画像形成装置
【課題】部材間の適正な間隔の調整を行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】分離ガイド板201は、用紙の搬送方向と直交する方向に延びるとともに、剥離部201aが搬送ベルト6の搬送面に対して所定間隔だけ離間して対向配置され、曲率により分離される用紙を搬送ベルト6から剥離して所定の搬送経路に案内する。支持板203は、分離ガイド板201を所定位置に複数個所で支持固定する。調整用ネジ206bは、分離ガイド板201を所定の押圧位置で押圧し、支持板203により分離ガイド板201が支持固定された複数の位置を結ぶ軸X上を回転支軸として分離ガイド板201に対して回転方向の力を加えて分離ガイド板201を変形させて、分離ガイド板201の剥離部201aと搬送ベルト6の搬送面との間隔を調整する。
【解決手段】分離ガイド板201は、用紙の搬送方向と直交する方向に延びるとともに、剥離部201aが搬送ベルト6の搬送面に対して所定間隔だけ離間して対向配置され、曲率により分離される用紙を搬送ベルト6から剥離して所定の搬送経路に案内する。支持板203は、分離ガイド板201を所定位置に複数個所で支持固定する。調整用ネジ206bは、分離ガイド板201を所定の押圧位置で押圧し、支持板203により分離ガイド板201が支持固定された複数の位置を結ぶ軸X上を回転支軸として分離ガイド板201に対して回転方向の力を加えて分離ガイド板201を変形させて、分離ガイド板201の剥離部201aと搬送ベルト6の搬送面との間隔を調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トナー像が形成された感光体や転写ベルト等の像担持体から、トナー像を用紙に転写し定着することで、画像を用紙上に形成するようにした画像形成装置が知られている。トナー像が転写された用紙は、搬送ベルトによって定着装置に搬送され、定着装置によってトナー像が用紙に定着される。ここで、搬送ベルトによる用紙の搬送は、用紙をベルトに静電吸着させ、ベルトを周回させることにより実施される。搬送ベルトにより搬送された用紙は、搬送ベルトの端部に設けられた分離ローラーによって曲率分離される。
【0003】
ところが、薄紙等、剛性(こし)の小さい用紙については、曲率分離によっては分離されず、いわゆるジャム等の不具合が生じることがある。これに対しては、分離ローラーを小径化することにより、曲率分離の効果を向上させることが可能である。ところが、搬送ベルトは、複数のローラーによって所定の張力により張架される構成であるため、分離ローラーは、この張力によって可撓されないよう、十分な強度を確保する必要がある。また、分離ローラーの径が小さすぎる場合には、ベルトがローラーの曲率のまま復元しなくなるクリープが生じることがある。そのため、自ずと分離ローラーの小径化には限界がある。
【0004】
また、転写ベルトに対する用紙の静電吸着力を小さくするため、転写ベルトから用紙を分離させる際に、例えば、除電極によって用紙に対してコロナ放電を行って、用紙を除電することにより搬送ベルトからの用紙の分離を容易にするようにしたものがあるが、除電極や高圧電源等の設置が必要であり、高コストとなる。
【0005】
このような問題に鑑み、従来の画像形成装置において、搬送ベルトによって搬送された用紙を搬送ベルトから分離して、定着装置に案内するための定着入口ガイド(ガイド部材)を揺動可能に設けたものがある(例えば、特許文献1)。
【0006】
また、用紙を定着部材から引き剥がすことが可能に構成された分離機構について、定着装置の定着部材の第1領域と第1の隙間だけ離間した状態で第1領域に対向して配置された第1分離部材(第1ガイド部材)と、定着部材の第2領域と第2の隙間だけ離間し、第2領域に対向して配置された第2分離部材(第2ガイド部材)とを、隙間調整部材によってそれぞれ調整可能とし、定着部材との隙間を個別に調整可能とした定着装置がある(例えば、特許文献2)。
【0007】
また、用紙を定着部材から引き剥がすことが可能に構成された分離機構について、用紙搬送方向と直交する方向に延びるとともに、定着部材と所定の隙間だけ離間した状態で定着部材に対向して配置された分離部材(ガイド部材)を、支持軸部材に対して回動自在に支持させて、所定の隙間を回動方向において調整可能にする一方で、分離部材を、支持軸部材側から定着部材に向けて延びる面方向に移動させて、所定の隙間を面方向において調整可能にした定着装置がある(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4027146号公報
【特許文献2】特開2010−197844号公報
【特許文献3】特開2010−197920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記各特許文献において用いられるようなガイド部材は、用紙が分離される搬送ベルトや定着部材等の各種部材から一定程度離間される必要があるところ、成型条件等により生ずるガイド部材の真直度の低下、あるいは、各種構成部品を取り付けた際に生ずるガイド部材の取り付け歪み等により、ガイド部材がその位置によって各種部材との間隔が異なる場合がある。
【0010】
しかしながら、上記各特許文献に記載の技術は何れも、このような製造過程等において生ずることがある部材間の間隔の位置による相異については全く考慮されないでガイド部材と上述したような各種部材との隙間の調整が行われていたことから、部分的に部材間の間隔が異なって不均一となる場合があり、その結果、部分的に隙間がなくなることによる部材同士の干渉や部材間の間隔が部分的に大きくなって用紙の分離不良が生じるおそれがある。
【0011】
本発明の課題は、部材間の適正な間隔の調整を行うことができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置において、
用紙を搬送面上で付着させながら搬送するとともに、付着した用紙を曲率により分離する用紙搬送体と、
用紙の搬送方向と直交する方向に延びるとともに、先端部が前記用紙搬送体の搬送面に対して所定間隔だけ離間して対向配置され、曲率により分離される用紙を前記用紙搬送体から剥離して所定の搬送経路に案内するガイド部材と、
前記ガイド部材を所定位置に複数個所で支持固定する支持部材と、
前記ガイド部材を所定の押圧位置で押圧し、前記支持部材により前記ガイド部材が支持固定された複数の位置を結ぶ軸線上を回転支軸として前記ガイド部材に対して回転方向の力を加えて前記ガイド部材を変形させて、前記ガイド部材の先端部と前記用紙搬送体の搬送面との間隔を調整する調整部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記ガイド部材は、一体成型により構成されている。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記ガイド部材は、前記調整部材の押圧により弾性変形可能な材料によって形成されている。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記調整部材は、前記ガイド部材の延在方向の中央部分を押圧可能に構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記調整部材は、前記ガイド部材の複数の押圧位置においてそれぞれ押圧可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記ガイド部材は、前記押圧位置に応じて、前記調整部材によって加えられる力の方向を正逆変更可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、部材間の適正な間隔の調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像形成装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図2】転写ユニットと搬送ベルトクリーニングユニットの概観斜視図である。
【図3】搬送ベルトクリーニングユニットの左側面図である。
【図4】図3の搬送ベルトクリーニングユニットをA−A平面で切断した断面拡大図である。
【図5】図4の分離ガイド板を矢視Cから見た斜視図である。
【図6】図3の搬送ベルトクリーニングユニットをB−B平面で切断した断面拡大図である。
【図7】図3の搬送ベルトクリーニングユニットをB−B平面で切断した断面拡大図である。
【図8】用紙の分離性能を示すグラフである。
【図9】搬送ベルトと分離ガイド板との間隔について説明する模式図である。
【図10】本発明の他の実施形態について説明する図である。
【図11】本発明の他の実施形態について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る画像形成装置120について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0021】
図1〜図7を参照して本実施の形態に係る画像形成装置120の各部構成について説明する。
画像形成装置120は、図1に示すように、例えば、画像形成ユニット121、転写ユニット122等のプリント出力に係る各部や図示しないプリント制御部を備えて構成される。プリント制御部は、画像形成装置120の各部の動作を制御し、入力された画像データに基づいて画像形成を行わせる。
【0022】
また、画像形成装置120は、給紙カセット9、給紙搬送路90、転写搬送路5、定着装置8、ゲート91、両面搬送路92、反転搬送路93、再給紙搬送路94及び搬送ベルトクリーニングユニット200を備えている。
【0023】
画像形成ユニット121は、像担持体としての感光体ドラム1、メインチャージャー2、LED(Light Emitting Diode)光源の画像書込み装置3、二成分現像方式の現像装置4及び感光体ドラム1を清掃するクリーニング装置7を備えている。感光体ドラム1は、負帯電のOPC(Organic Photo Conductor)感光体により構成されている。
【0024】
画像形成ユニット121は、先ず、感光体ドラム1を回転させ、メインチャージャー2によって感光体ドラム1を帯電させる。続いて、画像形成ユニット121は、画像書込み装置3によって感光体ドラム1の帯電部分に露光走査を行い、静電潜像を形成する。画像形成ユニット121は、現像装置4により、感光体ドラム1の潜像部分にトナー材を付着させてトナー像による現像を行う。すなわち、感光体ドラム1は、トナー像を担持する。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、感光体ドラム1の回転によって転写ユニット122に向けて搬送される。感光体ドラム1上のトナー像は、後述するように、転写ユニット122によって用紙に転写される。用紙に転写されずに感光体ドラム1上に残存したトナーは、クリーニング装置7によって除去される。
【0025】
転写ユニット122は、感光体ドラム1上に形成されたトナー像を用紙に転写するとともに、転写後の用紙を定着装置8に搬送するための搬送ベルト6を備えている。
【0026】
搬送ベルト6は、支持ローラー61及び分離ローラー62の間に張架され、支持ローラー61と分離ローラー62との間で、搬送ベルト6の内周側に設けられる転写ローラー63により感光体ドラム1に圧接されている。この圧接部分によりニップ部が形成される。搬送ベルト6は、例えば、半導電性のベルト基材と、表層として設けられた体積抵抗率が1×1011Ωcm以上の絶縁層の2層からなる構造であり、全体的には1×107Ωcmから1×1011Ωcmの体積抵抗率を有するものである。
【0027】
用紙Pは、給紙カセット9に収納されており、給紙搬送路90を通って転写搬送路5に供給される。用紙Pは、転写搬送路5から搬送ベルト6に給送されると、感光体ドラム1と転写ローラー63とによって形成されたニップ部において、感光体ドラム1に形成されたトナー像が転写される。より具体的には、転写ローラー63に接続された転写バイアス電源により、転写ローラー63を介して用紙Pに転写バイアスが印加されることにより用紙Pが帯電される。帯電した用紙Pは、ニップ部において接触したトナー像を静電転写により吸着する。帯電した用紙Pは、感光体ドラム1による曲率分離、及び、搬送ベルト6による静電吸着力によって感光体ドラム1から分離されるとともに、搬送ベルト6に静電吸着されながら搬送される。
【0028】
搬送ベルトクリーニングユニット200は、図2に示すように、分離ローラー62の側方外周を搬送ベルト6とともに被覆するように配置されている。搬送ベルトクリーニングユニット200は、ベルトクリーニング装置200A(図4参照)を内部に備え、搬送ベルト6上のトナー材や紙粉などの異物を除去する。搬送ベルトクリーニングユニット200は、分離ガイド板201を上部に備えている。分離ガイド板201は、剥離部201aが形成されており、分離ローラー62による搬送ベルト6からの用紙Pの曲率分離を補助する。分離ガイド板201は、剥離部201aと搬送ベルト6との間で所定距離の隙間が生じるように配置されている。このように構成されているため、搬送ベルト6によって矢印Fにて示す方向(用紙搬送方向)に搬送された用紙Pは、分離ローラー62による曲率分離及び分離ガイド板201の剥離部201aによる剥離作用によって搬送ベルト6から分離される。このように、搬送ベルト6は、用紙を搬送面上で付着させながら搬送するとともに、付着した用紙を曲率により分離する用紙搬送体として機能する。搬送ベルト6から分離された用紙Pは、定着装置8に案内される。
【0029】
搬送ベルト6の下流には定着装置8が設けられており、定着装置8は、用紙Pに転写されたトナー像を定着する。定着装置8の下流には、ゲート91が設けられている。ゲート91は、外部に用紙を排出する場合と両面印刷のための両面搬送路92に用紙を給送する場合とで位置の切り替えを行う。両面搬送路92に給送された用紙は、一旦、反転搬送路93に進み、ここで表裏反転されて再給紙搬送路94から転写搬送路5に合流し、転写位置に送られる。
【0030】
次に、本実施の形態に係る、搬送ベルトクリーニングユニット200の各部構成について説明する。
【0031】
搬送ベルトクリーニングユニット200は、図2に示すように、転写ユニット122に隣接して取り付けられている。搬送ベルトクリーニングユニット200は、ベルトクリーニング装置200Aを収容するケース体202を備えている。ケース体202の左側面の上部には、用紙搬送方向とは直交する方向に延在した矩形形状の支持板203が取り付けられている。
【0032】
支持板203は、例えば、金属板からなり、上端部及び下端部がそれぞれ外側に折曲形成されている。支持板203は、図3に示すように、取付ネジ204a〜204cによって、中央部及び左右端部付近にてそれぞれネジ止めされることにより、ケース体202に取り付けられている。具体的には、図4に示すように、取付ネジ204bは、支持板203、ケース体202及び分離ガイド板201にそれぞれ穿設されたネジ挿入穴に挿通されて、取付板207に対して螺合される。取付ネジ204a及び204cも同様にして取付板207に対して螺合される。支持板203は、このようにして、分離ガイド板201とともにケース体202に対して取り付けられる。取付ネジ204a〜204cのネジ止め位置は、支持板203の長手方向と平行である同一軸線上に配置されている。
なお、本実施の形態では、取付ネジ204a〜204cにより、分離ガイド板201を3か所にてネジ止め固定するようにしたが、2か所以上であればよい。
このように、支持板203は、ガイド部材を所定位置に複数個所で支持固定する支持部材として機能する。
【0033】
また、図3に示すように、支持板203の取付ネジ204a〜204cのネジ止め位置の近傍には、それぞれ調整用ネジ206a〜206cが螺合される調整用ネジ受孔205a1,205a2,205b1,205b2,205c1,205c2が設けられている。より具体的には、取付ネジ204aのネジ止め位置の左方上下位置に、調整用ネジ受孔205a1,205a2がそれぞれ設けられている。また、取付ネジ204bのネジ止め位置の左方上下位置に、調整用ネジ受孔205b1,205b2がそれぞれ設けられている。また取付ネジ204cのネジ止め位置の右方上下位置に、調整用ネジ受孔205c1,205c2がそれぞれ設けられている。そして、調整用ネジ受孔205a1,205b1,205c1には、それぞれ調整用ネジ206a〜206cが螺合されている。
なお、本実施の形態では、調整用ネジ受孔を、画像形成装置120において通紙可能な用紙のうちの最大幅のものの端部近傍となる位置と、その内側となる位置とにそれぞれ設けるようにしたが、上述した位置に限定されず、適宜の位置に配置してもよい。
【0034】
分離ガイド板201は、図2、図4及び図5に示すように、側面部201eと上面部201fとを備えて用紙搬送方向とは直交方向に延びて断面略L字状に一体に形成されている。分離ガイド板201の長手方向の長さは、画像形成装置120において通紙可能な用紙のうちの最大幅のものの幅寸法よりも長く設定されている。分離ガイド板201は、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂によって形成されている。なお、分離ガイド板201に適用される材料は、樹脂や金属等の何れであってもよいが、ある程度の硬度を有し、弾性を持つ樹脂が好ましい。
なお、本実施の形態において、分離ガイド板を2以上の部材で連設することにより構成してもよいが、この場合、部材の境界部分で段差が生じて通紙される用紙が引っ掛からないように調整されるのが好ましい。
【0035】
剥離部201aは、分離ガイド板201の上面部201fの先端より上方に立ち上げ形成されている。剥離部201aは、先端部分が搬送ベルト6に向けられて配置されている。この先端部分は、分離ローラー62の外周に略沿って鋭角に形成されており、当該先端部分にて搬送ベルト6上を搬送される用紙Pの搬送ベルト6からの剥離を行う。剥離部201aの先端と搬送ベルト6との間には、所定間隔の隙間Sが形成されている。この隙間Sは、後述するように、調整用ネジ206a〜206cによって間隔の変更が可能に構成されている。
このように、分離ガイド板201は、用紙の搬送方向と直交する方向に延びるとともに、先端部が用紙搬送体の搬送面に対して所定間隔だけ離間して対向配置され、曲率により分離される用紙を用紙搬送体から剥離して所定の搬送経路に案内するガイド部材として機能する。
【0036】
また、分離ガイド板201bには、側面部201e及び上面部201fの各内面に亘って複数の補強リブ201cが一体に形成されている。補強リブ201cは、三角柱状に形成され、斜面側が開放されて中空をなしている。補強リブ201cは、分離ガイド板201の長手方向にそって所定間隔にて配置されている。この補強リブ201cは、後述するように、分離ガイド板201に加えられた押圧力を効率よく剥離部201aに伝達させるのに寄与している。
【0037】
また、図4、図6及び図7に示すように、分離ガイド板201の側面部201eの外面側には保護板208が設けられ、分離ガイド板201の側面部201eとケース体202とによって挟持されている。
【0038】
また、図3及び図6に示すように、支持板203に螺合された調整用ネジ206a〜206cは、その先端部分にて、調整用ネジ206a〜206cのねじ込み量に応じた強さの押圧力で、保護板208を介して分離ガイド板201の側面部201eを外側から押圧する。分離ガイド板201は、調整用ネジ206a〜206cによって側面部201eが押圧されると、取付ネジ204a〜204cによる分離ガイド板201の取り付け位置を結んだ軸Xを回転支軸とした曲げモーメントが与えられ、分離ガイド板201がわずかに弾性変形する。この応力は剥離部201aに伝達され、剥離部201aに軸Xを回転支軸とした回転力が与えられる。ここで、分離ガイド板201は、調整用ネジ206a〜206cによって局所的に曲げモーメントが与えられる。すなわち、例えば、図6に示すように、調整用ネジ206bが調整用ネジ受孔205b1に螺合されて、その位置で分離ガイド板201の側面部201eを押圧すると、押圧方向に対して最も大きな曲げモーメントが発生することとなる。その結果、調整用ネジ206bによる分離ガイド板201への押圧方向上もしくはこれに最も近接する剥離部201aに対する回転力が最も大きくなる一方、離間するにつれて、その力は小さくなる。したがって、調整用ネジ206bによって分離ガイド板201を押圧することによれば、剥離部201aの位置を局所的に変位させることができる。以上のようにして剥離部201aの位置を調整することにより、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔を局所的に変更することができる。なお、図6に示す例では、調整用ネジ206bが、軸Xよりも上方に配置された調整用ネジ受孔205b1に螺合されて分離ガイド板201を押圧するため、分離ガイド板201の剥離部201aに対し、軸Xを支軸とした時計方向への回転力が働いている。すなわち、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔が小さくなるように剥離部201aの位置が変位する。
【0039】
ここで、本実施の形態では、図6及び図7に示すように、調整用ネジ受孔205b1及び調整用ネジ受孔205b2から何れかを選択して調整用ネジ206bを螺合することができる。そのため、分離ガイド板201の剥離部201aに対して反時計方向への回転力を与えたい場合、すなわち、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔が大きくなるように剥離部201aの位置を変位させる場合には、図7に示すように、調整用ネジ206bを、軸Xよりも下方に配置された調整用ネジ受孔205b2に対して螺合し、上述のようにして分離ガイド板201を押圧することにより、実施することができる。すなわち、本実施の形態では、分離ガイド板201は、押圧位置に応じて、調整用ネジ206a〜206bによって加えられる力の方向を正逆変更可能に構成されている。
なお、調整用ネジ206a,206cについても、上述した要領にて剥離部201aの位置の調整を行うことができる。
このように、調整用ネジ206a〜206cは、ガイド部材を所定の押圧位置で押圧し、支持部材によりガイド部材が支持固定された複数の位置を結ぶ軸線上を回転支軸としてガイド部材に対して回転方向の力を加えてガイド部材を変形させて、ガイド部材の先端部と用紙搬送体の搬送面との間隔を調整する調整部材として機能する。
なお、本実施の形態では、調整用ネジ206a〜206cにより、分離ガイド板201を押圧して分離ガイド板201を弾性変形させて剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔を調整するようにしたが、分離ガイド板201を塑性変形させて調整するようにしてもよい。
【0040】
図4に示すように、分離ガイド板201の上方には案内部材209が設けられ、分離ガイド板201の上面部201fを被覆する。案内部材209は、用紙搬送方向の上流側から下流側に向かって上り傾斜をなしており、図2に示すように、その上面には多数のリブが、用紙搬送方向に対して所定の角度をなして立設されている。案内部材209の下面の用紙搬送方向の上流側端部には、断面略L字状の係止片209aが案内部材209の長手方向に沿って複数設けられている。一方、分離ガイド板201の上面部201fには、案内部材209の係止片209aが挿入される挿通孔201bが穿設されている。また、案内部材209の下面略中央には、取付ネジ210を螺合するための取付ボス209bが立設されている。一方、分離ガイド板201の上面部201fにおける挿通孔201bの後方に、取付ボス209bを収容するための貫通孔201dが穿設されている。
【0041】
このようにして構成された案内部材209は、以下のようにして分離ガイド板201に対して取り付けられる。すなわち、取付ネジ204a〜204cによって支持板203に取り付けられた分離ガイド板201の上面部201fの挿通孔201bに対して係止片209aを挿入して分離ガイド板201の上面部201fの裏側に係止させた後、取付ボス209bを貫通孔201dに挿入する。そして、分離ガイド板201の上面部201fの裏側から、ワッシャー210aを介して取付ネジ210を取付ボス209bに螺合することにより、案内部材209が分離ガイド板201に対して取り付けられる。なお、分離ガイド板201の上面部201fと案内部材209との間には保護板211が設けられており、分離ガイド板201の上面部201fと案内部材209とによって挟持されている。
【0042】
以上のように構成された分離ガイド板201について、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔を局所的に調整する理由について説明する。
【0043】
薄紙等、いわゆるこしの弱い用紙は搬送ベルト6から曲率分離され難い。したがって、分離ガイド板201の剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔が大きいと、用紙が分離ガイド板201に引っ掛かったり、また、用紙が分離ローラー62に巻き込まれて紙詰まりする(ジャムということがある)等の不具合が発生する場合がある。そのため、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔は、互いに接触しない範囲でできるだけ小さくすることが望ましい。
【0044】
また、用紙の搬送ベルト6からの曲率分離性は、転写ローラー63によって用紙に印加される転写バイアスの電流値に依存する。すなわち、転写バイアスの電流値が小さいほど、搬送ベルト6への用紙の吸着力が弱くなって、搬送ベルト6からの用紙の曲率分離が容易となり、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔を大きくしても良好に用紙を分離することができるが、転写バイアスの電流値が小さすぎると感光体ドラム1からの用紙の分離不良が生じる。一方、転写バイアスの電流値が大きいほど感光体ドラム1からの用紙の分離性は向上するが、搬送ベルト6への用紙の吸着力が強くなり、搬送ベルト6からの用紙の曲率分離性が低下するため、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔を十分に小さくする必要がある。そのため、搬送ベルト6からの用紙の曲率分離を効果的に実施するためには、転写バイアスの電流値を適切に設定し、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sについてもこれに応じて適正な間隔に設定される必要がある。
【0045】
以上の理由から、まず、適正な転写バイアスの電流値を検討する。図8は、坪量が42g/m2である所定の薄紙を通紙した際の搬送ベルト6からの用紙の分離性能を示すものである。すなわち、図8は、分離ガイド板201の剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔に対し、転写バイアスの電流値をどの程度に設定するのが適切であるかを示している。ここで、実線Lは上述した薄紙が搬送ベルト6から分離可能とする限界を示しており、この限界を超えた条件下では、搬送ベルト6からの用紙の分離不良が発生する可能性があることを表している。また、図8中、符号p1〜p4は、常温常湿度(20°C,50%)下における薄紙の搬送ベルト6からの分離を可能とする限界点を示し、符号q1〜q3は、高温高湿度(30°C,80%)下における薄紙の搬送ベルト6からの分離を可能とする限界点を示し、符号r1〜r2は、低温低湿度(10°C,20%)下における薄紙の搬送ベルト6からの分離を可能とする限界点を示している。
【0046】
本実施の形態では、感光体ドラム1からの用紙の分離性及び感光体ドラム1からの用紙へのトナーの転写性を考慮し、転写バイアスの電流値を55μAに設定する。そして、この電流値に対し、上述した薄紙を搬送ベルト6から効果的に分離させるためには、上述した結果を考慮すると、分離ガイド板201の剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔が0.2〜0.5mm程度に保たれるのが好ましいことがわかる。
【0047】
ところで、分離ガイド板201は、製造時における様々な条件の相異によって真直度に個体差が生じることがある。例えば、分離ガイド板201の成型条件や材料の特性等によって真直度に個体差が生じることが考えられる。ここで、真直度とは、直線でなければならない機械部分の幾何学的直線からの狂いの大きさをいう。すなわち、本実施の形態では、分離ガイド板201の剥離部201aの先端縁の両端を結ぶ基準線に対する先端縁の狂いの大きさを真直度により示すことができる。このような真直度は、部材の中央となるほど大きくなる傾向がある。
【0048】
分離ガイド板201はこのような特性を有しているため、分離ガイド板201の剥離部201aの先端縁の真直度を考慮して分離ガイド板201を配置しないと、配置した分離ガイド板201によっては、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔が部分的に大きすぎることとなったり、剥離部201aと搬送ベルト6とが接触したりする場合がある。
【0049】
また、分離ガイド板201を含む各種部品はある程度の公差が考慮されて取り付けられるため、取り付け時における微小の歪み等に由来して、分離ガイド板201の剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔が位置に応じて異なってしまう場合もある。
【0050】
本実施の形態では、分離ガイド板201の真直度や部材の取り付けの際の歪み等を考慮して、剥離部201aの先端縁が最も突出した分離ガイド板201が適用された場合においても、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sが少なくとも一定間隔確保されるような位置に分離ガイド板201が配置されるように設計されている。
【0051】
例えば、分離ガイド板201の剥離部201aの先端縁の真直度が(a(例えば、0.3mm))だけ見込まれる場合には、剥離部201aと搬送ベルト6とが接触しないように、剥離部201aの先端縁が最も突出したものが適用された場合においても、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔が少なくとも(b(例えば、0.2mm))だけ確保されるように分離ガイド板201を配置する。すなわち、分離ガイド板201は、両端における剥離部201aの先端と搬送ベルト6との間隔がそれぞれ(a+b)となるように配置される。そのため、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔は、剥離部201aが最も突出した分離ガイド板201が適用された場合にあっては、図9(a)に示すように、(b)から(a+b)の範囲となる一方で、剥離部201aが最も凹陥した分離ガイド板201が適用された場合にあっては、図9(b)に示すように、(a+b)から(d=2a+b)の範囲となる。そのため、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔は、真直度だけ考慮しても(b)から(2a+b)の範囲となり、変動の幅が大きい。
【0052】
このとき、例えば、図8を参照して上述したように、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの一部について間隔が0.5mmを超えるような場合には、用紙の搬送ベルト6からの分離不良が生じる可能性がある。したがって、用紙の搬送ベルト6からの曲率分離を良好に行わせるためには、このような部分については間隔が小さくなるように調整される必要がある。
【0053】
本実施の形態では、上述のように構成されており、調整用ネジ206a〜206cにより、剥離部201aにおける各押圧位置に対応する位置を軸Xを回転支軸として局所的に変位させることができるので、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔の調整を良好に実施することができる。その結果、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔を何れの位置においても適正な範囲内とすることができるようになる。また、分離ガイド板201の剥離部201aの先端縁の真直度を小さくすることができる。また、各種部材を取り付けた際の微小の歪みに由来する、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔の位置による相異についても対応することができるようになる。
【0054】
また、本実施の形態では、特に、上述した分離ガイド板201の特性を考慮して、図3に示すように、調整用ネジ206bによって分離ガイド板201の延伸方向の略中央部分が押圧されるように調整用ネジ受孔205b1,205b2を配置している。そのため、真直度の最も大きくなる可能性の高い部分について適切に間隔の調整を行うことができる。
【0055】
なお、本実施の形態において、分離ガイド板201の剥離部201aの先端縁の真直度が小さく、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔を均等に調整したい場合には、剥離部201aの変位量が何れの位置についても均等となるように調整用ネジ206a〜206cにて調整を行うことで実施することができる。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態によれば、搬送ベルト6は、用紙Pを搬送面上で付着させながら搬送するとともに、付着した用紙Pを曲率により分離する。分離ガイド板201は、用紙Pの搬送方向と直交する方向に延びるとともに、剥離部201aが搬送ベルト6の搬送面に対して所定間隔だけ離間して対向配置され、曲率により分離される用紙Pを搬送ベルト6から剥離して所定の搬送経路に案内する。支持板203は、分離ガイド板201を所定位置に複数個所で支持固定する。調整用ネジ206a〜206cは、分離ガイド板201を所定の押圧位置で押圧し、支持板203により分離ガイド板201が支持固定された複数の位置を結ぶ軸X上を回転支軸として分離ガイド板201に対して回転方向の力を加えて分離ガイド板201を変形させて、分離ガイド板201の剥離部201aと搬送ベルト6の搬送面との間隔を調整する。その結果、分離ガイド板の剥離部における真直度を考慮して剥離部と転写ベルトとの間隔を局所的に調整できるようになり、転写ベルトからの用紙の分離不良を適切に防止することができるようになる。また、部品を取り付けた際の取り付け歪み等を考慮して剥離部と転写ベルトとの間隔を局所的に調整できるようになる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、分離ガイド板201は、一体成型により構成されているので、部材間での段差の発生を考慮する必要がなく、剥離部と転写ベルトとの間隔の調整が容易となる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、分離ガイド板201は、調整用ネジ206a〜206cの押圧により弾性変形可能な材料によって形成されているので、調整用ネジによる押圧力を、剥離部と転写ベルトとの間隔の調整に効果的に反映させることができる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、調整用ネジ206a〜206cは、分離ガイド板201の延在方向の中央部分を押圧可能に構成したので、真直度が最も大きくなる可能性の高い部分について適切に調整することができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、調整用ネジ206a〜206cは、分離ガイド板201の複数の押圧位置においてそれぞれ押圧可能であるので、剥離部と転写ベルトとの間隔のより細かい調整が可能となる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、分離ガイド板201は、押圧位置に応じて、調整用ネジ206a〜206cによって加えられる力の方向を正逆変更可能に構成したので、剥離部と転写ベルトとの間隔を大小自在に調整することができるようになる。
【0062】
なお、本発明の実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。画像形成装置を構成する各機能部の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【0063】
また、本実施の形態では、調整用ネジ206a〜206cによって分離ガイド板201の複数の押圧位置においてそれぞれ押圧可能に構成したが、分離ガイド板201の押圧位置を1か所としてもよい。
【0064】
また、本実施の形態では、取付ネジ204a〜204cによるネジ止め位置に対して上下となる位置にそれぞれ調整用ネジ受孔205a1,205a2,205b1,205b2,205c1,205c2を設け、分離ガイド板201の剥離部201aに対して与えられる回転力を正逆変更可能に構成したが、取付ネジによるネジ止め位置に対して上方及び下方の何れか一方にのみに調整用ネジ受孔を設け、分離ガイド板201の剥離部201aに対して与えられる回転力を何れか一方向のみとしてもよい。
【0065】
また、上述した実施の形態では、用紙搬送体として搬送ベルト6を適用したが、これに限定されず、用紙を付着して搬送し、曲率により分離を行うものであれば、何れのものであっても適用可能である。
【0066】
例えば、図10に示すように、用紙搬送体として感光体ドラム1を適用し、上述した分離ガイド板201と同様の機能を有する分離ガイド板201Aを、その先端部を感光体ドラム1の外周面に対して所定間隔だけ離間して対向配置させるようにし、この分離ガイド板201Aを上述した支持板203と同様の機能を有する支持板203Aによって支持固定するようにしてもよい。
また、用紙搬送体として定着装置8に設けられた定着ローラー8aを適用し、上述した分離ガイド板201と同様の機能を有する分離ガイド板201Bを、その先端部を定着ローラー8aの外周面に対して所定間隔だけ離間して対向配置させるようにし、この分離ガイド板201Bを上述した支持板203と同様の機能を有する支持板203Bによって支持固定するようにしてもよい。
そして、このような分離ガイド板201A,201Bについて、その先端部と感光体ドラム1の外周面との間隔を上述した要領によって局所的に調整可能に構成することにより、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図10に示す例において、本実施の形態における画像形成装置120と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0067】
また、本実施の形態では、単色のトナー材により画像形成するモノクロの画像形成装置について適用したが、2色以上のトナー材により画像形成する画像形成装置についても適用することができる。
【0068】
この場合において、例えば、感光体ドラムに形成されたトナー像を1次転写するための中間転写ベルトを用紙搬送体として適用することができる。
【0069】
例えば、図11に示すように、画像形成装置G2は、プリント部1120を備えている。プリント部1120は、画像形成ユニット1121、転写ユニット1122、給紙カセット1009、給紙搬送路1090、転写搬送路1005、定着装置1008、ゲート1091、両面搬送路1092、反転搬送路1093、再給紙搬送路1094及び排紙トレイ1205を備えている。
【0070】
画像形成ユニット1121は、CMYKの色毎の画像形成ユニット1121Y,1121M,1121C,1121K、中間転写ベルト1202、ローラー1203及び2次転写ローラー1204を備えている。
色毎の画像形成ユニット1121Y,1121M,1121C,1121Kは、それぞれ、感光体ドラム1001Y,1001M,1001C,1001K、メインチャージャー1002Y,1002M,1002C,1002K、画像書込み装置1003Y,1003M,1003C,1003K、現像装置1004Y,1004M,1004C,1004Kの他、1次転写ローラー1201Y,1201M,1201C,1201Kを備えている。
【0071】
転写ユニット1122は、支持ローラー1061および分離ローラー1062の間に張架された搬送ベルト1006と、搬送ベルト1006の内周側に設けられるバックアップローラー1063とを備えている。
【0072】
以上のように構成された画像形成装置G2は、感光体ドラム1001Yが回転し、その表面がメインチャージャー1002Yにより帯電され、画像書込み装置1003Yの露光によりその帯電部分にYデータの画像の潜像が形成される。そして、現像装置1004Yによりその潜像部分にイエローのトナー像が形成される。そのトナー像は1次転写ローラー1201Yの圧接により中間転写ベルト1202に1次転写される。トナー像は、出力対象の画像データに対応するイエローの像となる。転写されなかったトナーは、クリーニング装置(図示せず)により除去される。
マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像についても、それぞれ同様に形成及び1次転写される。
【0073】
ローラー1203、1次転写ローラー1201Y,1201M,1201C,1201Kの回転により、中間転写ベルト1202が回転し、YMCKのトナー像が中間転写ベルト1202上に順に重ねられて1次転写される。給紙カセット1009は、複数の給紙トレイを備え、給紙トレイに格納されている用紙Pを転写搬送路1005に給送する。給紙カセット1009の各給紙トレイから供給された用紙Pは、2次転写ローラー1204とバックアップローラー1063とによって形成されたニップ部に搬送される。ニップ部に搬送された用紙Pは、ニップ部において転写バイアス電源により転写バイアスが印加され、中間転写ベルト1202に1次転写されたCMYKのトナー像が用紙Pに転写される。すなわち、中間転写ベルト1202に1次転写されたトナー像が用紙Pに2次転写される。このとき、転写バイアスが印加された用紙Pは中間転写ベルト1202に静電吸着される。すなわち、用紙Pは、中間転写ベルト1202によって静電吸着されて搬送されることとなる。中間転写ベルト1202に吸着された用紙Pは、2次転写ローラー1204による曲率分離、及び、搬送ベルト6による静電吸着力によって中間転写ベルト1202から分離される。2次転写された用紙Pは、搬送ベルト6によって定着装置1008に搬送され、定着装置1008において定着され、排紙トレイ1205に排紙されるか、両面搬送路1092に給送される。
【0074】
以上のように構成された画像形成装置G2において、上述した分離ガイド板201と同様の機能を有する分離ガイド板201Cを、その先端部を中間転写ベルト1202の外周面に対して所定間隔だけ離間して対向配置させるようにし、この分離ガイド板201Cを上述した支持板203と同様の機能を有する支持板203Cによって支持固定する。
そして、このような分離ガイド板201Cについて、その先端部と中間転写ベルト1202の外周面との間隔を上述した要領によって局所的に調整可能に構成することにより、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
また、本実施の形態において適用可能な用紙搬送体は上述したものの他、例えば、用紙の給送を行うための給送ローラー等が適用できる。
【符号の説明】
【0076】
120 画像形成装置
6 搬送ベルト
62 分離ローラー
201 分離ガイド板
201a 剥離部
203 支持板
204a,204b,204c 取付ネジ
205a1,205a2 調整用ネジ受孔
205b1,205b2 調整用ネジ受孔
205c1,205c2 調整用ネジ受孔
206a,206b,206c 調整用ネジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トナー像が形成された感光体や転写ベルト等の像担持体から、トナー像を用紙に転写し定着することで、画像を用紙上に形成するようにした画像形成装置が知られている。トナー像が転写された用紙は、搬送ベルトによって定着装置に搬送され、定着装置によってトナー像が用紙に定着される。ここで、搬送ベルトによる用紙の搬送は、用紙をベルトに静電吸着させ、ベルトを周回させることにより実施される。搬送ベルトにより搬送された用紙は、搬送ベルトの端部に設けられた分離ローラーによって曲率分離される。
【0003】
ところが、薄紙等、剛性(こし)の小さい用紙については、曲率分離によっては分離されず、いわゆるジャム等の不具合が生じることがある。これに対しては、分離ローラーを小径化することにより、曲率分離の効果を向上させることが可能である。ところが、搬送ベルトは、複数のローラーによって所定の張力により張架される構成であるため、分離ローラーは、この張力によって可撓されないよう、十分な強度を確保する必要がある。また、分離ローラーの径が小さすぎる場合には、ベルトがローラーの曲率のまま復元しなくなるクリープが生じることがある。そのため、自ずと分離ローラーの小径化には限界がある。
【0004】
また、転写ベルトに対する用紙の静電吸着力を小さくするため、転写ベルトから用紙を分離させる際に、例えば、除電極によって用紙に対してコロナ放電を行って、用紙を除電することにより搬送ベルトからの用紙の分離を容易にするようにしたものがあるが、除電極や高圧電源等の設置が必要であり、高コストとなる。
【0005】
このような問題に鑑み、従来の画像形成装置において、搬送ベルトによって搬送された用紙を搬送ベルトから分離して、定着装置に案内するための定着入口ガイド(ガイド部材)を揺動可能に設けたものがある(例えば、特許文献1)。
【0006】
また、用紙を定着部材から引き剥がすことが可能に構成された分離機構について、定着装置の定着部材の第1領域と第1の隙間だけ離間した状態で第1領域に対向して配置された第1分離部材(第1ガイド部材)と、定着部材の第2領域と第2の隙間だけ離間し、第2領域に対向して配置された第2分離部材(第2ガイド部材)とを、隙間調整部材によってそれぞれ調整可能とし、定着部材との隙間を個別に調整可能とした定着装置がある(例えば、特許文献2)。
【0007】
また、用紙を定着部材から引き剥がすことが可能に構成された分離機構について、用紙搬送方向と直交する方向に延びるとともに、定着部材と所定の隙間だけ離間した状態で定着部材に対向して配置された分離部材(ガイド部材)を、支持軸部材に対して回動自在に支持させて、所定の隙間を回動方向において調整可能にする一方で、分離部材を、支持軸部材側から定着部材に向けて延びる面方向に移動させて、所定の隙間を面方向において調整可能にした定着装置がある(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4027146号公報
【特許文献2】特開2010−197844号公報
【特許文献3】特開2010−197920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記各特許文献において用いられるようなガイド部材は、用紙が分離される搬送ベルトや定着部材等の各種部材から一定程度離間される必要があるところ、成型条件等により生ずるガイド部材の真直度の低下、あるいは、各種構成部品を取り付けた際に生ずるガイド部材の取り付け歪み等により、ガイド部材がその位置によって各種部材との間隔が異なる場合がある。
【0010】
しかしながら、上記各特許文献に記載の技術は何れも、このような製造過程等において生ずることがある部材間の間隔の位置による相異については全く考慮されないでガイド部材と上述したような各種部材との隙間の調整が行われていたことから、部分的に部材間の間隔が異なって不均一となる場合があり、その結果、部分的に隙間がなくなることによる部材同士の干渉や部材間の間隔が部分的に大きくなって用紙の分離不良が生じるおそれがある。
【0011】
本発明の課題は、部材間の適正な間隔の調整を行うことができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置において、
用紙を搬送面上で付着させながら搬送するとともに、付着した用紙を曲率により分離する用紙搬送体と、
用紙の搬送方向と直交する方向に延びるとともに、先端部が前記用紙搬送体の搬送面に対して所定間隔だけ離間して対向配置され、曲率により分離される用紙を前記用紙搬送体から剥離して所定の搬送経路に案内するガイド部材と、
前記ガイド部材を所定位置に複数個所で支持固定する支持部材と、
前記ガイド部材を所定の押圧位置で押圧し、前記支持部材により前記ガイド部材が支持固定された複数の位置を結ぶ軸線上を回転支軸として前記ガイド部材に対して回転方向の力を加えて前記ガイド部材を変形させて、前記ガイド部材の先端部と前記用紙搬送体の搬送面との間隔を調整する調整部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記ガイド部材は、一体成型により構成されている。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記ガイド部材は、前記調整部材の押圧により弾性変形可能な材料によって形成されている。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記調整部材は、前記ガイド部材の延在方向の中央部分を押圧可能に構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置において、
前記調整部材は、前記ガイド部材の複数の押圧位置においてそれぞれ押圧可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記ガイド部材は、前記押圧位置に応じて、前記調整部材によって加えられる力の方向を正逆変更可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、部材間の適正な間隔の調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像形成装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図2】転写ユニットと搬送ベルトクリーニングユニットの概観斜視図である。
【図3】搬送ベルトクリーニングユニットの左側面図である。
【図4】図3の搬送ベルトクリーニングユニットをA−A平面で切断した断面拡大図である。
【図5】図4の分離ガイド板を矢視Cから見た斜視図である。
【図6】図3の搬送ベルトクリーニングユニットをB−B平面で切断した断面拡大図である。
【図7】図3の搬送ベルトクリーニングユニットをB−B平面で切断した断面拡大図である。
【図8】用紙の分離性能を示すグラフである。
【図9】搬送ベルトと分離ガイド板との間隔について説明する模式図である。
【図10】本発明の他の実施形態について説明する図である。
【図11】本発明の他の実施形態について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る画像形成装置120について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0021】
図1〜図7を参照して本実施の形態に係る画像形成装置120の各部構成について説明する。
画像形成装置120は、図1に示すように、例えば、画像形成ユニット121、転写ユニット122等のプリント出力に係る各部や図示しないプリント制御部を備えて構成される。プリント制御部は、画像形成装置120の各部の動作を制御し、入力された画像データに基づいて画像形成を行わせる。
【0022】
また、画像形成装置120は、給紙カセット9、給紙搬送路90、転写搬送路5、定着装置8、ゲート91、両面搬送路92、反転搬送路93、再給紙搬送路94及び搬送ベルトクリーニングユニット200を備えている。
【0023】
画像形成ユニット121は、像担持体としての感光体ドラム1、メインチャージャー2、LED(Light Emitting Diode)光源の画像書込み装置3、二成分現像方式の現像装置4及び感光体ドラム1を清掃するクリーニング装置7を備えている。感光体ドラム1は、負帯電のOPC(Organic Photo Conductor)感光体により構成されている。
【0024】
画像形成ユニット121は、先ず、感光体ドラム1を回転させ、メインチャージャー2によって感光体ドラム1を帯電させる。続いて、画像形成ユニット121は、画像書込み装置3によって感光体ドラム1の帯電部分に露光走査を行い、静電潜像を形成する。画像形成ユニット121は、現像装置4により、感光体ドラム1の潜像部分にトナー材を付着させてトナー像による現像を行う。すなわち、感光体ドラム1は、トナー像を担持する。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、感光体ドラム1の回転によって転写ユニット122に向けて搬送される。感光体ドラム1上のトナー像は、後述するように、転写ユニット122によって用紙に転写される。用紙に転写されずに感光体ドラム1上に残存したトナーは、クリーニング装置7によって除去される。
【0025】
転写ユニット122は、感光体ドラム1上に形成されたトナー像を用紙に転写するとともに、転写後の用紙を定着装置8に搬送するための搬送ベルト6を備えている。
【0026】
搬送ベルト6は、支持ローラー61及び分離ローラー62の間に張架され、支持ローラー61と分離ローラー62との間で、搬送ベルト6の内周側に設けられる転写ローラー63により感光体ドラム1に圧接されている。この圧接部分によりニップ部が形成される。搬送ベルト6は、例えば、半導電性のベルト基材と、表層として設けられた体積抵抗率が1×1011Ωcm以上の絶縁層の2層からなる構造であり、全体的には1×107Ωcmから1×1011Ωcmの体積抵抗率を有するものである。
【0027】
用紙Pは、給紙カセット9に収納されており、給紙搬送路90を通って転写搬送路5に供給される。用紙Pは、転写搬送路5から搬送ベルト6に給送されると、感光体ドラム1と転写ローラー63とによって形成されたニップ部において、感光体ドラム1に形成されたトナー像が転写される。より具体的には、転写ローラー63に接続された転写バイアス電源により、転写ローラー63を介して用紙Pに転写バイアスが印加されることにより用紙Pが帯電される。帯電した用紙Pは、ニップ部において接触したトナー像を静電転写により吸着する。帯電した用紙Pは、感光体ドラム1による曲率分離、及び、搬送ベルト6による静電吸着力によって感光体ドラム1から分離されるとともに、搬送ベルト6に静電吸着されながら搬送される。
【0028】
搬送ベルトクリーニングユニット200は、図2に示すように、分離ローラー62の側方外周を搬送ベルト6とともに被覆するように配置されている。搬送ベルトクリーニングユニット200は、ベルトクリーニング装置200A(図4参照)を内部に備え、搬送ベルト6上のトナー材や紙粉などの異物を除去する。搬送ベルトクリーニングユニット200は、分離ガイド板201を上部に備えている。分離ガイド板201は、剥離部201aが形成されており、分離ローラー62による搬送ベルト6からの用紙Pの曲率分離を補助する。分離ガイド板201は、剥離部201aと搬送ベルト6との間で所定距離の隙間が生じるように配置されている。このように構成されているため、搬送ベルト6によって矢印Fにて示す方向(用紙搬送方向)に搬送された用紙Pは、分離ローラー62による曲率分離及び分離ガイド板201の剥離部201aによる剥離作用によって搬送ベルト6から分離される。このように、搬送ベルト6は、用紙を搬送面上で付着させながら搬送するとともに、付着した用紙を曲率により分離する用紙搬送体として機能する。搬送ベルト6から分離された用紙Pは、定着装置8に案内される。
【0029】
搬送ベルト6の下流には定着装置8が設けられており、定着装置8は、用紙Pに転写されたトナー像を定着する。定着装置8の下流には、ゲート91が設けられている。ゲート91は、外部に用紙を排出する場合と両面印刷のための両面搬送路92に用紙を給送する場合とで位置の切り替えを行う。両面搬送路92に給送された用紙は、一旦、反転搬送路93に進み、ここで表裏反転されて再給紙搬送路94から転写搬送路5に合流し、転写位置に送られる。
【0030】
次に、本実施の形態に係る、搬送ベルトクリーニングユニット200の各部構成について説明する。
【0031】
搬送ベルトクリーニングユニット200は、図2に示すように、転写ユニット122に隣接して取り付けられている。搬送ベルトクリーニングユニット200は、ベルトクリーニング装置200Aを収容するケース体202を備えている。ケース体202の左側面の上部には、用紙搬送方向とは直交する方向に延在した矩形形状の支持板203が取り付けられている。
【0032】
支持板203は、例えば、金属板からなり、上端部及び下端部がそれぞれ外側に折曲形成されている。支持板203は、図3に示すように、取付ネジ204a〜204cによって、中央部及び左右端部付近にてそれぞれネジ止めされることにより、ケース体202に取り付けられている。具体的には、図4に示すように、取付ネジ204bは、支持板203、ケース体202及び分離ガイド板201にそれぞれ穿設されたネジ挿入穴に挿通されて、取付板207に対して螺合される。取付ネジ204a及び204cも同様にして取付板207に対して螺合される。支持板203は、このようにして、分離ガイド板201とともにケース体202に対して取り付けられる。取付ネジ204a〜204cのネジ止め位置は、支持板203の長手方向と平行である同一軸線上に配置されている。
なお、本実施の形態では、取付ネジ204a〜204cにより、分離ガイド板201を3か所にてネジ止め固定するようにしたが、2か所以上であればよい。
このように、支持板203は、ガイド部材を所定位置に複数個所で支持固定する支持部材として機能する。
【0033】
また、図3に示すように、支持板203の取付ネジ204a〜204cのネジ止め位置の近傍には、それぞれ調整用ネジ206a〜206cが螺合される調整用ネジ受孔205a1,205a2,205b1,205b2,205c1,205c2が設けられている。より具体的には、取付ネジ204aのネジ止め位置の左方上下位置に、調整用ネジ受孔205a1,205a2がそれぞれ設けられている。また、取付ネジ204bのネジ止め位置の左方上下位置に、調整用ネジ受孔205b1,205b2がそれぞれ設けられている。また取付ネジ204cのネジ止め位置の右方上下位置に、調整用ネジ受孔205c1,205c2がそれぞれ設けられている。そして、調整用ネジ受孔205a1,205b1,205c1には、それぞれ調整用ネジ206a〜206cが螺合されている。
なお、本実施の形態では、調整用ネジ受孔を、画像形成装置120において通紙可能な用紙のうちの最大幅のものの端部近傍となる位置と、その内側となる位置とにそれぞれ設けるようにしたが、上述した位置に限定されず、適宜の位置に配置してもよい。
【0034】
分離ガイド板201は、図2、図4及び図5に示すように、側面部201eと上面部201fとを備えて用紙搬送方向とは直交方向に延びて断面略L字状に一体に形成されている。分離ガイド板201の長手方向の長さは、画像形成装置120において通紙可能な用紙のうちの最大幅のものの幅寸法よりも長く設定されている。分離ガイド板201は、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂によって形成されている。なお、分離ガイド板201に適用される材料は、樹脂や金属等の何れであってもよいが、ある程度の硬度を有し、弾性を持つ樹脂が好ましい。
なお、本実施の形態において、分離ガイド板を2以上の部材で連設することにより構成してもよいが、この場合、部材の境界部分で段差が生じて通紙される用紙が引っ掛からないように調整されるのが好ましい。
【0035】
剥離部201aは、分離ガイド板201の上面部201fの先端より上方に立ち上げ形成されている。剥離部201aは、先端部分が搬送ベルト6に向けられて配置されている。この先端部分は、分離ローラー62の外周に略沿って鋭角に形成されており、当該先端部分にて搬送ベルト6上を搬送される用紙Pの搬送ベルト6からの剥離を行う。剥離部201aの先端と搬送ベルト6との間には、所定間隔の隙間Sが形成されている。この隙間Sは、後述するように、調整用ネジ206a〜206cによって間隔の変更が可能に構成されている。
このように、分離ガイド板201は、用紙の搬送方向と直交する方向に延びるとともに、先端部が用紙搬送体の搬送面に対して所定間隔だけ離間して対向配置され、曲率により分離される用紙を用紙搬送体から剥離して所定の搬送経路に案内するガイド部材として機能する。
【0036】
また、分離ガイド板201bには、側面部201e及び上面部201fの各内面に亘って複数の補強リブ201cが一体に形成されている。補強リブ201cは、三角柱状に形成され、斜面側が開放されて中空をなしている。補強リブ201cは、分離ガイド板201の長手方向にそって所定間隔にて配置されている。この補強リブ201cは、後述するように、分離ガイド板201に加えられた押圧力を効率よく剥離部201aに伝達させるのに寄与している。
【0037】
また、図4、図6及び図7に示すように、分離ガイド板201の側面部201eの外面側には保護板208が設けられ、分離ガイド板201の側面部201eとケース体202とによって挟持されている。
【0038】
また、図3及び図6に示すように、支持板203に螺合された調整用ネジ206a〜206cは、その先端部分にて、調整用ネジ206a〜206cのねじ込み量に応じた強さの押圧力で、保護板208を介して分離ガイド板201の側面部201eを外側から押圧する。分離ガイド板201は、調整用ネジ206a〜206cによって側面部201eが押圧されると、取付ネジ204a〜204cによる分離ガイド板201の取り付け位置を結んだ軸Xを回転支軸とした曲げモーメントが与えられ、分離ガイド板201がわずかに弾性変形する。この応力は剥離部201aに伝達され、剥離部201aに軸Xを回転支軸とした回転力が与えられる。ここで、分離ガイド板201は、調整用ネジ206a〜206cによって局所的に曲げモーメントが与えられる。すなわち、例えば、図6に示すように、調整用ネジ206bが調整用ネジ受孔205b1に螺合されて、その位置で分離ガイド板201の側面部201eを押圧すると、押圧方向に対して最も大きな曲げモーメントが発生することとなる。その結果、調整用ネジ206bによる分離ガイド板201への押圧方向上もしくはこれに最も近接する剥離部201aに対する回転力が最も大きくなる一方、離間するにつれて、その力は小さくなる。したがって、調整用ネジ206bによって分離ガイド板201を押圧することによれば、剥離部201aの位置を局所的に変位させることができる。以上のようにして剥離部201aの位置を調整することにより、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔を局所的に変更することができる。なお、図6に示す例では、調整用ネジ206bが、軸Xよりも上方に配置された調整用ネジ受孔205b1に螺合されて分離ガイド板201を押圧するため、分離ガイド板201の剥離部201aに対し、軸Xを支軸とした時計方向への回転力が働いている。すなわち、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔が小さくなるように剥離部201aの位置が変位する。
【0039】
ここで、本実施の形態では、図6及び図7に示すように、調整用ネジ受孔205b1及び調整用ネジ受孔205b2から何れかを選択して調整用ネジ206bを螺合することができる。そのため、分離ガイド板201の剥離部201aに対して反時計方向への回転力を与えたい場合、すなわち、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔が大きくなるように剥離部201aの位置を変位させる場合には、図7に示すように、調整用ネジ206bを、軸Xよりも下方に配置された調整用ネジ受孔205b2に対して螺合し、上述のようにして分離ガイド板201を押圧することにより、実施することができる。すなわち、本実施の形態では、分離ガイド板201は、押圧位置に応じて、調整用ネジ206a〜206bによって加えられる力の方向を正逆変更可能に構成されている。
なお、調整用ネジ206a,206cについても、上述した要領にて剥離部201aの位置の調整を行うことができる。
このように、調整用ネジ206a〜206cは、ガイド部材を所定の押圧位置で押圧し、支持部材によりガイド部材が支持固定された複数の位置を結ぶ軸線上を回転支軸としてガイド部材に対して回転方向の力を加えてガイド部材を変形させて、ガイド部材の先端部と用紙搬送体の搬送面との間隔を調整する調整部材として機能する。
なお、本実施の形態では、調整用ネジ206a〜206cにより、分離ガイド板201を押圧して分離ガイド板201を弾性変形させて剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔を調整するようにしたが、分離ガイド板201を塑性変形させて調整するようにしてもよい。
【0040】
図4に示すように、分離ガイド板201の上方には案内部材209が設けられ、分離ガイド板201の上面部201fを被覆する。案内部材209は、用紙搬送方向の上流側から下流側に向かって上り傾斜をなしており、図2に示すように、その上面には多数のリブが、用紙搬送方向に対して所定の角度をなして立設されている。案内部材209の下面の用紙搬送方向の上流側端部には、断面略L字状の係止片209aが案内部材209の長手方向に沿って複数設けられている。一方、分離ガイド板201の上面部201fには、案内部材209の係止片209aが挿入される挿通孔201bが穿設されている。また、案内部材209の下面略中央には、取付ネジ210を螺合するための取付ボス209bが立設されている。一方、分離ガイド板201の上面部201fにおける挿通孔201bの後方に、取付ボス209bを収容するための貫通孔201dが穿設されている。
【0041】
このようにして構成された案内部材209は、以下のようにして分離ガイド板201に対して取り付けられる。すなわち、取付ネジ204a〜204cによって支持板203に取り付けられた分離ガイド板201の上面部201fの挿通孔201bに対して係止片209aを挿入して分離ガイド板201の上面部201fの裏側に係止させた後、取付ボス209bを貫通孔201dに挿入する。そして、分離ガイド板201の上面部201fの裏側から、ワッシャー210aを介して取付ネジ210を取付ボス209bに螺合することにより、案内部材209が分離ガイド板201に対して取り付けられる。なお、分離ガイド板201の上面部201fと案内部材209との間には保護板211が設けられており、分離ガイド板201の上面部201fと案内部材209とによって挟持されている。
【0042】
以上のように構成された分離ガイド板201について、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔を局所的に調整する理由について説明する。
【0043】
薄紙等、いわゆるこしの弱い用紙は搬送ベルト6から曲率分離され難い。したがって、分離ガイド板201の剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔が大きいと、用紙が分離ガイド板201に引っ掛かったり、また、用紙が分離ローラー62に巻き込まれて紙詰まりする(ジャムということがある)等の不具合が発生する場合がある。そのため、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔は、互いに接触しない範囲でできるだけ小さくすることが望ましい。
【0044】
また、用紙の搬送ベルト6からの曲率分離性は、転写ローラー63によって用紙に印加される転写バイアスの電流値に依存する。すなわち、転写バイアスの電流値が小さいほど、搬送ベルト6への用紙の吸着力が弱くなって、搬送ベルト6からの用紙の曲率分離が容易となり、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔を大きくしても良好に用紙を分離することができるが、転写バイアスの電流値が小さすぎると感光体ドラム1からの用紙の分離不良が生じる。一方、転写バイアスの電流値が大きいほど感光体ドラム1からの用紙の分離性は向上するが、搬送ベルト6への用紙の吸着力が強くなり、搬送ベルト6からの用紙の曲率分離性が低下するため、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔を十分に小さくする必要がある。そのため、搬送ベルト6からの用紙の曲率分離を効果的に実施するためには、転写バイアスの電流値を適切に設定し、剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sについてもこれに応じて適正な間隔に設定される必要がある。
【0045】
以上の理由から、まず、適正な転写バイアスの電流値を検討する。図8は、坪量が42g/m2である所定の薄紙を通紙した際の搬送ベルト6からの用紙の分離性能を示すものである。すなわち、図8は、分離ガイド板201の剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔に対し、転写バイアスの電流値をどの程度に設定するのが適切であるかを示している。ここで、実線Lは上述した薄紙が搬送ベルト6から分離可能とする限界を示しており、この限界を超えた条件下では、搬送ベルト6からの用紙の分離不良が発生する可能性があることを表している。また、図8中、符号p1〜p4は、常温常湿度(20°C,50%)下における薄紙の搬送ベルト6からの分離を可能とする限界点を示し、符号q1〜q3は、高温高湿度(30°C,80%)下における薄紙の搬送ベルト6からの分離を可能とする限界点を示し、符号r1〜r2は、低温低湿度(10°C,20%)下における薄紙の搬送ベルト6からの分離を可能とする限界点を示している。
【0046】
本実施の形態では、感光体ドラム1からの用紙の分離性及び感光体ドラム1からの用紙へのトナーの転写性を考慮し、転写バイアスの電流値を55μAに設定する。そして、この電流値に対し、上述した薄紙を搬送ベルト6から効果的に分離させるためには、上述した結果を考慮すると、分離ガイド板201の剥離部201aの先端と搬送ベルト6との隙間Sの間隔が0.2〜0.5mm程度に保たれるのが好ましいことがわかる。
【0047】
ところで、分離ガイド板201は、製造時における様々な条件の相異によって真直度に個体差が生じることがある。例えば、分離ガイド板201の成型条件や材料の特性等によって真直度に個体差が生じることが考えられる。ここで、真直度とは、直線でなければならない機械部分の幾何学的直線からの狂いの大きさをいう。すなわち、本実施の形態では、分離ガイド板201の剥離部201aの先端縁の両端を結ぶ基準線に対する先端縁の狂いの大きさを真直度により示すことができる。このような真直度は、部材の中央となるほど大きくなる傾向がある。
【0048】
分離ガイド板201はこのような特性を有しているため、分離ガイド板201の剥離部201aの先端縁の真直度を考慮して分離ガイド板201を配置しないと、配置した分離ガイド板201によっては、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔が部分的に大きすぎることとなったり、剥離部201aと搬送ベルト6とが接触したりする場合がある。
【0049】
また、分離ガイド板201を含む各種部品はある程度の公差が考慮されて取り付けられるため、取り付け時における微小の歪み等に由来して、分離ガイド板201の剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔が位置に応じて異なってしまう場合もある。
【0050】
本実施の形態では、分離ガイド板201の真直度や部材の取り付けの際の歪み等を考慮して、剥離部201aの先端縁が最も突出した分離ガイド板201が適用された場合においても、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sが少なくとも一定間隔確保されるような位置に分離ガイド板201が配置されるように設計されている。
【0051】
例えば、分離ガイド板201の剥離部201aの先端縁の真直度が(a(例えば、0.3mm))だけ見込まれる場合には、剥離部201aと搬送ベルト6とが接触しないように、剥離部201aの先端縁が最も突出したものが適用された場合においても、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔が少なくとも(b(例えば、0.2mm))だけ確保されるように分離ガイド板201を配置する。すなわち、分離ガイド板201は、両端における剥離部201aの先端と搬送ベルト6との間隔がそれぞれ(a+b)となるように配置される。そのため、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔は、剥離部201aが最も突出した分離ガイド板201が適用された場合にあっては、図9(a)に示すように、(b)から(a+b)の範囲となる一方で、剥離部201aが最も凹陥した分離ガイド板201が適用された場合にあっては、図9(b)に示すように、(a+b)から(d=2a+b)の範囲となる。そのため、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔は、真直度だけ考慮しても(b)から(2a+b)の範囲となり、変動の幅が大きい。
【0052】
このとき、例えば、図8を参照して上述したように、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの一部について間隔が0.5mmを超えるような場合には、用紙の搬送ベルト6からの分離不良が生じる可能性がある。したがって、用紙の搬送ベルト6からの曲率分離を良好に行わせるためには、このような部分については間隔が小さくなるように調整される必要がある。
【0053】
本実施の形態では、上述のように構成されており、調整用ネジ206a〜206cにより、剥離部201aにおける各押圧位置に対応する位置を軸Xを回転支軸として局所的に変位させることができるので、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔の調整を良好に実施することができる。その結果、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔を何れの位置においても適正な範囲内とすることができるようになる。また、分離ガイド板201の剥離部201aの先端縁の真直度を小さくすることができる。また、各種部材を取り付けた際の微小の歪みに由来する、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔の位置による相異についても対応することができるようになる。
【0054】
また、本実施の形態では、特に、上述した分離ガイド板201の特性を考慮して、図3に示すように、調整用ネジ206bによって分離ガイド板201の延伸方向の略中央部分が押圧されるように調整用ネジ受孔205b1,205b2を配置している。そのため、真直度の最も大きくなる可能性の高い部分について適切に間隔の調整を行うことができる。
【0055】
なお、本実施の形態において、分離ガイド板201の剥離部201aの先端縁の真直度が小さく、剥離部201aと搬送ベルト6との隙間Sの間隔を均等に調整したい場合には、剥離部201aの変位量が何れの位置についても均等となるように調整用ネジ206a〜206cにて調整を行うことで実施することができる。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態によれば、搬送ベルト6は、用紙Pを搬送面上で付着させながら搬送するとともに、付着した用紙Pを曲率により分離する。分離ガイド板201は、用紙Pの搬送方向と直交する方向に延びるとともに、剥離部201aが搬送ベルト6の搬送面に対して所定間隔だけ離間して対向配置され、曲率により分離される用紙Pを搬送ベルト6から剥離して所定の搬送経路に案内する。支持板203は、分離ガイド板201を所定位置に複数個所で支持固定する。調整用ネジ206a〜206cは、分離ガイド板201を所定の押圧位置で押圧し、支持板203により分離ガイド板201が支持固定された複数の位置を結ぶ軸X上を回転支軸として分離ガイド板201に対して回転方向の力を加えて分離ガイド板201を変形させて、分離ガイド板201の剥離部201aと搬送ベルト6の搬送面との間隔を調整する。その結果、分離ガイド板の剥離部における真直度を考慮して剥離部と転写ベルトとの間隔を局所的に調整できるようになり、転写ベルトからの用紙の分離不良を適切に防止することができるようになる。また、部品を取り付けた際の取り付け歪み等を考慮して剥離部と転写ベルトとの間隔を局所的に調整できるようになる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、分離ガイド板201は、一体成型により構成されているので、部材間での段差の発生を考慮する必要がなく、剥離部と転写ベルトとの間隔の調整が容易となる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、分離ガイド板201は、調整用ネジ206a〜206cの押圧により弾性変形可能な材料によって形成されているので、調整用ネジによる押圧力を、剥離部と転写ベルトとの間隔の調整に効果的に反映させることができる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、調整用ネジ206a〜206cは、分離ガイド板201の延在方向の中央部分を押圧可能に構成したので、真直度が最も大きくなる可能性の高い部分について適切に調整することができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、調整用ネジ206a〜206cは、分離ガイド板201の複数の押圧位置においてそれぞれ押圧可能であるので、剥離部と転写ベルトとの間隔のより細かい調整が可能となる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、分離ガイド板201は、押圧位置に応じて、調整用ネジ206a〜206cによって加えられる力の方向を正逆変更可能に構成したので、剥離部と転写ベルトとの間隔を大小自在に調整することができるようになる。
【0062】
なお、本発明の実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。画像形成装置を構成する各機能部の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【0063】
また、本実施の形態では、調整用ネジ206a〜206cによって分離ガイド板201の複数の押圧位置においてそれぞれ押圧可能に構成したが、分離ガイド板201の押圧位置を1か所としてもよい。
【0064】
また、本実施の形態では、取付ネジ204a〜204cによるネジ止め位置に対して上下となる位置にそれぞれ調整用ネジ受孔205a1,205a2,205b1,205b2,205c1,205c2を設け、分離ガイド板201の剥離部201aに対して与えられる回転力を正逆変更可能に構成したが、取付ネジによるネジ止め位置に対して上方及び下方の何れか一方にのみに調整用ネジ受孔を設け、分離ガイド板201の剥離部201aに対して与えられる回転力を何れか一方向のみとしてもよい。
【0065】
また、上述した実施の形態では、用紙搬送体として搬送ベルト6を適用したが、これに限定されず、用紙を付着して搬送し、曲率により分離を行うものであれば、何れのものであっても適用可能である。
【0066】
例えば、図10に示すように、用紙搬送体として感光体ドラム1を適用し、上述した分離ガイド板201と同様の機能を有する分離ガイド板201Aを、その先端部を感光体ドラム1の外周面に対して所定間隔だけ離間して対向配置させるようにし、この分離ガイド板201Aを上述した支持板203と同様の機能を有する支持板203Aによって支持固定するようにしてもよい。
また、用紙搬送体として定着装置8に設けられた定着ローラー8aを適用し、上述した分離ガイド板201と同様の機能を有する分離ガイド板201Bを、その先端部を定着ローラー8aの外周面に対して所定間隔だけ離間して対向配置させるようにし、この分離ガイド板201Bを上述した支持板203と同様の機能を有する支持板203Bによって支持固定するようにしてもよい。
そして、このような分離ガイド板201A,201Bについて、その先端部と感光体ドラム1の外周面との間隔を上述した要領によって局所的に調整可能に構成することにより、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図10に示す例において、本実施の形態における画像形成装置120と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0067】
また、本実施の形態では、単色のトナー材により画像形成するモノクロの画像形成装置について適用したが、2色以上のトナー材により画像形成する画像形成装置についても適用することができる。
【0068】
この場合において、例えば、感光体ドラムに形成されたトナー像を1次転写するための中間転写ベルトを用紙搬送体として適用することができる。
【0069】
例えば、図11に示すように、画像形成装置G2は、プリント部1120を備えている。プリント部1120は、画像形成ユニット1121、転写ユニット1122、給紙カセット1009、給紙搬送路1090、転写搬送路1005、定着装置1008、ゲート1091、両面搬送路1092、反転搬送路1093、再給紙搬送路1094及び排紙トレイ1205を備えている。
【0070】
画像形成ユニット1121は、CMYKの色毎の画像形成ユニット1121Y,1121M,1121C,1121K、中間転写ベルト1202、ローラー1203及び2次転写ローラー1204を備えている。
色毎の画像形成ユニット1121Y,1121M,1121C,1121Kは、それぞれ、感光体ドラム1001Y,1001M,1001C,1001K、メインチャージャー1002Y,1002M,1002C,1002K、画像書込み装置1003Y,1003M,1003C,1003K、現像装置1004Y,1004M,1004C,1004Kの他、1次転写ローラー1201Y,1201M,1201C,1201Kを備えている。
【0071】
転写ユニット1122は、支持ローラー1061および分離ローラー1062の間に張架された搬送ベルト1006と、搬送ベルト1006の内周側に設けられるバックアップローラー1063とを備えている。
【0072】
以上のように構成された画像形成装置G2は、感光体ドラム1001Yが回転し、その表面がメインチャージャー1002Yにより帯電され、画像書込み装置1003Yの露光によりその帯電部分にYデータの画像の潜像が形成される。そして、現像装置1004Yによりその潜像部分にイエローのトナー像が形成される。そのトナー像は1次転写ローラー1201Yの圧接により中間転写ベルト1202に1次転写される。トナー像は、出力対象の画像データに対応するイエローの像となる。転写されなかったトナーは、クリーニング装置(図示せず)により除去される。
マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像についても、それぞれ同様に形成及び1次転写される。
【0073】
ローラー1203、1次転写ローラー1201Y,1201M,1201C,1201Kの回転により、中間転写ベルト1202が回転し、YMCKのトナー像が中間転写ベルト1202上に順に重ねられて1次転写される。給紙カセット1009は、複数の給紙トレイを備え、給紙トレイに格納されている用紙Pを転写搬送路1005に給送する。給紙カセット1009の各給紙トレイから供給された用紙Pは、2次転写ローラー1204とバックアップローラー1063とによって形成されたニップ部に搬送される。ニップ部に搬送された用紙Pは、ニップ部において転写バイアス電源により転写バイアスが印加され、中間転写ベルト1202に1次転写されたCMYKのトナー像が用紙Pに転写される。すなわち、中間転写ベルト1202に1次転写されたトナー像が用紙Pに2次転写される。このとき、転写バイアスが印加された用紙Pは中間転写ベルト1202に静電吸着される。すなわち、用紙Pは、中間転写ベルト1202によって静電吸着されて搬送されることとなる。中間転写ベルト1202に吸着された用紙Pは、2次転写ローラー1204による曲率分離、及び、搬送ベルト6による静電吸着力によって中間転写ベルト1202から分離される。2次転写された用紙Pは、搬送ベルト6によって定着装置1008に搬送され、定着装置1008において定着され、排紙トレイ1205に排紙されるか、両面搬送路1092に給送される。
【0074】
以上のように構成された画像形成装置G2において、上述した分離ガイド板201と同様の機能を有する分離ガイド板201Cを、その先端部を中間転写ベルト1202の外周面に対して所定間隔だけ離間して対向配置させるようにし、この分離ガイド板201Cを上述した支持板203と同様の機能を有する支持板203Cによって支持固定する。
そして、このような分離ガイド板201Cについて、その先端部と中間転写ベルト1202の外周面との間隔を上述した要領によって局所的に調整可能に構成することにより、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
また、本実施の形態において適用可能な用紙搬送体は上述したものの他、例えば、用紙の給送を行うための給送ローラー等が適用できる。
【符号の説明】
【0076】
120 画像形成装置
6 搬送ベルト
62 分離ローラー
201 分離ガイド板
201a 剥離部
203 支持板
204a,204b,204c 取付ネジ
205a1,205a2 調整用ネジ受孔
205b1,205b2 調整用ネジ受孔
205c1,205c2 調整用ネジ受孔
206a,206b,206c 調整用ネジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送面上で付着させながら搬送するとともに、付着した用紙を曲率により分離する用紙搬送体と、
用紙の搬送方向と直交する方向に延びるとともに、先端部が前記用紙搬送体の搬送面に対して所定間隔だけ離間して対向配置され、曲率により分離される用紙を前記用紙搬送体から剥離して所定の搬送経路に案内するガイド部材と、
前記ガイド部材を所定位置に複数個所で支持固定する支持部材と、
前記ガイド部材を所定の押圧位置で押圧し、前記支持部材により前記ガイド部材が支持固定された複数の位置を結ぶ軸線上を回転支軸として前記ガイド部材に対して回転方向の力を加えて前記ガイド部材を変形させて、前記ガイド部材の先端部と前記用紙搬送体の搬送面との間隔を調整する調整部材と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、一体成型により構成されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記調整部材の押圧により弾性変形可能な材料によって形成されている請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記調整部材は、前記ガイド部材の延在方向の中央部分を押圧可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記調整部材は、前記ガイド部材の複数の押圧位置においてそれぞれ押圧可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ガイド部材は、前記押圧位置に応じて、前記調整部材によって加えられる力の方向を正逆変更可能に構成したことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項1】
用紙を搬送面上で付着させながら搬送するとともに、付着した用紙を曲率により分離する用紙搬送体と、
用紙の搬送方向と直交する方向に延びるとともに、先端部が前記用紙搬送体の搬送面に対して所定間隔だけ離間して対向配置され、曲率により分離される用紙を前記用紙搬送体から剥離して所定の搬送経路に案内するガイド部材と、
前記ガイド部材を所定位置に複数個所で支持固定する支持部材と、
前記ガイド部材を所定の押圧位置で押圧し、前記支持部材により前記ガイド部材が支持固定された複数の位置を結ぶ軸線上を回転支軸として前記ガイド部材に対して回転方向の力を加えて前記ガイド部材を変形させて、前記ガイド部材の先端部と前記用紙搬送体の搬送面との間隔を調整する調整部材と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、一体成型により構成されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記調整部材の押圧により弾性変形可能な材料によって形成されている請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記調整部材は、前記ガイド部材の延在方向の中央部分を押圧可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記調整部材は、前記ガイド部材の複数の押圧位置においてそれぞれ押圧可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ガイド部材は、前記押圧位置に応じて、前記調整部材によって加えられる力の方向を正逆変更可能に構成したことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−41189(P2013−41189A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179275(P2011−179275)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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