画像形成装置
【課題】透光性防塵部材上に堆積したトナーを収容するトナー溜まり部を有した構成であっても、走査光学装置の画像形成装置本体からの着脱性を良好に維持することのできる画像形成装置の提供。
【解決手段】透光性防塵部材5の上面に当接し、透光性防塵部材5の上面に堆積した異物をトナー溜まり部7に掻き出すように、透光性防塵部材5の短手方向へ移動可能な清掃部材45を有する画像形成装置において、トナー溜まり部7は、清掃部材45がトナー溜まり部7を通過する際に清掃部材45がトナー溜まり部7へと落ち込むのを防ぐための清掃部材案内手段6を有している。
【解決手段】透光性防塵部材5の上面に当接し、透光性防塵部材5の上面に堆積した異物をトナー溜まり部7に掻き出すように、透光性防塵部材5の短手方向へ移動可能な清掃部材45を有する画像形成装置において、トナー溜まり部7は、清掃部材45がトナー溜まり部7を通過する際に清掃部材45がトナー溜まり部7へと落ち込むのを防ぐための清掃部材案内手段6を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びそれらの複合機等の画像形成装置に関し、詳しくは、画像形成装置本体に走査光学装置が着脱可能とされた画像形成装置に関する。本発明は、特に、多色画像形成を行うタンデム式の画像形成装置に好適に採用し得る。
【背景技術】
【0002】
従来のカラー画像をプリントする電子写真方式のカラー画像形成装置の一例を図8〜図12を用いて説明する。
【0003】
本例にて、カラー画像形成装置100は、タンデム式の画像形成装置とされ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの画像形成部(画像形成ユニット)P(PY、PM、PC、PK)を備えている。各画像形成部PY、PM、PC、PKは、記録材Sに画像を形成する画像形成手段を有している。
【0004】
つまり、各画像形成部PY、PM、PC、PKは、それぞれ、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という。)20(20Y、20M、20C、20K)を備えている。各感光ドラム20は、導電体に感光層を塗布したもので、帯電器21(21Y、21M、21C、21K)により一様に帯電される。
【0005】
各感光ドラム20の周囲には、感光ドラムを一様に帯電する上述の帯電器21(21Y、21M、21C、21K)を備えている。また、各感光ドラム20の下方に位置して、画像情報に基づいてレーザー光を照射し、静電像を形成する走査光学装置1が配置されている。更に、感光ドラム20の周囲には、感光ドラム20上の静電像を顕像化し、トナー像を形成する現像装置22(22Y、22M、22C、22K)が配置されている。各感光ドラム20の上方に位置して、各感光ドラム20上のトナー像を重ね転写するための中間転写ベルト23が配置されている。
【0006】
本例では、画像形成装置本体100Aの下方には、トナー像を形成する記録材、即ち転写用紙Sを格納する給紙カセット30が配置され、画像形成装置本体100Aの上方位置に用紙S上に転写されたトナー像を熱により用紙Sに吸着させる定着器25が設置されている。定着器25にて定着された転写用紙Sは、排紙トレー26へと搬送される。
【0007】
図9は、図8の画像形成部P(PY、PM、PC、PK)、走査光学装置1及び中間転写ベルト23を図示したもので、その他の部材は省略されている。
【0008】
図中の走査光学装置1は、画像情報に基づいて発光したレーザー光を偏向走査するポリゴンモータ31、及び、レーザー光を等速走査し、感光ドラム上でスポット結像させるfθレンズ34、35、結像用レンズ41〜44を備えている。走査光学装置1は、fθレンズ34、35、結像用レンズ41〜44からのビームを所定の方向へ反射する折り返しミラー51〜58を経て感光ドラム20へ静電像を形成する。
【0009】
この走査光学装置1は、埃や汚れに弱く、レーザーの光路上に部分的な汚れが発生すると、前記汚れに対応する画像上の部分で画像抜けや、画像上のトナー量が不足することによる濃度薄が生じる。そのため、従来から、走査光学装置1の上記各光学部品は、光学箱2内に格納され、光学箱2は上蓋3にて内部が密閉される。また、各光学部品を格納する光学箱2と上蓋3の間をモルトプレン等で封鎖することで埃の進入を防止する対策がとられてきた。
【0010】
しかし、装置本体100Aのコンパクト化に伴い走査光学装置1もこれまでより感光ドラム20に近い位置に配置されるようになり、また、上述のように、各構成部品の配置の関係で走査光学装置1が感光ドラム20に対して下部に配置されるようになってきている。
【0011】
しかし、走査光学装置1を感光ドラム20に対して下側から照射する場合、及び、感光ドラム20から近いところで照射する場合においては、走査光学装置1の上蓋3部分には、装置本体内に吸い込んだ埃が付着した。更には、装置本体内のトナー飛散、また、現像装置22、感光ドラム20、クリーナー23等からのトナー落下が発生する。
【0012】
そのため従来は、画像形成装置本体100Aに清掃機構4を準備し、清掃機構4で、上蓋3に設置された透光性防塵部材である防塵ガラス5上の埃やトナーを他の領域に掻き出す手法を用いている。
【0013】
清掃機構は、図11に示すように、防塵ガラス5の長手方向に配置されている清掃ブレード45が防塵ガラス5上に当接しており、清掃ブレード45を移動させることで、防塵ガラス5上のトナーを掻き出す構成である。
【0014】
また、走査光学装置1は、図10の矢印Bに示す方向に引き抜くことで画像形成装置本体100Aからの着脱を行う。
【0015】
これは、一般的に図10の紙面垂直方向に、即ち、各画像形成部Pの整列方向に直交する方向に感光ドラム20や現像装置22等の画像形成部を引き出す構成が採用されている。そのため、更に、走査光学装置1も紙面垂直方向に引き抜く構成とした場合には、装置本体フレームにそれらを引き抜ける大きな開口部が必要となり、それによって、画像形成装置本体100Aの枠体強度が著しく低下してしまうためである。
【0016】
次に、図11は、上述したように、防塵ガラス5を清掃する清掃機構4を示した図である。図11に示すように、清掃機構4は防塵ガラス5の長手方向に配置されている清掃ブレード45が防塵ガラス5上に当接している。清掃ブレード45を図中矢印A方向に、図示しない画像形成装置本体から得た動力を用いて移動させることで、防塵ガラス5上のトナーを掻き出す構成である。
【0017】
清掃ブレード45はブレードホルダ46に固定されており、非動作時には走査光学装置1から出射される走査光の妨げとならないよう、防塵ガラス5の端部で待機している。清掃時には、清掃ブレード45は図11の(a)の位置から(b)の位置まで移動し、防塵ガラス5に隣接して設けられた上蓋3のトナー溜まり部47に防塵ガラス5上のトナーや埃を掻き出す構成とされる。
【0018】
このトナー溜まり部47は図のように上蓋3の上面に対して窪んだ形状をしているため、掻き出されたトナーが隣接する防塵ガラス側へ飛散してしまうことを防止している。また、これらのトナー溜まり47の構成や防塵ガラス5の清掃については、特許文献1、特許文献2に記載する下記の手法が提案されている。
【0019】
特許文献1には、感光ドラムからトナーが落下する領域外に防塵ガラスを設け、トナー落下先の下方にトナー溜まり部を設ける構成が開示されている。
【0020】
特許文献2には、防塵ガラスをその外側の面が防塵ガラス取り付け部近傍のケーシングの外面から突出させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2003−287938号公報
【特許文献2】特開2006−44229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、従来の防塵ガラスを清掃するブレードが常に防塵ガラス上に当接している方式では、走査光学装置の上蓋にトナー溜まり部を設けると、次のような問題が起こる。
【0023】
つまり、図12に示すように、矢印B方向へ走査光学装置1を引き抜く際に走査光学装置1が幾分上方へと持ち上がり、それによって、清掃機構4が前記トナー溜まり部47に落ち込んでしまい、走査光学装置1の着脱性が著しく悪化してしまうことがある。
【0024】
また、防塵ガラス5を上蓋3より突出させた構成を用いた場合には、走査光学装置1を引き抜く際に清掃機構4と接触してしまい、走査光学装置1の挿抜時にガラス面を傷つけてしまう可能性が高くなってしまう。また、走査光学装置1を装置から取り出した後も、ガラス面が周囲の部品よりも突出した形状では、走査光学装置1の取り扱いに気を付ける必要があるため実用的な構成ではない。
【0025】
そこで、本発明の他の目的は、透光性防塵部材上に堆積したトナーを収容するトナー溜まり部を有した構成であっても、走査光学装置の画像形成装置本体からの着脱性を良好に維持することのできる画像形成装置を提供することである。
【0026】
本発明の他の目的は、透光性防塵部材上に堆積したトナーを収容するトナー溜まり部を有した構成であっても、トナー溜まり部の底面に堆積している飛散トナーを再び上蓋の上へ掻き出してしまうことのない画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、光源と、光源から出射された光ビームを像担持体の上に結像させる光学部品と、光ビームを偏向走査する走査偏向器と、前記光学部品と走査偏向器を格納する筐体と、前記筐体の上部に組み付けて筐体の内部を密閉する上蓋と、前記筐体の内部から出射された光ビームを透過させる前記上蓋の開口部に設けられた透光性防塵部材と、前記透光性防塵部材に隣接して設けられたトナー溜まり部と、を備え、画像形成装置本体に着脱可能な走査光学装置と、
前記透光性防塵部材の上面に当接し、前記透光性防塵部材の上面に堆積した異物を前記トナー溜まり部に掻き出すように、前記透光性防塵部材の短手方向へ移動可能な清掃部材と、
を有する画像形成装置において、
前記トナー溜まり部は、前記走査光学装置の前記画像形成装置本体への着脱時に、前記清掃部材が前記トナー溜まり部を通過する際に前記清掃部材が前記トナー溜まり部へと落ち込むのを防ぐための清掃部材案内手段を有していることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、
(1)走査光学装置を画像形成装置から引き抜く動作によって、清掃部材が透光性防塵部材上から離れトナー溜まり部に清掃部材が到達した時にも、清掃部材がトナー溜まり部に引っ掛かることがない。従って、透光性防塵部材上に堆積したトナーを収容するトナー溜まり部を有した構成であっても、走査光学装置の画像形成装置本体からの着脱性を良好に維持することができる。
(2)走査光学装置を画像形成装置から引き抜く動作によって、トナー溜まり部の底面に堆積している飛散トナーを再び上蓋の上へ掻き出してしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を説明する概略構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置における画像形成部と走査光学装置を示す構成図である。
【図3】本発明の画像形成装置における第1の実施例のトナー溜まり部近傍の形状を説明する図である
【図4】本発明の画像形成装置における第1の実施例のトナー溜まり部近傍での走査光学装置の着脱時の軌跡を説明する断面図である。
【図5】本発明の画像形成装置における第1の実施例のトナー溜まり部近傍の形状を説明する図である
【図6】本発明の画像形成装置における第2の実施例のトナー溜まり部近傍の形状を説明する図である
【図7】本発明の画像形成装置における第2の実施例のトナー溜まり部近傍での走査光学装置の着脱時の軌跡を説明する断面図である。
【図8】従来の画像形成装置の一例を説明する概略構成図である。
【図9】従来の画像形成装置における画像形成部と走査光学装置を示す構成図である。
【図10】従来の画像形成装置から走査光学装置の引き抜き方向を説明する図である。
【図11】従来の画像形成装置における清掃部材の作動を説明する断面図である。
【図12】従来の画像形成装置におけるトナー溜まり部近傍での走査光学装置の着脱時の引っ掛かりを説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0031】
実施例1
(画像形成装置の全体構成)
図1に、本発明に係る画像形成装置の一実施例である電子写真フルカラープリンタの概略構成を示す。
【0032】
本実施例にて、画像形成装置100は、図8、図9を参照して説明したタンデム方式の画像形成装置と同様の構成とされ、複数の、本実施例では4つの画像形成部(画像形成ユニット)P(PY、PM、PC、PK)を備えている。つまり、イエロー色の画像を形成する画像形成部PYと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部PMと、シアン色の画像を形成する画像形成部PCと、ブラック色の画像を形成する画像形成部PKである。これら4つの画像形成部PY、PM、PC、PKは、一定の間隔にて直線上に一列に整列して配置される。
【0033】
各画像形成部PY、PM、PC、PKは、記録材Sに画像を形成する画像形成手段を有している。つまり、各画像形成部PY、PM、PC、PKにおける画像形成手段は、それぞれ像担持体としてのドラム型の電子写真感光体、即ち、感光ドラム20(20Y、20M、20C、20K)を有している。また、各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kの周囲には、画像形成手段を構成する、一次帯電器21(21Y、21M、21C、21K)、現像装置22(22Y、22M、22C、22K)が配置される。更に、感光ドラム20の周囲には、転写ローラ24(24Y、24M、24C、24K)、ドラムクリーナ装置23(23Y、23M、23C、23K)がそれぞれ配置されている。一次帯電器21Y、21M、21C、21Kと現像装置22Y、22M、22C、22Kとの下方には、露光装置としての走査光学装置1が設置されている。
【0034】
各現像装置22Y、22M、22C、22Kには、それぞれ、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーが収納されている。
【0035】
各画像形成部Pにて、感光ドラム20、一次帯電器21、現像装置22、及び、ドラムクリーナ装置23等は、一体に構成し、画像形成装置本体100Aに対して着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
【0036】
各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kは、負帯電のOPC感光体でアルミニウム製のドラム基体上に光導電層を有しており、駆動装置(不図示)によって矢印方向(図1における時計回り方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0037】
一次帯電手段としての一次帯電器21Y、21M、21C、21Kは、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kの表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
【0038】
一様に帯電された感光ドラム20は、露光装置としての走査光学装置1から光像が照射される。走査光学装置1については後で詳しく説明する。
【0039】
走査光学装置1は、レーザー光(光束)を偏向走査して各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kを露光をする。これによって、各一次帯電器21Y、21M、21C、21Kで帯電された各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kの表面に画像情報に応じた各色の静電像を形成する。
【0040】
現像手段としての現像装置22Y、22M、22C、22Kは、トナーを内蔵し、それぞれ各感光ドラム20Y、20M、20C、20K上に形成される各静電像に各色のトナーを付着させてトナー像として現像(可視像化)する。
【0041】
一次転写手段としての転写ローラ24Y、24M、24C、24Kは、それぞれ、各一次転写部T1(T1Y、T1M、T1C、T1K)にて中間転写体としての中間転写ベルト23を介して各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kに当接可能に配置されている。
【0042】
ドラムクリーニング手段としてのドラムクリーナ装置23Y、23M、23C、23Kは、各感光ドラム20Y、20M、20C、20K上で一次転写時の残留した転写残トナーを、該感光ドラム20Y、20M、20C、20Kから除去する。
【0043】
中間転写ベルト23は、各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kの上方側に配置されて、二次転写対向ローラ27aとテンションローラ27b、27c間に張架されている。また、二次転写対向ローラ27aは、二次転写部T2において、中間転写ベルト23を介して二次転写ローラ28と当接可能に配置されている。この中間転写ベルト23は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のような誘電体樹脂によって構成されている。
【0044】
また、二次転写部T2よりも記録材Sの搬送方向の下流側には、記録材Sに形成された画像を加熱定着する画像加熱手段としての定着装置25が設置されている。
【0045】
次に、上記構成の画像形成装置による画像形成動作について更に詳しく説明する。
【0046】
画像形成開始信号が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される各画像形成部PY、PM、PC、PKの各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kは、それぞれ一次帯電器21Y、21M、21C、21Kによって一様に負極性に帯電される。そして、露光装置としての走査光学装置1は、外部から入力されるカラー色分解された画像信号をレーザー発光素子(光源)から照射し、ポリゴンミラー、fθレンズ、結像用レンズ、折り返しミラー等の光学部品を経由し各感光ドラム20Y、20M、20C、20K上に各色の静電像を形成する。
【0047】
そして、先ず画像形成部PYにて、感光ドラム20Y上に形成された静電像に、感光ドラム20Yの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置22Yにより、イエローのトナーを付着させてトナー像として可視像化する。このイエローのトナー像は、感光ドラム20Yと転写ローラ24Yとの間の一次転写部T1Yにて、一次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ24Yにより、駆動されている中間転写ベルト23上に一次転写される。
【0048】
イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト23は、画像形成部PM側に移動される。そして、画像形成部PMにおいても、前記と同様にして、感光ドラム20Mに形成されたマゼンタのトナー像が、中間転写ベルト23上のイエローのトナー像上に重ね合わせて、一次転写部T1Mにて転写される。
【0049】
以下、同様にして、中間転写ベルト23上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に画像形成部PC、PKの感光ドラム20C、20Kで形成されたシアン、ブラックのトナー像を各一次転写部T1C、T1Kにて順次重ね合わせる。これによって、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト23上に形成される。
【0050】
各感光ドラム20Y、20M、20C、20K上に残留した転写残トナーは、ドラムクリーナ装置23Y、23M、23C、23Kに設けられたクリーナブレード等により掻き落とされ、回収される。
【0051】
一方、給紙カセット30A又は手差しトレイ30Bから選択されて搬送パスを通して記録材としての転写紙(用紙)Sが、給紙される。
【0052】
転写紙Sは、中間転写ベルト23上のフルカラーのトナー像先端が二次転写対向ローラ27aと二次転写ローラ28間の二次転写部T2に移動されるタイミングに合わせて、レジストローラにより二次転写部T2に搬送される。二次転写部T2に搬送された転写紙Sに、二次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された二次転写ローラ28により、フルカラーのトナー像が一括して二次転写される。
【0053】
フルカラーのトナー像が形成された転写紙Sは、定着装置25に搬送されて、第1定着部材25aと第2定着部材25bとの間の定着ニップ部Nでフルカラーのトナー像が加熱、加圧されて転写紙Sの表面に熱定着される。その後、転写紙Sは、排紙ローラによって本体上面の排紙トレイ26上に排出されて、一連の画像形成動作を終了する。
【0054】
なお、中間転写ベルト23上に残った二次転写残トナー等は、ベルトクリーニング装置(図示せず)によって除去されて回収される。
【0055】
(走査光学装置)
次に、図2を参照して、本発明の特徴をなす露光装置としての走査光学装置1について説明する。
【0056】
本実施例における走査光学装置1の全体構成は、先に図9を参照して説明した従来の走査光学装置1と同様の構成とされる。
【0057】
つまり、走査光学装置1は、図示しない画像読取装置若しくはパーソナルコンピュータ等から送られてきた画像情報に基づいてレーザー光を感光ドラム20(20Y、20M、20C、20K)に照射する。レーザー光照射は、各感光ドラム20の軸線方向に沿った主走査方向と、主走査方向に直交する、即ち、感光ドラム20の回転方向に沿った副走査方向に走査することによって行われる。そして、走査光学装置1からのレーザー光によって感光ドラム20上に静電像が形成される。
【0058】
図2は、図1に示す画像形成装置100の画像形成部P(PY、PM、PC、PK)、走査光学装置1及び中間転写ベルト23を図示しており、その他の部材は省略されている。また、本実施例にて、走査光学装置1は、同一の光学箱、即ち、筐体2に光偏向手段である走査偏向器としてのポリゴンモータ31が1台搭載された構成とされる。ポリゴンモータ31は、ポリゴンミラー32と、駆動モータ33とを備えている。
【0059】
走査光学装置1は、光源(図示せず)を有し、1台のポリゴンモータ31に対して、光源から出射された光ビーム(レーザー光)が入射する。そして、入射したレーザー光は、各々異なる感光ドラム20、本実施例では、感光ドラム20Y、20M、20C、20Kを露光する。
【0060】
更に言えば、本実施例にて、走査光学装置1は、画像情報に基づいて発光したレーザー光を偏向走査する走査偏向器としてのポリゴンモータ31、及び、光源からのレーザー光を等速走査し、感光ドラム上でスポット結像させるfθレンズ34、35、及び、結像用レンズ41〜44を備えている。走査光学装置1は、前記レンズ34、35、41〜44からのビームを所定の方向へ反射する折り返しミラー51〜58を経て感光ドラム20へ静電像を形成する。
【0061】
上記構成の走査光学装置1は、ポリゴンモータ31、及び、fθレンズ34、35、結像用レンズ41〜44、折り返しミラー51〜58等の光学部品を組み付ける光学箱2は、光学箱2を封鎖する仕切り部材である上蓋3によって外界から遮蔽されている。即ち、上蓋3は、光学箱2の上部に組み付けられ、光学箱2の内部を密閉している。また、上蓋3は、感光ドラム20を露光するための開口部3A(図4参照)を有しており、その部分にはレーザー光を透過しつつ走査光学装置1を埃から保護するための透光性防塵部材としての防塵ガラス5が取り付けられている。透光性防塵部材は、ガラス以外にも透光性樹脂を使用することもできるが、以下の説明では、ガラスで作製した防塵ガラスとして説明する。
【0062】
次に、本発明の特徴部分について説明する。
【0063】
図3〜図5は、本発明の第一の実施例における走査光学装置1の特徴部分を説明するために、防塵ガラス清掃機構4近傍の概略構成を示す。
【0064】
図3及び図4を参照すると、走査光学装置1の上蓋3に隣接して防塵ガラス5を清掃するための清掃機構4が配置されている。
【0065】
防塵ガラス清掃機構4は、図11を参照して説明した従来の防塵ガラス清掃機構4と同様の構成とされる。つまり、防塵ガラス5上に当接している清掃部材としての清掃ブレード45と、清掃ブレード45を保持するブレードホルダ46とを備えている。ブレードホルダ46は、装置本体100Aに設置されたガイド手段(図示せず)に沿って移動自在に保持されており、清掃ブレード45を、矩形状とされる防塵ガラス5の長手方向に直交する短手方向に移動可能としている。本実施例にて、防塵ガラス5の長手方向とは、走査光学装置1の主走査方向であり、短手方向とは、走査光学装置1の副走査方向である。
【0066】
清掃ブレード45は、シート状のブレードとされ、例えばポリウレタンゴム板材などのシート状の合成樹脂材が好適に使用される。ブレード45は、例えば、厚さ0.05〜1.0mm、短手方向の自由端長さ(h)(図4参照)が2〜10mmとされる。図4に示すように、清掃ブレード45は、防塵ガラス清掃時にはA方向に移動し、そのエッジ部を防塵ガラス5の上面に当接している。その時、清掃ブレード45は、防塵ガラス5上面の異物を掻き出すために、防塵ガラス5に対してカウンターにて当接している。その時の清掃ブレード45の、防塵ガラス上面に対する傾斜角度(α)は、30〜80度とされる。
【0067】
図4は、清掃ブレード45、防塵ガラス5、及び、上蓋3の関係を説明するための、防塵ガラス清掃機構4近傍における走査光学装置1の上蓋3に設けられた防塵ガラス部分の断面図である。
【0068】
図4にて、開口部3Aは、上蓋3に形成した上方が開口した凹部3Bを形成する水平底壁3aに形成される。水平底壁3bの上面3b1が防塵ガラス5の取付け壁面を形成し、防塵ガラス5が設置される。ガラス取付け面3b1に取り付けられた防塵ガラス5の上面は、上蓋3の上表面3aより僅かに下方に位置するように設置されている。
【0069】
また、凹部3Bには、水平底壁3bの長手方向端縁部に隣接して、水平底壁3bよりさらに下方に位置して水平底壁3cが形成されている。この水平底壁3cは、凹部3B内に、清掃ブレード45によって防塵ガラス5上から掻き出されたトナー等の異物を収集するためのトナー溜まり部7を形成する。
【0070】
従来においては、上述したように、このトナー溜まり部7は、防塵ガラス5の一方の長手方向端縁部に連接して形成された長手方向に連続して延在する溝状の凹部、即ち、トナー溜まり部47(図11参照)とされた。これに対して、本実施例によれば、上蓋3のトナー溜まり部7は、従来の長手方向に連続した溜まり部47(図11参照)と異なり、複数のリブ6により防塵ガラス5の長手方向に沿って複数のブロック7a、7a、・・・7aに分割されている(図3、図5参照)。
【0071】
つまり、図3、図5に示すように、清掃ブレード45がトナー溜まり部7を通過する際の清掃ブレード45の案内手段(清掃部材案内手段)としてのリブ6が防塵ガラス5の長手方向に複数箇所設けられている。本実施例では、防塵ガラス5の長手方向に距離(w)にて等間隔に配置されている。距離(w)としては、次の点を考慮して、任意に選定できる。
【0072】
即ち、清掃ブレード45は、剛性の低いシートであるため、例えば、リブが中央の1箇所では端部でシートが撓んでしまい、トナー溜まり部7に引っ掛かってしまう。そのため、案内手段としての前記リブ6は複数箇所で清掃ブレード45を支持することが必要である。また、前記リブ6が防塵ガラス5の長手方向に沿って複数箇所に形成されてトナー溜まり部7が壁(リブ)6に囲まれた小さい溜まり部7aの集合となることで、装置本体内を循環するエアフローや外部からのショックに対してトナーが動く範囲が制限され、その結果、トナー溜まり部7に堆積したトナーが前記要因による再飛散が生じ難くなるという利点もある。本実施例では、距離(w)は、5〜30mmとされた。また、各溜まり部7aは、0.05〜5cc程度の容量とされた。
【0073】
図4は、上述のように、防塵ガラス清掃機構4近傍における走査光学装置1の上蓋3に設けられた防塵ガラス部分の断面図である。
【0074】
この上蓋3に形成されている、清掃ブレード45がトナー溜まり部7に落ち込むのを防止するための清掃部材案内手段であるリブ6は、上述のように、その上表面6aが、防塵ガラス5を取付ける壁面3b1から上蓋3の上面3aまでを繋ぐように形成されている。なお、本実施例では、上蓋3の上面3aは、傾斜面3dを介してリブ6の傾斜した上面6aに連接されている。
【0075】
このようにリブ6を形成することで、画像形成装置本体100Aから走査光学装置1を引き抜く際には、清掃ブレード45及びブレードホルダ46は、破線矢印にて示す軌跡を辿り、トナー溜まり部7に引っ掛かることなく上蓋3の上方に出ることができる。
【0076】
また、リブ6の上表面6aと、清掃ブレード45の取付け面3b1との成す角度(β)は、清掃ブレード45がリブ6の上面6aとの摩擦や微小な引っ掛かりによって捲れないように鈍角の角度で形成している。通常、β=95〜140度とされる。本実施例では、100度程度とされた。
【0077】
このようにトナー溜まり部7に複数のリブ6を形成することで、防塵ガラス5上から掻き出されてトナー溜まり部7(7a、7a、・・・・7a)に収容されたトナーや埃と、上蓋3の上での清掃ブレード45の移動軌跡とを分離することができる。そのため、走査光学装置1を画像形成装置本体100Aから引き抜く際に、清掃ブレード45がトナー溜まり部7に堆積したトナーや埃を再び掬い上げて上蓋3の上面3aに掻き出してしまうことがない。
【0078】
微小には防塵ガラス5から掻き出されたトナーや埃がリブ6の厚み部分6aに堆積することになるが、ミラーの長手方向に対してリブ6が占有する表面積は小さいため影響は小さい。また、さらに影響度を小さくするために、リブ6の先端部6aをテーパ状(尖端縁状)に形成して、トナーが付着する可能性のある面積を更に小さくすれば良い。
【0079】
また、本実施例では、図4、図5に示すように、トナー溜まり部7を形成する壁面は、清掃ブレード45がリブ6とリブ6の区間で上蓋3と引っ掛かることがないように形成される。つまり、トナー溜まり部7(7a)を形成する壁面の中で防塵ガラス取付け面3b1と対向する壁面3d、3eは、壁面の傾斜の角度を異ならせている。つまり、上述したように、上蓋3の上面3aに近い側の壁面3dは、リブ6の上面6aと同一傾斜面とされ、トナー溜まり部7(7a)の底面を形成する底壁3cに近い底面側の壁面3eは、底壁3cに対して略垂直とされている。
【0080】
このように、上蓋3の上面3aに近い部分ではトナー溜まり部7に設けられたリブ6の上面6aと同一平面となるように壁面を傾斜させているので、上蓋3の上面3a部分の近傍で、リブ間のブレード45が上蓋3と引っ掛かることを抑制することができる。
【0081】
以上の説明では、リブ6は、上蓋3に設けられた構成として説明を行ったが、このリブ6を別の部材で構成し、上蓋3に固定する構成を用いても同様の効果を得ることができることは明白である。
【0082】
また、リブ6の間隔(w)についても、本実施例では等間隔に形成した場合について説明を行ったが、特に等間隔である必要はない。
【0083】
更に、リブ6の形状についても、図3〜図5において例示した形状である必要はなく、走査光学装置1を画像形成装置本体100Aから引き抜く際に、清掃ブレード45が引っ掛かることなく作業できるリブ形状であれば構わない。
【0084】
本発明の第一の実施例によれば、防塵ガラス5を清掃するブレード45が常に防塵ガラス上に当接している方式を有する像形成装置において、防塵ガラス上に堆積したトナーを収容するトナー溜まり部を有した構成とされる。斯かる構成の画像形成装置においても、走査光学装置の画像形成装置本体からの着脱性を良好に維持することができる。
【0085】
つまり、本発明の第一の実施例では、防塵ガラス5の長手方向に設けられたトナー溜まり部7に複数のリブ6を設ける構成とされる。このリブ6は、トナー溜まり部7を横切る形で形成されており、上蓋3の防塵ガラス5を上蓋3に取付けている面3b1からトナー溜まり部7を超えた先の上蓋3の上面部3aまで傾斜状に延びている。これによって、防塵ガラス5の取付け面よりも下に窪んでいるトナー溜まり部7へ清掃ブレード45は落ち込まない構成となっている。
【0086】
従って、走査光学装置1の着脱時に、走査光学装置1を画像形成装置本体100Aから引き抜く動作によって防塵ブレード45が防塵ガラス5上から離れ、トナー溜まり部7に清掃ブレード45が到達した時にも、清掃ブレード45が引っ掛かることはない。しかも、トナー溜まり部7に清掃ブレード45が侵入しないため、トナー溜まり部7の底面に堆積している飛散トナーを再び蓋の上へ掻き出してしまうことがない。
【0087】
実施例2
図6及び図7に本発明の第二の実施例における走査光学装置1の凹部3Bにおけるトナー溜まり部7を示す。
【0088】
本実施例では、トナー溜まり部7の上面を網目状の遮蔽部材8で遮蔽した構成を採用している。この網目状遮蔽部材8は、上蓋3とは別の部品で構成されており、上蓋3に対して着脱可能に取り付けられており、この遮蔽部材8は、防塵ガラス5の取付け面3b1から上蓋3の上面3aまでを繋ぐように形成されている。なお、本実施例では、上蓋3の上面3aは、傾斜面3dを介して遮蔽部材8に連接されている。
【0089】
網目状の遮蔽部材8の開口率は、通常、30〜60%とされ、本実施例では、50%とした。
【0090】
この遮蔽部材8には略等ピッチで防塵ガラス5の長手方向全域に渡って孔8aが設けられており、トナー溜まり部7はこの下部に形成されている。孔径は、0.5〜4.0mmとされ、本実施例では、2.0mmであった。そのため、清掃ブレード45による清掃動作が行われることによって、防塵ガラス5上のトナーや埃がガラス上から掻き出された際には、トナーや埃は、遮蔽部材8の網目(孔)8aを通って下方のトナー溜まり部7に落下する。この網目状遮蔽部材8の取り付け角度は、実施例1のリブ6の上面6aと同様に、清掃ブレード45が遮蔽部材8との摩擦や微小な引っ掛かりによって捲れないように鈍角の角度(β)で形成している。通常、β=95〜140度とされる。本実施例では、100度程度とされた。また、遮蔽部材8と連接する上蓋3の傾斜面3dと同一傾斜面とされた。
【0091】
このようにトナー溜まり部7を網目状の遮蔽部材8を用いて遮蔽することで、防塵ガラス5上から掻き出されてトナー溜まり部7に収容されたトナーや埃と、上蓋3の上での清掃ブレード45の移動軌跡を分離することができる。そのため、走査光学装置1を画像形成装置本体100Aから引き抜く際に、清掃ブレード45がトナー溜まり部7に堆積したトナーや埃を再び掬い上げて上蓋3の上に掻き出してしまうことがない。
【0092】
微小には防塵ガラス5から掻き出されたトナーや埃が網目状の遮蔽部材8の上に堆積するが、ミラーの長手方向に対して網目状の遮蔽部材8が占有する表面積は小さいため影響は小さい。また、網目状の遮蔽部材8の開口率を上げるほど、トナー溜まり部7へ落下する確立が高くなるため、遮蔽部材8上に堆積するトナーや埃の量が低減される。
【0093】
ここで、網目状の遮蔽部材8は、プラスチック成形された部品である必要はなく、金属製でも良い。但し、金属製部材で遮蔽部材を構成した場合、バリ等によって清掃ブレードが引っ掛かったり破損したりすることが無いように、抜きバリをトナー溜まり部7側へ向けて取り付けることが望ましい。また、遮蔽部材8の孔形状等については、本実施例では説明のために一部を例示しただけであるため、他の形状であっても同様の効果を得ることができる形状であれば構わない。
【0094】
本発明の第二の実施例においても、防塵ガラスを清掃するブレードが常に防塵ガラス上に当接している方式を有する像形成装置において、防塵ガラス上に堆積したトナーを収容するトナー溜まり部を有した構成とされる。斯かる構成であっても、走査光学装置1の画像形成装置本体100Aからの着脱性を良好に維持することができる。
【0095】
つまり、本発明の第二の実施例では、トナー溜まり部に網目状の遮蔽部材8が取り付けられている。この網目状遮蔽部材8は、トナー溜まり部7を覆うように取り付けてあり、防塵ガラス横からトナー溜まり部7を超えた先の上蓋3の上面部3aまでを覆っている。網目状部材8をトナー溜まり部7の上面に設けることで、防塵ガラス5上のトナーは清掃ブレード45によってトナー溜まり部7へ落下する。清掃ブレード45は、網目状遮蔽部材8の上を通ることで、実施例1で説明したリブ6と同様に、清掃ブレード45がトナー溜まり部7に引っ掛かることがない。また、トナー溜まり部7の底面に堆積している飛散
トナーを再び上蓋3の上へ掻き出してしまうことがない。
【0096】
以上説明したように、本発明によれば、防塵ガラスを清掃する清掃部材が常に防塵ガラス上に当接している方式を有する像形成装置において、走査光学装置の上蓋に構成されたトナー溜まり部に複数のリブもしくは網目状の遮蔽部材を設ける構成とされる。この構成によって、走査光学装置を画像形成装置から引き抜く際に清掃ブレードがトナー溜まり部に堆積したトナーや埃を再び掬い上げて上蓋の上に掻き出すことを防止しつつ、走査光学装置の着脱性を良好に維持することができる。
【0097】
上記各実施例においては、本発明の画像形成装置100は、中間転写方式のカラー画像形成装置であるとして説明した。
【0098】
しかし、本発明の原理は、中間転写ベルトの代わりに記録材を搬送する搬送ベルトを備えた、所謂、直接転写方式の画像形成装置にても同様に適用できる。直接転写方式の画像形成装置は、各画像形成部P(PY、PM、PC、PK)へと搬送ベルトにて搬送される記録材Sに対して、それぞれ感光ドラム20の表面に形成されたトナー画像が順次直接転写されてカラー画像が記録される構成とされる。斯かる画像形成装置は、当業者には周知であるので、これ以上の説明は省略する。また、本発明が、モノカラーの画像形成装置にても適用し得ることは当然である。
【符号の説明】
【0099】
1 露光装置(走査光学装置)
2 光学箱(筐体)
3 上蓋
4 清掃機構
5 防塵ガラス(透光性防塵部材)
6、8 リブ(清掃部材案内手段)
7、47 トナー溜まり部
45 清掃ブレード(清掃部材)
46 ブレードホルダ
20 感光ドラム(像担持体)
21 一次帯電器(帯電手段)
22 現像装置(現像手段)
23 中間転写ベルト(中間転写体)
31 ポリゴンモータ
34、35 fθレンズ
41〜44 結像用レンズ
51〜58 折り返しミラー
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びそれらの複合機等の画像形成装置に関し、詳しくは、画像形成装置本体に走査光学装置が着脱可能とされた画像形成装置に関する。本発明は、特に、多色画像形成を行うタンデム式の画像形成装置に好適に採用し得る。
【背景技術】
【0002】
従来のカラー画像をプリントする電子写真方式のカラー画像形成装置の一例を図8〜図12を用いて説明する。
【0003】
本例にて、カラー画像形成装置100は、タンデム式の画像形成装置とされ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの画像形成部(画像形成ユニット)P(PY、PM、PC、PK)を備えている。各画像形成部PY、PM、PC、PKは、記録材Sに画像を形成する画像形成手段を有している。
【0004】
つまり、各画像形成部PY、PM、PC、PKは、それぞれ、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という。)20(20Y、20M、20C、20K)を備えている。各感光ドラム20は、導電体に感光層を塗布したもので、帯電器21(21Y、21M、21C、21K)により一様に帯電される。
【0005】
各感光ドラム20の周囲には、感光ドラムを一様に帯電する上述の帯電器21(21Y、21M、21C、21K)を備えている。また、各感光ドラム20の下方に位置して、画像情報に基づいてレーザー光を照射し、静電像を形成する走査光学装置1が配置されている。更に、感光ドラム20の周囲には、感光ドラム20上の静電像を顕像化し、トナー像を形成する現像装置22(22Y、22M、22C、22K)が配置されている。各感光ドラム20の上方に位置して、各感光ドラム20上のトナー像を重ね転写するための中間転写ベルト23が配置されている。
【0006】
本例では、画像形成装置本体100Aの下方には、トナー像を形成する記録材、即ち転写用紙Sを格納する給紙カセット30が配置され、画像形成装置本体100Aの上方位置に用紙S上に転写されたトナー像を熱により用紙Sに吸着させる定着器25が設置されている。定着器25にて定着された転写用紙Sは、排紙トレー26へと搬送される。
【0007】
図9は、図8の画像形成部P(PY、PM、PC、PK)、走査光学装置1及び中間転写ベルト23を図示したもので、その他の部材は省略されている。
【0008】
図中の走査光学装置1は、画像情報に基づいて発光したレーザー光を偏向走査するポリゴンモータ31、及び、レーザー光を等速走査し、感光ドラム上でスポット結像させるfθレンズ34、35、結像用レンズ41〜44を備えている。走査光学装置1は、fθレンズ34、35、結像用レンズ41〜44からのビームを所定の方向へ反射する折り返しミラー51〜58を経て感光ドラム20へ静電像を形成する。
【0009】
この走査光学装置1は、埃や汚れに弱く、レーザーの光路上に部分的な汚れが発生すると、前記汚れに対応する画像上の部分で画像抜けや、画像上のトナー量が不足することによる濃度薄が生じる。そのため、従来から、走査光学装置1の上記各光学部品は、光学箱2内に格納され、光学箱2は上蓋3にて内部が密閉される。また、各光学部品を格納する光学箱2と上蓋3の間をモルトプレン等で封鎖することで埃の進入を防止する対策がとられてきた。
【0010】
しかし、装置本体100Aのコンパクト化に伴い走査光学装置1もこれまでより感光ドラム20に近い位置に配置されるようになり、また、上述のように、各構成部品の配置の関係で走査光学装置1が感光ドラム20に対して下部に配置されるようになってきている。
【0011】
しかし、走査光学装置1を感光ドラム20に対して下側から照射する場合、及び、感光ドラム20から近いところで照射する場合においては、走査光学装置1の上蓋3部分には、装置本体内に吸い込んだ埃が付着した。更には、装置本体内のトナー飛散、また、現像装置22、感光ドラム20、クリーナー23等からのトナー落下が発生する。
【0012】
そのため従来は、画像形成装置本体100Aに清掃機構4を準備し、清掃機構4で、上蓋3に設置された透光性防塵部材である防塵ガラス5上の埃やトナーを他の領域に掻き出す手法を用いている。
【0013】
清掃機構は、図11に示すように、防塵ガラス5の長手方向に配置されている清掃ブレード45が防塵ガラス5上に当接しており、清掃ブレード45を移動させることで、防塵ガラス5上のトナーを掻き出す構成である。
【0014】
また、走査光学装置1は、図10の矢印Bに示す方向に引き抜くことで画像形成装置本体100Aからの着脱を行う。
【0015】
これは、一般的に図10の紙面垂直方向に、即ち、各画像形成部Pの整列方向に直交する方向に感光ドラム20や現像装置22等の画像形成部を引き出す構成が採用されている。そのため、更に、走査光学装置1も紙面垂直方向に引き抜く構成とした場合には、装置本体フレームにそれらを引き抜ける大きな開口部が必要となり、それによって、画像形成装置本体100Aの枠体強度が著しく低下してしまうためである。
【0016】
次に、図11は、上述したように、防塵ガラス5を清掃する清掃機構4を示した図である。図11に示すように、清掃機構4は防塵ガラス5の長手方向に配置されている清掃ブレード45が防塵ガラス5上に当接している。清掃ブレード45を図中矢印A方向に、図示しない画像形成装置本体から得た動力を用いて移動させることで、防塵ガラス5上のトナーを掻き出す構成である。
【0017】
清掃ブレード45はブレードホルダ46に固定されており、非動作時には走査光学装置1から出射される走査光の妨げとならないよう、防塵ガラス5の端部で待機している。清掃時には、清掃ブレード45は図11の(a)の位置から(b)の位置まで移動し、防塵ガラス5に隣接して設けられた上蓋3のトナー溜まり部47に防塵ガラス5上のトナーや埃を掻き出す構成とされる。
【0018】
このトナー溜まり部47は図のように上蓋3の上面に対して窪んだ形状をしているため、掻き出されたトナーが隣接する防塵ガラス側へ飛散してしまうことを防止している。また、これらのトナー溜まり47の構成や防塵ガラス5の清掃については、特許文献1、特許文献2に記載する下記の手法が提案されている。
【0019】
特許文献1には、感光ドラムからトナーが落下する領域外に防塵ガラスを設け、トナー落下先の下方にトナー溜まり部を設ける構成が開示されている。
【0020】
特許文献2には、防塵ガラスをその外側の面が防塵ガラス取り付け部近傍のケーシングの外面から突出させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2003−287938号公報
【特許文献2】特開2006−44229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、従来の防塵ガラスを清掃するブレードが常に防塵ガラス上に当接している方式では、走査光学装置の上蓋にトナー溜まり部を設けると、次のような問題が起こる。
【0023】
つまり、図12に示すように、矢印B方向へ走査光学装置1を引き抜く際に走査光学装置1が幾分上方へと持ち上がり、それによって、清掃機構4が前記トナー溜まり部47に落ち込んでしまい、走査光学装置1の着脱性が著しく悪化してしまうことがある。
【0024】
また、防塵ガラス5を上蓋3より突出させた構成を用いた場合には、走査光学装置1を引き抜く際に清掃機構4と接触してしまい、走査光学装置1の挿抜時にガラス面を傷つけてしまう可能性が高くなってしまう。また、走査光学装置1を装置から取り出した後も、ガラス面が周囲の部品よりも突出した形状では、走査光学装置1の取り扱いに気を付ける必要があるため実用的な構成ではない。
【0025】
そこで、本発明の他の目的は、透光性防塵部材上に堆積したトナーを収容するトナー溜まり部を有した構成であっても、走査光学装置の画像形成装置本体からの着脱性を良好に維持することのできる画像形成装置を提供することである。
【0026】
本発明の他の目的は、透光性防塵部材上に堆積したトナーを収容するトナー溜まり部を有した構成であっても、トナー溜まり部の底面に堆積している飛散トナーを再び上蓋の上へ掻き出してしまうことのない画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、光源と、光源から出射された光ビームを像担持体の上に結像させる光学部品と、光ビームを偏向走査する走査偏向器と、前記光学部品と走査偏向器を格納する筐体と、前記筐体の上部に組み付けて筐体の内部を密閉する上蓋と、前記筐体の内部から出射された光ビームを透過させる前記上蓋の開口部に設けられた透光性防塵部材と、前記透光性防塵部材に隣接して設けられたトナー溜まり部と、を備え、画像形成装置本体に着脱可能な走査光学装置と、
前記透光性防塵部材の上面に当接し、前記透光性防塵部材の上面に堆積した異物を前記トナー溜まり部に掻き出すように、前記透光性防塵部材の短手方向へ移動可能な清掃部材と、
を有する画像形成装置において、
前記トナー溜まり部は、前記走査光学装置の前記画像形成装置本体への着脱時に、前記清掃部材が前記トナー溜まり部を通過する際に前記清掃部材が前記トナー溜まり部へと落ち込むのを防ぐための清掃部材案内手段を有していることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、
(1)走査光学装置を画像形成装置から引き抜く動作によって、清掃部材が透光性防塵部材上から離れトナー溜まり部に清掃部材が到達した時にも、清掃部材がトナー溜まり部に引っ掛かることがない。従って、透光性防塵部材上に堆積したトナーを収容するトナー溜まり部を有した構成であっても、走査光学装置の画像形成装置本体からの着脱性を良好に維持することができる。
(2)走査光学装置を画像形成装置から引き抜く動作によって、トナー溜まり部の底面に堆積している飛散トナーを再び上蓋の上へ掻き出してしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を説明する概略構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置における画像形成部と走査光学装置を示す構成図である。
【図3】本発明の画像形成装置における第1の実施例のトナー溜まり部近傍の形状を説明する図である
【図4】本発明の画像形成装置における第1の実施例のトナー溜まり部近傍での走査光学装置の着脱時の軌跡を説明する断面図である。
【図5】本発明の画像形成装置における第1の実施例のトナー溜まり部近傍の形状を説明する図である
【図6】本発明の画像形成装置における第2の実施例のトナー溜まり部近傍の形状を説明する図である
【図7】本発明の画像形成装置における第2の実施例のトナー溜まり部近傍での走査光学装置の着脱時の軌跡を説明する断面図である。
【図8】従来の画像形成装置の一例を説明する概略構成図である。
【図9】従来の画像形成装置における画像形成部と走査光学装置を示す構成図である。
【図10】従来の画像形成装置から走査光学装置の引き抜き方向を説明する図である。
【図11】従来の画像形成装置における清掃部材の作動を説明する断面図である。
【図12】従来の画像形成装置におけるトナー溜まり部近傍での走査光学装置の着脱時の引っ掛かりを説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0031】
実施例1
(画像形成装置の全体構成)
図1に、本発明に係る画像形成装置の一実施例である電子写真フルカラープリンタの概略構成を示す。
【0032】
本実施例にて、画像形成装置100は、図8、図9を参照して説明したタンデム方式の画像形成装置と同様の構成とされ、複数の、本実施例では4つの画像形成部(画像形成ユニット)P(PY、PM、PC、PK)を備えている。つまり、イエロー色の画像を形成する画像形成部PYと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部PMと、シアン色の画像を形成する画像形成部PCと、ブラック色の画像を形成する画像形成部PKである。これら4つの画像形成部PY、PM、PC、PKは、一定の間隔にて直線上に一列に整列して配置される。
【0033】
各画像形成部PY、PM、PC、PKは、記録材Sに画像を形成する画像形成手段を有している。つまり、各画像形成部PY、PM、PC、PKにおける画像形成手段は、それぞれ像担持体としてのドラム型の電子写真感光体、即ち、感光ドラム20(20Y、20M、20C、20K)を有している。また、各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kの周囲には、画像形成手段を構成する、一次帯電器21(21Y、21M、21C、21K)、現像装置22(22Y、22M、22C、22K)が配置される。更に、感光ドラム20の周囲には、転写ローラ24(24Y、24M、24C、24K)、ドラムクリーナ装置23(23Y、23M、23C、23K)がそれぞれ配置されている。一次帯電器21Y、21M、21C、21Kと現像装置22Y、22M、22C、22Kとの下方には、露光装置としての走査光学装置1が設置されている。
【0034】
各現像装置22Y、22M、22C、22Kには、それぞれ、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーが収納されている。
【0035】
各画像形成部Pにて、感光ドラム20、一次帯電器21、現像装置22、及び、ドラムクリーナ装置23等は、一体に構成し、画像形成装置本体100Aに対して着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
【0036】
各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kは、負帯電のOPC感光体でアルミニウム製のドラム基体上に光導電層を有しており、駆動装置(不図示)によって矢印方向(図1における時計回り方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0037】
一次帯電手段としての一次帯電器21Y、21M、21C、21Kは、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kの表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
【0038】
一様に帯電された感光ドラム20は、露光装置としての走査光学装置1から光像が照射される。走査光学装置1については後で詳しく説明する。
【0039】
走査光学装置1は、レーザー光(光束)を偏向走査して各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kを露光をする。これによって、各一次帯電器21Y、21M、21C、21Kで帯電された各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kの表面に画像情報に応じた各色の静電像を形成する。
【0040】
現像手段としての現像装置22Y、22M、22C、22Kは、トナーを内蔵し、それぞれ各感光ドラム20Y、20M、20C、20K上に形成される各静電像に各色のトナーを付着させてトナー像として現像(可視像化)する。
【0041】
一次転写手段としての転写ローラ24Y、24M、24C、24Kは、それぞれ、各一次転写部T1(T1Y、T1M、T1C、T1K)にて中間転写体としての中間転写ベルト23を介して各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kに当接可能に配置されている。
【0042】
ドラムクリーニング手段としてのドラムクリーナ装置23Y、23M、23C、23Kは、各感光ドラム20Y、20M、20C、20K上で一次転写時の残留した転写残トナーを、該感光ドラム20Y、20M、20C、20Kから除去する。
【0043】
中間転写ベルト23は、各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kの上方側に配置されて、二次転写対向ローラ27aとテンションローラ27b、27c間に張架されている。また、二次転写対向ローラ27aは、二次転写部T2において、中間転写ベルト23を介して二次転写ローラ28と当接可能に配置されている。この中間転写ベルト23は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のような誘電体樹脂によって構成されている。
【0044】
また、二次転写部T2よりも記録材Sの搬送方向の下流側には、記録材Sに形成された画像を加熱定着する画像加熱手段としての定着装置25が設置されている。
【0045】
次に、上記構成の画像形成装置による画像形成動作について更に詳しく説明する。
【0046】
画像形成開始信号が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される各画像形成部PY、PM、PC、PKの各感光ドラム20Y、20M、20C、20Kは、それぞれ一次帯電器21Y、21M、21C、21Kによって一様に負極性に帯電される。そして、露光装置としての走査光学装置1は、外部から入力されるカラー色分解された画像信号をレーザー発光素子(光源)から照射し、ポリゴンミラー、fθレンズ、結像用レンズ、折り返しミラー等の光学部品を経由し各感光ドラム20Y、20M、20C、20K上に各色の静電像を形成する。
【0047】
そして、先ず画像形成部PYにて、感光ドラム20Y上に形成された静電像に、感光ドラム20Yの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置22Yにより、イエローのトナーを付着させてトナー像として可視像化する。このイエローのトナー像は、感光ドラム20Yと転写ローラ24Yとの間の一次転写部T1Yにて、一次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ24Yにより、駆動されている中間転写ベルト23上に一次転写される。
【0048】
イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト23は、画像形成部PM側に移動される。そして、画像形成部PMにおいても、前記と同様にして、感光ドラム20Mに形成されたマゼンタのトナー像が、中間転写ベルト23上のイエローのトナー像上に重ね合わせて、一次転写部T1Mにて転写される。
【0049】
以下、同様にして、中間転写ベルト23上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に画像形成部PC、PKの感光ドラム20C、20Kで形成されたシアン、ブラックのトナー像を各一次転写部T1C、T1Kにて順次重ね合わせる。これによって、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト23上に形成される。
【0050】
各感光ドラム20Y、20M、20C、20K上に残留した転写残トナーは、ドラムクリーナ装置23Y、23M、23C、23Kに設けられたクリーナブレード等により掻き落とされ、回収される。
【0051】
一方、給紙カセット30A又は手差しトレイ30Bから選択されて搬送パスを通して記録材としての転写紙(用紙)Sが、給紙される。
【0052】
転写紙Sは、中間転写ベルト23上のフルカラーのトナー像先端が二次転写対向ローラ27aと二次転写ローラ28間の二次転写部T2に移動されるタイミングに合わせて、レジストローラにより二次転写部T2に搬送される。二次転写部T2に搬送された転写紙Sに、二次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された二次転写ローラ28により、フルカラーのトナー像が一括して二次転写される。
【0053】
フルカラーのトナー像が形成された転写紙Sは、定着装置25に搬送されて、第1定着部材25aと第2定着部材25bとの間の定着ニップ部Nでフルカラーのトナー像が加熱、加圧されて転写紙Sの表面に熱定着される。その後、転写紙Sは、排紙ローラによって本体上面の排紙トレイ26上に排出されて、一連の画像形成動作を終了する。
【0054】
なお、中間転写ベルト23上に残った二次転写残トナー等は、ベルトクリーニング装置(図示せず)によって除去されて回収される。
【0055】
(走査光学装置)
次に、図2を参照して、本発明の特徴をなす露光装置としての走査光学装置1について説明する。
【0056】
本実施例における走査光学装置1の全体構成は、先に図9を参照して説明した従来の走査光学装置1と同様の構成とされる。
【0057】
つまり、走査光学装置1は、図示しない画像読取装置若しくはパーソナルコンピュータ等から送られてきた画像情報に基づいてレーザー光を感光ドラム20(20Y、20M、20C、20K)に照射する。レーザー光照射は、各感光ドラム20の軸線方向に沿った主走査方向と、主走査方向に直交する、即ち、感光ドラム20の回転方向に沿った副走査方向に走査することによって行われる。そして、走査光学装置1からのレーザー光によって感光ドラム20上に静電像が形成される。
【0058】
図2は、図1に示す画像形成装置100の画像形成部P(PY、PM、PC、PK)、走査光学装置1及び中間転写ベルト23を図示しており、その他の部材は省略されている。また、本実施例にて、走査光学装置1は、同一の光学箱、即ち、筐体2に光偏向手段である走査偏向器としてのポリゴンモータ31が1台搭載された構成とされる。ポリゴンモータ31は、ポリゴンミラー32と、駆動モータ33とを備えている。
【0059】
走査光学装置1は、光源(図示せず)を有し、1台のポリゴンモータ31に対して、光源から出射された光ビーム(レーザー光)が入射する。そして、入射したレーザー光は、各々異なる感光ドラム20、本実施例では、感光ドラム20Y、20M、20C、20Kを露光する。
【0060】
更に言えば、本実施例にて、走査光学装置1は、画像情報に基づいて発光したレーザー光を偏向走査する走査偏向器としてのポリゴンモータ31、及び、光源からのレーザー光を等速走査し、感光ドラム上でスポット結像させるfθレンズ34、35、及び、結像用レンズ41〜44を備えている。走査光学装置1は、前記レンズ34、35、41〜44からのビームを所定の方向へ反射する折り返しミラー51〜58を経て感光ドラム20へ静電像を形成する。
【0061】
上記構成の走査光学装置1は、ポリゴンモータ31、及び、fθレンズ34、35、結像用レンズ41〜44、折り返しミラー51〜58等の光学部品を組み付ける光学箱2は、光学箱2を封鎖する仕切り部材である上蓋3によって外界から遮蔽されている。即ち、上蓋3は、光学箱2の上部に組み付けられ、光学箱2の内部を密閉している。また、上蓋3は、感光ドラム20を露光するための開口部3A(図4参照)を有しており、その部分にはレーザー光を透過しつつ走査光学装置1を埃から保護するための透光性防塵部材としての防塵ガラス5が取り付けられている。透光性防塵部材は、ガラス以外にも透光性樹脂を使用することもできるが、以下の説明では、ガラスで作製した防塵ガラスとして説明する。
【0062】
次に、本発明の特徴部分について説明する。
【0063】
図3〜図5は、本発明の第一の実施例における走査光学装置1の特徴部分を説明するために、防塵ガラス清掃機構4近傍の概略構成を示す。
【0064】
図3及び図4を参照すると、走査光学装置1の上蓋3に隣接して防塵ガラス5を清掃するための清掃機構4が配置されている。
【0065】
防塵ガラス清掃機構4は、図11を参照して説明した従来の防塵ガラス清掃機構4と同様の構成とされる。つまり、防塵ガラス5上に当接している清掃部材としての清掃ブレード45と、清掃ブレード45を保持するブレードホルダ46とを備えている。ブレードホルダ46は、装置本体100Aに設置されたガイド手段(図示せず)に沿って移動自在に保持されており、清掃ブレード45を、矩形状とされる防塵ガラス5の長手方向に直交する短手方向に移動可能としている。本実施例にて、防塵ガラス5の長手方向とは、走査光学装置1の主走査方向であり、短手方向とは、走査光学装置1の副走査方向である。
【0066】
清掃ブレード45は、シート状のブレードとされ、例えばポリウレタンゴム板材などのシート状の合成樹脂材が好適に使用される。ブレード45は、例えば、厚さ0.05〜1.0mm、短手方向の自由端長さ(h)(図4参照)が2〜10mmとされる。図4に示すように、清掃ブレード45は、防塵ガラス清掃時にはA方向に移動し、そのエッジ部を防塵ガラス5の上面に当接している。その時、清掃ブレード45は、防塵ガラス5上面の異物を掻き出すために、防塵ガラス5に対してカウンターにて当接している。その時の清掃ブレード45の、防塵ガラス上面に対する傾斜角度(α)は、30〜80度とされる。
【0067】
図4は、清掃ブレード45、防塵ガラス5、及び、上蓋3の関係を説明するための、防塵ガラス清掃機構4近傍における走査光学装置1の上蓋3に設けられた防塵ガラス部分の断面図である。
【0068】
図4にて、開口部3Aは、上蓋3に形成した上方が開口した凹部3Bを形成する水平底壁3aに形成される。水平底壁3bの上面3b1が防塵ガラス5の取付け壁面を形成し、防塵ガラス5が設置される。ガラス取付け面3b1に取り付けられた防塵ガラス5の上面は、上蓋3の上表面3aより僅かに下方に位置するように設置されている。
【0069】
また、凹部3Bには、水平底壁3bの長手方向端縁部に隣接して、水平底壁3bよりさらに下方に位置して水平底壁3cが形成されている。この水平底壁3cは、凹部3B内に、清掃ブレード45によって防塵ガラス5上から掻き出されたトナー等の異物を収集するためのトナー溜まり部7を形成する。
【0070】
従来においては、上述したように、このトナー溜まり部7は、防塵ガラス5の一方の長手方向端縁部に連接して形成された長手方向に連続して延在する溝状の凹部、即ち、トナー溜まり部47(図11参照)とされた。これに対して、本実施例によれば、上蓋3のトナー溜まり部7は、従来の長手方向に連続した溜まり部47(図11参照)と異なり、複数のリブ6により防塵ガラス5の長手方向に沿って複数のブロック7a、7a、・・・7aに分割されている(図3、図5参照)。
【0071】
つまり、図3、図5に示すように、清掃ブレード45がトナー溜まり部7を通過する際の清掃ブレード45の案内手段(清掃部材案内手段)としてのリブ6が防塵ガラス5の長手方向に複数箇所設けられている。本実施例では、防塵ガラス5の長手方向に距離(w)にて等間隔に配置されている。距離(w)としては、次の点を考慮して、任意に選定できる。
【0072】
即ち、清掃ブレード45は、剛性の低いシートであるため、例えば、リブが中央の1箇所では端部でシートが撓んでしまい、トナー溜まり部7に引っ掛かってしまう。そのため、案内手段としての前記リブ6は複数箇所で清掃ブレード45を支持することが必要である。また、前記リブ6が防塵ガラス5の長手方向に沿って複数箇所に形成されてトナー溜まり部7が壁(リブ)6に囲まれた小さい溜まり部7aの集合となることで、装置本体内を循環するエアフローや外部からのショックに対してトナーが動く範囲が制限され、その結果、トナー溜まり部7に堆積したトナーが前記要因による再飛散が生じ難くなるという利点もある。本実施例では、距離(w)は、5〜30mmとされた。また、各溜まり部7aは、0.05〜5cc程度の容量とされた。
【0073】
図4は、上述のように、防塵ガラス清掃機構4近傍における走査光学装置1の上蓋3に設けられた防塵ガラス部分の断面図である。
【0074】
この上蓋3に形成されている、清掃ブレード45がトナー溜まり部7に落ち込むのを防止するための清掃部材案内手段であるリブ6は、上述のように、その上表面6aが、防塵ガラス5を取付ける壁面3b1から上蓋3の上面3aまでを繋ぐように形成されている。なお、本実施例では、上蓋3の上面3aは、傾斜面3dを介してリブ6の傾斜した上面6aに連接されている。
【0075】
このようにリブ6を形成することで、画像形成装置本体100Aから走査光学装置1を引き抜く際には、清掃ブレード45及びブレードホルダ46は、破線矢印にて示す軌跡を辿り、トナー溜まり部7に引っ掛かることなく上蓋3の上方に出ることができる。
【0076】
また、リブ6の上表面6aと、清掃ブレード45の取付け面3b1との成す角度(β)は、清掃ブレード45がリブ6の上面6aとの摩擦や微小な引っ掛かりによって捲れないように鈍角の角度で形成している。通常、β=95〜140度とされる。本実施例では、100度程度とされた。
【0077】
このようにトナー溜まり部7に複数のリブ6を形成することで、防塵ガラス5上から掻き出されてトナー溜まり部7(7a、7a、・・・・7a)に収容されたトナーや埃と、上蓋3の上での清掃ブレード45の移動軌跡とを分離することができる。そのため、走査光学装置1を画像形成装置本体100Aから引き抜く際に、清掃ブレード45がトナー溜まり部7に堆積したトナーや埃を再び掬い上げて上蓋3の上面3aに掻き出してしまうことがない。
【0078】
微小には防塵ガラス5から掻き出されたトナーや埃がリブ6の厚み部分6aに堆積することになるが、ミラーの長手方向に対してリブ6が占有する表面積は小さいため影響は小さい。また、さらに影響度を小さくするために、リブ6の先端部6aをテーパ状(尖端縁状)に形成して、トナーが付着する可能性のある面積を更に小さくすれば良い。
【0079】
また、本実施例では、図4、図5に示すように、トナー溜まり部7を形成する壁面は、清掃ブレード45がリブ6とリブ6の区間で上蓋3と引っ掛かることがないように形成される。つまり、トナー溜まり部7(7a)を形成する壁面の中で防塵ガラス取付け面3b1と対向する壁面3d、3eは、壁面の傾斜の角度を異ならせている。つまり、上述したように、上蓋3の上面3aに近い側の壁面3dは、リブ6の上面6aと同一傾斜面とされ、トナー溜まり部7(7a)の底面を形成する底壁3cに近い底面側の壁面3eは、底壁3cに対して略垂直とされている。
【0080】
このように、上蓋3の上面3aに近い部分ではトナー溜まり部7に設けられたリブ6の上面6aと同一平面となるように壁面を傾斜させているので、上蓋3の上面3a部分の近傍で、リブ間のブレード45が上蓋3と引っ掛かることを抑制することができる。
【0081】
以上の説明では、リブ6は、上蓋3に設けられた構成として説明を行ったが、このリブ6を別の部材で構成し、上蓋3に固定する構成を用いても同様の効果を得ることができることは明白である。
【0082】
また、リブ6の間隔(w)についても、本実施例では等間隔に形成した場合について説明を行ったが、特に等間隔である必要はない。
【0083】
更に、リブ6の形状についても、図3〜図5において例示した形状である必要はなく、走査光学装置1を画像形成装置本体100Aから引き抜く際に、清掃ブレード45が引っ掛かることなく作業できるリブ形状であれば構わない。
【0084】
本発明の第一の実施例によれば、防塵ガラス5を清掃するブレード45が常に防塵ガラス上に当接している方式を有する像形成装置において、防塵ガラス上に堆積したトナーを収容するトナー溜まり部を有した構成とされる。斯かる構成の画像形成装置においても、走査光学装置の画像形成装置本体からの着脱性を良好に維持することができる。
【0085】
つまり、本発明の第一の実施例では、防塵ガラス5の長手方向に設けられたトナー溜まり部7に複数のリブ6を設ける構成とされる。このリブ6は、トナー溜まり部7を横切る形で形成されており、上蓋3の防塵ガラス5を上蓋3に取付けている面3b1からトナー溜まり部7を超えた先の上蓋3の上面部3aまで傾斜状に延びている。これによって、防塵ガラス5の取付け面よりも下に窪んでいるトナー溜まり部7へ清掃ブレード45は落ち込まない構成となっている。
【0086】
従って、走査光学装置1の着脱時に、走査光学装置1を画像形成装置本体100Aから引き抜く動作によって防塵ブレード45が防塵ガラス5上から離れ、トナー溜まり部7に清掃ブレード45が到達した時にも、清掃ブレード45が引っ掛かることはない。しかも、トナー溜まり部7に清掃ブレード45が侵入しないため、トナー溜まり部7の底面に堆積している飛散トナーを再び蓋の上へ掻き出してしまうことがない。
【0087】
実施例2
図6及び図7に本発明の第二の実施例における走査光学装置1の凹部3Bにおけるトナー溜まり部7を示す。
【0088】
本実施例では、トナー溜まり部7の上面を網目状の遮蔽部材8で遮蔽した構成を採用している。この網目状遮蔽部材8は、上蓋3とは別の部品で構成されており、上蓋3に対して着脱可能に取り付けられており、この遮蔽部材8は、防塵ガラス5の取付け面3b1から上蓋3の上面3aまでを繋ぐように形成されている。なお、本実施例では、上蓋3の上面3aは、傾斜面3dを介して遮蔽部材8に連接されている。
【0089】
網目状の遮蔽部材8の開口率は、通常、30〜60%とされ、本実施例では、50%とした。
【0090】
この遮蔽部材8には略等ピッチで防塵ガラス5の長手方向全域に渡って孔8aが設けられており、トナー溜まり部7はこの下部に形成されている。孔径は、0.5〜4.0mmとされ、本実施例では、2.0mmであった。そのため、清掃ブレード45による清掃動作が行われることによって、防塵ガラス5上のトナーや埃がガラス上から掻き出された際には、トナーや埃は、遮蔽部材8の網目(孔)8aを通って下方のトナー溜まり部7に落下する。この網目状遮蔽部材8の取り付け角度は、実施例1のリブ6の上面6aと同様に、清掃ブレード45が遮蔽部材8との摩擦や微小な引っ掛かりによって捲れないように鈍角の角度(β)で形成している。通常、β=95〜140度とされる。本実施例では、100度程度とされた。また、遮蔽部材8と連接する上蓋3の傾斜面3dと同一傾斜面とされた。
【0091】
このようにトナー溜まり部7を網目状の遮蔽部材8を用いて遮蔽することで、防塵ガラス5上から掻き出されてトナー溜まり部7に収容されたトナーや埃と、上蓋3の上での清掃ブレード45の移動軌跡を分離することができる。そのため、走査光学装置1を画像形成装置本体100Aから引き抜く際に、清掃ブレード45がトナー溜まり部7に堆積したトナーや埃を再び掬い上げて上蓋3の上に掻き出してしまうことがない。
【0092】
微小には防塵ガラス5から掻き出されたトナーや埃が網目状の遮蔽部材8の上に堆積するが、ミラーの長手方向に対して網目状の遮蔽部材8が占有する表面積は小さいため影響は小さい。また、網目状の遮蔽部材8の開口率を上げるほど、トナー溜まり部7へ落下する確立が高くなるため、遮蔽部材8上に堆積するトナーや埃の量が低減される。
【0093】
ここで、網目状の遮蔽部材8は、プラスチック成形された部品である必要はなく、金属製でも良い。但し、金属製部材で遮蔽部材を構成した場合、バリ等によって清掃ブレードが引っ掛かったり破損したりすることが無いように、抜きバリをトナー溜まり部7側へ向けて取り付けることが望ましい。また、遮蔽部材8の孔形状等については、本実施例では説明のために一部を例示しただけであるため、他の形状であっても同様の効果を得ることができる形状であれば構わない。
【0094】
本発明の第二の実施例においても、防塵ガラスを清掃するブレードが常に防塵ガラス上に当接している方式を有する像形成装置において、防塵ガラス上に堆積したトナーを収容するトナー溜まり部を有した構成とされる。斯かる構成であっても、走査光学装置1の画像形成装置本体100Aからの着脱性を良好に維持することができる。
【0095】
つまり、本発明の第二の実施例では、トナー溜まり部に網目状の遮蔽部材8が取り付けられている。この網目状遮蔽部材8は、トナー溜まり部7を覆うように取り付けてあり、防塵ガラス横からトナー溜まり部7を超えた先の上蓋3の上面部3aまでを覆っている。網目状部材8をトナー溜まり部7の上面に設けることで、防塵ガラス5上のトナーは清掃ブレード45によってトナー溜まり部7へ落下する。清掃ブレード45は、網目状遮蔽部材8の上を通ることで、実施例1で説明したリブ6と同様に、清掃ブレード45がトナー溜まり部7に引っ掛かることがない。また、トナー溜まり部7の底面に堆積している飛散
トナーを再び上蓋3の上へ掻き出してしまうことがない。
【0096】
以上説明したように、本発明によれば、防塵ガラスを清掃する清掃部材が常に防塵ガラス上に当接している方式を有する像形成装置において、走査光学装置の上蓋に構成されたトナー溜まり部に複数のリブもしくは網目状の遮蔽部材を設ける構成とされる。この構成によって、走査光学装置を画像形成装置から引き抜く際に清掃ブレードがトナー溜まり部に堆積したトナーや埃を再び掬い上げて上蓋の上に掻き出すことを防止しつつ、走査光学装置の着脱性を良好に維持することができる。
【0097】
上記各実施例においては、本発明の画像形成装置100は、中間転写方式のカラー画像形成装置であるとして説明した。
【0098】
しかし、本発明の原理は、中間転写ベルトの代わりに記録材を搬送する搬送ベルトを備えた、所謂、直接転写方式の画像形成装置にても同様に適用できる。直接転写方式の画像形成装置は、各画像形成部P(PY、PM、PC、PK)へと搬送ベルトにて搬送される記録材Sに対して、それぞれ感光ドラム20の表面に形成されたトナー画像が順次直接転写されてカラー画像が記録される構成とされる。斯かる画像形成装置は、当業者には周知であるので、これ以上の説明は省略する。また、本発明が、モノカラーの画像形成装置にても適用し得ることは当然である。
【符号の説明】
【0099】
1 露光装置(走査光学装置)
2 光学箱(筐体)
3 上蓋
4 清掃機構
5 防塵ガラス(透光性防塵部材)
6、8 リブ(清掃部材案内手段)
7、47 トナー溜まり部
45 清掃ブレード(清掃部材)
46 ブレードホルダ
20 感光ドラム(像担持体)
21 一次帯電器(帯電手段)
22 現像装置(現像手段)
23 中間転写ベルト(中間転写体)
31 ポリゴンモータ
34、35 fθレンズ
41〜44 結像用レンズ
51〜58 折り返しミラー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、光源から出射された光ビームを像担持体の上に結像させる光学部品と、光ビームを偏向走査する走査偏向器と、前記光学部品と走査偏向器を格納する筐体と、前記筐体の上部に組み付けて筐体の内部を密閉する上蓋と、前記筐体の内部から出射された光ビームを透過させる前記上蓋の開口部に設けられた透光性防塵部材と、前記透光性防塵部材に隣接して設けられたトナー溜まり部と、を備え、画像形成装置本体に着脱可能な走査光学装置と、
前記透光性防塵部材の上面に当接し、前記透光性防塵部材の上面に堆積した異物を前記トナー溜まり部に掻き出すように、前記透光性防塵部材の短手方向へ移動可能な清掃部材と、
を有する画像形成装置において、
前記トナー溜まり部は、前記走査光学装置の前記画像形成装置本体への着脱時に、前記清掃部材が前記トナー溜まり部を通過する際に前記清掃部材が前記トナー溜まり部へと落ち込むのを防ぐための清掃部材案内手段を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記清掃部材案内手段は、前記トナー溜まり部に設けられた複数のリブであるか、又は、前記トナー溜まり部の上面に配置された網目状の遮蔽部材であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記清掃部材は、シート状のブレードとされ、前記透光性防塵部材の上面の異物を掻き出すために前記ブレードのエッジ部が前記透光性防塵部材にカウンターにて当接して移動し、
前記ブレードと、前記複数のリブの上面又は前記網目状の遮蔽部材の上面との成す角が鈍角であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナー溜まり部を形成する壁面の中で前記透光性防塵部材を取付ける壁面と対向する壁面は、前記上蓋の上面に近い側と前記トナー溜まり部の底面側とで異なる角度を有し、前記上蓋の上面に近い側の壁面は前記トナー溜まり部に設けられた複数のリブの上面又は前記網目状遮蔽部材の上面と同一平面に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
各々前記像担持体を備えた複数の画像形成部が直線上に整列して配置され、前記走査光学装置は、光ビームを前記各画像形成部の前記像担持体の上に結像させるものであり、前記走査光学装置は、前記複数の画像形成部の整列方向に沿って着脱可能とされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
光源と、光源から出射された光ビームを像担持体の上に結像させる光学部品と、光ビームを偏向走査する走査偏向器と、前記光学部品と走査偏向器を格納する筐体と、前記筐体の上部に組み付けて筐体の内部を密閉する上蓋と、前記筐体の内部から出射された光ビームを透過させる前記上蓋の開口部に設けられた透光性防塵部材と、前記透光性防塵部材に隣接して設けられたトナー溜まり部と、を備え、画像形成装置本体に着脱可能な走査光学装置と、
前記透光性防塵部材の上面に当接し、前記透光性防塵部材の上面に堆積した異物を前記トナー溜まり部に掻き出すように、前記透光性防塵部材の短手方向へ移動可能な清掃部材と、
を有する画像形成装置において、
前記トナー溜まり部は、前記走査光学装置の前記画像形成装置本体への着脱時に、前記清掃部材が前記トナー溜まり部を通過する際に前記清掃部材が前記トナー溜まり部へと落ち込むのを防ぐための清掃部材案内手段を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記清掃部材案内手段は、前記トナー溜まり部に設けられた複数のリブであるか、又は、前記トナー溜まり部の上面に配置された網目状の遮蔽部材であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記清掃部材は、シート状のブレードとされ、前記透光性防塵部材の上面の異物を掻き出すために前記ブレードのエッジ部が前記透光性防塵部材にカウンターにて当接して移動し、
前記ブレードと、前記複数のリブの上面又は前記網目状の遮蔽部材の上面との成す角が鈍角であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナー溜まり部を形成する壁面の中で前記透光性防塵部材を取付ける壁面と対向する壁面は、前記上蓋の上面に近い側と前記トナー溜まり部の底面側とで異なる角度を有し、前記上蓋の上面に近い側の壁面は前記トナー溜まり部に設けられた複数のリブの上面又は前記網目状遮蔽部材の上面と同一平面に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
各々前記像担持体を備えた複数の画像形成部が直線上に整列して配置され、前記走査光学装置は、光ビームを前記各画像形成部の前記像担持体の上に結像させるものであり、前記走査光学装置は、前記複数の画像形成部の整列方向に沿って着脱可能とされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−47811(P2013−47811A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−210936(P2012−210936)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2008−40730(P2008−40730)の分割
【原出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【分割の表示】特願2008−40730(P2008−40730)の分割
【原出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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