説明

画像形成装置

【課題】一成分接触現像方式において、正規に帯電した現像剤を無駄に消費することなく、トナーの繰り返し摺擦に起因する画像不良を防止すること。
【解決手段】像担持体と現像ローラを接触させ、像担持体の表面電位と現像ローラに印加する現像バイアスとの電位差を画像形成中よりも非画像形成中において大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一成分現像剤を担持した回転可能な現像剤担持体を像担持体に接触させて像担持体に形成されている静電潜像を現像する接触現像方式の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置においては、一成分現像剤を回転可能な現像剤担持体である現像ローラに担持して像担持体(電子写真感光体)に接触させて像担持体に形成されている静電潜像を現像する接触現像方式が知られている。
【0003】
このような画像形成装置において、画像形成動作を繰り返すと現像剤が劣化し、現像ローラに対する規制部材による現像剤の規制が適切に行われなくなり、現像ローラ上の現像剤量が上昇し、規制不良といった画像不良が発生した。また、劣化した現像剤が現像ローラの表面に融着し、スジ上の濃度ムラといった画像不良が発生した。
【0004】
これらの画像不良は、画像形成動作を繰り返すことで、現像ローラ上の現像剤が入れ替わることなく、現像ローラと規制部材との間、現像ローラと弾性部材との間で、現像剤が繰り返し摺擦され、劣化することに起因する問題である。上記において弾性部材は現像ローラに対して接触して現像剤を供給する弾性を有する回転可能な現像剤供給部材である。
【0005】
このため、特許文献1に記載のように転写材に転写する画像形成の間隔で像担持体に吐き出しトナー像を形成するシーケンスを設け、現像ローラ上の現像剤を消費し、繰り返し摺擦を解消し、画像不良を対策するといったものが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−244512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のように繰り返し摺擦の解消を、現像剤を像担持体に現像するシーケンスにて対策すると、正規に帯電した現像剤を無駄に消費してしまう。これは、近年の環境配慮、エコの観点から好ましいものではない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、一成分接触現像方式において、正規に帯電した現像剤を無駄に消費することなく、トナーの繰り返し摺擦に起因する画像不良を防止できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、回転可能な像担持体と、帯電バイアスが印加されて前記像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段を含み前記像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセス手段と、一成分現像剤を担持して前記像担持体に接触すると共に現像バイアスが印加されて前記静電潜像を現像剤像として現像する回転可能な現像剤担持体と、を有し記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、非画像形成中に、前記像担持体と前記現像剤担持体を接触させ、少なくとも前記帯電手段に印加する帯電バイアスと前記現像剤担持体に印加する現像バイアスの一つを画像形成中とは異なるバイアスにして前記像担持体の表面電位と前記現像バイアスとの電位差を画像形成中よりも非画像形成中において大きくする制御モードを有し、前記電位差は放電開始電圧以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一成分接触現像方式において、正規に帯電した現像剤を無駄に消費することなく、トナーの繰り返し摺擦に起因する画像不良を防止できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1における現像装置の部分の拡大図であり、現像動作状態時を示している。
【図3】現像装置の非現像状態時を示している。
【図4】感光ドラムに対する接触後の現像ローラ上のトリボ分布を示す図である。
【図5】トナー除去補助シーケンスの制御タイミングチャートである。
【図6】制御フロー図である。
【図7】画像形成装置の動作工程図を示した。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を例示する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨のものではない。
【0013】
[実施例1]
(1)画像形成装置例の全体的な説明
図1は本実施例における画像形成装置100の概略構成図である。この装置100は一成分現像剤を担持した回転可能な現像剤担持体を像担持体に接触させて像担持体に形成されている静電潜像を現像する接触現像方式の画像形成装置である。より具体的には、この装置100は電子写真画像形成プロセスを用いた複写機或いはプリンタであり、回転可能な像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)1を有する。ドラム1は駆動機構(不図示)により矢印R1の反時計方向に本実施例においては100mm/secのプロセススピードにて回転駆動される。
【0014】
ドラム1の周囲にはドラム回転方向に沿って画像形成プロセス手段としての、帯電ローラ2、露光装置3、現像装置4、転写ユニット5、クリーニング装置6が配設されている。
【0015】
帯電ローラ2はドラム1を所定の極性・電位に一様に帯電する帯電手段としての導電性ローラである。ローラ2はドラム1に並行に配列されドラム1に所定の押圧力で当接されており、ドラム1の回転に従動して回転する。ローラ2の導電性の芯金に対して帯電バイアス印加電源E2から本実施例においては−1kVの帯電バイアスが印加されることでドラム1の表面が−450V(暗部電位Vd)に一様に帯電される。
【0016】
露光装置3は本実施例においてはレーザースキャナユニットである。ユニット3は装置100に装備されている画像読取装置あるいは外部ホスト装置102から制御回路部101に入力する電気的画像信号に対応して変調したレーザー光Lを出力して反射ミラー3aを介してドラム1の帯電処理面を露光位置Aにおいて走査露光する。これにより、ドラム表面の露光部の電位が減衰して明部電位Vlとなり暗部電位Vdとの静電コントラストにより露光パターンに対応した静電潜像がドラム表面に形成される。本実施例においては上記の帯電ローラ2とユニット3が潜像形成プロセス手段である。
【0017】
ここで、制御回路部101は装置102や操作部(不図示)との間で各種の電気的情報の授受をすると共に、装置100の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。したがって、装置100の画像形成シーケンス制御やその他の各種の制御は全て制御回路部101によって実行される。
【0018】
本実施例においては、静電潜像形成方式は、帯電したドラム面を画像情報部に対応して露光するイメージ露光方式としている。また、画像形成時のドラム1の表面電位は暗部電位がVd=−450V、明部電位がVl=−100Vに設定されている。
【0019】
上記のようにドラム1に形成された静電潜像が現像位置Cにおいて現像手段である現像装置4により現像剤像(トナー像)として現像される。本実施例における現像装置4は一成分現像剤として負帯電性のブラック色の非磁性一成分トナーを用いた接触現像装置である。この現像装置4については(2)項で詳述する。
【0020】
ドラム1上のトナー像はドラム1の引き続く回転により転写位置Bに搬送されて転写ユニット5により記録媒体としての記録材Pに対して転写される。ユニット5は、エンドレスの静電搬送ベルト51と、このベルト51を懸回張設した4本の回転可能なベルト張架ローラ52〜55を有する。ローラ52は転写ローラとして導電性ローラにしてあり、転写位置Bにおいてベルト51を介してドラム1に対して所定の押圧力で圧接されている。ローラ53は駆動ローラとしてあり、ローラ52よりも記録材搬送方向下流側に配設されている。ローラ54と55はそれぞれローラ53と52の下側に配設されている。
【0021】
ベルト51はローラ53が駆動されることで矢印R51の時計方向にドラム1の回転速度に対応した速度でドラム1の回転に順方向に回転する。56はローラ54のベルト懸回部に配設したベルトクリーニング装置である。ベルト61の外面にベルト回転方向に対してカウンタ方向となる向きで当接させた弾性クリーニングブレード56aを有する。このブレード56aによりベルト61に付着したトナーが掻き落とされて除去される。
【0022】
そして、給紙機構部(不図示)から記録材Pが所定の制御タイミングにて転写位置Bに導入されてドラム1とベルト51との接触ニップ部に進入して挟持搬送される。記録材Pが転写位置Bを通過する間、ローラ52には転写バイアス印加電源E52からトナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)で所定電位の転写バイアスが印加される。
【0023】
これにより、転写位置Bにおいてドラム1側のトナー像がベルト51に担持されて搬送される記録材Pの表面に順次に静電転写される。転写位置Bを通過した記録材Pはベルト51に担持されてドラム1の表面から分離されて搬送され、ローラ53の部分においてベルト51から曲率分離する。
【0024】
また、転写位置Bで記録材Pに転写されずにドラム1面に残ったトナーは引き続くドラム1の回転によりクリーニング装置6に搬送されてドラム1の面から除去される。本実施例においてクリーニング装置6はドラム1の外面にドラム回転方向に対してカウンタ方向となる向きで当接させた弾性クリーニングブレード61aを有する。このブレード61aによりドラム1に付着したトナーが掻き落とされて除去され、ドラム1は繰り返して画像形成に供される。
【0025】
また、ベルト51から分離した記録材Pは定着装置7に導入される。定着装置7は本実施例においては熱ローラ方式であり、定着ローラ71と加圧ローラ72との圧接部である定着ニップ部に導入されて挟持搬送される。これにより、記録材上の未定着のトナー像が加熱・加圧されて固着画像として記録材に定着される。そして、記録材Pは定着装置10を出て画像形成物として排出部(不図示)に排出される。
【0026】
(2)現像装置4
図2は図1における現像装置4の部分の拡大図であり、現像動作状態時を示している。図3は非現像状態時を示している。本実施例において現像装置4は画像形成装置本体の所定の装着部に対して所定の要領にて着脱可能な現像カートリッジとして構成されている。この現像装置4は現像剤として負帯電性のブラック色の非磁性一成分トナーTを用いた接触現像装置である。
【0027】
現像装置4はトナーTを収容した現像容器41を有する。また、ドラム1に接触してトナーを供給して静電潜像を現像するための回転可能な現像剤担持体としての現像ローラ42を有する。また、このローラ42に接触してトナーを供給するための回転可能な弾性発泡体で構成されている回転可能な現像剤供給部材としての供給ローラ43を有する。また、このローラ43によりローラ42に供給されたトナーの量(トナー層厚)を規制すると共にトナーを正規の極性に帯電する現像剤規制部材としての規制ブレード44を有する。
【0028】
ローラ42はφ13(mm)、体積抵抗約10E5Ω・cmの弾性ローラであり、φ8(mm)の芯金42aの周りに同心一体にシリコンゴムを基層とした導電性弾性層42bがローラ状に形成されている。また、その外周面には表層としてアクリル・ウレタン系ゴム層42cがコートされている。このローラ42は、現像容器41の下部に設けられたドラム1に対する対向開口部45において、ほぼ半周面を外部に露呈させて現像容器41の対向側壁間に回転可能に軸受保持させて配設されている。
【0029】
ローラ43はφ15(mm)、体積抵抗約10E8Ω・cmの弾性発泡体ローラーであり、φ6(mm)の芯金43aの周りに同心一体に柔らかい連続気泡体からなる発泡表層たるウレタンスポンジ層43bローラ状に形成されている。このローラ43はローラ42のドラム対向側とは反対側においてローラ42に対して並行に配列され、現像容器41の対向側壁間に回転可能に軸受保持させて配設されている。
【0030】
本実施例では、ローラ42の芯金42aの中心とローラ43の芯金43aの中心との距離(以下、中心間距離)を13mmとている。そして、ローラ42の表面がローラ43のウレタンスポンジ層43bを1mmほどの侵入量で弾性に抗して押し込むようにローラ42と43とを設置している。ここで侵入量とは、ローラ42の芯金42aの中心とローラ43の芯金43aの中心との中心間を結ぶ線分上で、ローラ43とローラ42の外径の和から上記中心間距離を差し引いて2で割った長さである。
【0031】
ブレード44は、可撓性を持ったリン青銅板金から成り、一端を現像容器41の開口部45の上縁部に固定し、他端を自由端としてローラ42に当接させている。ローラ42の回転方向に対してカウンタ方向となる向きで、自由端近傍の平滑面がローラ42の表面と摺擦するように配設されている。なお、本実施例では、リン青銅のブレード44を採用したが、トナー量を規制し、トナーに対して適切な摩擦電荷を与えることができれば、ブレード44の表面をポリアミドエラストマー等の樹脂にしても良い。
【0032】
46はローラ42と現像容器41の開口部45の下縁部との隙間からのトナーの漏れを防止する洩れ防止シールである。シール46は、先端部がローラ42に対してのローラ42の回転方向に対して順方向となる向きで接し、ローラ42と開口部45の下縁部との隙間を覆ってトナー洩れを防止する可撓性部材である。シール46の基部は開口部45の下縁部に固定されて現像容器41に配設されている。
【0033】
現像装置4は装置本体の所定の装着部に装着された状態において装置本体側に支持される軸部47を中心に揺動可能であり、装置本体側のシフト機構103の動作により、図2の第1位置4Aと図3の第2位置4Bとに揺動されて位置転換される。
【0034】
現像装置4の第1位置4Aはローラ42がドラム1に対して現像位置Cにおいて所定の押圧力で接触した状態にされた位置である。本実施例においてはローラ42がドラム1に対して40μm侵入して接触する。現像装置4は装置100の画像形成動作中(現像動作時)はこの第1位置4Aに位置転換されて保持される。
【0035】
現像装置4の第2位置4Bはローラ42がドラム1から非接触に離間αした状態にされた位置である。現像装置4は装置100の非画像形成時(非現像時)はこの第2位置4Bに位置転換されて保持される。
【0036】
現像装置4は弾性付勢部材(不図示)により、常時、軸部47を中心に図2の第1位置4Aに位置転換されるように揺動付勢されている。シフト機構103は本実施例においては制御回路部101で制御される駆動源104により軸105aの回転角が制御されて回転するカム105を有する。
【0037】
カム105が図2のように縦向きの回転角姿勢にされると、カム105は現像容器41に対して非当接となる。これにより、現像装置4は弾性付勢部材の付勢力で軸部47を中心に図2の第1位置4Aに回動して位置転換された状態に保持される。また、カム105が図3のように横向きの回転角姿勢にされると、カム105は現像容器41に対して当接して押圧する。これにより、現像装置4は弾性付勢部材の付勢力に抗して軸部47を中心に図3の第2位置4Bに回動して位置転換された状態に保持される。
【0038】
また、現像装置4は装置本体の所定の装着部に装着された状態において、現像装置4が第1位置4Aに位置している場合も第2位置4Bに位置している場合も現像装置4側の被駆動部と装置本体側の駆動部とが機械的に結合している。また、現像装置4側の受電部と装置本体側の給電部とが電気的に結合している。なお、上記の被駆動部、駆動部、受電部、給電部は図には省略した。
【0039】
そして、装置100の画像形成動作中は第1位置4Aに位置転換されて保持された現像装置4に対して本体側駆動源106の駆動力が上記の駆動部と被駆動部を介して伝達される。これにより、ローラ42とローラ43がギアトレインなどの連動機構(不図示)を介してそれぞれ所定に回転駆動される。
【0040】
本実施例においては、ローラ42は図2において矢印R42の時計方向に160mm/secの回転速度(周速)で駆動される。ローラ43は図2において矢印R43の時計方向に140mm/secの回転速度で駆動される。ローラ42とローラ43の回転方向は両ローラ42と43の接触部においては互いに逆方向であり、ローラ43はローラ42に対して摺擦しながら回転する。
【0041】
また、現像バイアス印加電源E42から上記の給電部と受電部を介してローラ42とローラ43とに所定の現像バイアスが印加される。本実施例においては、現像バイアスとしてVdc=−300VのDC電圧が印加される。また、ブレードバイアス印加電源E44から電気的に結合している上記の給電部と受電部を介してブレード44に所定のブレードバイアスが印加される。本実施例においては、ブレード44にはローラ42に対してΔ=−200VとなるようなDC電圧が印加される。
【0042】
ドラム1に形成された静電潜像の現像装置4による現像は、ローラ42と43が上記のように駆動され、またローラ42と43、及びブレード44に上記のように所定のバイアスが印加され、かつ現像装置4が第1位置4Aに移動された状態で実行される。ローラ42は現像位置Cにおいてドラム1に接触しており、回転方向R42はドラム1の回転方向R1に対して順方向である。
【0043】
また、ローラ42に接触してローラ42にトナーを供給するローラ43のローラ42に対する接触部における回転方向はローラ42の回転方向に対して逆方向(カウンタ方向)である。回転するローラ42の周上には回転するローラ43によってトナーが塗布され、その塗布トナーがブレード44により薄層にコーティングされるとともに、正規の帯電極性(本実施例においては負極性)に帯電される。そのトナー薄層がローラ42の引き続く回転により現像位置Cに搬送されてドラム1の面に適用される。
【0044】
これにより、ローラ42の周上のトナー薄層が現像位置Cにおいて静電潜像に対応して選択的にドラム面に転移する。本実施例においては静電潜像がトナー像として反転現像される。静電潜像の現像に供されなかったトナーはローラ42の引き続く回転により現像容器41内に戻し搬送される。そして、ローラ43によりローラ42の面から除去されるとともに、ローラ42の面には再びローラ43によってトナーが塗布される。この動作が繰り返されて、ドラム面の静電潜像の現像が実行される。
【0045】
ローラ42とローラ43は駆動手段としての本体側駆動源106から駆動伝達されるため、同じタイミングで回転開始と停止が行なわれる。現像動作終了後は、現像装置4は所定の制御タイミングでシフト機構103が制御されることで第1位置4Aから第2位置4Bに位置転換されて第2位置4Bに保持される。そして、ローラ42と43の駆動が停止され、またローラ42と43、ブレード44に対するバイアス印加も停止される。この状態において次の現像動作まで待機する。
【0046】
(3)トナーの繰り返し摺擦に起因する画像不良の防止対策
上記の画像形成装置において、規制不良やスジ状の濃度ムラと呼ばれる画像不良は、ローラ42上のトナーがローラ43により剥ぎ取られず、ローラ42とブレード44との間、及びローラ42と43との間で、繰り返し摺擦されることに起因するものである。
【0047】
現像装置(現像カートリッジ)4が新品状態ならば、ローラ43はローラ42上のトナーを確実に剥ぎ取ることができるが、画像形成動作を繰り返すとトナーやローラ43の劣化により、ローラ43はローラ42上のトナーを徐々に剥ぎ取れなくなる。
【0048】
ここで、トナーがローラ42に付着するために働く付着力は、トナーの帯電に依存しない非静電的付着力とトナーの帯電に起因する静電的付着力から構成される。一般に、静電的付着力は非静電的付着よりも大きいが、トナー劣化に伴いトナーを被う外添剤の被覆率が減少すると、非静電的付着力が大きくなる。一方、静電的付着力はトナーが劣化しても帯電しているためそれほど変わらない。
【0049】
そのため、画像形成動作の繰り返しにより、ローラ43による剥ぎ取り能力が低下し、剥ぎ取り能力よりもこれら2つの付着力の総和が大きくなる(剥ぎ取り能力<付着力)と、ローラ43はローラ42上のトナーを徐々に掻き取れなくなる。
【0050】
このような状態で、さらに画像形成動作を繰り返すと、ローラ42とブレード44との間、及びローラ42とローラ43との間で、トナーが繰り返し摺擦される。この繰り返し摺擦により、ブレード44によるトナーの規制が適切に行われなくなり、ローラ42上のトナー量が上昇し、規制不良といった画像不良となる。また、劣化したトナーがローラ42の表面に融着し、ローラ42上に均一なトナー薄層の形成ができなくなりスジ上の濃度ムラといった画像不良となる。
【0051】
そこで、本実施例では、画像不良の原因であるトナーの繰り返し摺擦を引き起こすローラ43の剥ぎ取り不足を防ぐために、ローラ42上のトナーを効果的に除去するトナー除去補助シーケンスを用いることを特徴とする。
【0052】
ここで、ドラム1とローラ42とが接触状態で、ドラム1の表面電位とローラ42に印加する現像バイアスとの電位差(Vback)を変化させたときのローラ42上のトナーの帯電電荷量を示すトリボ分布の変化について説明する。なお、帯電電荷量の測定は、HOSOKAWA MICRON製のE-SPART ANALYZER(MODEL EST-III)を用いて測定した。
【0053】
図4はドラム1とローラ42とが接触した状態で、Vbackを変化させた時のドラム接触後のローラ42上のトナーのトリボ分布を示すものである。ドラム1とローラ42とが接触状態でVbackを200Vから400Vに変化させると電荷移動が起こり、ローラ42上のトナーは正規帯電していたネガ成分が減少し、帯電していないゼロトリボ成分が増加している。
【0054】
Vback=400の時の帯電電荷量は、画像形成動作を繰り返した耐久後半のローラ42上の帯電電荷量よりも十分に小さい。つまり、Vbackを大きくすることで、ローラ42へのトナー付着力の中で支配的な静電的付着力が急激に減少する。この現象を利用すると、画像形成動作を繰り返した耐久後半のトナーやローラ43が劣化した場合でも、ローラ43によるトナーの剥ぎ取り能力を付着力よりも大きくすることができる。
【0055】
ただし、Vbackはできるだけ大きいほうがより効果的であるが、注意点としてVbackは大きくすればするほど良いのではない。Vbackを放電開始電圧以上にすると、放電が起こりトナーは逆にマイナスに帯電される。そのため、Vbackの上限は放電開始電圧未満で放電しないギリギリの電圧である。
【0056】
ここで、放電開始電圧とはトナーが乗った状態の現像ローラ42に電圧を印加して、ドラム1が帯電し始めた時の現像バイアスの電圧である。また、接触現像ではVbackを大きくすることで帯電していないゼロトリボ成分が増加するが、非接触現像(二成分現像を含む)では電荷移動ができないため上記作用は起こらない。
【0057】
そこで、本実施例では、正規帯電したトナーを無駄に消費することなく、トナーの繰り返し摺擦に起因する画像不良を防止するために、図5に示すように、装置100の非画像形成中にトナー除去補助シーケンスが実施される。以下に説明する装置100の画像形成シーケンス制御、トナー除去補助シーケンス、その他の各種制御は予め設定された制御プログラムや参照テーブルに従って全て制御回路部101によって統括的に実行される。
【0058】
本実施例では、トナー除去補助シーケンスは、装置100の画像形成動作による出力記録材の積算枚数が所定枚数Nに達する毎に引き続きの画像形成動作を一時中断し、その中断した画像形成動作の非画像形成中に実行される。本実施例では、図6のように、出力記録材の積算枚数Nが500枚に到達する毎にトナー除去補助シーケンスが実行される。
【0059】
I:画像形成動作
通常の画像形成動作中は、ローラ2によってドラム1の表面電位を暗部電位Vd=−450Vにし、ローラ42に−300Vの現像バイアスを印加する。本来ならば、画像形成時には印字情報及び画像情報に応じた露光が行われ、ドラム1の表面電位は明部電位Vlとなるが、ここでは便宜上露光を行っていない場合を示している。ローラ42とローラ43は連動して回転している。
【0060】
尚、画像形成動作中のVbackは、耐久を通して暗部電位Vd部にほとんど電荷を有しないトナーが転移するカブリと呼ばれる画像不良等の諸問題が発生しない電位差を選択している。この電位差は、温度や湿度の環境条件、画像形成条件等によって最適値は異なりおよそ50〜250V程度が望ましい。
【0061】
II:非画像形成動作
出力記録材の積算枚数Nが500枚目に到達しその500枚目の画像形成動作が終了したら、引き続きの画像形成動作を一時中断する。その中断状態時である非画像形成動作中にトナー除去補助シーケンスが実行される。非画像形成動作においては、ドラム1は引き続き駆動され、ローラ2による帯電がなされている。現像装置4は第1位置4Aに保持されていて、ローラ42と43の駆動が続行されている。
【0062】
1)時点T0〜T1
トナー除去補助シーケンス前の状態である時点T0からT1の間は、画像形成動作時と同じくドラム1の表面はローラ2により暗部電位Vd=−450Vに帯電され、ローラ42には−300Vの現像バイアスが印加されている。尚、非画像形成動作時においてもローラ43にはローラ42と同電位のDC電圧が印加される。
【0063】
2)時点T1〜T2
Vbackが大きくなるように本実施例ではVback=400となるようにローラ42に印加する現像バイアスを−50Vに切り換え(時点T1)、ドラム1とローラ42は接触した状態でローラ42上のトナーを剥ぎ取れるまで回転する。少なくとも、ドラム1に接触後のローラ42がローラ43に接触後、ローラ42の1周分回転する。その際、ブレード4にはΔ=−200Vを維持するために−250Vのブレードバイアスを印加する。これにより、ローラ42上の静電的付着力が減少し、ローラ43はローラ42上のトナーを確実に剥ぎ取ることができる。
【0064】
同時に、Vbackを画像形成動作時よりも大きくしたことにより、カブリと呼ばれる画像不良の原因となるほとんど電荷を有しない少量のトナーがドラム1に転移する。転移したトナーは引き続くドラム1の回転駆動により転写位置Bに搬送される。ユニット5のローラ52には転写バイアスは印加しない。これにより、転写位置Bにおいてドラム1からベルト51に転移するトナーはほとんどなく、トナーはドラム1に付着したまま転写位置Bを通過してクリーニング装置6に至り、ブレード61aによりドラム1から除去される。
【0065】
また、転写位置Bにおいてドラム1からベルト51にトナーが転移した場合においても、クリーニング装置56のブレード56aによりベルト51から除去される。よって、トナー除去補助シーケンスにおいて、ベルト51を汚すことはなく、さらには記録材Pを汚すこともない。
【0066】
III:画像形成動作の再開
トナー除去補助シーケンスを実行したら、積算枚数カウンタを0にリセットすると共に、現像バイアスを−300Vに切り換え(時点T2)、一時中断した画像形成動作を再開させて設定枚数分の記録材が出力され終わるまで残りの画像形成動作を実行する。
【0067】
VI:画像形成動作の終了
設定枚数分の最後の記録材が出力されたら、ドラム1の所定時間の回転後(後回転後)、シフト機構103により現像装置4を第1位置4Aから第2位置4Bに位置転換させる(時点T3)。その後は帯電バイアス及び現像バイアスの印加を止めるタイミングで、ドラム1とローラ42および43の駆動を停止する(時点T4)。この状態において、装置100は制御回路部101に次の画像形成開始信号が入力されるまで待機する。
【0068】
以上のトナー除去シーケンスを含む動作を実行させて10000枚の画像形成動作を繰り返した。その結果、規制不良と呼ばれる画像不良、及びローラ42にトナーが融着することなく、それに由来するスジ状の濃度ムラといった画像不良が発生することはなく、良好な画像品質を維持することができた。また、Vbackを大きくしているだけなので、現像に適さない画像不良に影響を与えるほとんど電荷を有しないトナーがドラム1に少量付着することはあるが、正規に帯電したトナーがドラム1に現像されないため無駄なトナー消費を抑えることができた。
【0069】
本実施例では、画像形成動作を一時中断してVbackを大きくする制御を行ったが、画像不良が発生しないように非画像形成動作中にVbackを大きくする制御が条件である。トナーのローラ42への付着力は温度や湿度等の環境条件に敏感なため、付着力<剥ぎ取り能力となるように環境条件に応じてトナー除去補助シーケンスの制御を適宜変更すれば良い。
【0070】
具体的には、装置100が設置されている環境を検知する環境センサ(環境検知手段)110(図1)を配設する。制御回路部101には、予めの実験により定めた、各種環境条件と好適なVback値との相関に関する参照テーブルをメモリに入力しておく。制御回路部101はトナー除去補助シーケンスの実行時のVbackを、センサ110から入力する検知結果に応じて参照テーブルにおける好適なVbackに変更する。
【0071】
また、本実施例ではローラ42に印加する現像バイアスを切り換えることにより、Vbackを大きくする制御をしたが、安定した帯電が可能であれば帯電ローラ2に印加する電圧を切り換えてドラム1の表面電位を変更してVbackを大きくしても良い。即ち、Vbackの変更は、ローラ2に印加する帯電バイアスとローラ42に印加する現像バイアスのどちらか一方或いは両方のバイアス値を変更する制御にてなされる。
【0072】
Vbackの大きさに関しては、放電開始電圧以下が条件であるため、必ずしもVback=400である必要はなく、画像形成時よりも大きく、放電が開始しない程度で適宜選択すれば良い。また、ローラ42に流れる電流を検知する電流検知手段があれば、検知結果に応じてVbackの大きさを変更しても良い。
【0073】
具体的には、ドラム1と現像バイアスが印加されたローラ42とが接触した状態時のローラ42に流れる電流値を検知する電流センサ107(図2)を配設する。制御回路部101には、予めの実験により定めた、ローラ42に流れる電流値と好適なVbackとの相関に関する参照テーブルをメモリに入力しておく。制御回路部101はトナー除去補助シーケンスの実行時のVbackを、センサ107から入力する検知結果に応じて参照テーブルにおける好適なVbackに変更する。
【0074】
上記をまとめと次のとおりである。記録媒体としての記録材Pに画像を形成する画像形成装置100は、回転可能な像担持体としてのドラム1を有する。また、帯電バイアスが印加されてドラム1の表面を一様に帯電する帯電手段2を含みドラム1の表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセス手段2、3を有する。また、一成分現像剤Tを担持してドラム1に接触すると共に現像バイアスが印加されて静電潜像を現像剤像として現像する回転可能な現像剤担持体としての現像ローラ42を有する。
【0075】
そして、制御手段としての制御回路部101は次のような制御モード(トナー除去補助シーケンス)を有する。即ち、画像形成装置の非画像形成中に、ドラム1と現像ローラ42を接触させる。そして、少なくとも帯電手段2に印加する帯電バイアスと現像ローラ42に印加する現像バイアスの一つを画像形成中とは異なるバイアスにしてドラム1の表面電位と現像バイアスとの電位差を画像形成中よりも非画像形成中において大きくする制御モードである。
【0076】
[実施例2]
第2の実施例について説明する。画像形成動作の繰り返しにより、トナーが劣化してくるとローラ43による剥ぎ取り能力が低下する。そのため、ローラ42の剥ぎ取り不足を防ぐために耐久後半においてトナー除去補助シーケンスの回数を増やす点が実施例1とは異なる。本実施例では、耐久枚数に応じて耐久枚数が多くなるほど、トナー除去補助シーケンスを実行する回数を増やす。
【0077】
具体的には、現像装置(現像カートリッジ)4にはメモリタグ(記憶手段)108が配設されている。タグ108は装置本体側の通信手段(不図示)を介して制御回路部101と各種の情報の授受と記憶および記憶情報の更新等が可能である。記憶情報の一つとしてその現像装置4がそれまでに現像に供された耐久枚数情報と更新がある。即ち、タグ108はその現像装置4に収容されている現像剤とローラ42の使用履歴が書き込まれて記憶されている。従って、タグ108は現像装置4内の現像剤の劣化状態を検知する現像剤劣化検知手段としても機能する。
【0078】
また、制御回路部101またはタグ108には、予めの実験により定めた、現像装置42の使用履歴と好適なVback、もしくはトナー除去補助シーケンスの好適な実行間隔との相関に関する参照テーブルを入力しておく。
【0079】
制御回路部101はトナー除去補助シーケンスの実行時のVbackを、タグ108から読み取られる現像装置42の使用履歴に応じて参照テーブルにおける好適なVbackに変更する。
【0080】
また、制御回路部101はタグ108読み取られる現像装置42の使用履歴に応じてトナー除去補助シーケンスを実行するタイミング、すなわち非画像形成中の時のVbackを画像形成中より大きくするタイミングを変更する。本実施例では10000枚の画像形成動作を繰り返す間に、5000枚までは1000枚毎、5000〜7500枚までは500枚毎、7500枚〜10000枚までは300枚毎にトナー除去補助シーケンスを実行する。
【0081】
これにより10000枚の画像形成動作を繰り返しても、規制不良と呼ばれる画像不良、及びローラ42にトナーが融着することなく、それに由来するスジ状の濃度ムラといった画像不良が発生することはなく、良好な画像品質を維持することができた。
【0082】
本実施例では、耐久後半においてトナー除去補助シーケンスを実行するタイミングを変更したが、耐久後半のローラ43の剥ぎ取り不足を防ぐためにトナー除去補助シーケンスの時間を長くするように変更しても良い。即ち、制御回路部101は現像剤Tとローラ42の使用履歴に応じて、非画像形成中のVbackを画像形成中よりも大きくする時間を変更する。
【0083】
また、トナー除去補助シーケンスを実行するタイミングや実行する時間は、画像不良が発生しないように適宜選択することができる。
【0084】
また、本実施例では、耐久枚数に応じてトナー除去補助シーケンスを実行するタイミングを変更したが、ローラ42の回転数等、トナーやローラ42の使用履歴がわかるものであれば耐久枚数以外でも良い。さらに、使用履歴に応じてVbackの大きさを変更しても良い。
【0085】
また、ブレード44に流れる電流値を検知する電流検知手段109(図2)等、トナーの劣化状態を検知できる現像剤劣化検知手段を設け、検知結果に応じて、トナー除去補助シーケンスを実行するタイミングや実行する時間を変更しても良い。さらに、画像不良が出ないように劣化状態に応じてVbackの大きさを変更しても良い。
【0086】
本実施例では、画像形成動作を中断してVbackを大きくする制御を行ったが、画像不良が発生しないように非画像形成中にVbackを大きくする制御が条件である。そのため、画像形成動作前の装置100の前回転中や画像形成後の後回転中にVbackを大きくするシーケンスを設けても良い。ここで、図7に装置100の動作工程図を示した。
【0087】
1)前多回転工程:装置100の始動(起動)動作期間(ウォーミング期間)である。装置100のメイン電源スイッチのONにより、装置100のメインモータ(不図示)を起動させて、所要のプロセス機器の準備動作を実行する。
【0088】
2)スタンバイ:所定の始動動作期間終了後、メインモータの駆動を停止させて、画像形成開始信号(プリントジョブスタート信号)が入力されるまで装置100をスタンバイ(待機)状態に保持する。
【0089】
3)前回転工程:画像形成開始信号の入力に基づいて、メインモータを再駆動させて、所要のプロセス機器の画像形成前動作を実行する期間である。より実際的は、a:画像形成装置が画像形成開始信号を受信、b:フォーマッタで画像を展開(画像のデータ量やフォーマッタの処理速度により展開時間は変わる)、c:前回転工程開始、という順序になる。なお、前記1)の前多回転工程中に画像形成開始信号が入力している場合は、前多回転工程の終了後、前記2)のスタンバイ無しに、引き続き前回転工程に移行する。
【0090】
4)画像形成動作:所定の前回転工程が終了すると、引き続いて前記の画像形成プロセスが実行されて、画像形成済みの記録材が出力される。連続画像形成ジョブの場合は前記の画像形成プロセスが繰返されて所定枚数分の画像形成済みの記録材が順次に出力される。
【0091】
5)紙間工程:連続画像形成ジョブの場合において、一の記録材Pの後端と次の記録材Pの先端との間隔工程であり、転写部や定着装置においては非通紙状態期間である。
【0092】
6)後回転工程:1枚だけの画像形成ジョブの場合にその画像形成済みの記録材が出力された後、あるいは連続画像形成ジョブの場合にその連続画像形成ジョブの最後の画像形成済みの記録材が出力された後もメインモータを引き続き所定の時間駆動させる。これにより所要のプロセス機器の画像形成ジョブ後動作を実行する期間である。
【0093】
7)スタンバイ:所定の後回転工程終了後、メインモータの駆動が停止し、次の画像形成開始信号が入力されるまで装置100をスタンバイ状態に保持する。
【0094】
上記において、4)の画像形成実行時が画像形成動作時であり、1)の前多回転工程時、3)の前回転工程時、5)の紙間工程時、6)の後回転工程時や、画像形成動作の任意の中断期間が非画像形成動作時である。また、非画像形成動作時とは、上記の前多回転工程時、前回転工程時、紙間工程時、後回転工程時、中断時のうちの少なくとも1つの工程時、さらにはその工程時内の少なくとも所定時間である。
【0095】
[その他の事項]
1)画像形成装置の画像形成プロセスは電子写真プロセスに限られない、像担持体として静電記録誘電体を用いる静電記録プロセスなどであってもよい。
【0096】
2)現像装置4は現像剤補給装置から現像剤が適時適量補給される構成であってもよい。
【0097】
3)少なくともドラム1と現像装置4とを一括して装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとすることもできる。
【0098】
各画像形成部の現像装置はそれぞれ単独で装置本体に対して着脱可能な現像カートリッジとすることができる。また、少なくとも像担持体と現像装置とを一括して装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとすることができる。
【符号の説明】
【0099】
100・・画像形成装置、1・・像担持体(ドラム)、2・・帯電手段(帯電ローラ)、3・・露光装置、42・・現像剤担持体(現像ローラ)、T・・一成分現像剤、P・・記録媒体(記録材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な像担持体と、帯電バイアスが印加されて前記像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段を含み前記像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成プロセス手段と、一成分現像剤を担持して前記像担持体に接触すると共に現像バイアスが印加されて前記静電潜像を現像剤像として現像する回転可能な現像剤担持体と、を有し記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
非画像形成中に、前記像担持体と前記現像剤担持体を接触させ、少なくとも前記帯電手段に印加する帯電バイアスと前記現像剤担持体に印加する現像バイアスの一つを画像形成中とは異なるバイアスにして前記像担持体の表面電位と前記現像バイアスとの電位差を画像形成中よりも非画像形成中において大きくする制御モードを有し、前記電位差は放電開始電圧以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体と前記現像剤担持体とが接触した時の前記現像剤担持体に流れる電流値を検知する電流検知手段を有し、前記電流検知手段の検知結果に応じて前記非画像形成中の前記電位差を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記一成分現像剤と前記現像剤担持体の使用履歴に応じて、前記非画像形成中の前記電位差を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記一成分現像剤の劣化状態を検知する現像剤劣化検知手段を有し、前記現像剤劣化検知手段の検知結果に応じて前記非画像形成中の前記電位差を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置が設置されている環境を検知する環境検知手段を有し、前記環境検知手段の検知結果に応じて前記非画像形成中の前記電位差を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記一成分現像剤と前記現像剤担持体の使用履歴に応じて、前記非画像形成中の前記電位差を画像形成中よりも大きくするタイミングを変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記一成分現像剤と前記現像剤担持体の使用履歴に応じて、前記非画像形成中の前記電位差を画像形成中よりも大きくする時間を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記現像剤担持体に接触して前記一成分現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材と、前記一成分現像剤を収容した現像容器を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−47724(P2013−47724A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185863(P2011−185863)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】