説明

画像形成装置

【課題】消費電力量をさらに低減させる。
【解決手段】画像形成装置は、印刷ジョブの処理が完了したときから節電移行時間が経過した後に、自装置内の消費電力を制限する消費電力調整部241,242,25を備える画像形成装置1において、前記印刷ジョブを処理中に節電指示が入力された場合、前記節電移行時間を、第一節電移行時間から、前記第一節電移行時間より短時間の第二節電移行時間に切り替える節電移行時間切替部243を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、所定の時間が経過したときに消費電力を抑制する省電力モードを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省電力モードを有する画像形成装置は、印刷ジョブの実行後、予め設定された時間(省電力モードへの移行時間)が経過したタイミングで、省電力モードを実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−178855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この省電力モードへの移行時間は、予め設定された時間であり、この時間を変更することは、画像形成装置の管理者だけに許可されていたり、変更に必要な操作手順が多くて手間がかかったりしていた。このため、一般ユーザが利用した後の画像形成装置は、印刷ジョブの実行が完了した後、設定された移行時間が経過するまで、省電力モードで動作しなかった。
【0005】
特に、画像形成装置が例えば複写機である場合、ユーザが複写機で原稿のコピーをした後、すなわち、複写機により印刷ジョブの実行が完了した後、次の新たな印刷ジョブの入力がなく、また、ユーザが次の原稿をコピーする予定もないため、目の前にある複写機をすぐに省電力モードで動作させたい場合があった。しかしながら、複写機は、設定された移行時間が経過するまで、省電力モードで動作しなかった。
このように、画像形成装置は、印刷ジョブの実行が完了した後、省電力モードで動作するまでの間、無駄に電力が消費され、消費電力量が増加するという問題点があった。
【0006】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、消費電力量をさらに低減させる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、印刷ジョブの処理が完了したときから節電移行時間が経過した後に、自装置内の消費電力を制限する消費電力調整部を備える画像形成装置であって、前記印刷ジョブを処理中に節電指示が入力された場合、前記節電移行時間を、第一節電移行時間から、前記第一節電移行時間より短時間の第二節電移行時間に切り替える節電移行時間切替部を備える構成とした。
【0008】
例えば、第二節電移行時間を“0秒”とすることで、印刷ジョブの処理が完了したとき、画像形成装置をすぐに省電力モードで動作させることができる。また、第二節電移行時間を“1分”とすることで、次の印刷ジョブを入力する時間的余裕を持たせることができる。
【0009】
節電指示は、例えば、ユーザが操作部を介して入力することもできる。また、ネットワークを介して外部装置から送信して入力することもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、印刷ジョブの処理が完了後から、第一節電移行時間より短時間の第二節電移行時間(例えば、0秒)が経過したときに、消費電力調整部により節電が行われるため、消費電力量をさらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る画像形成装置を含むシステムを示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像形成装置の印刷部の構成を示す図である。
【図4】表示部および操作部の外観図である。
【図5】表示部に表示される第一節電移行時間待機画面の一例である。
【図6】表示部に表示される第二節電移行時間待機画面の一例である。
【図7】表示部に表示される新規印刷ジョブ切替解除画面の一例である。
【図8】表示部に表示される新規印刷ジョブ待機画面の一例である。
【図9】第1の実施形態に係る画像形成装置の省電力モード移行処理動作のフローチャートである。
【図10】第1の実施形態に係る画像形成装置の割込処理動作のフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図12】表示部および操作部の外観図である。
【図13】表示部に表示される第一節電移行時間待機画面の一例である。
【図14】表示部に表示される第二節電移行時間待機画面の一例である。
【図15】表示部に表示される新規印刷ジョブ待機画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明について概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態である画像形成装置1を含むシステムを示す図である。図1に示すように、画像形成装置1は、ネットワーク2を介して外部装置3に接続し、その外部装置3が印刷データを受信する。画像形成装置1は、この印刷データに基づき生成した画像を、被複写媒体としての用紙5に形成して排出する。
また、媒体としての原稿(印刷物)をスキャンして、用紙5に複写する機能を併せ持つMFP(Multifunction Printer:複合機)としての機能を有する。
以下、画像形成装置1が設置された位置と、外部装置3が設置された位置との距離は短く、外部装置3を操作するユーザ4が画像形成装置1が印刷した用紙5を回収しに行かれる程度の距離とする。
ここで、ネットワーク2は、例えば、有線/無線LAN(Local Area Network)などを介して、インターネットプロトコル(Internet Protocol)技術を利用して相互接続されるコンピュータネットワークである。また、LAN以外にも、ZigBee(登録商標)やBluetooth(登録商標)であってもよい。
【0014】
図2は、本発明の第1の実施形態である画像形成装置1(MFP)の構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置1は、表示部61及び操作部62と、印刷ジョブ出力部21(外部接続部211、ファックス部212、スキャナ部213)と、印刷制御部22と、画像形成部としての印刷部23と、節電制御部24(節電移行処理部241、節電移行判定部242、節電移行時間切替部243、印刷時間演算部244、第二節電移行時間設定部245)と、電源管理部25と、タイマ部26と、記憶部27(第一節電移行時間T1、第二節電移行時間T2、ジョブ終了時刻Te)と、電源部28とを備える。
ここで、節電制御部241と節電移行判定部242と電源管理部25とは、消費電力調整部29としての機能を備える。
【0015】
(印刷ジョブ出力部21)
印刷ジョブ出力部21は、印刷ジョブを印刷制御部22に出力する構成部であり、外部接続部211と、ファックス部212と、スキャナ部213とを備える。
外部接続部211は、ネットワーク2と接続するI/F(インタフェース)であり、ネットワーク2を介して外部装置3に接続し、外部装置3との間でデータの送受信を行う。外部接続部211は、外部装置3から受信した印刷指示、及び文書データまたは画像データを含む印刷ジョブを、印刷制御部22に出力する。
ファックス部212は、例えばファクシミリであり、電話回線を介して受信したデータからFAXジョブ(印刷ジョブ)を生成し、印刷制御部22に出力する。
スキャナ部213は、例えばスキャナであり、読取台に載置された媒体の表面画像を読み取ったり、ADF(Auto Document Feeder:自動給紙装置)を用いたりして、画像データを生成し、コピージョブ(印刷ジョブ)を生成し、印刷制御部22に出力する。
【0016】
(電源部28)
電源部28は、商用電源と接続し、画像形成装置1内部の各部に電力を供給する構成部である。また、電源部28は、電源管理部25に制御されて、電力の供給先を制限したり、供給電力量を減らしたりする。
そして、電源部28から供給される待機電力により、後記する定着器123(図3)の加熱部材124(図3)は、所定の温度に維持されていることが望ましい。例えば、省電力モード時において、電源管理部25に制御されて電源部13は、定着器123(加熱部材124)への供給電力を低減したり、表示部61のバックライトを遮断したりして、省電力状態に切り換える働きをする。
【0017】
(電源管理部25)
電源管理部25は、画像形成装置1の運転モードに応じて、電源部28を制御して、各構成部に供給する電力量を制御する。例えば、後記する節電移行処理部241からの運転モードの切替指示(通常モードから省電力モード)に応じて、画像形成装置1全体の電力消費量を低減するよう、電源部28を制御して、供給先を制限したり、供給電力量を減らしたりして、供給電力量の制御を行う。例えば、省電力モードのとき、電源管理部25は、加熱部材124である定着器123への供給電力量を減らす。この省電力モードにおいて、印刷ジョブが入力されたとき、定着器123が短時間で印刷するために必要な温度に達するように、加熱部材124には一定の温度で維持される程度の電力が供給される。
【0018】
(印刷部23)
印刷部23は、電源部28から供給される電力で、図3に示す各種ローラやベルトを駆動したり、加熱部材124としてのヒータを用いて用紙5を加熱したりして、用紙カセット117に載置された用紙5を搬送し、用紙5上に画像を形成(印刷)して、排紙トレー129に排出する。
【0019】
図3は、本発明の第1の実施形態である印刷部23の全体構成図である。図3において、印刷部23は、電子写真方式を用いたタンデムカラー印刷装置であり、4色の現像器102(102K、102Y、102M、102C)と、4つの露光手段としてのLEDヘッド103(103K、103Y、103M、103C)と、転写ローラ111(111K、111Y、111M、111C)と,定着器123と、給紙部としての用紙カセット117と、転写ベルト114を含む搬送部と、スタッカ(排紙トレー)129と、転写ベルトクリーニングブレード115と、転写ベルトクリーナ容器116とを備える。
なお、トナーカートリッジ104(104K、104Y、104M、104C)は現像器102(102K、102Y、102M、102C)にそれぞれ着脱可能で、内部のトナーを現像器内部に供給可能な構造となっている。
【0020】
現像器102(102K、102Y、102M、102C)は、内部に、像担持体としての感光体ドラム109(109K、109Y、109M、109C)と、帯電手段としての帯電ローラ105(105K、105Y、105M、105C)と、現像剤担持体としての現像ローラ107(107K、107Y、107M、107C)と、現像剤供給手段としての供給ローラ106(106K、106Y、106M、106C)と、薄層形成手段としての現像ブレード108(108K、108Y、108M、108C)と、クリーニングブレード110(110K、110Y、110M、110C)とを備える。なお、図面上は、感光体ドラム109K、帯電ローラ105K、現像ローラ107K、現像ブレード108K、クリーニングブレード110Kのみ示している。また、各ローラは、軸が用紙5の搬送方向に垂直であって、搬送面に平行となる方向に配設されている。
【0021】
感光体ドラム109は、帯電ローラ105によって、一様に負極に帯電される。帯電された感光体ドラム109は、LEDヘッド103の発光・照射によって、照射部が放電され、静電潜像が形成される。
【0022】
一方、供給ローラ106は、トナーカートリッジ104内部の現像剤としてのトナーを帯電させ、帯電したトナーを現像ローラ107に供給する。現像ブレード108は、現像ローラ107に供給されたトナーを薄層化し、現像ローラ107の表面に一様なトナー層を形成する。感光体ドラム109は、現像ローラ107からトナーが移動することにより、静電潜像がトナー像(現像剤像)として現像される。クリーニングブレード110は、転写後の残トナーをクリーニングする機構である。
【0023】
転写ローラ111(111K、111Y、111M、111C)は、転写ベルト114裏面から転写位置にバイアス電圧が印加可能に配置される。転写ベルト駆動ローラ112、転写ベルト従動ローラ113は、転写ベルト114を張架し、ローラの駆動によって用紙5を搬送可能となっている。また、転写ローラ111は、感光体ドラム109の表面に形成されたトナー像を媒体に転写する。
【0024】
転写ベルトクリーニングブレード115は、転写ベルト114上のトナーを掻き落とせるようになっていて、転写ベルトクリーナ容器116には、転写ベルトクリーニングブレード115により掻き落とされたトナーが収容される。
【0025】
用紙カセット117は、印刷部23に着脱可能に取り付けられ用紙5が積載される。給紙ローラ118は、転写媒体である用紙5を用紙カセット117から給紙し、用紙ガイド119に沿って搬送する。レジストローラ120、121は、停止状態のところに用紙5を突き当て、スキュー補正後に所定タイミングでレジストローラ120、121を駆動し、転写ベルト114に用紙5を搬送する。用紙検出センサ122は、接触又は非接触で用紙5の通過を検知する。
【0026】
定着器123は、加熱部材124、及び圧着部材125を備え、加熱部材124に電源が印加され、加熱部材124としてのヒータが熱せられる。用紙5上に転写されたトナー像を熱と加圧によって用紙5に定着する。なお、加熱部材124、及び圧着部材125は、互いに圧接させられ、ニップ部が形成されている。印刷部23は、排出ローラ126、127によって用紙ガイド128に沿って用紙5を搬送し、排紙トレー129にフェースダウンで排出する。
【0027】
再び図2に戻る。
(印刷制御部22)
印刷制御部22は、印刷ジョブを処理し、印刷部23を制御して用紙5に画像を形成させる。ここで、印刷ジョブとは、外部接続部211を介して外部装置3から受信した印刷指示及び画像データを含むジョブである。ここでは、スキャナ部213が読み取った記録媒体のコピーを用紙5に印刷するコピージョブや、電話回線を介してファックス部212が受信したFAXを用紙5に印刷するFAXジョブをも含めて印刷ジョブとする。
また、印刷制御部22は、印刷ジョブに関する通知を節電移行判定部242に出力する。第1の実施形態において、印刷制御部22は、新たな印刷ジョブを取得した(入力された)とき、新規ジョブ入力通知を出力する。そして、印刷ジョブを実行し処理を開始したときには、ジョブ開始通知を出力する。さらに、印刷ジョブの処理が完了したときには、ジョブ終了通知を出力する。
【0028】
(表示部61、操作部62)
図4に操作部62および表示部61の外観の一例を示す。表示部61は、ユーザ4が視認可能な情報を表示する構成部であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やディスプレイなどである。操作部62は、ユーザ4からの指示を受け付ける構成部である。例えば、表示部61および操作部62は、LCDのような表示機能とタッチパッドのような位置入力機能との双方を兼ね備えたタッチパネルであってもよい。
【0029】
図4に示すように、操作部62は、コピーキー621と、スキャンキー622と、プリントキー623と、ファックスキー624と、節電キー625と、上下左右を選択可能な方向選択キー626と、カラーコピー選択キー627と、モノクロコピー選択キー628と、印刷部数などの数値を入力するための数字キー629を備える。そして、表示部61は、LCD画面を備える。
【0030】
コピーキー621は、スキャナ部213を駆動させ、コピージョブ(印刷ジョブ)を生成し、印刷部23を用いて用紙5に印刷(コピー)するボタンである。
節電キー625は、節電移行指示を入力するためのボタンである。印刷ジョブ実行中に、ユーザ4がこの節電キー625を押下することで、後記する節電移行時間切替部243は割り込み処理を実行する。
また、数字キー629は、時間を入力するためのボタンでもある。節電キー625を押下する前に、数字キー629から時間を入力することで、節電移行指示と共に、後記する第二節電移行時間T2が入力される。例えば“0”を入力することで、第二節電移行時間T2は“0秒”となる。
【0031】
再び図2に戻る。
(タイマ部26)
タイマ部26は、現在の時刻を取得する。
【0032】
(記憶部27)
記憶部27は、予め設定された第一節電移行時間T1と、ユーザ4が操作部62を介して設定することができる第二節電移行時間T2と、ジョブ終了時刻Teとを記憶する。この記憶部27は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)で構成される。
【0033】
ジョブ終了時刻Teは、印刷制御部22が出力したジョブ終了通知に基づく時刻情報である。
第一節電移行時間T1は、画像形成装置1の管理者により予め設定された時間である。例えば“600秒”が設定されている場合、画像形成装置1は印刷終了してから10分後に省電力モードに切り替える処理を行う。
第二節電移行時間T2は、印刷中(画像形成装置1が印刷ジョブを処理中)に、ユーザ4が操作部62を介して時間を入力し、節電キー625を押下することで設定される(記憶部27に記憶される)時間である。例えば第二節電移行時間T2に“0秒”が設定されている場合、画像形成装置1は印刷終了直後(0秒)から省電力モードに切り替える処理を行う。
【0034】
(節電制御部24)
節電制御部24は、節電移行処理部241と、節電移行判定部242と、節電移行時間切替部243と、印刷時間演算部244と、第二節電移行時間設定部245とを備える。節電制御部24は、制御部として機能し、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成される。各構成部の制御部としての機能は、CPUが不図示の記憶部に格納されるプログラムを展開し、実行することによって実現される。
【0035】
(節電移行処理部241)
節電移行処理部241は、画像形成装置1の各構成部に、運転モード(省電力モード、通常モード)に基づく処理を実行させる処理部である。例えば、節電移行判定部242により通常モードから省電力モードに切り替えることが指示された場合、節電移行処理部241は運転モードの切替指示(通常モードから省電力モード)を電源管理部25に出力して、電源管理部25に省電力モードでの処理を行わせる。
【0036】
(節電移行判定部242)
節電移行判定部242は、印刷制御部22から取得した通知に応じて、運転モード(通常モード、省電力モード)の移行判定を行い、通常モードから省電力モードに移行させる、または、省電力モードから通常モードに移行させる指示を節電移行処理部241にする構成部である。
節電移行判定部242は、タイマ部26から現在時刻を取得し、さらに記憶部27から前回のジョブ終了時刻Teを取得し、前回のジョブ終了時刻Teからの経過時間を算出する。そして、この経過時間と、節電移行時間切替部243に切り替えられた節電移行時間(第一節電移行時間T1または第二節電移行時間T2)とを比較する。経過時間が節電移行時間を超えていれば、節電移行処理部241に省電力モードに移行する処理をさせる。
また、節電移行判定部242は、印刷制御部22から取得したジョブ終了通知からジョブ終了時刻Teを抽出して、記憶部27に記憶させる。
【0037】
(節電移行時間切替部243)
節電移行時間切替部243は、印刷ジョブ実行中における、操作部62からの指示(節電キー625が押下される)に応じて、または、印刷制御部22から取得した新規ジョブ入力通知に応じて割り込み処理を行い、省電力モードの節電移行時間を、第一節電移行時間T1と第二節電移行時間T2とのどちらか一方に切り替える構成部である。そして、節電移行時間切替部243は、節電移行時間を切り替えたことを伝える画面を表示部61に表示させる。
例えば、第一節電移行時間T1には長時間(例として“600秒(10分)”)が設定されており、第二節電移行時間T2には短時間(例として“0秒”)が設定されたとする。
【0038】
<パターン1−1>
節電移行時間切替部243は、印刷ジョブが入力されたときに、節電移行時間を第一節電移行時間T1に設定し、表示部61に初期画面として、図5に示す第一節電移行時間待機画面61aを表示させる。
【0039】
<パターン1−2>
また、節電移行時間切替部243は、節電移行時間が第一節電移行時間T1である場合に、印刷ジョブを実行中に、(節電移行判定部242を介して)操作部62にて節電キー625が押下されたことを受け、割り込み処理を行い、省電力モードの節電移行時間を、第一節電移行時間T1(10分)から第二節電移行時間T2(0秒)に切り替える。そして、節電移行時間切替部243は、節電移行時間を切り替えたことを伝える図6に示す第二節電移行時間待機画面61bを表示部61に表示させる。
【0040】
<パターン1−3>
また、節電移行時間切替部243は、節電移行時間が第二節電移行時間T2である場合に、印刷ジョブを実行中に、(節電移行判定部242を介して)操作部62にて節電キー625が押下されたことを受け、割り込み処理を行い、省電力モードの節電移行時間を、第二節電移行時間T2(0分)から第一節電移行時間T1(10分)に切り替える。そして、節電移行時間切替部243は、節電移行時間を切り替えたことを伝える図5に示す第一節電移行時間待機画面61aを表示部61に表示させる。
【0041】
<パターン1−4>
また、節電移行時間切替部243は、節電移行時間が第二節電移行時間T2である場合に、印刷ジョブを実行中に、(印刷制御部22を介して)新たなジョブ(新規ジョブ入力通知)を取得したことを受け、割り込み処理を行い、省電力モードの節電移行時間を、第二節電移行時間T2(0分)から第一節電移行時間T1(10分)に切り替える。そして、省電力モードの第二節電移行時間T2(0分)への切り替えを禁止する。そして、節電移行時間切替部243は、節電移行時間を切り替えたことを伝える図7に示す新規印刷ジョブ切替解除画面61cを表示部61に表示させる。
【0042】
<パターン1−5>
また、節電移行時間切替部243は、節電移行時間が第一節電移行時間T1である場合に、印刷ジョブを実行中に、(印刷制御部22を介して)新たなジョブ(新規ジョブ入力通知)を取得したことを受け、割り込み処理を行い、省電力モードの第二節電移行時間T2(0分)への切り替えを禁止する。そして、節電移行時間切替部243は、節電移行時間を切り替えたことを伝える図8に示す新規印刷ジョブ待機画面61dを表示部61に表示させる。
【0043】
ここで、節電移行時間切替部243は、印刷制御部22が印刷ジョブを実行中であるか否かを、印刷時間演算部244が算出した推定印刷時間を用いて判定する。節電移行時間切替部243は、節電移行判定部242を介して取得したジョブ開始通知から時刻を抽出し、その時刻(印刷開始時刻)から推定印刷時間が経過するまでに、節電キー625が押下されたか否かを判定する。
【0044】
(印刷時間演算部244)
印刷時間演算部244は、印刷ジョブに含まれる指定印刷枚数と、画像形成装置1特有の印刷速度とから、印刷ジョブの処理が完了するまでにかかると予想される時間(推定印刷時間)を算出する。第1の実施形態において、印刷時間演算部244は、指定印刷枚数と印刷速度とを乗算して推定印刷時間を算出する。そして、節電移行時間切替部243は、節電移行時間を切り替えたことを伝える画面を表示部61に表示させる際に、この印刷時間演算部244が算出した推定印刷時間も画面に表示させる。
ここで、指定印刷枚数とは、外部装置3から受信した印刷ジョブに含まれる原稿のページ数と印刷部数とを乗算した枚数である。また、印刷ジョブがコピージョブであれば、読取台に載置された原稿のページ数(画像形成装置1が読取台に載置された原稿を読み取った回数)と、操作部62を介して入力された印刷部数とを乗算した枚数である。この指定印刷枚数は、用紙5の片面印刷を行う場合に、印刷ジョブを実行して使用する用紙5の枚数に一致する数である。
例えば、表示部61に、1部あたりの処理残時間[秒]と、残部数と、1部あたりの残枚数とを表示する。ここで、処理残時間は、次の計算式により求めることができる。画像形成装置1の印刷速度を20[枚/分]とすると、処理残時間[秒]=指定印刷部数×1部あたりの枚数/20[枚/分]×60[秒]となる。
【0045】
(第二節電移行時間設定部245)
第二節電移行時間設定部245は、操作部62からの入力に応じて、第二節電移行時間T2を設定する画面を表示部61に表示させ、さらに、その画面の指示に従って操作部62から入力されたデータ(時刻データ)を第二節電移行時間T2として記憶部27に記憶させる。
【0046】
以上の構成を備える画像形成装置1は、印刷中に、ユーザ4が操作部62の節電キー625を押下することにより、節電移行時間切替部243が割込処理を実行し、節電移行時間を、第一節電移行時間T1から第二節電移行時間T2に切り替える。この結果、第二節電移行時間T2(例えば、0秒)が経過したときに、節電移行判定部242は、通常モードから省電力モードに移行させる指示を節電移行処理部241に出力し、節電移行処理部241は、運転モードの切替指示(通常モードから省電力モード)を電源管理部25に出力する。これにより、印刷終了後すぐに(0秒で)画像形成装置1の節電が行われるため、従来の画像形成装置と比較して、消費電力量をさらに低減させることができる。
【0047】
また、節電キー625を押下して、節電移行時間を、第一節電移行時間T1から第二節電移行時間T2に切り替えた後で、再び節電キー625を押下することで、節電移行時間を第一節電移行時間T1に戻すことができる。これにより、ユーザ(ユーザa)が最初に節電キー625を押下した後で、別のユーザ(ユーザb)が画像形成装置1を利用する場合に、印刷終了後すぐに(0秒で)省電力モードで動作し始めた画像形成装置1を再び通常モードに戻すウォームアップ待ちを、ユーザbが強いられることを回避することができる。
【0048】
[省電力モード移行処理動作]
次に、図9を参照して、画像形成装置1の省電力モード移行処理動作について説明する(適宜、図1ないし図8を参照)。実施例として、ユーザ4が画像形成装置1を用いて原稿を複写する場合を説明する。ユーザ4は、読取台に原稿を載置して、操作部62のコピーキー621を押下する。
【0049】
まず、印刷ジョブ出力部21(スキャナ部213)から、印刷制御部22が印刷ジョブを取得して実行する(ステップS101)。そして、印刷制御部22は節電移行判定部242にジョブ開始通知を出力する。節電移行判定部242は、ジョブ開始通知を取得したことを契機に、省電力モード移行処理を開始する(ステップS102)。まず、節電移行判定部242は、節電移行時間切替部243および印刷時間演算部244に処理を行わせる。
【0050】
節電移行時間切替部243は、節電移行時間を第一節電移行時間T1に設定し、表示部61に初期状態の第一節電移行時間待機画面61a(図5)を表示させる(ステップS103)。
そして、印刷時間演算部244は、印刷ジョブに含まれる指定印刷枚数と、画像形成装置1特有の印刷速度とから、推定印刷時間を算出する(ステップS104)。
【0051】
節電移行判定部242は、ジョブ開始通知を取得した時刻(つまり、印刷制御部22が印刷ジョブを実行した時刻)から、操作部62の節電キー625が押下されることなく、推定印刷時間が経過したか否かを判定する(ステップS105)。
【0052】
推定印刷時間を経過する前に節電キー625が押下されたとき(ステップS105,No)、省電力モードにすぐに移行すべく、節電移行時間切替部243が後記する割込処理を実行する(ステップS200)。
【0053】
一方、節電キー625が押下されずに推定印刷時間に到達したとき(ステップS105,Yes)、節電移行判定部242はタイマ部26から現在時刻を取得して「ジョブ終了時刻Te」として、記憶部27に記憶させる(ステップS106)。そして、節電移行判定部242は、記憶部27から節電移行時間(第一節電移行時間T1)を取得する(ステップS107)。
【0054】
その後、節電移行判定部242は、ステップS106で取得した現在時刻(ジョブ終了時刻Te)から、新たな印刷ジョブが入力されることなく、第一節電移行時間T1が経過したか否かを判定する(ステップS108)。このとき、節電移行判定部242は、新たな印刷ジョブが入力されたことを、印刷制御部22から新規ジョブ入力通知を取得したことで判断する。
【0055】
第一節電移行時間T1を経過する前に新規ジョブ入力通知を取得したとき(ステップS108,No)、節電移行時間切替部243は、表示部61に新規印刷ジョブ待機画面61d(図8)を表示させ(ステップS109)、ステップS103に戻る。
【0056】
一方、新たな印刷ジョブが入力されることなく、第一節電移行時間T1を経過したとき(ステップS108,Yes)、節電移行判定部242は、節電移行処理部241に省電力モードに移行する処理をさせる(ステップS110)。節電移行処理部241は、電源管理部25を含む画像形成装置1の各構成部に、通常モードから省電力モードに切り替える処理を行う。これにより、電源管理部25が通常モードから省電力モードに切り替わり、画像形成装置1は省電力モードで動作を開始する(ステップS111)。
【0057】
<割込処理>
次に図10を用いて、節電移行時間切替部243が実行する割込処理(ステップS200)について説明する。
節電キー625が押下されたことで(図9のステップS105でNo)、節電移行時間切替部243が割込処理(ステップS200)を実行し、節電移行時間を、第一節電移行時間T1(10分)から第二節電移行時間T2(0分)に切り替え(ステップS201)、表示部61に第二節電移行時間待機画面61b(図6)を表示させる(ステップS202)。
そして、節電移行判定部242は、ジョブ開始通知を取得した時刻(つまり、印刷制御部22が印刷ジョブを実行した時刻)から、再び操作部62の節電キー625が押下されることなく、推定印刷時間が経過したか否かを判定する(ステップS203)。
【0058】
推定印刷時間を経過する前に再び節電キー625が押下されたとき(ステップS203,No)、節電移行時間切替部243は、節電移行時間を、第二節電移行時間T2(0分)から第一節電移行時間T1(10分)に切り替え(ステップS204)、表示部61に第一節電移行時間待機画面61a(図5)を表示させる(ステップS205)。
そして、節電移行判定部242はタイマ部26から現在時刻を取得して「ジョブ終了時刻Te」として、記憶部27に記憶させる(ステップS206)。そして、節電移行判定部242は、記憶部27から節電移行時間(第一節電移行時間T1)を取得する(ステップS207)。その後、節電移行判定部242はステップS108(図9)の処理を行う。
【0059】
一方、節電キー625が押下されずに推定印刷時間に到達したとき(ステップS203,Yes)、節電移行判定部242はタイマ部26から現在時刻を取得して「ジョブ終了時刻Te」として、記憶部27に記憶させる(ステップS208)。そして、節電移行判定部242は、記憶部27から節電移行時間(第二節電移行時間T2)を取得する(ステップS209)。
【0060】
その後、節電移行判定部242は、ステップS105で取得した現在時刻(ジョブ終了時刻Te)から、新たな印刷ジョブが入力されることなく、第二節電移行時間T2が経過したか否かを判定する(ステップS210)。
【0061】
第二節電移行時間T2を経過する前に新規ジョブ入力通知を取得したとき(ステップS210,No)、節電移行時間切替部243は、節電移行時間を、第二節電移行時間T2(0分)から第一節電移行時間T1(10分)に切り替え(ステップS211)、表示部61に新規印刷ジョブ切替解除画面61c(図7)を表示させ(ステップS212)、ステップS103(図9)に戻る。
【0062】
一方、新たな印刷ジョブが入力されることなく、第二節電移行時間T2を経過したとき(ステップS210,Yes)、節電移行時間切替部243は割込処理(ステップS200)を終了し、図9に戻る。そして、節電移行判定部242は、節電移行処理部241に省電力モードに移行する処理をさせる(ステップS110)。その後、画像形成装置1が省電力モードで動作を開始し(ステップS111)、画像形成装置1は省電力モード移行処理動作を終了する。
【0063】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る画像形成装置1Aは、表示部61Aが備えるバックライト611を点灯することで、通常モードで運転中であることを、バックライト611を消灯することで、省電力モードで運転中であることを、ユーザ4に通知する機能を備えたものである。なお、それ以外の機能は、第1の実施形態における画像形成装置1と同じであるため、説明を省略する。
【0064】
そこで、第2の実施形態に係る画像形成装置1Aは、第1の実施形態に係る画像形成装置1の表示部61Aと、節電移行時間切替部243との一部機能が異なるだけなので図示を省略し、図1を参照して説明する。以下では便宜的にこれらを表示部61A、節電移行時間切替部243Aと表記する。
表示部61Aは、バックライト611を備え、節電移行時間切替部243Aからのバックライト611の点灯指示または消灯指示により、バックライト611の点灯/消灯を行う。
ここで、表示部61Aのバックライト611が点灯している場合、節電移行時間が「第一節電移行時間T1」であることを示し、一方、バックライト611が消灯している場合、節電移行時間が「第二節電移行時間T2」であることを示す。
【0065】
節電移行時間切替部243Aは、節電移行時間を切り替えたことを伝える画面を表示部61Aに表示させるときに、同時に表示部61Aへバックライト611の点灯指示または消灯指示を行う。
節電移行時間切替部243Aは、省電力モードの節電移行時間を、第一節電移行時間T1(10分)から第二節電移行時間T2(0分)に切り替えた場合、表示部61Aへバックライト611の消灯指示をする。
また、節電移行時間切替部243Aは、省電力モードの節電移行時間を、第二節電移行時間T2(0分)から第一節電移行時間T1(10分)に切り替えた場合、表示部61Aへバックライト611の点灯指示をする。
【0066】
以上の構成を備えることにより、第1の実施形態の画像形成装置1で発生するであろう次の問題を解決することができる。
例えば、印刷ジョブの処理中に、ユーザ4が節電キー625を押下後(第二節電移行時間T2に切り替えられた)、新たな印刷ジョブが入力された(第一節電移行時間T1に切り替えられた)にもかかわらず、ユーザ4がキャンセルする目的で、節電キー625を再度押下した場合、節電移行時間は「第二節電移行時間T2」となってしまう。そのため、第二節電移行時間T2が例えば“0分”であると、印刷ジョブの処理が完了後に、画像形成装置1は省電力モードで運転することとなり、ユーザ4は、省電力モードから再び通常モードに戻すためのウォームアップ待ちを強いられることなる。
しかしながら、第2の実施形態の画像形成装置1Aによれば、運転モードが通常モードから省電力モードに切り替えられるまでの時間が、表示部61Aのバックライト611が点灯/消灯で確認することができるため、節電キー625を押下するときに、一目で確認することができ、操作ミスを低減することができる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されず、適宜変更して実施することが可能である。
第1の実施形態および第2の実施形態に係る画像形成装置1(1A)は、例えば、電子写真記録方式のプリンタ、ファクシミリ装置、複写機、MFP(Multifunction Printer:複合機)などであるが、いかなる種類の画像形成装置であってもよい。
【0068】
第1の実施形態および第2の実施形態の画像形成装置1(1A)は、ユーザ認証部を備えてもよい。このユーザ認証部は、ユーザ情報を読み取る読取部と、読み取ったユーザ情報と印刷ジョブに含まれるユーザ情報との認証を行う認証部とを備える。
読取部は、例えば、ICカードやUSBメモリなどの媒体を、ユーザ4がカードリーダに通過させたり、USB接続I/Fに接続したりすることで、媒体に記憶されたユーザ情報を読み取る。ここで、ユーザ情報の入力に操作部62を用いてもよい。これにより、ユーザ4が操作部62を介してユーザ情報を入力することで、読取部は操作部62からユーザ情報を取得する(読み取る)ことができる。
【0069】
認証部は、印刷ジョブにユーザ情報が含まれていたときに認証処理を実行する。以下、便宜上、印刷ジョブに含まれたユーザ情報を、ジョブユーザ情報とする。
まず、認証部はユーザ4にユーザ情報の入力を促す。ユーザ4がUSBメモリをUSB接続I/Fに接続することで、認証部はUSBメモリに記憶されたユーザ情報を読み取る。以下、便宜上、媒体に記憶されたユーザ情報を、媒体ユーザ情報とする。
その後、認証部は、ジョブユーザ情報と、媒体ユーザ情報との認証を行い、同一ユーザ4であるか否かを判定する。
【0070】
また、第1の実施形態において節電移行時間切替部243は、印刷ジョブ実行中に操作部62からの指示(節電キー625が押下される)に応じて割り込み処理を行う処理部(第1の節電移行時間切替部243)と、印刷ジョブ実行中に印刷制御部22から取得した新規ジョブ入力通知に応じて割り込み処理を行う処理部(第2の節電移行時間切替部243)とに分担させても構わない。分担することで、第1の節電移行時間切替部243は、上記したパターン1−1ないしパターン1−3の処理を行い、第2の節電移行時間切替部243は、パターン1−4およびパターン1−5の処理を行う。このように独立した処理にすることで、節電キー625が押下された後、すぐに新規ジョブ入力通知を取得した場合などの処理待ちを低減することができる。
【0071】
また、第1の実施形態および第2の実施形態において、操作部62は、節電移行指示を入力するための専用キーとして節電キー625を備えたが、節電キー625の代わりに他のキーを用いてもよい。例えば、上下左右を選択可能な方向選択キー626であり、左方向キーを押下したときに、節電移行指示が入力される。
【0072】
また、第1の実施形態および第2の実施形態において、図11や図12に示すように操作部62は、キャンセルキー630を備えてもよい。このキャンセルキー630は、節電キー625を押下した後で、その行為をキャンセルするためのボタンである。つまり、節電キー625を押下することで節電移行時間切替部243Aに対して、第一節電移行時間T1(10分)から第二節電移行時間T2(0分)に切り替える指示が出力されるが、このキャンセルキー630を押下することで、節電移行時間切替部243Aに対して、第二節電移行時間T2(0分)から第一節電移行時間T1(10分)に再度切り替える指示が出力される。
【0073】
図12に方向選択キー626の左方向キーが節電キー625であり、さらにキャンセルキー630を備える操作部62および表示部61(61A)の外観の一例を示す。
図12に示すように、LCD画面が小さく、図5ないし図8に示すユーザ4への通知が表示できない表示部61を備える画像形成装置1(1A)の場合、印刷ジョブを実行中は、図13に示す第一節電移行時間待機画面61eを表示させる。表示部61は、「Printing」の文字を画面に表示し、バックライト611を点灯する(第1の実施形態における第一節電移行時間待機画面61aに対応)。その後、印刷ジョブを実行中に節電キー625が押下された(節電移行時間が第一節電移行時間T1から第二節電移行時間T2に切り替わる)ときには、図14に示す第二節電移行時間待機画面61fを表示させる。表示部61は、バックライト611を消灯する(61f)(第1の実施形態における第二節電移行時間待機画面61bに対応)。そして、節電キー625が再度押下される、または、キャンセルキー630が押下された(節電移行時間が第二節電移行時間T2から第一節電移行時間T1に切り替わる)ときには、図15に示す新規印刷ジョブ待機画面61gを表示させる。表示部61は、「Printing(existed next job)」の文字を画面に表示し、バックライト611を点灯する(61g)(第1の実施形態における新規印刷ジョブ切替解除画面61cおよび新規印刷ジョブ待機画面61dに対応)。第1の実施形態および第2の実施形態の画像形成装置1(1A)は、このような処理を行う構成であっても構わない。
【0074】
また、第1の実施形態および第2の実施形態において、印刷ジョブ実行中に、ユーザ4が節電キー625を押下することが、節電移行時間切替部243が割り込み処理を実行するトリガとなっている。このトリガは、外部装置3からネットワーク2を介して外部接続部211に入力された所定のデータ(節電要求データ)であっても構わない。例えば、ユーザ4が外部装置3からネットワーク2を介して印刷ジョブを画像形成装置1(1A)に送信した後で、ユーザ4が外部装置3からネットワーク2を介して、節電キー625を押下することを示す節電要求データを送信する。この節電要求データを受信した画像形成装置1(1A)は、節電キー625が押下されたとして処理を行えばよい。これにより、印刷ジョブ実行中に、外部接続部211が節電要求データを受信したことが、節電移行時間切替部243が割り込み処理を実行するトリガとなる。
また、同様に、ユーザ4が外部装置3からネットワーク2を介して、キャンセルキー630を押下することを示すキャンセル要求データを送信してもよい。これにより、印刷ジョブ実行中に、外部接続部211がキャンセル要求データを受信したことが、節電移行時間切替部243がキャンセルキー630を押下されたこととして処理を実行するトリガとなる。
【符号の説明】
【0075】
1,1A 画像形成装置
2 ネットワーク
5 用紙(被複写媒体)
21 印刷ジョブ出力部
22 印刷制御部
23 印刷部(画像形成部)
24 節電制御部
25 電源管理部(消費電力調整部)
26 タイマ部
27 記憶部
28 電源部
29 消費電力調整部
61,61A 表示部
62 操作部
211 外部接続部
212 ファックス部
213 スキャナ部
241 節電移行処理部(消費電力調整部)
242 節電移行判定部(消費電力調整部)
243,243A 節電移行時間切替部
244 印刷時間演算部
245 第二節電移行時間設定部
611 バックライト
625 節電キー
630 キャンセルキー
T1 第一節電移行時間
T2 第二節電移行時間
Te ジョブ終了時刻

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブの処理が完了したときから節電移行時間が経過した後に、自装置内の消費電力を制限する消費電力調整部を備える画像形成装置であって、
前記印刷ジョブを処理中に節電指示が入力された場合、前記節電移行時間を、第一節電移行時間から、前記第一節電移行時間より短時間の第二節電移行時間に切り替える節電移行時間切替部を備えること特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記節電移行時間切替部は、前記節電移行時間を前記第二節電移行時間に切り替えた後で、新たな印刷ジョブまたはキャンセル指示が入力された場合、前記節電移行時間を前記第一節電移行時間に戻すことを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
【請求項3】
ユーザにより操作されて、前記節電指示および前記キャンセル指示を入力する操作部と、
前記操作部が印刷ジョブ実行指示を入力したときに、媒体の表面画像を読み取って画像データを生成するスキャナ部と、
前記画像データを含む前記印刷ジョブを処理し、被複写媒体に前記画像データの画像を形成する画像形成部と
をさらに備えること特徴とする請求項2に記載された画像形成装置。
【請求項4】
情報を表示する表示部をさらに備え、
前記節電移行時間切替部は、前記節電移行時間を、前記第一節電移行時間または前記第二節電移行時間に切り替えるたびに、現在の節電移行時間を示す情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2または請求項3に記載された画像形成装置。
【請求項5】
前記第一節電移行時間と前記第二節電移行時間とを記憶する記憶部をさらに備え、
前記節電移行時間切替部は、前記節電指示に応じて、前記記憶部から前記第一節電移行時間または前記第二節電移行時間を取得し、前記消費電力調整部に提供することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載された画像形成装置。
【請求項6】
前記第二節電移行時間は、前記節電指示と共に入力された時間であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載された画像形成装置。
【請求項7】
前記新たな印刷ジョブは、ネットワークを介して外部装置が送信した印刷ジョブであることを特徴とする請求項2に記載された画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−91275(P2013−91275A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235591(P2011−235591)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】