説明

画像形成装置

【課題】複数列に配置(配列)された座席に対して、印刷物を列毎に配布する際に、列毎の部数が異なっていても、簡単に配布作業を行える状態に印刷物を仕分けして出力することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】タッチパネル11に表示させた配布情報選択入力画面によって複数列に配列された座席の配列情報の選択を受け付け、選択された前記配列情報に基づいて座席数分の印刷物を部単位で順次印刷させると共に、印刷された前記印刷物を選択された前記配列情報に基づいて列単位で仕分けして出力させる。また、タッチパネル11に表示させた仕分け方法選択入力画面によって部単位での仕分け方法及び列単位での仕分け方法の選択を受け付け、選択された部単位での仕分け方法及び列単位での仕分け方法で、部単位での仕分け処理及び列単位での仕分け処理を行って印刷物を出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物を出力する画像形成装置に関し、特に仕分け機能を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
仕分け機能を有する後処理装置を備えた画像形成装置が存在する。このような画像形成装置では、仕分けする部数を指定することで、印刷物(印刷が施された単葉の記録紙や記録紙束)が指定された部数毎に仕分けされて出力される。仕分けする部数の指定は、画像形成装置本体のみでなく、ネットワーク等で接続された周辺装置から行うことも可能になっている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−220860号公報
【特許文献2】特開2002−108576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、複数列に配列された座席に対して列毎に印刷物を配布する際に、列毎の座席数(配布する部数)が異なっていると、配布作業が繁雑なものになってしまうという問題点があった。すなわち、最も座席が多い列に合わせて仕分けした場合には、座席の少ない列において、必要以上の印刷物を配布して余りを回収するという手間が発生する。これを防止するためには、事前に必要な数量に仕分けし直すという余分な作業が必要になってしまう。
【0005】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来技術の問題を解決し、座席レイアウトに応じた仕分け出力を行うことができ、複数列に配置(配列)された座席に対する印刷物の配布作業を簡単に行うことができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、印刷物を出力する画像形成装置であって、複数列に配列された座席の配列情報を受け付ける配列情報入力手段と、該配列情報入力手段によって受け付けた前記配列情報に基づいて座席数分の前記印刷物を部単位で順次印刷する印刷手段と、該印刷手段によって印刷された前記印刷物を前記配列情報入力手段によって受け付けた前記配列情報に基づいて列単位で仕分けして出力させる仕分け手段とを具備することを特徴とする。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記仕分け手段は、前記印刷手段によって印刷された前記印刷物を部単位で仕分けすると共に、部単位の仕分け方法とは異なる仕分け方法によって列単位で仕分けして出力させるようにしても良い。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記仕分け手段による部単位での仕分け方法及び列単位での仕分け方法の選択を受け付ける仕分け方法選択入力手段を具備し、前記仕分け手段は、前記仕分け方法選択入力手段によって選択された部単位での仕分け方法及び列単位での仕分け方法で、部単位での仕分け処理及び列単位での仕分け処理を行って前記印刷物を出力させるようにしても良い。
さらに、本発明の画像形成装置において、前記仕分け手段は、前記仕分け方法選択入力手段によって選択された部単位での仕分け方法及び列単位での仕分け方法が同一種類である場合でも、部単位と列単位とで異なる仕分け処理を行って前記印刷物を出力させるようにしても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数列に配列された座席の配列情報に基づいて座席数分の印刷物を部単位で順次印刷すると共に、印刷された印刷物を配列情報に基づいて列単位で仕分けして出力するように構成することにより、複数列に配置(配列)された座席に対して、印刷物を列毎に配布する際に、列毎の部数が異なっていても、簡単に配布作業を行える状態に印刷物を仕分けして出力することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す操作パネルの構成例を示す図である。
【図3】図2に示すストックトレイの用紙搬送機構例を示す概略斜視図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の実施の形態の配布用仕分け動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図2に示すタッチパネルに表示される配布情報選択入力画面例及び仕分け方法選択入力画面例を示す図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の実施の形態の配布用仕分け動作による出力例を示す図である。
【図8】本発明に係る画像形成装置の実施の形態の配布用仕分け動作による出力例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施の形態の画像形成装置は、図1を参照すると、記録紙Pに印刷を施す本体装置100と、本体装置100で印刷された記録紙Pを取り込み、幅寄せ仕分け処理や穿孔処理やステイプル処理等を行う後処理装置200とを備えている。
【0010】
本体装置100の前面側には、本体装置100や後処理装置200の設定や動作指示を行う操作パネル10が配設されている。操作パネル10には、図2を参照すると、液晶表示パネルの表面に透明の感圧センサーが設けられたタッチパネル11と、印刷枚数等の数値を入力するためのテンキー12と、設定情報を初期化させる指示を入力するためのリセットキー13と、複写動作を停止させたり、入力された数値を消去させたりするためのストップキー14と、印刷動作を開始させる出力指示を入力するためのスタートキー15とを備えている。
【0011】
図2には、タッチパネル11の基本表示画面例が示されており、用紙選択、倍率選択、濃度選択を行うキーの他に、配布用仕分けキー16と、ステイプルキー17と、パンチキー18とが設けられている。配布用仕分けキー16は、配布用仕分けを行う設定を入力するキーである。また、ステイプルキー17は、印刷された記録紙Pの束にステイプル処理を行う設定を入力するキーである。さらに、パンチキー18は、印刷された記録紙Pの束に穿孔処理を行う設定を入力するキーである。
【0012】
本体装置100は、複写機であり、図1を参照すると、原稿読取部120と、原稿給送部130と、記録部140とを備えている。原稿読取部120は、記録部140の上部に配設され、原稿給送部130は、原稿読取部120の上部に配設されている。
【0013】
原稿読取部120は、スキャナー121と、プラテンガラス122と、原稿読取スリット123とを備える。スキャナー121は、露光ランプ及びCCD(Charge Coupled Device)センサー等から構成され、原稿給送部130による原稿MSの搬送方向に移動可能に構成されている。プラテンガラス122は、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット123は、原稿給送部130による原稿MSの搬送方向と直交方向に形成されたスリットを有する。
【0014】
プラテンガラス122に載置された原稿MSを読み取る場合には、スキャナー121は、プラテンガラス122に対向する位置に移動され、プラテンガラス122に載置された原稿MSを走査しながら原稿MSを読み取って画像データーを取得し、取得した画像データーを記録部140に出力する。また、原稿給送部130により搬送された原稿MSを読み取る場合には、スキャナー121は、原稿読取スリット123と対向する位置に移動され、原稿読取スリット123を介し、原稿給送部130による原稿MSの搬送動作と同期して原稿MSを読み取って画像データーを取得し、取得した画像データーを記録部140に出力する。
【0015】
原稿給送部130は、原稿載置部131と、原稿排出部132と、原稿搬送機構133とを備えている。原稿載置部131に載置された原稿MSは、原稿搬送機構133によって、1枚ずつ順に繰り出されて、原稿読取部120の読取スリット123に対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部122に排出される。なお、原稿給送部130は、可倒式に構成され、原稿給送部130を上方に持ち上げることで、プラテンガラス122の上面を開放させることができる。
【0016】
記録部140は、画像形成部150を備えると共に、給紙部160と、搬送路170と、搬送ローラー181と、排出ローラー182a及び排出ローラー182bと、排出トレイ190とを備えている。
【0017】
給紙部160は、記録紙Pを収納する複数の給紙カセット161a〜dと、給紙カセット161a〜dから記録紙Pを1枚ずつ搬送路170に繰り出す給紙ローラー162とを備えている。給紙ローラー162、搬送ローラー181及び排出ローラー182a、182bが搬送部として機能し、記録紙Pが搬送される。給紙ローラー162によって搬送路170に繰り出された記録紙Pは、搬送ローラー181によって画像形成部150に搬送される。そして、画像形成部150によって記録が施された記録紙Pは、排出ローラー182aもしくは排出ローラー182bによって機外に出力される。排出ローラー182aと排出ローラー182bとの切換は、操作パネル10の操作に応じて動作する切替爪183によって行われる。記録が施された記録紙Pは、切替爪183によって排出ローラー182aに導かれると、排出トレイ190に出力される。また、記録が施された記録紙Pは、切替爪183によって排出ローラー182bに導かれると、後処理装置200に出力される。なお、本実施の形態では、4個の給紙カセット161a〜dが備えられている。
【0018】
画像形成部150は、感光体ドラム151と、帯電部152、露光部153と、現像部154と、転写部155と、クリーニング部156と、定着部157とを備えている。露光部153は、レーザー装置やミラー等を備えた光学ユニットであり、画像データーに基づいてレーザー光を出力して、露光部153によって帯電された感光体ドラム151を露光し、感光体ドラム151の表面に静電潜像を形成する。現像部154は、トナーを用いて感光体ドラム151に形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム151上に形成させる。転写部155は、現像部154によって感光体ドラム151上に形成されたトナー像を記録紙Pに転写させる。定着部157は、転写部155によってトナー像が転写された記録紙Pを加熱してトナー像を記録紙Pに定着させる。
【0019】
後処理装置200は、図1を参照すると、複数枚の記録紙Pを積み重ねて一時的にストックするストック部210と、ストック部210に積み重ねられた複数枚の記録紙P(以下、記録紙束P1と称す)に対して穿孔処理を行うパンチ部201、ストック部210の記録紙束P1に対してステイプル処理を行うステイプル部202とを備えている。
【0020】
本体装置100から後処理装置200に向けて出力された記録紙Pは、後処理装置200の側面に設けられた搬入口203を通って後処理装置200内に搬入される。搬入口203の下流には、用紙を搬送する搬送ローラー204と、記録紙Pの搬送先にあわせて回動する案内爪205が設けられる。操作パネル10への入力等で、幅寄せ仕分け処理やステイプル処理や穿孔処理を行う選択されている場合、案内爪205は、記録紙Pを下方のストック部210に送り込むように回動する。その結果、記録紙Pは、ストック部210に向けて搬送される。なお、幅寄せ仕分け処理やステイプル処理や穿孔処理を行うように選択されていない場合、案内爪205は、記録紙Pを上方の排出ローラー206に送り込むように回動する。その結果、記録紙Pは、排出ローラー206によって副排出トレイ207に印刷物として出力される。
【0021】
ストック部210は、カバートレイ211及びストックトレイ212を備えている。ストック部210に搬送されてきた記録紙Pは、カバートレイ211とストックトレイ212との間に通され、ストックトレイ212の上面に記録紙Pが積み重ねられてストックされる。カバートレイ211は、ストック部210に積み重ねられる記録紙Pを上方から押さえるカバーとして機能する。また、カバートレイ211には、パンチ部201が設けられている。パンチ部201は、ストック部210の記録紙束P1に穿孔処理を行う。さらに、ストックトレイ212の下方に隣接してステイプル部202が設けられている。ステイプル部202は、ストック部210の記録紙束P1の先端を1箇所もしくは2箇所を綴じるステイプル処理を行う。
【0022】
図3を参照すると、ストック部210に送られてきた記録紙Pは、断面が略コの字状のストッパ213によりストックトレイ212の表面で受け止められる。ストッパ213は、ストックトレイ212の幅方向の略中央に配置された無端ベルト214に取り付けられている。無端ベルト214は、プーリ215aと回転軸215bとの間に掛け渡されており、回転軸215bを回転駆動するモーター216によって無端ベルト214が正逆回転される。ストッパ213は、使用される記録のサイズに対応して、記録紙Pの上端が一定位置でストックされるように制御される。
【0023】
ストックトレイ212には、ストック部210に送られてきた記録紙Pの幅方向に整合するための右側カーソル217aと左側カーソル217bとが設けられている。右側カーソル217aと左側カーソル217bとは、ストックトレイ212の幅方向に並設され、図示しない駆動手段によって、記録紙Pの搬送方向と直交するストックトレイ212の幅方向に往復動される。これにより、右側カーソル217aと左側カーソル217bとは、ストック部210の記録紙束P1を整合する整合手段として機能すると共に、ストック部210の記録紙束P1を左右方向( 用紙の搬送方向と直交する幅方向)に位置ずらしする幅方向仕分け手段として機能する。
【0024】
上記のような機構により、記録紙Pは、記録紙束P1としてストック部210に整合されてストックされる。穿孔処理を行う場合には、ストッパ213を上下動させ、記録紙Pのサイズに合わせ、ストックされた記録紙束P1を適切な位置に移動させ、パンチ部201によって穿孔処理を行う。また、ステイプル処理を行う場合には、ストッパ213を上下動させ、記録紙Pのサイズに合わせ、ストックされた記録紙束P1を適切な位置に移動させ、ステイプル部202によってステイプル処理を行う。さらに、幅寄せ仕分け処理を行う場合には、右側カーソル217aと左側カーソル217bとによって、ストック部210の記録紙束P1を左右方向に位置をずらす。穿孔処理やステイプル処理や幅寄せ仕分け処理が完了すると、無端ベルト214が記録紙束P1を上方に搬送する方向に回転され、ストッパ213が記録紙束P1を上方に押し上げる。これにより、穿孔処理やステイプル処理が施された記録紙束P1は、排出ローラー218に送り込まれ、左右に幅寄せされて仕分けられた状態で、排出ローラー218によって排出口219を介して主排出トレイ208に印刷物として出力される。
【0025】
主排出トレイ208は、搬送ベルト等からなる移動手段220によって図1に矢印で示す上下方向に往復動可能に構成されている。また、排出口219の近傍には、主排出トレイ208上の記録紙束P1の集積高さを検出する高さセンサー221が配設されている。高さセンサー221としては、例えば光反射型フォトインタラプタを用いることができる。
【0026】
記録紙束P1が主排出トレイ208に出力されていない状態では、主排出トレイ208は最上位置に上昇している。主排出トレイ208に記録紙束P1が出力されると高さセンサー221がそれを検知することにより、移動ベルト手段220が主排出トレイ208を降下させる方向に駆動される。れにより、主排出トレイ208上の記録紙束P1上面と排出口219との間の距離が常に略等しくなるように制御され、記録紙束P1の主排出トレイ208への出力が確実に行われるようになっている。
【0027】
次に、本体装置100及び後処理装置200のハードウェア構成例について図4を参照して説明する。
本体装置100の操作パネル10、原稿読取部120、原稿給送部130、画像形成部150及び搬送部(給紙ローラー162、搬送ローラー181、排出ローラー182a、b、切替爪183)は、本体制御部1に接続され、本体制御部1によって動作制御される。また、本体制御部1には、記憶部2と、画像処理部3と、通信部4とが接続されている。
【0028】
本体制御部1は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには本体装置100の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。本体制御部1は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作パネル10から入力された所定の指示情報に応じて装置全体の制御を行う。
【0029】
記憶部2は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段であり、原稿読取部120によって原稿を読み取ることで取得された画像データー、通信部4を介して周辺機器から受信した画像データーや配布情報等が記憶される。なお、配布情報は、複数列に配列された座席のレイアウト(列数と、それぞれの列の座席数)を示す情報であり、登録名と共に記憶されている。
【0030】
画像処理部3は、画像データーに対して所定の画像処理を行う手段であり、例えば、拡大縮小処理や、濃度調整、階調調整等の画像改善処理が行われる。
【0031】
通信部4は、インターネットやLAN等の図示しないネットワークを介して、パーソナルコンピュータ等の周辺機器との間で各種データーを送受信する機能を有する。
【0032】
本体制御部1は、操作パネル10からの入力によって、後処理装置200を利用する設定、すなわち、幅寄せ仕分け処理や穿孔処理やステイプル処理を行う設定になっている場合には、切替爪183を制御することで、記録が施された記録紙Pを後処理装置200に出力させる。本体制御部1は、後処理装置200内に設けられている後処理制御部5と通信可能に接続され、穿孔処理やステイプル処理の設定を後処理制御部5に指示する。
【0033】
後処理装置200の後処理制御部5は、ストック部210、パンチ部201、ステイプル部202と接続され、これらの制御を行う。後処理制御部5は、制御用プログラム、制御用データー、設定データー等の各種データーを記憶する記憶手段と、制御プログラムに基づき演算等を行い、各部を制御するCPUとを備えている。後処理制御部5の記憶手段は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。
【0034】
次に、本実施の形態の画像形成装置における配布用仕分け動作について図5乃至図7を参照して詳細に説明する。
図5を参照すると、本体装置100の本体制御部1は、操作パネル10(タッチパネル11)の配布用仕分けキー16の操作による配布用仕分け指示(ステップS1)と、スタートキー15の操作による出力指示(ステップS2)とを監視している。
【0035】
ステップS1で配布用仕分けキー16の操作による配布用仕分け指示を受け付けることなく、ステップS2でスタートキー15の操作による出力指示を受け付けた場合には、本体制御部1は、配布用仕分け処理を行うことなく、通常の出力を行う(ステップS3)。
【0036】
ステップS1で配布用仕分けキー16の操作による配布用仕分け指示を受け付けた場合には、本体制御部1は、図6(a)に示す配布情報選択入力画面をタッチパネル11に表示させる。配布情報選択入力画面には、記憶部2に記憶されている配布情報のいずれかを選択する配列情報選択領域19と、決定キー20とが設けられている。ユーザーが配列情報選択領域19において配布情報を選択し、決定キー20を操作することで、本体制御部1は、配布用仕分け処理に使用する配布情報の選択入力を受け付ける(ステップS4)。
【0037】
また、配列情報選択領域19において決定キー20が操作されると、本体制御部1は、図6(b)に示す仕分け方法選択入力画面をタッチパネル11に表示させる。仕分け方法選択入力画面には、配列情報確認領域21と、列単位の仕分け方法を選択する列単位仕分け方法選択領域22と、列内における部単位の仕分け方法を選択する部単位仕分け方法選択領域23と、決定キー24とが設けられている。配列情報確認領域21は、ステップS4で選択された配布情報を確認するための領域であり、座席のレイアウトと、登録名と、総印刷部数(印刷物を配布する座席の数)とが表示される。これにより、ユーザーは、視覚的に配列情報を確認することができる。
【0038】
列単位仕分け方法選択領域22には、列単位での幅寄せ仕分け処理を指示する列単位幅寄せキー25と、列間に合い紙(印刷が施されていない記録紙P)を挿入する合い紙仕分け処理を指示する合い紙キー26とが設けられている。列単位仕分け方法選択領域22において、列単位幅寄せキー25もしくは合い紙キー26のいずれかを操作することで、幅寄せ仕分け処理と合い紙仕分け処理のいずれかが選択されることになる。なお、本実施の形態では、列単位仕分け方法選択領域22において2つの異なる仕分け処理のいずれかが選択されるように構成したが、後処理装置200において、他の仕分け処理(例えば、複数のビン等の出力場所を変えての出力や向きを90度変えての出力)を実行可能な場合には、他の仕分け処理を含めた複数の異なる仕分け処理の中から選択可能に構成することができる。
【0039】
部単位仕分け方法選択領域23には、列内における部単位での幅寄せ仕分け処理を指示する列部単位幅寄せキー27が設けられている。部単位仕分け方法選択領域23において、列部単位幅寄せキー27を操作するか否かで、部単位で幅寄せ仕分け処理を行うか否かが選択されることになる。なお、本実施の形態では、部単位仕分け方法選択領域23において仕分け処理を行うか否かが選択されるように構成したが、後処理装置200において、他の仕分け処理(例えば向きを変えての出力)を実行可能な場合には、他の仕分け処理を含めた複数の異なる仕分け処理の中から選択可能に構成することができる。
【0040】
ユーザーが列単位仕分け方法選択領域22及び部単位仕分け方法選択領域23において仕分け方法を選択し、決定キー24を操作することで、本体制御部1は、仕分け方法の選択入力を受け付け(ステップS5)、スタートキー15の操作による出力指示を待つ(ステップS6)。
【0041】
ステップS6でスタートキー15が操作されると、本体制御部1は、本体装置100を制御することで、ステップS4で受け付けた配布情報に基づく総印刷部数分の印刷物を部単位で後処理装置200に順次出力させると共に、ステップS5で受け付けた仕分け方法での仕分けを後処理装置200の後処理制御部5に指示する。これにより、後処理制御部5は、ストック部210を制御することで、ステップS4で受け付けた配布情報に基づき、ステップS5で受け付けた仕分け方法で印刷物を仕分けして主排出トレイ208に出力させる(ステップS7)。
【0042】
図7(a)には、配布用仕分け動作において、配布情報として図6(b)に示す「1年3組」が選択され、且つ仕分け方法として列単位での幅寄せ仕分け処理のみが選択されている場合の出力例が示されている。図7(a)に示す出力例では、各列に必要な部数の記録紙束P1が列単位で左右に幅寄せされて出力されているため、複数列に配列された座席に対する記録紙束P1の配布に際し、各列に必要な部数を簡単に取り分けることができ、簡単に配布作業を行うことができる。
【0043】
また、図7(b)には、配布用仕分け動作において、配布情報として図6(b)に示す「1年3組」が選択され、且つ仕分け方法として列単位での合い紙仕分け処理のみが選択されている場合の出力例が示されている。図7(b)に示す出力例では、各列に必要な部数の記録紙束P1が合い紙となる記録紙Pを挟んで出力されているため、複数列に配列された座席に対する記録紙束P1の配布に際し、各列に必要な部数を簡単に取り分けることができ、簡単に配布作業を行うことができる。なお、合い紙となる記録紙Pのサイズは、記録紙束P1と同一サイズであっても異なるサイズであっても良いが、合い紙となる記録紙Pのサイズを記録紙束P1と同一か小さいサイズである場合には、図7(b)に示すように、合い紙となる記録紙Pが記録紙束P1からずれて出力されるように、後処理装置200で幅寄せして出力させると好適である。
【0044】
図8(a)には、配布用仕分け動作において、配布情報として図6(b)に示す「1年3組」が選択され、且つ仕分け方法として列単位での合い紙仕分け処理と部単位での幅寄せ仕分け処理とが選択されている場合の出力例が示されている。図8(a)に示す出力例では、列単位と部単位とで異なる仕分け処理が行われているため、各列に必要な部数の記録紙束P1を簡単に取り分けることができると共に、列内においても記録紙束P1を簡単に取り分けることができる。列内においても記録紙束P1が仕分けされているため、記録紙束P1にステイプル処理が施されていない場合に有効である。
【0045】
図8(b)には、配布用仕分け動作において、配布情報として図6(b)に示す「1年3組」が選択され、且つ仕分け方法として列単位での幅寄せ仕分け処理と部単位での幅寄せ仕分け処理とが選択されている場合の出力例が示されている。図8(b)に示す出力例では、列単位と部単位とで同種類の幅寄せ仕分け処理が選択されているが、列単位と部単位とで幅寄せ量が違う異なる仕分け処理が行われている。従って、各列に必要な部数の記録紙Pを簡単に取り分けることができると共に、列内においても記録紙Pを簡単に取り分けることができる。このように本実施の形態では、列単位と部単位とで同種類の仕分け処理(幅寄せ仕分け処理)が選択された場合にも、設定量(幅寄せ量等)を異ならせることで列単位と部単位とで異なる仕分け処理が行われるように構成されている。
【0046】
なお、本実施の形態では、仕分け方法を配布情報とは別に操作パネル10から選択入力するように構成したが、配布情報内に仕分け方法を選択する仕分け情報を含め、この仕分け情報を用いて配布用仕分け処理を行うように構成しても良い。
【0047】
以上説明したように本実施の形態においては、タッチパネル11に表示させた配布情報選択入力画面によって複数列に配列された座席の配列情報の選択を受け付け、本体装置100によって、選択された前記配列情報に基づいて座席数分の印刷物を部単位で順次印刷させると共に、後処理装置200によって、印刷された前記印刷物を選択された前記配列情報に基づいて列単位で仕分けして出力させるように構成することにより、座席レイアウトに応じた仕分け出力を行うことができ、複数列に配置(配列)された座席に対する印刷物の配布作業を簡単に行うことができるという効果を奏する。
【0048】
さらに、本実施の形態においては、後処理装置200によって、印刷物を部単位で仕分けすると共に、部単位の仕分け方法とは異なる仕分け方法によって列単位で仕分けして出力させるように構成することにより、各列に必要な部数の記録紙Pを簡単に取り分けることができると共に、列内においても記録紙Pを簡単に取り分けることができ、記録紙束P1にステイプル処理が施されていない場合にも、簡単に配布作業を行うことができる。
【0049】
さらに、本実施の形態においては、タッチパネル11に表示させた仕分け方法選択入力画面によって部単位での仕分け方法及び列単位での仕分け方法の選択を受け付け、後処理装置200によって、選択された部単位での仕分け方法及び列単位での仕分け方法で、部単位での仕分け処理及び列単位での仕分け処理を行って印刷物を出力させるように構成することにより、ユーザーの所望する仕分けを行って印刷物を出力することができる。
【0050】
さらに、本実施の形態においては、選択された部単位での仕分け方法及び列単位での仕分け方法が同一種類である場合でも、後処理装置200によって、部単位と列単位とで異なる仕分け処理を行って印刷物を出力させるように構成することにより、ユーザーが部単位での仕分け方法と列単位での仕分け方法との組み合わせを意識することなく、仕分け方法を選択することができる。
【0051】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【符号の説明】
【0052】
1 本体制御部
2 記憶部
3 画像処理部
4 通信部
5 後処理制御部
10 操作パネル
11 タッチパネル
12 テンキー
13 リセットキー
14 ストップキー
15 スタートキー
16 配布用仕分けキー
17 ステイプルキー
18 パンチキー
19 配列情報選択領域
20 決定キー
21 配列情報確認領域
22 列単位仕分け方法選択領域
23 部単位仕分け方法選択領域
24 決定キー
25 列単位幅寄せキー
26 合い紙キー
27 列部単位幅寄せキー
100 本体装置
120 原稿読取部
121 スキャナー
122 プラテンガラス
123 原稿読取スリット
130 原稿給送部
131 原稿載置部
132 原稿排出部
133 原稿搬送機構
140 記録部
150 画像形成部
151 感光体ドラム
152 帯電部
153 露光部
154 現像部
155 転写部
156 クリーニング部
157 定着部
160 給紙部
161a〜d 給紙カセット
162 給紙ローラー

170 搬送路
181 搬送ローラー
182a、182b 排出ローラー
183 切替爪
190 排出トレイ
200 後処理装置
201 パンチ部
202 ステイプル部
203 搬入口
204 搬送ローラー
205 案内爪
206 排出ローラー
207 副排出トレイ
208 主排出トレイ
210 ストック部
211 カバートレイ
212 ストックトレイ
213 ストッパ
214 無端ベルト
215a プーリ
215b 回転軸
216 モーター
217a 右側カーソル
217b 左側カーソル
218 排出ローラー
219 排出口
220 移動手段
221 高さセンサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物を出力する画像形成装置であって、
複数列に配列された座席の配列情報を受け付ける配列情報入力手段と、
該配列情報入力手段によって受け付けた前記配列情報に基づいて座席数分の前記印刷物を部単位で順次印刷する印刷手段と、
該印刷手段によって印刷された前記印刷物を前記配列情報入力手段によって受け付けた前記配列情報に基づいて列単位で仕分けして出力させる仕分け手段とを具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記仕分け手段は、前記印刷手段によって印刷された前記印刷物を部単位で仕分けすると共に、部単位の仕分け方法とは異なる仕分け方法によって列単位で仕分けして出力させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記仕分け手段による部単位での仕分け方法及び列単位での仕分け方法の選択を受け付ける仕分け方法選択入力手段を具備し、
前記仕分け手段は、前記仕分け方法選択入力手段によって選択された部単位での仕分け方法及び列単位での仕分け方法で、部単位での仕分け処理及び列単位での仕分け処理を行って前記印刷物を出力させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記仕分け手段は、前記仕分け方法選択入力手段によって選択された部単位での仕分け方法及び列単位での仕分け方法が同一種類である場合でも、部単位と列単位とで異なる仕分け処理を行って前記印刷物を出力させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−86892(P2013−86892A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226550(P2011−226550)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】