説明

画像形成装置

【課題】ブレードから漏れ出る潤滑剤により帯電部のグリッドが汚されることを防止することにより、感光体に形成される潜像の乱れを防止する。
【解決手段】画像形成装置は、感光体41と、感光体41に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部46と、帯電部42と、ブレード66と、シール部68と、を備える。帯電部42は、潤滑剤塗布部46よりも感光体41の回転方向下流側に配置される。ブレード66は、潤滑剤塗布部46と帯電部42の間に配置される。シール部68は、ブレード66における感光体41の軸方向の両端部に接続される。そして、シール部68の先端部68Bは、少なくとも帯電部42における感光体の回転方向上流側の端部42Aよりも感光体42の回転方向下流側に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレードから漏れ出る潤滑剤が帯電部のグリッドに進入することを防ぐ構成を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置の高速化が進んでいる。画像形成装置の高速化に伴い、感光体には、潜像が高速で繰り返して形成される。感光体が繰り返して使用されることで、感光体の表面には傷や摩耗が発生しやすくなる。また、感光体の表面に傷や摩耗が発生すると、感光体の帯電電位の低下や、感光体表面への汚れの付着、感光体に形成される潜像の劣化が発生していた。
【0003】
そこで、画像形成装置における感光体の耐久性の向上のために、感光体に潤滑剤を塗布していた。感光体に潤滑剤を塗布することで、感光体の摩擦係数を低くするとともに、感光体を保護することができる。このため、感光体に負荷がかかりにくくなり、感光体の感光層の傷や摩耗を防止していた。
【0004】
このような画像形成装置としては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。この特許文献1に記載されている画像形成装置は、感光体の表面に潤滑剤を塗布するブラシ状ローラと、塗布ブレードと、を有している。塗布ブレードは、ブラシ状ローラにより感光体の表面に塗布された潤滑剤を均す。塗布ブレードよりも感光体の回転方向下流側には、帯電部が配置される。帯電部は、感光体の表面に均一に帯電させる。この帯電部には、感光体の表面に近接するグリッドが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−122593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された画像形成装置では、塗布ブレードに幅方向の両端部における感光体への当接力が低下していた。そのため、塗布ブレードの幅方向の両端部には潤滑剤が溜まっていた。溜まった潤滑剤は、塗布ブレードの幅方向の両端部から漏れ出ていた。そして、塗布ブレードの幅方向の両端部から漏れ出た潤滑剤は、感光体の表面に近接する帯電部のグリッドに進入していた。そのため、ブレードから漏れ出た潤滑剤により帯電部のグリッドが汚れてしまう、という問題点があった。そして、帯電部のグリッドが汚れることで、帯電部が感光体の表面に均一に帯電させることができず、感光体に形成される潜像に乱れが発生していた。
【0007】
本発明は、上述した問題点を考慮し、ブレードの幅方向の両端部から漏れ出た潤滑剤により帯電部のグリッドが汚れることを防止することで、感光体に形成される潜像の乱れを防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、回転可能な感光体と、潤滑剤塗布部と、帯電部と、ブレードと、シール部と、を備える。
潤滑剤塗布部は、感光体に潤滑剤を塗布する。
帯電部は、潤滑剤塗布部よりも感光体の回転方向下流側に配置され、感光体を帯電させる。
ブレードは、潤滑剤塗布部と帯電部の間に配置されている。そして、ブレードは、感光体に塗布された潤滑剤を均す。
シール部は、ブレードにおける感光体の軸方向の両端部に接続される。そして、シール部の先端部は、少なくとも帯電部における感光体の回転方向上流側の端部よりも感光体の回転方向下流側に配置される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置によれば、ブレードの幅方向の両端部から漏れ出る潤滑剤が帯電部のグリッドに進入することをシール部が防ぐことで、帯電部のグリッドが汚れなくなる。そのため、感光体に形成される潜像の乱れを防止でき、良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態例にかかる画像形成装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態例にかかる画像形成装置における潤滑剤塗布部の要部を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態例にかかる画像形成装置におけるブレードの構成を示す平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態例にかかる画像形成装置におけるシール部から潤滑剤が漏れ出る様子を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態例にかかる画像形成装置におけるブレードの構成を説明する平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態例にかかる画像形成装置におけるブレードの要部を示す概略構成図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態例にかかる画像形成装置におけるブレードの構成を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の画像形成装置を実施するための形態について、図1〜図7を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態例
1−1.画像形成装置の構成例
1−2.画像形成装置の動作
2.第2の実施の形態例
3.第3の実施の形態例
【0012】
<1.第1の実施の形態例>
まず、本発明の画像形成装置にかかる第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は本例の画像形成装置の全体構成図である。図2は本例の画像形成装置における潤滑剤塗布部の要部を示す概略構成図であり、図3は本例の画像形成装置におけるブレードの構成を示す平面図である。図2及び図3における矢印Rは、感光体41の回転方向を示す。
【0013】
1−1.画像形成装置の構成例
[画像形成装置]
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。この画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ベルト50と、2次転写部70と、定着部80を有する。
【0014】
原稿搬送部10は、原稿をセットする原稿給紙台11と、複数のローラ12とを有している。原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラ12によって、画像読取部30の読取位置に1枚ずつ搬送される。画像読取部30は、原稿搬送部10により搬送された原稿G又は原稿台13に載置された原稿の画像を読み取って、画像信号を生成する。
【0015】
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙Sのサイズや種類に応じて複数設けられている。この用紙Sは、給紙部21により給紙されて搬送部23に送られ、搬送部23によって転写位置である2次転写部70に搬送される。また、用紙収納部20の近傍には、手差部22が設けられている。この手差部22からは、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。
【0016】
画像読取部30と用紙収納部20との間には、画像形成部40と中間転写ベルト50が配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー像を形成するために、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを有する。
【0017】
第1の画像形成ユニット40Yは、イエローのトナー像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mは、マゼンダのトナー像を形成する。また、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー像を形成する。これら4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
【0018】
図1及び図2に示すように、第1の画像形成ユニット40Yは、ドラム状の感光体41と、感光体41の周囲に配置された帯電部42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45と、潤滑剤塗布部46と、ブレード66と、を有している。感光体41は、不図示の駆動モータによって回転する。この感光体41は、不図示の保持部材により保持される。
【0019】
図3に示すように、帯電部42は、感光体41の軸方向に沿って配置される。ここで、帯電部42における感光体41の軸方向に沿う方向を、帯電部42における幅方向と定義する。そして、帯電部42における幅方向の長さをUとする。
【0020】
帯電部42は、感光体41に電荷を与え感光体41の表面を一様に帯電する。また、帯電部42における感光体41の回転方向上流側の端部には帯電始端部42Aが形成され、帯電部42における感光体41の回転方向下流側の端部には帯電終端部42Bが形成される。
【0021】
図2に示すように、帯電部42は、グリッド42Cを有する。グリッド42Cは、格子状の薄板に形成されている。このグリッド42Cは、感光体41の表面に対向して配置され、感光体41の表面に近接している。
【0022】
図1に示すように、露光部43は、原稿Gから読み取られた画像データ又は外部装置から送信された画像データに基づいて、感光体41の表面に対して露光操作を行い、感光体41上に静電潜像を形成する。
【0023】
現像部44は、感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面は、イエローのトナー像が形成される。なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。
【0024】
クリーニング部45は、感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。また、図2に示すように、潤滑剤塗布部46は、感光体41の表面に潤滑剤61を塗布する。さらに、ブレード66は、感光体41の表面に塗布された潤滑剤61を均す。なお、潤滑剤塗布部46及びブレード66の詳細については、後述する。
【0025】
図1に示すように、感光体41上に付着したトナーは、中間転写体の一例を示す中間転写ベルト50に転写される。中間転写ベルト50は、無端状に形成されており、不図示の駆動モータで感光体41の回転方向とは逆方向に回転駆動する。中間転写ベルト50における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体41と対向する位置には、1次転写部51が設けられている。この1次転写部51は、中間転写ベルト50にトナーと反対の極性を印加させることで、感光体41上に付着したトナーを中間転写ベルト50に転写する。
【0026】
そして、中間転写ベルト50が回転駆動することで、中間転写ベルト50の表面には、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト50上には、イエロー、マゼンダ、シアン及びブラックのトナー像が重なり合いカラー画像が形成される。
【0027】
中間転写ベルト50の近傍で、かつ搬送部23の用紙搬送方向下流には、2次転写部70が配置されている。2次転写部70は、搬送部23によって送られてきた用紙S上に中間転写ベルト50に形成されたカラー画像を転写する。
【0028】
2次転写部70における用紙Sの排出側には、定着部80が設けられている。この定着部80は、用紙Sを加圧及び加熱して、転写されたトナー像を用紙Sに定着させる。
【0029】
定着部80の用紙搬送方向下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部80を通過した用紙Sの搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、用紙Sを直進させる。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。また、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙Sを下方に案内する。
【0030】
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転して上方に搬送する。これにより、表裏が反転された用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。
両面画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転し、再給紙路27により再び転写位置へ送られる。
【0031】
一対の排紙ローラ25の下流側に、用紙Sを折ったり、用紙Sに対してステープル処理等を行ったりする後処理装置を配置してもよい。
【0032】
[潤滑剤塗布部]
次に、潤滑剤塗布部46について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、画像形成部40における感光体41の周囲には、潤滑剤塗布部46が設けられている。図2に示すように、潤滑剤塗布部46は、クリーニング部45と帯電部42の間に設置される。潤滑剤塗布部46は、潤滑剤61と、潤滑剤塗布部材62と、潤滑剤保持部材63と、バネ64と、中空のハウジング65とから構成されている。
【0033】
ハウジング65には、潤滑剤61と、潤滑剤塗布部材62と、潤滑剤保持部材63と、バネ64が収納されている。このハウジング65における感光体41と対向する側には、開口部が設けられている。
【0034】
潤滑剤61は、棒状に形成されている。潤滑剤61は、感光体41の軸方向と平行に配置される。潤滑剤61としては、例えばステアリン酸亜鉛を主成分と潤滑油添加剤を溶解した後、冷却固化させたもの等が用いられる。潤滑剤61は、潤滑剤保持部材63により保持されている。潤滑剤61と感光体41の間には、潤滑剤塗布部材62が配置される。
【0035】
潤滑剤塗布部材62は、ブラシ状のローラにより形成されている。図3に示すように、潤滑剤塗布部材62は、感光体41の軸方向に沿って配置される。ここで、潤滑剤塗布部材62における感光体41の軸方向に沿う方向を、潤滑剤塗布部材62における幅方向と定義する。そして、潤滑剤塗布部材62における幅方向の長さをTとする。
【0036】
図2に示すように、潤滑剤塗布部材62は、感光体41と潤滑剤61に接触する。潤滑剤塗布部材62は、不図示のモータの駆動により回転する。潤滑剤塗布部材62が回転することで、潤滑剤塗布部材62は、ブラシ毛により潤滑剤61を掻き取る。そして、潤滑剤塗布部材62のブラシ毛は、潤滑剤61を掻き取って得られた潤滑粉61Aを感光体41の表面に当接させて塗布する。
【0037】
潤滑剤保持部材63は、潤滑剤61を保持する。潤滑剤保持部材63の一端部には、軸部63Aが取り付けられている。軸部63Aは、潤滑剤保持部材63の他端部を回動可能に支持している。また、潤滑剤保持部材63における潤滑剤61が保持されている一面と反対側の他面には、バネ64が当接する。
【0038】
バネ64は、潤滑剤保持部材63とハウジング65の間に配置される。バネ64の一端は潤滑剤保持部材63に取り付けられ、バネ64の他端はハウジング65に取り付けられている。
【0039】
バネ64は、その弾性力によって、潤滑剤保持部材63を潤滑剤塗布部材62側に付勢する。バネ64が潤滑剤保持部材63を潤滑剤塗布部材62側に付勢することで、バネ64が潤滑剤保持部材63を介して潤滑剤61を潤滑剤塗布部材62に押し当てることができる。また、バネ64の付勢力を調整することで、潤滑剤61の供給量を調整することができる。
【0040】
[ブレード]
次に、ブレード66について、図2及び図3を参照して説明する。
図2に示すように、潤滑剤塗布部材62よりも感光体41の回転方向の下流側には、ブレード66とブレード保持部材67が設けられている。ブレード保持部材67は、感光体41の表面に対して、ブレード66を所定の角度で傾斜させて保持する。
【0041】
ブレード66は、板状に形成された部材である(図3参照)。このブレード66は、例えばウレタンゴムやシリコーンゴム等の弾性体で形成されている。ブレード66は、感光体41の表面に当接して摺擦する。これにより、ブレード66は、感光体41の表面に塗布された潤滑粉61Aを均すことができる。潤滑粉61Aがブレード66により均されると、感光体41の表面には潤滑粉61Aの層が形成される。ここで、図2及び図3に示すように、ブレード66における感光体41の軸方向に沿う方向をブレード66の幅方向と定義する。そして、ブレード66における幅方向の長さをLとする。
【0042】
図3に示すように、ブレード66における幅方向の長さLは、潤滑剤塗布部材62の幅方向の長さTよりも長く設定されている。そのため、ブレード66の幅方向の長さLは、潤滑剤塗布部材62が感光体41の表面に潤滑粉61Aを塗布する部分の幅よりも長く設定される。これにより、ブレード66は、潤滑剤塗布部材62が感光体41の表面に塗布した潤滑粉61Aを漏れなく均すことができる。
【0043】
また、ブレード66の幅方向の長さLは、帯電部42の幅方向の長さUよりも長く設定されている。そのため、ブレード66の幅方向の両端部は、帯電部42の幅方向の両端よりも感光体41の軸方向に突出する。ブレード66の幅方向の両端部には、シール部68が設けられている。
【0044】
シール部68は、略長方形状のシート部材によって形成されている。シール部68は、ブレード66と同様に、ウレタンゴムやシリコーンゴム等の弾性体により形成されている。シール部68の長手方向の一側には、基端部68Aが形成され、シール部68の長手方向の他側には、先端部68Bが形成される。
【0045】
シール部68の基端部68Aは、ブレード66の幅方向の両端部に接続している。シール部68は、先端部68Bが帯電部42の帯電始端部42Aよりも感光体41の回転方向下流側に位置するように、感光体41の回転方向に沿って設けられている。そして、シール部68は、感光体41の表面に接触している(図2参照)。感光体41の軸方向において、ブレード66の幅方向の両端部が帯電部42の幅方向の両端部よりも突出しているため、シール部68は帯電部42を挟むように設置される。
【0046】
1−2.画像形成装置の動作
次に、本例の画像形成装置1の動作について、図2及び図4を参照して説明する。
図4は、本例の画像形成装置におけるシール部から潤滑剤が漏れ出る様子を示す説明図である。図4中の矢印Rは、感光体41の回転方向を示す。
【0047】
図2に示すように、まず、潤滑剤塗布部材62は、回転して、潤滑剤61を掻き取る。そして、潤滑剤塗布部材62は、掻き取って得られた潤滑粉61Aを感光体41の表面に塗布する。
【0048】
このとき、感光体41がすでに回転駆動している。この感光体41が回転駆動することで、潤滑剤塗布部材62により掻き取られた潤滑粉61Aが感光体41の全周に渡って塗布される。また、感光体41が回転駆動することで、ブレード66は、感光体41の表面を摺擦する。これにより、感光体41の表面に塗布された潤滑粉61Aが均される。
【0049】
次いで、潤滑粉61Aが均されると、感光体41の回転の伴い、潤滑粉61Aは、ブレード66の幅方向の両端部における感光体41への当接力が弱まった部分に移動して溜まる。そして、図4に示すように、ブレード66の幅方向の両端部に溜まった潤滑粉61Aは、シール部68にガイドされて、シール部68の先端部68Bから残留潤滑粉61Bとして漏れ出る。
【0050】
シール部68の先端部68Bが、帯電部42の帯電始端部42Aよりも感光体41の回転方向下流側に位置するため、シール部68の先端部68Bから漏れ出る残留潤滑粉61Bが帯電部42のグリッド42Cに進入することがなくなる。そして、先端部68Bから漏れ出た残留潤滑粉61Bが帯電部42のグリッド42Cに進入しなくなるため、帯電部42のグリッド42Cは、残留潤滑粉61Bにより汚れなくなる。これにより、帯電部42は、感光体41の表面に均一に帯電させることができる。その結果、感光体41に良好な潜像を形成される。
【0051】
<2.第2の実施の形態例>
次に、本発明の画像形成装置にかかる第2の実施の形態例について、図5を参照して説明する。
図5は本発明の第2の実施の形態例にかかる画像形成装置のブレードの構成を示す平面図である。図5中の矢印Rは、感光体41の回転方向を示す。
【0052】
第2の実施の形態例にかかる画像形成装置が第1の実施の形態例にかかる画像形成装置1と異なるところは、シール部の構成である。ここでは、シール部の構成に関連する事項について説明し、第1の実施の形態例にかかる画像形成装置1と共通する部分については説明を省略する。
【0053】
図5に示すように、本発明の第2の実施の形態例にかかる画像形成装置は、ブレード66を有する。ブレード66の幅方向の両端部には、シール部168が設けられている。シール部168は、略長方形状のシート部材により形成されている。シール部168の長手方向の一側には、基端部168Aが形成され、シール部168の長手方向の他側には、先端部168Bが形成されている。
【0054】
シール部168の基端部168Aは、ブレード66の幅方向の両端部に接続している。シール部168は、先端部168Bが帯電部42の帯電終端部42Bよりも感光体41の回転方向下流側に位置するように、感光体41の回転方向に沿って設けられている。そして、シール部168は、図2におけるシール部68と同様に、感光体41の表面に接触する。ブレード66の幅方向の両端部が帯電部42の幅方向の両端部よりも突出しているため、シール部168は帯電部42を挟むように設置される。
【0055】
シール部168の先端部168Bが帯電部42の帯電終端部42Bよりも感光体41の回転方向下流側に位置するため、ブレード66の幅方向の両端部に溜まった潤滑剤は、シール部168の先端部168Bから帯電部42よりも感光体41の回転方向下流側に漏れ出る。これにより、シール部168の先端部168Bから漏れ出た潤滑剤は、帯電部42のグリッド42Cに進入することがなくなる。そして、漏れ出た潤滑剤が帯電部42のグリッド42Cに進入することがなくなることにより、帯電部42のグリッド42Cが汚れなくなり、感光体41の帯電不良を防止することができる。その結果、感光体41に良好な潜像を形成される。
【0056】
なお、シール部168の長手方向の長さは、帯電部42の帯電終端部42Bを超えていればよく、最大で現像部44まで伸ばすことができる。
【0057】
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかる画像形成装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する第2の実施の形態例にかかる画像形成装置によっても、上述した第1の実施の形態例にかかる画像形成装置1と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0058】
<3.第3の実施の形態例>
次に、本発明の画像形成装置にかかる第3の実施の形態例について、図6を参照して説明する。
図6は本発明の第3の実施の形態例にかかる画像形成装置におけるブレードの要部を示す概略構成図であり、図7は本発明の第3の実施の形態例にかかる画像形成装置におけるブレードの構成を示す平面図である。図7における矢印Rは、感光体41の回転方向を示す。
【0059】
第3の実施の形態例にかかる画像形成装置が第2の実施の形態例にかかる画像形成装置と異なるところは、ブレード及びシール部の構成である。ここでは、ブレードとシール部に関連する事項について説明し、第2の実施の形態例にかかる画像形成装置と共通する部分については説明を省略する。
【0060】
図6に示すように、本発明の第3の実施の形態例にかかる画像形成装置は、ブレード266を有する。図6及び図7に示すように、ブレード266の幅方向の両端部には、シール部268が一体となって形成されている。シール部268は、ブレード266の幅方向の両端部から、ブレード266の幅方向と直交する方向に向かって突出して形成される。このシール部268の厚さは、ブレード266の厚さよりも薄く形成される。
【0061】
シール部268は、先端部268Aが感光体41の回転方向下流側に位置するように、感光体41の回転方向に沿って配置される。図6に示すように、シール部268は、感光体41の表面に接触している。そして、図7に示すように、感光体41の軸方向において、ブレード266の幅方向の両端部が帯電部42の幅方向の両端部よりも突出しているため、シール部268は帯電部42を挟んで設置される。
【0062】
シール部268の先端部268Aが帯電部42の帯電終端部42Bよりも感光体41の回転方向下流側に位置することで、ブレード266の幅方向の両端部に溜まった潤滑剤は、シール部268の先端部268Aから、帯電部42よりも感光体41の回転方向下流側に漏れ出る。帯電部42のグリッド42Cに進入することがなくなる。そして、漏れ出た潤滑剤が帯電部42のグリッド42Cに進入することがなくなるため、帯電部42が汚れなくなる。これにより、帯電部42は、感光体41の表面を均一に帯電させることができる。その結果、感光体41に良好な潜像を形成される。
【0063】
本発明の第3の実施の形態例にかかる画像形成装置におけるシール部268は、ブレード266と一体に形成されている。そのため、シール部をブレードに接着するための接着剤や固定するための固定部材が不要となり、ブレードとシール部を容易に形成することができる。
【0064】
その他の構成は、上述した第2の実施の形態例にかかる画像形成装置と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する第3の実施の形態例にかかる画像形成装置によっても、上述した第2の実施の形態例にかかる画像形成装置と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0065】
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0066】
上述した画像形成装置では、4組の画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを用いてカラー画像を形成し、4組の画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kがそれぞれブレードとシール部を有する構成として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明の画像形成装置としては、1つの画像形成ユニットを用いて単色画像を形成し、この画像形成ユニットがブレードとシール部を有する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1・・・画像形成装置、10・・・原稿搬送部、11・・・原稿給紙台、13・・・原稿台、20・・・用紙収納部、21・・・給紙部、22・・・手差部、23・・・搬送部、24・・・切換ゲート、25・・・排紙ローラ、30・・・画像読取部、40・・・画像形成部、40Y,40M,40C,40K・・・画像形成ユニット、41・・・感光体、42・・・帯電部、42A・・・帯電始端部、42B・・・帯電終端部、42C・・・グリッド、43・・・露光部、44・・・現像部、45・・・クリーニング部、46・・・潤滑剤塗布部、50・・・中間転写ベルト、61・・・潤滑剤、61A・・・潤滑粉、61B・・・残留潤滑粉、62・・・潤滑剤塗布部材、63・・・潤滑剤保持部材、64・・・バネ、66,266・・・ブレード、67・・・ブレード保持部材、68,168,268・・・シール部、68A,168A・・・基端部、68B,168B,268A・・・先端部、70・・・2次転写部、80・・・定着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な感光体と、
前記感光体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部と、
前記潤滑剤塗布部よりも前記感光体の回転方向下流側に配置され、前記感光体を帯電させる帯電部と、
前記潤滑剤塗布部と前記帯電部の間に配置され、前記感光体に塗布された前記潤滑剤を均すブレードと、
前記ブレードにおける前記感光体の軸方向の両端部に接続されたシール部と、を備え、
前記シール部の先端部は、少なくとも前記帯電部における前記感光体の回転方向上流側の端部よりも前記感光体の回転方向下流側に配置される
画像形成装置。
【請求項2】
前記シール部の先端部は、前記帯電部における前記感光体の回転方向下流側の端部よりも前記感光体の回転方向下流側に配置される
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シール部は、前記ブレードと一体に形成される
請求項1又は2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−114244(P2013−114244A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263339(P2011−263339)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】