説明

画像形成装置

【課題】簡易な構成で、装置本体の通風部材とユニット部材の連通部材との継ぎ目の隙間を小さくすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ユニット部材(ドロワ45)は、当該ユニット部材の内側と外側とを連通させる開口141Cを有する連通部材(ドロワ側ダクト140)と、連通部材の開口141Cに隣接して設けられるユニット側位置決め部(ドロワ側位置決め部141B)と、を有する。装置本体2は、内側位置に位置するユニット部材の連通部材の開口141Cと対向し、かつ、当該連通部材とともに空気の流路を構成する通風部材(本体側ダクト200)と、通風部材の開口221に隣接して設けられる本体側位置決め部230とを有する。そして、内側位置に位置するユニット部材と装置本体2との間には、ユニット部材を付勢してユニット側位置決め部を本体側位置決め部230に当接させる付勢部材が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録シートに画像を形成するための部材を有し、装置本体に対して移動可能なユニット部材を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真方式の画像形成装置として、装置本体に着脱可能に構成されたドロワ(ユニット部材)と、ドロワに設けられ、ドロワ内に空気を供給するためのドロワ側ダクトと、装置本体に設けられ、ドロワ側ダクトに空気を送るための本体側ダクトとを備えたものが知られている(特許文献1参照)。具体的に、この技術では、本体側ダクトが、ドロワ側ダクトに近付く位置と遠ざかる位置とに移動可能となるように装置本体に支持されており、これにより、ドロワ側ダクトに本体側ダクトを近接させて、これらの間の継ぎ目の隙間を小さくすることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−178608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成であると、装置本体の本体側ダクト周りの構成が複雑となるといった問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、簡易な構成で、装置本体の本体側ダクト(通風部材)とドロワ(ユニット部材)のドロワ側ダクト(連通部材)との継ぎ目の隙間を小さくすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、装置本体と、記録シートに画像を形成するための部材を有し、前記装置本体内の内側位置と、当該内側位置よりも外側に位置する外側位置との間を所定の移動方向に沿って移動可能なユニット部材と、を備える。
前記ユニット部材は、当該ユニット部材の内側と外側とを連通させる開口を有する連通部材と、前記連通部材の前記開口に隣接して設けられるユニット側位置決め部と、を有する。
前記装置本体は、前記内側位置に位置するユニット部材の前記連通部材の開口と対向し、かつ、当該連通部材とともに空気の流路を構成する通風部材と、前記通風部材の開口に隣接して設けられる本体側位置決め部と、を有する。
そして、前記内側位置に位置するユニット部材と前記装置本体との間には、前記ユニット部材を付勢して前記ユニット側位置決め部を前記本体側位置決め部に当接させる付勢部材が設けられている。
【0007】
この構成によれば、連通部材の開口がユニット側位置決め部に隣接するとともに、通風部材の開口が本体側位置決め部に隣接することで、連通部材と通風部材との間の隙間を正確に管理することができるので、連通部材と通風部材との継ぎ目の隙間を小さくすることができる。また、装置本体に対して移動可能なユニット部材(すなわち、移動のために装置本体に対して多少の遊びを有するユニット部材)を付勢部材によって付勢して移動させることで連通部材と通風部材の接続を行うので、装置本体側の通風部材を移動可能に構成する必要がなく、構成を簡易化することができる。
【0008】
また、前記した構成においては、前記ユニット側位置決め部が、前記連通部材の開口の周囲の一部から前記本体側位置決め部に向けて突出しているのが望ましい。
【0009】
これによれば、連通部材の開口の周囲全体を位置決め部とするものに比べ、連通部材の通風部材に対する位置精度、ひいてはユニット部材の装置本体に対する位置精度を向上させることができる。
【0010】
また、前記した構成において、前記付勢部材は、前記ユニット部材に設けられる駆動力入力部材に対して、前記本体側位置決め部へ向かう付勢力を付与しながら駆動力を伝達する駆動力伝達部材であるのが望ましい。
【0011】
これによれば、ユニット部材の駆動力入力部材に駆動力を伝達する駆動力伝達部材によってユニット部材を付勢するので、ユニット部材を付勢するためのバネなどの専用の部材を設ける必要がなく、コストダウンを図ることができる。
【0012】
また、前記した構成では、前記ユニット部材に対し、前記移動方向に直交する直交方向の一方側に、前記連通部材の開口、前記ユニット側位置決め部、前記通風部材および前記本体側位置決め部を設け、他方側に、前記駆動力入力部材および前記駆動力伝達部材を設けてもよい。
【0013】
また、前記した構成では、前記駆動力入力部材が、前記ユニット部材に回転可能に設けられるユニット側カップリングであり、前記駆動力伝達部材が、前記ユニット側カップリングに対して、回転方向で係合するとともに、軸方向で進退可能に構成される本体側カップリングと、当該本体側カップリングを前記ユニット側カップリングに付勢する弾性部材とを備えていてもよい。
【0014】
また、前記した構成において、前記ユニット部材が、感光体を帯電させるためのコロナ放電方式の帯電器を有する場合には、前記連通部材が、前記帯電器のフレーム内に連通するように構成されているのが望ましい。
【0015】
これによれば、帯電器のフレーム内に十分な量の空気を供給してイオン風の流れを良好にすることができるので、帯電性能を向上させることができる。
【0016】
また、前記した構成において、前記連通部材は、前記帯電器のフレームに一体に設けられているのが望ましい。
【0017】
これによれば、連通部材と帯電器のフレームを別々に構成するものに比べ、連通部材と帯電器のフレーム間の継ぎ目を無くすことができるので、帯電器のフレーム内に十分な量の空気を供給することができる。
【0018】
また、前記した構成において、前記ユニット部材が、感光体に現像剤を供給する現像ローラと、当該現像ローラに摺接する摺接部材と、前記現像ローラおよび前記摺接部材を収容する現像室とを有する現像器を備える場合には、前記連通部材は、前記現像器に隣接した空間に連通しているのが望ましい。
【0019】
これによれば、現像器に隣接した空間に十分な量の空気を供給することができるので、現像器を良好に冷却することができる。
【0020】
また、前記した構成において、前記ユニット側位置決め部および前記本体側位置決め部の少なくとも一方は、前記移動方向に長い長尺状に形成されているのが望ましい。
【0021】
これによれば、ユニット部材の移動方向における寸法誤差を吸収することができる。
【0022】
また、前記した構成において、前記ユニット部材には、前記移動方向に直交する直交方向における前記ユニット側位置決め部と同じ側に配置されるユニット側電極が設けられ、前記装置本体には、前記直交方向における前記本体側位置決め部と同じ側に配置され、前記ユニット側電極に接触する本体側電極が設けられているのが望ましい。
【0023】
これによれば、付勢部材によってユニット側電極と本体側電極を確実に接触させることができる。
【0024】
また、前記した構成において、前記ユニット部材は、複数の感光体を支持する一対の側壁と、当該一対の側壁に着脱可能に設けられ、かつ、前記感光体に現像剤を供給する複数の現像カートリッジとを備え、前記装置本体に対して引き出し可能に構成されるドロワであってもよい。
【0025】
また、前記した構成において、前記感光体は、当該感光体の軸方向において前記ドロワに位置決めされているのが望ましい。
【0026】
これによれば、ユニット側位置決め部と本体側位置決め部とが当接してドロワが装置本体に対して位置決めされると、感光体もドロワを介して装置本体に対して位置決めされるので、感光体を装置本体に対して精度良く位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、簡易な構成で、装置本体の通風部材とユニット部材の連通部材との継ぎ目の隙間を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係るカラーレーザプリンタを示す断面図である。
【図2】プロセスカートリッジを示す断面図である。
【図3】ドロワを右側から見た斜視図である。
【図4】装置本体の右側の側壁と本体側ダクトを示す分解斜視図である。
【図5】ドロワ側ダクトと本体側ダクトを接続させた状態を示す断面図である。
【図6】ドロワ側位置決め部周りの構造を示す拡大斜視図(a)と、本体側位置決め部周りの構造を示す拡大斜視図(b)である。
【図7】ドロワを左側から見た斜視図である。
【図8】駆動力伝達部材を分解して示す分解斜視図である。
【図9】駆動力伝達部材を第1径方向で切った断面図(a)と、第2径方向で切った断面図(b)と、係合爪と係合凹部との関係や第1凸部と第1凹部との関係を簡略的に示す説明図(c)である。
【図10】ドロワ側ダクトの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、最初に、画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの全体構成を簡単に説明し、その後、本発明の特徴部分について詳細に説明する。
【0030】
以下の説明において、方向は、カラーレーザプリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって左側を「前側」、紙面に向かって右側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「左側」、紙面に向かって手前側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0031】
<カラーレーザプリンタの全体構成>
図1に示すように、カラーレーザプリンタ1は、装置本体2内に記録シートの一例としての用紙Pを供給する給紙部30と、給紙部30から給紙された用紙P上に画像を形成する画像形成部40と、画像形成部40から出てくる用紙Pを装置本体2内から排出する排紙部50とを備えている。
【0032】
装置本体2の前壁には、後述するユニット部材の一例としてのドロワ45を着脱させるための開口部2Aが形成されるとともに、この開口部2Aを開閉するフロントカバー21が揺動可能に設けられている。
【0033】
給紙部30は、装置本体2に着脱可能な給紙トレイ31と、給紙トレイ31から用紙Pを画像形成部40へ搬送する用紙供給機構32とを備えている。
【0034】
画像形成部40は、スキャナ部41、プロセス部42、転写部43および定着部44を備えている。
【0035】
スキャナ部41は、図示しないレーザ発光部や、符号を省略して示すポリゴンミラー、複数のレンズおよび反射鏡を備えている。スキャナ部41では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応したレーザ光を、感光体の一例としての感光ドラム47Aに出射する。
【0036】
プロセス部42は、スキャナ部41と転写部43の間に配置されて装置本体2に着脱可能に装着されるドロワ45を備えている。ドロワ45は、フロントカバー21を開放した状態において、装置本体2内の内側位置と、当該内側位置よりも外側に位置する外側位置(例えば装置本体2外の位置)との間を前後方向(所定の移動方向)に沿って移動可能となっている。
【0037】
ドロワ45は、前後左右に配置された各側壁によって矩形の筒状に構成されており、その内部には、4つ(複数)のプロセスカートリッジ46が用紙Pの搬送方向に沿って配列されている。
【0038】
各プロセスカートリッジ46は、図2に示すように、下部に配置されたドラムサブユニット47と、ドラムサブユニット47の上方に配置された現像カートリッジ48とを備えている。
【0039】
ドラムサブユニット47は、ドロワ45の左右一対の側壁45A(図3参照)に備えられた側板45Eに支持されており、帯電器100などを備えている。感光体の一例としての感光ドラム47Aは、側板45Eに回転可能に支持されている。なお、帯電器100の構造については、後で詳述する。
【0040】
現像カートリッジ48は、感光ドラム47Aに現像剤の一例としてのトナーを供給するように構成されており、ドロワ45の左右一対の側壁45Aに着脱可能に設けられている。現像カートリッジ48は、主に、現像ローラ48A、供給ローラ48B、摺接部材の一例としての層厚規制ブレード48C、トナー収容室48Dおよび現像室48Eを備え、トナー収容室48D内には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色の非磁性一成分のトナー(現像剤)が収容されている。なお、現像室48E内には、現像ローラ48Aおよび層厚規制ブレード48Cが収容されている。
【0041】
図1に示すように、プロセス部42では、帯電器100で帯電された感光ドラム47Aの表面が、スキャナ部41から出射されるレーザ光によって露光されることで、その露光部分の電位が下がって感光ドラム47A上に画像データに基づく静電潜像が形成される。一方、トナー収容室48D内のトナーは、供給ローラ48Bにより現像ローラ48Aに供給され、このとき、供給ローラ48Bと現像ローラ48Aとの間で摩擦帯電される。
【0042】
現像ローラ48A上に供給されたトナーは、現像ローラ48Aに摺接する層厚規制ブレード48Cによって、一定厚さの薄層として現像ローラ48A上に担持される。その後、現像ローラ48A上のトナーが感光ドラム47A上の静電潜像に供給されて、感光ドラム47A上にトナー像が担持される。
【0043】
転写部43は、駆動ローラ43A、従動ローラ43B、搬送ベルト43Cおよび転写ローラ43Dを備えている。この転写部43では、搬送ベルト43Cによって搬送される用紙Pが、感光ドラム47Aと転写ローラ43D間に供給されると、感光ドラム47A上のトナー像が用紙Pに転写される。
【0044】
定着部44は、加熱ローラ44Aおよび加圧ローラ44Bを備えている。この定着部44では、加熱ローラ44Aと加圧ローラ44Bとの間で用紙Pを挟持しつつ送り出すことで、用紙P上のトナー像を熱定着させる。
【0045】
排紙部50は、複数の搬送ローラ(符号省略)を有しており、定着部44から排出された用紙Pを、上方の排紙トレイ22へ搬送する。
【0046】
<帯電器内へ空気を送るための構造>
次に、本発明の特徴部分である帯電器100内へ空気を送るための構造について詳細に説明する。図2に示すように、帯電器100は、コロナ放電方式の帯電器であり、主に、フレーム110と、放電ワイヤ120と、グリッド電極130とを備えている。
【0047】
フレーム110は、ドラムサブユニット47のケースの上側部分を構成しており、グリッド電極130を略前後方向で挟むように位置する前壁部111および後壁部112と、前壁部111と後壁部112の各上端部を繋ぐように延びる上壁部113とを備えている。上壁部113には、上下に貫通する貫通孔114が形成されており、これにより、フレーム110外の空気をフレーム110内に取り入れることが可能となっている。
【0048】
放電ワイヤ120は、電圧の印加によりイオンを発生するワイヤであり、貫通孔114に対向して配置されるとともに、感光ドラム47Aの軸方向に沿って延設され、その両端がフレーム110の左右の側壁で支持されている。
【0049】
グリッド電極130は、放電ワイヤ120から感光ドラム47Aの表面へ向うイオンの電位を整えるためのもので、断面視コ字状に形成され、その底壁部に複数のグリッド孔(符号略)が形成されている。
【0050】
そして、フレーム110には、当該フレーム110内に連通する連通部材の一例としてのドロワ側ダクト140が一体に設けられている。ドロワ側ダクト140は、フレーム110の前壁部111に一体に形成されるダクト部141と、ダクト部141とフレーム110の上壁部113を覆うカバー部材142とによって形成されている。
【0051】
ダクト部141は、前壁部111とともに断面視略U字形状を構成するように、前壁部111の下側から前方および上方に複数回屈曲して形成されている。ダクト部141は、左右方向(ドロワ45の移動方向に直交する方向)に延びており、その上側の開口がカバー部材142によって覆われることで、筒状に形成されている。
【0052】
カバー部材142は、ダクト部141とフレーム110の上壁部113を覆う本体部142Aと、本体部142Aの略中央部から前壁部111の上端部まで延びて当該上端部に接触する仕切り壁部142Bとを有している。仕切り壁部142Bには、ダクト部141内からフレーム110の上壁部113の上方の空間に連通する通気孔142Cが形成されている。
【0053】
また、図3に示すように、ダクト部141の右側端部141Aは、筒状に形成されており、ドロワ45の側壁45Aから左右方向外側に突出している。以上のようにドロワ側ダクト140が構成されることで、ドロワ45の側壁45Aの左右方向外側の空気を、側壁45A内、詳しくは帯電器100内に取り込むことが可能となっている。
【0054】
さらに、ダクト部141の右側端部141Aの端面には、ユニット側位置決め部の一例としてのドロワ側位置決め部141Bが形成されている。具体的に、ドロワ側位置決め部141Bは、ダクト部141の開口141Cの下側に隣接して設けられている。
【0055】
これに対し、図4に示すように、装置本体2内には、ドロワ側ダクト140内に向けて空気を送り込むための通風部材の一例としての本体側ダクト200が設けられている。本体側ダクト200は、ダクト部材210と、装置本体2の右側の側壁23に形成される4つのダクト用リブ220とで構成されている。
【0056】
ダクト部材210は、内部に空気の流路が形成される筒状の部材であり、前後方向に延びる前後方向延在部211と、前後方向延在部211の前端部から下側に向けて円弧状に屈曲する屈曲部212とを有している。前後方向延在部211には、4つのダクト用リブ220に対応した位置から各ダクト用リブ220に向けて突出する筒状の4つの接続部213が形成されている。そして、各接続部213は、装置本体2の側壁23に形成される4つの接続穴23Aに嵌め込まれるようになっている。
【0057】
屈曲部212の下部には、左右方向外側に向けて開口する図示せぬ孔が形成されている。そして、この孔に向けて図示せぬファンから空気が送り込まれることで、当該空気が屈曲部212および前後方向延在部211を通って各接続部213から左右方向内側に流れるようになっている。
【0058】
ダクト用リブ220は、装置本体2の側壁23の接続穴23Aを囲うように当該接続穴23Aの周囲から左右方向内側に突出している。そして、ダクト用リブ220は、図5に示すように、その開口221が、内側位置に位置するドロワ45の各ダクト部141の開口141Cと左右方向で対向するようになっている。
【0059】
これにより、接続穴23Aに嵌め込まれた接続部213から排出される空気がダクト用リブ220を通って、左右方向内側のドロワ側ダクト140内に流れるようになっている。言い換えると、本体側ダクト200が、ドロワ側ダクト140とともに空気の流路を構成している。
【0060】
また、図4に示すように、4つのうち最も前側と最も後側のダクト用リブ220の下部には、それぞれ本体側位置決め部230が一体に形成されている。具体的に、本体側位置決め部230は、ダクト用リブ220の開口221の下側に隣接して設けられている。
【0061】
そして、後述する付勢部材の一例としての駆動力伝達部材60によってドロワ45が右側に付勢されることで、図5に示すように、ドロワ側位置決め部141Bが本体側位置決め部230に当接するようになっている。これにより、ドロワ45を、装置本体2の側壁23に対して左右方向に位置決めすることが可能となっているため、ドロワ45に支持されている感光ドラム47Aや帯電器100および現像カートリッジ48等を装置本体2に対して位置決めすることが可能となっている。
【0062】
そして、このようにドロワ45の位置決めに寄与する各位置決め部141B,230に隣接してドロワ側ダクト140および本体側ダクト200が設けられているので、ドロワ側ダクト140と本体側ダクト200との間の隙間を正確に管理することができ、各ダクト140,200の継ぎ目の隙間を小さくすることが可能となっている。また、このように継ぎ目の隙間を小さくすることができるので、帯電器100内に十分な量の空気を供給してイオン風の流れを良好にすることができ、帯電性能を向上させることが可能となっている。
【0063】
また、装置本体2に対して移動可能なドロワ45(すなわち、移動のために装置本体2に対して左右方向に多少の遊びを有するドロワ45)を後述する駆動力伝達部材60によって付勢して移動させることで各ダクト140,200を接続(近接)させるので、従来のように装置本体側のダクトを移動可能に構成する必要がなく、構成を簡易化することが可能となっている。
【0064】
また、本実施形態では、4つのうち最も前側と最も後側のダクト用リブ220に本体側位置決め部230をそれぞれ設けることで、各本体側位置決め部230が、4つのうち最も前側と最も後側のドロワ側位置決め部141Bに当接するようになっている。これにより、ドロワ45が傾くのを良好に抑えることが可能となっている。
【0065】
なお、本実施形態では、4つのドロワ側ダクト140のすべてにドロワ側位置決め部141Bを設けたが、本発明はこれに限定されず、本体側位置決め部に対応する数だけ当該本体側位置決め部に対応する位置にドロワ側位置決め部を設けてもよい。ただし、本実施形態のように、4つのドロワ側ダクト140のすべてにドロワ側位置決め部141Bを設けると、ドロワ側ダクト140を構成する部品の共通化を図ることが可能となっている。
【0066】
また、感光ドラム47Aは、ドロワ45に対して左右方向(軸方向)に位置決めされている。これにより、ドロワ側位置決め部141Bと本体側位置決め部230とが当接してドロワ45が装置本体2に対して位置決めされると、感光ドラム47Aもドロワ45を介して装置本体2に対して位置決めされるので、感光ドラム47Aを装置本体2に対して精度良く位置決めすることが可能となっている。
【0067】
また、図6(a)に示すように、ドロワ側位置決め部141Bは、ドロワ側ダクト140の開口141Cの周囲の一部から本体側位置決め部230に向けて突出している。これにより、例えばドロワ側ダクトの開口の周囲全体を位置決め部とするものに比べ、ドロワ側ダクト140の本体側ダクト200に対する位置精度、ひいてはドロワ45の装置本体2に対する位置精度を向上させることが可能となっている。
【0068】
また、図6(b)に示すように、本体側位置決め部230も、同様に、本体側ダクト200の開口221の周囲の一部からドロワ側位置決め部141Bに向けて突出している。これにより、例えば本体側ダクトの開口の周囲全体を位置決め部とするものに比べ、本体側位置決め部230の位置決め面(ドロワ側位置決め部141Bとの当接面)の位置精度を向上させることが可能となっている。
【0069】
さらに、各位置決め部141B,230は、前後方向(ドロワ45の移動方向)に長い長尺状に形成されている。これにより、ドロワ45の移動方向における寸法誤差を吸収することができるので、ドロワ45の前後位置が誤差によってずれたとしても、確実に各位置決め部141B,230を当接させて、各ダクト140,200等の位置決めを良好に行うことが可能となっている。
【0070】
また、図6(a)に示すように、ドロワ45の右側(左右方向におけるドロワ側位置決め部141Bと同じ側)の側壁45Aには、ユニット側電極の一例としてのドロワ側電極45B,45Cが複数(図3参照)設けられている。これに対し、図6(b)に示すように、装置本体2の右側(左右方向における本体側位置決め部230と同じ側)の側壁23には、ドロワ側電極45B,45Cに接触する本体側電極23B,23Cが設けられている。
【0071】
これにより、後述する駆動力伝達部材60の付勢力によって、ドロワ側電極45B,45Cと本体側電極23B,23Cを確実に接触させることが可能となっている。
【0072】
図7および図8に示すように、ドロワ45の左側の側壁45Aには、駆動力入力部材(ユニット側カップリング)の一例としてのドロワ側カップリング45Dが設けられ、装置本体2の左側の側壁(図示略)には、駆動力伝達部材60が設けられている。なお、図8においては、便宜上、ドロワ側カップリング45Dが見えるように、実際の向きよりも感光ドラム47Aを回転させて図示している。
【0073】
ドロワ側カップリング45Dは、ドロワ45に対して回転可能に設けられる4つの感光ドラム47Aの端面にそれぞれ固定されている。そして、内側位置に位置するドロワ45と装置本体2との間に、4つ(1つのみ図示)の駆動力伝達部材60が各ドロワ側カップリング45Dに対向するように設けられている。
【0074】
駆動力伝達部材60は、ドロワ側カップリング45Dに対して右側へ向かう付勢力(本体側位置決め部へ向かう付勢力)を付与しながら駆動力を伝達している。そのため、前述したように、駆動力伝達部材60がドロワ側カップリング45Dに駆動力を伝達している間、ドロワ45が右側に付勢されて、各位置決め部141B,230が当接するようになっている。
【0075】
このように駆動力伝達部材60によってドロワ45を付勢することで、ドロワ45を付勢するためのバネなどの専用の部材を設ける必要がなくなるので、コストダウンを図ることが可能となっている。
【0076】
具体的に、駆動力伝達部材60は、モータ等の駆動源61と、本体駆動ギヤ62と、弾性部材の一例としてのコイルバネ63と、本体側カップリング64とを備えている。駆動源61は、装置本体2の適所に設けられており、本体駆動ギヤ62に直接またはギヤを介して間接的に本体駆動ギヤ62に駆動力を伝達している。
【0077】
本体駆動ギヤ62は、装置本体2に回転可能に設けられており、主に、駆動源61から駆動力61が伝達されるギヤ部62Aと、ギヤ部62Aの中心部から本体側カップリング64に向けて突出する突出部62Bとを有している。突出部62Bの外周面には、本体駆動ギヤ62の軸方向に沿う第1凹部62Cが回転軸を挟んで対向するように一対設けられている。また、突出部62Bの外周面のうち各第1凹部62Cの間(略90°だけ回転方向に離れた位置)には、一対の係合凹部62Dが形成されている。
【0078】
そして、各係合凹部62Dの本体側カップリング64側の端部には、本体駆動ギヤ62の径方向外側に突出する係止リブ62Eがそれぞれ形成されている(図9(b)参照)。また、突出部62Bの先端面には、突出部62Bよりも小径となる円筒状の延設部62Fが、先端面から軸方向に突出するように延設されている。
【0079】
コイルバネ63は、本体駆動ギヤ62と本体側カップリング64(詳しくは、後述するカップリング部材65)との間に配設されており、本体駆動ギヤ62と本体側カップリング64とを互いに離す方向に付勢している。
【0080】
本体側カップリング64は、本体駆動ギヤ62とドロワ側カップリング45Dとの間に配置されており、本体駆動ギヤ62とドロワ側カップリング45Dとに回転方向で係合することで本体駆動ギヤ62からドロワ側カップリング45Dへ駆動力を伝達している。また、本体側カップリング64は、本体駆動ギヤ62に軸方向で進退可能に支持されており、これにより、本体側カップリング64とドロワ側カップリング45Dとの接続・切り離しが切り替え可能となっている。
【0081】
具体的に、本体側カップリング64は、本体駆動ギヤ62側に配置されるカップリング部材65と、ドロワ側カップリング45D側に配置されるオルダム部材66とを有している。
【0082】
カップリング部材65は、本体駆動ギヤ62に軸方向で移動可能に支持されるとともに、回転方向で係合する部材であり、本体駆動ギヤ62の突出部62Bが入り込む筒部65Aと、筒部65Aのオルダム部材66側の端部を閉鎖してオルダム部材66と対向する壁65Bとを主に有している。
【0083】
筒部65Aの外周面には、径方向外側に延出する環状フランジ65Cが形成されており、この環状フランジ65Cと本体駆動ギヤ62のギヤ部62Aとが前述したコイルバネ63で離れるように押圧されている。
【0084】
筒部65Aの内周面には、軸方向に沿う第1凸部65Dが回転軸を挟んで対向するように一対設けられている。そして、この第1凸部65Dは、本体駆動ギヤ62の第1凹部62Cに入り込んだ状態において、第1凹部62Cに対して軸方向に相対移動可能で、かつ、回転方向に係合する。
【0085】
また、筒部65Aのうち各第1凸部65Dの間(略90°だけ回転方向に離れた位置)には、係止爪65Eが、回転軸を挟んで対向するように一対設けられている(図9(b)参照)。係止爪65Eは、筒部65Aの内周面から内側に突出して本体駆動ギヤ62の各係合凹部62Dに入り込むことで、係止リブ62Eと軸方向で係合する。
【0086】
さらに、係止爪65Eの周方向両側には、軸方向に延びて筒部65Aの端面に抜ける一対のスリット65Fが形成されている。これにより、本体駆動ギヤ62の突出部62Bにカップリング部材65の筒部65Aを嵌め込む際に、係止爪65Eが良好に撓んで係止リブ62Eを乗り越えた後で係止リブ62Eと軸方向で係合するようになっている。そして、このように係止爪65Eが係止リブ62Eと係合することで、カップリング部材65が感光ドラム47A側へ移動することが規制され、カップリング部材65が本体駆動ギヤ62から外れることが抑えられている。
【0087】
さらに、係止爪65Eは、図9(c)に簡略的に示すように、その突出量や幅が第1凸部65D(係止爪として構成されていない凸部)よりも小さく形成されることで、第1凸部65Dよりも凹部(係合凹部62D)の面から離れた位置に形成されている。これにより、本体駆動ギヤ62の突出部62Bに対してカップリング部材65の筒部65Aが相対的に径方向または回転方向に移動する際には、係止爪65Eが係合凹部62Dに当接する前に、係止爪65Eとして構成されていない第1凸部65Dが第1凹部62Cに当接するようになっている。そのため、係止爪65Eが係合凹部62Dに当接して折れることが、第1凸部65Dと第1凹部62Cとの係合により防止されるようになっている。
【0088】
図8に示すように、壁65Bの中心部には、本体駆動ギヤ62の延設部62Fが入り込む円状の孔部65Gが形成されている。これにより、軸方向の一端側にある孔部65Gと他端側にある第1凸部65D、すなわちカップリング部材65の両端部が、本体駆動ギヤ62によって支持されるので、カップリング部材65を軸方向に安定して移動させることが可能となっている。
【0089】
具体的に、この孔部65Gは、図9(a)に示すように、軸方向に長い円筒状に形成されている。そのため、延設部62Fと孔部65Gとが面で接触することになり、カップリング部材65の軸方向への移動がより安定するようになっている。
【0090】
また、孔部65Gの本体駆動ギヤ62側の端部には、本体駆動ギヤ62側からオルダム部材66側に向かうにつれて縮径するテーパ面65Hが形成されている。これにより、延設部62Fから孔部65Gが外れそうな位置までカップリング部材65が本体駆動ギヤ62から離れるとともに、本体駆動ギヤ62に対して偏芯した場合であっても、カップリング部材65を本体駆動ギヤ62に向けて押し込めば、テーパ面65Hで案内されて、延設部62Fに孔部65Gが良好に嵌り込むようになっている。
【0091】
また、図8に示すように、壁65Bには、一対の第2凹部65Kと、一対の長孔65Lが形成されている。
【0092】
一対の第2凹部65Kは、孔部65Gを挟んで径方向で対向するように設けられ、その対向方向(以下、「第1径方向」という。)に沿って幅広となる溝としてそれぞれ形成されている。そして、各第2凹部65Kには、後述するオルダム部材66に形成される一対の第2凸部66Bが、第1径方向に移動可能で、かつ、回転方向で係合可能な状態で入り込むようになっている(図9(a)参照)。
【0093】
一対の長孔65Lは、前記第1径方向と直交する径方向(以下、「第2径方向」という。)において孔部65Gを挟んで対向するように設けられ、その長手方向が第1径方向に沿った貫通孔として形成されている。そして、各長孔65Lの内側の縁には、後述するオルダム部材66に形成される撓み変形可能な一対のフック部66Cが第1径方向に移動可能で、かつ、軸方向で係合するようになっている。これにより、オルダム部材66が、カップリング部材65に取り付けられて、カップリング部材65と一体に軸方向に移動可能になるとともに、カップリング部材65に対して第1径方向に移動可能となっている。
【0094】
オルダム部材66は、円板状の基部66Aと、基部66Aのカップリング部材65側の面に設けられる前述した一対の第2凸部66Bおよび一対のフック部66Cと、基部66Aのドロワ側カップリング45D側の面に設けられる一対の第3凸部66Dとを主に備えている。
【0095】
基部66Aの中央部には、第1径方向に沿った長孔66Eが形成されている。これにより、オルダム部材66がカップリング部材65に対して第1径方向に偏芯した状態で、本体側カップリング64が本体駆動ギヤ62側に近付く方向に移動した場合であっても、本体駆動ギヤ62の延設部62Fとオルダム部材66との干渉が防止されるようになっている。
【0096】
一対の第2凸部66Bは、長孔66Eを挟んで第1径方向で対向するように設けられ、前述したようにカップリング部材65の一対の第2凹部65Kに係合している。また、各第2凸部66Bは、その先端が半球状に形成されており、これにより、オルダム部材66をカップリング部材65に取り付ける際に、各第2凸部66Bが各第2凹部65Kに入り易くなっている。
【0097】
一対のフック部66Cは、カップリング部材65側に延びた後で径方向内側に屈曲する鉤型の突起であり、長孔66Eを挟んで第2径方向で対向するように設けられ、前述したようにカップリング部材65の一対の長孔65Lに係合している。
【0098】
一対の第3凸部66Dは、長孔66Eを挟んで第2径方向で対向するように設けられている。これに対し、ドロワ側カップリング45Dの端面には、4つの第3凹部A1が、感光ドラム47Aの回転軸を挟むように互いに略90°ずつずれた位置で径方向に沿った長溝として形成されている。これにより、一対の第3凸部66Dが、4つの第3凹部A1のうち対向する一対の第3凹部A1に入り込んだ状態で、第2径方向に移動可能で、かつ、回転方向に係合可能となっている。
【0099】
また、第3凸部66Dは、その先端が半球状に形成されている。これにより、第3凸部66Dが第3凹部A1に入り込みやすくなっている。
【0100】
また、装置本体2には、本体側カップリング64(詳しくは、カップリング部材65)を本体駆動ギヤ62に向けて押すことで、本体側カップリング64をドロワ側カップリング45Dから離脱させる離脱機構70が設けられている。離脱機構70は、4つ(1つのみ図示)のカム71と、各カム71を支持する支持アーム72とを備え、この支持アーム72がフロントカバー21の開閉動作に連動して前後動するようになっている。
【0101】
カム71は、後方に向かうにつれて左側に傾斜する傾斜面71Aを有しており、この傾斜面71Aはカップリング部材65の環状フランジ65Cと前後方向で当接可能となっている。
【0102】
これにより、ユーザがフロントカバー21を開放させると、フロントカバー21の開放動作に連動して各カム71が前方に移動し、カム71の傾斜面71Aでカップリング部材65の環状フランジ65Cがコイルバネ63の付勢力に抗して押されて、本体側カップリング64がドロワ側カップリング45Dから外れ、ドロワ45を引き出すことが可能となっている。
【0103】
また、ドロワ45を前述した外側位置から内側位置に移動させることで装置本体2に装着すると、内側位置に位置したドロワ45の各ドロワ側カップリング45Dが、各本体側カップリング64と軸方向で対向する。この状態において、フロントカバー21を閉じると、各カム71で押さえられていた各本体側カップリング64が、コイルバネ63の付勢力によって右側に移動して、各ドロワ側カップリング45Dに接続(付勢)される。
【0104】
この際、ドロワ側カップリング45D(感光ドラム47A)の中心軸と本体駆動ギヤ62の中心軸とがずれたとしても、オルダム部材66がドロワ側カップリング45Dとカップリング部材65とに回転方向で係合した状態で第1径方向やこれに直交する第2径方向に移動可能となっているので、あたかもオルダム継手のようにドロワ側カップリング45Dと本体駆動ギヤ62に対してオルダム部材66が滑りながら動力を伝える。そのため、本体駆動ギヤ62から本体側カップリング64を介して良好にドロワ側カップリング45D(感光ドラム47A)に駆動力を伝達することが可能となっている。
【0105】
以上、本実施形態では、前述した効果の他、以下のような効果を得ることができる。
ドロワ側ダクト140を帯電器100のフレーム110に一体に設けたので、例えばドロワ側ダクトと帯電器のフレームを別々に構成するものに比べ、ドロワ側ダクト140とフレーム110の間の継ぎ目を無くすことができ、帯電器100内に十分な量の空気を供給することができる。
【0106】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0107】
前記実施形態では、連通部材(ドロワ側ダクト140)を帯電器100のフレーム110内に連通させたが、本発明はこれに限定されず、例えば、図10に示すように、ドロワ側ダクト150を、現像カートリッジ48に隣接した空間160に連通させてもよい。
【0108】
具体的に、図10の形態に係るドロワ側ダクト150は、前記実施形態と略同様のダクト部141とカバー部材142を備えている。そして、このドロワ側ダクト150は、前記実施形態のようにカバー部材142の仕切り壁部142Bに通気孔142Cを設ける代わりに、ダクト部141に通気孔151を設けている。
【0109】
この構造によれば、現像カートリッジ48(現像ローラ48Aと層厚規制ブレード48Cとの摺接により熱が発生する部分)に隣接した空間に十分な量の空気を供給することができるので、現像カートリッジ48を良好に冷却することができる。なお、図10の形態のように、カバー部材142の仕切り壁部142Bに通気孔142Cを形成しない場合には、イオン風のための通風路を形成することができないので、前記実施形態のようなコロナ放電方式の帯電器100ではなく、感光ドラム47Aに接触して当該感光ドラム47Aを帯電させる帯電ローラ300を設けるのが望ましい。
【0110】
また、図10の形態では、現像カートリッジ48に隣接した空間160にドロワ側ダクト150を連通させたが、本発明はこれに限定されず、例えば、現像室を有する現像器とトナー収容室を有するトナーカートリッジが別々に構成されている場合には、現像器に隣接した空間にドロワ側ダクトを連通させてもよい。
【0111】
前記実施形態では、ドロワ側位置決め部141B(ユニット側位置決め部)および本体側位置決め部230をともに前後方向(移動方向)に長い長尺状に形成したが、本発明はこれに限定されず、ユニット側位置決め部および本体側位置決め部の少なくとも一方を長尺状にすればよい。
【0112】
前記実施形態では、ユニット部材の一例としてドロワ45を例示したが、本発明はこれに限定されず、記録シートに画像を形成するための部材を有し、かつ、装置本体の内側位置と外側位置とで移動可能な部材であれば、どのようなものであってもよい。ユニット部材は、例えば、モノクロのプリンタである場合には、記録シートに画像を形成するための部材としての感光ドラムを有し、装置本体に対して着脱可能となるドラムカートリッジであってもよいし、このドラムカートリッジと現像カートリッジを一体に有するプロセスカートリッジであってもよい。
【0113】
前記実施形態では、連通部材として帯電器100のフレーム110と一体に設けられるドロワ側ダクト140を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ドロワの側壁に孔を形成して、この孔を通してドロワ外から現像器周りに空気を送る構造の場合には、ドロワの側壁を連通部材としてもよい。
【0114】
前記実施形態では、連通部材および通風部材を2部材で構成したが、本発明はこれに限定されず、1部材で構成してもよいし、3部材以上で構成してもよい。
【0115】
前記実施形態では、付勢部材として駆動力伝達部材60を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばコイルバネや板バネなどのバネ部材であってもよい。また、駆動力伝達部材は、前記実施形態のようにドロワ45を押すような付勢力を発生する駆動力伝達部材60に限らず、ドロワを引っ張るような付勢力を発生する駆動力伝達部材(例えば、特開2003−148503号公報や特開2003−186348号公報参照)であってもよい。
【0116】
また、駆動力入力部材および駆動力伝達部材は、前記実施形態のような構造に限らず、例えば斜歯ギヤなどであってもよい。つまり、例えば感光ドラムの端部に設けたドラム側斜歯ギヤと、装置本体に設けた本体側斜歯ギヤとを噛み合せることで、各ギヤの駆動時に、本体側斜歯ギヤからドラム側斜歯ギヤに対してスラスト力を発生させてドロワを付勢してもよい。
【0117】
前記実施形態では、弾性部材としてコイルバネ63を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば板バネやトーションバネなどであってもよい。
【0118】
前記実施形態では、感光体として感光ドラム47Aを採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状の感光体を採用してもよい。
【0119】
前記実施形態では、カラーレーザプリンタ1に本発明を適用したが、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 カラーレーザプリンタ
2 装置本体
23 側壁
45 ドロワ
60 駆動力伝達部材
140 ドロワ側ダクト
141B ドロワ側位置決め部
141C 開口
200 本体側ダクト
221 開口
230 本体側位置決め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
記録シートに画像を形成するための部材を有し、前記装置本体内の内側位置と、当該内側位置よりも外側に位置する外側位置との間を所定の移動方向に沿って移動可能なユニット部材と、を備えた画像形成装置であって、
前記ユニット部材は、
当該ユニット部材の内側と外側とを連通させる開口を有する連通部材と、
前記連通部材の前記開口に隣接して設けられるユニット側位置決め部と、を有し、
前記装置本体は、
前記内側位置に位置するユニット部材の前記連通部材の開口と対向し、かつ、当該連通部材とともに空気の流路を構成する通風部材と、
前記通風部材の開口に隣接して設けられる本体側位置決め部と、を有し、
前記内側位置に位置するユニット部材と前記装置本体との間には、前記ユニット部材を付勢して前記ユニット側位置決め部を前記本体側位置決め部に当接させる付勢部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ユニット側位置決め部が、前記連通部材の開口の周囲の一部から前記本体側位置決め部に向けて突出していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記付勢部材は、
前記ユニット部材に設けられる駆動力入力部材に対して、前記本体側位置決め部へ向かう付勢力を付与しながら駆動力を伝達する駆動力伝達部材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ユニット部材に対し、前記移動方向に直交する直交方向の一方側には、前記連通部材の開口、前記ユニット側位置決め部、前記通風部材および前記本体側位置決め部が設けられ、他方側には、前記駆動力入力部材および前記駆動力伝達部材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記駆動力入力部材は、前記ユニット部材に回転可能に設けられるユニット側カップリングであり、
前記駆動力伝達部材は、前記ユニット側カップリングに対して、回転方向で係合するとともに、軸方向で進退可能に構成される本体側カップリングと、当該本体側カップリングを前記ユニット側カップリングに付勢する弾性部材とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ユニット部材は、感光体を帯電させるためのコロナ放電方式の帯電器を有し、
前記連通部材は、前記帯電器のフレーム内に連通するように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記連通部材は、前記帯電器のフレームに一体に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ユニット部材は、感光体に現像剤を供給する現像ローラと、当該現像ローラに摺接する摺接部材と、前記現像ローラおよび前記摺接部材を収容する現像室とを有する現像器を備え、
前記連通部材は、前記現像器に隣接した空間に連通していることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ユニット側位置決め部および前記本体側位置決め部の少なくとも一方は、前記移動方向に長い長尺状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ユニット部材には、前記移動方向に直交する直交方向における前記ユニット側位置決め部と同じ側に配置されるユニット側電極が設けられ、
前記装置本体には、前記直交方向における前記本体側位置決め部と同じ側に配置され、前記ユニット側電極に接触する本体側電極が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ユニット部材は、
複数の感光体を支持する一対の側壁と、
当該一対の側壁に着脱可能に設けられ、かつ、前記感光体に現像剤を供給する複数の現像カートリッジとを備え、前記装置本体に対して引き出し可能に構成されるドロワであることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記感光体は、当該感光体の軸方向において前記ドロワに位置決めされていることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−76860(P2013−76860A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216861(P2011−216861)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】