画像形成装置
【課題】数枚程度の連続印刷の場合でも、用紙間隔を短くすることで、印刷の高速化を図る。
【解決手段】用紙Pを搭載する用紙カセット25から1枚毎に給紙する給紙ローラ11と、給紙ローラ11により搬送される用紙Pの先端A1と後端A2を検出するINセンサ12と、用紙Pの先端A1からの用紙の長さを計測するステップカウンタ部43と、用紙Pの全長から、所定の短縮時間に相当する間隔を減じて算出した比較媒体長を記憶する長さ情報格納部48と、複数用紙の連続印刷のとき、先の用紙P−1についてステップカウンタ部43により計測した用紙の長さが、長さ情報格納部48に記憶する比較媒体長と一致したとき、次の用紙P−2の給紙を開始するよう制御する。
【解決手段】用紙Pを搭載する用紙カセット25から1枚毎に給紙する給紙ローラ11と、給紙ローラ11により搬送される用紙Pの先端A1と後端A2を検出するINセンサ12と、用紙Pの先端A1からの用紙の長さを計測するステップカウンタ部43と、用紙Pの全長から、所定の短縮時間に相当する間隔を減じて算出した比較媒体長を記憶する長さ情報格納部48と、複数用紙の連続印刷のとき、先の用紙P−1についてステップカウンタ部43により計測した用紙の長さが、長さ情報格納部48に記憶する比較媒体長と一致したとき、次の用紙P−2の給紙を開始するよう制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像を形成する画像形成部へ、複数の媒体を順次供給する媒体供給部を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、用紙カセットなどの用紙を収容する部位より、モータと給紙ローラと分離舌片とを使用し、1枚毎に用紙を供給し、その用紙上に画像を形成していた。そして、近年印刷の高速化が市場より求められ、用紙の搬送速度を向上させるとともに、用紙間の距離を短くすることでさらなる高速化を行っている。また、用紙間距離を短くするため、用紙後端検知用センサを給紙ローラの直後に追加している装置もあるが、センサの追加によるコスト増や組み立て性の悪化などの問題があった。
【0003】
ここで、特開平11−59954号公報(特許文献1)には、給紙ローラを回転させて少なくとも1枚の用紙を給紙し、給紙された用紙の用紙長を算出し、算出された用紙長に基づいて用紙間隔を算出し、用紙長及び用紙間隔に基づいて給紙タイミングを発生させ、印刷の高速化とコストの低減化を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−59954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術の画像形成装置では、1枚目と2枚目では用紙間隔が開いてしまい、数枚程度しか連続印刷をしない一般的なオフィスでは、予測による用紙間隔の短縮の効果が出ないという問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、数枚程度の連続印刷の場合でも、用紙間隔を短くすることで、更なる印刷の高速化を図る画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、複数媒体を搭載する媒体カセットから1枚毎に給紙搬送する媒体給紙搬送手段と、前記媒体給紙搬送手段により搬送される前記媒体の先端と後端を検出し、正常に給紙が行えたかどうかを検出する媒体検出手段と、前記媒体給紙搬送手段により搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記媒体検出手段の検出した前記媒体の先端からの媒体長を計測する媒体長計測手段と、前記媒体長計測手段により計測した前記媒体の全長から算出した所定の長さ情報を記憶する長さ情報格納部と、複数媒体の連続印刷のとき、先の媒体について前記媒体長計測手段により計測した媒体長が、前記長さ情報格納部に記憶する前記長さ情報と一致したとき、次の媒体の給紙を開始するよう制御する制御部を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
上記構成を有する本発明によれば、数枚程度の連続印刷の場合でも、用紙間隔を短くすることで、更なる印刷の高速化を図る画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に関するプリンタの構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態に関するプリンタのプリンタ制御部の概要を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に関するCPUの機能を示すブロック図である。
【図4】複数枚印刷するときの用紙間隔について示す説明図である。
【図5】第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に関する電源投入時の処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に関する紙有センサの処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態に関する動作を示すタイムチャートである。
【図9】第2の実施の形態に関するプリンタとトレイの構成を示す断面図である。
【図10】第2の実施の形態に関するカセットレバーの配置を示す説明図である。
【図11】第2の実施の形態に関する動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態に関するプリンタ1の構成を示す断面図である。画像形成装置としてのプリンタ1の内部は、4色のトナーに対応して画像を形成する画像形成手段としての画像形成部2K、2Y、2M、2Cと、それらに対向して設置された転写ローラ10K、10Y、10M、10Cと、画像を形成するための光源となるLEDヘッド3K、3Y、3M、3Cを有する。画像形成部2Kは感光体ドラム4K、現像ローラ6K及び帯電ローラ7K等を有する。他の画像形成部2Y、2M、2Cも同様である。
【0011】
プリンタ1の下部には、用紙Pを複数枚搭載しておき、順次用紙Pを分離繰出すための着脱自在な用紙カセット25と、用紙カセット25内のシートレシーブ部24及びシートレシーブ部24から分離用舌片などを併用して1枚毎用紙Pを分離繰出すための媒体給紙搬送手段としての給紙ローラ11を有する。そして、給紙ローラ11によって給紙されてきた用紙Pを搬送ベルト18まで搬送するための搬送ローラ14及び15を有する。
【0012】
画像形成部2K、2Y、2M、2Cの下部には、無端状で用紙Pの搬送を行う搬送ベルト18、搬送ベルト18の回転に合わせて回転し、搬送ベルト18の張りを一定に保つよう図示しないスプリングで保持されたベルト従動ローラ16、後述するモータとギヤで接続され搬送ベルト18を動かすためのベルト駆動ローラ17を有する。
【0013】
そして、画像形成部2K、2Y、2M、2Cの下流には、用紙Pに転写された画像を定着する定着ユニット29が設けられる。定着ユニット29の内部には、図示しないハロゲンランプなどの発熱体を有することにより用紙Pを加熱及び加圧して用紙Pに現像剤の定着を行う定着ローラ19、及び定着ローラ19に用紙Pを押し付けるための定着バックアップローラ20を有する。
【0014】
本実施の形態におけるセンサとしては、用紙Pの先端A1と後端A2を検出することにより給紙ローラ11が正常に給紙を行えたかどうかを検出する媒体検出手段としてのINセンサ12と、その後の用紙Pの先端A1を検出して書き出しタイミングを決定するための書込みセンサ13を有する。更に他のセンサとしては、定着ユニット29に用紙Pが巻き付いていなかどうかを監視するとともに定着後の用紙長さを検出するための排出センサ21と、用紙カセット25内の用紙Pの有無を検出するための紙有センサ26を有する。
【0015】
また、ここには図示していないが搬送路上の最少媒体間隔以下の距離に敷設されたローラと、各ローラ類を回転駆動するためのモータと、搬送路上のローラへの動力伝達のON/OFFのためのクラッチも構成要素として有する。
【0016】
各ローラ類を回転駆動するためのモータとしては次に図2で説明するように、ベルト/ドラムモータ110を有する。ベルト/ドラムモータ110はベルト駆動ローラ17、画像形成部2K、2Y、2M、2Cの感光体ドラム4K及び現像ローラ6K等を駆動する。定着モータ111は、定着ローラ19及び定着バックアップローラ20を駆動する。そして、給紙搬送モータ112は、給紙ローラ11及び搬送ローラ14及び15を駆動する。なお、給紙搬送モータ112はステッピングモータを使用しており、用紙Pの移動距離とステップ数が比例するため何ステップ進んだかカウント可能である。
【0017】
一方、ローラへの動力伝達のON/OFFのためのクラッチとしては、同じく同図で説明するように、給紙クラッチ113は給紙ローラ11への駆動の連結を行い、搬送クラッチ114は搬送ローラ14及び15への駆動の連結を行う。
【0018】
図2は、第1の実施の形態に関するプリンタ1のプリンタ制御部100の概要を示すブロック図である。プリンタ制御部100は、図示しないROMに書き込まれたプログラムによって動作するところの一般的なCPU101と、各種動作用のパラメータを記憶するRAM109を有する。なお、RAM109は電源を切ると内容が消えるものである。更に、ホストとの接続を有線又は無線で行うホストI/F部102、及びLEDヘッド3K、3Y、3M、3Cと接続される画像制御部103を有する。なお、LEDヘッド3K、3Y、3M、3Cは、ホストからのデータによりフォントの展開及びトーンの形成などを行うことによりLEDヘッドデータから画像を形成する。
【0019】
更に、プリンタ制御部100は、ベルト/ドラムモータ110を駆動するためのベルト/ドラム駆動部104と、定着モータ111を駆動するための定着駆動部105と、給紙ローラ11及び搬送ローラ14及び15を回転させるところの給紙搬送モータ112を駆動する給紙駆動部106と、給紙搬送モータ112の駆動を給紙ローラ11へと連結を行う給紙クラッチ113を駆動するための給紙クラッチ駆動部107と、給紙搬送モータ112の駆動を搬送ローラ14及び15へと連結を行う搬送クラッチ114を駆動するための搬送クラッチ駆動部108とを有する。
【0020】
その他、帯電ローラ7K及び転写ローラ10K等に200V〜5000Vの高電圧を供給する高圧電源、及び回路やモータに5V又は24Vを供給する低圧電源からなる電源115が構成される。更に、CPU101は、給紙ローラ11が正常に給紙を行えたかどうかを検出するINセンサ12と、用紙カセット25内の用紙Pの有無を検出するための紙有センサ26と、用紙Pの先端A1を検出して書き出しタイミングを決定するための書込みセンサ13と、定着ユニット29に用紙Pが巻き付いていないことを監視する排出センサ21とにそれぞれ接続され、これらからのON/OFF信号を受ける。
【0021】
図3は、第1の実施の形態に関するCPU101の機能を示すブロック図である。主に本実施の形態に関連する機能を説明する。制御部40は図示しないROMに書き込まれたプログラムによって動作し各部を制御する。データ監視部41はホストからホストI/F部を介して印刷の要求が来ていないかどうか監視する。INセンサ監視部42は、給紙ローラ11によって繰り出された用紙Pの先端A1がINセンサ12に到着しているか監視する。媒体長計測手段としてのステップカウンタ部43は給紙搬送モータ112のステップ数をカウントし、搬送している用紙Pの先端A1からの長さを計測する。時間監視部44は用紙Pが感光ドラム4Kの下に到達したタイミングを時間監視する。
【0022】
更に、長さ情報有無判定部45は用紙Pの長さ情報がRAM109に格納されているか、即ち、長さ情報としての後述する「比較媒体長B」が長さ情報格納部48に格納されているか判定する。後述するように、1枚目の用紙Pを搬送するときは、未だ比較媒体長Bが長さ情報格納部48に格納されていないが、2枚目以降の用紙Pを搬送するときは、比較のために比較媒体長Bが長さ情報格納部48に格納されている。
【0023】
長さ情報比較判定部46は長さ情報格納部48に格納された比較媒体長Bとしてのステップ数と、ステップ205においてステップカウンタ部43がカウントしたステップ数が一致するかどうか判定する。
【0024】
長さ情報算出部47は長さ情報としての比較媒体長Bを算出する。「比較媒体長B」とは、媒体長計測手段としてのステップカウンタ部43が計測する用紙Pの先端A1からの長さをこの比較媒体長Bと比較し、比較の結果一致したとき、給紙ローラ11が次の用紙Pの分離繰出しを開始する長さである。換言すると、比較媒体長Bは、次の用紙Pの分離繰出しを開始するのに、前の用紙Pがどれだけ搬送したか、比較の基準にする長さである。これは用紙Pの長さから所定の短縮時間に相当する間隔(ここでは60mm)を減じた長さである。そして、比較媒体長記憶手段としての長さ情報格納部48は、長さ情報算出部47が算出した比較媒体長Bを格納する。
【0025】
ここで、所定の短縮時間に関係する用紙間隔(ここでは110mm又は50mm)について説明する。図4は、複数枚印刷するときの用紙間隔について示す説明図である。同図(a)は用紙間隔が110mmで搬送する場合を示す。同図(b)は用紙間隔が50mmで搬送する場合を示す。
【0026】
同図(a)に示すように、全長Aの1枚目の用紙P−1は矢印C方向に搬送されている。用紙P−1の後端A2がINセンサ12によって検出されると、給紙ローラ11が回転を開始することによってシートレシーブ部24に複数搭載された用紙Pのうち最上位の用紙P−2が分離繰出される。これによって、1枚目の用紙P−1と2枚目の用紙P−2との用紙間隔は、INセンサ12と給紙ローラ11との間隔であるところの110mmとなる。
【0027】
一方、用紙間隔を短くすると、印刷時間を短縮することができる。同図(b)は用紙間隔が50mmで搬送する場合を示す。同図(b)に示すように1枚目の用紙P−1の後端A2より60mm手前の点B2がINセンサ12を通過すると、給紙ローラ11が回転を開始し、最上位の用紙P−2が分離繰出される。これによって、1枚目の用紙P−1と2枚目の用紙P−2との用紙間隔は50mmとなるので、印刷時間を60mmに相当する時間だけ短縮することができる。
【0028】
なお、本実施の形態においては、例えば電源投入後、1枚目の用紙P−1の全長Aを計測するために同図(a)に示すように用紙間隔110mmで2枚目を搬送し、それ以降は同図(b)に示すように用紙間隔50mmで搬送する。そして、用紙Pの先端A1から点B2までの距離(A1−B2)が「比較媒体長B」である。
【0029】
以下、本発明に関わるプリンタ1の基本動作を説明する。プリンタ1は有線又は無線を介してホストI/F部102でホストに接続されている。このホストから印刷データの転送を受け印刷の指示を受けると用紙カセット25内のシートレシーブ部24より給紙ローラ11を回転させて用紙Pを1枚搬送ローラ14及び15まで送り出す。途中のINセンサ12は給紙ローラ11が正常に給紙を行えたかどうかを検出する。INセンサ12が正常に給紙を行えなかった場合に再度給紙動作を行う。
【0030】
画像形成部2K、2Y、2M、2Cは、給紙開始とほぼ同時にローラ類の回転を開始する。画像形成部2K、2Y、2M、2Cのローラ類の回転開始に伴って、搬送ベルト18はベルト駆動ローラ17が回転することにより感光体ドラム4K等と同一速度にて移動を開始する。この時点で画像形成部2K等を動作させる理由は、感光体ドラム4K等に用紙Pが到達するまでに感光体ドラム4K等を1周以上回転させるためである。
【0031】
INセンサ12に先端A1が到達した用紙Pは、給紙ローラ11で1枚分離した際にスキューをしており、回転していない搬送ローラ14及び15に突き当てることでスキューを取っている。突き当て後、搬送ローラ14及び15は搬送クラッチ114で動力がつながれ回転し、更に搬送されて行き、書込みセンサ13をONにする。書込みセンサ13がONのあと一定時間後にLEDヘッド3Kが露光を開始して静電潜像を画像形成部2Kの感光体ドラム4K上に形成する。
【0032】
この形成された静電潜像に従って現像ローラ6Kにてトナー像が感光体ドラム4K上に形成される。このトナー像を転写ローラ10Kとの間に用紙Pが到達した時点で、転写ローラ10Kに約+3000Vの電圧を掛けてトナーを用紙P側に引き寄せて、トナー像の用紙Pへの転写を行う。他の色も順次、画像形成部2Y、2M、2Cにおいて同様に露光及び転写を行っていく。
【0033】
用紙Pへの転写が終わると、用紙Pは定着ユニット29の定着ローラ19と定着バックアップローラ20との間で加熱及び加圧され、用紙Pにトナーが定着する。定着後、用紙Pの先端A1は排出センサ21をONした後、用紙Pは排出ローラ22、23によって、スタッカに排出されていく。
【0034】
図5は第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。印刷動作は大別すると、用紙カセット25から用紙Pを一枚毎に分離繰出す給紙系のルーチン、及び一枚毎に分離された用紙Pを画像形成部2K等へ搬送し、画像形成した後の用紙Pを排出する搬送排出系のルーチンの大きく2つに分かれる。ここでは給紙系のルーチンのみを示す。以下にフローの概略を説明する。
【0035】
ステップ201:CPUの動作で、内部のサブルーチンがコールされ、本ルーチンがスタートする。
ステップ202:CPU101の制御部40はデータ監視部41に対し、ホストからホストI/F部102を介して印刷の要求が来ていないかどうか監視するよう指示する。印刷要求があったときにはステップ203に移行する。
【0036】
ステップ203:印刷要求があったとき、制御部40は給紙駆動部106及び給紙クラッチ駆動部107に対し、給紙の開始をするよう指示する。給紙駆動部106は給紙搬送モータ112を動作させ給紙ローラ11を駆動する。給紙クラッチ駆動部107は給紙クラッチ113をONし、シートレシーブ部24から用紙Pを1枚、搬送ローラ14及び15の方向に運んでいく。同時に、制御部40はベルト/ドラム駆動部104に対し、ベルト/ドラムモータ110を駆動し、ベルト駆動ローラ17、感光体ドラム4K及び現像ローラ6K等を駆動するよう指示する。
【0037】
ステップ204:制御部40はINセンサ監視部42に対し、ステップ203で運ばれた用紙Pの先端A1がINセンサ12に到着しているか監視するよう指示する。INセンサ12がONするとステップ205に進む。
【0038】
ステップ205:INセンサ12がONすると、制御部40は媒体長計測手段としてのステップカウンタ部43に対し、給紙搬送モータ112のステップ数のカウントを開始するよう指示する。給紙搬送モータ112はステッピングモータを使用しており移動距離とステップ数が比例するため、何ステップ進んだかカウントする。またここでのカウント数の初期値は0である。
【0039】
ステップ206:INセンサ12がONしてから約10mm進むと用紙Pの先端A1が搬送ローラ14及び15に当たってスキューが取れるため、制御部40は時間監視部44に対し、当たるタイミングを時間監視するよう指示する。そして制御部40は所定のタイミングになると搬送クラッチ駆動部108に対して、搬送クラッチ114をONして用紙Pを更に先へと搬送するよう指示する。
【0040】
ステップ207:制御部40は時間監視部44に対し、用紙Pが感光ドラム4Kの下に到達したタイミングを時間監視するよう指示する。
ステップ208:用紙Pが感光ドラム4Kの下に到達したタイミングで、制御部40は給紙クラッチ駆動部107に対し、給紙クラッチ113をOFFするよう指示することにより、給紙ローラ11の駆動を停止し不要な用紙Pの給紙を防ぐ。
【0041】
ステップ209:CPU101内部の長さ情報格納部48としてのRAM109に給紙した用紙Pの長さ情報、即ち「比較媒体長B(A1−B2)」が格納されているかどうかの確認をするステップである。用紙Pの比較媒体長Bは、電源115を落とすと内容が消えてしまうRAM109に保持しているため、電源投入時に「0」クリアされる。また、用紙無しのときも「0」クリアされる。即ち、電源投入直後及び用紙Pを交換した直後においては、1枚目の用紙P−1の印刷中は用紙Pの比較媒体長Bは未だ格納されていない。
【0042】
よってこのステップでは、制御部40は長さ情報有無判定部45に対し、用紙Pの比較媒体長Bが格納されているか判定するよう指示する。長さ情報が「0」の場合(=0)は1枚目の用紙P−1であるので、現在の用紙Pの長さ測定のステップ210に移行する。長さ情報が「0」でない場合(≠0)は2枚目の用紙P−2であるので比較媒体長Bの分だけ搬送したかどうか判定するステップ212に移行する。
【0043】
ステップ210:ステップ209において長さ情報が「0」の場合(=0)、1枚目の用紙P−1であるので、制御部40はINセンサ監視部42に対し、用紙P−1の後端A2がINセンサ12に到着していないか(即ちOFF)監視するよう指示する。OFFすればステップ211に移行する。
【0044】
ステップ211:長さ情報としての比較媒体長Bを計算し、長さ情報格納部48に格納するステップである。即ち、制御部40は媒体長計測手段としてのステップカウンタ部43に対し、INセンサ12がOFFしたときの値(計測した用紙Pの全長A)を計測するよう指示する。そして、制御部40は長さ情報算出部47に対し、計測した用紙Pの全長Aから、所定の短縮時間に相当する間隔(ここでは60mm)を減じた比較媒体長Bを算出するよう指示する。そして、制御部40は長さ情報格納部48に対し、算出した比較媒体長Bを格納するよう指示する。
【0045】
ステップ212:ステップ209において長さ情報が「0」でない場合(≠0)、2枚目以降の用紙P−2であるので、制御部40は長さ情報比較判定部46に対し、長さ情報格納部48に格納された長さ情報としての比較媒体長Bと、ステップ205においてステップカウンタ部43が開始したステップ数のカウント値が同じになるかどうか判定するよう指示する。同じになったとき、ステップ213に移行する。
【0046】
ステップ213: 制御部40は給紙クラッチ駆動部107に対し、給紙の再開をするよう指示する。給紙クラッチ駆動部107は給紙クラッチ113をONし、シートレシーブ部24から用紙Pを1枚、搬送ローラ14及び15の方向に運んでいく。その後制御部40は本ルーチンを抜ける。
【0047】
ステップ214で本処理は一旦終了するが、メインルーチンからすぐにステップ201がサブルーチンコールされて印刷待機状態になる。ここで印刷要求が来ていれば次の給紙が行われる。
【0048】
図6は、第1の実施の形態に関する電源投入時の処理を示すフローチャートである。CPUは電源投入時にまず以下の処理を行う。
ステップ301で電源115の投入でリセット解除され、動作開始する。
ステップ302で図示しないROMのHASHのチェックをする。ここでエラーの場合、以降は動作しない。
【0049】
ステップ303からステップ310までが内臓RAM109のチェックで「FF」、「55」、「AA」、「00」を順次書いては読み、正しく書けているかを確認し、問題なければ以降の処理を行う。エラーがあればエラーの表示をして以降の処理はしない。ここで、RAM109は最後に「00」が書かれて、長さ情報他の値がクリアされる。
【0050】
図7は、第1の実施の形態に関する紙有センサ26の処理を示すフローチャートである。紙有センサ26は用紙カセット25内の用紙Pの有無を検出する。本実施の形態では、紙の有無を給紙直前と、100mSおきに見に行っており、このサブルーチンがコールされる。
【0051】
ステップ401でこの処理がコールされる。
ステップ402でセンサの電源115を確認する。このときセンサの電源115が入っていなければ用紙Pがなくなっているか確認できないので、ステップ404で用紙長さ情報は0クリアされる。
【0052】
ステップ403で紙有センサ26からの入力を確認して、紙無しの場合はステップ404で用紙長さ情報は0クリアされる。その後、ステップ405で元の処理に復帰する。
【0053】
なお、本実施の形態ではスリープモードの際は、省電力のためほとんどのセンサの電源115を落としており紙有センサ26も電源115を落としている。そのためセンサが機能しないときがあり、その時は紙無しと同等とする。
【0054】
図8は、第1の実施の形態に関する動作を示すタイムチャートである。このタイムチャートは紙有センサ26で紙無しと判断された後、2枚の印刷ジョブが2回あった場合を示している。用紙交換の後(a)、第1回目の印刷要求があったとき、給紙搬送モータ112が回転を始め(b)、同時に給紙クラッチ113もON(c)する。そこで1枚目の用紙P−1が給紙ローラ11によって分離繰り出されてINセンサ12がON(d)する。そして回転していない搬送ローラ14及び15に突き当て後、搬送クラッチ114がON(e)し、搬送ローラ14及び15が回転する。その後用紙Pが少しだけ搬送されると、書込みセンサ13がON(f)し、用紙Pの先端A1を検出して書き出しタイミングを決定する。書込みセンサ13がONすると、給紙クラッチ113がOFF(g)し、給紙ローラ11の回転を止める。
【0055】
用紙Pの交換後においては、1枚目はINセンサ12がOFF(h)で用紙P−1の全長Aの測定が終わるので、給紙クラッチ113がON(i)し、給紙ローラ11を回転することにより、次の用紙Pの給紙を開始する。そのため用紙交換後、1枚目と2枚目の用紙間隔は、給紙ローラ11からINセンサ12までの距離110mmが開くことになる。時間(g−i)は110mmに相当することになる。
【0056】
なお、書込みセンサ13がOFF(j)すると、搬送クラッチ114がOFF(k)し搬送ローラ14及び15が回転を止める。また、2枚目の用紙Pが給紙ローラ11によって分離繰り出されてINセンサ12がON(d)した後は、1枚目の用紙Pと同じである。そして、書込みセンサ13がOFF(l)すると、給紙搬送モータ112がOFF(m)し、搬送クラッチ114がOFF(n)し、給紙ローラ11及び搬送ローラ14及び15が回転を止める。
【0057】
第2回目の印刷要求では、用紙Pの交換がないため用紙Pの全長Aが分かっていることになる。給紙クラッチ113がON(o)して3枚目の用紙P−3が給紙ローラ11による分離繰り出されてINセンサ12がON(p)する。INセンサ12がON(p)してからステップ数をカウントする(q)。これにより用紙P−3の後端A2が給紙ローラ11の下を抜けた瞬間(r)は、カウントによって分かる。
【0058】
その後、用紙間隔50mmをあけて次の給紙を行う(s)ことになる。時間(r−s)は50mmに相当する。これにより第2回目の印刷要求は第1回目の印刷要求よりも60mm相当、即ち、A4用紙でおよそ8%の速度アップに相当する時間短縮を行うことができる(第1回目に対する短縮時間60mm/(A4用紙2枚の全長2×298mm+第1回目の用紙間隔110mm)≒8%)。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態のルーチンを使用し、給紙搬送モータ112のステップ数をカウントすることで、次の用紙Pの給紙タイミングを得ることができる。後端通過時の算出から次の用紙Pの供給開始まで、用紙間隔で110mm相当に対し50mm相当での印刷が可能になる。また、電源投入時、スリープモードから復旧時及び用紙Pの交換時の後の第1回目の印刷要求における1枚目の用紙P−1のみに用紙全長Aの測定を行うことで、2〜3枚といった短い印刷要求であっても、常に50mmの用紙間隔で印刷できる。
【0060】
以上説明したように、用紙の全長Aの測定を電源投入時とスリープモードからの復旧時と用紙交換時に行い、その測定値をもとに長さ情報としての比較媒体長Bを算出して次の給紙タイミングを得ることとしたので、2枚目の用紙P−2の後端A2を監視するためのセンサの動作が不要である。そのため、装置構成を簡単にできるという効果を有する。更に、用紙間隔をセンサの位置に寄らず決定することができるため非常に短く設定でき、従って、印刷の高速化が可能となるという効果を有する。また、用紙長さの測定を用紙交換時、スリープモードからの復旧時と電源投入時のみとすることで、用紙長さ測定によるスループットへの影響をほぼ無くすことができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に関するプリンタ1は複数の供給機構としてのトレイを有している。図9は、第2の実施の形態に関するプリンタ1とトレイの構成を示す断面図である。第2の実施の形態に関する画像形成装置としてのプリンタ1の画像形成部2Kについては第1の実施の形態と同じになる。
【0062】
用紙Pを複数枚搭載して、順次用紙Pを分離繰出すための着脱自在な用紙カセット25と、用紙カセット25内のシートレシーブ部24及びシートレシーブ部24から分離用舌片などを併用して1枚毎用紙Pを分離繰出すための媒体給紙搬送手段としての給紙ローラ11と給紙されてきた用紙Pを搬送ベルト18まで搬送するための搬送ローラ14及び15を有する。
【0063】
本実施の形態に関するセンサとしては、給紙ローラ11が正常に給紙を行えたかどうかを検出する媒体検出手段としてのINセンサ12と、用紙カセット25の引抜き動作と連動することにより用紙カセット25がない場合INセンサ12をONにするカセットレバー27と、用紙Pの先端を検出して書き出しタイミングを決定するための書込みセンサ13と、用紙Pの有無を検出するための紙有センサ26を有する。
【0064】
また、本実施の形態ではプリンタ1本体の下にオプショントレイとしての第2トレイ50及び第3トレイ70を2段有し、第2トレイ50、第3トレイ70からも用紙Pを供給可能としている。従って以下の説明では、プリンタ1本体のトレイを第1トレイ30とする。
【0065】
上から2段目のオプショントレイとしての第2トレイ50は、用紙Pを複数枚搭載して順次用紙Pを分離繰出すための着脱自在な用紙カセット55と、用紙カセット55内のシートレシーブ部54及びシートレシーブ部54から分離用舌片などを併用して1枚毎用紙Pを分離繰出すための媒体給紙搬送手段としての給紙ローラ51を有する。第2トレイ50内のセンサ類としては、用紙カセット55に用紙Pがあるかどうか検出する紙有センサ56と、本体までの経路が長いため給紙が行われているかを途中で確認できるように設けたINセンサ52及び用紙カセット55の引抜き動作と連動することにより用紙カセット55が無い場合INセンサ52をONにするカセットレバー57を有する。
【0066】
上から3段目のオプショントレイとしての第3トレイ70は、同様に、用紙Pを複数枚搭載して順次用紙Pを分離繰出すための着脱自在な用紙カセット75と、用紙カセット75内のシートレシーブ部74及びシートレシーブ部74から分離用舌片などを併用して1枚毎用紙Pを分離繰出すための媒体給紙搬送手段としての給紙ローラ71を有する。第3トレイ70のセンサ類としては、同様に、用紙カセット75に用紙Pがあるかどうか検出する紙有センサ76と、本体までの経路が長いため給紙が行われているかを途中で確認できるように設けたINセンサ72及び用紙カセット75の引抜き動作と連動することにより用紙カセット75が無い場合INセンサ72をONにするカセットレバー77を有する。
【0067】
また、ここには図示していないが搬送路上の最少媒体間隔以下の距離に敷設されたローラ、各ローラ類を回転駆動するためのモータ、搬送路上のローラへの動力伝達のON/OFFのためのクラッチも構成要素として有する。
【0068】
図10は、第2の実施の形態に関するカセットレバー27の配置を示す説明図である。カセットレバー27は、プリンタ1の筐体内部に固定された支点28を中心に回動可能に取り付けられる。カセットレバー27は、用紙カセット25の側部に左右に設けられる。左右のカセットレバー27の上端には、INセンサレバー12aを駆動するセンサ駆動バー31が水平に掛け渡されている。センサ駆動バー31はINセンサレバー12aに駆動可能に係合している。左右のカセットレバー27の下端は、用紙カセット25の側部と係合している。そのため用紙カセット25が用紙交換のためプリンタ1から矢印D方向に引き抜かれると、カセットレバー27の下端は支点28を中心に矢印E方向に回動する。カセットレバー27の下端が矢印E方向に回動すると、カセットレバー27の上端に設けられたセンサ駆動バー31が矢印F方向に回動する。
【0069】
INセンサ12はINセンサレバー12aとフォトセンサ12bから構成される。INセンサレバー12aは赤外線遮光樹脂からなり丸い突起部32により回転可能に支持される。前述の給紙ローラ11によって給紙された用紙Pが矢印G方向に搬送されるとき、用紙PがINセンサレバー12aの下端部12a−1を矢印H方向に押し上げるように構成される。
【0070】
フォトセンサ12bは一般的なフォトインタラプタで、赤外線LEDとこれに対向してフォトダイオード又はフォトトランジスタから構成される。INセンサレバー12aが赤外線LEDの光を透過するか遮光するかでON/OFFとなる。本実施の形態では遮光するときをINセンサ12のONとしている。INセンサレバー12aの下端部12a−1が矢印H方向に押し上げられると、上端部12a−2は矢印J方向に下降する。INセンサレバー12aの上端部12a−2が矢印J方向に下降すると、上端部12a−2が赤外線LEDの光を遮光する。よって、用紙Pが矢印G方向に搬送されるとき、INセンサ12はONになる。
【0071】
一方、前述のように、用紙カセット25が矢印D方向に引き抜かれると、カセットレバー27の上端に設けられたセンサ駆動バー31は矢印F方向に回動する。センサ駆動バー31が矢印F方向に回動すると、INセンサレバー12aの下端部12a−1を矢印H方向に跳ね上げる。INセンサレバー12aの下端部12a−1が矢印H方向に押し上げられると、上端部12a−2は矢印J方向に下降する。すると、INセンサレバー12aの上端部12a−2が赤外線LEDの光を遮光し、INセンサ12がONとなる。これにより、カセットレバー27は用紙カセット25の引抜き動作と連動することにより、用紙カセット25がない場合、INセンサ12をONにする。なお、カセットレバー57及びカセットレバー77も同様の構成であるので説明を省略する。
【0072】
以下、第2の実施の形態に関するプリンタ1の給紙の基本動作を説明する。プリンタ1は、ホストから印刷データの転送と給紙トレイの選択の指示を受信し、印刷の指示を受ける。選択されたトレイが第1トレイ30のとき、用紙カセット25内のシートレシーブ部24より給紙ローラ11を回転させて用紙Pを1枚搬送し、搬送ローラ14及び15まで送り出す。途中のINセンサ12は給紙ローラ11が給紙を正常に行えたかどうかを検出して、正常に行えなかった場合に再度給紙動作を行う。
【0073】
更に、選択されたトレイが第2トレイ50のときは、第1トレイ30の用紙カセット25が引き抜かれていると用紙Pが送れない。第1トレイ30の紙有センサ26が紙有の場合、第1トレイ30の用紙カセット25は引き抜かれていないため、第2トレイ50のシートレシーブ部54より給紙ローラ51を回転させて用紙Pを1枚搬送し、プリンタ1に供給する。
【0074】
第1トレイ30の紙有センサ26が紙無しの場合、第1トレイ30の用紙カセット25は引き抜かれている可能性がある。用紙カセット25が引き抜かれていれば、これに連動して、カセットレバー27が回動することにより、第1トレイ30のINセンサ12がONとなる。そのため、INセンサ12がOFFになるのを待って、シートレシーブ部54より給紙ローラ51を回転させて用紙Pを1枚搬送し、プリンタ1に供給する。途中のINセンサ52は給紙ローラ51が給紙を正常に行えたかどうかを検出して、正常に行えなかった場合に再度給紙動作を行う。
【0075】
更にまた、選択されたトレイが第3トレイ70のときは、第2トレイ50の用紙カセット55が引き抜かれていると用紙Pが送れない。第2トレイ50の紙有センサ56が紙有の場合、第2トレイ50の用紙カセット55は引き抜かれていないため、第3トレイ70のシートレシーブ部74より給紙ローラ71を回転させて用紙Pを1枚搬送し、第2トレイ50に供給する。第2トレイ50の紙有センサ56が紙無しの場合、第2トレイ50の用紙カセット55は引き抜かれている可能性がある。用紙カセット55が引き抜かれていれば、これに連動して、カセットレバー57が回動することにより、第2トレイ50のINセンサ52がONとなる。そのため、INセンサ52がOFFになるのを待ってシートレシーブ部74より給紙ローラ71を回転させて用紙Pを1枚搬送し、第2トレイ50に供給する。
【0076】
その後、第2トレイ50のINセンサ52がONした際に、第1トレイ30の紙有センサ26が紙有であれば、そのまま用紙Pを搬送し、プリンタ1に供給する。第1トレイ30の紙有センサ26が紙無しのときはINセンサ12がOFFの場合はそのまま搬送し、INセンサ12がONの場合はここで待機し、INセンサ12がOFFになるのを待つ。途中の第3トレイ70のINセンサ72は給紙ローラ71が給紙を正常に行えたかどうかを検出して、正常に行えなかった場合に再度給紙動作を行う。
【0077】
印刷をしていないときに第1トレイ30のINセンサ12がONで、紙有センサ26が紙無しの場合、第1トレイ30に用紙無し又は用紙カセット25が引き抜かれているとして印刷をしない。更に、印刷をしていないときに第2トレイ50のINセンサ52がONで、紙有センサ56が紙無しの場合、第2トレイ50の用紙カセット55が引き抜かれているとして第3トレイ70からの印刷をしない。なお、第1トレイ30のINセンサ12又は第2トレイ50のINセンサ52がOFFになるのを待つ時間は60秒を上限とし、それ以上経過した場合はジャムとして処理する。
【0078】
図11は、第2の実施の形態に関する動作を示すタイムチャートである。このタイムチャートは第3トレイ70からの給紙を示しており、4枚の印刷要求に対する印刷の途中で第2トレイ50の用紙カセット55が引き抜かれた場合であり、当該用紙カセット55が戻されるまで給紙を待機していることを示す。
【0079】
用紙交換の後(a)、4枚の印刷要求があったとき、第3トレイ70の1枚目の用紙P−1が給紙ローラ71によって分離繰り出されてINセンサ72がON(b)する。その後、第2トレイ50へ送られINセンサ52をON(c)する。そして、プリンタ1へ送られINセンサ12をON(d)し、書込みセンサ13をON(e)する。2枚目の用紙P−2も同様にして給紙ローラ71によって分離繰出される。
【0080】
印刷の途中で第2トレイ50の用紙カセット55が引き抜かれると、紙有センサ56がOFF(f)となる。そして、用紙カセット55が引き抜かれることに連動して、カセットレバー57が回動することにより、第2トレイ50のINセンサ52がON(g)を継続することになり、給紙ローラ71による分離繰り出しが待機される。
【0081】
その後、第2トレイ50の用紙カセット55が戻されると、紙有センサ56がON(h)となり、INセンサ52はOFF(i)となる。INセンサ52はOFF(i)となると、第3トレイ70の3枚目の用紙P−3が引き続き給紙ローラ71によって分離繰り出され、INセンサ72がON(j)する。その後、第2トレイ50へ送られINセンサ52をON(k)する。そして、プリンタ1へ送られINセンサ12をON(l)し、書込みセンサ13をON(m)する。4枚目の用紙も同様にして給紙ローラ71によって分離繰出される。
【0082】
以上のように本実施の形態では、用紙カセットの有無検出センサを用紙搬送系のセンサと共用することで、センサを一つ減らすことができ、センサの削減、複雑な配線の減少により、組立て性の向上及び低コスト化が期待できる。
【0083】
本発明は1つ又は複数の用紙カセットから媒体を供給する画像形成装置であって、媒体間隔の短縮による高速化及び構造の簡略化に有効である。なお、第1の実施の形態にあってはLEDヘッドを使用した画像形成装置を使用しているが、小形のレーザーとポリゴンミラーから構成されるレーザー露光ユニットや、インクジェットであってもよく、画像形成ユニットの構造に依存するものではない。
【符号の説明】
【0084】
1 プリンタ
11 給紙ローラ
12 INセンサ
13 書込みセンサ
14、15 搬送ローラ
24 シートレシーブ部
25 用紙カセット
26 紙有センサ
45 長さ情報有無判定部
46 長さ情報比較判定部
47 長さ情報算出部
48 長さ情報格納部
A 用紙の全長
B 比較媒体長
P 用紙
【技術分野】
【0001】
本発明は画像を形成する画像形成部へ、複数の媒体を順次供給する媒体供給部を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、用紙カセットなどの用紙を収容する部位より、モータと給紙ローラと分離舌片とを使用し、1枚毎に用紙を供給し、その用紙上に画像を形成していた。そして、近年印刷の高速化が市場より求められ、用紙の搬送速度を向上させるとともに、用紙間の距離を短くすることでさらなる高速化を行っている。また、用紙間距離を短くするため、用紙後端検知用センサを給紙ローラの直後に追加している装置もあるが、センサの追加によるコスト増や組み立て性の悪化などの問題があった。
【0003】
ここで、特開平11−59954号公報(特許文献1)には、給紙ローラを回転させて少なくとも1枚の用紙を給紙し、給紙された用紙の用紙長を算出し、算出された用紙長に基づいて用紙間隔を算出し、用紙長及び用紙間隔に基づいて給紙タイミングを発生させ、印刷の高速化とコストの低減化を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−59954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術の画像形成装置では、1枚目と2枚目では用紙間隔が開いてしまい、数枚程度しか連続印刷をしない一般的なオフィスでは、予測による用紙間隔の短縮の効果が出ないという問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、数枚程度の連続印刷の場合でも、用紙間隔を短くすることで、更なる印刷の高速化を図る画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、複数媒体を搭載する媒体カセットから1枚毎に給紙搬送する媒体給紙搬送手段と、前記媒体給紙搬送手段により搬送される前記媒体の先端と後端を検出し、正常に給紙が行えたかどうかを検出する媒体検出手段と、前記媒体給紙搬送手段により搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記媒体検出手段の検出した前記媒体の先端からの媒体長を計測する媒体長計測手段と、前記媒体長計測手段により計測した前記媒体の全長から算出した所定の長さ情報を記憶する長さ情報格納部と、複数媒体の連続印刷のとき、先の媒体について前記媒体長計測手段により計測した媒体長が、前記長さ情報格納部に記憶する前記長さ情報と一致したとき、次の媒体の給紙を開始するよう制御する制御部を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
上記構成を有する本発明によれば、数枚程度の連続印刷の場合でも、用紙間隔を短くすることで、更なる印刷の高速化を図る画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に関するプリンタの構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態に関するプリンタのプリンタ制御部の概要を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に関するCPUの機能を示すブロック図である。
【図4】複数枚印刷するときの用紙間隔について示す説明図である。
【図5】第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に関する電源投入時の処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に関する紙有センサの処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態に関する動作を示すタイムチャートである。
【図9】第2の実施の形態に関するプリンタとトレイの構成を示す断面図である。
【図10】第2の実施の形態に関するカセットレバーの配置を示す説明図である。
【図11】第2の実施の形態に関する動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態に関するプリンタ1の構成を示す断面図である。画像形成装置としてのプリンタ1の内部は、4色のトナーに対応して画像を形成する画像形成手段としての画像形成部2K、2Y、2M、2Cと、それらに対向して設置された転写ローラ10K、10Y、10M、10Cと、画像を形成するための光源となるLEDヘッド3K、3Y、3M、3Cを有する。画像形成部2Kは感光体ドラム4K、現像ローラ6K及び帯電ローラ7K等を有する。他の画像形成部2Y、2M、2Cも同様である。
【0011】
プリンタ1の下部には、用紙Pを複数枚搭載しておき、順次用紙Pを分離繰出すための着脱自在な用紙カセット25と、用紙カセット25内のシートレシーブ部24及びシートレシーブ部24から分離用舌片などを併用して1枚毎用紙Pを分離繰出すための媒体給紙搬送手段としての給紙ローラ11を有する。そして、給紙ローラ11によって給紙されてきた用紙Pを搬送ベルト18まで搬送するための搬送ローラ14及び15を有する。
【0012】
画像形成部2K、2Y、2M、2Cの下部には、無端状で用紙Pの搬送を行う搬送ベルト18、搬送ベルト18の回転に合わせて回転し、搬送ベルト18の張りを一定に保つよう図示しないスプリングで保持されたベルト従動ローラ16、後述するモータとギヤで接続され搬送ベルト18を動かすためのベルト駆動ローラ17を有する。
【0013】
そして、画像形成部2K、2Y、2M、2Cの下流には、用紙Pに転写された画像を定着する定着ユニット29が設けられる。定着ユニット29の内部には、図示しないハロゲンランプなどの発熱体を有することにより用紙Pを加熱及び加圧して用紙Pに現像剤の定着を行う定着ローラ19、及び定着ローラ19に用紙Pを押し付けるための定着バックアップローラ20を有する。
【0014】
本実施の形態におけるセンサとしては、用紙Pの先端A1と後端A2を検出することにより給紙ローラ11が正常に給紙を行えたかどうかを検出する媒体検出手段としてのINセンサ12と、その後の用紙Pの先端A1を検出して書き出しタイミングを決定するための書込みセンサ13を有する。更に他のセンサとしては、定着ユニット29に用紙Pが巻き付いていなかどうかを監視するとともに定着後の用紙長さを検出するための排出センサ21と、用紙カセット25内の用紙Pの有無を検出するための紙有センサ26を有する。
【0015】
また、ここには図示していないが搬送路上の最少媒体間隔以下の距離に敷設されたローラと、各ローラ類を回転駆動するためのモータと、搬送路上のローラへの動力伝達のON/OFFのためのクラッチも構成要素として有する。
【0016】
各ローラ類を回転駆動するためのモータとしては次に図2で説明するように、ベルト/ドラムモータ110を有する。ベルト/ドラムモータ110はベルト駆動ローラ17、画像形成部2K、2Y、2M、2Cの感光体ドラム4K及び現像ローラ6K等を駆動する。定着モータ111は、定着ローラ19及び定着バックアップローラ20を駆動する。そして、給紙搬送モータ112は、給紙ローラ11及び搬送ローラ14及び15を駆動する。なお、給紙搬送モータ112はステッピングモータを使用しており、用紙Pの移動距離とステップ数が比例するため何ステップ進んだかカウント可能である。
【0017】
一方、ローラへの動力伝達のON/OFFのためのクラッチとしては、同じく同図で説明するように、給紙クラッチ113は給紙ローラ11への駆動の連結を行い、搬送クラッチ114は搬送ローラ14及び15への駆動の連結を行う。
【0018】
図2は、第1の実施の形態に関するプリンタ1のプリンタ制御部100の概要を示すブロック図である。プリンタ制御部100は、図示しないROMに書き込まれたプログラムによって動作するところの一般的なCPU101と、各種動作用のパラメータを記憶するRAM109を有する。なお、RAM109は電源を切ると内容が消えるものである。更に、ホストとの接続を有線又は無線で行うホストI/F部102、及びLEDヘッド3K、3Y、3M、3Cと接続される画像制御部103を有する。なお、LEDヘッド3K、3Y、3M、3Cは、ホストからのデータによりフォントの展開及びトーンの形成などを行うことによりLEDヘッドデータから画像を形成する。
【0019】
更に、プリンタ制御部100は、ベルト/ドラムモータ110を駆動するためのベルト/ドラム駆動部104と、定着モータ111を駆動するための定着駆動部105と、給紙ローラ11及び搬送ローラ14及び15を回転させるところの給紙搬送モータ112を駆動する給紙駆動部106と、給紙搬送モータ112の駆動を給紙ローラ11へと連結を行う給紙クラッチ113を駆動するための給紙クラッチ駆動部107と、給紙搬送モータ112の駆動を搬送ローラ14及び15へと連結を行う搬送クラッチ114を駆動するための搬送クラッチ駆動部108とを有する。
【0020】
その他、帯電ローラ7K及び転写ローラ10K等に200V〜5000Vの高電圧を供給する高圧電源、及び回路やモータに5V又は24Vを供給する低圧電源からなる電源115が構成される。更に、CPU101は、給紙ローラ11が正常に給紙を行えたかどうかを検出するINセンサ12と、用紙カセット25内の用紙Pの有無を検出するための紙有センサ26と、用紙Pの先端A1を検出して書き出しタイミングを決定するための書込みセンサ13と、定着ユニット29に用紙Pが巻き付いていないことを監視する排出センサ21とにそれぞれ接続され、これらからのON/OFF信号を受ける。
【0021】
図3は、第1の実施の形態に関するCPU101の機能を示すブロック図である。主に本実施の形態に関連する機能を説明する。制御部40は図示しないROMに書き込まれたプログラムによって動作し各部を制御する。データ監視部41はホストからホストI/F部を介して印刷の要求が来ていないかどうか監視する。INセンサ監視部42は、給紙ローラ11によって繰り出された用紙Pの先端A1がINセンサ12に到着しているか監視する。媒体長計測手段としてのステップカウンタ部43は給紙搬送モータ112のステップ数をカウントし、搬送している用紙Pの先端A1からの長さを計測する。時間監視部44は用紙Pが感光ドラム4Kの下に到達したタイミングを時間監視する。
【0022】
更に、長さ情報有無判定部45は用紙Pの長さ情報がRAM109に格納されているか、即ち、長さ情報としての後述する「比較媒体長B」が長さ情報格納部48に格納されているか判定する。後述するように、1枚目の用紙Pを搬送するときは、未だ比較媒体長Bが長さ情報格納部48に格納されていないが、2枚目以降の用紙Pを搬送するときは、比較のために比較媒体長Bが長さ情報格納部48に格納されている。
【0023】
長さ情報比較判定部46は長さ情報格納部48に格納された比較媒体長Bとしてのステップ数と、ステップ205においてステップカウンタ部43がカウントしたステップ数が一致するかどうか判定する。
【0024】
長さ情報算出部47は長さ情報としての比較媒体長Bを算出する。「比較媒体長B」とは、媒体長計測手段としてのステップカウンタ部43が計測する用紙Pの先端A1からの長さをこの比較媒体長Bと比較し、比較の結果一致したとき、給紙ローラ11が次の用紙Pの分離繰出しを開始する長さである。換言すると、比較媒体長Bは、次の用紙Pの分離繰出しを開始するのに、前の用紙Pがどれだけ搬送したか、比較の基準にする長さである。これは用紙Pの長さから所定の短縮時間に相当する間隔(ここでは60mm)を減じた長さである。そして、比較媒体長記憶手段としての長さ情報格納部48は、長さ情報算出部47が算出した比較媒体長Bを格納する。
【0025】
ここで、所定の短縮時間に関係する用紙間隔(ここでは110mm又は50mm)について説明する。図4は、複数枚印刷するときの用紙間隔について示す説明図である。同図(a)は用紙間隔が110mmで搬送する場合を示す。同図(b)は用紙間隔が50mmで搬送する場合を示す。
【0026】
同図(a)に示すように、全長Aの1枚目の用紙P−1は矢印C方向に搬送されている。用紙P−1の後端A2がINセンサ12によって検出されると、給紙ローラ11が回転を開始することによってシートレシーブ部24に複数搭載された用紙Pのうち最上位の用紙P−2が分離繰出される。これによって、1枚目の用紙P−1と2枚目の用紙P−2との用紙間隔は、INセンサ12と給紙ローラ11との間隔であるところの110mmとなる。
【0027】
一方、用紙間隔を短くすると、印刷時間を短縮することができる。同図(b)は用紙間隔が50mmで搬送する場合を示す。同図(b)に示すように1枚目の用紙P−1の後端A2より60mm手前の点B2がINセンサ12を通過すると、給紙ローラ11が回転を開始し、最上位の用紙P−2が分離繰出される。これによって、1枚目の用紙P−1と2枚目の用紙P−2との用紙間隔は50mmとなるので、印刷時間を60mmに相当する時間だけ短縮することができる。
【0028】
なお、本実施の形態においては、例えば電源投入後、1枚目の用紙P−1の全長Aを計測するために同図(a)に示すように用紙間隔110mmで2枚目を搬送し、それ以降は同図(b)に示すように用紙間隔50mmで搬送する。そして、用紙Pの先端A1から点B2までの距離(A1−B2)が「比較媒体長B」である。
【0029】
以下、本発明に関わるプリンタ1の基本動作を説明する。プリンタ1は有線又は無線を介してホストI/F部102でホストに接続されている。このホストから印刷データの転送を受け印刷の指示を受けると用紙カセット25内のシートレシーブ部24より給紙ローラ11を回転させて用紙Pを1枚搬送ローラ14及び15まで送り出す。途中のINセンサ12は給紙ローラ11が正常に給紙を行えたかどうかを検出する。INセンサ12が正常に給紙を行えなかった場合に再度給紙動作を行う。
【0030】
画像形成部2K、2Y、2M、2Cは、給紙開始とほぼ同時にローラ類の回転を開始する。画像形成部2K、2Y、2M、2Cのローラ類の回転開始に伴って、搬送ベルト18はベルト駆動ローラ17が回転することにより感光体ドラム4K等と同一速度にて移動を開始する。この時点で画像形成部2K等を動作させる理由は、感光体ドラム4K等に用紙Pが到達するまでに感光体ドラム4K等を1周以上回転させるためである。
【0031】
INセンサ12に先端A1が到達した用紙Pは、給紙ローラ11で1枚分離した際にスキューをしており、回転していない搬送ローラ14及び15に突き当てることでスキューを取っている。突き当て後、搬送ローラ14及び15は搬送クラッチ114で動力がつながれ回転し、更に搬送されて行き、書込みセンサ13をONにする。書込みセンサ13がONのあと一定時間後にLEDヘッド3Kが露光を開始して静電潜像を画像形成部2Kの感光体ドラム4K上に形成する。
【0032】
この形成された静電潜像に従って現像ローラ6Kにてトナー像が感光体ドラム4K上に形成される。このトナー像を転写ローラ10Kとの間に用紙Pが到達した時点で、転写ローラ10Kに約+3000Vの電圧を掛けてトナーを用紙P側に引き寄せて、トナー像の用紙Pへの転写を行う。他の色も順次、画像形成部2Y、2M、2Cにおいて同様に露光及び転写を行っていく。
【0033】
用紙Pへの転写が終わると、用紙Pは定着ユニット29の定着ローラ19と定着バックアップローラ20との間で加熱及び加圧され、用紙Pにトナーが定着する。定着後、用紙Pの先端A1は排出センサ21をONした後、用紙Pは排出ローラ22、23によって、スタッカに排出されていく。
【0034】
図5は第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。印刷動作は大別すると、用紙カセット25から用紙Pを一枚毎に分離繰出す給紙系のルーチン、及び一枚毎に分離された用紙Pを画像形成部2K等へ搬送し、画像形成した後の用紙Pを排出する搬送排出系のルーチンの大きく2つに分かれる。ここでは給紙系のルーチンのみを示す。以下にフローの概略を説明する。
【0035】
ステップ201:CPUの動作で、内部のサブルーチンがコールされ、本ルーチンがスタートする。
ステップ202:CPU101の制御部40はデータ監視部41に対し、ホストからホストI/F部102を介して印刷の要求が来ていないかどうか監視するよう指示する。印刷要求があったときにはステップ203に移行する。
【0036】
ステップ203:印刷要求があったとき、制御部40は給紙駆動部106及び給紙クラッチ駆動部107に対し、給紙の開始をするよう指示する。給紙駆動部106は給紙搬送モータ112を動作させ給紙ローラ11を駆動する。給紙クラッチ駆動部107は給紙クラッチ113をONし、シートレシーブ部24から用紙Pを1枚、搬送ローラ14及び15の方向に運んでいく。同時に、制御部40はベルト/ドラム駆動部104に対し、ベルト/ドラムモータ110を駆動し、ベルト駆動ローラ17、感光体ドラム4K及び現像ローラ6K等を駆動するよう指示する。
【0037】
ステップ204:制御部40はINセンサ監視部42に対し、ステップ203で運ばれた用紙Pの先端A1がINセンサ12に到着しているか監視するよう指示する。INセンサ12がONするとステップ205に進む。
【0038】
ステップ205:INセンサ12がONすると、制御部40は媒体長計測手段としてのステップカウンタ部43に対し、給紙搬送モータ112のステップ数のカウントを開始するよう指示する。給紙搬送モータ112はステッピングモータを使用しており移動距離とステップ数が比例するため、何ステップ進んだかカウントする。またここでのカウント数の初期値は0である。
【0039】
ステップ206:INセンサ12がONしてから約10mm進むと用紙Pの先端A1が搬送ローラ14及び15に当たってスキューが取れるため、制御部40は時間監視部44に対し、当たるタイミングを時間監視するよう指示する。そして制御部40は所定のタイミングになると搬送クラッチ駆動部108に対して、搬送クラッチ114をONして用紙Pを更に先へと搬送するよう指示する。
【0040】
ステップ207:制御部40は時間監視部44に対し、用紙Pが感光ドラム4Kの下に到達したタイミングを時間監視するよう指示する。
ステップ208:用紙Pが感光ドラム4Kの下に到達したタイミングで、制御部40は給紙クラッチ駆動部107に対し、給紙クラッチ113をOFFするよう指示することにより、給紙ローラ11の駆動を停止し不要な用紙Pの給紙を防ぐ。
【0041】
ステップ209:CPU101内部の長さ情報格納部48としてのRAM109に給紙した用紙Pの長さ情報、即ち「比較媒体長B(A1−B2)」が格納されているかどうかの確認をするステップである。用紙Pの比較媒体長Bは、電源115を落とすと内容が消えてしまうRAM109に保持しているため、電源投入時に「0」クリアされる。また、用紙無しのときも「0」クリアされる。即ち、電源投入直後及び用紙Pを交換した直後においては、1枚目の用紙P−1の印刷中は用紙Pの比較媒体長Bは未だ格納されていない。
【0042】
よってこのステップでは、制御部40は長さ情報有無判定部45に対し、用紙Pの比較媒体長Bが格納されているか判定するよう指示する。長さ情報が「0」の場合(=0)は1枚目の用紙P−1であるので、現在の用紙Pの長さ測定のステップ210に移行する。長さ情報が「0」でない場合(≠0)は2枚目の用紙P−2であるので比較媒体長Bの分だけ搬送したかどうか判定するステップ212に移行する。
【0043】
ステップ210:ステップ209において長さ情報が「0」の場合(=0)、1枚目の用紙P−1であるので、制御部40はINセンサ監視部42に対し、用紙P−1の後端A2がINセンサ12に到着していないか(即ちOFF)監視するよう指示する。OFFすればステップ211に移行する。
【0044】
ステップ211:長さ情報としての比較媒体長Bを計算し、長さ情報格納部48に格納するステップである。即ち、制御部40は媒体長計測手段としてのステップカウンタ部43に対し、INセンサ12がOFFしたときの値(計測した用紙Pの全長A)を計測するよう指示する。そして、制御部40は長さ情報算出部47に対し、計測した用紙Pの全長Aから、所定の短縮時間に相当する間隔(ここでは60mm)を減じた比較媒体長Bを算出するよう指示する。そして、制御部40は長さ情報格納部48に対し、算出した比較媒体長Bを格納するよう指示する。
【0045】
ステップ212:ステップ209において長さ情報が「0」でない場合(≠0)、2枚目以降の用紙P−2であるので、制御部40は長さ情報比較判定部46に対し、長さ情報格納部48に格納された長さ情報としての比較媒体長Bと、ステップ205においてステップカウンタ部43が開始したステップ数のカウント値が同じになるかどうか判定するよう指示する。同じになったとき、ステップ213に移行する。
【0046】
ステップ213: 制御部40は給紙クラッチ駆動部107に対し、給紙の再開をするよう指示する。給紙クラッチ駆動部107は給紙クラッチ113をONし、シートレシーブ部24から用紙Pを1枚、搬送ローラ14及び15の方向に運んでいく。その後制御部40は本ルーチンを抜ける。
【0047】
ステップ214で本処理は一旦終了するが、メインルーチンからすぐにステップ201がサブルーチンコールされて印刷待機状態になる。ここで印刷要求が来ていれば次の給紙が行われる。
【0048】
図6は、第1の実施の形態に関する電源投入時の処理を示すフローチャートである。CPUは電源投入時にまず以下の処理を行う。
ステップ301で電源115の投入でリセット解除され、動作開始する。
ステップ302で図示しないROMのHASHのチェックをする。ここでエラーの場合、以降は動作しない。
【0049】
ステップ303からステップ310までが内臓RAM109のチェックで「FF」、「55」、「AA」、「00」を順次書いては読み、正しく書けているかを確認し、問題なければ以降の処理を行う。エラーがあればエラーの表示をして以降の処理はしない。ここで、RAM109は最後に「00」が書かれて、長さ情報他の値がクリアされる。
【0050】
図7は、第1の実施の形態に関する紙有センサ26の処理を示すフローチャートである。紙有センサ26は用紙カセット25内の用紙Pの有無を検出する。本実施の形態では、紙の有無を給紙直前と、100mSおきに見に行っており、このサブルーチンがコールされる。
【0051】
ステップ401でこの処理がコールされる。
ステップ402でセンサの電源115を確認する。このときセンサの電源115が入っていなければ用紙Pがなくなっているか確認できないので、ステップ404で用紙長さ情報は0クリアされる。
【0052】
ステップ403で紙有センサ26からの入力を確認して、紙無しの場合はステップ404で用紙長さ情報は0クリアされる。その後、ステップ405で元の処理に復帰する。
【0053】
なお、本実施の形態ではスリープモードの際は、省電力のためほとんどのセンサの電源115を落としており紙有センサ26も電源115を落としている。そのためセンサが機能しないときがあり、その時は紙無しと同等とする。
【0054】
図8は、第1の実施の形態に関する動作を示すタイムチャートである。このタイムチャートは紙有センサ26で紙無しと判断された後、2枚の印刷ジョブが2回あった場合を示している。用紙交換の後(a)、第1回目の印刷要求があったとき、給紙搬送モータ112が回転を始め(b)、同時に給紙クラッチ113もON(c)する。そこで1枚目の用紙P−1が給紙ローラ11によって分離繰り出されてINセンサ12がON(d)する。そして回転していない搬送ローラ14及び15に突き当て後、搬送クラッチ114がON(e)し、搬送ローラ14及び15が回転する。その後用紙Pが少しだけ搬送されると、書込みセンサ13がON(f)し、用紙Pの先端A1を検出して書き出しタイミングを決定する。書込みセンサ13がONすると、給紙クラッチ113がOFF(g)し、給紙ローラ11の回転を止める。
【0055】
用紙Pの交換後においては、1枚目はINセンサ12がOFF(h)で用紙P−1の全長Aの測定が終わるので、給紙クラッチ113がON(i)し、給紙ローラ11を回転することにより、次の用紙Pの給紙を開始する。そのため用紙交換後、1枚目と2枚目の用紙間隔は、給紙ローラ11からINセンサ12までの距離110mmが開くことになる。時間(g−i)は110mmに相当することになる。
【0056】
なお、書込みセンサ13がOFF(j)すると、搬送クラッチ114がOFF(k)し搬送ローラ14及び15が回転を止める。また、2枚目の用紙Pが給紙ローラ11によって分離繰り出されてINセンサ12がON(d)した後は、1枚目の用紙Pと同じである。そして、書込みセンサ13がOFF(l)すると、給紙搬送モータ112がOFF(m)し、搬送クラッチ114がOFF(n)し、給紙ローラ11及び搬送ローラ14及び15が回転を止める。
【0057】
第2回目の印刷要求では、用紙Pの交換がないため用紙Pの全長Aが分かっていることになる。給紙クラッチ113がON(o)して3枚目の用紙P−3が給紙ローラ11による分離繰り出されてINセンサ12がON(p)する。INセンサ12がON(p)してからステップ数をカウントする(q)。これにより用紙P−3の後端A2が給紙ローラ11の下を抜けた瞬間(r)は、カウントによって分かる。
【0058】
その後、用紙間隔50mmをあけて次の給紙を行う(s)ことになる。時間(r−s)は50mmに相当する。これにより第2回目の印刷要求は第1回目の印刷要求よりも60mm相当、即ち、A4用紙でおよそ8%の速度アップに相当する時間短縮を行うことができる(第1回目に対する短縮時間60mm/(A4用紙2枚の全長2×298mm+第1回目の用紙間隔110mm)≒8%)。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態のルーチンを使用し、給紙搬送モータ112のステップ数をカウントすることで、次の用紙Pの給紙タイミングを得ることができる。後端通過時の算出から次の用紙Pの供給開始まで、用紙間隔で110mm相当に対し50mm相当での印刷が可能になる。また、電源投入時、スリープモードから復旧時及び用紙Pの交換時の後の第1回目の印刷要求における1枚目の用紙P−1のみに用紙全長Aの測定を行うことで、2〜3枚といった短い印刷要求であっても、常に50mmの用紙間隔で印刷できる。
【0060】
以上説明したように、用紙の全長Aの測定を電源投入時とスリープモードからの復旧時と用紙交換時に行い、その測定値をもとに長さ情報としての比較媒体長Bを算出して次の給紙タイミングを得ることとしたので、2枚目の用紙P−2の後端A2を監視するためのセンサの動作が不要である。そのため、装置構成を簡単にできるという効果を有する。更に、用紙間隔をセンサの位置に寄らず決定することができるため非常に短く設定でき、従って、印刷の高速化が可能となるという効果を有する。また、用紙長さの測定を用紙交換時、スリープモードからの復旧時と電源投入時のみとすることで、用紙長さ測定によるスループットへの影響をほぼ無くすことができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に関するプリンタ1は複数の供給機構としてのトレイを有している。図9は、第2の実施の形態に関するプリンタ1とトレイの構成を示す断面図である。第2の実施の形態に関する画像形成装置としてのプリンタ1の画像形成部2Kについては第1の実施の形態と同じになる。
【0062】
用紙Pを複数枚搭載して、順次用紙Pを分離繰出すための着脱自在な用紙カセット25と、用紙カセット25内のシートレシーブ部24及びシートレシーブ部24から分離用舌片などを併用して1枚毎用紙Pを分離繰出すための媒体給紙搬送手段としての給紙ローラ11と給紙されてきた用紙Pを搬送ベルト18まで搬送するための搬送ローラ14及び15を有する。
【0063】
本実施の形態に関するセンサとしては、給紙ローラ11が正常に給紙を行えたかどうかを検出する媒体検出手段としてのINセンサ12と、用紙カセット25の引抜き動作と連動することにより用紙カセット25がない場合INセンサ12をONにするカセットレバー27と、用紙Pの先端を検出して書き出しタイミングを決定するための書込みセンサ13と、用紙Pの有無を検出するための紙有センサ26を有する。
【0064】
また、本実施の形態ではプリンタ1本体の下にオプショントレイとしての第2トレイ50及び第3トレイ70を2段有し、第2トレイ50、第3トレイ70からも用紙Pを供給可能としている。従って以下の説明では、プリンタ1本体のトレイを第1トレイ30とする。
【0065】
上から2段目のオプショントレイとしての第2トレイ50は、用紙Pを複数枚搭載して順次用紙Pを分離繰出すための着脱自在な用紙カセット55と、用紙カセット55内のシートレシーブ部54及びシートレシーブ部54から分離用舌片などを併用して1枚毎用紙Pを分離繰出すための媒体給紙搬送手段としての給紙ローラ51を有する。第2トレイ50内のセンサ類としては、用紙カセット55に用紙Pがあるかどうか検出する紙有センサ56と、本体までの経路が長いため給紙が行われているかを途中で確認できるように設けたINセンサ52及び用紙カセット55の引抜き動作と連動することにより用紙カセット55が無い場合INセンサ52をONにするカセットレバー57を有する。
【0066】
上から3段目のオプショントレイとしての第3トレイ70は、同様に、用紙Pを複数枚搭載して順次用紙Pを分離繰出すための着脱自在な用紙カセット75と、用紙カセット75内のシートレシーブ部74及びシートレシーブ部74から分離用舌片などを併用して1枚毎用紙Pを分離繰出すための媒体給紙搬送手段としての給紙ローラ71を有する。第3トレイ70のセンサ類としては、同様に、用紙カセット75に用紙Pがあるかどうか検出する紙有センサ76と、本体までの経路が長いため給紙が行われているかを途中で確認できるように設けたINセンサ72及び用紙カセット75の引抜き動作と連動することにより用紙カセット75が無い場合INセンサ72をONにするカセットレバー77を有する。
【0067】
また、ここには図示していないが搬送路上の最少媒体間隔以下の距離に敷設されたローラ、各ローラ類を回転駆動するためのモータ、搬送路上のローラへの動力伝達のON/OFFのためのクラッチも構成要素として有する。
【0068】
図10は、第2の実施の形態に関するカセットレバー27の配置を示す説明図である。カセットレバー27は、プリンタ1の筐体内部に固定された支点28を中心に回動可能に取り付けられる。カセットレバー27は、用紙カセット25の側部に左右に設けられる。左右のカセットレバー27の上端には、INセンサレバー12aを駆動するセンサ駆動バー31が水平に掛け渡されている。センサ駆動バー31はINセンサレバー12aに駆動可能に係合している。左右のカセットレバー27の下端は、用紙カセット25の側部と係合している。そのため用紙カセット25が用紙交換のためプリンタ1から矢印D方向に引き抜かれると、カセットレバー27の下端は支点28を中心に矢印E方向に回動する。カセットレバー27の下端が矢印E方向に回動すると、カセットレバー27の上端に設けられたセンサ駆動バー31が矢印F方向に回動する。
【0069】
INセンサ12はINセンサレバー12aとフォトセンサ12bから構成される。INセンサレバー12aは赤外線遮光樹脂からなり丸い突起部32により回転可能に支持される。前述の給紙ローラ11によって給紙された用紙Pが矢印G方向に搬送されるとき、用紙PがINセンサレバー12aの下端部12a−1を矢印H方向に押し上げるように構成される。
【0070】
フォトセンサ12bは一般的なフォトインタラプタで、赤外線LEDとこれに対向してフォトダイオード又はフォトトランジスタから構成される。INセンサレバー12aが赤外線LEDの光を透過するか遮光するかでON/OFFとなる。本実施の形態では遮光するときをINセンサ12のONとしている。INセンサレバー12aの下端部12a−1が矢印H方向に押し上げられると、上端部12a−2は矢印J方向に下降する。INセンサレバー12aの上端部12a−2が矢印J方向に下降すると、上端部12a−2が赤外線LEDの光を遮光する。よって、用紙Pが矢印G方向に搬送されるとき、INセンサ12はONになる。
【0071】
一方、前述のように、用紙カセット25が矢印D方向に引き抜かれると、カセットレバー27の上端に設けられたセンサ駆動バー31は矢印F方向に回動する。センサ駆動バー31が矢印F方向に回動すると、INセンサレバー12aの下端部12a−1を矢印H方向に跳ね上げる。INセンサレバー12aの下端部12a−1が矢印H方向に押し上げられると、上端部12a−2は矢印J方向に下降する。すると、INセンサレバー12aの上端部12a−2が赤外線LEDの光を遮光し、INセンサ12がONとなる。これにより、カセットレバー27は用紙カセット25の引抜き動作と連動することにより、用紙カセット25がない場合、INセンサ12をONにする。なお、カセットレバー57及びカセットレバー77も同様の構成であるので説明を省略する。
【0072】
以下、第2の実施の形態に関するプリンタ1の給紙の基本動作を説明する。プリンタ1は、ホストから印刷データの転送と給紙トレイの選択の指示を受信し、印刷の指示を受ける。選択されたトレイが第1トレイ30のとき、用紙カセット25内のシートレシーブ部24より給紙ローラ11を回転させて用紙Pを1枚搬送し、搬送ローラ14及び15まで送り出す。途中のINセンサ12は給紙ローラ11が給紙を正常に行えたかどうかを検出して、正常に行えなかった場合に再度給紙動作を行う。
【0073】
更に、選択されたトレイが第2トレイ50のときは、第1トレイ30の用紙カセット25が引き抜かれていると用紙Pが送れない。第1トレイ30の紙有センサ26が紙有の場合、第1トレイ30の用紙カセット25は引き抜かれていないため、第2トレイ50のシートレシーブ部54より給紙ローラ51を回転させて用紙Pを1枚搬送し、プリンタ1に供給する。
【0074】
第1トレイ30の紙有センサ26が紙無しの場合、第1トレイ30の用紙カセット25は引き抜かれている可能性がある。用紙カセット25が引き抜かれていれば、これに連動して、カセットレバー27が回動することにより、第1トレイ30のINセンサ12がONとなる。そのため、INセンサ12がOFFになるのを待って、シートレシーブ部54より給紙ローラ51を回転させて用紙Pを1枚搬送し、プリンタ1に供給する。途中のINセンサ52は給紙ローラ51が給紙を正常に行えたかどうかを検出して、正常に行えなかった場合に再度給紙動作を行う。
【0075】
更にまた、選択されたトレイが第3トレイ70のときは、第2トレイ50の用紙カセット55が引き抜かれていると用紙Pが送れない。第2トレイ50の紙有センサ56が紙有の場合、第2トレイ50の用紙カセット55は引き抜かれていないため、第3トレイ70のシートレシーブ部74より給紙ローラ71を回転させて用紙Pを1枚搬送し、第2トレイ50に供給する。第2トレイ50の紙有センサ56が紙無しの場合、第2トレイ50の用紙カセット55は引き抜かれている可能性がある。用紙カセット55が引き抜かれていれば、これに連動して、カセットレバー57が回動することにより、第2トレイ50のINセンサ52がONとなる。そのため、INセンサ52がOFFになるのを待ってシートレシーブ部74より給紙ローラ71を回転させて用紙Pを1枚搬送し、第2トレイ50に供給する。
【0076】
その後、第2トレイ50のINセンサ52がONした際に、第1トレイ30の紙有センサ26が紙有であれば、そのまま用紙Pを搬送し、プリンタ1に供給する。第1トレイ30の紙有センサ26が紙無しのときはINセンサ12がOFFの場合はそのまま搬送し、INセンサ12がONの場合はここで待機し、INセンサ12がOFFになるのを待つ。途中の第3トレイ70のINセンサ72は給紙ローラ71が給紙を正常に行えたかどうかを検出して、正常に行えなかった場合に再度給紙動作を行う。
【0077】
印刷をしていないときに第1トレイ30のINセンサ12がONで、紙有センサ26が紙無しの場合、第1トレイ30に用紙無し又は用紙カセット25が引き抜かれているとして印刷をしない。更に、印刷をしていないときに第2トレイ50のINセンサ52がONで、紙有センサ56が紙無しの場合、第2トレイ50の用紙カセット55が引き抜かれているとして第3トレイ70からの印刷をしない。なお、第1トレイ30のINセンサ12又は第2トレイ50のINセンサ52がOFFになるのを待つ時間は60秒を上限とし、それ以上経過した場合はジャムとして処理する。
【0078】
図11は、第2の実施の形態に関する動作を示すタイムチャートである。このタイムチャートは第3トレイ70からの給紙を示しており、4枚の印刷要求に対する印刷の途中で第2トレイ50の用紙カセット55が引き抜かれた場合であり、当該用紙カセット55が戻されるまで給紙を待機していることを示す。
【0079】
用紙交換の後(a)、4枚の印刷要求があったとき、第3トレイ70の1枚目の用紙P−1が給紙ローラ71によって分離繰り出されてINセンサ72がON(b)する。その後、第2トレイ50へ送られINセンサ52をON(c)する。そして、プリンタ1へ送られINセンサ12をON(d)し、書込みセンサ13をON(e)する。2枚目の用紙P−2も同様にして給紙ローラ71によって分離繰出される。
【0080】
印刷の途中で第2トレイ50の用紙カセット55が引き抜かれると、紙有センサ56がOFF(f)となる。そして、用紙カセット55が引き抜かれることに連動して、カセットレバー57が回動することにより、第2トレイ50のINセンサ52がON(g)を継続することになり、給紙ローラ71による分離繰り出しが待機される。
【0081】
その後、第2トレイ50の用紙カセット55が戻されると、紙有センサ56がON(h)となり、INセンサ52はOFF(i)となる。INセンサ52はOFF(i)となると、第3トレイ70の3枚目の用紙P−3が引き続き給紙ローラ71によって分離繰り出され、INセンサ72がON(j)する。その後、第2トレイ50へ送られINセンサ52をON(k)する。そして、プリンタ1へ送られINセンサ12をON(l)し、書込みセンサ13をON(m)する。4枚目の用紙も同様にして給紙ローラ71によって分離繰出される。
【0082】
以上のように本実施の形態では、用紙カセットの有無検出センサを用紙搬送系のセンサと共用することで、センサを一つ減らすことができ、センサの削減、複雑な配線の減少により、組立て性の向上及び低コスト化が期待できる。
【0083】
本発明は1つ又は複数の用紙カセットから媒体を供給する画像形成装置であって、媒体間隔の短縮による高速化及び構造の簡略化に有効である。なお、第1の実施の形態にあってはLEDヘッドを使用した画像形成装置を使用しているが、小形のレーザーとポリゴンミラーから構成されるレーザー露光ユニットや、インクジェットであってもよく、画像形成ユニットの構造に依存するものではない。
【符号の説明】
【0084】
1 プリンタ
11 給紙ローラ
12 INセンサ
13 書込みセンサ
14、15 搬送ローラ
24 シートレシーブ部
25 用紙カセット
26 紙有センサ
45 長さ情報有無判定部
46 長さ情報比較判定部
47 長さ情報算出部
48 長さ情報格納部
A 用紙の全長
B 比較媒体長
P 用紙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数媒体を搭載する媒体カセットから1枚毎に給紙搬送する媒体給紙搬送手段と、
前記媒体給紙搬送手段により搬送される前記媒体の先端と後端を検出し、正常に給紙が行えたかどうかを検出する媒体検出手段と、
前記媒体給紙搬送手段により搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記媒体検出手段の検出した前記媒体の先端からの媒体長を計測する媒体長計測手段と、
前記媒体長計測手段により計測した前記媒体の全長から算出した所定の長さ情報を記憶する長さ情報格納部と、
複数媒体の連続印刷のとき、先の媒体について前記媒体長計測手段により計測した媒体長が、前記長さ情報格納部に記憶する前記長さ情報と一致したとき、次の媒体の給紙を開始するよう制御する制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記所定の長さ情報は、前記媒体長計測手段により計測した前記媒体の全長から、所定の短縮時間に相当する間隔を減じて算出した比較媒体長であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所定の短縮時間に相当する間隔とは、前記媒体給紙搬送手段に前記先の媒体の後端が通過したのち前記次の媒体の搬送を開始するとした場合の前記媒体給紙搬送手段と前記媒体検出手段との距離から、先の媒体と次の媒体との所定の間隔を差し引いた値であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記媒体長計測手段は、電源投入時、スリープモードからの復旧時及び用紙の交換時のいずれか一に前記媒体長を計測することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数の媒体を搭載する複数の媒体カセットを着脱可能に設け、
更に、前記媒体カセット内の前記媒体を繰出す給紙ローラと、
前記給紙ローラが正常に給紙を行えたかどうかを検出する媒体検出手段と、
前記媒体カセットの引抜き動作に連動して前記媒体検出手段をON状態にするカセットレバーを有し、
印刷動作中に前記媒体カセットが引抜かれたとき、前記媒体検出手段がON状態ののちOFFになるのを待って、前記給紙ローラを回転させて用紙を繰出すよう制御する制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記カセットレバーは、装置本体に回動自在に設けられ、前記媒体カセットの引抜き動作に応じて一端が移動し、他端はこれに連動して前記媒体検出手段をON状態とすることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項1】
複数媒体を搭載する媒体カセットから1枚毎に給紙搬送する媒体給紙搬送手段と、
前記媒体給紙搬送手段により搬送される前記媒体の先端と後端を検出し、正常に給紙が行えたかどうかを検出する媒体検出手段と、
前記媒体給紙搬送手段により搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記媒体検出手段の検出した前記媒体の先端からの媒体長を計測する媒体長計測手段と、
前記媒体長計測手段により計測した前記媒体の全長から算出した所定の長さ情報を記憶する長さ情報格納部と、
複数媒体の連続印刷のとき、先の媒体について前記媒体長計測手段により計測した媒体長が、前記長さ情報格納部に記憶する前記長さ情報と一致したとき、次の媒体の給紙を開始するよう制御する制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記所定の長さ情報は、前記媒体長計測手段により計測した前記媒体の全長から、所定の短縮時間に相当する間隔を減じて算出した比較媒体長であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所定の短縮時間に相当する間隔とは、前記媒体給紙搬送手段に前記先の媒体の後端が通過したのち前記次の媒体の搬送を開始するとした場合の前記媒体給紙搬送手段と前記媒体検出手段との距離から、先の媒体と次の媒体との所定の間隔を差し引いた値であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記媒体長計測手段は、電源投入時、スリープモードからの復旧時及び用紙の交換時のいずれか一に前記媒体長を計測することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数の媒体を搭載する複数の媒体カセットを着脱可能に設け、
更に、前記媒体カセット内の前記媒体を繰出す給紙ローラと、
前記給紙ローラが正常に給紙を行えたかどうかを検出する媒体検出手段と、
前記媒体カセットの引抜き動作に連動して前記媒体検出手段をON状態にするカセットレバーを有し、
印刷動作中に前記媒体カセットが引抜かれたとき、前記媒体検出手段がON状態ののちOFFになるのを待って、前記給紙ローラを回転させて用紙を繰出すよう制御する制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記カセットレバーは、装置本体に回動自在に設けられ、前記媒体カセットの引抜き動作に応じて一端が移動し、他端はこれに連動して前記媒体検出手段をON状態とすることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−44937(P2013−44937A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182571(P2011−182571)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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