説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置100の装置本体101の内部に現像カートリッジ9のメインユニット9aが位置している状態でトナー収納ユニット8を交換可能な画像形成装置において、現像カートリッジ9とトナー収納ユニット8を交換するためのドアを共通化した画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 ドア10を開き、現像カートリッジ9を取り出し方向(X1)に移動させてトナー収納ユニット着脱部9dが装置本体101の外部に露出するトナー収納ユニット交換位置110に位置させた状態において、トナー収納ユニット8を交換することを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メインユニットからトナー収納ユニット(トナーカートリッジ)が取り外し可能に装着される現像カートリッジ及び、そのような現像カートリッジが取り外し可能に装着される画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置(電子写真画像形成装置)においては、画像形成装置の装置本体(装置本体)からプロセス手段等を一体として交換可能に設けたカートリッジ方式が取られている。カートリッジ方式としては、現像ローラなどの現像器がカートリッジに配設された現像カートリッジがある。また、カートリッジ方式として、電子写真感光体ドラム及び電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化したプロセスカートリッジが存在する。プロセス手段としての現像ローラを備える現像カートリッジに、感光体を配設しプロセスカートリッジとしてもよい。
【0003】
また、トナーを収容するトナー収納ユニットを現像カートリッジから着脱可能に配設されたトナーカートリッジ方式がある。トナーカートリッジ方式では、トナー収納ユニットを、感光体ドラムや現像ローラ等、現像カートリッジを構成する別部品と個別に交換できる。そのため、トナー収納ユニットに収容されたトナーの消費と、感光体ドラムや現像ローラ等、現像カートリッジを構成する別部品とで製品寿命が異なる場合に有効である。
【0004】
特許文献1によれば、ユーザーは、トナーカートリッジを交換する際、トナーカートリッジ交換専用のドアを開いて、トナーカートリッジを交換する。そのため、現像カートリッジのメインユニットを画像形成装置内から取り出すことなく、トナーカートリッジの交換が可能な構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−333929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来例では、現像カートリッジのメインユニット交換用のドアとは別体として、トナー収納ユニット交換用のドアが配設されている。そのため、上記従来例を現像カートリッジのメインユニット交換用のドアとトナー収納ユニット交換用のドアが共通化されている画像形成装置と比較すると、2つ問題点があった。1つは部品点数の増加であり、ドアが1つ多いことで、ドアを構成するドア本体、ドアのヒンジ軸、ドアの取っ手などの部品が増加することである。もう1つは画像形成装置本体の強度の低下であり、ドアの開口部を設けるために側板に孔を開ける必要があるため、側板の強度が低下することである。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものである。その目的とする処は、現像カートリッジのメインユニットを画像形成装置本体から取り出すことなく、トナー収納ユニットを交換することが出来る画像形成装置を提供することである。さらに、トナー収納ユニットの交換を容易に行うことを可能にしつつ、現像カートリッジ交換用のドアとトナー収納ユニット交換用のドアを共通化した画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段を説明する。
画像形成装置の装置本体から取り外し可能に設けられた現像カートリッジを備える画像形成装置であって、
(a)前記現像カートリッジは、
トナー像を形成するための現像剤担持体が配設されたメインユニットと、
前記メインユニットから取り外し可能に装着され、前記現像剤担持体に現像剤を供給するトナー収納ユニットと、を備え、
(b)前記装置本体は、
前記現像カートリッジが画像形成を実行する位置である装着位置と、前記装着位置よりも前記現像カートリッジの取り出し方向の下流側であって前記メインユニットから前記トナー収納ユニットを取り出し可能な位置である交換位置との間を、前記現像カートリッジが移動可能なように前記現像カートリッジに設けられた被ガイド部をガイドするガイド部を備え、
(c)前記現像カートリッジは、前記装置本体に設けられた開口部を通過して前記装置本体の外部に取り出し可能となっており、
前記交換位置において前記被ガイド部が、前記ガイド部により支持された状態で、前記トナー収納ユニットは、前記現像カートリッジの取り出し方向とは異なる方向である前記トナー収納ユニットの取り出し方向に、前記現像カートリッジから取り出し可能であり、
前記トナー収納ユニットは前記開口部を通過して前記装置本体の外部に取り出し可能であることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2つ必要であったドアが1つに共通化されたため、部品点数の削減と、画像形成装置本体の強度の上昇が見込める。また、現像カートリッジを画像形成装置本体から取り出すことなく、トナー収納ユニットを交換可能なため、トナー収納ユニットの交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)第1実施例に係る画像形成装置の斜視図である。(b)第1実施例に係る画像形成装置の構成図である。
【図2】第1実施例に係るドアを開いた状態の画像形成装置の斜視図である。
【図3】(a)第1実施例に係る現像カートリッジを左から見た斜視図である。(b)第1実施例に係る現像カートリッジを右から見た斜視図である。
【図4】第1実施例に係る現像カートリッジを装置本体から取り出す、または装着する様子を示した斜視図である。
【図5】(a)第1実施例に係る、現像カートリッジをトナー収納ユニット交換位置まで移動した状態の斜視図である。(b)第1実施例に係る、現像カートリッジをトナー収納ユニット交換位置まで移動した状態の右側面図である。
【図6】第1実施例に係る、現像カートリッジがトナー収納ユニット交換位置に位置する際の現像カートリッジの構成図である。
【図7】(a)第1実施例に係るトナー収納ユニットの斜視図である。(b)第1実施例に係るトナー収納ユニットの構成図である。
【図8】第1実施例に係る、現像カートリッジをトナー収納ユニット交換位置に移動させ、現像カートリッジからトナー収納ユニットを取り出す、または装着する様子を示した斜視図である。
【図9】第2実施例に係るドアを開いた状態の画像形成装置の斜視図である。
【図10】第2実施例に係るドアを開き、現像カートリッジを装置本体から取り出した状態の構成図である。
【図11】第2実施例に係る現像カートリッジを装置本体から取り出す、または装着する様子を示した斜視図である。
【図12】(a)第2実施例に係る、現像カートリッジをトナー収納ユニット交換位置まで移動した状態における、メインユニットの被ガイド部と装置本体を示した構成図である。(b)第2実施例に係る、現像カートリッジをトナー収納ユニット交換位置まで移動した状態の左側面図である。
【図13】第3実施例に係るドアを開いた状態の画像形成装置の斜視図である。
【図14】(a)第3実施例に係る現像カートリッジを左から見た斜視図である。(b)第3実施例に係る現像カートリッジを右から見た斜視図である。
【図15】(a)第3実施例に係る、現像カートリッジ被係止部に外力が生じていない状態の、現像カートリッジの正面図である。(b)第3実施例に係る、現像カートリッジ被係止部に外力が生じている状態の、現像カートリッジの正面図である。
【図16】(a)第3実施例に係る、右側の現像カートリッジ係止部の斜視図である。(b)第3実施例に係る、右側の現像カートリッジ係止部を中心で水平方向に分割した断面図である。
【図17】第3実施例に係る現像カートリッジを装置本体から取り出す、または装着する様子を示した斜視図である。
【図18】第3実施例に係る、現像カートリッジをトナー収納ユニット交換位置まで移動した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
[実施例1]
(画像形成装置の全体的な概略構成)
図1の(a)と(b)は本実施例における画像形成装置100の外観斜視図と概略の構成図である。この画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた、単色カラーのレーザープリンタである。即ち、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等のホスト装置(不図示)から制御回路部(不図示)へ入力する電気的画像信号に基づいてシート状の記録媒体Sに対する画像形成を実行する。
【0013】
以下の説明において、画像形成装置100に関して、前側又は正面側とは装置開閉用のドア10を配設した側である。後側とはそれとは反対側である。前後方向とは、画像形成装置の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは画像形成装置を前側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。また、装置本体101(画像形成装置本体)とは、現像カートリッジ9を除いた画像形成装置本体部分である。
【0014】
装置本体101内のほぼ中央部には、ドラム1が配設されている。ドラム1の周囲には、ドラムに作用するプロセス手段としての、帯電手段、画像露光手段、現像手段4、転写手段、ドラムクリーニング手段6が配設されている。
【0015】
ドラム1は、潜像が形成される像担持体としての電子写真感光体(電子写真感光ドラム)である。ドラム1は、駆動伝達手段(不図示)から駆動力が伝達されることにより、ドラム1は矢印で示すように時計周りに所定の速度で回転駆動される。本実施例においては、ドラム1と帯電手段、現像ローラ(現像剤担持体)4a、現像剤搬送手段4b、クリーニングブレード61、クリーナ容器62がメインユニット9aとして一体化されている。本実施例で示す、現像カートリッジ9はメインユニット9aとトナー収納ユニット8が一体になった構成を示していて、装置本体101の現像カートリッジ着脱部102に対して取り外し可能に装着される。なお、トナー収納ユニット8が取り外されたメインユニット9a単体でも、装置本体101に対し取り外し可能に装着される。帯電手段は帯電ローラ2である。帯電ローラ2はドラム1に対してほぼ並行に、かつ当接して配設されており、ドラム1の回転に従動して回転する。そして、この帯電ローラ2に電源部(不図示)から所定の帯電バイアス電圧が印加されることで、ドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0016】
画像露光手段はレーザースキャナユニット3である。図1(b)で見てドラム1の右上方向に配設されている。このユニット3は、ホスト装置から制御回路部へ画像情報に対応したレーザービームLを出力してドラム1の帯電処理面を走査露光する。これにより、ドラム1面に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。なお、この際、レーザービームLは現像カートリッジ露光孔9gを通過する。
【0017】
現像手段4は、現像ローラ4aと現像剤搬送手段4bである。現像剤Tの送り手段である回転可能な現像剤搬送手段4bが、トナー供給孔9fを通過してトナー収納ユニット8から供給された現像剤Tを現像ローラ4aの設けられた方向へ送り出す。そして、現像ローラ4aに現像剤Tが付着する。さらに、現像剤Tが現像ローラ4aから感光体ドラム1の表面に付着していき、現像剤Tが現像ローラ4aから感光体ドラム1の表面に静電潜像に応じて転移する。そうすることによって、静電潜像が現像剤像(トナー像)に現像される。
【0018】
転写手段は、転写ローラ5である。転写ローラ5により現像剤Tと逆属性の電圧が印加される。そうすることによって、トナー像が記録媒体Sに転写される。
【0019】
ドラムクリーニング手段6は、クリーニングブレード61とクリーナ容器62である。クリーニングブレード61によりドラム1に残留した現像剤Tが除去される。その後、ドラム1の表面から除去された現像剤Tは、現像カートリッジ9内のクリーナ容器62に回収される。
【0020】
制御回路部は画像形成スタート信号が入力すると、メインモータ(不図示)を駆動させる。これにより、ドラム1が所定の速度で回転駆動される。帯電ローラ2に所定の帯電バイアスが印加される。これにより、回転しているドラム1の表面が所定の極性・電位に均一に帯電される。レーザースキャナユニット3から画像信号に対応して変調されたレーザービームLが出力されてドラム面が走査露光される。これにより、ドラム面にモノクロの画像に対応した静電潜像が形成される。その静電潜像が現像動作制御された現像ローラ4aによりモノクロ画像(トナー像)として現像される。
【0021】
一方、所定の制御タイミングで給送部16の給送ローラ18が駆動されて、シート状の記録媒体Sが積載収容されている給送カセット17から記録媒体Sが1枚分離されて給送される。給送カセット17は装置本体101の前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。給送された記録媒体Sはレジストローラ対19によって所定の制御タイミングにて転写ローラ5とドラム1との接触部である転写ニップ部に導入される。転写ローラ5には電源部(不図示)から現像剤Tの帯電極性とは逆極性で所定電位の転写バイアスが印加される。これにより、記録媒体Sが転写ニップ部を挟持搬送されていく過程で、ドラム1上のトナー像が記録媒体Sの面に転写される。
【0022】
記録媒体Sは感光体ドラム1の面から分離されて定着部20へ導入される。定着部20は、記録媒体Sに転写されたトナー像を定着させるものである。回転する加熱ローラ21bと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラ21aを有する。即ち、ドラム1上のトナー画像を転写された記録媒体Sは、定着部20を通過する際に、定着ローラ対21a・21bで挟持搬送される。そして、定着ローラ対21a・21bによって熱及び圧力を与えられる。これによってトナー像が記録媒体Sの表面に定着される。そして、記録媒体Sは定着部20を出て、画像形成物として排出ローラ対23によって、排出部24から装置本体101の外部に排出される。なお、画像形成を実行する時の、装置本体101の内での現像カートリッジ9の位置を、装着位置と呼ぶ。
【0023】
(現像カートリッジの装着、取り出し、移動)
ユーザーは、現像カートリッジ9を新規に装置本体101に装着する際、装置本体101から取り出す際、もしくはトナー収納ユニット8を交換するためにトナー収納ユニット交換位置110まで移動させる際に、現像カートリッジ9の移動を行う。
【0024】
本実施例の画像形成装置100において、現像カートリッジ9の装着、取り出し、移動は、ユーザビリティ向上のために、フロントアクセスにより交換する方式である。
【0025】
以下、これについて詳述する。装置本体101の前面側には、現像カートリッジ着脱部102へ現像カートリッジ9を挿入する、及び、装置本体101から現像カートリッジ9を取り出すために、現像カートリッジ9を通過させる開口部103が配設されている。そして、この開口部103を閉じる閉鎖位置と、開口部103を開放する開放位置と、の間を移動可能な開閉部材としてのドア10が配設されている。本実施例においては、ドア10は、ドア下辺側の横軸(ヒンジ軸)(不図示)を中心に装置本体101に対して開閉可能に回動する。すなわち、ドア10は、ヒンジ軸を中心に立て起こし方向に回動して、図1のように、装置本体101の開口部103に対して閉じ込んだ状態にすることができる。このドア10の閉じにより開口部103が閉鎖される。また、ヒンジ軸を中心に装置本体101の手前側に倒し回動して、図2のように、装置本体101から開いた状態にすることができる。これにより、装置本体前面の開口部103が開放される。ドア10には、取っ手10aが配設されている。取っ手10aにより、ドア10が開かれることで、現像カートリッジ着脱部102が開放されて、現像カートリッジ着脱部102に装着されている現像カートリッジ9の取っ手9cが図2のように開口部103から見えるように露出する。また、このドア10を開いた状態では、画像形成装置100は動作しない。
【0026】
現像カートリッジ着脱部102において、装置本体101のフレーム105R・105Lの内壁面には、現像カートリッジ9を着脱ガイドするための現像カートリッジ着脱ガイド部(ガイド部)25が配設されている。ガイド部25は、右側面のガイド部25Rと左側面のガイド部25Lが対向して配設されている。
【0027】
図3の(a)は現像カートリッジ9を左側から見た斜視図、(b)は現像カートリッジ9を右側から見た斜視図である。現像カートリッジ9の右側面部と左側面部にはそれぞれ被ガイド部9Rb・9Lbが配設されている。本実施例においては、図3で示す様に、被ガイド部9Rb・9Lbは、曲面部と平面部から構成されているが、曲面部のみで構成されていてもよい。現像カートリッジ9は、左右の被ガイド部9Rb・9Lbを現像カートリッジ着脱部102側の左右のガイド部25R・25Lに合わせる形で係合される。その係合状態で現像カートリッジ9をスライド移動させることで、現像カートリッジ9が着脱部102に対して着脱される。
【0028】
図4は現像カートリッジ9を装置本体101に装着又は取り外しをする様子を示した図である。ユーザーは現像カートリッジ9を交換する際や、現像カートリッジ9を装置本体101から取り出した上でトナー収納ユニット8を交換する際には、現像カートリッジ9を装置本体101に装着する作業又は取り外す作業を行う。
【0029】
先ず、ドア10を開ける。そうすると、開口部103から現像カートリッジ着脱部102が露出してガイド部25R・25Lが見える。ユーザーは、現像カートリッジ9の取っ手9cを手で掴んで、左右側の被ガイド部9Rb・9Lbを現像カートリッジ着脱部102の左右側のガイド部25R・25Lに合わせて係合させる。そして、被ガイド部9Rb・9Lbをガイド部25R・25Lに沿わせてスライドさせて現像カートリッジ9を現像カートリッジ着脱部102内に挿入していく。現像カートリッジ9の装着方向(X2方向)は、ガイド部25R・25Lの延在方向とほぼ同方向であり、現像カートリッジ9は装置本体101の前面からほぼ水平方向に装着される。図2は現像カートリッジ9が装着位置まで挿入され、装着された状態を示している。そして、ドア10を閉じ込む。これにより、画像形成装置100は画像形成動作が可能な状態になる。
【0030】
トナー収納ユニット8が寿命を迎えた際には、ユーザーは現像カートリッジ9を装置本体101からトナー収納ユニット交換位置110まで移動させる作業を行う。移動作業は、前述した装着作業を反対から行う形となる。つまり、閉じ込まれているドア10を開く。これにより、現像カートリッジ着脱部102が開放されて、着脱部102に装着されている現像カートリッジ9の取っ手9cが、図2のように開口部103から外側に露出する。そこで、取っ手9cを手で掴んで、被ガイド部9Rb・9Lbをガイド部25R・25Lに沿わせてスライドさせて現像カートリッジ9を現像カートリッジ着脱部102の外に取り外す方向(現像カートリッジ取り出し方向X1)に移動させる。ここで、現像カートリッジ9の取り外し方向(X1方向)は、装着方向(現像カートリッジ装着方向X2)の正反対方向で、装置本体101の前面からほぼ水平方向に取り外しされる。
【0031】
現像カートリッジ9を一定以上取り外し方向(X1方向)に移動させていくと、現像カートリッジ9がトナー収納ユニット交換位置110に達する。図5(a)は現像カートリッジ9がトナー収納ユニット交換位置110に位置された状態を示す斜視図であり、図5(b)はその状態での右側面図である。
【0032】
トナー収納ユニット交換位置(交換位置)110とは、現像カートリッジ9からトナー収納ユニット8が取り出し可能な位置である。図5(b)の例では、装置本体101の外側に現像カートリッジ9のトナー収納ユニット着脱部9dが確認できる位置となっている。交換位置は、現像カートリッジ9の装着位置とは異なっており、ガイド部25R・25Lは、現像カートリッジ9が装着位置と交換位置との間を移動可能なように設けられている。なお、本実施例では、現像カートリッジ9がトナー収納ユニット交換位置110に配置されている状態において、着脱部9dは装置本体101の開口部103から外部に露出している例を示している。
【0033】
また、この例に加えて、着脱部9dが装置本体101の開口部103の内部にあり、開口部103から見て確認可能である場合にも適用することが出来る(不図示)。現像カートリッジ9がトナー収納ユニット交換位置110にある状態、すなわち現像カートリッジ9が装置本体101の内部にある状態のままで、トナー収納ユニット8を交換することが可能である。
【0034】
現像カートリッジ9がトナー収納ユニット交換位置110にある状態において、現像カートリッジ9の被ガイド部9Rb・9Lbは、ガイド部25R・25Lに支持された状態である。現像カートリッジ9の重量の少なくとも一部をガイド部25R・25Lが支えてくれるため、ユーザーがトナー収納ユニット8の交換を容易に行うことができる。トナー収納ユニット8を交換後は、前述したように現像カートリッジ9を装置本体101に対して装着する作業を行う。
【0035】
ここで、図6はトナー収納ユニット交換位置110における、現像カートリッジ9の構成図を示している。ドラム1、現像ローラ4a等の重量の大きい構成物がメインユニット9a内において取り出し方向(X1方向)に対して、上流側に配設されている。そのため、トナー収納ユニット交換位置110において、メインユニット9aの重心の位置が、メインユニット9aの中心よりも装着方向(X2方向)の下流側にある。そのため、メインユニット9aがトナー収納ユニット交換位置110に配置されている際には、メインユニット9aの重心は装置本体101の内側に近い方にあるため、安定した姿勢を保つことが可能である。
【0036】
また、トナー収納ユニット交換位置110において、ドラム1は、装置本体101の開口部103よりも外側に露出しない状態となっている。そのため、トナー収納ユニット交換位置110において、ドラム1を曝露させることなく、トナー収納ユニット8を交換することが可能である。
【0037】
さらに、現像カートリッジ9をトナー収納ユニット交換位置110から取り外し方向(X1方向)に移動させていくことで、被ガイド部9Rb・9Lbがガイド部25R・25Lから離れる。そして、現像カートリッジ9を装置本体101の外側に取り外すことが可能である。なお、現像カートリッジ9を装置本体101の外部に取り出した状態においても、現像カートリッジ9が装置本体101内のトナー収納ユニット交換位置110に位置しているのと同様に、トナー収納ユニット8の交換をすることが可能である。
【0038】
以上のように、現像カートリッジ9には取っ手9cが配設されている。ユーザーは取っ手9cを掴み、現像カートリッジ9を、トナー収納ユニット交換位置110まで移動させる作業、もしくは装置本体101の外部へ取り外す作業、装置本体101に装着する作業を行うことが出来る。
【0039】
なお、本実施例においては、現像カートリッジ9がドラム1を有するプロセスカートリッジ方式を例に示したが、ドラム1が装置本体101内に備え付けられた現像カートリッジ方式にも適用することが出来る。
【0040】
(トナー収納ユニットの交換)
トナー収納ユニット8に充填されている現像剤Tは、画像形成に使用されるにつれて、消費されていく。
【0041】
そこで、例えば、トナー収納ユニット8の現像剤Tの残量を検知する手段(不図示)を具備させて、制御回路部において、検知残量値を、予め設定したトナー収納ユニット寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、検知残量値が閾値よりも少ない残量値となった際には、表示部(不図示)に、トナー収納ユニット8の寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のトナー収納ユニット8の準備を促す、あるいはトナー収納ユニット8の交換を促して、出力画像の品質を維持するようにしている。
【0042】
本実施例の画像形成装置100においては、部品の強度の向上と、部品点数の削減のために、トナー収納ユニット8の交換を目的としたドアは配設されておらず、現像カートリッジ9の交換用のドア10と共通化されている。
【0043】
図7(a)はトナー収納ユニット8の斜視図、(b)はトナー収納ユニット8の構成図である。トナー収納ユニット8の底部にはメインユニット9aのトナー収納ユニットガイド部9eと対応する、トナー収納ユニット被ガイド部8aが配設されている。また、トナー収納ユニット被ガイド部8aには、トナー供給孔9fと連結し、トナー収納ユニット8内部に収納されている現像剤Tを、現像剤搬送手段4bに送るためのトナー搬送孔8cが配設されている。トナー搬送孔8cには、トナーシール(不図示)が配設されている。トナー収納ユニット8をトナー収納ユニット着脱部9dに装着後、トナーシールが剥がされることで、現像剤Tはメインユニット9a内に供給される。また、トナー収納ユニット8の側面にはトナー収納ユニット8をメインユニット9aから引き出すための、トナー収納ユニット着脱補助部8bが配設されている。
【0044】
図8はトナー収納ユニット8をメインユニット9aに装着、もしくは取り出す様子を示した斜視図である。ユーザーはトナー収納ユニット8を交換する際、最初に現像カートリッジ9をトナー収納ユニット交換位置110まで取り出し方向(X1方向)に移動させる。そしてトナー収納ユニット8を交換した上で、現像カートリッジ9を装着方向(X2方向)に移動させて装着する作業を行う。
【0045】
先ず、ドア10を開ける。そうすると、開口部103から現像カートリッジ9の取っ手9cが見える。ユーザーは取っ手9cを手で掴んで、現像カートリッジ9をトナー収納ユニット交換位置110まで移動させる。移動させた後は、開口部103からトナー収納ユニット8の着脱補助部8bが見える状態となっている。ユーザーは着脱補助部8bを手で掴み、トナー収納ユニット8を取り出し方向(トナー収納ユニット取り出し方向X3)にスライドさせていく。トナー収納ユニット8の取り出し方向は、トナー収納ユニットガイド部9eの延在方向とほぼ同方向であり、トナー収納ユニット8は本体の右側面からほぼ水平方向に取り出される。
【0046】
ある程度以上取り出して、トナー収納ユニット8がメインユニット9aから取り出された後は、トナー収納ユニット8を直接把持して引き出すことも可能である。
【0047】
トナー収納ユニット8の取り出し方向(X3方向)は、現像カートリッジ取り出し方向(X1方向)と異なる方向である。本実施例では、トナー収納ユニット8の取り出し方向(X3方向)は、現像カートリッジ取り出し方向(X1方向)に対して略垂直方向である。このように方向を異ならせることで、トナー収納ユニット8の取り出し構成において設計の自由度を高めることができる。
【0048】
古いトナー収納ユニット8を取り出した後は、ユーザーは新しいトナー収納ユニット8をメインユニット9aに装着する作業を行う。この状態において、メインユニット9aはトナー収納ユニット交換位置110に配置されている状態となっている。トナー収納ユニット8の装着作業は、前述したトナー収納ユニット8の取り外し作業を逆に行う形となる。つまり、トナー収納ユニット8を把持し、トナー収納ユニット被ガイド部8aをメインユニット9aのトナー収納ユニットガイド部9eに合わせて係合させる。そして、トナー収納ユニット被ガイド部8aをトナー収納ユニットガイド部9eに沿わせて装着方向(トナー収納ユニット装着方向X4)にスライドさせて、トナー収納ユニット8をトナー収納ユニット着脱部9dに挿入していく。ある程度以上挿入した後は、着脱補助部8bを利用して挿入することも可能である。トナー収納ユニット8は、装置本体101の右側面からほぼ水平方向に装着される。そして、ユーザーは現像カートリッジ9の取っ手9cを手で掴んで、現像カートリッジ9を装着する。そして、ドア10を閉じ込む。
【0049】
前述した様に、トナー収納ユニット8の交換時において、現像カートリッジ9はトナー収納ユニット交換位置110に配置されている。この箇所において、前述した様に、被ガイド部9Rb・9Lbは、ガイド部25R・25Lに支持された状態である。また、現像カートリッジ9のメインユニット9aは、メインユニット9aの中心よりも取り出し方向上流側に重心が位置している。そのため、装置本体101から落下しにくい状態となっている。また、それに加え、空いている方の手を使用して、現像カートリッジ9の取っ手9cを把持しつつ、もう一方の手でトナー収納ユニット8を把持し、交換することで、さらにメインユニット9aを安定させた状態でのトナー収納ユニット8の交換が可能である。
【0050】
また、ユーザーは現像カートリッジ9を交換する際や、現像カートリッジ9を装置本体101から取り外してトナー収納ユニット8を交換する際には、図4のように現像カートリッジ9を装置本体101から取り出す作業を行う。
【0051】
ドア10を開けて、現像カートリッジ9をトナー収納ユニット交換位置110まで移動する作業は前述した内容と同様である。現像カートリッジ9を、さらに取り出し方向(X1方向)に移動させていくと、被ガイド部9Rb・9Lbが、現像カートリッジ着脱ガイド25R・25Lから外れ、装置本体101から取り出すことが出来る。
【0052】
以上のように、共通化されたドア10を開いて作業を行い、現像カートリッジ9のメインユニット9aが装置本体101内部にある状態で、トナー収納ユニット8の交換を行うことが可能な構成となっている。そのため、トナー収納ユニット8交換時の操作性を保ちつつ、トナー収納ユニット8の交換専用のドアの配設が不必要になることによる、部品点数の削減と、側板にドアの開口部となる孔が不必要になることによる、装置本体101の強度の上昇を実現出来る。
【0053】
[実施例2]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
【0054】
本実施例では、上記第1の実施例の現像カートリッジ9の着脱時にガイドするための部材である、現像カートリッジ着脱ガイド25を、勾配付き現像カートリッジ着脱ガイド26に変更している。それ以外のその他の構成は、第1の実施例と同じであるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
(現像カートリッジの装着、取り出し、移動)
図9は、実施例2におけるドア10を開いた状態での、画像形成装置100の外観斜視図である。現像カートリッジ着脱部102において、フレーム105R・105Lの内壁面には、現像カートリッジ9を着脱ガイドするためのガイド部26R・26Lが対向して配設されている。
【0055】
図10は、実施例2における、現像カートリッジ9を取り出した状態の装置本体101の構成図である。ガイド部26R・26Lは、装置本体101に対して水平な箇所と、現像カートリッジ9の取り出し方向(X1方向)に対して勾配を有した箇所で構成されている。この勾配の角度は特に規定しないが、現像カートリッジ9の取り出し及び装着をスムースに実行可能な角度であればよい。なお、「取り出し方向(X1方向)に対して勾配を持っている」、と言う時の「取り出し方向」とは、現像カートリッジ9を装着位置から交換位置まで移動させる時の方向である。本実施例では、取り出し方向は図10における左から右へ向かう水平方向になっている。本実施例では、ガイド部26R・26Lは、交換位置よりも取り出し方向の下流側(X1方向)に、当該取り出し方向よりも上り勾配となっている部分を持っている。
【0056】
図11は現像カートリッジ9を装置本体101に装着する様子を示した斜視図である。ユーザーは現像カートリッジ9を交換した際や、現像カートリッジ9を装置本体101から取り出した上でトナー収納ユニット8を交換した際に、現像カートリッジ9を装置本体101に対して装着方向(X2方向)に移動させて、装着する作業を行う。
【0057】
先ず、ドア10を開ける。そうすると、開口部103から現像カートリッジ着脱部102が露出してガイド部26R・26Lが見える。ユーザーは、現像カートリッジ9の取っ手9cを手で掴んで、現像カートリッジ被ガイド部9Rb・9Lbを現像カートリッジ着脱部102の左右側のガイド部26R・26Lに合わせて係合させる。そして、被ガイド部9Rb・9Lbをガイド部26R・26Lに沿わせて、装着方向(X2方向)にスライドさせて現像カートリッジ9を現像カートリッジ着脱部102内に挿入していく。ここで、現像カートリッジ9の最初の挿入方向は、ガイド部26R・26Lの形状が現像カートリッジ装着方向(X2方向)に対して下り勾配となっている様に、装着方向(X2方向)に対して下り勾配となっている。ガイド部26R・26Lに合わせて挿入していくと、ガイド部26の形状が装着方向(X2方向)に対して下り勾配から同一方向に変化している。さらに、ガイド部26に合わせてさらに奥まで挿入していくと、現像カートリッジ9の装置本体101に対する装着が完了する。図9は、装置本体101に現像カートリッジ9を装着した状態を示している。そして、ドア10を閉じ込む。これにより、画像形成装置100は画像形成動作が可能な状態になる。
【0058】
トナー収納ユニット8が寿命を迎えた際には、ユーザーは現像カートリッジ9を装置本体101からトナー収納ユニット交換位置110まで移動させる作業を行う。移動作業は、前述した装着作業を反対から行う形となる。つまり、閉じ込まれているドア10を開く。これにより、現像カートリッジ着脱部102が開放されて、着脱部102に装着されている現像カートリッジ9の取っ手9cが配設されている外表面が図9の様に開口部103に露出する。そこで、取っ手9cを手で掴んで、被ガイド部9Rb・9Lbをガイド部26R・26Lに沿わせてスライドさせて現像カートリッジ9を現像カートリッジ着脱部102の外に取り出し方向(X1方向)に移動させる。
【0059】
現像カートリッジ9を取り出し方向(X1方向)に一定距離移動させると、ガイド部26の形状が現像カートリッジ9の取り出し方向(X1方向)に対して水平から上り勾配に変化している。ここで、現像カートリッジ9には、ガイド部26と係合する現像カートリッジ被ガイド部9Rb・9Lbが配設されている。被ガイド部9Rb・9Lbが、前述した水平から上り勾配に変化しているガイド部26に接触した際の現像カートリッジ9の位置が、トナー収納ユニット交換位置110である。この状態は、実施例1の図5(b)及び図6と同様にトナー収納ユニット着脱部9dが装置本体101の外部に露出した状態であり、トナー収納ユニット8の交換が可能である。また、トナー収納ユニット8を交換後は、前述したように現像カートリッジ9を装置本体101に対して装着する作業を行う。
【0060】
図12(a)は、現像カートリッジ9がトナー収納ユニット交換位置110に位置している時の現像カートリッジ9の被ガイド部9Rb・9Lbと、ガイド部26の位置関係を示す構成図であり、(b)は、その際の左側面から見た外観図である。なお、図12(a)においては、説明のために、現像カートリッジ9の全体構成は図示せず、被ガイド部9Rb・9Lbのみを図示している。現像カートリッジ9をトナー収納ユニット交換位置110に移動させる際、現像カートリッジ9がトナー収納ユニット交換位置110に達すると、被ガイド部9Rb・9Lbが取り出し方向(X1方向)に対して勾配のあるガイド部26に接触する。この接触により、ユーザーは現像カートリッジ9がトナー収納ユニット交換位置110に達したことを認識できる。そのため、現像カートリッジ9を移動させ過ぎることなく、トナー収納ユニット交換位置110で現像カートリッジ9の移動を止めることが容易になる。また、現像カートリッジ9を取り出し方向(X1方向)に移動させ過ぎても、被ガイド部9Rb・9Lbの大部分がガイド部26の上り勾配と接していれば、自重により、現像カートリッジ9の装着方向(X2方向)へ現像カートリッジ9が移動する。そのため、現像カートリッジ9が自然に取り出し方向(X1方向)に移動して、装置本体101から落下することを防ぐことが出来る。また、現像カートリッジ9が装着位置からトナー収納ユニット交換位置110まで移動する間のガイド部26は、水平の部分が設けられている。そのため、ユーザーが現像カートリッジ9をトナー収納ユニット交換位置110に移動させるための負荷が少なくて済む。
【0061】
被ガイド部9Rb・9Lbは、実施例1の図3(a)で示す様に、曲面部と平面部から構成されている。本実施例においては、図12(a)で示す様に、平面部がガイド方向と同一方向で水平となっている。平面部の距離が長ければ長い程、トナー収納ユニット交換位置110において、ガイド部26とメインユニット9aの被ガイド部9Rb・9Lbが接触する面積が大きくなり、その分支持される面積が大きくなる。そのため、より安定した状態でトナー収納ユニット8の交換を行うことが出来る。
【0062】
ユーザーは現像カートリッジ9を交換する際や、現像カートリッジ9を装置本体101から取り外してトナー収納ユニット8を交換する場合には、現像カートリッジ9を装置本体101から取り出す作業を行う。
【0063】
ドア10を開けて、現像カートリッジ9をトナー収納ユニット交換位置110まで移動する作業は前述した内容と同様である。現像カートリッジ9をトナー収納ユニット交換位置110からさらに取り出すと、ガイド部26の形状が水平から取り出し方向(X1方向)に対して上り勾配に変化しているが、ガイド部26に合わせて移動させていく。さらに移動させていくと、被ガイド部9Rb・9Lbが、現像カートリッジ着脱部102のガイド部26から外れ、現像カートリッジ9を装置本体101から取り出すことが出来る。
【0064】
なお、本実施例においては、現像カートリッジ9のメインユニット9aがドラム1を有するプロセスカートリッジ方式を例に示したが、ドラム1が装置本体101内に備え付けられた現像カートリッジ方式にも適用することが出来る。
【0065】
(トナー収納ユニットの交換)
トナー収納ユニット8の交換時において、現像カートリッジ9がトナー収納ユニット交換位置110に配置されている。この箇所においては、図12(a)に示す様に、現像カートリッジ9の被ガイド部9Rb・9Lbが、ガイド部26の水平な面と取り出し方向(X1方向)に対して上り勾配のある面の両方の面に接している状態となっている。この状態で、トナー収納ユニット8を交換時に、メインユニット9aに外力や振動が生じた場合、メインユニット9aが装置本体101から落下する方向(取り出し方向(X1方向))には、ガイド部26の勾配が存在し、移動しにくい形状となっている。そのため、トナー収納ユニット8の交換時における、現像カートリッジ9のメインユニット9aが落下する可能性を低減することが出来る。
【0066】
[実施例3]
次に、本発明の第3の実施例について説明する。
本実施例では、上記第1の実施例に現像カートリッジ係止部27R・27Lがフレーム105R・105Lに配設され、加えて現像カートリッジ9の右側面と左側面に現像カートリッジ被係止部9Rf・9Lfが配設されている。それ以外のその他の構成は、第1の実施例と同じであるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0067】
(現像カートリッジの装着、取り出し、移動)
図13は、実施例3におけるドア10を開いた状態での、画像形成装置100の外観斜視図である。現像カートリッジ着脱部102において、フレーム105R・105Lの内壁面には、トナー収納ユニット交換位置110でトナー収納ユニット8を交換する際、現像カートリッジ9を係止する係止部27R・27Lが配設されている。
【0068】
図14(a)は現像カートリッジ9を左側から見た斜視図、(b)は現像カートリッジ9を右側から見た斜視図である。現像カートリッジ9のメインユニット9aの左側面部と右側面部にはそれぞれ被係止部9Rf・9Lfが配設されている。そして、メインユニット9aは、それぞれ左右の被係止部9Rf・9Lfを現像カートリッジ着脱部102の左右の係止部27R・27Lに合わせる形で、係合される。この被係止部9Rf・9Lfが係止部27R・27Lにある状態の位置が、トナー収納ユニット交換位置110である。この状態は、実施例1の図5(b)及び図6と同様にメインユニット9aのトナー収納ユニット着脱部9dが装置本体101の外部に露出した状態であり、トナー収納ユニット8の交換が可能である。
【0069】
以下、係止に関して詳述する。図15(a)は被係止部9Rf・9Lfの自然長時の正面図であり、(b)は被係止部9Rf・9Lfの収縮時の正面図である。被係止部9Rf・9Lfは、それぞれ収縮部9Rfa・9Lfaと非収縮部9Rfb・9Lfbから構成されている。収縮部9Rfa・9Lfaは、それぞれ内部にX4方向、X3方向に収縮する圧縮ばねを有しており、通常時は図15(a)の状態に付勢されている。そして、収縮部9Rfa・9Lfaの軸線方向に対して縮む方向に外力が作用した場合、一定量収縮する構成となっている。例えば、メインユニット9aの左側面に配設された収縮部9Lfaは、係止部27Lとの接触時、X3方向に外力が生じるため、X3方向に収縮する。また、右側面に配置された9Rfaは、X4方向に外力が生じるため、X4方向に収縮する。なお、収縮部9Rfa・9Lfaに作用していた外力が取り除かれた場合は、収縮部9Rfa・9Lfaは元の状態に戻る。
【0070】
図16(a)は、装置本体101の右フレーム105Rに配設された係止部27Rの拡大した斜視図、(b)は同じく係止部27Rを中心で分割し、上面方向から見た断面図である。係止部27Rは、中央に被係止部9Rfが収まり、その形状に合わせて凹んだ形状となっている内面部27Raがある。また、現像カートリッジ9が移動する際、被係止部9Rfが接触する係止部27Rの内側の淵部27Rbと外側の淵部27Rcは滑らかな形状となっていて、被係止部9Rfの収縮部9Rfaが緩やかな角度で接触することが出来る。また、左フレーム105Lに配設された係止部27Lの構成や機能は、係止部27Rと同様であるため、省略する。
【0071】
図17は現像カートリッジ9を装置本体101に取り付ける様子を示した斜視図である。ユーザーは現像カートリッジ9を交換した際や、現像カートリッジ9を装置本体101から取り出した上でトナー収納ユニット8を交換した際においては、現像カートリッジ9を装置本体101の現像カートリッジ着脱部102に装着する作業を行う。
【0072】
先ず、ドア10を開ける。そうすると、現像カートリッジ着脱部102が露出してガイド部25R・25Lが見える。ユーザーは、現像カートリッジ9の取っ手9cを手で掴んで、メインユニット9aの被ガイド部9Rb・9Lbを現像カートリッジ着脱部102の左右側のガイド部25R・25Lに合わせて係合させる。そして、被ガイド部9Rb・9Lbをガイド部25R・25Lに沿わせてスライドさせて現像カートリッジ9を現像カートリッジ着脱部102内に挿入していく。ここで、現像カートリッジ9の装着方向(X2方向)は、装置本体101の前面からほぼ水平方向である。装着方向(X1方向)に少し移動させると、被係止部9Rf・9Lfの収縮部9Rfa・9Lfaの先端が、現像カートリッジ係止部27R・27Lの外側の淵部27Rc・27Lcに接触し、収縮部9Rfa・9Lfaが収縮する。さらに現像カートリッジ9を装着方向(X2方向)に移動させると、収縮部9Rfa・9Lfaの先端が、内側の淵部27Rb・27Lbに接触した後、通過すると、係止部27R・27Lの凹み部である内面部27Ra・27Laに達する。この状態では、淵部との接触がなくなるため、収縮部9Rfa・9Lfaの長さが自然長に戻る。続けて、現像カートリッジ9を装着方向に移動させると、被係止部9Rf・9Lfの収縮部9Rfa・9Lfaの先端が、係止部27R・27Lの内側の淵部27Rb・27Lbに接触し、収縮部9Rfa・9Lfaが収縮する。さらに、現像カートリッジ9を装着方向(X2方向)に移動させていくと、被係止部9Rf・9Lfの収縮部9Rfa・9Lfaの先端が、外側の淵部27Rc・27Lcに接触した後、通過する。通過後は、係止部27R・27Lと、被係止部9Rf・9Lfの接触が無くなり、被係止部9Rf・9Lfの長さが自然長に戻る。そのまま、現像カートリッジ9を装着方向(X2方向)に移動させ、現像カートリッジ9の被ガイド部9Rb・9Lbがガイド部25R・25Lの奥まで達すると、現像カートリッジ9の装着が完了する。図13は、装置本体101に現像カートリッジ9を装着した状態を示している。そして、ドア10を閉じ込む。これにより、画像形成装置100は画像形成動作が可能な状態になる。
【0073】
トナー収納ユニット8が寿命を迎えた際には、ユーザーは現像カートリッジ9を装置本体101からトナー収納ユニット交換位置110まで移動させる作業を行う。移動作業は、前述した装着作業を反対から行う形となる。つまり、閉じ込まれているドア10を開く。これにより、現像カートリッジ着脱部102が開放されて、着脱部102に装着されている現像カートリッジ9の取っ手9cが配設されている外表面が図18のように開口部103に露出する。そこで、取っ手9cを手で掴んで、被ガイド部9Rb・9Lbをガイド部25R・25Lに沿わせてスライドさせて現像カートリッジ9を現像カートリッジ着脱部102の外に取り外す方向(X1方向)に移動させる。ここで、現像カートリッジ9の取り外し方向(X1方向)は、装着方向(X2方向)の正反対方向で、装置本体101の前面からほぼ水平方向に移動される。
【0074】
現像カートリッジ9を取り外し方向(X1方向)に移動させていくと、被係止部9Rf・9Lfの収縮部9Rfa・9Lfaの先端が、係止部27R・27Lの外側の淵部27Rc・27Lcに接触し、収縮部9Rfa・9Lfaが収縮する。さらに現像カートリッジ9を装着方向(X2方向)に移動させると、収縮部9Rfa・9Lfaの先端が、内側の淵部27Rb・27Lbと接触後、通過し、係止部27R・27Lの凹み部である内面部27Ra・27Laに達する。この状態では、淵部との接触がなくなるため、収縮部9Rfa・9Lfaの長さが自然長に戻る。図18は現像カートリッジ9がトナー収納ユニット交換位置110に位置された状態を示す斜視図である。この時、実施例1の図5(b)と同様に、トナー収納ユニット装着部9dが装置本体101の外部に露出しているため、トナー収納ユニット8の交換が可能である。また、トナー収納ユニット8を交換後は、前述したように現像カートリッジ9を装置本体101に対して装着する作業を行う。
【0075】
ユーザーは現像カートリッジ9を交換する際や、現像カートリッジ9を装置本体101から取り外してトナー収納ユニット8を交換する際には、現像カートリッジ9を装置本体101から取り出す作業を行う。
【0076】
ドア10を開けて、現像カートリッジ9をトナー収納ユニット交換位置110まで移動する作業は前述した内容と同様である。その状態から、現像カートリッジ9を取り出し方向(X1方向)に移動させると、被係止部9Rf・9Lfの収縮部9Rfa・9Lfaの先端が、係止部27R・27Lの内側の淵部27Rb・27Lbに接触し、収縮部9Rfa・9Lfaが収縮する。さらに、現像カートリッジ9を取り出し方向(X1方向)に移動させると、被係止部9Rf・9Lfの収縮部9Rfa・9Lfaの先端が、外側の淵部27Rc・27Lcに接触後、通過し、係止部27R・27Lと、被係止部9Rf・9Lfの接触が無くなる。この状態では、淵部との接触が無くなるため、被係止部9Rf・9Lfの長さが自然長に戻る。そのまま、現像カートリッジ9を取り出し方向に移動させると、現像カートリッジ9の被ガイド部9Rb・9Lbがガイド部25R・25Lから外れ、現像カートリッジ9の装置本体101からの取り出しが完了する。
【0077】
なお、本実施例においては、現像カートリッジ9がドラム1を有するプロセスカートリッジ方式を例に示したが、ドラム1が装置本体101内に備え付けられた現像カートリッジ方式にも適用することが出来る。
【0078】
(トナー収納ユニットの交換)
トナー収納ユニット8の交換時において、現像カートリッジ9がトナー収納ユニット交換位置110に配置されていて、被係止部9fが係止部27の内面部27a内に収まっている。ここで、被係止部9fの収縮部9faは、取っ手9cを持って、装着時には装着方向(X2方向)に、取り出し時には取り出し方向(X1方向)に一定以上の力で移動させなければ、収縮しない構成となっている。そのため、トナー収納ユニット8を交換する際には、メインユニット9aへ外力や振動が伝わる可能性があるが、メインユニット9aが移動し難い構成のため、装置本体101からメインユニット9aが落下する可能性を低減することが出来る。このように、実施例3においては、実施例1や2と異なり、トナー収納ユニット8を交換時に物理的にメインユニット9aの自重による移動を防ぐことで、現像カートリッジ9のメインユニット9aが装置本体101から落下する可能性を低減することが出来る。
【0079】
なお、本実施例においては、装置本体101に係止部27を、現像カートリッジ9に被係止部9Rf・9Lfを配設したが、逆の構成で、現像カートリッジ9に係止部27を、装置本体101に被係止部材9Rf・9Lfを配設してもよい。
【符号の説明】
【0080】
100 画像形成装置
101 装置本体
102 現像カートリッジ着脱部
105 装置本体のフレーム
110 トナー収納ユニット交換位置
8 トナー収納ユニット
9 現像カートリッジ
9a メインユニット
9b 現像カートリッジの被係止部
9c 現像カートリッジの取っ手
10 装置開閉用のドア
25 現像カートリッジ着脱ガイド部
26 勾配付き現像カートリッジ着脱ガイド部
27 現像カートリッジ被係止部
S 記録媒体
X1 現像カートリッジ取り出し方向
X2 現像カートリッジ装着方向
X3 トナー収納ユニットの取り出し方向
X4 トナー収納ユニットの装着方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の装置本体から取り外し可能に設けられた現像カートリッジを備える画像形成装置であって、
(a)前記現像カートリッジは、
トナー像を形成するための現像剤担持体が配設されたメインユニットと、
前記メインユニットから取り外し可能に装着され、前記現像剤担持体に現像剤を供給するトナー収納ユニットと、を備え、
(b)前記装置本体は、
前記現像カートリッジが画像形成を実行する位置である装着位置と、前記装着位置よりも前記現像カートリッジの取り出し方向の下流側であって前記メインユニットから前記トナー収納ユニットを取り出し可能な位置である交換位置との間を、前記現像カートリッジが移動可能なように前記現像カートリッジに設けられた被ガイド部をガイドするガイド部を備え、
(c)前記現像カートリッジは、前記装置本体に設けられた開口部を通過して前記装置本体の外部に取り出し可能となっており、
前記交換位置において前記被ガイド部が、前記ガイド部により支持された状態で、前記トナー収納ユニットは、前記現像カートリッジの取り出し方向とは異なる方向である前記トナー収納ユニットの取り出し方向に、前記現像カートリッジから取り出し可能であり、
前記トナー収納ユニットは前記開口部を通過して前記装置本体の外部に取り出し可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記交換位置において、前記トナー収納ユニットの装着部が、前記装置本体の前記開口部より外部に露出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤担持体は、前記現像カートリッジが前記交換位置に位置する際、前記トナー収納ユニットの装着部より前記現像カートリッジの取り出し方向の上流側に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記メインユニットは、感光体を備え、前記感光体は前記現像カートリッジが前記交換位置に位置する際、前記トナー収納ユニットの装着部より前記現像カートリッジの取り出し方向の上流側に配設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像カートリッジが前記交換位置にある時に、前記感光体は、前記開口部より前記現像カートリッジの取り出し方向の上流側に配設されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ガイド部は、前記交換位置よりも前記現像カートリッジの取り出し方向の下流側に、上り勾配を持つ箇所を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ガイド部は、前記装着位置と前記交換位置との間において、水平な部分を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記被ガイド部は平面部を備え、前記平面部と前記ガイド部の平面とが接触することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の前記画像形成装置。
【請求項9】
前記装置本体は、前記交換位置において、前記現像カートリッジを係止する係止部材を有し、前記現像カートリッジは、前記係止部材と係合する被係止部を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記トナー収納ユニットの取り出し方向は、前記現像カートリッジの取り出し方向に対して略垂直方向であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−20112(P2013−20112A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153628(P2011−153628)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】