説明

画像形成装置

【課題】ユーザーへの負担を抑えた代理印刷を可能とする画像形成装置を提供する。
【解決手段】MFP100は、PC200から登録されたジョブを記憶する。このようなジョブには、代理印刷用のジョブが含まれる。代理印刷用のジョブについて、MFP100では、当該ジョブを登録させたユーザー(オーナーユーザー)、および、当該ジョブの印刷を許可されたユーザー(許可ユーザー)が登録される。そして、MFP100では、許可ユーザーがログインしたときに、当該ユーザーが許可ユーザーとされるジョブが登録されている場合には、その旨が報知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、ユーザーが別のユーザーに印刷処理の代行を依頼することができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、印刷ジョブをユーザーごとに管理した上で、ユーザーが別のユーザーに印刷処理の代行を依頼することにより印刷処理を実行させることができる、いわゆる代理印刷の技術について、種々開示がなされている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2007−121669号公報)や特許文献2(特開2008−040564号公報)には、印刷処理を代理するユーザーについて「代行アカウント」が発行される。
【0004】
また、特許文献3(特開2006−260023号公報)には、複数のユーザーもしくはユーザーグループ情報を付与した印刷ジョブを発行し、指定されたユーザーがアクセス可能とする技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献4(特開2010−139777号公報)には、共有ジョブの利用制限を緩和する(Ownerの権限で実行可能とする)ための技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献5(特開2011−059254号公報)には、カウントを利用者以外のものに割り当てる技術が開示されている。
【0007】
また、特許文献6(特開2009−070238号公報)には、まずジョブ内に付与されたアカウントを持つユーザーが画像形成装置にログインしてモード変更し、次に、実際に印刷したい人が認証情報を入力して、画像形成装置に登録されたジョブの権限を委譲する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−121669号公報
【特許文献2】特開2008−040564号公報
【特許文献3】特開2006−260023号公報
【特許文献4】特開2010−139777号公報
【特許文献5】特開2011−059254号公報
【特許文献6】特開2009−070238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された技術によれば、予め「代行アカウント」を発行するという処理が必要とされ、煩雑であった。また、代行者においては、これまで使用していた自分のアカウントとは異なる「代行アカウント」を記憶し、装置認証画面で正しく入力する必要があり、負担が生じていた。なお、代行アカウントの入力の際には、当然、それまで当該代行者が自身のために使用していたIC(Integrated Circuit)カードや生体認証を使用することが出来ない。
【0010】
また、特許文献3に記載の技術は、いわゆるプルプリントに限られた技術であり、当該技術では、上限管理や権限について考慮がなされておらず、たとえばカウント管理等が正しく行なえない。
【0011】
また、特許文献4に記載の技術では、利用できるユーザーの指定(特定)ができず、ユーザーを限定して印刷ジョブ等の管理をすることができない。
【0012】
また、特許文献5に記載の技術では、ログイン時に、ユーザーが他部門のコードを設定するものであって、利用者が的確に目的のコードを指定する必要があり、代理印刷等を実行するユーザーに負担をかけることになる。
【0013】
また、特許文献6に記載の技術では、ジョブを発行したユーザーと、ジョブを実行するユーザーの両者が揃って画像形成装置を操作する必要があり、ユーザーに負担をかけると考えられる。
【0014】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ユーザーへの負担を抑えた代理印刷を可能とする画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に従った画像形成装置は、印刷動作を実行するための画像形成手段と、ユーザーを認証するための認証手段と、所定のジョブを記憶するための記憶手段とを備え、記憶手段は、所定のジョブが記憶手段に記憶させたユーザーであるオーナーユーザー、および、所定のジョブの画像形成手段による印刷を許可されたユーザーである許可ユーザーを特定する情報である、許可情報を記憶し、認証手段において許可情報に含まれるユーザーが認証された場合に、記憶手段に所定のジョブが記憶されていることを報知するための処理を実行するための制御手段をさらに備える。
【0016】
好ましくは、記憶手段は、所定のジョブが所定のジョブを実行させる際にオーナーユーザーの操作権限を利用可能か否かを特定する情報である権限情報と、所定のジョブの印刷のためにカウント値を消費されるユーザーを特定する消費情報とを、さらに記憶し、記憶手段に記憶されたジョブについての印刷設定についての情報の入力を受付ける受付手段をさらに備え、受付手段は、権限情報によって特定される情報に従った操作権限に従って、所定のジョブについての印刷設定についての情報の入力を受け付け、制御手段は、所定のジョブが画像形成手段によって印刷された場合に、消費情報において特定されたユーザーのアカウントに対応したカウント値を消費するための処理を実行する。
【0017】
好ましくは、制御手段は、消費情報において特定されたユーザーのアカウントに対応したカウント値が、所定のジョブの印刷に対して不足している場合には、許可情報に含まれる当該特定されたユーザー以外のユーザーからカウント値の使用の許可を受けたことを条件として、画像形成手段に所定のジョブの印刷を指示する。
【0018】
好ましくは、制御手段は、消費情報において許可ユーザーが特定されている場合には、当該許可ユーザーからカウント値の使用の許可を受けたことを条件として、画像形成手段に所定のジョブの印刷を指示する。
【0019】
好ましくは、制御手段は、認証手段において許可情報に含まれるユーザーが認証された場合に、当該ユーザーがオーナーユーザーとされているジョブよりも許可ユーザーとされているジョブを優先的に報知する。
【0020】
好ましくは、制御手段は、認証手段において許可情報に含まれるユーザーが認証された場合に、当該ユーザーがオーナーユーザーとされているジョブと、許可ユーザーとされているジョブとを、区別して報知する。
【0021】
好ましくは、制御手段は、認証手段において許可情報にオーナーユーザーとして含まれるユーザーが認証された場合には、画像形成手段に所定のジョブの印刷を指示し、認証手段において許可情報に許可ユーザーとして含まれるユーザーが認証された場合には、当該ユーザーに所定のジョブの印刷の可否を問合せ、当該ユーザーから印刷の指示を受けたことを条件として、画像形成手段に所定のジョブの印刷を指示する。
【0022】
好ましくは、制御手段は、画像形成手段に、認証手段において許可情報にオーナーユーザーとして含まれるユーザーが認証されたことに基づく所定のジョブの印刷と、認証手段において許可情報に許可ユーザーとして含まれるユーザーが認証されたことに基づく所定のジョブの印刷とを、区別して出力させる。
【0023】
好ましくは、制御手段は、認証手段において許可情報に含まれるユーザーが認証された場合であって、画像形成手段が所定のジョブの印刷動作を既に実行した場合には、そのことを報知する。
【0024】
好ましくは、記憶手段は、所定のジョブを記憶手段から削除するタイミングを特定する情報である削除タイミング情報をさらに記憶する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、画像形成装置において登録された代理印刷ジョブに対応する許可情報に含まれるユーザーが認証された場合に、当該代理印刷ジョブが登録されていることが報知される。
【0026】
これにより、画像形成装置において、ユーザーへの負担を抑えた代理印刷を可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に従った画像形成装置を含む画像形成システムの概略構成を模式的に示す図である。
【図2】図1のMFP(Multi Function Peripheral)ハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】図1のパーソナルコンピューター(PC)において印刷ジョブをMFPに登録する際に表示される画面の一例を示す図である。
【図4】図3の画面においてボタンが操作されることによって表示される画面の一例を示す図である。
【図5】代理印刷ジョブテーブルにおける登録内容の一例を模式的に示す図である。
【図6】代理印刷ジョブテーブルにおける登録内容の他の例を模式的に示す図である。
【図7】代理印刷ジョブテーブルにおける登録内容のさらに他の例を模式的に示す図である。
【図8】代理印刷ジョブテーブルにおける登録内容のさらに他の例を模式的に示す図である。
【図9】代理印刷ジョブテーブルにおける登録内容のさらに他の例を模式的に示す図である。
【図10】図1のMFPにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図11】図1のMFPにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図12】図1のMFPにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図13】図1のMFPにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図14】図1のMFPにおいて実行される処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施の形態である画像形成装置について説明する。なお、各図において、同じ要素には同じ符号を付し、その説明は繰り返されない場合がある。
【0029】
<画像形成システムの構成>
図1は、本発明に従った画像形成装置を含む画像形成システムの概略構成を模式的に示す図である。
【0030】
画像形成システムは、画像形成装置の一例であるMFP100と、MFP100と通信可能な情報処理装置の一例であるパーソナルコンピューター(以下、「PC」という)200とを含む。MFP100とPC200の間の通信は、公知のいかなる通信方法に従ったものであっても良く、有線であっても無線であっても良い。本実施の形態の画像形成システム900では、MFP100に、サーバー機能が備えられていても良い。
【0031】
本実施の形態では、MFP100は、PC200から登録されたジョブを記憶する。このようなジョブには、代理印刷用のジョブが含まれる。後述するように、MFP100では、代理印刷用のジョブについて、当該ジョブを登録させたユーザー(オーナーユーザー)、および、当該ジョブの印刷を許可されたユーザー(許可ユーザー)が登録される。そして、MFP100では、許可ユーザーがログインしたときに、当該ユーザーが許可ユーザーとされるジョブが登録されている場合には、その旨が報知される。
【0032】
<MFPの構成>
図2は、MFP(Multi Function Peripheral)100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0033】
図2を参照して、MFP100は、MFP100全体を制御するためのコントローラー10を備える。コントローラー10は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置を含む。また、MFP100は、コントローラー10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、コントローラー10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読取って画像データを得るための画像読み取り部13と、画像データを印刷用紙上に固定するための画像形成部14と、情報を表示するための液晶表示装置等によって実現される表示部15と、当該MFP100に対する操作入力を受付けるためのタッチセンサやボタンなどによって実現される入力部19と、画像データ等を保存するためのハードディスクドライブ(HDD)16と、PC200等の他の機器と通信するために備えられネットワークカード等によって実現される通信部18とを含む。
【0034】
なお、コントローラー10が実行するプログラムや画像データは、MFP100と通信部18を介して通信可能なサーバー等の他の機器に格納されていても良いし、MFP100に対して着脱可能な記憶媒体に記憶されていても良い。コントローラー10は、所定のドライブを介して、当該記憶媒体に格納された情報を読み込み、また、当該記憶媒体にデータを格納する。記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disk - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリー、メモリーカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disk)、MD(Mini Disk)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0035】
本実施の形態では、MFP100は、ネットワーク500を介して、PC200と接続されている。本実施の形態では、PC200においてジョブ(ジョブデータ)が生成されて、MFP100へ登録される。
【0036】
<代理印刷ジョブ>
本実施の形態において、MFP100では、ユーザー認証が行なわれる。そして、画像形成システム900では、ユーザーは、PC200からMFP100にログインし、そして、PC200からMFP100にジョブを登録することができる。
【0037】
登録され得るジョブは、ジョブを登録したユーザーのみがMFP100に当該ジョブを実行させることを許可される通常のジョブと、ジョブを登録したユーザーおよび登録の際に指定されたユーザーがMFP100に当該ジョブを実行させることを許可される代理印刷ジョブとを含む。なお、MFP100は、たとえば公知の方法でユーザー認証をする機能を有する。そして、MFP100によって認証を受けると、ユーザーは、当該MFP100にログインできる。
【0038】
本明細書では、MFP100によって認証されることによりMFP100へログインすることを、単に、「MFP100にログインする」とも言う。また、代理印刷ジョブについて、上記指定されたユーザーを、本明細書では「代理ユーザー」または「代理人」とも言う。また、代理印刷ジョブを登録する(登録した)ユーザーを、本明細書では「オーナーユーザー」または「Ownerユーザー」とも言う。
【0039】
代理印刷ジョブには、通常のジョブに対してさらに以下の情報が関連付けられている。なお、これらの情報は、たとえばタグ情報としてジョブデータ内に含まれていても良い。
【0040】
1)代理ユーザー情報
代理ユーザー(代理人)を特定する情報
2)消費情報
当該代理印刷ジョブの実行によって消費されるカウント値を引き落とすユーザーを特定する情報
3)権限情報
代理ユーザーが代理印刷ジョブを実行する際に、当該ジョブに対する操作(用紙設定やカラー設定等を入力するための操作)に適用される権限を、代理ユーザーに与えられた権限のままとするか又はオーナーユーザーに与えられた権限とするかを特定する情報
4)通知情報
代理ユーザーとして特定されたユーザーに、代理印刷ジョブの登録の通知に関する設定情報
5)削除用情報
代理印刷ジョブの印刷が完了したときに当該ジョブのデータをMFP100から削除するか否かを設定する情報
<代理印刷ジョブの設定>
図3は、PC200において印刷ジョブをMFP100に登録する際に表示される画面の一例を示す図である。
【0041】
図3を参照して、画面600は、たとえば、PC200にインストールされたプリンタードライバーによる印刷指示の画面である。画面600は、印刷方法を指定する欄601を含む。欄601において、PC200のユーザーは、これからMFP100に登録する印刷ジョブを、通常の印刷ジョブとして登録するか、代理印刷ジョブとして登録するかを設定することができる。そして、代理印刷ジョブとしてジョブを登録する際には、PC200では、さらに、上記1)〜5)の情報を含む情報を設定する。これらの情報の設定のための操作の具体例としては、たとえば、画面600の中のボタン602への操作が挙げられる。
【0042】
図4は、図3の画面600においてボタン602が操作されることによって表示される画面の一例を示す図である。
【0043】
図4を参照して、画面610は、上記1)の代理ユーザー情報を設定するための領域611と、上記2)の消費情報を設定するための領域612と、上記3)の権限情報を設定するための領域613と、上記4)の通知情報を設定するための領域614と、上記5)の削除用情報を設定するための領域615とを含む。
【0044】
領域611では、代理ユーザー情報の一例として、ユーザー名が設定されるMFP100は、ユーザー情報が登録されるサーバー(図示略)に接続可能に構成され、当該ユーザー名に基づいて、ユーザーを特定することができる。なお、本実施の形態の画像形成システム900では、ユーザーは、グループ分けされて、管理されている。領域611では、「ユーザーグループ」として、各ユーザーのグループを設定することもできる。
【0045】
領域612では、消費情報の一例として、当該ジョブの実行の際に、オーナーユーザーのアカウントのカウント値を使用するか、または、代理人のアカウントのカウント値を使用するかが設定される。上記したサーバーには、各ユーザーごとにアカウントが割り当てられ、そして、アカウントごとに、印刷動作等に消費(利用)されるカウント値を有するカウンターが割当てられている。領域612では、さらに、使用するように設定されたアカウントのカウント値の残りがジョブの実行のために必要なカウント値に足りない場合に、他方のユーザーのカウント値(オーナーユーザーのものが設定された場合には代理人のもの、代理人のものが設定された場合にはオーナーのもの)の使用を許可するか否かを設定するための領域が設けられている。
【0046】
領域613では、権限情報として、当該ジョブが実行される際の操作権限を、オーナーユーザーのものとするか代理人のものとするかが設定される。本実施の形態のサーバーでは、各ユーザーに対して、アカウント情報として、操作権限が設定されている。操作権限とは、たとえば、カラー印刷の可否や印刷上限枚数等、画像形成装置について、可能な操作の範囲等を特定するための情報である。たとえば領域613において権限情報としてオーナーユーザーの操作権限が設定された場合、代理人がMFP100にログインして当該ジョブを実行する際に、当該代理人自身に与えられた操作権限によればカラー印刷が許可されていない場合であっても、オーナーユーザーにはカラー印刷の操作権限が与えられていれば、当該代理人のユーザーは、当該ジョブを、カラー印刷で出力させることができる。
【0047】
領域614では、通知情報として、通知を行なうか否か、そして、行なう場合の電子メールアドレスが、設定される。
【0048】
領域615では、削除用情報として、当該ジョブのデータを、当該ジョブの印刷が完了したことを条件として削除するか、または、オーナーユーザーが手動で削除するかが、設定される。
【0049】
なお、以上説明した1)〜5)の各情報として設定される内容は、一例であり、それぞれの情報の機能を果たす設定内容に置換され得る。
【0050】
ジョブデータが代理印刷ジョブとしてMFP100で登録される場合、PC200からMFP100に対して、通常の印刷ジョブにおいて送られる情報(印刷対象のファイルのファイル名等)に加えて、当該ジョブが代理印刷ジョブである旨の情報、および、このように設定された1)〜5)の各情報が、ジョブデータとともに、または、ジョブデータに含められて、送信される。
【0051】
<代理印刷ジョブテーブル>
MFP100では、PC200などからのジョブの登録を受付けると、HDD16等に当該受付けたジョブのデータを格納する。具体的には、コントローラー10は、登録を受付けたジョブが代理印刷ジョブである場合には、当該ジョブに関する情報を「代理印刷ジョブテーブル」に登録する。図5は、代理印刷ジョブテーブルにおける登録内容の一例を模式的に示す図である。なお、コントローラー10は、ジョブの登録の際に、ジョブデータに付随して、またはジョブデータの中に、代理印刷ジョブであることを示すデータがあるか否かに応じて、受付けたジョブが代理印刷ジョブであるか否かを判断する。
【0052】
図5を参照して、代理印刷ジョブテーブルには、各ジョブについて、文書名、Owner、印刷可能者、消費カウント、権限、削除、印刷、印刷実施者、および、完了通知の各項目に対応した情報が登録されている。
【0053】
「文書名」は、代理印刷ジョブにおいて印刷対象となる文書の名称である。
「Owner」は、当該代理印刷ジョブのオーナーユーザーを示す。
【0054】
「印刷可能者」は、代理ユーザーとオーナーユーザーを特定する情報である。
「消費カウント」は、上記した消費情報によって特定される、カウント値を使用されるユーザーを特定する情報である。
【0055】
「権限」は、上記した権限情報において設定されている情報を示す。たとえば、オーナーユーザーの権限と設定されている場合には“Owner”と登録され、権限情報が代理ユーザーである場合には“ログイン者”と登録される。
【0056】
「削除」は、上記した削除用情報に対応し、当該ジョブにおいて削除用情報が代理印刷ジョブの印刷の完了を条件として当該ジョブのデータがMFP100から削除される場合には「完了後」と登録され、オーナーユーザーが手動で削除するよう設定されている場合には「Owner」と登録される。
【0057】
「印刷」は、当該代理印刷ジョブの印刷が、少なくとも1回、MFP100において行なわれたか否かを示す情報である。少なくとも1回印刷が行なわれた場合には「済」と登録され、まだ一度も印刷出力されていない場合には「未」と登録される。当該情報は、コントローラー10が、登録(更新)する。
【0058】
「印刷実施者」は、当該代理印刷ジョブを印刷させたユーザーを特定する情報であり、たとえば、当該ジョブを登録したユーザーと、図6の領域611において設定されたユーザーとを含む。図5に示された代理印刷ジョブテーブルでは、文書名「AAA.doc」に対応する代理印刷ジョブと、文書名「BBB.xls」に対応する代理印刷ジョブについての情報が登録されている。前者では、「印刷」として「未」が登録され、まだ印刷出力がなされていないため、「印刷実施者」の欄に情報を有しない。一方、後者では、「印刷」として「済」が登録されている。つまり、既に、少なくとも1度の印刷出力がなされている。そして、当該代理印刷ジョブについての「印刷実施者」として、ユーザー名「tomita」が登録されている。このことは、当該ユーザー名のユーザーがMFP100にログインし、当該代理印刷ジョブの印刷出力を指示し、これに従って当該代理印刷ジョブの印刷が実行されたことを意味する。
【0059】
「完了通知」は、各代理印刷ジョブの印刷出力が、各「印刷可能者」に通知されたか否かを示す情報が登録されている。まだ通知が行なわれていない場合には「未」が登録される。一方、通知が完了しているユーザーについては「済」が登録される。通知とは、たとえば、サーバーにおいて各ユーザーに関連付けられて登録されたメールアドレスに、所定のメッセージを含む電子メールが送信されることによって、実現される。
【0060】
図5を参照して、説明した代理印刷ジョブテーブルにおいて、「文書名」「印刷可能者」「消費カウント」「権限」「削除」は、それぞれ、印刷ジョブの登録の際にPC200から送信された情報に基づいて登録される。「Owner」は、各代理印刷ジョブを登録するためにMFP200へログインしたユーザーを特定することにより取得され、代理印刷ジョブテーブルに登録される。
【0061】
「印刷実施者」は、各代理印刷ジョブが実施されたか否かと、各代理印刷ジョブが登録された後、MFP200における処理内容に基づいて、生成され登録および更新される情報である。
【0062】
<代理印刷ジョブに関する処理>
上記したように、代理印刷ジョブテーブルに登録される情報は、MFP100における処理内容に応じて、適宜更新される。図6〜図9は、代理印刷ジョブテーブルの更新内容を説明するための図である。また、図10〜図14は、それぞれ、MFP100において実行される処理のフローチャートである。以下、図6〜図14を参照して、MFP100における、代理印刷ジョブの受付および実行について説明する。
【0063】
まず、MFP100におけるジョブの受付について説明する。
図10を参照して、コントローラー10は、まず外部からジョブの登録の依頼を受けると、まずステップSA10で、コントローラー10は、登録を依頼されたジョブが代理印刷ジョブであるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA30へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA20へ処理を進める。
【0064】
ステップSA20では、コントローラー10は、登録を依頼されたジョブのジョブデータをHDD16の所定の領域に登録する等、通常のジョブ受付のための処理を実行して、処理を終了する。
【0065】
一方、ステップSA30では、コントローラー10は、図5を参照して説明したような代理印刷ジョブテーブルへ、登録を依頼された代理印刷ジョブについての情報を登録させて、ステップSA40へ処理を進める。
【0066】
ステップSA40では、コントローラー10は、当該代理印刷ジョブについてのジョブデータをHDD16の所定の領域に格納させると、ジョブ登録の通常の処理を実行して、処理を終了する。
【0067】
以上、図10を参照して説明した処理により、代理印刷ジョブテーブルに代理印刷ジョブについての情報が登録される。
【0068】
なお、登録された代理印刷ジョブにおいて、代理ユーザーとして登録されたユーザーに当該ジョブの登録を通知するように設定されている場合、当該代理ユーザーについて登録された電子メールアドレス宛てに、たとえば「文書名」など当該代理印刷ジョブを特定できる情報を含むメッセージが送信されることにより、通知がなされる。このようなメッセージの一例としては、「代理印刷ジョブAAA.docが存在します。」が挙げられる。
【0069】
次に、代理ユーザーによる代理印刷ジョブの実行について説明する。
図11を参照して、MFP100にユーザーがログインすると、コントローラー10は、ステップSB10で、MFP100において、当該ユーザーについて、代理印刷ジョブテーブルの「印刷可能者」として設定されかつ当該テーブルの「印刷」の設定が「未」であるジョブが登録されているか否かを判断する。そして、コントローラー10は、そのようなジョブが登録されていると判断するとステップSB40へ処理を進め、そのようなジョブは登録されていないと判断するとステップSB20へ処理を進める。
【0070】
ステップSB20では、コントローラー10は、上記ログインユーザーについて、代理印刷ジョブテーブルの「印刷可能者」として設定されかつ当該テーブルの「印刷」の設定が「済」であるジョブがMFP100に登録されているか否かを判断する。そして、コントローラー10は、そのようなジョブが登録されていると判断するとステップSB40へ処理を進め、登録されていないと判断するとステップSB30へ処理を進める。
【0071】
ステップSB30では、コントローラー10は、通常画面表示(たとえば、初期画面の表示)などの、ログインが成功したときの通常の動作を実行して、処理を終了する。
【0072】
一方、ステップSB40では、コントローラー10は、代理印刷ジョブ関連情報を表示部15に表示させて、処理を終了させる。代理印刷ジョブ関連情報とは、たとえば、図5を参照して説明したような代理印刷ジョブテーブルに登録された情報が挙げられる。なお、ステップSB40の処理は、ステップSB10から直接ステップSB40へ進められたときと、ステップSB20を経由してステップSB40へ進められたときとで、内容が異なることが好ましい。つまり、コントローラー10は、たとえば、ステップSB10から直接ステップSB40へ処理が進められた場合には、未実行の代理印刷ジョブの実行の要否を問い合わせるための画面を表示する。また、ステップSB20を経由してステップSB40へ処理が進められた場合には、登録されていた代理印刷ジョブの実行完了を報知するための画面を表示する。
【0073】
上記したように、代理印刷ジョブテーブルでは、「印刷」が「未」となっていても、「削除」として「完了後」以外の情報を登録されている場合には、印刷出力が完了しても、ジョブデータはMFP100のHDD16等に格納されたままである。
【0074】
ステップSB40で代理印刷ジョブの関連情報が表示されることにより、MFP100へログインしたユーザーは、自己が出力させることのできる印刷ジョブを認識できるとともに、印刷出力が完了したが、自己がデータを削除できる印刷ジョブを、認識することができる。なお、「出力させることができる」とは、たとえば、そのユーザーの出力指示の入力に応じて、コントローラー10が画像形成部14に出力指示を出すことを意味する。
【0075】
また、ステップSB40では、コントローラー10は、当該ログインユーザーが印刷出力を指示することが可能な各代理印刷ジョブについて、「AAA.docを印刷しますか?」等のメッセージを表示部15に表示させるなど、各代理印刷ジョブについての印刷を指示するか否かの具体的な問合せを行なってもよい。そして、当該問合せに対応して、ログインユーザーが、入力部19に対して、当該代理印刷ジョブの実行を指示すると、コントローラー10は、当該代理印刷ジョブの印刷出力を、画像形成部14に対して指示する。これに応じて、画像形成部14は、当該代理印刷ジョブの印刷を出力する。
【0076】
図12は、このような代理印刷ジョブの出力指示が入力された際に実行される処理のフローチャートである。
【0077】
ログインユーザーによって代理印刷ジョブを出力する指示が入力されると、コントローラー10は、ステップSC10で、当該代理印刷ジョブの実行のために消費されるカウント値をどのアカウントから消費すればよいかを判断する。コントローラー10は、具体的には、代理印刷ジョブテーブルの「消費カウント」の欄に登録されたユーザーを特定することにより、ステップSC10の処理を実現する。
【0078】
なお、ステップSC10において、コントローラー10は、カウント値を消費するアカウントがオーナーと設定されていれば、ステップSC30へ処理を進め、代理ユーザー(代理人)と設定されている場合には、ステップSC20へ処理を進める。ステップSC20では、代理ユーザーに対して割当てられたカウント値から当該代理印刷ジョブの実行に必要なカウント値を減算させるための処理を行なって、ステップSC40へ処理を進める。
【0079】
ここで、カウント値を減算させるための処理としては、たとえば、各ユーザーのカウント値を管理するサーバーに、処理対象となる代理印刷ジョブの代理人のカウント値を、当該代理印刷ジョブの印刷に必要なカウント値だけ減算させる指示の送信が挙げられる。
【0080】
一方、ステップSC30では、コントローラー10は、オーナーユーザーのカウント値を、処理対象となっている代理印刷ジョブの実行によって消費されるカウントに割当てる。具体的には、コントローラー10は、各ユーザーのカウント値を管理するサーバーに対して、オーナーユーザーに対応するカウント値を、処理対象となっている代理印刷ジョブの印刷出力に必要な値だけ減算するよう指示する。
【0081】
そして、コントローラー10は、ステップSC20またはステップSC30の処理を実行した後、ステップSC40へ処理を進める。
【0082】
ステップSC40では、コントローラー10は、処理対象となっている代理印刷ジョブの権限情報をチェックする。そして、当該権限情報として、代理ユーザーの権限が設定されていればステップSC50へ処理を進め、オーナーユーザーの権限が設定されていればステップSC60へ処理を進める。
【0083】
ステップSC50では、コントローラー10が、権限情報として代理ユーザーの権限を設定し、処理を終了する。一方、ステップSC60では、コントローラー10は、権限情報として、オーナーユーザーの権限情報を設定して、処理を終了する。これにより、処理対象となっている代理印刷ジョブについて、入力部19を介して入力される操作内容を受付けるか否かが、代理ユーザーに対して与えられた権限に従って制御されるか、オーナーユーザーに与えられた権限情報に従って制御されるかが決定される。そして、処理対象となっている代理印刷ジョブについて、印刷出力の実行が指示されると、当該ジョブが、画像形成部14によって出力される。
【0084】
MFP100では、いずれかのユーザーに与えられたカウント値の消費(カウント値の減算処理の完了)を条件として、印刷ジョブを実行してもよい。そして、代理印刷ジョブが印刷出力される場合に、カウント値の消費が条件とされている場合には、「消費カウント」で設定されたユーザーのカウント値が消費される。
【0085】
カウント値を消費するように設定されるユーザーについて、カウント値の残数が、処理対象となっている代理印刷ジョブの出力に対して必要とされるカウント値に対して不足している場合もあり得る。図13は、このような場合に実行される処理のフローチャートである。
【0086】
図13を参照して、コントローラー10は、「消費カウント」で設定されているユーザーのアカウント値の残数が処理対象の代理印刷ジョブに必要とされるカウント値に足りないと判断すると、ステップSD10で、当該代理印刷ジョブにおいて、領域612(図4参照)を参照して説明したように、他方のユーザーのカウント値を代わりに使用することが許可されているか否かを判断する。そして、許可されていると判断するとステップSD20へ処理を進め、許可されていないと判断するとステップSD40へ処理を進める。
【0087】
ステップSD40では、コントローラー10は、処理対象となっている代理印刷ジョブの印刷処理を中断させる。このとき、たとえば、表示部15に、カウント値の残数が不足していることによって印刷処理が中断していることを表示することが好ましい。
【0088】
ステップSD20では、コントローラー10は、カウント値を消費するユーザーを他方のユーザーに切換えるか否かを、ログインユーザーに問合せる。そして、カウント値を消費するユーザーを切換えることを許可する情報が入力されると、ステップSD30へ処理を進め、カウント値を消費するユーザーを切換えることを禁止する情報が入力されると、コントローラー10は、ステップSD40へ処理を進める。
【0089】
なお、ステップSD20では、カウント値を消費するように切換えられた先のユーザーが、ログインユーザー以外のユーザーである場合や、代理ユーザーである場合には、当該代理ユーザーに対して電子メール等で別途許可を求めることも考えられる。そして、当該ユーザーからの許可情報を受信したことを条件として、この場合、ステップSD30へ処理が進められる。
【0090】
ステップSD30では、コントローラー10は、切換先のユーザーのカウント値から、処理対象となる代理印刷ジョブの印刷のためのカウント値を減算させて、当該ジョブの印刷処理を続行させる。
【0091】
以上説明した本実施の形態では、カウント値の消費を条件として、印刷ジョブを実行する場合があり得る。そして、「消費カウント」で設定されたユーザーについて、カウント値の残数が不足している場合には、「印刷可能者」のユーザーのうち、他のユーザーに対して、カウント値を消費して、当該ジョブを出力することができる。
【0092】
MFP100では、代理印刷ジョブの出力が完了すると、その旨が表示部15において表示される等により、報知される。これにより、ログインユーザーについては、完了通知が行なわれたことになる。
【0093】
<代理印刷ジョブテーブルの更新>
次に、代理印刷ジョブテーブルの、MFP100における処理内容に応じた更新について説明する。
【0094】
まず、図5の「完了通知」において、文書名「BBB.xls」の「印刷可能者」の「tomita」について「済」となっているのは、ユーザー名「tomita」でログインしたユーザーが当該代理印刷ジョブを実行させたことによる。なお、もう一人の「印刷可能者」であるユーザー名「yamamura」については、当該代理印刷ジョブがMFP100に登録されてから、まだMFP100にログインしていない。これにより、当該ユーザーについての「完了通知」は「未」となっている。また、「印刷実施者」として、当該代理印刷ジョブを実行させたユーザー名「tomita」が登録されている。
【0095】
そして、当該ユーザー、つまり、ユーザー名「yamamura」がMFP100へログインすると、ステップSB40に従って、文書名「BBB.xls」についての代理印刷ジョブが登録されていることが報知される。これによって、図6に示されるように、ユーザー名「yamamura」の当該代理印刷ジョブについての「完了通知」は、「済」に更新される。
【0096】
この状態から、さらに、ユーザー名「yamamura」がMFP100へログインし、文書名「AAA.doc」を選択して、印刷出力を指示すると、MFP100のコントローラー10は、代理印刷ジョブテーブルで、印刷を指示された文書名「AAA.doc」のデータを参照する。そして、当該ジョブについての「消費カウント」に登録されているユーザーをチェックする。図6では、「Owner」が登録されている。なお、当該ジョブの「Owner」は、ユーザー名「tomita」である。したがって、コントローラー10は、ユーザー名「tomita」のアカウントから、当該ジョブの実行に必要なカウント数を消費するための処理を実行する。そして、カウント値の消費が成功すると、次に、コントローラー10は、当該ジョブの「権限」に設定されているユーザーをチェックする。図6では、「Owner」が設定されている。したがって、コントローラー10は、ユーザー名「tomita」のユーザーに与えられた権限に従って、当該ジョブに対する操作を受付ける。そして、印刷指示がなされると、画像形成部14に対して、当該ジョブの実行(出力)を指示する。
【0097】
当該ジョブの実行(出力)が完了すると、その旨が表示部15で表示される。これにより、ログインユーザーであるユーザー名「yamamura」に通知がなされたことになる。これにより、代理印刷ジョブテーブルでは、図7に示されるように、文書名「AAA.doc」において、「印刷可能者」のうち、ユーザー名「yamamura」についての「完了通知」が、「済」に更新される。
【0098】
さらに、ユーザー名「tomita」のユーザーがMFP100にログインすると、当該ユーザーが「印刷可能者」として登録されているジョブであって、まだ当該ユーザーに対して完了通知がなされていないジョブ(文書名「AAA.doc」)についての完了通知が行なわれる。これにより、代理印刷ジョブテーブルは、図7から図8へと更新される。図8では、文書名「AAA.doc」について、「印刷可能者」のユーザー名「tomita」について、「完了通知」が、「未」から「済」へと更新されている。
【0099】
当該ジョブの実行およびすべての「印刷可能者」への完了の報知がなされると、コントローラー10は、当該ジョブの「削除」の登録内容をチェックする。図6では、当該ジョブについて「削除」として「完了後」が登録されている。これにより、コントローラー10は、当該ジョブの実行が完了すると、HDD16から、当該ジョブのデータを削除する。これにより、図9に示されるように、当該ジョブ(文書名「AAA.doc」)の情報も、代理印刷ジョブテーブルから削除される。
【0100】
ここで、ジョブの印刷出力が完了したときに実行される処理の内容を説明する。図14は、ジョブの印刷出力が完了したことをコントローラー10が検出したときに実行する処理のフローチャートである。
【0101】
図14を参照して、コントローラー10は、画像形成部14等から代理印刷ジョブの出力が完了したことを検出すると、ステップSE10で、代理印刷ジョブテーブルで、当該ジョブの「削除」における設定内容をチェックする。そして、設定内容が「完了後」であればステップSE20へ処理を進め、「Owner」であればステップSE30へ処理を進める。
【0102】
ステップSE20では、コントローラー10は、出力を完了したジョブのジョブデータを削除させた後、ステップSE30へ処理を進める。
【0103】
これにより、代理印刷ジョブテーブルは、図8に示した状態から図9に示した状態へと更新される。
【0104】
上記したように、図9では、代理印刷ジョブテーブルにおいて、出力が完了したジョブ(文書名「AAA.doc」)についての情報が削除されている。
【0105】
MFP100では、ジョブデータがHDD16から削除されると、これに応じて、代理印刷ジョブテーブルからも、当該ジョブに対応するデータが削除される。
【0106】
一方、ステップSE30では、コントローラー10は、代理印刷ジョブテーブルにおいて、完了したジョブについての「印刷」を「済」に更新させて、処理を終了する。
【0107】
なお、MFP100では、代理印刷ジョブテーブルにおいて、「削除」として「完了後」が登録されている場合に、当該ジョブの出力が完了したことのみを条件として、つまり、すべての「印刷可能者」への完了の報知が行なわれることなく、当該ジョブのデータがMFP100から削除されても良い。
【0108】
以上説明した本実施の形態では、MFP100へのジョブの登録は、PC200において生成されたジョブデータがMFP100へ送信されることにより行なわれたが、MFP100において登録されるジョブの登録はこの形態に限定されるものではない。MFP100においてジョブデータが生成され、当該生成されたジョブデータが、HDD16に登録されてもよい。たとえば、画像読取部13において読取られた画像を利用して文書が作成され、当該文書を印刷させるためのジョブが、そのままMFP100で作成され、登録される場合もあり得る。
【0109】
また、以上説明した本実施の形態では、ステップSB40(図11参照)では、ログインしたユーザーが「印刷可能者」として登録されているジョブが、表示部15に表示される等により、当該ログインユーザーに対して報知される。
【0110】
なお、報知されるジョブの優先順位としては、当該ログインユーザーがオーナーユーザーとして登録されているジョブよりも、許可ユーザーとして登録されているジョブを優先的に、(たとえば、列挙される場合には上位に表示)することが好ましい。これにより、他のユーザーによってMFP100に登録され、当該ログインユーザーも出力されることが許可されているジョブを、当該ログインユーザーが自ら登録したジョブに対して優先して、報知することができる。
【0111】
また、このような優先順位を付すことがなくとも、少なくとも、自己が登録したジョブ(オーナーユーザーとして登録されているジョブ)と、他者が登録したジョブ(許可ユーザーとして登録されているジョブ)とを区別して、報知がなされることが好ましい。
【0112】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0113】
10 コントローラー、13 画像読み取り部、14 画像形成部、15 表示部、18 通信部、19 入力部、100 MFP、200 PC、500 ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷動作を実行するための画像形成手段と、
ユーザーを認証するための認証手段と、
所定のジョブを記憶するための記憶手段とを備え、
前記記憶手段は、前記所定のジョブが前記記憶手段に記憶させたユーザーであるオーナーユーザー、および、前記所定のジョブの前記画像形成手段による印刷を許可されたユーザーである許可ユーザーを特定する情報である、許可情報を記憶し、
前記認証手段において前記許可情報に含まれるユーザーが認証された場合に、前記記憶手段に前記所定のジョブが記憶されていることを報知するための処理を実行するための制御手段をさらに備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記所定のジョブが前記所定のジョブを実行させる際に前記オーナーユーザーの操作権限を利用可能か否かを特定する情報である権限情報と、前記所定のジョブの印刷のためにカウント値を消費されるユーザーを特定する消費情報とを、さらに記憶し、
前記記憶手段に記憶されたジョブについての印刷設定についての情報の入力を受付ける受付手段をさらに備え、
前記受付手段は、前記権限情報によって特定される情報に従った操作権限に従って、前記所定のジョブについての印刷設定についての情報の入力を受け付け、
前記制御手段は、前記所定のジョブが前記画像形成手段によって印刷された場合に、前記消費情報において特定されたユーザーのアカウントに対応したカウント値を消費するための処理を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記消費情報において特定されたユーザーのアカウントに対応したカウント値が、前記所定のジョブの印刷に対して不足している場合には、前記許可情報に含まれる当該特定されたユーザー以外のユーザーからカウント値の使用の許可を受けたことを条件として、前記画像形成手段に所定のジョブの印刷を指示する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記消費情報において許可ユーザーが特定されている場合には、当該許可ユーザーからカウント値の使用の許可を受けたことを条件として、前記画像形成手段に所定のジョブの印刷を指示する、請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記認証手段において前記許可情報に含まれるユーザーが認証された場合に、当該ユーザーがオーナーユーザーとされているジョブよりも前記許可ユーザーとされているジョブを優先的に報知する、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記認証手段において前記許可情報に含まれるユーザーが認証された場合に、当該ユーザーがオーナーユーザーとされているジョブと、前記許可ユーザーとされているジョブとを、区別して報知する、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記認証手段において前記許可情報にオーナーユーザーとして含まれるユーザーが認証された場合には、前記画像形成手段に前記所定のジョブの印刷を指示し、
前記認証手段において前記許可情報に許可ユーザーとして含まれるユーザーが認証された場合には、当該ユーザーに前記所定のジョブの印刷の可否を問合せ、当該ユーザーから印刷の指示を受けたことを条件として、前記画像形成手段に前記所定のジョブの印刷を指示する、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記画像形成手段に、前記認証手段において前記許可情報にオーナーユーザーとして含まれるユーザーが認証されたことに基づく前記所定のジョブの印刷と、前記認証手段において前記許可情報に許可ユーザーとして含まれるユーザーが認証されたことに基づく前記所定のジョブの印刷とを、区別して出力させる、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記認証手段において前記許可情報に含まれるユーザーが認証された場合であって、前記画像形成手段が前記所定のジョブの印刷動作を既に実行した場合には、そのことを報知する、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記記憶手段は、前記所定のジョブを前記記憶手段から削除するタイミングを特定する情報である削除タイミング情報をさらに記憶する、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−84179(P2013−84179A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224715(P2011−224715)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】