説明

画像形成装置

【課題】ライフサイクルを通して環境負荷を低減したり、印刷処理能力を向上したりできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】本願発明の画像形成装置1は、最大サイズの記録材Pを長辺側から給紙するように、その長辺方向を前記記録材Pの搬送方向に直交させている給紙部7と、前記最大サイズの記録材Pの長辺寸法Lに最大通紙幅を対応させ、デジタル画像データに応じたトナー像を前記記録材Pに印刷する画像形成部6と、原稿台11に載置される最大サイズの原稿Dの長辺方向を前記画像形成部6の通紙幅方向及び前記給紙部7の長辺方向に直交させるように、その短辺方向を前記画像形成部6の通紙幅方向及び前記給紙部7の長辺方向に沿わせている画像読取部5とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、画像形成装置に関するものである。画像形成装置には、複写機、プリンター、ファクシミリ及びこれらの機能を複合的に備えた複合機といった各種のものが含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子写真方式を採用した画像形成装置は、記録材を給紙する給紙部と、画像データに応じたトナー像を記録材に印刷する画像形成部とを備えている。画像形成部での印刷態様としては、公知の電子写真方式によって、給紙部から給紙された記録材に感光体ドラム上のトナー像を静電的に転写してから、転写後の記録材を定着部に搬送して加熱及び加圧し、トナー像を記録材に定着させるのが一般的である。
【0003】
この種の画像形成装置では、画像形成部の最大通紙幅(記録材の搬送方向と直交する幅方向寸法の最大値)によって、印刷可能な画像の幅寸法が決まる。このため、製造コスト抑制の観点に鑑み、画像形成部の最大通紙幅を、給紙部に収容される最大サイズの記録材の短辺寸法に合わせ、最大サイズの記録材を短辺側から画像形成部に通紙するという構成を採用するのが通常であった(例えば特許文献1及び2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−328334号公報
【特許文献2】特開2005−115084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで近年、地球環境問題への注目度が社会的に高まり、工場における生産活動の及ぼす環境への配慮だけでなく、工業製品のライフサイクル全体で環境負荷を低減することが要請されている。しかし、前記従来の画像形成装置は、製造コスト抑制にのみ着目した構成であり、環境負荷に対する配慮は特になされていない。また、前記従来の構成では、最大サイズの記録材を印刷するにおいて、記録材1枚当りにその長辺寸法分の距離を搬送する時間を必要とするため、単位時間当りの印刷枚数が少なくなる傾向にある。この点、画像形成装置のプロセス速度を速めることも可能だが、そうすると、プロセス速度を速めた分だけ、電力の使用によるエネルギー消費量が増えると共に騒音も大きくなり、環境負荷が大きくなるという問題を招来するのであった。
【0006】
本願発明は、上記のような問題点を解消した画像形成装置を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る画像形成装置は、最大サイズの記録材を長辺側から給紙するように、その長辺方向を前記記録材の搬送方向に直交させている給紙部と、前記最大サイズの記録材の長辺寸法に最大通紙幅を対応させ、デジタル画像データに応じたトナー像を前記記録材に印刷する画像形成部と、原稿台に載置される最大サイズの原稿の長辺方向を前記画像形成部の通紙幅方向及び前記給紙部の長辺方向に直交させるように、その短辺方向を前記画像形成部の通紙幅方向及び前記給紙部の長辺方向に沿わせている画像読取部とを備えているというものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載した画像形成装置において、前記画像読取部は、その主走査方向に直交する読取中心線が前記画像形成部において通紙幅方向に直交する通紙中心線よりも奥側に位置するように、前記画像形成部の上方に配置されており、前記画像読取部と前記画像形成部との間に配置され、印刷済の記録材を排出する排紙貯留部を更に備えているというものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載した画像形成装置において、前記画像読取部は、読取用のスキャナー部と、前記スキャナー部の上面側にヒンジ部材を介して開閉可能に設けられた自動原稿搬送部又は原稿押さえ部とを有しており、前記ヒンジ部材を前記画像読取部の長辺奥側に位置させているというものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1に記載した画像形成装置において、前記給紙部及び前記画像形成部を内部に有し、前記給紙部における一方の長辺側の上方に前記画像形成部を位置させている装置本体を更に備えており、前記画像読取部は前記装置本体の上方に配置されていて、その短辺一側部を前記装置本体からはみ出させているというものである。
【発明の効果】
【0011】
本願の請求項に記載された発明によると、最大サイズの記録材を長辺側から給紙するように、その長辺方向を前記記録材の搬送方向に直交させている給紙部と、前記最大サイズの記録材の長辺寸法に最大通紙幅を対応させ、デジタル画像データに応じたトナー像を前記記録材に印刷する画像形成部とを備えているから、最大サイズの記録材を印刷するにおいて、前記記録材はその短辺方向に沿って搬送されることになる。
【0012】
このため、記録材を長辺方向に沿って搬送する従来の場合と比べて、画像形成装置のプロセス速度が同じあれば、前記画像形成部等を駆動させる時間が大幅に短くなり、電力の使用によるエネルギー消費量を抑制できると共に騒音も低減でき、環境負荷の低減が可能になる。また、同じプロセス速度であれば、印刷処理時間が短辺寸法分の搬送時間で済むため、単位時間当りの印刷枚数も多くできる。一方、消費電力が従来と同じであれば、より高速なプロセス速度にでき、前記画像形成装置の印刷処理能力を向上できる。
【0013】
従って、本願発明によると、従来と同じプロセス速度の場合、ライフサイクルを通して環境負荷の低減を実現できる一方、従来と同じ消費電力の場合、前記画像形成装置の印刷処理能力向上を実現できるという効果を奏する。
【0014】
その上、原稿台に載置される最大サイズの原稿の長辺方向を前記画像形成部の通紙幅方向及び前記給紙部の長辺方向に直交させるように、その短辺方向を前記画像形成部の通紙幅方向及び前記給紙部の長辺方向に沿わせている画像読取部をも備えているから、前記画像読取部の短辺方向の前後に、前記給紙部の長辺方向との関係で空きスペースを形成することが可能になる。このため、前記空きスペースを有効利用して、例えば入力操作用の操作パネル等を画像形成装置の占有領域内に収まるように(出っ張らせることなく)配置でき、デザイン的にコンパクトにまとめられた好印象を看者にもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態におけるMFPの外観斜視図である。
【図2】ADFを省略した状態でのMFPの平面図である。
【図3】MFPの右側面図である。
【図4】装置本体の内部構造を示す正面断面図である。
【図5】MFPによる複写の一例を説明する概略図である。
【図6】装置本体の内部構造を示す拡大正面断面図である。
【図7】読取中心線と通紙中心線との関係を示す平面図である。
【図8】読取中心線と通紙中心線との関係を示す概略側面説明図である。
【図9】MFPの別実施形態を示す外観正面図であり、(a)は排紙トレイにて排紙貯留部を延長させた場合、(b)は排紙貯留部内にインナーフィニッシャーを配置した場合、(c)は装置本体の左側方に外置き用のフィニッシャーを配置した場合、(d)は排紙貯留部をなくした場合である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば「左右」「上下」等)を用いる場合は、図4で紙面に直交する方向を正面視とし、この方向を基準にしている。これらの用語は説明の便宜のために用いたものであり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0017】
はじめに、図1−図3を参照して、画像形成装置の一例である複合機1(以下、MFPという)の第1実施形態を説明する。MFP1は、コピー機能、スキャナー機能、プリンター機能、ファックス機能といった多くの機能を有するものであり、例えばLANや電話回線といったネットワーク(通信網)を介してのデータ送受信が可能になっている。すなわち、MFP1は、原稿から読み取ってデジタル変換したデジタル画像データをネットワーク経由で他のコンピューターに出力したり、ネットワーク経由で他のコンピューターからデジタル画像データを入力して該デジタル画像データに基づく印刷を実行したり、FAXデータの送受信をしたりできるものである。
【0018】
MFP1における装置本体2の上部に、スキャナー部3と自動原稿搬送部4(以下、ADFという)とからなる画像読取部5が設けられている。画像読取部5は、スキャナー部3とADF4とを同期して作動させ、ADF4にセットされた原稿1枚ずつから画像を光学的に読み取ることにより、デジタル画像データを取得するように構成されている。すなわち、ADF4はスキャナー部3に向けて原稿を1枚ずつ搬送し、スキャナー部3は、原稿が所定の読取位置を通過する際に画像を読み取って、デジタル画像データを取得するように構成されている。
【0019】
装置本体2の下部には、記録材Pを収容する給紙部7が設けられている。装置本体2のうち画像読取部5と給紙部7との間には、公知の電子写真方式によってデジタル画像データに応じたトナー像を記録材Pに印刷する画像形成部6が設けられている。すなわち、給紙部7の上方に画像形成部6が位置し、画像形成部6の上方に画像読取部5が位置している。給紙部7は記録材Pを1枚ずつ画像形成部6に供給し、画像形成部6は画像読取部5やネットワーク経由で取得されたデジタル画像データに基づき、記録材P上にトナー像を印刷するように構成されている。装置本体2のうち画像読取部5と画像形成部6との間にある凹みスペースは、排紙空間を構成する排紙貯留部8である。画像形成部6にてトナー像が印刷された記録材Pは排紙貯留部8に排出される。
【0020】
装置本体2の正面側(前面側)には、複数のキー(ボタン)を有する操作部としての操作パネル9が設けられている。ユーザーは、操作パネル9の表示画面等を見ながらキー操作をすることによって、MFP1の各種機能の中から選択した機能について設定操作をしたり、MFP1に作業実行を指示したりできる。
【0021】
MFP1はいわゆるA4対応機であり、給紙部7には、最大でA4サイズの記録材Pを、画像形成部6に長辺側から進入する横送りの姿勢で収容することが可能である。この場合、A4横の記録材Pの長辺寸法L(幅寸法)は297mm、短辺寸法N(搬送方向寸法)は210mmである。
【0022】
次に、図4等を参照しながら、装置本体2の内部構造について説明する。装置本体2の上部にある画像読取部5のうちスキャナー部3は、上面側にプラテンガラス12(図2参照)を有する原稿台11と、原稿Dに対して光を照射する光源装置13と、原稿Dからの反射光を画像信号に光電変換するイメージセンサー14と、反射光をイメージセンサー14上に結像させる結像レンズ15と、原稿Dからの反射光を順次反射させて結像レンズ15に入射させるミラー群16とを備えている。光源装置13、イメージセンサー14、結像レンズ15及びミラー群16は原稿台11の内部に設けられている。
【0023】
プラテンガラス12上の原稿Dを読み取る場合は、光源装置13やミラー群16を画像読取部5の長辺方向(装置本体2の左右方向)に移動させながら、光源装置13から原稿Dに光を照射する。原稿Dから反射した反射光は、ミラー群16で順次反射されて結像レンズ15に入射し、イメージセンサー14上に結像される。イメージセンサー14は、入射光の強さに応じて画素毎に光電変換を実行し、原稿Dの画像に対応した画像信号(RGB信号)を生成する。画像信号(RGB信号)は、後述する制御基板42に出力される。
【0024】
原稿台11の上面側にADF4が開閉可能に設けられている。ADF4は、プラテンガラス12上の原稿Dに覆い被さることによって原稿Dをプラテンガラス12に密着させる働きも有する。ADF4は、原稿載置トレイ17と原稿排出トレイ18とを備えている。原稿載置トレイ17に載置された原稿Dを読み取る場合、当該原稿Dは複数のローラー等で構成される原稿搬送機構19によって読取位置に搬送される。このとき、光源装置13から原稿Dの読取位置部分に光が照射され、その反射光がミラー群16及び結像レンズ15を介してイメージセンサー14上に結像される。そして、イメージセンサー14が原稿Dの画像に対応した画像信号(RGB信号)に変換して、当該画像信号を制御基板42に出力する。その後、原稿Dは原稿排出トレイ18に排出される。
【0025】
最大サイズであるA4サイズの原稿Dを画像読取部5にて読み取る際は、装置本体2の正面側から見て、原稿Dをその長辺方向が装置本体2の左右方向に沿うようにセットする。すなわち、長辺方向が画像形成部6の通紙幅方向(装置本体2の前後方向)に直交するように、原稿Dをセットすることになる。ADF4における原稿載置トレイ17上の原稿Dは、短辺側から縦送りの姿勢で、装置本体2の左右方向に搬送される。このことから分かるように、画像読取部5の長辺方向は装置本体2の左右方向に沿い、短辺方向は装置本体2の前後方向に沿うことになる。
【0026】
図4に示すように、画像形成部6は、周知の電子写真方式によって、像担持体としての感光体ドラム21上に形成されたトナー像を記録材Pに転写してから、転写後の記録材Pを定着器28に搬送して加熱及び加圧し、トナー像を記録材Pに定着させるものである。感光体ドラム21の周囲には、その回転方向(図4の反時計方向)に沿って順に、帯電器22、露光器23、現像器24、転写ローラー25、分離器26及びクリーナー27が配置されている。
【0027】
帯電器22は感光体ドラム21の表面を一様に帯電させる。露光器23は感光体ドラム21の表面に静電潜像を形成させる。現像器24は感光体ドラム21上の静電潜像をトナー像(可視像)に現像する。転写ローラー25は感光体ドラム21上のトナー像を記録材Pに転写させる。感光体ドラム21と転写ローラー25との当接部分が転写位置である。分離器26は感光体ドラム21と記録材Pとを分離させる。クリーナー27は感光体ドラム21上に残った未転写トナーを除去する。なお、感光体ドラム21や転写ローラー25等の最大通紙幅(記録材Pの搬送方向と直交する幅方向寸法の最大値)は、A4横の記録材Pに転写可能なように、A4横の記録材Pの長辺寸法L(=297mm)よりも若干長い。
【0028】
定着器28は、ハロゲンランプ等の定着ヒーターを内蔵した定着ローラーと、定着ローラーに対峙する加圧ローラーとを備えている。定着ローラーと加圧ローラーとの当接部分が定着位置である。制御基板42にて定着ヒーターへの通電が制御され、定着ヒーターが定着に必要な温度に維持される。なお、定着器28の最大通紙幅も、A4横の記録材Pを加熱及び加圧可能なように、A4横の記録材Pの長辺寸法L(=297mm)より若干長い。感光体ドラム21や転写ローラー25等の最大通紙幅、並びに定着器28の最大通紙幅の関係から分かるように、第1実施形態では、画像形成部6の最大通紙幅がA4横の記録材Pに印刷可能な長さに設定されている。
【0029】
図4に示すように、給紙部7は、記録材Pを収容する上下複数段の給紙カセット31、各給紙カセット31内の記録材Pを最上層から繰り出す繰り出しローラー32、繰り出された記録材Pを1枚ずつに分離する分離ローラー対33、繰り出された記録材Pを転写位置に送り出すタイミングをとるレジストローラー対34等を備えている。各給紙カセット31内の記録材Pは、対応する繰り出しローラー32及び分離ローラー対33の回転駆動によって、最上層のものから1枚ずつ、給紙路R1経由で主搬送路R0に向けて送り出される。主搬送路R0は画像形成(印刷)の工程を経る記録材Pの主たる通り道である。給紙路R1は給紙カセット31毎に設けられる。各給紙路R1はレジストローラー対34の搬送上流側で主搬送路R0に合流している。
【0030】
図2に示すように、給紙カセット31の長辺方向は装置本体2の前後方向に沿わせている。A4サイズの記録材Pの長辺方向は、給紙カセット31に収容された状態で装置本体2の前後方向に沿うことになる。従って、A4サイズの記録材Pは、長辺側から横送りの姿勢で画像形成部6に進入することになる。
【0031】
また、図2から分かるように、給紙カセット31の長辺方向は、画像読取部5の長辺方向と直交する位置関係になっている。この点からも明らかなように、装置本体2において画像読取部5を構成する上半部の前後寸法は、給紙カセット31等を内蔵した下半部の前後寸法に比べて短くなっており、前記下半部(装置本体2)は、平面視で前記上半部(画像読取部5)と部分的に重なった状態で、少なくとも前記上半部(画像読取部5)の長辺手前側からはみ出している。第1実施形態では、平面視で前記上半部(画像読取部5)の前後に、前記下半部(装置本体2)の外形との関係で空きスペースSが形成されている。
【0032】
画像読取部5の近傍である前側の空きスペースSには、操作部としての操作パネル9が、給紙部7のうち装置本体2の左右方向に沿う短辺一側部(第1実施形態では前面部)の外側面よりも外側に突出しないように配置されている(図3参照)。給紙部7の短辺一側部は、A4サイズの記録材Pにおける一方の短辺側に対応する部分である。操作パネル9の前端側は装置本体2(給紙部7)の前面より内側に位置し、操作パネル9全体が前側の空きスペースS内に収まっている。
【0033】
図4に示すように、給紙部7の上方に画像形成部6が配置され、画像形成部6の上方に排紙ローラー対36が配置されている。主搬送路R0は、下から上の縦方向に記録材Pを搬送するように構成されている。この場合、画像形成部6は給紙カセット31のうち装置本体2の前後方向に長い長辺一側部の上方に配置されている。給紙カセット31の長辺一側部は、A4サイズの記録材Pにおける一方の長辺側に対応する部分である。第1実施形態の画像形成部6は、装置本体2内の右方に片寄って配置されている。画像形成部6だけでなく主搬送路R0、排紙ローラー対36及び循環搬送部37も、装置本体2内の右方に片寄って配置されている。
【0034】
装置本体2における左右方向の一側部(第1実施形態では右側部)には、外部から所定サイズの記録材Pを給紙可能な手差しトレイ35が設けられている。手差しトレイ35は、装置本体2内にある通常の給紙部7とは別に補助的に設けられたものであり、装置本体2における左右方向の一側部に対して開閉回動可能に取り付けられている。手差しトレイ35上の記録材Pは、ピックアップローラー等の回転駆動によって、最上層のものから1枚ずつ、手差し給紙路R1′経由で主搬送路R0に向けて送り出される。
【0035】
主搬送路R0のうち定着器28よりも下流側には、印刷済の記録材Pを排出する排紙ローラー対36が配置されている。印刷済の記録材Pは、排紙ローラー対36の回転駆動によって排紙貯留部8に排出される。
【0036】
第1実施形態の装置本体2内には、片面印刷後の記録材Pを表裏反転させて両面印刷するための循環搬送部37が設けられている。循環搬送部37は、片面印刷後の記録材Pを表裏反転させる反転ローラー対と、複数組の両面搬送ローラー対38とを備えている。循環搬送部37では、片面印刷後の記録材Pを表裏反転させ、循環搬送路R2を介して再びレジストローラー対34まで搬送させる。この場合、排紙ローラー対36を正逆回転可能に構成することによって、排紙ローラー対36に反転ローラー対の機能を兼用させている。排紙ローラー対36の正逆回転によって、記録材PをMFP1外に排出したり、スイッチバック(逆送)してMFP1内に戻したりできる。循環搬送路R2の上流側は、主搬送路R0のうち定着器28と排紙ローラー対36との間から分岐している。循環搬送路R2の下流側は、レジストローラー対34の上流側に合流している。
【0037】
図4に示すように、装置本体2内には、給紙部7を挟んでその短辺方向の一方に画像形成部6が、他方に電装部40が配置されている。給紙部7を挟んで画像形成部6の反対側に位置する電装部40は、装置本体2の各部(例えば画像読取部5、画像形成部6及び給紙部7等)への電力を制御する電源基板41と、前記各部の作動制御全般を司る制御基板42とを有するユニットである。電源基板41及び制御基板42は、金属板を箱状に形成してなるシールド筐体43で囲われている。シールド筐体43にて両基板41,42を囲うことによって、各基板41,42から放出されるノイズの拡散防止や、各基板41、42等の接地アースの強化が図られている。
【0038】
前述の通り、第1実施形態の画像形成部6は、最上段の給紙カセット31における長辺右側部の上方に位置している。電装部40は、給紙カセット31における長辺左側部の左方に位置している。この場合、シールド筐体43は、上下及び前後方向に長く、左右方向に厚みの薄い箱型に形成されていて、給紙カセット31における長辺左側部の左方に縦置きされている。電源基板41及び制御基板42は、シールド筐体43内に縦置きされている。
【0039】
図4及び図6に示すように、装置本体2の左側板には、電装部40に臨むように吸気口51が形成されている一方、装置本体2の右側板には、転写ローラー25及び循環搬送路R2中途部の両面搬送ローラー38に臨むように排気口52が形成されている。電装部40を構成するシールド筐体43の左側板には、吸気口51から外の空気を取り込むための筐体側吸込み口44が形成され、シールド筐体43の上面板には、シールド筐体43内の空気を排出するための筐体側吐出し口45が形成されている。シールド筐体43における筐体側吐出し口45の上方に、冷却ファン53が配置されている。なお、第1実施形態では、装置本体2内のうち排気口52に対峙する箇所に、排気ファン54が設けられている。
【0040】
冷却ファン53及び排気ファン54を回転駆動させると、シールド筐体43内の空気が下から上に流れ、装置本体2内の空気が左から右へ流れて内部圧力が低下し、シールド筐体43内外及び装置本体2内外に圧力差が生ずる。このため、吸気口51から外の空気が取り込まれる。吸気口51から取り込まれて筐体側吸込み口44を通過した空気は、シールド筐体43内を流通して電源基板41及び制御基板42の熱を奪い、上面板の筐体側吐出し口45から冷却ファン53を介して露光器23に導かれる。次いで、露光器23に導かれた空気(シールド筐体43内を流通して暖まった空気)は、露光器23以外の画像形成部6(感光体ドラム21、現像器24及び転写ローラー25等)を冷却して、排気口52から外に排出される(図6の矢印W方向参照)。
【0041】
すなわち、図6に矢印Wで示すように、吸気口51から取り込まれた空気は、電装部40、露光器23及び露光器23以外の画像形成部6を経由して、排気口52から排出されるように流通する。吸気口51から電装部40、露光器23及び露光器23以外の画像形成部6を経由して排気口52に至る経路が空気流路W(空気の通り道)になっている。このことから分かるように、冷却ファン53は、空気流路Wのうち電装部40及び画像形成部6(具体的には露光器23)の間に位置している。なお、第1実施形態の排気口52は、装置本体2の右側板において転写ローラー25と定着器28との間付近で開口している。このため、画像形成部6周辺を通過する空気は、定着器28周辺の熱も奪いながら排気口52から排出される(空気流路Wを流れる空気は定着器28周辺の熱を奪う役割も担っている)。
【0042】
第1実施形態では、装置本体2の左側板のうち冷却ファン53に対峙する箇所に、吸気口51とは別の空気取入れ口55が形成されている。空気取入れ口55から取り込まれた外の空気は、電装部40を通過することなく冷却ファン53に導かれ、露光器23以降の空気流路Wに合流する。従って、空気取入れ口55からの空気は、電装部40を通過した空気よりも温度が低くて、空冷効果が高い。空気取入れ口55から電装部40を通過せずに冷却ファン53に至る経路は、空気流路Wとは別の空気導入路W′になっている。この場合、空気取入れ口55、冷却ファン53、画像形成部6、排気ファン54及び排気口52がほぼ横一直線状に並ぶので、電装部40を通過せず温度の低い空気の流れは至極円滑であり、画像形成部6の空冷に高い効果を発揮できる。
【0043】
MFP1による印刷動作を簡単に説明する。MFP1は、開始信号や画像信号等を受信して印刷動作を開始する。片面印刷の場合、給紙部7(給紙カセット31又は手差しトレイ35)から繰り出された記録材Pは、主搬送路R0に沿って画像形成部6に搬送される。画像形成部6では、感光体ドラム21上のトナー像の先端が転写位置に達するタイミングに合わせて、記録材Pがレジストローラー対34にて転写位置に搬送され、感光体ドラム21上のトナー像が記録材Pに転写される。転写後に感光体ドラム21上に残った未転写トナーは、クリーナー27にて掻き取られ、感光体ドラム21上から取り除かれる。片面に未定着トナー像を載せた記録材Pは、定着器28の定着位置を通過する際に加熱及び加圧され、未定着トナー像を定着される。トナー像定着後(片面印刷後)の記録材Pは排紙貯留部8に排出される。両面印刷の場合は、片面印刷後の記録材Pを両面印刷用の循環搬送路R2に搬送して裏返しにし、再び主搬送路R0に戻すことによって、記録材Pの他面にトナー像を転写及び定着させることになる。
【0044】
次に、図5等を参照しながら、MFP1による複写の一例について説明する。前述の説明から明らかなように、原稿台11のプラテンガラス12上に載置された原稿Dの画像を読み取る際は、光源装置13やミラー群16が画像読取部5の長辺方向(装置本体2の左右方向)に移動する。つまり、画像読取部5の副走査方向は画像読取部5の長辺方向と一致し、画像読取部5の主走査方向は画像読取部5の短辺方向と一致している。
【0045】
第1実施形態の画像読取部5は、最大でA4サイズの原稿Dを、その長辺方向が画像読取部5の長辺方向(装置本体2の左右方向)に沿った状態で、原稿台11のプラテンガラス12上に載置することが可能になっている。この場合、画像読取部5にて読み取られる画像信号は、主走査幅210mm、副走査幅297mmというサイズになる。プラテンガラス12上に載置されたA4サイズの原稿Dの長辺方向は、各給紙カセット31(収容された記録材P)の長辺方向及び画像形成部6の通紙幅方向に直交する。すなわち、プラテンガラス12上にあるA4サイズの原稿Dは、各給紙カセット31内の記録材Pと90°だけ向きを異ならせている。一方、画像形成部6の主走査幅(最大通紙幅に相当)は、A4横の記録材Pの長辺寸法Lに対応した297mmに設定されている。
【0046】
そこで、第1実施形態では、原稿台11のプラテンガラス12上に載置された原稿Dが最大のA4サイズであり且つ等倍で複写する場合に、制御基板42において、原稿Dから読み取って得られたデジタル画像データの副走査方向を画像形成部6の主走査方向に置き換えると共に、デジタル画像データの主走査方向を画像形成部6の副走査方向に置き換える。そして、置き換えられたデジタル画像データに基づき、画像形成部6にて印刷処理を施す。換言すると、原稿Dから読み取って得られたデジタル画像データを90°回転させ、90°回転後のデジタル画像データに対応したトナー像を画像形成部6にてA4横の記録材Pに印刷するのである(図5参照)。なお、印刷倍率(等倍、拡大、縮小等)の設定が操作パネル9やネットワーク経由で取得されることは言うまでもない。
【0047】
さて、前述の通り、給紙部7及び画像形成部6等を内部に有する装置本体2の上部には、スキャナー部3及びADF4からなる画像読取部5が配置されている。ADF4は、スキャナー部3を構成する原稿台11の上面側に、一対のヒンジ部材61(図2、図3及び図7参照)を介して開閉可能に設けられている。図2、図3及び図7から分かるように、ヒンジ部材61は原稿台11の長辺奥側に位置している。このため、原稿台の短辺奥側にヒンジ部材を設けて開閉するADF(例えば特開2002−148872号公報や特開2006−323224号公報等参照)に比べて、第1実施形態のADF4の開閉モーメントは大幅に軽減される。従って、ADF4の開閉操作性は良好である。ADF4に代えて、プラテンガラス12上の原稿Dに覆い被さって原稿Dをプラテンガラス12に密着させる原稿押さえ部(自動原稿搬送機能のないもの)を採用した場合でも、前記のような開閉モーメントの軽減効果が得られることは言うまでもない。
【0048】
図7及び図8に示すように、画像読取部5の読取中心線Csは、主走査幅を二等分する位置(中央)を通って副走査方向(短辺方向)に延びている。換言すると、読取中心線Csは、主走査幅の中央を通って主走査方向(長辺方向)と直交している。一方、画像形成部6の通紙中心線Cpは、その最大通紙幅を二等分する位置(中央)を通る直線であり、通紙幅方向と直交している。第1実施形態では、画像読取部5の読取中心線Csが画像形成部6の通紙中心線Cpよりも適宜間隔ΔLだけ後方側(奥側)に位置するように、画像読取部と装置本体2(画像形成部6)との配置関係が規定されている。このため、画像読取部5近傍にある前側の空きスペースSを確保し易いことに加えて、画像読取部5と装置本体2との間の排紙貯留部8に、印刷済の記録材Pを前側の空きスペースSに寄せて排出できる。従って、排紙貯留部8上にある印刷済の記録材Pの視認性及び取出し性向上に貢献する。
【0049】
以上の構成によると、最大サイズの記録材Pを長辺側から給紙するように、その長辺方向を前記記録材Pの搬送方向に直交させている給紙部7と、前記最大サイズの記録材Pの長辺寸法Lに最大通紙幅を対応させ、デジタル画像データに応じたトナー像を前記記録材Pに印刷する画像形成部6とを備えているから、最大サイズの記録材Pを印刷するにおいて、記録材Pはその短辺方向に沿って搬送されることになる。
【0050】
このため、記録材Pを長辺方向に沿って搬送する従来の場合と比べて、MFP1のプロセス速度が同じあれば、画像形成部6等を駆動させる時間が大幅に短くなり、電力の使用によるエネルギー消費量を抑制できると共に騒音も低減でき、環境負荷の低減が可能になる。また、同じプロセス速度であれば、印刷処理時間が短辺寸法N分の搬送時間で済むため、単位時間当りの印刷枚数も増やせる。一方、消費電力が従来と同じであれば、より高速なプロセス速度にでき、MFP1の印刷処理能力を向上できる。
【0051】
従って、第1実施形態のMFP1によると、従来と同じプロセス速度の場合、ライフサイクルを通して環境負荷の低減を実現できる一方、従来と同じ消費電力の場合、MFP1の印刷処理能力向上を実現できるという効果を奏する。
【0052】
特に、第1実施形態のMFP1はいわゆるA4対応機であるため、例えば従来におけるA3対応機の画像形成部をそのまま流用することが可能であり、A4対応機のために新たに画像形成部6を設計する必要がない。このため、開発期間の短縮及び開発コストの低減を図れる。その上、複数機種間での共通部品の流用化も可能になり、生産コストの低減に寄与できる。
【0053】
第1実施形態では、原稿台11に載置される最大サイズの原稿Dの長辺方向を画像形成部6の通紙幅方向及び給紙部7の長辺方向に直交させるように、その短辺方向を画像形成部6の通紙幅方向及び給紙部7の長辺方向に沿わせている画像読取部5を更に備えているから、画像読取部5の短辺方向の前後に、給紙部7の長辺方向との関係で空きスペースSを形成することが可能になる。このため、前記空きスペースSを有効利用して、例えば入力操作用の操作パネル9等をMFP1の占有領域内に収まるように(出っ張らせることなく)配置すれば、デザイン的にコンパクトにまとめられた好印象を看者にもたらすことができる。
【0054】
更に第1実施形態では、画像読取部5の長辺方向をその副走査方向と一致させており、前記画像形成部6は、原稿台11に載置された原稿Dが最大サイズであり且つ等倍で複写する場合に、原稿Dから読み取って得られたデジタル画像データの副走査方向を画像形成部6の主走査方向に置き換えると共に、デジタル画像データの主走査方向を画像形成部6の副走査方向に置き換えて印刷するから、記録材Pを長辺方向に沿って搬送する従来の場合と比べて、原稿D読取り後の印刷処理時間が短辺寸法N分の搬送時間で済むことになる。このため、最大サイズの原稿Dを等倍複写する際の印刷処理能力向上を図れる。
【0055】
しかも、第1実施形態では、装置本体2が、平面視で画像読取部5と部分的に重なった状態で、少なくとも画像読取部5の長辺手前側からはみ出しており、装置本体2と画像読取部5との間に、印刷済の記録材Pを排出する排紙空間(排紙貯留部8)が形成されているから、画像読取部5にて前記排紙空間を覆い隠す範囲が少なくて済み、装置本体2のはみ出し側から、印刷済の記録材Pが前記排紙空間にあるかないかを視認し易い。従って、印刷済の記録材Pを取り忘れて前記排紙空間に残すおそれを少なくできる。
【0056】
第1実施形態では、給紙部7を挟んでその短辺方向の一方に画像形成部6が、他方に電装部40が配置されるから、記録材Pを長辺側から搬送する関係で、給紙部7を挟んで画像形成部6の反対側に形成される余裕スペースを、電装部40の配置箇所として有効利用することになる。このため、MFP1内部の無駄なスペースを少なくでき、MFP1全体のコンパクト化を図れる。また、画像形成部6と電装部40との間に給紙部7が位置するから、電装部40で発生する熱の悪影響が画像形成部6に及ぶおそれを抑制できる。画像形成部6と電装部40とが離れて配置されるから、例えばジャム処理作業の際に電装部40の存在が作業の邪魔になることはない。
【0057】
第1形態の電装部40は、装置本体2内において上下複数段ある給紙カセット31群の長辺他側部の外側方に縦置きされるから、電装部40で発生する熱を自然対流にて上方に逃がせる。その上、装置本体2における電装部40寄りの右側板に吸気口51が、画像形成部6寄りの左側板に排気口52が形成されており、装置本体2内には、吸気口51から電装部40及び画像形成部6を経て排気口52に至る空気流路Wと、空気流路Wのうち電装部40及び画像形成部6の間に位置する冷却ファン53とが設けられているから、電装部40から自然対流で上方に逃げる熱を、空気流路Wを流れる空気にてスムーズに運び出せ、放熱効率を向上できる。
【0058】
しかも、装置本体2における電装部40寄りの右側板に、吸気口51とは別の空気取入れ口55が形成され、装置本体2内に、空気取入れ口55から電装部40を通過せずに冷却ファン53に至る空気導入路W′を、空気流路Wとは別に有しているから、電装部40を通過せず温度の低い空気を画像形成部6に導く割合を多くでき、画像形成部6の空冷効果を向上できる。
【0059】
次に、図9(a)−(d)を参照しながら、MFP1の別実施形態を説明する。ここで、以降に示す各実施形態において、構成及び作用が第1実施形態と変わらないものは、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。図9(a)−(d)に示す別実施形態では、画像読取部5の短辺一側部(この場合は短辺左側部)を装置本体2の左側板よりも外側にはみ出させている(オーバーハングさせている)点において、第1実施形態と相違している。このように画像読取部5の短辺左側部を左外向きにオーバーハングさせているため、画像読取部5の短辺左側部の下方には、画像読取部5の突出寸法ΔMに見合った外部空きスペースSLが形成されることになる。その他の構成は基本的に第1実施形態と同様である。
【0060】
図9(a)に示す第2実施形態では、装置本体2の左側板に、排紙貯留部8を左側方に延長させる排紙トレイ62が左外向きに突出するように設けられている。MFP1における画像形成部6の最大通紙幅は、A4横の記録材Pの長辺寸法Lに対応しているので、手差しトレイ35からA3サイズの記録材Pを縦送りして印刷することが可能である。このような場合は、排紙トレイ62の存在によって、A3サイズの記録材Pを排紙貯留部8及び排紙トレイ62にて落下させずに貯留できる。排紙トレイ62の配置のために、外部空きスペースSLを有効利用している。
【0061】
図9(b)に示す第3実施形態では、排紙貯留部8内に、印刷済の記録材Pを受け入れて後処理を施す後処理装置の一例であるインナーフィニッシャー63が配置されている。インナーフィニッシャー63は、排紙貯留部8内に丁度入り込むような小型のフィニッシャーであり、後処理として、記録材Pをステープル留めするステープル処理、及び記録材Pにパンチ穴を空けるパンチ処理を実行する。インナーフィニッシャー63が排紙貯留部8からはみ出る大きさであっても、外部空きスペースSLがある分だけ、インナーフィニッシャー63をMFP1の占有領域内にできるだけ収められる。図9(c)に示す第4実施形態では、後処理装置の別例である外置き用のフィニッシャー64が装置本体2の左側方(外部空きスペースSL)に隣接配置されている。この場合、外置き用のフィニッシャー64の配置のために、外部空きスペースSLを有効利用している。なお、外置き用のフィニッシャー64は、インナーフィニッシャー63よりも大型であるため、ステープル処理やパンチ処理以外に、記録材Pを折り曲げる折り曲げ処理等も実行可能である。インナーフィニッシャー63及び外置き用のフィニッシャー64はいわゆるオプション品である。
【0062】
図9(d)に示す第5実施形態では、装置本体2と画像読取部5との間に排紙貯留部8が存在せず、装置本体2内の左上部側にある排紙ローラー対36から、印刷済の記録材Pを左外向きに排出するように構成されている。装置本体の左側板には、排紙ローラー対36に対応して排紙トレイ62が左外向きに突設されている。排紙トレイ62にて印刷済の記録材Pを貯留することになる。この場合も、排紙トレイ62の配置のために、外部空きスペースSLを有効利用している。
【0063】
図9(a)−(d)の別実施形態に示すように、画像読取部5の短辺一側部(この場合は短辺左側部)を装置本体2の左側板よりも外側にはみ出させた場合、画像読取部5の短辺左側部の下方に、画像読取部5の突出寸法ΔMに見合った外部空きスペースSLが形成される。当該外部空きスペースSLを有効利用して、排紙貯留部を延長する排紙トレイ62を設けたり、オプション品であるインナーフィニッシャー63や外置き用のフィニッシャー64を配置したりすれば、デザイン的にコンパクトにまとめられた好印象なMFP1にできる。
【0064】
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、画像形成装置としてMFP1を例に説明したが、これに限らず、プリンター等でも差し支えない。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
Cs 読取中心線
Cp 通紙中心線
1 MFP(画像形成装置)
2 装置本体
5 画像読取部
6 画像形成部
7 給紙部
8 排紙貯留部(排紙空間)
9 操作パネル(操作部)
28 定着器
31 給紙カセット
61 ヒンジ部材
62 排紙トレイ
63 インナーフィニッシャー
64 外置き用のフィニッシャー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大サイズの記録材を長辺側から給紙するように、その長辺方向を前記記録材の搬送方向に直交させている給紙部と、
前記最大サイズの記録材の長辺寸法に最大通紙幅を対応させ、デジタル画像データに応じたトナー像を前記記録材に印刷する画像形成部と、
原稿台に載置される最大サイズの原稿の長辺方向を前記画像形成部の通紙幅方向及び前記給紙部の長辺方向に直交させるように、その短辺方向を前記画像形成部の通紙幅方向及び前記給紙部の長辺方向に沿わせている画像読取部
とを備えている、
画像形成装置。
【請求項2】
前記画像読取部は、その主走査方向に直交する読取中心線が前記画像形成部において通紙幅方向に直交する通紙中心線よりも奥側に位置するように、前記画像形成部の上方に配置されており、
前記画像読取部と前記画像形成部との間に配置され、印刷済の記録材を排出する排紙貯留部を更に備えている、
請求項1に記載した画像形成装置。
【請求項3】
前記画像読取部は、読取用のスキャナー部と、前記スキャナー部の上面側にヒンジ部材を介して開閉可能に設けられた自動原稿搬送部又は原稿押さえ部とを有しており、
前記ヒンジ部材を前記画像読取部の長辺奥側に位置させている、
請求項2に記載した画像形成装置。
【請求項4】
前記給紙部及び前記画像形成部を内部に有し、前記給紙部における一方の長辺側の上方に前記画像形成部を位置させている装置本体
を更に備えており、
前記画像読取部は前記装置本体の上方に配置されていて、その短辺一側部を前記装置本体からはみ出させている、
請求項1に記載した画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−3357(P2013−3357A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134529(P2011−134529)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】