画像形成装置
【課題】潤滑剤塗布量の変動に対して、感光体等の像担持体上の潤滑剤量を適正に維持し、潤滑剤塗布過多、潤滑剤塗布不足による問題発生を防止する。
【解決手段】感光体ドラム110等の像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置140を搭載し、感光体ドラム110を帯電させる帯電手段120に交流電圧を印加する電子写真式の画像形成装置において、潤滑剤141の消費量変動に合わせて、帯電手段120に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を変化させる。潤滑剤塗布装置140が、棒状の固形潤滑剤をブラシローラ142で削り取りって感光体ドラム110へ塗布する機構であり、ブラシローラ142の使用初期に前記帯電手段120に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくし、潤滑剤141の使用初期には小さくし、また、ブラシローラ142の使用時間にあわせて小さくしていく。
【解決手段】感光体ドラム110等の像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置140を搭載し、感光体ドラム110を帯電させる帯電手段120に交流電圧を印加する電子写真式の画像形成装置において、潤滑剤141の消費量変動に合わせて、帯電手段120に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を変化させる。潤滑剤塗布装置140が、棒状の固形潤滑剤をブラシローラ142で削り取りって感光体ドラム110へ塗布する機構であり、ブラシローラ142の使用初期に前記帯電手段120に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくし、潤滑剤141の使用初期には小さくし、また、ブラシローラ142の使用時間にあわせて小さくしていく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば金属石鹸潤滑剤塗布装置などの潤滑剤塗布機構を搭載する電子写真式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の複写機、プリンターのカラー化、高速化、高画質化の進展とともに、電子写真式の画像形成装置では、4連タンデム方式の画像形成装置が主流となってきている。また、環境意識への高まりから、リサイクル、高信頼性、高寿命化もますます重要になってきている。さらに、オフィス環境への配慮から、オゾン発生量、粉塵発生量に関しても、意識が高まっている。
【0003】
そのために、電子写真式の画像形成装置では、帯電部材として、オゾン発生量が少ない帯電ローラ方式が採用されるものが多い。さらに、高寿命化を狙って、感光体に微小ギャップを持って、対向する帯電ローラが採用されることもある。また、高画質化への要求から、帯電ローラに帯電電流が十分に流れ帯電電位の安定する交流電圧を印加するものも多くなってきている。
【0004】
この種の画像形成装置では、帯電ローラに交流電圧を印加すると、帯電電流により、感光体表面が破壊されてしまうために、感光体表面保護のために、感光体に潤滑剤を塗布するようになってきている。感光体にステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を塗布すると、潤滑剤が感光体の代わりに帯電電流により破壊されるため、感光体表面は破壊を免れて保護される。また、潤滑剤塗布により、感光体表面摩擦係数を下げてクリーニングブレードエッジの挙動を安定させて、クリーニング性能を向上させることも可能となる。
【0005】
図1は上述のような4連タンデム方式の画像形成装置の内部機構を概念的に示す断面図である。画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーを用いてカラー画像形成を行う。画像形成装置1は、その下部に記録媒体としての用紙を収納する給紙カセット11、12を配した給紙部10を設け、その上方に作像部20及び転写部30を配置した構成を備える。
【0006】
作像部20は、像担持体である感光体ドラム110Y、110M、110C、110K(以下、特に色を特定する必要がなければ感光体ドラム110と言う、他の部材も同じ。)を備えた4個の作像ユニット100Y、100M、100C、100Kを備える。転写部30は、複数のローラ31、32、33に巻き掛けられた可撓性を有する無端ベルトで構成した中間転写体としての中間転写ベルト34と、二次転写ローラ35からなる。更に、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kに潜像を形成する潜像形成装置である光書込ユニット40と、用紙にトナー像を定着させる定着装置50等が配置されている。また、給紙カセット11、12から定着装置50までの間には、用紙を搬送する搬送経路60が形成されている。
【0007】
また、中間転写ベルト34の、ローラ32と対向する部位に2次転写装置となる2次転写ローラ35を搬送経路に臨ませて設置し、ローラ31と対向する部位にベルト表面を清掃するベルトクリーニング装置37を設置している。
【0008】
作像部20は、中間転写ベルト34のうちローラ31とローラ32との間に配置される中間転写ベルト34の下部側ベルト走行辺に対向するように配置されている。各作像ユニット100Y、100M、100C、100Kは、中間転写ベルト34に接するように各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kを配置している。なお、図中符号70Y、70M、70C、70Kは補給用トナーを収納するトナーボトルを示している。
【0009】
この画像形成装置1では、作像ユニット100Y、100M、100C、100Kの感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kが光書込ユニット40で所定パターンによって露光され、感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kが現像ユニットで現像され、中間転写ベルト34上に順次転写されて、給紙カセット11、12から用紙搬送経路60上を搬送される転写用紙に、2次転写ローラ35にて転写され、定着装置50で定着され排出される。
【0010】
図2は、図1に示した作像ユニットを示す断面図である。作像ユニット100Y、100M、100C、100Kは、使用するトナーの色が異なる他、同一の構造を備えている。このため、一つの作像ユニット100についてその構造を符号に添え字を付さずに説明する。作像ユニット100において、感光体ドラム110の周囲には、帯電手段120、現像器130、潤滑剤塗布装置140、クリーニング装置150がそれぞれ配置してある。
【0011】
この作像ユニットでは、帯電手段120には、高画質化、高寿命を狙い、感光体ドラム110に対してギャップを持って対向し、交流電圧が印加される帯電ローラを採用している。詳細には、帯電手段120は、感光体ドラム110に隙間(ギャップ)を持って配置された帯電ローラ121と、帯電ローラ121の汚れを除去するクリーニングローラ122とを備える。なお現像器130は、現像ローラ131と、攪拌ローラ132、133とを備えている。
【0012】
クリーニング装置150は、感光体ドラム110に接触して感光体ドラム110の残留トナーを除去し、潤滑剤塗布ブレード160は、感光体ドラム110に接触して感光体ドラム110に対して潤滑剤塗布装置140で塗布された潤滑剤を薄膜化する。なお図中符号153は、除去された廃トナーを搬送する廃トナー搬送部材を示している。
【0013】
また図示の画像形成装置は、画像面積率の変動により、潤滑剤を塗布する部材と感光体ドラム等の像担持体表面との接触面積が変動して、潤滑剤の供給の過不足が発生することを防止するために、感光体ドラム110の回転方向でクリーニング装置150の下流側に、潤滑剤塗布装置140を配置してある。なお、以下においては、像担持体、感光体、感光体ドラム等の用語を使用し分けるが、いずれかに限定するとの意味ではなく適宜文脈に応じて使用している。
【0014】
また、この画像形成装置は、感光体ドラム110に接触して潤滑剤塗布装置140が塗布した潤滑剤141を薄膜化して感光体ドラム110に塗布する潤滑剤塗布ブレード161を備えている。またこの潤滑剤塗布ブレード161は、支持部材162で支持してある。潤滑剤塗布ブレード161は、トレーリング方向から感光体ドラム110に当接している。トレーリング方向から潤滑剤塗布ブレード161を当接させると、潤滑剤141を感光体ドラム110からかき落とす量が少なくて済み、したがって潤滑剤141の塗布効率が良い。
【0015】
こうした潤滑剤の塗布機構では、潤滑剤141の感光体ドラム110への塗布量は、図3A〜図3Dで示すように、ブラシローラ142のブラシのヘタリ、潤滑剤141の新しさ、古さ等で変化する。
【0016】
すなわち図3E、図3Fの潤滑剤塗布量曲線のように、ブラシのヘタリ、潤滑剤の新/旧等で変化する。例えば、ブラシローラ142が新品でヘタリがない場合等には、潤滑剤のブラシローラ142による掻き取り能力が大きく、感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が、ブラシと潤滑剤等とがある程度使い込まれ、潤滑剤塗布量が安定している塗布安定時よりも多くなり、塗布過剰となりやすい。塗布過剰になると、潤滑剤により帯電ローラ121が汚れ、汚れによりローラ抵抗が増大して、やがて、帯電不良となり、縦スジ画像等が発生する。
【0017】
逆に、潤滑剤交換で潤滑剤141のみ新しく、ブラシローラ142と潤滑剤141の接触面積が小さい場合は、ブラシローラ142による潤滑剤141の掻き取り能力が小さく、感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が、塗布安定時よりも小さくなり、潤滑剤塗布不足になる。そして、感光体保護作用不足になると、帯電電流による感光体ドラム110表面の破壊が進行してしまい、感光体ドラム110表面のフィルミング等が発生する。また、感光体ドラム110の潤滑不足により、クリーニング不良等も発生する。さらに、ブラシローラ142を長期間使用して、ブラシローラ142がヘタッた場合等にも、ブラシローラ142による潤滑剤掻き取り能力が小さくなり、感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が、塗布安定時よりも小さくなる。そうした場合にも、潤滑剤塗布不足となるため、感光体保護作用が不足し、感光体ドラム110の表面破壊が進行して、感光体フィルミング等が発生する。また、感光体潤滑不足により、クリーニング不良等も発生する。
【0018】
そこで、特許文献1では、ブレードクリーニング方式で、潤滑剤を像担持体の表面に供給する画像形成装置において、像担持体の表面に潤滑剤をできるだけ少量で且つ均一に塗布して像担持体表面を潤滑剤で被覆できるようにして、画像流れ、融着等を発生させず、長期的に安定したクリーニングを達成することを課題とし、 像担持体の表面には、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であり、1次粒子の粒径が30nm以上、300nm以下である研磨剤と、潤滑剤と、が供給され、研磨剤の供給量をA(μg/cm^2)、潤滑剤の供給量をB(μg/cm^2)、帯電部材から像担持体に流れる放電電流量をΔIac(mA)、像担持体のテーバー磨耗量をT(mg)、とすると、0.5×ΔIac/T≦A+10B≦5×ΔIac/T、1≦A/B≦20、の関係を満たすこと、という発明が開示されている。以上及び以下において記号「^」はべき乗を示す。
【0019】
また特許文献2では、感光体表面に塗布する潤滑剤の量を、放電による感光体表面の劣化を抑制できる量として、潤滑剤塗布の効果を長期間にわたって維持することを課題とし、交流成分を含む電圧が印加される帯電部材により帯電される像担持体の表面に塗布可能な位置に配置された潤滑剤と、潤滑剤を像担持体の表面に塗布する塗布手段とを有し、塗布手段による潤滑剤の像担持体の表面への塗布量が、 25×f×(Vpp/2Vth)/L[nm/s]以上であり、像担持体の表面に塗布する潤滑剤の塗布量をこのように規制することにより、潤滑剤の機能を長期間にわたって維持することができ、像担持体の表面の膜削れ等の劣化を防止することができる、という発明が開示されている。
【0020】
さらに特許文献3では、比較的簡単な制御動作により、帯電手段への負荷を大きくしないで高耐久性が得られる構成を備えた画像形成装置を提供することを課題とし、像担持体と、該像担持体に対して接触または近接させて配置された状態で一様帯電可能な帯電手段を備え、一様帯電された像担持体に形成された静電潜像を現像装置により可視像処理した後、可視像とされたトナー像を被転写体に転写した後、前記像担持体表面に残留するトナーをクリーニング装置により除去する手段と、前記像担持体に対して潤滑剤を供給する手段とを具備し、前記帯電手段は、画像形成回数若しくは前記像担持体の回動時間をカウントするカウンタを有し、カウンタ値によって画像形成時と非画像形成時とで印加される交流電圧値の比を制御する制御手段に接続されていることを特徴とする、という発明が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上述の従来の諸問題点にかんがみ、上述のような潤滑剤塗布量の変動に対して、感光体等の像担持体上の潤滑剤量を適正に維持し、潤滑剤塗布過多による帯電ローラ汚れ、それに伴う帯電不良、スジ画像、潤滑剤塗布不足による感光体フィルミング、クリーニング不良等の問題発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の画像形成装置は、感光体ドラム等の像担持体に潤滑剤を塗布する機構を搭載し、前記像担持体を帯電させる帯電部材に交流電圧を印加する電子写真式の画像形成装置において、前記潤滑剤の消費量変動に合わせて、前記帯電部材に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、帯電部材通過後に像担持体上に残存する潤滑剤量を適正に維持して、潤滑剤の塗布過剰による帯電部材の潤滑剤汚れや、潤滑剤の塗布不足による像担持体のフィルミング、クリーニング不良等の問題が発生することを防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】4連タンデム方式の画像形成装置の内部機構を概念的に示す断面図
【図2】図1に示した作像ユニットを示す断面図
【図3A】従来の潤滑剤の塗布機構の作用を示す拡大断面図
【図3B】同拡大断面図
【図3C】同拡大断面図
【図3D】同拡大断面図
【図3E】従来の潤滑剤の塗布機構における潤滑剤塗布量と塗布装置使用時間の関係を示す図
【図3F】潤滑剤のみ新品に交換した場合の従来の潤滑剤塗布機構における潤滑剤塗布量と塗布装置使用時間の関係を示す図
【図4A】本発明の実施形態1の作用を示す拡大断面図
【図4B】同拡大断面図
【図4C】同拡大断面図
【図4D】本発明の実施形態1の潤滑剤塗布量と帯電交流ピーク間電圧の関係を示す図
【図4E】同潤滑剤塗布量と帯電交流ピーク間電圧の関係を示す図
【図5A】本発明の実施形態2を示す断面図
【図5B】同拡大断面図
【図5C】同潤滑剤塗布量と帯電交流ピーク間電圧の関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を説明する。
既述のように、感光体等の像担持体へ潤滑剤を塗布する量は、ブラシのヘタリ、潤滑剤の新/旧等で変化し、感光体等への潤滑剤塗布量が多い場合には、塗布過剰により帯電ローラ等が潤滑剤で汚れ、帯電不良による縦スジ等が発生し、逆に、潤滑剤塗布量が少ない場合には、潤滑剤塗布不足により感光体保護作用が不足して感光体フィルミングが発生し、潤滑不足によりクリーニング不良等が発生する。潤滑剤は、帯電部材に流れる帯電電流により、破壊され消費されることにより感光体保護作用を維持するため、帯電部材に印加される交流ピーク間電圧を大きくするとより多くの帯電電流が流れるため、帯電電流の感光体への攻撃作用が大きくなり、感光体保護のために破壊、消費される潤滑剤量が必要になる。
【0026】
潤滑剤塗布ブラシが新しい等、潤滑剤の塗布量が大きい場合には、交流ピーク間電圧を通常(ブラシ/潤滑剤等がある程度使い込まれて潤滑剤塗布量が安定した場合)の値よりも大きくし、逆に潤滑剤塗布ブラシが使い古されてヘタり潤滑剤の塗布量が小さいような場合には交流ピーク間電圧を通常の値よりも小さくする、というように、潤滑剤塗布量の変動に合わせて、帯電部材に印加する交流ピーク間電圧を変化させる。このことにより、帯電部通過後の感光体上に残存する潤滑剤量を適正に維持して、潤滑剤塗布過剰による帯電ローラ汚れ、潤滑剤塗布不足による感光体フィルミング、クリーニング不良等の問題発生を防止することが可能となる。
【0027】
なお以下の説明では、従来の例と同一ないし類似の部分には同一の符号を付して説明する。
【0028】
<実施形態1>
図4A〜図4Eに本発明の実施形態1を示す。本実施形態では、潤滑剤塗布安定化のために、潤滑剤塗布装置140が感光体ドラム110の回転方向下流側に設けられている。基本的に従来の技術と同様な構成となっているため、潤滑剤141の感光体ドラム110への塗布量は、ブラシローラ142の新旧(ヘタリ)、潤滑剤141の新/旧で変化する。従来技術と同様に、ブラシローラ142が新品でヘタリがない場合等には、潤滑剤141のブラシローラ142による掻き取り能力が大きく、ブラシローラ142から感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が、(ブラシ/潤滑剤等がある程度使い込まれ潤滑剤塗布量が安定した)塗布安定時よりも多くなる。こうした場合、本実施形態では、帯電ローラ121へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくし、帯電電流を大きくすることにより、帯電電流により、破壊消費される潤滑剤量を大きくして、潤滑剤141の過剰塗布分を破壊消費する。それにより、感光体ドラム110上の過剰な潤滑剤141が帯電ローラ121に付着することを防止でき、帯電ローラ121の汚れを抑制して、汚れによる帯電不良、スジ画像といった問題発生を防止できる。帯電手段120の位置を通過した後の感光体ドラム110上に残存する潤滑剤量を適正に維持できる。例えば、ブラシローラ142の使用初期、潤滑剤塗布量が潤滑剤塗布安定時の1.5倍程度の場合には、帯電交流ピーク間電圧を潤滑剤塗布安定時:1.9kVp−pに対して、2.1kVp−pというように帯電交流ピーク間電圧を大きくする(図4A、図4D)。
【0029】
また、ブラシローラ142を長期使用すると、ブラシローラ142がヘタリ、潤滑剤141の塗布量が、潤滑剤塗布安定時よりも減少する。こうした場合、本実施形態では、帯電ローラ121へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくし、帯電電流を小さくして、帯電電流の感光体ドラム110への攻撃作用を小さくする。感光体ドラム110の保護のため破壊消費される潤滑剤141の必要量を少なくする。これによって、潤滑剤塗布不足による、感光体ドラム110表面破壊の進行、それによる感光体フィルミング、潤滑不足によるクリーニング不良等の発生を防止できる。例えば、ブラシローラ142の使用寿命間近、潤滑剤塗布量が潤滑剤塗布安定時の0.7倍程度の場合は、帯電交流ピーク間電圧を潤滑剤塗布安定時:1.9kVp−pに対して、1.7kVp−pというように帯電交流ピーク間電圧を小さくする(図4C、図4D)。
【0030】
また、本実施形態では、感光体ドラム110と、帯電手段120、現像器130、潤滑剤塗布装置140、クリーニング装置150が一体となったプロセスカートリッジを作像ユニット100としており、各装置一体で作像ユニット100を交換する。作像に係る各種手段を一体化してユニットとすることによって、セット性、メンテナンス性をよくし、さらには、対感光体位置精度も良くなっている。図示は省略するが、プロセスカートリッジとしての作像ユニット100が新品かどうかを検知する検知手段を備えるようにし、感光体ドラム110の累積回転数を記録して、プロセスカートリッジの使用時間を記録する。それにより、ブラシローラ142の使用時間を検知して、上述のような帯電交流ピーク間電圧の制御を実施する。また、これらの帯電交流ピーク間電圧の変更は、帯電手段120への交流印加電圧を制御する制御方式の違いにより、定電圧制御の場合には、直接、帯電交流ピーク電圧の制御値を変更し、定電流制御の場合は、帯電電流の制御値を変更することによって、なし得る。また、これらの制御値の変更は、段階的に実施しても良い(図4E)。
【0031】
<実施形態2>
図5A〜図5Cに本発明の実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1とほぼ同じ構成となっているが、潤滑剤141の寿命が短いために潤滑剤141を交換して使用するプロセスカートリッジの構成となっている点が異なる。
【0032】
この構成で、ブラシローラ142が使い込まれた状態で、潤滑剤141のみを交換して新しくした場合、潤滑剤を塗布するブラシローラ142と潤滑剤141の接触面積が小さくなり、ブラシローラ142が潤滑剤141を掻き取る能力が小さくなり、感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が減少する。こうした場合に、本実施形態では、帯電ローラ121へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくし、帯電電流を小さくして、帯電電流の感光体攻撃作用を小さくする。それにより、感光体ドラム110の保護のため破壊消費される潤滑剤141の必要量を少なくして、潤滑剤塗布不足による、感光体ドラム110の表面破壊の進行、それによる感光体フィルミングの発生を防止可能としている。なお、この実施形態2には、潤滑剤141の新品状態を検知する検知機構を搭載して、潤滑剤141が新品であることを検知している。
【0033】
上述してきた各実施形態で使用する潤滑剤141としては、脂肪酸金属塩(A)と、無機潤滑剤(B)を含有しているものが好ましい。脂肪酸金属塩が、帯電電流により破壊されて、感光体ドラム110の表面が破壊されるのを防止すると同時に、帯電電流では破壊されない無機潤滑剤により、潤滑作用が(潤滑剤が脂肪酸金属塩のみの場合よりも)より良い状態で維持されるため、感光体ドラム110表面のクリーニングをより良好に維持することが可能となる。
【0034】
脂肪酸金属塩(A)の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物があるが、これらに限られるものではない。また、これらを混合して使用しても良い。なお、本発明の実施においては、ステアリン酸亜鉛が特に像担持体への成膜性に優れることから、最も好ましいと考えられる。また、脂肪酸金属塩をステアリン酸亜鉛として感光体への成膜性を高め、感光体の潤滑性、保護性に優れるものとし、加えて、無機潤滑剤を窒化ホウ素とすると、潤滑性に優れるものとなる。
【0035】
本願においては、無機潤滑剤(B)とは、自身が劈開して潤滑する、あるいは内部滑りを起こす無機化合物のことを指すが、具体的な物質例としては、タルク、マイカ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、カオリン、スメクタイト、ハイドロタルサイト化合物、フッ化カルシウム、グラファイト、板状アルミナ、セリサイト、合成マイカなどがあるが、これらに限られるものではない。窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから、本発明の実施においては最も好ましいと考えられる。すなわち潤滑剤が脂肪酸金属塩に無機潤滑剤を含むと、脂肪酸金属塩が、帯電電流により破壊されて感光体表面が破壊されるのを防止すると同時に、帯電電流では破壊されない無機潤滑剤により、潤滑作用が(潤滑剤が脂肪酸金属塩の場合より)より良い状態で維持されるため、感光体クリーニングをより良好に維持することが可能となる。なお、これらの無機潤滑剤は疎水性付与等のために、必要に応じて表面処理がなされていても良い。
【0036】
以上を説明してきたように、潤滑剤塗布ブラシが新しい等で潤滑剤塗布量が大きい場合でも、帯電交流ピーク間電圧を通常よりも大きくすることにより、感光体上に塗布された潤滑剤をより多く消費して、感光体上の過剰な潤滑剤が帯電部材に付着することを防止することができ、それにより、潤滑剤塗布過剰による帯電ローラ汚れ、汚れによる帯電不良、縦スジ画像といった問題の発生が防止可能となる。
【0037】
また、ブラシと潤滑剤をある程度使い込んで潤滑剤塗布量が安定した状態で、潤滑剤のみ交換する等、潤滑剤塗布量が小さい場合でも、帯電交流ピーク間電圧を通常よりも小さくすることにより、帯電電流の感光体攻撃作用を小さくして、感光体保護で破壊消費される潤滑剤量をより少なくし、潤滑剤塗布不足による感光体フィルミング、クリーニング不良等の問題の発生が防止可能となる。
【0038】
また、長期使用により、ブラシローラがヘタリ、潤滑剤塗布量が減少した場合にも、同様に、帯電交流ピーク間電圧を通常よりも小さくすることにより、交流電流の感光体攻撃作用を小さくして、感光体保護で破壊消費される潤滑剤量をより少なくし、潤滑剤塗布不足による感光体フィルミング、クリーニング不良等の問題の発生が防止可能となる。
【0039】
さらに、感光体回転方向に対して、感光体クリーニング手段の下流側に、潤滑剤塗布機構を設ければ、画像面積率による感光体への潤滑剤供給過不足がなく(感光体クリーニング上流塗布では、画像面積が増加すると潤滑剤と感光体表面との接触面積が減少して、潤滑剤塗布不足になる)、安定した潤滑剤塗布が可能となる。
【0040】
なお、帯電装置として接触帯電ローラを搭載すると、オゾンの発生が少なくなる。また帯電装置として、感光体に微小ギャップを持って対向する帯電ローラを搭載すると、帯電ローラ表面に感光体からトナー等の汚れが付着しにくく、帯電ローラ汚れが抑制可能で長寿命化が図れる。
【0041】
またなお、形状が均一な重合トナーを使用すれば、現像特性、転写性が向上して、画質が向上する。
【符号の説明】
【0042】
1:画像形成装置
10:給紙部
11、12:給紙カセット
20:作像部
30:転写部
31、32、33:ローラ
34:中間転写ベルト
35:2次転写ローラ
37:ベルトクリーニング装置
40:光書込ユニット
50:定着装置
60:搬送経路
70Y、70M、70C、70K:トナーボトル
100Y、100M、100C、100K:作像ユニット
110Y、110M、110C、110K:感光体ドラム
120:帯電手段
121:帯電ローラ
122:クリーニングローラ
130:現像器
131:現像ローラ
132、133:攪拌ローラ
140:潤滑剤塗布装置
141:潤滑剤
142:ブラシローラ
150:クリーニング装置
153:廃トナー搬送部材
160:潤滑剤塗布ブレード
161:潤滑剤塗布ブレード
162:支持部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【特許文献1】特開2009−128842号公報
【特許文献2】特開2006−113499号公報
【特許文献3】特開2010−008998号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば金属石鹸潤滑剤塗布装置などの潤滑剤塗布機構を搭載する電子写真式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の複写機、プリンターのカラー化、高速化、高画質化の進展とともに、電子写真式の画像形成装置では、4連タンデム方式の画像形成装置が主流となってきている。また、環境意識への高まりから、リサイクル、高信頼性、高寿命化もますます重要になってきている。さらに、オフィス環境への配慮から、オゾン発生量、粉塵発生量に関しても、意識が高まっている。
【0003】
そのために、電子写真式の画像形成装置では、帯電部材として、オゾン発生量が少ない帯電ローラ方式が採用されるものが多い。さらに、高寿命化を狙って、感光体に微小ギャップを持って、対向する帯電ローラが採用されることもある。また、高画質化への要求から、帯電ローラに帯電電流が十分に流れ帯電電位の安定する交流電圧を印加するものも多くなってきている。
【0004】
この種の画像形成装置では、帯電ローラに交流電圧を印加すると、帯電電流により、感光体表面が破壊されてしまうために、感光体表面保護のために、感光体に潤滑剤を塗布するようになってきている。感光体にステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を塗布すると、潤滑剤が感光体の代わりに帯電電流により破壊されるため、感光体表面は破壊を免れて保護される。また、潤滑剤塗布により、感光体表面摩擦係数を下げてクリーニングブレードエッジの挙動を安定させて、クリーニング性能を向上させることも可能となる。
【0005】
図1は上述のような4連タンデム方式の画像形成装置の内部機構を概念的に示す断面図である。画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーを用いてカラー画像形成を行う。画像形成装置1は、その下部に記録媒体としての用紙を収納する給紙カセット11、12を配した給紙部10を設け、その上方に作像部20及び転写部30を配置した構成を備える。
【0006】
作像部20は、像担持体である感光体ドラム110Y、110M、110C、110K(以下、特に色を特定する必要がなければ感光体ドラム110と言う、他の部材も同じ。)を備えた4個の作像ユニット100Y、100M、100C、100Kを備える。転写部30は、複数のローラ31、32、33に巻き掛けられた可撓性を有する無端ベルトで構成した中間転写体としての中間転写ベルト34と、二次転写ローラ35からなる。更に、各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kに潜像を形成する潜像形成装置である光書込ユニット40と、用紙にトナー像を定着させる定着装置50等が配置されている。また、給紙カセット11、12から定着装置50までの間には、用紙を搬送する搬送経路60が形成されている。
【0007】
また、中間転写ベルト34の、ローラ32と対向する部位に2次転写装置となる2次転写ローラ35を搬送経路に臨ませて設置し、ローラ31と対向する部位にベルト表面を清掃するベルトクリーニング装置37を設置している。
【0008】
作像部20は、中間転写ベルト34のうちローラ31とローラ32との間に配置される中間転写ベルト34の下部側ベルト走行辺に対向するように配置されている。各作像ユニット100Y、100M、100C、100Kは、中間転写ベルト34に接するように各感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kを配置している。なお、図中符号70Y、70M、70C、70Kは補給用トナーを収納するトナーボトルを示している。
【0009】
この画像形成装置1では、作像ユニット100Y、100M、100C、100Kの感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kが光書込ユニット40で所定パターンによって露光され、感光体ドラム110Y、110M、110C、110Kが現像ユニットで現像され、中間転写ベルト34上に順次転写されて、給紙カセット11、12から用紙搬送経路60上を搬送される転写用紙に、2次転写ローラ35にて転写され、定着装置50で定着され排出される。
【0010】
図2は、図1に示した作像ユニットを示す断面図である。作像ユニット100Y、100M、100C、100Kは、使用するトナーの色が異なる他、同一の構造を備えている。このため、一つの作像ユニット100についてその構造を符号に添え字を付さずに説明する。作像ユニット100において、感光体ドラム110の周囲には、帯電手段120、現像器130、潤滑剤塗布装置140、クリーニング装置150がそれぞれ配置してある。
【0011】
この作像ユニットでは、帯電手段120には、高画質化、高寿命を狙い、感光体ドラム110に対してギャップを持って対向し、交流電圧が印加される帯電ローラを採用している。詳細には、帯電手段120は、感光体ドラム110に隙間(ギャップ)を持って配置された帯電ローラ121と、帯電ローラ121の汚れを除去するクリーニングローラ122とを備える。なお現像器130は、現像ローラ131と、攪拌ローラ132、133とを備えている。
【0012】
クリーニング装置150は、感光体ドラム110に接触して感光体ドラム110の残留トナーを除去し、潤滑剤塗布ブレード160は、感光体ドラム110に接触して感光体ドラム110に対して潤滑剤塗布装置140で塗布された潤滑剤を薄膜化する。なお図中符号153は、除去された廃トナーを搬送する廃トナー搬送部材を示している。
【0013】
また図示の画像形成装置は、画像面積率の変動により、潤滑剤を塗布する部材と感光体ドラム等の像担持体表面との接触面積が変動して、潤滑剤の供給の過不足が発生することを防止するために、感光体ドラム110の回転方向でクリーニング装置150の下流側に、潤滑剤塗布装置140を配置してある。なお、以下においては、像担持体、感光体、感光体ドラム等の用語を使用し分けるが、いずれかに限定するとの意味ではなく適宜文脈に応じて使用している。
【0014】
また、この画像形成装置は、感光体ドラム110に接触して潤滑剤塗布装置140が塗布した潤滑剤141を薄膜化して感光体ドラム110に塗布する潤滑剤塗布ブレード161を備えている。またこの潤滑剤塗布ブレード161は、支持部材162で支持してある。潤滑剤塗布ブレード161は、トレーリング方向から感光体ドラム110に当接している。トレーリング方向から潤滑剤塗布ブレード161を当接させると、潤滑剤141を感光体ドラム110からかき落とす量が少なくて済み、したがって潤滑剤141の塗布効率が良い。
【0015】
こうした潤滑剤の塗布機構では、潤滑剤141の感光体ドラム110への塗布量は、図3A〜図3Dで示すように、ブラシローラ142のブラシのヘタリ、潤滑剤141の新しさ、古さ等で変化する。
【0016】
すなわち図3E、図3Fの潤滑剤塗布量曲線のように、ブラシのヘタリ、潤滑剤の新/旧等で変化する。例えば、ブラシローラ142が新品でヘタリがない場合等には、潤滑剤のブラシローラ142による掻き取り能力が大きく、感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が、ブラシと潤滑剤等とがある程度使い込まれ、潤滑剤塗布量が安定している塗布安定時よりも多くなり、塗布過剰となりやすい。塗布過剰になると、潤滑剤により帯電ローラ121が汚れ、汚れによりローラ抵抗が増大して、やがて、帯電不良となり、縦スジ画像等が発生する。
【0017】
逆に、潤滑剤交換で潤滑剤141のみ新しく、ブラシローラ142と潤滑剤141の接触面積が小さい場合は、ブラシローラ142による潤滑剤141の掻き取り能力が小さく、感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が、塗布安定時よりも小さくなり、潤滑剤塗布不足になる。そして、感光体保護作用不足になると、帯電電流による感光体ドラム110表面の破壊が進行してしまい、感光体ドラム110表面のフィルミング等が発生する。また、感光体ドラム110の潤滑不足により、クリーニング不良等も発生する。さらに、ブラシローラ142を長期間使用して、ブラシローラ142がヘタッた場合等にも、ブラシローラ142による潤滑剤掻き取り能力が小さくなり、感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が、塗布安定時よりも小さくなる。そうした場合にも、潤滑剤塗布不足となるため、感光体保護作用が不足し、感光体ドラム110の表面破壊が進行して、感光体フィルミング等が発生する。また、感光体潤滑不足により、クリーニング不良等も発生する。
【0018】
そこで、特許文献1では、ブレードクリーニング方式で、潤滑剤を像担持体の表面に供給する画像形成装置において、像担持体の表面に潤滑剤をできるだけ少量で且つ均一に塗布して像担持体表面を潤滑剤で被覆できるようにして、画像流れ、融着等を発生させず、長期的に安定したクリーニングを達成することを課題とし、 像担持体の表面には、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であり、1次粒子の粒径が30nm以上、300nm以下である研磨剤と、潤滑剤と、が供給され、研磨剤の供給量をA(μg/cm^2)、潤滑剤の供給量をB(μg/cm^2)、帯電部材から像担持体に流れる放電電流量をΔIac(mA)、像担持体のテーバー磨耗量をT(mg)、とすると、0.5×ΔIac/T≦A+10B≦5×ΔIac/T、1≦A/B≦20、の関係を満たすこと、という発明が開示されている。以上及び以下において記号「^」はべき乗を示す。
【0019】
また特許文献2では、感光体表面に塗布する潤滑剤の量を、放電による感光体表面の劣化を抑制できる量として、潤滑剤塗布の効果を長期間にわたって維持することを課題とし、交流成分を含む電圧が印加される帯電部材により帯電される像担持体の表面に塗布可能な位置に配置された潤滑剤と、潤滑剤を像担持体の表面に塗布する塗布手段とを有し、塗布手段による潤滑剤の像担持体の表面への塗布量が、 25×f×(Vpp/2Vth)/L[nm/s]以上であり、像担持体の表面に塗布する潤滑剤の塗布量をこのように規制することにより、潤滑剤の機能を長期間にわたって維持することができ、像担持体の表面の膜削れ等の劣化を防止することができる、という発明が開示されている。
【0020】
さらに特許文献3では、比較的簡単な制御動作により、帯電手段への負荷を大きくしないで高耐久性が得られる構成を備えた画像形成装置を提供することを課題とし、像担持体と、該像担持体に対して接触または近接させて配置された状態で一様帯電可能な帯電手段を備え、一様帯電された像担持体に形成された静電潜像を現像装置により可視像処理した後、可視像とされたトナー像を被転写体に転写した後、前記像担持体表面に残留するトナーをクリーニング装置により除去する手段と、前記像担持体に対して潤滑剤を供給する手段とを具備し、前記帯電手段は、画像形成回数若しくは前記像担持体の回動時間をカウントするカウンタを有し、カウンタ値によって画像形成時と非画像形成時とで印加される交流電圧値の比を制御する制御手段に接続されていることを特徴とする、という発明が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上述の従来の諸問題点にかんがみ、上述のような潤滑剤塗布量の変動に対して、感光体等の像担持体上の潤滑剤量を適正に維持し、潤滑剤塗布過多による帯電ローラ汚れ、それに伴う帯電不良、スジ画像、潤滑剤塗布不足による感光体フィルミング、クリーニング不良等の問題発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の画像形成装置は、感光体ドラム等の像担持体に潤滑剤を塗布する機構を搭載し、前記像担持体を帯電させる帯電部材に交流電圧を印加する電子写真式の画像形成装置において、前記潤滑剤の消費量変動に合わせて、前記帯電部材に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、帯電部材通過後に像担持体上に残存する潤滑剤量を適正に維持して、潤滑剤の塗布過剰による帯電部材の潤滑剤汚れや、潤滑剤の塗布不足による像担持体のフィルミング、クリーニング不良等の問題が発生することを防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】4連タンデム方式の画像形成装置の内部機構を概念的に示す断面図
【図2】図1に示した作像ユニットを示す断面図
【図3A】従来の潤滑剤の塗布機構の作用を示す拡大断面図
【図3B】同拡大断面図
【図3C】同拡大断面図
【図3D】同拡大断面図
【図3E】従来の潤滑剤の塗布機構における潤滑剤塗布量と塗布装置使用時間の関係を示す図
【図3F】潤滑剤のみ新品に交換した場合の従来の潤滑剤塗布機構における潤滑剤塗布量と塗布装置使用時間の関係を示す図
【図4A】本発明の実施形態1の作用を示す拡大断面図
【図4B】同拡大断面図
【図4C】同拡大断面図
【図4D】本発明の実施形態1の潤滑剤塗布量と帯電交流ピーク間電圧の関係を示す図
【図4E】同潤滑剤塗布量と帯電交流ピーク間電圧の関係を示す図
【図5A】本発明の実施形態2を示す断面図
【図5B】同拡大断面図
【図5C】同潤滑剤塗布量と帯電交流ピーク間電圧の関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を説明する。
既述のように、感光体等の像担持体へ潤滑剤を塗布する量は、ブラシのヘタリ、潤滑剤の新/旧等で変化し、感光体等への潤滑剤塗布量が多い場合には、塗布過剰により帯電ローラ等が潤滑剤で汚れ、帯電不良による縦スジ等が発生し、逆に、潤滑剤塗布量が少ない場合には、潤滑剤塗布不足により感光体保護作用が不足して感光体フィルミングが発生し、潤滑不足によりクリーニング不良等が発生する。潤滑剤は、帯電部材に流れる帯電電流により、破壊され消費されることにより感光体保護作用を維持するため、帯電部材に印加される交流ピーク間電圧を大きくするとより多くの帯電電流が流れるため、帯電電流の感光体への攻撃作用が大きくなり、感光体保護のために破壊、消費される潤滑剤量が必要になる。
【0026】
潤滑剤塗布ブラシが新しい等、潤滑剤の塗布量が大きい場合には、交流ピーク間電圧を通常(ブラシ/潤滑剤等がある程度使い込まれて潤滑剤塗布量が安定した場合)の値よりも大きくし、逆に潤滑剤塗布ブラシが使い古されてヘタり潤滑剤の塗布量が小さいような場合には交流ピーク間電圧を通常の値よりも小さくする、というように、潤滑剤塗布量の変動に合わせて、帯電部材に印加する交流ピーク間電圧を変化させる。このことにより、帯電部通過後の感光体上に残存する潤滑剤量を適正に維持して、潤滑剤塗布過剰による帯電ローラ汚れ、潤滑剤塗布不足による感光体フィルミング、クリーニング不良等の問題発生を防止することが可能となる。
【0027】
なお以下の説明では、従来の例と同一ないし類似の部分には同一の符号を付して説明する。
【0028】
<実施形態1>
図4A〜図4Eに本発明の実施形態1を示す。本実施形態では、潤滑剤塗布安定化のために、潤滑剤塗布装置140が感光体ドラム110の回転方向下流側に設けられている。基本的に従来の技術と同様な構成となっているため、潤滑剤141の感光体ドラム110への塗布量は、ブラシローラ142の新旧(ヘタリ)、潤滑剤141の新/旧で変化する。従来技術と同様に、ブラシローラ142が新品でヘタリがない場合等には、潤滑剤141のブラシローラ142による掻き取り能力が大きく、ブラシローラ142から感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が、(ブラシ/潤滑剤等がある程度使い込まれ潤滑剤塗布量が安定した)塗布安定時よりも多くなる。こうした場合、本実施形態では、帯電ローラ121へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくし、帯電電流を大きくすることにより、帯電電流により、破壊消費される潤滑剤量を大きくして、潤滑剤141の過剰塗布分を破壊消費する。それにより、感光体ドラム110上の過剰な潤滑剤141が帯電ローラ121に付着することを防止でき、帯電ローラ121の汚れを抑制して、汚れによる帯電不良、スジ画像といった問題発生を防止できる。帯電手段120の位置を通過した後の感光体ドラム110上に残存する潤滑剤量を適正に維持できる。例えば、ブラシローラ142の使用初期、潤滑剤塗布量が潤滑剤塗布安定時の1.5倍程度の場合には、帯電交流ピーク間電圧を潤滑剤塗布安定時:1.9kVp−pに対して、2.1kVp−pというように帯電交流ピーク間電圧を大きくする(図4A、図4D)。
【0029】
また、ブラシローラ142を長期使用すると、ブラシローラ142がヘタリ、潤滑剤141の塗布量が、潤滑剤塗布安定時よりも減少する。こうした場合、本実施形態では、帯電ローラ121へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくし、帯電電流を小さくして、帯電電流の感光体ドラム110への攻撃作用を小さくする。感光体ドラム110の保護のため破壊消費される潤滑剤141の必要量を少なくする。これによって、潤滑剤塗布不足による、感光体ドラム110表面破壊の進行、それによる感光体フィルミング、潤滑不足によるクリーニング不良等の発生を防止できる。例えば、ブラシローラ142の使用寿命間近、潤滑剤塗布量が潤滑剤塗布安定時の0.7倍程度の場合は、帯電交流ピーク間電圧を潤滑剤塗布安定時:1.9kVp−pに対して、1.7kVp−pというように帯電交流ピーク間電圧を小さくする(図4C、図4D)。
【0030】
また、本実施形態では、感光体ドラム110と、帯電手段120、現像器130、潤滑剤塗布装置140、クリーニング装置150が一体となったプロセスカートリッジを作像ユニット100としており、各装置一体で作像ユニット100を交換する。作像に係る各種手段を一体化してユニットとすることによって、セット性、メンテナンス性をよくし、さらには、対感光体位置精度も良くなっている。図示は省略するが、プロセスカートリッジとしての作像ユニット100が新品かどうかを検知する検知手段を備えるようにし、感光体ドラム110の累積回転数を記録して、プロセスカートリッジの使用時間を記録する。それにより、ブラシローラ142の使用時間を検知して、上述のような帯電交流ピーク間電圧の制御を実施する。また、これらの帯電交流ピーク間電圧の変更は、帯電手段120への交流印加電圧を制御する制御方式の違いにより、定電圧制御の場合には、直接、帯電交流ピーク電圧の制御値を変更し、定電流制御の場合は、帯電電流の制御値を変更することによって、なし得る。また、これらの制御値の変更は、段階的に実施しても良い(図4E)。
【0031】
<実施形態2>
図5A〜図5Cに本発明の実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1とほぼ同じ構成となっているが、潤滑剤141の寿命が短いために潤滑剤141を交換して使用するプロセスカートリッジの構成となっている点が異なる。
【0032】
この構成で、ブラシローラ142が使い込まれた状態で、潤滑剤141のみを交換して新しくした場合、潤滑剤を塗布するブラシローラ142と潤滑剤141の接触面積が小さくなり、ブラシローラ142が潤滑剤141を掻き取る能力が小さくなり、感光体ドラム110への潤滑剤塗布量が減少する。こうした場合に、本実施形態では、帯電ローラ121へ印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくし、帯電電流を小さくして、帯電電流の感光体攻撃作用を小さくする。それにより、感光体ドラム110の保護のため破壊消費される潤滑剤141の必要量を少なくして、潤滑剤塗布不足による、感光体ドラム110の表面破壊の進行、それによる感光体フィルミングの発生を防止可能としている。なお、この実施形態2には、潤滑剤141の新品状態を検知する検知機構を搭載して、潤滑剤141が新品であることを検知している。
【0033】
上述してきた各実施形態で使用する潤滑剤141としては、脂肪酸金属塩(A)と、無機潤滑剤(B)を含有しているものが好ましい。脂肪酸金属塩が、帯電電流により破壊されて、感光体ドラム110の表面が破壊されるのを防止すると同時に、帯電電流では破壊されない無機潤滑剤により、潤滑作用が(潤滑剤が脂肪酸金属塩のみの場合よりも)より良い状態で維持されるため、感光体ドラム110表面のクリーニングをより良好に維持することが可能となる。
【0034】
脂肪酸金属塩(A)の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物があるが、これらに限られるものではない。また、これらを混合して使用しても良い。なお、本発明の実施においては、ステアリン酸亜鉛が特に像担持体への成膜性に優れることから、最も好ましいと考えられる。また、脂肪酸金属塩をステアリン酸亜鉛として感光体への成膜性を高め、感光体の潤滑性、保護性に優れるものとし、加えて、無機潤滑剤を窒化ホウ素とすると、潤滑性に優れるものとなる。
【0035】
本願においては、無機潤滑剤(B)とは、自身が劈開して潤滑する、あるいは内部滑りを起こす無機化合物のことを指すが、具体的な物質例としては、タルク、マイカ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、カオリン、スメクタイト、ハイドロタルサイト化合物、フッ化カルシウム、グラファイト、板状アルミナ、セリサイト、合成マイカなどがあるが、これらに限られるものではない。窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから、本発明の実施においては最も好ましいと考えられる。すなわち潤滑剤が脂肪酸金属塩に無機潤滑剤を含むと、脂肪酸金属塩が、帯電電流により破壊されて感光体表面が破壊されるのを防止すると同時に、帯電電流では破壊されない無機潤滑剤により、潤滑作用が(潤滑剤が脂肪酸金属塩の場合より)より良い状態で維持されるため、感光体クリーニングをより良好に維持することが可能となる。なお、これらの無機潤滑剤は疎水性付与等のために、必要に応じて表面処理がなされていても良い。
【0036】
以上を説明してきたように、潤滑剤塗布ブラシが新しい等で潤滑剤塗布量が大きい場合でも、帯電交流ピーク間電圧を通常よりも大きくすることにより、感光体上に塗布された潤滑剤をより多く消費して、感光体上の過剰な潤滑剤が帯電部材に付着することを防止することができ、それにより、潤滑剤塗布過剰による帯電ローラ汚れ、汚れによる帯電不良、縦スジ画像といった問題の発生が防止可能となる。
【0037】
また、ブラシと潤滑剤をある程度使い込んで潤滑剤塗布量が安定した状態で、潤滑剤のみ交換する等、潤滑剤塗布量が小さい場合でも、帯電交流ピーク間電圧を通常よりも小さくすることにより、帯電電流の感光体攻撃作用を小さくして、感光体保護で破壊消費される潤滑剤量をより少なくし、潤滑剤塗布不足による感光体フィルミング、クリーニング不良等の問題の発生が防止可能となる。
【0038】
また、長期使用により、ブラシローラがヘタリ、潤滑剤塗布量が減少した場合にも、同様に、帯電交流ピーク間電圧を通常よりも小さくすることにより、交流電流の感光体攻撃作用を小さくして、感光体保護で破壊消費される潤滑剤量をより少なくし、潤滑剤塗布不足による感光体フィルミング、クリーニング不良等の問題の発生が防止可能となる。
【0039】
さらに、感光体回転方向に対して、感光体クリーニング手段の下流側に、潤滑剤塗布機構を設ければ、画像面積率による感光体への潤滑剤供給過不足がなく(感光体クリーニング上流塗布では、画像面積が増加すると潤滑剤と感光体表面との接触面積が減少して、潤滑剤塗布不足になる)、安定した潤滑剤塗布が可能となる。
【0040】
なお、帯電装置として接触帯電ローラを搭載すると、オゾンの発生が少なくなる。また帯電装置として、感光体に微小ギャップを持って対向する帯電ローラを搭載すると、帯電ローラ表面に感光体からトナー等の汚れが付着しにくく、帯電ローラ汚れが抑制可能で長寿命化が図れる。
【0041】
またなお、形状が均一な重合トナーを使用すれば、現像特性、転写性が向上して、画質が向上する。
【符号の説明】
【0042】
1:画像形成装置
10:給紙部
11、12:給紙カセット
20:作像部
30:転写部
31、32、33:ローラ
34:中間転写ベルト
35:2次転写ローラ
37:ベルトクリーニング装置
40:光書込ユニット
50:定着装置
60:搬送経路
70Y、70M、70C、70K:トナーボトル
100Y、100M、100C、100K:作像ユニット
110Y、110M、110C、110K:感光体ドラム
120:帯電手段
121:帯電ローラ
122:クリーニングローラ
130:現像器
131:現像ローラ
132、133:攪拌ローラ
140:潤滑剤塗布装置
141:潤滑剤
142:ブラシローラ
150:クリーニング装置
153:廃トナー搬送部材
160:潤滑剤塗布ブレード
161:潤滑剤塗布ブレード
162:支持部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【特許文献1】特開2009−128842号公報
【特許文献2】特開2006−113499号公報
【特許文献3】特開2010−008998号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラム等の像担持体に潤滑剤を塗布する機構を搭載し、前記像担持体を帯電させる帯電手段に交流電圧を印加する電子写真式の画像形成装置において、
前記潤滑剤の消費量変動に合わせて、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、潤滑剤塗布量安定時よりも潤滑剤塗布量が多いときには、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1の画像形成装置において、潤滑剤塗布量安定時よりも潤滑剤塗布量が少ないときには、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1の画像形成装置において、前記潤滑剤を塗布する機構が、棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構であり、前記ブラシローラの使用初期に、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1の画像形成装置において、前記潤滑剤を塗布する機構が、棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構であり、前記潤滑剤の使用初期に、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1の画像形成装置において、前記潤滑剤を塗布する機構が、棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構であり、前記ブラシローラの使用時間にあわせて、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくしていくことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかの画像形成装置において、前記像担持体に潤滑剤を塗布する機構を、前記像担持体回転方向に対して該像担持体をクリーニングするクリーニング装置の下流側に搭載することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかの画像形成装置において、前記帯電手段として接触帯電ローラを搭載してなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8の画像形成装置において、前記帯電ローラが前記像担持体に対して微小ギャップを持って対向することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかの画像形成装置において、作像ユニットとして、前記像担持体と、前記帯電手段、前記像担持体のクリーニング装置、さらには前記像担持体上の潜像を現像する現像装置のうち少なくとも一つを含むプロセスカートリッジを用いてなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
感光体ドラム等の像担持体に潤滑剤を塗布する機構を搭載し、前記像担持体を帯電させる帯電手段に交流電圧を印加する電子写真式の画像形成装置において、
前記潤滑剤の消費量変動に合わせて、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、潤滑剤塗布量安定時よりも潤滑剤塗布量が多いときには、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1の画像形成装置において、潤滑剤塗布量安定時よりも潤滑剤塗布量が少ないときには、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1の画像形成装置において、前記潤滑剤を塗布する機構が、棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構であり、前記ブラシローラの使用初期に、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1の画像形成装置において、前記潤滑剤を塗布する機構が、棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構であり、前記潤滑剤の使用初期に、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1の画像形成装置において、前記潤滑剤を塗布する機構が、棒状の固形潤滑剤をブラシローラで削り取り、前記像担持体表面へ塗布する潤滑剤塗布機構であり、前記ブラシローラの使用時間にあわせて、前記帯電手段に印加する交流ピーク間電圧(Vp−p)を小さくしていくことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかの画像形成装置において、前記像担持体に潤滑剤を塗布する機構を、前記像担持体回転方向に対して該像担持体をクリーニングするクリーニング装置の下流側に搭載することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかの画像形成装置において、前記帯電手段として接触帯電ローラを搭載してなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8の画像形成装置において、前記帯電ローラが前記像担持体に対して微小ギャップを持って対向することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかの画像形成装置において、作像ユニットとして、前記像担持体と、前記帯電手段、前記像担持体のクリーニング装置、さらには前記像担持体上の潜像を現像する現像装置のうち少なくとも一つを含むプロセスカートリッジを用いてなることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【公開番号】特開2013−44871(P2013−44871A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181563(P2011−181563)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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