説明

画像形成装置

【課題】省電力モードにおいて、消費電力を適切に低減させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】通信ネットワークNにおける物理層を制御するとともに、消費電力を抑制する省電力モードと、消費電力を抑制しない通常モードとを有し、通信ネットワークNとの間での送受信アクセスが予め設定された設定時間の間無かった場合、通常モードから省電力モードへ移行する通信部103と、通信部103を用いて通信ネットワークNにアクセスする通信制御部101と、通信制御部101への電源供給をオンオフするスイッチング部105と、通信部103が省電力モードのときスイッチング部105をオフさせる監視制御部104と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピューター等、外部の通信端末装置との間で通信可能であり、消費電力を抑制する省電力モードと、消費電力を抑制しない通常モードとを備える画像形成装置が知られている。
【0003】
この種の画像形成装置は、通常モードにおいて、スキャナ、コピー等の機能が一定期間の間実行されていないときや、外部の通信端末装置からのプリント要求を一定期間受け付けなかったときには、省電力モードに移行する。
【0004】
ところで、外部の通信端末装置において、画像形成装置との間の接続が切断されたと判断されるのを避ける必要がある。そのため、画像形成装置は、省電力モードにおいて、外部の通信端末装置から、プリント要求や画像形成装置の状態確認の問い合わせのためのアクセスがあったときには、アクセスがあったときから一定期間の間に応答を返す。
【0005】
応答性を低下させない方法として、例えば、省電力モードでは、コントローラーのうち使用しない部分へのクロック信号の供給を停止する方法がある。また、特許文献1及び2のように、少なくとも通信ネットワークを介した通信機能を割り当てたサブCPUと、メインCPUとを配置し、省電力モードでは、サブCPUには電源を供給しメインCPUには電源を供給しない方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−267100号公報
【特許文献2】特開2006−279821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、サブCPUに通信ネットワークを介した通信機能を割り当てる場合、多様なプロトコルに対応できるだけのメモリが必要なので、サブCPUのシステムが大きくなってしまう。この場合、サブCPUがそのシステムの大きさに応じた電力を消費するので、サブCPUの消費電力が増大する。このことは、省電力を推進することを阻害してしまう。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、省電力モードにおいて、消費電力を適切に低減させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、通信ネットワークにおける物理層を制御するとともに、消費電力を抑制する省電力モードと、前記消費電力を抑制しない通常モードとを有し、前記通信ネットワークとの間での送受信アクセスが予め設定された設定時間の間無かった場合、前記通常モードから前記省電力モードへ移行する通信部と、前記通信部を用いて前記通信ネットワークにアクセスする通信制御部と、前記通信制御部への電源供給をオンオフするスイッチング部と、前記通信部が前記省電力モードのとき前記スイッチング部をオフさせる監視制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
通信制御部は、通信プロトコルに対応できるだけのシステムの大きさを必要とするから、通信制御部の消費電力が増大する。一方、監視制御部は、通信部が省電力モードのときスイッチング部をオフさせることができればよいので、監視制御部のシステムを小さくすることができ、監視制御部の消費電力を小さくすることができる。
【0011】
この構成によれば、監視制御部は、通信部が省電力モードのときにはスイッチング部をオフさせる。これにより、省電力モードにおいて、消費電力が大きな通信制御部には電源が供給されないので、省電力モードにおいて、消費電力を適切に低減させることができる。
【0012】
上記構成において、前記通信部は、前記省電力モードにおいて、前記通信ネットワークを介して、前記省電力モードから前記通常モードに復帰することを指示する指示信号を受け付けたときには、前記通常モードに復帰し、前記監視制御部は、前記通信部が前記通常モードに復帰するか否かを監視し、前記通信部が前記通常モードに復帰したときに、前記スイッチング部をオンさせることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、通信部は、省電力モードにおいて、通信ネットワークを介して指示信号を受け付けたときに通常モードに復帰し、監視制御部は、通信部が通常モードに復帰したときに、スイッチング部をオンさせる。
【0014】
これにより、外部の通信端末装置から、通信ネットワークを介して指示信号を出力することにより、通信部を通常モードに復帰させるとともに、通信制御部への電源供給を再開させることができる。その結果、通信ネットワークを介した通信を再開させることができる。
【0015】
上記構成において、前記通信制御部と前記通信部とは、通信ラインを介して接続されており、前記通信制御部がマスター、前記通信部がスレーブとなって、1対1通信を行い、 前記監視制御部は、前記通信制御部と前記通信部との間のデータ送受信を監視し、前記データ送受信が予め設定された監視時間の間無かった場合、前記通信制御部に前記通信部へのアクセス権を要求し、前記アクセス権が得られたとき、前記通信ラインを介して前記通信部へアクセスすることによって、前記通信部が前記省電力モードと前記通常モードとのうちいずれのモードであるかを検出することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、監視制御部は、通信制御部がマスター、通信部がスレーブとなって、1対1通信を行っている通信ラインを用いて、通信部が省電力モードと通常モードとのうちいずれのモードであるかを検出する。
【0017】
これにより、通信部が省電力モードと通常モードとのうちいずれのモードであるかを検出するための通信ラインを新たに設ける必要なく、通信部がいずれのモードであるかを検出することができる。
【0018】
上記構成において、原稿の画像データを取得する画像取得部と、前記画像取得部によって取得された画像データを用紙に形成する画像形成部と、前記画像取得部及び前記画像形成部を制御する制御部と、を備え、前記スイッチング部は、前記通信制御部への電源供給に加えて、前記制御部への電源供給をオンオフすることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、監視制御部は、通信部が省電力モードのときには、スイッチング部をオフさせて、通信制御部及び制御部への電源供給を中止させるので、より適切に消費電力を低減させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、省電力モードにおいて、消費電力を適切に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を模式的に示した縦断面図である。
【図2】制御部の構成の一例を示したブロック図である。
【図3】制御部の基本動作の概要の一例を示したフローチャートである。
【図4】制御部の基本動作の概要の一例を示したフローチャートである。
【図5】制御部の基本動作の概要の一例を示したタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置Aの構成の一例を模式的に示した縦断面図である。
【0023】
画像形成装置Aは、制御部1を備える。制御部1は、画像形成装置Aを統括的に制御するほか、通信ネットワークNを介した外部の通信端末装置(例えば、パーソナルコンピューター)との間の通信を制御する。
【0024】
画像形成装置Aは、本体筐体2と、本体筐体2の左方に配設されたスタックトレイ3と、本体筐体2の上部に配設された原稿読取部(画像取得部)200と、原稿読取部200の上方に配設された原稿給送部6と、を有している。また、画像形成装置Aのフロント部には、略長方形のユーザーインターフェース部100が設けられている。
【0025】
原稿読取部200は、CCD(Charge Coupled Device)や露光ランプ等からなるスキャナ部201と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台202及び原稿読取スリット203とを備える。スキャナ部201は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台202に載置された原稿を読み取るときは、原稿台202に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査する。
【0026】
また、原稿読取部200は、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット203と対向する位置に移動され、原稿読取スリット203を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得する。
【0027】
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット203に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出するための給紙ローラー(図略)、搬送ローラー(図略)等からなる原稿搬送機構63を備える。原稿搬送機構63は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット203と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図略)を備え、原稿の両面の画像を、原稿読取スリット203を介してスキャナ部201から読取可能にしている。
【0028】
また、原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように本体筐体2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台202上面を開放することにより、原稿台202の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザーが載置できるようになっている。
【0029】
本体筐体2は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送するピックアップローラー462と、給紙カセット461から搬出されてきた記録紙Sに画像を形成する画像形成部40とを備える。
【0030】
画像形成部40は、感光体ドラム43、感光体ドラム43表面を除電する除電装置421、感光体ドラム43表面を帯電させる帯電装置422、スキャナ部201で取得された画像データに基づきレーザ光等を出力して感光体ドラム43を露光する露光装置423、感光体ドラム43表面にトナーを供給する現像装置44、感光体ドラム43上のトナー像を記録紙に転写するための転写ローラー49を備える。
【0031】
また、画像形成部40は、トナー像が転写された記録紙Sを加熱してトナー像を記録紙Sに定着させる定着装置45、及び、記録紙Sをスタックトレイ3又は胴内排紙部48まで搬送するための搬送ローラー19を備える。
【0032】
ユーザーインターフェース部100は、表示部5と操作部18とを備えている。操作部18には、例えば、原稿の画像データを読み取り、読み取った画像データを記録紙に形成するコピー機能を選択するためのボタンが含まれている。当該ボタンが操作されたとき、ユーザーインターフェース部100は、コピー機能を受け付け、所定の操作画面を表示させる。そして、ユーザーインターフェース部100は、画質やプリント枚数等が選択され、所定のスタートキーが操作されたとき、画像形成の実行指示を受け付ける。
【0033】
図2は、制御部1の構成の一例を示したブロック図である。
【0034】
制御部1は、コントローラーCoと、PHY制御部103(通信部)と、監視マイコン104(監視制御部)と、電源制御FET(Field effect transistor;スイッチング部)105とを備える。
【0035】
コントローラーCoは、サブCPU101(通信制御部)とメインCPU102(制御部)とを備える。サブCPU101は、OSI参照モデルにおける論理層を制御する回路である。サブCPU101は、PHY制御部103を用いて通信ネットワークNにアクセスする。
【0036】
メインCPU102は、画像形成装置Aを統括的に制御する回路である。メインCPU102は、例えば、画像形成装置Aの各機能のうち通信ネットワークNへのアクセス以外の機能、例えば、原稿読取部200における原稿読取、及び、画像形成部40における画像形成を制御する。
【0037】
PHY制御部103は、通信ネットワークNにおいて、OSI参照モデルにおける物理層の一つであるPHY層(physical layer)を制御するインターフェースである。PHY制御部103は、サブCPU101から送信されてきたデータを通信ネットワークNに送信したり、通信ネットワークNから送信されてきたデータをサブCPU101に送信する。
【0038】
PHY制御部103は、PHY制御部103の消費電力を抑制する省電力モードと、PHY制御部103の消費電力を抑制しない通常モードとを有する。このPHY制御部103は、通信ネットワークNとの間での送受信アクセスが予め設定された設定時間の間無かった場合、通常モードから省電力モードへ移行する。そして、PHY制御部103は、省電力モードにおいて、通信ネットワークNを介して、省電力モードから通常モードに復帰することを指示する指示信号を受け付けたときに、通常モードに移行する。
【0039】
このPHY制御部103は、例えば、IEEE802.3azなどの規格に対応している。PHY制御部103としては、例えば、Broadcom社製、Marvell社製、Realtec社製など、を用いることができる。
【0040】
監視マイコン104は、PHY制御部103が通常モードであるか省電力モードであるかを監視する。監視マイコン104には、例えば、論理層の1つであるMAC層(Media Access Control layer)と、PHY層との間のインターフェースであるMII(Medium Independent Interface)が実装されている。監視マイコン104は、このMIIを用いて、PHY制御部103内のレジスタの値を読み出すことにより、PHY制御部103がいずれのモードであるかを検出する。
【0041】
そして、監視マイコン104は、PHY制御部103が通常モードのとき、電源制御FETをオンさせ、PHY制御部103が省電力モードのとき、電源制御FET105をオフさせる。電源制御FET105は、コントローラーCo、すなわち、サブCPU101とメインCPU102とへの電源供給をオンオフする素子である。
【0042】
サブCPU101とPHY制御部103との間には、データラインL1、シリアル通信ラインL2(通信ライン)、及び割り込み信号ラインL3が配置されている。
【0043】
サブCPU101は、通信ネットワークNに送るべきデータを、データラインL1を介して、PHY制御部103に送信する。また、PHY制御部103は、通信ネットワークNから送られてきたデータを、データラインL1を介して、サブCPU101に送信する。尚、データラインL1は分岐して監視マイコン104にも通じている。これにより、監視マイコン104は、データラインL1を介したデータの送受信を監視する。
【0044】
サブCPU101とPHY制御部103とは、サブCPU101をマスター、PHY制御部103をスレーブとして、シリアル通信ラインL2を介して1対1通信を行う。
【0045】
PHY制御部103は、省電力モードでは、割り込み信号ラインL3を通じて、例えば、ローレベルの割り込み信号を、サブCPU101に出力する。PHY制御部103は、省電力モードから通常モードに移行したときに、例えば、割り込み信号をハイレベルに変化させることにより、割り込み要求を行う。尚、割り込み信号ラインL3は分岐して監視マイコン104に通じており、監視マイコン104は、PHY制御部103による割り込み要求を受け付ける。
【0046】
また、監視マイコン104は、サブCPU101に、例えば、ローレベルのアクセス権要求信号をサブCPU101に出力することにより、PHY制御部103へのアクセス権を要求する。尚、監視マイコン104は、例えば、アクセス権要求信号をハイレベルにすることにより、PHY制御部103へのアクセス権の要求を取り下げる。
【0047】
さらに、サブCPU101は、監視マイコン104によるアクセス権要求を受けて、例えば、ローレベルの許可信号を出力することにより、PHY制御部103へのアクセス権の要求を許可する。尚、サブCPU101は、例えば、許可信号をハイレベルにすることにより、アクセス権要求を不許可にする。
【0048】
以下、かかる構成の制御部1の基本動作について、図3〜図5を用いて説明する。図3及び図4は、制御部1の基本動作の概要の一例を示したフローチャートである。図5は、制御部1の基本動作の概要の一例を示したタイムチャートである。
【0049】
尚、図5において、(a)は、データラインL1を通じて送受されるデータを示し、(b)は、監視マイコン104からサブCPU101へ送信されるアクセス権要求信号を示し、(c)は、サブCPU101から監視マイコン104へ送信される許可信号を示し、(d)は、監視マイコン104からシリアル通信ラインL2を介して送信されるデータを示し、(e)は、電源制御FET105のオンオフ状態を示し、(f)は、通信ネットワークNを送受されるデータを示し、(g)は、PHY制御部103から送信される割り込み信号を示している。
【0050】
尚、以下の処理が行われる前提として、PHY制御部103が通常モードであり、電源制御FET105によるサブCPU101及びメインCPU102への電源供給が行われているものとする。
【0051】
PHY制御部103は、通信ネットワークNを通じてデータを受信すると、受信データを、データラインL1を介して、サブCPU101に送信する。そして、PHY制御部103による通信ネットワークNを通じたデータ受信が完了するタイミングT0から少し遅れたタイミングT1において、PHY制御部103からサブCPU101へのデータ送信が完了する。
【0052】
そして、タイミングT1において(ステップS1のYES)、監視マイコン104は、予め設定された監視時間の計測を開始する(ステップS2)。そして、タイミングT1から監視時間が経過したタイミングT2までの間に、サブCPU101とPHY制御部103との間のデータ送受信があれば(ステップS3のYES)、監視マイコン104は、ステップS1に戻る。一方、タイミングT1からタイミングT2までの間に、データ送受信がなければ(ステップS3のNO、ステップS4のYES)、監視マイコン104は、アクセス権要求信号をローレベルにして、サブCPU102にアクセス権を要求する(ステップS5、タイミングT2)。
【0053】
サブCPU101は、アクセス権要求信号がローレベルになると、監視マイコン104にPHY制御部103へのアクセス権を付与してよいか否かを判断する。例えば、サブCPU101は、サブCPU101からシリアル通信ラインL2を介してPHY制御部103に送信すべきデータがあるか否かを判断し、データがある場合にはアクセス権を付与してはいけないと判断し、データがない場合にはアクセス権を付与してもよいと判断する。
【0054】
或いは、サブCPU101は、メインCPU102へ、メインCPU102への電源供給を中止してよいか否かを問い合わせ、その返信に基づいて、アクセス権を付与してよいか否かを判断する。
【0055】
サブCPU101は、監視マイコン104にアクセス権を付与してもよいと判断したタイミングT3において、監視マイコン104に向けた許可信号をローレベルにすることにより、監視マイコン104へアクセス権を付与する。尚、許可信号は、ローレベルでアクセス許可を表し、ハイレベルでアクセス不許可を表している。
【0056】
監視マイコン104は、許可信号がローレベルになってアクセス権が付与されたとき(ステップS6のYES)、シリアル通信ラインL2を介してPHY制御部103へアクセスし(ステップS7)、PHY制御部103と通信を行うことにより、PHY制御部103が省電力モードと通常モードとのいずれのモードであるかを検出する(ステップS8)。
【0057】
尚、サブCPU101は、許可信号をローレベルにして監視マイコン104へアクセス権を付与した後、PHY制御部103との通信を継続して行いたい場合やメインCPU101への電源供給を継続させたい場合には、許可信号をハイレベルにして、監視マイコン104のアクセス権の付与を取り下げる。
【0058】
監視マイコン104は、PHY制御部103が省電力モードであることを検出したときには(ステップS9のYES)、省電力モードであることを検出したタイミングT4において、電源制御FET105をオフさせる(ステップS10)。これにより、サブCPU101及びメインCPU102への電源供給が遮断される。
【0059】
尚、ステップS6において、PHY制御部103へのアクセス権が取得できなかったとき(ステップS6のNO)、或いは、ステップS9において、PHY制御部103が省電力モードでなく通常モードのときには(ステップS9のNO)、監視マイコン104は、電源制御FET105をオフさせず、サブCPU101及びメインCPU102への電源供給を継続させる。
【0060】
そして、タイミングT5〜T6において、例えば、通信ネットワークNに接続された外部の通信端末装置から、PHY制御部103が、通信ネットワークNを介して、通常モードに復帰することを指示する指示信号である復帰パケットを受信すると、PHY制御部103は、省電力モードから通常モードに移行して、監視マイコン104に対する割り込み信号をハイレベルにして割り込みを要求する。
【0061】
監視マイコン104は、割り込み要求を受信すると(ステップS11のYES)、シリアル通信ラインL2を介してPHY制御部103にアクセスして(ステップS12)、PHY制御部103と通信を行って、PHY制御部103が省電力モードと通常モードとのいずれのモードであるかを検出する(ステップS13)。
【0062】
そして、監視マイコン104は、通常モードであると検出したときには(ステップS14のYES)、タイミングT8において、電源制御FET105をオンさせる(ステップS15)。これにより、サブCPU101及びメインCPU102への電源供給が再開される。
【0063】
そして、サブCPU101は、電源供給が再開されたタイミングT8において、監視マイコン104に対する許可信号をハイレベルに戻すことにより、監視マイコン104によるPHY制御部103へのアクセスを不許可にする。そして、監視マイコン104は、許可信号がハイレベルに戻されたタイミングT8に少し遅れたタイミングT9において、サブCPU101に対するアクセス権要求信号をハイレベルに戻して、PHY制御部103へのアクセス権の要求を取り下げる。
【0064】
そして、監視マイコン104は、ステップS1に移行する。
【0065】
尚、本実施形態においては、サブCPU101とメインCPU102とを別々に設けているが、システムが小規模にできる場合には、これらの機能をまとめた1つのCPUを配置してもよい。
【0066】
また、監視マイコン104は、ユーザーインターフェース部100が操作を受け付けたときや、図示しないUSBインターフェースに接続された通信端末信号からVBUS信号を受け付けたときに、電源制御FET105をオンしてもよい。
【0067】
さらに、監視マイコン104をオプションボード化して、監視マイコン104を画像形成装置1に取り付けたときに、監視マイコン104と、サブCPU101、PHY制御部103、及び電源制御FET105との間の通信が可能になるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0068】
A 画像形成装置
40 画像形成部
101 サブCPU
102 メインCPU
103 PHY制御部
104 監視マイコン
105 電源制御FET
200 原稿読取部
L2 シリアル通信ライン
N 通信ネットワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークにおける物理層を制御するとともに、消費電力を抑制する省電力モードと、前記消費電力を抑制しない通常モードとを有し、前記通信ネットワークとの間での送受信アクセスが予め設定された設定時間の間無かった場合、前記通常モードから前記省電力モードへ移行する通信部と、
前記通信部を用いて前記通信ネットワークにアクセスする通信制御部と、
前記通信制御部への電源供給をオンオフするスイッチング部と、
前記通信部が前記省電力モードのとき前記スイッチング部をオフさせる監視制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記省電力モードにおいて、前記通信ネットワークを介して、前記省電力モードから前記通常モードに復帰することを指示する指示信号を受け付けたときには、前記通常モードに復帰し、
前記監視制御部は、前記通信部が前記通常モードに復帰するか否かを監視し、前記通信部が前記通常モードに復帰したときに、前記スイッチング部をオンさせる
ことを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記通信制御部と前記通信部とは、通信ラインを介して接続されており、前記通信制御部がマスター、前記通信部がスレーブとなって、1対1通信を行い、
前記監視制御部は、前記通信制御部と前記通信部との間のデータ送受信を監視し、前記データ送受信が予め設定された監視時間の間無かった場合、前記通信制御部に前記通信部へのアクセス権を要求し、前記アクセス権が得られたとき、前記通信ラインを介して前記通信部へアクセスすることによって、前記通信部が前記省電力モードと前記通常モードとのうちいずれのモードであるかを検出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
原稿の画像データを取得する画像取得部と、
前記画像取得部によって取得された画像データを用紙に形成する画像形成部と、
前記画像取得部及び前記画像形成部を制御する制御部と、を備え、
前記スイッチング部は、前記通信制御部への電源供給に加えて、前記制御部への電源供給をオンオフする
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−6343(P2013−6343A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140315(P2011−140315)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】