説明

画像形成装置

【課題】 中間転写ベルトの1次転写面を傾斜させて、2次転写面を略垂直にした画像形
成装置では、中間転写ベルトを安定して回転させることが困難である。
【解決手段】 1次転写面と2次転写面間に中間転写ベルトを駆動するローラを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像を担持して回転するベルトを有する画像形成装置に関し、特に、ベルトを安定して回転させることができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の画像形成装置としては、例えば図3に示されるものがある。近年、電子写真方式の複数色、または、フルカラーの画像形成装置として、各色ごとに応じて感光体ドラムを一列に複数配列したものがある。各感光ドラム上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルトに順次重ね合わせてカラー画像を形成する、いわゆるインライン型の画像形成装置が実用化されている。
【0003】
図3は、従来の電子写真方式でインライン型の中間転写ベルト(中間転写手段)を有するフルカラー画像形成装置(フルカラープリンタ)の一例を示す概略構成図である。この画像形成装置は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンダ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Bkの4つの画像形成部(画像形成ステーション、トナー像形成手段)を備えている。これら4つの画像形成部1Y、1M、1C、1Bkは一定の間隔をおいて一列に配設される。各画像形成部1Y,1M,1C,1Bkには、それぞれ像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)2a,2b,2c,2dが設置されている。各感光ドラム2a,2b,2c,2dの周囲には、1次帯電器3a,3b,3c,3d、現像装置4a,4b,4c,4d、転写手段としての転写ローラ5a,5b,5c,5dが配置される。更に、ドラムクリーナ装置6a、6b、6c、6dがそれぞれ配置されている。そして、1次帯電器3a,3b,3c,3dと現像装置4a,4b,4c,4dとの間の下方には、レーザー露光装置7が設置されている。各現像装置4a,4b,4c,4dには、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーが収納されている。各感光ドラム2a,2b,2c,2dは、負帯電のOPC感光体でアルミニウム製のドラム基体上に光導電層を有しており、駆動装置(不図示)によって矢印方向(図3における時計回り方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。1次帯電手段としての1次帯電器3a,3b,3c,3dは、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって各感光ドラム2a,2b,2c,2dの表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。現像装置4a,4b,4c,4dは、トナーを内蔵し、それぞれ各感光ドラム2a,2b,2c,2d上に形成される各静電潜像に各色のトナーを付着させてトナー像として現像(可視像化)する。1次転写手段としての転写ローラ5a,5b,5c,5dは、各1次転写部32a〜32dにて中間転写ベルト8を介して各感光ドラム2a,2b,2c,2dに当接可能に配置されている。ドラムクリーナ装置6a、6b、6c、6dは、感光ドラム2上で1次転写時の残留した転写残トナーを、該感光ドラム2から除去するためのクリーニングブレード等を有している。中間転写ベルト8は、2次転写対向ローラ10、支持ローラ9、テンションローラ11間に張架されており、2次転写対向ローラ10への駆動入力によって矢印A方向(図3における反時計回り方向)に回転される。
【0004】
このとき、中間転写ベルト8の1次転写部32a〜32dと対向する面は、駆動力の入力される2次転写対向ローラ10に引っ張られるため、安定して1次転写ができる。この中間転写ベルト8は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のような誘電体樹脂によって構成されている。2次転写対向ローラ10は、2次転写部34にて中間転写ベルト8を介して2次転写ローラ12と当接可能に配置されている。また、無端状の中間転写ベルト8の外側で、テンションローラ11の近傍には、該中間転写ベルト8の表面に残った転写残トナーを除去して回収するベルトクリーニング装置13が設置されている。また、2次転写部34よりも転写材Pの搬送方向の下流側でかつ上方には、定着ローラ16aと加圧ローラ16bを有する定着装置16が設置され略垂直の搬送路を形成している。露光装置7は、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザー発光手段、ポリゴンレンズ、反射ミラー等で構成される。各感光ドラム2a、2b、2c、2dに露光をすることによって、各1次帯電器3a,3b,3c,3dで帯電された各感光ドラム2a,2b,2c,2dの表面に画像情報に応じた各色の静電潜像を形成する。
【0005】
次に、上記した画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0006】
画像形成開始信号が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される各画像形成部1Y,1M,1C,1Bkの各感光ドラム2a,2b,2c,2dは、それぞれ1次帯電器3a,3b,3c,3dによって一様に負極性に帯電される。
【0007】
そして、露光装置7は、外部から入力されるカラー色分解された画像信号をレーザー発光素子から照射し、ポリゴンレンズ、反射ミラー等を経由し各感光ドラム2a,2b,2c,2d上に各色の静電潜像を形成する。
【0008】
続いて、まず感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、感光ドラム2aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aにより、イエローのトナーを付着させてトナー像として可視像化する。このイエローのトナー像は、感光ドラム2aと転写ローラ5aとの間の1次転写部32aにて、1次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ5aにより、駆動されている中間転写ベルト8上に1次転写される。イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト8は、画像形成部1M側に移動される。
【0009】
そして、画像形成部1Mにおいても、前記と同様にして、感光ドラム2bに形成されたマゼンタのトナー像が、中間転写ベルト8上のイエローのトナー像上に重ね合わせて、1次転写部32bにて転写される。
【0010】
この時、各感光体ドラム2上に残留した転写残トナーは、ドラムクリーナ装置6a、6b、6c、6dに設けられたクリーナブレード等により掻き落とされ、回収される。
【0011】
以下、同様にして、中間転写ベルト8上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に画像形成部1C,1Bkの感光ドラム2c,2dで形成されたシアン、ブラックのトナー像を各1次転写部32a〜32dにて順次重ね合わせる。この様にして、フルカラーのトナー像を中間転写ベルト8上に形成する。
【0012】
そして、中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像先端が、2次転写対向ローラ10と2次転写ローラ12間の2次転写部34に移動されるタイミングに合わせて、転写材Pが2次転写部34に搬送される。ここで、転写材Pは、給紙カセット17又は手差しトレイ20から選択されて搬送パス18を通して、レジストローラ19により2次転写部34に搬送される。
【0013】
2次転写部34に搬送された転写材Pに、2次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された2次転写ローラ12により、フルカラーのトナー像が一括して2次転写される。
【0014】
フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは、定着装置16に搬送されて、定着ローラ16aと加圧ローラ16bとの間の定着ニップ部でフルカラーのトナー像が加熱、加圧されて転写材Pの表面に熱定着される。そして、排紙ローラ21によって本体上面の排紙トレイ22上に排出されて、一連の画像形成動作を終了する。なお、中間転写ベルト8上に残った2次転写残トナー等は、ベルトクリーニング装置13によって除去されて回収される。
【0015】
図4は、図3の2次転写部34付近を拡大した概略構成図である。前述したように、レジストローラ19から搬送された転写材(用紙)Pは、図示2点鎖線で示す経路で2次転写部34に侵入する。この時、2次転写の直前部では、トナー像の載った転写ベルト8と、転写材Pでは図示αの角度で離れており、これが、2次転写部34で急激に接近するため、放電現象による画像不良が発生することが知られている。これを回避するため、近年では、図5に示すように、2次転写部34のベルト上流側に従動支持ローラ9を追加し、2次転写対向ローラ10と支持ローラ9により2次転写平面を形成し、転写材Pを、この2次転写平面に沿うように搬送させる対策が採られている。
【0016】
転写材の進入方向と、トナー像の載った中間転写ベルトの進行方向を、2次転写部34の手前で略合わせておく事で、前述したような、2次転写部34直前での放電現象を抑えることが可能となり、画像不良を防止できる。この時、中間転写ベルト8は、2次転写対向ローラ10、支持ローラ9、テンションローラ11間に張架されており、2次転写対向ローラ10への駆動入力によって矢印A方向(図5における反時計回り方向)に回転される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2004−29057
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0019】
昨今の画像品位向上の要求により、中間転写ベルト8の回転安定が求められている。この結果、2次転写対向ローラ10から中間転写ベルト8への摩擦伝達力を増すために、中間転写ベルト8の2次転写対向ローラ10への巻きつき角度を大きくする要求が更に高まっている。
【0020】
ところが、図5に示すように、2次転写部34のベルト上流側に従動支持ローラ9を追加すると、2次転写対向ローラ10への巻きつき角度は小さくなってしまう。
【0021】
この問題に対しては、(i)2次転写平面8Cの装置本体に対する角度を垂直方から傾ける、(ii)2次転写対向ローラ10の直径を大きくすることが対策として考えられるが、何れの方法を採用した場合でも新たに別の問題が生ずる。
「(i)2次転写平面8Cの装置本体に対する角度を垂直方から傾ける」方法を採用すると、レジストローラ19⇒2次転写部34⇒定着装置16⇒排紙ローラ21の転写材搬送パスは、大きく屈曲した構成となることになる。この場合、搬送される転写材Pは、2次転写部34を図示(図5)右方向に排出された後、定着装置16によって図示左方向に曲げられて、排紙ローラ21へ搬送される。2次転写部34直後の転写材Pの姿勢は、転写材P上の未定着トナー像に影響を与えるため、安定した姿勢である必要がある。昨今、画像形成装置に用いられる転写材種類は、幅広く要求され、坪量60g/m2に満たないものから300g/m2まで、多種多様な転写材へ画像形成することが多くなってきた。薄紙から厚紙まで様々な転写材に対応するためには、この屈曲部が大きすぎると、安定的に、2次転写部34直後の転写材の姿勢を維持できない。
【0022】
また、「(ii)2次転写対向ローラ10の直径を大きくする」方法を採用すると、転写材Pが2次転写対向ローラ10に巻き着いてしまう。即ち、前述したように、2次転写部34では、2次転写バイアスを印加することによって、中間転写ベルト8上のトナー像を転写材Pに移動(転写)させている。
【0023】
この時に生ずる静電気力は、転写材Pを中間転写ベルト8側へ吸着させる力となる。2次転写ローラ10の直径が大きい場合、転写材Pの剛性による分離が難しく、転写材Pは2次転写対向ローラ10へ巻き付いてしまう。
【0024】
この問題に対する対策として、2次転写対向ローラ10の外径を小さくし、曲率を大きく採る手法がある。しかしながら、2次転写対向ローラ10の外径を小さくすると、転写ベルト8への駆動伝達面積を大きくとれないため、2次転写対向ローラ10から転写ベルト8への摩擦伝達力向上要求と相反する事になる。
【0025】
以上述べたことをまとめると、以下の様になる。
【0026】
つまり、装置本体の小型化達成のために1次転写面8bを傾け、記録材の搬送及び転写性のために2次転写部の上流側にローラを設けて略垂直な2次転写面を設けると、2次転写対向ローラ10の転写ベルト8の摩擦伝達力が不十分になり回転が不安定になる。
【0027】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、1次転写面を傾け、更に、2次転写部の上流側にローラを設けて2次転写面を形成する画像形成装置において、中間転写ベルトを安定して回転させることである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、第1ローラと、前記第1ローラとは水平方向で離れた位置に設けられた第2ローラと、前記第2ローラの上方に設けられた第3ローラに支持されて回転し、前記第2ローラと前記第3ローラの間の面は略垂直であるベルトと、
第1ローラと第2ローラの間で、前記ベルトにトナー像を形成するトナー像形成手段と、第2ローラと第3ローラの間の前記ベルトに沿って記録材を搬送する搬送路と、前記第3との間に電界を形成し、前記搬送路に搬送される前記記録材へ、前記ベルトから前記トナー像を転写する転写手段と、を有する画像形成装置において、前記第2ローラで前記ベルトを回転し、前記ベルトの前記第2ローラの巻きつけ角度が大きくなるように、前記第1ローラと前記第2ローラの間の前記ベルトの面を傾けるように構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、第2ローラでベルトを駆動し、ベルトの第2ローラへの巻き付き角が大きくなるように、第1ローラと第2ローラの間の面を傾けるため、ベルトを安定して回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の正面概略構成図。
【図2】本発明の実施の形態に係る2次転写部まわりの拡大概略構成図。
【図3】従来の技術に係る画像形成装置の正面概略構成図。
【図4】従来の技術に係る2次転写部まわりの拡大概略構成図。
【図5】従来の技術に係る画像形成装置の正面概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0032】
図1は、従来の電子写真方式でインライン型の中間転写ベルト(像担持ベルト)を有するフルカラー画像形成装置(フルカラープリンタ)の一例を示す概略構成図である。
【0033】
この画像形成装置は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンダ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Bkの4つの画像形成部(トナー像形手段)を備えている。そして、これら4つの画像形成部1Y、1M、1C、1Bkは一定の間隔をおいて一列に配設される。
【0034】
各画像形成部1Y,1M,1C,1Bkには、それぞれ像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)2a,2b,2c,2dが設置されている。各感光ドラム2a,2b,2c,2dの周囲には、1次帯電器3a,3b,3c,3d、現像装置4a,4b,4c,4d、転写手段としての転写ローラ5a,5b,5c,5d、ドラムクリーナ装置6a、6b、6c、6dがそれぞれ配置されている。そして、1次帯電器3a,3b,3c,3dと現像装置4a,4b,4c,4dとの間の下方には、レーザー露光装置7が設置されている。
【0035】
各現像装置4a,4b,4c,4dには、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーが収納されている。
【0036】
各感光ドラム2a,2b,2c,2dは、負帯電のOPC感光体でアルミニウム製のドラム基体上に光導電層を有しており、駆動装置(不図示)によって矢印方向(図1における時計回り方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0037】
1次帯電手段としての1次帯電器3a,3b,3c,3dは、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって各感光ドラム2a,2b,2c,2dの表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
【0038】
現像装置4a,4b,4c,4dは、トナーを内蔵し、それぞれ各感光ドラム2a,2b,2c,2d上に形成される各静電潜像に各色のトナーを付着させてトナー像として現像(可視像化)する。
【0039】
1次転写手段としての転写ローラ5a,5b,5c,5dは、各1次転写部32a〜32dにて中間転写ベルト8を介して各感光ドラム2a,2b,2c,2dに当接可能に配置されている。ドラムクリーナ装置6a、6b、6c、6dは、感光ドラム2上で1次転写時の残留した転写残トナーを、該感光ドラム2から除去するためのクリーニングブレード等を有している。
【0040】
中間転写ベルト8は、2次転写対向ローラ(第3ローラ)10、駆動ローラ(第2ローラ)59、テンションローラ11間に張架(支持)されており、駆動ローラ59への駆動入力によって矢印A方向(図3における反時計回り方向)に回転される。この中間転写ベルト8は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のような誘電体樹脂によって構成されている。2次転写対向ローラ(第3ローラ)10は、2次転写部34にて中間転写ベルト8を介して2次転写ローラ(転写手段)12と当接可能に配置されている。また、無端状の中間転写ベルト8の外側で、テンションローラ(第1ローラ)11の近傍には、該中間転写ベルト8の表面に残った転写残トナーを除去して回収するベルトクリーニング装置13が設置されている。なお、駆動ローラ59は、テンションローラ11とは水平方向で離れた位置に設けられる。
【0041】
また、2次転写部34よりも転写材Pの搬送方向の下流側でかつ上方には、定着ローラ16aと加圧ローラ16bを有する定着装置16が設置され略垂直の搬送路を形成している。
【0042】
露光装置7は、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザー発光手段、ポリゴンレンズ、反射ミラー等で構成される。
【0043】
各感光ドラム2a、2b、2c、2dを露光をすることによって、各1次帯電器3a,3b,3c,3dで帯電された各感光ドラム2a,2b,2c,2dの表面に画像情報に応じた各色の静電潜像を形成する。
【0044】
次に、上記した画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0045】
画像形成開始信号が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される各画像形成部1Y,1M,1C,1Bkの各感光ドラム2a,2b,2c,2dは、それぞれ1次帯電器3a,3b,3c,3dによって一様に負極性に帯電される。
【0046】
そして、露光装置7は、外部から入力されるカラー色分解された画像信号をレーザー発光素子から照射し、ポリゴンレンズ、反射ミラー等を経由し各感光ドラム2a,2b,2c,2d上に各色の静電潜像を形成する。
【0047】
続いて、まず感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、感光ドラム2aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aにより、イエローのトナーを付着させてトナー像として可視像化する。このイエローのトナー像は、感光ドラム2aと転写ローラ5aとの間の1次転写部32aにて、1次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ5aにより、駆動されている中間転写ベルト8上に1次転写される。イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト8は、画像形成部1M側に移動される。そして、画像形成部1Mにおいても、前記と同様にして、感光ドラム2bに形成されたマゼンタのトナー像が、中間転写ベルト8上のイエローのトナー像上に重ね合わせて、1次転写部32bにて転写される。この時、各感光体ドラム2上に残留した転写残トナーは、ドラムクリーナ装置6a、6b、6c、6dに設けられたクリーナブレード等により掻き落とされ、回収される。
【0048】
以下、同様にして、中間転写ベルト8上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に画像形成部1C,1Bkの感光ドラム2c,2dで形成されたシアン、ブラックのトナー像を各1次転写部32a〜32dにて順次重ね合わせる。この様にして、フルカラーのトナー像を中間転写ベルト8上に形成する。
【0049】
そして、中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像先端が、2次転写対向ローラ10と2次転写ローラ12間の2次転写部34に移動されるタイミングに合わせて、転写材Pがレジストローラ19により2次転写部34に搬送される。転写材(記録材)Pは、給紙カセット17又は手差しトレイ20から選択されて搬送パス(搬送路)18を通して給紙される。
【0050】
2次転写部34に搬送された転写材Pに、2次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が電源(電圧印加手段)121から印加された2次転写ローラ12により、フルカラーのトナー像が一括して2次転写される。2次転写時、2次転写対向ローラ10と2次転写ローラ12間には電界が形成され、この電界から受ける静電力でトナーは転写される。
【0051】
駆動ローラ59と2次転写対向ローラ10により形成された、2次転写面8cに沿うように、レジストローラ(搬送手段)19から2次転写部34へ転写材は搬送される。したがって、2次転写部34の直前の放電現象による画像不良を抑制することが可能である。
また、2次転写面8cは、駆動ローラ59の直下流(転写ベルト8の弛み側)である。しかし、2次転写ローラ12には駆動が入力されており、転写ベルト8に対し、独立して回転しているため、2次転写面(第2領域の外面)8cは動的に安定した面を形成することが可能である。
【0052】
フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは、定着装置16に搬送されて、定着ローラ16aと加圧ローラ16bとの間の定着ニップ部でフルカラーのトナー像が加熱、加圧されて転写材Pの表面に熱定着される。そして、排紙ローラ21によって本体上面の排紙トレイ22上に排出されて、一連の画像形成動作を終了する。なお、中間転写ベルト8上に残った2次転写残トナー等は、ベルトクリーニング装置13によって除去されて回収される。
【0053】
また、本実施例では、1次転写面(第1領域の外面)8bを2次転写ローラ12側を下方にして傾斜配置した構成を採ることで、図示装置の高さ方向、及び、幅方向への小型化が可能としている。つまり、画像形成部1Bkの1次転写部32dは、画像形成部1Yの1次転写部32aの下方に設けられる。具体的に説明すると、1次転写面8bを傾けることで、感光ドラム2dから給紙手段17までの距離を短くする事が可能である。また、転写ベルト8の駆動ローラ59の巻きつき角度β(図2参照)が大きくなり、転写ベルト8の回転が安定する。
【0054】
よって、2次転写部34も相対的に下方に移動するため、給紙手段17から2次転写部34、定着手段16を経て排紙ローラ21までの、転写材搬送距離全体を短くなり、装置本体の高さ方向を小さくする事が可能となる。また、装置幅方向を制約する、中間転写ベルト8を張架するテンションローラ11の位置も、1次転写面8bを傾けることで、相対的に図示右方向へ移動しているため、装置幅の短縮が可能となっている。ここで、1次転写面8bは傾けすぎると、テンションローラ11が高さを決めることになり、かえって装置高さが大きくなってしまうため、10〜25度の範囲が有効である。
【0055】
次に、転写材先端の2次転写部34での搬送に関して説明する。2次転写部34では、2次転写バイアスを印加することによって、転写ベルト8上のトナー像を転写材Pに移動(転写)させている。しかし、この静電気力が、逆に転写材Pを転写ベルト8側へ吸着させる力となり、2次転写対向ローラ10へ巻き付くような挙動をとることがある。図2に本実施例の2次転写部34付近の拡大概略図を示す。前述したように、中間転写ベルト8の駆動ローラ59の巻きつき角度βを大きくするために、1次転写面8bは角度θで配置されていて、角度θは10〜25度に設定できる。駆動ローラ59の中間転写ベルト8への巻き付き角度βは、摩擦伝達力から90度以上、好ましくは、120度以上が良い。
つまり、1次転写面8bと2次転写面8cの成す角度tは、90度以下、好ましくは、60度以下が良い。本実施例では、1次転写面8bの傾き角度θを15度、巻き付き角度βを100度として、2次転写面8cの角度γは5度とした。この様にして、装置本体に対し略垂直の2次転写面8cを形成することが可能となる。なお、「2次転写面が略垂直」とは、転写材pを安定して搬送できる範囲を示すものであり、具体的には、垂直方向に対して角度γで±10度の範囲を示すものとする。
【0056】
2次転写部34直後の転写材姿勢は、転写材上の未定着トナー像に影響を与えるため、安定した姿勢である必要がある。本実施例であれば、2次転写面8cが略鉛直方向であるため、図1における、レジストローラ19⇒2次転写部34⇒定着装置16の転写材搬送パスを、ほぼ直線的に形成できる。したがって、2次転写部34直後の転写材姿勢を、様々厚さの転写材でも安定させることが容易になり、高画質化に貢献する。また、剛性の高い厚い転写材の後端が2次転写部34を抜けたときも、搬送経路がほぼ直線的であるため、転写材の後端部に大きな力も働かず、画像乱れの発生も抑制できる。
【0057】
また、画像形成部(画像形成ステーション)1Y、1M、1C、1Bkの配置間隔は駆動ローラ59の直径に中間転写ベルト8の厚さを加えた値にπを乗じた長さの整数倍に設定している。
【0058】
理由を説明すると、まず、中間転写ベルト8の回転速度変動(1次転写面8bの移動速度変動)は、中間転写ベルト8上に各色トナー像を1次転写部32a〜dで重ね合わせる際の各色像のズレ(いわゆる“色ズレ”)を生じさせる。駆動ローラ59の外径振れによる、駆動ローラ59の一回転周期の回転ムラが、中間転写ベルト8の回転速度変動として発生しするとする。この場合でも、1次転写部32a〜dで重ね合わせる際の各色像のズレ(色ズレ)をキャンセルするためには、駆動ローラ59が一回転する間に中間転写ベルト8が移動する距離と1次転写部32a〜dの各間隔をそろえれば解決することが可能である。本実施例では、画像形成部(画像形成ステーション)1Y、1M、1C、1Bkの配置間隔と、駆動ローラ59の直径に中間転写ベルト8の厚さを加えた値にπを乗じた長さの整数倍に設定している。
【0059】
よって、駆動ローラ59の外径振れによる一回転周期の回転ムラにより、中間転写ベルト8が速度変動していても、1次転写部32a〜dで重ね合わせる際の各色像のズレ(色ズレ)は大きくない。このため、高生産性、高画質化の要求で、画像形成部(画像形成ステーション)1Y、1M、1C、1Bkの占有容積が大きくなり、これらの配置間隔が大きくなったとしても、駆動ローラ59の外径を大きくする事で対応可能であり、設定自由度が高い。
【0060】
なお、画像形成部の配置間隔とは、感光ドラム2と中間転写ベルト8の接触する領域の中心位置(中間転写ベルト8の移動方向)の間隔を示すものとする。
【0061】
ここで、2次転写対向ローラ10、及び、駆動ローラ59の外径、画像形成部(画像形成ステーション)1Y、1M、1C、1Bkの配置間隔に関して具体的にまとめる。2次転写対向ローラ10の外径(直径)をA、駆動ローラ59の外径(直径)をB、画像形成部(画像形成ステーション)1Y、1M、1C、1Bkの配置間隔をLとする。
【0062】
φA(2次転写対向ローラ10外径)の下限値は、転写性確保のための2次転写ローラ12とで形成されるニップ幅、及び、2次転写時の飛び散りを低減するための最大曲率より決定される。また、上限値は、前述した2次転写対向ローラへの巻き込みを防止する最小曲率より決定される。
【0063】
これらを考慮すると、φ23mm>A>φ18mmであることが、本発明者の実験で明らかになった。一方、B(駆動ローラ59外径)は、前述した伝達摩擦力の要求、画像ステーション間ピッチ、慣性力から決定される負荷トルク等から決定され、φ34mm>B>φ23mmである。
【0064】
また、両者は、B>Aの関係にある。
本実施例では、特に、A=19.5mm、B=30.493mmとした。
また、中間転写ベルト8の厚さは、65μm(0.065mm)である。
従って、L=(30.493+0.065)×π=96.0mmとした。
【符号の説明】
【0065】
1Y、1M、1C、1Bk 画像形成部
2a、2b、2c、2d 感光ドラム(像担持体)
3a、3b、3c、3d 1次帯電器(帯電手段)
4a、4b、4c、4d 現像装置(現像手段)
5a、5b、5c、5d 転写ローラ(1次転写手段)
6a、6b、6c、6d ドラムクリーナ装置(クリーナ手段)
7 露光装置(露光手段)
8 中間転写ベルト
8b 1次転写面
8c 2次転写面
9 支持ローラ
10 2次転写対向ローラ
11 テンションローラ
12 2次転写ローラ
16 定着装置(定着手段)
17 給紙カセット
18 搬送パス
21 排紙ローラ
22 排紙トレイ
32a、32b、32c、32d 1次転写部
34 2次転写部
59 駆動ローラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ローラと、前記第1ローラとは水平方向で離れた位置に設けられた第2ローラと、前記第2ローラの上方に設けられた第3ローラに支持されて回転し、前記第2ローラと前記第3ローラの間の面は略垂直であるベルトと、
第1ローラと第2ローラの間で、前記ベルトにトナー像を形成するトナー像形成手段と、第2ローラと第3ローラの間の前記ベルトに沿って記録材を搬送する搬送路と、前記第3ローラとの間に電界を形成し、前記搬送路に搬送される前記記録材へ、前記ベルトから前記トナー像を転写する転写手段と、を有する画像形成装置において、
前記第2ローラで前記ベルトを回転し、前記ベルトの前記第2ローラの巻きつけ角度が大きくなるように、前記第1ローラと前記第2ローラの間の前記ベルトの面を傾けるように構成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2ローラの直径は、前記第3ローラの直径よりも大きいことを特徴とする請求項1項の画像形成装置。
【請求項3】
前記第3ローラの直径A、前記第2ローラの直径Bは、それぞれ、
23mm>A>18mm
34mm>B>23mm
の関係を満たすことを特徴とする請求項2の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナー像形成手段は、前記第1領域の外面の下方に設けられる。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−41308(P2013−41308A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−255371(P2012−255371)
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【分割の表示】特願2007−316809(P2007−316809)の分割
【原出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】