画像形成装置
【課題】印刷物の紛失時に確認作業が容易である画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、印刷ジョブを実行して印刷物を生成する画像形成部14と、画像形成部14が生成した各印刷物を順に蓄積し、蓄積した印刷物が取り出し自在である排紙部16と、画像形成部14が実行した各印刷ジョブと、ネットワークを介して接続され各印刷ジョブの実行を指示した端末2−1〜2−N,6の情報と、を関連付けて記憶する記憶部18と、記憶部18が記憶する各印刷ジョブの履歴を第1表示内容として表示する表示部10と、表示部10に表示された各印刷ジョブの履歴から、任意の印刷ジョブの選択を受け付ける操作部11と、操作部11が選択を受け付けた任意の印刷ジョブに対応する端末の情報を記憶部18から読み出し、その端末を使用して任意の印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先に、所定のメッセージを送信する制御部20,21と、を備えている。
【解決手段】画像形成装置1は、印刷ジョブを実行して印刷物を生成する画像形成部14と、画像形成部14が生成した各印刷物を順に蓄積し、蓄積した印刷物が取り出し自在である排紙部16と、画像形成部14が実行した各印刷ジョブと、ネットワークを介して接続され各印刷ジョブの実行を指示した端末2−1〜2−N,6の情報と、を関連付けて記憶する記憶部18と、記憶部18が記憶する各印刷ジョブの履歴を第1表示内容として表示する表示部10と、表示部10に表示された各印刷ジョブの履歴から、任意の印刷ジョブの選択を受け付ける操作部11と、操作部11が選択を受け付けた任意の印刷ジョブに対応する端末の情報を記憶部18から読み出し、その端末を使用して任意の印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先に、所定のメッセージを送信する制御部20,21と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排紙部から印刷物が紛失した時に、過去に実行した印刷ジョブの履歴を表示する表示部を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスでは、コストや設置面積を抑制するために、画像形成装置を複数のユーザにより共用することが多い。このような画像形成装置は、複数のユーザの印刷ジョブを連続して実行したときなどに、複数のユーザの印刷物を排紙トレイに蓄積する。
【0003】
しかし、複数のユーザの印刷物が排紙トレイに蓄積されると、ユーザが誤って他のユーザの印刷物を自分の印刷物と一緒に持ち去ってしまい、排紙トレイから印刷物が紛失することがある。このとき、印刷物を紛失したユーザは、印刷物を見つけるために他のユーザに確認しなければならず、作業が煩雑であるという問題があった。
【0004】
そこで、他のユーザによる印刷物の持ち去りを防止できる画像形成装置が提案されている(特許文献1参照。)。この画像形成装置は、カバー付きボックスを排紙部に備えており、ユーザは印刷物を排出するボックスを指定できる。また、ボックスのカバーは、パスワードによりロックできる。したがって、ユーザ毎に印刷物の排出先を指定することで、他のユーザの印刷物が混在することなく、パスワードを設定したユーザだけが印刷物を取り出すことができる。これにより、印刷物の紛失を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−239720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、印刷物の紛失は防止できるが、従来の画像形成装置において問題であった、印刷物の紛失時に画像形成装置のユーザへの確認作業が煩雑であるという課題を解消できていない。また、特許文献1に記載の画像形成装置では、本体の側面に、共用するユーザの人数分のカバー付きボックスを設ける必要がある。そのため、装置が大型化して、設置面積が増大するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、印刷物の紛失時に画像形成装置のユーザへの確認作業が容易であり、また、装置が大型化することのない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の画像形成装置は、画像形成部と、排紙部と、記憶部と、表示部と、操作部と、制御部と、を備えている。画像形成部は、複数のユーザから指令された各印刷ジョブを実行して、各印刷ジョブの印刷物を生成する。排紙部は、画像形成部が生成した各印刷物を順に蓄積し、蓄積した印刷物が取り出し自在である。記憶部は、画像形成部が実行した各印刷ジョブと、ネットワークを介して接続され各印刷ジョブの実行を指示した端末の情報と、を関連付けて記憶する。表示部は、記憶部が記憶する各印刷ジョブの履歴を第1表示内容として表示する。操作部は、表示部に表示された各印刷ジョブの履歴から、任意の印刷ジョブの選択を受け付ける。制御部は、操作部が選択を受け付けた任意の印刷ジョブに対応する端末の情報を記憶部から読み出して、その端末を使用して任意の印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先を宛先として、所定のメッセージを送信する。
【0009】
この構成では、ユーザが操作部を操作して、表示部に表示された印刷ジョブの履歴から印刷ジョブを選択すると、選択した印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先に、所定のメッセージを送信できる。これにより、排紙部に蓄積された印刷物が正しく取り出されておらず、あるユーザの印刷物が紛失した場合に、操作部を操作して、印刷物を持ち去った可能性があるユーザが実行した印刷ジョブを選択することで、印刷物について確認することができる。したがって、印刷物の紛失時に、画像形成装置を使用する他のユーザに対して確認作業を容易に行うことができる。また、この構成では、画像形成装置にカバー付きボックス装置などを設ける必要がないので、装置が大型化することがない。
【0010】
上記発明において、ユーザの連絡先を宛先として送信する所定のメッセージは、排紙部から印刷物が正しく取り出されたか否かを確認する第1メッセージを含んでいる。
【0011】
この構成では、排紙部から印刷物が紛失した場合に、排紙部から印刷物が正しく取り出されたか否かを確認するメッセージを送信することで、メッセージを受信したユーザに、紛失した印刷物を誤って取り出していないかを確認してもらうことができる。したがって、紛失した印刷物を発見できる可能性が高くなる。
【0012】
上記発明において、ユーザの連絡先を宛先として送信する所定のメッセージは、印刷物が正しく取り出されていない場合に、その印刷物を返却することを要請する第2メッセージをさらに含んでいる。
【0013】
この構成では、排紙部から印刷物が紛失した場合に、紛失した印刷物を取り出したユーザに、印刷物を返却してもらうことができる。したがって、紛失した印刷物を持ち去ったユーザの所に印刷物を取りに行く手間を省略できる。
【0014】
上記発明において、第2メッセージは、印刷物が正しく取り出されていない場合に、その印刷物を排紙部に返却することを要請するメッセージである。
【0015】
誤って持ち去った印刷物の返却先が排紙部であれば、ユーザは気軽に返却してもらうことができる。
【0016】
上記発明において、ユーザの連絡先を宛先として送信する所定のメッセージは、ユーザ識別情報を記載した第3メーセージをさらに含んでいる。
【0017】
この構成では、印刷物を紛失したユーザの識別情報を通知することで、場合によっては、このユーザに直接印刷物を返却してもらうことができる。
【0018】
上記発明において、ユーザの連絡先を宛先として送信する所定のメッセージは、前記排紙部に印刷物が返却されたことを表す第4メッセージを含んでいる。また、操作部は、第1メッセージの送信後に、印刷物が排紙部に返却されたことを表す返却確認情報が入力される機能を備え、制御部は、操作部において返却確認情報が入力されると、宛先に第4メッセージを送信する。
【0019】
この構成では、紛失した印刷物が排紙部に返却されて、返却確認情報が入力されると、排紙部に印刷物が返却されたことを表す第4メッセージが印刷物を紛失したユーザに送信される。したがって、印刷物を紛失したユーザは、印刷物が排紙部に返却されているかを頻繁に確認することなく、確実に印刷物を取得することができる。
【0020】
上記発明において、表示部は、制御部が、第1メッセージの送信後に、この第1メッセージに対する回答を受信すると、この回答を表示する。
【0021】
この構成では、第1メッセージに対する回答が表示されるので、印刷物を紛失したユーザは、メッセージを送ったユーザが印刷物を誤って持ち去ったか否かを確認できる。
【0022】
上記発明において、印刷ジョブは、複数の印刷ジョブである。
【0023】
この構成では、操作部において、印刷ジョブの履歴から、複数の印刷ジョブを選択できるので、何度もメッセージを送信する必要がなく、確認作業を効率的に行うことができる。
【0024】
上記発明において、表示部は、記憶部が記憶する印刷ジョブの履歴の中から、操作部により選択され排紙部から印刷物が紛失した紛失印刷ジョブの印刷条件を満たすものを抽出して第2表示内容としてさらに表示する。
【0025】
この構成では、紛失印刷ジョブが選択されると、この印刷ジョブの印刷条件に基づいて過去に行った印刷ジョブが抽出されて表示部に表示される。これにより、紛失した印刷物を持ち去った可能性が高いユーザが実行を指示した印刷ジョブが抽出される。したがって、ユーザは、紛失した印刷物について確認するメッセージを送信する際に、印刷ジョブの選択をより簡便に行うことができる。
【0026】
上記発明において、排紙部における各印刷物の蓄積の有無を検出する検出部を備えている。表示部は、操作部が、紛失印刷ジョブの選択を受け付けると、紛失印刷ジョブによって得られた紛失印刷物の前後に排紙部に蓄積された印刷物に対応する印刷ジョブを、検出部の出力に基づいて記憶部から抽出して表示する。
【0027】
この構成では、紛失した印刷物と一緒に排紙部に蓄積されていた他の印刷物を限定できる。したがって、紛失した印刷物を持ち去った可能性があるユーザを絞り込むことができる。
【0028】
上記発明において、端末を使用して印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先である宛先は、ユーザのメールアドレス、またはユーザが使用した端末の表示画面である。
【0029】
印刷物を持ち去った可能性があるユーザに対してメッセージをメールを送信するか、またはこのユーザが使用する端末の表示画面にメッセージを表示させることで、メッセージをユーザに確実に見てもらうことができる。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、排紙部から印刷物が紛失した場合に、紛失した印刷物の確認を容易に行うことができる。また、装置が大型化するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を含む印刷システムの構成図の一例である。
【図2】画像形成装置の外観図である。
【図3】画像形成装置のブロック図である。
【図4】パネルユニットの外観図である。
【図5】紛失した印刷物の確認処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】表示部に表示されるジョブ履歴の一例を示す図である。
【図7】(A)〜(F)は、紛失した印刷物の確認処理を行うための操作に伴う表示の遷移を示す図である。
【図8】(A)は、紛失した印刷物の持ち去り確認を行うためのメールの一例を示す図である。(B)は、紛失した印刷物の持ち去り確認を行うポップアップメッセージが表示されたコンピュータのモニタ画面の例を示す図である。
【図9】印刷ジョブを実行した時間と、検出部が検出した印刷物の関係を示す図である。
【図10】制御部の処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】紛失した印刷物の印刷条件と、重み付けの値と、を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明をオフィスに設置したデジタル複合機に適用した例を説明する。
【0033】
<画像形成システムの構成>
図1に示すように、画像形成システム100は、デジタル複合機(以下、単に複合機と称する。)1、N台のコンピュータ2−1〜2−N、コンピュータ3、インターネットファックス装置4、ファックス装置5、及び携帯電話61を備えている。
【0034】
複合機1とコンピュータ2−1〜2−Nは、オフィス内に敷設されたLAN6に接続されている。コンピュータ3、インターネットファックス装置4、及びLAN6は、インターネット網7に接続されている。また、複合機1、ファックス装置5、及び携帯電話61は、公衆電話回線網8に接続されている。
【0035】
<画像形成装置の構成>
図2と図3に示すように、複合機1は、胴内排出型であり、装置本体の上面手前側にパネルユニット9を備えている。複合機1では、特許文献1に記載の画像形成装置のように、カバー付きボックスの設置は不要である。パネルユニット9は、表示部10と操作部11を備えている。また、複合機1は、装置本体の上部から下部の方向へ順に、原稿搬送部12、画像読取り部13、画像形成部14、及び給紙部15を備えている。また、画像読取り部13及びパネルユニット9の下部に、排紙部16と検出部17を備えている。排紙部16は、画像形成部14が生成した印刷物を蓄積する排紙トレイ161を備えている。また、検出部17は、排紙トレイ161に蓄積された印刷物の有無を検出するセンサ171を備えている。さらに、複合機1は、装置本体内に記憶部18、画像処理部19、通信部20、及び制御部21を備えている。
【0036】
図4に示すように、表示部10は、液晶駆動回路と液晶パネルを有する表示パネル101と、LED駆動回路とバックライト用の複数のLEDを有するバックライトユニット102を備えている。
【0037】
操作部11は、スタートボタン111、テンキー112、ジョブ履歴ボタン113、紛失確認ボタン114、返却済みボタン115、順位付けボタン116、機能選択ボタン117などの複数の操作ボタンと、タッチパネル118を備えている。
【0038】
パネルユニット9は、バックライトユニット102、表示パネル101、及びタッチパネル118がこの順に積層されている。
【0039】
複合機1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一実施形態であり、プリント機能、コピー機能、及びファックス機能を備えている。
【0040】
プリント機能は、複合機1がコンピュータ2−1〜2−Nから受信した印刷ジョブに基づいて印刷を行い、印刷物を生成する機能である。
【0041】
コンピュータ2−1〜2−Nは、それぞれプリンタドライバを内蔵しており、ユーザの操作に従って、文書データや画像データを複合機1に印刷させるための印刷ジョブを生成する。そして、コンピュータ2−1〜2−Nは、印刷ジョブをLAN6を介して複合機1へ送信する。この印刷ジョブには、印刷データの他に、ユーザID、IPアドレスなどコンピュータの識別情報、各種印刷設定などの情報が含まれる。
【0042】
複合機1の制御部21は、LAN6を介して通信部20が印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブに含まれる画像データを画像処理部19へ出力させる。また、制御部21は、印刷ジョブに含まれる印刷設定に基づいて画像処理部19や画像形成部14の設定を変更する。
【0043】
画像処理部19は、カラー画像データが入力された場合、カラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの単色画像に分解し、各単色画像を、画像形成部14に出力する。
【0044】
画像形成部14は、入力された単色画像に基づいて単色トナー像を形成し、各単色トナー像を重ね合わせてカラートナー像を生成する。そして、画像形成部14は、給紙部15が転写位置に搬送した用紙にカラートナー像を転写し、続いて定着ユニットにより用紙にカラートナー像を定着させる。給紙部15は、カラートナー像が定着した用紙である印刷物を、排紙部16の排紙トレイ161に排出する。排紙トレイ161は、複数の印刷物を蓄積することができ、ユーザは蓄積した印刷物を取り出し自在である。
【0045】
複合機1は、プリントを行った場合、印刷ジョブに含まれるユーザIDや、印刷ジョブの送信元のIPアドレスにより、印刷ジョブの実行を指示したユーザを特定できる。
【0046】
コピー機能は、操作部11で受け付けた印刷ジョブに基づいて、画像読取り部13で原稿の画像を読み取って、原稿を複写した印刷物を生成する機能である。
【0047】
制御部21は、操作部11が印刷ジョブであるコピーを行うための操作を受け付けたことを検出し、原稿搬送部12または画像読取り部13の原稿台に原稿が置かれていること検出すると、コピー処理を開始する。制御部21は、例えば、操作部11において以下のような操作を受け付けると、受け付けた操作に応じた条件で、画像形成部14に印刷物を生成させる。
【0048】
複合機1では、コピーを行う場合、最初にユーザIDの入力が必要である。これは、後述のように、印刷物の紛失が発生した際に、コピーの実行を指示したユーザを特定するためである。ユーザIDの入力は、ユーザが操作部を操作して手動で入力する方法や、ユーザIDを登録したカードをユーザに予め配布しておき、コピーを行うときに、不図示のカードリーダによりこのカードを読み取る方法などがある。
【0049】
制御部21は、ユーザIDが入力された後に、機能選択ボタン117が操作されてコピー機能が選択され、続いて、制御部21は、タッチパネル118やテンキー112が操作されてコピー条件の設定を受け付けると、受け付けたコピー条件を画像処理部19や画像形成部14に設定する。そして、制御部21は、スタートボタン111の操作を受け付けると、原稿搬送部12に置かれた原稿を原稿台に搬送させて、画像読取り部13に原稿を移動させる。画像読取り部13は、原稿搬送部12により搬送されてきた原稿、または原稿台に置かれている原稿の画像を読み取る。
【0050】
画像読取り部13は、読み取った画像のデータを画像処理部19へ出力する。複合機1は、以下、プリント機能が選択されたときと同様の処理を行い、印刷物を排紙部16の排紙トレイ161に排出する。
【0051】
複合機1では、コピーを行った場合、最初に入力されるユーザIDにより印刷ジョブの実行を指示したユーザを特定できる。
【0052】
ファックス機能は、インターネットファックス装置4またはファックス装置5と画像データを送信する機能と受信する機能である。このうち、本発明に関係するのは、画像データを受信する機能である。
【0053】
制御部21は、インターネットファックス装置4またはファックス装置5から送信された印刷ジョブであるファックスデータを通信部20が受信すると、画像処理部19に出力する。ファックスデータには、画像データの他に、送信元の情報、送信先(宛先)の情報、各種印刷設定などの情報が含まれる。複合機1は、以下、プリント機能と同様の処理を行って、印刷物を排紙部16の排紙トレイ161に排出する。
【0054】
複合機1では、ファックスを行った場合、ファックスデータに含まれる送信元の情報、または送信先の情報により印刷ジョブの実行を指示したユーザを特定できる。すなわち、送信先の情報にユーザ名が含まれている場合には、ユーザ名により印刷物を排紙トレイ161から取り出したユーザを特定できる。また、送信先(宛先)の情報にユーザ名が含まれていない場合でも、ユーザがファックスを受信する相手先(送信元)は通常は限られているので、送信元の情報によりファックス(印刷物)を受け取ったユーザを特定できる。例えば、ファックスの送信元と関係するユーザが3名の場合には、この3名に限定できる。
【0055】
複合機1は、印刷ジョブの実行指示を受け付けて、プリント、コピー、またはファックスを実行すると、実行した印刷ジョブに関する情報を記憶部18で記憶する。記憶部18で記憶する情報としては、例えば、印刷ジョブの種類、印刷ジョブの受付番号、印刷ジョブの実行を指示したユーザのID、印刷ジョブを実行した日時、印刷枚数、出力した用紙サイズ、印刷ジョブを受信した機器のIPアドレスなどである。また、複合機1には、LAN6に接続されたコンピュータ2−1〜2−NのIPアドレスと、コンピュータ2−1〜2−Nを使用するユーザのIDと、コンピュータ2−1〜2−Nを使用するユーザにメッセージを通知する端末の情報(連絡先)と、を関連付けて予め登録されている。記憶部18は、これらの情報も記憶している。なお、ユーザにメッセージを通知する端末は、ユーザが通常使用する端末であり、メッセージを文字または音声で確認できるものであればよい。例えば、コンピュータ2−1〜2−Nでもよいし、ユーザが使用する携帯電話61などのモバイル機器でもよい。
【0056】
端末の情報(連絡先)としては、コンピュータで確認できるメールのアドレス、ユーザが使用する携帯電話で確認できるメールのアドレス、ユーザが使用する携帯電話の番号などであればよい。また、メッセージ表示用の専用ソフトがコンピュータにインストールされている場合には、コンピュータのIPアドレスでもよい。
【0057】
複合機1において、制御部21は、前記のようにセンサ171により排紙トレイ161における印刷物の蓄積の有無を検出している。そして、制御部21は、排紙トレイ161に印刷物が蓄積されていた期間を記憶部18で記憶している。これは、排紙トレイ161から取り出した印刷物に紛失した印刷物が混在している可能性のある印刷ジョブを絞り込むためである。
【0058】
コンピュータ2−1〜2−Nは、一般的に使用されている周知のパーソナルコンピュータと同様の構成である。インターネットファックス装置4及びファックス装置5は、一般的に使用されている周知のファックス装置と同様の構成である。そのため、これらの構成については、詳細を省略する。
【0059】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について説明する。以下の説明では、複合機において、排紙トレイから印刷物が紛失したときの確認処理について説明する。
【0060】
複合機1の排紙トレイ161に複数のユーザの印刷物が蓄積された状態において、本実施例の動作の説明を容易にするため、ユーザの種類については、次のように区別する。
【0061】
ユーザA:排紙トレイ161から、自分の印刷物とユーザBの印刷物とを同時に、事実取り出して持ち出した。
【0062】
ユーザB:排紙トレイ161から、自分の印刷物が事実紛失した。
【0063】
ユーザC:一人以上のユーザ。排紙トレイ161から、ユーザBの印刷物を取り出した疑いがある。ユーザCにはユーザAが含まれている。
【0064】
ユーザBは、複合機1の設置場所に印刷物を取りに来て、排紙トレイ161から自分の印刷物が紛失していることに気付いたときには、複合機1において以下のような操作を行うことで、紛失した印刷物の確認を行う。
【0065】
まず、ユーザBは、図4に示すパネルユニット9のジョブ履歴ボタン113を操作する。図5に示すように、制御部21は、ジョブ履歴ボタン113の操作を検出すると(S1:Y)、記憶部18からデータを読み出して、図6に示すようなジョブ履歴画面201を表示部10の表示パネル101に第1表示内容として表示させる(S2)。そして、制御部21は、印刷ジョブが選択されるのを待ち受ける(S3:N)。
【0066】
図6に示すジョブ履歴画面201には、一例として、印刷ジョブの受付番号、印刷ジョブの実行を指示した複数のユーザのID、印刷ジョブを実行した日時、印刷枚数、出力した用紙サイズ、印刷ジョブを出力した機器のIPアドレス、印刷ジョブ指示した複数のユーザの連絡先であるメールアドレスが表示される。印刷ジョブの履歴画面201の右下には、紛失確認ボタン202が表示される。
【0067】
なお、ユーザIDの他にユーザ名を表示させるようにしてもよい。また、ジョブ履歴画面201には、印刷ジョブの種類、すなわち、印刷ジョブがプリント、コピー、またはファックスのいずれであるかを表示することも可能である。
【0068】
これらジョブ履歴画面201に表示される情報は、紛失した印刷物を持ち去った可能性のあるユーザCが実行を指示した印刷ジョブを、ジョブ履歴から選択する際の参考データとなる。例えば、印刷ジョブがコピーで、印刷枚数が少ない場合には、ユーザはその場所を離れずにコピーが完了すると印刷物をすぐに排紙トレイ161から取り出すので、印刷物を持ち去る可能性が低いと考えられる。また、印刷ジョブがプリントやファックスで、印刷枚数が1枚の場合には、他のユーザの印刷物を持ち去る可能性は無いか、非常に低いと考えられる。
【0069】
ユーザBは、タッチパネル118をタッチして、ジョブ履歴画面201から、印刷物を一緒に持ち去った可能性があると考えられるユーザCによる印刷ジョブを選択する。選択する印刷ジョブの数は、1つでも複数でもよい。
【0070】
なお、ユーザBは、ジョブ履歴画面201に表示された印刷ジョブの数が少ないときなどには、印刷ジョブの選択を行わずに、ジョブ履歴画面201に表示されたユーザIDなどの印刷ジョブの情報に基づいて、表示されたユーザ全てをユーザCと考えて、該ユーザCに直接確認することも可能である。この場合には、クリアボタンを操作することで、ジョブ履歴画面201からデフォルトの画面に変更することができる。
【0071】
制御部21は、タッチパネル118がタッチされて印刷ジョブが選択されたことを検出すると(S3:Y)、選択された印刷ジョブの背景色を変更する(S4、図7(A)参照)。
【0072】
続いて、ユーザBは、選択した印刷ジョブの実行を指示したユーザCに対して紛失確認のメッセージを送信するために、紛失確認ボタン202を操作する。
【0073】
制御部21は、紛失確認ボタン202の操作を検出すると(S5:Y、図7(B)参照)、表示パネル101に紛失確認のメッセージの送信確認を行うウインドウ203を表示させる(S6、図7(C)参照)。
【0074】
ユーザBは、表示パネル101に送信確認を行うウインドウ203が表示されると、メッセージを送信しないときには、NOボタンを操作する。制御部21は、NOボタンの操作を検出すると(S7:N、S8:Y)、ステップS2以降の処理を行う。
【0075】
一方、ユーザBは、メッセージを送信するときには、YESボタンを操作する。制御部21は、YESボタンの操作を検出すると(S7:Y、図7(D)参照)、紛失確認を行うユーザBのIDをメッセージに表示させるか、と送信する場合に表示させるユーザBのIDを確認するウインドウ204を表示パネル101に表示させる(S9:Y、図7(E)参照)。
【0076】
ユーザBは、表示パネル101にウインドウ204が表示されると、自分のIDをメッセージに表示させ、かつ表示されたIDが正しいときには、YESボタンを操作する。制御部21は、YESボタンの操作を検出すると(S10:Y、図7(E)参照)、ユーザBのIDを含む紛失確認メッセージを、選択された印刷ジョブの実行を指示したユーザCの連絡先に送信する(S13)。このとき、制御部21は、図7(F)に示すように、メッセージの送信が完了したことを通知するウインドウ205を表示パネル101に表示させる。
【0077】
一方、ユーザBは、自分のIDをメッセージに表示させないときには、NOボタンを操作する。制御部21は、NOボタンの操作を検出すると(S10:N、S11:Y)、ユーザBのIDを含まない紛失確認メッセージ(以下、単にメッセージと称する。)を、選択された印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先を宛先として送信する(S14)。
【0078】
また、表示されたIDが間違っていて変更する場合には、変更ボタンを操作する。制御部21は、変更ボタンの操作を検出すると(S11:N、S12:Y)、IDの入力画面(不図示)を表示する(S15:N)。制御部21は、ユーザIDを検出すると(S15:Y)、ステップS9以降の処理を再度行う。
【0079】
制御部21がメッセージを送信する宛先は、ユーザCのメールアドレス、またはそのユーザCが使用した端末(コンピュータ2−1〜2−N)の表示画面である。
【0080】
[メール]
制御部21は、ユーザCのメールアドレスにメッセージを送信する場合には、記憶部18から、印刷ジョブの実行を指示したユーザCが使用した端末(コンピュータ2−1〜2−N)の情報、このユーザCの連絡先の情報としてメールアドレスを読み出す。そして、制御部21は、メッセージとして以下に記載する内容を作成し、通信部20を介してメールを送信する。
【0081】
複合機1がメッセージをメールで送信した場合、メールを受信したユーザCの端末(モニタ画面250)には、例えば、図8に示したような内容(メール本文)が表示される。なお、本実施例では、図8(A)に示すメッセージは、複合機(MFP)1の制御部21がメール送信元として送信されるようにしている。
【0082】
図8(A)に示すように、ユーザBのID(図ではID1240)が表示された内容には、
1.排紙トレイ161から取り出した印刷物にユーザBの印刷物が混在している可能性があること、
2.ユーザBの識別番号(ID)、(IDに代えて名前であっても良い。)
3.ユーザBの印刷物が混在しているか否かを、回答してほしいこと、及びユーザBのメールアドレス、
4.ユーザBの印刷物が混在している場合には、上記ユーザBに直接、または排紙トレイ161に印刷物を返却してほしいこと、
を記載している。
【0083】
また、ユーザBのIDの表示がなくてもよい。この場合には、ユーザBの印刷物を排紙トレイ161に印刷物を返却してほしいことを通知するだけで良い。
【0084】
メールでメッセージを送信した場合、ユーザBは、自己が使用する端末(コンピュータ2−1〜2−N、または携帯電話61)により、メッセージに対するユーザCからの回答をメールで受信することができる。
【0085】
[ポップアップ形式]
制御部21は、ユーザCが使用した端末(コンピュータ2−1〜2−N)のモニタ画面300に紛失確認メッセージを送信する。紛失確認メッセージは、ポップアップ形式で表示させることができる。ポップアップ形式とは、ユーザCの端末にポップアップウインドウを表示させ、そのウインドウに紛失確認のメッセージを表示させる方式である。
【0086】
この方式でメッセージを表示させるには、各ユーザが使用する端末(例えば、コンピュータ2−1〜2−N、携帯電話61)に、メッセージの送受信と表示を行う専用ソフト(メッセンジャーソフト)を予めインストールしておく必要がある。複合機1は、コンピュータ2−1〜2−Nのいずれかが送信先に設定されると、記憶部18から送信先のIPアドレスを読み出し、このIPアドレスにメッセージデータを送信する。なお、このメッセージデータには、管理番号が付与されている。
【0087】
各コンピュータは、複合機1からメッセージデータを受信すると、モニタ画面300にポップアップウインドウ301を表示する。このポップアップウインドウ301に、受信したメッセージが表示させる。
【0088】
図8(B)は、ポップアップウインドウの例である。このウインドウ301には、メールの場合と同様の内容が表示される。
【0089】
また、モニタ画面300には、このウインドウ301の他に、印刷物の混在の確認結果を回答する2つのボタン(はいボタン303と、いいえボタン304)を含むポップアップウインドウ302も表示されている。制御部21は、ユーザCにより2つのボタン303,304の一方が操作されたことを検出すると、複合機1に印刷物の持ち去り(混在)の確認結果と、前記の管理番号と、を送信する。
【0090】
メッセージを受信したユーザCは、メッセージの内容に基づいて排紙トレイ161から取り出した印刷物を確認する。ユーザBの印刷物が混在していた場合には、排紙トレイ161に印刷物を返却することができる。また、ポップアップウインドウにユーザのID番号が記載されているときには、このID番号に基づいて特定したユーザBに印刷物を返却することができる。
【0091】
複合機1では、通信部20がメッセンジャーソフトを用いて送信したメッセージに対するユーザCからの回答を受信すると、制御部21は表示パネル101に確認結果を表示させる。メッセージに対する回答には、紛失した印刷ジョブをユーザCが持ち去ったか否かの回答が記載されている。ユーザBは、紛失確認のメッセージの送信後しばらくしてから、ジョブ履歴画面201により、ユーザC中の誰かが紛失した印刷物を持ち去ったか否かを確認できる。
【0092】
制御部21は、上記のように回答を受信すると、管理番号に基づいてどのメッセージに対する回答であるかを確認する。そして、制御部21は、ステップS13、S15において確認または入力されたIDのユーザBが使用するコンピュータに、メッセンジャーソフトまたはメールを用いて、受信した回答の内容をメッセージとして送信する。ユーザBは、受信したメッセージを確認することで、複合機1の設置場所に移動することなく、メッセージに対する回答を確認できる。
【0093】
メッセージに対する回答を確認したユーザBは、回答の内容に応じた対応をすることができる。例えば、回答の内容が紛失した印刷物を持ち去ったことを認めるものである場合には、その回答を送信したユーザA(ユーザC中の印刷物を事実持ち去ったユーザ)のところに行って印刷物を返却してもらうことができる。また、メッセージを送信したユーザCのいずれも印刷物を持ち去っていないときには、ユーザBが操作部11(タッチパネル118)を操作して、さらに別のユーザに対して紛失確認のメッセージを送信することができる。
【0094】
別の実施例として、複合機1では、ユーザBがメッセージを送信する印刷ジョブを選択したときに、その選択した印刷ジョブ中に、後述の特定の印刷ジョブが選択されていない場合には、この特定の印刷ジョブも自動的に選択してメッセージを送信するように設定できる。特定のジョブとしては、例えば、ユーザBの印刷ジョブ(印刷物が紛失した印刷ジョブ)の直前と直後に実行された他のユーザの印刷ジョブである。この他のユーザの印刷ジョブもユーザCの印刷ジョブとみなして上記と同様の処理をする。特定のジョブには、持ち去りの可能性のある様々なパターンがあり、これを予め設定しておくことができる。変形例として、ユーザBによる印刷ジョブの選択が所定時間内になかった場合に、自動的に前記特定のジョブのユーザをユーザCとみなすように制御することが可能である。また、ユーザBは、メッセージを送信する印刷ジョブを選択した直後に、特定のジョブのユーザに対してもメッセージの送信確認を行うことも可能である。
【0095】
また、印刷物を持ち去ったユーザA(ユーザC中のユーザ)は、複合機1の排紙部16に印刷物を返却したときに、操作部11の返却済みボタン115を操作するとよい。複合機1の制御部21は、返却済みボタン115の操作を検出すると、ユーザBの連絡先の情報を記憶部18から読み出す。そして、制御部21は、このユーザBの連絡先を宛先として、メールまたはメッセンジャーソフトにより、紛失した印刷物が返却されたことを通知する。
【0096】
この通知を受信したユーザBは、複合機1の設置場所に移動し、排紙部16を確認することで、紛失した印刷物を取得できる。
【0097】
また、別の実施例として、制御部21は、返却済みボタン115の操作を検出すると、ユーザBに対して、メールまたはメッセンジャーソフトにより、再度メッセージを送信するようにしてもよい。再度メッセージを送信する際には、紛失した印刷物が排紙部16に返却されたことを伝えるとよい。
【0098】
また、別の実施例として、複合機1では、排紙トレイ161に複数の印刷ジョブによる印刷物が蓄積されている場合に、履歴画面に表示する印刷ジョブを限定することが可能である。印刷ジョブを限定するには、ステップS1において、ジョブ履歴ボタン113を操作せずに、紛失確認ボタン114を操作すればよい。印刷ジョブの限定には、排紙トレイ161における印刷物の蓄積の有無を検出しているセンサ171が使用される。
【0099】
まず、制御部21は、紛失確認ボタン114の操作を検出すると(S1:N、S16:Y)、記憶部18から過去に行った印刷ジョブのデータを読み出して、表示部10の表示パネル101に図6に示したジョブ履歴画面201を表示させる(S17)。ジョブ履歴画面には、これまで実行された印刷ジョブが表示されているため、この中から表示されるものを限定することになる。
【0100】
ユーザBは、タッチパネル118をタッチして、ジョブ履歴画面201から、排紙トレイ161から印刷物が紛失した印刷ジョブを選択する。
【0101】
制御部21は、ユーザBによりタッチパネル118がタッチされて印刷物が紛失した印刷ジョブの選択を受け付けたことを検出すると(S18:Y)、この印刷ジョブによって得られた紛失印刷物の前後に排紙部16に蓄積された印刷物に対応する印刷ジョブを、センサ171の出力に基づいて記憶部18から抽出して表示する(S19)。この抽出した印刷ジョブが上記限定されたものとなる。このように限定できるのは、紛失印刷物と一緒に蓄積されていた印刷物に係る印刷ジョブのみが紛失に関係すると考えられるからである。
【0102】
図9に例を示す。同図では、印刷ジョブ5がユーザBにより実行されたものであって、同印刷ジョブによる印刷物が紛失した。そこで、この紛失した印刷物と一緒に蓄積されている印刷物は、印刷ジョブ3〜印刷ジョブ6までということがセンサ171の出力から検出できる。印刷ジョブ1、2については、それぞれの印刷物が持ち出されたことがセンサ171の出力(11:00にセンサ出力はオフしている)からわかる。したがって、印刷ジョブ3、4、6に係るいずれかのユーザが紛失印刷物を持ち出したと思われる。そこで、この印刷ジョブ3、4、6を限定した印刷ジョブとして表示する(S19)。
【0103】
また、別の実施例として、制御部21は、記憶部が記憶する各印刷ジョブの履歴の中から、紛失印刷ジョブの印刷条件を満たすものを抽出して、抽出した印刷ジョブを第2表示内容として表示パネル101に表示させることも可能である。
【0104】
紛失印刷ジョブの印刷条件としては、例えば、以下のようなものがある。
【0105】
1.紛失印刷ジョブの印刷条件が印刷物を複数枚としている場合、印刷物が1枚だけである印刷ジョブは、除外する。
【0106】
ユーザBが印刷物を1枚だけ印刷したときに、他のユーザは、排紙トレイ161から他の印刷物とともに印刷物を2枚以上取り出すとは考えにくい。そこで、このような印刷ジョブは、除外する。
【0107】
2.紛失印刷ジョブの印刷条件中の用紙サイズ未満である印刷ジョブを、除外する。
【0108】
ユーザBが指定した用紙サイズよりも大きな印刷物を、他のユーザは、排紙トレイ161から取り出すとは考えにくい。例えば、ユーザがB5サイズの印刷物を生成させたときには、他のユーザは、A4サイズやB4サイズの印刷物をいっしょに取り出すとは考えにくい。そこで、このような印刷ジョブは、除外する。
【0109】
3.紛失印刷ジョブの印刷条件中の用紙サイズ以下である印刷ジョブを抽出する。
【0110】
ユーザBが指定した用紙サイズ以下の印刷物を、他のユーザは、排紙トレイ161から取り出す可能性は高いと考えられる。例えば、ユーザがA4サイズの印刷物を生成させたときには、他のユーザは、A4サイズやB5サイズの印刷物をいっしょに取り出すことは考えられる。そこで、このような印刷ジョブは抽出しておく。
【0111】
本実施形態でいう紛失印刷ジョブの印刷条件中とは、紛失印刷ジョブの印刷時のタイミング条件も含むのとする。そこで、次の4、5も印刷条件とする。
【0112】
4.紛失印刷ジョブの印刷物生成タイミングが、印刷物が紛失した印刷ジョブの直前または直後である印刷ジョブを抽出する。
【0113】
紛失印刷物の直前または直後に蓄積された印刷物を他のユーザが排紙部16から取り出すときには、誤って紛失印刷物も取り出す可能性があると考えられる。そこで、このような印刷ジョブは抽出しておく。
【0114】
5.紛失印刷物の印刷ジョブ(ユーザB)が、別の同じユーザ(ユーザC)による別の2つの印刷ジョブの間に実行された場合、これら2つの印刷ジョブを抽出しておく。
【0115】
ユーザCが2つの印刷ジョブの実行を連続して、または所定の間隔で指示した場合、タイミングによっては、ユーザBの印刷ジョブが間に挟まれることがある。このような場合、ユーザCは2つの印刷物の間にユーザBの印刷物が挟まっていることを知らずに、排紙トレイ161から取り出すことが考えられる。そこで、このような印刷ジョブは抽出しておく。
【0116】
制御部21は、上記のようにして予め設定された条件に基づいて印刷ジョブを抽出すると、抽出した印刷ジョブをジョブ履歴画面201に表示する(S2)。そして、ステップS3以降の処理を行う。
【0117】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0118】
ユーザBは、複合機1の排紙トレイ161から自分の印刷物が紛失していることに気付いたときには、以下に説明するように、他の印刷ジョブに順位を付与して表示させることができる。
【0119】
まず、ユーザBは、図4に示すパネルユニット9の順位付けボタン116を操作する。図10に示すように、制御部21は、順位付けボタン116の操作を検出すると(S21:Y)、記憶部18からデータを読み出して、表示パネル101に図6に示したジョブ履歴画面201を表示させる(S22、S23:N)。
【0120】
ユーザBは、タッチパネル118をタッチして、図6に示したジョブ履歴画面201に表示された印刷ジョブの中から、紛失印刷ジョブを選択する。
【0121】
制御部21は、ユーザBによる紛失印刷ジョブの選択を受け付けたことを検出すると(S23:Y)、この紛失印刷ジョブの印刷条件に基づいて順位付けを行うかを確認する画面を表示する(S24)。制御部21は、ユーザBにより順位付け開始の指示を受け付けたことを検出すると(S24:Y)、過去に行った印刷ジョブの情報を記憶部18から読み出して、読み出した印刷ジョブについて以下のようにして順位を付与(順位付け)して、表示パネル101に表示させる。制御部21は、例えば、印刷ジョブについて、付与した順位の高い方から降順に表示パネル101に表示させる。
【0122】
紛失印刷ジョブの印刷条件としては、第1実施形態で説明した、5つの印刷条件を用いるとよい。本実施形態では、第1実施形態において紛失印刷ジョブの印刷条件に該当した結果、「除外する」としているのを、これに代えて「他の印刷ジョブよりも低く順位付けする」ものとする。また、第1実施形態において紛失印刷ジョブの印刷条件に該当した結果、「抽出する」としているのを、これに代えて「他の印刷ジョブよりも高く順位付けする」ものとする。
【0123】
すなわち、
1.紛失印刷ジョブの印刷条件が印刷物を複数枚としている場合、印刷物が1枚だけである印刷ジョブを、他の印刷ジョブよりも低く順位付けする。
【0124】
2.紛失印刷ジョブの印刷条件中の用紙サイズ未満である印刷ジョブを、他の印刷ジョブよりも低く順位付けする。
【0125】
3.紛失印刷ジョブの印刷条件中の用紙サイズ以下である印刷ジョブを、他の印刷ジョブよりも高く順位付けする。
【0126】
4.紛失印刷ジョブの印刷物生成タイミングが、印刷物が紛失した印刷ジョブの直前または直後である印刷ジョブを、他の印刷ジョブよりも高く順位付けする。
【0127】
5.紛失印刷物の印刷ジョブ(ユーザB)が、別の同じユーザ(ユーザC)による別の2つの印刷ジョブの間に実行された場合、これら2つの印刷ジョブを他の印刷ジョブよりも高く順位付けする。
【0128】
また、印刷ジョブに順位を付与するための条件としては、印刷ジョブの種類を用いることも可能である。例えば、印刷ジョブがコピーの場合、印刷枚数が少ないと、コピーを行ったユーザは、その場所を離れずにコピーが完了すると印刷物をすぐに排紙トレイ161から取り出すので、印刷物を持ち去る可能性が低いと考えられる。そこで、印刷ジョブがコピーで印刷枚数が所定枚数(例えば5枚)以下の場合、プリントやファックスよりも低い順位にする。
【0129】
このように、印刷ジョブの順位付けを、上記のような複数の条件に基づいて行う場合には、図11に示すように、各条件について重み付けをしておくとよい。そして、各印刷ジョブについて、この重み付けした内容に基づいて、順位を付与するとよい。
【0130】
例えば、順位付けするある印刷ジョブが、紛失印刷ジョブの直前に行われたもの(重み5)で、かつ、紛失した印刷物よりも用紙サイズが大きい場合(重み10)には、重みを15にする。また、順位付けする別の印刷ジョブが、紛失印刷ジョブの直後に行われたもの(重み5)で、かつ、紛失した印刷物よりも用紙サイズが小さい場合(重み1)には、重みを6にする。制御部21は、このようにして印刷ジョブについて重み付けを行い、重みの重い順(降順)に表示パネル101に表示させる。
【0131】
なお、図11において、順位付けがONになっているものは、印刷ジョブの順位付けを行うときに、条件として使用しているものを示す。一方、順位付けがOFFになっているものは、印刷ジョブの順位付けを行うときに、条件して使用していないものを示す。条件して使用するか否かは、ユーザBが予め操作部11を操作して選択することができる。
【0132】
上記の各条件は、記憶部18が記憶しており、制御部21は記憶部18から条件を読み出して、印刷ジョブに順位を付与する。
【0133】
このように、抽出した印刷ジョブに対して順位付けすることで、ユーザBは、紛失印刷物が混在している可能性がある印刷ジョブを選択して、この印刷ジョブの実行を指示したユーザCに対して紛失確認のメッセージを送ることができる。
【0134】
なお、複合機1では、印刷ジョブに対して順位を付与する前に、図9に基づいて説明したように、排紙トレイ161における印刷物の有無をセンサ171により検出した結果を用いて、印刷ジョブを限定するように設定することも可能である。これにより、順位付けする印刷ジョブ数を削減できるので、順位付けの処理を短時間で行うことができる。
【0135】
図10に示すように、制御部21は、印刷ジョブの順位付けを完了すると(S25)、図6に示したジョブ履歴画面201において、付与した順位の高い方から降順に表示パネル101に表示させる(S2)。そして、制御部21は、印刷ジョブが選択されるのを待ち受ける(S3:N)。
【0136】
このように、印刷ジョブに対して順位を付与して表示することで、ユーザBは、メッセージを送信するために印刷ジョブを選択する際に、選択を容易に行うことができる。
【0137】
制御部21は、タッチパネル118がタッチされて印刷ジョブが選択されたことを検出すると(S3:Y)、選択された印刷ジョブの背景色を変更する(S4)。以下、制御部21は、図5に基づいて説明した第1実施形態と同様に各処理を行い、排紙トレイ161から印刷物が正しく取り出されたか否かを確認するメッセージをユーザCに送信する。
【0138】
また、制御部21は、メッセージをメールまたはメッセンジャーソフトにより受信したときには、第1実施形態と同様の処理を行い、ユーザCの連絡先を宛先として、所定のメッセージを送信する。
【0139】
複合機1では、制御部21がステップS25において、印刷ジョブの順位付けを行った後に、上位の印刷ジョブ(例えば、上位3つの印刷ジョブ)の実行を指示したユーザCに対して、自動的にメッセージを送信するように設定しておくことが可能である。これにより、印刷物が紛失したときに、ユーザBの確認作業を簡略化できる。
【0140】
なお、ステップS3において、ユーザBは、ジョブ履歴画面201に表示された印刷ジョブの数が少ないときなどには、印刷ジョブの選択を行わずに、ジョブ履歴画面201に表示されたユーザIDなどの印刷ジョブの情報に基づいて、そのユーザIDのユーザを全てユーザCとみなし、同ユーザCに直接確認することも可能である。この場合には、クリアボタンを操作することで、ジョブ履歴画面201からデフォルトの画面に変更することができる。
【0141】
以上のように、複合機1では、複数のユーザの印刷ジョブが排紙トレイ161に蓄積されたときに、印刷物の紛失が発生しても、印刷物を紛失したユーザBは、排紙トレイ161からユーザBの印刷物を取り出した疑いがあるユーザCへの確認作業が容易である。また、複合機1では、従来の画像形成装置のように、カバー付きボックスを設ける必要がないので、装置が大型化することがなく、複合機1の設置面積を抑制することができる。
【符号の説明】
【0142】
1…複合機(画像形成装置) 2−1〜2−N,3…コンピュータ4…インターネットファックス装置 5…ファックス装置 6…LAN7…インターネット網 8…公衆電話回線網 9…パネルユニット 10…表示部 11…操作部12…原稿搬送部 14…画像形成部 14…画像処理部 15…給紙部 16…排紙部17…検出部 18…記憶部19…画像処理部 20…通信部 21…制御部 61…携帯電話 100…画像形成システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、排紙部から印刷物が紛失した時に、過去に実行した印刷ジョブの履歴を表示する表示部を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスでは、コストや設置面積を抑制するために、画像形成装置を複数のユーザにより共用することが多い。このような画像形成装置は、複数のユーザの印刷ジョブを連続して実行したときなどに、複数のユーザの印刷物を排紙トレイに蓄積する。
【0003】
しかし、複数のユーザの印刷物が排紙トレイに蓄積されると、ユーザが誤って他のユーザの印刷物を自分の印刷物と一緒に持ち去ってしまい、排紙トレイから印刷物が紛失することがある。このとき、印刷物を紛失したユーザは、印刷物を見つけるために他のユーザに確認しなければならず、作業が煩雑であるという問題があった。
【0004】
そこで、他のユーザによる印刷物の持ち去りを防止できる画像形成装置が提案されている(特許文献1参照。)。この画像形成装置は、カバー付きボックスを排紙部に備えており、ユーザは印刷物を排出するボックスを指定できる。また、ボックスのカバーは、パスワードによりロックできる。したがって、ユーザ毎に印刷物の排出先を指定することで、他のユーザの印刷物が混在することなく、パスワードを設定したユーザだけが印刷物を取り出すことができる。これにより、印刷物の紛失を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−239720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、印刷物の紛失は防止できるが、従来の画像形成装置において問題であった、印刷物の紛失時に画像形成装置のユーザへの確認作業が煩雑であるという課題を解消できていない。また、特許文献1に記載の画像形成装置では、本体の側面に、共用するユーザの人数分のカバー付きボックスを設ける必要がある。そのため、装置が大型化して、設置面積が増大するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、印刷物の紛失時に画像形成装置のユーザへの確認作業が容易であり、また、装置が大型化することのない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の画像形成装置は、画像形成部と、排紙部と、記憶部と、表示部と、操作部と、制御部と、を備えている。画像形成部は、複数のユーザから指令された各印刷ジョブを実行して、各印刷ジョブの印刷物を生成する。排紙部は、画像形成部が生成した各印刷物を順に蓄積し、蓄積した印刷物が取り出し自在である。記憶部は、画像形成部が実行した各印刷ジョブと、ネットワークを介して接続され各印刷ジョブの実行を指示した端末の情報と、を関連付けて記憶する。表示部は、記憶部が記憶する各印刷ジョブの履歴を第1表示内容として表示する。操作部は、表示部に表示された各印刷ジョブの履歴から、任意の印刷ジョブの選択を受け付ける。制御部は、操作部が選択を受け付けた任意の印刷ジョブに対応する端末の情報を記憶部から読み出して、その端末を使用して任意の印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先を宛先として、所定のメッセージを送信する。
【0009】
この構成では、ユーザが操作部を操作して、表示部に表示された印刷ジョブの履歴から印刷ジョブを選択すると、選択した印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先に、所定のメッセージを送信できる。これにより、排紙部に蓄積された印刷物が正しく取り出されておらず、あるユーザの印刷物が紛失した場合に、操作部を操作して、印刷物を持ち去った可能性があるユーザが実行した印刷ジョブを選択することで、印刷物について確認することができる。したがって、印刷物の紛失時に、画像形成装置を使用する他のユーザに対して確認作業を容易に行うことができる。また、この構成では、画像形成装置にカバー付きボックス装置などを設ける必要がないので、装置が大型化することがない。
【0010】
上記発明において、ユーザの連絡先を宛先として送信する所定のメッセージは、排紙部から印刷物が正しく取り出されたか否かを確認する第1メッセージを含んでいる。
【0011】
この構成では、排紙部から印刷物が紛失した場合に、排紙部から印刷物が正しく取り出されたか否かを確認するメッセージを送信することで、メッセージを受信したユーザに、紛失した印刷物を誤って取り出していないかを確認してもらうことができる。したがって、紛失した印刷物を発見できる可能性が高くなる。
【0012】
上記発明において、ユーザの連絡先を宛先として送信する所定のメッセージは、印刷物が正しく取り出されていない場合に、その印刷物を返却することを要請する第2メッセージをさらに含んでいる。
【0013】
この構成では、排紙部から印刷物が紛失した場合に、紛失した印刷物を取り出したユーザに、印刷物を返却してもらうことができる。したがって、紛失した印刷物を持ち去ったユーザの所に印刷物を取りに行く手間を省略できる。
【0014】
上記発明において、第2メッセージは、印刷物が正しく取り出されていない場合に、その印刷物を排紙部に返却することを要請するメッセージである。
【0015】
誤って持ち去った印刷物の返却先が排紙部であれば、ユーザは気軽に返却してもらうことができる。
【0016】
上記発明において、ユーザの連絡先を宛先として送信する所定のメッセージは、ユーザ識別情報を記載した第3メーセージをさらに含んでいる。
【0017】
この構成では、印刷物を紛失したユーザの識別情報を通知することで、場合によっては、このユーザに直接印刷物を返却してもらうことができる。
【0018】
上記発明において、ユーザの連絡先を宛先として送信する所定のメッセージは、前記排紙部に印刷物が返却されたことを表す第4メッセージを含んでいる。また、操作部は、第1メッセージの送信後に、印刷物が排紙部に返却されたことを表す返却確認情報が入力される機能を備え、制御部は、操作部において返却確認情報が入力されると、宛先に第4メッセージを送信する。
【0019】
この構成では、紛失した印刷物が排紙部に返却されて、返却確認情報が入力されると、排紙部に印刷物が返却されたことを表す第4メッセージが印刷物を紛失したユーザに送信される。したがって、印刷物を紛失したユーザは、印刷物が排紙部に返却されているかを頻繁に確認することなく、確実に印刷物を取得することができる。
【0020】
上記発明において、表示部は、制御部が、第1メッセージの送信後に、この第1メッセージに対する回答を受信すると、この回答を表示する。
【0021】
この構成では、第1メッセージに対する回答が表示されるので、印刷物を紛失したユーザは、メッセージを送ったユーザが印刷物を誤って持ち去ったか否かを確認できる。
【0022】
上記発明において、印刷ジョブは、複数の印刷ジョブである。
【0023】
この構成では、操作部において、印刷ジョブの履歴から、複数の印刷ジョブを選択できるので、何度もメッセージを送信する必要がなく、確認作業を効率的に行うことができる。
【0024】
上記発明において、表示部は、記憶部が記憶する印刷ジョブの履歴の中から、操作部により選択され排紙部から印刷物が紛失した紛失印刷ジョブの印刷条件を満たすものを抽出して第2表示内容としてさらに表示する。
【0025】
この構成では、紛失印刷ジョブが選択されると、この印刷ジョブの印刷条件に基づいて過去に行った印刷ジョブが抽出されて表示部に表示される。これにより、紛失した印刷物を持ち去った可能性が高いユーザが実行を指示した印刷ジョブが抽出される。したがって、ユーザは、紛失した印刷物について確認するメッセージを送信する際に、印刷ジョブの選択をより簡便に行うことができる。
【0026】
上記発明において、排紙部における各印刷物の蓄積の有無を検出する検出部を備えている。表示部は、操作部が、紛失印刷ジョブの選択を受け付けると、紛失印刷ジョブによって得られた紛失印刷物の前後に排紙部に蓄積された印刷物に対応する印刷ジョブを、検出部の出力に基づいて記憶部から抽出して表示する。
【0027】
この構成では、紛失した印刷物と一緒に排紙部に蓄積されていた他の印刷物を限定できる。したがって、紛失した印刷物を持ち去った可能性があるユーザを絞り込むことができる。
【0028】
上記発明において、端末を使用して印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先である宛先は、ユーザのメールアドレス、またはユーザが使用した端末の表示画面である。
【0029】
印刷物を持ち去った可能性があるユーザに対してメッセージをメールを送信するか、またはこのユーザが使用する端末の表示画面にメッセージを表示させることで、メッセージをユーザに確実に見てもらうことができる。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、排紙部から印刷物が紛失した場合に、紛失した印刷物の確認を容易に行うことができる。また、装置が大型化するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を含む印刷システムの構成図の一例である。
【図2】画像形成装置の外観図である。
【図3】画像形成装置のブロック図である。
【図4】パネルユニットの外観図である。
【図5】紛失した印刷物の確認処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】表示部に表示されるジョブ履歴の一例を示す図である。
【図7】(A)〜(F)は、紛失した印刷物の確認処理を行うための操作に伴う表示の遷移を示す図である。
【図8】(A)は、紛失した印刷物の持ち去り確認を行うためのメールの一例を示す図である。(B)は、紛失した印刷物の持ち去り確認を行うポップアップメッセージが表示されたコンピュータのモニタ画面の例を示す図である。
【図9】印刷ジョブを実行した時間と、検出部が検出した印刷物の関係を示す図である。
【図10】制御部の処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】紛失した印刷物の印刷条件と、重み付けの値と、を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明をオフィスに設置したデジタル複合機に適用した例を説明する。
【0033】
<画像形成システムの構成>
図1に示すように、画像形成システム100は、デジタル複合機(以下、単に複合機と称する。)1、N台のコンピュータ2−1〜2−N、コンピュータ3、インターネットファックス装置4、ファックス装置5、及び携帯電話61を備えている。
【0034】
複合機1とコンピュータ2−1〜2−Nは、オフィス内に敷設されたLAN6に接続されている。コンピュータ3、インターネットファックス装置4、及びLAN6は、インターネット網7に接続されている。また、複合機1、ファックス装置5、及び携帯電話61は、公衆電話回線網8に接続されている。
【0035】
<画像形成装置の構成>
図2と図3に示すように、複合機1は、胴内排出型であり、装置本体の上面手前側にパネルユニット9を備えている。複合機1では、特許文献1に記載の画像形成装置のように、カバー付きボックスの設置は不要である。パネルユニット9は、表示部10と操作部11を備えている。また、複合機1は、装置本体の上部から下部の方向へ順に、原稿搬送部12、画像読取り部13、画像形成部14、及び給紙部15を備えている。また、画像読取り部13及びパネルユニット9の下部に、排紙部16と検出部17を備えている。排紙部16は、画像形成部14が生成した印刷物を蓄積する排紙トレイ161を備えている。また、検出部17は、排紙トレイ161に蓄積された印刷物の有無を検出するセンサ171を備えている。さらに、複合機1は、装置本体内に記憶部18、画像処理部19、通信部20、及び制御部21を備えている。
【0036】
図4に示すように、表示部10は、液晶駆動回路と液晶パネルを有する表示パネル101と、LED駆動回路とバックライト用の複数のLEDを有するバックライトユニット102を備えている。
【0037】
操作部11は、スタートボタン111、テンキー112、ジョブ履歴ボタン113、紛失確認ボタン114、返却済みボタン115、順位付けボタン116、機能選択ボタン117などの複数の操作ボタンと、タッチパネル118を備えている。
【0038】
パネルユニット9は、バックライトユニット102、表示パネル101、及びタッチパネル118がこの順に積層されている。
【0039】
複合機1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の一実施形態であり、プリント機能、コピー機能、及びファックス機能を備えている。
【0040】
プリント機能は、複合機1がコンピュータ2−1〜2−Nから受信した印刷ジョブに基づいて印刷を行い、印刷物を生成する機能である。
【0041】
コンピュータ2−1〜2−Nは、それぞれプリンタドライバを内蔵しており、ユーザの操作に従って、文書データや画像データを複合機1に印刷させるための印刷ジョブを生成する。そして、コンピュータ2−1〜2−Nは、印刷ジョブをLAN6を介して複合機1へ送信する。この印刷ジョブには、印刷データの他に、ユーザID、IPアドレスなどコンピュータの識別情報、各種印刷設定などの情報が含まれる。
【0042】
複合機1の制御部21は、LAN6を介して通信部20が印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブに含まれる画像データを画像処理部19へ出力させる。また、制御部21は、印刷ジョブに含まれる印刷設定に基づいて画像処理部19や画像形成部14の設定を変更する。
【0043】
画像処理部19は、カラー画像データが入力された場合、カラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの単色画像に分解し、各単色画像を、画像形成部14に出力する。
【0044】
画像形成部14は、入力された単色画像に基づいて単色トナー像を形成し、各単色トナー像を重ね合わせてカラートナー像を生成する。そして、画像形成部14は、給紙部15が転写位置に搬送した用紙にカラートナー像を転写し、続いて定着ユニットにより用紙にカラートナー像を定着させる。給紙部15は、カラートナー像が定着した用紙である印刷物を、排紙部16の排紙トレイ161に排出する。排紙トレイ161は、複数の印刷物を蓄積することができ、ユーザは蓄積した印刷物を取り出し自在である。
【0045】
複合機1は、プリントを行った場合、印刷ジョブに含まれるユーザIDや、印刷ジョブの送信元のIPアドレスにより、印刷ジョブの実行を指示したユーザを特定できる。
【0046】
コピー機能は、操作部11で受け付けた印刷ジョブに基づいて、画像読取り部13で原稿の画像を読み取って、原稿を複写した印刷物を生成する機能である。
【0047】
制御部21は、操作部11が印刷ジョブであるコピーを行うための操作を受け付けたことを検出し、原稿搬送部12または画像読取り部13の原稿台に原稿が置かれていること検出すると、コピー処理を開始する。制御部21は、例えば、操作部11において以下のような操作を受け付けると、受け付けた操作に応じた条件で、画像形成部14に印刷物を生成させる。
【0048】
複合機1では、コピーを行う場合、最初にユーザIDの入力が必要である。これは、後述のように、印刷物の紛失が発生した際に、コピーの実行を指示したユーザを特定するためである。ユーザIDの入力は、ユーザが操作部を操作して手動で入力する方法や、ユーザIDを登録したカードをユーザに予め配布しておき、コピーを行うときに、不図示のカードリーダによりこのカードを読み取る方法などがある。
【0049】
制御部21は、ユーザIDが入力された後に、機能選択ボタン117が操作されてコピー機能が選択され、続いて、制御部21は、タッチパネル118やテンキー112が操作されてコピー条件の設定を受け付けると、受け付けたコピー条件を画像処理部19や画像形成部14に設定する。そして、制御部21は、スタートボタン111の操作を受け付けると、原稿搬送部12に置かれた原稿を原稿台に搬送させて、画像読取り部13に原稿を移動させる。画像読取り部13は、原稿搬送部12により搬送されてきた原稿、または原稿台に置かれている原稿の画像を読み取る。
【0050】
画像読取り部13は、読み取った画像のデータを画像処理部19へ出力する。複合機1は、以下、プリント機能が選択されたときと同様の処理を行い、印刷物を排紙部16の排紙トレイ161に排出する。
【0051】
複合機1では、コピーを行った場合、最初に入力されるユーザIDにより印刷ジョブの実行を指示したユーザを特定できる。
【0052】
ファックス機能は、インターネットファックス装置4またはファックス装置5と画像データを送信する機能と受信する機能である。このうち、本発明に関係するのは、画像データを受信する機能である。
【0053】
制御部21は、インターネットファックス装置4またはファックス装置5から送信された印刷ジョブであるファックスデータを通信部20が受信すると、画像処理部19に出力する。ファックスデータには、画像データの他に、送信元の情報、送信先(宛先)の情報、各種印刷設定などの情報が含まれる。複合機1は、以下、プリント機能と同様の処理を行って、印刷物を排紙部16の排紙トレイ161に排出する。
【0054】
複合機1では、ファックスを行った場合、ファックスデータに含まれる送信元の情報、または送信先の情報により印刷ジョブの実行を指示したユーザを特定できる。すなわち、送信先の情報にユーザ名が含まれている場合には、ユーザ名により印刷物を排紙トレイ161から取り出したユーザを特定できる。また、送信先(宛先)の情報にユーザ名が含まれていない場合でも、ユーザがファックスを受信する相手先(送信元)は通常は限られているので、送信元の情報によりファックス(印刷物)を受け取ったユーザを特定できる。例えば、ファックスの送信元と関係するユーザが3名の場合には、この3名に限定できる。
【0055】
複合機1は、印刷ジョブの実行指示を受け付けて、プリント、コピー、またはファックスを実行すると、実行した印刷ジョブに関する情報を記憶部18で記憶する。記憶部18で記憶する情報としては、例えば、印刷ジョブの種類、印刷ジョブの受付番号、印刷ジョブの実行を指示したユーザのID、印刷ジョブを実行した日時、印刷枚数、出力した用紙サイズ、印刷ジョブを受信した機器のIPアドレスなどである。また、複合機1には、LAN6に接続されたコンピュータ2−1〜2−NのIPアドレスと、コンピュータ2−1〜2−Nを使用するユーザのIDと、コンピュータ2−1〜2−Nを使用するユーザにメッセージを通知する端末の情報(連絡先)と、を関連付けて予め登録されている。記憶部18は、これらの情報も記憶している。なお、ユーザにメッセージを通知する端末は、ユーザが通常使用する端末であり、メッセージを文字または音声で確認できるものであればよい。例えば、コンピュータ2−1〜2−Nでもよいし、ユーザが使用する携帯電話61などのモバイル機器でもよい。
【0056】
端末の情報(連絡先)としては、コンピュータで確認できるメールのアドレス、ユーザが使用する携帯電話で確認できるメールのアドレス、ユーザが使用する携帯電話の番号などであればよい。また、メッセージ表示用の専用ソフトがコンピュータにインストールされている場合には、コンピュータのIPアドレスでもよい。
【0057】
複合機1において、制御部21は、前記のようにセンサ171により排紙トレイ161における印刷物の蓄積の有無を検出している。そして、制御部21は、排紙トレイ161に印刷物が蓄積されていた期間を記憶部18で記憶している。これは、排紙トレイ161から取り出した印刷物に紛失した印刷物が混在している可能性のある印刷ジョブを絞り込むためである。
【0058】
コンピュータ2−1〜2−Nは、一般的に使用されている周知のパーソナルコンピュータと同様の構成である。インターネットファックス装置4及びファックス装置5は、一般的に使用されている周知のファックス装置と同様の構成である。そのため、これらの構成については、詳細を省略する。
【0059】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について説明する。以下の説明では、複合機において、排紙トレイから印刷物が紛失したときの確認処理について説明する。
【0060】
複合機1の排紙トレイ161に複数のユーザの印刷物が蓄積された状態において、本実施例の動作の説明を容易にするため、ユーザの種類については、次のように区別する。
【0061】
ユーザA:排紙トレイ161から、自分の印刷物とユーザBの印刷物とを同時に、事実取り出して持ち出した。
【0062】
ユーザB:排紙トレイ161から、自分の印刷物が事実紛失した。
【0063】
ユーザC:一人以上のユーザ。排紙トレイ161から、ユーザBの印刷物を取り出した疑いがある。ユーザCにはユーザAが含まれている。
【0064】
ユーザBは、複合機1の設置場所に印刷物を取りに来て、排紙トレイ161から自分の印刷物が紛失していることに気付いたときには、複合機1において以下のような操作を行うことで、紛失した印刷物の確認を行う。
【0065】
まず、ユーザBは、図4に示すパネルユニット9のジョブ履歴ボタン113を操作する。図5に示すように、制御部21は、ジョブ履歴ボタン113の操作を検出すると(S1:Y)、記憶部18からデータを読み出して、図6に示すようなジョブ履歴画面201を表示部10の表示パネル101に第1表示内容として表示させる(S2)。そして、制御部21は、印刷ジョブが選択されるのを待ち受ける(S3:N)。
【0066】
図6に示すジョブ履歴画面201には、一例として、印刷ジョブの受付番号、印刷ジョブの実行を指示した複数のユーザのID、印刷ジョブを実行した日時、印刷枚数、出力した用紙サイズ、印刷ジョブを出力した機器のIPアドレス、印刷ジョブ指示した複数のユーザの連絡先であるメールアドレスが表示される。印刷ジョブの履歴画面201の右下には、紛失確認ボタン202が表示される。
【0067】
なお、ユーザIDの他にユーザ名を表示させるようにしてもよい。また、ジョブ履歴画面201には、印刷ジョブの種類、すなわち、印刷ジョブがプリント、コピー、またはファックスのいずれであるかを表示することも可能である。
【0068】
これらジョブ履歴画面201に表示される情報は、紛失した印刷物を持ち去った可能性のあるユーザCが実行を指示した印刷ジョブを、ジョブ履歴から選択する際の参考データとなる。例えば、印刷ジョブがコピーで、印刷枚数が少ない場合には、ユーザはその場所を離れずにコピーが完了すると印刷物をすぐに排紙トレイ161から取り出すので、印刷物を持ち去る可能性が低いと考えられる。また、印刷ジョブがプリントやファックスで、印刷枚数が1枚の場合には、他のユーザの印刷物を持ち去る可能性は無いか、非常に低いと考えられる。
【0069】
ユーザBは、タッチパネル118をタッチして、ジョブ履歴画面201から、印刷物を一緒に持ち去った可能性があると考えられるユーザCによる印刷ジョブを選択する。選択する印刷ジョブの数は、1つでも複数でもよい。
【0070】
なお、ユーザBは、ジョブ履歴画面201に表示された印刷ジョブの数が少ないときなどには、印刷ジョブの選択を行わずに、ジョブ履歴画面201に表示されたユーザIDなどの印刷ジョブの情報に基づいて、表示されたユーザ全てをユーザCと考えて、該ユーザCに直接確認することも可能である。この場合には、クリアボタンを操作することで、ジョブ履歴画面201からデフォルトの画面に変更することができる。
【0071】
制御部21は、タッチパネル118がタッチされて印刷ジョブが選択されたことを検出すると(S3:Y)、選択された印刷ジョブの背景色を変更する(S4、図7(A)参照)。
【0072】
続いて、ユーザBは、選択した印刷ジョブの実行を指示したユーザCに対して紛失確認のメッセージを送信するために、紛失確認ボタン202を操作する。
【0073】
制御部21は、紛失確認ボタン202の操作を検出すると(S5:Y、図7(B)参照)、表示パネル101に紛失確認のメッセージの送信確認を行うウインドウ203を表示させる(S6、図7(C)参照)。
【0074】
ユーザBは、表示パネル101に送信確認を行うウインドウ203が表示されると、メッセージを送信しないときには、NOボタンを操作する。制御部21は、NOボタンの操作を検出すると(S7:N、S8:Y)、ステップS2以降の処理を行う。
【0075】
一方、ユーザBは、メッセージを送信するときには、YESボタンを操作する。制御部21は、YESボタンの操作を検出すると(S7:Y、図7(D)参照)、紛失確認を行うユーザBのIDをメッセージに表示させるか、と送信する場合に表示させるユーザBのIDを確認するウインドウ204を表示パネル101に表示させる(S9:Y、図7(E)参照)。
【0076】
ユーザBは、表示パネル101にウインドウ204が表示されると、自分のIDをメッセージに表示させ、かつ表示されたIDが正しいときには、YESボタンを操作する。制御部21は、YESボタンの操作を検出すると(S10:Y、図7(E)参照)、ユーザBのIDを含む紛失確認メッセージを、選択された印刷ジョブの実行を指示したユーザCの連絡先に送信する(S13)。このとき、制御部21は、図7(F)に示すように、メッセージの送信が完了したことを通知するウインドウ205を表示パネル101に表示させる。
【0077】
一方、ユーザBは、自分のIDをメッセージに表示させないときには、NOボタンを操作する。制御部21は、NOボタンの操作を検出すると(S10:N、S11:Y)、ユーザBのIDを含まない紛失確認メッセージ(以下、単にメッセージと称する。)を、選択された印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先を宛先として送信する(S14)。
【0078】
また、表示されたIDが間違っていて変更する場合には、変更ボタンを操作する。制御部21は、変更ボタンの操作を検出すると(S11:N、S12:Y)、IDの入力画面(不図示)を表示する(S15:N)。制御部21は、ユーザIDを検出すると(S15:Y)、ステップS9以降の処理を再度行う。
【0079】
制御部21がメッセージを送信する宛先は、ユーザCのメールアドレス、またはそのユーザCが使用した端末(コンピュータ2−1〜2−N)の表示画面である。
【0080】
[メール]
制御部21は、ユーザCのメールアドレスにメッセージを送信する場合には、記憶部18から、印刷ジョブの実行を指示したユーザCが使用した端末(コンピュータ2−1〜2−N)の情報、このユーザCの連絡先の情報としてメールアドレスを読み出す。そして、制御部21は、メッセージとして以下に記載する内容を作成し、通信部20を介してメールを送信する。
【0081】
複合機1がメッセージをメールで送信した場合、メールを受信したユーザCの端末(モニタ画面250)には、例えば、図8に示したような内容(メール本文)が表示される。なお、本実施例では、図8(A)に示すメッセージは、複合機(MFP)1の制御部21がメール送信元として送信されるようにしている。
【0082】
図8(A)に示すように、ユーザBのID(図ではID1240)が表示された内容には、
1.排紙トレイ161から取り出した印刷物にユーザBの印刷物が混在している可能性があること、
2.ユーザBの識別番号(ID)、(IDに代えて名前であっても良い。)
3.ユーザBの印刷物が混在しているか否かを、回答してほしいこと、及びユーザBのメールアドレス、
4.ユーザBの印刷物が混在している場合には、上記ユーザBに直接、または排紙トレイ161に印刷物を返却してほしいこと、
を記載している。
【0083】
また、ユーザBのIDの表示がなくてもよい。この場合には、ユーザBの印刷物を排紙トレイ161に印刷物を返却してほしいことを通知するだけで良い。
【0084】
メールでメッセージを送信した場合、ユーザBは、自己が使用する端末(コンピュータ2−1〜2−N、または携帯電話61)により、メッセージに対するユーザCからの回答をメールで受信することができる。
【0085】
[ポップアップ形式]
制御部21は、ユーザCが使用した端末(コンピュータ2−1〜2−N)のモニタ画面300に紛失確認メッセージを送信する。紛失確認メッセージは、ポップアップ形式で表示させることができる。ポップアップ形式とは、ユーザCの端末にポップアップウインドウを表示させ、そのウインドウに紛失確認のメッセージを表示させる方式である。
【0086】
この方式でメッセージを表示させるには、各ユーザが使用する端末(例えば、コンピュータ2−1〜2−N、携帯電話61)に、メッセージの送受信と表示を行う専用ソフト(メッセンジャーソフト)を予めインストールしておく必要がある。複合機1は、コンピュータ2−1〜2−Nのいずれかが送信先に設定されると、記憶部18から送信先のIPアドレスを読み出し、このIPアドレスにメッセージデータを送信する。なお、このメッセージデータには、管理番号が付与されている。
【0087】
各コンピュータは、複合機1からメッセージデータを受信すると、モニタ画面300にポップアップウインドウ301を表示する。このポップアップウインドウ301に、受信したメッセージが表示させる。
【0088】
図8(B)は、ポップアップウインドウの例である。このウインドウ301には、メールの場合と同様の内容が表示される。
【0089】
また、モニタ画面300には、このウインドウ301の他に、印刷物の混在の確認結果を回答する2つのボタン(はいボタン303と、いいえボタン304)を含むポップアップウインドウ302も表示されている。制御部21は、ユーザCにより2つのボタン303,304の一方が操作されたことを検出すると、複合機1に印刷物の持ち去り(混在)の確認結果と、前記の管理番号と、を送信する。
【0090】
メッセージを受信したユーザCは、メッセージの内容に基づいて排紙トレイ161から取り出した印刷物を確認する。ユーザBの印刷物が混在していた場合には、排紙トレイ161に印刷物を返却することができる。また、ポップアップウインドウにユーザのID番号が記載されているときには、このID番号に基づいて特定したユーザBに印刷物を返却することができる。
【0091】
複合機1では、通信部20がメッセンジャーソフトを用いて送信したメッセージに対するユーザCからの回答を受信すると、制御部21は表示パネル101に確認結果を表示させる。メッセージに対する回答には、紛失した印刷ジョブをユーザCが持ち去ったか否かの回答が記載されている。ユーザBは、紛失確認のメッセージの送信後しばらくしてから、ジョブ履歴画面201により、ユーザC中の誰かが紛失した印刷物を持ち去ったか否かを確認できる。
【0092】
制御部21は、上記のように回答を受信すると、管理番号に基づいてどのメッセージに対する回答であるかを確認する。そして、制御部21は、ステップS13、S15において確認または入力されたIDのユーザBが使用するコンピュータに、メッセンジャーソフトまたはメールを用いて、受信した回答の内容をメッセージとして送信する。ユーザBは、受信したメッセージを確認することで、複合機1の設置場所に移動することなく、メッセージに対する回答を確認できる。
【0093】
メッセージに対する回答を確認したユーザBは、回答の内容に応じた対応をすることができる。例えば、回答の内容が紛失した印刷物を持ち去ったことを認めるものである場合には、その回答を送信したユーザA(ユーザC中の印刷物を事実持ち去ったユーザ)のところに行って印刷物を返却してもらうことができる。また、メッセージを送信したユーザCのいずれも印刷物を持ち去っていないときには、ユーザBが操作部11(タッチパネル118)を操作して、さらに別のユーザに対して紛失確認のメッセージを送信することができる。
【0094】
別の実施例として、複合機1では、ユーザBがメッセージを送信する印刷ジョブを選択したときに、その選択した印刷ジョブ中に、後述の特定の印刷ジョブが選択されていない場合には、この特定の印刷ジョブも自動的に選択してメッセージを送信するように設定できる。特定のジョブとしては、例えば、ユーザBの印刷ジョブ(印刷物が紛失した印刷ジョブ)の直前と直後に実行された他のユーザの印刷ジョブである。この他のユーザの印刷ジョブもユーザCの印刷ジョブとみなして上記と同様の処理をする。特定のジョブには、持ち去りの可能性のある様々なパターンがあり、これを予め設定しておくことができる。変形例として、ユーザBによる印刷ジョブの選択が所定時間内になかった場合に、自動的に前記特定のジョブのユーザをユーザCとみなすように制御することが可能である。また、ユーザBは、メッセージを送信する印刷ジョブを選択した直後に、特定のジョブのユーザに対してもメッセージの送信確認を行うことも可能である。
【0095】
また、印刷物を持ち去ったユーザA(ユーザC中のユーザ)は、複合機1の排紙部16に印刷物を返却したときに、操作部11の返却済みボタン115を操作するとよい。複合機1の制御部21は、返却済みボタン115の操作を検出すると、ユーザBの連絡先の情報を記憶部18から読み出す。そして、制御部21は、このユーザBの連絡先を宛先として、メールまたはメッセンジャーソフトにより、紛失した印刷物が返却されたことを通知する。
【0096】
この通知を受信したユーザBは、複合機1の設置場所に移動し、排紙部16を確認することで、紛失した印刷物を取得できる。
【0097】
また、別の実施例として、制御部21は、返却済みボタン115の操作を検出すると、ユーザBに対して、メールまたはメッセンジャーソフトにより、再度メッセージを送信するようにしてもよい。再度メッセージを送信する際には、紛失した印刷物が排紙部16に返却されたことを伝えるとよい。
【0098】
また、別の実施例として、複合機1では、排紙トレイ161に複数の印刷ジョブによる印刷物が蓄積されている場合に、履歴画面に表示する印刷ジョブを限定することが可能である。印刷ジョブを限定するには、ステップS1において、ジョブ履歴ボタン113を操作せずに、紛失確認ボタン114を操作すればよい。印刷ジョブの限定には、排紙トレイ161における印刷物の蓄積の有無を検出しているセンサ171が使用される。
【0099】
まず、制御部21は、紛失確認ボタン114の操作を検出すると(S1:N、S16:Y)、記憶部18から過去に行った印刷ジョブのデータを読み出して、表示部10の表示パネル101に図6に示したジョブ履歴画面201を表示させる(S17)。ジョブ履歴画面には、これまで実行された印刷ジョブが表示されているため、この中から表示されるものを限定することになる。
【0100】
ユーザBは、タッチパネル118をタッチして、ジョブ履歴画面201から、排紙トレイ161から印刷物が紛失した印刷ジョブを選択する。
【0101】
制御部21は、ユーザBによりタッチパネル118がタッチされて印刷物が紛失した印刷ジョブの選択を受け付けたことを検出すると(S18:Y)、この印刷ジョブによって得られた紛失印刷物の前後に排紙部16に蓄積された印刷物に対応する印刷ジョブを、センサ171の出力に基づいて記憶部18から抽出して表示する(S19)。この抽出した印刷ジョブが上記限定されたものとなる。このように限定できるのは、紛失印刷物と一緒に蓄積されていた印刷物に係る印刷ジョブのみが紛失に関係すると考えられるからである。
【0102】
図9に例を示す。同図では、印刷ジョブ5がユーザBにより実行されたものであって、同印刷ジョブによる印刷物が紛失した。そこで、この紛失した印刷物と一緒に蓄積されている印刷物は、印刷ジョブ3〜印刷ジョブ6までということがセンサ171の出力から検出できる。印刷ジョブ1、2については、それぞれの印刷物が持ち出されたことがセンサ171の出力(11:00にセンサ出力はオフしている)からわかる。したがって、印刷ジョブ3、4、6に係るいずれかのユーザが紛失印刷物を持ち出したと思われる。そこで、この印刷ジョブ3、4、6を限定した印刷ジョブとして表示する(S19)。
【0103】
また、別の実施例として、制御部21は、記憶部が記憶する各印刷ジョブの履歴の中から、紛失印刷ジョブの印刷条件を満たすものを抽出して、抽出した印刷ジョブを第2表示内容として表示パネル101に表示させることも可能である。
【0104】
紛失印刷ジョブの印刷条件としては、例えば、以下のようなものがある。
【0105】
1.紛失印刷ジョブの印刷条件が印刷物を複数枚としている場合、印刷物が1枚だけである印刷ジョブは、除外する。
【0106】
ユーザBが印刷物を1枚だけ印刷したときに、他のユーザは、排紙トレイ161から他の印刷物とともに印刷物を2枚以上取り出すとは考えにくい。そこで、このような印刷ジョブは、除外する。
【0107】
2.紛失印刷ジョブの印刷条件中の用紙サイズ未満である印刷ジョブを、除外する。
【0108】
ユーザBが指定した用紙サイズよりも大きな印刷物を、他のユーザは、排紙トレイ161から取り出すとは考えにくい。例えば、ユーザがB5サイズの印刷物を生成させたときには、他のユーザは、A4サイズやB4サイズの印刷物をいっしょに取り出すとは考えにくい。そこで、このような印刷ジョブは、除外する。
【0109】
3.紛失印刷ジョブの印刷条件中の用紙サイズ以下である印刷ジョブを抽出する。
【0110】
ユーザBが指定した用紙サイズ以下の印刷物を、他のユーザは、排紙トレイ161から取り出す可能性は高いと考えられる。例えば、ユーザがA4サイズの印刷物を生成させたときには、他のユーザは、A4サイズやB5サイズの印刷物をいっしょに取り出すことは考えられる。そこで、このような印刷ジョブは抽出しておく。
【0111】
本実施形態でいう紛失印刷ジョブの印刷条件中とは、紛失印刷ジョブの印刷時のタイミング条件も含むのとする。そこで、次の4、5も印刷条件とする。
【0112】
4.紛失印刷ジョブの印刷物生成タイミングが、印刷物が紛失した印刷ジョブの直前または直後である印刷ジョブを抽出する。
【0113】
紛失印刷物の直前または直後に蓄積された印刷物を他のユーザが排紙部16から取り出すときには、誤って紛失印刷物も取り出す可能性があると考えられる。そこで、このような印刷ジョブは抽出しておく。
【0114】
5.紛失印刷物の印刷ジョブ(ユーザB)が、別の同じユーザ(ユーザC)による別の2つの印刷ジョブの間に実行された場合、これら2つの印刷ジョブを抽出しておく。
【0115】
ユーザCが2つの印刷ジョブの実行を連続して、または所定の間隔で指示した場合、タイミングによっては、ユーザBの印刷ジョブが間に挟まれることがある。このような場合、ユーザCは2つの印刷物の間にユーザBの印刷物が挟まっていることを知らずに、排紙トレイ161から取り出すことが考えられる。そこで、このような印刷ジョブは抽出しておく。
【0116】
制御部21は、上記のようにして予め設定された条件に基づいて印刷ジョブを抽出すると、抽出した印刷ジョブをジョブ履歴画面201に表示する(S2)。そして、ステップS3以降の処理を行う。
【0117】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0118】
ユーザBは、複合機1の排紙トレイ161から自分の印刷物が紛失していることに気付いたときには、以下に説明するように、他の印刷ジョブに順位を付与して表示させることができる。
【0119】
まず、ユーザBは、図4に示すパネルユニット9の順位付けボタン116を操作する。図10に示すように、制御部21は、順位付けボタン116の操作を検出すると(S21:Y)、記憶部18からデータを読み出して、表示パネル101に図6に示したジョブ履歴画面201を表示させる(S22、S23:N)。
【0120】
ユーザBは、タッチパネル118をタッチして、図6に示したジョブ履歴画面201に表示された印刷ジョブの中から、紛失印刷ジョブを選択する。
【0121】
制御部21は、ユーザBによる紛失印刷ジョブの選択を受け付けたことを検出すると(S23:Y)、この紛失印刷ジョブの印刷条件に基づいて順位付けを行うかを確認する画面を表示する(S24)。制御部21は、ユーザBにより順位付け開始の指示を受け付けたことを検出すると(S24:Y)、過去に行った印刷ジョブの情報を記憶部18から読み出して、読み出した印刷ジョブについて以下のようにして順位を付与(順位付け)して、表示パネル101に表示させる。制御部21は、例えば、印刷ジョブについて、付与した順位の高い方から降順に表示パネル101に表示させる。
【0122】
紛失印刷ジョブの印刷条件としては、第1実施形態で説明した、5つの印刷条件を用いるとよい。本実施形態では、第1実施形態において紛失印刷ジョブの印刷条件に該当した結果、「除外する」としているのを、これに代えて「他の印刷ジョブよりも低く順位付けする」ものとする。また、第1実施形態において紛失印刷ジョブの印刷条件に該当した結果、「抽出する」としているのを、これに代えて「他の印刷ジョブよりも高く順位付けする」ものとする。
【0123】
すなわち、
1.紛失印刷ジョブの印刷条件が印刷物を複数枚としている場合、印刷物が1枚だけである印刷ジョブを、他の印刷ジョブよりも低く順位付けする。
【0124】
2.紛失印刷ジョブの印刷条件中の用紙サイズ未満である印刷ジョブを、他の印刷ジョブよりも低く順位付けする。
【0125】
3.紛失印刷ジョブの印刷条件中の用紙サイズ以下である印刷ジョブを、他の印刷ジョブよりも高く順位付けする。
【0126】
4.紛失印刷ジョブの印刷物生成タイミングが、印刷物が紛失した印刷ジョブの直前または直後である印刷ジョブを、他の印刷ジョブよりも高く順位付けする。
【0127】
5.紛失印刷物の印刷ジョブ(ユーザB)が、別の同じユーザ(ユーザC)による別の2つの印刷ジョブの間に実行された場合、これら2つの印刷ジョブを他の印刷ジョブよりも高く順位付けする。
【0128】
また、印刷ジョブに順位を付与するための条件としては、印刷ジョブの種類を用いることも可能である。例えば、印刷ジョブがコピーの場合、印刷枚数が少ないと、コピーを行ったユーザは、その場所を離れずにコピーが完了すると印刷物をすぐに排紙トレイ161から取り出すので、印刷物を持ち去る可能性が低いと考えられる。そこで、印刷ジョブがコピーで印刷枚数が所定枚数(例えば5枚)以下の場合、プリントやファックスよりも低い順位にする。
【0129】
このように、印刷ジョブの順位付けを、上記のような複数の条件に基づいて行う場合には、図11に示すように、各条件について重み付けをしておくとよい。そして、各印刷ジョブについて、この重み付けした内容に基づいて、順位を付与するとよい。
【0130】
例えば、順位付けするある印刷ジョブが、紛失印刷ジョブの直前に行われたもの(重み5)で、かつ、紛失した印刷物よりも用紙サイズが大きい場合(重み10)には、重みを15にする。また、順位付けする別の印刷ジョブが、紛失印刷ジョブの直後に行われたもの(重み5)で、かつ、紛失した印刷物よりも用紙サイズが小さい場合(重み1)には、重みを6にする。制御部21は、このようにして印刷ジョブについて重み付けを行い、重みの重い順(降順)に表示パネル101に表示させる。
【0131】
なお、図11において、順位付けがONになっているものは、印刷ジョブの順位付けを行うときに、条件として使用しているものを示す。一方、順位付けがOFFになっているものは、印刷ジョブの順位付けを行うときに、条件して使用していないものを示す。条件して使用するか否かは、ユーザBが予め操作部11を操作して選択することができる。
【0132】
上記の各条件は、記憶部18が記憶しており、制御部21は記憶部18から条件を読み出して、印刷ジョブに順位を付与する。
【0133】
このように、抽出した印刷ジョブに対して順位付けすることで、ユーザBは、紛失印刷物が混在している可能性がある印刷ジョブを選択して、この印刷ジョブの実行を指示したユーザCに対して紛失確認のメッセージを送ることができる。
【0134】
なお、複合機1では、印刷ジョブに対して順位を付与する前に、図9に基づいて説明したように、排紙トレイ161における印刷物の有無をセンサ171により検出した結果を用いて、印刷ジョブを限定するように設定することも可能である。これにより、順位付けする印刷ジョブ数を削減できるので、順位付けの処理を短時間で行うことができる。
【0135】
図10に示すように、制御部21は、印刷ジョブの順位付けを完了すると(S25)、図6に示したジョブ履歴画面201において、付与した順位の高い方から降順に表示パネル101に表示させる(S2)。そして、制御部21は、印刷ジョブが選択されるのを待ち受ける(S3:N)。
【0136】
このように、印刷ジョブに対して順位を付与して表示することで、ユーザBは、メッセージを送信するために印刷ジョブを選択する際に、選択を容易に行うことができる。
【0137】
制御部21は、タッチパネル118がタッチされて印刷ジョブが選択されたことを検出すると(S3:Y)、選択された印刷ジョブの背景色を変更する(S4)。以下、制御部21は、図5に基づいて説明した第1実施形態と同様に各処理を行い、排紙トレイ161から印刷物が正しく取り出されたか否かを確認するメッセージをユーザCに送信する。
【0138】
また、制御部21は、メッセージをメールまたはメッセンジャーソフトにより受信したときには、第1実施形態と同様の処理を行い、ユーザCの連絡先を宛先として、所定のメッセージを送信する。
【0139】
複合機1では、制御部21がステップS25において、印刷ジョブの順位付けを行った後に、上位の印刷ジョブ(例えば、上位3つの印刷ジョブ)の実行を指示したユーザCに対して、自動的にメッセージを送信するように設定しておくことが可能である。これにより、印刷物が紛失したときに、ユーザBの確認作業を簡略化できる。
【0140】
なお、ステップS3において、ユーザBは、ジョブ履歴画面201に表示された印刷ジョブの数が少ないときなどには、印刷ジョブの選択を行わずに、ジョブ履歴画面201に表示されたユーザIDなどの印刷ジョブの情報に基づいて、そのユーザIDのユーザを全てユーザCとみなし、同ユーザCに直接確認することも可能である。この場合には、クリアボタンを操作することで、ジョブ履歴画面201からデフォルトの画面に変更することができる。
【0141】
以上のように、複合機1では、複数のユーザの印刷ジョブが排紙トレイ161に蓄積されたときに、印刷物の紛失が発生しても、印刷物を紛失したユーザBは、排紙トレイ161からユーザBの印刷物を取り出した疑いがあるユーザCへの確認作業が容易である。また、複合機1では、従来の画像形成装置のように、カバー付きボックスを設ける必要がないので、装置が大型化することがなく、複合機1の設置面積を抑制することができる。
【符号の説明】
【0142】
1…複合機(画像形成装置) 2−1〜2−N,3…コンピュータ4…インターネットファックス装置 5…ファックス装置 6…LAN7…インターネット網 8…公衆電話回線網 9…パネルユニット 10…表示部 11…操作部12…原稿搬送部 14…画像形成部 14…画像処理部 15…給紙部 16…排紙部17…検出部 18…記憶部19…画像処理部 20…通信部 21…制御部 61…携帯電話 100…画像形成システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザから指令された各印刷ジョブを実行して、各印刷ジョブの印刷物を生成する画像形成部と、
前記画像形成部が生成した各印刷物を順に蓄積し、蓄積した印刷物が取り出し自在である排紙部と、
前記画像形成部が実行した各印刷ジョブと、ネットワークを介して接続され前記各印刷ジョブの実行を指示した端末の情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶する各印刷ジョブの履歴を第1表示内容として表示する表示部と、
前記表示部に表示された各印刷ジョブの履歴から、任意の印刷ジョブの選択を受け付ける操作部と、
前記操作部が選択を受け付けた前記任意の印刷ジョブに対応する端末の情報を前記記憶部から読み出して、その端末を使用して前記任意の印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先を宛先として、所定のメッセージを送信する制御部と、
を備えた、画像形成装置。
【請求項2】
前記メッセージは、前記排紙部から印刷物が正しく取り出されたか否かを確認する第1メッセージを含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記メッセージは、前記印刷物が正しく取り出されていない場合に、その印刷物を返却することを要請する第2メッセージをさらに含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2メッセージは、前記印刷物が正しく取り出されていない場合に、その印刷物を前記排紙部に返却することを要請するメッセージである、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記メッセージは、ユーザ識別情報を記載した第3メーセージをさらに含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記メッセージは、前記宛先に印刷物が返却されたことを表す第4メッセージを含み、
前記操作部は、前記第1メッセージの送信後に、前記印刷物が前記排紙部に返却されたことを表す返却確認情報が入力される機能を備え、
前記制御部は、前記操作部において返却確認情報が入力されると、前記宛先に前記第4メッセージを送信する、請求項2乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示部は、
前記制御部が、前記第1メッセージの送信後に、この第1メッセージに対する回答を受信すると、この回答を表示する、請求項2乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷ジョブは、複数の印刷ジョブである、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記記憶部が記憶する各印刷ジョブの履歴の中から、前記操作部により選択され前記排紙部から印刷物が紛失した紛失印刷ジョブの印刷条件を満たすものを抽出して第2表示内容としてさらに表示する、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記排紙部における各印刷物の蓄積の有無を検出する検出部を備え、
前記表示部は、
前記操作部が、前記紛失印刷ジョブの選択を受け付けると、
前記紛失印刷ジョブによって得られた紛失印刷物の前後に前記排紙部に蓄積された印刷物に対応する印刷ジョブを、前記検出部の出力に基づいて記憶部から抽出して表示する、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記宛先は、ユーザのメールアドレスである、請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記宛先は、ユーザが使用した端末の表示画面である、請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
複数のユーザから指令された各印刷ジョブを実行して、各印刷ジョブの印刷物を生成する画像形成部と、
前記画像形成部が生成した各印刷物を順に蓄積し、蓄積した印刷物が取り出し自在である排紙部と、
前記画像形成部が実行した各印刷ジョブと、ネットワークを介して接続され前記各印刷ジョブの実行を指示した端末の情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶する各印刷ジョブの履歴を第1表示内容として表示する表示部と、
前記表示部に表示された各印刷ジョブの履歴から、任意の印刷ジョブの選択を受け付ける操作部と、
前記操作部が選択を受け付けた前記任意の印刷ジョブに対応する端末の情報を前記記憶部から読み出して、その端末を使用して前記任意の印刷ジョブの実行を指示したユーザの連絡先を宛先として、所定のメッセージを送信する制御部と、
を備えた、画像形成装置。
【請求項2】
前記メッセージは、前記排紙部から印刷物が正しく取り出されたか否かを確認する第1メッセージを含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記メッセージは、前記印刷物が正しく取り出されていない場合に、その印刷物を返却することを要請する第2メッセージをさらに含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2メッセージは、前記印刷物が正しく取り出されていない場合に、その印刷物を前記排紙部に返却することを要請するメッセージである、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記メッセージは、ユーザ識別情報を記載した第3メーセージをさらに含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記メッセージは、前記宛先に印刷物が返却されたことを表す第4メッセージを含み、
前記操作部は、前記第1メッセージの送信後に、前記印刷物が前記排紙部に返却されたことを表す返却確認情報が入力される機能を備え、
前記制御部は、前記操作部において返却確認情報が入力されると、前記宛先に前記第4メッセージを送信する、請求項2乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示部は、
前記制御部が、前記第1メッセージの送信後に、この第1メッセージに対する回答を受信すると、この回答を表示する、請求項2乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷ジョブは、複数の印刷ジョブである、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記記憶部が記憶する各印刷ジョブの履歴の中から、前記操作部により選択され前記排紙部から印刷物が紛失した紛失印刷ジョブの印刷条件を満たすものを抽出して第2表示内容としてさらに表示する、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記排紙部における各印刷物の蓄積の有無を検出する検出部を備え、
前記表示部は、
前記操作部が、前記紛失印刷ジョブの選択を受け付けると、
前記紛失印刷ジョブによって得られた紛失印刷物の前後に前記排紙部に蓄積された印刷物に対応する印刷ジョブを、前記検出部の出力に基づいて記憶部から抽出して表示する、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記宛先は、ユーザのメールアドレスである、請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記宛先は、ユーザが使用した端末の表示画面である、請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図7】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図7】
【公開番号】特開2013−95062(P2013−95062A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240309(P2011−240309)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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