説明

画像形成装置

【課題】搬送される記録媒体の先端の浮き上がりを防止し、印刷品質を向上させる。
【解決手段】画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を媒体に転写する転写部とを有する画像形成装置であって、前記画像形成部は、前記画像形成装置に着脱可能であり、前記転写部は、媒体を搬送する搬送部材と、前記画像形成部が装着される際、前記画像形成部に押圧されて移動し、前記搬送部材に近接する対向部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のローラに張架された無端ベルトを用いた複写機、ファクシミリ装置およびプリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラムを帯電した後、露光装置により像を直接露光するか、あるいはレーザ走査光学系やLED光書き込み光学系により画像信号に応じた光書き込みを行い、感光体ドラム上に静電潜像を形成し、形成した静電潜像を現像装置のトナー付着によりトナー像とし、このトナー像を直接、あるいは中間転写体を介して転写部で転写紙やフィルム等の記録媒体に転写する。そして、トナー像を転写した記録媒体を定着装置へ搬送し、定着装置でトナー像を記録媒体に定着して画像を得るようにしている。
【0003】
このような画像形成装置には、記録媒体を搬送する搬送ベルトあるいはトナー像を担持する転写ベルト等として無端ベルトが用いられ、トナー像を形成する画像形成ユニットに対向配置された転写ベルトユニットを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。この転写ベルトユニットは、記録媒体を搬送する転写ベルトと、転写ベルトユニットを画像形成装置に着脱する際に把持するハンドル部とを有し、ユーザが転写ベルトユニットの交換等により着脱を行う場合、画像形成装置内より、まず画像形成ユニットを取り出し、次にハンドル部を把持して転写ベルトユニットを取り出す。その後、画像形成装置内へ、転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットを再装着し、印刷を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−78544号公報(段落「0009」〜段落「0011」、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術においては、記録媒体がベルトにより、画像形成ユニットと転写部としての転写ベルトユニットとの接触部(以下、「ニップ部」という。)へ搬送される場合、そのニップ部に進入する記録媒体の先端がベルトから浮き上がってしまう恐れがあり、ニップ部に進入する記録媒体が浮き上がってしまうとニップ部に到達する前に画像形成ユニットに備えられた感光体ドラムに記録媒体の先端が衝突することにより、記録媒体の折れや記録媒体への転写画像に横筋として現れるバンディングラインなどが発生し、印刷の品質を低下させてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、搬送される記録媒体の先端の浮き上がりを防止し、印刷品質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を媒体に転写する転写部とを有する画像形成装置であって、前記画像形成部は、前記画像形成装置に着脱可能であり、前記転写部は、媒体を搬送する搬送部材と、前記画像形成部が装着される際、前記画像形成部に押圧されて移動し、前記搬送部材に近接する対向部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、搬送される媒体の先端の浮き上がりを防止し、印刷品質を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施例における転写ベルトユニットの斜視図
【図2】第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側面図
【図3】第1の実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図
【図4】第1の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの側面図
【図5】第1の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの断面図
【図6】第1の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの動作を示す説明図(側面図)
【図7】第1の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの動作を示す説明図(断面図)
【図8】第1の実施例における記録媒体の搬送状態を示す説明図
【図9】第1の実施例における転写ベルトユニットの変形例の説明図
【図10】第2の実施例における転写ベルトユニットの斜視図
【図11】第2の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの側面図
【図12】第2の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの断面図
【図13】第2の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの動作を示す説明図(側断面図)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による画像形成装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図2は第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側面図である。
図2において、10は画像形成装置としてのプリンタであり、画像を形成する画像形成部としての画像形成ユニットおよびその画像形成ユニットで形成された画像を印刷用紙に転写する転写部としての転写ベルトユニットを備えたものである。なお、本実施例では、プリンタ10をカラープリンタとして説明する。
【0011】
用紙トレイ100は、内部に記録媒体(媒体)としての印刷用紙101が積層され、プリンタ10に着脱自在に備えられている。この用紙トレイ100の内部には図示しない支持軸によって回動可能に支持された用紙載置板102が設けられ、印刷用紙101は、この用紙載置板102上に積載される。
用紙トレイ100の印刷用紙101の繰り出し口側には、図示しない支持軸に回転可能にリフトアップレバー103が配設され、その支持軸はモータ104と接離可能に係合されている。
【0012】
用紙トレイ100がプリンタ10に挿入されると、リフトアップレバー103とモータ104とが係合し、図示しない制御部がモータ104を駆動する。リフトアップレバー103がモータ104の駆動により回転することによってリフトアップレバー103の先端部が用紙載置板102の底部を持ち上げ、用紙載置板102に積載された印刷用紙101が上昇する。
印刷用紙101が所定の高さまで上昇すると、その印刷用紙101はピックアップローラ202に当接するとともに上昇検知部201で検知され、前記制御部は上昇検知部201で検知された情報に基づいてモータ104を停止させる。
【0013】
このピックアップローラ202は、周面が接触した状態で対に配設されたフィードローラ203およびリタードローラ204とともに、用紙繰出し部200を形成している。ピックアップローラ202およびフィードローラ203は、図3に示す給紙モータ711によって図2中の矢印が示す方向に回転駆動される。リタードローラ204は、図示しないトルク発生手段により図2中の矢印が示す方向のトルクを発生している。
したがって、ピックアップローラ202は、回転することにより当接した印刷用紙101を用紙トレイ100内から引き出し、フィードローラ203およびリタードローラ204は、印刷用紙101が複数同時に引き出されないように1枚ずつ捌いて搬送する。
【0014】
印刷用紙101の搬送方向における用紙繰出し部200の下流側には、順に用紙センサ302、印刷用紙101の斜行を規制する駆動ローラ304および従動ローラ305からなる搬送ローラ対303、次の搬送ローラ対310の駆動タイミングを検出する用紙センサ313、画像形成部410に印刷用紙101を送り込む駆動ローラ311および従動ローラ312からなる搬送ローラ対310、画像形成部410での書き込みタイミングを生成するための書込みセンサ314が配設されている。搬送ローラ対303および搬送ローラ対310は、図示しない駆動伝達手段を経由して図3における給紙モータ711の動力が伝達され、図示しない搬送制御部により回転制御される。
【0015】
また、プリンタ10は、MPT(Multi Purpose Tray)320を備えており、プリンタ10に開閉可能に装着されている。MPT320の内部には、図示しない支持軸によって回動可能に支持された用紙載置板321が設けられ、印刷用紙Pはこの用紙載置板321上に載置される。用紙載置板321は、図示しないスプリングにより、その底部が持ち上げられ、用紙載置板321に載置された印刷用紙Pが上昇する。そして、印刷用紙Pが所定の高さまで上昇するとピックアップローラ323の周面に当接する。
【0016】
このピックアップローラ323は、周面が接触した状態で対に配設されたMPTローラ324およびリタードローラ325とともに、MPT用紙繰出し部322を形成している。ピックアップローラ323およびMPTローラ324は、図3に示す給紙モータ711によって図2中の矢印が示す方向に回転駆動される。リタードローラ325は、図示しないトルク発生手段により図2中の矢印が示す方向のトルクを発生している。
したがって、ピックアップローラ323は、回転することにより当接した印刷用紙PをMPT320内から引き出し、MPTローラ324およびリタードローラ325は、印刷用紙Pが複数同時に引き出されないように1枚ずつ捌いて搬送する。
【0017】
プリンタ10の画像形成部410は、4色の画像を形成する各色の画像形成ユニットで構成されている。画像形成部410は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色の画像を各々形成する4つの画像形成ユニット430K(ブラック)、430Y(イエロー)、430M(マゼンタ)、430C(シアン)を有し、これらが印刷用紙101、Pの搬送路の搬送方向における上流側から順に、着脱可能に装着されている。
【0018】
次に、この画像形成ユニット430Kの構成を説明する。なお、画像形成ユニット430Y、430M、430Cも画像形成ユニット430Kと同様の構成なので画像形成ユニット430Kを代表として説明する。
【0019】
画像形成ユニット430Kには、感光体ドラム431が、図中矢印が示す方向に回転可能に配置され、この感光体ドラム431の周囲には、その回転方向における上流から順に、感光体ドラム431の表面に電荷を供給して帯電させる帯電ローラ432、帯電された感光体ドラム431の表面に選択的に光を照射して静電潜像を形成する露光装置433、静電潜像が形成された感光体ドラム431の表面にブラック色のトナーを付着させて静電潜像の現像を行う現像ローラ434、転写されずに感光体ドラム431上に残留した転写残トナーを除去するクリーニングブレード435が配設されている。トナー収納部436は、トナーを収納し、そのトナーを現像ローラ434に供給する。
なお、プリンタ10に用いられている各ドラムまたは各ローラは、図示しない駆動源からギヤを経由して動力が伝達され回転する。
【0020】
転写部としての転写ベルトユニット460は、画像形成ユニット430K〜430Cに対向して配置され、その画像形成ユニット430K〜430Cの各感光体ドラム431には、それぞれ導電性のゴム等によって形成された転写ローラ464が転写ベルト461を介して押圧された状態で配設されている。これらの転写ローラ464には、感光体ドラム431上に付着されたトナーによるトナー像を印刷用紙101、Pに転写するときに、各感光体ドラム431の表面電位と各転写ローラ464の表面電位との間に電位差をもたせるための電位が印加されている。
【0021】
印刷用紙を搬送する搬送部材としての転写ベルト461は、画像形成ユニット430K〜430Cに対向して配置された無端ベルトであり、印刷用紙101、Pを静電吸着して搬送し、図3に示すベルトモータ609により回転するドライブローラ462は、このドライブローラ462と対を成して転写ベルト461を張架するテンションローラ463とともに、図中矢印が示す方向に回転して転写ベルト461を駆動する。
【0022】
クリーニングブレード465は、転写ベルト461上に付着した転写残トナーを掻き取り、トナーボックス466は、掻き落とされたトナーを収容する。なお、ドライブローラ462は、図示しない駆動源から駆動伝達手段を経由して動力が伝達され、回転駆動される。
【0023】
定着部500は、内部に熱源となるハロゲンランプ503aを備え、表面が弾性体で形成されたアッパローラ501と、同じく熱源となるハロゲンランプ503bを備え、表面が弾性体で形成されたロアローラ502とのローラ対からなり、画像形成部410より送り出された印刷用紙101、P上に転写されたトナー像に熱と圧力を印加してトナー像を融解し、この像を印刷用紙101、Pに定着させる。その後、印刷用紙101、Pは、排出センサ506により検知され、排出ローラ対504a、504b、504cによって搬送され、スタッカ部505へ排出される。
【0024】
次に、転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの構成を、図1の第1の実施例における転写ベルトユニットの斜視図および図4の第1の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの側面図を用いて図2を参照しながら詳細に説明する。
図1および図4において、図中矢印Aが示す印刷用紙の搬送方向における転写ベルトユニット460の上流側には印刷用紙を搬送する媒体搬送手段としての搬送ローラ対310が配設され、転写ベルトユニット460は、搬送ローラ対310で搬送される印刷用紙を受入れ、転写ベルト461でその印刷用紙を搬送する。
【0025】
この転写ベルトユニット460は、図中矢印Aが示す印刷用紙の搬送方向における最上流側に、プリンタ10への着脱の際に把持するハンドル部467を備えている。また、転写ベルト461を張架するテンションローラ463は、その回転軸方向の両端に突出した図1に示す軸部463aおよび図4に示す軸部463bを備えている。
【0026】
ハンドル部467には、軸部463aと軸部463bとを結ぶ直線に直交し、かつ突出した軸部463aおよび軸部463bのそれぞれと係合するスライド部475aおよびスライド部475bが形成され、ハンドル部467はスライド部475aおよびスライド部475bが軸部463aおよび軸部463bと係合した状態で移動可能になっている。このスライド部475aおよびスライド部475bは、後述するハンドル部467の用紙対向面を転写ベルト461へ近接させる案内部である。
【0027】
また、ハンドル部467は、スライド部475aおよびスライド部475bの長手方向に沿って軸部463aおよび軸部463bを付勢する図1に示すバネ469Rおよび図4に示すバネ469Lを備え、そのバネ469Rおよびバネ469Lはハンドル部467を転写ベルト461から離間させる方向(図中矢印Bが示す方向)へ付勢するように配設されている。
【0028】
画像形成ユニット430Kは、プリンタ10に装着された際に、スライド部475aおよびスライド部475bが軸部463aおよび軸部463bと係合した状態でハンドル部467を移動させるように、ハンドル部467の上部と当接する図4に示す外装フレーム440を備えている。
【0029】
また、ハンドル部467の両端部(スライド部475aおよびスライド部475bの略下方)には、転写ベルトユニット460がプリンタ10に装着され、画像形成ユニット430Kの外装フレーム440によって押圧され移動した際に、プリンタ10のフレームの両側部に形成された突起としての位置決めポスト470、471に、それぞれ係合する凹部としての位置決め部472、473を備えている。この位置決め部472、473は、後述するハンドル部467の用紙対向面を転写ベルト461に再接近した位置を決定し、固定するものである。なお、図4において、位置決めポスト470は、位置決めポスト471の反対側に形成されている。
【0030】
図5は第1の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの断面図である。なお、画像形成ユニット430K内の画像形成を行う構成は本発明と直接関係しないため省略する。
図5において、ハンドル部467は、転写ベルト461に近接する対向部としての用紙対向面476が形成されており、その用紙対向面476は、印刷用紙を搬送する搬送ローラ対310から画像形成ユニット430Kの感光体ドラム431の方向、すなわち印刷用紙の搬送方向に向けてベルト搬送部477(転写ベルト461)との間隙が徐々に狭くなる傾斜面として形成され、転写ベルト461に対向して用紙搬送路としての用紙搬送部を形成するとともに、搬送ローラ対310で搬送される印刷用紙を転写ベルト461に向けて案内するガイド部材である。さらに、用紙対向面476は、転写ベルト461に印刷用紙を吸着させる吸着部材でもある。
【0031】
また、画像形成ユニット430Kの外装フレーム440には、ハンドル部467と当接してそのハンドル部467を移動させる移動部440pが形成され、ハンドル部467には、その移動部440pと当接する当接部467pが形成されている。
ハンドル部467の用紙対向面476は、画像形成ユニット430Kの外装フレーム440の移動部440pがハンドル部467の上部の当接部467pに当接してハンドル部467が移動(図4に示すスライド部475aおよびスライド部475bが軸部463aおよび軸部463bと係合した状態で移動)した際に、転写ベルト461方向へ移動して転写ベルト461に近接し、印刷用紙の搬送方向における上流側に配設される搬送ローラ対310により搬送された印刷用紙の上面に接触し、印刷用紙をベルト搬送部477(転写ベルト461)へ向けて案内するように配設されている。
【0032】
次に、プリンタの制御構成を図3の第1の実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図に基づいて説明する。
図3において、制御部600は、プリンタ10全体の動作の制御を行うものであり、制御中枢部となる主制御部601と、給紙モータ制御部602と、電磁クラッチ制御部603と、ベルトモータ制御部604と、IDモータ制御部605と、定着モータ制御部606とにより構成されている。
【0033】
主制御部601は、制御手段や演算手段からなるCPU(Central Processing Unit)、プログラムメモリのRAMやROM、タイマーカウンタ等を内蔵し、入力ポートから入力された用紙センサ302、用紙センサ313、書込みセンサ314、および排出センサ506から検出信号に基づいて各部各装置の起動や制御の切替えを行う。
また、主制御部601には、給紙モータ制御部602と、電磁クラッチ制御部603と、ベルトモータ制御部604と、IDモータ制御部605と、定着モータ制御部606とが接続されている。
【0034】
給紙モータ制御部602は、給紙モータ711に作動信号を出力してその給紙モータ711を制御し、電磁クラッチ制御部603は、電磁クラッチ706に作動信号を出力してその電磁クラッチ706を制御し、ベルトモータ制御部604は、ベルトモータ609に作動信号を出力してそのベルトモータ609を制御し、IDモータ制御部605は、IDモータ610に作動信号を出力してそのIDモータ610を制御し、定着モータ制御部606は、定着モータ611に作動信号を出力してその定着モータ611を制御する。
【0035】
これらの各モータは、2相励磁ステッピングモータやDCモータ等が用いられる。2相励磁ステッピングモータは、各モータに一定電流を流してクロック信号の立ち上がりで相電流方向を切り替えたり、クロック周波数を変化させたりすることでモータ回転の加速または減速を制御する。DCモータは、モータ端子に電圧を印加して回転速度を制御し、モータ端子の極性の接続方向によりモータの回転方向を制御する。
【0036】
電磁クラッチ706は、乾式単板電磁クラッチ等が用いられる。この電磁クラッチ706は、ロータとコイルを内蔵したフィールドが玉軸受けで支持されて一体としたフィールド・ロータ組立とアーマチュア組立とにより構成される。フィールド・ロータ組立は、シャフトなどの回転部材に取り付けられ、アーマチュア組立は、ロータと僅かな間隙をとり。板ばねを介して取り付けボルトにより、プーリ、歯車等の部材に固定される。
【0037】
電磁クラッチ706内のコイルに流す電流により、フィールド・ロータ組立とアーマチュア組立との間に発生させた磁束によって、アーマチュアがロータに吸引され電磁クラッチが連結される。これにより、電磁クラッチ706に連結された外部機構に機械的運動を与える。コイルへの通電を継続すれば、アーマチュアはロータに吸引された状態を保ち、通電を遮断すれば磁束が消滅し、アーマチュアが板ばねによりロータから切り離され元の位置に引き戻される。このようにして、電磁クラッチ706に取り付けられた歯車に伝達された駆動源からの動力を、駆動ローラへ伝達させる。
【0038】
プリンタ10は、オペレーションパネル612を備え、そのオペレーションパネル612は、図示しないスイッチ等で構成された入力部と、図示しないLED(Light Emitting Diode)、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成された表示部とにより構成される。この入力部を操作することにより、フォントの選択、印刷用紙の選択等のプリンタ10における各種の条件を設定することができるようになっている。また、表示部には、入力部によって設定された条件等が表示される。
【0039】
プリンタ10はインターフェース部613を備え、そのインターフェース部613は、図示しないインターフェースコネクタ、インターフェース用IC等から構成され、図示しないホストコンピュータから送信された印刷データを受信し、主制御部601へ転送する。
このように構成されたプリンタ10は、RAMやROM等の記憶手段に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)を実行する制御部600により、全体の動作が制御される。
【0040】
上述した構成の作用について説明する。
まず、プリンタの動作を図2に基づいて説明する。
用紙トレイ100より給紙を行う場合、用紙トレイ100に堆積した状態で収納されている印刷用紙101が、ピックアップローラ202、フィードローラ203、およびリタードローラ204からなる用紙繰出し部200によって、上から1枚ずつ分離されて用紙搬送路に繰出される。
【0041】
繰出された印刷用紙101は、用紙センサ302を通過し、搬送ローラ対303へ送られる。搬送ローラ対303は、印刷用紙101の用紙センサ302の通過時間に基づいて所定のタイミングで印刷用紙101を送り出す。このとき、搬送された印刷用紙101は、予め設定された所定量だけ、用紙繰出し部200により搬送され続け、搬送ローラ対303の二つのローラの間に、印刷用紙101の先端が突き当てられ、斜行が補正される。その後、印刷用紙101は、搬送ローラ対303に噛み込まれ、図2中の矢印で示される方向に回転する駆動ローラ304および従動ローラ305により挟持されて搬送ローラ対310の方向へ搬送される。
【0042】
搬送ローラ対303によって送り出された印刷用紙101は、用紙センサ313を通過し、搬送ローラ対310へ送られる。搬送ローラ対310は、印刷用紙101が用紙センサ302に到達した時点から回転駆動され、印刷用紙101を停止させることなく、送り出す。この搬送ローラ対310により送り出された印刷用紙101は、書き込みセンサ314を通過して画像形成部410へと送られる。
【0043】
搬送ローラ対310により画像形成部410へ送られた印刷用紙101は、ここで転写ベルト461により搬送され、画像形成ユニット430Kの感光体ドラム431と転写ローラ464との間に搬送される。その後、印刷用紙101は、この感光体ドラム431と転写ローラ464とにより挟持され、その記録面に感光体ドラム431のトナー像が転写される。
【0044】
同様に、印刷用紙101は、画像形成ユニット430Y、430M、430Cを通過し、その通過の過程で、各露光装置433により感光体ドラム431に形成された静電潜像を現像ローラ434によって現像した各色のトナー像が、その記録面に順次転写され、重ね合わせられる。
【0045】
トナー像が転写された印刷用紙101は、定着部500へ送られ、その定着部500で転写されたトナー像が定着される。その後、トナー像が定着された印刷用紙101は、排出ローラ対504a、504b、504cによってプリンタ10の外部の印刷用紙スタッカ部505へ排出される。
【0046】
このようにしてプリンタ10は、記録用紙101にカラー画像を形成する。
また、MPT320より給紙を行う場合、用紙載置板321に堆積した状態で収納されている印刷用紙Pが、ピックアップローラ323、MPTローラ324、およびリタードローラ325からなるMPT用紙繰出し部322によって、上から1枚ずつ分離されて用紙搬送路に繰出される。
【0047】
繰出された印刷用紙Pは、用紙センサ313を通過し、搬送ローラ対310へ送られる。搬送ローラ対310は、印刷用紙Pの用紙センサ313の通過時間に基づいて所定のタイミングで印刷用紙Pを送り出す。このとき、搬送された印刷用紙Pは、予め設定された所定量だけ、MPT用紙繰出し部322により搬送され続け、搬送ローラ対310の二つのローラの間に、印刷用紙Pの先端が突き当てられ、斜行が補正される。その後、印刷用紙Pは、搬送ローラ対310に噛み込まれ、図2中の矢印で示される方向に回転する二つのローラにより挟持されて書き込みセンサ314を通過して画像形成部410へ搬送される。
【0048】
搬送ローラ対310により画像形成部410へ送られた印刷用紙Pは、上述した用紙トレイ100から給紙を行う場合と同様の過程を経てトナー像が形成された後、プリンタ10の外部の印刷用紙スタッカ部505へ排出される。
なお、上述した印刷用紙を搬送する搬送機構において、フィードローラ203、搬送ローラ対303、搬送ローラ対310、およびMPTローラ324は、動力が伝達された際に、それぞれのローラ軸に組みつけられた電磁クラッチにより接続され、駆動が伝達される。
【0049】
次に、転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの動作を図6および図7の第1の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの動作を示す説明図に基づいて図2を参照しながら説明する。
図6は、既に転写ベルトユニット460が、プリンタ10に積載されている状態において、画像形成ユニット430Kがプリンタ10へ挿入された際の転写ベルトユニット460および画像形成ユニット430Kの動作を示す側面図であり、図6(a)は画像形成ユニット430Kがプリンタ10へ挿入される前の状態を示し、図6(b)は画像形成ユニット430Kがプリンタ10へ挿入された後の状態を示している。また、図7は、図6における転写ベルトユニット460および画像形成ユニット430Kの断面図であり、図7(a)は画像形成ユニット430Kがプリンタ10へ挿入される前の状態を示し、図7(b)は画像形成ユニット430Kがプリンタ10へ挿入された後の状態を示している。
【0050】
画像形成ユニット430Kがプリンタ10へ挿入される前の状態では、転写ベルトユニット460のハンドル部467は、バネ469Lおよび図1に示すバネ469Rによって付勢され、用紙対向面476がベルト搬送部477(転写ベルト461)から離間している。
画像形成ユニット430Kは、プリンタ10へ挿入される際、プリンタ10に備えられた図示しない挿入ガイドに沿って図6および図7中の矢印Cが示す方向へ案内される。このとき、画像形成ユニット430Kが、プリンタ10内へ案内されて所定量を移動すると外装フレーム440の移動部440pがハンドル部467の上部の当接部467pに当接する。
【0051】
その後、ハンドル部467は、画像形成ユニット430Kの挿入により押圧され、ハンドル部467の用紙対向面476がベルト搬送部477(転写ベルト461)へ近接する方向へ、さらに押し込まれる。このとき、ハンドル部467は、軸部463a、463bを軸として、それぞれスライド部475a、475bに沿って、図示しないガイド部により案内されながら画像形成ユニット430Kが移動する図中矢印Cが示す方向と平行して移動する。
【0052】
さらに、画像形成ユニット430Kが、所定量、プリンタ10内へ挿入されると、ハンドル部467の位置決め部472、473がプリンタ10内に形成された位置決めポスト470、471にそれぞれ嵌合し、転写ベルトユニット460が、プリンタ10内で位置決めされて固定される。このとき、ハンドル部467の用紙対向面476は、ベルト搬送部477(転写ベルト461)へ近接するように移動する。
【0053】
画像形成ユニット430Kは、プリンタ10から取外される際、図示しないガイド部に案内されて図中矢印Cが示す方向の反対方向に向かって案内され、転写ベルトユニット460のハンドル部467と画像形成ユニット430Kの外装フレーム440とが離間する。
【0054】
そのため、ハンドル部467を付勢するバネ469L、469Rによって、用紙対向面476はベルト搬送部477(転写ベルト461)から離間する方向へ移動する。このように、ハンドル部467が移動することにより、位置決め部472、473が位置決めポスト470、471からそれぞれ離間し、転写ベルトユニット460の固定状態が解除される。
【0055】
このように、用紙対向面476がベルト搬送部477(転写ベルト461)から離間した状態においては、ハンドル部467は、プリンタ10に対して転写ベルトユニット460を挿抜するための把持部となり、転写ベルトユニット460はプリンタ10に対して挿抜可能になる。
【0056】
また、ハンドル部467は、バネ469L、469Rによってベルト搬送部477(転写ベルト461)から離間する方向へ移動して上方の操作者側に突出するため、操作者はハンドル部467を把持し易くなり、転写ベルトユニット460の着脱の操作性を向上させることができる。さらに、印刷用紙の詰まり(ジャム)が発生した場合等、転写ベルト461上から印刷用紙を除去するときに、画像形成ユニット430Kを取り外すと用紙対向面476(特に、印刷用紙と接触する部分)が転写ベルト461から離間するため、印刷用紙を除去する操作が容易になる。
【0057】
図8は、第1の実施例における記録媒体の搬送状態を示す説明図であり、図1においてプリンタ10に転写ベルトユニット460および画像形成ユニット430Kが装着され、搬送ローラ対310により印刷用紙101が挟持されて搬送され、その印刷用紙101が画像形成部410へ進入する様子を示している。
【0058】
図8において、印刷用紙101は、搬送ローラ対310を構成する駆動ローラ311および従動ローラ312により、図中矢印Dが示す方向へ挟持搬送され、画像形成部の画像形成ユニット430Kへ挟持搬送される。図中矢印Dが示す印刷用紙101の搬送方向における上流側から画像形成部の画像形成ユニット430Kに向けてベルト搬送部477(転写ベルト461)との間隔が狭くなるように傾斜した用紙対向面476は、画像形成ユニット430Kのプリンタへの装着により、ベルト搬送部477(転写ベルト461)へ近接しており、印刷用紙101を転写ベルト461へ静電吸着されるように案内する。
【0059】
印刷用紙101は、用紙対向面476によりベルト搬送部477(転写ベルト461)へ案内されることにより、均一に、かつ感光体ドラム431よりも図中矢印Dが示す印刷用紙101の搬送方向における上流で、確実に転写ベルト461へ静電吸着され、感光体ドラム431と転写ローラ464によって形成されるニップ部へ搬送される。
【0060】
ここで、用紙対向面476は、転写ベルト461(ベルト搬送部477)との間の間隙が最も小さくなる、すなわち転写ベルト461に最接近する最近接部としての接触部476aと、印刷用紙101の入り口となる対向面上流部476kとを有している。この接触部476aは、転写ベルト461に接触しているため、搬送される印刷用紙101を転写ベルト461に吸着させることができる。
【0061】
この最近接部は、転写ベルト461に接触する形態が最も好ましいが、転写ベルト461に印刷用紙101を吸着させることができれば転写ベルト461との間に間隙が形成されていても良く、その間隙は好ましくは2.0mm以下である。ここで、最近接部と転写ベルト461との間隙を2.0mm以下とするのは、その間隙が2.0mmよりも大きい場合は、搬送される印刷用紙101が遊動してしまい、その印刷用紙101を転写ベルト461に充分に吸着させることができないからである。
【0062】
なお、本実施例では、用紙対向面476の最近接部を転写ベルト461に接触する傾斜面で形成された接触部476aとして説明したが、図9に示すように、最接近部を回転体であるコロ476bで構成するようにしても良い。この場合、最接近部が回転体で構成されているため、不要な磨耗を抑制する効果が得られる。
【0063】
以上説明したように、第1の実施例では、転写ベルトユニットのハンドル部に転写ベルトに近接する用紙対向面を形成したことにより、搬送される印刷用紙の先端の浮き上がりを防止し、印刷用紙を確実に転写ベルトに静電吸着させることができ、印刷用紙の搬送精度を向上させて印刷品質を向上させることができるという効果が得られる。
【0064】
また、印刷用紙を感光体ドラムよりも上流側で転写ベルトに均一に静電吸着させることにより、印刷用紙が感光体ドラムと転写ローラによって形成されるニップ部に搬送される際に発生する印刷用紙のしわを防止することができるという効果が得られる。
さらに、印刷用紙が転写ベルトに静電吸着できず、その先端が転写ベルトから浮いた状態のまま搬送されて感光体ドラムに衝突することを防止することができるという効果が得られる。
【0065】
また、転写ベルトユニットの把持部と印刷用紙を案内する用紙対向面とを兼ねることにより、装置の小型化および部品点数の削減を図ることができるという効果が得られる。
またさらに、ハンドル部は、転写ベルトユニット460の位置決めおよび固定も行うため、固定部材の削減とともに転写ベルトユニットの装置からの着脱を容易にすることができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0066】
第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と転写ベルトユニットの構成が異なるものである。その第2の実施例の構成を図10、図11および図12に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10は第2の実施例における転写ベルトユニットの斜視図、図11は第2の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの側面図、図12は第2の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの断面図である。なお、画像形成ユニット内の画像形成を行う構成は本発明と直接関係しないため省略する。
【0067】
ハンドル部480は、用紙対向面476の接触部476aの印刷用紙の搬送方向における上流に形成された凹部内に、回転可能に軸支された吸着ローラ481を備えている。この吸着ローラ481は、転写ベルト461に印刷用紙を吸着させる回転体であり、左右両端の回転軸をそれぞれ吸着ローラ軸受482、483により軸支され、転写ベルト461に接近/離間する方向に移動可能に配設されている。
【0068】
ハンドル部480を把持部として使用する際、吸着ローラ軸受482、483は、吸着ローラ481が用紙対向面476より転写ベルト461の方向へ突出しないように図示しない付勢バネにより、それぞれ転写ベルト461から離間する方向へ付勢されている。なお、ハンドル部480は、第1の実施例と同様に、転写ベルトユニット460の図中矢印Aが示す印刷用紙の搬送方向における最上流側に備えられている。
また、転写ベルトユニット460に備えられるテンションローラ463は、その回転軸方向の両端に突出した図10に示す軸部463aおよび図11に示す軸部463bを備えている。
【0069】
ハンドル部480には、軸部463aと軸部463bとを結ぶ直線に直交し、かつ突出した軸部463aおよび軸部463bのそれぞれと係合するスライド部475aおよびスライド部475bが形成され、ハンドル部480はスライド部475aおよびスライド部475bが軸部463aおよび軸部463bと係合した状態で移動可能になっている。
また、ハンドル部480は、スライド部475aおよびスライド部475bの長手方向に沿って軸部463aおよび軸部463bを付勢するバネ469Rおよびバネ469Lを備え、そのバネ469Rおよびバネ469Lはハンドル部480を転写ベルト461から離間させる方向(図中矢印Bが示す方向)へ付勢するように配設されている。
【0070】
画像形成ユニット430Kは、プリンタ10に装着された際に、スライド部475aおよびスライド部475bが軸部463aおよび軸部463bと係合した状態でハンドル部480を移動させるように、ハンドル部480の上部と当接する図11に示す外装フレーム440を備えている。
また、画像形成ユニット430Kは、プリンタに装着された際に、吸着ローラ軸受482、483の上部に当接して吸着ローラ軸受482、483を転写ベルト461に近接する方向へ移動させるロアフレーム441を備えている。
【0071】
ハンドル部480の両端部(スライド部475aおよびスライド部475bの略下方)には、転写ベルトユニット460がプリンタ10に装着され、画像形成ユニット430Kの外装フレーム440によって押圧され移動した際に、プリンタ10のフレームの両側部に形成された突起としての位置決めポスト470、471に、それぞれ係合する凹部としての位置決め部472、473を備えている。なお、図11において、位置決めポスト470は、位置決めポスト471の反対側に形成されている。
【0072】
ハンドル部480の用紙対向面476および吸着ローラ481は、画像形成ユニット430Kの外装フレーム440の移動部440pがハンドル部480の上部の当接部467pに当接してハンドル部480が移動した際に、転写ベルト461へ近接し、印刷用紙の搬送方向における上流側に配設される搬送ローラ対310により搬送された印刷用紙の上面に接触し、印刷用紙をベルト搬送部477(転写ベルト461)へ向けて案内するように配設されている。
【0073】
したがって、本実施例では、用紙対向面476の接触部476aおよび吸着ローラ481が印刷用紙に接触する最近接部を構成している。
なお、プリンタの制御構成は第1の実施例と同様であるので、その説明を省略する。
【0074】
上述した構成の作用について説明する。なお、プリンタの動作は第1の実施例と同様であるためその説明を省略する。
転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの動作を図13の第2の実施例における転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの動作を示す説明図に基づいて図2を参照しながら説明する。
【0075】
図13は、既に転写ベルトユニット460が、プリンタ10へ積載されている状態において、画像形成ユニット430Kがプリンタ10へ挿入された際の転写ベルトユニット460および画像形成ユニット430Kの動作を示す側断面図であり、図13(a)は画像形成ユニット430Kがプリンタ10へ挿入される前の状態を示し、図13(b)は画像形成ユニット430Kがプリンタ10へ挿入され、画像形成ユニット430Kのロアフレーム441が転写ベルトユニット460の吸着ローラ軸受482、483の上部に当接している状態を示し、図13(c)は画像形成ユニット430Kがプリンタ10へ挿入された後の状態を示している。
【0076】
画像形成ユニット430Kがプリンタ10へ挿入される前の状態では、転写ベルトユニット460のハンドル部480は、バネ469Lおよび図1に示すバネ469Rによって付勢され、用紙対向面476がベルト搬送部477(転写ベルト461)から離間している。
また、吸着ローラ481は、吸着ローラ軸受482、483が図示しない付勢バネで付勢されることにより、用紙対向面476に形成された凹部内に収容され、突出することが防止される。これにより、転写ベルトユニット460がプリンタ10から取外されたとき、吸着ローラ481に操作者の手等が接触することを防止することができる。
【0077】
画像形成ユニット430Kは、プリンタ10へ挿入される際、プリンタ10に備えられた図示しない挿入ガイドに沿って図13中の矢印Cが示す方向へ案内される。このとき、画像形成ユニット430Kが、プリンタ10内へ案内されて所定量を移動すると外装フレーム440の移動部440pがハンドル部480の上部の当接部480pに当接する。
このとき、画像形成ユニット430Kのロアフレーム441が転写ベルトユニット460の吸着ローラ軸受482、483の上部に当接、押圧し、吸着ローラ481は転写ベルト461(ベルト搬送部477)へ近接するように移動する。
【0078】
その後、ハンドル部480は、画像形成ユニット430Kの挿入により押圧され、ハンドル部480の用紙対向面476がベルト搬送部477(転写ベルト461)へ近接する方向へ、さらに押し込まれる。このとき、ハンドル部480は、軸部463a、463bを軸として、それぞれスライド部475a、475bに沿って、図示しないガイド部により案内されながら画像形成ユニット430Kが移動する図中矢印Cが示す方向と平行して移動する。
【0079】
さらに、画像形成ユニット430Kが、所定量、プリンタ10内へ挿入されると、ハンドル部480の位置決め部472、473がプリンタ10内に形成された位置決めポスト470、471にそれぞれ嵌合し、転写ベルトユニット460が、プリンタ10内で位置決めされて固定される。このとき、ハンドル部480の用紙対向面476は、ベルト搬送部477(転写ベルト461)へ近接するように移動する。
【0080】
また、ロアフレーム441が吸着ローラ軸受482、483の上部に当接して押し込む距離は、外装フレーム440がハンドル部480を押し込む距離よりも所定量大きくなっており、用紙対向面476より突出しないように配設されていた吸着ローラ481は、ロアフレーム441に押し込まれることにより、画像形成ユニット430Kがプリンタ10内へ挿入されきったときは、用紙対向面476から所定量突出し、印刷用紙を搬送するときの従動ローラとなる。
なお、吸着ローラ481は、テンションローラ463と転写ベルト461を介して対向するように移動され、テンションローラ463との間でニップ部を形成する。
【0081】
画像形成ユニット430Kは、プリンタ10から取外される際、図示しないガイド部に案内されて図中矢印Cが示す方向の反対方向に向かって案内され、転写ベルトユニット460のハンドル部480と画像形成ユニット430Kの外装フレーム440とが離間する。
そのため、ハンドル部480を付勢するバネ469L、469Rによって、用紙対向面476はベルト搬送部477(転写ベルト461)から離間する方向へ移動する。このように、ハンドル部480が移動することにより、位置決め部472、473が位置決めポスト470、471からそれぞれ離間し、転写ベルトユニット460の固定状態が解除される。
【0082】
さらに、画像形成ユニット430Kがプリンタ10から取外されると、吸着ローラ481は、吸着ローラ軸受482、483が図示しない付勢バネで付勢されることにより、用紙対向面476に形成された凹部内に収容され、突出することが防止される。
このように、用紙対向面476がベルト搬送部477(転写ベルト461)から離間した状態においては、ハンドル部480は、プリンタ10に対して転写ベルトユニット460を挿抜するための把持部となり、転写ベルトユニット460はプリンタ10に対して挿抜可能になる。
【0083】
図13(c)において、第1の実施例と同様に、印刷用紙は、搬送ローラ対310を構成する駆動ローラ311および従動ローラ312により、図中矢印Dが示す方向へ挟持搬送され、画像形成部の画像形成ユニット430Kへ挟持搬送される。図中矢印Dが示す印刷用紙の搬送方向における上流側から画像形成部の画像形成ユニット430Kに向けてベルト搬送部477(転写ベルト461)との間隔が狭くなるように傾斜した用紙対向面476は、画像形成ユニット430Kのプリンタへの装着により、ベルト搬送部477(転写ベルト461)へ近接しており、印刷用紙101を転写ベルト461へ案内する。その後、印刷用紙は、用紙対向面476より突出した吸着ローラ481により押圧されて転写ベルト461へ静電吸着される。
【0084】
印刷用紙101は、用紙対向面476および吸着ローラ481によりベルト搬送部477(転写ベルト461)へ案内されることにより、均一に、かつ感光体ドラム431よりも図中矢印Dが示す印刷用紙101の搬送方向における上流で、確実に転写ベルト461へ静電吸着され、感光体ドラム431と転写ローラ464によって形成されるニップ部へ搬送される。
【0085】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、転写ベルトユニットのハンドル部に転写ベルトに近接する用紙対向面に吸着ローラを設けたことにより、印刷用紙の転写ベルトへの静電吸着をより精度良く行うことができるという効果が得られる。
また、印刷用紙の転写ベルトへの静電吸着の際、ローラを使用することにより、用紙対向面と転写ベルトの擦過を防止し、安定した印刷用紙のベルト搬送を行うことができるという効果が得られる。
【0086】
なお、第1の実施例および第2の実施例では、転写ベルトユニットのハンドル部をブラック色の画像形成ユニットの上流側に配置した例で説明したが、それに限られるものでなく、画像形成部の最上流であればイエロー色、マゼンタ色またはシアン色の画像形成ユニットの上流側に配置するようにしても良い。
【0087】
また、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成部の画像形成ユニットとしてブラック色、イエロー色、マゼンタ色またはシアン色の4色による画像処理方式について説明したが、それに限られることなく、対応する色、画像形成ユニットの数、画像処理方式、配置等は適宜変更することが可能であり、さらに画像形成装置はプリンタに限られることなく、それらを用いた複写機、自動原稿読取装置等としても良い。
さらに、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成装置をカラープリンタとして説明したがモノクロプリンタであっても良い
【符号の説明】
【0088】
10 プリンタ
100 用紙トレイ
101 印刷用紙
102、321 用紙載置板
103 リフトアップレバー
104 モータ
200 用紙繰出し部
201 上昇検知部
202、323 ピックアップローラ
203 フィードローラ
204、325 リタードローラ
302、313 用紙センサ
303、310 搬送ローラ対
304、311 駆動ローラ
305、312 従動ローラ
314 書込みセンサ
320 MPT
322 MPT用紙繰出し部
324 MPTローラ
410 画像形成部
430 画像形成ユニット
431 感光体ドラム
432 帯電ローラ
433 露光装置
434 現像ローラ
440 外装フレーム
441 ロアフレーム
460 転写ベルトユニット
461 転写ベルト
462 ドライブローラ
463 テンションローラ
463a、463b 軸部
464 転写ローラ
467、480 ハンドル部
469 バネ
470、471 位置決めポスト
472、473 位置決め部
475 スライド部
476 用紙対向面
477 ベルト搬送部
481 吸着ローラ
482、483 吸着ローラ軸受
500 定着部
600 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を媒体に転写する転写部とを有する画像形成装置であって、
前記画像形成部は、前記画像形成装置に着脱可能であり、
前記転写部は、
媒体を搬送する搬送部材と、
前記画像形成部が装着される際、前記画像形成部に押圧されて移動し、前記搬送部材に近接する対向部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記対向部は、前記媒体の搬送方向における上流側から下流側に向けて前記搬送部材との間隙を徐々に狭くする傾斜面が形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記対向部は、前記搬送部材との間隙が最も小さくなる最近接部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記最近接部は、前記搬送部材と接触することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の画像形成装置において、
前記最近接部は、回転体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3または請求項4に記載の画像形成装置において、
前記最近接部は、前記搬送部材に媒体を吸着させる吸着ローラであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記吸着ローラは、移動可能な軸受けに軸支され、前記画像形成部が装着される際、前記画像形成部に押圧されて移動し、前記対向部から突出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記転写部の媒体搬送方向における上流側に媒体搬送手段を備え、
前記対向部は、前記媒体搬送手段で搬送される媒体を前記転写部の搬送部材へ案内することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記対向部は、前記転写部を把持する把持部に形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成装置において、
前記把持部は、装着される前記画像形成部と当接する当接部と、前記対向部を前記搬送部材へ近接させる案内部と、前記対向部が前記搬送部材に最接近した位置を決定し、固定する位置決め部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記搬送部材は、前記画像形成部に対向配置された無端ベルトであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−44998(P2013−44998A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183539(P2011−183539)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】