。すると、ほぐし部材駆動ギヤ63が、ラックギヤ82に対してさらに相対的に後側へ移動され、左側面視反時計回り方向にさらに回転される。
【0122】
すると、ほぐし部材駆動ギヤ63の当接部69が、係合レバー62の被当接部76から後側へ離間され、当接部69の被当接部76に対する当接が解除される。
【0123】
すると、係合レバー62は、付勢部66の付勢力によって、左側面視反時計回りに回動される。これにより、ほぐし部材61は、図8(b)に示すように、ほぐし部材駆動軸64を支点として、第2位置から再び第1位置へ回動される。
【0124】
そして、図9に示すように、プロセスカートリッジ5の本体ケーシング2への装着が完了すると、ほぐし部材駆動ギヤ63とラックギヤ82との噛合が解除される。
【0125】
その後、ほぐし部材駆動ギヤ63は、線ばね71の付勢力により左側面視反時計回り方向に回転される。
【0126】
そして、係止部材72の係止突起79が、ほぐし部材駆動ギヤ63の第1係止溝73に嵌合されると、ほぐし部材駆動ギヤ63の左側面視反時計回り方向へのそれ以上の回転が規制される。
【0127】
また、係止部材72の係止突起79と、ほぐし部材駆動ギヤ63の第1係止溝73との嵌合により、ほぐし部材駆動ギヤ63の左側面視時計回り方向への回転も規制される。
【0128】
これにより、装着されたプロセスカートリッジ5を本体ケーシング2から前側へ離脱させるときには、ほぐし部材61が回動されない。
【0129】
そして、本体ケーシング2のモータ91から現像カップリング47に駆動力が入力されると、アイドルギヤ51を介してアジテータギヤ50に駆動力が伝達され、アジテータ23が左側面視時計回りに回転される。
【0130】
このとき、トナー収容部22内のトナーは、ほぐし部材61によってほぐされており、アジテータ23は、円滑に回転される。
5.作用効果
(1)このプリンタ1によれば、図2および図3に示すように、プロセスカートリッジ5の本体ケーシング2への装着動作に連動して現像剤をほぐすためのほぐし部材61が、現像カートリッジ7のトナー収容部22内に設けられている。
【0131】
そのため、プロセスカートリッジ5の本体ケーシング2への装着前にトナー収容部22内のトナーが凝集していたとしても、プロセスカートリッジ5を本体ケーシング2に装着するときに、ほぐし部材61によってトナー収容部22内のトナーをほぐすことができる。
【0132】
その結果、プロセスカートリッジ5を本体ケーシング2に装着した後、アジテータ23を円滑に回転させることができ、アジテータ23が変形あるいは破損することを抑制できる。
(2)また、このプリンタ1によれば、図6および図9に示すように、本体ケーシング2は、アジテータ23を駆動させるモータ91と、ほぐし部材61を駆動させるラックギヤ82とを備えている。
【0133】
そのため、ほぐし部材61を、アジテータ23を駆動させるモータ91とは別のラックギヤ82によって、駆動させることができる。
【0134】
これにより、アジテータ23を駆動させることなく、ほぐし部材61を駆動させることができる。
【0135】
その結果、アジテータ23が変形あるいは破損することを確実に抑制できる。
(3)また、このプリンタ1によれば、図7に示すように、ほぐし部材61を、アジテータ23のアジテータ軸26とは別のほぐし部材駆動軸64を中心として回転させることができる。
【0136】
そのため、アジテータ23のアジテータ軸26を回転させることなく、ほぐし部材61を回転させることができる。
【0137】
その結果、アジテータ23のアジテータ軸26が変形あるいは破損することを抑制できる。
(4)また、このプリンタ1によれば、図2および図3に示すように、ほぐし部材61は、ほぐし部材駆動軸64から、後側へ突出するほぐし部65を有している。
【0138】
そのため、簡易な構成で、トナーを、ほぐし部材によって確実にほぐすことができる。
(5)また、このプリンタ1によれば、図6(b)に示すように、ほぐし部材61を、プロセスカートリッジ5の本体ケーシング2への装着前において、アジテータ23に干渉しないようにアジテータ23から離間される第1位置に配置している。
【0139】
そして、図7(b)に示すように、プロセスカートリッジ5の本体ケーシング2への装着動作に連動して、第1位置から、アジテータ23に対して第1位置よりも近接される第2位置に回動させ、その後、図8(b)に示すように、プロセスカートリッジ5の本体ケーシング2への装着が完了したときに、再び、第1位置に配置させている。
【0140】
そのため、トナーを確実にほぐすことができながら、プロセスカートリッジ5が本体ケーシング2に装着された後において、ほぐし部材61がアジテータ23の回転を妨げることを防止できる。
(6)また、このプリンタによれば、図6(a)および図7(a)に示すように、プロセスカートリッジ5を本体ケーシング2へ装着するときに、ほぐし部材駆動ギヤ63が駆動される間だけ、ほぐし部材61を回動させ、図9に示すように、プロセスカートリッジ5の本体ケーシング2への装着が完了した後に、ほぐし部材61の回動を停止させることができる。
【0141】
そのため、プロセスカートリッジ5が本体ケーシング2に装着された後において、ほぐし部材61を回動させることなく、アジテータ23を回転させることができる。
【0142】
その結果、プロセスカートリッジ5が本体ケーシング2に装着された後において、ほぐし部材61がアジテータ23の回転を妨げることを確実に防止できる。
(7)また、このプリンタ1によれば、図9に示すように、プロセスカートリッジ5の本体ケーシング2への装着が完了した後に、ほぐし部材駆動ギヤ63の第1係止溝73に、係止部材72の係止突起79を係合させることにより、ほぐし部材駆動ギヤ63を回転不能に固定することができる。
【0143】
そのため、プロセスカートリッジ5を本体ケーシング2から離脱させるときにほぐし部材61が回動されることを、防止できる。また、ほぐし部材駆動ギヤ63の当接部69と係合レバー62とが当接してプロセスカートリッジ5が着脱できなくなることを、防止できる。
(8)また、このプリンタ1によれば、図6に示すように、ほぐし部材駆動ギヤ63は、駆動力が伝達される歯部67と、駆動力が伝達されない欠け歯部68とを備えている。
【0144】
そのため、ほぐし部材駆動ギヤ63を、簡易な構成で確実に、所定の駆動量で回転させることができる。
(9)また、このプリンタ1によれば、図2に示すように、ほぐし部材61は、トナー収容部22の下側内周面に沿うように配置されている。
【0145】
そのため、トナー収容部22の下側内周面近傍において、トナーをほぐすことができる。
(10)また、このプリンタ1によれば、図2に示すように、トナー収容部22の下側内周面に、ほぐし部材61が第1位置に配置されているときにほぐし部材61を収容するほぐし部材収容部58が形成されている。
【0146】
そして、ほぐし部材61がほぐし部材収容部58に収容されているときに、ほぐし部65の上面84は、ほぐし部材収容部58が形成されている部分以外のトナー収容部22の下側内周面と面一になっている。
【0147】
そのため、プロセスカートリッジ5の本体ケーシング2への装着が完了した後において、ほぐし部材61がアジテータ23の回転を妨げることを、より防止できる。
(11)また、このプリンタ1によれば、図6(a)に示すように、プロセスカートリッジ5は、ほぐし部材61に連結される係合レバー62を備えている。また、ほぐし部材駆動ギヤ63は、係合レバー62と当接される当接部69を備えている。
【0148】
そのため、簡易な構成で、当接部69を係合レバー62に当接させて、ほぐし部材61を回動させることができる。
(12)また、カートリッジは、図4に示すように、ほぐし部材駆動ギヤ63と係合レバー62との両方が、現像カートリッジ7に設けられている。
【0149】
そのため、ほぐし部材駆動ギヤ63の当接部69と、ほぐし部材61に連結される係合レバー62とを確実に当接させることができる。
6.第2実施形態
図10を参照して、第2実施形態のプロセスカートリッジを説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0150】
上記した第1実施形態では、ほぐし部材駆動ギヤ63と係合レバー62との両方を、現像カートリッジ7に設けている。
【0151】
対して、第2実施形態では、図10に示すように、ほぐし部材駆動ギヤ63、線ばね71、係止部材72および係止部材規制部60を、現像カートリッジ97に設けないで、ドラムカートリッジ96に設ける。
【0152】
ほぐし部材駆動ギヤ63は、ドラムカートリッジ96の左側の側壁32の右側において、露出開口38を介してドラムカートリッジ96の下壁35よりも下側に露出されるように、回転可能に支持されている。
【0153】
係止部材72は、ほぐし部材駆動ギヤ63の後上側において、ドラムカートリッジ96の左側の側壁32の右側に回転可能に支持されている。
【0154】
また、係止部材規制部60は、係止部材72の後側に配置され、ドラムカートリッジ96の左側の側壁32から右側へ突出する略円柱形状に形成されている。係止部材規制部60には、係止部材72被規制部80の後端部が下側から当接されている。
【0155】
線ばね71は、その後端部において、ドラムカートリッジ96の左側の側壁32の右側に支持されており、その前端部において、ほぐし部材駆動ギヤ63の被付勢部70の頂部に上側から当接されている。
【0156】
第2実施形態のプリンタ1によれば、ほぐし部材駆動ギヤ63、線ばね71、係止部材72および係止部材規制部60がドラムカートリッジ96に設けられている。
【0157】
そのため、現像カートリッジ97の構成を簡略化することができ、現像カートリッジ97の低コスト化を図ることができる。
【符号の説明】
【0158】
1 プリンタ
2 本体ケーシング
5 プロセスカートリッジ
6 ドラムカートリッジ
7 現像カートリッジ
22 トナー収容部
23 アジテータ
26 アジテータ軸
58 ほぐし部材収容部
61 ほぐし部材
62 係合レバー
63 ほぐし部材駆動ギヤ
64 ほぐし部材駆動軸
65 ほぐし部
67 歯部
68 欠け歯部
69 当接部
72 係止部材
73 第1係止溝
82 ラックギヤ
84 上面
91 モータ
96 ドラムカートリッジ
97 現像カートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に着脱可能なカートリッジを備える画像形成装置であって、
前記カートリッジは、
現像剤を収容する現像剤収容部と、
前記現像剤収容部内に配置され、前記現像剤を撹拌するための撹拌部材と、
前記現像剤収容部内に配置され、前記カートリッジの前記装置本体への装着動作に連動して前記現像剤をほぐすためのほぐし部材と
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記装置本体は、
前記撹拌部材を駆動させる第1駆動部と、
前記ほぐし部材を駆動させる第2駆動部と
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記撹拌部材は、第1回転軸を中心として回転され、
前記ほぐし部材は、前記第1回転軸と平行な第2回転軸を中心として回転されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ほぐし部材は、前記第2回転軸から、前記第2回転軸の軸線方向と直交する方向に突出するほぐし部を有することを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ほぐし部材は、前記第1回転軸に対して相対的に離間される第1位置と、前記第1回転軸に対して前記第1位置よりも近接される第2位置とに回動可能であり、
前記ほぐし部材は、
前記カートリッジの前記装置本体への装着動作に連動して、前記第1位置から前記第2位置へ回動され、
前記カートリッジの前記装置本体への装着が完了したときに、再び、前記第1位置に配置されることを特徴とする、請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カートリッジは、前記第2駆動部からの駆動力によって所定の駆動量で不可逆的に回転する回転体を備え、
前記ほぐし部材は、前記回転体が回転されることにより回動されることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カートリッジは、係合部を有し、
前記回転体は、前記所定の駆動量での駆動が終了したときに、前記係合部が係合される被係合部を備えていることを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記回転体は、前記駆動力が伝達される歯部と、前記駆動力が伝達されない欠け歯部とを含む欠け歯ギヤを有することを特徴とする、請求項6または7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ほぐし部材は、前記現像剤収容部の内周面に沿うように配置されていることを特徴とする、請求項6ないし8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記現像剤収容部には、前記現像剤収容部の内周面から前記現像剤収容部の外側へ向かって凹むように構成され、前記ほぐし部材を収容するほぐし部材収容部が形成されており、
前記ほぐし部材が前記ほぐし部材収容部に収容されているときには、前記ほぐし部材の回動方向下流側における前記ほぐし部の面は、前記ほぐし部材収容部が形成されている部分以外の前記現像剤収容部の内周面と面一になることを特徴とする、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記カートリッジは、前記ほぐし部材に連結される連結部を備え、
前記回転体は、前記連結部と当接される当接部を備えることを特徴とする、請求項6ないし10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記カートリッジは、感光体を備える感光体カートリッジと、前記感光体カートリッジに着脱可能に構成され、現像剤を収容する現像カートリッジとを備え、
前記連結部は、前記現像カートリッジに設けられ
前記回転体は、前記現像カートリッジに設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記カートリッジは、感光体を備える感光体カートリッジと、前記感光体カートリッジに着脱可能に構成され、現像剤を収容する現像カートリッジとを備え、
前記連結部は、前記現像カートリッジに設けられ、
前記回転体は、前記感光体カートリッジに設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−114119(P2013−114119A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261437(P2011−261437)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】