画像形成装置
【課題】連続的に面画像を作製することに起因する残像画質不良を有効に解消する。
【解決手段】像保持体1に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成装置9と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤Gが保持搬送される現像剤保持体2を有し、像保持体1に対し現像剤を摺擦させ、潜像形成装置9にて像保持体1上に形成された静電潜像を現像する現像装置10と、静電潜像に対応する画像信号に基づいて像保持体1の周回毎に連続して面画像になる領域を積算し、当該積算値が予め決められた閾値を超える特別作像条件であるか否かを判別する作像条件判別装置11と、特別作像条件であると判別されたときに、少なくとも連続する面画像領域に対しキャリアの転移が生じない条件で像保持体1に対する現像装置10の現像剤Gによる摺擦力を低減させるように現像装置10の現像パラメータを制御する現像制御装置12と、を備える。
【解決手段】像保持体1に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成装置9と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤Gが保持搬送される現像剤保持体2を有し、像保持体1に対し現像剤を摺擦させ、潜像形成装置9にて像保持体1上に形成された静電潜像を現像する現像装置10と、静電潜像に対応する画像信号に基づいて像保持体1の周回毎に連続して面画像になる領域を積算し、当該積算値が予め決められた閾値を超える特別作像条件であるか否かを判別する作像条件判別装置11と、特別作像条件であると判別されたときに、少なくとも連続する面画像領域に対しキャリアの転移が生じない条件で像保持体1に対する現像装置10の現像剤Gによる摺擦力を低減させるように現像装置10の現像パラメータを制御する現像制御装置12と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における画像形成装置としては例えば特許文献1,2に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を解消するという課題を解決するために、像保持体に対しカウンター方向に回転し、磁性キャリアの重量平均粒径が20〜40μmであり、現像剤担持体と像保持体との距離が0.02cm以上であり、現像剤担持体上の単位面積当たりの現像剤担持量が15mg/cm2以上であり、現像剤担持量/距離が375〜1125mg/cm3である現像方法が開示されている。
特許文献2には、帯電不良によるかぶりや、帯電補助ブラシの汚染や接触帯電部材による転写残トナーのかきとり不良によるゴーストがいかなる環境下においても発生しない状態を維持するという課題を解決するために、環境手段からの出力に応じて、画像形成時に対する非画像形成時の帯電補助ブラシへの帯電付加条件を可変制御する制御手段を有する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−98593号公報(発明を実施するための最良の形態,図4)
【特許文献2】特開2001−343866号公報(発明の実施の形態,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の解決しようとする技術的課題は、連続的に面画像を作製することに起因する残像画質不良を有効に解消することが可能な画像形成装置を提供しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、静電潜像が保持される回転可能な像保持体と、この像保持体に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成装置と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤が保持搬送される現像剤保持体を有し、前記像保持体に対し前記現像剤を摺擦させ、前記潜像形成装置にて像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置と、この潜像形成装置にて形成される静電潜像に対応する画像信号に基づいて前記像保持体の周回毎に連続して面画像になる領域を積算し、当該積算値が予め決められた閾値を超える特別作像条件であるか否かを判別する作像条件判別装置と、この作像条件判別装置にて連続する面画像が閾値を超えた特別作像条件であると判別されたときに、少なくとも連続する面画像領域に対しキャリアの転移が生じない条件で前記像保持体に対する前記現像装置の現像剤による摺擦力を低減させるように前記現像装置の現像パラメータを制御する現像制御装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記作像条件判別装置は、温度及び湿度が検出可能な環境検出器から検出された環境情報を取り込み、当該環境情報が予め定めた要注意環境条件であるか否かを判別する環境判別部を有し、この環境判別部にて環境情報が予め定められた要注意環境条件に該当すると判別したときに、前記特別作像条件であるか否かを判別することを特徴とする画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成装置において、前記現像制御装置は、前記現像装置の現像剤保持体の現像剤搬送量及び像保持体との周速比の少なくともいずれかの現像パラメータを制御するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る画像形成装置において、前記現像制御装置は、像保持体に対する現像剤保持体の周速比を変更するに当たり、像保持体の周速を変更せず、現像剤保持体の周速を変更するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る画像形成装置において、前記現像装置は、前記現像剤保持体に対向して非接触配置される層規制部材を有し、前記現像制御装置は、現像剤保持体の現像剤搬送量を変更するに当たり、現像剤保持体と層規制部材との間の層規制位置における現像剤搬送条件を変更するものであることを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る画像形成装置において、前記現像装置は、少なくとも表面粗さが最大高さで5μm以下の平滑面として形成されて回転する現像回転体を含む現像剤保持体と、この現像剤保持体と予め決められた間隙を介して対向して配置され且つ現像剤保持体との対向部にて当該現像剤保持体と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制部材としての層規制回転体と、を有し、前記現像制御装置は、前記現像剤保持体の予め決められた周速に対し前記層規制回転体の周速を増減させることで現像剤搬送量を変更することを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6いずれかに係る画像形成装置において、前記現像制御装置は、前記現像剤保持体の現像剤搬送量が検出可能な検出装置を有し、この検出装置の検出結果に基づいて現像パラメータを制御することを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る画像形成装置において、前記潜像形成装置は、像保持体を帯電し且つ像保持体に対して非接触配置される帯電装置と、帯電された像保持体に対して静電潜像を書き込む潜像書込装置と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、連続的に面画像を作製することに起因する残像画質不良を有効に解消することができる。本構成を有さない態様に比べて、現像パラメータの制御回数を必要最小限に抑えることができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、現像剤による摺擦力を容易に制御することができる。
請求項3に係る発明によれば、像保持体に対する現像剤保持体の周速比を容易に変更することが可能になり、現像剤による摺擦力を容易に制御することができる。
請求項4に係る発明によれば、像保持体に対する現像剤保持体の周速比を容易に変更することが可能になり、現像剤による摺擦力を容易に制御することができる。
請求項5に係る発明によれば、層規制位置における現像剤搬送条件を変更することで、現像剤保持体の現像剤搬送量を容易に変更することが可能になり、現像剤による摺擦力を容易に制御することができる。
請求項6に係る発明によれば、現像剤保持体及び層規制部材の構成を工夫することで、層規制位置における現像剤搬送量を容易に変更することが可能になり、現像剤による摺擦力を容易に制御することができる。
請求項7に係る発明によれば、現像剤搬送量を検出することで、現像剤による摺擦力をより精度良く制御することができる。
請求項8に係る発明によれば、像保持体に対して非接触配置された帯電装置を使用する態様において、連続的に面画像を作製することに起因する残像画質不良を有効に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
【図2】(a)は図1に示す画像形成装置における現像装置と像保持体との要部を示す説明図、(b)は(a)中Cで囲む部分における現像剤の挙動を模式的に示す説明図である。
【図3】(a)は連続的に面画像(ベタ画像)を作製した後の初期画像の一例を示す説明図、(b)は連続的に面画像(ベタ画像)を作製したことに起因して(a)の初期画像に対して起こり得るゴースト発生画像の一例を示す説明図である。
【図4】図3のゴースト発生画像が生ずる要因を模式的に示す説明図である。
【図5】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図6】実施の形態で用いられる作像エンジンの一例を示す説明図である。
【図7】(a)は実施の形態1で用いられる現像装置の現像ロールと回転トリマとのレイアウトを示す説明図、(b)は現像ロールの磁石ロールの磁極による磁束密度分布例を示す説明図である。
【図8】(a)は現像装置の駆動伝達系を示す説明図、(b)はその駆動状態を模式的に示す説明図である。
【図9】現像装置の駆動制御系を示す説明図である。
【図10】実施の形態1で用いられる現像装置の駆動制御系にて採用される画像情報によるMOS(Mass on the sleeve)量制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1で用いられる現像装置の駆動制御系にて採用される使用履歴情報によるMOS量制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態1で用いられる現像装置の駆動制御系にて採用される環境情報によるMOS量制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】(a)は実施の形態1で用いられる現像装置の回転トリマの周速変化に伴うMOS変化を示す説明図、(b)は回転トリマ周速比とMOSとの関係を示すグラフ図である。
【図14】(a)〜(c)は実施の形態1で用いられる現像装置において回転トリマの周速vrを変化させたときのMOSの変化状態を示す説明図であり、(a)はvr=vr1のとき、(b)はvr=vr2≠vr1のとき、(c)はvr=0(又は<0)のときである。
【図15】図14(a)〜(c)における層規制部材付近の現像剤の挙動を示す説明図である。
【図16】(a)は図9に示す現像装置の駆動制御系のうち、連続べたゴースト制御処理を具現化する機能部を示す説明図、(b)は(a)の画像認識部による画像の認識例を示す説明図である。
【図17】本実施の形態で採用される連続べたゴースト制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】図17に示すフローチャートでの処理を模式的に示す説明図である。
【図19】(a)は通常作像条件のときにおける現像装置による現像剤の挙動を模式的に示す説明図、(b)は特別作像条件を判別した後における現像装置による現像剤の挙動を模式的に示す説明図である。
【図20】特別作像条件を判別した後における作像処理過程を模式的に示す説明図である。
【図21】実施の形態1で用いられる画像形成装置の変形の形態1を示す説明図である。
【図22】実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【図23】(a)は現像剤搬送量を検出する検出装置の構成例を示す説明図、(b)は現像剤が検出部材に非接触である場合における印加電圧V0、検出電流i、検出電圧V1,V2の出力例を示す説明図である。
【図24】(a)は現像剤搬送量が検出部材に接触し始める程度に増加したときの検出装置付近の状態を示す説明図、(b)はそのときにおける印加電圧V0、検出電流i、検出電圧V1,V2の出力例を示す説明図である。
【図25】(a)は現像剤搬送量が図24の状態よりも更に増加したときの検出装置付近の状態を示す説明図、(b)はそのときにおける印加電圧V0、検出電流i、検出電圧V1,V2の出力例を示す説明図である。
【図26】(a)は現像剤搬送量が図25の状態よりも更に増加したときの検出装置付近の状態を示す説明図、(b)はそのときにおける印加電圧V0、検出電流i、検出電圧V1,V2の出力例を示す説明図である。
【図27】実施の形態2で採用される連続べたゴースト制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】図27の「現像剤搬送量検出処理」の一例を示すフローチャートである。
【図29】実施の形態3に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【図30】実施の形態3で採用される現像剤搬送量の検出装置の一例を示す説明図、(b)は同検出装置の他の例を示す説明図である。
【図31】(a)は図30(a)に係る検出装置の検出出力例を示す説明図、(b)は図30(b)に係る検出装置の検出出力例を示す説明図である。
【図32】実施の形態4に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【図33】(a)は現像剤搬送量検出時における動作例を示す説明図、(b)は現像剤搬送量変更時における動作例を示す説明図である。
【図34】(a)は実施例(実施例1,2)に係る現像装置の態様を示す説明図、(b)は比較例(比較例1,2)に係る現像装置の態様を示す説明図である。
【図35】(a)は実施例で用いられる現像スリーブ(平滑スリーブ)の表面状態を示す説明図、(b)は比較例1で用いられる現像スリーブ(ブラストスリーブ)の表面状態を示す説明図、(c)は比較例2で用いられる現像スリーブ(溝スリーブ)の表面状態を示す説明図である。
【図36】実施例及び比較例に係る現像装置における現像剤搬送性を評価するに当たって、トリマ、層規制用磁極の磁束密度、現像スリーブ表面を組みあわせたときの夫々のMOSを示す説明図である。
【図37】実施例1,2と比較例1に係る現像装置について、回転トリマ周速比とMOSとの関係を示すグラフ図である。
【図38】(a)は実施例3に係る画像形成装置を用いて連続べたゴースト制御時における現像パラメータとしての現像剤搬送量の変更に伴う評価例を示す説明図、(b)は(a)のΔL*の意義を示す説明図である。
【図39】実施例3に係る画像形成装置を用いて連続べたゴースト制御時における現像パラメータとしての周速比の変更に伴う評価例を示す説明図である。
【図40】実施例3に係る画像形成装置を用いて連続べたゴースト制御処理を行い、現像パラメータである現像剤搬送量、周速比を可変させた状態で、キャリア付着/連続べたゴーストの有無を調べた評価例である。
【図41】環境情報、連続プリント枚数を適宜選定し、現像周速比規定値、現像周速比が規定値の80%である条件での連続べたゴーストの発生状況を示す評価例である。
【図42】実施例4に係る画像形成装置の検出装置における検出出力に関し、現像座性搬送量と電流積分値との関係を調べたグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
同図において、画像形成装置は、静電潜像が保持される回転可能な像保持体1と、この像保持体1に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成装置9と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤Gが保持搬送される現像剤保持体2を有し、前記像保持体1に対し前記現像剤Gを摺擦させ、前記潜像形成装置9にて像保持体1上に形成された静電潜像を現像する現像装置10と、この潜像形成装置9にて形成される静電潜像に対応する画像信号に基づいて前記像保持体1の周回毎に連続して面画像になる領域を積算し、当該積算値が予め決められた閾値を超える特別作像条件であるか否かを判別する作像条件判別装置11と、この作像条件判別装置11にて連続する面画像が閾値を超えた特別作像条件であると判別されたときに、少なくとも連続する面画像領域に対しキャリアの転移が生じない条件で前記像保持体1に対する前記現像装置10の現像剤Gによる摺擦力を低減させるように前記現像装置10の現像パラメータを制御する現像制御装置12と、を備えたものである。
尚、図1において、符号13は転写媒体14(記録材又は記録材に転写する前にトナー像を一時的に保持する中間転写体に相当)に対して像保持体1上に形成されたトナー像を転写する転写装置、15は像保持体1上に残留する残留トナーなどを清掃する清掃装置である。
【0011】
このような技術的手段において、像保持体1としては、感光体、誘電体のように光やイオンによって静電潜像を形成可能な態様のほか、画素単位毎に静電潜像に対応する潜像電位を与える画像電極を備えた態様などがある。
また、潜像形成装置9としては、像保持体の種類に応じて適宜選定して差し支えない。例えば像保持体1が感光体、誘電体であれば、例えば像保持体1を帯電する帯電装置9aと、帯電された像保持体1に対して光やイオンにより静電潜像を書き込む潜像書込装置9bと、を有するものであればよく、画素電極を用いた態様では静電潜像に対応する潜像電位を供給する信号を生成するものであればよい。
更に、現像装置10としては、現像容器8内にトナー及びキュリアが含まれる二成分現像剤Gを用いるものを広く対象とする。但し、この現像剤Gにはトナーと同極性の外添剤(例えば負帯電トナーに対しては負帯電シリカ)が混入されている。
また、現像剤保持体2としては、代表的には回転可能な中空状の現像回転体3と、この現像回転体3内に固定的に内包され且つ周囲に複数の磁極5が配列される磁石部材4と、を有する態様が挙げられる。尚、図1中、符号7は現像容器8内において現像剤Gを循環撹拌搬送し、トナーを十分に帯電させた後に現像剤保持体2に現像剤Gを保持させる撹拌搬送部材である。
【0012】
また、作像条件判別装置11は、連続的な面画像(所謂ベタ画像に相当;但し、本例では画像密度が100%のものに限定されるものではなく、画像密度が予め決められた高画像密度〔例えば80%以上〕のものを含むものとする)が像保持体1の周回毎に例えば予め決められた回数(閾値に相当)以上形成されると、その後に前記面画像が形成された領域を含む作像領域にハーフトーン画像を形成した場合に、前記連続した面画像が残像(ゴースト)として現れる現象が比較的高い確率で起こり得る。このような作像条件を特別作像条件として予め定めておけば、前記残像現象(ゴースト現象)が生ずる可能性の高い作像条件を判別することが可能である。
例えば図3(a)に示すように、初期画像として、連続的な面画像IM1の領域の一部が削除され、これに代えてハーフトーン画像IM2が存在する例を挙げると、連続的な面画像IM1が閾値を超える回数繰り返されるという特別作像条件に該当した場合には、図3(b)に示すように、ハーフトーン画像IM2のうち連続的な面画像IM1と重なった領域には、元の連続的な面画像IM1の残像画像(ゴースト画像)IMgが現れる可能性が高い。
【0013】
このため、本実施の形態では、現像制御装置12は、特別作像条件であるときに、前述した残像現象が起こらないように現像パラメータを制御するという手法を採用している。
先ず、前述した残像現象が生ずる原因については以下のように推測される。
つまり、図4に示すように、連続的な面画像を作製するときに、仮に、像保持体1上にトナーTの外添剤Wが付着してしまうと、通常像保持体1には清掃装置15(図1参照)が設けられることが多いが、外添剤W自体が微小径であることから、清掃装置15をすり抜けてしまう可能性が高く、像保持体1の周回に伴って再び現像装置の現像領域に到達する。このとき、像保持体1に対しては、潜像形成装置9(例えば帯電装置9a+潜像書込装置9b)により予め決められた帯電電位Vhにて帯電(図中eは帯電電荷を模式的に示す)後に静電潜像Zが形成され、現像装置10の現像領域に至るが、現像装置10の現像剤Gによる摺擦力が通常のままであると、像保持体1の外添剤Wが現像剤Gによって掻き取られてしまい、この掻き取られた部位に関する潜像電位Vzが周囲より更に絶対値でΔV低下した状態になり易く、現像装置10にて現像剤保持体2に現像電圧Vbias(|Vh|>|Vbias|>|Vz|)を印加することで現像動作が行われると、前記静電潜像Zのうち外添剤Wが掻き取られた部分に周囲よりも多くのトナーTが現像され、当該部分の濃度が他の部分と異なる残像画像であるゴースト画像IMg(図3(b)参照)になってしまう。
本実施の形態では、このようなゴースト画像の発生を回避するために、特別作像条件であるときに、像保持体1に転移した外添剤Wの掻き取りが起こらないように対処することか必要であり、本例では、図2(a)(b)に示すように、現像パラメータの制御に当たり、像保持体1に対する現像剤Gによる摺擦力Fを低減させるという対処を施すようにしたものである。
ここで、「少なくとも連続する面画像領域に対しキャリアの転移が生じない条件」とは、「現像剤による摺擦力」を低減させ過ぎると、現像剤保持体2に保持されているキャリアが像保持体1側に転移し、像抜けする懸念があるため、これを回避するための条件である。
【0014】
次に、本実施の形態における代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、作像条件判別装置11の好ましい態様としては、温度及び湿度が検出可能な環境検出器から検出された環境情報を取り込み、当該環境情報が予め定めた要注意環境条件であるか否かを判別する環境判別部11aを有し、この環境判別部11aにて環境情報が予め定められた要注意環境条件に該当すると判別したときに、特別作像条件であるか否かを判別する態様が挙げられる。
作像条件判別装置11としては、特別作像条件に該当するか否かを常に判別するようにしても差し支えないが、本態様のように、環境判別部11aによる環境条件を特別作像条件の判別処理の前処理条件にしても差し支えない。
本態様は、連続的に面画像を作製することに起因する残像画質不良が環境条件(主として低温低湿環境条件)に依存することから、残像画質不良につながり易い特別作像条件であるか否かの判別を行うに当たって環境条件を考慮するようにしたものである。
本例では、温度及び湿度が検出可能な環境検出器にて環境情報を検出し、環境判別部11aにて環境検出器の検出結果から要注意環境条件に合致するか否かを判別すればよいが、要注意環境条件であるか否かについては夫々の機種毎に実験的に求めておくのが好ましい。
【0015】
また、現像制御装置12による制御対象である現像パラメータとしては、現像装置10の現像剤保持体の現像剤搬送量及び像保持体1との周速比の少なくともいずれか一方が挙げられる。
つまり、現像剤Gによる摺擦力に寄与する現像パラメータの代表的態様としては、以下の態様が挙げられる。
・現像剤搬送量
・現像剤保持体2の像保持体1との周速比
・これら両者の組み合わせ
このような現像パラメータの選定について補足する。
前述した連続べたゴーストは、像保持体1上に堆積した電荷を有する外添剤Wを掻き取ることによって像保持体1の潜像電位Vzが変化してしまうことが原因であると推測される。
そこで、連続べたゴーストと相関がある現像パラメータとしては、像保持体1上の外添剤の掻き取りに関わる原因につながるものと考え、これらについて相関の程度(有無及び相関が小)を検討した。尚、相関の程度として、○:相関がある、△:相関が小さい、×:相関が見られないことを示す。
【0016】
現像・現像剤条件 相関の程度
・現像剤保持体表面粗さ △
・現像電圧交流成分振幅 ×
・現像電圧交流成分周波数 ×
・現像電圧交流成分デューティ比 ×
・現像磁極角度 ×
・現像剤保持体の像保持体との周速比 ○
・現像剤搬送量 ○
・トナー濃度 ×
・キャリア種類 ○
・トナー外添剤種類・量 ○
(1)「現像剤保持体表面粗さ」:掻き取る現像剤磁気ブラシの搬送力に関わる。
(2)「現像剤保持体の像保持体との周速比」:掻き取る現像剤磁気ブラシの運動量に関わる。
(3)「現像剤搬送量」:掻き取る現像剤磁気ブラシの像保持体に対する圧力と運動量及び密度(どの程度満遍なく接触するか)に関わる。
(4)「キャリア種類」:実際には磁化の異なるキャリアを用いたが、掻き取る現像剤磁気ブラシの穂の硬さと搬送力に関わる。
(5)「トナー外添剤種類・量」:掻き取られる外添剤に関わる。
ここで、(1)〜(4)が画像形成装置側で制御可能な要因で、これらはいずれも掻き取りの強さや密度という掻き取り能力に関わり、これを現像剤による摺擦力という物理量で表すと、連続べたゴーストは現像剤による摺擦力と相関があると言える。
そして、(1)〜(4)の中で初期設定によって決まってしまうものが(1)と(4)、画像形成装置に組み込んだ後に変更可能なものは(2)と(3)である。従って、画像形成装置稼働中に現像剤による摺擦力を制御可能な現像パラメータとしては、(2)と(3)が考えられる。
【0017】
更に、現像制御装置12の代表的態様としては、図2(a)(b)に示すように、像保持体1に対する現像剤保持体2の周速比を変更するに当たり、像保持体1の周速vpを変更せず、現像剤保持体2の周速vdを変更するものが挙げられる。
また、現像制御装置12の他の代表的態様としては、現像装置10が現像剤保持体2に対向して非接触配置される層規制部材6を有する態様を前提とし、図2(a)(b)に示すように、現像剤保持体2の現像剤搬送量MOSを例えばMOS1からMOS2(≠MOS1)に変更するに当たり、現像剤保持体2と層規制部材6との間の層規制位置Bにおける現像剤搬送条件を変更するものが挙げられる。
ここでいう「層規制位置Bにおける現像剤搬送条件」とは両者間の位置に依存する条件(両者間の間隙寸法に相当)や、両者間の相対的な動き(相対周速差に相当)に依存する条件などが挙げられる。
【0018】
また、現像剤搬送量を変更する態様のうち好ましい態様としては、現像装置10は、少なくとも表面粗さが最大高さで5μm以下の平滑面として形成されて回転する現像回転体3を含む現像剤保持体2と、この現像剤保持体2と予め決められた間隙を介して対向して配置され且つ現像剤保持体2との対向部にて当該現像剤保持体2と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制部材としての層規制回転体6と、を有し、現像制御装置12は、現像剤保持体2の予め決められた周速vdに対し層規制回転体6の周速vrを増減させることで現像剤搬送量MOSを変更するものが挙げられる。
本態様において、現像回転体3としては剛体の筒状体でもよいし、可撓性薄膜部材でもよい。ここで、平滑面としては表面粗さが最大高さ(JlSBO6012001の規格に相当)5μm以下であることを要件としているが、これは、現像回転体3の表面粗さを最大高さで5μmより大きくすると、現像回転体3側の現像剤搬送力が大き過ぎて層規制回転体6による現像剤搬送量を調整し難いことによる。
また、層規制部材としての層規制回転体6は、現像剤保持体2との対向部にて現像剤保持体2と少なくとも同方向に回転するものであればよく、現像剤保持体2との間には少なくとも現像剤Gの層規制が可能な範囲で予め定めた間隙を確保するようにすればよい。また、磁性、非磁性のいずれでも差し支えなく、表面粗さも特には制限はないが、あまり粗く設定すると、前記表面粗さが現像剤Gに対する搬送力に大きく寄与するため、目標とする現像剤層厚を考慮して好ましいものを選定するようにすればよい。
【0019】
また、現像制御装置12の別の代表的態様としては、現像剤保持体2の現像剤搬送量が検出可能な検出装置17を有し、この検出装置17の検出結果に基づいて現像パラメータを制御するものが挙げられる。
本態様では、検出装置17によって検出時における現像装置10の実際の現像剤搬送量を把握することが可能になるため、現時点の現像剤搬送量を考慮して現像パラメータの変更を行うことができる。
更に、本実施の形態では、画像形成装置のうち特に有効な態様としては、潜像形成装置9が、像保持体1を帯電し且つ像保持体1に対して非接触配置される帯電装置9aと、帯電された像保持体1に対して静電潜像を書き込む潜像書込装置9bと、を有する態様が挙げられる。
帯電装置9aとして、像保持体1に対して非接触な非接触方式を採用する場合には、像保持体1上に付着した外添剤Wが現像装置10の現像領域にそのまま戻り易いことから、本発明を適用することがより有効である。
【0020】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
−画像形成装置の全体構成−
図5は本発明が適用された画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
同図において、画像形成装置20は、装置筐体21の上部に配置されて原稿台上の原稿を読み取る画像読取装置22と、装置筐体21内に組み込まれて記録材に対して画像を形成する作像装置25と、を備えている。
尚、画像読取装置22の上部には、原稿を自動的に読み取り、読み取った原稿を決められた場所に収容する自動原稿読取装置23が設けられている。
そして、作像装置25は、例えば複数の色成分画像(本例ではイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の有色トナー像)を形成する作像エンジン30(30a〜30d)と、この作像エンジン30にて形成されたトナー像を順次転写(1次転写)して保持する中間転写体140と、この中間転写体140上に形成された有色トナー像及び透明トナー像を含む重ね画像を記録材90に一括転写(2次転写)する一括転写装置150と、一括転写された重ね画像を記録材90上に加熱定着させる定着装置170と、一括転写部位に記録材90を搬送する記録材搬送系180と、を備えたものである。
【0021】
<作像エンジン>
図5及び図6において、作像エンジン30(30a〜30d)は、像保持体としてのドラム状の感光体31と、この感光体31を帯電する帯電装置32と、この帯電装置32で帯電された感光体31に静電潜像を光にて書き込む露光装置33と、感光体31上に書き込まれた静電潜像を現像剤(トナー)にて可視像化する現像装置34と、この現像装置34にて可視像化されたトナー像を転写媒体としての中間転写体140に転写する転写装置35と、この転写装置35にて転写された後に感光体31上に残留する残留トナーを清掃する清掃装置36と、を備えている。
ここで、帯電装置32は例えば帯電容器321を有し、この帯電容器321内に帯電部材として放電ワイヤ322及びグリッド電極323を配設したものであるが、帯電装置32としてはこれに限られるものではなく、例えばロール状の帯電部材を用いるなど適宜選定して差し支えない。
また、露光装置33としては、レーザ走査装置やLEDアレイなどが使用される。
更に、現像装置34としては、トナー及びキャリアが含まれる二成分現像剤を用いた二成分現像方式が採用されたものが用いられる。尚、現像装置34の詳細については後述する
更にまた、転写装置35としては、感光体31上のトナー像を中間転写体140側に静電転写させる転写電界を作用させるものであればよく、例えば転写バイアスが印加されるロール状の転写部材35aが用いられる。尚、転写装置35としては、これに限られるものではなく、放電ワイヤを用いた転写コロトロンなど適宜選定して差し支えない。
また、清掃装置36は、感光体31側が開口し且つ残留トナーが収容される清掃容器360を有し、この清掃容器360の開口のうち感光体31回転方向下流側縁にブレードやスクレーパ等の板状清掃部材361を配設すると共に、この板状清掃部材361の感光体31の回転方向上流側にはブラシ状又はロール状の回転清掃部材362を配設し、前記清掃容器360の開口のうち感光体31回転方向上流側縁に封止用のシール部材363を設け、更に、清掃容器360内の回転清掃部材362の下方には清掃された残留トナーを廃棄回収するために搬送する搬送部材364(例えば回転軸部材の周囲に螺旋羽根を設けた態様)を配設したものである。
【0022】
<中間転写体>
中間転写体140は、複数(本例では6つ)の張架ロール141〜146に掛け渡されており、張架ロール141が図示外の駆動モータにて駆動される駆動ロールとして用いられ、張架ロール142〜146がいずれも従動ロールとして用いられ、更に、張架ロール143が中間転写体140に張力を付与する張力付与ロールとして用いられると共に張架ロール145が一括転写装置150の一要素として用いられる。
そしてまた、張架ロール141に対向する中間転写体140の表面側には、二次転写後の中間転写体140上の残留トナーを除去する清掃装置147が配設されている。
<一括転写装置>
また、一括転写装置150は、中間転写体140の画像保持面側に圧接廃置される二次転写ロール151と、中間転写体140の裏面側に配置されて二次転写ロール151の対向電極をなす対向電極ロール152(本例では張架ロール145を兼用)と、を備えている。本例では、対向電極ロール152には、トナーの帯電極性と同極性の二次転写電圧が印加されており、この対向電極ロール152と二次転写ロール151との間に形成される転写電界にて、中間転写体140上に保持された重ね画像が二次転写部位にて記録材90に静電転写されるようになっている。尚、転写装置150としては、これに限られるものではなく、放電ワイヤを用いた転写コロトロンなど適宜選定して差し支えない。
<定着装置>
また、定着装置170は、例えば記録材90の画像保持面に接触して回転し且つ例えば内部に加熱源を有する加熱定着ロール171と、この加熱定着ロール171との間に記録材90を挟持して記録材90を加圧し且つ加熱定着ロール171と共に回転する加圧定着ロール172と、備えている。
<記録材搬送系>
更に、記録材搬送系180は、記録材収容装置181に予め記録材90を収容しておき、この記録材収容装置181から記録材供給部材182にて記録材90を供給した後、搬送ロール183にて搬送されると共に二次転写部位の手前で位置合わせロール184にて記録材90を一旦位置合わせした後に二次転写部位に導き、搬送ベルト185を通じて定着装置170へと搬送し、排出ロール186を介して記録材排出受け187に記録材90を排出するようにしたものである。
【0023】
−現像装置−
本実施の形態において、現像装置34は、図6に示すように、感光体31側が開口し且つトナー及びキャリアを含む二成分現像剤が収容される現像容器40を有し、この現像容器40の感光体31に面した箇所に現像剤が保持搬送可能な現像ロール41を配設すると共に、現像容器40内の現像ロール41の背面側にはトナーを摩擦帯電するために現像剤が撹拌搬送せしめられる撹拌搬送部材42,43を例えば水平方向に並べて配設し、撹拌搬送部材42,43にて撹拌搬送された現像剤を現像ロール41に受け渡し、現像ロール41上に保持された現像剤を層規制部材44にて層規制した後に感光体31に対向する現像位置Aに現像剤を供給するようにしたものである。
ここで、現像容器40は、図8(a)に示すように、現像ロール41の軸方向に沿って延びる仕切板48にて内部空間を仕切り、この仕切板48の長手方向両端付近に夫々通孔49,50を開設し、前記仕切板48で仕切られた空間には例えば回転軸部材51の周囲に螺旋羽根52が設けられる前記撹拌搬送部材42,43を配設し、この撹拌搬送部材42,43及び通孔49,50にて現像剤を循環搬送するようになっている。
尚、現像容器40の開口上縁には封止用のシール部材45が設けられている。
【0024】
<現像ロール>
本例では、現像ロール41は前記現像位置Aにて感光体31との間に間隙を介して非接触配置されているが、当該間隙は、前記現像位置Aに対し現像ロール41上に現像に必要な現像剤搬送量(MOS:Mass on the sleeveの略)を有する場合には感光体31と現像ロール41との間に現像剤が充填される程度に選定されている。
そして、現像ロール41は、図6及び図7に示すように、非磁性材料(例えばSUS304等)にて筒状に形成され且つ回転可能な現像スリーブ61と、この現像スリーブ61内に固定的に内包される磁石ロール62とを備えている。
本実施の形態において、現像スリーブ61はその表面に平滑面61aを有している。この平滑面61aは、例えば非磁性材料からなる現像スリーブ61の素管の表面に対し研磨処理を施すことで形成されており、表面粗さが最大高さRz(JIS B0601 2001)で5μm以下の値に選定されている。
また、磁石ロール62は、図7(a)(b)に示すように、非磁性のロール部材63の周囲に複数の磁極64(本例では5つの磁極64a〜64e)を配列したもので、具体的には、前記現像位置Aに対応して現像剤を現像に供する現像用磁極64a(本例ではN極)、前記層形成部材44による層規制位置Bに対応して現像剤層を規制する層規制用磁極64b(本例ではS極)、更には、現像ロール41に現像剤を吸着保持する吸着用磁極64d(本例ではS極)、そして、層規制用磁極64bと吸着用磁極64dとの間には現像剤を搬送するための搬送用磁極64c(本例ではN極)、また、現像用磁極64aと吸着用磁極64dとの間には吸着用磁極64dとの間に反発磁界が生成されて現像ロール41上の現像剤を剥離する剥離用磁極64e(本例ではS極)を配置したものである。尚、現像用磁極64a、層規制用磁極64b、吸着用磁極64d、剥離用磁極64eが隣り合う異なる極性の磁極との間では搬送用磁極として機能するものである。
そして、磁石ロール62の磁極64(64a〜64e)による磁束密度分布Mは現像スリーブ61が回転したときに現像スリーブ61上の現像剤を前記磁束密度分布Mによる磁力で保持搬送できる程度に選定されている。
【0025】
<層規制部材>
層規制部材44は、図7(a)に示すように、回転可能なロール状部材(以下必要に応じて回転トリマと称する)からなり、現像スリーブ61との対向部位では少なくとも現像スリーブ61と同方向に回転するようになっている。
そして、この層規制部材(回転トリマ)44は、現像スリーブ61の表面との間に予め決められた間隙TGを介して現像スリーブ61に対し非接触配置されている。この間隙TGは、現像位置Aに供されるべき現像剤搬送量(MOS)を得ることができるように、例えば0.035〜1.5mmの範囲で適宜選定される。
この層規制部材(回転トリマ)44は非磁性材料(例えばSUS304)又は磁性材料(例えばSUS416)にて形成されており、表面に平滑面44aを有している。この平滑面44aは、層規制部材(回転トリマ)44の素管の表面に対し研磨処理を施すことで形成されており、表面粗さが最大高さRz(JIS B0601 2001)で5μm以下の値に選定されている。
また、層規制部材(回転トリマ)44は、図7(b)に示すように、現像ロール41の層規制用磁極64bに対応した位置に設けられていればよい。本例では、層規制部材(回転トリマ)44と現像ロール41との層規制位置Bの最近接部位は、層規制用磁極64bのピーク磁力位置に対してkだけ現像剤搬送方向の下流側に偏って配置されており、前記最近接部位には層規制用磁極64bから30mT以上60mT以下の磁力Uが作用するようになっている。
【0026】
<駆動伝達系>
図8(a)は本実施の形態で用いられる現像装置の駆動伝達系を示す。
同図において、現像装置34は、二つの駆動モータ(MOT1,MOT2)71、72によって駆動されるようになっている。
一方の駆動モータ(MOT1)71による駆動伝達系は、モータ駆動軸73に駆動ギア74を同軸に取付ける一方、現像ロール41の現像スリーブ61の回転軸、撹拌搬送部材42,43の回転軸の一端には夫々伝達ギア75〜77を同軸に取付けると共に、伝達ギア76,77を噛み合わせ、更に、前記駆動ギア74と伝達ギア76との間に中間伝達ギア78を噛み合わせた状態で介在させると共に、前記伝達ギア76に前記中間伝達ギア78を噛み合わせるようにしたものである。
他方の駆動モータ(MOT2)72による駆動伝達系は、モータ駆動軸81に駆動ギア82を同軸に取り付ける一方、前記層規制部材(回転トリマ)44の回転軸に伝達ギア83を同軸に取付け、前記駆動ギア82と前記伝達ギア83とを噛み合わせるようにしたものである。
そして、二つの駆動モータ71,72は制御装置100から送出された制御信号に基づいて回転駆動又は停止するようになっている。
本例では、一方の駆動モータ71は、図8(a)(b)に示すように、現像ロール41の現像スリーブ61、撹拌搬送部材42,43を同時に回転駆動又は停止するようになっている。また、他方の駆動モータ72は、層規制部材(回転トリマ)44を回転駆動又は停止するようになっている。
【0027】
<駆動制御系>
本実施の形態では、制御装置100はCPU、RAM、ROM及び入出力ポートを含むコンピュータシステムからなり、図9に示すように、例えば画像形成装置の使用条件J(例えばJ1〜J3)を入力信号として受け取り、ROM内に予めインストールされた現像駆動制御プログラム(例えば図10〜12参照)又は連続べたゴースト制御プログラム(図16参照)をCPUにて実行し、二つの駆動モータ(MOT1,MOT2)71,72に制御信号を送出し、各駆動モータ71,72を介して現像ロール41の現像スリーブ61や層規制部材(回転トリマ)44を駆動制御するものである。
本例では、現像ロール41の現像スリーブ61の周速vdは基本的に予め定めた一定値(const.)に設定されると共に連続べたゴースト制御時に必要に応じて減速制御可能になっており、層規制部材(回転トリマ)44の周速vrは予め定めた下限値vminと上限値vmaxとの範囲で可変設定されるようになっている。
【0028】
−現像制御処理−
次に、本実施の形態で用いられる現像装置の現像制御処理について説明する。
本例の現像制御処理としては以下のものが挙げられる。
<画像情報によるMOS量制御>
これは、図10に示すように、例えば画像情報J1として像密度に着目したものであり、像密度が予め定めた低像密度、高像密度、あるいは、両者の中間に位置する通常像密度であるか否かを判別し、通常画像(通常像密度画像)である場合には、‘MOS通常値’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値とし、プリント動作(現像動作)を実施する。
つまり、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)44の回転速度(周速)vrを初期設定値とすれば、回転トリマ44の回転に伴って現像剤Gに搬送力が与えられ、搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定したMOS通常値に相当する現像剤搬送量(MOS)をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
【0029】
また、画像情報が低像密度画像である場合には、‘MOS減’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも減少させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが減少すると、回転トリマ44の回転の減少に伴って現像剤Gには小さい搬送力が与えられ、小さい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS減’に相当する現像剤搬送量(二点鎖線で示すMOS(減))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
この場合には、MOSが減少することから、低像密度画像は細密画像としてプリントされる。
更に、画像情報が高像密度画像である場合には、‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが増加すると、回転トリマ44の回転の増加に伴って現像剤Gには大きい搬送力が与えられ、大きい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS増’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
この場合には、MOSが増加することから、高像密度画像は高濃度画像としてプリントされる。
【0030】
<使用履歴情報によるMOS量制御>
これは、図11に示すように、例えば使用履歴情報J2としてプリント枚数に着目したものであり、プリント枚数が予め定めた閾値N1、N2、N3(N1<N2<N3)以上か否かを判別し、総プリント枚数がN1以下である場合には、‘MOS通常値’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値とし、プリント動作(現像動作)を実施する。
この場合、図13(a)に示すように、回転トリマ44の回転に伴って現像剤Gに搬送力が与えられ、搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定したMOS通常値に相当する現像剤搬送量(MOS)をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
また、総プリント枚数がN1より多くN2以下である場合には、‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが増加すると、回転トリマ44の回転の増加に伴って現像剤Gには大きな搬送力が与えられ、大きな搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS減’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
更に、総プリント枚数がN2より多くN3以下である場合には、更に‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも更に増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが更に増加すると、回転トリマ44の回転のさらなる増加に伴って現像剤Gにはより大きい搬送力が与えられ、より大きい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した更なる‘MOS増’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
【0031】
<環境情報によるMOS量制御>
これは、図12に示すように、例えば環境情報J3として温度・湿度に着目したものであり、温度・湿度が予め定めた低温低湿、高温高湿、あるいは、両者の中間に位置する常温常湿であるか否かを判別し、常温常湿である場合には、‘MOS通常値’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値とし、プリント動作(現像動作)を実施する。
この場合、図13(a)に示すように、回転トリマ44の回転に伴って現像剤Gに搬送力が与えられ、搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定したMOS通常値に相当する現像剤搬送量(MOS)をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
また、環境情報が低温低湿である場合には、‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが増加すると、回転トリマ44の回転の増加に伴って現像剤Gには大きな搬送力が与えられ、大きな搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS増’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
この場合には、MOSが増加することから、低温低湿であるとしても画像品質を保った状態でプリントされる。
更に、環境情報が高温高湿である場合には、‘MOS減’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも減少させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが減少すると、回転トリマ44の回転の減少に伴って現像剤Gには小さい搬送力が与えられ、小さい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS減’に相当する現像剤搬送量(二点鎖線で示すMOS(減))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
この場合には、MOSが減少することから、高温高湿であるとしても画像品質を保った状態でプリントされる。
【0032】
−層規制部材の周速調整処理−
本実施の形態において、層規制部材(回転トリマ)44の周速を変化させたときのMOSの変化を測定したところ、図13(b)に示す傾向が見られた。
同図において、横軸は回転トリマの周速比(対現像ロール周速)であり、図13(a)に示すように、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)との対向部位で同方向に回転トリマ44を回転させる条件で、回転トリマ44の周速vrを変化させたところ、MOSが次第に増加していき、本例では、800g/m2付近を最大として変化していることが理解される。
つまり、図14(a)及び図15(a)に示すように、今、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vdで回転している状態で、回転トリマ44の周速がvr=vr1であるときに、現像位置Aに到達するMOSがMOS1と仮定する。
このとき、図14(b)及び図15(b)に示すように、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vdで回転している状態のままで、回転トリマ44の周速がvr=vr2≠vr1であるとき、現像位置Aに到達するMOSはMOS2≠MOS1に変化する。
ここで、vr2>vr1の場合には、MOS2>MOS1、
vr2<vr1の場合には、MOS2<MOS1
になる。
更に、図14(c)及び図15(c)に示すように、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vdで回転している状態のままで、回転トリマ44の回転駆動を停止すると、MOS=0になる。このとき、現像位置Aへの現像剤の供給が遮断される。
尚、本実施の形態では、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vdで回転している状態のままで、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)との対向部位で逆方向に回転トリマ44を回転させた場合にも、図14(c)及び図15(c)に示すように、MOS=0なる。このため、回転トリマ44の回転駆動を停止した場合と同様に、現像位置Aへの現像剤の供給が遮断される。
【0033】
―連続べたゴースト制御処理―
これは、連続べた画像が残像画像(ゴースト画像)として現れる可能性が高い作像条件であるか否かを判別し、ゴースト画像が現れる可能性が高い作像条件(特別作像条件)に至った判別したときに、ゴースト画像が現れないように現像装置34の現像パラメータである現像剤搬送量(MOS)及び/又は現像ロール41の周速を変更するものである。
ここで、「連続べた画像」とは、連続して面画像に至る画像を意味するもので、ここでいう「面画像」は画像密度が100%の面状の画像は勿論含まれるが、本例では予め決められた高画像密度(例えば画像密度が80%以上)の面状の画像をも含むものとする。また、「連続べた画像」は同じ面画像が連続する場合が代表的であるが、異なる面画像が連続する場合であっても、面画像が連続して重なり合う領域が存在する場合には当該重なり合う領域の面画像も含まれるものである。
【0034】
<連続べたゴースト制御処理を具現化する構成例>
本実施の形態では、図9に示す制御装置100は、例えば図16に示すように、連続べたゴースト制御処理を具現化する機能部を備えている。
同図において、符号101は例えば図16(b)に示すような画像に対応する画像信号を取り込み、図16(b)の画像情報を認識すると共に、その画像情報中からべた画像に相当する面画像(例えばIMR1〜IMR3)が存在する領域を認識する画像認識部、102は画像認識部101で認識した画像情報及び面画像領域を記録する画像メモリ、103は連続べた画像が予め定めた特別作像条件(ゴースト画像が現れる可能性が高い作像条件)に至ったか否かを判別する特別作像条件判別部、104は特別作像条件として、ゴースト画像につながり易い環境条件(要注意環境条件)及び連続べた画像の積算した値がゴースト画像につながる目安になる閾値Sが予め格納されている判別テーブル、105は判別テーブル104に特別作像条件としての要注意環境条件及び閾値Sをオペレータが設定操作するための条件設定部、106は画像形成装置の作像エンジン30の近傍に設置される温度・湿度を計測するための環境センサ110からの環境情報を判別する環境判別部、107は特別作像条件判別部103が特別作像条件に至ったことを判別したときに、現像パラメータである現像剤搬送量及び/又は現像ロールと感光体との周速比を決定する現像パラメータ決定部である。
【0035】
<具体的な処理内容>
以下、本実施の形態で採用されている連続べたゴースト制御処理を図17に基づいて説明する。
・環境条件判別
同図において、連続べたゴースト制御処理は、先ず環境センサ110にて画像形成装置の作像エンジン30付近の環境条件として温度・湿度を計測し、環境判別部106にて計測された環境情報が判別テーブル104内に予め定めた要注意環境条件に合致するか否かを判別し、要注意環境条件に合致しなければ、この段階で、連続べたゴースト制御処理を終了し、要注意環境条件に合致した場合には次のステップに移行する。
これは、ゴースト画像の現れる可能性が低温低湿環境条件に片寄っていることを考慮し、先ず、ゴースト画像が現れる可能性が高い低温低湿環境条件(例えば温度0〜20℃/湿度20〜50%RH)を要注意環境条件として予め設定しておき、ゴースト画像が現れるかの可能性の高いときに絞って連続べたゴースト制御処理を効率的に実施する趣旨である。尚、本例では、環境条件を先に判別するようにしているが、このような環境条件の判別処理を行わずに連続べたゴースト制御処理を実施するようにしてもよいことは勿論である。
【0036】
・連続べた画像の積算処理
更に、特別作像条件判別部103は、上述した要注意環境条件であることを判別したことを条件として、画像メモリ102に記録された連続べた画像の領域を積算し、その積算値が閾値Sを超えたか否かを判別する。
例えば「閾値S」としては、画像密度100%の面画像でプリント枚数がn枚(例えばn=10枚)とし、画像密度90%以上100%未満の面画像でプリント枚数がn+1枚、画像密度80%以上90%未満の面画像でプリント枚数がn+2枚とする。また、同時に感光体31の回転軸方向のどの位置で閾値Sを越えたかを記憶する。
このような演算を実施した後、上述した積算値が閾値Sを超えない場合には、現像パラメータの変更処理は行わず、連続べたゴースト制御処理はそのまま終了する。
一方、上述した積算値が閾値Sを超え、かつ、閾値Sを越えた個所に予め定められた低画像密度(例えば5〜60%の画像密度)の面画像が形成される場合には,現像パラメータの変更処理を実施する。
また、同一の面画像のプリント枚数が閾値Sを超えても、感光体31上の回転軸方向の閾値Sを越えた個所において低画像密度(例えば5〜60%の画像密度)の面画像が形成されない場合には実施する必要はない。
【0037】
・現像パラメータの変更処理
現像パラメータ決定部107は、積算値が閾値Sを超えたときに、現像パラメータとして、現像剤搬送量MOSの減少及び感光体31と現像ロール41との周速比を減少することを決定し、層規制部材である回転トリマ44の回転速度vrに対し速度減少制御信号を送出し、及び/又は、現像ロール41の回転速度vdに対し速度減少制御信号を送出する。
そして、現像装置34では、回転トリマ44の回転速度vdが減少するように変更され、及び/又は、現像ロール41の回転速度vdが減少するように変更される。
この後、次のプリント作像処理では、新たに変更された現像パラメータにて現像装置34による現像処理が実施されると共に、上述した積算値がリセットされる。
尚、現像パラメータが変更されたプリント作像処理の次のプリント作像処理では、図10〜図12の現像制御処理に基づいて再び現像パラメータは夫々の作像環境に合致したものに変更される。
【0038】
<連続べたゴースト制御処理の具体例>
次に、連続べたゴースト制御処理の具体例を図19に基づいて説明する。
同図において、今、環境条件が要注意環境条件に合致しており、プリント対象画像が例えば画像密度100%の面画像IM(べた画像に相当)が含まれるものをプリント枚数n枚(本例では閾値Sに相当)連続して作製したものと仮定する。
このとき、特別作像条件判別部103は、プリント枚数が1枚目からn−1枚目までは通常作像条件と判別し、プリント枚数がn枚目までは現像パラメータの変更処理を実施しないで現像装置34による現像処理を行う。このため、プリント枚数n枚目までは、現像装置34は、図19(a)に示すように、図10〜図12の現像制御処理に基づいて、例えば現像ロール41の周速vdをvd1に設定したままで、層規制部材である回転トリマ44の回転速度vrをvr1に設定することで現像剤搬送量MOSをMOS1に設定した状態にて現像処理を実施する。尚、感光体31の周速はvp=const.である。
【0039】
ところが、プリント枚数がn枚終了すると、図18に示すように、特別作像条件判別部103は、連続べた画像が閾値Sを超えたと判別し、この判別結果に基づいて、現像パラメータ決定部107が現像パラメータの変更処理を実施する。
このとき、現像パラメータ決定部107は、現像剤搬送量MOSを減少させ、及び/又は、感光体31と現像ロール41との周速比を低減させるように、現像パラメータを変更する。
本例では、現像装置34は、図19(b)に示すように、層規制部材である回転トリマ44の回転速度vrをvr2(vr2<vr1)に設定することで現像剤搬送量MOSをMOS2(MOS2<)に設定し、及び/又は、現像ロール41の周速vdをvd2(vd2<vd1)に変更した後、現像処理を実施する。尚、感光体31の周速はvp=const.である。
この状態において、図19(a)に示す現像パラメータにおける現像剤Gによる摺擦力をF1、図19(b)における現像パラメータにおける現像剤Gによる摺擦力をF2とすれば、図19(b)では、現像剤搬送量MOSは低減し、及び/又は、現像ロール31の周速vdは低減することから、現像剤搬送量MOS及び現像ロール31の周速vdの少なくともいずれの変化に伴って、F2<F1の関係を満たすに至ることは明らかである。
【0040】
<連続べたゴースト制御処理の作像プロセスへの影響>
上述したような連続べたゴースト制御処理を実施すると、図20に示すように、作像プロセスが実施される。
つまり、連続的な面画像(べた画像)を作製するときに、仮に、感光体31上にトナーTの外添剤Wが付着してしまうと、通常感光体31には清掃装置36が設けられることが多いが、外添剤W自体が微小径であることから、清掃装置36をすり抜けてしまう可能性が高く、感光体31の周回に伴って再び現像装置34の現像領域に到達する。このとき、感光体31に対しては、帯電装置32により予め決められた帯電電位Vhにて帯電(図中eは帯電電荷を模式的に示す)後に、露光装置33により静電潜像Zが形成され、現像装置34の現像領域に至る。
このとき、現像装置34では現像パラメータが変更され、現像剤Gによる摺擦力が低減した状値にある。このため、感光体31上の外添剤Wが現像装置34の現像領域に到達し、現像剤Gによる磁気ブラシが感光体31上の外添剤Wに接触したとしても、当該現像剤Gによる摺擦力が低減しているため、感光体31上の外添剤Wが掻き取られる懸念は少ない。このため、図4に示すように、外添剤Wが掻き取られることに伴う潜像電位Vzの局部的な電位低下現象は生ずることはなく、感光体31上に形成される潜像電位Vzは略一定に保たれる。
この状態において、現像装置34にて現像ロール34に現像電圧Vbias(|Vh|>|Vbias|>|Vz|)を印加することで現像動作が行われると、潜像電位Vzは略一定であることから、外添剤Wが残存している静電潜像ZにはトナーTが略均一に現像され、トナー濃度が局部的に濃くなるゴースト画像の発生はなく、略均一なトナー濃度の画像が形成される。この状態において、感光体31上に残存していた外添剤Wの多くはべた画像(例えば画像密度80%以上)よりも低い画像密度の面画像が連続することによって当該面画像の残留トナーと共に清掃装置36にて掻き取られていく。
【0041】
◎変形の形態1
図21は実施の形態1で用いられる現像装置の一部構成を変更した変形の形態を示す。
同図において、現像装置34の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、層規制部材の構成が実施の形態1と異なるものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本変形の形態において、層規制部材は、実施の形態1で用いられた回転トリマ44とは異なり、現像ロール41との間に所定の間隙TGを介して配置される板状トリマ120からなり、この板状トリマ120を進退機構121にて進退動させ、板状トリマ120と現像ロール41との間隙TGを調整可能としたものである。
そして、制御装置100は、実施の形態1と略同様に、現像制御処理プログラム及び連続べたゴースト制御処理プログラムを実行するようになっており、板状トリマ120と現像ロール41との間の間隙TGを調整することで現像剤搬送量MOSを増減するものである。
従って、本変形の形態においても、連続べたゴースト制御処理を実施するに当たり、ゴースト画像が現れる可能性が高い特別作像条件に至った場合には、板状トリマ120を現像ロール41側に接近させることで板状トリマ120と現像ロール41との間の間隙TGを狭め、板状トリマ120で層規制される現像剤搬送量MOSを減少させるようにすればよい。
尚、本変形の形態にあっても、連続べたゴースト制御処理に当たっては、現像パラメータとして、現像剤搬送量MOSに加えて現像ロール41の周速を変更しても差し支えない。
【0042】
◎実施の形態2
図22は実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、現像装置34には、現像ロール41に保持される現像剤搬送量MOSを検出する現像剤搬送量検出装置(以下、実施の形態ではMOS検出装置という)200が設けられている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
―MOS検出装置―
本実施の形態において、MOS検出装置200は、図22及び図23(a)に示すように、現像ロール41の回転方向に対して現像位置Aよりも上流側で、かつ、層規制位置Bよりも下流側に、現像ロール41に対向して板状の検出部材201を配置し、現像ロール41には例えば直流成分交流成分が重畳した現像電圧印加用の現像用電源211と、現像剤搬送量MOSを検出するときにステップ状の直流成分からなる検出電圧V0印加用の検出用電源212とを切替器213にて切替選択させ、更に、検出部材201には当該検出部材201を流れる電流iが計測可能な電流センサ214を接続し、現像剤搬送量MOSを検出するときに、切替器213を介して検出用電源212を切替選択し、電流センサ214にて検出部材201を流れる電流iを検出し、この検出結果に基づいて制御装置100内のMOS算出部108による算出処理を行い、MOSを検出するようにしたものである。
【0043】
特に、本実施の形態では、板状の検出部材201は、現像ロール41に対向して非接触配置される導電性の電極部材(導電層)202と、この電極部材202の現像ロール41側に形成される絶縁層203と、この絶縁層203の現像ロール41側に形成される導電層204と、を有し、電極部材202と現像ロール41との間に電位が変化するステップ状の直流電圧を印加したときに、絶縁層203を介して導電層202,204を対向させた三層構成を蓄電要素205として一時的に電荷が蓄電可能な機能部としたものである。
また、検出用電源212にて印加される直流電圧は、ゼロから予め決められた大きさの電圧にしてもよいし、他の電圧値から予め決められた大きさの電圧に変化させてもよく、要は大きさの異なる電圧にステップ状に変化させるものであればよい。また、電位の大きさを一定とはせずに、例えば環境条件等を加味して、選択する電位を決めるようにしてもよい。
また、MOSを検出する際には、1回の検出動作を行うようにしても差し支えないが、検出精度を高めるという観点から、繰り返して検出動作を行い、その平均値をMOSとするようにしてもよい。
本例では、電流センサ214は、検出部材201(蓄電要素205)に流れる電流を検出するものであり、MOS算出部108は、電流センサ214にて検出された電流iの変化に基づいて、電流の時間的な積算値若しくは電流ピークに相当する電気特性値を割出し、この電気特性値の大きさに応じて現像ロール41上のMOSを算出するようにすればよい。
また、電流センサ214に代えて、蓄電要素205の導電層202,204間に作用する電圧V2を検出する電圧センサ(図示せず)を設けるようにし、MOS算出部108として、電圧センサにて検出された電圧の変化に基づいて、電圧の変化開始から予め決められた時間経過後の電圧に相当する電気特性値を割出し、この電気特性値の大きさに応じて現像ロール41上のMOSを算出するようにしてもよい。
【0044】
図23(a)は、実施の形態2において、現像剤Gが検出部材201と現像ロール41との間の間隙TGより少ない状態で、現像剤Gが導電層204に接触していない場合を示す。
図23(b)は、検出用電源212による電圧印加よって時刻tにて0からV0へと電位が変化したときの各部における出力波形を示す。
ここで、印加電圧V0検出用電源212からの印加される電圧を示し、検出電流iは電流センサ214によって検出された電流であり、検出電圧V1は検出部材201と現像ロール41との間の電位差であり、検出電圧V2は検出部材201(蓄電要素205)の一対の導電層202,204間の電位差を示す。
図23(b)によれば、仮に、現像剤Gが検出部材201(蓄電要素205)に接触していない状況であっても、蓄電要素205を流れる電流が、初期に立ち上がりその後蓄電要素205による時定数の下でゆっくり減衰する検出電流iとして検出される。つまり、蓄電要素205には充電電流が流れ、検出電流iは図のように少し立ち上がり、その後放電によって減衰する。また、検出電圧V1は、時刻tで立ち上がった後、緩やかに減衰する。一方、検出電圧V2は緩やかに増加する傾向を示す。そして、V1とV2の和が両者の合成電圧になる。このときの検出電圧V2は、電流を積分したような波形になっている。
【0045】
図24(a)は、現像剤Gが検出部材201(蓄電要素205)の導電層204に少し接触している場合を示す。このとき、図24(b)によれば、検出電流iのピーク値は図23(b)の場合に比べて大きくなる。このとき、検出電圧V1、V2も検出電流iに合わせて変化する傾向を示し、図23(b)に比べて、やや大きい減衰を示す。
更に、図25(a)は、現像剤Gが検出部材201(蓄電要素205)の導電層204の略全面に亘って接触している場合を示す。このとき、図24(a)に示す現像剤Gが検出部材201の導電層204に一部にしか接触していない態様に比べて、検出電流iのピーク値が大きくなる。そのため、検出電圧V1は、図24(b)に比べて、その減衰量が大きく、検出電圧V2は逆にその増加量が大きくなる傾向を示す。
更にまた、図26(a)は、現像剤Gが検出部材201(蓄電要素205)の導電層204の全面に亘って接触する点では図25(a)と略同様であるが、図25(a)に示す態様に比べて、現像剤Gの接触面積が広くなっている状態を示す。このため、図26(b)によれば、図25(b)に比べて、検出電流iのピーク値は大きくなる。一方、検出電圧V1は、図25(b)に比べて、その減衰量が大きく、検出電圧V2は逆にその増加量が大きくなる傾向を示す。
つまり、本実施の形態では、現像剤Gが検出部材201(蓄電要素205)の導電層204に接触していない状態であっても、電流センサ214による電流が検出され、また、蓄電要素205による大きな時定数に伴う変化が計測されるようになるため、現像ロール41と蓄電要素205の導電層204との間に存在する現像剤Gの量に応じた電気的特性の変化として検出される。また、現像剤Gが蓄電要素205の導電層204に接触することで、より一層大きな変化として検出される。このことから、現像ロール41上のMOSの検出が容易になされる。
【0046】
―連続べたゴースト制御処理―
次に、本実施の形態における連続べたゴースト制御処理のフローチャートを図27に示す。
同図において、連続べたゴースト制御処理は、先ず、現像剤搬送量(MOS)検出処理を実施する。
このMOS検出処理としては、図28に示すように、検出用電源212によってステップ状の直流電圧V0を印加し、電流センサ214にて電流波形を検出する。
次いで、直流電圧V0の印加開始から予め決められた時間t1までの期間の積分電流値又は電流ピーク値を算出し、これらから検出部材201と現像ロール41との間の現像剤量を求めた後、現像ロール41の周速vdを考慮してMOSを検出すればよい。
このようなMOS検出処理が行われると、図27に示すように、検出した現像剤搬送量(例えばMOS0)を一旦データとしてメモリ記録しておく。
しかる後、連続べたゴースト発生要件(要注意環境条件,特別作像条件)を満すか否かを判別し、満たすと判別された条件では、現像パラメータの変更を決定する。
このとき、MOS検出処理にて検出されたMOS0及び現在の現像パラメータを考慮し、現像パラメータの変更量を決定し、層規制部材である回転トリマ44の回転速度を減少、及び/又は現像ロール41の周速を減少する。
このように現像パラメータが変更されると、次のプリント作像処理が実施され、連続べた画像領域の積算値がリセットされる。
【0047】
◎実施の形態3
図29は実施の形態3に係る画像形成装置の要部を示す。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態2と略同様であるが、MOS検出装置200の構成が実施の形態2と異なっている。尚、実施の形態2と同様な構成要素については実施の形態2と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
MOS検出装置200は、図29及び図30に示すように、実施の形態2と略同様に構成されるが、実施の形態2と異なるロール状の検出部材221を有している。この検出部材221は、ロール状の導電性の電極部材(内側導電層)222と、この電極部材222の周囲を覆う絶縁層223と、この絶縁層223の周囲を覆う外側導電層224と、を有し、電極部材222と現像ロール41との間に電位が変化するステップ状の直流電圧を印加したときに、絶縁層223を介して内側導電層222,外側導電層224を対向させた略同心円状の三層構成を蓄電要素225として一時的に電荷が蓄電可能な機能部としたものである。
ここで、ロール状の検出部材221は固定的に設けられていてもよいし、あるいは、現像剤Gの動きに合わせて回転するような態様でも差し支えない。
本実施の形態において、MOSを検出する場合には、実施の形態2と略同様に、切替器213を介して検出用電源212を切替選択し、予め定めた電位の直量電圧V0を印加し、電流センサ214にて検出される電流波形のうち、電圧の印加開始から予め決められた期間までの積算電流値又はピーク電流から、現像ロール41と検出部材221との間の現像剤量を求め、求められた現像剤量から現像剤搬送量(MOS)を検出するようにすればよい。
また、検出部材221(蓄電要素225)を流れる電流の短時間での電流波形の変化を見ると、MOSが多い場合と少ない場合とで異なるものになる。図31(a)は、MOSをI〜III方向へ順次多くした場合の電流波形の一例を示す。
また、検出部材221(蓄電要素225)に作用する電圧波形、つまり、蓄電要素225の導電層222,224間に作用する電位差の変化を調べたところ、図31(b)に示す結果が得られた。ここで、図31(b)は、MOSをI〜III方向へ順次多くした場合の電圧波形の一例を示す。
従って、本実施の形態にあっても、実施の形態2と略同様にして、現像ロール41上のMOSを検出することが可能である。
【0048】
◎実施の形態4
図32は実施の形態4に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態3と略同様であるが、MOS検出装置200の検出部材221が実施の形態3と異なる構成になっている。尚、実施の形態3と同様な構成要素については実施の形態3と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、MOS検出装置200の検出部材221は専用の機能部材としては設置されておらず、層規制部材としての回転トリマ44が検出部材221を兼用する構成になっている。このため、回転トリマ44は検出部材221と同様な三層構成(導電層222、絶縁層223、導電層224からなる蓄電要素225を構成)を有している。
従って、本実施の形態では、MOS検出時には、図33(a)に示すように、検出部材221を兼用した回転トリマ44を回転速度vr0(現在の現像パラメータに相当)で回転し、現像剤Gを搬送させると共に、検出用電源212からの直流電圧を印加し、電流センサ214からの検出結果に基づいてMOS0(回転トリマ44の回転速度vr0に対応)を検出する。
一方、連続べたゴースト制御処理時においてMOSを変更する場合には、図33(b)に示すように、検出されたMOS0及び現在の現像パラメータを考慮し、回転トリマ44の周速vrを減少させ、及び/又は、現像ロール41の周速を減少させ、MOSを低減させるようにすればよい。
【実施例】
【0049】
◎実施例1
実施例1は、実施の形態1と略同様な構成を備えているが、図34(a)に示すように、現像装置として、撹拌搬送部材42,43を上下に配列し、かつ、現像ロール41に保持された未使用現像剤を回収するロール55を付加したものである。尚、現像ロール41(平滑スリーブを具備)、層規制部材(回転トリマ)44は実施の形態1と同様である。
比較例は、図34(b)に示すように、実施例と略同様な構成を備えているが、実施例と異なり、現像ロール41’として、現像スリーブ61’がブラストスリーブ又は溝スリーブで構成され、更に、層規制部材44’として、磁性板を用いた板状規制部材(固定トリマ)を用いたものである。
ここで、実施例1の現像スリーブ61は、図35(a)に示す平滑スリーブ(平滑面が最大高さRzで3μm)にて構成されている。
一方、比較例(比較例1,2)の現像スリーブ61’は図35(b)に示すブラストスリーブ(実施例の平滑スリーブにブラスト処理を施して構成)にて構成され、あるいは、図35(c)に示す溝スリーブ(実施例の平滑スリーブに対し溝加工処理を施して構成)にて構成されている。
尚、実施例1、比較例ともに、層規制部材と現像スリーブとの間隙は240μmに設定されている。
【0050】
実施例1に係る現像装置、比較例に係る現像装置の性能を評価する上で、層規制部材(トリマ)、層規制用磁極の磁束密度、現像スリーブの表面を夫々組み合わせて、現像剤搬送量(MOS)を測定したところ、図36に示す結果が得られた。
図36によれば、比較例(比較例1,2)では、固定トリマ+ブラストスリーブ、溝スリーブを用いる場合には、一定のMOSを得るには良好であるが、MOS量を調整することは困難である。
これに対し、実施例1では、回転トリマ+平滑スリーブを使用した場合には、MOS量を調整することも極めて良好であることが確認された。
ちなみに、現像スリーブとして平滑スリーブを用いた態様で、固定トリマを使用すると、層形成自体が不可になってしまうことが理解される。
更に、層規制位置における層規制用磁極の磁束密度が50mTの場合には、MOS量は多すぎず適量になるが、例えば80mTにすると、使用可能ではあるものの、MOS量が多くなる傾向が見られる。
ここで、層規制位置における層規制用磁極の磁束密度30mT〜60mTであれば、MOS量を適量に調整し易い点で好ましい。
【0051】
また、実施例1として、層規制部材と現像スリーブとの間隙を240μmにしたものを実施例1−1、前記間隙を70μmにしたものを実施例1−2とし、更に、回転トリマとブラストスリーブとを組み合わせた態様のものを比較例3とした。
これらについて、回転トリマの周速比とMOSとの関係を調べたところ、図37に示す結果が得られた。
MOS量としては、300〜800g/m2程度が実使用領域であるところ、実施例1(実施例1−1,実施例1−2)は回転トリマの周速比が広範囲に亘ってMOSの実使用領域において可変調整されていることが理解される。
この点、比較例3では、ブラストスリーブを用いていることから、回転トリマの周速比に対するMOSの変化量が大きく、回転トリマの周速比が0.7以上から、MOSの実使用領域を越えてしまうことが理解される。
尚、本実施例1(実施例1−1,実施例1−2)では、現像スリーブの平滑面は最大高さ3μmであるが、この平滑面の表面粗さを振って同様な実験を行ったところ、平滑面は最大高さが5μm以下では、実施例1と同様な傾向が見られた。
また、層規制部材と現像スリーブとの間隙についても、使用領域(0.035mm〜1.5mm)で振って同様な実験を行ったところ、実施例1と同様な傾向が見られた。特に、0.060〜1.0mm程度では安定していることが確認された。
【0052】
◎実施例2
本実施例は、実施の形態1に係る画像形成装置を具現化したもので、以下のような作像パラメータを有している。
・現像ロールと感光体とのギャップ:0.35mm
・現像剤搬送量:250〜450g/m2
・現像電圧:Vpp=1.0kV、f=9kHz
・キャリア径:平均約35μm
・トナー径:平均約6μm
・トナー外添剤:平均約50nmシリカ、平均約120nmシリカ、酸化金属粒子
本実施例において、連続べたゴースト制御処理を実施し、特別作像条件に至ったときに、現像剤搬送量(MOS)として通常の設定値(450g/m2)のまま、図38(b)に示す初期画像(連続べた画像IM1、連続べた画像IM1の一部を削除し、その削除部分に新たに作製したハーフトーン画像IM2)を複数(本例では2つ)作製し、ΔL*(図38(b)中のゴースト画像IMgが存在するA領域とA領域以外のハーフトーン画像IM2のB領域との間の明度差に相当)を調べたところ、図38(a)に示すように、ゴースト画像IMgがはっきりと確認された。
これに対し、連続べたゴースト制御処理の一例として、回転トリマ44の周速vrを減少させることで、現像剤搬送量(MOS)を通常の設定値から250g/m2に低減させ、図38(b)に示す初期画像を複数作製し、ΔL*を調べたところ、図38(a)に示すように、目標範囲内に収まり、ゴースト画像IMgは見られなかった。
このように、現像パラメータとして、現像剤搬送量を低減させたところ、連続べた画像に起因するゴースト画像の発生は有効に抑えられることが把握される。
【0053】
◎実施例3
本実施例は、実施の形態1に係る画像形成装置を具現化したもので、実施例1と同様な作像パラメータを有している。
本実施例において、連続べたゴースト制御処理を実施し、特別作像条件に至ったときに、複数の現像剤搬送量(A〜C)に対し、感光体31と現像ロール41との周速比として通常の設定値(例えば1.75)のまま、図38(b)に示す初期画像を作製し、ΔL*を調べたところ、図39に示すように、いずれの態様についてもゴースト画像IMgがはっきりと確認された。
これに対し、連続べたゴースト制御処理の一例として、複数の現像剤搬送量(A〜C)に対し、感光体31と現像ロール41との周速比を1.6、1.5に減少させ、図38(b)に示す初期画像を夫々作製し、ΔL*を調べたところ、図39に示すように、いずれの態様についても目標範囲内に収まり、ゴースト画像IMgは見られなかった。
このように、現像パラメータとして、現像剤搬送量を低減させたところ、連続べた画像に起因するゴースト画像の発生は有効に抑えられることが把握される。
【0054】
◎実施例4
本実施例は、連続べたゴースト制御処理を実施するに当たり、現像剤搬送量(g/m2)及び感光体と現像ロールとの間の周速比を変化させ、夫々の現像パラメータにおける連続べたゴースト(連続べた画像に起因するゴースト画像)の有無、及び、感光体へのキャリア付着の有無を調べたところ、図40に示すような結果が得られた。
同図によれば、現像剤搬送量が多いと、連続べたゴーストが発生しやすくなり、一方、現像剤搬送量が少なすぎると、連続べたゴーストは問題にならないが、キャリア付着という別の問題が生ずる。
図40においては、「連続べたゴースト」及び「キャリア付着」に関して、いずれも良好な領域(OK領域)が太線で囲む枠内に存在することが理解される。
よって、現像パラメータとして、現像剤搬送量(MOS)及び感光体と現像ロールとの周速比の両方を変更することにより、上述したOK領域を確保し易くなる点で好ましい。
【0055】
◎実施例5
本実施例は、実施の形態1に係る画像形成装置を具現化したものを用い、実施例1と同様な作像パラメータを有している。
本実施例では、環境条件(温度、湿度)、連続プリント枚数を変化させ、感光体と現像ロールとの周速比(現像周速比)規定値の場合、現像周速比規定値の80%の場合夫々に対し、初期段階と経時段階(100,000枚走行を経た状態)とについて連続べたゴーストの発生の有無を調べたところ、図41に示す結果が得られた。
同図によれは、低温低湿環境条件(例えば10℃・25%RH/11℃・48%RH/20℃・28RH)のときに、現像周速比規定値のままで連続プリントすると、ゴースト画像が発生し易いことが確認された。
本実施例においては、ゴースト画像の発生は環境依存性とべた画像の連続作成とに起因していることが理解される。よって、連続べたゴースト制御処理を行うに当たり、環境判別を経た手法も効率化を図る上で有効であることが理解される。
【0056】
◎実施例6
本実施例は、実施の形態2に係る画像形成装置を用い、現像剤搬送量検出装置200によって現像剤反訴量を検出するに当たって、現像ロール41を停止した状態で現像ロール41上の現像剤搬送量と、電流センサ214による電流波形との関係を確認したものである。
結果を図42に示す。
同図において、横軸に現像ロール41上の単位面積当たりの現像剤搬送量をプロットし、縦軸に現像ロール41と検出部材201との間にステップ状に電位が変化する直流電圧を印加したときの電流波形に基づいて、検出用電源の立ち上がりから一定時間(例えば200ms等の予め定めた時間)までの電流積分値(積分電流値に相当)を算出し、プロットした。
同図によれば、現像剤搬送量と電流積分値とが略一直線状に並ぶ良好な線形性を有する関係が確認された。
つまり、本湖実施例のように、ステップ状に電位が変化する直流電圧を印加したときの電流積分値を用いるようにすれば、この電流湖積分値から現像剤搬送量が容易に算出されることが理解される。
尚、本件発明者らは、電流波形のピーク値についても同様の確認を行ったところ、電流積分値と略同様の作用を奏することが確認された。また、得られる電圧波形についても同様に確認したところ、予め決められた時間後の電圧値を用いることで、電流積分値と略同様な作用を奏することが確認された。
【符号の説明】
【0057】
1…像保持体,2…現像剤保持体,3…現像回転体,4…磁石部材,5…磁極,6…層規制部材,7…撹拌搬送部材,8…現像容器,9…潜像形成装置,9a…帯電装置,9b…潜像書込装置,10…現像装置,11…作像条件判別装置,11a…環境判別部,12…現像制御装置,13…転写装置,14…転写媒体,15…清掃装置,17…検出装置,A…現像位置,B…層規制位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における画像形成装置としては例えば特許文献1,2に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を解消するという課題を解決するために、像保持体に対しカウンター方向に回転し、磁性キャリアの重量平均粒径が20〜40μmであり、現像剤担持体と像保持体との距離が0.02cm以上であり、現像剤担持体上の単位面積当たりの現像剤担持量が15mg/cm2以上であり、現像剤担持量/距離が375〜1125mg/cm3である現像方法が開示されている。
特許文献2には、帯電不良によるかぶりや、帯電補助ブラシの汚染や接触帯電部材による転写残トナーのかきとり不良によるゴーストがいかなる環境下においても発生しない状態を維持するという課題を解決するために、環境手段からの出力に応じて、画像形成時に対する非画像形成時の帯電補助ブラシへの帯電付加条件を可変制御する制御手段を有する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−98593号公報(発明を実施するための最良の形態,図4)
【特許文献2】特開2001−343866号公報(発明の実施の形態,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の解決しようとする技術的課題は、連続的に面画像を作製することに起因する残像画質不良を有効に解消することが可能な画像形成装置を提供しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、静電潜像が保持される回転可能な像保持体と、この像保持体に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成装置と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤が保持搬送される現像剤保持体を有し、前記像保持体に対し前記現像剤を摺擦させ、前記潜像形成装置にて像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置と、この潜像形成装置にて形成される静電潜像に対応する画像信号に基づいて前記像保持体の周回毎に連続して面画像になる領域を積算し、当該積算値が予め決められた閾値を超える特別作像条件であるか否かを判別する作像条件判別装置と、この作像条件判別装置にて連続する面画像が閾値を超えた特別作像条件であると判別されたときに、少なくとも連続する面画像領域に対しキャリアの転移が生じない条件で前記像保持体に対する前記現像装置の現像剤による摺擦力を低減させるように前記現像装置の現像パラメータを制御する現像制御装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記作像条件判別装置は、温度及び湿度が検出可能な環境検出器から検出された環境情報を取り込み、当該環境情報が予め定めた要注意環境条件であるか否かを判別する環境判別部を有し、この環境判別部にて環境情報が予め定められた要注意環境条件に該当すると判別したときに、前記特別作像条件であるか否かを判別することを特徴とする画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成装置において、前記現像制御装置は、前記現像装置の現像剤保持体の現像剤搬送量及び像保持体との周速比の少なくともいずれかの現像パラメータを制御するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る画像形成装置において、前記現像制御装置は、像保持体に対する現像剤保持体の周速比を変更するに当たり、像保持体の周速を変更せず、現像剤保持体の周速を変更するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る画像形成装置において、前記現像装置は、前記現像剤保持体に対向して非接触配置される層規制部材を有し、前記現像制御装置は、現像剤保持体の現像剤搬送量を変更するに当たり、現像剤保持体と層規制部材との間の層規制位置における現像剤搬送条件を変更するものであることを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る画像形成装置において、前記現像装置は、少なくとも表面粗さが最大高さで5μm以下の平滑面として形成されて回転する現像回転体を含む現像剤保持体と、この現像剤保持体と予め決められた間隙を介して対向して配置され且つ現像剤保持体との対向部にて当該現像剤保持体と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制部材としての層規制回転体と、を有し、前記現像制御装置は、前記現像剤保持体の予め決められた周速に対し前記層規制回転体の周速を増減させることで現像剤搬送量を変更することを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6いずれかに係る画像形成装置において、前記現像制御装置は、前記現像剤保持体の現像剤搬送量が検出可能な検出装置を有し、この検出装置の検出結果に基づいて現像パラメータを制御することを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る画像形成装置において、前記潜像形成装置は、像保持体を帯電し且つ像保持体に対して非接触配置される帯電装置と、帯電された像保持体に対して静電潜像を書き込む潜像書込装置と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、連続的に面画像を作製することに起因する残像画質不良を有効に解消することができる。本構成を有さない態様に比べて、現像パラメータの制御回数を必要最小限に抑えることができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、現像剤による摺擦力を容易に制御することができる。
請求項3に係る発明によれば、像保持体に対する現像剤保持体の周速比を容易に変更することが可能になり、現像剤による摺擦力を容易に制御することができる。
請求項4に係る発明によれば、像保持体に対する現像剤保持体の周速比を容易に変更することが可能になり、現像剤による摺擦力を容易に制御することができる。
請求項5に係る発明によれば、層規制位置における現像剤搬送条件を変更することで、現像剤保持体の現像剤搬送量を容易に変更することが可能になり、現像剤による摺擦力を容易に制御することができる。
請求項6に係る発明によれば、現像剤保持体及び層規制部材の構成を工夫することで、層規制位置における現像剤搬送量を容易に変更することが可能になり、現像剤による摺擦力を容易に制御することができる。
請求項7に係る発明によれば、現像剤搬送量を検出することで、現像剤による摺擦力をより精度良く制御することができる。
請求項8に係る発明によれば、像保持体に対して非接触配置された帯電装置を使用する態様において、連続的に面画像を作製することに起因する残像画質不良を有効に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
【図2】(a)は図1に示す画像形成装置における現像装置と像保持体との要部を示す説明図、(b)は(a)中Cで囲む部分における現像剤の挙動を模式的に示す説明図である。
【図3】(a)は連続的に面画像(ベタ画像)を作製した後の初期画像の一例を示す説明図、(b)は連続的に面画像(ベタ画像)を作製したことに起因して(a)の初期画像に対して起こり得るゴースト発生画像の一例を示す説明図である。
【図4】図3のゴースト発生画像が生ずる要因を模式的に示す説明図である。
【図5】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図6】実施の形態で用いられる作像エンジンの一例を示す説明図である。
【図7】(a)は実施の形態1で用いられる現像装置の現像ロールと回転トリマとのレイアウトを示す説明図、(b)は現像ロールの磁石ロールの磁極による磁束密度分布例を示す説明図である。
【図8】(a)は現像装置の駆動伝達系を示す説明図、(b)はその駆動状態を模式的に示す説明図である。
【図9】現像装置の駆動制御系を示す説明図である。
【図10】実施の形態1で用いられる現像装置の駆動制御系にて採用される画像情報によるMOS(Mass on the sleeve)量制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1で用いられる現像装置の駆動制御系にて採用される使用履歴情報によるMOS量制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態1で用いられる現像装置の駆動制御系にて採用される環境情報によるMOS量制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】(a)は実施の形態1で用いられる現像装置の回転トリマの周速変化に伴うMOS変化を示す説明図、(b)は回転トリマ周速比とMOSとの関係を示すグラフ図である。
【図14】(a)〜(c)は実施の形態1で用いられる現像装置において回転トリマの周速vrを変化させたときのMOSの変化状態を示す説明図であり、(a)はvr=vr1のとき、(b)はvr=vr2≠vr1のとき、(c)はvr=0(又は<0)のときである。
【図15】図14(a)〜(c)における層規制部材付近の現像剤の挙動を示す説明図である。
【図16】(a)は図9に示す現像装置の駆動制御系のうち、連続べたゴースト制御処理を具現化する機能部を示す説明図、(b)は(a)の画像認識部による画像の認識例を示す説明図である。
【図17】本実施の形態で採用される連続べたゴースト制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】図17に示すフローチャートでの処理を模式的に示す説明図である。
【図19】(a)は通常作像条件のときにおける現像装置による現像剤の挙動を模式的に示す説明図、(b)は特別作像条件を判別した後における現像装置による現像剤の挙動を模式的に示す説明図である。
【図20】特別作像条件を判別した後における作像処理過程を模式的に示す説明図である。
【図21】実施の形態1で用いられる画像形成装置の変形の形態1を示す説明図である。
【図22】実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【図23】(a)は現像剤搬送量を検出する検出装置の構成例を示す説明図、(b)は現像剤が検出部材に非接触である場合における印加電圧V0、検出電流i、検出電圧V1,V2の出力例を示す説明図である。
【図24】(a)は現像剤搬送量が検出部材に接触し始める程度に増加したときの検出装置付近の状態を示す説明図、(b)はそのときにおける印加電圧V0、検出電流i、検出電圧V1,V2の出力例を示す説明図である。
【図25】(a)は現像剤搬送量が図24の状態よりも更に増加したときの検出装置付近の状態を示す説明図、(b)はそのときにおける印加電圧V0、検出電流i、検出電圧V1,V2の出力例を示す説明図である。
【図26】(a)は現像剤搬送量が図25の状態よりも更に増加したときの検出装置付近の状態を示す説明図、(b)はそのときにおける印加電圧V0、検出電流i、検出電圧V1,V2の出力例を示す説明図である。
【図27】実施の形態2で採用される連続べたゴースト制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】図27の「現像剤搬送量検出処理」の一例を示すフローチャートである。
【図29】実施の形態3に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【図30】実施の形態3で採用される現像剤搬送量の検出装置の一例を示す説明図、(b)は同検出装置の他の例を示す説明図である。
【図31】(a)は図30(a)に係る検出装置の検出出力例を示す説明図、(b)は図30(b)に係る検出装置の検出出力例を示す説明図である。
【図32】実施の形態4に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【図33】(a)は現像剤搬送量検出時における動作例を示す説明図、(b)は現像剤搬送量変更時における動作例を示す説明図である。
【図34】(a)は実施例(実施例1,2)に係る現像装置の態様を示す説明図、(b)は比較例(比較例1,2)に係る現像装置の態様を示す説明図である。
【図35】(a)は実施例で用いられる現像スリーブ(平滑スリーブ)の表面状態を示す説明図、(b)は比較例1で用いられる現像スリーブ(ブラストスリーブ)の表面状態を示す説明図、(c)は比較例2で用いられる現像スリーブ(溝スリーブ)の表面状態を示す説明図である。
【図36】実施例及び比較例に係る現像装置における現像剤搬送性を評価するに当たって、トリマ、層規制用磁極の磁束密度、現像スリーブ表面を組みあわせたときの夫々のMOSを示す説明図である。
【図37】実施例1,2と比較例1に係る現像装置について、回転トリマ周速比とMOSとの関係を示すグラフ図である。
【図38】(a)は実施例3に係る画像形成装置を用いて連続べたゴースト制御時における現像パラメータとしての現像剤搬送量の変更に伴う評価例を示す説明図、(b)は(a)のΔL*の意義を示す説明図である。
【図39】実施例3に係る画像形成装置を用いて連続べたゴースト制御時における現像パラメータとしての周速比の変更に伴う評価例を示す説明図である。
【図40】実施例3に係る画像形成装置を用いて連続べたゴースト制御処理を行い、現像パラメータである現像剤搬送量、周速比を可変させた状態で、キャリア付着/連続べたゴーストの有無を調べた評価例である。
【図41】環境情報、連続プリント枚数を適宜選定し、現像周速比規定値、現像周速比が規定値の80%である条件での連続べたゴーストの発生状況を示す評価例である。
【図42】実施例4に係る画像形成装置の検出装置における検出出力に関し、現像座性搬送量と電流積分値との関係を調べたグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
同図において、画像形成装置は、静電潜像が保持される回転可能な像保持体1と、この像保持体1に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成装置9と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤Gが保持搬送される現像剤保持体2を有し、前記像保持体1に対し前記現像剤Gを摺擦させ、前記潜像形成装置9にて像保持体1上に形成された静電潜像を現像する現像装置10と、この潜像形成装置9にて形成される静電潜像に対応する画像信号に基づいて前記像保持体1の周回毎に連続して面画像になる領域を積算し、当該積算値が予め決められた閾値を超える特別作像条件であるか否かを判別する作像条件判別装置11と、この作像条件判別装置11にて連続する面画像が閾値を超えた特別作像条件であると判別されたときに、少なくとも連続する面画像領域に対しキャリアの転移が生じない条件で前記像保持体1に対する前記現像装置10の現像剤Gによる摺擦力を低減させるように前記現像装置10の現像パラメータを制御する現像制御装置12と、を備えたものである。
尚、図1において、符号13は転写媒体14(記録材又は記録材に転写する前にトナー像を一時的に保持する中間転写体に相当)に対して像保持体1上に形成されたトナー像を転写する転写装置、15は像保持体1上に残留する残留トナーなどを清掃する清掃装置である。
【0011】
このような技術的手段において、像保持体1としては、感光体、誘電体のように光やイオンによって静電潜像を形成可能な態様のほか、画素単位毎に静電潜像に対応する潜像電位を与える画像電極を備えた態様などがある。
また、潜像形成装置9としては、像保持体の種類に応じて適宜選定して差し支えない。例えば像保持体1が感光体、誘電体であれば、例えば像保持体1を帯電する帯電装置9aと、帯電された像保持体1に対して光やイオンにより静電潜像を書き込む潜像書込装置9bと、を有するものであればよく、画素電極を用いた態様では静電潜像に対応する潜像電位を供給する信号を生成するものであればよい。
更に、現像装置10としては、現像容器8内にトナー及びキュリアが含まれる二成分現像剤Gを用いるものを広く対象とする。但し、この現像剤Gにはトナーと同極性の外添剤(例えば負帯電トナーに対しては負帯電シリカ)が混入されている。
また、現像剤保持体2としては、代表的には回転可能な中空状の現像回転体3と、この現像回転体3内に固定的に内包され且つ周囲に複数の磁極5が配列される磁石部材4と、を有する態様が挙げられる。尚、図1中、符号7は現像容器8内において現像剤Gを循環撹拌搬送し、トナーを十分に帯電させた後に現像剤保持体2に現像剤Gを保持させる撹拌搬送部材である。
【0012】
また、作像条件判別装置11は、連続的な面画像(所謂ベタ画像に相当;但し、本例では画像密度が100%のものに限定されるものではなく、画像密度が予め決められた高画像密度〔例えば80%以上〕のものを含むものとする)が像保持体1の周回毎に例えば予め決められた回数(閾値に相当)以上形成されると、その後に前記面画像が形成された領域を含む作像領域にハーフトーン画像を形成した場合に、前記連続した面画像が残像(ゴースト)として現れる現象が比較的高い確率で起こり得る。このような作像条件を特別作像条件として予め定めておけば、前記残像現象(ゴースト現象)が生ずる可能性の高い作像条件を判別することが可能である。
例えば図3(a)に示すように、初期画像として、連続的な面画像IM1の領域の一部が削除され、これに代えてハーフトーン画像IM2が存在する例を挙げると、連続的な面画像IM1が閾値を超える回数繰り返されるという特別作像条件に該当した場合には、図3(b)に示すように、ハーフトーン画像IM2のうち連続的な面画像IM1と重なった領域には、元の連続的な面画像IM1の残像画像(ゴースト画像)IMgが現れる可能性が高い。
【0013】
このため、本実施の形態では、現像制御装置12は、特別作像条件であるときに、前述した残像現象が起こらないように現像パラメータを制御するという手法を採用している。
先ず、前述した残像現象が生ずる原因については以下のように推測される。
つまり、図4に示すように、連続的な面画像を作製するときに、仮に、像保持体1上にトナーTの外添剤Wが付着してしまうと、通常像保持体1には清掃装置15(図1参照)が設けられることが多いが、外添剤W自体が微小径であることから、清掃装置15をすり抜けてしまう可能性が高く、像保持体1の周回に伴って再び現像装置の現像領域に到達する。このとき、像保持体1に対しては、潜像形成装置9(例えば帯電装置9a+潜像書込装置9b)により予め決められた帯電電位Vhにて帯電(図中eは帯電電荷を模式的に示す)後に静電潜像Zが形成され、現像装置10の現像領域に至るが、現像装置10の現像剤Gによる摺擦力が通常のままであると、像保持体1の外添剤Wが現像剤Gによって掻き取られてしまい、この掻き取られた部位に関する潜像電位Vzが周囲より更に絶対値でΔV低下した状態になり易く、現像装置10にて現像剤保持体2に現像電圧Vbias(|Vh|>|Vbias|>|Vz|)を印加することで現像動作が行われると、前記静電潜像Zのうち外添剤Wが掻き取られた部分に周囲よりも多くのトナーTが現像され、当該部分の濃度が他の部分と異なる残像画像であるゴースト画像IMg(図3(b)参照)になってしまう。
本実施の形態では、このようなゴースト画像の発生を回避するために、特別作像条件であるときに、像保持体1に転移した外添剤Wの掻き取りが起こらないように対処することか必要であり、本例では、図2(a)(b)に示すように、現像パラメータの制御に当たり、像保持体1に対する現像剤Gによる摺擦力Fを低減させるという対処を施すようにしたものである。
ここで、「少なくとも連続する面画像領域に対しキャリアの転移が生じない条件」とは、「現像剤による摺擦力」を低減させ過ぎると、現像剤保持体2に保持されているキャリアが像保持体1側に転移し、像抜けする懸念があるため、これを回避するための条件である。
【0014】
次に、本実施の形態における代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、作像条件判別装置11の好ましい態様としては、温度及び湿度が検出可能な環境検出器から検出された環境情報を取り込み、当該環境情報が予め定めた要注意環境条件であるか否かを判別する環境判別部11aを有し、この環境判別部11aにて環境情報が予め定められた要注意環境条件に該当すると判別したときに、特別作像条件であるか否かを判別する態様が挙げられる。
作像条件判別装置11としては、特別作像条件に該当するか否かを常に判別するようにしても差し支えないが、本態様のように、環境判別部11aによる環境条件を特別作像条件の判別処理の前処理条件にしても差し支えない。
本態様は、連続的に面画像を作製することに起因する残像画質不良が環境条件(主として低温低湿環境条件)に依存することから、残像画質不良につながり易い特別作像条件であるか否かの判別を行うに当たって環境条件を考慮するようにしたものである。
本例では、温度及び湿度が検出可能な環境検出器にて環境情報を検出し、環境判別部11aにて環境検出器の検出結果から要注意環境条件に合致するか否かを判別すればよいが、要注意環境条件であるか否かについては夫々の機種毎に実験的に求めておくのが好ましい。
【0015】
また、現像制御装置12による制御対象である現像パラメータとしては、現像装置10の現像剤保持体の現像剤搬送量及び像保持体1との周速比の少なくともいずれか一方が挙げられる。
つまり、現像剤Gによる摺擦力に寄与する現像パラメータの代表的態様としては、以下の態様が挙げられる。
・現像剤搬送量
・現像剤保持体2の像保持体1との周速比
・これら両者の組み合わせ
このような現像パラメータの選定について補足する。
前述した連続べたゴーストは、像保持体1上に堆積した電荷を有する外添剤Wを掻き取ることによって像保持体1の潜像電位Vzが変化してしまうことが原因であると推測される。
そこで、連続べたゴーストと相関がある現像パラメータとしては、像保持体1上の外添剤の掻き取りに関わる原因につながるものと考え、これらについて相関の程度(有無及び相関が小)を検討した。尚、相関の程度として、○:相関がある、△:相関が小さい、×:相関が見られないことを示す。
【0016】
現像・現像剤条件 相関の程度
・現像剤保持体表面粗さ △
・現像電圧交流成分振幅 ×
・現像電圧交流成分周波数 ×
・現像電圧交流成分デューティ比 ×
・現像磁極角度 ×
・現像剤保持体の像保持体との周速比 ○
・現像剤搬送量 ○
・トナー濃度 ×
・キャリア種類 ○
・トナー外添剤種類・量 ○
(1)「現像剤保持体表面粗さ」:掻き取る現像剤磁気ブラシの搬送力に関わる。
(2)「現像剤保持体の像保持体との周速比」:掻き取る現像剤磁気ブラシの運動量に関わる。
(3)「現像剤搬送量」:掻き取る現像剤磁気ブラシの像保持体に対する圧力と運動量及び密度(どの程度満遍なく接触するか)に関わる。
(4)「キャリア種類」:実際には磁化の異なるキャリアを用いたが、掻き取る現像剤磁気ブラシの穂の硬さと搬送力に関わる。
(5)「トナー外添剤種類・量」:掻き取られる外添剤に関わる。
ここで、(1)〜(4)が画像形成装置側で制御可能な要因で、これらはいずれも掻き取りの強さや密度という掻き取り能力に関わり、これを現像剤による摺擦力という物理量で表すと、連続べたゴーストは現像剤による摺擦力と相関があると言える。
そして、(1)〜(4)の中で初期設定によって決まってしまうものが(1)と(4)、画像形成装置に組み込んだ後に変更可能なものは(2)と(3)である。従って、画像形成装置稼働中に現像剤による摺擦力を制御可能な現像パラメータとしては、(2)と(3)が考えられる。
【0017】
更に、現像制御装置12の代表的態様としては、図2(a)(b)に示すように、像保持体1に対する現像剤保持体2の周速比を変更するに当たり、像保持体1の周速vpを変更せず、現像剤保持体2の周速vdを変更するものが挙げられる。
また、現像制御装置12の他の代表的態様としては、現像装置10が現像剤保持体2に対向して非接触配置される層規制部材6を有する態様を前提とし、図2(a)(b)に示すように、現像剤保持体2の現像剤搬送量MOSを例えばMOS1からMOS2(≠MOS1)に変更するに当たり、現像剤保持体2と層規制部材6との間の層規制位置Bにおける現像剤搬送条件を変更するものが挙げられる。
ここでいう「層規制位置Bにおける現像剤搬送条件」とは両者間の位置に依存する条件(両者間の間隙寸法に相当)や、両者間の相対的な動き(相対周速差に相当)に依存する条件などが挙げられる。
【0018】
また、現像剤搬送量を変更する態様のうち好ましい態様としては、現像装置10は、少なくとも表面粗さが最大高さで5μm以下の平滑面として形成されて回転する現像回転体3を含む現像剤保持体2と、この現像剤保持体2と予め決められた間隙を介して対向して配置され且つ現像剤保持体2との対向部にて当該現像剤保持体2と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制部材としての層規制回転体6と、を有し、現像制御装置12は、現像剤保持体2の予め決められた周速vdに対し層規制回転体6の周速vrを増減させることで現像剤搬送量MOSを変更するものが挙げられる。
本態様において、現像回転体3としては剛体の筒状体でもよいし、可撓性薄膜部材でもよい。ここで、平滑面としては表面粗さが最大高さ(JlSBO6012001の規格に相当)5μm以下であることを要件としているが、これは、現像回転体3の表面粗さを最大高さで5μmより大きくすると、現像回転体3側の現像剤搬送力が大き過ぎて層規制回転体6による現像剤搬送量を調整し難いことによる。
また、層規制部材としての層規制回転体6は、現像剤保持体2との対向部にて現像剤保持体2と少なくとも同方向に回転するものであればよく、現像剤保持体2との間には少なくとも現像剤Gの層規制が可能な範囲で予め定めた間隙を確保するようにすればよい。また、磁性、非磁性のいずれでも差し支えなく、表面粗さも特には制限はないが、あまり粗く設定すると、前記表面粗さが現像剤Gに対する搬送力に大きく寄与するため、目標とする現像剤層厚を考慮して好ましいものを選定するようにすればよい。
【0019】
また、現像制御装置12の別の代表的態様としては、現像剤保持体2の現像剤搬送量が検出可能な検出装置17を有し、この検出装置17の検出結果に基づいて現像パラメータを制御するものが挙げられる。
本態様では、検出装置17によって検出時における現像装置10の実際の現像剤搬送量を把握することが可能になるため、現時点の現像剤搬送量を考慮して現像パラメータの変更を行うことができる。
更に、本実施の形態では、画像形成装置のうち特に有効な態様としては、潜像形成装置9が、像保持体1を帯電し且つ像保持体1に対して非接触配置される帯電装置9aと、帯電された像保持体1に対して静電潜像を書き込む潜像書込装置9bと、を有する態様が挙げられる。
帯電装置9aとして、像保持体1に対して非接触な非接触方式を採用する場合には、像保持体1上に付着した外添剤Wが現像装置10の現像領域にそのまま戻り易いことから、本発明を適用することがより有効である。
【0020】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
−画像形成装置の全体構成−
図5は本発明が適用された画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
同図において、画像形成装置20は、装置筐体21の上部に配置されて原稿台上の原稿を読み取る画像読取装置22と、装置筐体21内に組み込まれて記録材に対して画像を形成する作像装置25と、を備えている。
尚、画像読取装置22の上部には、原稿を自動的に読み取り、読み取った原稿を決められた場所に収容する自動原稿読取装置23が設けられている。
そして、作像装置25は、例えば複数の色成分画像(本例ではイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の有色トナー像)を形成する作像エンジン30(30a〜30d)と、この作像エンジン30にて形成されたトナー像を順次転写(1次転写)して保持する中間転写体140と、この中間転写体140上に形成された有色トナー像及び透明トナー像を含む重ね画像を記録材90に一括転写(2次転写)する一括転写装置150と、一括転写された重ね画像を記録材90上に加熱定着させる定着装置170と、一括転写部位に記録材90を搬送する記録材搬送系180と、を備えたものである。
【0021】
<作像エンジン>
図5及び図6において、作像エンジン30(30a〜30d)は、像保持体としてのドラム状の感光体31と、この感光体31を帯電する帯電装置32と、この帯電装置32で帯電された感光体31に静電潜像を光にて書き込む露光装置33と、感光体31上に書き込まれた静電潜像を現像剤(トナー)にて可視像化する現像装置34と、この現像装置34にて可視像化されたトナー像を転写媒体としての中間転写体140に転写する転写装置35と、この転写装置35にて転写された後に感光体31上に残留する残留トナーを清掃する清掃装置36と、を備えている。
ここで、帯電装置32は例えば帯電容器321を有し、この帯電容器321内に帯電部材として放電ワイヤ322及びグリッド電極323を配設したものであるが、帯電装置32としてはこれに限られるものではなく、例えばロール状の帯電部材を用いるなど適宜選定して差し支えない。
また、露光装置33としては、レーザ走査装置やLEDアレイなどが使用される。
更に、現像装置34としては、トナー及びキャリアが含まれる二成分現像剤を用いた二成分現像方式が採用されたものが用いられる。尚、現像装置34の詳細については後述する
更にまた、転写装置35としては、感光体31上のトナー像を中間転写体140側に静電転写させる転写電界を作用させるものであればよく、例えば転写バイアスが印加されるロール状の転写部材35aが用いられる。尚、転写装置35としては、これに限られるものではなく、放電ワイヤを用いた転写コロトロンなど適宜選定して差し支えない。
また、清掃装置36は、感光体31側が開口し且つ残留トナーが収容される清掃容器360を有し、この清掃容器360の開口のうち感光体31回転方向下流側縁にブレードやスクレーパ等の板状清掃部材361を配設すると共に、この板状清掃部材361の感光体31の回転方向上流側にはブラシ状又はロール状の回転清掃部材362を配設し、前記清掃容器360の開口のうち感光体31回転方向上流側縁に封止用のシール部材363を設け、更に、清掃容器360内の回転清掃部材362の下方には清掃された残留トナーを廃棄回収するために搬送する搬送部材364(例えば回転軸部材の周囲に螺旋羽根を設けた態様)を配設したものである。
【0022】
<中間転写体>
中間転写体140は、複数(本例では6つ)の張架ロール141〜146に掛け渡されており、張架ロール141が図示外の駆動モータにて駆動される駆動ロールとして用いられ、張架ロール142〜146がいずれも従動ロールとして用いられ、更に、張架ロール143が中間転写体140に張力を付与する張力付与ロールとして用いられると共に張架ロール145が一括転写装置150の一要素として用いられる。
そしてまた、張架ロール141に対向する中間転写体140の表面側には、二次転写後の中間転写体140上の残留トナーを除去する清掃装置147が配設されている。
<一括転写装置>
また、一括転写装置150は、中間転写体140の画像保持面側に圧接廃置される二次転写ロール151と、中間転写体140の裏面側に配置されて二次転写ロール151の対向電極をなす対向電極ロール152(本例では張架ロール145を兼用)と、を備えている。本例では、対向電極ロール152には、トナーの帯電極性と同極性の二次転写電圧が印加されており、この対向電極ロール152と二次転写ロール151との間に形成される転写電界にて、中間転写体140上に保持された重ね画像が二次転写部位にて記録材90に静電転写されるようになっている。尚、転写装置150としては、これに限られるものではなく、放電ワイヤを用いた転写コロトロンなど適宜選定して差し支えない。
<定着装置>
また、定着装置170は、例えば記録材90の画像保持面に接触して回転し且つ例えば内部に加熱源を有する加熱定着ロール171と、この加熱定着ロール171との間に記録材90を挟持して記録材90を加圧し且つ加熱定着ロール171と共に回転する加圧定着ロール172と、備えている。
<記録材搬送系>
更に、記録材搬送系180は、記録材収容装置181に予め記録材90を収容しておき、この記録材収容装置181から記録材供給部材182にて記録材90を供給した後、搬送ロール183にて搬送されると共に二次転写部位の手前で位置合わせロール184にて記録材90を一旦位置合わせした後に二次転写部位に導き、搬送ベルト185を通じて定着装置170へと搬送し、排出ロール186を介して記録材排出受け187に記録材90を排出するようにしたものである。
【0023】
−現像装置−
本実施の形態において、現像装置34は、図6に示すように、感光体31側が開口し且つトナー及びキャリアを含む二成分現像剤が収容される現像容器40を有し、この現像容器40の感光体31に面した箇所に現像剤が保持搬送可能な現像ロール41を配設すると共に、現像容器40内の現像ロール41の背面側にはトナーを摩擦帯電するために現像剤が撹拌搬送せしめられる撹拌搬送部材42,43を例えば水平方向に並べて配設し、撹拌搬送部材42,43にて撹拌搬送された現像剤を現像ロール41に受け渡し、現像ロール41上に保持された現像剤を層規制部材44にて層規制した後に感光体31に対向する現像位置Aに現像剤を供給するようにしたものである。
ここで、現像容器40は、図8(a)に示すように、現像ロール41の軸方向に沿って延びる仕切板48にて内部空間を仕切り、この仕切板48の長手方向両端付近に夫々通孔49,50を開設し、前記仕切板48で仕切られた空間には例えば回転軸部材51の周囲に螺旋羽根52が設けられる前記撹拌搬送部材42,43を配設し、この撹拌搬送部材42,43及び通孔49,50にて現像剤を循環搬送するようになっている。
尚、現像容器40の開口上縁には封止用のシール部材45が設けられている。
【0024】
<現像ロール>
本例では、現像ロール41は前記現像位置Aにて感光体31との間に間隙を介して非接触配置されているが、当該間隙は、前記現像位置Aに対し現像ロール41上に現像に必要な現像剤搬送量(MOS:Mass on the sleeveの略)を有する場合には感光体31と現像ロール41との間に現像剤が充填される程度に選定されている。
そして、現像ロール41は、図6及び図7に示すように、非磁性材料(例えばSUS304等)にて筒状に形成され且つ回転可能な現像スリーブ61と、この現像スリーブ61内に固定的に内包される磁石ロール62とを備えている。
本実施の形態において、現像スリーブ61はその表面に平滑面61aを有している。この平滑面61aは、例えば非磁性材料からなる現像スリーブ61の素管の表面に対し研磨処理を施すことで形成されており、表面粗さが最大高さRz(JIS B0601 2001)で5μm以下の値に選定されている。
また、磁石ロール62は、図7(a)(b)に示すように、非磁性のロール部材63の周囲に複数の磁極64(本例では5つの磁極64a〜64e)を配列したもので、具体的には、前記現像位置Aに対応して現像剤を現像に供する現像用磁極64a(本例ではN極)、前記層形成部材44による層規制位置Bに対応して現像剤層を規制する層規制用磁極64b(本例ではS極)、更には、現像ロール41に現像剤を吸着保持する吸着用磁極64d(本例ではS極)、そして、層規制用磁極64bと吸着用磁極64dとの間には現像剤を搬送するための搬送用磁極64c(本例ではN極)、また、現像用磁極64aと吸着用磁極64dとの間には吸着用磁極64dとの間に反発磁界が生成されて現像ロール41上の現像剤を剥離する剥離用磁極64e(本例ではS極)を配置したものである。尚、現像用磁極64a、層規制用磁極64b、吸着用磁極64d、剥離用磁極64eが隣り合う異なる極性の磁極との間では搬送用磁極として機能するものである。
そして、磁石ロール62の磁極64(64a〜64e)による磁束密度分布Mは現像スリーブ61が回転したときに現像スリーブ61上の現像剤を前記磁束密度分布Mによる磁力で保持搬送できる程度に選定されている。
【0025】
<層規制部材>
層規制部材44は、図7(a)に示すように、回転可能なロール状部材(以下必要に応じて回転トリマと称する)からなり、現像スリーブ61との対向部位では少なくとも現像スリーブ61と同方向に回転するようになっている。
そして、この層規制部材(回転トリマ)44は、現像スリーブ61の表面との間に予め決められた間隙TGを介して現像スリーブ61に対し非接触配置されている。この間隙TGは、現像位置Aに供されるべき現像剤搬送量(MOS)を得ることができるように、例えば0.035〜1.5mmの範囲で適宜選定される。
この層規制部材(回転トリマ)44は非磁性材料(例えばSUS304)又は磁性材料(例えばSUS416)にて形成されており、表面に平滑面44aを有している。この平滑面44aは、層規制部材(回転トリマ)44の素管の表面に対し研磨処理を施すことで形成されており、表面粗さが最大高さRz(JIS B0601 2001)で5μm以下の値に選定されている。
また、層規制部材(回転トリマ)44は、図7(b)に示すように、現像ロール41の層規制用磁極64bに対応した位置に設けられていればよい。本例では、層規制部材(回転トリマ)44と現像ロール41との層規制位置Bの最近接部位は、層規制用磁極64bのピーク磁力位置に対してkだけ現像剤搬送方向の下流側に偏って配置されており、前記最近接部位には層規制用磁極64bから30mT以上60mT以下の磁力Uが作用するようになっている。
【0026】
<駆動伝達系>
図8(a)は本実施の形態で用いられる現像装置の駆動伝達系を示す。
同図において、現像装置34は、二つの駆動モータ(MOT1,MOT2)71、72によって駆動されるようになっている。
一方の駆動モータ(MOT1)71による駆動伝達系は、モータ駆動軸73に駆動ギア74を同軸に取付ける一方、現像ロール41の現像スリーブ61の回転軸、撹拌搬送部材42,43の回転軸の一端には夫々伝達ギア75〜77を同軸に取付けると共に、伝達ギア76,77を噛み合わせ、更に、前記駆動ギア74と伝達ギア76との間に中間伝達ギア78を噛み合わせた状態で介在させると共に、前記伝達ギア76に前記中間伝達ギア78を噛み合わせるようにしたものである。
他方の駆動モータ(MOT2)72による駆動伝達系は、モータ駆動軸81に駆動ギア82を同軸に取り付ける一方、前記層規制部材(回転トリマ)44の回転軸に伝達ギア83を同軸に取付け、前記駆動ギア82と前記伝達ギア83とを噛み合わせるようにしたものである。
そして、二つの駆動モータ71,72は制御装置100から送出された制御信号に基づいて回転駆動又は停止するようになっている。
本例では、一方の駆動モータ71は、図8(a)(b)に示すように、現像ロール41の現像スリーブ61、撹拌搬送部材42,43を同時に回転駆動又は停止するようになっている。また、他方の駆動モータ72は、層規制部材(回転トリマ)44を回転駆動又は停止するようになっている。
【0027】
<駆動制御系>
本実施の形態では、制御装置100はCPU、RAM、ROM及び入出力ポートを含むコンピュータシステムからなり、図9に示すように、例えば画像形成装置の使用条件J(例えばJ1〜J3)を入力信号として受け取り、ROM内に予めインストールされた現像駆動制御プログラム(例えば図10〜12参照)又は連続べたゴースト制御プログラム(図16参照)をCPUにて実行し、二つの駆動モータ(MOT1,MOT2)71,72に制御信号を送出し、各駆動モータ71,72を介して現像ロール41の現像スリーブ61や層規制部材(回転トリマ)44を駆動制御するものである。
本例では、現像ロール41の現像スリーブ61の周速vdは基本的に予め定めた一定値(const.)に設定されると共に連続べたゴースト制御時に必要に応じて減速制御可能になっており、層規制部材(回転トリマ)44の周速vrは予め定めた下限値vminと上限値vmaxとの範囲で可変設定されるようになっている。
【0028】
−現像制御処理−
次に、本実施の形態で用いられる現像装置の現像制御処理について説明する。
本例の現像制御処理としては以下のものが挙げられる。
<画像情報によるMOS量制御>
これは、図10に示すように、例えば画像情報J1として像密度に着目したものであり、像密度が予め定めた低像密度、高像密度、あるいは、両者の中間に位置する通常像密度であるか否かを判別し、通常画像(通常像密度画像)である場合には、‘MOS通常値’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値とし、プリント動作(現像動作)を実施する。
つまり、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)44の回転速度(周速)vrを初期設定値とすれば、回転トリマ44の回転に伴って現像剤Gに搬送力が与えられ、搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定したMOS通常値に相当する現像剤搬送量(MOS)をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
【0029】
また、画像情報が低像密度画像である場合には、‘MOS減’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも減少させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが減少すると、回転トリマ44の回転の減少に伴って現像剤Gには小さい搬送力が与えられ、小さい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS減’に相当する現像剤搬送量(二点鎖線で示すMOS(減))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
この場合には、MOSが減少することから、低像密度画像は細密画像としてプリントされる。
更に、画像情報が高像密度画像である場合には、‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが増加すると、回転トリマ44の回転の増加に伴って現像剤Gには大きい搬送力が与えられ、大きい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS増’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
この場合には、MOSが増加することから、高像密度画像は高濃度画像としてプリントされる。
【0030】
<使用履歴情報によるMOS量制御>
これは、図11に示すように、例えば使用履歴情報J2としてプリント枚数に着目したものであり、プリント枚数が予め定めた閾値N1、N2、N3(N1<N2<N3)以上か否かを判別し、総プリント枚数がN1以下である場合には、‘MOS通常値’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値とし、プリント動作(現像動作)を実施する。
この場合、図13(a)に示すように、回転トリマ44の回転に伴って現像剤Gに搬送力が与えられ、搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定したMOS通常値に相当する現像剤搬送量(MOS)をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
また、総プリント枚数がN1より多くN2以下である場合には、‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが増加すると、回転トリマ44の回転の増加に伴って現像剤Gには大きな搬送力が与えられ、大きな搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS減’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
更に、総プリント枚数がN2より多くN3以下である場合には、更に‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも更に増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが更に増加すると、回転トリマ44の回転のさらなる増加に伴って現像剤Gにはより大きい搬送力が与えられ、より大きい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した更なる‘MOS増’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
【0031】
<環境情報によるMOS量制御>
これは、図12に示すように、例えば環境情報J3として温度・湿度に着目したものであり、温度・湿度が予め定めた低温低湿、高温高湿、あるいは、両者の中間に位置する常温常湿であるか否かを判別し、常温常湿である場合には、‘MOS通常値’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値とし、プリント動作(現像動作)を実施する。
この場合、図13(a)に示すように、回転トリマ44の回転に伴って現像剤Gに搬送力が与えられ、搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定したMOS通常値に相当する現像剤搬送量(MOS)をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
また、環境情報が低温低湿である場合には、‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが増加すると、回転トリマ44の回転の増加に伴って現像剤Gには大きな搬送力が与えられ、大きな搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS増’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
この場合には、MOSが増加することから、低温低湿であるとしても画像品質を保った状態でプリントされる。
更に、環境情報が高温高湿である場合には、‘MOS減’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrを初期設定値よりも減少させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図13(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vrが減少すると、回転トリマ44の回転の減少に伴って現像剤Gには小さい搬送力が与えられ、小さい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS減’に相当する現像剤搬送量(二点鎖線で示すMOS(減))をもって現像位置A(図6参照)へと到達する。
この場合には、MOSが減少することから、高温高湿であるとしても画像品質を保った状態でプリントされる。
【0032】
−層規制部材の周速調整処理−
本実施の形態において、層規制部材(回転トリマ)44の周速を変化させたときのMOSの変化を測定したところ、図13(b)に示す傾向が見られた。
同図において、横軸は回転トリマの周速比(対現像ロール周速)であり、図13(a)に示すように、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)との対向部位で同方向に回転トリマ44を回転させる条件で、回転トリマ44の周速vrを変化させたところ、MOSが次第に増加していき、本例では、800g/m2付近を最大として変化していることが理解される。
つまり、図14(a)及び図15(a)に示すように、今、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vdで回転している状態で、回転トリマ44の周速がvr=vr1であるときに、現像位置Aに到達するMOSがMOS1と仮定する。
このとき、図14(b)及び図15(b)に示すように、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vdで回転している状態のままで、回転トリマ44の周速がvr=vr2≠vr1であるとき、現像位置Aに到達するMOSはMOS2≠MOS1に変化する。
ここで、vr2>vr1の場合には、MOS2>MOS1、
vr2<vr1の場合には、MOS2<MOS1
になる。
更に、図14(c)及び図15(c)に示すように、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vdで回転している状態のままで、回転トリマ44の回転駆動を停止すると、MOS=0になる。このとき、現像位置Aへの現像剤の供給が遮断される。
尚、本実施の形態では、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vdで回転している状態のままで、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)との対向部位で逆方向に回転トリマ44を回転させた場合にも、図14(c)及び図15(c)に示すように、MOS=0なる。このため、回転トリマ44の回転駆動を停止した場合と同様に、現像位置Aへの現像剤の供給が遮断される。
【0033】
―連続べたゴースト制御処理―
これは、連続べた画像が残像画像(ゴースト画像)として現れる可能性が高い作像条件であるか否かを判別し、ゴースト画像が現れる可能性が高い作像条件(特別作像条件)に至った判別したときに、ゴースト画像が現れないように現像装置34の現像パラメータである現像剤搬送量(MOS)及び/又は現像ロール41の周速を変更するものである。
ここで、「連続べた画像」とは、連続して面画像に至る画像を意味するもので、ここでいう「面画像」は画像密度が100%の面状の画像は勿論含まれるが、本例では予め決められた高画像密度(例えば画像密度が80%以上)の面状の画像をも含むものとする。また、「連続べた画像」は同じ面画像が連続する場合が代表的であるが、異なる面画像が連続する場合であっても、面画像が連続して重なり合う領域が存在する場合には当該重なり合う領域の面画像も含まれるものである。
【0034】
<連続べたゴースト制御処理を具現化する構成例>
本実施の形態では、図9に示す制御装置100は、例えば図16に示すように、連続べたゴースト制御処理を具現化する機能部を備えている。
同図において、符号101は例えば図16(b)に示すような画像に対応する画像信号を取り込み、図16(b)の画像情報を認識すると共に、その画像情報中からべた画像に相当する面画像(例えばIMR1〜IMR3)が存在する領域を認識する画像認識部、102は画像認識部101で認識した画像情報及び面画像領域を記録する画像メモリ、103は連続べた画像が予め定めた特別作像条件(ゴースト画像が現れる可能性が高い作像条件)に至ったか否かを判別する特別作像条件判別部、104は特別作像条件として、ゴースト画像につながり易い環境条件(要注意環境条件)及び連続べた画像の積算した値がゴースト画像につながる目安になる閾値Sが予め格納されている判別テーブル、105は判別テーブル104に特別作像条件としての要注意環境条件及び閾値Sをオペレータが設定操作するための条件設定部、106は画像形成装置の作像エンジン30の近傍に設置される温度・湿度を計測するための環境センサ110からの環境情報を判別する環境判別部、107は特別作像条件判別部103が特別作像条件に至ったことを判別したときに、現像パラメータである現像剤搬送量及び/又は現像ロールと感光体との周速比を決定する現像パラメータ決定部である。
【0035】
<具体的な処理内容>
以下、本実施の形態で採用されている連続べたゴースト制御処理を図17に基づいて説明する。
・環境条件判別
同図において、連続べたゴースト制御処理は、先ず環境センサ110にて画像形成装置の作像エンジン30付近の環境条件として温度・湿度を計測し、環境判別部106にて計測された環境情報が判別テーブル104内に予め定めた要注意環境条件に合致するか否かを判別し、要注意環境条件に合致しなければ、この段階で、連続べたゴースト制御処理を終了し、要注意環境条件に合致した場合には次のステップに移行する。
これは、ゴースト画像の現れる可能性が低温低湿環境条件に片寄っていることを考慮し、先ず、ゴースト画像が現れる可能性が高い低温低湿環境条件(例えば温度0〜20℃/湿度20〜50%RH)を要注意環境条件として予め設定しておき、ゴースト画像が現れるかの可能性の高いときに絞って連続べたゴースト制御処理を効率的に実施する趣旨である。尚、本例では、環境条件を先に判別するようにしているが、このような環境条件の判別処理を行わずに連続べたゴースト制御処理を実施するようにしてもよいことは勿論である。
【0036】
・連続べた画像の積算処理
更に、特別作像条件判別部103は、上述した要注意環境条件であることを判別したことを条件として、画像メモリ102に記録された連続べた画像の領域を積算し、その積算値が閾値Sを超えたか否かを判別する。
例えば「閾値S」としては、画像密度100%の面画像でプリント枚数がn枚(例えばn=10枚)とし、画像密度90%以上100%未満の面画像でプリント枚数がn+1枚、画像密度80%以上90%未満の面画像でプリント枚数がn+2枚とする。また、同時に感光体31の回転軸方向のどの位置で閾値Sを越えたかを記憶する。
このような演算を実施した後、上述した積算値が閾値Sを超えない場合には、現像パラメータの変更処理は行わず、連続べたゴースト制御処理はそのまま終了する。
一方、上述した積算値が閾値Sを超え、かつ、閾値Sを越えた個所に予め定められた低画像密度(例えば5〜60%の画像密度)の面画像が形成される場合には,現像パラメータの変更処理を実施する。
また、同一の面画像のプリント枚数が閾値Sを超えても、感光体31上の回転軸方向の閾値Sを越えた個所において低画像密度(例えば5〜60%の画像密度)の面画像が形成されない場合には実施する必要はない。
【0037】
・現像パラメータの変更処理
現像パラメータ決定部107は、積算値が閾値Sを超えたときに、現像パラメータとして、現像剤搬送量MOSの減少及び感光体31と現像ロール41との周速比を減少することを決定し、層規制部材である回転トリマ44の回転速度vrに対し速度減少制御信号を送出し、及び/又は、現像ロール41の回転速度vdに対し速度減少制御信号を送出する。
そして、現像装置34では、回転トリマ44の回転速度vdが減少するように変更され、及び/又は、現像ロール41の回転速度vdが減少するように変更される。
この後、次のプリント作像処理では、新たに変更された現像パラメータにて現像装置34による現像処理が実施されると共に、上述した積算値がリセットされる。
尚、現像パラメータが変更されたプリント作像処理の次のプリント作像処理では、図10〜図12の現像制御処理に基づいて再び現像パラメータは夫々の作像環境に合致したものに変更される。
【0038】
<連続べたゴースト制御処理の具体例>
次に、連続べたゴースト制御処理の具体例を図19に基づいて説明する。
同図において、今、環境条件が要注意環境条件に合致しており、プリント対象画像が例えば画像密度100%の面画像IM(べた画像に相当)が含まれるものをプリント枚数n枚(本例では閾値Sに相当)連続して作製したものと仮定する。
このとき、特別作像条件判別部103は、プリント枚数が1枚目からn−1枚目までは通常作像条件と判別し、プリント枚数がn枚目までは現像パラメータの変更処理を実施しないで現像装置34による現像処理を行う。このため、プリント枚数n枚目までは、現像装置34は、図19(a)に示すように、図10〜図12の現像制御処理に基づいて、例えば現像ロール41の周速vdをvd1に設定したままで、層規制部材である回転トリマ44の回転速度vrをvr1に設定することで現像剤搬送量MOSをMOS1に設定した状態にて現像処理を実施する。尚、感光体31の周速はvp=const.である。
【0039】
ところが、プリント枚数がn枚終了すると、図18に示すように、特別作像条件判別部103は、連続べた画像が閾値Sを超えたと判別し、この判別結果に基づいて、現像パラメータ決定部107が現像パラメータの変更処理を実施する。
このとき、現像パラメータ決定部107は、現像剤搬送量MOSを減少させ、及び/又は、感光体31と現像ロール41との周速比を低減させるように、現像パラメータを変更する。
本例では、現像装置34は、図19(b)に示すように、層規制部材である回転トリマ44の回転速度vrをvr2(vr2<vr1)に設定することで現像剤搬送量MOSをMOS2(MOS2<)に設定し、及び/又は、現像ロール41の周速vdをvd2(vd2<vd1)に変更した後、現像処理を実施する。尚、感光体31の周速はvp=const.である。
この状態において、図19(a)に示す現像パラメータにおける現像剤Gによる摺擦力をF1、図19(b)における現像パラメータにおける現像剤Gによる摺擦力をF2とすれば、図19(b)では、現像剤搬送量MOSは低減し、及び/又は、現像ロール31の周速vdは低減することから、現像剤搬送量MOS及び現像ロール31の周速vdの少なくともいずれの変化に伴って、F2<F1の関係を満たすに至ることは明らかである。
【0040】
<連続べたゴースト制御処理の作像プロセスへの影響>
上述したような連続べたゴースト制御処理を実施すると、図20に示すように、作像プロセスが実施される。
つまり、連続的な面画像(べた画像)を作製するときに、仮に、感光体31上にトナーTの外添剤Wが付着してしまうと、通常感光体31には清掃装置36が設けられることが多いが、外添剤W自体が微小径であることから、清掃装置36をすり抜けてしまう可能性が高く、感光体31の周回に伴って再び現像装置34の現像領域に到達する。このとき、感光体31に対しては、帯電装置32により予め決められた帯電電位Vhにて帯電(図中eは帯電電荷を模式的に示す)後に、露光装置33により静電潜像Zが形成され、現像装置34の現像領域に至る。
このとき、現像装置34では現像パラメータが変更され、現像剤Gによる摺擦力が低減した状値にある。このため、感光体31上の外添剤Wが現像装置34の現像領域に到達し、現像剤Gによる磁気ブラシが感光体31上の外添剤Wに接触したとしても、当該現像剤Gによる摺擦力が低減しているため、感光体31上の外添剤Wが掻き取られる懸念は少ない。このため、図4に示すように、外添剤Wが掻き取られることに伴う潜像電位Vzの局部的な電位低下現象は生ずることはなく、感光体31上に形成される潜像電位Vzは略一定に保たれる。
この状態において、現像装置34にて現像ロール34に現像電圧Vbias(|Vh|>|Vbias|>|Vz|)を印加することで現像動作が行われると、潜像電位Vzは略一定であることから、外添剤Wが残存している静電潜像ZにはトナーTが略均一に現像され、トナー濃度が局部的に濃くなるゴースト画像の発生はなく、略均一なトナー濃度の画像が形成される。この状態において、感光体31上に残存していた外添剤Wの多くはべた画像(例えば画像密度80%以上)よりも低い画像密度の面画像が連続することによって当該面画像の残留トナーと共に清掃装置36にて掻き取られていく。
【0041】
◎変形の形態1
図21は実施の形態1で用いられる現像装置の一部構成を変更した変形の形態を示す。
同図において、現像装置34の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、層規制部材の構成が実施の形態1と異なるものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本変形の形態において、層規制部材は、実施の形態1で用いられた回転トリマ44とは異なり、現像ロール41との間に所定の間隙TGを介して配置される板状トリマ120からなり、この板状トリマ120を進退機構121にて進退動させ、板状トリマ120と現像ロール41との間隙TGを調整可能としたものである。
そして、制御装置100は、実施の形態1と略同様に、現像制御処理プログラム及び連続べたゴースト制御処理プログラムを実行するようになっており、板状トリマ120と現像ロール41との間の間隙TGを調整することで現像剤搬送量MOSを増減するものである。
従って、本変形の形態においても、連続べたゴースト制御処理を実施するに当たり、ゴースト画像が現れる可能性が高い特別作像条件に至った場合には、板状トリマ120を現像ロール41側に接近させることで板状トリマ120と現像ロール41との間の間隙TGを狭め、板状トリマ120で層規制される現像剤搬送量MOSを減少させるようにすればよい。
尚、本変形の形態にあっても、連続べたゴースト制御処理に当たっては、現像パラメータとして、現像剤搬送量MOSに加えて現像ロール41の周速を変更しても差し支えない。
【0042】
◎実施の形態2
図22は実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、現像装置34には、現像ロール41に保持される現像剤搬送量MOSを検出する現像剤搬送量検出装置(以下、実施の形態ではMOS検出装置という)200が設けられている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
―MOS検出装置―
本実施の形態において、MOS検出装置200は、図22及び図23(a)に示すように、現像ロール41の回転方向に対して現像位置Aよりも上流側で、かつ、層規制位置Bよりも下流側に、現像ロール41に対向して板状の検出部材201を配置し、現像ロール41には例えば直流成分交流成分が重畳した現像電圧印加用の現像用電源211と、現像剤搬送量MOSを検出するときにステップ状の直流成分からなる検出電圧V0印加用の検出用電源212とを切替器213にて切替選択させ、更に、検出部材201には当該検出部材201を流れる電流iが計測可能な電流センサ214を接続し、現像剤搬送量MOSを検出するときに、切替器213を介して検出用電源212を切替選択し、電流センサ214にて検出部材201を流れる電流iを検出し、この検出結果に基づいて制御装置100内のMOS算出部108による算出処理を行い、MOSを検出するようにしたものである。
【0043】
特に、本実施の形態では、板状の検出部材201は、現像ロール41に対向して非接触配置される導電性の電極部材(導電層)202と、この電極部材202の現像ロール41側に形成される絶縁層203と、この絶縁層203の現像ロール41側に形成される導電層204と、を有し、電極部材202と現像ロール41との間に電位が変化するステップ状の直流電圧を印加したときに、絶縁層203を介して導電層202,204を対向させた三層構成を蓄電要素205として一時的に電荷が蓄電可能な機能部としたものである。
また、検出用電源212にて印加される直流電圧は、ゼロから予め決められた大きさの電圧にしてもよいし、他の電圧値から予め決められた大きさの電圧に変化させてもよく、要は大きさの異なる電圧にステップ状に変化させるものであればよい。また、電位の大きさを一定とはせずに、例えば環境条件等を加味して、選択する電位を決めるようにしてもよい。
また、MOSを検出する際には、1回の検出動作を行うようにしても差し支えないが、検出精度を高めるという観点から、繰り返して検出動作を行い、その平均値をMOSとするようにしてもよい。
本例では、電流センサ214は、検出部材201(蓄電要素205)に流れる電流を検出するものであり、MOS算出部108は、電流センサ214にて検出された電流iの変化に基づいて、電流の時間的な積算値若しくは電流ピークに相当する電気特性値を割出し、この電気特性値の大きさに応じて現像ロール41上のMOSを算出するようにすればよい。
また、電流センサ214に代えて、蓄電要素205の導電層202,204間に作用する電圧V2を検出する電圧センサ(図示せず)を設けるようにし、MOS算出部108として、電圧センサにて検出された電圧の変化に基づいて、電圧の変化開始から予め決められた時間経過後の電圧に相当する電気特性値を割出し、この電気特性値の大きさに応じて現像ロール41上のMOSを算出するようにしてもよい。
【0044】
図23(a)は、実施の形態2において、現像剤Gが検出部材201と現像ロール41との間の間隙TGより少ない状態で、現像剤Gが導電層204に接触していない場合を示す。
図23(b)は、検出用電源212による電圧印加よって時刻tにて0からV0へと電位が変化したときの各部における出力波形を示す。
ここで、印加電圧V0検出用電源212からの印加される電圧を示し、検出電流iは電流センサ214によって検出された電流であり、検出電圧V1は検出部材201と現像ロール41との間の電位差であり、検出電圧V2は検出部材201(蓄電要素205)の一対の導電層202,204間の電位差を示す。
図23(b)によれば、仮に、現像剤Gが検出部材201(蓄電要素205)に接触していない状況であっても、蓄電要素205を流れる電流が、初期に立ち上がりその後蓄電要素205による時定数の下でゆっくり減衰する検出電流iとして検出される。つまり、蓄電要素205には充電電流が流れ、検出電流iは図のように少し立ち上がり、その後放電によって減衰する。また、検出電圧V1は、時刻tで立ち上がった後、緩やかに減衰する。一方、検出電圧V2は緩やかに増加する傾向を示す。そして、V1とV2の和が両者の合成電圧になる。このときの検出電圧V2は、電流を積分したような波形になっている。
【0045】
図24(a)は、現像剤Gが検出部材201(蓄電要素205)の導電層204に少し接触している場合を示す。このとき、図24(b)によれば、検出電流iのピーク値は図23(b)の場合に比べて大きくなる。このとき、検出電圧V1、V2も検出電流iに合わせて変化する傾向を示し、図23(b)に比べて、やや大きい減衰を示す。
更に、図25(a)は、現像剤Gが検出部材201(蓄電要素205)の導電層204の略全面に亘って接触している場合を示す。このとき、図24(a)に示す現像剤Gが検出部材201の導電層204に一部にしか接触していない態様に比べて、検出電流iのピーク値が大きくなる。そのため、検出電圧V1は、図24(b)に比べて、その減衰量が大きく、検出電圧V2は逆にその増加量が大きくなる傾向を示す。
更にまた、図26(a)は、現像剤Gが検出部材201(蓄電要素205)の導電層204の全面に亘って接触する点では図25(a)と略同様であるが、図25(a)に示す態様に比べて、現像剤Gの接触面積が広くなっている状態を示す。このため、図26(b)によれば、図25(b)に比べて、検出電流iのピーク値は大きくなる。一方、検出電圧V1は、図25(b)に比べて、その減衰量が大きく、検出電圧V2は逆にその増加量が大きくなる傾向を示す。
つまり、本実施の形態では、現像剤Gが検出部材201(蓄電要素205)の導電層204に接触していない状態であっても、電流センサ214による電流が検出され、また、蓄電要素205による大きな時定数に伴う変化が計測されるようになるため、現像ロール41と蓄電要素205の導電層204との間に存在する現像剤Gの量に応じた電気的特性の変化として検出される。また、現像剤Gが蓄電要素205の導電層204に接触することで、より一層大きな変化として検出される。このことから、現像ロール41上のMOSの検出が容易になされる。
【0046】
―連続べたゴースト制御処理―
次に、本実施の形態における連続べたゴースト制御処理のフローチャートを図27に示す。
同図において、連続べたゴースト制御処理は、先ず、現像剤搬送量(MOS)検出処理を実施する。
このMOS検出処理としては、図28に示すように、検出用電源212によってステップ状の直流電圧V0を印加し、電流センサ214にて電流波形を検出する。
次いで、直流電圧V0の印加開始から予め決められた時間t1までの期間の積分電流値又は電流ピーク値を算出し、これらから検出部材201と現像ロール41との間の現像剤量を求めた後、現像ロール41の周速vdを考慮してMOSを検出すればよい。
このようなMOS検出処理が行われると、図27に示すように、検出した現像剤搬送量(例えばMOS0)を一旦データとしてメモリ記録しておく。
しかる後、連続べたゴースト発生要件(要注意環境条件,特別作像条件)を満すか否かを判別し、満たすと判別された条件では、現像パラメータの変更を決定する。
このとき、MOS検出処理にて検出されたMOS0及び現在の現像パラメータを考慮し、現像パラメータの変更量を決定し、層規制部材である回転トリマ44の回転速度を減少、及び/又は現像ロール41の周速を減少する。
このように現像パラメータが変更されると、次のプリント作像処理が実施され、連続べた画像領域の積算値がリセットされる。
【0047】
◎実施の形態3
図29は実施の形態3に係る画像形成装置の要部を示す。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態2と略同様であるが、MOS検出装置200の構成が実施の形態2と異なっている。尚、実施の形態2と同様な構成要素については実施の形態2と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
MOS検出装置200は、図29及び図30に示すように、実施の形態2と略同様に構成されるが、実施の形態2と異なるロール状の検出部材221を有している。この検出部材221は、ロール状の導電性の電極部材(内側導電層)222と、この電極部材222の周囲を覆う絶縁層223と、この絶縁層223の周囲を覆う外側導電層224と、を有し、電極部材222と現像ロール41との間に電位が変化するステップ状の直流電圧を印加したときに、絶縁層223を介して内側導電層222,外側導電層224を対向させた略同心円状の三層構成を蓄電要素225として一時的に電荷が蓄電可能な機能部としたものである。
ここで、ロール状の検出部材221は固定的に設けられていてもよいし、あるいは、現像剤Gの動きに合わせて回転するような態様でも差し支えない。
本実施の形態において、MOSを検出する場合には、実施の形態2と略同様に、切替器213を介して検出用電源212を切替選択し、予め定めた電位の直量電圧V0を印加し、電流センサ214にて検出される電流波形のうち、電圧の印加開始から予め決められた期間までの積算電流値又はピーク電流から、現像ロール41と検出部材221との間の現像剤量を求め、求められた現像剤量から現像剤搬送量(MOS)を検出するようにすればよい。
また、検出部材221(蓄電要素225)を流れる電流の短時間での電流波形の変化を見ると、MOSが多い場合と少ない場合とで異なるものになる。図31(a)は、MOSをI〜III方向へ順次多くした場合の電流波形の一例を示す。
また、検出部材221(蓄電要素225)に作用する電圧波形、つまり、蓄電要素225の導電層222,224間に作用する電位差の変化を調べたところ、図31(b)に示す結果が得られた。ここで、図31(b)は、MOSをI〜III方向へ順次多くした場合の電圧波形の一例を示す。
従って、本実施の形態にあっても、実施の形態2と略同様にして、現像ロール41上のMOSを検出することが可能である。
【0048】
◎実施の形態4
図32は実施の形態4に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態3と略同様であるが、MOS検出装置200の検出部材221が実施の形態3と異なる構成になっている。尚、実施の形態3と同様な構成要素については実施の形態3と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、MOS検出装置200の検出部材221は専用の機能部材としては設置されておらず、層規制部材としての回転トリマ44が検出部材221を兼用する構成になっている。このため、回転トリマ44は検出部材221と同様な三層構成(導電層222、絶縁層223、導電層224からなる蓄電要素225を構成)を有している。
従って、本実施の形態では、MOS検出時には、図33(a)に示すように、検出部材221を兼用した回転トリマ44を回転速度vr0(現在の現像パラメータに相当)で回転し、現像剤Gを搬送させると共に、検出用電源212からの直流電圧を印加し、電流センサ214からの検出結果に基づいてMOS0(回転トリマ44の回転速度vr0に対応)を検出する。
一方、連続べたゴースト制御処理時においてMOSを変更する場合には、図33(b)に示すように、検出されたMOS0及び現在の現像パラメータを考慮し、回転トリマ44の周速vrを減少させ、及び/又は、現像ロール41の周速を減少させ、MOSを低減させるようにすればよい。
【実施例】
【0049】
◎実施例1
実施例1は、実施の形態1と略同様な構成を備えているが、図34(a)に示すように、現像装置として、撹拌搬送部材42,43を上下に配列し、かつ、現像ロール41に保持された未使用現像剤を回収するロール55を付加したものである。尚、現像ロール41(平滑スリーブを具備)、層規制部材(回転トリマ)44は実施の形態1と同様である。
比較例は、図34(b)に示すように、実施例と略同様な構成を備えているが、実施例と異なり、現像ロール41’として、現像スリーブ61’がブラストスリーブ又は溝スリーブで構成され、更に、層規制部材44’として、磁性板を用いた板状規制部材(固定トリマ)を用いたものである。
ここで、実施例1の現像スリーブ61は、図35(a)に示す平滑スリーブ(平滑面が最大高さRzで3μm)にて構成されている。
一方、比較例(比較例1,2)の現像スリーブ61’は図35(b)に示すブラストスリーブ(実施例の平滑スリーブにブラスト処理を施して構成)にて構成され、あるいは、図35(c)に示す溝スリーブ(実施例の平滑スリーブに対し溝加工処理を施して構成)にて構成されている。
尚、実施例1、比較例ともに、層規制部材と現像スリーブとの間隙は240μmに設定されている。
【0050】
実施例1に係る現像装置、比較例に係る現像装置の性能を評価する上で、層規制部材(トリマ)、層規制用磁極の磁束密度、現像スリーブの表面を夫々組み合わせて、現像剤搬送量(MOS)を測定したところ、図36に示す結果が得られた。
図36によれば、比較例(比較例1,2)では、固定トリマ+ブラストスリーブ、溝スリーブを用いる場合には、一定のMOSを得るには良好であるが、MOS量を調整することは困難である。
これに対し、実施例1では、回転トリマ+平滑スリーブを使用した場合には、MOS量を調整することも極めて良好であることが確認された。
ちなみに、現像スリーブとして平滑スリーブを用いた態様で、固定トリマを使用すると、層形成自体が不可になってしまうことが理解される。
更に、層規制位置における層規制用磁極の磁束密度が50mTの場合には、MOS量は多すぎず適量になるが、例えば80mTにすると、使用可能ではあるものの、MOS量が多くなる傾向が見られる。
ここで、層規制位置における層規制用磁極の磁束密度30mT〜60mTであれば、MOS量を適量に調整し易い点で好ましい。
【0051】
また、実施例1として、層規制部材と現像スリーブとの間隙を240μmにしたものを実施例1−1、前記間隙を70μmにしたものを実施例1−2とし、更に、回転トリマとブラストスリーブとを組み合わせた態様のものを比較例3とした。
これらについて、回転トリマの周速比とMOSとの関係を調べたところ、図37に示す結果が得られた。
MOS量としては、300〜800g/m2程度が実使用領域であるところ、実施例1(実施例1−1,実施例1−2)は回転トリマの周速比が広範囲に亘ってMOSの実使用領域において可変調整されていることが理解される。
この点、比較例3では、ブラストスリーブを用いていることから、回転トリマの周速比に対するMOSの変化量が大きく、回転トリマの周速比が0.7以上から、MOSの実使用領域を越えてしまうことが理解される。
尚、本実施例1(実施例1−1,実施例1−2)では、現像スリーブの平滑面は最大高さ3μmであるが、この平滑面の表面粗さを振って同様な実験を行ったところ、平滑面は最大高さが5μm以下では、実施例1と同様な傾向が見られた。
また、層規制部材と現像スリーブとの間隙についても、使用領域(0.035mm〜1.5mm)で振って同様な実験を行ったところ、実施例1と同様な傾向が見られた。特に、0.060〜1.0mm程度では安定していることが確認された。
【0052】
◎実施例2
本実施例は、実施の形態1に係る画像形成装置を具現化したもので、以下のような作像パラメータを有している。
・現像ロールと感光体とのギャップ:0.35mm
・現像剤搬送量:250〜450g/m2
・現像電圧:Vpp=1.0kV、f=9kHz
・キャリア径:平均約35μm
・トナー径:平均約6μm
・トナー外添剤:平均約50nmシリカ、平均約120nmシリカ、酸化金属粒子
本実施例において、連続べたゴースト制御処理を実施し、特別作像条件に至ったときに、現像剤搬送量(MOS)として通常の設定値(450g/m2)のまま、図38(b)に示す初期画像(連続べた画像IM1、連続べた画像IM1の一部を削除し、その削除部分に新たに作製したハーフトーン画像IM2)を複数(本例では2つ)作製し、ΔL*(図38(b)中のゴースト画像IMgが存在するA領域とA領域以外のハーフトーン画像IM2のB領域との間の明度差に相当)を調べたところ、図38(a)に示すように、ゴースト画像IMgがはっきりと確認された。
これに対し、連続べたゴースト制御処理の一例として、回転トリマ44の周速vrを減少させることで、現像剤搬送量(MOS)を通常の設定値から250g/m2に低減させ、図38(b)に示す初期画像を複数作製し、ΔL*を調べたところ、図38(a)に示すように、目標範囲内に収まり、ゴースト画像IMgは見られなかった。
このように、現像パラメータとして、現像剤搬送量を低減させたところ、連続べた画像に起因するゴースト画像の発生は有効に抑えられることが把握される。
【0053】
◎実施例3
本実施例は、実施の形態1に係る画像形成装置を具現化したもので、実施例1と同様な作像パラメータを有している。
本実施例において、連続べたゴースト制御処理を実施し、特別作像条件に至ったときに、複数の現像剤搬送量(A〜C)に対し、感光体31と現像ロール41との周速比として通常の設定値(例えば1.75)のまま、図38(b)に示す初期画像を作製し、ΔL*を調べたところ、図39に示すように、いずれの態様についてもゴースト画像IMgがはっきりと確認された。
これに対し、連続べたゴースト制御処理の一例として、複数の現像剤搬送量(A〜C)に対し、感光体31と現像ロール41との周速比を1.6、1.5に減少させ、図38(b)に示す初期画像を夫々作製し、ΔL*を調べたところ、図39に示すように、いずれの態様についても目標範囲内に収まり、ゴースト画像IMgは見られなかった。
このように、現像パラメータとして、現像剤搬送量を低減させたところ、連続べた画像に起因するゴースト画像の発生は有効に抑えられることが把握される。
【0054】
◎実施例4
本実施例は、連続べたゴースト制御処理を実施するに当たり、現像剤搬送量(g/m2)及び感光体と現像ロールとの間の周速比を変化させ、夫々の現像パラメータにおける連続べたゴースト(連続べた画像に起因するゴースト画像)の有無、及び、感光体へのキャリア付着の有無を調べたところ、図40に示すような結果が得られた。
同図によれば、現像剤搬送量が多いと、連続べたゴーストが発生しやすくなり、一方、現像剤搬送量が少なすぎると、連続べたゴーストは問題にならないが、キャリア付着という別の問題が生ずる。
図40においては、「連続べたゴースト」及び「キャリア付着」に関して、いずれも良好な領域(OK領域)が太線で囲む枠内に存在することが理解される。
よって、現像パラメータとして、現像剤搬送量(MOS)及び感光体と現像ロールとの周速比の両方を変更することにより、上述したOK領域を確保し易くなる点で好ましい。
【0055】
◎実施例5
本実施例は、実施の形態1に係る画像形成装置を具現化したものを用い、実施例1と同様な作像パラメータを有している。
本実施例では、環境条件(温度、湿度)、連続プリント枚数を変化させ、感光体と現像ロールとの周速比(現像周速比)規定値の場合、現像周速比規定値の80%の場合夫々に対し、初期段階と経時段階(100,000枚走行を経た状態)とについて連続べたゴーストの発生の有無を調べたところ、図41に示す結果が得られた。
同図によれは、低温低湿環境条件(例えば10℃・25%RH/11℃・48%RH/20℃・28RH)のときに、現像周速比規定値のままで連続プリントすると、ゴースト画像が発生し易いことが確認された。
本実施例においては、ゴースト画像の発生は環境依存性とべた画像の連続作成とに起因していることが理解される。よって、連続べたゴースト制御処理を行うに当たり、環境判別を経た手法も効率化を図る上で有効であることが理解される。
【0056】
◎実施例6
本実施例は、実施の形態2に係る画像形成装置を用い、現像剤搬送量検出装置200によって現像剤反訴量を検出するに当たって、現像ロール41を停止した状態で現像ロール41上の現像剤搬送量と、電流センサ214による電流波形との関係を確認したものである。
結果を図42に示す。
同図において、横軸に現像ロール41上の単位面積当たりの現像剤搬送量をプロットし、縦軸に現像ロール41と検出部材201との間にステップ状に電位が変化する直流電圧を印加したときの電流波形に基づいて、検出用電源の立ち上がりから一定時間(例えば200ms等の予め定めた時間)までの電流積分値(積分電流値に相当)を算出し、プロットした。
同図によれば、現像剤搬送量と電流積分値とが略一直線状に並ぶ良好な線形性を有する関係が確認された。
つまり、本湖実施例のように、ステップ状に電位が変化する直流電圧を印加したときの電流積分値を用いるようにすれば、この電流湖積分値から現像剤搬送量が容易に算出されることが理解される。
尚、本件発明者らは、電流波形のピーク値についても同様の確認を行ったところ、電流積分値と略同様の作用を奏することが確認された。また、得られる電圧波形についても同様に確認したところ、予め決められた時間後の電圧値を用いることで、電流積分値と略同様な作用を奏することが確認された。
【符号の説明】
【0057】
1…像保持体,2…現像剤保持体,3…現像回転体,4…磁石部材,5…磁極,6…層規制部材,7…撹拌搬送部材,8…現像容器,9…潜像形成装置,9a…帯電装置,9b…潜像書込装置,10…現像装置,11…作像条件判別装置,11a…環境判別部,12…現像制御装置,13…転写装置,14…転写媒体,15…清掃装置,17…検出装置,A…現像位置,B…層規制位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が保持される回転可能な像保持体と、
この像保持体に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成装置と、
トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤が保持搬送される現像剤保持体を有し、前記像保持体に対し前記現像剤を摺擦させ、前記潜像形成装置にて像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置と、
この潜像形成装置にて形成される静電潜像に対応する画像信号に基づいて前記像保持体の周回毎に連続して面画像になる領域を積算し、当該積算値が予め決められた閾値を超える特別作像条件であるか否かを判別する作像条件判別装置と、
この作像条件判別装置にて連続する面画像が閾値を超えた特別作像条件であると判別されたときに、少なくとも連続する面画像領域に対しキャリアの転移が生じない条件で前記像保持体に対する前記現像装置の現像剤による摺擦力を低減させるように前記現像装置の現像パラメータを制御する現像制御装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記作像条件判別装置は、温度及び湿度が検出可能な環境検出器から検出された環境情報を取り込み、当該環境情報が予め定めた要注意環境条件であるか否かを判別する環境判別部を有し、この環境判別部にて環境情報が予め定められた要注意環境条件に該当すると判別したときに、前記特別作像条件であるか否かを判別することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記現像制御装置は、前記現像装置の現像剤保持体の現像剤搬送量及び像保持体との周速比の少なくともいずれかの現像パラメータを制御するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像制御装置は、像保持体に対する現像剤保持体の周速比を変更するに当たり、像保持体の周速を変更せず、現像剤保持体の周速を変更するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像装置は、前記現像剤保持体に対向して非接触配置される層規制部材を有し、
前記現像制御装置は、現像剤保持体の現像剤搬送量を変更するに当たり、現像剤保持体と層規制部材との間の層規制位置における現像剤搬送条件を変更するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像形成装置において、
前記現像装置は、少なくとも表面粗さが最大高さで5μm以下の平滑面として形成されて回転する現像回転体を含む現像剤保持体と、この現像剤保持体と予め決められた間隙を介して対向して配置され且つ現像剤保持体との対向部にて当該現像剤保持体と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制部材としての層規制回転体と、を有し、
前記現像制御装置は、前記現像剤保持体の予め決められた周速に対し前記層規制回転体の周速を増減させることで現像剤搬送量を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像制御装置は、前記現像剤保持体の現像剤搬送量が検出可能な検出装置を有し、この検出装置の検出結果に基づいて現像パラメータを制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれかに記載の画像形成装置において、
前記潜像形成装置は、像保持体を帯電し且つ像保持体に対して非接触配置される帯電装置と、帯電された像保持体に対して静電潜像を書き込む潜像書込装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
静電潜像が保持される回転可能な像保持体と、
この像保持体に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成装置と、
トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤が保持搬送される現像剤保持体を有し、前記像保持体に対し前記現像剤を摺擦させ、前記潜像形成装置にて像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置と、
この潜像形成装置にて形成される静電潜像に対応する画像信号に基づいて前記像保持体の周回毎に連続して面画像になる領域を積算し、当該積算値が予め決められた閾値を超える特別作像条件であるか否かを判別する作像条件判別装置と、
この作像条件判別装置にて連続する面画像が閾値を超えた特別作像条件であると判別されたときに、少なくとも連続する面画像領域に対しキャリアの転移が生じない条件で前記像保持体に対する前記現像装置の現像剤による摺擦力を低減させるように前記現像装置の現像パラメータを制御する現像制御装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記作像条件判別装置は、温度及び湿度が検出可能な環境検出器から検出された環境情報を取り込み、当該環境情報が予め定めた要注意環境条件であるか否かを判別する環境判別部を有し、この環境判別部にて環境情報が予め定められた要注意環境条件に該当すると判別したときに、前記特別作像条件であるか否かを判別することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記現像制御装置は、前記現像装置の現像剤保持体の現像剤搬送量及び像保持体との周速比の少なくともいずれかの現像パラメータを制御するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像制御装置は、像保持体に対する現像剤保持体の周速比を変更するに当たり、像保持体の周速を変更せず、現像剤保持体の周速を変更するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像装置は、前記現像剤保持体に対向して非接触配置される層規制部材を有し、
前記現像制御装置は、現像剤保持体の現像剤搬送量を変更するに当たり、現像剤保持体と層規制部材との間の層規制位置における現像剤搬送条件を変更するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像形成装置において、
前記現像装置は、少なくとも表面粗さが最大高さで5μm以下の平滑面として形成されて回転する現像回転体を含む現像剤保持体と、この現像剤保持体と予め決められた間隙を介して対向して配置され且つ現像剤保持体との対向部にて当該現像剤保持体と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制部材としての層規制回転体と、を有し、
前記現像制御装置は、前記現像剤保持体の予め決められた周速に対し前記層規制回転体の周速を増減させることで現像剤搬送量を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像制御装置は、前記現像剤保持体の現像剤搬送量が検出可能な検出装置を有し、この検出装置の検出結果に基づいて現像パラメータを制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれかに記載の画像形成装置において、
前記潜像形成装置は、像保持体を帯電し且つ像保持体に対して非接触配置される帯電装置と、帯電された像保持体に対して静電潜像を書き込む潜像書込装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【公開番号】特開2013−88631(P2013−88631A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229209(P2011−229209)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]