説明

画像形成装置

【課題】部品点数や、工場での管理工数を増やすことなく、現像装置の誤装着を確実に防止することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置14a、14b、14c及び14dにそれぞれ設けられている現像基板41は、90度、180度、270度で回転対称の形状(正方形)を持つ共通の基板であり、BtoBコネクタ42が中心からずれた位置に実装されている。また、現像基板41は、現像装置14a、14b、14c及び14dに対してそれぞれ90度ずつ回転させて取り付けられている。従って、現像装置14a、14b、14c及び14dにおいて、BtoBコネクタ42は、全て異なる位置に配置されることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、特に複数の現像装置を有する複写機、複合機、プリンター等のカラーの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の現像装置を有する複写機、複合機、プリンター等のカラー画像形成装置において、故障や寿命、メンテナンス等の理由によって、現像装置が交換可能に構成されている。現像装置の交換は、各色の現像装置毎に行われ、サービスマンやユーザーによって付け外しされる。その場合、例えばM(マゼンタ)の現像装置をC(シアン)の場所に誤って装着し、気付かずに使用してしまった場合、Mのトナーが入っている現像装置にCのトナーが補給されて混色し、正しい画像を形成することができなくなる。
【0003】
現像装置の誤装着を防止する方法としては、従来、Y(イエロー)、M、C、B(ブラック)それぞれの現像装置のケースの色をトナーに対応した色にし、目視で誤装着を判別できるようにする方法や、構造的に他の色の場所に現像装置が装着できないようにする方法で防止するのが一般的であった。しかし、これらの方法では、目視で気付かなかったり、構造的に装着できないことを挿入力が足りないと誤解して無理やり押し込んで破壊に至ったりといった問題もあり、完全には防止する事ができていなかった。
【0004】
そこで、電気回路的に現像装置の誤装着を検出し、誤装着されればエラーを表示して、動作させないという方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1では、ドロワやBoard to Boardコネクタ(以下、BtoBコネクタと称す)等の本体と現像装置間の接続において、正しい組み合わせしか導通しない判別用のPinを設けることで、誤装着を検出している。また、特許文献2では、現像装置毎に容量の違うコンデンサを搭載し、接続した際の突入電流の違いで誤装着を検出している。その他にも、現像装置にICタグを搭載し、ICタグを用いて無線で情報のやり取りを行い、誤装着を検出する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−93480号
【特許文献1】特開2004−184781号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、判別用のPinを設ける場合には、基板上のパターンをそれぞれ異なった構成とする必要がある為、部品点数が増え、工場での管理工数が増えるという問題点があった。また、現像装置毎に容量の違うコンデンサやICタグを搭載させる場合には、現像装置毎に異なる部品を搭載させることになるため、部品点数が増え、工場での管理工数が増えるという問題点があった。
【0007】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来技術の問題を解決し、部品点数や、工場での管理工数を増やすことなく、現像装置の誤装着を確実に防止することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、本体部に対して着脱可能な色の異なる複数の現像装置を有し、前記現像装置が所定の位置に装着されると、前記本体部に設けられている中継基板と、前記現像装置に設けられている現像基板とがBtoBコネクタによって接続される画像形成装置であって、前記現像基板は、90度、180度、270度で回転対称の形状であると共に、前記BtoBコネクタが中心からずれた位置に実装されており、各色の現像装置にそれぞれ90度ずつ回転させて取り付けられていることを特微とする。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記現像基板には、90度、180度、270度で回転対称の位置に4個の電極が形成されていると共に、4個の前記電極の内の2個には基準電圧が、他の2個には接地端子がそれぞれ接続されており、前記現像基板に形成された4個の前記電極の内の2個と接触導通される2個の当接ピンが各色の前記現像装置が装着される場所に同じレイアウトでそれぞれ配置されるように構成しても良い。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記現像基板には、90度、180度、270度で回転対称の位置に4個の電極が形成されていると共に、前記現像基板に形成された4個の前記電極の内の2個と接触導通される2個の当接ピンが各色の前記現像装置が装着される場所に同じレイアウトでそれぞれ配置されており、2個の前記当接ピンにそれぞれ接続道通される2個の前記電極間の抵抗値が各色の前記現像装置で異なるように、複数の抵抗が4個の前記電極間に接続されるように構成しても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、本体部に設けられている中継基板と、BtoBコネクタによって接続される現像基板を、90度、180度、270度で回転対称の形状とすると共に、BtoBコネクタを現像基板の中心からずれた位置に実装し、各色の現像装置にそれぞれ90度ずつ回転させて取り付けるように構成することにより、部品点数や、工場での管理工数を増やすことなく、部品(現像基板)を共通化しても、現像装置の誤装着を確実に防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態の内部構成を示す概略模式断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す現像装置の装着状態を説明するための概略斜視図である
【図4】図3に示す中継基板及び現像装置のそれぞれの対向面の構成を示す概略斜視図である。
【図5】図4に示すBtoBコネクタの接続状態を説明するための模式図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置の第2の実施の形態における中継基板及び現像基板の構成を示す模式図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の第2の実施の形態における現像装置の検出方法を説明するための図である。
【図8】本発明に係る画像形成装置の第3の実施の形態における現像装置の検出方法を説明するための図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置の第3の実施の形態における現像装置の検出方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態の画像形成装置は、図1を参照すると、本体部1に4つの画像形成部10a、10b、10c及び10dが配設されたカラー画像形成装置であり、原稿読取部5と、原稿給送部6と、操作部7とを備えている。原稿読取部5は、本体部1の上部に配設され、原稿給送部6は、原稿読取部5の上部に配設されている。また、操作部7は、画像形成装置の手前側に配設されている。
【0012】
操作部7には、液晶表示部71、テンキー72が設けられている。ユーザーは操作部7を操作して指示を入力することで、画像形成装置の各種の設定をし、画像形成等の各種機能を実行させる。液晶表示部71は、画像形成装置の状態を示したり、画像形成状況や印刷部数を表示したり、タッチパネルとして、両面印刷や白黒反転等の機能や倍率設定、濃度設定など各種設定を行えるようになっている。その他、操作部7には、画像形成を開始するようにユーザーが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、画像形成装置の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
【0013】
原稿読取部5は、スキャナー51と、プラテンガラス52と、原稿読取スリット53とを備える。スキャナー51は、露光ランプ及びCCD(Charge Coupled Device)センサ等から構成され、原稿給送部3による原稿の搬送方向に移動可能に構成されている。プラテンガラス52は、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット53は、原稿給送部6による原稿の搬送方向と直交する方向に形成されたスリットを有する。
【0014】
プラテンガラス52に載置された原稿を読み取る場合には、スキャナー51は、プラテンガラス52に対向する位置に移動され、プラテンガラス52に載置された原稿を走査しながら原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを本体部1に出力する。また、原稿給送部6により搬送された原稿を読み取る場合には、スキャナー51は、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介し、原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを本体部1に出力する。
【0015】
原稿給送部6は、原稿載置部61と、原稿排出部62と、原稿搬送機構63とを備えている。原稿載置部61に載置された原稿は、原稿搬送機構63によって、1枚ずつ順に繰り出されて読取スリット53に対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部62に排出される。なお、原稿給送部6は、可倒式に構成され、原稿給送部6を上方に持ち上げることで、プラテンガラス52の上面を開放させることができる。
【0016】
本体部1には、異なる4色(イエロー、シアン、マゼンタ及びブラック)の画像に対応して4つの画像形成部10a、10b、10c及び10dが配設されている。また、中間転写ベルト20が4つの画像形成部10a、10b、10c及び10dに隣接して設けられている。4つの画像形成部10a、10b、10c及び10dには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム11a、11b、11c及び11dがそれぞれ配設されている。感光体ドラム11a、11b、11c及び11d上に形成されたトナー像は、感光体ドラム11a、11b、11c及び11dに当接しながら移動する中間転写ベルト20上に順次転写される。中間転写ベルト20上に順次転写されたトナー像は、二次転写ローラー17において記録紙P上に一度に転写される。記録紙Pは、本体部1下部の用紙カセット30内に収容されており、給紙ローラー31及びレジストローラー対32を介して二次転写ローラー17へと搬送される。記録紙P上に転写されたトナー像は、定着装置18において記録紙Pに定着され、印刷が施された記録紙Pが装置本体より排出される。
【0017】
4つの画像形成部10a、10b、10c及び10dにそれぞれ回転自在に配設されている感光体ドラム11a、11b、11c及び11dの周囲には、感光体ドラム11a、11b、11c及び11dをそれぞれ帯電させる帯電装置12a、12b、12c及び12dと、感光体ドラム11a、11b、11c及び11dにそれぞれ画像情報を露光する露光ユニット13と、感光体ドラム11a、11b、11c及び11d上にそれぞれトナー像を形成する現像装置14a、14b、14c及び14dと、感光体ドラム11a、11b、11c及び11d上のトナー像をそれぞれ中間転写ベルト20に転写される一次転写ローラー15a、15b、15c及び15dと、感光体ドラム11a、11b、11c及び11d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング装置16a、16b、16c及び16dとが設けられている。
【0018】
本体部1に画像データが入力されると、まず、帯電装置12a、12b、12c及び12dによって感光体ドラム11a、11b、11c及び11dの表面を一様に帯電させ、次に、露光ユニット13によって画像データに応じて光照射し、感光体ドラム11a、11b、11c及び11d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置14a、14b、14c及び14dは、感光体ドラム11a、11b、11c及び11dに対向配置された現像ローラーを備え、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色のトナーを現像ローラーにより感光体ドラム11a、11b、11c及び11d上に供給して静電的に付着させることで、静電潜像に応じたトナー像が形成させる。次に、一次転写ローラー15a、15b、15c及び15dに所定の転写電圧を付与することにより、感光体ドラム11a、11b、11c及び11d上のイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックのそれぞれトナー像が中間転写ベルト20上に所定のタイミングで一次転写され、中間転写ベルト20上にフルカラーのトナー像が形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム11a、11b、11c及び11dの表面に残留したトナーがクリーニング装置16a、16b、16c及び16dにより除去される。
【0019】
中間転写ベルト20には、誘電体樹脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。中間転写ベルト20は、駆動ローラー21、従動ローラー22及びテンションローラー23に掛け渡されており、中間転写ベルト20上のトナー像が二次転写ローラー17とのニップ部に到達するタイミングで、記録紙Pが二次転写ローラー17と中間転写ベルト20のニップ部に搬送され、記録紙P上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着装置18へと搬送される。なお、中間転写ベルト20及び二次転写ローラー17は、感光体ドラム11a、11b、11c及び11dと同一線速で回転駆動される。また、画像形成部10a、10b、10c及び10dから見て中間転写ベルト20の移動方向の上流側には中間転写ベルト20表面に残存するトナーを除去するためのベルトクリーニング装置24が配置されている。
【0020】
定着装置18に搬送された記録紙Pは、加熱及び加圧されてトナー像が記録紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された記録紙Pは、排出ローラー33によって排出トレイ34に排出される。
【0021】
図2には、第1の実施の形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図が示されている。本体部1内には、操作部7、原稿読取部5によって原稿を読み取ることで取得された画像データ等が記憶される記憶部81,画像データに対して所定の画像処理を行う画像処理部82に接続された制御部8が備えられている。制御部8は、CPU、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには画像形成装置の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御部8は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作部7から入力された所定の指示情報に応じて各構成要素(画像読取部5、原稿給送部6、画像形成部10a、10b、10c及び10d、中間転写ベルト20、定着装置18等)を制御して一連の画像形成動作を実現する。
【0022】
画像形成部10aのB(ブラック)の現像装置14aと、画像形成部10bのC(シアン)の現像装置14bと、画像形成部10cのM(マゼンタ)の現像装置14cと、画像形成部10dのY(イエロー)の現像装置14dとは、故障や寿命、メンテナンス等の理由によって、それぞれ着脱可能に構成されている。現像装置14a、14b、14c及び14dは、図示しないガイド部に沿って、図1において紙面手前側から奥側に向けて本体部1内に挿入することで、所定の位置に装着される。所定の位置に装着された状態で、現像装置14a、14b、14c及び14dは、図3に示すように、本体部1内に設けられている中継基板40と対向配置される。また、図4に示すように、現像装置14a、14b、14c及び14dの中継基板40と対向する面には、現像基板41がそれぞれ設けられており、現像装置14a、14b、14c及び14dが所定の位置に装着された状態で、中継基板40と現像基板41とがBtoBコネクタ42によって電気的に接続される。
【0023】
現像装置14a、14b、14c及び14dにそれぞれ設けられている現像基板41は、90度、180度、270度で回転対称の形状(第1の実施の形態では正方形)を持つ共通の基板であり、BtoBコネクタ42が中心からずれた位置に実装されている。図4に示すように、現像基板41は、現像装置14a、14b、14c及び14dに対してそれぞれ90度ずつ回転させて取り付けられている。従って、現像装置14a、14b、14c及び14dにおいて、BtoBコネクタ42は、全て異なる位置に配置されることになる。
【0024】
中継基板40におけるBtoBコネクタ42は、図5(a)に示すように、各色の現像装置14a、14b、14c及び14dがそれぞれ正しい色の場所に装着された場合に、それぞれの現像基板41のBtoBコネクタ42と接続される位置に実装されている。ここで、現像装置14a、14b、14c及び14dにおいて、BtoBコネクタ42は、全て異なる位置に配置されているため、図5(b)に示すように、現像装置14a、14b、14c及び14dが誤った色の場所に装着された場合には、中継基板40のBtoBコネクタ42と、それぞれの現像基板41のBtoBコネクタ42とが接続されることがない。また、第1の実施の形態では、現像装置14a、14b、14c及び14dが誤った色の場所に装着された場合にも、中継基板40のBtoBコネクタ42と、それぞれの現像基板41のBtoBコネクタ42とが当接することなく、所定の位置に装着されるように構成されている。これにより、現像装置14a、14b、14c及び14dを誤った色の場所に装着した場合でもBtoBコネクタ42の破壊を防止できる。
【0025】
制御部8は、中継基板40のBtoBコネクタ42と、現像基板41のBtoBコネクタ42との接続で正しい色の場所に装着された現像装置14a、14b、14c及び14dを認識することができる。なお、現像装置14a、14b、14c及び14dが誤った色の場所に装着された場合には、現像装置14a、14b、14c及び14dを認識することができないため、制御部8は、操作部7の液晶表示部71に「現像装置が挿入されていない、もしくは現像装置が正規の色の場所に挿入されていません」といったメッセージを表示させ、ユーザーに警告報知を行う。
【0026】
以上説明したように第1の実施の形態においては、本体部1に設けられている中継基板40と、BtoBコネクタ42によって接続される現像基板41を、90度、180度、270度で回転対称の形状とすると共に、BtoBコネクタ42を現像基板41の中心からずれた位置に実装している。また、現像基板41は、各色の現像装置14a、14b、14c及び14dにそれぞれ90度ずつ回転させて取り付けられている。これにより、部品点数や、工場での管理工数を増やすことなく、部品(現像基板)を共通化しても、現像装置14a、14b、14c及び14dの誤装着を確実に防止することができるという効果を奏する。
【0027】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、図6に示すように、第1の実施の形態の構成に加え、現像基板41において、4つの電極43a、43b、43c及び43dが90度、180度、270度で回転対称の位置にそれぞれ設けられている。また、中継基板40には、現像装置14a、14b、14c及び14dが所定の位置に装着された状態で、現像基板41にそれぞれ設けられている4つの電極43a、43b、43c及び43dの内の2個と接触導通する当接ピン44a、44bが各色の場所にそれぞれ設けられている。当接ピン44a、44bは、図6に示すように、各色の場所に同じレイアウトで2本ずつ配置されている。従って、各色の現像装置14a、14b、14c及び14dのそれぞれの現像基板41において、当接ピン44a、44bと接触導通する電極43a、43b、43c及び43dの組み合わせが全て異なる。
【0028】
図7(a)を参照すると、現像基板41において、電極43a、43bが基準電圧Vccに、電極43c及び43dが接地端子にそれぞれ接続されている。これにより、図7(b)に示すように、各色の現像装置14a、14b、14c及び14dの装着時において、当接ピン44a、44bの電位の組み合わせが異なる。従って、制御部8は、各色の場所の当接ピン44a、44bの電位に基づいて、装着されている現像装置14a、14b、14c及び14dを把握することができる。例えば、図6(b)に示すように、誤った色の場所に現像装置14a、14b、14c及び14dを装着してしまった場合、BtoBコネクタ42は接続されることがないが、当接ピン44a、44bの電位の組み合わせが、Bの場所では(Vcc、Vcc)となり、Cの現像装置14bが装着されていることが分かる。同様に、Cの場所では(Vcc、0)となり、Bの現像装置14bが、Mの場所では(0、0)となり、Yの現像装置14bが、Yの場所では(0、Vcc)となり、Bの現像装置14bがそれぞれ装着されていることが分かる。なお、各電極43a、43b、43c及び43dへの基準電圧Vcc、接地端子の供給は、現像装置14a、14b、14c及び14dに電池を設けて対応しても良く、また、本体部1から供給するようにしても良い。
【0029】
以上説明したように第2の実施の形態においては、現像基板41には、90度、180度、270度で回転対称の位置に4個の電極43a、43b、43c、43dが形成されている。また、4個の電極43a、43b、43c、43dの内の電極43a、43bには基準電圧Vccが、他の電極43c、43dには接地端子がそれぞれ接続されている。さらに、現像基板41に形成された4個の電極43a、43b、43c、43dの内の2個と接触導通される2個の当接ピン44a、44bが各色の現像装置14a、14b、14c及び14dが装着される場所に同じレイアウトでそれぞれ配置されている。これにより、第1の実施の形態の効果に加え、BtoBコネクタ42によって接続されない誤った色の場所に装着された現像装置14a、14b、14c及び14dであっても、2個の当接ピン44a、44bの電位に基づいて、装着された現像装置14a、14b、14c及び14dの種類を把握することができるという効果を奏する。
【0030】
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では、現像基板41において、電極43a、43bが基準電圧Vccに、電極43c及び43dが接地端子にそれぞれ接続する構成を採用したが、第3の実施の形態では、図8(a)に示すように、当接ピン44aが基準電圧Vccに、当接ピン44bが分圧用抵抗46を介して接地端子に接続されている。また。図8(b)に示すように、現像基板41において、電極43aと電極43bとが200Ωの抵抗45aで、電極43bと電極43cとが300Ωの抵抗45bで、電極43cと電極43dとが400Ωの抵抗45cで、電極43dと電極43aとが100Ωの抵抗45dでそれぞれ接続されている。これにより、図8(c)に示すように、各色の現像装置14a、14b、14c及び14dの装着時において、当接ピン44a、44bと接続導通される電極43a、43b、43c及び43d間の抵抗値がそれぞれ異なるように構成されている。従って、当接ピン44bと分圧用抵抗46との接続点Xの電圧を、例えば中継基板40に設けたCPUのアナログポートで読み取ることで、装着されている現像装置14a、14b、14c及び14dを把握することができる。
【0031】
なお、現像基板41における抵抗45の接続は、図9(a)に示すように接続しても良い。すなわち、電極43aと電極43cとの間に100Ωの抵抗45eと300Ωの抵抗45fとを直列に接続されていると共に、抵抗45eと抵抗45fとの接続点と電極43bとが500Ωの抵抗45gで、抵抗45eと抵抗45fとの接続点と電極43dとが200Ωの抵抗45hでそれぞれ接続されている。この構成でも、図9(b)に示すように、各色の現像装置14a、14b、14c及び14dの装着時において、当接ピン44a、44bと接続導通される電極43a、43b、43c及び43d間の抵抗値がそれぞれ異なる。
【0032】
以上説明したように第3の実施の形態においては、現像基板41には、90度、180度、270度で回転対称の位置に4個の電極43a、43b、43c、43dが形成されている。また、現像基板41に形成された4個の電極43a、43b、43c、43dの内の2個と接触導通される2個の当接ピン44a、44bが各色の現像装置14a、14b、14c及び14dが装着される場所に同じレイアウトでそれぞれ配置されている。さらに、2個の当接ピン44a、44bにそれぞれ接続道通される2個の電極43a、43b、43c、43d間の抵抗値が各色の現像装置14a、14b、14c及び14dで異なるように、複数の抵抗が4個の電極43a、43b、43c、43d間に接続されている。これにより、第2の実施の形態の効果に加え、現像装置14a、14b、14c及び14dに基準電圧を設ける必要がなく、検出機構を簡略化することができるという効果を奏する。
【0033】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【符号の説明】
【0034】
1 本体部
5 原稿読取部
6 原稿給送部
7 操作部
8 制御部
10a、10b、10c、10d 画像形成部
11a、11b、11c、11d 感光体ドラム
12a、12b、12c、12d 帯電装置
13 露光ユニット
14a、14b、14c、14d 現像装置
15a、15b、15c、15d 一次転写ローラー
16a、16b、16c、16d クリーニング装置
17 二次転写ローラー
18 定着装置
20 中間転写ベルト
21 駆動ローラー
22 従動ローラー
23 テンションローラー
24 ベルトクリーニング装置
30 用紙カセット
31 給紙ローラー
32 レジストローラー
33 排出ローラー
34 排出トレイ
40 中継基板
41 現像基板
42 BtoBコネクタ
43a、43b、43c、43d 電極
44a、44b 当接ピン
45a、45b、45c、45d、45e、45f、45g、45h 抵抗
46 分圧用抵抗
51 スキャナー
52 プラテンガラス
53 原稿読取スリット
61 原稿載置部
62 原稿排出部
63 原稿搬送機構
71 液晶表示部
72 テンキー
81 記憶部
82 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部に対して着脱可能な色の異なる複数の現像装置を有し、前記現像装置が所定の位置に装着されると、前記本体部に設けられている中継基板と、前記現像装置に設けられている現像基板とがBtoBコネクタによって接続される画像形成装置であって、
前記現像基板は、90度、180度、270度で回転対称の形状であると共に、前記BtoBコネクタが中心からずれた位置に実装されており、各色の現像装置にそれぞれ90度ずつ回転させて取り付けられていることを特微とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像基板には、90度、180度、270度で回転対称の位置に4個の電極が形成されていると共に、4個の前記電極の内の2個には基準電圧が、他の2個には接地端子がそれぞれ接続されており、
前記現像基板に形成された4個の前記電極の内の2個と接触導通される2個の当接ピンが各色の前記現像装置が装着される場所に同じレイアウトでそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像基板には、90度、180度、270度で回転対称の位置に4個の電極が形成されていると共に、前記現像基板に形成された4個の前記電極の内の2個と接触導通される2個の当接ピンが各色の前記現像装置が装着される場所に同じレイアウトでそれぞれ配置されており、2個の前記当接ピンにそれぞれ接続道通される2個の前記電極間の抵抗値が各色の前記現像装置で異なるように、複数の抵抗が4個の前記電極間に接続されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−73191(P2013−73191A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214106(P2011−214106)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】