画像形成装置
【課題】媒体の弛み量を精度良く制御することができるようにする。
【解決手段】画像形成部と、画像形成部において媒体を搬送するための第1の駆動部と、定着器28と、定着器28において媒体を搬送するための第2の駆動部と、媒体の弛みを検出する弛み検出要素を備えた弛み検出装置と、弛み検出要素の検出位置を調整する調整部と、弛み検出要素によって検出された媒体の弛みに基づいて、第1、第2の駆動部のうちの一方の回転速度を変更する弛み量制御部とを有する。画像形成部と定着器との間において形成された媒体の弛みを検出する弛み検出要素の検出位置が調整されるので、媒体の厚さに応じて弛み検出要素を適正な位置に置くことができる。弛み量制御部によって弛み量を精度良く制御することができる。
【解決手段】画像形成部と、画像形成部において媒体を搬送するための第1の駆動部と、定着器28と、定着器28において媒体を搬送するための第2の駆動部と、媒体の弛みを検出する弛み検出要素を備えた弛み検出装置と、弛み検出要素の検出位置を調整する調整部と、弛み検出要素によって検出された媒体の弛みに基づいて、第1、第2の駆動部のうちの一方の回転速度を変更する弛み量制御部とを有する。画像形成部と定着器との間において形成された媒体の弛みを検出する弛み検出要素の検出位置が調整されるので、媒体の厚さに応じて弛み検出要素を適正な位置に置くことができる。弛み量制御部によって弛み量を精度良く制御することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面をLEDヘッドによって露光して静電潜像を形成し、該静電潜像を現像器によって現像してトナー像を形成し、該トナー像を、転写ローラによって媒体としての用紙に転写し、定着器において、加熱ローラ及び加圧ローラによって用紙に定着させることによって、画像を形成するようになっている。
【0003】
ところで、前記プリンタにおいては、感光体ドラム上のトナー像が用紙に転写される、感光体ドラムと転写ローラとの間の部分(以下「転写部」という。)における用紙の搬送速度、すなわち、転写部搬送速度と、用紙の搬送方向における転写部より下流側において、トナー像が用紙に定着させられる、加熱ローラと加圧ローラとの間の部分(以下「定着部」という。)における用紙の搬送速度、すなわち、定着部搬送速度とを完全に等しくすることができない。
【0004】
そこで、定着部搬送速度を転写部搬送速度よりわずかに低くして、転写部と定着部との間で用紙に弛みを形成し、弛みの量、すなわち、弛み量を検出し、検出された弛み量に基づいて定着部搬送速度を制御し、弛み量を一定の範囲内に収めるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−233437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、転写部と定着部との間における用紙の弛み量が用紙の厚さによって異なるので、弛み量を精度良く制御することができない。
【0007】
例えば、用紙として薄紙を使用する場合、薄紙は弛みが形成されやすいので、弛み量が小さい状態で定着部搬送速度を制御すると、弛み量が変動したり、弛み量を検出する際にノイズが発生したりして、弛み量を誤検出してしまうことがある。
【0008】
また、用紙として厚紙を使用する場合、厚紙は弛みが形成されにくく、定着部搬送速度を制御するのが困難であるので、用紙が引っ張られて画像がずれてしまうことがある。
【0009】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、媒体の弛み量を精度良く制御することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、本発明の画像形成装置においては、現像剤像を形成し、媒体に転写するための画像形成部と、該画像形成部において媒体を搬送するための第1の駆動部と、前記媒体の搬送方向における前記画像形成部の下流側に配設され、搬送された媒体上の現像剤像を定着させる定着器と、該定着器において媒体を搬送するための第2の駆動部と、前記画像形成部と定着器との間において形成された媒体の弛みを検出する弛み検出要素を備えた弛み検出装置と、前記弛み検出要素が媒体の弛みを検出するときの前記弛み検出要素の検出位置を調整する調整部と、前記弛み検出要素によって検出された媒体の弛みに基づいて、前記第1、第2の駆動部のうちの一方の回転速度を変更する弛み量制御部とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像形成装置においては、現像剤像を形成し、媒体に転写するための画像形成部と、該画像形成部において媒体を搬送するための第1の駆動部と、前記媒体の搬送方向における前記画像形成部の下流側に配設され、搬送された媒体上の現像剤像を定着させる定着器と、該定着器において媒体を搬送するための第2の駆動部と、前記画像形成部と定着器との間において形成された媒体の弛みを検出する弛み検出要素を備えた弛み検出装置と、前記弛み検出要素が媒体の弛みを検出するときの前記弛み検出要素の検出位置を調整する調整部と、前記弛み検出要素によって検出された媒体の弛みに基づいて、前記第1、第2の駆動部のうちの一方の回転速度を変更する弛み量制御部とを有する。
【0012】
この場合、画像形成部と定着器との間において形成された媒体の弛みを検出する弛み検出要素の検出位置が調整されるので、媒体の厚さに応じて弛み検出要素を適正な位置に置くことができる。
【0013】
したがって、弛み量制御部によって弛み量を精度良く制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態における定着器の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの第1の制御ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの第2の制御ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における転写ユニット及び定着器の配設状態を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における定着器とイジェクトガイドとの関係を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における定着器のフロントカバーを示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるフロントカバーの分解斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第1の図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第2の図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第3の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の第1の斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の第2の斜視図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態におけるフロントカバーの要部拡大図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタの表面を示す斜視図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタの裏面を示す斜視図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における定着器の正面図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第1の図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第2の図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第3の図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーによって用紙の弛みを検出するときの動作を説明するための概念図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態における用紙の第1の状態を示す図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第1の状態を示す図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態における用紙の第2の状態を示す図である。
【図25】本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第2の状態を示す図である。
【図26】本発明の第1の実施の形態における用紙の第3の状態を示す図である。
【図27】本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第3の状態を示す図である。
【図28】本発明の第2の実施の形態における定着器とイジェクトガイドとの関係を示す図である。
【図29】本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの分解斜視図である。
【図30】本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの動作を説明するための第1の図である。
【図31】本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの要部の動作を説明するための第1の図である。
【図32】本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの動作を説明するための第2の図である。
【図33】本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの要部の動作を説明するための第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのカラーのプリンタについて説明する。
【0016】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【0017】
図に示されるように、プリンタ11の下部には、搬送路に沿って媒体としての用紙を画像形成部に供給するための給紙機構が配設され、該給紙機構は媒体収容部としての用紙カセット24を備える。用紙は用紙カセット24から給紙ローラ22によって1枚ずつ繰り出されてレジストローラ23a、23bに搬送されるが、このとき、該レジストローラ23a、23bは停止させられているので、用紙の搬送は停止させられる。そして、レジストローラ23a、23bが回転させられると、回転に伴って用紙が画像形成部に送られる。
【0018】
該画像形成部は、用紙の搬送方向における上流側から下流側にかけて直列に配設されたブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12C、該画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cに隣接させて配設された露光装置としてのLEDヘッド15Bk、15Y、15M、15C、及び画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cより下方に配設された転写ユニットu1を備える。
【0019】
前記画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cは、像担持体としての感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13C、該感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面を一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ14Bk、14Y、14M、14C、前記感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面に形成された潜像としての静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させ、可視像である各色の現像剤像としてのトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ16Bk、16Y、16M、16C、該現像ローラ16Bk、16Y、16M、16Cにトナーを供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18Bk、18Y、18M、18C、トナーを収容する現像剤収容部としてのトナーカートリッジ20Bk、20Y、20M、20C、前記感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置36Bk、36Y、36M、36C等を備え、該クリーニング装置36Bk、36Y、36M、36Cは、第1のクリーニング部材としての、かつ、第1の除去部材としての図示されないクリーニングブレードを備える。
【0020】
また、前記LEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cは、前記感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの上方に、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと対向させて配設され、一様に帯電させられた感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面を照射し、前記静電潜像を形成する。
【0021】
そして、前記転写ユニットu1は、第1のベルト走行用のローラとしての駆動ローラ33a、第2のベルト走行用のローラとしての従動ローラ33b、前記駆動ローラ33aと従動ローラ33bとによって走行自在に張設され、画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cに沿って用紙の搬送を行う搬送部材としての、かつ、第1の転写部材としての無端状の搬送ベルト(転写ベルト)21、該搬送ベルト21を介して感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと対向させて配設され、用紙をトナーと逆の極性に帯電させ、かつ、各色のトナー像を用紙に転写する第2の転写部材としての転写ローラ17Bk、17Y、17M、17C、前記搬送ベルト21の表面に付着したトナーを除去する第2のクリーニング部材としての、かつ、第2の除去部材としての図示されない搬送ベルトブレード、前記従動ローラ33bの下方に配設され、前記搬送ベルトブレードによって除去されたトナーを回収する廃棄現像剤収容部としての廃トナーボックス35、前記搬送ベルト21に静電荷を付与する図示されない吸着装置等を備える。
【0022】
前記搬送ベルト21は、図示されない転写ユニット駆動モータから駆動ローラ33aの端部に配設された図示されない駆動ギヤに回転が伝達され、駆動ローラ33aが回転させられることによって走行させられる。
【0023】
画像形成部に送られた用紙は、静電荷が付与された搬送ベルト21に静電気によって吸着され、搬送ベルト21の走行に伴って、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと転写ローラ17Bk、17Y、17M、17Cとの間を搬送され、その間に、各色のトナー像が転写ローラ17Bk、17Y、17M、17Cの静電気によって順次重ねて転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0024】
なお、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと転写ローラ17Bk、17Y、17M、17Cとの間にブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各転写部が、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと搬送ベルト21との間に搬送部が構成される。
【0025】
このようにして、カラーのトナー像が形成された用紙は、定着装置としての定着器28に送られる。該定着器28は、内部にハロゲンランプ28c等の発熱体を備えた第1の定着部材としての、かつ、第1のローラとしての加熱ローラ28a、及び第2の定着部材としての、かつ、第2のローラとしての加圧ローラ28bを備え、前記加熱ローラ28aと加圧ローラ28bとの間において、前記カラーのトナー像が加熱され、加圧されて用紙に定着させられ、カラー画像が形成される。そして、前記加熱ローラ28aと加圧ローラ28bとの間に定着部が構成される。
【0026】
なお、本実施の形態において、前記定着器28は加熱ローラ28a及び加圧ローラ28bを備えるようになっているが、加圧ローラ28bに代えて、第2の定着部材として定着ベルトを使用することができる。その場合、定着ベルト内に固定式の加圧部材が配設される。そして、加熱ローラ28aと定着ベルトとの間に定着部が構成される。
【0027】
カラー画像が形成された用紙は、排出ローラ38a、38bによってプリンタ11の本体、すなわち、装置本体から排出され、スタッカ39に積載される。
【0028】
前記定着器28を装置本体に装着する場合、定着器28は、装置本体に取り付けられた定着器保持部材としての、かつ、排出案内部としてのイジェクトガイド34によって保持され、該イジェクトガイド34に配設された図示されないコネクタと電気的に接続されるようになっている。そして、前記イジェクトガイド34の所定の箇所に、用紙の弛みが検出されたときに、弛み量を表すセンサ出力を発生させる検出信号発生部としての、かつ、光学センサとしてのフォトカプラセンサ37が配設される。そして、定着器28とイジェクトガイド34とは、所定の位置決め用の突起、該突起を嵌入するための孔等によって位置決めされる。
【0029】
この場合、イジェクトガイド34にフォトカプラセンサ37が配設されるので、定着器28とフォトカプラセンサ37との距離を長くすることができ、フォトカプラセンサ37がハロゲンランプ28cの熱の影響を受けることがない。したがって、検出信号発生部として安価なフォトカプラセンサ37を使用することができるので、プリンタ11のコストを低くすることができる。
【0030】
また、プリンタ11は、搬送路上に最小媒体間隔以下の距離を置いて配設され、用紙を搬送するための搬送ローラri(i=1、2、…)、該搬送ローラriを回転させるための駆動部としての図示されない搬送用モータ、搬送路を切り替えるためのフラップf1等を備える。
【0031】
次に、前記構成のプリンタ11の制御装置について説明する。
【0032】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの第1の制御ブロック図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの第2の制御ブロック図である。
【0033】
図において、61は、図示されないマイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等を備えた制御部としての印刷制御部であり、該印刷制御部61はカラーの画像を形成するためのプリンタ11の全体の制御を行う。また、62は、上位装置としての図示されないホストコンピュータから送信された印刷データ及び制御コマンドを受信し、プリンタ11の状態を表す情報を前記ホストコンピュータに送信するインタフェース制御部であり、該インタフェース制御部62は、前記制御コマンドを解析し、印刷データを色ごとに分けて受信メモリ63に一時的に記録する。受信メモリ63に一時的に記録された印刷データは、印刷制御部61によって編集され、LEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cに送るための各色の画像データとして画像データ編集メモリ64に記録される。
【0034】
また、65は操作部としての操作パネルであり、該操作パネル65は、プリンタ11の状態を表示する図示されない画面、及び操作者がプリンタ11への指示を入力するための図示されないスイッチを備える。
【0035】
そして、66は、用紙の搬送位置を検出する複数のセンサ、プリンタ11の置かれた環境を表す指標、本実施の形態においては、プリンタ11内の温度、すなわち、環境温度を検出する環境指標検出部としての、かつ、温度検出手段としての温度センサ、カラー画像の濃度を検出する濃度センサ等から成るセンサ部であり、該センサ部66の各センサのセンサ出力が印刷制御部61に送られる。
【0036】
該印刷制御部61には、帯電制御部67、露光制御部69、現像制御部71、転写制御部73、駆動制御部75、搬送制御部としての搬送ベルトモータ制御部79、定着制御部81、前記フォトカプラセンサ37等が接続される。
【0037】
前記帯電制御部67は、印刷制御部61からの指示を受け、各帯電ローラ14Bk、14Y、14M、14Cに帯電用の電圧を印加し、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面を帯電させる。前記帯電制御部67は、各帯電ローラ14Bk、14Y、14M、14Cに印加される電圧を制御するための帯電電圧制御部68Bk、68Y、68M、68Cを備える。
【0038】
また、前記露光制御部69は、印刷制御部61からの指示を受け、画像データ編集メモリ64に記録された各色の画像データを受け、該各色の画像データを各LEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cに送り、図示されないLEDアレイのLED素子を選択的に発光させ、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面に光を照射して露光させ、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13C上に静電潜像を形成する。前記露光制御部69は、各LEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cに画像データを所定のタイミングで送るためのヘッド制御部70Bk、70Y、70M、70Cを備える。
【0039】
そして、前記現像制御部71は、印刷制御部61からの指示を受け、各現像ローラ16Bk、16Y、16M、16Cに現像用の電圧を印加し、各感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13C上に形成された静電潜像に、トナーを付着させ、トナー像を形成する。前記現像制御部71は、各現像ローラ16Bk、16Y、16M、16Cに印加される電圧を制御するための現像電圧制御部72Bk、72Y、72M、72Cを備える。
【0040】
また、前記転写制御部73は、印刷制御部61からの指示を受け、各転写ローラ17Bk、17Y、17M、17Cに転写用の電圧を印加し、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13C上に形成されたトナー像を用紙に転写する。前記転写制御部73は、各トナー像を順次用紙に転写するための転写電圧制御部74Bk、74Y、74M、74Cを備える。
【0041】
そして、前記駆動制御部75は、印刷制御部61からの指示を受け、画像形成部において用紙を搬送するための、画像形成用の駆動部としての、かつ、第1の駆動部としての駆動モータ77Bk、77Y、77M、77Cを駆動し、各感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13C、帯電ローラ14Bk、14Y、14M、14C及び各現像ローラ16Bk、16Y、16M、16Cを回転させる。前記駆動制御部75は、駆動モータ77Bk、77Y、77M、77Cを駆動するための駆動モータ制御部76Bk、76Y、76M、76Cを備える。
【0042】
さらに、前記搬送ベルトモータ制御部79は、印刷制御部61からの指示を受け、画像形成部において用紙を搬送するための、搬送ベルト21の走行用の駆動部としての搬送ベルトモータ80を駆動し、駆動ローラ33aを回転させ、搬送ベルト21を走行させる。
【0043】
また、前記定着制御部81は、印刷制御部61からの指示を受け、定着器28内に配設された前記ハロゲンランプ28cに定着電圧を印加し、用紙に転写されたトナー像を定着させる。なお、前記定着制御部81においては、定着サーミスタ84による検出温度に基づいて、ヒータ制御部81aによって、前記ハロゲンランプ28cがオン・オフ制御されるとともに、定着器28が所定の設定温度になったときに、弛み量制御部としてのモータ制御部81bによって、定着器28において用紙を搬送するための第2の駆動部としての定着モータ82が駆動され、加熱ローラ28a及び加圧ローラ28bが回転させられる。
【0044】
次に、前記定着器28について説明する。
【0045】
図1は本発明の第1の実施の形態における定着器の分解斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態における転写ユニット及び定着器の配設状態を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における定着器とイジェクトガイドとの関係を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における定着器のフロントカバーを示す斜視図である。
【0046】
図において、u1は用紙を搬送する転写ユニット、28は定着器、34は該定着器28を保持するイジェクトガイドである。
【0047】
前記転写ユニットu1は、駆動ローラ33a、従動ローラ33b及び搬送ベルト21を備える。
【0048】
また、前記定着器28は、本体部101及び該本体部101の前方を覆うフロントカバー41から成る筐体Cs1を備える。前記本体部101内には加熱ローラ28a及び加圧ローラ28bが回転自在に配設され、本体部101の下方に、コネクタ102、103が突出させて配設される。
【0049】
そして、前記フロントカバー41の前面パネル部111には、カラーのトナー像が形成され、搬送ベルト21によって搬送された用紙を筐体Cs1内に取り込むための導入口104が形成され、該導入口104の下縁には、筐体Cs1内に向けて斜めに立ち上げて、かつ、加熱ローラ28aと加圧ローラ28bとの間の定着部に向けて、ガイド106が形成される。また、前記本体部101における前記導入口104と対応する箇所には、カラー画像が定着させられた用紙を排出するための図示されない排出口が形成される。
【0050】
そして、ガイド106の下縁eg1の幅方向における中央に、前記前面パネル部111から導入口104にかけて貫通孔h1が形成され、該貫通孔h1を貫通させて、かつ、頂部をわずかに突出させて、用紙の弛みを検出する弛み検出要素としての弛み検出レバー42が配設される。また、前記前面パネル部111における前記貫通孔h1の近傍に、前記弛み検出レバー42が用紙の弛みを検出するときの弛み検出レバー42の位置、すなわち、検出位置を調整するために、調整部としてのアジャスタ44が揺動自在に配設される。前記弛み検出レバー42は、用紙と接触し、用紙の弛み量に応じて変位し、変位に伴ってフォトカプラセンサ37のセンサ出力を発生させる。したがって、フォトカプラセンサ37によって、用紙の弛み量を検出することができる。
【0051】
また、前記イジェクトガイド34は、水平に延びる保持部121、該保持部121の一端から垂直に立ち上げて形成された立上げ部122、及び該立上げ部122の上端から水平に延びる案内部123を備え、前記保持部121及び立上げ部122によって定着器28が保持される。前記保持部121には、前記定着器28が保持部121上に載置されたときに、前記コネクタ102、103と接続されるコネクタ126、127が配設され、保持部121の幅方向における中央に前記フォトカプラセンサ37が配設される。そして、前記案内部123は、前記本体部101に形成された排出口に沿って形成され、排出口から排出された用紙を、水平方向に搬送されるように案内する。そのために、前記案内部123には、所定の間隔を置いて立ち上げて形成された複数の案内リブ129が形成される。なお、前記フォトカプラセンサ37は、発光ダイオードから成る発光部37a及び受光トランジスタから成る受光部37bを備え、発光部37a及び受光部37bは互いに所定の距離を置いて配設される。そして、発光部37aで発生させられた光を受光部37bが受けると、フォトカプラセンサ37はオンになり、発光部37aで発生させられた光を受光部37bが受けなくなると、フォトカプラセンサ37はオフになる。
【0052】
次に、前記弛み検出レバー42をフロントカバー41に取り付けるための弛み検出ユニットとしての弛み検出装置について説明する。
【0053】
図8は本発明の第1の実施の形態におけるフロントカバーの分解斜視図、図9は本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第1の図、図10は本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第2の図、図11は本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第3の図、図12は本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の第1の斜視図、図13は本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の第2の斜視図、図14は本発明の第1の実施の形態におけるフロントカバーの要部拡大図、図15は本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタの表面を示す斜視図、図16は本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタの裏面を示す斜視図、図17は本発明の第1の実施の形態における定着器の正面図、図18は本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第1の図、図19は本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第2の図、図20は本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第3の図である。
【0054】
図において、41はフロントカバー、131は該フロントカバー41に対して、上下方向(矢印A、B方向)に移動自在に取り付けられた弛み検出装置である。
【0055】
前記フロントカバー41は、前記前面パネル部111の下端から後方(本体部101(図1)側)に向けて延びる底面パネル部133を備え、該底面パネル部133を貫通させて、弛み検出装置131を取り付けるための取付穴h2が形成される。また、前記底面パネル部133における取付穴h2から垂直に立ち上げて、かつ、前記前面パネル部111から突出させて、ユニットガイドとしての一対のリブ41aが形成される。該リブ41aは、弛み検出装置131を案内する案内部137、及び該案内部137に対して直角の方向に形成され、弛み検出装置131を係止する係止部138を備える。
【0056】
そして、前記前面パネル部111における各リブ41aの間に、前面パネル部111を貫通させて、かつ、水平方向に延在させて溝穴h3が形成され、前記弛み検出装置131における前記溝穴h3に対応する箇所に、前方(前面パネル部111側)に向けて突出させて、かつ、水平方向に延在させて、後述される検出要素保持部材としての弛み検出レバーホルダ43の係止片43bが形成される。前記溝穴h3及び係止片43bは、溝穴h3内において係止片43bが所定の距離だけ上下方向に移動することができるように寸法が設定される。
【0057】
そして、前記溝穴h3内において係止片43bが所定の距離だけ上下方向に移動させられると、各リブ41aに沿って弛み検出装置131が上下方向に前記所定の距離だけ移動させられ、弛み検出レバー42が上下方向に移動させられる。
【0058】
前記弛み検出装置131は、前記弛み検出レバー42、該弛み検出レバー42を揺動自在に保持する弛み検出レバーホルダ43、該弛み検出レバーホルダ43を下方(矢印C方向)に向けて付勢する第1の付勢部材としてのホルダスプリング45、前記弛み検出レバー42を付勢する第2の付勢部材としてのレバースプリング47、前記弛み検出レバー42を弛み検出レバーホルダ43に対して支持し、弛み検出レバー42の揺動支点を形成する支持体としてのレバーポスト48等を備える。なお、該レバーポスト48は弛み検出レバーホルダ43に形成された穴h4に対して圧入される。
【0059】
前記弛み検出レバー42は、前記レバーポスト48を貫通させ、弛み検出レバー42の揺動中心となる図示されない回転支持穴、該回転支持穴から径方向に延びる第1のアームm1、該第1のアームm1に対して所定の角度、本実施の形態においては、90〔°〕の角度で径方向に延びる第2のアームm2等を備え、前記第1のアームm1の先端に、用紙の弛みを検出するための検出片141が、前記第2のアームm2の先端(本実施の形態においては、下端)に、前記フォトカプラセンサ37における発光部37aと受光部37bとを遮蔽するための遮蔽部42aが形成される。
【0060】
なお、通常、弛み検出レバー42は、レバースプリング47によって矢印D方向に向けて付勢されて、遮蔽部42aが発光部37aと受光部37bとを遮蔽する位置、すなわち、遮蔽位置に置かれる。そして、前記弛みが形成された用紙によって検出片141が下方に押し下げられると、弛み検出レバー42は、矢印D方向と逆の方向に回動させられ、遮蔽部42aが発光部37aと受光部37bとを遮蔽しない位置、すなわち、非遮蔽位置に置かれる。
【0061】
なお、前記レバースプリング47は、トーションスプリングから成り、コイル部分にレバーポスト48を貫通させて、一端を弛み検出レバー42の所定の部分に、他端を弛み検出レバーホルダ43の所定の部分に係止させて配設される。
【0062】
前記検出片141は、三角形の形状を有し、前記第1のアームm1の本体部に対して直角の方向に、すなわち、用紙の搬送方向に延在させられ、弛み検出装置131をフロントカバー41に取り付けたときに、先端部(三角形の頂点部)pkが貫通孔h1から上方に突出させられる。
【0063】
また、前記ホルダスプリング45は、前記底面パネル部133と弛み検出レバーホルダ43との間に、一端を前面パネル部111から突出させて形成された係止突起41cと係止させて、他端を弛み検出レバーホルダ43の肩部145に突出させて形成された係止突起43cと係止させて配設され、かつ、位置決めされる。
【0064】
そして、前記溝穴h3の直下に、前記前面パネル部111から転写ユニットu1(図5)側に向けて突出させて支持ポスト41dが形成され、ねじ46を支持ポスト41dに螺合させることによって、アジャスタ44を、支持ポスト41dを揺動中心にして揺動自在に取り付けることができる。なお、アジャスタ44を円滑に回動させることができるように、支持ポスト41dはアジャスタ44の厚さよりわずかに長くされる。
【0065】
アジャスタ44は、扇形の形状を有する本体部151、該本体部151の裏面に、所定の厚さだけ突出させて形成された環状体から成るカム44b、及び該カム44bより更に所定の厚さだけ突出させて形成された回転支点部44cを備え、前記本体部151、カム44b及び回転支点部44cを貫通させて貫通孔h5が形成され、該貫通孔h5に前面パネル部111から突出させて形成された支持ポスト41dが嵌入させられる。なお、カム44b及び回転支点部44cはいずれも円形の形状を有し、カム44bの中心は回転支点部44cの中心に対して偏心させられる。
【0066】
前記本体部151の表面S1における弧状の縁部の近傍には、弛み検出レバー42の位置を表す目盛り44aが形成され、該目盛り44aと貫通孔h5との間に、摘まみ44dが表面S1から突出させて形成される。なお、前面パネル部111には、前記目盛り44aと隣接させて、アジャスタ44の回動に伴って目盛り44aの第1〜第3の部位x1〜x3を指すポインタ152が形成される。
【0067】
ところで、前記カム44b及び係止片43bは、アジャスタ44の回動運動を、弛み検出レバー42の直線運動に変換する運動方向変換部として、かつ、カム機構として機能し、係止片43bはカムフォロワとしても機能する。また、前記カム44bによってカム機構の主動部が、係止片43bによってカム機構の従動部が構成される。
【0068】
そのために、係止片43bは、溝穴h3を貫通して前記前面パネル部111より所定の量だけ突出させられ、前記前面パネル部111より突出した部分の下面と、前記カム44bの外周面に形成されたカム面S2とが常に当接させられ、アジャスタ44の回動に伴ってカム44bが回動させられると、前記前面パネル部111より突出した部分の下面とカム面S2とが摺動させられる。
【0069】
そして、前記カム面S2は、アジャスタ44の揺動中心に対して偏心させられ、アジャスタ44を水平に置いたときのカム面S2の最も高い点をqmとし、該点qmより目盛り44a側に所定の角度、本実施の形態においては、30〔°〕離れた点をquとし、前記点qmの点quと反対側に所定の角度、本実施の形態においては、30〔°〕離れた点をqdとすると、貫通孔h5の中心、すなわち、アジャスタ44の揺動中心からカム面S2までの距離は、点qdにおいて最も短く、点quにおいて最も長くされる。
【0070】
したがって、アジャスタ44を回動させることによって、カム44bを回動させると、係止片43bが溝穴h3内において前記所定の距離だけ上下方向に移動させられ、弛み検出レバー42を上下方向に移動させる。
【0071】
すなわち、操作者が摘まみ44dを操作し、図18に示されるように、ポインタ152が目盛り44aの第1の部位x1を指すようにアジャスタ44を矢印F方向に回動させると、カム面S2の点quが係止片43bと当接させられる。その結果、係止片43bは溝穴h3内における最も高い位置に置かれ、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43は上方(矢印A方向)に移動させられる。
【0072】
また、操作者が摘まみ44dを操作し、図19に示されるように、ポインタ152が目盛り44aの第2の部位x2を指すようにアジャスタ44を矢印G方向に回動させると、カム面S2の点qmが係止片43bと当接させられる。その結果、係止片43bは溝穴h3内における中央位置に置かれ、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43は下方(矢印B方向)に移動させられる。
【0073】
そして、操作者が摘まみ44dを操作し、図20に示されるように、ポインタ152が目盛り44aの第3の部位x3を指すようにアジャスタ44を矢印G方向に更に回動させると、カム面S2の点qdが係止片43bと当接させられる。その結果、係止片43bは溝穴h3内における最も低い位置に置かれ、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43は更に下方(矢印B方向)に移動させられる。
【0074】
したがって、アジャスタ44を回動させることによって、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43を上下方向に移動させ、異なる位置で用紙の弛みを検出することができる。
【0075】
なお、本実施の形態においては、ポインタ152が目盛り44aの第1〜第3の部位x1〜x3を指すようにアジャスタ44を回動させて、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43を所定の位置に置くようになっているが、カム面S2は連続する円の外周面によって形成されているので、ポインタ152が目盛り44aの第1〜第3の部位x1〜x3の間のいずれの部位を指すようにアジャスタ44を回動させても、係止片43bは溝穴h3内における所定の位置に置くことができる。したがって、用紙の厚さに応じて弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43を適正な位置に置くことができる。
【0076】
次に、弛み検出レバー42によって用紙の弛みを検出するときの動作について説明する。
【0077】
図21は本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーによって用紙の弛みを検出するときの動作を説明するための概念図、図22は本発明の第1の実施の形態における用紙の第1の状態を示す図、図23は本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第1の状態を示す図、図24は本発明の第1の実施の形態における用紙の第2の状態を示す図、図25は本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第2の状態を示す図、図26は本発明の第1の実施の形態における用紙の第3の状態を示す図、図27は本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第3の状態を示す図である。
【0078】
図において、12Cは画像形成ユニット、13Cは感光体ドラム、21は搬送ベルト、28は定着器、28aは加熱ローラ、28bは加圧ローラ、37はフォトカプラセンサ、41はフロントカバー、42は弛み検出レバー、48はレバーポスト、104は導入口、106はガイド、111は前面パネル部、141は検出片、pkは該検出片141の先端部、Pは用紙である。前記感光体ドラム13Cと搬送ベルト21との間にシアンの転写部E1が、加熱ローラ28aと加圧ローラ28bとの間に定着部E2が形成される。
【0079】
図22に示されるように、用紙Pに弛みがない状態、すなわち、用紙Pが直線状に張っている場合、検出片141の先端部pkは最も高い位置に置かれ、図23に示されるように、弛み検出レバー42の遮蔽部42aは、遮蔽位置に置かれ、フォトカプラセンサ37の発光部37aと受光部37bとを遮蔽する。したがって、フォトカプラセンサ37はオフになる。
【0080】
そして、図24に示されるように、用紙Pに弛みが発生し、用紙Pが湾曲すると、検出片141の先端部pkが下方に押され、図25に示されるように、弛み検出レバー42が矢印H方向に回動させられ、フォトカプラセンサ37は、発光部37aと受光部37bとが遮蔽された状態から遮蔽されない状態に切り替わり、オンになる。
【0081】
さらに、図26に示されるように、用紙Pの弛み量が大きくなり、用紙Pが大きく湾曲すると、検出片141の先端部pkが更に下方に押され、図27に示されるように、弛み検出レバー42が矢印H方向に更に回動させられる。このとき、遮蔽部42aは、非遮蔽位置に置かれ、フォトカプラセンサ37の発光部37aと受光部37bとを遮蔽しないので、フォトカプラセンサ37はオンのままになる。
【0082】
ところで、本実施の形態においては、前記転写部E1における用紙Pの第1の搬送速度である転写部搬送速度をV1とし、定着部E2における用紙Pの第2の搬送速度である定着部搬送速度をV2としたとき、定着部搬送速度V2を転写部搬送速度V1よりわずかに低くして、転写部E1と定着部E2との間で用紙Pに弛みを形成するようになっている。
【0083】
この場合、転写部搬送速度V1と定着部搬送速度V2との間に速度差ΔVが形成されるので、用紙Pが定着部E2に到達してからの時間をTとすると、転写部E1における用紙Pの搬送量Q1と定着部E2における用紙Pの搬送量Q2との差ΔQ
ΔQ=ΔV・T
が発生し、用紙Pに弛みが形成される。
【0084】
そこで、図26に示されるように、用紙Pの弛み量が大きくなり、図27に示されるように、遮蔽部42aが非遮蔽位置に置かれ、フォトカプラセンサ37がオンになると、定着制御部81(図4)の前記モータ制御部81bは、モータ制御処理を行い、定着モータ82の回転速度を変更し、定着部搬送速度V2を高くすることによって用紙Pの弛み量を制御する。なお、用紙Pの弛みは、前記フォトカプラセンサ37がオンになり、定着部搬送速度V2が高くされる間も大きくなる。
【0085】
この場合、モータ制御部81bは、所定のタイミングごとに、フォトカプラセンサ37からのセンサ出力を読み込み、フォトカプラセンサ37がオフになるまで、定着部搬送速度V2を段階的に高くし、転写部搬送速度V1より高くする。
【0086】
これに伴って、用紙Pの弛み量が小さくなると、弛み検出レバー42はレバースプリング47(図11)の付勢力によって矢印D方向(図12)に回動させられ、遮蔽部42aが遮蔽位置に置かれると、フォトカプラセンサ37はオフになる。
【0087】
続いて、モータ制御部81bは、所定のタイミングごとに、フォトカプラセンサ37からのセンサ出力を読み込み、フォトカプラセンサ37がオンになるまで、定着部搬送速度V2を段階的に低くし、転写部搬送速度V1より低くする。
【0088】
このように、モータ制御部81bは、用紙Pの印刷が終了するまで定着部搬送速度V2を制御し、用紙Pの弛み量を制御する。
【0089】
したがって、本実施の形態においては、用紙Pの弛み量を一定の範囲内に収めることができるので、弛み量が大きすぎて、用紙P上のトナー像が近接する部材と擦れたり、弛み量が小さすぎて、用紙Pが引っ張られて画像がずれたりすることがない。その結果、画像品位を向上させることができる。
【0090】
なお、本実施の形態においては、弛み量を制御するために、定着部搬送速度V2を制御するようになっているが、転写部搬送速度V1を制御することができる。その場合、弛み量が大きくなり、フォトカプラセンサ37が用紙Pの弛みを検出し、オンになると、弛み量制御部としての、駆動制御部75の駆動モータ制御部76Bk、76Y、76M、76C又は搬送ベルトモータ制御部79は、駆動モータ77Bk、77Y、77M、77C又は搬送ベルトモータ80の回転速度を変更し、転写部搬送速度V1を低くする。
【0091】
ところで、用紙Pとして、こしが弱く、弛みが形成されやすい薄紙を使用する場合と、こしが強く、弛みが形成されにくい厚紙を使用する場合とで、同じ弛み量に基づいて定着部搬送速度V2を制御しようとすると、弛み量を精度良く制御することができない。
【0092】
すなわち、薄紙を使用する場合は、用紙Pに弛みが形成されやすいので、弛み量が小さい状態で定着部搬送速度V2を制御すると、弛み量が変動したり、フォトカプラセンサ37のセンサ出力にノイズが発生したりして、弛みを誤検出してしまうことがある。したがって、薄紙を使用する場合は、弛み量が十分に大きくなったときに、フォトカプラセンサ37がオンになるように定着部搬送速度V2を制御するのが望ましい。
【0093】
また、厚紙を使用する場合は、用紙Pに弛みが形成されにくく、定着部搬送速度V2を制御するのが困難であるので、用紙Pが引っ張られて画像がずれてしまうことがある。したがって、厚紙を使用する場合は、弛み量が小さくても、フォトカプラセンサ37がオンになるように定着部搬送速度V2を制御するのが望ましい。
【0094】
そこで、本実施の形態においては、薄紙を使用する場合、操作者が摘まみ44dを操作し、図20に示されるように、ポインタ152が目盛り44aの第3の部位x3を指すようにアジャスタ44を矢印G方向に回動させると、カム面S2の点qdが係止片43bと当接させられる。そして、係止片43bは溝穴h3内における最も低い位置に置かれ、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43は下方(矢印B方向)に移動させられる。したがって、弛み量が十分に大きくなったときに、フォトカプラセンサ37をオンにすることができる。
【0095】
また、厚紙を使用する場合、操作者が摘まみ44dを操作し、図18に示されるように、ポインタ152が目盛り44aの第1の部位x1を指すようにアジャスタ44を矢印F方向に回動させると、カム面S2の点quが係止片43bと当接させられる。そして、係止片43bは溝穴h3内における最も高い位置に置かれ、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43は上方(矢印A方向)に移動させられる。したがって、弛み量が小さくてもフォトカプラセンサ37をオンにすることができる。
【0096】
このように、本実施の形態においては、弛み検出レバー42の検出位置が調整されるので、用紙Pの厚さに応じて弛み検出レバー42を上下方向に移動させて適正な位置に置くことができる。したがって、弛みが誤検出されたり、用紙Pが引っ張られて画像がずれたりすることがないので、画像品位を向上させることができる。
【0097】
なお、本実施の形態においては、一対のリブ41a(図9)が底面パネル部133に対して垂直に形成されるので、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43を垂直方向に移動させることができる。また、レバーポスト48の直下にフォトカプラセンサ37が配設されるように、リブ41aが形成される位置が設定され、前記フォトカプラセンサ37において発光部37aと受光部37bとの中間を通って前記弛み検出装置131の方向に延びる線と、前記弛み検出装置131の移動方向とが平行にされる。
【0098】
したがって、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43を上下方向に移動させたときに、遮蔽部42aが遮蔽位置に置かれるときの弛み検出レバー42の傾きは変化しない。その結果、弛み検出レバー42の傾きに対応させてフォトカプラセンサ37を確実にオン・オフさせることができる。
【0099】
ところで、本実施の形態においては、前記定着器28を装置本体に装着する場合、定着器28とイジェクトガイド34(図2)とが、所定の位置決め用の突起、該突起を嵌入するための孔等によって位置決めされるようになっているが、このとき、弛み検出レバー42をフォトカプラセンサ37に対して精度良く配設することができないと、用紙の弛みを精度良く検出することができない。
【0100】
そこで、弛み検出レバー42をフォトカプラセンサ37に対して精度良く配設することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0101】
図28は本発明の第2の実施の形態における定着器とイジェクトガイドとの関係を示す図、図29は本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの分解斜視図、図30は本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの動作を説明するための第1の図、図31は本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの要部の動作を説明するための第1の図、図32は本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの動作を説明するための第2の図、図33は本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの要部の動作を説明するための第2の図である。
【0102】
図において、34は定着器保持部材としての、かつ、排出案内部としてのイジェクトガイド、51は、定着装置としての定着器28に配設された弛み検出装置、161は前記イジェクトガイド34に着脱自在に配設された信号発生ユニットとしての信号発生装置であり、弛み検出装置51と信号発生装置161とは互いに係脱自在に連結される。すなわち、定着器28をイジェクトガイド34に取り付けることによって、弛み検出装置51と信号発生装置161とを連結することができ、定着器28をイジェクトガイド34から取り外すことによって、弛み検出装置51と信号発生装置161とを分離させることができる。なお、弛み検出装置51及び信号発生装置161によって弛み検出ユニット50が構成される。
【0103】
前記弛み検出装置51は、第1の実施の形態と同様に、フロントカバー41に対して、かつ、ユニットガイドとしてのリブ41aに沿って上下方向に移動自在に取り付けられ、弛み検出要素としての弛み検出レバー42、該弛み検出レバー42を揺動自在に保持する検出要素保持部材としての弛み検出レバーホルダ43、該弛み検出レバーホルダ43を下方に向けて付勢する第1の付勢部材としてのホルダスプリング45、前記弛み検出レバー42を付勢する第2の付勢部材としてのレバースプリング47、前記弛み検出レバー42を弛み検出レバーホルダ43に対して支持し、弛み検出レバー42の揺動支点を形成する支持体としてのレバーポスト48等を備える。
【0104】
前記弛み検出レバー42は、前記レバーポスト48を貫通させ、弛み検出レバー42の揺動中心となる図示されない回転支持穴、該回転支持穴から径方向に延びる第1、第2のアームm1、m2等を備え、前記第1のアームm1の先端に、媒体としての用紙Pの弛みを検出するための検出片141が、前記第2のアームm2の先端(本実施の形態においては、下端)に、検出信号発生部としての、かつ、光学センサとしてのフォトカプラセンサ37における発光部37aと受光部37bとを遮蔽するための遮蔽部42aが形成される。
【0105】
前記検出片141は、三角形の形状を有し、前記第1のアームm1の本体部に対して直角の方向に、すなわち、用紙の搬送方向に延在させられ、弛み検出装置51をフロントカバー41に取り付けたときに、先端部pkが貫通孔h1から上方に突出させられる。
【0106】
なお、44は、弛み検出レバー42の検出位置を調整するための調整部としてのアジャスタである。
【0107】
一方、前記信号発生装置161は、検出信号発生部支持体としてのセンサホルダベース163、該センサホルダベース163に対して付勢部材としてのセンサホルダスプリング164を介して取り付けられた検出信号発生部保持部材としてのセンサホルダ162、該センサホルダ162に取り付けられ、用紙Pの弛みを検出する前記フォトカプラセンサ37等を備え、該フォトカプラセンサ37は、センサホルダ162によって保持された状態でセンサホルダベース163によって支持される。
【0108】
なお、前記センサホルダベース163の外周縁の所定の箇所に、センサホルダベース163をイジェクトガイド34に対して着脱自在に取り付けるための係止部201が形成される。
【0109】
ところで、前述されたように、前記定着器28を装置本体に装着する場合に、弛み検出レバー42をフォトカプラセンサ37に対して精度良く配設することができないと、用紙Pの弛みを精度良く検出することができない。
【0110】
そこで、本実施の形態においては、前記定着器28を装置本体に装着する前の状態で、図32及び33に示されるように、センサホルダ162が、センサホルダスプリング164の付勢力によって、センサホルダベース163に対して本来配置される位置より上方(弛み検出装置51側)に浮き上がらせて配設されるようになっている。
【0111】
そのために、センサホルダ162は、フォトカプラセンサ37を取り付けるための溝部203、及び該溝部203の両側に水平方向に延在させて形成されたフランジ部204、205を備え、該フランジ部204、205にガイド穴162c、162dが形成され、センサホルダベース163の所定の箇所に、ガイドピン163a、163bが取り付けられ、該ガイドピン163a、163bがガイド穴162c、162d内に嵌入される。この場合、ガイドピン163a、163bとガイド穴162c、162dとの間に所定の隙間が形成されるように、ガイド穴162c、162dの内径はガイドピン163a、163bの本体部の外径より小さくされる。したがって、センサホルダ162をセンサホルダベース163に対して平面方向において所定の距離だけ移動させることができる。なお、前記ガイドピン163a、163bは本体部の上端にヘッド部hdを備え、該ヘッド部hdの外径はガイド穴162c、162dの内径より大きくされる。したがって、信号発生装置161とセンサホルダ162とを係脱させる際に、センサホルダ162がセンサホルダベース163から外れることはない。
【0112】
そして、弛み検出装置51を信号発生装置161に取り付けるために、弛み検出レバーホルダ43に、下方に向けて突出させて第1の位置決め要素としての位置決め突起53a、53bが形成され、センサホルダ162に、第2の位置決め要素としての位置決め孔162a、162bが形成される。
【0113】
また、前記位置決め突起53a、53bのうちの少なくとも一方、本実施の形態においては、位置決め突起53bから後方(用紙Pの搬送方向における下流側)に向けて、第3の位置決め要素としての位置決めリブ53cが突出させて形成され、センサホルダ162における所定の箇所、本実施の形態においては、位置決め孔162bが形成されるブロックの上面に、第4の位置決め要素としての押下面162eが形成される。
【0114】
したがって、定着器28を装置本体に装着するに当たり、位置決め突起53a、53bを位置決め孔162a、162bに嵌入することによって、弛み検出装置51と信号発生装置161との平面方向(横方向及び縦方向)の位置決めを行うことができる。また、このとき、位置決めリブ53cによって押下面62eが押下されるので、弛み検出装置51と信号発生装置161との高さ方向の位置決めを行うことができる。
【0115】
その結果、弛み検出レバー42をフォトカプラセンサ37に対して精度良く配設することができるので、用紙Pの弛みを精度良く検出することができる。
【0116】
また、弛み検出装置51と信号発生装置161とを連結することによって、弛み検出装置51と信号発生装置161との平面方向及び高さ方向の位置決めを行うことができるので、定着器28とイジェクトガイド34との位置決め精度、立上げ部122を形成する位置及び傾きの精度等が低くても、弛み検出レバー42をフォトカプラセンサ37に対して精度良く配設することができる。さらに、弛み検出ユニット50を構成する各部品の形状を自由に設計することができ、弛み検出ユニット50を小型化することができる。
【0117】
前記各実施の形態においては、画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12C(図2)を用紙Pの搬送方向に並べたタンデム式のカラーのプリンタについて説明しているが、本発明を、タンデム式以外のカラーのプリンタ、単色のプリンタ等に適用することができる。また、本発明を、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0118】
また、前記各実施の形態においては、弛み検出要素として弛み検出レバー42が使用されるようになっているが、弛み検出レバー42に代えて、弛み検出要素として、弛み検出ローラを使用したり、用紙Pとの間の距離を測定することによって用紙の弛みを検出する非接触の弛み検出センサを使用したりすることができる。
【0119】
さらに、前記各実施の形態においては、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43が定着器28内に配設されるようになっているが、転写ユニットu1と定着器28との間に配設することができる。
【0120】
また、前記各実施の形態においては、アジャスタ44が手動で回動させられるようになっているが、自動で回動することができる。
【0121】
そして、媒体として用紙Pが使用されるようになっているが、用紙Pに代えて、フィルム材、布材等を使用することができる。
【0122】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0123】
11 プリンタ
28 定着器
42 弛み検出レバー
50、131 弛み検出装置
77Bk、77Y、77M、77C 駆動モータ
81b モータ制御部
82 定着モータ
P 用紙
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面をLEDヘッドによって露光して静電潜像を形成し、該静電潜像を現像器によって現像してトナー像を形成し、該トナー像を、転写ローラによって媒体としての用紙に転写し、定着器において、加熱ローラ及び加圧ローラによって用紙に定着させることによって、画像を形成するようになっている。
【0003】
ところで、前記プリンタにおいては、感光体ドラム上のトナー像が用紙に転写される、感光体ドラムと転写ローラとの間の部分(以下「転写部」という。)における用紙の搬送速度、すなわち、転写部搬送速度と、用紙の搬送方向における転写部より下流側において、トナー像が用紙に定着させられる、加熱ローラと加圧ローラとの間の部分(以下「定着部」という。)における用紙の搬送速度、すなわち、定着部搬送速度とを完全に等しくすることができない。
【0004】
そこで、定着部搬送速度を転写部搬送速度よりわずかに低くして、転写部と定着部との間で用紙に弛みを形成し、弛みの量、すなわち、弛み量を検出し、検出された弛み量に基づいて定着部搬送速度を制御し、弛み量を一定の範囲内に収めるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−233437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、転写部と定着部との間における用紙の弛み量が用紙の厚さによって異なるので、弛み量を精度良く制御することができない。
【0007】
例えば、用紙として薄紙を使用する場合、薄紙は弛みが形成されやすいので、弛み量が小さい状態で定着部搬送速度を制御すると、弛み量が変動したり、弛み量を検出する際にノイズが発生したりして、弛み量を誤検出してしまうことがある。
【0008】
また、用紙として厚紙を使用する場合、厚紙は弛みが形成されにくく、定着部搬送速度を制御するのが困難であるので、用紙が引っ張られて画像がずれてしまうことがある。
【0009】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、媒体の弛み量を精度良く制御することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、本発明の画像形成装置においては、現像剤像を形成し、媒体に転写するための画像形成部と、該画像形成部において媒体を搬送するための第1の駆動部と、前記媒体の搬送方向における前記画像形成部の下流側に配設され、搬送された媒体上の現像剤像を定着させる定着器と、該定着器において媒体を搬送するための第2の駆動部と、前記画像形成部と定着器との間において形成された媒体の弛みを検出する弛み検出要素を備えた弛み検出装置と、前記弛み検出要素が媒体の弛みを検出するときの前記弛み検出要素の検出位置を調整する調整部と、前記弛み検出要素によって検出された媒体の弛みに基づいて、前記第1、第2の駆動部のうちの一方の回転速度を変更する弛み量制御部とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像形成装置においては、現像剤像を形成し、媒体に転写するための画像形成部と、該画像形成部において媒体を搬送するための第1の駆動部と、前記媒体の搬送方向における前記画像形成部の下流側に配設され、搬送された媒体上の現像剤像を定着させる定着器と、該定着器において媒体を搬送するための第2の駆動部と、前記画像形成部と定着器との間において形成された媒体の弛みを検出する弛み検出要素を備えた弛み検出装置と、前記弛み検出要素が媒体の弛みを検出するときの前記弛み検出要素の検出位置を調整する調整部と、前記弛み検出要素によって検出された媒体の弛みに基づいて、前記第1、第2の駆動部のうちの一方の回転速度を変更する弛み量制御部とを有する。
【0012】
この場合、画像形成部と定着器との間において形成された媒体の弛みを検出する弛み検出要素の検出位置が調整されるので、媒体の厚さに応じて弛み検出要素を適正な位置に置くことができる。
【0013】
したがって、弛み量制御部によって弛み量を精度良く制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態における定着器の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの第1の制御ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの第2の制御ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における転写ユニット及び定着器の配設状態を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における定着器とイジェクトガイドとの関係を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における定着器のフロントカバーを示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるフロントカバーの分解斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第1の図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第2の図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第3の図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の第1の斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の第2の斜視図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態におけるフロントカバーの要部拡大図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタの表面を示す斜視図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタの裏面を示す斜視図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における定着器の正面図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第1の図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第2の図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第3の図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーによって用紙の弛みを検出するときの動作を説明するための概念図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態における用紙の第1の状態を示す図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第1の状態を示す図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態における用紙の第2の状態を示す図である。
【図25】本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第2の状態を示す図である。
【図26】本発明の第1の実施の形態における用紙の第3の状態を示す図である。
【図27】本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第3の状態を示す図である。
【図28】本発明の第2の実施の形態における定着器とイジェクトガイドとの関係を示す図である。
【図29】本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの分解斜視図である。
【図30】本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの動作を説明するための第1の図である。
【図31】本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの要部の動作を説明するための第1の図である。
【図32】本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの動作を説明するための第2の図である。
【図33】本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの要部の動作を説明するための第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのカラーのプリンタについて説明する。
【0016】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
【0017】
図に示されるように、プリンタ11の下部には、搬送路に沿って媒体としての用紙を画像形成部に供給するための給紙機構が配設され、該給紙機構は媒体収容部としての用紙カセット24を備える。用紙は用紙カセット24から給紙ローラ22によって1枚ずつ繰り出されてレジストローラ23a、23bに搬送されるが、このとき、該レジストローラ23a、23bは停止させられているので、用紙の搬送は停止させられる。そして、レジストローラ23a、23bが回転させられると、回転に伴って用紙が画像形成部に送られる。
【0018】
該画像形成部は、用紙の搬送方向における上流側から下流側にかけて直列に配設されたブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12C、該画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cに隣接させて配設された露光装置としてのLEDヘッド15Bk、15Y、15M、15C、及び画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cより下方に配設された転写ユニットu1を備える。
【0019】
前記画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cは、像担持体としての感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13C、該感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面を一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ14Bk、14Y、14M、14C、前記感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面に形成された潜像としての静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させ、可視像である各色の現像剤像としてのトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ16Bk、16Y、16M、16C、該現像ローラ16Bk、16Y、16M、16Cにトナーを供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ18Bk、18Y、18M、18C、トナーを収容する現像剤収容部としてのトナーカートリッジ20Bk、20Y、20M、20C、前記感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置36Bk、36Y、36M、36C等を備え、該クリーニング装置36Bk、36Y、36M、36Cは、第1のクリーニング部材としての、かつ、第1の除去部材としての図示されないクリーニングブレードを備える。
【0020】
また、前記LEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cは、前記感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの上方に、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと対向させて配設され、一様に帯電させられた感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面を照射し、前記静電潜像を形成する。
【0021】
そして、前記転写ユニットu1は、第1のベルト走行用のローラとしての駆動ローラ33a、第2のベルト走行用のローラとしての従動ローラ33b、前記駆動ローラ33aと従動ローラ33bとによって走行自在に張設され、画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12Cに沿って用紙の搬送を行う搬送部材としての、かつ、第1の転写部材としての無端状の搬送ベルト(転写ベルト)21、該搬送ベルト21を介して感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと対向させて配設され、用紙をトナーと逆の極性に帯電させ、かつ、各色のトナー像を用紙に転写する第2の転写部材としての転写ローラ17Bk、17Y、17M、17C、前記搬送ベルト21の表面に付着したトナーを除去する第2のクリーニング部材としての、かつ、第2の除去部材としての図示されない搬送ベルトブレード、前記従動ローラ33bの下方に配設され、前記搬送ベルトブレードによって除去されたトナーを回収する廃棄現像剤収容部としての廃トナーボックス35、前記搬送ベルト21に静電荷を付与する図示されない吸着装置等を備える。
【0022】
前記搬送ベルト21は、図示されない転写ユニット駆動モータから駆動ローラ33aの端部に配設された図示されない駆動ギヤに回転が伝達され、駆動ローラ33aが回転させられることによって走行させられる。
【0023】
画像形成部に送られた用紙は、静電荷が付与された搬送ベルト21に静電気によって吸着され、搬送ベルト21の走行に伴って、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと転写ローラ17Bk、17Y、17M、17Cとの間を搬送され、その間に、各色のトナー像が転写ローラ17Bk、17Y、17M、17Cの静電気によって順次重ねて転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0024】
なお、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと転写ローラ17Bk、17Y、17M、17Cとの間にブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各転写部が、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cと搬送ベルト21との間に搬送部が構成される。
【0025】
このようにして、カラーのトナー像が形成された用紙は、定着装置としての定着器28に送られる。該定着器28は、内部にハロゲンランプ28c等の発熱体を備えた第1の定着部材としての、かつ、第1のローラとしての加熱ローラ28a、及び第2の定着部材としての、かつ、第2のローラとしての加圧ローラ28bを備え、前記加熱ローラ28aと加圧ローラ28bとの間において、前記カラーのトナー像が加熱され、加圧されて用紙に定着させられ、カラー画像が形成される。そして、前記加熱ローラ28aと加圧ローラ28bとの間に定着部が構成される。
【0026】
なお、本実施の形態において、前記定着器28は加熱ローラ28a及び加圧ローラ28bを備えるようになっているが、加圧ローラ28bに代えて、第2の定着部材として定着ベルトを使用することができる。その場合、定着ベルト内に固定式の加圧部材が配設される。そして、加熱ローラ28aと定着ベルトとの間に定着部が構成される。
【0027】
カラー画像が形成された用紙は、排出ローラ38a、38bによってプリンタ11の本体、すなわち、装置本体から排出され、スタッカ39に積載される。
【0028】
前記定着器28を装置本体に装着する場合、定着器28は、装置本体に取り付けられた定着器保持部材としての、かつ、排出案内部としてのイジェクトガイド34によって保持され、該イジェクトガイド34に配設された図示されないコネクタと電気的に接続されるようになっている。そして、前記イジェクトガイド34の所定の箇所に、用紙の弛みが検出されたときに、弛み量を表すセンサ出力を発生させる検出信号発生部としての、かつ、光学センサとしてのフォトカプラセンサ37が配設される。そして、定着器28とイジェクトガイド34とは、所定の位置決め用の突起、該突起を嵌入するための孔等によって位置決めされる。
【0029】
この場合、イジェクトガイド34にフォトカプラセンサ37が配設されるので、定着器28とフォトカプラセンサ37との距離を長くすることができ、フォトカプラセンサ37がハロゲンランプ28cの熱の影響を受けることがない。したがって、検出信号発生部として安価なフォトカプラセンサ37を使用することができるので、プリンタ11のコストを低くすることができる。
【0030】
また、プリンタ11は、搬送路上に最小媒体間隔以下の距離を置いて配設され、用紙を搬送するための搬送ローラri(i=1、2、…)、該搬送ローラriを回転させるための駆動部としての図示されない搬送用モータ、搬送路を切り替えるためのフラップf1等を備える。
【0031】
次に、前記構成のプリンタ11の制御装置について説明する。
【0032】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの第1の制御ブロック図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの第2の制御ブロック図である。
【0033】
図において、61は、図示されないマイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等を備えた制御部としての印刷制御部であり、該印刷制御部61はカラーの画像を形成するためのプリンタ11の全体の制御を行う。また、62は、上位装置としての図示されないホストコンピュータから送信された印刷データ及び制御コマンドを受信し、プリンタ11の状態を表す情報を前記ホストコンピュータに送信するインタフェース制御部であり、該インタフェース制御部62は、前記制御コマンドを解析し、印刷データを色ごとに分けて受信メモリ63に一時的に記録する。受信メモリ63に一時的に記録された印刷データは、印刷制御部61によって編集され、LEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cに送るための各色の画像データとして画像データ編集メモリ64に記録される。
【0034】
また、65は操作部としての操作パネルであり、該操作パネル65は、プリンタ11の状態を表示する図示されない画面、及び操作者がプリンタ11への指示を入力するための図示されないスイッチを備える。
【0035】
そして、66は、用紙の搬送位置を検出する複数のセンサ、プリンタ11の置かれた環境を表す指標、本実施の形態においては、プリンタ11内の温度、すなわち、環境温度を検出する環境指標検出部としての、かつ、温度検出手段としての温度センサ、カラー画像の濃度を検出する濃度センサ等から成るセンサ部であり、該センサ部66の各センサのセンサ出力が印刷制御部61に送られる。
【0036】
該印刷制御部61には、帯電制御部67、露光制御部69、現像制御部71、転写制御部73、駆動制御部75、搬送制御部としての搬送ベルトモータ制御部79、定着制御部81、前記フォトカプラセンサ37等が接続される。
【0037】
前記帯電制御部67は、印刷制御部61からの指示を受け、各帯電ローラ14Bk、14Y、14M、14Cに帯電用の電圧を印加し、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面を帯電させる。前記帯電制御部67は、各帯電ローラ14Bk、14Y、14M、14Cに印加される電圧を制御するための帯電電圧制御部68Bk、68Y、68M、68Cを備える。
【0038】
また、前記露光制御部69は、印刷制御部61からの指示を受け、画像データ編集メモリ64に記録された各色の画像データを受け、該各色の画像データを各LEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cに送り、図示されないLEDアレイのLED素子を選択的に発光させ、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13Cの表面に光を照射して露光させ、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13C上に静電潜像を形成する。前記露光制御部69は、各LEDヘッド15Bk、15Y、15M、15Cに画像データを所定のタイミングで送るためのヘッド制御部70Bk、70Y、70M、70Cを備える。
【0039】
そして、前記現像制御部71は、印刷制御部61からの指示を受け、各現像ローラ16Bk、16Y、16M、16Cに現像用の電圧を印加し、各感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13C上に形成された静電潜像に、トナーを付着させ、トナー像を形成する。前記現像制御部71は、各現像ローラ16Bk、16Y、16M、16Cに印加される電圧を制御するための現像電圧制御部72Bk、72Y、72M、72Cを備える。
【0040】
また、前記転写制御部73は、印刷制御部61からの指示を受け、各転写ローラ17Bk、17Y、17M、17Cに転写用の電圧を印加し、感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13C上に形成されたトナー像を用紙に転写する。前記転写制御部73は、各トナー像を順次用紙に転写するための転写電圧制御部74Bk、74Y、74M、74Cを備える。
【0041】
そして、前記駆動制御部75は、印刷制御部61からの指示を受け、画像形成部において用紙を搬送するための、画像形成用の駆動部としての、かつ、第1の駆動部としての駆動モータ77Bk、77Y、77M、77Cを駆動し、各感光体ドラム13Bk、13Y、13M、13C、帯電ローラ14Bk、14Y、14M、14C及び各現像ローラ16Bk、16Y、16M、16Cを回転させる。前記駆動制御部75は、駆動モータ77Bk、77Y、77M、77Cを駆動するための駆動モータ制御部76Bk、76Y、76M、76Cを備える。
【0042】
さらに、前記搬送ベルトモータ制御部79は、印刷制御部61からの指示を受け、画像形成部において用紙を搬送するための、搬送ベルト21の走行用の駆動部としての搬送ベルトモータ80を駆動し、駆動ローラ33aを回転させ、搬送ベルト21を走行させる。
【0043】
また、前記定着制御部81は、印刷制御部61からの指示を受け、定着器28内に配設された前記ハロゲンランプ28cに定着電圧を印加し、用紙に転写されたトナー像を定着させる。なお、前記定着制御部81においては、定着サーミスタ84による検出温度に基づいて、ヒータ制御部81aによって、前記ハロゲンランプ28cがオン・オフ制御されるとともに、定着器28が所定の設定温度になったときに、弛み量制御部としてのモータ制御部81bによって、定着器28において用紙を搬送するための第2の駆動部としての定着モータ82が駆動され、加熱ローラ28a及び加圧ローラ28bが回転させられる。
【0044】
次に、前記定着器28について説明する。
【0045】
図1は本発明の第1の実施の形態における定着器の分解斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態における転写ユニット及び定着器の配設状態を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における定着器とイジェクトガイドとの関係を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における定着器のフロントカバーを示す斜視図である。
【0046】
図において、u1は用紙を搬送する転写ユニット、28は定着器、34は該定着器28を保持するイジェクトガイドである。
【0047】
前記転写ユニットu1は、駆動ローラ33a、従動ローラ33b及び搬送ベルト21を備える。
【0048】
また、前記定着器28は、本体部101及び該本体部101の前方を覆うフロントカバー41から成る筐体Cs1を備える。前記本体部101内には加熱ローラ28a及び加圧ローラ28bが回転自在に配設され、本体部101の下方に、コネクタ102、103が突出させて配設される。
【0049】
そして、前記フロントカバー41の前面パネル部111には、カラーのトナー像が形成され、搬送ベルト21によって搬送された用紙を筐体Cs1内に取り込むための導入口104が形成され、該導入口104の下縁には、筐体Cs1内に向けて斜めに立ち上げて、かつ、加熱ローラ28aと加圧ローラ28bとの間の定着部に向けて、ガイド106が形成される。また、前記本体部101における前記導入口104と対応する箇所には、カラー画像が定着させられた用紙を排出するための図示されない排出口が形成される。
【0050】
そして、ガイド106の下縁eg1の幅方向における中央に、前記前面パネル部111から導入口104にかけて貫通孔h1が形成され、該貫通孔h1を貫通させて、かつ、頂部をわずかに突出させて、用紙の弛みを検出する弛み検出要素としての弛み検出レバー42が配設される。また、前記前面パネル部111における前記貫通孔h1の近傍に、前記弛み検出レバー42が用紙の弛みを検出するときの弛み検出レバー42の位置、すなわち、検出位置を調整するために、調整部としてのアジャスタ44が揺動自在に配設される。前記弛み検出レバー42は、用紙と接触し、用紙の弛み量に応じて変位し、変位に伴ってフォトカプラセンサ37のセンサ出力を発生させる。したがって、フォトカプラセンサ37によって、用紙の弛み量を検出することができる。
【0051】
また、前記イジェクトガイド34は、水平に延びる保持部121、該保持部121の一端から垂直に立ち上げて形成された立上げ部122、及び該立上げ部122の上端から水平に延びる案内部123を備え、前記保持部121及び立上げ部122によって定着器28が保持される。前記保持部121には、前記定着器28が保持部121上に載置されたときに、前記コネクタ102、103と接続されるコネクタ126、127が配設され、保持部121の幅方向における中央に前記フォトカプラセンサ37が配設される。そして、前記案内部123は、前記本体部101に形成された排出口に沿って形成され、排出口から排出された用紙を、水平方向に搬送されるように案内する。そのために、前記案内部123には、所定の間隔を置いて立ち上げて形成された複数の案内リブ129が形成される。なお、前記フォトカプラセンサ37は、発光ダイオードから成る発光部37a及び受光トランジスタから成る受光部37bを備え、発光部37a及び受光部37bは互いに所定の距離を置いて配設される。そして、発光部37aで発生させられた光を受光部37bが受けると、フォトカプラセンサ37はオンになり、発光部37aで発生させられた光を受光部37bが受けなくなると、フォトカプラセンサ37はオフになる。
【0052】
次に、前記弛み検出レバー42をフロントカバー41に取り付けるための弛み検出ユニットとしての弛み検出装置について説明する。
【0053】
図8は本発明の第1の実施の形態におけるフロントカバーの分解斜視図、図9は本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第1の図、図10は本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第2の図、図11は本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の取付状態を示す第3の図、図12は本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の第1の斜視図、図13は本発明の第1の実施の形態における弛み検出装置の第2の斜視図、図14は本発明の第1の実施の形態におけるフロントカバーの要部拡大図、図15は本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタの表面を示す斜視図、図16は本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタの裏面を示す斜視図、図17は本発明の第1の実施の形態における定着器の正面図、図18は本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第1の図、図19は本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第2の図、図20は本発明の第1の実施の形態におけるアジャスタによる弛み検出レバーの位置の調整方法を説明するための第3の図である。
【0054】
図において、41はフロントカバー、131は該フロントカバー41に対して、上下方向(矢印A、B方向)に移動自在に取り付けられた弛み検出装置である。
【0055】
前記フロントカバー41は、前記前面パネル部111の下端から後方(本体部101(図1)側)に向けて延びる底面パネル部133を備え、該底面パネル部133を貫通させて、弛み検出装置131を取り付けるための取付穴h2が形成される。また、前記底面パネル部133における取付穴h2から垂直に立ち上げて、かつ、前記前面パネル部111から突出させて、ユニットガイドとしての一対のリブ41aが形成される。該リブ41aは、弛み検出装置131を案内する案内部137、及び該案内部137に対して直角の方向に形成され、弛み検出装置131を係止する係止部138を備える。
【0056】
そして、前記前面パネル部111における各リブ41aの間に、前面パネル部111を貫通させて、かつ、水平方向に延在させて溝穴h3が形成され、前記弛み検出装置131における前記溝穴h3に対応する箇所に、前方(前面パネル部111側)に向けて突出させて、かつ、水平方向に延在させて、後述される検出要素保持部材としての弛み検出レバーホルダ43の係止片43bが形成される。前記溝穴h3及び係止片43bは、溝穴h3内において係止片43bが所定の距離だけ上下方向に移動することができるように寸法が設定される。
【0057】
そして、前記溝穴h3内において係止片43bが所定の距離だけ上下方向に移動させられると、各リブ41aに沿って弛み検出装置131が上下方向に前記所定の距離だけ移動させられ、弛み検出レバー42が上下方向に移動させられる。
【0058】
前記弛み検出装置131は、前記弛み検出レバー42、該弛み検出レバー42を揺動自在に保持する弛み検出レバーホルダ43、該弛み検出レバーホルダ43を下方(矢印C方向)に向けて付勢する第1の付勢部材としてのホルダスプリング45、前記弛み検出レバー42を付勢する第2の付勢部材としてのレバースプリング47、前記弛み検出レバー42を弛み検出レバーホルダ43に対して支持し、弛み検出レバー42の揺動支点を形成する支持体としてのレバーポスト48等を備える。なお、該レバーポスト48は弛み検出レバーホルダ43に形成された穴h4に対して圧入される。
【0059】
前記弛み検出レバー42は、前記レバーポスト48を貫通させ、弛み検出レバー42の揺動中心となる図示されない回転支持穴、該回転支持穴から径方向に延びる第1のアームm1、該第1のアームm1に対して所定の角度、本実施の形態においては、90〔°〕の角度で径方向に延びる第2のアームm2等を備え、前記第1のアームm1の先端に、用紙の弛みを検出するための検出片141が、前記第2のアームm2の先端(本実施の形態においては、下端)に、前記フォトカプラセンサ37における発光部37aと受光部37bとを遮蔽するための遮蔽部42aが形成される。
【0060】
なお、通常、弛み検出レバー42は、レバースプリング47によって矢印D方向に向けて付勢されて、遮蔽部42aが発光部37aと受光部37bとを遮蔽する位置、すなわち、遮蔽位置に置かれる。そして、前記弛みが形成された用紙によって検出片141が下方に押し下げられると、弛み検出レバー42は、矢印D方向と逆の方向に回動させられ、遮蔽部42aが発光部37aと受光部37bとを遮蔽しない位置、すなわち、非遮蔽位置に置かれる。
【0061】
なお、前記レバースプリング47は、トーションスプリングから成り、コイル部分にレバーポスト48を貫通させて、一端を弛み検出レバー42の所定の部分に、他端を弛み検出レバーホルダ43の所定の部分に係止させて配設される。
【0062】
前記検出片141は、三角形の形状を有し、前記第1のアームm1の本体部に対して直角の方向に、すなわち、用紙の搬送方向に延在させられ、弛み検出装置131をフロントカバー41に取り付けたときに、先端部(三角形の頂点部)pkが貫通孔h1から上方に突出させられる。
【0063】
また、前記ホルダスプリング45は、前記底面パネル部133と弛み検出レバーホルダ43との間に、一端を前面パネル部111から突出させて形成された係止突起41cと係止させて、他端を弛み検出レバーホルダ43の肩部145に突出させて形成された係止突起43cと係止させて配設され、かつ、位置決めされる。
【0064】
そして、前記溝穴h3の直下に、前記前面パネル部111から転写ユニットu1(図5)側に向けて突出させて支持ポスト41dが形成され、ねじ46を支持ポスト41dに螺合させることによって、アジャスタ44を、支持ポスト41dを揺動中心にして揺動自在に取り付けることができる。なお、アジャスタ44を円滑に回動させることができるように、支持ポスト41dはアジャスタ44の厚さよりわずかに長くされる。
【0065】
アジャスタ44は、扇形の形状を有する本体部151、該本体部151の裏面に、所定の厚さだけ突出させて形成された環状体から成るカム44b、及び該カム44bより更に所定の厚さだけ突出させて形成された回転支点部44cを備え、前記本体部151、カム44b及び回転支点部44cを貫通させて貫通孔h5が形成され、該貫通孔h5に前面パネル部111から突出させて形成された支持ポスト41dが嵌入させられる。なお、カム44b及び回転支点部44cはいずれも円形の形状を有し、カム44bの中心は回転支点部44cの中心に対して偏心させられる。
【0066】
前記本体部151の表面S1における弧状の縁部の近傍には、弛み検出レバー42の位置を表す目盛り44aが形成され、該目盛り44aと貫通孔h5との間に、摘まみ44dが表面S1から突出させて形成される。なお、前面パネル部111には、前記目盛り44aと隣接させて、アジャスタ44の回動に伴って目盛り44aの第1〜第3の部位x1〜x3を指すポインタ152が形成される。
【0067】
ところで、前記カム44b及び係止片43bは、アジャスタ44の回動運動を、弛み検出レバー42の直線運動に変換する運動方向変換部として、かつ、カム機構として機能し、係止片43bはカムフォロワとしても機能する。また、前記カム44bによってカム機構の主動部が、係止片43bによってカム機構の従動部が構成される。
【0068】
そのために、係止片43bは、溝穴h3を貫通して前記前面パネル部111より所定の量だけ突出させられ、前記前面パネル部111より突出した部分の下面と、前記カム44bの外周面に形成されたカム面S2とが常に当接させられ、アジャスタ44の回動に伴ってカム44bが回動させられると、前記前面パネル部111より突出した部分の下面とカム面S2とが摺動させられる。
【0069】
そして、前記カム面S2は、アジャスタ44の揺動中心に対して偏心させられ、アジャスタ44を水平に置いたときのカム面S2の最も高い点をqmとし、該点qmより目盛り44a側に所定の角度、本実施の形態においては、30〔°〕離れた点をquとし、前記点qmの点quと反対側に所定の角度、本実施の形態においては、30〔°〕離れた点をqdとすると、貫通孔h5の中心、すなわち、アジャスタ44の揺動中心からカム面S2までの距離は、点qdにおいて最も短く、点quにおいて最も長くされる。
【0070】
したがって、アジャスタ44を回動させることによって、カム44bを回動させると、係止片43bが溝穴h3内において前記所定の距離だけ上下方向に移動させられ、弛み検出レバー42を上下方向に移動させる。
【0071】
すなわち、操作者が摘まみ44dを操作し、図18に示されるように、ポインタ152が目盛り44aの第1の部位x1を指すようにアジャスタ44を矢印F方向に回動させると、カム面S2の点quが係止片43bと当接させられる。その結果、係止片43bは溝穴h3内における最も高い位置に置かれ、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43は上方(矢印A方向)に移動させられる。
【0072】
また、操作者が摘まみ44dを操作し、図19に示されるように、ポインタ152が目盛り44aの第2の部位x2を指すようにアジャスタ44を矢印G方向に回動させると、カム面S2の点qmが係止片43bと当接させられる。その結果、係止片43bは溝穴h3内における中央位置に置かれ、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43は下方(矢印B方向)に移動させられる。
【0073】
そして、操作者が摘まみ44dを操作し、図20に示されるように、ポインタ152が目盛り44aの第3の部位x3を指すようにアジャスタ44を矢印G方向に更に回動させると、カム面S2の点qdが係止片43bと当接させられる。その結果、係止片43bは溝穴h3内における最も低い位置に置かれ、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43は更に下方(矢印B方向)に移動させられる。
【0074】
したがって、アジャスタ44を回動させることによって、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43を上下方向に移動させ、異なる位置で用紙の弛みを検出することができる。
【0075】
なお、本実施の形態においては、ポインタ152が目盛り44aの第1〜第3の部位x1〜x3を指すようにアジャスタ44を回動させて、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43を所定の位置に置くようになっているが、カム面S2は連続する円の外周面によって形成されているので、ポインタ152が目盛り44aの第1〜第3の部位x1〜x3の間のいずれの部位を指すようにアジャスタ44を回動させても、係止片43bは溝穴h3内における所定の位置に置くことができる。したがって、用紙の厚さに応じて弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43を適正な位置に置くことができる。
【0076】
次に、弛み検出レバー42によって用紙の弛みを検出するときの動作について説明する。
【0077】
図21は本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーによって用紙の弛みを検出するときの動作を説明するための概念図、図22は本発明の第1の実施の形態における用紙の第1の状態を示す図、図23は本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第1の状態を示す図、図24は本発明の第1の実施の形態における用紙の第2の状態を示す図、図25は本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第2の状態を示す図、図26は本発明の第1の実施の形態における用紙の第3の状態を示す図、図27は本発明の第1の実施の形態における弛み検出レバーの第3の状態を示す図である。
【0078】
図において、12Cは画像形成ユニット、13Cは感光体ドラム、21は搬送ベルト、28は定着器、28aは加熱ローラ、28bは加圧ローラ、37はフォトカプラセンサ、41はフロントカバー、42は弛み検出レバー、48はレバーポスト、104は導入口、106はガイド、111は前面パネル部、141は検出片、pkは該検出片141の先端部、Pは用紙である。前記感光体ドラム13Cと搬送ベルト21との間にシアンの転写部E1が、加熱ローラ28aと加圧ローラ28bとの間に定着部E2が形成される。
【0079】
図22に示されるように、用紙Pに弛みがない状態、すなわち、用紙Pが直線状に張っている場合、検出片141の先端部pkは最も高い位置に置かれ、図23に示されるように、弛み検出レバー42の遮蔽部42aは、遮蔽位置に置かれ、フォトカプラセンサ37の発光部37aと受光部37bとを遮蔽する。したがって、フォトカプラセンサ37はオフになる。
【0080】
そして、図24に示されるように、用紙Pに弛みが発生し、用紙Pが湾曲すると、検出片141の先端部pkが下方に押され、図25に示されるように、弛み検出レバー42が矢印H方向に回動させられ、フォトカプラセンサ37は、発光部37aと受光部37bとが遮蔽された状態から遮蔽されない状態に切り替わり、オンになる。
【0081】
さらに、図26に示されるように、用紙Pの弛み量が大きくなり、用紙Pが大きく湾曲すると、検出片141の先端部pkが更に下方に押され、図27に示されるように、弛み検出レバー42が矢印H方向に更に回動させられる。このとき、遮蔽部42aは、非遮蔽位置に置かれ、フォトカプラセンサ37の発光部37aと受光部37bとを遮蔽しないので、フォトカプラセンサ37はオンのままになる。
【0082】
ところで、本実施の形態においては、前記転写部E1における用紙Pの第1の搬送速度である転写部搬送速度をV1とし、定着部E2における用紙Pの第2の搬送速度である定着部搬送速度をV2としたとき、定着部搬送速度V2を転写部搬送速度V1よりわずかに低くして、転写部E1と定着部E2との間で用紙Pに弛みを形成するようになっている。
【0083】
この場合、転写部搬送速度V1と定着部搬送速度V2との間に速度差ΔVが形成されるので、用紙Pが定着部E2に到達してからの時間をTとすると、転写部E1における用紙Pの搬送量Q1と定着部E2における用紙Pの搬送量Q2との差ΔQ
ΔQ=ΔV・T
が発生し、用紙Pに弛みが形成される。
【0084】
そこで、図26に示されるように、用紙Pの弛み量が大きくなり、図27に示されるように、遮蔽部42aが非遮蔽位置に置かれ、フォトカプラセンサ37がオンになると、定着制御部81(図4)の前記モータ制御部81bは、モータ制御処理を行い、定着モータ82の回転速度を変更し、定着部搬送速度V2を高くすることによって用紙Pの弛み量を制御する。なお、用紙Pの弛みは、前記フォトカプラセンサ37がオンになり、定着部搬送速度V2が高くされる間も大きくなる。
【0085】
この場合、モータ制御部81bは、所定のタイミングごとに、フォトカプラセンサ37からのセンサ出力を読み込み、フォトカプラセンサ37がオフになるまで、定着部搬送速度V2を段階的に高くし、転写部搬送速度V1より高くする。
【0086】
これに伴って、用紙Pの弛み量が小さくなると、弛み検出レバー42はレバースプリング47(図11)の付勢力によって矢印D方向(図12)に回動させられ、遮蔽部42aが遮蔽位置に置かれると、フォトカプラセンサ37はオフになる。
【0087】
続いて、モータ制御部81bは、所定のタイミングごとに、フォトカプラセンサ37からのセンサ出力を読み込み、フォトカプラセンサ37がオンになるまで、定着部搬送速度V2を段階的に低くし、転写部搬送速度V1より低くする。
【0088】
このように、モータ制御部81bは、用紙Pの印刷が終了するまで定着部搬送速度V2を制御し、用紙Pの弛み量を制御する。
【0089】
したがって、本実施の形態においては、用紙Pの弛み量を一定の範囲内に収めることができるので、弛み量が大きすぎて、用紙P上のトナー像が近接する部材と擦れたり、弛み量が小さすぎて、用紙Pが引っ張られて画像がずれたりすることがない。その結果、画像品位を向上させることができる。
【0090】
なお、本実施の形態においては、弛み量を制御するために、定着部搬送速度V2を制御するようになっているが、転写部搬送速度V1を制御することができる。その場合、弛み量が大きくなり、フォトカプラセンサ37が用紙Pの弛みを検出し、オンになると、弛み量制御部としての、駆動制御部75の駆動モータ制御部76Bk、76Y、76M、76C又は搬送ベルトモータ制御部79は、駆動モータ77Bk、77Y、77M、77C又は搬送ベルトモータ80の回転速度を変更し、転写部搬送速度V1を低くする。
【0091】
ところで、用紙Pとして、こしが弱く、弛みが形成されやすい薄紙を使用する場合と、こしが強く、弛みが形成されにくい厚紙を使用する場合とで、同じ弛み量に基づいて定着部搬送速度V2を制御しようとすると、弛み量を精度良く制御することができない。
【0092】
すなわち、薄紙を使用する場合は、用紙Pに弛みが形成されやすいので、弛み量が小さい状態で定着部搬送速度V2を制御すると、弛み量が変動したり、フォトカプラセンサ37のセンサ出力にノイズが発生したりして、弛みを誤検出してしまうことがある。したがって、薄紙を使用する場合は、弛み量が十分に大きくなったときに、フォトカプラセンサ37がオンになるように定着部搬送速度V2を制御するのが望ましい。
【0093】
また、厚紙を使用する場合は、用紙Pに弛みが形成されにくく、定着部搬送速度V2を制御するのが困難であるので、用紙Pが引っ張られて画像がずれてしまうことがある。したがって、厚紙を使用する場合は、弛み量が小さくても、フォトカプラセンサ37がオンになるように定着部搬送速度V2を制御するのが望ましい。
【0094】
そこで、本実施の形態においては、薄紙を使用する場合、操作者が摘まみ44dを操作し、図20に示されるように、ポインタ152が目盛り44aの第3の部位x3を指すようにアジャスタ44を矢印G方向に回動させると、カム面S2の点qdが係止片43bと当接させられる。そして、係止片43bは溝穴h3内における最も低い位置に置かれ、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43は下方(矢印B方向)に移動させられる。したがって、弛み量が十分に大きくなったときに、フォトカプラセンサ37をオンにすることができる。
【0095】
また、厚紙を使用する場合、操作者が摘まみ44dを操作し、図18に示されるように、ポインタ152が目盛り44aの第1の部位x1を指すようにアジャスタ44を矢印F方向に回動させると、カム面S2の点quが係止片43bと当接させられる。そして、係止片43bは溝穴h3内における最も高い位置に置かれ、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43は上方(矢印A方向)に移動させられる。したがって、弛み量が小さくてもフォトカプラセンサ37をオンにすることができる。
【0096】
このように、本実施の形態においては、弛み検出レバー42の検出位置が調整されるので、用紙Pの厚さに応じて弛み検出レバー42を上下方向に移動させて適正な位置に置くことができる。したがって、弛みが誤検出されたり、用紙Pが引っ張られて画像がずれたりすることがないので、画像品位を向上させることができる。
【0097】
なお、本実施の形態においては、一対のリブ41a(図9)が底面パネル部133に対して垂直に形成されるので、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43を垂直方向に移動させることができる。また、レバーポスト48の直下にフォトカプラセンサ37が配設されるように、リブ41aが形成される位置が設定され、前記フォトカプラセンサ37において発光部37aと受光部37bとの中間を通って前記弛み検出装置131の方向に延びる線と、前記弛み検出装置131の移動方向とが平行にされる。
【0098】
したがって、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43を上下方向に移動させたときに、遮蔽部42aが遮蔽位置に置かれるときの弛み検出レバー42の傾きは変化しない。その結果、弛み検出レバー42の傾きに対応させてフォトカプラセンサ37を確実にオン・オフさせることができる。
【0099】
ところで、本実施の形態においては、前記定着器28を装置本体に装着する場合、定着器28とイジェクトガイド34(図2)とが、所定の位置決め用の突起、該突起を嵌入するための孔等によって位置決めされるようになっているが、このとき、弛み検出レバー42をフォトカプラセンサ37に対して精度良く配設することができないと、用紙の弛みを精度良く検出することができない。
【0100】
そこで、弛み検出レバー42をフォトカプラセンサ37に対して精度良く配設することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0101】
図28は本発明の第2の実施の形態における定着器とイジェクトガイドとの関係を示す図、図29は本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの分解斜視図、図30は本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの動作を説明するための第1の図、図31は本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの要部の動作を説明するための第1の図、図32は本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの動作を説明するための第2の図、図33は本発明の第2の実施の形態における弛み検出ユニットの要部の動作を説明するための第2の図である。
【0102】
図において、34は定着器保持部材としての、かつ、排出案内部としてのイジェクトガイド、51は、定着装置としての定着器28に配設された弛み検出装置、161は前記イジェクトガイド34に着脱自在に配設された信号発生ユニットとしての信号発生装置であり、弛み検出装置51と信号発生装置161とは互いに係脱自在に連結される。すなわち、定着器28をイジェクトガイド34に取り付けることによって、弛み検出装置51と信号発生装置161とを連結することができ、定着器28をイジェクトガイド34から取り外すことによって、弛み検出装置51と信号発生装置161とを分離させることができる。なお、弛み検出装置51及び信号発生装置161によって弛み検出ユニット50が構成される。
【0103】
前記弛み検出装置51は、第1の実施の形態と同様に、フロントカバー41に対して、かつ、ユニットガイドとしてのリブ41aに沿って上下方向に移動自在に取り付けられ、弛み検出要素としての弛み検出レバー42、該弛み検出レバー42を揺動自在に保持する検出要素保持部材としての弛み検出レバーホルダ43、該弛み検出レバーホルダ43を下方に向けて付勢する第1の付勢部材としてのホルダスプリング45、前記弛み検出レバー42を付勢する第2の付勢部材としてのレバースプリング47、前記弛み検出レバー42を弛み検出レバーホルダ43に対して支持し、弛み検出レバー42の揺動支点を形成する支持体としてのレバーポスト48等を備える。
【0104】
前記弛み検出レバー42は、前記レバーポスト48を貫通させ、弛み検出レバー42の揺動中心となる図示されない回転支持穴、該回転支持穴から径方向に延びる第1、第2のアームm1、m2等を備え、前記第1のアームm1の先端に、媒体としての用紙Pの弛みを検出するための検出片141が、前記第2のアームm2の先端(本実施の形態においては、下端)に、検出信号発生部としての、かつ、光学センサとしてのフォトカプラセンサ37における発光部37aと受光部37bとを遮蔽するための遮蔽部42aが形成される。
【0105】
前記検出片141は、三角形の形状を有し、前記第1のアームm1の本体部に対して直角の方向に、すなわち、用紙の搬送方向に延在させられ、弛み検出装置51をフロントカバー41に取り付けたときに、先端部pkが貫通孔h1から上方に突出させられる。
【0106】
なお、44は、弛み検出レバー42の検出位置を調整するための調整部としてのアジャスタである。
【0107】
一方、前記信号発生装置161は、検出信号発生部支持体としてのセンサホルダベース163、該センサホルダベース163に対して付勢部材としてのセンサホルダスプリング164を介して取り付けられた検出信号発生部保持部材としてのセンサホルダ162、該センサホルダ162に取り付けられ、用紙Pの弛みを検出する前記フォトカプラセンサ37等を備え、該フォトカプラセンサ37は、センサホルダ162によって保持された状態でセンサホルダベース163によって支持される。
【0108】
なお、前記センサホルダベース163の外周縁の所定の箇所に、センサホルダベース163をイジェクトガイド34に対して着脱自在に取り付けるための係止部201が形成される。
【0109】
ところで、前述されたように、前記定着器28を装置本体に装着する場合に、弛み検出レバー42をフォトカプラセンサ37に対して精度良く配設することができないと、用紙Pの弛みを精度良く検出することができない。
【0110】
そこで、本実施の形態においては、前記定着器28を装置本体に装着する前の状態で、図32及び33に示されるように、センサホルダ162が、センサホルダスプリング164の付勢力によって、センサホルダベース163に対して本来配置される位置より上方(弛み検出装置51側)に浮き上がらせて配設されるようになっている。
【0111】
そのために、センサホルダ162は、フォトカプラセンサ37を取り付けるための溝部203、及び該溝部203の両側に水平方向に延在させて形成されたフランジ部204、205を備え、該フランジ部204、205にガイド穴162c、162dが形成され、センサホルダベース163の所定の箇所に、ガイドピン163a、163bが取り付けられ、該ガイドピン163a、163bがガイド穴162c、162d内に嵌入される。この場合、ガイドピン163a、163bとガイド穴162c、162dとの間に所定の隙間が形成されるように、ガイド穴162c、162dの内径はガイドピン163a、163bの本体部の外径より小さくされる。したがって、センサホルダ162をセンサホルダベース163に対して平面方向において所定の距離だけ移動させることができる。なお、前記ガイドピン163a、163bは本体部の上端にヘッド部hdを備え、該ヘッド部hdの外径はガイド穴162c、162dの内径より大きくされる。したがって、信号発生装置161とセンサホルダ162とを係脱させる際に、センサホルダ162がセンサホルダベース163から外れることはない。
【0112】
そして、弛み検出装置51を信号発生装置161に取り付けるために、弛み検出レバーホルダ43に、下方に向けて突出させて第1の位置決め要素としての位置決め突起53a、53bが形成され、センサホルダ162に、第2の位置決め要素としての位置決め孔162a、162bが形成される。
【0113】
また、前記位置決め突起53a、53bのうちの少なくとも一方、本実施の形態においては、位置決め突起53bから後方(用紙Pの搬送方向における下流側)に向けて、第3の位置決め要素としての位置決めリブ53cが突出させて形成され、センサホルダ162における所定の箇所、本実施の形態においては、位置決め孔162bが形成されるブロックの上面に、第4の位置決め要素としての押下面162eが形成される。
【0114】
したがって、定着器28を装置本体に装着するに当たり、位置決め突起53a、53bを位置決め孔162a、162bに嵌入することによって、弛み検出装置51と信号発生装置161との平面方向(横方向及び縦方向)の位置決めを行うことができる。また、このとき、位置決めリブ53cによって押下面62eが押下されるので、弛み検出装置51と信号発生装置161との高さ方向の位置決めを行うことができる。
【0115】
その結果、弛み検出レバー42をフォトカプラセンサ37に対して精度良く配設することができるので、用紙Pの弛みを精度良く検出することができる。
【0116】
また、弛み検出装置51と信号発生装置161とを連結することによって、弛み検出装置51と信号発生装置161との平面方向及び高さ方向の位置決めを行うことができるので、定着器28とイジェクトガイド34との位置決め精度、立上げ部122を形成する位置及び傾きの精度等が低くても、弛み検出レバー42をフォトカプラセンサ37に対して精度良く配設することができる。さらに、弛み検出ユニット50を構成する各部品の形状を自由に設計することができ、弛み検出ユニット50を小型化することができる。
【0117】
前記各実施の形態においては、画像形成ユニット12Bk、12Y、12M、12C(図2)を用紙Pの搬送方向に並べたタンデム式のカラーのプリンタについて説明しているが、本発明を、タンデム式以外のカラーのプリンタ、単色のプリンタ等に適用することができる。また、本発明を、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0118】
また、前記各実施の形態においては、弛み検出要素として弛み検出レバー42が使用されるようになっているが、弛み検出レバー42に代えて、弛み検出要素として、弛み検出ローラを使用したり、用紙Pとの間の距離を測定することによって用紙の弛みを検出する非接触の弛み検出センサを使用したりすることができる。
【0119】
さらに、前記各実施の形態においては、弛み検出レバー42及び弛み検出レバーホルダ43が定着器28内に配設されるようになっているが、転写ユニットu1と定着器28との間に配設することができる。
【0120】
また、前記各実施の形態においては、アジャスタ44が手動で回動させられるようになっているが、自動で回動することができる。
【0121】
そして、媒体として用紙Pが使用されるようになっているが、用紙Pに代えて、フィルム材、布材等を使用することができる。
【0122】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0123】
11 プリンタ
28 定着器
42 弛み検出レバー
50、131 弛み検出装置
77Bk、77Y、77M、77C 駆動モータ
81b モータ制御部
82 定着モータ
P 用紙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)現像剤像を形成し、媒体に転写するための画像形成部と、
(b)該画像形成部において媒体を搬送するための第1の駆動部と、
(c)前記媒体の搬送方向における前記画像形成部の下流側に配設され、搬送された媒体上の現像剤像を定着させる定着器と、
(d)該定着器において媒体を搬送するための第2の駆動部と、
(e)前記画像形成部と定着器との間において形成された媒体の弛みを検出する弛み検出要素を備えた弛み検出装置と、
(f)前記弛み検出要素が媒体の弛みを検出するときの前記弛み検出要素の検出位置を調整する調整部と、
(g)前記弛み検出要素によって検出された媒体の弛みに基づいて、前記第1、第2の駆動部のうちの一方の回転速度を変更する弛み量制御部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記弛み検出要素は、媒体と接触し、媒体の弛みに応じて変位し、変位に伴って検出信号発生部のセンサ出力を発生させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記弛み検出装置は、前記弛み検出要素、及び該弛み検出要素を保持する検出要素保持部材を備える請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
(a)前記定着器を保持する定着器保持部材を有するとともに、
(b)該定着器保持部材に前記検出信号発生部が配設される請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(a)前記定着器を保持する定着器保持部材を有するとともに、
(b)該定着器保持部材に、検出信号発生部を備えた信号発生装置が配設され、
(c)前記定着器を定着器保持部材に取り付けることによって、前記弛み検出装置と信号発生装置とが連結される請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
(a)前記検出信号発生部は発光部及び受光部を備え、
(b)前記弛み検出要素は、検出要素保持部材に対して揺動自在に配設され、揺動に伴って、検出信号発生部を遮蔽する遮蔽位置、及び検出信号発生部を遮蔽しない非遮蔽位置を採る遮蔽部を備える請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検出信号発生部において発光部と受光部との中間を通って前記弛み検出装置の方向に延びる線と、前記弛み検出装置の移動方向とが平行にされる請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項1】
(a)現像剤像を形成し、媒体に転写するための画像形成部と、
(b)該画像形成部において媒体を搬送するための第1の駆動部と、
(c)前記媒体の搬送方向における前記画像形成部の下流側に配設され、搬送された媒体上の現像剤像を定着させる定着器と、
(d)該定着器において媒体を搬送するための第2の駆動部と、
(e)前記画像形成部と定着器との間において形成された媒体の弛みを検出する弛み検出要素を備えた弛み検出装置と、
(f)前記弛み検出要素が媒体の弛みを検出するときの前記弛み検出要素の検出位置を調整する調整部と、
(g)前記弛み検出要素によって検出された媒体の弛みに基づいて、前記第1、第2の駆動部のうちの一方の回転速度を変更する弛み量制御部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記弛み検出要素は、媒体と接触し、媒体の弛みに応じて変位し、変位に伴って検出信号発生部のセンサ出力を発生させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記弛み検出装置は、前記弛み検出要素、及び該弛み検出要素を保持する検出要素保持部材を備える請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
(a)前記定着器を保持する定着器保持部材を有するとともに、
(b)該定着器保持部材に前記検出信号発生部が配設される請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(a)前記定着器を保持する定着器保持部材を有するとともに、
(b)該定着器保持部材に、検出信号発生部を備えた信号発生装置が配設され、
(c)前記定着器を定着器保持部材に取り付けることによって、前記弛み検出装置と信号発生装置とが連結される請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
(a)前記検出信号発生部は発光部及び受光部を備え、
(b)前記弛み検出要素は、検出要素保持部材に対して揺動自在に配設され、揺動に伴って、検出信号発生部を遮蔽する遮蔽位置、及び検出信号発生部を遮蔽しない非遮蔽位置を採る遮蔽部を備える請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検出信号発生部において発光部と受光部との中間を通って前記弛み検出装置の方向に延びる線と、前記弛み検出装置の移動方向とが平行にされる請求項6に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2013−114146(P2013−114146A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261732(P2011−261732)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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