説明

画像形成装置

【課題】弾性ローラの停止時に、画像形成装置を構成する構成部材の当接によって弾性ローラの外周面に変形が生じ得る画像形成装置において、弾性ローラの変形に起因して発生する画像不良を簡単な構成で精度よく抑制する。
【解決手段】帯電ローラ2の外周面の変形部22を検出するための検出手段と、回転している帯電ローラ2を停止させる場合、検出手段による検出結果を用いて、帯電ローラ2の外周面の変形部22が感光ドラム1に当接した状態で帯電ローラ2を停止させる停止制御を実行可能な制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート等の記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスや静電記録プロセス等を用いたプリンタ・複写機等の画像記録装置において、電子写真感光体や静電記録誘電体などの像担持体を所要の極性・電位に一様に帯電処理する帯電手段としては、従来よりコロナ帯電器が広く利用されてきた。これは被帯電体である像担持体(以下、感光ドラム)にコロナ帯電器を非接触に対向配設して、コロナ帯電器から放出されるコロナに感光ドラム面をさらして感光ドラム面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
近年では、上記非接触タイプのコロナ帯電器による場合に比べて低オゾン・低電力等の利点を有することから接触タイプの帯電装置(接触式帯電装置)が実用化されている。これは、被帯電体である感光ドラムに電圧を印加した接触帯電部材を当接させ、感光ドラムの回転にともない従動回転し、感光ドラム面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
一般的には、接触帯電部材として導電性の帯電ローラ(弾性ローラ)を感光ドラムに当接させて配設し、該帯電ローラに電流電圧を印加することにより感光ドラムを帯電させるローラ帯電方式が好ましく用いられている。帯電ローラとしては、例えば導電性ゴムをロール状にした導電ゴムローラが用いられる。
しかし、上記従来の接触帯電方式において、帯電ローラが常に感光ドラムに当接している系では、画像形成装置の休止時においても常に帯電ローラが感光ドラムに圧接している。このため、帯電ローラの感光ドラム当接部に凹状の形状変化をきたし、その帯電ローラの凹状部において著しい帯電電位のムラと横スジを発生させてしまうという課題がある。
【0003】
そのため、安定的な画質を提供するためには、帯電ローラの形状変化を防止するもしくは帯電電位のムラを抑制することが必要となる。帯電電位のムラを抑制する従来技術は下記文献に開示されている。
特許文献1には、感光ドラムと帯電ローラを離間する方法が提案されている。また、特許文献2には、転写ドラムと感光ドラムの当接位置を前回の停止位置からずらし、感光ドラムの汚れを改善する方法が提案されている。また、特許文献3には、帯電プロセスにおいて印加電圧の制御を行うという技術であって、帯電部材の放電電流と感光ドラム電流を検出し、検出した信号から所定の電圧を選択し印加する技術が記載されている。また、特許文献4では、周方向の帯電ムラを防止するための技術が記載されている。特許文献4に記載の画像形成装置には、帯電部材の回転周期を常に計測する回転周期計測手段と、帯電部材の放電電流と感光ドラム電流を常に検出して所定の電圧を選択し印加する印加電圧制御手段が設けられている。そして、常に帯電部材の電流値を検出して、帯電装置に印加する直流電圧を回転に同期して常に変化させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−243771号公報
【特許文献2】特開平6−161284号公報
【特許文献3】特開平10−247006号公報
【特許文献4】特開2008−096632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、新規に離間構成を追加する必要があり、機構及びコスト面で不利な状況であった。また、特許文献2に記載の方法を感光ドラムと帯電ローラとの当接に応用した場合を想定すると、両部材の当接を一回解除し、帯電ローラの凹状部以外の部分で当接させて放置することで変形を緩和できる。しかし、これだと帯電ローラ形状の回復が遅く、期待した効果が得られない場合があった。また、特許文献3では、帯電ローラ表面に凹状部分がある場合には、感光ドラムと帯電ローラが形成するニップ幅が不安定となり、周方向の回転周期に帯電ムラが発生し、スジ状の画像不良が生じてしまうおそれがある。また、特許文献4では、常に帯電部材の放電電流と感光ドラム電流を検出して制御する必要があり、帯電ローラの周方向に凹状部がランダムに発生した場合には、バイアス制御が複雑となり充分に補正することが困難となることが懸念される。
【0006】
本発明は、弾性ローラの停止時に、画像形成装置を構成する構成部材の当接によって弾性ローラの外周面に変形が生じ得る画像形成装置において、弾性ローラの変形に起因して発生する画像不良を簡単な構成で精度よく抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
画像形成装置を構成する構成部材に外周面が当接するように配設され、画像形成時に回転可能な弾性ローラを有し、
前記弾性ローラの停止時に、前記構成部材の当接によって前記弾性ローラの外周面に変形が生じ得る画像形成装置において、
前記弾性ローラの外周面の変形部を検出するための検出手段と、
回転している前記弾性ローラを停止させる場合、前記検出手段による検出結果を用いて、前記弾性ローラの外周面の変形部が前記構成部材に当接した状態で前記弾性ローラを停止させる停止制御を実行可能な制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、弾性ローラの停止時に、画像形成装置を構成する構成部材の当接によって弾性ローラの外周面に変形が生じ得る画像形成装置において、弾性ローラの変形に起因して発生する画像不良を簡単な構成で精度よく抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1の検出及び制御方法を示すフローチャート
【図2】実施例1の帯電ローラと感光ドラムを示す概略図
【図3】実施例1の帯電ローラが感光ドラムとの当接により凹んでいる状態を示す図
【図4】実施例1の感光ドラムと帯電ローラの当接構成とバイアス回路を示す図
【図5】実施例1の帯電電流をモニターした結果を示す図
【図6】実施例1の変形部を検出する検出方法について説明するための図
【図7】図6の検出方法で得られた結果を示す図
【図8】変形部を非当接状態で放置した場合について説明するための図
【図9】実施例1の回復シーケンス実行時の感光ドラムと帯電ローラの関係を示す図
【図10】実施例1の回復シーケンスによる効果について説明する図
【図11】実施形態の画像形成装置の概略構成を示す断面図
【図12】実施例2の画像形成装置の要部を示す概略図
【図13】実施例2の検出手段について説明するための概略図
【図14】感光ドラムと帯電ローラの当接時間と帯電不良の電位量との関係を表す図
【図15】実施例2において回転時間に対する帯電ローラに印加する電圧等を示す図
【図16】実施例2において現像ローラの印加電圧を制御する構成を示す図
【図17】実施例3において、露光装置からの露光量を制御する構成を示す図
【図18】実施例3において回転時間に対する感光ドラム表面の帯電電位量を示す図
【図19】実施例4の画像形成装置の要部を示す概略図
【図20】実施例4の画像形成装置の要部を示す概略図
【図21】実施例4の画像形成装置の要部を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
まず、本実施形態の画像形成装置の構成と動作の概略について説明する。図11は、本実施形態の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。本形態の画像形成装置は、電子写真方式、プロセスカートリッジ着脱式のレーザプリンタである。
【0011】
図11において、1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラム)である。本形態の感光ドラム1は負帯電性の有機感光体であり、駆動用モータ(不図示)によって図11に矢印で示す時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
感光ドラム1はその回転過程で帯電装置によって負の所定電位に一様に帯電処理を受ける。本形態において帯電装置は、帯電部材として帯電ローラ2を用いた接触帯電装置である。帯電ローラ2は感光ドラム1の外周面に当接するように設けられており、感光ドラム1に対して従動回転する。帯電ローラ2に対して、帯電バイアス電源(不図示)からバイアス電圧(帯電バイアス)が印加されることで、感光ドラム1の表面が均一に帯電される。
【0012】
次いで、感光ドラム1は、露光手段としての露光装置6による像露光を受ける。露光装置6は、均一帯電された感光ドラム1に静電潜像を形成するものであり、本形態では、半導体レーザスキャナを用いた。露光装置6は、画像形成装置内のホスト装置(不図示)から送られてくる画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力して、後述するプロセスカートリッジの露光窓部を介して感光ドラム1の均一帯電面を走査露光(像露光)する。感光ドラム表面は露光箇所の電位の絶対値が帯電電位の絶対値に比べて低くなることによって、画像情報に応じた静電潜像が順次形成される。
【0013】
次いで、その静電潜像は反転現像装置8によりトナー(現像剤)を用いて現像されてトナー像(現像剤像)として顕像化される。本形態では、接触現像方式を用いた。
この方式では、現像ローラ7に対して直流のバイアス電圧(現像バイアス)が印加されることによって、現像剤層厚規制部材11と現像ローラ7の接触箇所で負極性に帯電されたトナーが感光ドラム表面の静電潜像に適用されて静電潜像が反転現像される。現像バイアスは、不図示の現像バイアス電源から現像ローラ7に対して印加される。
【0014】
その感光ドラム面のトナー像が給送カセットから給送された紙等の記録材Pに対して転写装置にて転写される。記録材の給送は、所定の制御タイミングで、給送カセット15のピックアップローラ16と給送ローラ17が回転駆動されることで行われる。これにより、給送カセット15に積載収納されている記録材Pが、1枚分離給送され、感光ドラム1での潜像の形成と同期してレジローラ18まで供給される。そして、この記録材は、感光ドラム1上に形成された潜像の先端と同期して、レジローラ18によって転写ローラ13に搬送される。
【0015】
本形態では転写ローラ13を用いた接触転写装置である。転写ローラ13は感光ドラム1に対して感光ドラム中心方向に不図示の押圧バネなどの付勢手段によって押圧されてい
る。記録材Pが搬送されて転写工程が開始されると、不図示の転写バイアス電源から転写ローラ13に対して正極性の転写バイアス電圧が印加され、負極性に帯電している感光ドラム1上のトナーは記録材P上に転写される。
トナー像の転写を受けた記録材Pは感光ドラム面から分離されて定着装置14へ導入されてトナー像の定着処理を受ける。定着装置14は、記録材Pに転写されたトナー像を熱や圧力などの手段を用いて永久画像に定着するものである。
【0016】
記録材分離後の感光ドラム面はクリーニング装置10により転写残トナーを掻き取られて清掃され、繰り返して作像に供される。本形態のクリーニング装置10はクリーニングブレード9を用いたものである。クリーニングブレード9は、転写工程時に感光ドラム1から記録材Pに転写し切れなかった転写残トナーを回収するものであり、一定の圧力で感光ドラム1に当接し転写残トナーを回収することによって感光ドラム表面を清掃する。クリーニング工程終了後、感光ドラム表面は再び帯電工程に入る。
【0017】
また、転写ローラ13を通った記録材Pは感光ドラム面から分離されて定着装置14に導入される。記録材Pはこの定着装置14で未定着のトナー像が熱と圧力により固着像として定着される。そして、定着装置14を出た記録材は排出ローラ19により装置外部の排出トレイ20にプリントとして排出される。
画像形成装置は、上記の手段を用い、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの各工程を繰り返して画像形成を行う。
【0018】
ここで、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、電子写真感光体とが一体的にカートリッジ化され、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたものをいう。また、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと、電子写真感光体とが一体的にカートリッジ化され、画像形成装置本体に着脱可能に構成されたものをいう。また、少なくとも現像手段と電子写真感光体とが一体的にカートリッジ化され、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたものをいう。
このような画像形成装置において、本発明の帯電電位ムラ等による画像不良の抑制方法を以下に述べる実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、上述した実施形態と同様の構成部分、また、それぞれの実施例において同様の構成部分については、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0019】
(実施例1)
以下に、実施例1について説明する。
図2は、本実施例の帯電ローラと感光ドラムを示す概略図である。ここで、帯電ローラ2は画像形成時に回転可能な弾性ローラに相当し、感光ドラム1は画像形成装置を構成する構成部材(回転体)に相当する。
図2に示すように、帯電ローラ2は、その芯金21の長手方向(回転軸方向)の両端部が、加圧ばね26により付勢された軸受25によって回転自在に支持されている。これにより、帯電ローラ2は、その両端部において、当接圧Fをもって感光ドラム1に当接され、感光ドラム1表面との間に帯電ニップ(ニップ部)を構成している。そして帯電ローラ2は、感光ドラム1と接触していることから感光ドラム回転に伴ってこの帯電ニップを介して従動回転するように構成されている。また、帯電ローラ2は、感光ドラム1に当接していることから、停止時に、感光ドラム1の当接によって帯電ローラ2の外周面に変形が生じ得る。ただし、この帯電ニップは非接触部の放電領域(微小ギャップ)と、機械的に接触している当接ニップとに分けられる。よって、当接により凹む現象は、前記当接ニップが寄与している。同図中の5は電源装置であり、本実施例では、帯電ローラ2に帯電バイアスを印加する電源である。
【0020】
このような当接ニップは画像形成プロセスには必須の構成であるが、帯電ローラ表面(外周面)が感光ドラムとの当接で凹むと、その場所で帯電ムラが生じるため、帯電ローラ周期の帯電不良画像が発生してしまうことが懸念される。
図3は、本実施例において、帯電ローラ2が感光ドラム1との当接により凹んで(Cセットして)いる状態を示す概略図である。ここで本実施例では、当接により凹みが生じる現象をCセット、変形部(凹状部)をCセット部という。
【0021】
図3のように、帯電ローラ2においては、当接ニップNで大きく凹むことでCセット部22が形成される。そして、Cセット部22のうちニップ上流端部(帯電ローラ2の回転方向における上流端部)24とニップ下流端部(帯電ローラ2の回転方向における下流端部)23の2か所において、当接圧の影響で凸部、あるいは鋭角部が形成される。この凸部、あるいは鋭角部は帯電部材の材料や構成により若干形状や位置は異なるものの、本実施例では当接ニップ中心を周方向(帯電ローラ2の回転方向)の角度基準とすると、約±15度の部分で数μmの凸部、あるいは鋭角部が形成されることがわかった。
【0022】
このような他の部分と異なるCセット部があると画像形成プロセス時に、周方向の回転時に伴って当接状態が変わり、周方向の回転で凸部あるいは鋭角部が帯電領域に到達した際、感光ドラム1への帯電状態が変化し、帯電ムラを生じる場合があった。具体的には凸と凹の高低差が大きいと放電領域が局所的に変化するため、帯電ムラが生じると考えられる。
【0023】
そこで、上記Cセット部22を検出するため本実施例の検出方法(1)〜(2)について以下に述べる。
(1)帯電電流による検出
電流によるCセット部の検出としては、帯電ローラに流れる電流値で検出する。まず、図4は、本実施例において、感光ドラム1と帯電ローラ2の当接構成とバイアス回路を示す概略図である。上述したように感光ドラム1と帯電ローラ2は所定の圧で当接しており、当接ニップにおいて帯電ローラ2が凹んだ状態となっている。
図4において、4はCセット部22が感光ドラム1に当接した状態で帯電ローラ2を停止させる停止制御を実行可能な制御手段としての制御装置であり、30は帯電ローラ2の電流値を検出できる検出手段としての電流検出部である。制御装置4はまた、検出手段の検出結果に基づいて画像形成プロセスを制御する。
この状態で帯電バイアスが印加されて、従動回転が行われると、Cセット部以外は感光ドラム表面が所定電位に帯電され、単位面積当たりの帯電領域に応じた電流が流れる。
一方、帯電ローラ2に流れる帯電電流値は一定の電流値で制御しているため、放電領域が局所的に変化するとその際に流れる電流変動に対する高圧トランスの追従性が追い付かず、帯電ムラすなわち電流値のムラを生じる。
【0024】
また、Cセット部22の凸部あるいは鋭角部は、帯電ローラ2の回転方向において、当接ニップNの両端に形成されるため、上流側と下流側とで2つ形成されることとなる。このうち当接ニップNの下流側は凸部あるいは鋭角部の形状によるギャップ変動の影響で放電領域が小さい状態から急激に大きい状態になるため、帯電ムラを生じやすい。
一方、当接ニップNの上流側は、感光ドラム1の帯電が当接ニップ下流側でほぼ帯電が完了しているため帯電ムラは出にくい。よって、帯電ムラ改善のために位置検出が必要な箇所は下流側の凸部あるいは鋭角部(ニップ下流端部23)であることがわかった。
【0025】
そこで、実際に帯電電流をモニターし、電流データの周波数ノイズ成分を除去した。その結果を図5に示す。図5に示すように、検出した電流値に所定の電流変動がみられ、帯電ローラの形状と対応させるとその変動部がCセット部22の下流側の凸部あるいは鋭角部に対応していることがわかった。
よって、このことから、帯電ローラ2に対して、帯電バイアスを印加し、回転させた状態で、帯電ローラ2の電流を検出することで、Cセット部22、特に下流側の凸部あるいは鋭角部(ニップ下流端部23)を検出できることがわかった。
【0026】
(2)ローラ位置変位や振動による検出
次に、帯電ローラ2のCセット部22を、変位計31やピックアップ(振動計)32の検出手段で検出する場合について説明する。ここで、変位計31は、帯電ローラ2が回転している状態で、感光ドラム1に対する帯電ローラ2の位置の変化を検出するものである。
図6(a)は、感光ドラム1に対する帯電ローラ2の位置変位を検出する変位計31での検出方法について説明するための図、図6(b)はピックアップ32での検出方法について説明するための図である。図に示すように、帯電ローラ2のCセット部22(もしくは芯金を保持しているCローラ端子)に向けて、エンコーダーを設置して直接位置変位を測定、あるいは、ピックアップを設置して、帯電ローラ2が回転している状態でCセットの変形による振動を測定する。
このことで、図7(a)に示す位置変位の測定結果、ならびに図7(b)に示す振動の測定結果が得られ、帯電ローラのCセット部22、特に上流側と下流側の凸部あるいは鋭角部が検出可能となることがわかった。
【0027】
以上が本実施例の帯電ローラ2のCセット部検出であるが、Cセット部22を検出できるものであれば、検出方法はバイアス、位置変位、振動に限られるものではない。
【0028】
<制御方法の説明>
次に、Cセットを検出した後の回復シーケンスについて説明する。
まず、Cセットは前述したように感光ドラム1と帯電ローラ2の当接により、帯電ローラ2が感光ドラム1の形状にならい、凹むことで発生する現象である。
よって、Cセット部22の凹み量、ならびにCセット部22の凸部あるいは鋭角部の変形は当接時間に応じて大きくなる。ただし、帯電ローラ2の材料ならびに従動させるためのバネ圧に応じて変形量が変わることもわかっている。
【0029】
そのような状態でCセット部22は最初の当接位置から、画像形成プロセスや画像形成装置本体の駆動によって、当接位置が変わって当接圧がかからない位置で停止すると、図8のように徐々にCセット部22の形状が回復してくる。これは帯電ローラ2の材質がゴムであるため、弾性変形しているものが、経時変化で形状が元に戻るためである。しかしながら、この方法では回復は遅く、長期間放置しないと画像不良が良化しない。ここで図8は、Cセット部22を非当接状態で放置した場合について説明するための図であり、(a)の状態で放置した後の状態が(b)であり、(b)の状態の帯電ローラ2のみを(c)で示している。
【0030】
そのような状況から、従来では、画像形成プロセスを繰り返し、帯電ローラ2を感光ドラム1に従動回転させることで、感光ドラム1に対するCセット部22の当接と非当接を繰り返し行っていた。このようにして、Cセット部22の凸部あるいは鋭角部のゴムを軽微に変形させ、Cセット前の形状に近づけることで、早期に画像不良を回復させるようにしていた。しかしながら、この方法でも回復は若干早まるものの改善効果は薄く、且つ弊害として従動回転を複数回行わなければならないという問題も発生していた。
【0031】
そこで、本実施例では、従来よりも回復効果のある方法として、以下のような回復シーケンスを行っている。
まず、前述した帯電ローラ2の当接ニップ下流側の凸部あるいは鋭角部の検出結果から、感光ドラム1との当接で凹んだ帯電ローラ2の下流側の凸部あるいは鋭角部の変形部で
あるCセット部22(ニップ下流端部23)を帯電電流等で検出する。そして、そのCセット部22が、感光ドラム駆動停止後に感光ドラム1と帯電ローラ2の当接ニップN内で停止する、すなわち、感光ドラム1に当接(圧接)した状態で停止するように、停止位置を制御する。
図9は、本実施例の回復シーケンス実行時における、感光ドラム1と帯電ローラ2との関係を示す図である。図9において(a)は回転中の状態、(b)は停止位置制御実行後の状態、(c)は(b)の状態で所定時間、停止させた後の状態を示し、(c)の状態の帯電ローラ2のみを(d)で示している。
【0032】
本実施例では、感光ドラム1の駆動モータをステッピングモータにして、駆動回転量をモニターできるようにした。また同時に、帯電ローラ2に流れる帯電電流モニターも行っている。
したがって、両方の結果を用いることで、帯電ローラ2の下流側の凸部あるいは鋭角部の変形部(ニップ下流端部23)を検出でき、その部分を感光ドラム駆動停止後に感光ドラム1と帯電ローラ2の当接ニップN内で停止させるような停止位置制御が可能となる。例えば、帯電ローラ2の下流側の凸部あるいは鋭角部の変形部を検出した位置に対して、帯電ローラ2を所定の回転量(回転角度)だけ回転させることで、変形部が当接ニップN内で停止するように、この所定の回転量を予め設定しておく。また、帯電ローラ2の下流側の凸部あるいは鋭角部の変形部は、当接ニップN内で、感光ドラム1に圧接された状態で停止するように設定されている。また、帯電ローラ2の下流側の凸部あるいは鋭角部の変形部は、当接ニップN内のうち、最も圧接された状態となる位置である当接ニップNの略中心に対向する位置で停止するものであるとよい。
【0033】
ここで、上記の停止制御が良い理由について説明する。
帯電ローラ2の下流側の凸部あるいは鋭角部の変形部(ニップ下流端部23)は、従動回転では、当接と非当接を繰り返すため、元の形状に変形するための十分な時間を得ることができない。しかし、ステッピングモータ等で感光ドラム1の駆動を制御し、変形部を感光ドラム駆動停止後に感光ドラム1と帯電ローラ2の当接ニップN内で停止するようにすることで、凸部あるいは鋭角部を元の形状に変形するための大きな変形を与えることができる。
これは、駆動時の変形量よりも停止時の変形量の方が大きいことを利用しており、本実施例では1分程度の当接で効果が得られた。
【0034】
次に、実際の効果を図10を用いて説明する。図10(a)は、前述した図5に示すような電流ムラが出ている時の構成に対して、本実施例の回復シーケンスを行った後の電流値モニター結果である。これにより、電流ムラが改善されていることがわかる。
【0035】
また、形状としても改善されたかの検証を行った。
図10(b)は形状の改善効果を表すため、当接ニップN内の凹みの最大値を縦軸に取り、Cセット量、すなわち凹みの改善推移をモニターしたグラフである。
図中の3つのグラフはそれぞれ、変形及び画像不良に対するただの放置での改善効果、従動回転による改善効果、本実施例のCセット部の凸部あるいは鋭角部を当接ニップN内で停止した場合の改善効果を比較検証した結果である。これより、当接ニップN内で停止した場合が最も形状が回復しており、形状としてもCセットが早期に解決できていることがわかる。
【0036】
以上が本実施例の帯電ローラ2のCセット回復シーケンスであるが、Cセットが回復できるものであれば、制御方法は上記に限られるものではない。
また前述した当接時間に関しては、その時間を把握するため当接開始から画像形成プロセスに至るまでの経時情報を画像形成装置に装着されるプロセスカーリッジの記憶媒体に
記憶させ、その経時情報からCセットのレベルが把握できる。したがって、経時に連動した回復シーケンスとして、停止時間を変える制御を行っても良い。よって、この制御はカートリッジのイニシャル状態(使用初期状態)で行うことが最も望ましいが、画像形成装置の使用状況によっては、長期間放置した場合にのみ、この制御を行うように構成してもよい。すなわち、この制御は、画像形成装置の使用状況により適宜行われるように設定されるとよい。
【0037】
<フローチャートの説明>
次に、本実施例の検出及び制御方法について説明する。図1は、本実施例の検出及び制御方法を示すフローチャートである。本実施例では、本実施例の検出及び制御方法が、画像形成動作を行うシーケンスに組み込まれている場合について説明する。
【0038】
印刷ジョブが開始されると、画像形成装置本体からの駆動が、感光ドラム1と、感光ドラム1に当接している帯電ローラ2に伝わる(S1)。
そして、画像形成動作に移る前に、帯電ローラ2に帯電バイアスを印加し(S2)、Cセット部22の検出を開始する(S3)。その際、Cセット部22(ニップ下流端部23)は帯電ローラ2に流れる帯電電流をモニターして検出する。ただし、この検出方法に関しては、前述した帯電電流以外に、エンコーダーによる位置変位、ピックアップによる振動検出で回転を検出が可能である。
その後は、記憶媒体で感光ドラム1と帯電ローラ2の当接時間がわかるので、その当接時間に応じて制御を変更できる。
【0039】
そして帯電ローラ2の電流値モニターの結果から、Cセット対策が必要かどうか電流値のムラのレベルにより判断する(S4)。
電流値が所定の値以下であれば(S4でNO)、検出動作を終了させて(S7)、画像形成動作を実行し(S8)、画像形成動作終了後、帯電、感光体(感光ドラム)駆動の順に終了させてジョブ完了となる(S9,S10)。
【0040】
しかし、Cセットが悪い場合は(S4でYES)、帯電ローラ2のCセット部22(ニップ下流端部23)が、感光ドラム1との当接ニップNを構成するように感光ドラム1の駆動を制御する(S5)。そして、この状態で所定の時間停止させ(S6)、帯電ローラ2のCセット部22の形状を回復させる。
その後、検出動作を終了させて(S7)、画像形成動作を実行し(S8)、画像形成動作終了後、帯電、感光体駆動の順に終了させてジョブ完了となる(S9,S10)。
【0041】
以上説明したように、本実施例では、感光ドラム1との当接で凹んだ帯電ローラ2の変形部を帯電電流等で検知し、その変形部を感光ドラム駆動停止後に感光ドラム1と帯電ローラ2の当接ニップN内で停止するように、停止位置を制御している。これにより、感光ドラム1との当接で変形した帯電ローラ2の形状を回復させる(変形状態を緩和させる)ことができるので、帯電ローラ2の変形に起因した画像不良を簡単な構成で精度よく早期に改善することが可能となる。
【0042】
(実施例2)
図12は、実施例2を説明するための図であって、本実施例の画像形成装置の要部を示す概略図である。図13は、本実施例の検出手段について説明するための概略図である。
【0043】
図12に示すように、本実施例の画像形成装置においては、帯電ローラ2の回転位相を検出する検出手段としてのセンサ3、センサ3により検出された帯電ローラ2の1回転毎の位相の信号が入力される制御装置4が設けられている。また、制御装置4は電源装置5と接続され、電源装置5から出力される電圧の制御を行う。
【0044】
本実施例では、感光ドラム1の外径をφ30mm、帯電ローラ2は鉄芯金に導電性ゴムをロール状にしたφ15mmの導電性ゴムローラに設定した。
センサ3は、発光素子(光源)を備える投光部と、受光素子を備える受光部とを有する光学センサである。センサ3は、帯電ローラ2の芯金21に光源から光を照射し、反射光強度を受光素子で検出する。その反射光強度の信号は、A/D変換されたのち、CPUで処理され、制御装置4に入力される。センサ3は、図13(a)に示された帯電ローラ2の芯金21に設けられた被検出部としての溝部21aを検出できる位置に、帯電ローラ2とは非接触に配置され、溝部21aを検出することで、帯電ローラ2の回転位相を検出している。
【0045】
センサ3により帯電ローラ2の回転位相が検出されると、帯電ローラ2の回転位相信号がセンサ3から制御装置4に入力され、回転位相制御装置(回転位相制御回路)41・印加電圧制御装置(印加電圧制御回路)42のそれぞれで処理される。回転位相制御装置41から不図示の感光ドラム1の駆動モータに制御信号が出力され、印加電圧制御装置42から帯電ローラ2に電圧を印加する電源装置5に制御信号が出力される。
【0046】
次に、回転位相制御装置41について具体的に説明する。
センサ3を用いて帯電ローラ2の溝部21aの信号を検出することにより、ローラ1周分の位相が分かる。また、センサ3は、帯電ローラ2と感光ドラム1とが当接する当接ニップ中心(当接基準位置)に対して予め設定された角度だけ帯電ローラ2の回転方向上流に溝部21aが位置する場合に、溝部21aを検出するように配設されている。本実施例では、予め設定された角度として、帯電ローラ2において4分の1周としている(図13参照)。
そして、本実施例の回転位相制御装置41は、図13(b)に示すように、溝部21aがセンサ3により検出された後、4分の1周だけ回転した位置で帯電ローラ2が回転を停止するように、感光ドラム1の駆動モータ(不図示)に制御信号を出力する。
【0047】
次に、印加電圧制御装置42の具体的説明をする。
まず、回転位相制御装置41の制御により、帯電ローラ2の停止位置が毎回同じ位置となる。そのため、長期的に画像形成を行わない場合に、帯電ローラ2表面(外周面)における感光ドラム当接部は凹状の形状変化をきたす場合がある。このような場合には、感光ドラム1と帯電ローラ2が形成するニップ幅がその変形部(凹状部)22において低下し、充分な帯電電位を載せることができなくなることが懸念される。
【0048】
そのため、本実施例では、センサ3による溝部21aの検出後に、4分の1周だけ回転して変形部22が感光ドラム1と接触するタイミングに合わせて、印加電圧制御装置42により帯電ローラ2への印加電圧を増幅させる(補正する)制御を行っている。これにより、帯電電位不良を抑制することができる。
【0049】
次に、当接時間によって印加電圧を制御する手段を説明する。
変形部22は当接時間に応じて凹み量が変化するため、感光ドラム1と帯電ローラ2とのニップ幅も凹み量に応じて変化する。
図14に感光ドラム1と帯電ローラ2の当接時間と帯電不良の電位量との関係を表すグラフを示す。本実施例では、図14に示す時間Tが(1)〜(3)の範囲では、印加電圧制御装置42により、それぞれ次のような制御が行われるように設定するものである。
(1)の範囲の当接時間では凹み量が軽微であり、画像に影響する帯電不良は出ない。このため、(1)の範囲では、印加電圧制御装置42による制御は行わない。(2)の範囲では画像に影響する凹み量となるため、40Vの補完電位を印加電圧制御装置42により帯電ローラ2に印加させる。(3)の範囲では画像に影響する凹み量となるため、50
Vの補完電位を印加電圧制御装置42により帯電ローラ2に印加させる。
【0050】
図15(a)に回転時間に対する帯電ローラ2に印加する電圧を、図15(b)に回転時間に対する感光ドラム表面の帯電電位量を示す。
図15(b)に示すように、印加電圧制御を行わない場合の感光ドラム表面の帯電電位量が点線のようになるのに対し、印加電圧制御を行った場合の感光ドラム表面の帯電電位量が実線のようになる。つまり、印加電圧制御を行った場合、変形部22への印加電圧の増幅により、感光ドラム表面の帯電電位量が安定していることが分かる。
【0051】
以上のように、帯電ローラ2の変形部22と、変形部22以外の各々に合わせた帯電時の印加電圧を選択することで、感光ドラム1表面の帯電電位を補正し、帯電ムラを低減することができ、安定した画像を提供することができる。
【0052】
画像形成装置を用いて画出し評価を行った結果、帯電ローラ2の凹みに由来する画像不良が、本実施例の制御を行わなかった場合は10機中4機も出ていたのに対して、本実施例の制御を行った場合は10機中0機となった。このように、本実施例の制御を行うことで、大幅に安定的な画質を得ることが可能となる。
【0053】
また、本実施例では、帯電時における帯電ローラ2の印加電圧を制御することで帯電ムラを抑制するものであるが、現像時における現像ローラ7の印加電圧を制御することでも同様の効果が得られる。図16は、現像ローラ7の印加電圧を制御する構成について示す概略図である。
図16に示すように、制御装置4と接続された電源装置5が現像ローラ7と接続されている。回転位相制御装置41にて帯電ローラ2の変形部22を光学検出することで、帯電ローラ2の変形部22によって発生した感光ドラム1の表面電位の低い部分が現像ローラ7と当接するタイミングを算出する。その後、印加電圧制御装置42により現像バイアスを下げ、現像トナー量を減らして、帯電ムラによる画像不良を低減することができる。
【0054】
以上説明したように、本実施例では、帯電ローラ2の停止位置が特定の位置となるように制御し、感光ドラム1と圧接した帯電ローラ2の変形部の位置を特定して(変形部の位置を特定領域にとどめ)、常に一定のローラ周期でプロセス条件を変化させている。これにより、簡単な構成で精度良く、感光ドラム1の帯電電位ムラの発生を軽減あるいは防止して出力画像の濃度ムラを軽減あるいは防止することが可能となる。
【0055】
(実施例3)
以下に、実施例3について説明する。
実施例2では、帯電バイアスや現像バイアスの制御により帯電電位ムラを抑制する画像形成装置に関して説明したが、本実施例では、露光時における露光装置6の露光量を制御することで、帯電電位ムラを抑制するものである。
【0056】
図17,18は、本実施例において、露光装置6からの露光量を制御することで帯電不良による帯電ムラを抑制する方法を説明するための図である。図18には、回転時間に対する感光ドラム表面の帯電電位量を示している。
本実施例では、帯電ローラ2の変形部22によって発生した感光ドラム1の表面電位の低い部分が露光されるタイミングを回転位相制御装置41にて算出する。
感光ドラム1の表面において、変形部22による帯電部は正常帯電部に比べて表面電位が低い。このことから、正常帯電部に対してレーザ強度を減らす、点灯時間を減らす、露光ピクセル数を減らすなどの露光量の制御(補正)を行って、図18に示すように露光後Sから電位を平滑化することができる。
ここで、実施例2,3においては、帯電バイアス、現像バイアス、又は露光量の制御に
より帯電電位ムラを抑制することについて説明したが、帯電バイアス、現像バイアス、及び露光量のうち少なくともいずれかを制御するものであればよい。
【0057】
(実施例4)
以下に、実施例4について説明する。
本実施例では、実施例2,3において説明した制御方法により、規制部材としての現像剤層厚規制部材11との当接により形成される現像ローラ7の変形部(凹状部)22に起因する現像トナー量の低下によって起きる画像不良を抑制するものである。ここで、現像ローラ7は弾性ローラに相当し、現像剤層厚規制部材11は構成部材に相当する。また、本実施例では、現像ローラ7の変形部においても、上述した実施例の変形部と同様の符号を付すものとする。
【0058】
図19は、本実施例において、センサ3が現像ローラ7の回転位相を検出するように配設され、制御装置4と接続された電源装置5が帯電ローラ2に電圧を印加するように配設された場合について説明するための図である。
現像ローラ7は、帯電ローラ2同様、鉄芯金に導電性ゴムをロール状にしたφ15mmの導電性ゴムローラで構成した。
図19の構成では、制御装置4は、センサ3により現像ローラ7の1回転毎の回転位相の信号が入力されることで、現像ローラ7を毎回特定の回転位相で停止するように制御する。このことで、変形部22が現像ローラ7表面(外周面)の特定の位置に形成されるようになる。この変形部22が感光ドラム1と当接するタイミングに合うように、印加する帯電バイアスを制御することで、現像ローラ7の変形部22における現像トナー量のムラを抑制することができる。
【0059】
図20は、本実施例において、センサ3が現像ローラ7の回転位相を検出するように配設され、制御装置4と接続された電源装置5が現像ローラ7に電圧を印加するように配設された場合について説明するための図である。
この構成においても、現像ローラ7は毎回特定の回転位相で停止するように制御され、変形部22が現像ローラ7の特定の位置に形成されるようにする。そして、現像ローラ7の変形部22が感光ドラム1と当接するタイミングで、印加する現像バイアスを制御することで、現像ローラ7の変形部22における現像トナー量のムラを抑制することができる。
【0060】
図21は、本実施例において、センサ3が現像ローラ7の回転位相を検出するように配設され、制御装置4と接続された電源装置5が露光装置6に電圧を印加するように配設された場合について説明するための図である。
この構成においても、現像ローラ7は毎回特定の回転位相で停止するように制御され、変形部22が現像ローラ7の特定の位置に形成されるようにする。そして、現像ローラ7の変形部22が感光ドラム1と当接するタイミングに合うように露光量を制御することで、現像ローラ7の変形部22における現像トナー量のムラを抑制することができる。
ここで、本実施例においては、帯電バイアス、現像バイアス、又は露光量の制御により現像トナー量のムラを抑制することについて説明したが、帯電バイアス、現像バイアス、及び露光量のうち少なくともいずれかを制御するものであればよい。
【符号の説明】
【0061】
1…感光ドラム、2…帯電ローラ、4…制御装置、22…変形部(Cセット部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置を構成する構成部材に外周面が当接するように配設され、画像形成時に回転可能な弾性ローラを有し、
前記弾性ローラの停止時に、前記構成部材の当接によって前記弾性ローラの外周面に変形が生じ得る画像形成装置において、
前記弾性ローラの外周面の変形部を検出するための検出手段と、
回転している前記弾性ローラを停止させる場合、前記検出手段による検出結果を用いて、前記弾性ローラの外周面の変形部が前記構成部材に当接した状態で前記弾性ローラを停止させる停止制御を実行可能な制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記弾性ローラに電圧が印加され、前記弾性ローラが回転している状態で、前記弾性ローラの電流値を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記弾性ローラが回転している状態で、前記構成部材に対する前記弾性ローラの位置の変化を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記弾性ローラが回転している状態で、前記弾性ローラの振動を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記構成部材は、前記弾性ローラとの間にニップ部を形成するように前記弾性ローラに圧接して配置された回転体であり、
前記弾性ローラの外周面の変形部は、前記ニップ部で前記構成部材の外周面に圧接されて凹状に変形しており、
前記検出手段は、前記弾性ローラの外周面の変形部のうち前記弾性ローラの回転方向における下流端部を検出するものであり、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記下流端部が、前記構成部材に圧接された状態で、前記弾性ローラを停止させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検出手段は、
前記弾性ローラに設けられた被検出部を検出することで前記弾性ローラの外周面の変形部を検出するものであり、
前記弾性ローラと前記構成部材とが当接する当接基準位置に対して予め設定された角度だけ前記弾性ローラの回転方向上流に前記被検出部が位置する場合に、前記被検出部を検出するように配設され、
前記制御手段は、前記検出手段が前記被検出部を検出してから、前記弾性ローラが前記予め設定された角度だけ回転したときに前記弾性ローラの回転を停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
像担持体と、
帯電バイアスが印加されることにより、前記像担持体の表面を帯電する帯電ローラと、
前記帯電ローラにより帯電された前記像担持体の表面を露光する露光手段と、
現像バイアスが印加されることにより、前記露光手段により露光されることで形成された前記像担持体の表面の静電潜像を現像剤で現像する現像ローラと、
を有し、
前記現像ローラにより現像されることで得られた前記像担持体の表面の現像剤像が記録
材に転写されることで該記録材に画像形成が行われ、
前記弾性ローラは前記帯電ローラであり、前記構成部材は前記像担持体であり、
前記制御手段はさらに、
画像形成が行われる場合に、
前記検出手段により前記被検出部が検出されてから前記帯電ローラが前記予め設定された角度だけ回転したときに行われる帯電時の帯電バイアス、
前記検出手段により前記被検出部が検出されてから前記帯電ローラが前記予め設定された角度だけ回転したときに前記帯電ローラに当接している前記像担持体の領域に対して行われることとなる露光時の露光量、及び、
前記検出手段により前記被検出部が検出されてから前記帯電ローラが前記予め設定された角度だけ回転したときに前記帯電ローラに当接している前記像担持体の領域に対して行われることとなる現像時の現像バイアス
のうち少なくともいずれかを補正することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
像担持体と、
帯電バイアスが印加されることにより、前記像担持体の表面を帯電する帯電ローラと、
前記帯電ローラにより帯電された前記像担持体の表面を露光する露光手段と、
現像剤を担持する現像ローラであって、現像バイアスが印加されることにより、前記露光手段により露光されることで形成された前記像担持体の表面の静電潜像を現像剤で現像する現像ローラと、
を有し、
前記現像ローラにより現像されることで得られた前記像担持体の表面の現像剤像が記録材に転写されることで該記録材に画像形成が行われ、
前記弾性ローラは前記現像ローラであり、前記構成部材は前記現像ローラに担持された現像剤の層厚を規制する規制部材であり、
前記制御手段はさらに、
画像形成が行われる場合に、
前記検出手段により前記被検出部が検出されてから前記現像ローラが前記予め設定された角度だけ回転したときに前記現像ローラに当接することとなる前記像担持体の領域が、前記帯電ローラに当接しているときに行われる帯電時の帯電バイアス、
前記検出手段により前記被検出部が検出されてから前記現像ローラが前記予め設定された角度だけ回転したときに前記現像ローラに当接することとなる前記像担持体の領域に対して行われる露光時の露光量、及び、
前記検出手段により前記被検出部が検出されてから前記現像ローラが前記予め設定された角度だけ回転したときに前記現像ローラに当接している前記像担持体の領域に対して行われる現像時の現像バイアス
のうち少なくともいずれかを補正することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−41215(P2013−41215A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179807(P2011−179807)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】