説明

画像形成装置

【課題】 プロセスカートリッジの使用開始時において、ユーザーの待ち時間の増加を抑制しつつ、簡易な構成で封止部材を開封することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像ローラ3eと開封機構3vとを駆動するモータ11と、感光ドラム3bを駆動するモータ12とを有する画像形成装置において、開封機構3vによりシール部材3を開封する期間に、感光ドラム3bを画像形成時よりも大きい周速で駆動して現像ローラ3eの回転を補助することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタなどの電子写真方式の装置本体に、取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、感光ドラム、及び、前記感光ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。プロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらず操作者自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができる。そのため、プロセスカートリッジ方式は、電子写真方式の画像形成装置において広く用いられている。
【0003】
プロセスカートリッジには、感光ドラムに形成された静電潜像にトナーを付与するために現像装置が用いられている。この現像装置は、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラと、トナーを収納し、現像ローラへトナーを供給するための開口部を備えたトナー収納容器と、を有する。
特許文献1に記載のプロセスカートリッジは、使用前の新品時において、トナー収納容器の開口部からトナーが漏れないように、開口部を封止部材(シール部材)で封止されている。封止部材の一端は、封止部材の開封機構である巻き取り部材に固定してある。画像形成装置本体に未使用の新品プロセスカートリッジを装着すると、巻き取り部材が回転し、封止部材を巻き取ることで開口部を密閉している封止部材を剥がし、自動的に開封する。ここで、巻き取り部材を動作させるための駆動装置は、封止部材を巻き取る際に要する一時的な負荷トルクを考慮して選定する必要がある。特許文献1では、トナー収納容器内のトナーを攪拌する攪拌部材を動作させるための駆動装置を、巻き取り部材の動作のために兼用する構成が開示されている。この構成では、攪拌部材と巻き取り部材の駆動タイミングをずらすことで負荷トルクの平準化を図り、駆動装置のスペックアップを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−077742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では、攪拌部材が動作するタイミングを、開封機構が封止部材を開封するタイミングよりも遅くするために、ねじ機構を設ける必要があり、部品点数が増加して装置が複雑化していた。また、攪拌部材が動作するタイミングを遅らせることにより、カートリッジの使用開始時に画像形成を行うまでに要する時間が長くなり、ユーザーの待ち時間を増加させる恐れもあった。
【0006】
本発明の目的は、プロセスカートリッジの使用開始時において、ユーザーの待ち時間の増加を抑制しつつ、簡易な構成で封止部材を開封することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の画像形成装置は、静電潜像を担持する像担持体と、トナーを収納するトナー収納容器と、前記像担持体と接触するように配置され、前記静電潜像をトナーにより現像する現像ローラと、前記トナー収納容器に設けられた開口部を封止する封止部材と、を有するプロセスカートリッジと、前記封止部材を開封する開封機構と、前記現像ローラと前記開封機構とを駆動する第1の駆動装置と、前記像担持体を駆動する第2の駆動装置であって、前記開封機構により前記封止部材を開封する期間に、画像形成時よりも大きい周速で前記像担持体を駆動する第2の駆動装置と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、プロセスカートリッジの使用開始時において、ユーザーの待ち時間の増加を抑制しつつ、簡易な構成で封止部材を開封することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明を適用可能な実施例に係る画像形成装置を説明する要部断面図である。
【図2】本発明を適用可能な実施例に係るプロセスカートリッジを説明する要部断面図である。
【図3】本発明を適用可能な実施例に係る画像形成装置を説明する要部斜視図である。
【図4】本発明を適用可能な実施例に係る画像形成装置を説明する要部斜視図である。
【図5】本発明を適用可能な実施例に係る処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明のトルク低減効果を示す図である。
【図7】本発明を適用可能な実施例に係るプロセスカートリッジを説明する要部斜視図である。
【図8】本発明を適用可能な実施例に係るプロセスカートリッジを説明する要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
図1は、本実施形態における画像形成装置の概略構成を示す断面図であり、図2は、本実施形態におけるプロセスカートリッジの概略構成を示す断面図である。また、図3、及び図4は、本発明の実施形態における画像形成装置の概略構成を示す斜視図である。
【0012】
ここで、画像形成装置は、公知の電子写真技術により、外部から入力された画像情報に基づいて、現像剤としてのトナーを用いてトナー像を形成し、紙などのメディアにトナー像を転写定着する装置である。例えば複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ装置などが含まれるが、本実施形態では、カラー画像を形成するためにプロセスカートリッジを複数有する、カラーレーザビームプリンタを例に説明する。
【0013】
なお、プロセスカートリッジは、プロセス手段として少なくとも現像装置と電子写真の像担持体(感光ドラム)とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能であるものとして定義される。
【0014】
まず、画像形成装置10の構成、機能について、図1、図2を参照して説明する。
画像形成装置10は、給送装置1、露光手段2、プロセスカートリッジ3、中間転写体5、一次転写手段(不図示)、二次転写手段6、定着手段7を有している。
【0015】
後述するプロセス手段によりプロセスカートリッジ3の感光ドラム3b(像担持体)表面に形成されたトナー像は、不図示の一次転写手段により、中間転写体5の表面に転写される。
図1は、4つのプロセスカートリッジ3Y、3M、3C、3Kが直線上に並んだタンデム方式のカラー画像形成装置である。
【0016】
これら4つのプロセスカートリッジ3Y、3M、3C、3Kは同一構造であるが、イエロー(以下Y)、マゼンダ(以下M)、シアン(以下C)、ブラック(以下K)の4色に夫々対応しており、各色のトナー像を図示D方向へ回転している中間転写体5上に重ねて形成して行く。
【0017】
給送装置1にセットされた紙などのメディアPは、給送ローラ1aにより二次転写手段6へと給送される。中間転写体5上に形成されたトナー像は、二次転写手段6によりメディアPに転写され、定着手段7へと搬送される。そこでトナー像は熱と圧力によりメディアP上に定着する。その後メディアPは、排出ローラ対8a、8bにより搬送され、画像形成装置10の上部に設けられている排出トレイ9上へと排出される。
【0018】
画像形成装置10は、プロセスカートリッジ3Y、3M、3C、3Kを動作させるための駆動装置として、図3、図4に示すように、モータ11(第1の駆動装置)とモータ12(第2の駆動装置)とを有している。
【0019】
また、図1における100は、画像形成装置10本体の制御を行うための電気回路が搭載された制御基板であり100、制御基板100には、CPU101が搭載されている。CPU101は、プロセスカートリッジ3の駆動装置であるモータ11、及び、モータ12の制御も含め、画像形成装置1本体の動作を一括して制御しているものである。また、CPU101は、プロセスカートリッジ3に取り付けられた記憶装置としての非接触不揮発性メモリ3α(図2参照)と無線で通信することで、非接触不揮発メモリ3αに対して後述のように情報の読み出しおよび書き込み可能に構成されている。
【0020】
画像形成装置10本体には、プロセスカートリッジ3を取り外し可能に装着するための装着部13が設けられている。
【0021】
次に、画像形成装置10に取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジ3の構成、機能について、図1〜図4を参照して説明する。
プロセスカートリッジ3は、現像装置3a、感光ドラム3b、帯電手段としての帯電ローラ3c、クリーニング手段としてのクリーニングブレード3dを有している。また、現像装置3aは、現像ローラ3e、トナー収納容器3f(現像剤収納容器)、規制部材3g、撹拌部材3m、非接触不揮発性メモリ26を有している。
【0022】
感光ドラム3bは回転可能に設けられており、感光ドラム3bの周囲には、帯電ローラ3c、現像ローラ3e、クリーニングブレード3dが配置されており、それぞれ感光ドラム3bに接触している(現像ローラ3eはトナーを介して感光ドラム3bを押圧するように配置されている)。帯電ローラ3cによって帯電された感光ドラム3bは、露光手段2から画像情報に応じたレーザビームが照射され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、感光ドラム3bに接触して配置された現像ローラ3eによりトナーを用いて現像され、可視像、即ちトナー像が形成される。
【0023】
クリーニングブレード3dは、一次転写手段(不図示)によってトナー像が中間転写体5に転写された後の感光ドラム3b上に残留したトナーを掻き落とし、感光ドラム3b表面を清掃する。
【0024】
現像ローラ3eは、トナーを収納しているトナー収納容器3fの開口部3rに配置されている。規制部材3gは現像ローラ3eに当接して配置してあり、トナーが現像ローラ3e上に薄層担持されるようトナー量を規制している。
【0025】
トナーを収納しているトナー収納容器3f内には撹拌部材3mが配置されており、トナー収納容器3f内のトナーを攪拌して現像ローラ3eに供給している。
【0026】
撹拌部材3mは、図7に示すように、撹拌軸3nと、撹拌軸3nに取り付けられた撹拌シート3p、及び、撹拌軸3n端部に設けられた撹拌駆動ギア3qを有する。
【0027】
図3、図4に示すように、現像ローラ3eは、端部にカップリング3hが設けてある。カップリング3hが、画像形成装置10本体側のカップリング11aと連結することで、画像形成装置本体が有するモータ11からの駆動力が現像ローラ3eに伝達可能な状態となる。また、感光ドラム3bは、端部にカップリング3kが設けてある。カップリング3kが、画像形成装置本体側のカップリング12aと連結することで、画像形成装置本体が有するモータ12からの駆動力が感光ドラム3bに伝達可能な状態となる。
【0028】
また、現像ローラ3eは、カップリング3hが設けられた側とは反対側の端部に、図7に示すように伝達ギア3yが固定してある。現像ローラ3eが回転すると、伝達ギア3Y、アイドラギア3zを介して、撹拌駆動ギア3qが回転し、撹拌部材3mが回転する。
【0029】
トナー収納容器3fは、図2に示すように、トナーを現像ローラ3eに供給するために設けられた開口部3rを有し、トナー収納容器3f内を撹拌部材3mが回転することで、トナーを撹拌するとともに、現像ローラ3eへトナーを供給する。
【0030】
プロセスカートリッジ3の運搬時にトナーが漏れないようにするため、未使用時(新品)のプロセスカートリッジ3は、図8に示すように封止部材としてのシール部材3sが開口部3rの周囲に接合されている。すなわち、シール部材3sが開口部3rを封止している。
【0031】
シール部材3sは、トナー収納容器3fに接合された部分と、接合されていない自由端3tを有する。また、シール部材3sは、トナー収納容器3fに接合された部分と自由端3tとの間に折り返し部3uを有する。シール部材3sの自由端3tは、シール部材3sの開封機構である巻き取り部材3vに固定してある。巻き取り部材3vは一端に巻き取り駆動ギア3wを有し、現像装置3eの駆動が、伝達ギア3Y、アイドラギア3zを介して巻き取り駆動ギア3wに伝達される。巻き取り部材3vが回転駆動すると、折り返し部3uにシール部材3sを剥がす力が加わり、シール部材3sは折り返し部3u側から剥がされる。シール部材3sが開口部3rからに剥がされた後、巻き取り部材3vは、巻き取られたシール部材3sとともに空転する。
【0032】
このように、現像ローラ3e、攪拌部材3m、巻き取り部材3vは、画像形成装置本体が有するモータ11によって駆動され、感光ドラム3bは、画像形成装置本体が有するモータ12によって駆動される。
【0033】
非接触不揮発性のメモリ3αは、プロセスカートリッジ3が新品か否かの情報を記憶しており、メモリ3αに設けられた情報伝達手段としてのアンテナ(不図示)を介して、画像形成装置本体が有するCPU101と無線で通信可能に構成されている。プロセスカートリッジ3が画像形成装置本体に装着された時に、CPU101が、メモリ3αに記憶されたプロセスカートリッジが新品か否かの情報をについて読み出しおよび書き込みを行う。このように、メモリ3αおよび画像形成装置本体に設けられたCPU101が検知装置として機能する。なお、検知装置としては、上記形態に限らず、例えば、プロセスカートリッジにヒューズを設け、新品プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された後に電流が流れることで該ヒューズが破断するように構成し、該ヒューズを含む回路に電流が流れるかどうかで新品か否かを判断する等が可能である。
【0034】
次に、通常の現像プロセス時(画像形成時)における画像形成装置10の動作について説明する。
図3、図4に示すように、画像形成装置10本体のモータ11が図示矢印方向に回転すると、アイドラギアを介してカップリング11aが図示矢印方向に回転する。モータ12が図示矢印方向に回転すると、アイドラギアを介してカップリング12aが図示矢印方向に回転する。
【0035】
プロセスカートリッジ3が画像形成装置10本体に装着された状態では、モータ11の回転により回転駆動する画像形成装置10本体のカップリング11aと、現像ローラ3e端部に設けてあるカップリング3hとが連結する。また、モータ12の回転により回転駆動する画像形成装置10本体のカップリング12aと感光ドラム3b端部に設けてあるカップリング3kとが連結する。各カップリングが連結すると、現像ローラ3eは図2に示す矢印A方向に回転し、感光ドラム3bは矢印B方向に回転する。
【0036】
前述したように、感光ドラム3bと現像ローラ3eは、接触した状態で互いに回転している。通常の現像プロセス時の感光ドラム3bの周速をVb、現像ローラ3eの周速をVeとすると、濃度が高い画像に対応することも考慮し、周速関係はVb<Veとなるように設定している。また、このときのモータ11、モータ12の回転数は、それぞれRe、Rbである。
【0037】
次に、新品(未使用)のプロセスカートリッジ3が装着された場合の、画像形成装置10の動作について説明する。
新品(未使用)のプロセスカートリッジ3は、シール部材3sが未開封である。そのため、現像ローラ3eを駆動するのに要するトルクは、シール部材3sを巻き取り剥がす分、既に使用中のプロセスカートリッジに比べて新品(未使用)のプロセスカートリッジの方が大きくなる。
【0038】
図5のフローチャートを用いて、本実施形態における処理の流れを説明するとともに、新品プロセスカートリッジ3が、画像形成装置10本体に装着された場合の動作を説明する。なお、この処理はCPU101により行われる。
【0039】
S1(ステップ1をS1と略記する、以下同様)で本体の電源を入れると、S2でCPU101がメモリ3αの情報を無線通信により読み出し、プロセスカートリッジ3が新品であるか否かの判断を行う。S2でプロセスカートリッジ3が新品であると判断した場合には、S3でCPU101はモータ11を回転数Reで、モータ12を画像形成時の回転数Rbよりも大きな回転数Rb’でそれぞれ起動させる。これにより、感光ドラム3bは画像形成時の周速Vbよりも大きな周速Vb’で回転する。
【0040】
モータ11の回転動作により、現像ローラ3eおよび巻き取り部材3vに駆動が伝達され、シール部材3sの自動開封作業が開始する。現像ローラ3eは通常の画像形成時と同じ周速Veで駆動されるが、モータ12の回転動作により感光ドラム3bは周速Vb’で回転しており、現像ローラ3eの回転が、感光ドラム3bの回転に補助されることから、モータ11の負荷トルクは低減する。
【0041】
S4でモータ11、モータ12が起動してから所定時間が経過したと判断すると、新品プロセスカートリッジ3を使用可能な状態にするための初期動作は完了したと判断し、S5でモータ11、モータ12の回転を停止し、新品プロセスカートリッジ3に対するシーケンスが終了する。その後、S6で、画像形成装置10本体は、プリント指示を受け入れるためのイニシャル動作を行い、S7でスタンバイ状態に遷移する。この時、S8で電源がOFFにならず、S9でプリント指示があった場合、S10で画像形成動作を開始する。この時のモータ11、モータ12の回転数は、通常の現像プロセスに対応した周速で現像ローラ3e、感光ドラム3bを回転させる回転数であり、それぞれRe、Rbである。そして、S11で一連のプリント動作が終了した場合にはS7に戻り、再びスタンバイ状態に遷移する。
【0042】
ここで、上述の所定時間(CPU101が、画像形成装置10に新品プロセスカートリッジ3が装着されたと認識し、モータ12を回転数Rb’で回転駆動する時間)は、シール部材3sが巻き取り部材3vにより巻き取られる時間以上とすることが望ましく、本実施例では約15秒としている。
【0043】
本実施例においては、撹拌部材3mの動作とシール部材3sの巻き取り動作とをずらさずに同時に行うことが可能であり、新品プロセスカートリッジを使用する際の、ユーザーの待ち時間を約15秒に抑制している。
【0044】
図6を用いて、本実施例の負荷トルク低減効果を説明する。図6は、現像ローラ3eの周速を一定とし、感光ドラム3bの周速を変えたときの現像ローラ3eを駆動するのに要するトルクの変化を示したものである。横軸は周速比(現像ローラ3eの周速に対する感光ドラム3dの周速の比)、縦軸はモータ11軸上のトルクである。
【0045】
周速比が大きい方、即ち、感光ドラム3bの周速が大きい方が、モータ11の負荷トルクが低下していることが分かる。また、周速比が100%を超えると、低減効果が一層高くなっている。このように、現像ローラ3eの回転を、感光ドラム3bの回転により補助することで、モータ11の負荷トルクを低減することができる。
【0046】
なお、現像ローラ3eの回転を補助するために感光ドラム3bの周速を画像形成時よりも大きくすると、モータ11の負荷トルクが低減する一方で、モータ12の負荷トルクはその分増加することになる。しかし、感光ドラム3bを駆動するモータ12のトルクスペックは、プロセスカートリッジ3の寿命末期の状態を想定して選定されており、プロセスカートリッジの新品時にはモータ12のトルクスペックに余裕があるため、この余裕分を活用することができる。モータ12のトルクスペックがプロセスカートリッジ3の寿命末期の状態を想定して選定される理由は、感光ドラム3bの累積回転時間が増加するにつれて、各プロセスの影響(特に、クリーニングブレードとの摺擦による感光ドラム表面の摩耗、傷の影響が大きいと考えられる)が感光ドラム表面に蓄積して感光ドラム3bを回転駆動するために要するトルクが大きくなる傾向にあるからである。従って、シール部材の開封時にモータ12のスペックの余裕を活用してモータ11の負荷トルクを低減することで、シール部材を開封するための負荷トルクによるモータ11のスペック上昇を、簡易な構成で抑制することができる。さらに、Vb’>Veとすれば、モータ11の負荷トルクをより効果的に低減することが可能となる。
【0047】
以上のように、巻き取り部材3vによりシール部材3sを開封する期間に、感光ドラム3bを画像形成時よりも大きい周速で駆動することにより、プロセスカートリッジ3の使用開始時において、ユーザーの待ち時間の増加を抑制しつつ、簡易な構成でシール部材3sを開封することが可能となる。
【符号の説明】
【0048】
1 給送装置
1a 給紙ローラ
2 露光手段
3 プロセスカートリッジ(実施例1)
3a 現像装置
3b 感光ドラム
3c 帯電ローラ
3d クリーニングブレード
3e 現像ローラ
3f トナー収納容器
3g 規制部材
3h カップリング(現像ローラ)
3k カップリング(感光ドラム)
3α メモリ
3m 撹拌部材
3n 撹拌軸
3p 撹拌シート
3q 撹拌駆動ギア
3r 開口部
3s シール部材
3t 自由端
3u 折り返し部
3v 巻き取り部材
3w 巻き取り駆動ギア
3y 伝達ギア
3z アイドラギア
5 中間転写体
6 二次転写手段
7 定着手段
8 排出ローラ
9 排出トレイ
10 画像形成装置
11 モータ(第1の駆動装置)
11a カップリング
12 モータ(第2の駆動装置)
12a カップリング
13 装着部
100 制御基板
101 CPU
A 現像ローラの回転方向
B 感光ドラムの回転方向
D 中間転写体の回転方向
P 用紙(メディア)
Vb 感光ドラムの周速(画像形成時)
Vb’ 感光ドラムの周速(プロセスカートリッジ新品時)
Ve 現像ローラの周速
Rb モータ12の回転数(画像形成時)
Rb’ モータ12の回転数(プロセスカートリッジ新品時)
Re モータ11の回転数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を担持する像担持体と、トナーを収納するトナー収納容器と、前記像担持体と接触するように配置され、前記静電潜像をトナーにより現像する現像ローラと、前記トナー収納容器に設けられた開口部を封止する封止部材と、を有するプロセスカートリッジと、
前記封止部材を開封する開封機構と、
前記現像ローラと前記開封機構とを駆動する第1の駆動装置と、
前記像担持体を駆動する第2の駆動装置であって、前記開封機構により前記封止部材を開封する期間に、画像形成時よりも大きい周速で前記像担持体を駆動する第2の駆動装置と、を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記期間において、前記像担持体の周速は前記現像ローラの周速よりも大きい請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
更に、プロセスカートリッジが新品か否かを検知する検知装置を有し、
前記第2の駆動装置は、前記検知装置により前記プロセスカートリッジが新品であることが検知されたことを受けて、前記期間に画像形成時よりも大きい周速で前記像担持体を駆動する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
カラー画像を形成するために前記プロセスカートリッジを複数有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−50608(P2013−50608A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188961(P2011−188961)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】