説明

画像形成装置

【課題】省スペースかつ効果的に画像形成装置の各構成部を冷却する。
【解決手段】露光部3Y,3M,3C,3Kのポリゴンモータ30Y,30M,30C,30Kが収容される突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmは仕切り部材40から現像部側に突出して設置され、突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmが現像部4Y,4M,4C,4Kの少なくとも端部と平面的に重なるように配置される。これにより、露光部3Y,3M,3C,3Kの突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmと現像部4Y,4M,4C,4Kとは、上下方向において交互に配置された構造となるので、効率的に冷却を行うことができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関する。詳しくは、露光部のポリゴンモータ部と現像部とを平面的に見て重なるように配置して冷却を行う冷却領域を集約化することで、ポリゴンモータ部および現像部を省スペースでかつ効率的に冷却するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタやスキャナ、コピー機、ファックス等の機能を兼ねた多機能な画像形成装置が広く使用されている。画像形成部では、色毎に設けられた露光部により対応する色の感光体ドラム上に画像データに応じた潜像を形成した後、この潜像を現像部に収容されたトナーにより現像する。そして、各色の感光体ドラムに形成されたトナー像を中間転写ベルトの画像形成位置に転写した後、給紙トレイから搬送されてくる用紙に中間転写ベルト上のトナー像を転写することにより、用紙上に所定の画像を形成している。
【0003】
ところで、電子写真方式の画像形成装置では、画像形成プロセスで使用される発熱体や摩擦熱を伴う可動部材等により装置内が温度上昇し、この温度上昇により画像形成プロセスに悪影響を与えてしまうという問題がある。例えば、現像部では、トナーとキャリアを含む二成分現像剤を攪拌する攪拌部の軸受部分や、二成分現像剤を薄層するローラ表面部分等において摩擦熱が発生し易くなっており、この摩擦熱によりトナーが溶融してしまうという問題がある。
【0004】
同様に、露光部では、ポリゴンモータを駆動させてポリゴンミラーを高速回転させることで、感光体ドラム上にレーザ光を照射して静電潜像を形成している。このとき、ポリゴンモータは、高速回転するので、ポリゴンモータの負荷が大きくなり温度が上昇し、各露光経路の温度差により露光位置にズレが生じてしまい、色再現性能が変化してしまうという問題もあった。
【0005】
そのため、従来の画像形成装置では、外気を取り入れるための冷却通路を設けたり、送風ファン等の冷却手段を設けることで、装置内の温度上昇の抑制を図っている。例えば、現像部では、現像部の近傍に通路を設け、この通風路から外気を取り入れることで現像部の冷却を行っている。また、露光部では、発熱源となるポリゴンモータを冷却するための専用の通風路を設け、吸気した外気によりポリゴンモータの冷却を行っている。
【0006】
特許文献1には、画像書込部周辺から現像部周辺に向けて送り出される冷却風の流路を形成した画像形成装置が開示されている。詳しくは、装置本体の側面部に3つの吸気ファンを取り付け、吸気した外気をダクトを介して露光装置のポリゴンモータの上下部に送風したり、装置本体の背面部に吸気ファンを取り付け、吸気した外気をダクトを介して露光装置や現像装置に送風することで、冷却風の利用効率の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−343607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来における上記画像形成装置や上記特許文献1に開示される画像形成装置等では以下のような問題がある。すなわち、上記画像形成装置では、現像部および露光部のそれぞれに専用の冷却経路を設けたり、複数のファンや冷却経路を設ける必要があるため、画像形成装置が大型化してしまったり、コストが上がってしまうという問題がある。さらに、上記特許文献1に開示される画像形成装置では、冷却ファンにより吸い込まれた外気を露光部を経由させた後に現像部に送風しているので、温度上昇した空気が現像部に流れることとなってしまい、各構成部を効果的に冷却できないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、省スペースかつ効果的に画像形成装置の各構成部を冷却することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するものであり、ポリゴンモータ部を有し、当該ポリゴンモータ部の駆動により画像データに応じた潜像を像担持体上に形成する露光部と、露光部により形成された潜像をトナーを用いて現像する現像部と、露光部と現像部との間に設けられた仕切り部材とを備え、露光部のポリゴンモータ部は、仕切り部材から現像部側に突出すると共に、現像部の少なくとも一部と平面的に重なるようにして配置されたものである。
【0011】
本発明においては、露光部のポリゴンモータ部を仕切り部材から現像部側に突出させ、露光部のポリゴンモータ部が現像部の少なくとも一部と平面的に見て重なるようにして配置している。そのため、ポリゴンモータ部と現像部とが重なる重畳部に、空気を送風することにより、ポリゴンモータ部および現像部の双方に対して同時に空気を当てることができる。これにより、ポリゴンモータ部および現像部を冷却するためのそれぞれの経路を専用に設ける必要がないため、装置の省スペース化を図ることができると共に、効率的な冷却を実現することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ポリゴンモータ部と現像部とを重ねて配置するので、この重畳部に空気を送風することで、ポリゴンモータ部および現像部の双方に同時に空気を送風することができる。これにより、ポリゴンモータ部および現像部を冷却するためのそれぞれの経路を専用に設ける必要がないため、装置の省スペース化を図ることができると共に、効率的な冷却を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】露光部および現像部の構成例を模式的に示す図である。
【図3】図3に示す露光部および現像部のA−A線に沿った断面図である。
【図4】画像形成装置のブロック構成例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の冷却部の構成例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、本欄の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や、用語の意味等を限定するものではない。
【0015】
<1.第1の実施の形態>
[カラー画像形成装置の構成例]
本発明の第1の実施の形態に係るカラー画像形成装置100は、露光部3Y,3M,3C,3Kのポリゴンモータ30Y,30M,30C,30Kが収容された突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmと現像部4Y,4M,4C,4Kとを上下方向に交互に重複させて配置することで、外気を当てる冷却領域の省スペース化を図り、効率的かつ低コストで熱源の冷却を行うものである。
【0016】
カラー画像形成装置100は、図1に示すように、タンデム型の画像形成装置と称されるものであり、自動原稿搬送部101と装置本体部102とを備えている。自動原稿搬送部101は、装置本体部102の上部に取り付けられ、搬送台上にセットされた用紙Pを搬送ローラ等により装置本体部102に送り出す。
【0017】
装置本体部102は、画像読取部110と画像形成部60と中間転写ベルト8と定着装置24とを有している。画像読取部110は、原稿台上に載置された原稿を走査露光装置の光学系により走査露光し、CCDイメージセンサにより走査した原稿の画像を光電変換して画像情報信号を生成する。画像情報信号は、図示しない画像処理部によりアナログ処理、アナログ/ディジタル(以下A/Dという)変換処理、シューディング補正、画像圧縮処理等行われた後に、画像形成部60に出力される。
【0018】
画像形成部60は、電子写真方式により画像を形成するものであり、イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yと、マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mと、シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cと、黒(K)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kとを有している。この例では、それぞれ共通する機能名称、例えば、符号10の後ろに形成する色を示すY,M,C,Kを付して表記する。
【0019】
画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Yと、その周囲に配置される帯電部2Y、露光部(光書込み部)3Y、現像部4Yおよびクリーニング部6Yとを有している。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1Mと、その周囲に配置される帯電部2M、露光部3M、現像部4Mおよびクリーニング部6Mとを有している。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1Cと、その周囲に配置される帯電部2C、露光部3C、現像部4Cおよびクリーニング部6Cとを有している。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1Kと、その周囲に配置される帯電部2K、露光部3K、現像部4Kおよびクリーニング部6Kとを有している。
【0020】
本発明において、露光部3Y,3M,3C,3Kを構成するポリゴンモータ30Y,30M,30C,30Kが収容された突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Km(図2および図4参照)は、現像部4Y,4M,4C,4Kの一部に平面的に重なるように配置されている。詳細については後述する。
【0021】
装置本体部102の側端部であって、露光部3Y,3M,3C,3Kのそれぞれに隣接した位置には、各色のトナーが収容された略円筒状のトナーボトル12Y,12M,12C,12Kを収容するためのトナー収容部11Y,11M,11C,11Kが設けられている。各色のトナーボトル12Y,12M,12C,12Kは、トナー収容部11Y,11M,11C,11Kのそれぞれに挿脱可能に装着される。各トナーボトル12Y,12M,12C,12Kに収容されたトナーは、図示しない搬送部を介して対応する現像部4に供給される。
【0022】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにおけるそれぞれの感光体ドラム(像担持体)1Y,1M,1C,1K、帯電部2Y,2M,2C,2K、露光部3Y,3M,3C,3K、現像部4Y,4M,4C,4K、クリーニング部6Y,6M,6C,6Kは、それぞれ共通する内容の構成である。以下、特に、区別が必要な場合を除き、Y,M,C,Kを付さずに表記することとする。
【0023】
帯電部2は、感光体ドラム1の表面をほぼ一様に帯電する。露光部3は、例えばポリゴンミラー方式のレーザ露光走査装置により構成され、画像情報信号に基づいて感光体ドラム1上をレーザ光により走査して静電潜像を形成する。現像部4は、感光体ドラム1上に形成された静電潜像をトナーにより現像する。これにより、感光体ドラム1上に可視画像であるトナー画像が形成される。
【0024】
中間転写ベルト8は、複数のローラにより張架されると共に走行可能に支持されている。一次転写ローラ5が動作すると、中間転写ベルト8が走行し、中間転写ベルト8の画像転写位置に各感光体ドラム1に形成されたトナー像が転写される(一次転写)。
【0025】
給紙部20は、A3やA4等の各用紙サイズが収容された複数の給紙トレイを有している。各給紙トレイから搬送ローラ21,22A,22B,22C等によって搬送された用紙Pは、レジストローラ23によって斜行等が補正された後に所定のタイミングで2次転写部に搬送される。2次転写部では、中間転写ベルト8の画像形成位置に転写されたカラー画像が、給紙部20から搬送されてくる用紙Pの表面に一括転写される(2次転写)。2次転写された用紙Pは、定着装置24に搬送される。
【0026】
定着装置24は、カラー画像が転写された用紙Pを加熱、加圧処理することによりカラー画像を用紙P上に定着させる。定着装置24により定着処理された用紙Pは、排紙ローラ25を経由して排紙トレイ26上に排出される。また、カラー画像形成装置100は、両面印刷等を行うための用紙反転部27を備えており、定着装置24により定着処理された用紙Pを用紙反転部27に導いて表裏を反転して再度2次転写部に搬送し、用紙Pの裏面側にカラー画像等を形成する。
【0027】
[露光部および現像部の構成例]
図2は、露光部3Y,3M,3C,3Kおよび現像部4Y,4M,4C,4Kの配置構成の一例を示している。図3は、図2に示す露光部3および現像部4の重畳部R上のA−A線に沿った断面図の構成の一例を示している。なお、図2では、冷却部200Aを便宜上省略して図示している。また、図3において、右側がカラー画像形成装置100の正面側であり、左側がカラー画像形成装置100の背面側を示している。
【0028】
図2に示すように、露光部3Y,3M,3C,3Kと現像部4Y,4M,4C,4Kとの間には、仕切り部材40が介挿されている。仕切り部材40は、例えば金属材料や樹脂材料からなる平板であって、露光部3Y,3M,3C,3Kが配置される空間部と現像部4Y,4M,4C,4Kが配置される空間部とを仕切る機能と共に露光部3Y,3M,3C,3Kの位置決めとしての機能も有している。これにより、露光部3Y,3M,3C,3Kや現像部4Y,4M,4C,4Kで発生した熱や塵が隣接する空間部に伝達または搬送されるのを防止できるようになる。仕切り部材40は、部屋となるように構成しても良い。
【0029】
仕切り部材40には、後述する露光部3Y,3M,3C,3Kの突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmを挿通するための複数の開口部40Y,40M,40C,40Kが穿設されている。開口部40Y,40M,40C,40Kのそれぞれは、露光部3Y,3M,3C,3Kを仕切り部材40に取り付けたときに、露光部3Y,3M,3C,3Kのレーザ光の射出口が感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kと対向するような位置に形成されている。
【0030】
露光部3Y,3M,3C,3Kは、ポリゴンミラー、ポリゴンモータ、レーザ発振器、コリメートレンズおよびこれらの構成部材を収容する筐体32Y,32M,32C,32K等を備えている。なお、以下では、イエロー色の露光部3Y,現像部4Yについて説明する。マゼンダ色の露光部3M,現像部4M、シアン色の露光部3C,現像部4C、ブラック色の露光部3K,現像部4Kについては、露光部3Y,現像部4Yと同一構成、機能を有するので説明を省略する。筐体32Yは、略矩形状をなす箱体であって、その現像部4Y側の下部に現像部4Y側に突出した突出部3Ymを有している。この突出部3Ymの内部には、ポリゴンモータ30Yが配設されている。
【0031】
露光部3Yの突出部3Ymは、露光部3の取り付け時に仕切り部材40に形成された対応する開口部40Yに挿通され、仕切り部材40の平面部から現像部4側に突出した状態で取り付け、固定される。このとき、突出部3Ymは、現像部4Y,4M間であって、現像部4Yの露光部3Y側の端部と平面的に見て重なるようにして配置される。カラー画像形成装置100の正面側から見ると、露光部3Y,3M,3C,3Kの突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmと現像部4Y,4M,4C,4Kの端部とが上下方向(鉛直方向)に沿って交互に配置された状態となる。本例において、露光部3Y,3M,3C,3Kと現像部4Y,4M,4C,4Kとが交互に配置された領域を重畳部R(図2中点線部)と称する。
【0032】
また、図3に示すように、突出部3Ymは、現像部4Y,4Mのそれぞれと所定の間隔(間隙)を隔てて配置されている。これにより、突出部3Ymの上面部と現像部4Yの下面部との間には外気が通過する風路P1が形成され、突出部3Ymの下面部と現像部4Mの上面部との間には外気が通過する風路P2が形成される。同様に、突出部3Mm,3Cm,3Kmについても現像部4M,4C,4Kと所定の間隔を隔てて配置されており、突出部3Mmの上面部と現像部4Mの下面部との間に外気が通過する風路P3が形成され、突出部3Mmの下面部と現像部4Cの上面部との間に外気が通過する風路P4が形成される。また、突出部3Cmの上面部と現像部4Cの下面部との間には外気が通過する風路P5が形成され、突出部3Cmの下面部と現像部4Kの上面部との間には外気が通過する風路P6が形成される。さらに、突出部3Kmの上面部と現像部4Kの下面部との間には外気が通過する風路P7が形成される。
【0033】
カラー画像形成装置100は、図3に示すように、露光部3Y,3M,3C,3Kおよび現像部4Y,4M,4C,4Kを冷却するための冷却部200Aを備えている。冷却部200Aは、吸気ファン202と吸気ダクト204と排気ファン212と排気ダクト214とを有している。吸気ファン202は、装置本体部102の正面部102Fであって、露光部3Y,3M,3C,3Kと現像部4Y,4M,4C,4Kとの重畳部R上に形成された吸気口102aに着脱可能に取り付けられている。吸気ファン202は、例えばプロペラファンやシロッコファン等により構成されている。吸気ファン202の外面側には、空気中に混入している埃やゴミ等を除去するためのフィルタ部材230が取り付けられている。フィルタ部材230を通過させることできれいな空気(冷却風)を装置本体部102の内部に供給できるようになる。
【0034】
吸気ダクト204は、装置本体部102の正面部102F内に設けられ、連通した吸気口102aから吸気ファン202により吸い込んだ外気を装置本体部102の重畳部Rに導く。吸気ダクト204には、例えば樹脂材料や金属材料等が用いられる。吸気ダクト204の幅方向の長さは、重畳部Rの幅方向の長さX1と略同一に選定される。また、吸気ダクト204の入口形状は吸気口102aの開口形状と略同一に形成され、出口形状は重畳部Rの形状(図2中点線で示す外形形状)と略同一に形成される。これにより、一つの吸気ファン202により吸い込んだ外気を上下方向(鉛直方向)に細長く延びる重畳部R(露光部3Y,3M,3C,3Kおよび現像部4Y,4M,4C,4K)の全体に均一に供給できるようになっている。
【0035】
吸気ダクト204の内部には、吸気ファン202から吸い込んだ外気の風向を調節するための風向調整板206,208,210が設けられている。風向調整板206は露光部3Yと現像部4Mとの間に設けられ、風向調整板206と外板204aとにより露光部3Yおよび現像部4Yに空気を送風するための分岐ダクト204Yが構成される。風向調整板208は露光部3Mと現像部4Cとの間に設けられ、風向調整板206,208により露光部3Mおよび現像部4Mに空気を送風するための分岐ダクト204Mが構成される。風向調整板210は露光部3Cと現像部4Kとの間に設けられ、風向調整板208,210により露光部3Cおよび現像部4Cに空気を送風するための分岐ダクト204Cが構成される。風向調整板210と外板204bとにより露光部3Kおよび現像部4Kに空気を送風するための分岐ダクト204Kが構成される。
【0036】
排気ファン212は、装置本体部102の背面部102Bであって、露光部3Y,3M,3C,3Kと現像部4Y,4M,4C,4Kとの重畳部R上に形成された排気口102bに着脱可能に取り付けられている。排気ファン212は、例えばプロペラファンやシロッコファン等により構成されている。排気ファン212の外面側には、空気中に混入している埃やゴミ等を除去するためのフィルタ部材232が取り付けられている。これにより、装置本体部102内の空気の不純物を除去して外部に排出することができるようになる。
【0037】
排気ダクト214は、装置本体部102の背面部102B内に設けられ、風路P1〜P7を経由してきた空気や露光部3Y,3M,3C,3Kおよび現像部4Y,4M,4C,4Kの周辺の空気を排気ファン212に導く。排気ダクト214には、例えば樹脂材料や金属材料等が用いられる。排気ダクト214の幅方向の長さは、重畳部Rの幅方向の長さX1と略同一に選定される。また、排気ダクト214の入口形状は重畳部Rの形状(図2中点線示す形状)と略同一に形成されると共に出口形状は排気口102bの開口形状と略同一に形成される。これにより、上下方向に細長く延びる重畳部Rの周辺の空気を効率的に吸い込んで、吸い込んだ空気を一つの排気ファン212により外部に排出できるようになっている。
【0038】
[カラー画像形成装置のブロック構成例]
図4は、カラー画像形成装置100のブロック構成の一例を示す図である。図4に示すように、カラー画像形成装置100は、装置全体の動作を制御する制御部50を備えている。制御部50は、例えばCPU(Central Processing Unit)52、ROM(Read Only Memory)54およびRAM(Random Access Memory)56を有している。CPU52は、ROM54に格納された所定のプログラムを読み出してRAM56に展開して実行することにより、画像形成処理や装置内の冷却処理を実行する。
【0039】
制御部50には、操作表示部48と画像形成部60と吸気モータ240と排気モータ242とがそれぞれ接続されている。操作表示部48は、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等からなる位置検知装置と液晶パネル等からなる表示装置とが組み合わされたタッチパネルから構成され、装置本体部102の上部正面側に設けられている。操作表示部48は、画像形成を行う際の各種条件や、装置内の冷却動作の開始や停止を受け付け、この受け付けた入力情報に応じた操作信号を生成して制御部50に供給する。
【0040】
画像形成部60は、露光部3Y,3M,3C,3Kおよび現像部4Y,4M,4C,4K等を有している。露光部3Y,3M,3C,3Kは、ポリゴンモータ30Y,30M,30C,30Kを有しており、制御部50の指示に基づいてポリゴンモータ30Y,30M,30C,30Kを駆動してポリゴンミラーを回転させ、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上を走査露光して潜像を形成する。現像部4Y,4M,4C,4Kは、制御部50の指示に基づいて感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kにトナーを供給して感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上に潜像に基づくトナー像を形成する。
【0041】
吸気モータ240は、制御部50の指示に基づいて駆動制御され、吸気モータ240に接続された吸気ファン202を回転させたり、停止させたりする。排気モータ242は、制御部50の指示に基づいて駆動制御され、排気モータ242に接続された排気ファン212を回転させたり、停止させたりする。吸気モータ240および排気モータ242には、例えばステッピングモータ等が用いられる。
【0042】
[カラー画像形成装置の動作例]
例えば、カラー画像形成装置100の電源がオンされると、これをトリガーとして制御部50は吸気モータ240および排気モータ242に駆動信号を供給する。吸気モータ240および排気モータ242は、制御部50の指示に基づいて駆動して吸気ファン202および排気ファン212を回転駆動させる。なお、冷却動作の開始タイミングは、操作表示部48の操作画面上に冷却動作のオン/オフを示すアイコンを表示させて、ユーザによりこのアイコンが選択されたときに吸気ファン202や排気ファン212を回転させて冷却動作を開始、停止しても良いし、実際に印刷ジョブが開始されたときに冷却動作を開始させるようにしても良い。
【0043】
吸気ファン202が作動すると、吸気口102aを介して外気が装置本体部102に取り込まれる。取り込まれた外気は、分岐ダクト204Y,204M,204C,204Kのそれぞれに分岐され、各分岐ダクト204Y,204M,204C,204Kを通過して、その下流側に配置された露光部3Y,3M,3C,3Kの突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmおよび現像部4Y,4M,4C,4Kの一端部の正面側(外周部)に当たる。
【0044】
これにより、露光部3Y,3M,3C,3Kでは、最も高温となるポリゴンモータ30Y,30M,30M,30Kが収容された突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmに外気が直接当たるので、ポリゴンモータ30Y,30M,30M,30Kを効果的かつ効率的に冷却することができる。また、現像部4Y,4M,4C,4Kでは、露光部3Y,3M,3C,3K側の端部のみが外気により冷却されるが、現像部4Y,4M,4C,4K内では撹拌手段等によりトナー等が循環しているので、端部側で冷却されたトナーが循環し、その結果、現像部4Y,4M,4C,4K内のトナー全体を冷却できる。
【0045】
また、吸気ファン202によって吸い込まれた外気は、突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmと現像部4Y,4M,4C,4Kとの間に形成された風路P1〜P7を通過する。この外気には、突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmと現像部4Y,4M,4C,4Kの正面部に当たって周辺に回り込んだ外気も含まれている。これにより、ポリゴンモータ30Y,30M,30C,30Kが収容された突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmおよび現像部4Y,4M,4C,4Kの上面部および下面部のそれぞれが風路P1〜P7を通過する外気によって冷却される。
【0046】
風路P1〜P7に流入した空気やその周辺の空気は、排気ファン212によって装置本体部102の背面側の排気ダクト214内に吸い込まれ、吸い込まれた空気は排気ファン212を介して外部に排気される。
【0047】
以上説明したように、第1の実施の形態では、ポリゴンモータ30Y,30M,30C,30Kが収容された突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmと現像部4Y,4M,4C,4Kとを上下方向において交互に重ねて配置することで、冷却領域(重畳部R)の省スペース化を図ると共に、この重畳部Rに効率的に外気を送風できるように吸気ダクト204の出口側の開口形状を重畳部Rと略同一の形状に構成している。これにより、突出部3Ym,3Mm,3Cm,3Kmおよび現像部4Y,4M,4C,4Kの双方に同時に外気を当てることができるので、ポリゴンモータ30Y,30M,30C,30Kおよび現像部4Y,4M,4C,4Kを効率的かつ効果的に冷却することができる。
【0048】
また、一組の吸気ファン202および吸気ダクト204により露光部3Y,3M,3C,3Kおよび現像部4Y,4M,4C,4Kを冷却できるので、露光部3Y,3M,3C,3Kおよび現像部4Y,4M,4C,4K毎に独立して冷却ファンや冷却風路を設ける必要がなく、冷却ファン等の設置の省スペース化を図ることができる。
【0049】
さらに、装置の小型化を目的としてトナー収容部11Y,11M,11C,11Kを装置本体部102の側端部に設けた場合に、従来のように装置本体部102の側面部から送風を行うと、トナーが送風による影響を受けて飛散してしまう場合がある。これに対し、本発明によれば、重畳部Rを設けたことで、装置本体部102の正面側から外気の送風を行うことができるので、トナー収容部11Y,11M,11C,11Kを装置本体部102の側端部に設けた場合でも、トナーが送風により飛散してしまうことを防止することができる。同時に、カラー画像形成装置100の小型化も達成できる。
【0050】
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態の冷却部200Bは、吸気ダクト204の通風経路を露光部3側と現像部4側とに分岐する点において第1の実施の形態の冷却部200Aと相違している。なお、その他のカラー画像形成装置100の構成は、上記第1の実施の形態と同様であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0051】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る冷却部200Bの構成の一例を示している。図5に示すように、吸気ダクト204は、各露光部3Y,3M,3C,3Kに外気を送風するための露光部用ダクト206Y,206M.206C,206Kと、各現像部4Y,4M,4C,4Kに外気を送風するための現像部用ダクト208Y,208M.208C,208Kとを有している。なお、露光部用ダクト206Y,206M.206C,206Kは第1の吸気ダクトの一例を構成し、現像部用ダクト208Y,208M.208C,208Kは第2の吸気ダクトの一例を構成している。
【0052】
露光部用ダクト206Y,206M.206C,206Kは、現像部用ダクト208Y,208M.208C,208Kよりも管路長が長く形成されると共に露光部3Y,3M,3C,3Kの直近まで延設され、現像部4Y,4M,4C,4Kよりも奥側に配置された露光部3Y,3M,3C,3Kに対しても確実に外気を当てることができるように構成されている。
【0053】
このような構成により、一つの吸気ファン202により吸い込まれた外気は、露光部用ダクト206Y,206M.206C,206Kおよび現像部用ダクト208Y,208M.208C,208Kのそれぞれに略均等に分岐される。分岐された外気は、露光部用ダクト206Y,206M.206C,206Kおよび現像部用ダクト208Y,208M.208C,208K内を経由して流れ、その下流側に設けられたポリゴンモータ30Y,30M,30C,30Kおよび現像部4Y,4M,4C,4Kのそれぞれに直接当たり、露光部3Y,3M,3C,3Kおよび現像部4Y,4M,4C,4Kを冷却する。
【0054】
また、露光部3Y,3M,3C,3Kおよび現像部4Y,4M,4C,4Kの周辺部の空気は、排気ファン212の駆動により排気ダクト214に集められ、集められた空気は、排気口102bを介して外部に排出される。
【0055】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、第2の実施の形態によれば、露光部3Y,3M,3C,3Kおよび現像部4Y,4M,4C,4K毎に外気を直接供給するための露光部用ダクト206Y,206M.206C,206Kおよび現像部用ダクト208Y,208M.208C,208Kを設けているので、露光部3Y,3M,3C,3Kおよび現像部4Y,4M,4C,4Kのそれぞれに確実に外気を供給することができる。その結果、効率的かつ効果的に装置の冷却を行うことができる。
【0056】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、上記第1および第2の実施の形態では、吸気ファン202を装置本体部102の正面側に設けていたが、これに限定されることなく、装置本体部102の側面部に設けることもできる。この場合には、吸気ダクト204を装置本体部102の側面部から正面側に引き回すことで、吸気ファン202から吸い込んだ外気を重畳部Rに送風するようにする。
【0057】
また、冷却動作のオン/オフ制御としては、装置本体部102内に温度センサを設け、温度センサによる装置本体部102内の温度結果が予め設定された閾値を超えた場合に、吸気ファン202や排気ファン212を回転駆動させて冷却動作を実行するようにしても良い。
【0058】
さらに、上記第1および第2の実施の形態では、吸気ダクト204を複数の風路に分岐させたが、これに限定されることはなく、排気ダクト214側を複数の風路に分岐させることもできる。
【符号の説明】
【0059】
3Y,3M,3C,3K 露光部
3Ym,3Mm,3Cm,3Km 突出部
4Y,4M,4C,4K 現像部
30Y,30M,30C,30K ポリゴンモータ(ポリゴンモータ部)
40 仕切り部材
100 カラー画像形成装置
102a 吸気口
102b 排気口
202 吸気ファン
204 吸気ダクト
212 排気ファン
214 排気ダクト
P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7 風路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリゴンモータ部を有し、当該ポリゴンモータ部の駆動により画像データに応じた潜像を像担持体上に形成する露光部と、
前記露光部により形成された前記潜像をトナーを用いて現像する現像部と、
前記露光部と前記現像部との間に設けられた仕切り部材とを備え、
前記露光部の前記ポリゴンモータ部は、前記仕切り部材から前記現像部側に突出すると共に、前記現像部の少なくとも一部と平面的に重なるようにして配置された
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像形成装置本体に設けられた吸気口と、
前記吸気口に取り付けられ、空気を吸い込む吸気ファンと
前記吸気口に連通され、前記吸気ファンにより吸い込まれた前記空気を前記露光部の前記ポリゴンモータ部と前記現像部との重なる重畳部に導くための吸気ダクトと
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像形成装置本体に設けられた排気口と、
前記排気口に連通され、前記露光部の前記ポリゴンモータ部および前記現像部の周辺の空気を前記排気口に導くための排気ダクトと、
前記排気口に取り付けられ、前記排気ダクトによって導かれた前記空気を外部に排出する排気ファンと
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記吸気ダクトは、前記露光部の前記ポリゴンモータ部に空気を供給する第1の吸気ダクトと、前記現像部に空気を供給する第2の吸気ダクトとに分岐された
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記露光部の前記ポリゴンモータ部と前記現像部とは間隙を隔てて配置され、前記間隙は前記吸気ファンにより吸い込まれた前記空気が流れる風路である
ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置はカラー画像形成装置である
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−20054(P2013−20054A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152722(P2011−152722)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】