説明

画像形成装置

【課題】中間転写ドラムを備える画像形成装置において、複数の露光ユニットを感光体ドラムに対して近接・離間可能とする。
【解決手段】画像形成装置は、4つの感光体ドラム41と、各感光体ドラム41から転写された現像剤像を用紙に転写する中間転写ドラム45と、各感光体ドラム41に対応して設けられ、対応する感光体ドラム41に近接配置されて当該感光体ドラム41の表面を露光する複数の露光ユニット43と、複数の露光ユニット43を対応する感光体ドラム41に近接する位置と離間する位置との間で装置本体に対して移動可能に保持するアッパーカバー5とを備える。感光体ドラム41は、中間転写ドラム45の周面に沿って並んで配置されている。各露光ユニット43は、露光光を出射する露光側端部43Eが、中間転写ドラム45の軸方向から見て、感光体ドラム41の半径と中間転写ドラム45の半径との和を半径とする円弧A1上に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写ドラムを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、その周面上に複数の感光体ドラムが配置され、各感光体ドラムから転写された現像剤像を用紙に転写する1つのドラム状の中間転写体を備えた画像形成装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された画像形成装置は、レーザスキャナユニットから出力されたレーザ光により感光体ドラムの表面を露光することで、感光体ドラム上に静電潜像を形成し、この静電潜像に現像カートリッジから現像剤を供給することで、感光体ドラム上に現像剤像を形成している。そして、各感光体ドラム上の現像剤像を中間転写体を介して用紙に転写することで、用紙に画像を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−250346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記したような画像形成装置において、レーザスキャナユニットの代わりに、LEDヘッドのような対応する感光体ドラムに近接して配置される複数の露光ユニットを採用した場合には、感光体ドラムを含むプロセスカートリッジの交換などを行うために、露光ユニットを感光体ドラムに対して近接・離間可能に構成することが望まれる。しかしながら、従来は、この点について検討がなされていなかった。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、中間転写ドラムを備える画像形成装置において、複数の露光ユニットを感光体ドラムに対して近接・離間可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、装置本体と、現像剤像が形成される少なくとも3つの感光体ドラムと、各感光体ドラムから転写された現像剤像を記録シートに転写する中間転写ドラムと、各感光体ドラムに対応して設けられ、対応する感光体ドラムに近接配置されて当該感光体ドラムの表面を露光する複数の露光ユニットと、複数の露光ユニットを対応する感光体ドラムに近接する位置と離間する位置との間で装置本体に対して移動可能に保持する保持部材とを備えている。
感光体ドラムは、中間転写ドラムの周面に沿って並んで配置されている。
各露光ユニットは、露光光を出射する露光側端部が、中間転写ドラムの軸方向から見て、感光体ドラムの半径と中間転写ドラムの半径との和を半径とする円弧上に配置されている。
【0008】
このような構成によれば、各露光ユニットを互いに略平行に配置することが可能となるので、例えば、各露光ユニットが中間転写ドラムを中心として放射状に配置されるような構成と比較して、複雑な機構を採用することなく、複数の露光ユニットを一度に感光体ドラムに対して比較的に容易に近接・離間させる構成が可能となる。
【0009】
また、各露光ユニットを互いに略平行に配置しつつ、各感光体ドラムの表面の略同じ位置を略同じ角度(感光体ドラムの表面への光の入射角度)で露光することが可能となるので、画像品質を良好に保つことができる。
【0010】
前記した画像形成装置において、前記保持部材は、回動することで装置本体に設けられた開口を開閉するカバーであり、複数の露光ユニットを1つずつ保持する複数の保持部を有する構成とすることができる。
この場合、各露光ユニットは、保持部に保持される保持側端部が、前記軸方向から見て、感光体ドラムの半径と中間転写ドラムの半径との和を半径とする円弧上に配置されていることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、カバーの開閉により複数の露光ユニットを容易かつ一度に感光体ドラムに対して近接・離間させることができる。また、各色の露光ユニットの間で共通部品を使用することが可能となるので、低コスト化を図ることができる。
【0012】
前記した画像形成装置において、保持部材は、前記軸方向から見て、感光体ドラムの半径と中間転写ドラムの半径との和を半径とする円弧形状をなす円弧状部を有し、当該円弧状部に複数の保持部が設けられている構成とすることができる。
【0013】
このような構成によれば、保持部材が各露光ユニットの配置に倣った形状となるので装置の小型化を図ることができる。また、保持部材が前記軸方向から見て直線状に延びているような構成と比較して、保持部材の強度を向上させることが可能となる。
【0014】
前記した各画像形成装置において、保持部材は、装置本体から排出された記録シートが載置される載置部を有する構成とすることができる。
【0015】
このような構成によれば、載置部を保持部材とは別に設ける必要がなくなるので、低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、各露光ユニットの露光側端部が感光体ドラムの半径と中間転写ドラムの半径との和を半径とする円弧上に配置されていることで、各露光ユニットを互いに略平行に配置することが可能となり、複数の露光ユニットを一度に感光体ドラムに対して近接・離間させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】画像形成部とアッパーカバーの拡大図である。
【図3】露光ユニットの配置の説明図である。
【図4】アッパーカバーを開いた状態の画像形成装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず、実施形態に係る画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1の概略構成を簡単に説明し、その後、本発明の特徴部分に係るカラープリンタ1(中間転写ドラム45周辺)の詳細な構成について説明する。
【0019】
また、以下の説明において、方向は、カラープリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0020】
<カラープリンタの概略構成>
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体の一例としての本体筐体2と、記録シートの一例としての用紙Sを供給する給紙部3と、供給された用紙Sに画像を形成する画像形成部4とを主に備えている。
【0021】
給紙部3は、用紙Sが載置される給紙トレイ31と、用紙Sを給紙トレイ31から画像形成部4に供給する給紙機構32とを主に備えている。給紙トレイ31は、下端部を中心として本体筐体2に対して揺動可能に支持されており、使用しないときには収納位置(鎖線参照)に収納可能に構成されている。給紙トレイ31に載置された用紙Sは、給紙機構32によって1枚ずつ分離されて画像形成部4(中間転写ドラム45と転写ローラ46の間)に供給される。
【0022】
画像形成部4は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色に対応した4つ(複数)の感光体ドラム41、帯電ユニット42、露光ユニット43および現像ユニット44と、中間転写ドラム45と、転写ローラ46と、定着ユニット47とを主に備えて構成されている。
【0023】
感光体ドラム41は、帯電ユニット42による帯電の後、露光ユニット43によって露光されることで表面に静電潜像が形成されるドラム状の感光体であり、中間転写ドラム45の上部で中間転写ドラム45の周面に沿って並んで配置されている。
【0024】
帯電ユニット42は、感光体ドラム41の表面を一様に帯電させる帯電ローラ(符号省略)を有しており、各感光体ドラム41に対応して1つずつ設けられ、対応する感光体ドラム41の前斜め上方に配置されている。なお、本発明において、帯電ユニット42は、帯電ローラを有する構成に限定されず、例えば、スコロトロン型帯電器やコロトロン型帯電器、鋸歯帯電器などを有する構成であってもよい。
【0025】
露光ユニット43は、帯電後の感光体ドラム41の表面を露光するユニットであり、各感光体ドラム41に対応して1つずつ設けられ、対応する感光体ドラム41の上方前寄りに近接配置されている。露光ユニット43の詳細な構成や配置については後述する。
【0026】
現像ユニット44は、感光体ドラム41上の静電潜像に現像剤としてのトナーを供給することで感光体ドラム41上にトナー像(現像剤像)を形成するユニットであり、各感光体ドラム41に対応して1つずつ設けられ、対応する感光体ドラム41の上方後寄りに配置されている。各現像ユニット44は、それぞれ、符号を省略して示す現像ローラや、図示しない供給ローラ、層厚規制ブレード、そして、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのいずれかのトナーが収容されるトナー収容部などを備えている。
【0027】
本実施形態において、感光体ドラム41、および、対応する帯電ユニット42と現像ユニット44は、一体化されたプロセスカートリッジ(符号省略)(本実施形態では4つ備えることとなる。)として、後述するアッパーカバー5を開いたときにできる開口2A(図4参照)から本体筐体2に対して着脱可能に装着されるように構成されている。
【0028】
中間転写ドラム45は、各感光体ドラム41からトナー像が転写されるドラム状の中間転写体である。
転写ローラ46は、転写バイアスが印加されることで中間転写ドラム45上のトナー像を引き寄せ、中間転写ドラム45との間を搬送される用紙Sに転写するローラであり、中間転写ドラム45の後斜め下方に配置されている。
【0029】
定着ユニット47は、用紙S上に転写されたトナー像を用紙Sに熱定着するためのユニットであり、符号を省略して示す、加熱ローラと、加熱ローラと対向配置されて加熱ローラを押圧する加圧ローラとを主に備えている。
【0030】
以上のように構成された画像形成部4では、感光体ドラム41の表面が、帯電ユニット42により一様に帯電された後、露光ユニット43によって露光されることで、感光体ドラム41上に画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体ドラム41の表面に現像ユニット44からトナーが供給されることで、静電潜像が可視像化されて感光体ドラム41上にトナー像が形成される。
【0031】
各感光体ドラム41上に形成された各色のトナー像は、中間転写ドラム45上に順次重ね合わせて転写される。そして、給紙部3から搬送された用紙Sが、中間転写ドラム45と転写ローラ46との間を搬送されることで、中間転写ドラム45上のトナー像が用紙Sに転写される。トナー像が転写された用紙Sは、加熱ローラと加圧ローラの間を搬送されることでトナー像が熱定着される。
【0032】
トナー像が熱定着された用紙Sは、本体筐体2内に設けられた搬送ローラ23および排出ローラ24によって本体筐体2内から外部に排出され、載置部の一例としての排紙トレイ51A上に載置される。
【0033】
<カラープリンタの詳細構成>
カラープリンタ1は、本発明に特に関連する構成として、図2に示すように、4つの感光体ドラム41と、4つの露光ユニット43と、中間転写ドラム45と、保持部材の一例としてのアッパーカバー5とを備えている。
【0034】
各露光ユニット43は、感光体ドラム41の軸方向(左右方向)に沿って延びるように形成されており、それぞれ、露光ヘッド43Aと、支持フレーム43Bとを主に備えている。
【0035】
露光ヘッド43Aは、感光体ドラム41の表面と所定の間隔をあけて対向配置され、その下端部に、露光光を出射する左右方向に配列された図示しない複数のLEDや、LEDから出射された露光光を感光体ドラム41の表面に結像させる図示しないレンズなどを備えている。この露光ヘッド43Aは、画像データに基づいて各LEDが明滅することで、帯電後の感光体ドラム41の表面を露光する。
【0036】
支持フレーム43Bは、露光ヘッド43Aを支持する部材であり、略上下方向に延びるように形成されている。支持フレーム43Bの上端部は、アッパーカバー5の後述する保持部52に保持されている。
【0037】
各露光ユニット43は、露光ヘッド43Aの下端部である露光側端部43Eが、中間転写ドラム45の軸方向(左右方向)から見て、感光体ドラム41の半径rと中間転写ドラム45の半径Rとの和、すなわちR+rを半径とする円弧A1上に配置されている。このような配置により、各露光ユニット43は、支持フレーム43Bが互いに略平行に配置可能となり、かつ、各感光体ドラム41の表面の略同じ位置を略同じ角度で露光可能となる。
【0038】
図3に示すように、感光体ドラム41の表面のうち、露光ユニット43によって露光される任意の露光位置Eの座標(x,y)は、それぞれ、以下の式(1),(2)で示すことができる。
x=(R+r)cosθ+r・cosα ・・・(1)
y=(R+r)sinθ+r・sinα ・・・(2)
【0039】
ここで、図3において、x軸は、中間転写ドラム45の中心を通るカラープリンタ1の設置面(水平面)に対して平行な軸であり、y軸は、中間転写ドラム45の中心を通るx軸に垂直な軸である。また、αは、感光体ドラム41の中心を通るx軸に平行な線(x軸)と、感光体ドラム41の中心から露光位置Eを通って延びる直線Lとがなす角度である。
【0040】
上記式(1),(2)と、関係式「sin2θ+cos2θ=1」とからθを消去すると、以下の式(3)を得ることができる。
(x−r・cosα)2+(y−r・sinα)2=(R+r)2 ・・・(3)
【0041】
上記式(3)より、任意の露光位置E(座標(x,y))は、半径R+rの円弧A1’上に位置している。
【0042】
このとき、各露光ユニット43を各直線Lに沿うようにそれぞれ配置することで、各露光ユニット43(支持フレーム43B)は互いに略平行に配置されることとなる。また、各露光ユニット43を各直線Lに沿うようにそれぞれ配置することで、各露光ユニット43は、感光体ドラム41の中心に向けて露光光を出射することになるので、各感光体ドラム41の表面の略同じ位置にある露光位置Eを、略同じ角度αで露光することができることとなる。
【0043】
そして、各感光体ドラム41をより等しい条件で露光できるように、各露光ヘッド43Aと対応する感光体ドラム41の表面との間隔を互いに等しくすると、図2に示したように、各露光ユニット43の露光側端部43Eは、それぞれ、半径R+rの円弧A1上に配置されることとなる。
【0044】
アッパーカバー5は、後端部の回動軸5Aを中心として本体筐体2に対して回動可能に支持されており、回動することで本体筐体2の上部に設けられた開口2Aを開閉する(図1,4参照)。このアッパーカバー5は、本体筐体2に対して回動可能に支持されたカバー本体部51と、4つの露光ユニット43を1つずつ保持する4つ(複数)の保持部52とを主に備えている。
【0045】
カバー本体部51は、閉じた状態の上面に、本体筐体2内から排出された用紙Sが載置される排紙トレイ51Aが設けられている。また、カバー本体部51は、閉じた状態の下面に、左右方向から見て、半径R+rの円弧A3に沿った形状をなす円弧状部51Bを有している。この円弧状部51Bには、4つの保持部52が、その円弧状面に沿って並ぶように設けられている。
【0046】
各保持部52の下端部には、それぞれ、露光ユニット43の支持フレーム43Bの上端部が連結されている。これにより、アッパーカバー5を開くことで、アッパーカバー5に保持された4つの露光ユニット43を本体筐体2に対して移動させることができるようになっている。
【0047】
より詳細に、各露光ユニット43は、図1に示す対応する感光体ドラム41に近接する位置(露光位置)から、アッパーカバー5を開くことで、図4に示す離間する位置まで移動可能となっている。さらに、各露光ユニット43は、図4に示す感光体ドラム41と離間する位置から、アッパーカバー5を閉じることで、図1に示す近接する位置まで移動可能となっている。
【0048】
各保持部52と各露光ユニット43との連結部分、すなわち、支持フレーム43B(露光ユニット43)の上端部である保持側端部43Mは、左右方向から見て、半径R+rの円弧A2上に配置されている。これにより、中間転写ドラム45の周面上における露光ユニット43の配置位置に応じて支持フレーム43Bの略上下方向の長さをそれぞれ変更する必要がなくなるので、4つの露光ユニット43の間で支持フレーム43Bを共通部品化することが可能となる。
【0049】
以上によれば、本実施形態において以下のような作用効果を得ることができる。
各露光ユニット43の露光側端部43Eが半径R+rの円弧A1上に配置されているので、各露光ユニット43を互いに略平行に配置することが可能となる。これにより、例えば、各露光ユニット43が中間転写ドラム45を中心として放射状に配置されるような構成と比較して、複雑な機構を採用することなく、4つの露光ユニット43を一度に感光体ドラム41に対して比較的に容易に近接・離間させる構成が可能となる。
【0050】
特に、本実施形態においては、4つの露光ユニット43がアッパーカバー5に保持されているため、アッパーカバー5の開閉により4つの露光ユニット43を容易かつ一度に感光体ドラム41に対して近接・離間させることができる。そして、アッパーカバー5を開いた後は、感光体ドラム41、帯電ユニット42および現像ユニット44が一体化されたプロセスカートリッジの交換を容易に行うことが可能となる。
【0051】
また、本実施形態においては、各露光ユニット43を互いに略平行に配置しつつ、各感光体ドラム41の表面の略同じ位置である露光位置Eを、略同じ角度αで露光することが可能となるので、画像品質を良好に保つことができる。
【0052】
また、本実施形態においては、各露光ユニット43の保持側端部43Mが半径R+rの円弧A2上に配置されているので、支持フレーム43Bの共通部品化が可能となり、露光ヘッド43Aとともに、各色の露光ユニット43の間で共通部品を使用することが可能となる。これにより、カラープリンタ1の低コスト化を図ることができる。
【0053】
また、本実施形態においては、アッパーカバー5が半径R+rの円弧A3に沿った形状をなす円弧状部51Bを有し、この円弧状部51Bに保持部52が設けられているので、アッパーカバー5が各露光ユニット43の配置に倣った形状となるため、カラープリンタ1の小型化を図ることができる。また、アッパーカバー5が側面視において直線状に延びる形状をなすような構成と比較して、その強度を向上させることが可能となる。
【0054】
さらに、本実施形態においては、アッパーカバー5が排紙トレイ51Aを有しているので、排紙トレイ51Aをアッパーカバー5とは別に設ける必要がなくなるため、カラープリンタ1の低コスト化を図ることができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0056】
前記実施形態では、4つの感光体ドラム41を備えるカラープリンタ1(画像形成装置)を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。言い換えると、本発明は、中間転写ドラムの周面に沿って並んで配置される3つ以上の感光体ドラムを備える画像形成装置に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、6つの感光体ドラムを備える画像形成装置に適用することができる。
【0057】
前記実施形態では、露光光を出射する部材としてLEDを備えた露光ユニット43を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、露光ユニットは、露光光を出射する部材として、LEDの代わりに、EL素子や蛍光体などを備えていてもよい。また、露光ユニットは、蛍光灯やLEDなどのバックライトの出射側に、液晶素子やPLZT素子などの光学シャッタが配列された構成であってもよい。
【0058】
前記実施形態では、保持部材としてのアッパーカバー5が回動することで本体筐体2(装置本体)の開口2Aを開閉するように構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、保持部材は、上下に平行移動することで装置本体の開口を開閉するように構成されていてもよい。
【0059】
前記実施形態では、保持部材としてのアッパーカバー5が排紙トレイ51A(載置部)を有していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、載置部は、保持部材とは別に設けられていてもよい。具体的には、前記実施形態において、排紙トレイ(載置部)を本体筐体2の後部などに設けてもよい。
【0060】
前記実施形態では、感光体ドラム41、帯電ユニット42および現像ユニット44が一体化されたプロセスカートリッジとして本体筐体2に対して着脱可能に装着されるように構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、前記実施形態において、現像ユニット44のみがカートリッジとして本体筐体2に対して着脱可能に装着されるように構成されていてもよい。これによれば、感光体ドラムを寿命となるまで使用することができる。また、感光体ドラム41や帯電ユニット42などが個別に本体筐体2に対して着脱可能に装着されるように構成されていてもよい。
【0061】
前記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ1(プリンタ)を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、フラットベッドスキャナなどの原稿読取装置を備える複写機や複合機などであってもよい。
【0062】
前記実施形態では、記録シートとして、いわゆる普通紙などの用紙Sを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、OHPシートなどであってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 カラープリンタ
2 本体筐体
2A 開口
5 アッパーカバー
41 感光体ドラム
43 露光ユニット
43E 露光側端部
43M 保持側端部
45 中間転写ドラム
51A 排紙トレイ
51B 円弧状部
52 保持部
S 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
現像剤像が形成される少なくとも3つの感光体ドラムと、
前記各感光体ドラムから転写された現像剤像を記録シートに転写する中間転写ドラムと、
前記各感光体ドラムに対応して設けられ、対応する感光体ドラムに近接配置されて当該感光体ドラムの表面を露光する複数の露光ユニットと、
前記複数の露光ユニットを対応する感光体ドラムに近接する位置と離間する位置との間で前記装置本体に対して移動可能に保持する保持部材と、を備えた画像形成装置であって、
前記感光体ドラムは、前記中間転写ドラムの周面に沿って並んで配置され、
前記各露光ユニットは、露光光を出射する露光側端部が、前記中間転写ドラムの軸方向から見て、前記感光体ドラムの半径と前記中間転写ドラムの半径との和を半径とする円弧上に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記保持部材は、回動することで前記装置本体に設けられた開口を開閉するカバーであり、前記複数の露光ユニットを1つずつ保持する複数の保持部を有しており、
前記各露光ユニットは、前記保持部に保持される保持側端部が、前記軸方向から見て、前記感光体ドラムの半径と前記中間転写ドラムの半径との和を半径とする円弧上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記保持部材は、前記軸方向から見て、前記感光体ドラムの半径と前記中間転写ドラムの半径との和を半径とする円弧形状をなす円弧状部を有し、当該円弧状部に前記複数の保持部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記保持部材は、前記装置本体から排出された記録シートが載置される載置部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−45048(P2013−45048A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184536(P2011−184536)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】