説明

画像形成装置

【課題】標準的な機能を改変したユーザー所望の機能のみを実行する用途に特化された装置において操作性の向上が図られ、良好な使い勝手を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、コピー機能を実行するための標準機能プログラム21と標準機能プログラム21を改変した拡張機能プログラム22とが記憶可能な記憶部20と、コピー機能を選択するためのコピーキー36と、コピーキー36が操作されたとき、コピー機能に対応する拡張機能プログラム22が記憶部20に記憶されている場合には拡張機能プログラム22を起動させ、コピー機能に対応する拡張機能プログラム22が記憶部20に記憶されていない場合には標準機能プログラム21を起動させる主制御部17と、を備える。すなわち、拡張機能プログラム22記憶されている場合においてコピーキー36が操作されたときには必ず、拡張機能プログラム22が起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンターに代表される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンター、ファクシミリ、スキャナーといった画像形成装置には前面に入力キーや表示部が配置された操作部を備えているものがある。表示部は液晶などで構成された画面上に様々な設定項目や入力キーが配置されたメニュー画面等を表示する。さらに、この表示部は一般的にタッチパネル機能が設けられ、それら設定項目や入力キーにユーザーが手で直接接触する、或いはタッチペンなどの入力補助具で接触することにより文字入力や命令実行などの操作を受け付ける。
【0003】
画像形成装置の表示部は画像形成装置が有する機能に対応した標準的なメニュー画面を表示するようになっている。ユーザーはそのメニュー画面に設けられた設定項目や入力キーに従って操作を行うことになる。このような表示部には、例えばユーザーにとって不必要な設定項目や入力キーが多く配置されていることもあり、ユーザーが不便を感じることがあった。
【0004】
そこで、この問題を解決すべく、ユーザーの所望どおりの設定項目や入力キーが配置されたメニュー画面を表示することが可能な画像形成装置が提案され、その一例を特許文献1に見ることができる。特許文献1に記載された画像形成システムに組み込まれたパーソナルコンピュータは画像形成装置(複合機)の表示部で表示される表示画面データが生成可能になっている。これにより、画像形成装置に追加インストールした拡張機能プログラム(拡張アプリケーション)を起動するための表示画面を生成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−301336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された画像形成装置ではある機能、例えばコピー機能についての拡張機能プログラムがインストールされている場合でも拡張機能プログラムを用いたコピーと標準機能プログラムを用いたコピーとの両方の起動選択が可能になる。これにより、コピー機能に関して拡張機能プログラムを用いることにより標準的なコピー機能を改変したユーザー所望のコピー機能のみを実行する用途に特化された画像形成装置にとって、標準機能プログラムを用いたコピーを選択可能であることがユーザーの混乱を招く可能性がある。したがって、ユーザーが操作し難く感じて不快感を覚える虞がある。また、誤って標準機能プログラムを起動させてしまい、拡張機能プログラムの再起動のために管理者を呼ぶなどして手間を要する可能性もある。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、ある機能に関して標準的な機能を改変したユーザー所望の機能のみを実行する用途に特化された装置において操作性の向上が図られ、良好な使い勝手を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、画像形成に係る機能を実行するための標準機能プログラムと、前記標準機能プログラムを改変した拡張機能プログラムとが記憶可能な記憶部と、前記機能を選択するための機能選択キーと、前記機能選択キーが操作されたとき、前記機能に対応する前記拡張機能プログラムが前記記憶部に記憶されている場合には前記拡張機能プログラムを起動させ、前記機能に対応する前記拡張機能プログラムが前記記憶部に記憶されていない場合には前記標準機能プログラムを起動させる制御部と、を備えることとした。
【0009】
この構成によれば、画像形成装置は、ある機能に対応する拡張機能プログラムが記憶部に記憶されている場合において機能選択キーが操作されたときには必ず、拡張機能プログラムを起動させることになる。したがって、その機能に関して標準機能プログラムが起動しないので、拡張機能プログラムを用いることにより標準的な機能を改変したユーザー所望の機能のみを実行する用途に特化された画像形成装置においてユーザーの混乱が回避される。
【0010】
また、上記構成の画像形成装置において、前記標準機能プログラムまたは前記拡張機能プログラムに対応するメニュー画面を表示するための表示部を備え、前記制御部が、前記拡張機能プログラムを起動したときには前記拡張機能プログラムに対応する前記メニュー画面を前記表示部に表示させ、前記標準機能プログラムを起動したときには前記標準機能プログラムに対応する前記メニュー画面を前記表示部に表示させることとした。
【0011】
この構成によれば、画像形成装置は、ある機能に対応する拡張機能プログラムが記憶部に記憶されている場合において機能選択キーが操作されたときには必ず、その拡張機能プログラムに対応するメニュー画面を表示部に表示させることになる。したがって、その機能に関して標準機能プログラムに対応するメニュー画面が表示されないので、拡張機能プログラムを用いることにより標準的な機能を改変したユーザー所望の機能のみを実行する用途に特化された画像形成装置においてユーザーが混乱することなく、操作し易くなる。
【0012】
また、上記構成の画像形成装置において、複数の種類の前記機能選択キーを備え、前記記憶部が、複数の種類の前記機能選択キー各々に対応させた複数の前記拡張機能プログラムを記憶可能であることとした。
【0013】
この構成によれば、画像形成装置が有する複数の種類の機能各々に対応して機能選択キーが操作されたときには必ず、各拡張機能プログラムが起動する。したがって、複数の種類の機能ごとに拡張機能プログラムを用いることにより各機能においてユーザー所望の用途に特化された画像形成装置ができあがり、より一層ユーザーの混乱を回避し易くなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成によれば、ある機能に関して拡張機能プログラムを用いた機能のみを実行する用途に特化された装置において操作性の向上が図られ、良好な使い勝手を備えた画像形成装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の模型的垂直断面正面図である。
【図2】図1の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の操作パネルの正面図である。
【図4】図3に示す操作パネルの表示部の正面図にして、コピー機能の標準機能プログラムを起動した状態を示すものである。
【図5】図3に示す操作パネルの表示部の正面図にして、コピー機能の拡張機能プログラムを起動した状態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図1〜図5に基づき説明する。
【0017】
最初に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図1及び図2を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は画像形成装置の模型的垂直断面正面図、図2は画像形成装置の構成を示すブロック図である。図1中の、実線矢印は用紙の搬送経路及び搬送方向を、一点鎖線矢印はレーザー光Lを示す。
【0018】
画像形成装置1は、図1に示すように本体2の内部下方に給紙カセット3を備えている。給紙カセット3はその内部に記録媒体である印刷前のカットペーパーなどの用紙Pを積載して収容している。そして、この用紙Pは図1において給紙カセット3の左上方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。給紙カセット3は本体2の正面側から水平に引き出すことが可能である。
【0019】
本体2の内部であって給紙カセット3の左方には用紙搬送部4が備えられている。用紙搬送部4は本体2の左側面に沿って略垂直に形設されている。そして、用紙搬送部4は給紙カセット3から送り出された用紙Pを受け取り、本体2の左側面に沿って垂直上方に転写部5まで搬送する。
【0020】
一方、画像形成装置1の本体2の上面には原稿搬送装置6が、その下方の本体2内部には画像読取部7が備えられている。ユーザーが原稿の複写を行う場合には文字や図形、模様などの画像が描かれた原稿を原稿搬送装置6に積載したり、画像読取部7上面の図示しないコンタクトガラス上に載置したりする。原稿搬送装置6では1枚或いは複数枚の原稿が1枚ずつ分離して送り出され、画像読取部7によってその画像が読み取られる。コンタクトガラス上の原稿に対しては画像読取部7内で光を走査させることによって画像が読み取られる。
【0021】
原稿画像の読み取りや印刷の開始は本体2の上部であって画像読取部7の正面側に備えられた操作パネル30を用いて実行される。さらに、操作パネル30は、例えばユーザーによるコピーや画像データ送信などといった機能の選択を受け付けたり、印刷に使用する用紙Pの種類やサイズ、拡大縮小、両面印刷の有無といった印刷条件などの設定を受け付けたり、エラー状態やその表示の解除を受け付けたりするための操作部としての役割を果たす。また、操作パネル30は、例えば装置の状態や注意事項、エラーメッセージなどを表示することによりそれらをユーザーに対して報知するための報知部としての役割も果たす。なお、操作パネル30の詳細な構成は後述する。
【0022】
原稿の画像データの情報は後述する主制御部17や画像処理部19を経由して画像処理が施された後、給紙カセット3の上方であって本体2の中央部に配置された露光部8に送られる。露光部8により、画像データに基づいてパワーレベル等が制御されたレーザー光Lが画像形成部9に向かって照射される。
【0023】
用紙搬送部4の上方であって露光部8の上方には画像形成部9及び転写部5が備えられている。画像形成部9では露光部8によって照射されたレーザー光Lにより原稿画像の静電潜像が形成され、この静電潜像からトナー像が現像される。トナーは露光部8の上方に備えられたトナーコンテナー10から画像形成部9に補給される。画像形成部9で形成されたトナー像は用紙搬送部4によって同期をとって送られてきた印刷前の用紙Pに転写部5にて転写される。
【0024】
転写部5の上方には定着部11が備えられている。転写部5にて未定着トナー像を担持した用紙Pは定着部11へと送られ、熱ローラーと加圧ローラーとによりトナー像が加熱、加圧されて定着される。
【0025】
定着部11の上方には分岐部12が備えられている。定着部11から排出された用紙Pは両面印刷を行わない場合、分岐部12から画像形成装置1の上部胴内に設けられた胴内用紙排出部13に排出される。
【0026】
分岐部12から胴内用紙排出部13に向かって用紙Pが排出されるその排出口部分はスイッチバック部14としての機能を果たす。両面印刷を行う場合にはこのスイッチバック部14において定着部11から排出された用紙Pの搬送方向が切り替えられる。そして、用紙Pは分岐部12を通過し、定着部11の左方及び転写部5の左方に設けられた両面印刷用用紙搬送路15を通して下方に送られ、再度用紙搬送部4を経て転写部5へと送られる。
【0027】
また、画像形成装置1は通信回線で接続された他の装置との間で互いにデータの送受信を行うための通信部16を備えている(図2参照)。画像形成装置1は通信部16を介して、例えば電話回線を利用して通信するファクシミリ通信と、ネットワーク回線を利用して通信するネットワーク通信とを実行することができる。
【0028】
そして、画像形成装置1は装置全体の動作制御のため、図2に示すようにその本体2内にCPU18やその他の図示しない電子部品で構成された主制御部17を備えている。主制御部17は中央演算処理装置であるCPU18と画像処理部19とを利用し、記憶部20などに記憶、入力されたプログラム、データに基づき画像読取部7、露光部8、画像形成部9、定着部11などといった構成要素を制御して画像形成動作を実現する。主制御部17はユーザーによる画像形成装置1の画像形成に係る機能選択やその機能に係る条件設定などを操作パネル30から受け付けることができる。
【0029】
続いて、画像形成装置1の操作パネル30の詳細な構成について、図2に加えて図3〜図5を用いて説明する。図3は操作パネル30の正面図、図4は操作パネル30の表示部の正面図にして、コピー機能の標準機能プログラムを起動した状態を示すもの、図5は操作パネル30の表示部の正面図にして、コピー機能の拡張機能プログラムを起動した状態を示すものである。
【0030】
操作パネル30は画像形成装置1の操作や状態の表示のために画像形成装置1に搭載され、図2及び図3に示すようにテンキー31、スタートキー32、ストップキー33、リセットキー34、クリアキー35、コピーキー36、送信キー37、表示部38、操作検出部39、操作制御部40及び記憶部41を備えている。
【0031】
テンキー31、スタートキー32、ストップキー33、リセットキー34及びクリアキー35は図3に示すように操作パネル30の右側の領域に配置されている。テンキー31は数字入力を受け付けるキーであって、0から9までの数字及び「*」「#」が記されている。スタートキー32は各種動作の開始指示を受け付けるキーである。ストップキー33は各種動作の停止指示を受け付けるキーである。リセットキー34は各種設定のリセット指示を受け付けるキーである。クリアキー35は入力した数字や文字、記号を消去するキーである。
【0032】
操作パネル30の左側の領域には画像形成装置1で利用可能な各種機能などに関するキーが配置され、例えばコピーキー36や送信キー37が配置されている。コピーキー36は画像形成装置1でコピーを利用したいときに押下されるコピー機能を選択するための機能選択キーである。送信キー37は画像形成装置1から画像データを送信したいときに押下される送信機能を選択するための機能選択キーである。
【0033】
表示部38は図3に示すように操作パネル30の中央部に配置されている。そして、表示部38は図2に示すように液晶表示部38x及びタッチパネル部38yを備えている。液晶表示部38xは設定、入力、指示などの複数の項目やキー、情報を液晶を用いて表示している。タッチパネル部38yは液晶表示部38xの上方に重ねて配置され、ユーザーが指などで接触することにより液晶表示部38xに表示された設定項目の選択やキーの入力といった操作を受け付ける。
【0034】
操作検出部39は表示部38のタッチパネル部38yにおけるユーザーの指などの接触を検出する。操作検出部39がタッチパネル部38yから得た情報、すなわち表示部38に対するユーザーのキー入力の情報は操作制御部40に送信される。
【0035】
操作制御部40は図示しないICなどの電子部品で構成され、主制御部17による制御に基づき操作パネル30を制御する制御装置である。操作制御部40は主制御部17からの制御指令により、記憶部20や記憶部41などに記憶されたプログラム、データに基づいて表示する設定項目や入力キーの種類、レイアウトを設定することで表示部38を表示制御する。また、操作制御部40はテンキー31、スタートキー32などの各キーやタッチパネル部38yからの情報に基づいてユーザーが操作した入力キーを特定してユーザーの操作指示として受け付け、その指示を必要に応じて主制御部17に送信する。
【0036】
ここで、コピー機能や画像データの送信機能などに関して、画像形成装置1はそれら画像形成に係る機能を実行するための個別の標準機能プログラム21を備え、記憶部20に記憶させている(図2参照)。標準機能プログラム21は対応する機能を完遂するためにユーザーが所望する様々な条件設定などを自在に行えるようになっており、画像形成装置1の同一機種すべてに同じ構成のプログラムが予め記憶されている。
【0037】
これに対して、画像形成装置1は標準機能プログラム21を改変した拡張機能プログラム22を記憶部20に記憶させることができるようになっている。拡張機能プログラム22は特定の用途のために開発されたプログラムであって、標準機能プログラム21で行うことができる条件設定などが省略されていたり、自動的に設定されたりする構成になっている。拡張機能プログラム22はユーザーの希望によってメーカーやユーザー自身が別途画像形成装置1に記憶させるプログラムであって、画像形成装置1の同一機種すべてに記憶されているわけではない。なお、画像形成装置1はコピーキー36や送信キー37などといった複数の種類の機能選択キー各々に対応させた複数の拡張機能プログラムを記憶部20に記憶可能である。
【0038】
例えば、コピー機能に対応する拡張機能プログラム22が記憶部20に記憶されていない場合、画像形成装置1はコピーキー36が操作されたとき、操作制御部40からその操作指示を受け付けた主制御部17が標準機能プログラム21を起動させる。このとき、操作制御部40は主制御部17からの制御指令により、例えば図4に示すメニュー画面50を表示部38に表示させる。
【0039】
標準機能プログラム21のメニュー画面50にはメッセージ表示部51、部数表示部52、プレビュー部53、設定表示部54及びタブ部55が配置されている。
【0040】
メッセージ表示部51はメニュー画面50の上端部左側に設けられている。メッセージ表示部51には、例えば現在コピーが可能であったり、コピー中であったり、エラーが発生している状態であったりといったユーザーに対するメッセージが表示されている。
【0041】
部数表示部52はメニュー画面50の上端部右側に設けられている。部数表示部52にはコピーを行う際の印刷部数が表示される。印刷部数はテンキー31により変更が可能である。
【0042】
プレビュー部53はメニュー画面50の上下方向中央部左側に設けられている。プレビュー部53には画像読取部7で読み取った原稿の画像データのプレビューや選択された印刷用紙Pのサイズや向きなどが表示される。
【0043】
設定表示部54はメニュー画面50の略中央部に、タブ部55はメニュー画面50の下部に設けられている。設定表示部54には、例えば選択した印刷用紙のサイズや拡大縮小、濃度などといったコピーに関する動作条件などが記載された各種設定項目54aやその設定項目選択キー54bが表示される。設定表示部54に表示される設定項目54aはタブ部55の各種タブ55aを選択することにより切り替えることができる。例えば、図4に示す設定表示部54には「簡単設定」タブ55aの設定項目54aが表示されている。タブ55aは横方向に、例えば5個並べられている。
【0044】
一方、画像形成装置1はコピー機能に対応する拡張機能プログラム22を記憶部20に記憶させている。コピー機能に対応する拡張機能プログラム22が記憶部20に記憶されているので、画像形成装置1はコピーキー36が操作されたとき、操作制御部40からその操作指示を受け付けた主制御部17が拡張機能プログラム22を起動させる。このとき、操作制御部40は主制御部17からの制御指令により、例えば図5に示すメニュー画面60を表示部38に表示させる。
【0045】
画像形成装置1はコピー機能に関して、例えば注文書をコピーして画像データをサーバーに送信する用途に特化されており、コピーキー36が操作されると「Copy of Order Form」という拡張機能プログラム22が起動されて図5に示すメニュー画面60が表示部38に表示される。標準機能プログラム21のメニュー画面50で設定項目選択キー54bやタブ55aを操作することにより変更が可能な、例えば印刷用紙のサイズや拡大縮小、濃度などの設定が、拡張機能プログラム22では自動的に設定され、ユーザーによる設定が不要になっている。
【0046】
拡張機能プログラム22のメニュー画面60にはプログラム名称表示部61及び操作方法表示部62が配置されている。
【0047】
プログラム名称表示部61はメニュー画面60の上端部に設けられ、起動した拡張機能プログラム22の名称が記載されている。操作方法表示部62はプログラム名称表示部61下方のメニュー画面60の大半を占め、操作を分かり易くするための画像やテキストで記載された操作手順が表示されている。
【0048】
上記のように、画像形成装置1の主制御部17はコピーキー36が操作されたとき、コピー機能に対応する拡張機能プログラム22が記憶部20に記憶されている場合には拡張機能プログラム22を起動させ、コピー機能に対応する拡張機能プログラム22が記憶部21に記憶されていない場合には標準機能プログラム21を起動させる。すなわち、画像形成装置1はコピー機能に対応する拡張機能プログラム22が記憶部20に記憶されている場合においてコピーキー36が操作されたときには必ず、拡張機能プログラム22を起動させる。したがって、コピー機能に関して標準機能プログラム21が起動しないので、例えば「Copy of Order Form」という拡張機能プログラム22を用いることにより標準的な機能を改変したユーザー所望の機能のみを実行する用途に特化された画像形成装置1においてユーザーの混乱を回避することが可能である。
【0049】
さらに、主制御部17は操作制御部40に指令を送り、拡張機能プログラム22を起動したときには拡張機能プログラム22に対応するメニュー画面60を表示部38に表示させ、標準機能プログラム21を起動したときには標準機能プログラム21に対応するメニュー画面50を表示部38に表示させる。すなわち、画像形成装置1はコピー機能に対応する拡張機能プログラム22が記憶部20に記憶されている場合においてコピーキー36が操作されたときには必ず、拡張機能プログラム22に対応するメニュー画面60を表示部38に表示させる。したがって、コピー機能に関して標準機能プログラム21に対応するメニュー画面50が表示されないので、拡張機能プログラム22を用いることにより標準的な機能を改変したユーザー所望の機能のみを実行する用途に特化された画像形成装置1においてユーザーの混乱を防止でき、操作し易くすることができる。
【0050】
また、画像形成装置1はコピーキー36や送信キー37といった複数の種類の機能選択キーを備え、記憶部20がそれら機能選択キー各々に対応させた複数の拡張機能プログラムを記憶可能であるので、画像形成装置1が有する複数の種類の機能各々に対応して機能選択キーが操作されたときには必ず、各拡張機能プログラムが起動する。したがって、複数の種類の機能ごとに拡張機能プログラムを用いることにより各機能においてユーザー所望の用途に特化された画像形成装置1ができあがり、より一層ユーザーの混乱を回避し易くすることが可能である。
【0051】
そして、上記実施形態の構成によれば、コピー機能に関して拡張機能プログラム22を用いることにより標準的な機能を改変したユーザー所望のコピー機能のみを実行する用途に特化された装置において操作性の向上が図られ、良好な使い勝手を備えた画像形成装置1を提供することが可能である。
【0052】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0053】
例えば、上記実施形態では、画像形成装置1としてブラックトナーのみを使用したモノクロ印刷用の画像形成装置を例に掲げて説明したが、発明の適用対象となる画像形成装置はこのような機種に限定されるわけではなく、中間転写ベルトを備え、複数色を重ね合わせて画像形成することが可能なタンデム方式、或いはロータリー方式のカラー印刷用画像形成装置などであっても構わない。
【0054】
また、上記実施形態において拡張機能プログラム22は画像形成装置1のコピー機能に対応し、機能選択キーであるコピーキー36を操作することにより起動することとしたが、拡張機能プログラムが画像形成装置のコピー機能に対応するプログラムに限定されるわけではなく、例えば送信機能などの他の機能に対応するプログラムであっても構わない。
【0055】
また、上記実施形態において拡張機能プログラム22は注文書をコピーして画像データをサーバーに送信する用途に特化されたプログラムであることとしたが、拡張機能プログラム22がそのような仕様で構成されたプログラムに限定されるわけではなく、他の仕様で構成されたプログラムであっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、画像形成装置全般において利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 画像形成装置
17 主制御部(制御部)
20 記憶部
21 標準機能プログラム
22 拡張機能プログラム
30 操作パネル
36 コピーキー(機能選択キー)
37 送信キー(機能選択キー)
38 表示部
39 操作検出部
40 操作制御部
50、60 メニュー画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成に係る機能を実行するための標準機能プログラムと、前記標準機能プログラムを改変した拡張機能プログラムとが記憶可能な記憶部と、
前記機能を選択するための機能選択キーと、
前記機能選択キーが操作されたとき、前記機能に対応する前記拡張機能プログラムが前記記憶部に記憶されている場合には前記拡張機能プログラムを起動させ、前記機能に対応する前記拡張機能プログラムが前記記憶部に記憶されていない場合には前記標準機能プログラムを起動させる制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記標準機能プログラムまたは前記拡張機能プログラムに対応するメニュー画面を表示するための表示部を備え、
前記制御部が、前記拡張機能プログラムを起動したときには前記拡張機能プログラムに対応する前記メニュー画面を前記表示部に表示させ、前記標準機能プログラムを起動したときには前記標準機能プログラムに対応する前記メニュー画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の種類の前記機能選択キーを備え、
前記記憶部が、複数の種類の前記機能選択キー各々に対応させた複数の前記拡張機能プログラムを記憶可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−29981(P2013−29981A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165452(P2011−165452)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】