説明

画像形成装置

【課題】無線USB対応の周辺装置の登録時における管理者の負担を軽減させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】全てのユーザーが使用可能な周辺装置が登録された管理者機器管理リスト113と、ユーザー毎に設けられ、ユーザーが使用可能な周辺装置が登録されたユーザー機器管理リスト114とを記憶する記憶部11と、ユーザーがログイン中に、周辺装置12から接続要求を受信すると、管理者機器管理リスト113及びユーザー機器管理リスト114に登録されているか否かを判断し、接続要求してきた周辺装置が管理者機器管理リスト113及びユーザー機器管理リスト114に登録されていない場合に、接続要求してきた周辺装置とアソシエーション処理を実行すると共に、アソシエーション処理を実行した周辺装置を、ログイン中のユーザーのユーザー機器管理リスト114に登録させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、特に無線USB規格に基づいて周辺装置と無線通信を行うことができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機等の画像形成装置と周辺装置との接続に、無線USB(ワイヤレスUSB)規格に基づく無線通信が用いられている。通常、無線USBを利用する際は、初期接続時に機器同士がお互いを認識し、お互いの接続情報(Connection Context)を保持しあうアソシエーション処理が必要である。このように、一旦アソシエーション処理を完了し、お互いの接続情報を保持しあうことで2度目以降の接続時は特別な処理を必要とせず無線USBの接続が可能になる。
【0003】
一方、アソシエーション処理が完了してしまえば、周辺装置の使用が許可されていないユーザーでも周辺装置に簡単にアクセスできてしまうという問題がある。そこで、管理者権限で接続情報の編集追加を制限することで、無線USB対応の周辺装置を手にしただけの不正なユーザーによるその周辺装置の利用を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−201861号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術においては、管理者によって無線USB対応の周辺装置の利用を制限できるが、新しい周辺装置を利用する毎に、管理者による設定が必要となり、管理者の負担が増大してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来技術の問題を解決し、無線USB対応の周辺装置の登録時における管理者の負担を軽減させることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、無線USB規格に基づいて、初めて接続される周辺装置とアソシエーション処理を実行して接続情報を記憶し、次回の接続時から前記接続情報を用いて前記周辺装置と無線通信を行う画像形成装置であって、管理者及びユーザーが登録されたユーザー情報と、全ての前記ユーザーが使用可能な前記周辺装置が登録された管理者機器管理リストと、前記ユーザー毎に設けられ、前記ユーザーが使用可能な前記周辺装置が登録されたユーザー機器管理リストとを記憶する記憶手段と、前記ユーザー情報に基づいて前記ユーザーがログイン中に、前記周辺装置から接続要求を受信すると、前記管理者機器管理リスト及び前記ユーザー機器管理リストに登録されているか否かを判断する制御手段と、前記制御手段によって、接続要求してきた前記周辺装置が前記管理者機器管理リスト及び前記ユーザー機器管理リストに登録されていないと判断された場合に、接続要求してきた前記周辺装置と前記アソシエーション処理を実行する無線通信手段とを具備し、前記制御手段は、前記無線通信手段によって前記アソシエーション処理を実行した前記周辺装置を、ログイン中の前記ユーザーの前記ユーザー機器管理リストに登録させることを特微とする。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記無線通信手段によって前記アソシエーション処理を実行した前記周辺装置の使用を許可する前記ユーザーの選択入力を受け付け、前記無線通信手段によって前記アソシエーション処理を実行した前記周辺装置を、ログイン中の前記ユーザーと選択された前記ユーザーの前記ユーザー機器管理リストに登録させるようにしても良い。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記ユーザー情報に基づいて前記ユーザーがログイン中に、前記周辺装置から接続要求を受信すると、前記管理者機器管理リスト及び前記ユーザー機器管理リストに登録されているか否かを判断し、前記管理者機器管理リストもしくはログイン中の前記ユーザーの前記ユーザー機器管理リストに登録されている場合に、接続要求していた前記周辺装置の使用をログイン中の前記ユーザーに対して許可させ、前記管理者機器管理リスト及びログイン中の前記ユーザーの前記ユーザー機器管理リストに登録されておらず、且つログイン中以外の前記ユーザーの前記ユーザー機器管理リストに登録されている場合に、接続要求していた前記周辺装置の使用をログイン中の前記ユーザーに対して不許可させるようにしても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、全てのユーザーが使用可能な周辺装置が登録された管理者機器管理リストと、ユーザー毎に設けられ、ユーザーが使用可能な前記周辺装置が登録されたユーザー機器管理リストとを記憶しておき、ユーザーがログイン中に、周辺装置から接続要求を受信すると、管理者機器管理リスト及びユーザー機器管理リストに登録されているか否かを判断し、接続要求してきた周辺装置が管理者機器管理リスト及びユーザー機器管理リストに登録されていない場合に、接続要求してきた周辺装置とアソシエーション処理を実行すると共に、アソシエーション処理を実行した前記周辺装置を、ログイン中のユーザーのユーザー機器管理リストに登録させるように構成することにより、ユーザー権限で周辺装置を登録することができ、無線USB対応の周辺装置の登録時における管理者の負担を軽減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施の形態の内部構成を示す概略模式断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す記憶部に記憶されているユーザー情報例、管理者機器管理リスト列及びユーザー機器管理リスト例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の実施の形態における周辺装置接続動作について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施の形態の画像形成装置1は、複写機であり、図1を参照すると、原稿読取部2と、原稿給送部3と、本体部4と、スタックトレイ5と、操作部6とを備えている。原稿読取部2は、本体部4の上部に配設され、原稿給送部3は、原稿読取部2の上部に配設されている。スタックトレイ5は、本体部4の形成された記録紙の排出口41側に配設され、また、操作部6は、画像形成装置1の手前側に配設されている。
【0011】
操作部6には、液晶表示部61、テンキー62が設けられている。ユーザーは操作部6を操作して指示を入力することで、画像形成装置1の各種の設定をし、画像形成等の各種機能を実行させる。液晶表示部61は、画像形成装置1の状態を示したり、画像形成状況や印刷部数を表示したり、タッチパネルとして、両面印刷や白黒反転等の機能や倍率設定、濃度設定など各種設定を行えるようになっている。その他、操作部6には、画像形成を開始するようにユーザーが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、画像形成装置1の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
【0012】
原稿読取部2は、スキャナー21と、プラテンガラス22と、原稿読取スリット23とを備える。スキャナー21は、露光ランプ及びCCD(Charge Coupled Device)センサ等から構成され、原稿給送部3による原稿の搬送方向に移動可能に構成されている。プラテンガラス22は、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット23は、原稿給送部3による原稿の搬送方向と直交する方向に形成されたスリットを有する。
【0013】
プラテンガラス22に載置された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、プラテンガラス22に対向する位置に移動され、プラテンガラス22に載置された原稿を走査しながら原稿を読み取って画像データーを取得し、取得した画像データーを本体部4に出力する。また、原稿給送部3により搬送された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、原稿読取スリット23と対向する位置に移動され、原稿読取スリット23を介し、原稿給送部3による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って画像データーを取得し、取得した画像データーを本体部4に出力する。
【0014】
原稿給送部3は、原稿載置部31と、原稿排出部32と、原稿搬送機構33とを備えている。原稿載置部31に載置された原稿は、原稿搬送機構33によって、1枚ずつ順に繰り出されて原稿読取スリット23に対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部32に排出される。なお、原稿給送部3は、可倒式に構成され、原稿給送部3を上方に持ち上げることで、プラテンガラス22の上面を開放させることができる。
【0015】
本体部4は、記録部7を備えると共に、給紙部42と、用紙搬送路43と、搬送ローラー44と、排出ローラー45とを備えている。給紙部42は、複数の給紙カセット42a1〜42anと、給紙カセット42a1〜42anから記録紙を1枚ずつ用紙搬送路43に繰り出す給紙ローラー42b1〜42bnとを備えている。給紙ローラー42b1〜42bn、搬送ローラー44及び排出ローラー45が搬送部として機能し、記録紙が搬送される。給紙ローラー42b1〜42bnによって用紙搬送路43に繰り出された記録紙は、搬送ローラー44によって記録部7に搬送される。そして、記録部7によって記録が施された記録紙は、排出ローラー45によってスタックトレイ5に排出される。
【0016】
記録部7は、感光体ドラム71と、露光部72と、画像形成部73と、転写部74と、定着部75とを備えている。露光部72は、レーザー装置やミラー等を備えた光学ユニットであり、画像データーに基づいてレーザー光を出力して感光体ドラム71を露光し、感光体ドラム71の表面に静電潜像を形成する。画像形成部73は、トナーを用いて感光体ドラム71に形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム71上に形成させる。転写部74は、画像形成部44によって感光体ドラム71上に形成されたトナー像を記録紙に転写させる。定着部75は、転写部74によってトナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる。
【0017】
図2には、画像形成装置1の概略構成を示すブロック図が示されている。上述の原稿読取部2、原稿給紙部3、搬送部(給紙ローラー42b1〜42bn、搬送ローラー44、排出ローラー45)、操作部6及び記録部7は、制御部8に接続され、制御部8によって動作制御される。また、制御部8には、画像処理部9と、無線通信部10と、記憶部11とが接続されている。
【0018】
制御部8は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御部8は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作部6から入力された所定の指示情報に応じて装置全体の制御を行う。
【0019】
画像処理部9は、画像データーに対して所定の画像処理を行う手段であり、例えば、拡大縮小処理や、階調調整、濃度調整等の画像改善処理が行われる。
【0020】
無線通信部10は、無線USB規格の通信(無線USB通信)を制御する回路であり、無線USB対応の周辺装置12と無線USB通信を行う。また、無線USB対応の周辺装置12が初めて接続された場合には、お互いを認識し、お互いの接続情報(Connection Context)を保持しあうアソシエーション処理を行い、接続情報を記憶部11に記憶させる。
【0021】
記憶部11は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、原稿読取部2によって原稿を読み取ることで取得された画像データーや、無線通信部10によって実行されたアソシエーション処理によって生成された接続情報が記憶されると共に、図3に示すように、接続情報リスト111、ユーザー情報112、管理者機器管理リスト113、ユーザー機器管理リスト114等の管理情報が記憶されている。
【0022】
接続情報リスト111は、無線通信部10によって実行されたアソシエーション処理によって生成され、記憶された接続情報のリストであり、周辺装置12の機器IDが接続情報と関連づけされて登録されている。図3(a)に示す例では、接続情報リスト111に周辺装置A、B、Cのそれぞれ機器ID「A」、「B」、「C」が接続情報と関連づけされて登録されている
【0023】
ユーザー情報112は、画像形成装置1の使用を許可された管理者及びユーザーのリストであり、ユーザー名と関連づけしてパスワード等のログイン情報が記憶されている。図3(a)に示す例では、ユーザー情報112に管理者とユーザーX、Y、Zが登録されている。
【0024】
管理者機器管理リスト113は、管理者が管理している全ユーザーが使用可能な周辺装置12を示すリストであり、全ユーザーが使用可能な周辺装置12の機器IDが登録されている。図3(a)に示す例では、管理者機器管理リスト113に図2に示す周辺装置Aの機器ID「A」が登録されている。
【0025】
ユーザー機器管理リスト114は、ユーザー情報112に登録されているユーザー毎に設けられ、各ユーザーが使用可能な周辺装置12を示すリストであり、各ユーザーが使用可能な周辺装置12の機器IDがそれぞれ登録されている。図3(a)に示す例では、ユーザーX、Y、Zのユーザー機器管理リスト114がそれぞれ設けられており、ユーザーXのユーザー機器管理リスト114に図2に示す周辺装置Bの機器ID「B」が、ユーザーYとユーザーZのユーザー機器管理リスト114に図2に示す周辺装置Cの機器ID「C」がそれぞれ登録されている。
【0026】
周辺装置12は、例えば、フラッシュメモリやHDD等の記憶装置、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、無線USB規格の通信(無線USB通信)を行う機能を有している。
【0027】
次に、本実施の形態の画像形成装置1における周辺装置接続動作について図4を参照して詳細に説明する。
【0028】
まず、制御部8は、画像形成装置1の使用に当たってユーザーのログイン(ユーザー名及びログイン情報等)を受け付け、ユーザー情報112を参照することでログイン処理を実行する。次に、制御部8は、ユーザー権限で、すなわち管理者以外のユーザーX、Y、Zがログイン中か否かを判断する(ステップS1)。以下、ユーザーXの権限でログイン中であることを想定して説明する。
【0029】
ユーザー権限でログイン中に周辺装置12の電源がONされ(ステップS2)、画像形成装置1の無線通信部10によって周辺装置12からの接続要求を受信すると、制御部8は、接続要求に含まれている周辺装置12の機器IDが管理者機器管理リスト113に登録されているか否かを判断する(ステップS3)。なお、周辺装置12からの接続要求は、電源ON時に限ることなく、例えば、周辺装置12に設けられた図示しない操作部からの操作によって送信されるようにしても良い。
【0030】
ステップS3で接続要求してきた周辺装置12の機器IDが管理者機器管理リスト113に登録されている場合には、制御部8は、接続情報リスト111に基づいて接続要求してきた周辺装置12の接続情報を特定し、特定した接続情報によって周辺装置12を接続する(ステップS4)。次に、制御部8は、ログイン中のユーザーに接続した周辺装置12の利用を許可し(ステップS5)、周辺装置接続動作を終了する。例えば、ステップS2で周辺装置Aの電源がONされた場合には、周辺装置Aの機器ID「A」が管理者機器管理リスト113に登録されているため、ログイン中のユーザーXに対して、周辺装置Aの使用が許可されることになる。
【0031】
ステップS3で接続要求してきた周辺装置12の機器IDが管理者機器管理リスト113に登録されていない場合には、制御部8は、接続要求してきた周辺装置12の機器IDがログイン中のユーザー機器管理リスト114に登録されているか否かを判断する(ステップS6)。
【0032】
ステップS6で接続要求してきた周辺装置12の機器IDがログイン中のユーザー機器管理リスト114に登録されている場合には、制御部8は、接続情報リスト111に基づいて接続要求してきた周辺装置12の接続情報を特定し、特定した接続情報によって周辺装置12を接続する(ステップS4)。次に、制御部8は、ログイン中のユーザーに接続要求してきた周辺装置12の利用を許可し(ステップS5)、周辺装置接続動作を終了する。例えば、ステップS2で周辺装置Bの電源がONされた場合には、周辺装置Bの機器ID「B」がユーザーXのユーザー機器管理リスト114に登録されているため、ログイン中のユーザーXに対して、周辺装置Bの使用が許可されることになる。
【0033】
ステップS6で接続要求してきた周辺装置12の機器IDがログイン中のユーザー機器管理リスト114に登録されていない場合には、制御部8は、接続要求してきた周辺装置12の機器IDがログイン中以外の他のユーザーのユーザー機器管理リスト114に登録されているか否かを判断する(ステップS7)。
【0034】
ステップS7で接続要求してきた周辺装置12の機器IDが他のユーザー機器管理リスト114に登録されている場合には、制御部8は、接続要求してきた周辺装置12の利用をログイン中のユーザーに対して不許可にし(ステップS8)、周辺装置接続動作を終了する。例えば、ステップS2で周辺装置Cの電源がONされた場合には、周辺装置Cの機器ID「C」が、管理者機器管理リスト113及びユーザーXのユーザー機器管理リスト114に登録されておらず、且つユーザーX以外のユーザーY、Zのユーザー機器管理リスト114に登録されているため、ログイン中のユーザーXに対して、周辺装置Bの使用がログイン中のユーザーXに対して不許可されることになる。
【0035】
ステップS7で接続要求してきた周辺装置12の機器IDが他のユーザー機器管理リスト114に登録されていない場合には、制御部8は、無線通信部10にアソシエーション処理を指示する。無線通信部10は、接続要求してきた周辺装置12との間でアソシエーション処理を実行し(ステップS9)、接続要求してきた周辺装置12の接続情報を記憶部11に記憶させると共に、制御部8は、接続情報リスト111に接続要求してきた周辺装置12の機器IDを接続情報と関連づけて登録する。また、制御部8は、接続要求してきた周辺装置12の使用を許可するユーザーの選択入力を受け付け(ステップS10)、ログイン中のユーザーと選択されたユーザーとのユーザー機器管理リスト114に接続要求してきた周辺装置12の機器IDを登録する(ステップS11)。次に、制御部8は、接続要求してきた周辺装置12の接続情報によって周辺装置12を接続して(ステップS4)、ログイン中のユーザーに接続した周辺装置12の利用を許可し(ステップS5)、周辺装置接続動作を終了する。
【0036】
例えば、ステップS2で周辺装置Dの電源がONされた場合には、図3(a)に示すように、周辺装置Dの機器ID「D」が管理者機器管理リスト113及び全てのユーザー機器管理リスト114に登録されていないため、無線通信部10によって周辺装置Dとの間でアソシエーション処理を実行され、図3(b)に示すように、接続情報リスト111に周辺装置Dの機器ID「D」が接続情報と関連づけて登録される。また、ステップS10でユーザーYが選択された場合には、図3(b)に示すように、ログイン中のユーザーXと選択されたユーザーYとのユーザー機器管理リスト114に周辺装置Dの機器ID「D」が登録されることになる。
【0037】
以上、ユーザー権限でログイン中の場合について説明したが、管理者権限でログイン中には、操作部6からの入力によって、記憶部に記憶されている接続情報、接続情報リスト111、ユーザー情報112、管理者機器管理リスト113及びユーザー機器管理リスト114の修正や削除を行えるように構成されている。また、管理者権限でログイン中、ユーザー情報112に新たなユーザーが登録された場合には、新たな登録されたユーザーのユーザー機器管理リスト114が自動的に作成されるようにすると好適である。また、管理者権限でログイン中に初めての周辺装置12が接続された場合、すなわち初めての周辺装置12から接続要求を受信した場合には、管理者機器管理リスト113に接続要求をしてきた周辺装置12の機器IDが登録され、全てのユーザーが使用可能になる。
【0038】
以上説明したように本実施の形態においては、管理者及びユーザーが登録されたユーザー情報112と、全てのユーザーが使用可能な周辺装置12が登録された管理者機器管理リスト113と、ユーザー毎に設けられ、ユーザーが使用可能な周辺装置12が登録されたユーザー機器管理リスト114とを記憶する記憶部11と、ユーザー情報112に基づいてユーザーがログイン中に、周辺装置12から接続要求を受信すると、管理者機器管理リスト113及びユーザー機器管理リスト114に登録されているか否かを判断する制御部8と、制御部8によって、接続要求してきた周辺装置12が管理者機器管理リスト113及びユーザー機器管理リスト114に登録されていないと判断された場合に、接続要求してきた周辺装置12とアソシエーション処理を実行する無線通信部10とを具備する。制御部8は、無線通信部10によってアソシエーション処理を実行した周辺装置12を、ログイン中のユーザーのユーザー機器管理リスト114に登録させる。これにより、ユーザー権限で周辺装置12を登録することができ、無線USB対応の周辺装置12の登録時における管理者の負担を軽減させることができるという効果を奏する。
【0039】
さらに、本実施の形態において、制御部8は、無線通信部10によってアソシエーション処理を実行した周辺装置12の使用を許可するユーザーの選択入力を受け付け、無線通信部10によってアソシエーション処理を実行した周辺装置12を、ログイン中のユーザーと選択されたユーザーのユーザー機器管理リスト114に登録させる。これにより、周辺装置12を使用可能なユーザーをユーザー権限で設定することができ、無線USB対応の周辺装置12の登録時における管理者の負担を軽減させることができるという効果を奏する。
【0040】
さらに、本実施の形態において、制御部8は、ユーザー情報112に基づいてユーザーがログイン中に、周辺装置12から接続要求を受信すると、管理者機器管理リスト113及びユーザー機器管理リスト114に登録されているか否かを判断し、管理者機器管理リスト113もしくはログイン中のユーザーのユーザー機器管理リスト114に登録されている場合に、接続要求していた周辺装置12の使用をログイン中のユーザーに対して許可させ、管理者機器管理リスト113及びログイン中のユーザーのユーザー機器管理リスト114に登録されておらず、且つログイン中以外のユーザーのユーザー機器管理リスト114に登録されている場合に、接続要求していた周辺装置12の使用をログイン中のユーザーに対して不許可させる。これにより、従来では、一旦管理者権限で無線USB対応の周辺装置12をリストに登録(接続情報を保持)してしまうと、周辺装置12の所有者以外のユーザーでもその周辺装置12が利用できてしまい、セキュリティに問題があったが、本実施の形態では、登録された周辺装置12の利用を制限することができ、セキュリティを向上させることができる。
【0041】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【符号の説明】
【0042】
1 画像形成装置
2 原稿読取部
3 原稿給送部
4 本体部
5 スタックトレイ
6 操作部
7 記録部
8 制御部
9 画像処理部
10 無線通信部
11 記憶部
12 周辺装置
21 スキャナー
22 プラテンガラス
23 原稿読取スリット
31 原稿載置部
32 原稿排出部
33 原稿搬送機構
41 排出口
42 給紙部
42a1〜42an 給紙カセット
42b1〜42bn 給紙ローラー
43 用紙搬送路
44 搬送ローラー
45 排出ローラー
61 液晶表示部
62 テンキー
71 感光体ドラム
72 露光部
73 画像形成部
74 転写部
75 定着部
111 接続情報リスト
112 ユーザー情報
113 管理者機器管理リスト
114 ユーザー機器管理リスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線USB規格に基づいて、初めて接続される周辺装置とアソシエーション処理を実行して接続情報を記憶し、次回の接続時から前記接続情報を用いて前記周辺装置と無線通信を行う画像形成装置であって、
管理者及びユーザーが登録されたユーザー情報と、全ての前記ユーザーが使用可能な前記周辺装置が登録された管理者機器管理リストと、前記ユーザー毎に設けられ、前記ユーザーが使用可能な前記周辺装置が登録されたユーザー機器管理リストとを記憶する記憶手段と、
前記ユーザー情報に基づいて前記ユーザーがログイン中に、前記周辺装置から接続要求を受信すると、前記管理者機器管理リスト及び前記ユーザー機器管理リストに登録されているか否かを判断する制御手段と、
前記制御手段によって、接続要求してきた前記周辺装置が前記管理者機器管理リスト及び前記ユーザー機器管理リストに登録されていないと判断された場合に、接続要求してきた前記周辺装置と前記アソシエーション処理を実行する無線通信手段とを具備し、
前記制御手段は、前記無線通信手段によって前記アソシエーション処理を実行した前記周辺装置を、ログイン中の前記ユーザーの前記ユーザー機器管理リストに登録させることを特微とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記無線通信手段によって前記アソシエーション処理を実行した前記周辺装置の使用を許可する前記ユーザーの選択入力を受け付け、前記無線通信手段によって前記アソシエーション処理を実行した前記周辺装置を、ログイン中の前記ユーザーと選択された前記ユーザーの前記ユーザー機器管理リストに登録させることを特微とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ユーザー情報に基づいて前記ユーザーがログイン中に、前記周辺装置から接続要求を受信すると、前記管理者機器管理リスト及び前記ユーザー機器管理リストに登録されているか否かを判断し、前記管理者機器管理リストもしくはログイン中の前記ユーザーの前記ユーザー機器管理リストに登録されている場合に、接続要求していた前記周辺装置の使用をログイン中の前記ユーザーに対して許可させ、前記管理者機器管理リスト及びログイン中の前記ユーザーの前記ユーザー機器管理リストに登録されておらず、且つログイン中以外の前記ユーザーの前記ユーザー機器管理リストに登録されている場合に、接続要求していた前記周辺装置の使用をログイン中の前記ユーザーに対して不許可させることを特微とする請求項1又は2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−75422(P2013−75422A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216453(P2011−216453)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】