説明

画像形成装置

【課題】拡張部材に対する本体フレームの揺れを抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置は、画像形成部に搬送するための記録シートを収容可能な第1トレイと、前記第1トレイの上部を挟んで対向する一対の本体フレームと、前記第1トレイの下部を挟んで対向するように、前記本体フレームの下に取り付けられる一対の拡張部材200と、前記本体フレームと拡張部材200とを連結する第1連結部(第1ネジS1)と、一対の拡張部材200間に架設されるアンダーバー210と、拡張部材200とアンダーバー210とを連結する第2連結部(第2ネジS2)と、を備える。第1連結部は、1つの拡張部材200に対して複数設けられ、第2連結部を通るとともに第1トレイの着脱方向に平行な仮想線L1の外側と内側に分かれて配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大容量の給紙トレイを装置本体に取り付けるために、装置本体の下部に拡張部材を設けた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通常サイズの給紙トレイを収容するための収容スペースを有する装置本体と、装置本体の下部に取り付けられる拡張部材と、拡張部材で拡張された収容スペース内に配置される大容量の給紙トレイとを備えた画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−323122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した技術では、装置本体を構成する本体フレームが拡張部材の上に置かれているだけであるため、本体フレームに力が加わった場合には、拡張部材に対して本体フレームが揺れてしまい、用紙に形成する画像が乱れるおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、拡張部材に対する本体フレームの揺れを抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、画像形成部に搬送するための記録シートを収容可能な第1トレイと、前記第1トレイの上部を挟んで対向する一対の本体フレームと、前記第1トレイの下部を挟んで対向するように、前記本体フレームの下に取り付けられる一対の拡張部材と、前記本体フレームと前記拡張部材とを連結する第1連結部と、前記一対の拡張部材間に架設されるアンダーバーと、前記拡張部材と前記アンダーバーとを連結する第2連結部と、を備える。
前記第1連結部は、1つの拡張部材に対して複数設けられ、前記第2連結部を通るとともに前記第1トレイの着脱方向に平行な仮想線の外側と内側に分かれて配置される。
【0007】
本発明によれば、本体フレームと拡張部材とが第1連結部で連結されるので、拡張部材に対する本体フレームの揺れを抑えることができる。また、仮想線を基準にして拡張部材がアンダーバーに対して揺れようとしても、仮想線の外側と内側に配置された第1連結部により、拡張部材の揺れを確実に抑えることができる。
【0008】
また、前記アンダーバーを前記着脱方向に間隔を開けて複数設ける場合には、前記第2連結部を前記仮想線上に並べてもよい。
【0009】
これによれば、複数のアンダーバーで拡張部材を連結するので、一対の本体フレームがそれぞれ独立して近接・離間する方向に揺れるのを抑えることができる。また、第2連結部を仮想線上に並べることで、複数のアンダーバーを同形状にすることができ、アンダーバーの製造を容易にすることができる。
【0010】
また、前記第1連結部を、前記第2連結部に対して前記着脱方向の一方側と他方側に分かれて配置してもよい。
【0011】
これによれば、アンダーバーに下向きの力が加わることで第2連結部付近に下向きの力が加わった場合であっても、着脱方向において第2連結部を第1連結部で挟み込むことで、本体フレームと拡張部材とを離れ難くすることができる。
【0012】
なお、前記第1連結部を、前記仮想線に隣接した位置に設けてもよい。
【0013】
また、前記第1連結部を、前記仮想線の内側よりも外側の方が多くなるように配置してもよい。
【0014】
これによれば、外側から本体フレームに力が加わった場合であっても、拡張部材に対して本体フレームが内側に倒れるのを抑えることができる。
【0015】
また、前記拡張部材の下部に、記録シートを収容する第2トレイと、当該第2トレイ内の記録シートを前記画像形成部へ搬送する供給ローラとを備えたシート供給装置を設け、前記拡張部材に、前記本体フレームに設けられる駆動源から伝達されてくる駆動力を前記シート供給装置へ向けて伝達させる伝達機構を設けた場合には、前記第1連結部を、前記伝達機構のうち最も前記本体フレーム側に位置する連結ギヤに対して前記着脱方向の一方側と他方側に分かれて配置してもよい。
【0016】
これによれば、第1連結部によって連結ギヤ周りのフレームの変形を抑えることができるので、連結ギヤと本体フレーム側のギヤとを確実に噛み合せることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、拡張部材に対する本体フレームの揺れを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】小容量の給紙トレイを有するレーザプリンタを示す断面図である。
【図2】大容量トレイを有するレーザプリンタを簡略的に示す説明図(a)と、小容量の給紙トレイを有するレーザプリンタを簡略的に示す説明図(b)である。
【図3】給紙装置が増設されたレーザプリンタの下部を示す断面図である。
【図4】伝達機構を示す断面図である。
【図5】アンダーバーで連結された一対の拡張部材を示す斜視図である。
【図6】本体フレーム、拡張部材およびアンダーバーを分解して示す斜視図である。
【図7】本体フレームと拡張部材の連結構造を示す断面図である。
【図8】アンダーバーで連結された一対の拡張部材を下から見上げた図である。
【図9】本体フレームと拡張部材の各手掛け部を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<レーザプリンタの全体構成>
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、一般的なレーザプリンタの全体構成を説明した後、本発明に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタについて詳細に説明することとする。
【0020】
以下の説明において、方向は、レーザプリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前側(手前側)」、紙面に向かって左側を「後側(奥側)」とし、紙面に向かって奥側を「右側」、紙面に向かって手前側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0021】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、装置本体2と、記録シートの一例としての用紙Pを画像形成部4に給紙するためのフィーダ部3と、用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
【0022】
装置本体2は、左右一対の本体フレーム21と、各本体フレーム21の上部を連結する上パネル22と、各本体フレーム21に対して回動可能に設けられるフロントカバー23とを備えている。上パネル22には、装置本体2外に排出される用紙Pを載置するための排紙トレイ22Aが形成されている。
【0023】
フィーダ部3は、装置本体2内の下部に設けられ、前側から着脱可能に装着される給紙トレイ31と、給紙トレイ31内に設けられた圧板32とを備えている。また、フィーダ部3は、給紙トレイ31内に積載される用紙Pの前端部の上方に設けられる供給ローラ33と、供給ローラ33に対して用紙Pの搬送方向下流側に設けられる分離ローラ34および分離パッド35とを備えている。なお、供給ローラ33および分離ローラ34は、ひとつの部材(符号略)に支持され、それぞれ回転可能に設けられている。
【0024】
また、供給ローラ33は、分離ローラ34を中心として回動可能に設けられている。そして、圧板32は、後端32Aを中心として前端32Bが供給ローラ33に向けて回動可能となるように給紙トレイ31に支持されている。さらに、フィーダ部3は、分離ローラ34の搬送方向下流側に設けられる紙粉取りローラ36Aと、紙粉取りローラ36Aに対向する搬送ローラ36Bと、紙粉取りローラ36Aの搬送方向下流側に設けられる一対のレジストローラ37とを備えている。
【0025】
また、給紙トレイ31は、本体フレーム21に対して前後方向に着脱可能となっている。なお、供給ローラ33、分離ローラ34および搬送ローラ36Bは、装置本体2に保持されているが、分離パッド35および紙粉取りローラ36Aは、給紙トレイ31に保持されている。そのため、給紙トレイ31を取り外したときには、分離ローラ34と分離パッド35との間のニップ、および、紙粉取ローラ36Aと搬送ローラ36Bとの間のニップが開放される。
【0026】
そして、このように構成されるフィーダ部3では、給紙トレイ31内の用紙Pが、圧板32が回動することによって供給ローラ33に付勢され、この供給ローラ33で送り出されて分離ローラ34および分離パッド35で分離される。その後、用紙Pは、各種ローラ36,37を通った後一枚ずつ画像形成部4に搬送される。
【0027】
画像形成部4は、スキャナユニット5と、プロセスカートリッジ6と、定着装置7とを備えている。
【0028】
スキャナユニット5は、装置本体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部と、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。このスキャナユニット5では、レーザビームを、後述する感光ドラム61の表面上に高速走査にて照射する。
【0029】
プロセスカートリッジ6は、フロントカバー23の開放により形成される開口を通して装置本体2に着脱可能であり、感光ドラム61と、転写ローラ62と、符号を省略して示す帯電器、現像ローラ、層厚規制ブレードおよびトナー収容室とを備えている。
【0030】
このプロセスカートリッジ6では、回転する感光ドラム61の表面が、帯電器により一様に帯電された後、スキャナユニット5からのレーザビームの高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、感光ドラム61の表面に画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0031】
次いで、トナー収容室内のトナーが現像ローラによって感光ドラム61の静電潜像に供給されて、感光ドラム61の表面上にトナー像が形成される。その後、感光ドラム61と転写ローラ62の間で用紙Pが搬送されることで、感光ドラム61上のトナー像が用紙P上に転写される。
【0032】
定着装置7は、符号を省略して示すハロゲンヒータや定着フィルムやニップ板などを備えた加熱ユニット71と、加熱ユニット71のニップ板との間で定着フィルムを挟持する加圧ローラ72とを備えている。そして、このように構成される定着装置7では、用紙P上に転写されたトナーを、用紙Pが加熱ユニット71と加圧ローラ72との間を通過する間に熱定着している。
【0033】
なお、定着装置7で熱定着された用紙Pは、定着装置7の下流側に配設される排紙ローラRに搬送され、この排紙ローラRから排紙トレイ22A上に排出される。
【0034】
<本発明に係るレーザプリンタ>
図2(a)に簡略的に示すように、本発明に係るレーザプリンタ100は、前述したレーザプリンタ1(図2(b)参照)の給紙トレイ31の代わりに当該給紙トレイ31よりも大きな第1トレイの一例としての大容量トレイ110を設けるために、一対の本体フレーム21の下に一対の拡張部材200を設けた構造となっている。すなわち、一対の本体フレーム21の下部に形成される給紙トレイ31の収容空間を大容量トレイ110を収容可能な大きさまで広げるために、一対の本体フレーム21の下に一対の拡張部材200を取り付けている。
【0035】
言い換えると、レーザプリンタ100は、大容量トレイ110と、大容量トレイ110の上部を挟んで対向する一対の樹脂製の本体フレーム21と、大容量トレイ110の下部を挟んで対向する一対の樹脂製の拡張部材200と、を備えている。なお、レーザプリンタ100は、前述したレーザプリンタ1の給紙トレイ31以外の構造(画像形成部4や上パネル22等)も備えている。さらに、拡張部材200および大容量トレイ110の下側には、図3に示すように、増設機構およびシート供給装置の一例としての給紙装置300が設けられている。
【0036】
大容量トレイ110は、前述した給紙トレイ31(図2(b)参照)よりも深く形成されて当該給紙トレイ31よりも多くの用紙Pを収容可能となっており、拡張部材200に対して前後方向に着脱可能となっている。そして、大容量トレイ110には、前述した給紙トレイ31に設けた圧板32、分離パッド35および紙粉取りローラ36Aと略同様の構成が設けられている。なお、図3において、図1と略同様の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。また、図1および図3においては、便宜上、圧板32の動作前後の状態を両方とも図示するものとする。
【0037】
なお、給紙トレイ31は、図6示すように、本体フレーム21の下部において前後方向に延設された第1レールR1の上で案内されることによって、前後方向に着脱可能に移動される。また、大容量トレイ110は、拡張部材200の下部において前後方向に延設された第2レールR2の上に案内されることで、前後方向に着脱可能に移動される。
【0038】
このような構成にすることで、給紙トレイ31を使用する場合と、大容量トレイ110を使用する場合とで、本体フレーム21を共通化することが可能となる。つまり、一般的に使用される給紙トレイ31(例えば、積載最大枚数250枚)用の画像形成装置の需要があるときは、本体フレーム21のみ使用し、大容量トレイ110用(例えば、積載最大枚数500枚)の画像形成装置の需要があるときは、本体フレーム21と拡張部材200とを組み合わせれば良い。
【0039】
図4に示すように、本体フレーム21には、駆動源の一例としてのモータ21Aと、モータ21Aからギヤ21Bを介して駆動力が伝達される本体ギヤ21Cとが設けられている。モータ21Aからの駆動力は、本体ギヤ21Cに伝達される他、図示せぬギヤを介して装置本体2内の機構(例えば感光ドラム61)にも伝達されている。なお、図4では、便宜上、本体フレーム21と拡張部材200との境界を第1分割線LAで示し、拡張部材200と給紙装置300との境界を第2分割線LBで示している。
【0040】
本体ギヤ21Cは、本体フレーム21の下面(第1分割線LA参照)よりも僅かに上方に配置されている。これにより、本体フレーム21を単独で床面に設置した場合(図2(b)に示すように拡張部材200を設けない場合)に、本体ギヤ21Cと床面とが干渉するのを防止することが可能となっている。
【0041】
図5に示すように、一対の拡張部材200は、前後方向に延びる部材であり、前後方向(大容量トレイ110の着脱方向)に間隔を開けて設けられる2つのアンダーバー210によって連結された状態で、一対の本体フレーム21に取り付けられている。具体的には、図7および図8に示すように、本体フレーム21と拡張部材200は、第1連結部の一例としての第1ネジS1によって連結され、一対の拡張部材200間に架設される2つのアンダーバー210は、第2連結部の一例としての第2ネジS2によって拡張部材200の下面に連結されている。これにより、本体フレーム21と拡張部材200とが第1ネジS1で連結されるので、拡張部材200に対する本体フレーム21の揺れを抑えることが可能となっている。また、アンダーバー210で一対の拡張部材200を連結、特に本実施形態では、2つのアンダーバーで連結するので、一対の本体フレーム21がそれぞれ独立して近接・離間する方向に揺れるのを抑えることが可能となっている。
【0042】
また、図7に示すように、拡張部材200には、上方に向かって凹んでいる凹部201が形成されている。その凹部201の上端(底壁)において、第1ネジS1は、拡張部材200と本体フレーム21とを連結している。一方、第2ネジS2は、拡張部材200の下端部において、拡張部材200とアンダーバー210とを連結している。
【0043】
そして、図8に示すように、第1ネジS1は、1つの拡張部材200に対して複数設けられ、後側の第2ネジS2の中心を通るとともに大容量トレイ110の着脱方向(前後方向)に平行な仮想線L1の外側と内側に分かれて配置されている。詳しくは、複数の第1ネジS1の中心がそれぞれ仮想線L1に対して左側と右側とに位置するように、第1ネジS1が配置されている。
【0044】
これにより、仮想線L1を基準にして拡張部材200がアンダーバー210に対して左右に揺れようとしても、仮想線L1の左右両側に配置された第1ネジS1により、拡張部材200の揺れを確実に抑えることが可能となっている。
【0045】
また、各拡張部材200に対して2つずつ設けられる第2ネジS2は、仮想線L1上に並んでいる。詳しくは、前側の第2ネジS2が、仮想線L1に重なるように配置されている。これにより、2つのアンダーバー210を共通部品にすることができ、アンダーバー210の製造を容易にすることが可能となっている。
【0046】
また、前後に並ぶ2つの第1ネジS1(例えば、左側の拡張部材200の前側に設けられる2つの第1ネジS1)は、1つの第2ネジS2に対して前側と後側(着脱方向の一方側と他方側)に分かれて配置されている。これにより、アンダーバー210に下向きの力が加わることで第2ネジS2付近に下向きの力が加わった場合であっても、第2ネジS2の前後を第1ネジS1で挟み込むことで、本体フレーム21と拡張部材200とを離れ難くすることが可能となっている。
【0047】
また、各第1ネジS1は、仮想線L1に隣接した位置に設けられている。特に、左側の拡張部材200の後側に設けられる2つの第1ネジS1と、右側の拡張部材200の最も後側に設けられる1つの第1ネジS1は、仮想線L1に重なるように仮想線L1に近付けられている。
【0048】
また、各拡張部材200に対して設けられる3つの第1ネジS1は、仮想線L1の内側よりも外側の方が多くなるように配置されている。これにより、左右方向外側から本体フレーム21に力が加わった場合であっても、本実施形態と第1ネジS1の総数は同じで、かつ、仮想線L1よりも内側に第1ネジS1を多く配置する構造に比べ、拡張部材200に対して本体フレーム21が内側に倒れるのを抑えることが可能となっている。
【0049】
また、第1ネジS1は、後述する伝達機構220のうち最も本体フレーム21側に位置する連結ギヤの一例としての揺動ギヤ222(図5参照)に対して前側と後側に分かれて配置されている。これにより、第1ネジS1によって揺動ギヤ222周りのフレームの変形を抑えることができるので、揺動ギヤ222と後述する本体ギヤ21C(図4参照)とを確実に噛み合せることが可能となっている。
【0050】
図4および図5に示すように、拡張部材200には、本体ギヤ21Cと噛合することで、モータ21Aからギヤ21Bおよび本体ギヤ21Cを介して伝達されてくる駆動力を当該拡張部材200の下に取り付けられる給紙装置300へ向けて伝達させる伝達機構220が設けられている。これにより、給紙装置300を拡張部材200の下に取り付けると、本体フレーム21に設けられるモータ21Aからの駆動力をギヤ21B、本体ギヤ21Cおよび伝達機構220を介して給紙装置300に伝達することができるので、本体フレーム21内の機構と給紙装置300とを共通のモータ21Aで駆動することが可能となっている。
【0051】
具体的に、伝達機構220は、中心ギヤ221と、当該中心ギヤ221に噛み合うとともに当該中心ギヤ221を中心に揺動しながら回転する揺動ギヤ222と、中心ギヤ221の回転軸221Aと揺動ギヤ222の回転軸222Aを連結する揺動アーム223とを備えている。回転軸222Aは、揺動ギヤ222の回転中心を通る軸部であり、本実施形態では、揺動ギヤ222の中心に形成された孔を貫通し、両端が揺動アーム223にかしめにより固定されている。
【0052】
そして、揺動ギヤ222(詳しくは、揺動ギヤ222の回転軸222A)は、拡張部材200が本体フレーム21に取り付けられていない状態において、拡張部材200の上面よりも上方に突出する位置に位置するように、コイルバネ224によって付勢されている。
【0053】
これにより、拡張部材200を本体フレーム21へ組み付けるときに、拡張部材200の上面よりも上方に位置する揺動ギヤ222の回転軸222Aが本体フレーム21と干渉して移動が止められることで揺動ギヤ222が揺動するので、揺動ギヤ222と本体ギヤ21Cのピッチを調整することが可能となっている。
【0054】
また、拡張部材200には、本体フレーム21からの電力を、給紙装置300に伝達させるための導電部材230が設けられている。具体的に、導電部材230は、その上端が本体フレーム21に設けられた制御装置400に接続される本体側導電部材430に接続されるとともに、その下端が、給紙装置300に設けられた後述する電磁クラッチ325に接続される給紙装置側導電部材330に接続されている。なお、制御装置400は、図示せぬ配線を介して外部電源に接続されている。
【0055】
これにより、給紙装置300の電磁クラッチ325を、本体フレーム21側の制御装置400を用いて制御することができるので、制御装置400の共用化によりコストを低減することが可能となっている。なお、各導電部材230,330,430は、例えば、2つの端子とハーネスで構成してもよいし、プリント配線により構成してもよい。
【0056】
また、図6に示すように、本体フレーム21と拡張部材200には、本体フレーム21に対して拡張部材200を位置決めするための本体側凹部21Dと拡張部材側凸部240が設けられている。本体側凹部21Dは、丸穴形状であり、本体フレーム21の下面の前端部と後端部とに1つずつ設けられている。
【0057】
拡張部材側凸部240は、略円筒形状であり、2つの本体側凹部21Dに対して同軸上に配置されるように、拡張部材200の上面の前端部と後端部とに1つずつ設けられている。また、拡張部材側凸部240は、図4に示すように、前述した伝達機構220よりも上方に突出するように形成されている。
【0058】
そして、本体ギヤ21Cと伝達機構220は、前後に並ぶ2つの拡張部材側凸部240の間に設けられている。これにより、拡張部材200を本体フレーム21に取り付ける際に、拡張部材200が一方の拡張部材側凸部240を基点にして他方の拡張部材側凸部240から離れる方向に傾いた場合であっても、伝達機構220が本体フレーム21に当接しないので、伝達機構220の損傷を抑えることが可能となっている。
【0059】
また、本体ギヤ21Cと伝達機構220は、前側の拡張部材側凸部240付近に設けられている。これにより、伝達機構220を本体ギヤ21Cに精度よく連結させることが可能となっている。
【0060】
また、拡張部材200と給紙装置300には、拡張部材200に対して給紙装置300を位置決めするための位置決め部としての拡張部材側凹部241と給紙装置側凸部340が設けられている。拡張部材側凹部241は、本体側凹部21Dと同径の丸穴であり、拡張部材側凸部240に対して同軸上に配置されるように、各拡張部材200の下面の前端部と後端部とに1つずつ設けられている(1つのみ図示)。
【0061】
給紙装置側凸部340は、拡張部材側凸部240と同径の略円筒形状であり、合計4つの拡張部材側凹部241に対して同軸上に配置されるように、給紙装置300の上面の前端部と後端部とに2つずつ設けられている(1つのみ図示)。これにより、給紙装置300を、拡張部材200に対して位置決めして取り付けることができるとともに、本体フレーム21に対しても位置決めして取り付けることが可能となっている。
【0062】
また、給紙装置側凸部340は、後述する供給装置側伝達機構320の揺動ギヤ322よりも上方に突出するように形成されている。そして、伝達機構220と揺動ギヤ322は、2つの給紙装置側凸部340の間、詳しくは前側の給紙装置側凸部340付近に設けられている。これにより、揺動ギヤ322の損傷を抑えるとともに、揺動ギヤ322を伝達機構220や本体ギヤ21Cに精度よく連結させることが可能となっている。
【0063】
また、図5に示すように、拡張部材200の最下部には、レーザプリンタ100を持ち運ぶ際にユーザの手を引っ掛けるための手掛け部250が設けられている。手掛け部250は、上方および左右方向内側に凹むように形成され、図9に示すように、本体フレーム21の最下部に形成される凹状の本体側手掛け部21Eと前後左右方向において同じ位置に設けられている。
【0064】
具体的には、手掛け部250の上部には、上方へ突出する突出部251が形成されている。突出部251は、本体側手掛け部21E内に入り込んで、本体側手掛け部21Eの上面に近接する大きさで形成されている。
【0065】
これにより、小容量用のレーザプリンタ1を持ち上げるのと同様のバランスの良さでレーザプリンタ100を持ち上げることが可能となっている。
【0066】
図3に示すように、給紙装置300は、用紙Pを収容する第2トレイの一例としての第2給紙トレイ310と、前述した大容量トレイ110に設けた圧板32、供給ローラ33、分離ローラ34、分離パッド35、紙粉取りローラ36Aおよび搬送ローラ36Bと略同様の構成を備えている。詳しく述べると、給紙トレイ310は、前後方向に対して着脱可能に設けられており、圧板32、分離パッド35および紙粉取りローラ36Aを備えている。また、給紙装置300(給紙トレイ310を支持する筐体)には、供給ローラ33、分離ローラ34および搬送ローラ36Bが設けられている。
【0067】
そして、この給紙装置300では、第2給紙トレイ310内の用紙Pを各種ローラ33,34,36A,36Bで上方に搬送することで、用紙Pが大容量トレイ110の紙粉取りローラ36Aおよび搬送ローラ36Bを介して画像形成部4へ搬送される。詳しく述べると、大容量トレイ110には、前側付近において用紙Pを搬送するための搬送ガイド111が形成されている。給紙装置300の第2給紙トレイ310に積載された用紙Pは、この搬送ガイド111を通って、大容量トレイ110の紙粉取りローラ36Aおよび搬送ローラ36Bへ搬送される。
【0068】
そして、図4に示すように、給紙装置300には、伝達機構220と噛合し、モータ21Aからの駆動力を供給ローラ33に伝達する供給装置側伝達機構320が設けられている。これにより、給紙装置300に別個モータを設けることなく、供給ローラ33を作動させることが可能となっている。
【0069】
また、供給装置側伝達機構320は、圧板32を上下動させる駆動機構350に連結されている。これにより、本体フレーム21内のモータ21Aで給紙装置300内の圧板32も駆動することが可能となっている。
【0070】
具体的に、供給装置側伝達機構320は、伝達機構220における中心ギヤ221および揺動ギヤ222と略同様の構造となる中心ギヤ321および揺動ギヤ322を備えている。また、供給装置側伝達機構320は、中心ギヤ321から駆動機構350へ駆動力を伝達させるためのギヤ323(1つのみ図示)と、中心ギヤ321から供給ローラ33に駆動力を伝達させるためのギヤ324および電磁クラッチ325を備えている。
【0071】
そして、電磁クラッチ325が本体フレーム21内の制御装置400で制御されることで、モータ21Aの駆動力が給紙装置300内の供給ローラ33に供給・遮断されるようになっている。
【0072】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、スキャナユニット5と、プロセスカートリッジ6と、定着装置7とを備える画像形成部4を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばLEDヘッドを用いた画像形成部や、感光ベルトを用いた画像形成部や、加熱ローラを用いた画像形成部などを採用してもよい。
【0073】
前記実施形態では、記録シートの一例として、厚紙、はがき、薄紙などの用紙Pを採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
【0074】
前記実施形態では、増設機構として給紙装置300を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えば拡張部材であってもよい。すなわち、前述した拡張部材200の下に同様の拡張部材200を1つまたは複数設け、その下に給紙装置300を設けてもよい。
【0075】
前記実施形態では、中心ギヤ221の回転軸と揺動ギヤ222の回転軸を連結する揺動アーム223によって揺動ギヤ222を揺動させたが、本発明はこれに限定されず、例えば揺動ギヤを円弧状の溝に沿って揺動させてもよい。
【0076】
前記実施形態では、位置決め部として本体側凹部21Dおよび拡張部材側凸部240を採用したが、本発明はこれに限定されず、凹凸関係を逆にしてもよい。
【0077】
また、前記実施形態では、本体側凹部21Dおよび拡張部材側凸部240は、本体フレーム21および拡張部材200の前端部と後端部とに1つずつ設けられているが、本発明はこれに限らず、例えば、1つだけ設けられていてもよく、また、3つ以上設けられていてもよい。
【0078】
前記実施形態では、アンダーバー210は、拡張部材200の前端部および後端部にそれぞれ1つずつ設けられているが、本発明はこれに限らず、例えば前端部にひとつだけ設けてもよい。また、例えば、中央部にひとつだけ設けられていてもよい。
【0079】
前記実施形態では、前後に並ぶ2つの第1ネジS1は、1つの第2ネジS2に対して前側と後側に分かれて配置されているが、本発明はこれに限らず、例えば、1つの第2ネジS2に対して後側(前側)にのみ配置されていてもよい。
【0080】
前記実施形態では、各拡張部材200に対して設けられる3つの第1ネジS1は、仮想線L1の内側よりも外側の方が多くなるように配置されているが、本発明はこれに限らず、例えば、仮想線L1の外側よりも内側の方が多くなるように配置してもよい。
【0081】
前記実施形態では、揺動ギヤ222と回転軸222Aとを別体として構成したが、本発明はこれに限定されず、回転軸が揺動ギヤ222に一体に形成されていてもよい。また、前記実施形態では、回転軸222Aが本体フレーム21に接触することとしたが、本発明はこれに限定されず、揺動ギヤの回転中心を通る軸部の移動が本体フレームで規制されればよい。例えば、揺動ギヤの軸部を回転可能に支持する軸受が本体フレームと接触することで、軸部の移動を規制してもよい。
【0082】
前記実施形態では、レーザプリンタ100に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
【0083】
前記実施形態では、第1連結部および第2連結部としてネジを採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばボルト・ナットなどであってもよい。
【符号の説明】
【0084】
4 画像形成部
21 本体フレーム
100 レーザプリンタ
110 大容量トレイ
200 拡張部材
210 アンダーバー
L1 仮想線
P 用紙
S1 第1ネジ
S2 第2ネジ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部に搬送するための記録シートを収容可能な第1トレイと、
前記第1トレイの上部を挟んで対向する一対の本体フレームと、
前記第1トレイの下部を挟んで対向するように、前記本体フレームの下に取り付けられる一対の拡張部材と、
前記本体フレームと前記拡張部材とを連結する第1連結部と、
前記一対の拡張部材間に架設されるアンダーバーと、
前記拡張部材と前記アンダーバーとを連結する第2連結部と、を備え、
前記第1連結部は、1つの拡張部材に対して複数設けられ、前記第2連結部を通るとともに前記第1トレイの着脱方向に平行な仮想線の外側と内側に分かれて配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記アンダーバーは、前記着脱方向に間隔を開けて複数設けられ、
前記第2連結部は、前記仮想線上に並んでいることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1連結部は、前記第2連結部に対して前記着脱方向の一方側と他方側に分かれて配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1連結部は、前記仮想線に隣接した位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1連結部は、前記仮想線の内側よりも外側の方が多くなるように配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記拡張部材の下部には、記録シートを収容する第2トレイと、当該第2トレイ内の記録シートを前記画像形成部へ搬送する供給ローラとを備えたシート供給装置が設けられ、
前記拡張部材には、前記本体フレームに設けられる駆動源から伝達されてくる駆動力を前記シート供給装置へ向けて伝達させる伝達機構が設けられ、
前記第1連結部は、前記伝達機構のうち最も前記本体フレーム側に位置する連結ギヤに対して前記着脱方向の一方側と他方側に分かれて配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−11747(P2013−11747A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144586(P2011−144586)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】