説明

画像形成装置

【課題】異物侵入を抑制しながら電源冷却が可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】低圧電源が収容された収容部101の上部にはカバー板102が設けられる。低圧電源の紙面上下方向に交差する右側方において、紙面上下方向に延出する延出板103が収容部101に設けられる。収容部101では、上記右側方に向けて開口した開口部107がカバー板102と延出板103との間に形成される。従って、上下方向で落下する水滴等の異物が開口部107を介して収容部101内に侵入することを抑制できる。また、画像形成装置1の作動時に低圧電源を冷却する冷却ファンが急停止しても、収容部101の開口部107を介して収容部101内の熱気を逃し、急停止中の冷却ファンを通過した空気が収容部101内に流れ込む。この流れにより収容部101内に発生した自然対流は、収容部101内の低圧電源を冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着部の上の位置に置かれた電源を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置には、定着部の上の位置に電源が置かれたものがある。定着部の上に電源があると、電源がオフになった場合でも、定着部の余熱で電源が暖まってしまう。そこで、下記特許文献1に記載の技術のように、電源を収納する電源収納室において電源の上方に設けた排気口により、電源の冷却を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−359270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、排気口が電源の上方に位置するため、排気口から水滴等の異物が侵入すると、異物が電源に落下する。異物が電源に落下すれば、ショートや故障が電源に発生するおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、異物の侵入を抑制しながら電源の冷却を行うことができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、シート上に転写されたトナー像を定着させることにより前記シート上に画像を形成する画像形成装置であって、前記シート上に前記トナー像を定着させる定着部と、前記定着部の上方に設けられ、前記画像形成装置に給電する電源と、作動時に前記電源を冷却する冷却ファンと、前記電源が収容された収容部と、を備え、前記収容部は、前記収容部の上部に設けられたカバー板と、前記電源の上下方向に交差する側方において、前記上下方向に延出する延出板と、前記カバー板と前記延出板との間に形成され、前記側方に向けて開口した開口部と、を有すること、を特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する画像形成装置であって、前記カバー板は、前記側方に延出し、前記延出板は、前記カバー板の下方に設けられ、前記開口部は、前記カバー板と前記延出板とが上下方向において離間することにより形成された開口であり、前記カバー板は、前記側方において前記延出板部より張り出していること、を特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載する画像形成装置であって、前記収容部の前記開口部より下方に設けられた吸気口を備えたこと、を特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載する画像形成装置であって、前記収容部の側面から前記開口部へ向かうに連れて上っていく傾斜部を前記収容部の内部に設けたこと、を特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載する画像形成装置であって、前記開口部は、前記カバー板と前記電源との間に並んで設けられた複数の通気口を有し、前記複数の通気口は、前記冷却ファンから遠ざかるに連れて開口面積が大きいこと、を特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載する画像形成装置であって、前記開口部は、前記冷却ファンから遠ざかるに連れて前記上下方向における開口幅が長いこと、を特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載する画像形成装置であって、前記カバー板は、前記収容部の側面のうち前記開口部と対向する側面側よりも前記開口部側が高く傾斜していること、を特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載する画像形成装置であって、前記開口部より張り出した前記カバー板の先端から上方に突出して設けられた上方突片部を備えたこと、を特徴とする。
【0014】
また、請求項9に係る発明は、請求項4に記載する画像形成装置であって、前記開口部より張り出した前記カバー板の先端と前記開口部との間の領域の前記カバー板の先端部分から下方に突き出して設けられた下方突片部を備え、前記開口部側にある前記傾斜部の先端は、前記下方突片部の下端より下方に位置し、前記開口部に沿った前記カバー板の傾斜が、前記カバー板の両端側から中側に向かうに連れて上っていくこと、を特徴とする。
【0015】
また、請求項10に係る発明は、請求項9に記載する画像形成装置であって、前記カバー板の上面又は前記下方突片部の外面に溝を設けたこと、を特徴とする。
【0016】
また、請求項11に係る発明は、シート上に転写されたトナー像を定着させることにより前記シート上に画像を形成する画像形成装置であって、前記シート上に前記トナー像を定着させる定着部と、前記定着部の上方に設けられ、前記画像形成装置に給電する電源と、前記電源の上方に設けられ、前記定着部により前記トナー像を定着された前記シートを排紙トレイに排紙する排紙部と、前記排紙部による前記シートの排紙方向において前記排紙部の一方向側に設けられた前記排紙トレイと、前記排紙方向において前記排紙部と前記排紙トレイとの間に前記排紙方向に開口して設けられ、前記排紙部により前記シートが前記排紙トレイに排紙される際に経由する排紙口と、上下方向、及び前記排紙方向に直交する直交方向において、前記電源の一方向側に設けられ、作動時に前記画像形成装置内部の空気を前記画像形成装置の外部に吐き出すファンと、前記電源の上部に設けられ、前記電源をカバーするカバー板と、前記カバー板の下方において、前記電源の前記排紙方向における他方向側に設けられ、前記上下方向に延出する延出板と、前記カバー板と前記延出板との間に設けられ、前記排紙方向に開口した開口部と、を備えたこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
すなわち、本発明の画像形成装置は、電源が収容された収容部を有する。収容部の上部にはカバー板が設けられる。収容部に収容された電源の上下方向に交差する側方において、上下方向に延出する延出板が収容部に設けられる。収容部では、上記側方に向けて開口した開口部がカバー板と延出板との間に形成される。つまり、収容部に収容された電源の上下方向に交差する側方に向けて、収容部の開口部が開口している。従って、上下方向で落下する異物が開口部を介して収容部内に侵入することを抑制できる。また、収容部に収容された電源は、定着部の上方に設けられる。従って、画像形成装置の作動時に電源を冷却する冷却ファンが急停止しても、収容部の開口部を介して収容部内の熱気を逃し、急停止中の冷却ファンを通過した空気が収容部内に流れ込む。この流れにより収容部内に発生した自然対流は、収容部内の電源を冷却する。以上より、本発明の画像形成装置は、異物の侵入を抑制しながら電源の冷却を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態における画像形成装置1の外観斜視図である。
【図2】一部の構成を省略し、図1の中心線A−Aで画像形成装置1を切断した断面図である。
【図3】図2の一部であって、第1実施形態における収容部101付近を拡大した断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態における収容部201の上部を表した断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態における収容部301を表した断面図である。
【図6】第3実施形態における収容部301を図5の左側から右側に向かう方向で表した部分断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態における収容部401を表した断面図である。
【図8】第4実施形態における収容部401を図7の左側から右側に向かう方向で表した断面図である。
【図9】本発明の第5実施形態における収容部501を延出板103の内面に向かう方向で表した断面図である。
【図10】本発明の第6実施形態における収容部601を延出板103の内面に向かう方向で表した断面図である。
【図11】図2の一部であって、本発明の第7実施形態における収容部701付近を拡大した断面図である。
【図12】本発明の第8実施形態における収容部801の上部を表した断面図である。
【図13】図13(a)は、第8実施形態における収容部801の下方突起部802に設けられた溝804を下方突起部802の断面で表した断面図である。図13(b)は、第8実施形態における収容部801の下方突起部802に設けられた溝805を下方突起部802の断面で表した断面図である。
【図14】本発明の第9実施形態における収容部901を延出板103の内面に向かう方向で表した断面図である。
【図15】第9実施形態における収容部901をカバー板902の上面に向かう方向で表した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[1.画像形成装置の外観]
図1に表されたように、本発明の第1実施形態における画像形成装置1は、略箱型の本体筐体2を有する。本体筐体2は、排紙トレイ3、排紙口4、上部カバー5、及び複数の通気口6A,6B,6Cを有する。排紙トレイ3は、本体筐体2の上面の一部により構成される。排紙トレイ3の紙面後方部分には、排紙口4が形成される。排紙口4は、本体筐体2の内部と連通する。従って、排紙トレイ3では、本体筐体2の内部から排紙口4を介して排紙されたシートが積層状態で収納される。上部カバー5は、排紙トレイ3の外周部分にあたる本体筐体2の上面により構成される。複数の通気口6A,6B,6Cは、本体筐体2の側面に設けられる。
【0020】
[2.画像形成装置の基本内部構成]
図2に表されたように、本体筐体2の内部には、給紙部10、画像形成部20、定着部30、及び排紙部40が設けられる。尚、図2では、図示内容を分かり易くするために、殆どの断面部分に斜線を記していない。
【0021】
給紙部10は、本体筐体2内の下部に設けられる。給紙部10は、給紙カセット11、及び給紙機構部12を有する。給紙カセット11は、画像形成前のシートPを積み重ねて収納するものである。給紙カセット11は、紙面左側方向へ本体筐体2から引き出し可能に設けられる。給紙機構部12は、給紙ローラ、分離ローラ、分離パッド、及びレジストローラ等で構成される。給紙機構部12は、給紙カセット11の紙面左側の直前に設けられる。給紙機構部12は、給紙カセット11内のシートPを引き出して一枚毎に分離する。一枚に分離されたシートPは、給紙機構部12により画像形成部20に搬送される。つまり、給紙部10は、シートPを画像形成部20に給紙する機構である。
【0022】
画像形成部20は、本体筐体2の内部において、給紙部10の上部に設けられる。画像形成部20は、スキャナユニット21、4つの画像形成ユニット22、ベルトユニット23を有する。スキャナユニット21は、本体筐体2内の上部に設けられる。スキャナユニット21は、ポリゴンモータ、ポリゴンミラー、レーザ光源、反射ミラー、及びレンズを有する。スキャナユニット21は、ユーザ所望の画像データに基づくレーザ光をレーザ光源から出射する。レーザ光源は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの内の一色に対応するレーザ光を照射する。つまり、画像形成部20は、シートPに対して、ユーザ所望の画像を形成する機構部である。
【0023】
4つの画像形成ユニット22は、本体筐体2の内部において、スキャナユニット21とベルトユニット23との間で連ねて設けられる。各画像形成ユニット22は、紙面左側から紙面右側に向かう順で、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー色に対応する。各画像形成ユニット22は、感光体ドラム24、帯電器25、及び現像カートリッジ26を有する。感光体ドラム24の表面では、スキャナユニット21から出射されたレーザ光により、画像データに基づく静電潜像が生成される。帯電器25は、感光体ドラム24の紙面後側斜め上方において、感光体ドラム24の表面から所定間隔を隔てて、感光体ドラム24と対向する位置に設けられる。帯電器25は、スコロトロン型帯電器である。帯電器25は、帯電ワイヤからコロナ放電を発生させることで、感光体ドラム24の表面を一様に正極性に帯電させ得る。現像カートリッジ26は、トナー収容室、供給ローラ、現像ローラ、及び層厚規制ブレードを有する。各現像カートリッジ26のトナー収容室には、紙面左側から紙面右側に向かう順で、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナーが収容されている。各トナーは、供給ローラ等によって感光体ドラム24の表面に供給される。つまり、画像形成ユニット22は、感光体ドラム24の表面に生成された静電潜像にトナーを供給することで、その静電潜像を現像して可視像化する機構部である。
【0024】
ベルトユニット23は、4つの画像形成ユニット22と給紙部10との間に設けられる。ベルトユニット23は、一対のベルト支持ローラ27、搬送ベルト28、及び4つの転写ローラ29を有している。ベルト支持ローラ27は、本体筐体2の内部において、紙面前側と紙面後側とに離して設けられる。ベルト支持ローラ27は、駆動力が伝達されると、紙面上を時計回りに回転する。搬送ベルト28は、一対のベルト支持ローラ27に取り付けられる。搬送ベルト28は、ベルト支持ローラ27が紙面上を時計回りに回転することで、循環しながら移動する。従って、シートPは、給紙部10等により搬送ベルト28上に載せられると、紙面上の左側から右側へ向かって搬送される。つまり、シートPは、定着部30に搬送される。
【0025】
4つの転写ローラ29は、搬送ベルト28の内側で、紙面上の水平方向に一定間隔に並んで設けられる。各転写ローラ29は、搬送ベルト28を各感光体ドラム24と挟むことで、各感光体ドラム24と対向した位置にそれぞれ設けられる。従って、各転写ローラ29は、搬送ベルト28の内側上面に突き当たった状態にある。そのため、搬送ベルト28が循環して移動することに伴って、各転写ローラ29は紙面上を時計回りに回転する。搬送ベルト28上に載せられたシートPが感光体ドラム24と転写ローラ29との間を搬送ベルト28で搬送されると、転写ローラ29には負極性の転写バイアスが定電流制御で印加される。このとき、各感光体ドラム24の表面上に担持されたトナー像は、転写ローラ29に印加された転写バイアスによって、シートPに順次転写される。つまり、ベルトユニット23は、シートPを定着部30へ向かって搬送することで、感光体ドラム24の表面上に担持されたトナー像をシートPへ転写させるための機構部である。
【0026】
定着部30は、本体筐体2の内部において、ベルトユニット23の紙面右側の位置に設けられる。定着部30は、加熱ローラ31、及び加圧ローラ32を有する。加熱ローラ31は、ハロゲンランプ等の熱源を備える。加圧ローラ32は、加熱ローラ31の下方に対向する位置に設けられる。加圧ローラ32は、加熱ローラ31を押さえ付けるように加熱ローラ31に接している。加圧ローラ32は、加熱ローラ31の駆動により回転を行う。即ち、定着部30では、トナー像を坦持したシートPが加熱されつつ、加熱ローラ31と加圧ローラ32とによってシートPが挟さまれた状態で搬送される。これにより、定着部30は、シートP上のトナー像をシートPに熱定着させる。つまり、定着部30は、シートPに転写されたトナー像をシートPに熱定着させる機構部である。
【0027】
尚、定着部30の紙面右側の位置にはガイド部材33が設けられる。ガイド部材33は、トナー像が熱定着されたシートPの排紙方向を紙面上方に変更する。
【0028】
排紙部40は、中間搬送ローラユニット41、及び排紙ローラユニット42を有している。中間搬送ローラユニット41及び排紙ローラユニット42は、定着部30の上方から排紙口4へと延びるシート搬送路43に沿って設けられる。シート搬送路43では、本体筐体2内の上方部分に湾曲部44が設けられる。湾曲部44は、中間搬送ローラユニット41の上部と排紙口4の近傍を接続するように湾曲したシート搬送路43の一部を構成する。湾曲部44は、シートPが中間搬送ローラユニット41を通過する際に、シートPの排紙方向を紙面上方向から紙面左側方向に変更する。即ち、シートPの排紙方向は、排紙口4及び排紙トレイ3へ向かう方向に変更される。
【0029】
つまり、排紙部40は、シートPの排紙方向において当該排紙部40の紙面左方向側に設けられた排紙トレイ3に、画像が形成されたシートPを排紙する機構部である。また、排紙部40によりシートPが排紙トレイ3に排紙される際には、排紙中のシートPは排紙口4を経由する。つまり、排紙口4は、シートPの排紙方向において、排紙部40と排紙トレイ3との間でシートPの排紙方向に開口するように設けられる。
【0030】
中間搬送ローラユニット41は、正逆方向に回転可能な複数のローラにより構成される。中間搬送ローラユニット41は、定着部30の上方において、シート搬送路43上で搬送されるシートPを挟んだ状態で搬送する。従って、中間搬送ローラユニット41は、シートPが排紙トレイ3に排紙される際に所定方向に回転することで、湾曲部44を経由して、シートPを排紙ローラユニット42及び排紙口4に搬送する。
【0031】
排紙ローラユニット42は、本体筐体2内の上部において、排紙口4近傍に設けられる。排紙ローラユニット42は、複数のローラにより構成される。排紙ローラユニット42は、中間搬送ローラユニット41の上方において、シート搬送路43上で搬送されるシートPを挟んだ状態で搬送する。従って、排紙ローラユニット42は、シートPが排紙トレイ3に排紙される際に所定方向に回転することで、湾曲部44を経由したシートPを、排紙口4を介して、排紙トレイ3に排紙する機構部である。
【0032】
[3.第1実施形態における収容部]
図2に表されたように、定着部30の上方に収容部101が設けられる。収容部101には、低圧電源50が収められる。つまり、低圧電源50は、定着部30の上方に位置する。低圧電源50は、画像形成装置1に給電する。低圧電源50は、本発明の作用をわかりやすく説明するために、図2以外は省略する。
【0033】
低圧電源50、及び収容部101の紙面後方には、冷却ファン60が本体筐体2の内側に設けられる。つまり、紙面上下方向、及びシートPの排紙方向に直交する紙面前方に向けて冷却ファン60が設けられる。冷却ファン60は、画像形成装置1の作動時に低圧電源50を冷却する。冷却ファン60は、画像形成装置1の作動時に空気を画像形成装置1外に吐き出すことで、低圧電源50を冷却する吐き出しファンである。そのため、収容部101には、冷却ファン60による強制的な気流を収容部101の内部から外部に流すための連通口が設けられる。さらに、冷却ファン60は、上記図1に表された複数の通気口6A,6B,6Cを介して、画像形成装置1の作動時に本体筐体2内の空気を画像形成装置1の外部に吐き出す。
【0034】
図3に表されたように、収容部101は、カバー板102、延出板103、及び複数の壁面板104,105,106等で構成されたエンクロージャーである。壁面板104,105,106とカバー板102とで段差が設けられる。カバー板102は、紙面水平方向に延びている。カバー板102は、収容部101の上部に設けられる。つまり、カバー板102は、低圧電源50の上部に位置する。従って、カバー板102は、低圧電源50の上側から低圧電源50を覆う。延出板103は、カバー板102の下方において、紙面上下方向に延びて設けられる。さらに、延出板103は、低圧電源50に対して紙面上下方向と交差する紙面右側に位置する。つまり、延出板103は、低圧電源50に対して排紙口4におけるシートPの排紙方向とは反対方向側に設けられる。
【0035】
カバー板102と延出板103との間には開口部107が設けられる。つまり、開口部107は、カバー板102と延出板103との間が紙面上下方向で離れて形成された開口である。また、収容部101においては、排紙部40のシート搬送路43上のシートPの排紙方向に向けて開口部107が設けられる。言い換えれば、収容部101においては、紙面上下方向と交差する紙面右側に開口部107が設けられる。
【0036】
以上より、開口部107は、紙面上下方向と交差する紙面右側で本体筐体2内の湾曲部44と向かい合う。つまり、本体筐体2内の湾曲部44から開口部107を介して収容部101の中に入り込む方向は紙面左方向である。一方、排紙口4は、収容部101の各壁面板104,105,106、及びカバー板102の紙面上方向に位置する。また、本体筐体2外から排紙口4を介して本体筐体2内の湾曲部44に入り込む方向は紙面右方向である。すなわち、本体筐体2外からは、排紙口4を介して、本体筐体2内の湾曲部44や収容部101のカバー板102を見ることはできるが、収容部101の開口部107を見ることができない。これに対して、収容部101の中からは、開口部107を介して、本体筐体2内の湾曲部44を見ることはできるが、排紙口4を見ることはできない。また、開口部107と排紙口4とは、本体筐体2内の湾曲部44を介して通し連なる位置関係にある。さらに、排紙口4の位置は、開口部107の位置よりも高い。
【0037】
すなわち、第1実施の形態では、低圧電源50が収容された収容部101を有する。収容部101の上部にはカバー板102が設けられる。収容部101に収容された低圧電源50の紙面上下方向に交差する右側方において、紙面上下方向に延出する延出板103が収容部101に設けられる。収容部101では、上記右側方に向けて開口した開口部107がカバー板102と延出板103との間に形成される。つまり、収容部101に収容された低圧電源50の紙面上下方向に交差する右側方に向けて、収容部101の開口部107が開口している。従って、上下方向で落下する水滴等の異物が開口部107を介して収容部101内に侵入することを抑制できる。また、収容部101に収容された低圧電源50は、定着部30の上方に設けられる。従って、画像形成装置1の作動時に低圧電源50を冷却する冷却ファン60が急停止しても、収容部101の開口部107を介して収容部101内の熱気を逃し、急停止中の冷却ファン60を通過した空気が収容部101内に流れ込む。この流れにより収容部101内に発生した自然対流は、収容部101内の低圧電源50を冷却する。以上より、画像形成装置1では、第1実施形態における収容部101によって、異物の侵入を抑制しながら低圧電源50の冷却を行うことができる。
【0038】
特に、第1実施の形態では、収容部101の開口部107を介して収容部101外に流れた熱気は、本体筐体2内の湾曲部44に案内されて上昇する。この点、排紙口4の位置が開口部107の位置よりも高い。さらに、本体筐体2外からは、排紙口4を介して、本体筐体2内の湾曲部44を見ることができる。従って、その上昇した熱気は、本体筐体2内の湾曲部44から排紙口4を通って、本体筐体2外に流れやすい。さらに、本体筐体2外からは、排紙口4を介して、収容部101のカバー板102を見ることはできるが、収容部101の開口部107は見ることができない。従って、排紙口4を介して、本体筐体2内に異物が侵入しても、その異物は収容部101の開口部107に直接に向かうことはできない。つまり、第1実施形態における収容部101は、異物の侵入を抑制しながら低圧電源50の冷却を行うことができる効果が大きい。
【0039】
尚、カバー板102は収容部101の一部を構成する。もっとも、カバー板102に代えて、収容部101とは別個のカバー板が設けられた場合であっても、その別個のカバー板は収容部101の一部を構成する。
【0040】
[4.第2実施形態における収容部]
第2実施形態においては、第1実施形態における構成と同様の構成については第1実施形態における符号と同一の符号を付す。同一の符号を付された構成の説明は省略する。
【0041】
図4に表されたように、収容部201は、カバー板202、延出板103、及び複数の壁面板104,105,106等で構成されたエンクロージャーである。壁面板104,105,106とカバー板202とで段差が設けられる。カバー板202は、紙面水平方向に延びている。カバー板202は、収容部101の上部に設けられる。つまり、カバー板202は、低圧電源50の上部に位置する。従って、カバー板202は、低圧電源50の上側から低圧電源50を覆う。
【0042】
カバー板202と延出板103との間には開口部107が設けられる。つまり、開口部107は、カバー板202と延出板103との間が紙面上下方向に離れて形成された開口である。
【0043】
さらに、カバー板202は、低圧電源50に対して紙面上下方向と交差する紙面右側の方向に伸び出すことで、二点鎖線203で示すように、延出板103、及び開口部107より張り出している。
【0044】
すなわち、第2実施形態では、上記第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。つまり、第2実施形態では、カバー板202は、二点鎖線203で示すように、延出板103、及び開口部107より張り出している。従って、カバー板202上に水滴等の異物が載った場合に、その異物がカバー板202から落下したとしても、カバー板202の張り出しによって、開口部107、及び延出板103に対して紙面右側で落下する。つまり、水滴等の異物が開口部107を介して収容部101内に侵入することを一段と抑制できる。
【0045】
尚、カバー板202は収容部101の一部を構成する。もっとも、カバー板202に代えて、収容部101とは別個のカバー板が設けられた場合であっても、その別個のカバー板は収容部101の一部を構成する。
【0046】
[5.第3実施形態における収容部]
第3実施形態においては、第2実施形態における構成と同様の構成については第2実施形態における符号と同一の符号を付す。同一の符号を付された構成の説明は省略する。
【0047】
図5に表されたように、収容部301は、底面板302を有する。さらに、収容部301には、開口部107より下方において吸気口303が設けられる。具体的には、吸気口303は、収容部301の最下部に設けられる。さらに、吸気口303は、冷却ファン60に対向した位置に設けられる。そして、図6に表されたように、冷却ファン60が急停止した際には、収容部301内の熱気は開口部107を介して収容部301外に自然に流出する。それに伴って、冷却ファン60、及び吸気口303を介して収容部301内に空気が自然に流入する。これらの流れにより、符号304,305等に示すように、側方、且つ下方から上方に向けて自然対流が収容部301内に発生する。
【0048】
すなわち、第3実施形態では、上記第1実施形態、及び上記第2実施形態の各効果に加えて、以下の効果を奏する。つまり、第3実施形態では、収容部301の内部において、吸気口303を下方に寄せることで、収容部301内の下部に空気が滞留することを抑制できる。特に、第3実施形態では、収容部301の最下部に吸気口303が設けられる。従って、収容部301内の下部に空気が滞留することを一段と抑制できる。尚、第3実施形態では、収容部301の最下部に吸気口303が設けられていた。しかし、例えば、収容部301の中央部よりも下方に吸気口303を設けても、収容部301内の下部に空気が滞留することを抑制し得る。
【0049】
[6.第4実施形態における収容部]
第4実施形態においては、第3実施形態における構成と同様の構成については第3実施形態における符号と同一の符号を付す。同一の符号を付された構成の説明は省略する。
【0050】
図7に表されたように、収容部401の内部では、壁面板106とカバー板202との双方に当接させた状態で傾斜部402が設けられる。従って、傾斜部402は、壁面板106から開口部107へ向かうに連れて上がっていく。また、カバー板202と傾斜部402とが当接する箇所は、二点鎖線203で示すように、延出板103、及び開口部107より張り出していない位置にある。つまり、カバー板202と傾斜部402とが当接する箇所は、延出板103、及び開口部107より収容部401の内側に位置する。さらに、図8に表されたように、収容部401の内部では、冷却ファン60側の上方において、収容部401の側面から開口部107へ向かうに連れて上っていく傾斜部403が設けられる。また、収容部401の内部では、吸気口303側の上方において、収容部401の側面から開口部107へ向かうに連れて上っていく傾斜部404が設けられる。
【0051】
そして、図8に表されたように、冷却ファン60が急停止した際には、収容部401内の熱気は開口部107を介して収容部401外に自然に流出する。それに伴って、冷却ファン60及び吸気口303を介して収容部401内に空気が自然に流入する。これらの流れにより、上述したように、符号304,305等に示すように側方、且つ下方から上方に向けて自然対流が図7に表された傾斜部402に沿って収容部401内に発生する。さらに、収容部401内の上隅部においても、符号405,406等に示すように側方、且つ下方から上方に向けて自然対流が傾斜部403,404に沿って発生する。
【0052】
すなわち、第4実施形態では、上記第1実施形態、上記第2実施形態、及び上記第3実施形態の各効果に加えて、以下の効果を奏する。つまり、第4実施形態では、収容部401の内部において、傾斜部402,403,404を設けることで、収容部401内に発生した自然対流を開口部107にスムーズに向けることができる。特に、第4実施形態では、傾斜部402,403,404によって、収容部401内の上隅部に熱気が滞留することを確実に防止する。
【0053】
[7.第5実施形態における収容部]
第5実施形態においては、第3実施形態における構成と同様の構成については第3実施形態における符号と同一の符号を付す。同一の符号を付された構成の説明は省略する。
【0054】
図9に表されたように、収容部501では、カバー板202の下側で3つの通気口502,503,504が並んで延出板103に設けられる。つまり、収容部501に収められた低圧電源50とカバー板202との間において、3つの通気口502,503,504が並んで設けられる。3つの通気口502,503,504は、冷却ファン60から遠ざかるに連れて開口面積が大きく設けられる。つまり、3つの通気口502,503,504は、紙面左側から紙面右側の方向に並んだ順番で、開口面積が大きく設けられる。これらの通気口502,503,504の集合物は、上述した開口部107を構成する。
【0055】
そして、冷却ファン60が通常稼働した際には、冷却ファン60を介して、符号505,506等に示すような気流が収容部501の内部から外部に向かって強制的に発生する。それに伴って、吸気口303を介して、符号507等に示すような気流が収容部501の外部から内部に向かって発生する。さらに、各通気口502,503,504を介して、符号508,509,510等に示すような気流が収容部501の外部から内部に向かって発生する。この点、冷却ファン60による強制的な気流の影響は、冷却ファン60から遠ざかるに連れて弱くなる。しかしながら、3つの通気口502,503,504は、冷却ファン60から遠ざかるに連れて開口面積が大きく設けられる。従って、3つの通気口502,503,504は、冷却ファン60による強制的な気流の影響を均一に分散させることができる。そのため、3つの通気口502,503,504を介して収容部501の内部に流れ込む各空気量はほぼ均一となる。
【0056】
すなわち、第5実施形態では、上記第1実施形態、上記第2実施形態、及び上記第3実施形態の各効果に加えて、以下の効果を奏する。つまり、第5実施形態では、冷却ファン60から遠ざかるに連れて開口面積が大きく設けられた3つの通気口502,503,504からなる開口部107により、冷却ファン60の通常稼働時において収容部501の内部に流れ込む各空気量をほぼ均一にする。そのため、収容部501内の低圧電源50がほぼ均等に冷却される。
【0057】
尚、カバー板202の下側で並んで延出板103に設けられる通気口の個数は、冷却ファン60から遠ざかるに連れて通気口の開口面積が大きく設けられるならば、上述した第5実施形態のような3つに限られることはない。そのような通気口の個数は、2つ又は4つ以上のいずれであってもよい。また、上述した第5実施形態の技術は、上記図3に表された第1実施形態、上記図4に表された第2実施形態、上記図5等に表された第3実施形態、又は上記図7等に表された第4実施形態のいずれに対しても適用できる。
【0058】
[8.第6実施形態における収容部]
第6実施形態においては、第3実施形態における構成と同様の構成については第3実施形態における符号と同一の符号を付す。同一の符号を付された構成の説明は省略する。
【0059】
図10に表されたように、収容部601では、カバー板202と延出板103との間に開口部107が設けられる。開口部107では、冷却ファン60から遠ざかるに連れて紙面上下方向における開口幅Dが長くなる。
【0060】
そして、冷却ファン60が通常稼働した際には、冷却ファン60を介して、符号605,606等に示すような気流が収容部601の内部から外部に向かって強制的に発生する。それに伴って、吸気口303を介して、符号607等に示すような気流が収容部601の外部から内部に向かって発生する。さらに、開口部107を介して、符号608,609,610等に示すような気流が収容部601の外部から内部に向かって発生する。この点、冷却ファン60による強制的な気流の影響は、冷却ファン60から遠ざかるに連れて弱くなる。しかしながら、開口部107は、冷却ファン60から遠ざかるに連れて紙面上下方向における開口幅Dが長くなる。つまり、開口部107は、冷却ファン60から遠ざかるに連れて開口面積が大きくなる。従って、開口部107は、冷却ファン60による強制的な気流の影響を均一に分散させることができる。そのため、開口部107を介して収容部601の内部に流れ込む各空気量は、その流れ込み箇所から冷却ファン60までの距離に関係なく、ほぼ均一になる。
【0061】
すなわち、第6実施形態では、上記第1実施形態、上記第2実施形態、及び上記第3実施形態の各効果に加えて、以下の効果を奏する。つまり、第6実施形態では、冷却ファン60から遠ざかるに連れて紙面上下方向における開口幅Dが長くなる開口部107により、冷却ファン60の通常稼働時において収容部601の内部に流れ込む各空気量をほぼ均一にする。そのため、収容部601内の低圧電源50がほぼ均等に冷却される。
【0062】
また、上述した第6実施形態の技術は、上記図3に表された第1実施形態、上記図4に表された第2実施形態、上記図5等に表された第3実施形態、又は上記図7等に表された第4実施形態のいずれに対しても適用できる。
【0063】
[9.第7実施形態における収容部]
第7実施形態においては、第1実施形態における構成と同様の構成については第1実施形態における符号と同一の符号を付す。同一の符号を付された構成の説明は省略する。
【0064】
図11に表されたように、収容部701は、カバー板702、延出板103、及び複数の壁面板104,105,106等で構成されたエンクロージャーである。壁面板104,105,106とカバー板702とで段差が設けられる。カバー板702は、収容部701の上部に設けられる。つまり、カバー板702は、低圧電源50の上部に位置する。従って、カバー板702は、低圧電源50の上側から低圧電源50を覆う。
【0065】
カバー板702と延出板103との間には開口部107が設けられる。つまり、開口部107は、カバー板702と延出板103との間が紙面上下方向に離れて形成された開口である。
【0066】
カバー板702は、収容部701の上部において、開口部107と対向する壁面板106側よりも開口部107側が高く傾斜するように設けられる。さらに、カバー板702は、低圧電源50に対して紙面上下方向と交差する紙面右側の方向に伸び出すことで、二点鎖線703で示すように、延出板103、及び開口部107より張り出している。開口部107より張り出したカバー板702の先端には、紙面上方に突出した上方突片部704が設けられる。
【0067】
すなわち、第7実施形態では、上記第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。つまり、第7実施形態では、カバー板702は、二点鎖線703で示すように、延出板103、及び開口部107より張り出している。また、カバー板702の先端には、紙面上方に突出した上方突片部704が設けられる。さらに、カバー板702は、開口部107と対向する壁面板106側よりも開口部107側が高く傾斜している。従って、カバー板702上に水滴等の異物が載ったとしても、その異物が開口部107に回り込むことを上方突片部704により確実に防止できる。さらに、カバー板702上に載った水滴等の異物は、カバー板702の傾斜により、開口部107側から開口部107と対向する壁面板106側に誘導される。これにより、開口部107を介して水滴等の異物が収容部701内に侵入することを格段と抑制できる。さらに、第7実施形態では、カバー板702の傾斜により、収容部701内の熱気を開口部107を通して収容部701外にスムーズに導くことができる。
【0068】
尚、カバー板702は収容部101の一部を構成する。もっとも、カバー板702に代えて、収容部701とは別個のカバー板が設けられた場合であっても、その別個のカバー板は収容部701の一部を構成する。
【0069】
また、上述した第7実施形態の技術は、上記図7等に表された第4実施形態、上記図9に表された第5実施形態、又は上記図10に表された第6実施形態に対しても適用できる。
【0070】
[10.第8実施形態における収容部]
第8実施形態においては、第2実施形態における構成と同様の構成については第2実施形態における符号と同一の符号を付す。同一の符号を付された構成の説明は省略する。
【0071】
図12に表されたように、収容部801では、開口部107より張り出したカバー板202の先端と開口部107との間の領域であるカバー板202の先端部分において、下方に突き出した下方突片部802が設けられる。つまり、下方突片部802は、二点鎖線203で示すように、延出板103、及び開口部107より張り出したカバー板202の先端部分に設けられる。また、収容部801の内部には、壁面板106から開口部107へ向かうに連れて上がっていく傾斜部803が壁面板106に設けられる。傾斜部803は、開口部107側にある傾斜体803の先端が下方突片部802の下端より下方に位置する。
【0072】
図13(a)に表されたように、下方突片部802には、カバー板202の紙面前後方向に沿った2個の溝804が設けられる。つまり、各溝804は、紙面上下方向と交差する紙面右側で、上記図2に表された本体筐体2内の湾曲部44と向かい合う。尚、このようにして下方突片部802に設けられる溝の個数は、本第8実施形態のような2つに限られることはない。そのような溝の個数は、1つ又は3つ以上のいずれであってもよい。
【0073】
これに対して、図13(b)に表されたように、下方突片部802には、下方突片部802の下端部分が紙面上下方向と交差する紙面右側に折り曲げられたことによって、溝805を設けてもよい。つまり、溝805は、紙面上下方向と交差する紙面右側で、上記図2に表された本体筐体2内の湾曲部44と向かい合う。尚、このような溝805は、下方突片部802の折曲部材を個別に用意することで設けてもよい。個別に用意された折曲部材は、下方突片部802の下端部分において、紙面上下方向と交差する紙面右側に突き出すように設けられる。
【0074】
すなわち、第8実施形態では、上記第1実施形態、及び上記第2実施形態の各効果に加えて、以下の効果を奏する。つまり、第8実施形態では、カバー板202の先端は、二点鎖線203で示すように、延出板103、及び開口部107より張り出す。その張り出したカバー板202の先端には、紙面下方に突出した下方突片部802が設けられる。従って、カバー板202上に水滴等の異物が載ったとしても、その異物が開口部107に回り込むことを下方突片部802により確実に防止できる。さらに、開口部107に回り込もうとした水滴等の異物は、下方突片部802において紙面右側に設けられた溝804,805により、開口部107から離れるように誘導することができる。
【0075】
[11.第9実施形態における収容部]
第9実施形態においては、第8実施形態における構成と同様の構成については第8実施形態における符号と同一の符号を付す。同一の符号を付された構成の説明は省略する。
【0076】
図14、及び図15に表されたように、収容部901は、カバー板902、延出板103、複数の壁面板104,105,106、及び底面板900等で構成されたエンクロージャーである。壁面板104,105,106とカバー板902とで段差が設けられる。カバー板902は、収容部901の上部に設けられる。つまり、カバー板902は、低圧電源50の上部に位置する。従って、カバー板902は、低圧電源50の上側から低圧電源50を覆う。
【0077】
カバー板902と延出板103との間には開口部107が設けられる。つまり、開口部107は、カバー板902と延出板103との間が紙面上下方向に離れて形成された開口である。
【0078】
さらに、カバー板902の上面は、二点鎖線903で示されるように、カバー板902の両端902A,902B側から中側にある稜線902Cに向かうに連れて上っていく傾斜を有する。さらに、カバー板902の上面には、4つの溝904,905,906,907が設けられる。カバー板902の上面に設けられる溝の個数は、本第9実施形態のような4つに限られることはない。そのような溝の個数は、3つ以下又は5つ以上のいずれであってもよい。
【0079】
すなわち、第9実施形態では、上記第1実施形態、上記第2実施形態、及び上記第8実施形態の各効果に加えて、以下の効果を奏する。つまり、第9実施形態では、カバー板902の上面は、二点鎖線903で示されるように、カバー板902の両端902A,902B側から中側にある稜線902Cに向かうに連れて上っていく傾斜を有する。従って、カバー板902上に水滴等の異物が載ったとしても、カバー板902上の異物は、カバー板902の傾斜によって、カバー板902の両端902A,902B側に導かれる。これにより、カバー板902上の異物を開口部107から離れるように誘導することができる。さらに、カバー板902の上面に設けられた溝904,905,906,907により、開口部107から離れるように誘導することを向上させる。
【0080】
尚、カバー板902は収容部901の一部を構成する。もっとも、カバー板902に代えて、収容部901とは別個のカバー板が設けられた場合であっても、その別個のカバー板は収容部901の一部を構成する。
【0081】
[12.その他]
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0082】
[12.−1 各実施形態における開口部]
例えば、各実施形態における開口部107は、上記図2の紙面上下方向と交差する紙面右側で本体筐体2内の湾曲部44と向かい合うように開口している。この点、各実施形態における開口部107は、上記図2の紙面上下方向と交差する紙面左側に向けて開口してもよい。あるいは、各実施形態における開口部107は、上記図2の紙面上下方向と交差する紙面前側、又は紙面後側のいずれかに向けて開口してもよい。
【0083】
[12.−2 各実施形態における冷却ファン]
また、上記図6、上記図8、上記図9、上記図10、上記図14における冷却ファン60は、紙面左側にある。この点、これらの図面に表された冷却ファン60は、紙面右側にあってもよい。つまり、冷却ファン60は、紙面上、左右逆であってもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 画像形成装置
3 排紙トレイ
4 排紙口
30 定着部
40 排紙部
50 低圧電源(電源)
60 冷却ファン
101 収容部
102 カバー板
103 延出板
107 開口部
201 収容部
202 カバー板
301 収容部
303 吸気口
401 収容部
402 傾斜部
403 傾斜部
404 傾斜部
501 収容部
502 開口部
503 開口部
504 開口部
601 収容部
701 収容部
702 カバー板
704 上方突片部
801 収容部
802 下方突起部
803 傾斜部
804 下方突起部の溝
805 下方突起部の溝
901 収容部
902 カバー板
904 カバー板の溝
905 カバー板の溝
906 カバー板の溝
907 カバー板の溝
D 開口部の上下方向における開口幅
P シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート上に転写されたトナー像を定着させることにより前記シート上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記シート上に前記トナー像を定着させる定着部と、
前記定着部の上方に設けられ、前記画像形成装置に給電する電源と、
作動時に前記電源を冷却する冷却ファンと、
前記電源が収容された収容部と、を備え、
前記収容部は、
前記収容部の上部に設けられたカバー板と、
前記電源の上下方向に交差する側方において、前記上下方向に延出する延出板と、
前記カバー板と前記延出板との間に形成され、前記側方に向けて開口した開口部と、 を有すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載する画像形成装置であって、
前記カバー板は、前記側方に延出し、
前記延出板は、前記カバー板の下方に設けられ、
前記開口部は、前記カバー板と前記延出板とが上下方向において離間することにより形成された開口であり、
前記カバー板は、前記側方において前記延出板部より張り出していること、を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する画像形成装置であって、
前記収容部の前記開口部より下方に設けられた吸気口を備えたこと、を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載する画像形成装置であって、
前記収容部の側面から前記開口部へ向かうに連れて上っていく傾斜部を前記収容部の内部に設けたこと、を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載する画像形成装置であって、
前記開口部は、前記カバー板と前記電源との間に並んで設けられた複数の通気口を有し、
前記複数の通気口は、前記冷却ファンから遠ざかるに連れて開口面積が大きいこと、を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載する画像形成装置であって、
前記開口部は、前記冷却ファンから遠ざかるに連れて前記上下方向における開口幅が長いこと、を特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載する画像形成装置であって、
前記カバー板は、前記収容部の側面のうち前記開口部と対向する側面側よりも前記開口部側が高く傾斜していること、を特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載する画像形成装置であって、
前記開口部より張り出した前記カバー板の先端から上方に突出して設けられた上方突片部を備えたこと、を特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項4に記載する画像形成装置であって、
前記開口部より張り出した前記カバー板の先端と前記開口部との間の領域の前記カバー板の先端部分から下方に突き出して設けられた下方突片部を備え、
前記開口部側にある前記傾斜部の先端は、前記下方突片部の下端より下方に位置し、
前記開口部に沿った前記カバー板の傾斜が、前記カバー板の両端側から中側に向かうに連れて上っていくこと、を特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9に記載する画像形成装置であって、
前記カバー板の上面又は前記下方突片部の外面に溝を設けたこと、を特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
シート上に転写されたトナー像を定着させることにより前記シート上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記シート上に前記トナー像を定着させる定着部と、
前記定着部の上方に設けられ、前記画像形成装置に給電する電源と、
前記電源の上方に設けられ、前記定着部により前記トナー像を定着された前記シートを排紙トレイに排紙する排紙部と、
前記排紙部による前記シートの排紙方向において前記排紙部の一方向側に設けられた前記排紙トレイと、
前記排紙方向において前記排紙部と前記排紙トレイとの間に前記排紙方向に開口して設けられ、前記排紙部により前記シートが前記排紙トレイに排紙される際に経由する排紙口と、
上下方向、及び前記排紙方向に直交する直交方向において、前記電源の一方向側に設けられ、作動時に前記画像形成装置内部の空気を前記画像形成装置の外部に吐き出すファンと、
前記電源の上部に設けられ、前記電源をカバーするカバー板と、
前記カバー板の下方において、前記電源の前記排紙方向における他方向側に設けられ、前記上下方向に延出する延出板と、
前記カバー板と前記延出板との間に設けられ、前記排紙方向に開口した開口部と、を備えたこと、を特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−80170(P2013−80170A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221102(P2011−221102)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】