画像形成装置
【課題】 本発明は、ベルトの寄りを補正することが出来る画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 ベルト28が該ベルト28の移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御部15は、押圧バネ33の押圧力によるベルト28の搬送力に抗する制動力が、ベルト幅方向においてベルト28が寄る一端側に発生する力が、該一端側と反対側の他端側に発生する力よりも大きくなるように一次転写部材10を移動させる。
【解決手段】 ベルト28が該ベルト28の移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御部15は、押圧バネ33の押圧力によるベルト28の搬送力に抗する制動力が、ベルト幅方向においてベルト28が寄る一端側に発生する力が、該一端側と反対側の他端側に発生する力よりも大きくなるように一次転写部材10を移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機等の電子写真方式或いは静電記録方式を利用した画像形成装置に関し、より詳細には、像担持体上のトナー画像を記録材に転写するためのベルトを備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成プロセスに電子写真方式や静電記録方式を採用した種々の形式の画像形成装置がある。これら各種形式の画像形成装置は、プリンタや複写機として広く利用されている。像担持体として感光ドラムを使用し、この感光ドラムの周辺に帯電手段、露光手段、現像手段等の画像形成プロセス手段を配置し、更に転写手段、転写搬送手段、定着手段等を配設した型式のものがある。
【0003】
そして、このような画像形成装置において像担持体上のトナー画像を記録材に転写するためのベルトとして、像担持体から転写されるトナー画像を担持する中間転写ベルトがある。或いは像担持体からトナー画像を転写する記録材を担持して搬送する記録材搬送ベルトがある。
【0004】
このようなベルトを備える画像形成装置では、ベルト機構に、ベルトの搬送方向と直交するベルト幅方向の移動(寄り)が発生する。ベルトの寄りは、ベルトを張架している張架部材の軸間距離の精度や、ベルトの幅方向両端部(以下、「左右端部」という)の周長差によって、ベルトに掛かるテンションの左右差や、傾きにより、ベルトの幅方向に向かって該ベルトが移動することで発生してしまう。
【0005】
以上のベルトの寄りによって、該ベルトが駆動軸から脱落することを防止する為、該ベルトの寄りを規制する必要がある。そのため、従来ではベルトの端部にリブを設け、該リブに当接するフランジによってベルトの寄りを規制する方法が採用されてきた。
【0006】
しかしながら、ベルトの寄り力が大きい場合には、リブがフランジに乗り上げてしまい、該ベルトが損傷してしまうという問題がある。従来、ベルトの寄りを補正するために、以下の特許文献1のような方法が採られていた。
【0007】
特許文献1では、複数の軸に懸架されたベルトのベルト幅方向の位置を検出するベルト位置検出装置を有する。更に該ベルト位置検出装置に検出されたベルトの幅方向の位置に基づき該ベルトの搬送方向に垂直な幅方向の移動速度を検出するベルト移動速度検出装置を有する。
【0008】
そして、ベルト位置検出装置によって検出されたベルト位置と、ベルト移動速度検出装置によって検出されたベルトの移動速度とによりベルトを懸架した複数の軸の少なくとも1つの軸の傾きを変更して制御する。ベルトの幅方向の位置が所定のベルトの移動速度で、予め設定された目標位置に近づくようにベルトを懸架した複数の軸の少なくとも1つの軸の傾きを変更して制御する。これにより、ベルトの寄りを補正することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−48533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、ベルトを懸架した軸の傾きを変更する場合、例えば、駆動ローラの傾きを変更した場合、ベルトに波打ちが発生し、感光ドラムとベルトとの当接部の均一性が損なわれ、トナー画像の転写不良が発生するという場合がある。
【0011】
また、同様に、感光ドラムからベルトに一次転写したトナー画像を、更に記録材に二次転写する二次転写部における対向ローラの傾きを調整した場合、ベルトの搬送方向と直交する幅方向(以下、単に「ベルトの幅方向」とう)において転写圧の傾きが発生する。そして、ベルトの幅方向においてニップ幅にばらつきが生じ、ベルトの幅方向において転写ムラが発生するという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、ベルトの寄りを補正することが出来る画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、トナー画像を担持する像担持体と、前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、前記転写手段を前記ベルトに向って押圧する押圧手段と、前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御手段とを有する画像形成装置において、前記ベルト寄り制御手段は、前記押圧手段の押圧力による前記ベルトの搬送力に抗する制動力が、前記ベルト幅方向において前記ベルトが寄る一端側に発生する力が、前記一端側と反対側の他端側に発生する力よりも大きくなるように、前記転写手段を移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記構成によれば、ベルト寄り制御手段により押圧手段の押圧力によるベルトの搬送力に抗する制動力が、ベルト幅方向においてベルトが寄る一端側に発生する力が、一端側と反対側の他端側に発生する力よりも大きくなるように、転写手段を移動させる。これによりベルトの寄りを補正することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成を示す模式断面説明図でる。
【図2】(a)は第1実施形態の一次転写部の構成を示す拡大図、(b)は転写手段の構成を示す斜視説明図である。
【図3】第1実施形態の一次転写部の構成を示す断面説明図である。
【図4】第1実施形態のベルト寄り制御手段の構成を示す斜視説明図である。
【図5】第1実施形態のベルト寄り制御手段の構成を示す断面説明図である。
【図6】寄り検知手段の構成を示す断面説明図である。
【図7】寄り検知手段の検知結果に応じてベルトの寄り抑制動作を行う様子を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態のベルトの寄り抑制動作のメカニズムを説明する図である。
【図9】第1実施形態のベルトの寄り抑制動作のメカニズムを説明する図である。
【図10】第1実施形態において、ベルトの幅方向に転写手段の位置を変化させた際の変位量と、ベルトの寄り抑制力との関係を示す図である。
【図11】第1実施形態において、ベルトの幅方向に移動する転写手段の位置と、ベルトの寄り抑制力の方向との関係を示す図である。
【図12】本発明に係る画像形成装置の第2実施形態のベルト寄り制御手段の構成を示す断面説明図である。
【図13】第2実施形態のベルトの寄り抑制動作のメカニズムを説明する図である。
【図14】本発明に係る画像形成装置の第3実施形態の寄り検知手段の構成を示す平面説明図である。
【図15】本発明に係る画像形成装置の第4実施形態のベルト寄り制御手段の構成を示す斜視説明図である。
【図16】第4実施形態のベルト寄り制御手段の構成を示す断面説明図である。
【図17】第4実施形態において、ベルトの幅方向の中央に対して左右で異なる押圧力を付与した際の押圧力差と、ベルトの寄り抑制力との関係を示す図である。
【図18】第4実施形態において、ベルトの幅方向の中央に対して左右で異なる押圧力を付与した際のベルトの寄り抑制力の方向を示す図である。
【図19】(a)は本発明に係る画像形成装置の第5実施形態の静電吸着手段の構成を示す斜視説明図、(b)は第5実施形態の静電吸着手段の構成を示す側面説明図である。
【図20】第5実施形態の静電吸着手段の構成を示す平面説明図である。
【図21】第5実施形態において、静電吸着手段に印加する電圧と、該静電吸着手段とベルトとの間に生じる静電吸着力との関係を示す図である。
【図22】本発明に係る画像形成装置の第6実施形態の構成を示す模式断面説明図でる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている装置構成の仕様、部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0017】
先ず、図1〜図11を用いて実施例1に係る画像形成装置について説明する。
【0018】
尚、以下の説明において、第1ステーションをイエローY、第2ステーションをマゼンタM、第3ステーションをシアンC、第4ステーションをブラックBkとしている。
【0019】
以下、記述の煩雑化を防ぐために、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBkの4色のトナー画像を担持する像担持体となる感光ドラム1a,1b,1c,1dを感光ドラム1で代表させて説明する。関連する各画像形成プロセス手段についても同様とする。
【0020】
<画像形成装置の構成>
図1の左側に配置された第1ステーションにおいて、1aは像担持体としての感光ドラムである。感光ドラム1aの周囲には帯電手段としての帯電ローラ2aが設けられている。更に、感光ドラム1a上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングユニット3aが設けられている。更に現像手段としての現像ユニット8aが設けられている。
【0021】
現像ユニット8aは、現像スリーブ4a、非磁性一成分現像剤からなるトナー5a、現像剤塗布ブレード7aを有している。そして、前記感光ドラム1a、帯電ローラ2a、クリーニングユニット3a、現像スリーブ4a、トナー5a、現像剤塗布ブレード7a及び現像ユニット8aは、一体型のプロセスカートリッジ9aとして構成されている。
【0022】
11aは露光手段となる露光装置であり、レーザ光を多面鏡によって走査させるレーザスキャナユニットまたはLED(発光ダイオード)アレイから構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビーム12aを感光ドラム1a上に照射する。
【0023】
また、帯電ローラ2a、現像スリーブ4a、感光ドラム1に対向して回転移動する中間転写ベルトとなる無端状のベルト28の内周面に摺擦する転写手段となる一次転写部材10a、二次転写ローラ25は、それぞれの電源に接続されている。
【0024】
即ち、帯電ローラ2aへの電圧供給手段である帯電バイアス電源20a、現像スリーブ4aへの電圧供給手段である現像バイアス電源21aにそれぞれ接続されている。更に、一次転写部材10aへの電圧供給手段である一次転写電源22a、二次転写ローラ25への電圧供給手段である二次転写電源26にそれぞれ接続されている。
【0025】
次に感光ドラム1上における画像形成動作について説明する。画像形成動作がスタートすると、感光ドラム1a〜1dやベルト28等は所定のプロセススピードで図1の矢印方向に回転を始める。感光ドラム1aは帯電バイアス電源20aから帯電バイアスが印加される帯電ローラ2aによって表面が一様に負極性に帯電され、続いて露光装置11aからの走査ビーム12aによって画像情報に従った静電潜像が形成される。
【0026】
現像ユニット8a内のトナー5aは、現像剤塗布ブレード7aによって負極性に帯電されて現像スリーブ4aに塗布される。そして、現像スリーブ4aには、現像バイアス電源21aより現像バイアスが供給される。感光ドラム1aが回転して該感光ドラム1a上に形成された静電潜像が現像スリーブ4aに到達する。すると、静電潜像は負極性のトナーによって可視像化され、感光ドラム1a上には第1色目(本実施形態では、イエローY)のトナー画像が形成される。尚、第2〜第4ステーションも前記第1ステーションと同様の構成であるため説明を省略する。
【0027】
一方、トナー画像担持体としてのベルト28は、4つの感光ドラム1a〜1dの全てに対して当接するように配置される。
【0028】
<転写動作>
次に、転写動作に関して説明する。ベルト28は、その張架部材として二次転写対向ローラ24、駆動ローラ14、テンションローラ29の3本の支持ローラにより支持されており、適当なテンションが維持されるようになっている。駆動ローラ14を駆動させることによりベルト28は感光ドラム1a〜1dの回転方向に対して順方向に略同速度で移動する。また、ベルト28は、図1の矢印方向に回転する。ベルト28の内周面側には、該ベルト28を挟んで感光ドラム1aと反対側に配置され、該ベルト28の内周面に摺擦する転写手段となる一次転写部材10aが設けられている。
【0029】
各々の感光ドラム1a〜1dに対応させて該感光ドラム1a〜1dとの対向部に一次転写部材10a〜10dがそれぞれ配置されている。
【0030】
ベルト28上の各色の一次転写位置間の距離に応じて、各色毎に一定のタイミングで図示しないコントローラからの書き出し信号を遅らせながら、露光による静電潜像を各感光ドラム1a〜1d上に形成する。そして、それぞれの一次転写部材10a〜10dに各一次転写電源22a〜22dによりトナー5と逆極性の電圧を印加する。以上の工程により、各々の感光ドラム1a〜1dから順次、ベルト28にトナー画像を転写していき、該ベルト28上に多重画像が形成される。
【0031】
その後、露光による静電潜像の作像に合わせて、記録材カセット16に積載されている記録材6は、給送ローラ17によりピックアップされる。そして、図示しない搬送ローラによりレジストローラ18まで搬送され、記録材6はベルト28上のトナー画像に同期してレジストローラ18によって、該ベルト28と二次転写ローラ25とで形成されるニップ当接部へ搬送される。その後、二次転写ローラ25には二次転写電源26によりトナー5と逆極性の電圧印加を行い、ベルト28上に担持された4色の多重トナー画像は一括して記録材6上に二次転写される。
【0032】
尚、本実施形態では、二次転写ローラ25は外径直径が8mmのニッケルメッキ鋼棒にNBR(Nitril-Butadiene Rubber;ニトリルブタジエンゴム)の発泡スポンジ体で覆った外径直径が18mmのものを用いた。発泡スポンジ体の厚みは5mm、抵抗値を108Ωに調整した。また、二次転写ローラ25は、ベルト28に対して、5g/cm〜15g/cm程度の線圧で当接させ、且つベルト28の移動方向に対して順方向に略等速度で回転するように配置した。
【0033】
一方、記録材6に二次転写を終えた後、ベルト28上に残留した転写残トナーと、記録材6が搬送されることによって発生する紙粉は、ベルト28に当接配置されたベルトクリーニング装置27により該ベルト28の表面から除去して回収される。尚、本実施形態の画像形成装置ではベルトクリーニング装置27としてウレタンゴム等で形成された弾性を有するクリーニングブレードを用いた。
【0034】
二次転写終了後の記録材6は定着装置19へと搬送され、トナー画像の定着を受けて画像形成装置外へと排出される。
【0035】
尚、ベルト28の構成としては、厚さが100μm、体積抵抗率が1010Ω・cmのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いている。
【0036】
張架部材としての駆動ローラ14は、アルミニウム芯金にカーボンを導電剤として分散した抵抗値が104Ω、肉厚が1.0mmのEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)ゴムを被覆した外径直径が25mmのものを用いている。
【0037】
張架部材としてのテンションローラ29は、外径直径が25mmのアルミニウム製の金属棒を用いており、テンションは片側で19.6N、総圧で39.2Nとしている。
【0038】
張架部材としての二次転写対向ローラ24は、アルミニウム芯金にカーボンを導電剤として分散した抵抗値が104Ω、肉厚が1.5mmのEPDMゴムを被覆した外径直径が25mmのものを用いている。
【0039】
尚、本実施形態の画像形成装置の記録材6の搬送速度は80mm/secである。
【0040】
<一次転写部材の構成>
図2(b)に示すように、転写手段となる一次転写部材10aは、断面L字形状の支持部材32上に弾性部材31が固定され、該弾性部材31上に可撓性を有する導電性樹脂シートからなるシート部材30がシート支持部材34により支持されている。図2(a)に示すように、シート部材30はベルト28と弾性部材31との間に挟持される。
【0041】
本実施形態では、第1ステーションの一次転写部材10aとして、弾性部材31は、絶縁体のウレタン発泡スポンジ状の弾性体を肉厚が2mm、幅が4mm、長さが230mmの略直方体形状にしたものを用いている。弾性部材31の硬度はアスカー C 4.9N(500gf)で30°である。
【0042】
本実施形態では、弾性部材31として発泡ウレタンを用いている。しかし、エピクロルヒドリンゴム、NBR(Nitril-Butadiene Rubber;ニトリルブタジエンゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)等のゴム材料を用いても良い。
【0043】
シート部材30は、体積抵抗率が50V印加で106Ω・cmであり、樹脂性のシートを用いている。本実施形態では、シート部材30として酢酸ビニルシートを用いている。
【0044】
しかし、ポリカーボネイト(Polycarbonate;PC)、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride;Pvdf)等のシートを用いても良い。また、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate;PET)等のシートを用いても良い。また、ポリイミド(polyimide;PI)、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ポリアミド(polyamide;PA)等のシートを用いても良い。
【0045】
シート部材30の厚みについては、30μm〜500μmが望ましい。本実施形態では、150μmの厚みのシート部材30を用いているが、上述した厚みの範囲から外れるシート部材30を使用した場合、シート部材30の剛性によるベルト28への当接が出来なくなってしまうためである。また、シート部材30には、図1に示す一次転写電源22aが接続され、画像形成動作中は500Vの電圧が印加されている。
【0046】
また、弾性部材31は図2(b)に示す押圧バネ33により感光ドラム1側に総圧が9.8Nで加圧されている。図4及び図5に示すように、押圧バネ33は受け台35に取り付けられており、受け台35の下側に設けられたボールネジナット36にはボールネジ37が噛合されている。そして、ベルト寄り制御手段となるベルト寄り制御部15によりモータ13を回転駆動してボールネジ37を回転させることで、受け台35をベルト28のベルト幅方向に移動させることが出来る。
【0047】
受け台35、ボールネジナット36、及びボールネジ37により転写手段となる一次転写部材10をベルト28の搬送方向と直交する幅方向に移動する移動手段が構成される。
【0048】
図6は、ベルト28の幅方向における寄り力Fcを検知する寄り検知手段となるロードセル38の配置構成を示す。図6において、ベルト28の片側端部の内周面には、該ベルト28の幅方向(図6の左右方向)のベルト寄りを規制するリブ28aが取り付けられている。
【0049】
一方、テンションローラ29の回転軸29aの端部には該回転軸29aに対して回転自在に取り付けられた溝フランジ39が設けられている。溝フランジ39に設けられた溝部にベルト28に設けられたリブ28aが嵌合してベルト28の幅方向(図6の左右方向)への移動を規制している。また、テンションローラ29の回転軸29a上で溝フランジ39の両側に固定したロードセル38によって、ベルト28の端部の内周面に取り付けられたリブ28aから溝フランジ39が受ける力(以下、「ベルト28の寄り力Fc」という)を検知している。
【0050】
ロードセル38は、力(質量、トルク)を検出するセンサである。ベルト28が該ベルト28の幅方向(図6の左右方向)に寄って該ベルト28の端部の内周面に取り付けられたリブ28aが溝フランジ39の傾斜面を有するフランジ部に乗り上げる。そして、該溝フランジ39がテンションローラ29の回転軸29aに沿って図6の左右方向に移動する。すると、該溝フランジ39の端面が所定の力(質量、トルク)でロードセル38のセンサ部に当接する。これにより、ロードセル38は溝フランジ39がベルト28のリブ28aから受ける力を電気信号に変換し、制御部15に伝送する。
【0051】
制御部15はロードセル38の検知結果に応じて、モータ13を所定方向に回転駆動してボールネジ37を回転させることで、受け台35をベルト28の幅方向に移動させる。これにより、ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で一次転写部材10がベルト28の内周面に接触する面積が異なる。そして、押圧バネ33によりベルト28側に押圧される一次転写部材10が該ベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力がベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で異なる。これにより、ベルト28の幅方向において一次転写部材10の位置を変化させることで該ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。
【0052】
本実施形態では、制御部15は一次転写部材10をベルト28を挟んで感光ドラム1に押圧する際に、ロードセル38の検知結果に応じて、モータ13を回転駆動してボールネジ37を回転させることで、受け台35をベルト28の幅方向に移動させる。これにより、ベルト28の搬送力に抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。
【0053】
ベルト28の幅方向の寄り抑制動作は図7に示すフローチャートに従い作動する。図7のステップS1において、ベルト28の駆動が開始すると、ロードセル38によってベルト28の幅方向の寄り力Fcの検知を行う(ステップS2)。
【0054】
ベルト28の幅方向の寄り力Fcの大きさが閾値として設定された3.0Nを超えると、制御部15により駆動されるモータ13によりボールネジ37が所定方向に回転する。そして、受け台35がベルト28の幅方向に移動することで、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作が行われる(ステップS3)。
【0055】
また、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作は該ベルト28の幅方向の寄り力Fcをロードセル38により検知しながら行われ、該ベルト28の幅方向の寄り力Fcの大きさが3.0N以下になるまで行われる(ステップS3,S4)。ベルト28の幅方向の寄り力Fcが3.0N以下になると、該ベルト28の幅方向の寄り抑制動作は終了する(ステップS5)。ベルト28の幅方向の寄り抑制動作が終了すると、電子写真作像動作が開始される(ステップS6)。
【0056】
ステップS7において、電子写真作像動作が終了するまで、前記ステップS2〜S6が繰り返され、電子写真作像動作が終了すると、ステップS8において、プリント動作が終了するまで、前記ステップS2〜S7が繰り返される。ステップS8において、プリント動作が終了すると、ステップS9において、ベルト28の駆動が停止する。
【0057】
尚、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作を行うタイミングは、ステップS7の電子写真作像動作の終了後に行っても良い。
【0058】
次に制御部15により駆動されるモータ13によりボールネジ37が所定方向に回転し、受け台35がベルト28の幅方向に移動することで、一次転写部材10がベルト28の幅方向に移動する。これによって、ベルト28の幅方向の寄りが補正されるメカニズムについて説明する。
【0059】
図8は画像形成装置の一次転写部材10をベルト28の上面側から透視した様子を示しており、ベルト28の内周面に対する摺動抵抗が図8の左側よりも右側の方が大きくなるように一次転写部材10がベルト28の幅方向で図8の右側に移動している。
【0060】
次に、ベルト28が駆動ローラ14から受ける搬送力と、該ベルト28が一次転写部材10から受ける駆動ローラ14の搬送力に抗する制動力とを説明する。そのために、ベルト28上の幅方向に沿って引いた図8のA線上で受ける力を簡略化して図9を用いて説明する。
【0061】
図9(a)はベルト28の幅方向中央位置aに対して図8のベルト28の左側で受ける力と、右側で受ける力とを、それぞれ図9(a)に示す位置b1,b2で受ける力としてまとめたものである。図9(a)に示すベルト28の搬送力Fkは、該ベルト28が駆動ローラ14から受ける搬送力を表わしている。図9(a)に示す制動力Fb1,Fb2は、ベルト28が一次転写部材10から受ける摺動抵抗力を表している。
【0062】
図8に示すように、受け台35上に押圧バネ33によって支持された一次転写部材10は、制御部15により駆動されるモータ13によりボールネジ37が所定方向に回転する。そして、受け台35がベルト28の幅方向において図8の右方向に移動することで、一次転写部材10がベルト28の幅方向において図8の右側に移動する。
【0063】
このとき、図8に示すベルト28の幅方向中央位置aよりも左側で一次転写部材10がベルト28の内周面に接触する面積よりもベルト28の幅方向中央位置aよりも右側で一次転写部材10がベルト28の内周面に接触する面積の方が大きくなる。
【0064】
このため、図9(a)に示すように、押圧バネ33によりベルト28側に押圧される一次転写部材10が該ベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力はベルト28の幅方向において左右で異なる。即ち、図8及び図9(a)に示すベルト28の左側に作用する制動力Fb1よりも右側に作用する制動力Fb2の方が大きくなる(Fb1<Fb2)。
【0065】
従って、図9(b)に示すように、ベルト28が受ける力の位置b1において作用する搬送力の方が位置b2において作用する搬送力よりも{Fb2−Fb1}だけ大きくなる。
【0066】
これにより、ベルト28が受ける力の位置b2にベルト28の搬送力に抗する制動力をかけながら位置b1に位置b2よりも大きな搬送力が働く。そして、図9(b)に示す位置b2を支点とした差の搬送力{Fb2−Fb1}の回転モーメントが発生し、ベルト28は幅方向に図8の右側に移動しようとする。
【0067】
この差の搬送力{Fb2−Fb1}をベルト28のテンション左右差やベルト搬送ユニットのアライメントのズレから生じるベルト28の幅方向における寄り力Fcと打ち消し合わせることで、ベルト28の幅方向における寄り力Fcは補正される。
【0068】
上記構成により押圧バネ33を介して一次転写部材10が搭載された受け台35をベルト28の幅方向における寄り力Fcの方向と反対方向に移動する。
【0069】
これにより、ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で一次転写部材10がベルト28の内周面に接触する面積が異なる。そして、押圧バネ33によりベルト28側に押圧される一次転写部材10が該ベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力がベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で異なる。これにより、ベルト28の幅方向において一次転写部材10の位置を変化させることで該ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。
【0070】
本実施形態においてベルト寄り制御部15は、一次転写部材10をベルト28を挟んで感光ドラム1に押圧する際に、ロードセル38の検知結果に応じて、モータ13を回転駆動してボールネジ37を回転させる。これにより、受け台35をベルト28の幅方向に移動させる。これにより、ベルト28の搬送力に抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。
【0071】
本実施形態の作用効果を確認するためベルト28の幅方向に生じる寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdを測定した。
【0072】
図10はベルト28の幅方向中央位置aに対する一次転写部材10の幅方向(図11の左右方向)中央位置xのずれ量Δxと、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdとの関係を示す。図10の横軸上で正の値は図11(a)の一次転写部材10の幅方向中央位置xがベルト28の幅方向中央位置aよりも図11(a)の左側へのずれ量Δxを示す。図10の横軸上で負の値は図11(b)の一次転写部材10の幅方向中央位置xがベルト28の幅方向中央位置aよりも図11(b)の右側へのずれ量Δxを示す。図10の縦軸上で正の値は図11(a)の左側への寄り抑制力Fdを示す。図10の縦軸上で負の値は図11(b)の右側への寄り抑制力Fdを示す。
【0073】
また、ベルト28の幅方向の寄り力Fc及び該寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdの方向を図11(a),(b)に示す。ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdは、ずれ量Δxに比例して大きくなることが確認出来た。また、寄り抑制力Fdの向きは、図11に示すように、ベルト28の幅方向中央位置aから一次転写部材10の幅方向中央位置xに向かった方向であることが確認出来た。
【0074】
本実施形態では、ベルト寄り制御部15は、押圧手段となる押圧バネ33の押圧力によるベルト28の搬送力Fkに抗する制動力Fb1,Fb2を制御する。即ち、ベルト幅方向においてベルト28が寄る一端側に発生する力が、該一端側と反対側の他端側に発生する力よりも大きくなるように転写手段となる一次転写部材10を移動させることで、制動力Fb1,Fb2を制御する。
【0075】
本実施例によれば、一次転写部材10の位置をベルト28の幅方向に移動することで、該ベルト28が一次転写部材10から受ける摺動抵抗力を制御する。これにより、転写性能を良好に維持しながら、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制し、ベルト28の寄りを補正することが出来る。
【実施例2】
【0076】
次に、図12及び図13を用いて本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
前記実施形態ではベルト28の幅方向における寄り力Fcを検知する寄り検知手段として、図6に示すように、該ベルト28の内周面に設けられたリブ28aが嵌合された溝フランジ39がロードセル38に当接する。これにより、該ベルト28の幅方向の寄り力Fcを検知する。そして、ロードセル38の検知結果に応じて、制御部15がモータ13を回転駆動してボールネジ37を所定方向に回転し、一次転写部材10を搭載した受け台35をベルト28の幅方向に移動させた。
【0078】
本実施形態では、ボールネジ37とボールネジナット36の代わりに、長尺状のネジ歯車56と、該ネジ歯車56に噛合するネジ歯車57を使用して構成したものである。ネジ歯車57は該ネジ歯車56の軸方向(図12及び図13の左右方向)と直交する方向に軸方向が配置されている。そして、該ネジ歯車56に噛合するネジ歯車57を受け台35に固定された回転軸57aに回転自在に取り付けたものである。そして、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを利用して、長尺状のネジ歯車56を直接回転させる構成としたものである。
【0079】
これにより、前記実施形態に設けたロードセル38、制御部15、モータ13を省略して構成を簡略化し、前記第1実施形態と同様にベルト28の幅方向における寄り力Fcを補正することが出来る。尚、長尺状のネジ歯車56と該ネジ歯車56に噛合するネジ歯車57の代わりに、前記実施形態と同様に、ボールネジ37と該ボールネジ37に噛合するボールネジナット36を用いて構成することも出来る。
【0080】
図12及び図13に示すように、テンションローラ29の回転軸29a上で溝フランジ39の内側には該溝フランジ39と一体的に回転軸29aに対して回転自在で該回転軸29aに沿って移動自在な一対の第一ギア40が設けられている。また、ベルト搬送ユニットの図示しない装置フレームには、第一ギア40に対応した固定位置に一対の第二ギア41が回転自在に設けられている。
【0081】
更に図12及び図13の左右何れか一方には、ギア41と、長尺状の第一ネジ歯車56の回転軸56a(回転軸上)に固定された第三ギア42との間で該ギア41とギア42とに噛合する第二ギア52が設けられている。尚、本実施形態では、図12及び図13の右側のギア列のギア41とギア42との間にギア52を噛合させ、左側のギア列はギア41とギア42とが直接噛合する一例である。他に、図12及び図13の左側のギア列のギア41とギア42との間にギア52を噛合させ、右側のギア列はギア41とギア42とが直接噛合する構成であっても良い。
【0082】
即ち、本実施形態では、一対の第二ギア41はベルト28のベルト幅方向における寄りに対応して一対の第一ギア40の何れか一方に噛合可能で、且つ一方が正転方向、他方が第二ギア52を介して逆転方向に駆動力を伝達し得るように構成される。
【0083】
一対の第二ギア41の軸方向(図12及び図13の左右方向)における離間距離は、テンションローラ29の回転軸29a上に設けられた一対の第一ギア40の離間距離よりも小さくなるように設定されている。そして、図12に示すように、ベルト28の幅方向(図12の左右方向)に寄りが生じていない状態ではギア40とギア41とは互いに噛合しない状態に設定されている。
【0084】
また、第一ネジ歯車56の回転軸56aには一対の第三ギア42が固定されており、図12及び図13の左側のギア42はギア41に直接噛合され、図12及び図13の右側のギア42はギア52を介してギア41に噛合されている。駆動ローラ14によりベルト28が回転駆動されると、該ベルト28の内周面で両端部に設けられたリブ28aが嵌合する溝フランジ39が該リブ28aの力を受けて該溝フランジ39及びギア40が一体的に回転する。
【0085】
図13(a)に示すように、ベルト28に該ベルト28の幅方向において図13(a)の右方向に寄り力Fcが発生する。そうすると、該ベルト28の幅方向における寄り力Fcを溝フランジ39が受けて該溝フランジ39とギア40とが一体的にテンションローラ29の回転軸29aに沿って図13(a)の右方向に移動する。
【0086】
図13(a)の左側に配置されたギア40が図13(a)の左側に配置されたギア41に噛合する位置まで移動すると、該ギア40がギア41に噛合する。ギア40の回転はギア41を介してネジ歯車56の回転軸56aに固定されたギア42に伝達され、該ネジ歯車56が所定方向に回転する。ネジ歯車56に噛合された第二ネジ歯車57が移動手段となる受け台35に固定された回転軸57aに回転自在に軸支される。そして、第二ネジ歯車57は回転軸57aを中心に回転しつつ該ネジ歯車56の軸方向に沿って図13(a)の左方向に移動する。これに伴い、受け台35がベルト28の幅方向において図13(a)の左方向に移動する。
【0087】
これにより、押圧バネ33によりベルト28の内周面に押圧される一次転写部材10が該ベルト28の内周面に接触する面積が、ベルト28の幅方向中央位置aに対して図13(a)の左側が大きく、右側が小さくなる。これにより、一次転写部材10がベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力がベルト28の幅方向中央位置aに対して図13(a)の左側が大きく、右側が小さくなる。これにより、ベルト28の幅方向において図13(a)の左方向にベルト28の幅方向における寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdが作用して該ベルト28の寄りが抑制される。
【0088】
また、図13(b)に示すように、ベルト28に該ベルト28の幅方向において図13(b)の左方向に寄り力Fcが発生する。そうすると、該ベルト28の幅方向における寄り力Fcを溝フランジ39が受けて該溝フランジ39とギア40とが一体的にテンションローラ29の回転軸29aに沿って図13(b)の左方向に移動する。
【0089】
図13(b)の右側に配置されたギア40が図13(b)の右側に配置されたギア41に噛合する位置まで移動すると、該ギア40がギア41に噛合する。ギア40の回転はギア41及びギア52を介してネジ歯車56の回転軸56aに固定されたギア42に伝達され、該ネジ歯車56が図13(a)とは反対方向に回転する。ネジ歯車56に噛合されたネジ歯車57が受け台35に固定された回転軸57aを中心に回転しつつ該ネジ歯車56の軸方向に沿って図13(b)の右方向に移動する。これに伴い、受け台35がベルト28の幅方向において図13(b)の右方向に移動する。
【0090】
これにより、押圧バネ33によりベルト28の内周面に押圧される一次転写部材10が該ベルト28の内周面に接触する面積が、ベルト28の幅方向中央位置aに対して図13(b)の右側が大きく、左側が小さくなる。これにより、一次転写部材10がベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力がベルト28の幅方向中央位置aに対して図13(b)の右側が大きく、左側が小さくなる。これにより、ベルト28の幅方向において図13(b)の右方向にベルト28の幅方向における寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdが作用して該ベルト28の寄りが抑制される。
【0091】
即ち、本実施形態では、ベルト28のベルト幅方向における寄りに対応して、一対の第一ギア40と、一対の第二ギア41とが選択的に噛合される。そして、第一ギア40、第二ギア41,52、第三ギア42、及び第一ネジ歯車56、第二ネジ歯車57の噛合による駆動伝達によりベルト28のベルト幅方向における寄り方向とは反対方向に一次転写部材10を移動させる。
【0092】
上記構成により、本実施形態では、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを利用して、ギア40,41,52,42を介して長尺状のネジ歯車56を直接回転させることが出来る。これにより、構成が簡単で、前記第1実施形態のようなロードセル38、ベルト寄り制御部15、モータ13を省略することが出来る。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例3】
【0093】
次に、図14を用いて本発明に係る画像形成装置の第3実施形態について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
前記第1実施形態では、一次転写部材10をベルト28を挟んで感光ドラム1に押圧する。その際に、ベルト寄り制御部15は、ベルト28の幅方向における寄り力Fcを検知する寄り検知手段となるロードセル38の検知結果に応じてモータ13を回転駆動してボールネジ37を回転させる。
【0095】
これにより、受け台35をベルト28の幅方向に移動させる。これにより、ベルト28の搬送力に抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する構成とした。
【0096】
本実施形態では、図14に示すように、ベルト28の幅方向における該ベルト28の端部位置を検知する寄り検知手段となるフォトセンサ43が設けられる。フォトセンサ43はベルト28の内外周面側にそれぞれ発光部と受光部が設けられ、ベルト28が幅方向に寄って発光部から受光部への透過光を遮断したときにベルト28の幅方向端部の通過を検知する構成とすることが出来る。
【0097】
一次転写部材10をベルト28を挟んで感光ドラム1に押圧する。その際に、ベルト寄り制御部15は、ベルト28の幅方向における該ベルト28の端部位置を検知する寄り検知手段となるフォトセンサ43の検知結果に応じてモータ13を回転駆動してボールネジ37を回転させる。
【0098】
これにより、受け台35をベルト28の幅方向に移動させる。これにより、ベルト28の搬送力に抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例4】
【0099】
次に、図15〜図18を用いて本発明に係る画像形成装置の第4実施形態について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
前記各実施形態では、ベルト28の内周面に当接摺動する一次転写部材10のベルト28の幅方向における位置を移動させる。これにより、該ベルト28の搬送力に抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する構成とした。
【0101】
本実施形態では、ベルト28の内周面に対して一次転写部材10を押圧する押圧バネ33の押圧力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる押圧力を付与する。これにより、ベルト28の駆動ローラ14による搬送力に抗する一次転写部材10がベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。
【0102】
本実施形態における画像形成装置、寄り検知手段となるロードセル38、或いはフォトセンサ43は前記各実施形態と同様の構成を採用するため重複する説明を省略する。尚、画像形成装置は図1に示し、各寄り検知手段は図6、図14に示す。
【0103】
図15に本実施形態の一次転写部材10の構成を示す。本実施形態の一次転写部材10は、前記各実施形態と同様に、断面L字形状の支持部材32に弾性部材31が固定され、該弾性部材31上にシート支持部材34により支持された導電性樹脂からなるシート部材30が設けられている。弾性部材31はシート部材30をベルト28の内周面に押圧する。
【0104】
支持部材32の下面にはベルト28のベルト幅方向における両側で転写手段となる一次転写部材10をベルト28に向って互いに独立して押圧する左右一対の押圧バネ33a,33bの一端部が固定されている。該押圧バネ33aの他端部にはカム部材45のカム面45aに当接する受け台44aが設けられている。カム部材45は、ベルト寄り制御部15により制御されるモータ13によりカムシャフト45bが回転駆動されて回転する。一方、押圧バネ33bの他端部は図示しない装置フレームに固定された受け台44bに固定されている。
【0105】
押圧バネ33a,33bは、弾性部材31を介してシート部材30をベルト28の内周面に押圧密着させる。また、図16に示すように、カムシャフト45bを回転中心として、カム部材45が図16の矢印方向に回転することで、図18(a),(b)に示すように、該カム部材45のカム面45aに当接する受け台44aの高さ位置が変動する。これにより、押圧バネ33aの圧縮長さを変えることが出来、一次転写部材10をベルト28を挟んで感光ドラム1に押圧する際に該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して図18の右側の押圧力を変化させることが出来る。
【0106】
ベルト寄り制御部15は図6に示して前述した寄り検知手段となるロードセル38、或いは図14に示して前述したフォトセンサ43の検知結果に応じてモータ13を制御してカムシャフト45bを回転駆動し、押圧バネ33aの圧縮長さを変える。
【0107】
これにより、ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して図18の左右で異なる押圧力を付与する。これにより、ベルト28の駆動ローラ14による搬送力に抗する一次転写部材10がベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力を付与することが出来る。
【0108】
ベルト28の幅方向の寄り抑制動作が行われるタイミングは前記第1実施形態と同様である。カム部材45は、図7に示して前述したフローチャートに従って作動する。図7のステップS1においてベルト28の回転駆動が開始すると、例えば、図6に示して前述した寄り検知手段となるロードセル38によってベルト28の幅方向の寄り力Fcの検知を行う(ステップS2)。
【0109】
ステップS2において、ロードセル38によって検知されたベルト28の幅方向の寄り力Fcの大きさが閾値として設定された3.0Nを超える。そうすると、ステップS3に進んで制御部15はロードセル38によって検知された検知結果に応じてモータ13を制御してカムシャフト45bを介してカム部材45を所定の角度回転し、押圧バネ33aの圧縮長さを変える。
【0110】
このように、ベルト28の幅方向中央位置aに対して図18の左右で一次転写部材10をベルト28の内周面に押圧する際の押圧力の差をつける。これにより、一次転写部材10がベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力をベルト28の幅方向中央位置aに対して図18の左右で異なる制動力を付与することが出来る。
【0111】
これにより、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作が行われる(ステップS3)。また、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作はロードセル38によってベルト28の幅方向の寄り力Fcを検知しながら行われ、ベルト28の幅方向の寄り力Fcの大きさが予め閾値として設定された3.0N以下になるまで行われる(ステップS3、S4)。
【0112】
ベルト28の幅方向の寄り力Fcが閾値の3.0N以下になると、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作は終了する(ステップS5)。ベルト28の幅方向の寄り抑制動作が終了すると電子写真作像動作が開始される(ステップS6)。他のステップS7〜S9は前記第1実施形態で説明したものと同様であるので省略する。尚、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作を行うタイミングは電子写真作像動作終了後に行っても良い。
【0113】
本実施形態のベルト28の幅方向の寄り抑制動作のメカニズムは次の通りである。一次転写部材10をベルト28を介して感光ドラム1に押圧する際の押圧力が該ベルト28の幅方向において該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して図18の左右で異なる押圧力を付与する。
【0114】
一次転写部材10をベルト28を介して感光ドラム1に押圧する際の押圧力が大きい方が一次転写部材10とベルト28の内周面との密着力が高く、摺動抵抗が大きい。
【0115】
このため、前記各実施形態と同様な原理によりベルト28の幅方向の寄り力Fcを打ち消し合うように一次転写部材10をベルト28を介して感光ドラム1に押圧する際の押圧力をベルト28の幅方向中央位置aに対して図18の左右で異なる押圧力に設定する。これにより、ベルト28の幅方向の寄りは補正される。
【0116】
本実施形態ではベルト28の幅方向の寄りを検知する寄り検知手段として、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを寄り検知手段となるロードセル38によって検知する。その検知結果に応じて、ベルト寄り制御部15がモータ13を制御してカム部材45を所定角度に回転させて押圧バネ33aの圧縮長さを変えて該押圧バネ33aによる押圧力を変化させている。
【0117】
他にも、ベルト28の幅方向の端部位置や、ベルト28の幅方向の寄り速度を、寄り検知手段或いは寄り速度検知手段となるフォトセンサ43等を用いて検知する。その検知結果に応じて、ベルト寄り制御部15がモータ13を制御してカム部材45を所定角度に回転させて押圧バネ33aの圧縮長さを変えて該押圧バネ33aによる押圧力を変化させても良い。
【0118】
尚、フォトセンサ43はベルト28の内外周面側にそれぞれ発光部と受光部を有し、ベルト28が幅方向に寄って発光部から受光部への透過光を遮断したときにベルト28の幅方向端部の通過を検知する構成とすることが出来る。ベルト28の幅方向端部の通過時間を図示しないタイマーにより測定することでベルト28の幅方向の寄り速度を検知することが出来る。
【0119】
本実施形態の作用効果を確認するためにベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdを測定した。
【0120】
図17は押圧バネ33a,33bによる押圧力の左右差Δpと、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdとの関係を示す。
【0121】
図17の横軸上で正の値は図18(b)のベルト28の幅方向中央位置aよりも図18(b)の右側に配置された押圧バネ33aによる押圧力が左側に配置された押圧バネ33bによる押圧力よりも大きい場合の押圧力の左右差Δpを示す。
【0122】
図17の横軸上で負の値は図18(a)のベルト28の幅方向中央位置aよりも図18(a)の左側に配置された押圧バネ33bによる押圧力が右側に配置された押圧バネ33aによる押圧力よりも大きい場合の押圧力の左右差Δpを示す。
【0123】
図17の縦軸上で正の値はベルト28が幅方向に図18(b)の右側への寄り抑制力Fdを示す。図17の縦軸上で負の値はベルト28が幅方向に図18(a)の左側への寄り抑制力Fdを示す。
【0124】
図17によれば押圧バネ33a,33bによる押圧力の左右差Δpの大きさに比例してベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdは大きくなる。そして、寄り抑制力Fdの向きは、図18に示すように、押圧バネ33a,33bによる押圧力が大きい方向に向いていることが確認出来た。
【0125】
本実施形態によれば、ベルト28を介して一次転写部材10を感光ドラム1に押圧する押圧力を、該ベルト28の移動方向と直交する幅方向において、ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右の少なくとも一方の押圧力を可変とする。そして、該ベルト28が一次転写部材10から受ける摺動抵抗力を制御する。
【0126】
ベルト寄り制御部15は、寄り検知手段により検知されたベルト28のベルト幅方向における寄りに対応して、ベルト28のベルト幅方向における寄り方向側の押圧バネ33a,33bによる一次転写部材10のベルト28に対する押圧力を大きくする。
【0127】
これにより、転写性能を良好に維持しながら、該ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制し、ベルト28の寄りを補正することが出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例5】
【0128】
次に、図19〜図21を用いて本発明に係る画像形成装置の第5実施形態について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0129】
前記各実施形態では、ベルト28の移動方向と直交する幅方向に一次転写部材10の位置を変化させる。或いは、ベルト28を介して一次転写部材10を感光ドラム1に押圧する押圧力を、該ベルト28の移動方向と直交する幅方向において、該ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右の押圧力を変化させる。これにより該ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制し、ベルト28の寄りを補正した。
【0130】
本実施形態では、図20に示すように、ベルト28の内周面側で図20の左右両側にそれぞれ導電性の静電吸着手段となる静電吸着部材46が設けられ、該静電吸着部材46に電圧を印加する電圧印加手段となる電源23が設けられる。電源23はベルト寄り制御部15により制御される。
【0131】
そして、ベルト寄り制御部15は、ベルト28の幅方向における寄り力Fcを検知する寄り検知手段となるロードセル38の検知結果に応じて電源23を制御する。そして、ベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で静電吸着部材46に異なる電圧を印加する。
【0132】
或いは、該ベルト28の幅方向における該ベルト28の位置を検知する寄り検知手段となるフォトセンサ43のそれぞれの検知結果に応じて電源23を制御する。そして、ベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で静電吸着部材46に異なる電圧を印加する。
【0133】
これによりベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で異なる静電吸着力を付与し、該ベルト28の搬送力Fkに抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で異なる制動力を付与する。
【0134】
本実施形態では、ベルト28に接する導電性の固定部材としての静電吸着部材46に電圧を印加する。これにより、ベルト28と静電吸着部材46との間に静電吸着力を発生させる。そして、静電吸着部材46による静電吸着力をベルト28の搬送方向と直交する幅方向において左右非対称にすることで、摺動抵抗差を生じさせる。
【0135】
本実施形態における画像形成装置は図1に示して前述した第1実施形態と同様に構成される。また、本実施形態で使用する一次転写部材10は図2及び図3に示して前述した第1実施形態と同様に構成される。一次転写部材10は、前述したように、シート部材30、弾性部材31、支持部材32、シート支持部材34、押圧バネ33等を有して構成される。押圧バネ33は、弾性部材31を介してシート部材30をベルト28の内周面に押圧密着させる。
【0136】
図19はベルト28の内周面に接する静電吸着部材46を示している。図19に示すように、支持部材49上に弾性部材48が固定され、該弾性部材48上に可撓性を有する導電性樹脂シートからなるシート部材47が支持部材49の左右両側に設けられたシート支持部材50により支持されている。支持部材49は図示しない支持部材に取り付けられた押圧バネ51によりベルト28の内周面に対して押圧されている。シート部材47はベルト28と弾性部材48との間に挟持される。
【0137】
弾性部材48は、絶縁体からなるウレタン発泡スポンジ状の弾性体を肉厚2mm、幅6mm、長さ200mmの略直方体形状にしたものを用いている。硬度はアスカー C 4.9N(500gf)で30°である。
【0138】
本実施形態では、弾性部材48として発泡ウレタンを用いている。しかし、エピクロルヒドリンゴム、NBR(nitril-butadiene rubber;ニトリルブタジエンゴム)等のゴム材料を用いても良い。また、EPDM(Ethylene Propylene Diene Terpolymer;エチレン・プロピレン・ジエンゴム)等のゴム材料を用いても良い。
【0139】
シート部材47は、体積抵抗率が50V印加で1×106Ω・cmであり、導電性樹脂シートを用いている。本実施形態では、シート部材47として酢酸ビニルシートを用いている。しかし、ポリカーボネイト(Polycarbonate;PC)、ポリフッ化ビニリデン (PolyVinylidene DiFluoride;Pvdf)等のシートを用いても良い。また、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate;PET)、ポリイミド(polyimide;PI)等のシートを用いても良い。また、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ポリアミド(polyamide;PA)等のシートを用いても良い。
【0140】
また、シート部材47には、電源23が接続され、電圧を印加することが出来る。シート部材47に電圧を印加することによって、静電吸着部材46はチャージアップして静電吸着力が発生し、該静電吸着部材46とベルト28との密着力が増大する。
【0141】
図20に静電吸着部材46の配設位置を示す。図20は画像形成装置の一次転写部材10と静電吸着部材46をベルト28の上面側から透視した様子を示しており、静電吸着部材46は、一次転写部材10の左右両側にベルト28の搬送方向が長手方向となるように配設されている。
【0142】
図21に本実施形態における、静電吸着部材46への印加電圧と静電吸着力との関係を示す。図21の横軸は印加電圧、縦軸は静電吸着力を表しており、静電吸着部材46とベルト28との密着力は静電吸着部材46への印加電圧の大きさに比例して大きくなることが分かる。
【0143】
また、静電吸着部材46の静電吸着力の制御によるベルト28の寄り抑制動作が行われるタイミングは図7に示して前述した第1実施形態と同様である。即ち、図7のステップS1において、ベルト28の回転駆動が開始すると、例えば、寄り検知手段となるロードセル38によって寄り力の検知を行う(ステップS2)。
【0144】
ステップS2において、ロードセル38によって検知した寄り力の大きさが、例えば、予め設定された閾値の3.0Nを超える。すると、ステップS3において、検出した側のロードセル38と反対側に配置された静電吸着部材46に電圧が印加される。そして、該静電吸着部材46に静電吸着力が発生し、該静電吸着部材46とベルト28との密着力が増大し、図11に示して前述したように寄り抑制力Fdが作用してベルト28の寄り制御動作が開始する。
【0145】
ベルト28と静電吸着部材46との密着力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で差をつけることで、該ベルト28の寄り抑制動作が行われる。また、ベルト28の寄り抑制動作はベルト28の幅方向における寄り力Fcを検知しながら行われ、ベルト28の幅方向の寄り力Fcの大きさが閾値の3.0N以下になるまで行われる(ステップS3、S4)。
【0146】
ベルト28の幅方向における寄り力Fcが予め設定した閾値の3.0N以下になると、ベルト28の寄り抑制動作は終了する(ステップS5)。ベルト28の寄り抑制動作が終了すると電子写真作像動作が開始される(ステップ6)。また、ベルト28の寄り抑制動作を行うタイミングはステップS7に示す電子写真作像動作終了後に行っても良い。
【0147】
本実施形態のベルト28の寄り抑制動作のメカニズムは次の通りである。静電吸着部材46とベルト28との密着力をベルト28の幅方向の中央に対して左右で異なる密着力が作用するように制御する。それ以外は、前記各実施形態と同様である。ベルト28の幅方向において摺動抵抗差を付けることで、ベルト28の幅方向の寄り力Fcと打ち消しあう寄り抑制力Fdを発生させる。
【0148】
尚、本実施形態ではベルト28の寄りを検知する手段として、該ベルト28の幅方向の寄り力Fcをロードセル38によって検知し、その検知結果に応じて静電吸着部材46に電圧を印加している。しかし、ベルト28の幅方向端部の位置をフォトセンサ43により検知して、該ベルト28の幅方向端部の位置に基づいて静電吸着部材46に電圧を印加しても良い。
【0149】
本実施形態では、電源23による印加電圧によって静電吸着部材46とベルト28との密着力を制御することが出来る。そして、ベルト28に対する静電吸着部材46の静電吸着力を、該ベルト28の幅方向における中央に対して左右で差をつけることで、摺動抵抗差を生じさせることが可能となり、ベルト28の寄り規制効果が期待出来る。
【0150】
即ち、本実施形態では、ベルト28のベルト幅方向における両側で該ベルト28との間で吸着力を作用させる吸着手段となる静電吸着部材46を有する。ベルト寄り制御部15は、寄り検知手段により検知されたベルト28のベルト幅方向における寄りに対応して、ベルト28のベルト幅方向における寄り方向側の静電吸着部材46によるベルト28に対する吸着力を大きくする。
【0151】
他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例6】
【0152】
次に、図22を用いて本発明に係る画像形成装置の第6実施形態について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。前記各実施形態では、ベルト28が中間転写ベルトとして構成された場合の一例を示した。本実施形態では、ベルト28が記録材搬送ベルトとして構成された場合の一例である。
【0153】
図22に示す画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体となる感光ドラム1上に形成したトナー画像を、その感光ドラム1と対向して周回移動可能なベルト28上に担持されて搬送される記録材6に転写する。その後、トナー画像が転写された記録材6をベルト28から分離して、トナー画像を記録材6上に定着させて記録画像を得る。
【0154】
図22の画像形成装置は、複数の画像形成手段として、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー画像を形成する各画像形成ユニット54a,54b,54c,54dを有する。各画像形成ユニット54は各感光ドラム1上(像担持体上)に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する。
【0155】
各画像形成ユニット54において感光ドラム1上にトナー画像を形成するプロセスは、前記各実施形態で説明したものと同様である。このため前記各実施形態の画像形成装置と同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0156】
本実施形態においても、ベルト28は感光ドラム1に対向して配置される。静電潜像が形成される感光ドラム1の周囲には、該感光ドラム1上に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する画像形成手段が設けられる。
【0157】
画像形成手段としては、感光ドラム1の表面を一様に帯電する帯電器55a,55b,55c,55dを有する。更に、一様に帯電された感光ドラム1の表面に画像情報に応じたレーザ光を照射する図示しない露光装置を有する。更に、該露光装置により露光されて形成された静電潜像にトナーを供給してトナー画像を現像する現像ユニット8a,8b,8c,8dを有する。
【0158】
更に、該現像ユニット8により感光ドラム1の表面に形成されたトナー画像をベルト28上に担持されて搬送される記録材6に転写する転写手段となる転写部材10を有する。更に、記録材6にトナー画像を転写した後の感光ドラム1の表面に残留したトナーを掻き取って回収するクリーニングユニット3a,3b,3c,3dを有する。
【0159】
各画像形成ユニット54における感光ドラム1上へのトナー画像の形成と同期するように、図示しない記録材供給ユニットから記録材6が送り出される。そして、感光ドラム1に対向して配置されるベルト28上に供給される。そして、各感光ドラム1上に形成された各色のトナー画像が、ベルト28を介して各感光ドラム1に対向して配置された転写部材10の作用によって、ベルト28により搬送される記録材6上に順次転写される。
【0160】
この転写工程が終了すると、記録材6は、ベルト28から分離されて図示しない定着手段となる定着装置に搬送され、ここで、未定着トナー画像の定着処理を受けた後、機外に排出される。
【0161】
このように、記録材担持体として用いられるベルト28を備える画像形成装置にも前記各実施形態で説明した各構成を適用する。これにより、ベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で異なる制動力を付与することでベルト28の寄り規制効果が期待出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得るものである。
【符号の説明】
【0162】
1,1a,1b,1c,1d …感光ドラム(像担持体)
10,10a,10b,10c,10d …一次転写部材(転写手段)
15 …ベルト寄り制御部(ベルト寄り制御手段)
28 …ベルト
33,33a,33b …押圧バネ(押圧手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機等の電子写真方式或いは静電記録方式を利用した画像形成装置に関し、より詳細には、像担持体上のトナー画像を記録材に転写するためのベルトを備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成プロセスに電子写真方式や静電記録方式を採用した種々の形式の画像形成装置がある。これら各種形式の画像形成装置は、プリンタや複写機として広く利用されている。像担持体として感光ドラムを使用し、この感光ドラムの周辺に帯電手段、露光手段、現像手段等の画像形成プロセス手段を配置し、更に転写手段、転写搬送手段、定着手段等を配設した型式のものがある。
【0003】
そして、このような画像形成装置において像担持体上のトナー画像を記録材に転写するためのベルトとして、像担持体から転写されるトナー画像を担持する中間転写ベルトがある。或いは像担持体からトナー画像を転写する記録材を担持して搬送する記録材搬送ベルトがある。
【0004】
このようなベルトを備える画像形成装置では、ベルト機構に、ベルトの搬送方向と直交するベルト幅方向の移動(寄り)が発生する。ベルトの寄りは、ベルトを張架している張架部材の軸間距離の精度や、ベルトの幅方向両端部(以下、「左右端部」という)の周長差によって、ベルトに掛かるテンションの左右差や、傾きにより、ベルトの幅方向に向かって該ベルトが移動することで発生してしまう。
【0005】
以上のベルトの寄りによって、該ベルトが駆動軸から脱落することを防止する為、該ベルトの寄りを規制する必要がある。そのため、従来ではベルトの端部にリブを設け、該リブに当接するフランジによってベルトの寄りを規制する方法が採用されてきた。
【0006】
しかしながら、ベルトの寄り力が大きい場合には、リブがフランジに乗り上げてしまい、該ベルトが損傷してしまうという問題がある。従来、ベルトの寄りを補正するために、以下の特許文献1のような方法が採られていた。
【0007】
特許文献1では、複数の軸に懸架されたベルトのベルト幅方向の位置を検出するベルト位置検出装置を有する。更に該ベルト位置検出装置に検出されたベルトの幅方向の位置に基づき該ベルトの搬送方向に垂直な幅方向の移動速度を検出するベルト移動速度検出装置を有する。
【0008】
そして、ベルト位置検出装置によって検出されたベルト位置と、ベルト移動速度検出装置によって検出されたベルトの移動速度とによりベルトを懸架した複数の軸の少なくとも1つの軸の傾きを変更して制御する。ベルトの幅方向の位置が所定のベルトの移動速度で、予め設定された目標位置に近づくようにベルトを懸架した複数の軸の少なくとも1つの軸の傾きを変更して制御する。これにより、ベルトの寄りを補正することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−48533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、ベルトを懸架した軸の傾きを変更する場合、例えば、駆動ローラの傾きを変更した場合、ベルトに波打ちが発生し、感光ドラムとベルトとの当接部の均一性が損なわれ、トナー画像の転写不良が発生するという場合がある。
【0011】
また、同様に、感光ドラムからベルトに一次転写したトナー画像を、更に記録材に二次転写する二次転写部における対向ローラの傾きを調整した場合、ベルトの搬送方向と直交する幅方向(以下、単に「ベルトの幅方向」とう)において転写圧の傾きが発生する。そして、ベルトの幅方向においてニップ幅にばらつきが生じ、ベルトの幅方向において転写ムラが発生するという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、ベルトの寄りを補正することが出来る画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、トナー画像を担持する像担持体と、前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、前記転写手段を前記ベルトに向って押圧する押圧手段と、前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御手段とを有する画像形成装置において、前記ベルト寄り制御手段は、前記押圧手段の押圧力による前記ベルトの搬送力に抗する制動力が、前記ベルト幅方向において前記ベルトが寄る一端側に発生する力が、前記一端側と反対側の他端側に発生する力よりも大きくなるように、前記転写手段を移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記構成によれば、ベルト寄り制御手段により押圧手段の押圧力によるベルトの搬送力に抗する制動力が、ベルト幅方向においてベルトが寄る一端側に発生する力が、一端側と反対側の他端側に発生する力よりも大きくなるように、転写手段を移動させる。これによりベルトの寄りを補正することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成を示す模式断面説明図でる。
【図2】(a)は第1実施形態の一次転写部の構成を示す拡大図、(b)は転写手段の構成を示す斜視説明図である。
【図3】第1実施形態の一次転写部の構成を示す断面説明図である。
【図4】第1実施形態のベルト寄り制御手段の構成を示す斜視説明図である。
【図5】第1実施形態のベルト寄り制御手段の構成を示す断面説明図である。
【図6】寄り検知手段の構成を示す断面説明図である。
【図7】寄り検知手段の検知結果に応じてベルトの寄り抑制動作を行う様子を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態のベルトの寄り抑制動作のメカニズムを説明する図である。
【図9】第1実施形態のベルトの寄り抑制動作のメカニズムを説明する図である。
【図10】第1実施形態において、ベルトの幅方向に転写手段の位置を変化させた際の変位量と、ベルトの寄り抑制力との関係を示す図である。
【図11】第1実施形態において、ベルトの幅方向に移動する転写手段の位置と、ベルトの寄り抑制力の方向との関係を示す図である。
【図12】本発明に係る画像形成装置の第2実施形態のベルト寄り制御手段の構成を示す断面説明図である。
【図13】第2実施形態のベルトの寄り抑制動作のメカニズムを説明する図である。
【図14】本発明に係る画像形成装置の第3実施形態の寄り検知手段の構成を示す平面説明図である。
【図15】本発明に係る画像形成装置の第4実施形態のベルト寄り制御手段の構成を示す斜視説明図である。
【図16】第4実施形態のベルト寄り制御手段の構成を示す断面説明図である。
【図17】第4実施形態において、ベルトの幅方向の中央に対して左右で異なる押圧力を付与した際の押圧力差と、ベルトの寄り抑制力との関係を示す図である。
【図18】第4実施形態において、ベルトの幅方向の中央に対して左右で異なる押圧力を付与した際のベルトの寄り抑制力の方向を示す図である。
【図19】(a)は本発明に係る画像形成装置の第5実施形態の静電吸着手段の構成を示す斜視説明図、(b)は第5実施形態の静電吸着手段の構成を示す側面説明図である。
【図20】第5実施形態の静電吸着手段の構成を示す平面説明図である。
【図21】第5実施形態において、静電吸着手段に印加する電圧と、該静電吸着手段とベルトとの間に生じる静電吸着力との関係を示す図である。
【図22】本発明に係る画像形成装置の第6実施形態の構成を示す模式断面説明図でる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている装置構成の仕様、部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0017】
先ず、図1〜図11を用いて実施例1に係る画像形成装置について説明する。
【0018】
尚、以下の説明において、第1ステーションをイエローY、第2ステーションをマゼンタM、第3ステーションをシアンC、第4ステーションをブラックBkとしている。
【0019】
以下、記述の煩雑化を防ぐために、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBkの4色のトナー画像を担持する像担持体となる感光ドラム1a,1b,1c,1dを感光ドラム1で代表させて説明する。関連する各画像形成プロセス手段についても同様とする。
【0020】
<画像形成装置の構成>
図1の左側に配置された第1ステーションにおいて、1aは像担持体としての感光ドラムである。感光ドラム1aの周囲には帯電手段としての帯電ローラ2aが設けられている。更に、感光ドラム1a上の転写残トナーをクリーニングするクリーニングユニット3aが設けられている。更に現像手段としての現像ユニット8aが設けられている。
【0021】
現像ユニット8aは、現像スリーブ4a、非磁性一成分現像剤からなるトナー5a、現像剤塗布ブレード7aを有している。そして、前記感光ドラム1a、帯電ローラ2a、クリーニングユニット3a、現像スリーブ4a、トナー5a、現像剤塗布ブレード7a及び現像ユニット8aは、一体型のプロセスカートリッジ9aとして構成されている。
【0022】
11aは露光手段となる露光装置であり、レーザ光を多面鏡によって走査させるレーザスキャナユニットまたはLED(発光ダイオード)アレイから構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビーム12aを感光ドラム1a上に照射する。
【0023】
また、帯電ローラ2a、現像スリーブ4a、感光ドラム1に対向して回転移動する中間転写ベルトとなる無端状のベルト28の内周面に摺擦する転写手段となる一次転写部材10a、二次転写ローラ25は、それぞれの電源に接続されている。
【0024】
即ち、帯電ローラ2aへの電圧供給手段である帯電バイアス電源20a、現像スリーブ4aへの電圧供給手段である現像バイアス電源21aにそれぞれ接続されている。更に、一次転写部材10aへの電圧供給手段である一次転写電源22a、二次転写ローラ25への電圧供給手段である二次転写電源26にそれぞれ接続されている。
【0025】
次に感光ドラム1上における画像形成動作について説明する。画像形成動作がスタートすると、感光ドラム1a〜1dやベルト28等は所定のプロセススピードで図1の矢印方向に回転を始める。感光ドラム1aは帯電バイアス電源20aから帯電バイアスが印加される帯電ローラ2aによって表面が一様に負極性に帯電され、続いて露光装置11aからの走査ビーム12aによって画像情報に従った静電潜像が形成される。
【0026】
現像ユニット8a内のトナー5aは、現像剤塗布ブレード7aによって負極性に帯電されて現像スリーブ4aに塗布される。そして、現像スリーブ4aには、現像バイアス電源21aより現像バイアスが供給される。感光ドラム1aが回転して該感光ドラム1a上に形成された静電潜像が現像スリーブ4aに到達する。すると、静電潜像は負極性のトナーによって可視像化され、感光ドラム1a上には第1色目(本実施形態では、イエローY)のトナー画像が形成される。尚、第2〜第4ステーションも前記第1ステーションと同様の構成であるため説明を省略する。
【0027】
一方、トナー画像担持体としてのベルト28は、4つの感光ドラム1a〜1dの全てに対して当接するように配置される。
【0028】
<転写動作>
次に、転写動作に関して説明する。ベルト28は、その張架部材として二次転写対向ローラ24、駆動ローラ14、テンションローラ29の3本の支持ローラにより支持されており、適当なテンションが維持されるようになっている。駆動ローラ14を駆動させることによりベルト28は感光ドラム1a〜1dの回転方向に対して順方向に略同速度で移動する。また、ベルト28は、図1の矢印方向に回転する。ベルト28の内周面側には、該ベルト28を挟んで感光ドラム1aと反対側に配置され、該ベルト28の内周面に摺擦する転写手段となる一次転写部材10aが設けられている。
【0029】
各々の感光ドラム1a〜1dに対応させて該感光ドラム1a〜1dとの対向部に一次転写部材10a〜10dがそれぞれ配置されている。
【0030】
ベルト28上の各色の一次転写位置間の距離に応じて、各色毎に一定のタイミングで図示しないコントローラからの書き出し信号を遅らせながら、露光による静電潜像を各感光ドラム1a〜1d上に形成する。そして、それぞれの一次転写部材10a〜10dに各一次転写電源22a〜22dによりトナー5と逆極性の電圧を印加する。以上の工程により、各々の感光ドラム1a〜1dから順次、ベルト28にトナー画像を転写していき、該ベルト28上に多重画像が形成される。
【0031】
その後、露光による静電潜像の作像に合わせて、記録材カセット16に積載されている記録材6は、給送ローラ17によりピックアップされる。そして、図示しない搬送ローラによりレジストローラ18まで搬送され、記録材6はベルト28上のトナー画像に同期してレジストローラ18によって、該ベルト28と二次転写ローラ25とで形成されるニップ当接部へ搬送される。その後、二次転写ローラ25には二次転写電源26によりトナー5と逆極性の電圧印加を行い、ベルト28上に担持された4色の多重トナー画像は一括して記録材6上に二次転写される。
【0032】
尚、本実施形態では、二次転写ローラ25は外径直径が8mmのニッケルメッキ鋼棒にNBR(Nitril-Butadiene Rubber;ニトリルブタジエンゴム)の発泡スポンジ体で覆った外径直径が18mmのものを用いた。発泡スポンジ体の厚みは5mm、抵抗値を108Ωに調整した。また、二次転写ローラ25は、ベルト28に対して、5g/cm〜15g/cm程度の線圧で当接させ、且つベルト28の移動方向に対して順方向に略等速度で回転するように配置した。
【0033】
一方、記録材6に二次転写を終えた後、ベルト28上に残留した転写残トナーと、記録材6が搬送されることによって発生する紙粉は、ベルト28に当接配置されたベルトクリーニング装置27により該ベルト28の表面から除去して回収される。尚、本実施形態の画像形成装置ではベルトクリーニング装置27としてウレタンゴム等で形成された弾性を有するクリーニングブレードを用いた。
【0034】
二次転写終了後の記録材6は定着装置19へと搬送され、トナー画像の定着を受けて画像形成装置外へと排出される。
【0035】
尚、ベルト28の構成としては、厚さが100μm、体積抵抗率が1010Ω・cmのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いている。
【0036】
張架部材としての駆動ローラ14は、アルミニウム芯金にカーボンを導電剤として分散した抵抗値が104Ω、肉厚が1.0mmのEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)ゴムを被覆した外径直径が25mmのものを用いている。
【0037】
張架部材としてのテンションローラ29は、外径直径が25mmのアルミニウム製の金属棒を用いており、テンションは片側で19.6N、総圧で39.2Nとしている。
【0038】
張架部材としての二次転写対向ローラ24は、アルミニウム芯金にカーボンを導電剤として分散した抵抗値が104Ω、肉厚が1.5mmのEPDMゴムを被覆した外径直径が25mmのものを用いている。
【0039】
尚、本実施形態の画像形成装置の記録材6の搬送速度は80mm/secである。
【0040】
<一次転写部材の構成>
図2(b)に示すように、転写手段となる一次転写部材10aは、断面L字形状の支持部材32上に弾性部材31が固定され、該弾性部材31上に可撓性を有する導電性樹脂シートからなるシート部材30がシート支持部材34により支持されている。図2(a)に示すように、シート部材30はベルト28と弾性部材31との間に挟持される。
【0041】
本実施形態では、第1ステーションの一次転写部材10aとして、弾性部材31は、絶縁体のウレタン発泡スポンジ状の弾性体を肉厚が2mm、幅が4mm、長さが230mmの略直方体形状にしたものを用いている。弾性部材31の硬度はアスカー C 4.9N(500gf)で30°である。
【0042】
本実施形態では、弾性部材31として発泡ウレタンを用いている。しかし、エピクロルヒドリンゴム、NBR(Nitril-Butadiene Rubber;ニトリルブタジエンゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)等のゴム材料を用いても良い。
【0043】
シート部材30は、体積抵抗率が50V印加で106Ω・cmであり、樹脂性のシートを用いている。本実施形態では、シート部材30として酢酸ビニルシートを用いている。
【0044】
しかし、ポリカーボネイト(Polycarbonate;PC)、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride;Pvdf)等のシートを用いても良い。また、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate;PET)等のシートを用いても良い。また、ポリイミド(polyimide;PI)、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ポリアミド(polyamide;PA)等のシートを用いても良い。
【0045】
シート部材30の厚みについては、30μm〜500μmが望ましい。本実施形態では、150μmの厚みのシート部材30を用いているが、上述した厚みの範囲から外れるシート部材30を使用した場合、シート部材30の剛性によるベルト28への当接が出来なくなってしまうためである。また、シート部材30には、図1に示す一次転写電源22aが接続され、画像形成動作中は500Vの電圧が印加されている。
【0046】
また、弾性部材31は図2(b)に示す押圧バネ33により感光ドラム1側に総圧が9.8Nで加圧されている。図4及び図5に示すように、押圧バネ33は受け台35に取り付けられており、受け台35の下側に設けられたボールネジナット36にはボールネジ37が噛合されている。そして、ベルト寄り制御手段となるベルト寄り制御部15によりモータ13を回転駆動してボールネジ37を回転させることで、受け台35をベルト28のベルト幅方向に移動させることが出来る。
【0047】
受け台35、ボールネジナット36、及びボールネジ37により転写手段となる一次転写部材10をベルト28の搬送方向と直交する幅方向に移動する移動手段が構成される。
【0048】
図6は、ベルト28の幅方向における寄り力Fcを検知する寄り検知手段となるロードセル38の配置構成を示す。図6において、ベルト28の片側端部の内周面には、該ベルト28の幅方向(図6の左右方向)のベルト寄りを規制するリブ28aが取り付けられている。
【0049】
一方、テンションローラ29の回転軸29aの端部には該回転軸29aに対して回転自在に取り付けられた溝フランジ39が設けられている。溝フランジ39に設けられた溝部にベルト28に設けられたリブ28aが嵌合してベルト28の幅方向(図6の左右方向)への移動を規制している。また、テンションローラ29の回転軸29a上で溝フランジ39の両側に固定したロードセル38によって、ベルト28の端部の内周面に取り付けられたリブ28aから溝フランジ39が受ける力(以下、「ベルト28の寄り力Fc」という)を検知している。
【0050】
ロードセル38は、力(質量、トルク)を検出するセンサである。ベルト28が該ベルト28の幅方向(図6の左右方向)に寄って該ベルト28の端部の内周面に取り付けられたリブ28aが溝フランジ39の傾斜面を有するフランジ部に乗り上げる。そして、該溝フランジ39がテンションローラ29の回転軸29aに沿って図6の左右方向に移動する。すると、該溝フランジ39の端面が所定の力(質量、トルク)でロードセル38のセンサ部に当接する。これにより、ロードセル38は溝フランジ39がベルト28のリブ28aから受ける力を電気信号に変換し、制御部15に伝送する。
【0051】
制御部15はロードセル38の検知結果に応じて、モータ13を所定方向に回転駆動してボールネジ37を回転させることで、受け台35をベルト28の幅方向に移動させる。これにより、ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で一次転写部材10がベルト28の内周面に接触する面積が異なる。そして、押圧バネ33によりベルト28側に押圧される一次転写部材10が該ベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力がベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で異なる。これにより、ベルト28の幅方向において一次転写部材10の位置を変化させることで該ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。
【0052】
本実施形態では、制御部15は一次転写部材10をベルト28を挟んで感光ドラム1に押圧する際に、ロードセル38の検知結果に応じて、モータ13を回転駆動してボールネジ37を回転させることで、受け台35をベルト28の幅方向に移動させる。これにより、ベルト28の搬送力に抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。
【0053】
ベルト28の幅方向の寄り抑制動作は図7に示すフローチャートに従い作動する。図7のステップS1において、ベルト28の駆動が開始すると、ロードセル38によってベルト28の幅方向の寄り力Fcの検知を行う(ステップS2)。
【0054】
ベルト28の幅方向の寄り力Fcの大きさが閾値として設定された3.0Nを超えると、制御部15により駆動されるモータ13によりボールネジ37が所定方向に回転する。そして、受け台35がベルト28の幅方向に移動することで、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作が行われる(ステップS3)。
【0055】
また、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作は該ベルト28の幅方向の寄り力Fcをロードセル38により検知しながら行われ、該ベルト28の幅方向の寄り力Fcの大きさが3.0N以下になるまで行われる(ステップS3,S4)。ベルト28の幅方向の寄り力Fcが3.0N以下になると、該ベルト28の幅方向の寄り抑制動作は終了する(ステップS5)。ベルト28の幅方向の寄り抑制動作が終了すると、電子写真作像動作が開始される(ステップS6)。
【0056】
ステップS7において、電子写真作像動作が終了するまで、前記ステップS2〜S6が繰り返され、電子写真作像動作が終了すると、ステップS8において、プリント動作が終了するまで、前記ステップS2〜S7が繰り返される。ステップS8において、プリント動作が終了すると、ステップS9において、ベルト28の駆動が停止する。
【0057】
尚、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作を行うタイミングは、ステップS7の電子写真作像動作の終了後に行っても良い。
【0058】
次に制御部15により駆動されるモータ13によりボールネジ37が所定方向に回転し、受け台35がベルト28の幅方向に移動することで、一次転写部材10がベルト28の幅方向に移動する。これによって、ベルト28の幅方向の寄りが補正されるメカニズムについて説明する。
【0059】
図8は画像形成装置の一次転写部材10をベルト28の上面側から透視した様子を示しており、ベルト28の内周面に対する摺動抵抗が図8の左側よりも右側の方が大きくなるように一次転写部材10がベルト28の幅方向で図8の右側に移動している。
【0060】
次に、ベルト28が駆動ローラ14から受ける搬送力と、該ベルト28が一次転写部材10から受ける駆動ローラ14の搬送力に抗する制動力とを説明する。そのために、ベルト28上の幅方向に沿って引いた図8のA線上で受ける力を簡略化して図9を用いて説明する。
【0061】
図9(a)はベルト28の幅方向中央位置aに対して図8のベルト28の左側で受ける力と、右側で受ける力とを、それぞれ図9(a)に示す位置b1,b2で受ける力としてまとめたものである。図9(a)に示すベルト28の搬送力Fkは、該ベルト28が駆動ローラ14から受ける搬送力を表わしている。図9(a)に示す制動力Fb1,Fb2は、ベルト28が一次転写部材10から受ける摺動抵抗力を表している。
【0062】
図8に示すように、受け台35上に押圧バネ33によって支持された一次転写部材10は、制御部15により駆動されるモータ13によりボールネジ37が所定方向に回転する。そして、受け台35がベルト28の幅方向において図8の右方向に移動することで、一次転写部材10がベルト28の幅方向において図8の右側に移動する。
【0063】
このとき、図8に示すベルト28の幅方向中央位置aよりも左側で一次転写部材10がベルト28の内周面に接触する面積よりもベルト28の幅方向中央位置aよりも右側で一次転写部材10がベルト28の内周面に接触する面積の方が大きくなる。
【0064】
このため、図9(a)に示すように、押圧バネ33によりベルト28側に押圧される一次転写部材10が該ベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力はベルト28の幅方向において左右で異なる。即ち、図8及び図9(a)に示すベルト28の左側に作用する制動力Fb1よりも右側に作用する制動力Fb2の方が大きくなる(Fb1<Fb2)。
【0065】
従って、図9(b)に示すように、ベルト28が受ける力の位置b1において作用する搬送力の方が位置b2において作用する搬送力よりも{Fb2−Fb1}だけ大きくなる。
【0066】
これにより、ベルト28が受ける力の位置b2にベルト28の搬送力に抗する制動力をかけながら位置b1に位置b2よりも大きな搬送力が働く。そして、図9(b)に示す位置b2を支点とした差の搬送力{Fb2−Fb1}の回転モーメントが発生し、ベルト28は幅方向に図8の右側に移動しようとする。
【0067】
この差の搬送力{Fb2−Fb1}をベルト28のテンション左右差やベルト搬送ユニットのアライメントのズレから生じるベルト28の幅方向における寄り力Fcと打ち消し合わせることで、ベルト28の幅方向における寄り力Fcは補正される。
【0068】
上記構成により押圧バネ33を介して一次転写部材10が搭載された受け台35をベルト28の幅方向における寄り力Fcの方向と反対方向に移動する。
【0069】
これにより、ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で一次転写部材10がベルト28の内周面に接触する面積が異なる。そして、押圧バネ33によりベルト28側に押圧される一次転写部材10が該ベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力がベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で異なる。これにより、ベルト28の幅方向において一次転写部材10の位置を変化させることで該ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。
【0070】
本実施形態においてベルト寄り制御部15は、一次転写部材10をベルト28を挟んで感光ドラム1に押圧する際に、ロードセル38の検知結果に応じて、モータ13を回転駆動してボールネジ37を回転させる。これにより、受け台35をベルト28の幅方向に移動させる。これにより、ベルト28の搬送力に抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。
【0071】
本実施形態の作用効果を確認するためベルト28の幅方向に生じる寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdを測定した。
【0072】
図10はベルト28の幅方向中央位置aに対する一次転写部材10の幅方向(図11の左右方向)中央位置xのずれ量Δxと、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdとの関係を示す。図10の横軸上で正の値は図11(a)の一次転写部材10の幅方向中央位置xがベルト28の幅方向中央位置aよりも図11(a)の左側へのずれ量Δxを示す。図10の横軸上で負の値は図11(b)の一次転写部材10の幅方向中央位置xがベルト28の幅方向中央位置aよりも図11(b)の右側へのずれ量Δxを示す。図10の縦軸上で正の値は図11(a)の左側への寄り抑制力Fdを示す。図10の縦軸上で負の値は図11(b)の右側への寄り抑制力Fdを示す。
【0073】
また、ベルト28の幅方向の寄り力Fc及び該寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdの方向を図11(a),(b)に示す。ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdは、ずれ量Δxに比例して大きくなることが確認出来た。また、寄り抑制力Fdの向きは、図11に示すように、ベルト28の幅方向中央位置aから一次転写部材10の幅方向中央位置xに向かった方向であることが確認出来た。
【0074】
本実施形態では、ベルト寄り制御部15は、押圧手段となる押圧バネ33の押圧力によるベルト28の搬送力Fkに抗する制動力Fb1,Fb2を制御する。即ち、ベルト幅方向においてベルト28が寄る一端側に発生する力が、該一端側と反対側の他端側に発生する力よりも大きくなるように転写手段となる一次転写部材10を移動させることで、制動力Fb1,Fb2を制御する。
【0075】
本実施例によれば、一次転写部材10の位置をベルト28の幅方向に移動することで、該ベルト28が一次転写部材10から受ける摺動抵抗力を制御する。これにより、転写性能を良好に維持しながら、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制し、ベルト28の寄りを補正することが出来る。
【実施例2】
【0076】
次に、図12及び図13を用いて本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
前記実施形態ではベルト28の幅方向における寄り力Fcを検知する寄り検知手段として、図6に示すように、該ベルト28の内周面に設けられたリブ28aが嵌合された溝フランジ39がロードセル38に当接する。これにより、該ベルト28の幅方向の寄り力Fcを検知する。そして、ロードセル38の検知結果に応じて、制御部15がモータ13を回転駆動してボールネジ37を所定方向に回転し、一次転写部材10を搭載した受け台35をベルト28の幅方向に移動させた。
【0078】
本実施形態では、ボールネジ37とボールネジナット36の代わりに、長尺状のネジ歯車56と、該ネジ歯車56に噛合するネジ歯車57を使用して構成したものである。ネジ歯車57は該ネジ歯車56の軸方向(図12及び図13の左右方向)と直交する方向に軸方向が配置されている。そして、該ネジ歯車56に噛合するネジ歯車57を受け台35に固定された回転軸57aに回転自在に取り付けたものである。そして、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを利用して、長尺状のネジ歯車56を直接回転させる構成としたものである。
【0079】
これにより、前記実施形態に設けたロードセル38、制御部15、モータ13を省略して構成を簡略化し、前記第1実施形態と同様にベルト28の幅方向における寄り力Fcを補正することが出来る。尚、長尺状のネジ歯車56と該ネジ歯車56に噛合するネジ歯車57の代わりに、前記実施形態と同様に、ボールネジ37と該ボールネジ37に噛合するボールネジナット36を用いて構成することも出来る。
【0080】
図12及び図13に示すように、テンションローラ29の回転軸29a上で溝フランジ39の内側には該溝フランジ39と一体的に回転軸29aに対して回転自在で該回転軸29aに沿って移動自在な一対の第一ギア40が設けられている。また、ベルト搬送ユニットの図示しない装置フレームには、第一ギア40に対応した固定位置に一対の第二ギア41が回転自在に設けられている。
【0081】
更に図12及び図13の左右何れか一方には、ギア41と、長尺状の第一ネジ歯車56の回転軸56a(回転軸上)に固定された第三ギア42との間で該ギア41とギア42とに噛合する第二ギア52が設けられている。尚、本実施形態では、図12及び図13の右側のギア列のギア41とギア42との間にギア52を噛合させ、左側のギア列はギア41とギア42とが直接噛合する一例である。他に、図12及び図13の左側のギア列のギア41とギア42との間にギア52を噛合させ、右側のギア列はギア41とギア42とが直接噛合する構成であっても良い。
【0082】
即ち、本実施形態では、一対の第二ギア41はベルト28のベルト幅方向における寄りに対応して一対の第一ギア40の何れか一方に噛合可能で、且つ一方が正転方向、他方が第二ギア52を介して逆転方向に駆動力を伝達し得るように構成される。
【0083】
一対の第二ギア41の軸方向(図12及び図13の左右方向)における離間距離は、テンションローラ29の回転軸29a上に設けられた一対の第一ギア40の離間距離よりも小さくなるように設定されている。そして、図12に示すように、ベルト28の幅方向(図12の左右方向)に寄りが生じていない状態ではギア40とギア41とは互いに噛合しない状態に設定されている。
【0084】
また、第一ネジ歯車56の回転軸56aには一対の第三ギア42が固定されており、図12及び図13の左側のギア42はギア41に直接噛合され、図12及び図13の右側のギア42はギア52を介してギア41に噛合されている。駆動ローラ14によりベルト28が回転駆動されると、該ベルト28の内周面で両端部に設けられたリブ28aが嵌合する溝フランジ39が該リブ28aの力を受けて該溝フランジ39及びギア40が一体的に回転する。
【0085】
図13(a)に示すように、ベルト28に該ベルト28の幅方向において図13(a)の右方向に寄り力Fcが発生する。そうすると、該ベルト28の幅方向における寄り力Fcを溝フランジ39が受けて該溝フランジ39とギア40とが一体的にテンションローラ29の回転軸29aに沿って図13(a)の右方向に移動する。
【0086】
図13(a)の左側に配置されたギア40が図13(a)の左側に配置されたギア41に噛合する位置まで移動すると、該ギア40がギア41に噛合する。ギア40の回転はギア41を介してネジ歯車56の回転軸56aに固定されたギア42に伝達され、該ネジ歯車56が所定方向に回転する。ネジ歯車56に噛合された第二ネジ歯車57が移動手段となる受け台35に固定された回転軸57aに回転自在に軸支される。そして、第二ネジ歯車57は回転軸57aを中心に回転しつつ該ネジ歯車56の軸方向に沿って図13(a)の左方向に移動する。これに伴い、受け台35がベルト28の幅方向において図13(a)の左方向に移動する。
【0087】
これにより、押圧バネ33によりベルト28の内周面に押圧される一次転写部材10が該ベルト28の内周面に接触する面積が、ベルト28の幅方向中央位置aに対して図13(a)の左側が大きく、右側が小さくなる。これにより、一次転写部材10がベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力がベルト28の幅方向中央位置aに対して図13(a)の左側が大きく、右側が小さくなる。これにより、ベルト28の幅方向において図13(a)の左方向にベルト28の幅方向における寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdが作用して該ベルト28の寄りが抑制される。
【0088】
また、図13(b)に示すように、ベルト28に該ベルト28の幅方向において図13(b)の左方向に寄り力Fcが発生する。そうすると、該ベルト28の幅方向における寄り力Fcを溝フランジ39が受けて該溝フランジ39とギア40とが一体的にテンションローラ29の回転軸29aに沿って図13(b)の左方向に移動する。
【0089】
図13(b)の右側に配置されたギア40が図13(b)の右側に配置されたギア41に噛合する位置まで移動すると、該ギア40がギア41に噛合する。ギア40の回転はギア41及びギア52を介してネジ歯車56の回転軸56aに固定されたギア42に伝達され、該ネジ歯車56が図13(a)とは反対方向に回転する。ネジ歯車56に噛合されたネジ歯車57が受け台35に固定された回転軸57aを中心に回転しつつ該ネジ歯車56の軸方向に沿って図13(b)の右方向に移動する。これに伴い、受け台35がベルト28の幅方向において図13(b)の右方向に移動する。
【0090】
これにより、押圧バネ33によりベルト28の内周面に押圧される一次転写部材10が該ベルト28の内周面に接触する面積が、ベルト28の幅方向中央位置aに対して図13(b)の右側が大きく、左側が小さくなる。これにより、一次転写部材10がベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力がベルト28の幅方向中央位置aに対して図13(b)の右側が大きく、左側が小さくなる。これにより、ベルト28の幅方向において図13(b)の右方向にベルト28の幅方向における寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdが作用して該ベルト28の寄りが抑制される。
【0091】
即ち、本実施形態では、ベルト28のベルト幅方向における寄りに対応して、一対の第一ギア40と、一対の第二ギア41とが選択的に噛合される。そして、第一ギア40、第二ギア41,52、第三ギア42、及び第一ネジ歯車56、第二ネジ歯車57の噛合による駆動伝達によりベルト28のベルト幅方向における寄り方向とは反対方向に一次転写部材10を移動させる。
【0092】
上記構成により、本実施形態では、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを利用して、ギア40,41,52,42を介して長尺状のネジ歯車56を直接回転させることが出来る。これにより、構成が簡単で、前記第1実施形態のようなロードセル38、ベルト寄り制御部15、モータ13を省略することが出来る。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例3】
【0093】
次に、図14を用いて本発明に係る画像形成装置の第3実施形態について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
前記第1実施形態では、一次転写部材10をベルト28を挟んで感光ドラム1に押圧する。その際に、ベルト寄り制御部15は、ベルト28の幅方向における寄り力Fcを検知する寄り検知手段となるロードセル38の検知結果に応じてモータ13を回転駆動してボールネジ37を回転させる。
【0095】
これにより、受け台35をベルト28の幅方向に移動させる。これにより、ベルト28の搬送力に抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する構成とした。
【0096】
本実施形態では、図14に示すように、ベルト28の幅方向における該ベルト28の端部位置を検知する寄り検知手段となるフォトセンサ43が設けられる。フォトセンサ43はベルト28の内外周面側にそれぞれ発光部と受光部が設けられ、ベルト28が幅方向に寄って発光部から受光部への透過光を遮断したときにベルト28の幅方向端部の通過を検知する構成とすることが出来る。
【0097】
一次転写部材10をベルト28を挟んで感光ドラム1に押圧する。その際に、ベルト寄り制御部15は、ベルト28の幅方向における該ベルト28の端部位置を検知する寄り検知手段となるフォトセンサ43の検知結果に応じてモータ13を回転駆動してボールネジ37を回転させる。
【0098】
これにより、受け台35をベルト28の幅方向に移動させる。これにより、ベルト28の搬送力に抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例4】
【0099】
次に、図15〜図18を用いて本発明に係る画像形成装置の第4実施形態について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
前記各実施形態では、ベルト28の内周面に当接摺動する一次転写部材10のベルト28の幅方向における位置を移動させる。これにより、該ベルト28の搬送力に抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する構成とした。
【0101】
本実施形態では、ベルト28の内周面に対して一次転写部材10を押圧する押圧バネ33の押圧力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる押圧力を付与する。これにより、ベルト28の駆動ローラ14による搬送力に抗する一次転写部材10がベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して左右で異なる制動力を付与する。
【0102】
本実施形態における画像形成装置、寄り検知手段となるロードセル38、或いはフォトセンサ43は前記各実施形態と同様の構成を採用するため重複する説明を省略する。尚、画像形成装置は図1に示し、各寄り検知手段は図6、図14に示す。
【0103】
図15に本実施形態の一次転写部材10の構成を示す。本実施形態の一次転写部材10は、前記各実施形態と同様に、断面L字形状の支持部材32に弾性部材31が固定され、該弾性部材31上にシート支持部材34により支持された導電性樹脂からなるシート部材30が設けられている。弾性部材31はシート部材30をベルト28の内周面に押圧する。
【0104】
支持部材32の下面にはベルト28のベルト幅方向における両側で転写手段となる一次転写部材10をベルト28に向って互いに独立して押圧する左右一対の押圧バネ33a,33bの一端部が固定されている。該押圧バネ33aの他端部にはカム部材45のカム面45aに当接する受け台44aが設けられている。カム部材45は、ベルト寄り制御部15により制御されるモータ13によりカムシャフト45bが回転駆動されて回転する。一方、押圧バネ33bの他端部は図示しない装置フレームに固定された受け台44bに固定されている。
【0105】
押圧バネ33a,33bは、弾性部材31を介してシート部材30をベルト28の内周面に押圧密着させる。また、図16に示すように、カムシャフト45bを回転中心として、カム部材45が図16の矢印方向に回転することで、図18(a),(b)に示すように、該カム部材45のカム面45aに当接する受け台44aの高さ位置が変動する。これにより、押圧バネ33aの圧縮長さを変えることが出来、一次転写部材10をベルト28を挟んで感光ドラム1に押圧する際に該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して図18の右側の押圧力を変化させることが出来る。
【0106】
ベルト寄り制御部15は図6に示して前述した寄り検知手段となるロードセル38、或いは図14に示して前述したフォトセンサ43の検知結果に応じてモータ13を制御してカムシャフト45bを回転駆動し、押圧バネ33aの圧縮長さを変える。
【0107】
これにより、ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して図18の左右で異なる押圧力を付与する。これにより、ベルト28の駆動ローラ14による搬送力に抗する一次転写部材10がベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力を付与することが出来る。
【0108】
ベルト28の幅方向の寄り抑制動作が行われるタイミングは前記第1実施形態と同様である。カム部材45は、図7に示して前述したフローチャートに従って作動する。図7のステップS1においてベルト28の回転駆動が開始すると、例えば、図6に示して前述した寄り検知手段となるロードセル38によってベルト28の幅方向の寄り力Fcの検知を行う(ステップS2)。
【0109】
ステップS2において、ロードセル38によって検知されたベルト28の幅方向の寄り力Fcの大きさが閾値として設定された3.0Nを超える。そうすると、ステップS3に進んで制御部15はロードセル38によって検知された検知結果に応じてモータ13を制御してカムシャフト45bを介してカム部材45を所定の角度回転し、押圧バネ33aの圧縮長さを変える。
【0110】
このように、ベルト28の幅方向中央位置aに対して図18の左右で一次転写部材10をベルト28の内周面に押圧する際の押圧力の差をつける。これにより、一次転写部材10がベルト28の内周面に当接摺動する際の摺動抵抗力による制動力をベルト28の幅方向中央位置aに対して図18の左右で異なる制動力を付与することが出来る。
【0111】
これにより、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作が行われる(ステップS3)。また、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作はロードセル38によってベルト28の幅方向の寄り力Fcを検知しながら行われ、ベルト28の幅方向の寄り力Fcの大きさが予め閾値として設定された3.0N以下になるまで行われる(ステップS3、S4)。
【0112】
ベルト28の幅方向の寄り力Fcが閾値の3.0N以下になると、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作は終了する(ステップS5)。ベルト28の幅方向の寄り抑制動作が終了すると電子写真作像動作が開始される(ステップS6)。他のステップS7〜S9は前記第1実施形態で説明したものと同様であるので省略する。尚、ベルト28の幅方向の寄り抑制動作を行うタイミングは電子写真作像動作終了後に行っても良い。
【0113】
本実施形態のベルト28の幅方向の寄り抑制動作のメカニズムは次の通りである。一次転写部材10をベルト28を介して感光ドラム1に押圧する際の押圧力が該ベルト28の幅方向において該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向中央位置aに対して図18の左右で異なる押圧力を付与する。
【0114】
一次転写部材10をベルト28を介して感光ドラム1に押圧する際の押圧力が大きい方が一次転写部材10とベルト28の内周面との密着力が高く、摺動抵抗が大きい。
【0115】
このため、前記各実施形態と同様な原理によりベルト28の幅方向の寄り力Fcを打ち消し合うように一次転写部材10をベルト28を介して感光ドラム1に押圧する際の押圧力をベルト28の幅方向中央位置aに対して図18の左右で異なる押圧力に設定する。これにより、ベルト28の幅方向の寄りは補正される。
【0116】
本実施形態ではベルト28の幅方向の寄りを検知する寄り検知手段として、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを寄り検知手段となるロードセル38によって検知する。その検知結果に応じて、ベルト寄り制御部15がモータ13を制御してカム部材45を所定角度に回転させて押圧バネ33aの圧縮長さを変えて該押圧バネ33aによる押圧力を変化させている。
【0117】
他にも、ベルト28の幅方向の端部位置や、ベルト28の幅方向の寄り速度を、寄り検知手段或いは寄り速度検知手段となるフォトセンサ43等を用いて検知する。その検知結果に応じて、ベルト寄り制御部15がモータ13を制御してカム部材45を所定角度に回転させて押圧バネ33aの圧縮長さを変えて該押圧バネ33aによる押圧力を変化させても良い。
【0118】
尚、フォトセンサ43はベルト28の内外周面側にそれぞれ発光部と受光部を有し、ベルト28が幅方向に寄って発光部から受光部への透過光を遮断したときにベルト28の幅方向端部の通過を検知する構成とすることが出来る。ベルト28の幅方向端部の通過時間を図示しないタイマーにより測定することでベルト28の幅方向の寄り速度を検知することが出来る。
【0119】
本実施形態の作用効果を確認するためにベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdを測定した。
【0120】
図17は押圧バネ33a,33bによる押圧力の左右差Δpと、ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdとの関係を示す。
【0121】
図17の横軸上で正の値は図18(b)のベルト28の幅方向中央位置aよりも図18(b)の右側に配置された押圧バネ33aによる押圧力が左側に配置された押圧バネ33bによる押圧力よりも大きい場合の押圧力の左右差Δpを示す。
【0122】
図17の横軸上で負の値は図18(a)のベルト28の幅方向中央位置aよりも図18(a)の左側に配置された押圧バネ33bによる押圧力が右側に配置された押圧バネ33aによる押圧力よりも大きい場合の押圧力の左右差Δpを示す。
【0123】
図17の縦軸上で正の値はベルト28が幅方向に図18(b)の右側への寄り抑制力Fdを示す。図17の縦軸上で負の値はベルト28が幅方向に図18(a)の左側への寄り抑制力Fdを示す。
【0124】
図17によれば押圧バネ33a,33bによる押圧力の左右差Δpの大きさに比例してベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制する寄り抑制力Fdは大きくなる。そして、寄り抑制力Fdの向きは、図18に示すように、押圧バネ33a,33bによる押圧力が大きい方向に向いていることが確認出来た。
【0125】
本実施形態によれば、ベルト28を介して一次転写部材10を感光ドラム1に押圧する押圧力を、該ベルト28の移動方向と直交する幅方向において、ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右の少なくとも一方の押圧力を可変とする。そして、該ベルト28が一次転写部材10から受ける摺動抵抗力を制御する。
【0126】
ベルト寄り制御部15は、寄り検知手段により検知されたベルト28のベルト幅方向における寄りに対応して、ベルト28のベルト幅方向における寄り方向側の押圧バネ33a,33bによる一次転写部材10のベルト28に対する押圧力を大きくする。
【0127】
これにより、転写性能を良好に維持しながら、該ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制し、ベルト28の寄りを補正することが出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例5】
【0128】
次に、図19〜図21を用いて本発明に係る画像形成装置の第5実施形態について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0129】
前記各実施形態では、ベルト28の移動方向と直交する幅方向に一次転写部材10の位置を変化させる。或いは、ベルト28を介して一次転写部材10を感光ドラム1に押圧する押圧力を、該ベルト28の移動方向と直交する幅方向において、該ベルト28の幅方向中央位置aに対して左右の押圧力を変化させる。これにより該ベルト28の幅方向の寄り力Fcを抑制し、ベルト28の寄りを補正した。
【0130】
本実施形態では、図20に示すように、ベルト28の内周面側で図20の左右両側にそれぞれ導電性の静電吸着手段となる静電吸着部材46が設けられ、該静電吸着部材46に電圧を印加する電圧印加手段となる電源23が設けられる。電源23はベルト寄り制御部15により制御される。
【0131】
そして、ベルト寄り制御部15は、ベルト28の幅方向における寄り力Fcを検知する寄り検知手段となるロードセル38の検知結果に応じて電源23を制御する。そして、ベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で静電吸着部材46に異なる電圧を印加する。
【0132】
或いは、該ベルト28の幅方向における該ベルト28の位置を検知する寄り検知手段となるフォトセンサ43のそれぞれの検知結果に応じて電源23を制御する。そして、ベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で静電吸着部材46に異なる電圧を印加する。
【0133】
これによりベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で異なる静電吸着力を付与し、該ベルト28の搬送力Fkに抗する制動力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で異なる制動力を付与する。
【0134】
本実施形態では、ベルト28に接する導電性の固定部材としての静電吸着部材46に電圧を印加する。これにより、ベルト28と静電吸着部材46との間に静電吸着力を発生させる。そして、静電吸着部材46による静電吸着力をベルト28の搬送方向と直交する幅方向において左右非対称にすることで、摺動抵抗差を生じさせる。
【0135】
本実施形態における画像形成装置は図1に示して前述した第1実施形態と同様に構成される。また、本実施形態で使用する一次転写部材10は図2及び図3に示して前述した第1実施形態と同様に構成される。一次転写部材10は、前述したように、シート部材30、弾性部材31、支持部材32、シート支持部材34、押圧バネ33等を有して構成される。押圧バネ33は、弾性部材31を介してシート部材30をベルト28の内周面に押圧密着させる。
【0136】
図19はベルト28の内周面に接する静電吸着部材46を示している。図19に示すように、支持部材49上に弾性部材48が固定され、該弾性部材48上に可撓性を有する導電性樹脂シートからなるシート部材47が支持部材49の左右両側に設けられたシート支持部材50により支持されている。支持部材49は図示しない支持部材に取り付けられた押圧バネ51によりベルト28の内周面に対して押圧されている。シート部材47はベルト28と弾性部材48との間に挟持される。
【0137】
弾性部材48は、絶縁体からなるウレタン発泡スポンジ状の弾性体を肉厚2mm、幅6mm、長さ200mmの略直方体形状にしたものを用いている。硬度はアスカー C 4.9N(500gf)で30°である。
【0138】
本実施形態では、弾性部材48として発泡ウレタンを用いている。しかし、エピクロルヒドリンゴム、NBR(nitril-butadiene rubber;ニトリルブタジエンゴム)等のゴム材料を用いても良い。また、EPDM(Ethylene Propylene Diene Terpolymer;エチレン・プロピレン・ジエンゴム)等のゴム材料を用いても良い。
【0139】
シート部材47は、体積抵抗率が50V印加で1×106Ω・cmであり、導電性樹脂シートを用いている。本実施形態では、シート部材47として酢酸ビニルシートを用いている。しかし、ポリカーボネイト(Polycarbonate;PC)、ポリフッ化ビニリデン (PolyVinylidene DiFluoride;Pvdf)等のシートを用いても良い。また、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate;PET)、ポリイミド(polyimide;PI)等のシートを用いても良い。また、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ポリアミド(polyamide;PA)等のシートを用いても良い。
【0140】
また、シート部材47には、電源23が接続され、電圧を印加することが出来る。シート部材47に電圧を印加することによって、静電吸着部材46はチャージアップして静電吸着力が発生し、該静電吸着部材46とベルト28との密着力が増大する。
【0141】
図20に静電吸着部材46の配設位置を示す。図20は画像形成装置の一次転写部材10と静電吸着部材46をベルト28の上面側から透視した様子を示しており、静電吸着部材46は、一次転写部材10の左右両側にベルト28の搬送方向が長手方向となるように配設されている。
【0142】
図21に本実施形態における、静電吸着部材46への印加電圧と静電吸着力との関係を示す。図21の横軸は印加電圧、縦軸は静電吸着力を表しており、静電吸着部材46とベルト28との密着力は静電吸着部材46への印加電圧の大きさに比例して大きくなることが分かる。
【0143】
また、静電吸着部材46の静電吸着力の制御によるベルト28の寄り抑制動作が行われるタイミングは図7に示して前述した第1実施形態と同様である。即ち、図7のステップS1において、ベルト28の回転駆動が開始すると、例えば、寄り検知手段となるロードセル38によって寄り力の検知を行う(ステップS2)。
【0144】
ステップS2において、ロードセル38によって検知した寄り力の大きさが、例えば、予め設定された閾値の3.0Nを超える。すると、ステップS3において、検出した側のロードセル38と反対側に配置された静電吸着部材46に電圧が印加される。そして、該静電吸着部材46に静電吸着力が発生し、該静電吸着部材46とベルト28との密着力が増大し、図11に示して前述したように寄り抑制力Fdが作用してベルト28の寄り制御動作が開始する。
【0145】
ベルト28と静電吸着部材46との密着力を該ベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で差をつけることで、該ベルト28の寄り抑制動作が行われる。また、ベルト28の寄り抑制動作はベルト28の幅方向における寄り力Fcを検知しながら行われ、ベルト28の幅方向の寄り力Fcの大きさが閾値の3.0N以下になるまで行われる(ステップS3、S4)。
【0146】
ベルト28の幅方向における寄り力Fcが予め設定した閾値の3.0N以下になると、ベルト28の寄り抑制動作は終了する(ステップS5)。ベルト28の寄り抑制動作が終了すると電子写真作像動作が開始される(ステップ6)。また、ベルト28の寄り抑制動作を行うタイミングはステップS7に示す電子写真作像動作終了後に行っても良い。
【0147】
本実施形態のベルト28の寄り抑制動作のメカニズムは次の通りである。静電吸着部材46とベルト28との密着力をベルト28の幅方向の中央に対して左右で異なる密着力が作用するように制御する。それ以外は、前記各実施形態と同様である。ベルト28の幅方向において摺動抵抗差を付けることで、ベルト28の幅方向の寄り力Fcと打ち消しあう寄り抑制力Fdを発生させる。
【0148】
尚、本実施形態ではベルト28の寄りを検知する手段として、該ベルト28の幅方向の寄り力Fcをロードセル38によって検知し、その検知結果に応じて静電吸着部材46に電圧を印加している。しかし、ベルト28の幅方向端部の位置をフォトセンサ43により検知して、該ベルト28の幅方向端部の位置に基づいて静電吸着部材46に電圧を印加しても良い。
【0149】
本実施形態では、電源23による印加電圧によって静電吸着部材46とベルト28との密着力を制御することが出来る。そして、ベルト28に対する静電吸着部材46の静電吸着力を、該ベルト28の幅方向における中央に対して左右で差をつけることで、摺動抵抗差を生じさせることが可能となり、ベルト28の寄り規制効果が期待出来る。
【0150】
即ち、本実施形態では、ベルト28のベルト幅方向における両側で該ベルト28との間で吸着力を作用させる吸着手段となる静電吸着部材46を有する。ベルト寄り制御部15は、寄り検知手段により検知されたベルト28のベルト幅方向における寄りに対応して、ベルト28のベルト幅方向における寄り方向側の静電吸着部材46によるベルト28に対する吸着力を大きくする。
【0151】
他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【実施例6】
【0152】
次に、図22を用いて本発明に係る画像形成装置の第6実施形態について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。前記各実施形態では、ベルト28が中間転写ベルトとして構成された場合の一例を示した。本実施形態では、ベルト28が記録材搬送ベルトとして構成された場合の一例である。
【0153】
図22に示す画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体となる感光ドラム1上に形成したトナー画像を、その感光ドラム1と対向して周回移動可能なベルト28上に担持されて搬送される記録材6に転写する。その後、トナー画像が転写された記録材6をベルト28から分離して、トナー画像を記録材6上に定着させて記録画像を得る。
【0154】
図22の画像形成装置は、複数の画像形成手段として、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー画像を形成する各画像形成ユニット54a,54b,54c,54dを有する。各画像形成ユニット54は各感光ドラム1上(像担持体上)に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する。
【0155】
各画像形成ユニット54において感光ドラム1上にトナー画像を形成するプロセスは、前記各実施形態で説明したものと同様である。このため前記各実施形態の画像形成装置と同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0156】
本実施形態においても、ベルト28は感光ドラム1に対向して配置される。静電潜像が形成される感光ドラム1の周囲には、該感光ドラム1上に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する画像形成手段が設けられる。
【0157】
画像形成手段としては、感光ドラム1の表面を一様に帯電する帯電器55a,55b,55c,55dを有する。更に、一様に帯電された感光ドラム1の表面に画像情報に応じたレーザ光を照射する図示しない露光装置を有する。更に、該露光装置により露光されて形成された静電潜像にトナーを供給してトナー画像を現像する現像ユニット8a,8b,8c,8dを有する。
【0158】
更に、該現像ユニット8により感光ドラム1の表面に形成されたトナー画像をベルト28上に担持されて搬送される記録材6に転写する転写手段となる転写部材10を有する。更に、記録材6にトナー画像を転写した後の感光ドラム1の表面に残留したトナーを掻き取って回収するクリーニングユニット3a,3b,3c,3dを有する。
【0159】
各画像形成ユニット54における感光ドラム1上へのトナー画像の形成と同期するように、図示しない記録材供給ユニットから記録材6が送り出される。そして、感光ドラム1に対向して配置されるベルト28上に供給される。そして、各感光ドラム1上に形成された各色のトナー画像が、ベルト28を介して各感光ドラム1に対向して配置された転写部材10の作用によって、ベルト28により搬送される記録材6上に順次転写される。
【0160】
この転写工程が終了すると、記録材6は、ベルト28から分離されて図示しない定着手段となる定着装置に搬送され、ここで、未定着トナー画像の定着処理を受けた後、機外に排出される。
【0161】
このように、記録材担持体として用いられるベルト28を備える画像形成装置にも前記各実施形態で説明した各構成を適用する。これにより、ベルト28の搬送方向と直交する幅方向の中央に対して左右で異なる制動力を付与することでベルト28の寄り規制効果が期待出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得るものである。
【符号の説明】
【0162】
1,1a,1b,1c,1d …感光ドラム(像担持体)
10,10a,10b,10c,10d …一次転写部材(転写手段)
15 …ベルト寄り制御部(ベルト寄り制御手段)
28 …ベルト
33,33a,33b …押圧バネ(押圧手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、
前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、
前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、
前記転写手段を前記ベルトに向って押圧する押圧手段と、
前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御手段と、
を有する画像形成装置において、
前記ベルト寄り制御手段は、前記押圧手段の押圧力による前記ベルトの搬送力に抗する制動力が、前記ベルト幅方向において前記ベルトが寄る一端側に発生する力が、前記一端側と反対側の他端側に発生する力よりも大きくなるように、前記転写手段を移動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写手段を前記ベルトの搬送方向と直交するベルト幅方向に移動させる移動手段と、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りを検知する寄り検知手段と、
を有し、
前記ベルト寄り制御手段は、前記寄り検知手段の検知結果に応じて、前記移動手段により前記ベルト幅方向において前記転写手段の位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、
前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りを検知する寄り検知手段と、
前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、
前記転写手段を前記ベルトの搬送方向と直交するベルト幅方向に移動させる移動手段と、
前記転写手段を前記ベルトに向って押圧する押圧手段と、
前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御手段と、
を有し、
前記ベルト寄り制御手段は、前記寄り検知手段により検知された前記ベルトのベルト幅方向における寄りに対応して、前記ベルトのベルト幅方向における寄り方向とは反対方向に前記転写手段を移動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、
前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、
前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、
前記転写手段を前記ベルトの搬送方向と直交するベルト幅方向に移動させる移動手段と、
前記転写手段を前記ベルトに向って押圧する押圧手段と、
前記支持ローラの回転軸に固定され、前記ベルトのベルト幅方向における寄りと一体的に該ベルトのベルト幅方向における寄り方向に移動し得る一対の第一ギアと、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りに対応して前記第一ギアの何れか一方に噛合可能で、且つ一方が正転方向、他方が逆転方向に駆動力を伝達し得る一対の第二ギアと、
前記第二ギアに噛合される一対の第三ギアと、
前記第三ギアの回転軸上に設けられた長尺状の第一ネジ歯車と、
前記移動手段に回転自在に軸支され、前記第一ネジ歯車に噛合する第二ネジ歯車と、
を有し、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りに対応して、前記一対の第一ギアと、前記一対の第二ギアとが選択的に噛合され、前記第一〜第三ギア、及び前記第一、第二ネジ歯車の噛合による駆動伝達により前記ベルトのベルト幅方向における寄り方向とは反対方向に前記転写手段を移動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、
前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りを検知する寄り検知手段と、
前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、
前記ベルトのベルト幅方向における両側で前記転写手段を前記ベルトに向って互いに独立して押圧する一対の押圧手段と、
前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御手段と、
を有し、
前記ベルト寄り制御手段は、前記寄り検知手段により検知された前記ベルトのベルト幅方向における寄りに対応して、前記ベルトのベルト幅方向における寄り方向側の前記押圧手段による前記転写手段の前記ベルトに対する押圧力を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、
前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りを検知する寄り検知手段と、
前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、
前記転写手段を前記ベルトに向って押圧する押圧手段と、
前記ベルトのベルト幅方向における両側で前記ベルトとの間で吸着力を作用させる吸着手段と、
前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御手段と、
を有し、
前記ベルト寄り制御手段は、前記寄り検知手段により検知された前記ベルトのベルト幅方向における寄りに対応して、前記ベルトのベルト幅方向における寄り方向側の前記吸着手段による前記ベルトに対する吸着力を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記寄り検知手段は、前記ベルトの寄り力を検知することを特徴とする請求項1〜3、5、6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記寄り検知手段は、前記ベルトの幅方向における前記ベルトの位置を検知することを特徴とする請求項1〜3、5、6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、
前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、
前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、
前記転写手段を前記ベルトに向って押圧する押圧手段と、
前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御手段と、
を有する画像形成装置において、
前記ベルト寄り制御手段は、前記押圧手段の押圧力による前記ベルトの搬送力に抗する制動力が、前記ベルト幅方向において前記ベルトが寄る一端側に発生する力が、前記一端側と反対側の他端側に発生する力よりも大きくなるように、前記転写手段を移動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写手段を前記ベルトの搬送方向と直交するベルト幅方向に移動させる移動手段と、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りを検知する寄り検知手段と、
を有し、
前記ベルト寄り制御手段は、前記寄り検知手段の検知結果に応じて、前記移動手段により前記ベルト幅方向において前記転写手段の位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、
前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りを検知する寄り検知手段と、
前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、
前記転写手段を前記ベルトの搬送方向と直交するベルト幅方向に移動させる移動手段と、
前記転写手段を前記ベルトに向って押圧する押圧手段と、
前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御手段と、
を有し、
前記ベルト寄り制御手段は、前記寄り検知手段により検知された前記ベルトのベルト幅方向における寄りに対応して、前記ベルトのベルト幅方向における寄り方向とは反対方向に前記転写手段を移動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、
前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、
前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、
前記転写手段を前記ベルトの搬送方向と直交するベルト幅方向に移動させる移動手段と、
前記転写手段を前記ベルトに向って押圧する押圧手段と、
前記支持ローラの回転軸に固定され、前記ベルトのベルト幅方向における寄りと一体的に該ベルトのベルト幅方向における寄り方向に移動し得る一対の第一ギアと、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りに対応して前記第一ギアの何れか一方に噛合可能で、且つ一方が正転方向、他方が逆転方向に駆動力を伝達し得る一対の第二ギアと、
前記第二ギアに噛合される一対の第三ギアと、
前記第三ギアの回転軸上に設けられた長尺状の第一ネジ歯車と、
前記移動手段に回転自在に軸支され、前記第一ネジ歯車に噛合する第二ネジ歯車と、
を有し、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りに対応して、前記一対の第一ギアと、前記一対の第二ギアとが選択的に噛合され、前記第一〜第三ギア、及び前記第一、第二ネジ歯車の噛合による駆動伝達により前記ベルトのベルト幅方向における寄り方向とは反対方向に前記転写手段を移動させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、
前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りを検知する寄り検知手段と、
前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、
前記ベルトのベルト幅方向における両側で前記転写手段を前記ベルトに向って互いに独立して押圧する一対の押圧手段と、
前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御手段と、
を有し、
前記ベルト寄り制御手段は、前記寄り検知手段により検知された前記ベルトのベルト幅方向における寄りに対応して、前記ベルトのベルト幅方向における寄り方向側の前記押圧手段による前記転写手段の前記ベルトに対する押圧力を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
トナー画像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向して回転移動する無端状のベルトと、
前記ベルトを支持する複数の支持ローラと、
前記ベルトのベルト幅方向における寄りを検知する寄り検知手段と、
前記無端状のベルトの内周面に接触し、前記像担持体から前記ベルトに向ってトナー画像を転写するための転写手段と、
前記転写手段を前記ベルトに向って押圧する押圧手段と、
前記ベルトのベルト幅方向における両側で前記ベルトとの間で吸着力を作用させる吸着手段と、
前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向に移動するベルト寄りを制御するベルト寄り制御手段と、
を有し、
前記ベルト寄り制御手段は、前記寄り検知手段により検知された前記ベルトのベルト幅方向における寄りに対応して、前記ベルトのベルト幅方向における寄り方向側の前記吸着手段による前記ベルトに対する吸着力を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記寄り検知手段は、前記ベルトの寄り力を検知することを特徴とする請求項1〜3、5、6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記寄り検知手段は、前記ベルトの幅方向における前記ベルトの位置を検知することを特徴とする請求項1〜3、5、6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−92599(P2013−92599A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233653(P2011−233653)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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